フラットパネルディスプレイ用の微少な電界放出装置
電子エミッタを備える装置を形成する装置及び方法。本方法は、束ねられたファイバーセグメントのシートの第1の面を反応液にさらし、前記ファイバーセグメントの第1の端部を前記反応液と反応させて、該第1の端部から物質を除去するステップを含む。コーティング物質は、前記物質が除去された前記第1の面上に堆積される。本方法はまた、束ねられたファイバーセグメントの前記シートの第2の面を反応液にさらし、前記ファイバーセグメントの第2の端部を前記反応液と反応させて、該第2の端部から物質を除去して前記コーティング物質を露出させるステップを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年1月8日に出願された出願番号第10/754,365番の一部継続出願、及び2004年2月9日に出願された出願番号第10/775,793番の一部継続出願であり、これらすべては共有され、すべての目的のために参照によって本明細書に組込まれる。
【0002】
本発明は、概電界放出装置に関し、より詳細には、電子エミッタアレイを備える電界放出装置の形成方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電界放出装置は、一般に、フラットパネルディスプレイ(FPD)、イオン銃、電子線リソグラフィ、高エネルギー加速器、自由電子レーザー、電子顕微鏡、及びその他同種のもの等の様々な適用例で見出される。典型的な電界放出装置は、カソードと、複数の電界エミッタ先端と、エミッタ先端に近接した間隔で配置されたグリッドと、カソードからいっそう離れて配置されたアノードとを備える。電圧は、グリッドを通じて、先端からアノードへ向かっての電子の放出を引き起こす。
【0004】
図1は、電子を放出するためのエミッタ102、エミッタ102から生成された電子の量をコントロールするためのゲート電極104、及びゲート電極104上に位置したアノード106を備える従来の三極管型電界放出装置100の概略図である。トランジスタのゲート電極110に印加された電圧に依存する電流が、ソース電極108からエミッタ102に選択的に印加される。エミッタ102から電子を放出するための高電圧が、ゲート電極104に印加される。
【0005】
カソードの材料特性は性能を予測する際に重要である。カソード材料は、典型的に、Mo等の金属、又はSi等の半導体である。金属及び半導体材料については、放出に必要な制御電圧は比較的高い。高い制御電圧は、カソード先端でのイオン衝撃及び表面拡散によるダメージを増大させ、要求される放出電流密度を生成するための高い出力密度を必要とする。均一な鋭い先端の製作、特に広い領域にわたっての製作は、これまで、困難で、退屈で、そして高価であった。
【0006】
ナノスケール導体として知られている別のタイプのエミッタが、近年、将来的に有用な電子電界エミッタとして出現してきた。ナノスケール導体は、極めて小さな伝導性のナノチューブ(中空)又はナノワイヤー(中実)である。典型的に、ナノスケール導体は、電界放出装置に容易に又は都合良く組み入れられない、ランダムな方向を向いた針状又はスパゲッティ状のパウダーの形態で成長する。このランダムな構成により、電子の放出特性が完全には利用又は最適化されない。多くのナノスケール導体先端は塊の中に埋められているであろう。
【0007】
従って、電界放出装置で使用されるエミッタを形成する改善された方法が必要である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電界放出装置のための電子エミッタを製造する方法、及び該方法によって製造された、フラットパネルディスプレイ等で使用される電界放出装置を提供する。
【0009】
本発明の一実施の態様では、電子エミッタを備える装置の形成方法が提供される。この方法は、束ねられたファイバーセグメントのシートの第1の面を反応液にさらし、前記ファイバーセグメントの第1の端部を前記反応液と反応させて、該第1の端部から物質を除去するステップを含む。コーティング物質は、前記物質が除去された前記第1の面上に堆積される。この方法はまた、束ねられたファイバーセグメントの前記シートの第2の面を反応液にさらし、前記ファイバーセグメントの第2の端部を前記反応液と反応させて、該第2の端部から物質を除去して前記コーティング物質を露出させるステップを含む。
【0010】
本発明の別の態様では、電界放出装置が提供される。この電界放出装置は、束ねられたファイバーセグメントのシートの第1の面を反応液にさらし、前記ファイバーセグメントの第1の端部を前記反応液と反応させて、該第1の端部から物質を除去するステップと、前記物質が除去された前記第1の面上にコーティング物質を堆積させるステップと、束ねられたファイバーセグメントの前記シートの第2の面を反応液にさらし、前記ファイバーセグメントの第2の端部を前記反応液と反応させて、該第2の端部から物質を除去して前記コーティング物質を露出させるステップとによって形成されるカソード板を備える。この電界放出装置はまた、堆積された透明な導電性物質を表面上に有する透明基板を提供するステップと、前記透明基板上に誘電体スペーサを形成するステップと、前記誘電体スペーサの選択的な領域をエッチングし、有色の蛍光体を包含するチャンバを形成するステップとによって形成されるアノード板を備える。この電界放出装置はまた、前記カソード板の前記第2の面上、又は前記アノード板の前記スペーサ層の先端上の何れかに製作された、パターニングされたゲート電極層を備えることができる。前記アノード板及び前記カソード板は、エッチングされた前記選択的な領域に前記露出されたコーティング物質を整列させて一体に形成される。
【0011】
本発明のさらに別の態様では、エミッタを備える装置の形成方法が提供される。この方法は、各々が第1の端部及び第2の端部を有するファイバーセグメントのシートを準備するステップと、前記ファイバーセグメントの前記第1の端部を反応液にさらし、前記反応液を前記第1の端部と反応させて、前記第1の端部から物質を除去するステップと、前記第1の面上にコーティング物質を堆積させるステップと、コーティングされた前記第1の端部上に誘電体層を堆積させ、該誘電体層上に基板を取り付けるステップと、前記ファイバーセグメントの前記第2の端部を反応液にさらし、前記反応液を前記第2の端部と反応させて、前記第2の端部から物質を除去して前記コーティング物質を露出させるステップと、有色の蛍光体を包含するチャンバを備えるアノード板を準備するステップと、前記カソード板の前記第2の面上、又は前記アノード板の前記スペーサ層の先端上の何れかに、ゲート電極層を製作するステップと、前記チャンバを前記露出されたコーティング物質と整列させて電界放出装置を形成するステップとを含む。
【0012】
工程が単純で複雑ではないため、本発明に係る電界エミッタの製造工程は、従来技術に係るエミッタ製造工程よりも容易である。本発明に係る工程は、エミッタ形成用の如何なる構造の個別のパターニングをも必要としない。
【0013】
クリーンルーム又は他の特別な装置は製造工程において必要ではない。さらに、本発明に係る工程は、特に、70インチ×70インチ級又はより大きな電界エミッタアレイ等の大きな一片の電界エミッタアレイの製造に適している。
【0014】
発明の範囲は請求項によって定められ、それは参照によってこのセクションに組み入れられる。本発明の実施の形態のより完全な理解は、その更なる利点の理解に加えて、複数の実施の形態の以下の詳細な説明の考察によって、当業者に与えられるであろう。最初に簡潔に記述される添付の図面に参照がなされるであろう。
【0015】
本発明の実施の形態及びそれらの利点は、以下の詳細な説明を参照することにより最も良く理解される。複数の図面中で示された類似の構成要素を識別するために、類似の参照番号が用いられていることを理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図2は、本発明の実施の形態に係る電子エミッタアレイの形成工程200を説明するフローチャートである。工程200は、ガラス(SiO2)又はプラスチック等により製造された円筒状の棒又はファイバーなどの、円筒状部材の束の形成又は提供を含む(s202)。円筒状部材の束は、円筒状部材セグメントの一枚又は複数枚のシートに切断又はスライスされる(s204)、シートはそれぞれ第1の面及び第2の面を有する。
【0017】
各シート中の各々の円筒状部材セグメントの端部は、滑らかな端部を形成するために研磨されることができる(s206)。一実施の形態では、シートの面を、平らな表面から、より丸い又はカーブした表面に変化する表面に形成するために、シートの片側又は両側の面の研磨を、工程200はさらに含んでいてもよい。
【0018】
シートの第1の面内の各部材セグメントの端部はエッチングされて、エッチングされた又はモディファイされた端部を形成する(s208)。一実施の形態では、円筒状部材セグメントの各シートの第1の面は、液体バス(liquid bath)又は液体スプレーの形態で反応性溶液にさらされる。一実施の形態では、円筒状部材セグメントのシートの第1の面は、少なくとも部分的に、エッチング液を含む液体バスへ浸漬される。別の実施の形態では、円筒状部材セグメントのシート上に適切なエッチング液がスプレーされる。以下により詳細に記述されているように、エッチング液は、一般に、最初に各部材セグメントの周縁部から物質を除去することにより、各部材セグメントをエッチング又はモディファイする。束ねられた部材セグメント各々からの物質の除去は、隣接する部材セグメント間に空間即ち「セル」を作成する。セルは、広い上端部と、より狭い端部を画定する下端部とを有するトラフに例えられることができる。
【0019】
モディファイされた端部部材セグメントの新しく形成されたアレイは、電子を供給するために、低い電子親和力又は低エネルギー電子放出性の導電性物質を用いてコーティングされることができる(s210)。放出性の導電性物質はモディファイされた端部に堆積され、これによってセルを満たす。
【0020】
以下により詳細に記述されているように、モディファイされた端部部材セグメントのアレイが一旦コーティングされると、それらは、誘電体又は高分子材料の保護層で覆われることができる(s212)。誘電体層は研摩によって平坦化され、例えば、ガラス基板又は同様の支持基板などの基板に取り付けられることができる(s214)。
【0021】
一実施の形態では、円筒状部材セグメントの各シートの第2の面は、液体バス又は液体スプレーの形態で反応性溶液にさらされる。一実施の形態では、円筒状部材セグメントのシートの第2の面は、少なくとも部分的に、エッチング液を含む液体バスへ浸漬される。代替の実施の形態では、円筒状部材セグメントのシートの第2の面上に適切なエッチング液がスプレーされる。エッチングの前に追加で、金属の導電性のゲート電極層が、円筒状部材セグメントのシートの第2の面上に堆積及びパターニングされてもよい(s216)。この実施の形態では、ゲート電極はエッチングマスクの役割をすることができる。代わりに、以下により詳細に記述されているように、ゲート電極はアノード板上に形成されることができる。
【0022】
以下にもより詳細に記述されているように、エッチング液は各部材セグメントをエッチング又はモディファイする。束ねられた部材セグメント各々からの物質の除去は、隣接する部材セグメント間の第1の面上に形成されたセルに直列なセルを作り出す。第2の面上のセル形成の深さは、エッチモディファイされた部材セグメントのシートの第1の面上のセルの狭い端部を満たす低エネルギー電子放出性の導電性物質が、第2の面へ露出するような深さに達する(s218)。露出された低エネルギー電子放出性の導電性物質は、一般に狭いエッジの形状で、第2の面から見ることのできる電子エミッタを形成する。
【0023】
図3は、本発明の実施の形態に係る複数の円筒状部材セグメント302の束300の概略図である。一実施の形態では、円筒状部材セグメント302はそれぞれ、棒、円筒、ファイバー又は他の同様の形状の部材であることができる。代わりに、円筒状部材セグメントは、非円形の断面、例えば正方形又は他の多角形の断面を有することができる。
【0024】
複数の円筒状部材セグメント302は、各部材の縦軸に沿って束ねられる。一実施の形態では、円筒状部材302の束の断面は、ハニカム状の形態を有することができる。他の実施の形態では、部材セグメント302の束の断面は、正方形、長方形、又は他の適切な断面の形態を有していてもよい。
【0025】
一実施の形態では、紫外線硬化接着剤等の任意の適切な接着剤を使用して、円筒状部材セグメント302は一体に束ねられ、束300を形成する。有益なことに、紫外線硬化接着剤を使用して円筒状部材セグメント302の束300を形成する際に、部材間に存在し得る任意のギャップが、接着剤が硬化する前に接着剤で満たされるであろう。
【0026】
束300を構成する各々の円筒状部材セグメント302の直径及び長さは、一般に、適用例によって決定される。
【0027】
図3に示されるように、適切な厚さを保証するために、束300は単一の層又はシート300aに切り分けられ、厚さtを有する円筒状部材セグメント302のアレイを形成する。一実施の形態では、発明を制限するものではないが、円筒状部材セグメント302の各シート300aの厚さは、約100μmと数ミリメートルとの間であることができる。束300は、ダイシングソー又はカッティングホイールなどの通常の切断技術を用いて、シート300aに切り分けられることができる。
【0028】
一実施の形態では、シート300a中の各々の円筒状部材セグメント302の直径dは、約9μmのコアサイズ及び約125μmの全径を有する標準のシングルモードファイバであることができる。一般に、各々の円筒状部材302の直径は、適用例に依存して、約1mm未満から数ミリメートルの間の範囲に及ぶことができる。別の実施の形態では、円筒状部材セグメント302は、マルチモードファイバーであることができる。
【0029】
一実施の形態では、円筒状部材セグメント302のシート300aの第1の面412の端部304は、本発明の実施の形態に係るエッチング工程を用いてモディファイされるであろう。
【0030】
図4を参照すると、一実施の形態では、端部304のモディファイは、液体バス406を含む液体バスコンテナ400の中にシート300aの第1の面412の端部304を置くことにより達成されることができる。
【0031】
液体バス406は、ファイバーのエッチングに適した化学薬品の任意の望ましい配合を含むことができる。一実施の形態では、液体バス406はフッ酸408を含む。フッ酸408の表面上で油膜410を形成する油の薄い層は、液体バス406に加えられることができる。フッ酸408の表面上の油膜410の追加は、酸の表面上にバリアを作成し、エッチング工程の深さをコントロールする。一般に、エッチングの深さは端部304の浸漬の深さによってコントロールされるが、フッ酸は、いくつかの実例において、フッ酸中に浸漬された部分を通じて部材セグメントを「上昇する」ことができ、浸漬されていない部分の望まないエッチングを引き起こす。油膜410はエッチストップとして作用し、油膜410を越えてフッ酸が上昇するのを防止する。
【0032】
シート300aの第1の面412の端部304は、希望の量のエッチングを行なうのに十分に長い所定の期間の間、液体バス406に置かれる。エッチングに要する時間は、シート300aの各部材セグメント302の材質と、浴コンテナ400中の液体の組成及び濃度との関数である。
【0033】
一実施の形態では、図5に示されるシート300aの部材セグメント302(明確になるように、単一の部材セグメント302が示されている)の各々は、コア領域A1、及びコア領域A1を囲む周縁領域A2を含む。工程中では、周縁領域A1が直接に接する状態にあり、フッ酸408に対してより露出された表面を有するため、液体バス406は、コア領域A1に作用する前に周縁領域A2に作用する。角部の上面及び側面が同時に露出されるため、このことはコーナーエリア506で特に正しい。部材セグメントを形成するために使用されているファイバーのタイプもまた、エッチング領域の形成方法に影響することができる。いくつかのファイバーのコア領域A1は、周縁領域A2よりもいっそう純粋に製作される――純粋な領域が少ないほど、エッチング液に対してより敏感となる。
【0034】
モディファイされた端部502の長さは、例えば、油膜410より下のフッ酸408への部材セグメント302の浸積の深さによってコントロールされる。しかしながら、モディファイされた端502の端部504の鋭さ(即ち傾斜)Sは、部材セグメント302が液体バス406中に保持される時間の長さ及びフッ酸408の濃度によりコントロールされる。
【0035】
有益なことに、本発明のエッチング工程は、製造者が、エッチング工程の進行を絶えずチェックすることができ、端部504の望ましいサイズに到達すればいつでも液体バスからシート300aを取り出すことができるほど十分に遅い工程である。
【0036】
エッチング工程によって得られる構造は、図6に示されるモディファイされた部材セグメント302端部のアレイ600である。エッチング工程の間に、物質が各部材セグメント302から除去され、このことが、隣接するエッチングされた部材セグメント302間に空間即ちセル602を作る。セル602は、各セル602の底部又はトラフに狭いエッジ604を形成する。アレイ600のサイズは、最初に提供されるファイバーの束のサイズにのみ制限され、従って、アレイ600は、実質的に任意のアレイサイズに設計されることができる。
【0037】
図7Aに示されるように、結果として生じるアレイ600は、低い電子親和力又は低エネルギー電子放出性の導電性物質702をその上に堆積させるために、蒸着又はスパッタリング等の公知の堆積技術を適用されることができる。低エネルギー電子放出性物質702は端部504上で堆積し、実質的にセル602を満たす。部材セグメント302の端部504は、必ずしも「鋭い」先端を有する必要はない。むしろ、端部504は実質的に鈍く作成され、低エネルギー電子放出性のコーティングが任意の希望する高さh1まで堆積することを可能とする。アレイ600上の隣接するモディファイされた部材セグメント302端部間に形成されたセル602は、低エネルギー電子放出性物質702で実質的に満たされる。一般に、コーティング702は、モディファイされた部材セグメント端部の輪郭に沿う。
【0038】
低エネルギー電子放出性導電性コーティング702は、外部(ゲート)バイアス電圧の下で自由電子を供給するために提供される。以下に詳細に記述されているように、電子は加速され、アノード板上の有色の蛍光体を備えるチャンバに到達することができる。
【0039】
低エネルギー電子放出性導電性コーティング702は、特定用途に必要な機能を提供する任意の適切なコーティングであることができる。一実施の形態では、部材セグメントのモディファイされた端502はそれぞれ、PdOx、α−C、Pd、Mo、Ni、Cr、Cu、Au、Pt、Ir、ダイヤモンド等の低エネルギー電子放出性導電性物質でコーティングされる。
【0040】
低エネルギー電子放出性導電性コーティング702の厚さは、形成されるエミッタが特定用途において機能すると期待される寿命の関数である。一実施の形態では、低エネルギー電子放出性導電性コーティング702の厚さは、約100nmから、用途に応じて約数ミクロン以上であることができる。
【0041】
図7Bに示されるように、アレイ600をコーティングした後、モディファイされた各端部502及びコーティング702を覆い、コーティング702の堆積されたカラム710間に形成されたスペース708を満たす誘電体層704が、アレイ600上に形成される。誘電体層704は、公知の堆積、スピン・オン又はスプレー技術を用いて適用される、ポリマー、スピン・オン・グラス(SOG)、SiO2、及びSi3N4等の任意の適切な誘電材料であることができる。
【0042】
誘電体層704は、低エネルギー電子放出性コーティング702の端面の輪郭又は形状に沿っていてもよい。誘電体層704は、例えば、当技術分野の熟練者に知られている標準的な研摩技術によって平坦化されることができる。基板材料706が、平坦化された誘電体層704上に配置及び結合即ち接着されて、結果として生じる構造716を形成する。基板706は、例えば、ガラス基板又は他の同様な支持基板材料であることができる。
【0043】
図7Bを再び参照すると、結果として生じる構造716は、そこから外部に延伸するオリジナルのシート300a(図3)の第2の面414を有する。第2の面414は、基板706と反対側に配置される、結果として生じる構造716の面である。
【0044】
一実施の形態では、円筒状部材セグメント302のシート300aの第2の面414の端部304もまた、本発明の実施の形態に係るエッチング工程を用いてモディファイされてもよい。
【0045】
図4を再び参照すると、液体バス406を含む液体バスコンテナ400に第2の面414の端部304を置くことにより、又は代わりに、適切なエッチング液を端部304にスプレーすることにより、モディファイは達成されることができる。
【0046】
図7Cは、本発明の実施の形態に係る第2の面414のエッチングの結果を示す。エッチング工程は、図5を参照して上記したように、第2の面414から物質を除去する。一実施の形態では、第2の面414の、従って各部材セグメント302のエッチングは、セル720を形成する。セル720は、実質的にコーティング物質702で満たされたセル602に整列される。要素722に示されるように、セル720の深さが、エッジ604等のコーティング物質702の少なくとも一部を露出するまで、第2の面414のエッチングは継続する。エッジ604(図6)はセル720へはみ出し、エミッタ724を形成する。結果生じる構造がカソード板700である。
【0047】
図8Aは、本発明の実施の形態に係るアノード板の形成を示す。アノード板800の形成は、ガラス又は同様のタイプの基板などの透明基板802の提供を含む。インジウム錫酸化物(ITO)等の透明な導電性物質804は、ガラス基板802上に堆積され、アノード電極を形成する。一実施の形態では、導電性物質804は、任意の希望するデザイン又はパターンにパターニング又はエッチングされることができる。
【0048】
次に、SiO2、SOG、ポリマー等の適切な誘電性スペーサ806が、透明な導電性物質804上に堆積される。誘電性スペーサ806は、蒸着、スパッタリング、CVD、及びスピン・オン・コート等の様々な堆積技術を用いて堆積されることができる。
【0049】
金属又は導電層808がスペーサ806上に堆積される。結果として生じる構造810は、例えば光リソグラフィ技術又は他の同様のパターニング技術を使用して、ゲート電極816にパターニングされることができる。
【0050】
代替の実施の形態では、ゲート電極層808はカソード板700a上に形成されることができる。
【0051】
代替の実施の形態では、図7Bに示される構造716に到達した後に、金属又は導電層750(図7D)が、蒸着又はスパッタリング等の公知の技術を用いて、第2の面414上に堆積されることができる。金属導電層750は、光リソグラフィ等を通じてゲート電極752にパターニングされることができるゲート電極層を形成する。SiO2、Si3N4、及びポリマー等の追加の誘電体層が、必要又は希望する場合に、ゲート電極層750及び第2の面414の間に挿入されることができる。その後、シート300aの第2の面414の円筒状の部材セグメント302の端部304は、本発明の実施の形態に係るエッチング工程を用いてモディファイされるであろう。図4を再び参照すると、液体バス406を含む液体バスコンテナ400に第2の面414の端部304を置くことにより、モディファイは達成されることができる。
【0052】
ゲート金属は(自己整合の)マスクとして用いられることができ、図5を参照して上記したように、エッチング工程が第2の面414からの物質の除去を可能にする。この代替の実施の形態では、第2の面414の、従って各部材セグメント302のエッチングは、セル720を形成する。セル720は、コーティング物質702で満たされた第1の面412上のセル602に整列される。要素722に示されるように、セル720の深さがエッジ604等のコーティング物質702の少なくとも一部を露出するまで、第2の面414のエッチングは継続する。端部604はセル720へはみ出し、エミッタ724を形成する。結果生じる構造が、ゲート電極752を備えるカソード板700aである。
【0053】
さて、図8A及び図8Bを参照すると、誘電性スペーサ806の選択的な領域が、ゲート電極816をエッチングマスクとして用いて(図8A中の800)、又は、ゲート電極816を有さない実施の形態において、当技術分野の熟練者に知られているセパレートパターニング技術を用いて(図8B中の800a)、エッチバックされ、チャンバ812を形成する。カソード板700及びアノード板800への以下の参照は、カソード板700a及びアノード板800aへもまた必要に応じて適用されるとみなされるべきである。
【0054】
何れの実施の形態でも、各々のチャンバ812は、有色の蛍光体814で満たされることができる。蛍光体814は、赤、緑、及び青(RGB)色の蛍光体を含む。結果生じるアノード板800は、その後、以下に記述されるようにカソード板と結合されることができる。
【0055】
図9は、本発明の実施の形態に係る電界放出装置(FED)900の実施の形態を示す。カソード板700及びアノード板800を一度形成すると、2つの板は整列され連結されることができる。残留する、ゲート電極808を有する誘電性スペーサ806のエッチングされていない部分は、アノード板800上のチャンバ812を含む蛍光体の各々がカソード板700上の1又は複数のエミッタ724に対応するように整列される。
【0056】
封止材又はガスケットがアノード板800及びカソード板700(又は700a)の間に配置されることができ、結合された板が真空にポンピングされ封止されることが可能になる。
【0057】
この構成によると、露出するエミッタ724から放出された電子は、加速されてチャンバ812内のRGB蛍光体に衝突し、着色光の放出を提供することができる。
【0058】
上記された実施の形態は例示のためであり発明を限定するものではない。本発明の原理に従って多数の修正及び変形が可能であることもまた理解されるであろう。従って発明の範囲は上記請求項によってのみ定められる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】従来技術に係る電界放出装置の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るカソード板の形成工程を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態に係る1枚のシートの円筒状部材の概略図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るエッチング槽の概略図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るエッチング工程が施される前後の各々の部材セグメントの概略図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るエッチングされたファイバーアレイの概略図である。
【図7A】本発明の実施の形態に係るカソード板の形成工程の概略図である。
【図7B】本発明の実施の形態に係るカソード板の形成工程の概略図である。
【図7C】本発明の実施の形態に係るカソード板の形成工程の概略図である。
【図7D】本発明の代替の実施の形態に係るカソード板の概略図である。
【図8A】本発明の実施の形態に係るRGB色の蛍光体を含んで形成されたチャンバを有するリソグラフィパターニングにより形成されたアノード構造の概略図である。
【図8B】本発明の代替の実施の形態に係るRGB色の蛍光体を含んで形成されたチャンバを有するリソグラフィパターニングにより形成されたアノード構造の概略図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る電界放出装置の概略図である。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年1月8日に出願された出願番号第10/754,365番の一部継続出願、及び2004年2月9日に出願された出願番号第10/775,793番の一部継続出願であり、これらすべては共有され、すべての目的のために参照によって本明細書に組込まれる。
【0002】
本発明は、概電界放出装置に関し、より詳細には、電子エミッタアレイを備える電界放出装置の形成方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電界放出装置は、一般に、フラットパネルディスプレイ(FPD)、イオン銃、電子線リソグラフィ、高エネルギー加速器、自由電子レーザー、電子顕微鏡、及びその他同種のもの等の様々な適用例で見出される。典型的な電界放出装置は、カソードと、複数の電界エミッタ先端と、エミッタ先端に近接した間隔で配置されたグリッドと、カソードからいっそう離れて配置されたアノードとを備える。電圧は、グリッドを通じて、先端からアノードへ向かっての電子の放出を引き起こす。
【0004】
図1は、電子を放出するためのエミッタ102、エミッタ102から生成された電子の量をコントロールするためのゲート電極104、及びゲート電極104上に位置したアノード106を備える従来の三極管型電界放出装置100の概略図である。トランジスタのゲート電極110に印加された電圧に依存する電流が、ソース電極108からエミッタ102に選択的に印加される。エミッタ102から電子を放出するための高電圧が、ゲート電極104に印加される。
【0005】
カソードの材料特性は性能を予測する際に重要である。カソード材料は、典型的に、Mo等の金属、又はSi等の半導体である。金属及び半導体材料については、放出に必要な制御電圧は比較的高い。高い制御電圧は、カソード先端でのイオン衝撃及び表面拡散によるダメージを増大させ、要求される放出電流密度を生成するための高い出力密度を必要とする。均一な鋭い先端の製作、特に広い領域にわたっての製作は、これまで、困難で、退屈で、そして高価であった。
【0006】
ナノスケール導体として知られている別のタイプのエミッタが、近年、将来的に有用な電子電界エミッタとして出現してきた。ナノスケール導体は、極めて小さな伝導性のナノチューブ(中空)又はナノワイヤー(中実)である。典型的に、ナノスケール導体は、電界放出装置に容易に又は都合良く組み入れられない、ランダムな方向を向いた針状又はスパゲッティ状のパウダーの形態で成長する。このランダムな構成により、電子の放出特性が完全には利用又は最適化されない。多くのナノスケール導体先端は塊の中に埋められているであろう。
【0007】
従って、電界放出装置で使用されるエミッタを形成する改善された方法が必要である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電界放出装置のための電子エミッタを製造する方法、及び該方法によって製造された、フラットパネルディスプレイ等で使用される電界放出装置を提供する。
【0009】
本発明の一実施の態様では、電子エミッタを備える装置の形成方法が提供される。この方法は、束ねられたファイバーセグメントのシートの第1の面を反応液にさらし、前記ファイバーセグメントの第1の端部を前記反応液と反応させて、該第1の端部から物質を除去するステップを含む。コーティング物質は、前記物質が除去された前記第1の面上に堆積される。この方法はまた、束ねられたファイバーセグメントの前記シートの第2の面を反応液にさらし、前記ファイバーセグメントの第2の端部を前記反応液と反応させて、該第2の端部から物質を除去して前記コーティング物質を露出させるステップを含む。
【0010】
本発明の別の態様では、電界放出装置が提供される。この電界放出装置は、束ねられたファイバーセグメントのシートの第1の面を反応液にさらし、前記ファイバーセグメントの第1の端部を前記反応液と反応させて、該第1の端部から物質を除去するステップと、前記物質が除去された前記第1の面上にコーティング物質を堆積させるステップと、束ねられたファイバーセグメントの前記シートの第2の面を反応液にさらし、前記ファイバーセグメントの第2の端部を前記反応液と反応させて、該第2の端部から物質を除去して前記コーティング物質を露出させるステップとによって形成されるカソード板を備える。この電界放出装置はまた、堆積された透明な導電性物質を表面上に有する透明基板を提供するステップと、前記透明基板上に誘電体スペーサを形成するステップと、前記誘電体スペーサの選択的な領域をエッチングし、有色の蛍光体を包含するチャンバを形成するステップとによって形成されるアノード板を備える。この電界放出装置はまた、前記カソード板の前記第2の面上、又は前記アノード板の前記スペーサ層の先端上の何れかに製作された、パターニングされたゲート電極層を備えることができる。前記アノード板及び前記カソード板は、エッチングされた前記選択的な領域に前記露出されたコーティング物質を整列させて一体に形成される。
【0011】
本発明のさらに別の態様では、エミッタを備える装置の形成方法が提供される。この方法は、各々が第1の端部及び第2の端部を有するファイバーセグメントのシートを準備するステップと、前記ファイバーセグメントの前記第1の端部を反応液にさらし、前記反応液を前記第1の端部と反応させて、前記第1の端部から物質を除去するステップと、前記第1の面上にコーティング物質を堆積させるステップと、コーティングされた前記第1の端部上に誘電体層を堆積させ、該誘電体層上に基板を取り付けるステップと、前記ファイバーセグメントの前記第2の端部を反応液にさらし、前記反応液を前記第2の端部と反応させて、前記第2の端部から物質を除去して前記コーティング物質を露出させるステップと、有色の蛍光体を包含するチャンバを備えるアノード板を準備するステップと、前記カソード板の前記第2の面上、又は前記アノード板の前記スペーサ層の先端上の何れかに、ゲート電極層を製作するステップと、前記チャンバを前記露出されたコーティング物質と整列させて電界放出装置を形成するステップとを含む。
【0012】
工程が単純で複雑ではないため、本発明に係る電界エミッタの製造工程は、従来技術に係るエミッタ製造工程よりも容易である。本発明に係る工程は、エミッタ形成用の如何なる構造の個別のパターニングをも必要としない。
【0013】
クリーンルーム又は他の特別な装置は製造工程において必要ではない。さらに、本発明に係る工程は、特に、70インチ×70インチ級又はより大きな電界エミッタアレイ等の大きな一片の電界エミッタアレイの製造に適している。
【0014】
発明の範囲は請求項によって定められ、それは参照によってこのセクションに組み入れられる。本発明の実施の形態のより完全な理解は、その更なる利点の理解に加えて、複数の実施の形態の以下の詳細な説明の考察によって、当業者に与えられるであろう。最初に簡潔に記述される添付の図面に参照がなされるであろう。
【0015】
本発明の実施の形態及びそれらの利点は、以下の詳細な説明を参照することにより最も良く理解される。複数の図面中で示された類似の構成要素を識別するために、類似の参照番号が用いられていることを理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図2は、本発明の実施の形態に係る電子エミッタアレイの形成工程200を説明するフローチャートである。工程200は、ガラス(SiO2)又はプラスチック等により製造された円筒状の棒又はファイバーなどの、円筒状部材の束の形成又は提供を含む(s202)。円筒状部材の束は、円筒状部材セグメントの一枚又は複数枚のシートに切断又はスライスされる(s204)、シートはそれぞれ第1の面及び第2の面を有する。
【0017】
各シート中の各々の円筒状部材セグメントの端部は、滑らかな端部を形成するために研磨されることができる(s206)。一実施の形態では、シートの面を、平らな表面から、より丸い又はカーブした表面に変化する表面に形成するために、シートの片側又は両側の面の研磨を、工程200はさらに含んでいてもよい。
【0018】
シートの第1の面内の各部材セグメントの端部はエッチングされて、エッチングされた又はモディファイされた端部を形成する(s208)。一実施の形態では、円筒状部材セグメントの各シートの第1の面は、液体バス(liquid bath)又は液体スプレーの形態で反応性溶液にさらされる。一実施の形態では、円筒状部材セグメントのシートの第1の面は、少なくとも部分的に、エッチング液を含む液体バスへ浸漬される。別の実施の形態では、円筒状部材セグメントのシート上に適切なエッチング液がスプレーされる。以下により詳細に記述されているように、エッチング液は、一般に、最初に各部材セグメントの周縁部から物質を除去することにより、各部材セグメントをエッチング又はモディファイする。束ねられた部材セグメント各々からの物質の除去は、隣接する部材セグメント間に空間即ち「セル」を作成する。セルは、広い上端部と、より狭い端部を画定する下端部とを有するトラフに例えられることができる。
【0019】
モディファイされた端部部材セグメントの新しく形成されたアレイは、電子を供給するために、低い電子親和力又は低エネルギー電子放出性の導電性物質を用いてコーティングされることができる(s210)。放出性の導電性物質はモディファイされた端部に堆積され、これによってセルを満たす。
【0020】
以下により詳細に記述されているように、モディファイされた端部部材セグメントのアレイが一旦コーティングされると、それらは、誘電体又は高分子材料の保護層で覆われることができる(s212)。誘電体層は研摩によって平坦化され、例えば、ガラス基板又は同様の支持基板などの基板に取り付けられることができる(s214)。
【0021】
一実施の形態では、円筒状部材セグメントの各シートの第2の面は、液体バス又は液体スプレーの形態で反応性溶液にさらされる。一実施の形態では、円筒状部材セグメントのシートの第2の面は、少なくとも部分的に、エッチング液を含む液体バスへ浸漬される。代替の実施の形態では、円筒状部材セグメントのシートの第2の面上に適切なエッチング液がスプレーされる。エッチングの前に追加で、金属の導電性のゲート電極層が、円筒状部材セグメントのシートの第2の面上に堆積及びパターニングされてもよい(s216)。この実施の形態では、ゲート電極はエッチングマスクの役割をすることができる。代わりに、以下により詳細に記述されているように、ゲート電極はアノード板上に形成されることができる。
【0022】
以下にもより詳細に記述されているように、エッチング液は各部材セグメントをエッチング又はモディファイする。束ねられた部材セグメント各々からの物質の除去は、隣接する部材セグメント間の第1の面上に形成されたセルに直列なセルを作り出す。第2の面上のセル形成の深さは、エッチモディファイされた部材セグメントのシートの第1の面上のセルの狭い端部を満たす低エネルギー電子放出性の導電性物質が、第2の面へ露出するような深さに達する(s218)。露出された低エネルギー電子放出性の導電性物質は、一般に狭いエッジの形状で、第2の面から見ることのできる電子エミッタを形成する。
【0023】
図3は、本発明の実施の形態に係る複数の円筒状部材セグメント302の束300の概略図である。一実施の形態では、円筒状部材セグメント302はそれぞれ、棒、円筒、ファイバー又は他の同様の形状の部材であることができる。代わりに、円筒状部材セグメントは、非円形の断面、例えば正方形又は他の多角形の断面を有することができる。
【0024】
複数の円筒状部材セグメント302は、各部材の縦軸に沿って束ねられる。一実施の形態では、円筒状部材302の束の断面は、ハニカム状の形態を有することができる。他の実施の形態では、部材セグメント302の束の断面は、正方形、長方形、又は他の適切な断面の形態を有していてもよい。
【0025】
一実施の形態では、紫外線硬化接着剤等の任意の適切な接着剤を使用して、円筒状部材セグメント302は一体に束ねられ、束300を形成する。有益なことに、紫外線硬化接着剤を使用して円筒状部材セグメント302の束300を形成する際に、部材間に存在し得る任意のギャップが、接着剤が硬化する前に接着剤で満たされるであろう。
【0026】
束300を構成する各々の円筒状部材セグメント302の直径及び長さは、一般に、適用例によって決定される。
【0027】
図3に示されるように、適切な厚さを保証するために、束300は単一の層又はシート300aに切り分けられ、厚さtを有する円筒状部材セグメント302のアレイを形成する。一実施の形態では、発明を制限するものではないが、円筒状部材セグメント302の各シート300aの厚さは、約100μmと数ミリメートルとの間であることができる。束300は、ダイシングソー又はカッティングホイールなどの通常の切断技術を用いて、シート300aに切り分けられることができる。
【0028】
一実施の形態では、シート300a中の各々の円筒状部材セグメント302の直径dは、約9μmのコアサイズ及び約125μmの全径を有する標準のシングルモードファイバであることができる。一般に、各々の円筒状部材302の直径は、適用例に依存して、約1mm未満から数ミリメートルの間の範囲に及ぶことができる。別の実施の形態では、円筒状部材セグメント302は、マルチモードファイバーであることができる。
【0029】
一実施の形態では、円筒状部材セグメント302のシート300aの第1の面412の端部304は、本発明の実施の形態に係るエッチング工程を用いてモディファイされるであろう。
【0030】
図4を参照すると、一実施の形態では、端部304のモディファイは、液体バス406を含む液体バスコンテナ400の中にシート300aの第1の面412の端部304を置くことにより達成されることができる。
【0031】
液体バス406は、ファイバーのエッチングに適した化学薬品の任意の望ましい配合を含むことができる。一実施の形態では、液体バス406はフッ酸408を含む。フッ酸408の表面上で油膜410を形成する油の薄い層は、液体バス406に加えられることができる。フッ酸408の表面上の油膜410の追加は、酸の表面上にバリアを作成し、エッチング工程の深さをコントロールする。一般に、エッチングの深さは端部304の浸漬の深さによってコントロールされるが、フッ酸は、いくつかの実例において、フッ酸中に浸漬された部分を通じて部材セグメントを「上昇する」ことができ、浸漬されていない部分の望まないエッチングを引き起こす。油膜410はエッチストップとして作用し、油膜410を越えてフッ酸が上昇するのを防止する。
【0032】
シート300aの第1の面412の端部304は、希望の量のエッチングを行なうのに十分に長い所定の期間の間、液体バス406に置かれる。エッチングに要する時間は、シート300aの各部材セグメント302の材質と、浴コンテナ400中の液体の組成及び濃度との関数である。
【0033】
一実施の形態では、図5に示されるシート300aの部材セグメント302(明確になるように、単一の部材セグメント302が示されている)の各々は、コア領域A1、及びコア領域A1を囲む周縁領域A2を含む。工程中では、周縁領域A1が直接に接する状態にあり、フッ酸408に対してより露出された表面を有するため、液体バス406は、コア領域A1に作用する前に周縁領域A2に作用する。角部の上面及び側面が同時に露出されるため、このことはコーナーエリア506で特に正しい。部材セグメントを形成するために使用されているファイバーのタイプもまた、エッチング領域の形成方法に影響することができる。いくつかのファイバーのコア領域A1は、周縁領域A2よりもいっそう純粋に製作される――純粋な領域が少ないほど、エッチング液に対してより敏感となる。
【0034】
モディファイされた端部502の長さは、例えば、油膜410より下のフッ酸408への部材セグメント302の浸積の深さによってコントロールされる。しかしながら、モディファイされた端502の端部504の鋭さ(即ち傾斜)Sは、部材セグメント302が液体バス406中に保持される時間の長さ及びフッ酸408の濃度によりコントロールされる。
【0035】
有益なことに、本発明のエッチング工程は、製造者が、エッチング工程の進行を絶えずチェックすることができ、端部504の望ましいサイズに到達すればいつでも液体バスからシート300aを取り出すことができるほど十分に遅い工程である。
【0036】
エッチング工程によって得られる構造は、図6に示されるモディファイされた部材セグメント302端部のアレイ600である。エッチング工程の間に、物質が各部材セグメント302から除去され、このことが、隣接するエッチングされた部材セグメント302間に空間即ちセル602を作る。セル602は、各セル602の底部又はトラフに狭いエッジ604を形成する。アレイ600のサイズは、最初に提供されるファイバーの束のサイズにのみ制限され、従って、アレイ600は、実質的に任意のアレイサイズに設計されることができる。
【0037】
図7Aに示されるように、結果として生じるアレイ600は、低い電子親和力又は低エネルギー電子放出性の導電性物質702をその上に堆積させるために、蒸着又はスパッタリング等の公知の堆積技術を適用されることができる。低エネルギー電子放出性物質702は端部504上で堆積し、実質的にセル602を満たす。部材セグメント302の端部504は、必ずしも「鋭い」先端を有する必要はない。むしろ、端部504は実質的に鈍く作成され、低エネルギー電子放出性のコーティングが任意の希望する高さh1まで堆積することを可能とする。アレイ600上の隣接するモディファイされた部材セグメント302端部間に形成されたセル602は、低エネルギー電子放出性物質702で実質的に満たされる。一般に、コーティング702は、モディファイされた部材セグメント端部の輪郭に沿う。
【0038】
低エネルギー電子放出性導電性コーティング702は、外部(ゲート)バイアス電圧の下で自由電子を供給するために提供される。以下に詳細に記述されているように、電子は加速され、アノード板上の有色の蛍光体を備えるチャンバに到達することができる。
【0039】
低エネルギー電子放出性導電性コーティング702は、特定用途に必要な機能を提供する任意の適切なコーティングであることができる。一実施の形態では、部材セグメントのモディファイされた端502はそれぞれ、PdOx、α−C、Pd、Mo、Ni、Cr、Cu、Au、Pt、Ir、ダイヤモンド等の低エネルギー電子放出性導電性物質でコーティングされる。
【0040】
低エネルギー電子放出性導電性コーティング702の厚さは、形成されるエミッタが特定用途において機能すると期待される寿命の関数である。一実施の形態では、低エネルギー電子放出性導電性コーティング702の厚さは、約100nmから、用途に応じて約数ミクロン以上であることができる。
【0041】
図7Bに示されるように、アレイ600をコーティングした後、モディファイされた各端部502及びコーティング702を覆い、コーティング702の堆積されたカラム710間に形成されたスペース708を満たす誘電体層704が、アレイ600上に形成される。誘電体層704は、公知の堆積、スピン・オン又はスプレー技術を用いて適用される、ポリマー、スピン・オン・グラス(SOG)、SiO2、及びSi3N4等の任意の適切な誘電材料であることができる。
【0042】
誘電体層704は、低エネルギー電子放出性コーティング702の端面の輪郭又は形状に沿っていてもよい。誘電体層704は、例えば、当技術分野の熟練者に知られている標準的な研摩技術によって平坦化されることができる。基板材料706が、平坦化された誘電体層704上に配置及び結合即ち接着されて、結果として生じる構造716を形成する。基板706は、例えば、ガラス基板又は他の同様な支持基板材料であることができる。
【0043】
図7Bを再び参照すると、結果として生じる構造716は、そこから外部に延伸するオリジナルのシート300a(図3)の第2の面414を有する。第2の面414は、基板706と反対側に配置される、結果として生じる構造716の面である。
【0044】
一実施の形態では、円筒状部材セグメント302のシート300aの第2の面414の端部304もまた、本発明の実施の形態に係るエッチング工程を用いてモディファイされてもよい。
【0045】
図4を再び参照すると、液体バス406を含む液体バスコンテナ400に第2の面414の端部304を置くことにより、又は代わりに、適切なエッチング液を端部304にスプレーすることにより、モディファイは達成されることができる。
【0046】
図7Cは、本発明の実施の形態に係る第2の面414のエッチングの結果を示す。エッチング工程は、図5を参照して上記したように、第2の面414から物質を除去する。一実施の形態では、第2の面414の、従って各部材セグメント302のエッチングは、セル720を形成する。セル720は、実質的にコーティング物質702で満たされたセル602に整列される。要素722に示されるように、セル720の深さが、エッジ604等のコーティング物質702の少なくとも一部を露出するまで、第2の面414のエッチングは継続する。エッジ604(図6)はセル720へはみ出し、エミッタ724を形成する。結果生じる構造がカソード板700である。
【0047】
図8Aは、本発明の実施の形態に係るアノード板の形成を示す。アノード板800の形成は、ガラス又は同様のタイプの基板などの透明基板802の提供を含む。インジウム錫酸化物(ITO)等の透明な導電性物質804は、ガラス基板802上に堆積され、アノード電極を形成する。一実施の形態では、導電性物質804は、任意の希望するデザイン又はパターンにパターニング又はエッチングされることができる。
【0048】
次に、SiO2、SOG、ポリマー等の適切な誘電性スペーサ806が、透明な導電性物質804上に堆積される。誘電性スペーサ806は、蒸着、スパッタリング、CVD、及びスピン・オン・コート等の様々な堆積技術を用いて堆積されることができる。
【0049】
金属又は導電層808がスペーサ806上に堆積される。結果として生じる構造810は、例えば光リソグラフィ技術又は他の同様のパターニング技術を使用して、ゲート電極816にパターニングされることができる。
【0050】
代替の実施の形態では、ゲート電極層808はカソード板700a上に形成されることができる。
【0051】
代替の実施の形態では、図7Bに示される構造716に到達した後に、金属又は導電層750(図7D)が、蒸着又はスパッタリング等の公知の技術を用いて、第2の面414上に堆積されることができる。金属導電層750は、光リソグラフィ等を通じてゲート電極752にパターニングされることができるゲート電極層を形成する。SiO2、Si3N4、及びポリマー等の追加の誘電体層が、必要又は希望する場合に、ゲート電極層750及び第2の面414の間に挿入されることができる。その後、シート300aの第2の面414の円筒状の部材セグメント302の端部304は、本発明の実施の形態に係るエッチング工程を用いてモディファイされるであろう。図4を再び参照すると、液体バス406を含む液体バスコンテナ400に第2の面414の端部304を置くことにより、モディファイは達成されることができる。
【0052】
ゲート金属は(自己整合の)マスクとして用いられることができ、図5を参照して上記したように、エッチング工程が第2の面414からの物質の除去を可能にする。この代替の実施の形態では、第2の面414の、従って各部材セグメント302のエッチングは、セル720を形成する。セル720は、コーティング物質702で満たされた第1の面412上のセル602に整列される。要素722に示されるように、セル720の深さがエッジ604等のコーティング物質702の少なくとも一部を露出するまで、第2の面414のエッチングは継続する。端部604はセル720へはみ出し、エミッタ724を形成する。結果生じる構造が、ゲート電極752を備えるカソード板700aである。
【0053】
さて、図8A及び図8Bを参照すると、誘電性スペーサ806の選択的な領域が、ゲート電極816をエッチングマスクとして用いて(図8A中の800)、又は、ゲート電極816を有さない実施の形態において、当技術分野の熟練者に知られているセパレートパターニング技術を用いて(図8B中の800a)、エッチバックされ、チャンバ812を形成する。カソード板700及びアノード板800への以下の参照は、カソード板700a及びアノード板800aへもまた必要に応じて適用されるとみなされるべきである。
【0054】
何れの実施の形態でも、各々のチャンバ812は、有色の蛍光体814で満たされることができる。蛍光体814は、赤、緑、及び青(RGB)色の蛍光体を含む。結果生じるアノード板800は、その後、以下に記述されるようにカソード板と結合されることができる。
【0055】
図9は、本発明の実施の形態に係る電界放出装置(FED)900の実施の形態を示す。カソード板700及びアノード板800を一度形成すると、2つの板は整列され連結されることができる。残留する、ゲート電極808を有する誘電性スペーサ806のエッチングされていない部分は、アノード板800上のチャンバ812を含む蛍光体の各々がカソード板700上の1又は複数のエミッタ724に対応するように整列される。
【0056】
封止材又はガスケットがアノード板800及びカソード板700(又は700a)の間に配置されることができ、結合された板が真空にポンピングされ封止されることが可能になる。
【0057】
この構成によると、露出するエミッタ724から放出された電子は、加速されてチャンバ812内のRGB蛍光体に衝突し、着色光の放出を提供することができる。
【0058】
上記された実施の形態は例示のためであり発明を限定するものではない。本発明の原理に従って多数の修正及び変形が可能であることもまた理解されるであろう。従って発明の範囲は上記請求項によってのみ定められる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】従来技術に係る電界放出装置の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るカソード板の形成工程を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態に係る1枚のシートの円筒状部材の概略図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るエッチング槽の概略図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るエッチング工程が施される前後の各々の部材セグメントの概略図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るエッチングされたファイバーアレイの概略図である。
【図7A】本発明の実施の形態に係るカソード板の形成工程の概略図である。
【図7B】本発明の実施の形態に係るカソード板の形成工程の概略図である。
【図7C】本発明の実施の形態に係るカソード板の形成工程の概略図である。
【図7D】本発明の代替の実施の形態に係るカソード板の概略図である。
【図8A】本発明の実施の形態に係るRGB色の蛍光体を含んで形成されたチャンバを有するリソグラフィパターニングにより形成されたアノード構造の概略図である。
【図8B】本発明の代替の実施の形態に係るRGB色の蛍光体を含んで形成されたチャンバを有するリソグラフィパターニングにより形成されたアノード構造の概略図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る電界放出装置の概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エミッタを備える装置の形成方法であって、
束ねられたファイバーセグメントのシートの第1の面を反応液にさらし、前記ファイバーセグメントの第1の端部を前記反応液と反応させて、該第1の端部から物質を除去するステップと、
前記物質が除去された前記第1の面上にコーティング物質を堆積させるステップと、
束ねられたファイバーセグメントの前記シートの第2の面を反応液にさらし、前記ファイバーセグメントの第2の端部を前記反応液と反応させて、該第2の端部から物質を除去して前記コーティング物質を露出させるステップとを含む方法。
【請求項2】
前記反応液がフッ酸の溶液を含む請求項1の方法。
【請求項3】
前記反応液がフッ酸のスプレーを含む請求項1の方法。
【請求項4】
前記コーティング物質が、α−C、PdOx、Pd、Mo、Ni、Cr、Cu、Au、Pt、Ir、及びダイヤモンド等からなる群より選択される一の電子親和力の低い物質を含む請求項1の方法。
【請求項5】
束ねられたファイバーセグメントの前記シートの前記第1の面を反応液にさらす前記ステップが、前記第1の端部から物質を除去してモディファイされた端部及びセルを形成するステップを含み、前記物質が除去された前記第1の面上に前記コーティング物質を堆積させる前記ステップが、前記コーティング物質をモディファイされた前記端部及び前記セル内に堆積させるステップを含む請求項1の方法。
【請求項6】
前記コーティング物質上に誘電体層を形成するステップを更に含む請求項1の方法
【請求項7】
前記誘電体層上に基板を取り付けるステップを更に含む請求項6の方法
【請求項8】
露出した前記コーティング物質が電子エミッタを形成する請求項1の方法。
【請求項9】
堆積された透明な導電性物質を表面上に有する透明基板を準備するステップと、
前記透明基板上に誘電体スペーサを形成するステップと、
前記誘電体スペーサの選択的な領域をパターニング及びエッチングし、有色の蛍光体を包含するチャンバを形成するステップと、
露出された前記コーティング物質をエッチングされた前記選択的な領域に整列させて電界放出装置を形成するステップとを更に含む請求項1の方法。
【請求項10】
ゲート電極が前記誘電体スペーサ上に形成される請求項9の方法。
【請求項11】
前記透明基板上に透明な導電性物質を堆積させるステップと、前記透明な導電性物質をパターニングするステップとを更に含む請求項9の方法。
【請求項12】
前記電界放出装置をポンピングして真空にした後に前記電界放出装置を封止するステップを更に含む請求項9の方法。
【請求項13】
束ねられたファイバーセグメントの前記シートの前記第2の面上にゲート電極層が堆積及びパターニングされる請求項1の方法。
【請求項14】
束ねられたファイバーセグメントのシートの第1の面を反応液にさらし、前記ファイバーセグメントの第1の端部を前記反応液と反応させて、該第1の端部から物質を除去するステップと、
前記物質が除去された前記第1の面上にコーティング物質を堆積させるステップと、
束ねられたファイバーセグメントの前記シートの第2の面を反応液にさらし、前記ファイバーセグメントの第2の端部を前記反応液と反応させて、該第2の端部から物質を除去して前記コーティング物質を露出させるステップと
によって形成されるカソード板、
及び、
堆積された透明な導電性物質を表面上に有する透明基板を提供するステップと、
前記透明基板上に誘電体スペーサを形成するステップと、
前記誘電体スペーサの選択的な領域をエッチングし、有色の蛍光体を包含するチャンバを形成するステップと
によって形成されるアノード板、
を備え、
露出された前記コーティング物質をエッチングされた前記選択的な領域に整列させるように、前記アノード板及び前記カソード板が一体に形成される電界放出装置。
【請求項15】
前記透明基板上に堆積された前記透明な導電性物質が、パターニングされてアノード電極を形成する請求項14の電界放出装置。
【請求項16】
一体に形成された前記アノード板及びカソード板が、一体に形成された前記アノード板及びカソード板がポンピングされて真空になることを可能にする封止材を備える請求項14の電界放出装置。
【請求項17】
前記反応液がフッ酸の溶液を含む請求項14の電界放出装置。
【請求項18】
前記反応液がフッ酸のスプレーを含む請求項14の電界放出装置。
【請求項19】
前記コーティング物質が、α−C、PdOx、Pd、Mo、Ni、Cr、Cu、Au、Pt、Ir、及びダイヤモンド等からなる群より選択される一の電子親和力の低い物質を含む請求項14の電界放出装置。
【請求項20】
エミッタを備える装置の形成方法であって、
各々が第1の端部及び第2の端部を有するファイバーセグメントのシートを準備するステップと、
前記ファイバーセグメントの前記第1の端部を反応液にさらし、前記反応液を前記第1の端部と反応させて、前記第1の端部から物質を除去するステップと、
前記第1の面上にコーティング物質を堆積させるステップと、
コーティングされた前記第1の端部上に誘電体層を堆積させ、該誘電体層上に基板を取り付けるステップと、
前記ファイバーセグメントの前記第2の端部を反応液にさらし、前記反応液を前記第2の端部と反応させて、前記第2の端部から物質を除去して前記コーティング物質を露出させるステップと、
有色の蛍光体を包含するチャンバを備えるアノード板を準備するステップと、
前記チャンバを前記露出されたコーティング物質と整列させて電界放出装置を形成するステップとを含む方法。
【請求項21】
前記反応液がフッ酸の溶液を含む請求項20の方法。
【請求項22】
前記反応液がフッ酸のスプレーを含む請求項20の方法。
【請求項23】
前記コーティング物質が、α−C、PdOx、Pd、Mo、Ni、Cr、Cu、Au、Pt、Ir、及びダイヤモンド等からなる群より選択される一の電子親和力の低い物質を含む請求項20の方法。
【請求項24】
前記電界放出装置をポンピングして真空にし、かつ封止するステップを更に含む請求項20の方法。
【請求項1】
エミッタを備える装置の形成方法であって、
束ねられたファイバーセグメントのシートの第1の面を反応液にさらし、前記ファイバーセグメントの第1の端部を前記反応液と反応させて、該第1の端部から物質を除去するステップと、
前記物質が除去された前記第1の面上にコーティング物質を堆積させるステップと、
束ねられたファイバーセグメントの前記シートの第2の面を反応液にさらし、前記ファイバーセグメントの第2の端部を前記反応液と反応させて、該第2の端部から物質を除去して前記コーティング物質を露出させるステップとを含む方法。
【請求項2】
前記反応液がフッ酸の溶液を含む請求項1の方法。
【請求項3】
前記反応液がフッ酸のスプレーを含む請求項1の方法。
【請求項4】
前記コーティング物質が、α−C、PdOx、Pd、Mo、Ni、Cr、Cu、Au、Pt、Ir、及びダイヤモンド等からなる群より選択される一の電子親和力の低い物質を含む請求項1の方法。
【請求項5】
束ねられたファイバーセグメントの前記シートの前記第1の面を反応液にさらす前記ステップが、前記第1の端部から物質を除去してモディファイされた端部及びセルを形成するステップを含み、前記物質が除去された前記第1の面上に前記コーティング物質を堆積させる前記ステップが、前記コーティング物質をモディファイされた前記端部及び前記セル内に堆積させるステップを含む請求項1の方法。
【請求項6】
前記コーティング物質上に誘電体層を形成するステップを更に含む請求項1の方法
【請求項7】
前記誘電体層上に基板を取り付けるステップを更に含む請求項6の方法
【請求項8】
露出した前記コーティング物質が電子エミッタを形成する請求項1の方法。
【請求項9】
堆積された透明な導電性物質を表面上に有する透明基板を準備するステップと、
前記透明基板上に誘電体スペーサを形成するステップと、
前記誘電体スペーサの選択的な領域をパターニング及びエッチングし、有色の蛍光体を包含するチャンバを形成するステップと、
露出された前記コーティング物質をエッチングされた前記選択的な領域に整列させて電界放出装置を形成するステップとを更に含む請求項1の方法。
【請求項10】
ゲート電極が前記誘電体スペーサ上に形成される請求項9の方法。
【請求項11】
前記透明基板上に透明な導電性物質を堆積させるステップと、前記透明な導電性物質をパターニングするステップとを更に含む請求項9の方法。
【請求項12】
前記電界放出装置をポンピングして真空にした後に前記電界放出装置を封止するステップを更に含む請求項9の方法。
【請求項13】
束ねられたファイバーセグメントの前記シートの前記第2の面上にゲート電極層が堆積及びパターニングされる請求項1の方法。
【請求項14】
束ねられたファイバーセグメントのシートの第1の面を反応液にさらし、前記ファイバーセグメントの第1の端部を前記反応液と反応させて、該第1の端部から物質を除去するステップと、
前記物質が除去された前記第1の面上にコーティング物質を堆積させるステップと、
束ねられたファイバーセグメントの前記シートの第2の面を反応液にさらし、前記ファイバーセグメントの第2の端部を前記反応液と反応させて、該第2の端部から物質を除去して前記コーティング物質を露出させるステップと
によって形成されるカソード板、
及び、
堆積された透明な導電性物質を表面上に有する透明基板を提供するステップと、
前記透明基板上に誘電体スペーサを形成するステップと、
前記誘電体スペーサの選択的な領域をエッチングし、有色の蛍光体を包含するチャンバを形成するステップと
によって形成されるアノード板、
を備え、
露出された前記コーティング物質をエッチングされた前記選択的な領域に整列させるように、前記アノード板及び前記カソード板が一体に形成される電界放出装置。
【請求項15】
前記透明基板上に堆積された前記透明な導電性物質が、パターニングされてアノード電極を形成する請求項14の電界放出装置。
【請求項16】
一体に形成された前記アノード板及びカソード板が、一体に形成された前記アノード板及びカソード板がポンピングされて真空になることを可能にする封止材を備える請求項14の電界放出装置。
【請求項17】
前記反応液がフッ酸の溶液を含む請求項14の電界放出装置。
【請求項18】
前記反応液がフッ酸のスプレーを含む請求項14の電界放出装置。
【請求項19】
前記コーティング物質が、α−C、PdOx、Pd、Mo、Ni、Cr、Cu、Au、Pt、Ir、及びダイヤモンド等からなる群より選択される一の電子親和力の低い物質を含む請求項14の電界放出装置。
【請求項20】
エミッタを備える装置の形成方法であって、
各々が第1の端部及び第2の端部を有するファイバーセグメントのシートを準備するステップと、
前記ファイバーセグメントの前記第1の端部を反応液にさらし、前記反応液を前記第1の端部と反応させて、前記第1の端部から物質を除去するステップと、
前記第1の面上にコーティング物質を堆積させるステップと、
コーティングされた前記第1の端部上に誘電体層を堆積させ、該誘電体層上に基板を取り付けるステップと、
前記ファイバーセグメントの前記第2の端部を反応液にさらし、前記反応液を前記第2の端部と反応させて、前記第2の端部から物質を除去して前記コーティング物質を露出させるステップと、
有色の蛍光体を包含するチャンバを備えるアノード板を準備するステップと、
前記チャンバを前記露出されたコーティング物質と整列させて電界放出装置を形成するステップとを含む方法。
【請求項21】
前記反応液がフッ酸の溶液を含む請求項20の方法。
【請求項22】
前記反応液がフッ酸のスプレーを含む請求項20の方法。
【請求項23】
前記コーティング物質が、α−C、PdOx、Pd、Mo、Ni、Cr、Cu、Au、Pt、Ir、及びダイヤモンド等からなる群より選択される一の電子親和力の低い物質を含む請求項20の方法。
【請求項24】
前記電界放出装置をポンピングして真空にし、かつ封止するステップを更に含む請求項20の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【公表番号】特表2007−518240(P2007−518240A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549278(P2006−549278)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/041505
【国際公開番号】WO2005/069780
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(506207462)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/041505
【国際公開番号】WO2005/069780
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(506207462)
【Fターム(参考)】
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