フィルタ、通信モジュール、および通信装置
【課題】
複数の共振器から構成される弾性波フィルタの小型化に伴い、弾性フィルタ内の配線パターンが隣接し不要な電磁結合が生じ、弾性波フィルタの特性劣化が生じるのを抑制する。
【解決手段】
基板上に配置された弾性波を利用するSAWやFBAR等の複数の共振器の間や、これら複数の共振器とグランド端子との間、共振器と入力端子との間や共振器と出力端子との間に配置された複数の配線パターンに沿って、これら配線パターンと隣接し、対向し、好ましくは配線パターン幅よりも広い幅を有するシールド電極を配置し、弾性波フィルタの小型化に伴う、弾性フィルタ内の配線パターン間の不要な電磁結合を抑制し、弾性波フィルタの特性劣化を防止する。
複数の共振器から構成される弾性波フィルタの小型化に伴い、弾性フィルタ内の配線パターンが隣接し不要な電磁結合が生じ、弾性波フィルタの特性劣化が生じるのを抑制する。
【解決手段】
基板上に配置された弾性波を利用するSAWやFBAR等の複数の共振器の間や、これら複数の共振器とグランド端子との間、共振器と入力端子との間や共振器と出力端子との間に配置された複数の配線パターンに沿って、これら配線パターンと隣接し、対向し、好ましくは配線パターン幅よりも広い幅を有するシールド電極を配置し、弾性波フィルタの小型化に伴う、弾性フィルタ内の配線パターン間の不要な電磁結合を抑制し、弾性波フィルタの特性劣化を防止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフィルタ、およびそのフィルタを使用した通信モジュール、および通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話に代表される無線通信機器では、通信に使用する周波数帯域を複数使用するマルチバンド化や各種の機能を備えたシステム化が進み、1台の電話機に複数の無線装置が搭載されるようになっている。しかしながら、携帯電話機自体は小型/薄型化が継続して要求されており、その中に搭載される部品の小型/薄型化が強く要望されている状況である。
【0003】
また、機器の低コスト化に対する要求も強く、そのために、複数の搭載部品を1つにモジュール化することで、小型化とともに実装コストを低減させることが多くなっている。
【0004】
無線通信機器の搭載部品のうち、弾性波フィルタやそれを用いた分波器は、半導体部品と製造工程が大きく異なるために、同一基板に集積することが困難である。そのために、弾性波フィルタや分波器は、半導体部品とは別に実装されてきた。しかしながら、近年のマルチバンド化のためには、1台の携帯電話に各周波数帯に応じた複数の弾性波フィルタや分波器を備える必要がある。小型、軽量化の要望に応えるために、これら複数の弾性波フィルタや分波器をそれぞれ1つにまとめてモジュール化が必要で、これらのモジュール自体の更なる小型/薄型化も要求されている。
このような要望に応えるために、弾性波フィルタやそれを用いた分波器を複数搭載したモジュールの開発が活発となっている。モジュールを小型化するためには、個々の弾性波フィルタや分波器を出来るだけ近接配置してモジュール基板に搭載する必要があり、分波器間の配線同士も近接して配置する必要がある。さらには、弾性波フィルタや、分波器自体も小型化が必要となるため、弾性波フィルタ素子内の振動子間の配線や弾性波フィルタ間の配線同士も近接して配置されることが多くなる。このような構造は、弾性波フィルタ内の配線間での不要な電磁結合を増加させたり、モジュール基板内の配線同士の不要な電磁結合を増加させ、いずれも弾性波フィルタの抑圧を劣化させたり、分波器のアイソレーションを劣化させるという問題が発生してしまっていた。
この弾性波フィルタの小型化に伴う問題点として、弾性波フィルタの通過帯域の周波数特性におけるリップルが発生し挿入損失が劣化することが知られており、それを防止するための構成が、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−28826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明では、モジュール用弾性波フィルタ素子内の配線同士の不要な電磁結合を抑制することを課題とし、小型で良好な抑圧特性、アイソレーション性能を有する弾性波フィルタを実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態においては、基板と、前記基板上に配置された弾性波を利用する複数の共振器と、前記基板上に配置されたグランド端子部と、前記複数の共振器の間および
前記共振器と前記グランド端子部間とを接続する前記基板上に配置された複数の配線パターンと、前記配線パターンに隣接して対向するように配置されたシールド電極とを有する弾性波フィルタが構成される。このように、配線パターンに隣接してシールド電極を設けるので、共振器を隣接して配置しても配線パターン間の配線間の電気的結合が抑制される。
また、シールド電極は、グランド端子に接続されていない配線部にのみに対面し、かつ、グランド端子に接続されていない配線部に沿うように形成されていることが望ましい。
また、シールド電極は、グランドに接続されていることが望ましく、弾性波フィルタをモジュール素子として実装するモジュール基板内で、弾性波フィルタの配線のグランド端子と接続されているか、または、弾性波フィルタの配線のグランド端子と弾性波フィルタ素子上で接続されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、以上、本発明を用いることで、弾性波フィルタ素子の配線に対面し、かつ、配線に沿うようにシールド電極を設け、該シールド電極をグランドにすることで、弾性波フィルタのアイソレーションを向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1に係る弾性波フィルタの回路構成を示す図
【図2】実施例1に係る弾性波フィルタの回路構成を示す図
【図3】実施例1に係る弾性波フィルタの一部断面を示す図
【図4】実施例1に係る弾性波フィルタの矢視図
【図5】実施例1に係る弾性波フィルタの矢視図
【図6】シールド電極の形状を示す図
【図7】実施例1に係る弾性波フィルタの一部断面を示す図
【図8】実施例1に係る弾性波フィルタと従来の弾性波フィルタとの特性を示す図
【図9】配線パターンとシールド電極間に誘電体層を設ける場合の製造工程を示す図
【図10】配線パターンとシールド電極間に空隙を設ける場合の製造工程を示す図
【図11】実施例1の弾性波フィルタを備えた実施例2のデュープレクサの構成を示す図
【図12】実施例1の弾性波フィルタまたは実施例2のデュープレクサを備えた実施例3の通信装置の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
上記した課題を解決するために、我々は弾性波フィルタのパッケージおよび弾性波フィルタを実装するモジュール基板の層構成を変更することでモジュール内の不要な電磁界結合を抑制している。しかしながら、小型化を進めていくと、さらに、弾性波フィルタ内の電磁界結合も抑制する必要があり、この弾性波フィルタ内の電磁界結合を抑制する構成を着想し、発明するに至った。
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
本発明の実施形態を説明する。実施例1に使用する弾性波フィルタ10の回路構成を図1に示す。この弾性波フィルタ10は、直列に接続された共振器S11乃至S15と並列に接続されたP21乃至P23から構成されるバンドパスフィルタを例にしている。このフィルタに使用する各共振器は、表面弾性波(Surface Acoustic Wave)素子であっても良いが、以下の説明では圧電薄膜共振子(Film Bulk Acoustic Resonator:FBAR)を使用した場合について説明する。これら各共振器はシリコン基板(後述)上に形成されており、各共振器はルテニウム(Ru)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、または(Ir)等を使用した配線パタ
ーン31a乃至37aによって、電気的に図1に示す様に接続されている。なお、FBARの圧電体に電界を印加するための電極は、上部電極、下部電極と称し、配線パターンとは区別するが、上部電極、下部電極材は、配線パターンに使用するものと同じ材料を使用することが好ましい。
【0012】
図2は、図1に示した弾性波フィルタ10の各共振器間の各配線パターン31a乃至37aに沿うように、所定距離だけ離してシールド電極31b乃至37bを配置した回路構成を示す図である。シールド電極の幅は、対向する配線パターンの幅よりも広いことが好ましい。図示するように、各電極31b乃至37bは接地されている。各配線パターンと電極との紙面に垂直な方向の位置関係を、図2中に示したAAに沿った断面を例に図3に示す。図示する様に、基板40上に配線パターン37aが形成されており、所定距離だけ離し、シールド電極37bが配置されている。
【0013】
なお、配線パターン37a等と対向するシールド電極37b等の間は空隙のままでも良いが、機械的に安定化させるために、誘電体を充填した構造でも良い。これらシールド電極の形成方法に付いては、後述する。
【0014】
次に、図1に示した弾性波フィルタ10を形成した詳細図を図4に示し、弾性波フィルタ10の配線パターン上にシールド電極31b等を配置した詳細図を図5に示し、シールド電極の構造を明瞭に示すために、シールド電極30のみの形状を図6に示し、シールド電極、共振器および基板の断面形状を図7に示す。図5、図6には、本実施例を簡潔に示すために、弾性波フィルタ10(弾性波フィルタ20)を1個のみ示したが、複数のフィルタを構成しても良い。
【0015】
図4は、本実施例に係る弾性波フィルタ20の斜視図である。各配線パターン31a乃至37aの各々は各共振器S11乃至S15およびP21乃至P23の上部電極または下部電極と一体となって形成されている。また、図1に示した入力端子13、出力端子12は各々配線パターン31a、36aと一体となって形成されている。
【0016】
図5は、シールド電極30を図4に示した弾性波フィルタ10上に配置した構成を示す斜視図である。シールド電極は図2において、シールド電極31b乃至37bで示したが、実際には、図5に示す様に、各シールド電極31b乃至37bは一体としたシールド電極30として形成するのが好ましい。このシールド電極30は、各共振器間の配線パターンを覆うと伴に、各共振器上には開口部を設けた構造となっている。このように一体化したシールド電極30では、本実施例ではG1、G2、G3、G4の4箇所をグランド端子として設けているが、必ずしも、この配置、個数には限定されない。
【0017】
図6はシールド電極30の構造を分かり易く示すために、平面部のみを斜視図として示したものであり、グランド端子のための折り返し部分は省略して示したものである。
【0018】
なお、このシールド電極材としては、上部電極、下部電極材と同じものが使用できる。
【0019】
次に、図5中に矢印BBで示した矢視図を図7に示す。FBAR型の共振器S11の上部電極31Cは配線パターン31aと一体として形成され、下部電極32cは配線パターン32aと一体として形成され、この下部電極32cの下部の基板40には空隙42が設けられ、共振器のQ値を向上させている。なお、この空隙は、必ずしも基板に設ける必要は無く、下部電極下に音響インピーダンスの小さなものがあれば良く、共振器S11を基板40から遠ざかる方向に湾曲させて湾曲部の空隙を利用した構造でも良い。配線パターン31a、32a上には各々シールド電極31bおよび32bが所定の間隔だけ離れて配置されており、FBAR型の共振器S11上には、開口部31dが位置している。
【0020】
尚、シールド電極幅は、配線パターン幅よりも広いと配線パターン間の電磁結合などの抑圧により効果があり好ましい。
【0021】
また、配線パターンとシールド電極間は、空隙または誘電体層または空隙と誘電体層とが混在していても良く。
【0022】
更に、シールド電極は配線パターンの内、グランド端子に接続されていない配線パターンに隣接して対向するように配置するように構成しても良い。
【0023】
シールド電極は複数の共振器の内、グランド端子と接続される共振器の電極と接続するように構成しても良い。
【0024】
次に本実施例に基づく弾性波フィルタの特性について述べる。弾性波フィルタ10は、シールド電極を設けていないので従来構造の弾性波フィルタに相当し、シールド電極30を有する弾性波フィルタ20との特性を比較した。この両フィルタの特性は、シミュレーションによって求めたものである。シミュレーション条件は、以下の手順で行った。
【0025】
1.フィルタの各共振器の特性は、モードモード結合理論を用いて計算した。
【0026】
2.配線パターンおよびシールド電極を含めた全体の特性は3次元の電磁界解析ソフトを用いて計算した。
【0027】
3.フィルタの通過帯域は、BAND1の受信フィルタ(受信帯域:2110−2170MHz)である。
【0028】
4.弾性波フィルタ20の配線パターンとシールド電極間の距離は15μmとし、弾性波フィルタ10には、シールド電極を設けていないので、シミュレーション上は、シールド電極が無い場合に相当する100μmとした。
上記の条件の下に、計算した各弾性波フィルタの通過特性を計算した結果を図8に示す。図8の横軸は周波数であり、縦軸は減衰量を示す。実線が本実施例に係る弾性波フィルタ20の通過帯域特性で、点線が従来構造の弾性波フィルタ10に係る特性である。
この図8の特性結果から分かるように、本実施例の弾性波フィルタ20は、通過帯域両側での抑圧比が改善されており、特に低域側2070MH付近で大きな減衰のピークがあり、抑圧が約20数dBと大幅に改善している。
【0029】
次に、本実施例の弾性波フィルタ20の製造方法について、図9および図10を参照して説明する。図9および図10は、弾性波フィルタの一部分を示すもので、図9は配線パターンとシールド電極間に誘電体層を設けた場合の製造工程を示す図で、図10は配線パターンとシールド電極間を空隙にした場合の製造工程を示す。
【0030】
図9において、本発明の弾性波フィルタのシールド電極の製造方法を説明する。なお、弾性波フィルタの共振器および配線に関しては、既存の手法であらかじめ形成されているとする。
【0031】
図9(A)において、配線パターン50(配線パターン31a等に代え、以下配線パターンの符号を50とする。)が基板40上に既知の手法で形成されている。この配線パターン50上に誘電体で絶縁層を形成する。誘電体層は、数μm以上の厚さが望ましいので、感光性ポリイミド51の塗布およびパターニング後の焼成により形成する(図9(B))。その後、シールド電極をリフトオフプロセスで形成するが、図9(C)に示すように
、レジスト52をパターニングし、シールド電極に相当する箇所が開口したパターンを形成する。その後、図9(D)に示すように、真空蒸着などの方法で開口部に電極53を形成する。最後に、レジストを除去して、図9(E)に示す様にシールド電極54を形成する。
【0032】
図10において、本発明の弾性波フィルタのシールド電極と配線パターン間が空隙の場合の製造方法を説明する。なお、弾性波フィルタの共振器および配線に関しては、既存の手法であらかじめ形成されているとする。パターン配線とシールド電極の間隙は、誘電体よりも空隙の方が両電極間の容量が小さくなるため望ましい。但し、その場合、シールド電極を保持するための支柱が必要となる。
【0033】
図10(A)は配線パターン50が形成されている基板40の断面である。図10(B)に示すように、レジスト60のパターニングによりシールド電極を保持するための支柱パターン61を形成する。図中では、支柱パターン61の形状は円筒状または円錐台状である。次に、図10(C)に示すように、めっき用シード電極62をスパッタリングなどの手法で形成する。引き続いて、図10(D)に示すようにシールド電極64を形成するため、レジスト63で開口パターンを形成する。その後、図10(E)に示すように、めっきにより開口パターンの部分にシールド電極64となる金属を充電する。最後に、図10(F)に示すように、レジスト63を除去することでシールド電極64および支柱65を形成する。形成されたシールド電極は空中配線となるので、応力を考慮すると、シールド電極の主たる部分は、Cuめっきが望ましい。
【0034】
図11は、本発明の実施例2で実施例1の弾性波フィルタを備えた通信モジュールの一例を示す。図11に示すように、デュープレクサ72は、受信フィルタ72aと送信フィルタ72bとを備えている。また、受信フィルタ72aには、例えばバランス出力に対応した受信端子73a及び73bが接続されている。また、送信フィルタ72bは、パワーアンプ74を介して送信端子75に接続している。ここで、受信フィルタ72a及び送信フィルタ72bには、本実施の形態における弾性波フィルタが含まれている。
【0035】
受信動作を行う際、受信フィルタ72aは、アンテナ端子71を介して入力される受信信号のうち、所定の周波数帯域の信号のみを通過させ、受信端子73a及び73bから外部へ出力する。また、送信動作を行う際、送信フィルタ72bは、送信端子75から入力されてパワーアンプ74で増幅された送信信号のうち、所定の周波数帯域の信号のみを通過させ、アンテナ端子71から外部へ出力する。なお、図11に示す通信モジュールの構成は一例であり、他の形態の通信モジュールに本発明の弾性波フィルタを搭載しても、同様の効果が得られる。
【0036】
図12は、本実施の形態の実施例2の通信モジュールを備えた通信装置の一例として、携帯電話端末のRFブロックを示す。また、図12に示す構成は、GSM(GlobalSystem for Mobile Communications)通信方式及びW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)通信方式に対応した携帯電話端末の構成を示す。また、携帯電話端末は、図12に示す構成以外にマイクロホン、スピーカー、液晶ディスプレイなどを備えているが、本実施の形態における説明では不要であるため図示を省略した。ここで、受信フィルタ83a,87,88,89,90、および送信フィルタ83bには、実施例1における弾性波フィルタ、または実施例2の分波器が含まれている。
【0037】
まず、アンテナ81を介して入力される受信信号は、その通信方式がW−CDMAかGSMかによってアンテナスイッチ回路82で、動作の対象とするLSIを選択する。入力される受信信号がW−CDMA通信方式に対応している場合は、受信信号をデュープレク
サ83に出力するように切り換える。デュープレクサ83に入力される受信信号は、受信フィルタ83aで所定の周波数帯域に制限されて、バランス型の受信信号がローノイズアンプLNA84に出力される。LNA84は、入力される受信信号を増幅し、LSI86に出力する。LSI86では、入力される受信信号に基づいて音声信号への復調処理を行い、携帯電話端末内の各部を動作制御する。
【0038】
一方、信号を送信する場合は、LSI86は送信信号を生成する。生成された送信信号は、パワーアンプ85で増幅されて送信フィルタ83bに入力される。送信フィルタ83bは、入力される送信信号のうち所定の周波数帯域の信号のみを通過させる。送信フィルタ83bから出力される送信信号は、アンテナスイッチ回路82を介してアンテナ81から外部に出力される。
【0039】
また、入力される受信信号がGSM通信方式に対応した信号である場合は、アンテナスイッチ回路82は、周波数帯域に応じて受信フィルタ87〜90のうちいずれか一つを選択し、受信信号を出力する。受信フィルタ87〜90のうちいずれか一つで帯域制限された受信信号は、LSI93に入力される。LSI93は、入力される受信信号に基づいて音声信号への復調処理を行い、携帯電話端末内の各部を動作制御する。一方、信号を送信する場合は、LSI93は送信信号を生成する。生成された送信信号は、パワーアンプ91または92で増幅されて、アンテナスイッチ回路82を介してアンテナ91から外部に出力される。
【符号の説明】
【0040】
10: 弾性波フィルタ
31a−37a: 配線パターン
20: 弾性波フィルタ
31b−37b: シールド電極
30: シールド電極
40: 基板
72: デュープレクサ
83: デュープレクサ
83b: 送信フィルタ
87−90: 受診フィルタ
S11−S15: 共振器
P21、P22、P23: 共振器
G1−G4: グランド端子
【技術分野】
【0001】
本発明はフィルタ、およびそのフィルタを使用した通信モジュール、および通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話に代表される無線通信機器では、通信に使用する周波数帯域を複数使用するマルチバンド化や各種の機能を備えたシステム化が進み、1台の電話機に複数の無線装置が搭載されるようになっている。しかしながら、携帯電話機自体は小型/薄型化が継続して要求されており、その中に搭載される部品の小型/薄型化が強く要望されている状況である。
【0003】
また、機器の低コスト化に対する要求も強く、そのために、複数の搭載部品を1つにモジュール化することで、小型化とともに実装コストを低減させることが多くなっている。
【0004】
無線通信機器の搭載部品のうち、弾性波フィルタやそれを用いた分波器は、半導体部品と製造工程が大きく異なるために、同一基板に集積することが困難である。そのために、弾性波フィルタや分波器は、半導体部品とは別に実装されてきた。しかしながら、近年のマルチバンド化のためには、1台の携帯電話に各周波数帯に応じた複数の弾性波フィルタや分波器を備える必要がある。小型、軽量化の要望に応えるために、これら複数の弾性波フィルタや分波器をそれぞれ1つにまとめてモジュール化が必要で、これらのモジュール自体の更なる小型/薄型化も要求されている。
このような要望に応えるために、弾性波フィルタやそれを用いた分波器を複数搭載したモジュールの開発が活発となっている。モジュールを小型化するためには、個々の弾性波フィルタや分波器を出来るだけ近接配置してモジュール基板に搭載する必要があり、分波器間の配線同士も近接して配置する必要がある。さらには、弾性波フィルタや、分波器自体も小型化が必要となるため、弾性波フィルタ素子内の振動子間の配線や弾性波フィルタ間の配線同士も近接して配置されることが多くなる。このような構造は、弾性波フィルタ内の配線間での不要な電磁結合を増加させたり、モジュール基板内の配線同士の不要な電磁結合を増加させ、いずれも弾性波フィルタの抑圧を劣化させたり、分波器のアイソレーションを劣化させるという問題が発生してしまっていた。
この弾性波フィルタの小型化に伴う問題点として、弾性波フィルタの通過帯域の周波数特性におけるリップルが発生し挿入損失が劣化することが知られており、それを防止するための構成が、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−28826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明では、モジュール用弾性波フィルタ素子内の配線同士の不要な電磁結合を抑制することを課題とし、小型で良好な抑圧特性、アイソレーション性能を有する弾性波フィルタを実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態においては、基板と、前記基板上に配置された弾性波を利用する複数の共振器と、前記基板上に配置されたグランド端子部と、前記複数の共振器の間および
前記共振器と前記グランド端子部間とを接続する前記基板上に配置された複数の配線パターンと、前記配線パターンに隣接して対向するように配置されたシールド電極とを有する弾性波フィルタが構成される。このように、配線パターンに隣接してシールド電極を設けるので、共振器を隣接して配置しても配線パターン間の配線間の電気的結合が抑制される。
また、シールド電極は、グランド端子に接続されていない配線部にのみに対面し、かつ、グランド端子に接続されていない配線部に沿うように形成されていることが望ましい。
また、シールド電極は、グランドに接続されていることが望ましく、弾性波フィルタをモジュール素子として実装するモジュール基板内で、弾性波フィルタの配線のグランド端子と接続されているか、または、弾性波フィルタの配線のグランド端子と弾性波フィルタ素子上で接続されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、以上、本発明を用いることで、弾性波フィルタ素子の配線に対面し、かつ、配線に沿うようにシールド電極を設け、該シールド電極をグランドにすることで、弾性波フィルタのアイソレーションを向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1に係る弾性波フィルタの回路構成を示す図
【図2】実施例1に係る弾性波フィルタの回路構成を示す図
【図3】実施例1に係る弾性波フィルタの一部断面を示す図
【図4】実施例1に係る弾性波フィルタの矢視図
【図5】実施例1に係る弾性波フィルタの矢視図
【図6】シールド電極の形状を示す図
【図7】実施例1に係る弾性波フィルタの一部断面を示す図
【図8】実施例1に係る弾性波フィルタと従来の弾性波フィルタとの特性を示す図
【図9】配線パターンとシールド電極間に誘電体層を設ける場合の製造工程を示す図
【図10】配線パターンとシールド電極間に空隙を設ける場合の製造工程を示す図
【図11】実施例1の弾性波フィルタを備えた実施例2のデュープレクサの構成を示す図
【図12】実施例1の弾性波フィルタまたは実施例2のデュープレクサを備えた実施例3の通信装置の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
上記した課題を解決するために、我々は弾性波フィルタのパッケージおよび弾性波フィルタを実装するモジュール基板の層構成を変更することでモジュール内の不要な電磁界結合を抑制している。しかしながら、小型化を進めていくと、さらに、弾性波フィルタ内の電磁界結合も抑制する必要があり、この弾性波フィルタ内の電磁界結合を抑制する構成を着想し、発明するに至った。
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
本発明の実施形態を説明する。実施例1に使用する弾性波フィルタ10の回路構成を図1に示す。この弾性波フィルタ10は、直列に接続された共振器S11乃至S15と並列に接続されたP21乃至P23から構成されるバンドパスフィルタを例にしている。このフィルタに使用する各共振器は、表面弾性波(Surface Acoustic Wave)素子であっても良いが、以下の説明では圧電薄膜共振子(Film Bulk Acoustic Resonator:FBAR)を使用した場合について説明する。これら各共振器はシリコン基板(後述)上に形成されており、各共振器はルテニウム(Ru)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、または(Ir)等を使用した配線パタ
ーン31a乃至37aによって、電気的に図1に示す様に接続されている。なお、FBARの圧電体に電界を印加するための電極は、上部電極、下部電極と称し、配線パターンとは区別するが、上部電極、下部電極材は、配線パターンに使用するものと同じ材料を使用することが好ましい。
【0012】
図2は、図1に示した弾性波フィルタ10の各共振器間の各配線パターン31a乃至37aに沿うように、所定距離だけ離してシールド電極31b乃至37bを配置した回路構成を示す図である。シールド電極の幅は、対向する配線パターンの幅よりも広いことが好ましい。図示するように、各電極31b乃至37bは接地されている。各配線パターンと電極との紙面に垂直な方向の位置関係を、図2中に示したAAに沿った断面を例に図3に示す。図示する様に、基板40上に配線パターン37aが形成されており、所定距離だけ離し、シールド電極37bが配置されている。
【0013】
なお、配線パターン37a等と対向するシールド電極37b等の間は空隙のままでも良いが、機械的に安定化させるために、誘電体を充填した構造でも良い。これらシールド電極の形成方法に付いては、後述する。
【0014】
次に、図1に示した弾性波フィルタ10を形成した詳細図を図4に示し、弾性波フィルタ10の配線パターン上にシールド電極31b等を配置した詳細図を図5に示し、シールド電極の構造を明瞭に示すために、シールド電極30のみの形状を図6に示し、シールド電極、共振器および基板の断面形状を図7に示す。図5、図6には、本実施例を簡潔に示すために、弾性波フィルタ10(弾性波フィルタ20)を1個のみ示したが、複数のフィルタを構成しても良い。
【0015】
図4は、本実施例に係る弾性波フィルタ20の斜視図である。各配線パターン31a乃至37aの各々は各共振器S11乃至S15およびP21乃至P23の上部電極または下部電極と一体となって形成されている。また、図1に示した入力端子13、出力端子12は各々配線パターン31a、36aと一体となって形成されている。
【0016】
図5は、シールド電極30を図4に示した弾性波フィルタ10上に配置した構成を示す斜視図である。シールド電極は図2において、シールド電極31b乃至37bで示したが、実際には、図5に示す様に、各シールド電極31b乃至37bは一体としたシールド電極30として形成するのが好ましい。このシールド電極30は、各共振器間の配線パターンを覆うと伴に、各共振器上には開口部を設けた構造となっている。このように一体化したシールド電極30では、本実施例ではG1、G2、G3、G4の4箇所をグランド端子として設けているが、必ずしも、この配置、個数には限定されない。
【0017】
図6はシールド電極30の構造を分かり易く示すために、平面部のみを斜視図として示したものであり、グランド端子のための折り返し部分は省略して示したものである。
【0018】
なお、このシールド電極材としては、上部電極、下部電極材と同じものが使用できる。
【0019】
次に、図5中に矢印BBで示した矢視図を図7に示す。FBAR型の共振器S11の上部電極31Cは配線パターン31aと一体として形成され、下部電極32cは配線パターン32aと一体として形成され、この下部電極32cの下部の基板40には空隙42が設けられ、共振器のQ値を向上させている。なお、この空隙は、必ずしも基板に設ける必要は無く、下部電極下に音響インピーダンスの小さなものがあれば良く、共振器S11を基板40から遠ざかる方向に湾曲させて湾曲部の空隙を利用した構造でも良い。配線パターン31a、32a上には各々シールド電極31bおよび32bが所定の間隔だけ離れて配置されており、FBAR型の共振器S11上には、開口部31dが位置している。
【0020】
尚、シールド電極幅は、配線パターン幅よりも広いと配線パターン間の電磁結合などの抑圧により効果があり好ましい。
【0021】
また、配線パターンとシールド電極間は、空隙または誘電体層または空隙と誘電体層とが混在していても良く。
【0022】
更に、シールド電極は配線パターンの内、グランド端子に接続されていない配線パターンに隣接して対向するように配置するように構成しても良い。
【0023】
シールド電極は複数の共振器の内、グランド端子と接続される共振器の電極と接続するように構成しても良い。
【0024】
次に本実施例に基づく弾性波フィルタの特性について述べる。弾性波フィルタ10は、シールド電極を設けていないので従来構造の弾性波フィルタに相当し、シールド電極30を有する弾性波フィルタ20との特性を比較した。この両フィルタの特性は、シミュレーションによって求めたものである。シミュレーション条件は、以下の手順で行った。
【0025】
1.フィルタの各共振器の特性は、モードモード結合理論を用いて計算した。
【0026】
2.配線パターンおよびシールド電極を含めた全体の特性は3次元の電磁界解析ソフトを用いて計算した。
【0027】
3.フィルタの通過帯域は、BAND1の受信フィルタ(受信帯域:2110−2170MHz)である。
【0028】
4.弾性波フィルタ20の配線パターンとシールド電極間の距離は15μmとし、弾性波フィルタ10には、シールド電極を設けていないので、シミュレーション上は、シールド電極が無い場合に相当する100μmとした。
上記の条件の下に、計算した各弾性波フィルタの通過特性を計算した結果を図8に示す。図8の横軸は周波数であり、縦軸は減衰量を示す。実線が本実施例に係る弾性波フィルタ20の通過帯域特性で、点線が従来構造の弾性波フィルタ10に係る特性である。
この図8の特性結果から分かるように、本実施例の弾性波フィルタ20は、通過帯域両側での抑圧比が改善されており、特に低域側2070MH付近で大きな減衰のピークがあり、抑圧が約20数dBと大幅に改善している。
【0029】
次に、本実施例の弾性波フィルタ20の製造方法について、図9および図10を参照して説明する。図9および図10は、弾性波フィルタの一部分を示すもので、図9は配線パターンとシールド電極間に誘電体層を設けた場合の製造工程を示す図で、図10は配線パターンとシールド電極間を空隙にした場合の製造工程を示す。
【0030】
図9において、本発明の弾性波フィルタのシールド電極の製造方法を説明する。なお、弾性波フィルタの共振器および配線に関しては、既存の手法であらかじめ形成されているとする。
【0031】
図9(A)において、配線パターン50(配線パターン31a等に代え、以下配線パターンの符号を50とする。)が基板40上に既知の手法で形成されている。この配線パターン50上に誘電体で絶縁層を形成する。誘電体層は、数μm以上の厚さが望ましいので、感光性ポリイミド51の塗布およびパターニング後の焼成により形成する(図9(B))。その後、シールド電極をリフトオフプロセスで形成するが、図9(C)に示すように
、レジスト52をパターニングし、シールド電極に相当する箇所が開口したパターンを形成する。その後、図9(D)に示すように、真空蒸着などの方法で開口部に電極53を形成する。最後に、レジストを除去して、図9(E)に示す様にシールド電極54を形成する。
【0032】
図10において、本発明の弾性波フィルタのシールド電極と配線パターン間が空隙の場合の製造方法を説明する。なお、弾性波フィルタの共振器および配線に関しては、既存の手法であらかじめ形成されているとする。パターン配線とシールド電極の間隙は、誘電体よりも空隙の方が両電極間の容量が小さくなるため望ましい。但し、その場合、シールド電極を保持するための支柱が必要となる。
【0033】
図10(A)は配線パターン50が形成されている基板40の断面である。図10(B)に示すように、レジスト60のパターニングによりシールド電極を保持するための支柱パターン61を形成する。図中では、支柱パターン61の形状は円筒状または円錐台状である。次に、図10(C)に示すように、めっき用シード電極62をスパッタリングなどの手法で形成する。引き続いて、図10(D)に示すようにシールド電極64を形成するため、レジスト63で開口パターンを形成する。その後、図10(E)に示すように、めっきにより開口パターンの部分にシールド電極64となる金属を充電する。最後に、図10(F)に示すように、レジスト63を除去することでシールド電極64および支柱65を形成する。形成されたシールド電極は空中配線となるので、応力を考慮すると、シールド電極の主たる部分は、Cuめっきが望ましい。
【0034】
図11は、本発明の実施例2で実施例1の弾性波フィルタを備えた通信モジュールの一例を示す。図11に示すように、デュープレクサ72は、受信フィルタ72aと送信フィルタ72bとを備えている。また、受信フィルタ72aには、例えばバランス出力に対応した受信端子73a及び73bが接続されている。また、送信フィルタ72bは、パワーアンプ74を介して送信端子75に接続している。ここで、受信フィルタ72a及び送信フィルタ72bには、本実施の形態における弾性波フィルタが含まれている。
【0035】
受信動作を行う際、受信フィルタ72aは、アンテナ端子71を介して入力される受信信号のうち、所定の周波数帯域の信号のみを通過させ、受信端子73a及び73bから外部へ出力する。また、送信動作を行う際、送信フィルタ72bは、送信端子75から入力されてパワーアンプ74で増幅された送信信号のうち、所定の周波数帯域の信号のみを通過させ、アンテナ端子71から外部へ出力する。なお、図11に示す通信モジュールの構成は一例であり、他の形態の通信モジュールに本発明の弾性波フィルタを搭載しても、同様の効果が得られる。
【0036】
図12は、本実施の形態の実施例2の通信モジュールを備えた通信装置の一例として、携帯電話端末のRFブロックを示す。また、図12に示す構成は、GSM(GlobalSystem for Mobile Communications)通信方式及びW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)通信方式に対応した携帯電話端末の構成を示す。また、携帯電話端末は、図12に示す構成以外にマイクロホン、スピーカー、液晶ディスプレイなどを備えているが、本実施の形態における説明では不要であるため図示を省略した。ここで、受信フィルタ83a,87,88,89,90、および送信フィルタ83bには、実施例1における弾性波フィルタ、または実施例2の分波器が含まれている。
【0037】
まず、アンテナ81を介して入力される受信信号は、その通信方式がW−CDMAかGSMかによってアンテナスイッチ回路82で、動作の対象とするLSIを選択する。入力される受信信号がW−CDMA通信方式に対応している場合は、受信信号をデュープレク
サ83に出力するように切り換える。デュープレクサ83に入力される受信信号は、受信フィルタ83aで所定の周波数帯域に制限されて、バランス型の受信信号がローノイズアンプLNA84に出力される。LNA84は、入力される受信信号を増幅し、LSI86に出力する。LSI86では、入力される受信信号に基づいて音声信号への復調処理を行い、携帯電話端末内の各部を動作制御する。
【0038】
一方、信号を送信する場合は、LSI86は送信信号を生成する。生成された送信信号は、パワーアンプ85で増幅されて送信フィルタ83bに入力される。送信フィルタ83bは、入力される送信信号のうち所定の周波数帯域の信号のみを通過させる。送信フィルタ83bから出力される送信信号は、アンテナスイッチ回路82を介してアンテナ81から外部に出力される。
【0039】
また、入力される受信信号がGSM通信方式に対応した信号である場合は、アンテナスイッチ回路82は、周波数帯域に応じて受信フィルタ87〜90のうちいずれか一つを選択し、受信信号を出力する。受信フィルタ87〜90のうちいずれか一つで帯域制限された受信信号は、LSI93に入力される。LSI93は、入力される受信信号に基づいて音声信号への復調処理を行い、携帯電話端末内の各部を動作制御する。一方、信号を送信する場合は、LSI93は送信信号を生成する。生成された送信信号は、パワーアンプ91または92で増幅されて、アンテナスイッチ回路82を介してアンテナ91から外部に出力される。
【符号の説明】
【0040】
10: 弾性波フィルタ
31a−37a: 配線パターン
20: 弾性波フィルタ
31b−37b: シールド電極
30: シールド電極
40: 基板
72: デュープレクサ
83: デュープレクサ
83b: 送信フィルタ
87−90: 受診フィルタ
S11−S15: 共振器
P21、P22、P23: 共振器
G1−G4: グランド端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置された弾性波を利用する複数の共振器と、
前記基板上に配置されたグランド端子部と、
前記複数の共振器の間および前記共振器と前記グランド端子部間とを接続する前記基板上に配置された複数の配線パターンと、
前記配線パターンに隣接して対向するように配置されたシールド電極とを有する弾性波フィルタ。
【請求項2】
前記シールド電極幅は、前記配線パターン幅に沿って配置され、前記配線パターン幅よりも広いことを特徴とする請求項1に記載の弾性波フィルタ。
【請求項3】
前記配線パターンと前記シールド電極間は、空隙または誘電体層または空隙と誘電体層とが混在していることを特徴とする請求項1に記載の弾性波フィルタ。
【請求項4】
前記シールド電極は前記配線パターンの内、前記グランド端子部に接続されていない配線パターンに隣接して対向するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の弾性波フィルタ。
【請求項5】
前記シールド電極は前記グランド端子部に接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の弾性波フィルタ。
【請求項6】
前記シールド電極は前記複数の共振器の内、前記グランド端子部と接続される共振器の電極と接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の弾性波フィルタ。
【請求項7】
前記シールド電極は前記基板または前記グランド端子部に接続された配線パターンまたは前記グランド端子部と接続される共振器の電極との間に前記シールド電極に接続した導電性の支柱を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の弾性波フィルタ。
【請求項8】
前記支柱はめっきにより形成されることを特徴とする請求項7に記載の弾性波フィルタ。
【請求項9】
前記支柱は銅を主成分とする請求項8に記載の弾性波フィルタ。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の弾性波フィルタを有したデュープレクサ。
【請求項11】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の弾性波フィルタまたは請求項10に記載のデュープレクサのいずれかを有した通信モジュール。
【請求項12】
基板上に弾性波を利用した複数の共振器と前記共振器間を接続する配線パターンを形成し、
前記配線パターンを覆う様に誘電体層を形成し、
前記誘電体層上に開口部を有するパターンをレジストで形成し、
前記開口部に導電性金属層を形成し、
前記レジストを除去する工程により前記基板上に配置された弾性波を利用する複数の共振器と、前記基板上に配置されたグランド端子部と、前記複数の共振器の間および前記共振器と前記グランド端子部間とを接続する前記基板上に配置された複数の配線パターンと
、 前記配線パターンに隣接して対向するように配置されたシールド電極とを有する弾性波フィルタの製造方法。
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置された弾性波を利用する複数の共振器と、
前記基板上に配置されたグランド端子部と、
前記複数の共振器の間および前記共振器と前記グランド端子部間とを接続する前記基板上に配置された複数の配線パターンと、
前記配線パターンに隣接して対向するように配置されたシールド電極とを有する弾性波フィルタ。
【請求項2】
前記シールド電極幅は、前記配線パターン幅に沿って配置され、前記配線パターン幅よりも広いことを特徴とする請求項1に記載の弾性波フィルタ。
【請求項3】
前記配線パターンと前記シールド電極間は、空隙または誘電体層または空隙と誘電体層とが混在していることを特徴とする請求項1に記載の弾性波フィルタ。
【請求項4】
前記シールド電極は前記配線パターンの内、前記グランド端子部に接続されていない配線パターンに隣接して対向するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の弾性波フィルタ。
【請求項5】
前記シールド電極は前記グランド端子部に接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の弾性波フィルタ。
【請求項6】
前記シールド電極は前記複数の共振器の内、前記グランド端子部と接続される共振器の電極と接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の弾性波フィルタ。
【請求項7】
前記シールド電極は前記基板または前記グランド端子部に接続された配線パターンまたは前記グランド端子部と接続される共振器の電極との間に前記シールド電極に接続した導電性の支柱を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の弾性波フィルタ。
【請求項8】
前記支柱はめっきにより形成されることを特徴とする請求項7に記載の弾性波フィルタ。
【請求項9】
前記支柱は銅を主成分とする請求項8に記載の弾性波フィルタ。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の弾性波フィルタを有したデュープレクサ。
【請求項11】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の弾性波フィルタまたは請求項10に記載のデュープレクサのいずれかを有した通信モジュール。
【請求項12】
基板上に弾性波を利用した複数の共振器と前記共振器間を接続する配線パターンを形成し、
前記配線パターンを覆う様に誘電体層を形成し、
前記誘電体層上に開口部を有するパターンをレジストで形成し、
前記開口部に導電性金属層を形成し、
前記レジストを除去する工程により前記基板上に配置された弾性波を利用する複数の共振器と、前記基板上に配置されたグランド端子部と、前記複数の共振器の間および前記共振器と前記グランド端子部間とを接続する前記基板上に配置された複数の配線パターンと
、 前記配線パターンに隣接して対向するように配置されたシールド電極とを有する弾性波フィルタの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−71874(P2011−71874A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−222661(P2009−222661)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】
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