フープオープナ
【課題】SEMI規格の規定を遵守した状態で、半導体ウエーハが複数枚積層された状態で収納されている1つの第1フープの他、1枚の半導体ウエーハを収納した第2フープが複数積層されている第2フープ群(積層型フープ群)も取り扱うことができるフープオープナを提供する。
【解決手段】第1フープF1が載置される水平面22を有する載置台20と、載置台20に着脱可能に設けられ第2フープF2が載置される台座部32と、上下方向に移動可能に設けられ水平面22の一部を形成するとともに積層された第2フープF2同士のロックを解除するロック解除機構34と、を備えた構成とした。
【解決手段】第1フープF1が載置される水平面22を有する載置台20と、載置台20に着脱可能に設けられ第2フープF2が載置される台座部32と、上下方向に移動可能に設けられ水平面22の一部を形成するとともに積層された第2フープF2同士のロックを解除するロック解除機構34と、を備えた構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットハンドなどにより移動させられる半導体ウエーハを収納したフープが載置されるフープオープナに関する。
【背景技術】
【0002】
図11に示すように、従来から半導体製造装置100には、半導体ウエーハWが複数枚積層された状態で収納されている1つのフープ(従来型フープ)F1が載置されるフープオープナ102が設けられている。例えば、このフープオープナ102は、水平台104と、脚部106と、ロボットハンド収納部108と接続する開口部110を開放又は閉塞するシャッター部112と、ロボットハンド収納部108に収納されたロボットハンド114と、を備えている。
【0003】
フープF1がフープオープナ102に載置された状態で、フープF1に収納された半導体ウエーハがロボットハンド114により1枚ずつ半導体製造装置100の内部にある処理部116に移動される。そして、処理部116において、半導体ウエーハWに対して所定の処理が施される。
【0004】
なお、上記従来技術は公用の技術であり、本発明は公用の技術をもとに開発したものである。このため、出願人は、特許出願の時において本発明に関連する文献公知発明の存在を知らず、文献公知発明の名称その他の文献公知発明に関する情報の所在の記載を省略する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、最近では、比較的厚さが薄い半導体ウエーハを収納したフープが複数枚積層され、かつ上下に隣接する各フープ同士が不意に離れないようにロックされているもの(積層型フープ)も流通している。このため、この積層型フープを取り扱うためには、積層されているフープ同士のロックを解除してロック解除したフープを順次取り外していく機構が別途必要となり、水平台を設けただけの従来のフープオープナでは積層型フープを取り扱うことができなかった。
【0006】
また、フープオープナの形状や寸法などについては、SEMI規格により予め規定されているため、上記積層型フープを取り扱うための機構を従来のフープオープナに単純に組み付けるだけでは、SEMI規格の規定に合致したものにならない。このような背景から、SEMI規格の規定に合致したものにならないフープオープナは、当然に認められないという社会的な事情がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、SEMI規格の規定を遵守した状態で、半導体ウエーハが複数枚積層された状態で収納されている1つの第1フープ(従来型フープ)の他、1枚の半導体ウエーハを収納した第2フープ(積層型フープ)が複数積層されている第2フープ群(積層型フープ群)も取り扱うことができるフープオープナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、第1フープが載置される水平面を有する載置部と、前記載置部に着脱可能に設けられ第2フープが載置される台座部と、上下方向に移動可能に設けられ前記水平面の一部を形成するとともに積層された前記第2フープ同士のロックを解除するロック解除機構と、前記ロック解除機構に設けられロックが解除された前記第2フープを把持する把持部と、を含んで構成されたことを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、例えば、半導体ウエーハが複数枚積層された状態で収納されている1つの第1フープ(従来型フープ)から半導体ウエーハを取り出す場合には、ロック解除機構を移動させて載置部の水平面の一部を形成させた状態で、台座部を載置部から取り外し、載置部の水平面に第1フープ(従来型フープ)を載置させる。そして、半導体製造装置に設けられたロボットハンドにより第1フープから半導体ウエーハが取り出され、所定の処理が施される。一方、例えば、比較的厚さが薄い半導体ウエーハを収納した第2フープ(積層型フープ)が複数枚積層され、かつ上下に隣接する各第2フープ同士が不意に離れないようにロックされている第2フープ群(積層型フープ群)から半導体ウエーハを取り出す場合には、ロック解除機構を移動させて載置部の水平面の一部を形成させた状態で、台座部を載置部に設置し、台座部に第2フープ群(積層型フープ群)を載置させる。そして、ロック解除機構を目的の位置まで上昇させ、積層された第2フープ同士のロックがロック解除機構により解除される。同時に、把持部によりロックが解除された第2フープが把持される。この状態でさらに上方に移動させることにより第2フープ同士が分離され、各第2フープに収納された各半導体ウエーハがロボットハンドにより取り出されて所定の処理が施される。このとき、積層された第2フープ群のうち下方に位置する第2フープに収納された半導体ウエーハからロボットハンドにより順次取り出されていく。以上のように、本発明によれば、1つのフープオープナで、SEMI規格の規定を遵守した状態で、第1フープ(従来型フープ)の他に、第2フープ(積層型フープ)も取り扱うことができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、第1フープが載置される水平面を有する載置部と、上下方向に移動可能に設けられ前記水平面の一部を形成するとともに第2フープが載置可能な昇降部と、上下方向に移動可能に設けられ前記水平面の一部を形成するとともに積層された前記第2フープ同士のロックを解除するロック解除機構と、前記ロック解除機構に設けられロックが解除された前記第2フープを把持する把持部と、を含んで構成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、例えば、半導体ウエーハが複数枚積層された状態で収納されている1つの第1フープ(従来型フープ)から半導体ウエーハを取り出す場合には、昇降部を移動させて載置部の水平面の一部を形成させるとともに、ロック解除機構を移動させて載置部の水平面の一部を形成させた状態で、載置部の水平面に第1フープ(従来型フープ)を載置させる。そして、半導体製造装置に設けられたロボットハンドにより第1フープから半導体ウエーハが取り出され、所定の処理が施される。一方、例えば、比較的厚さが薄い半導体ウエーハを収納した第2フープ(積層型フープ)が複数枚積層され、かつ上下に隣接する各第2フープ同士が不意に離れないようにロックされている第2フープ群(積層型フープ群)から半導体ウエーハを取り出す場合には、昇降部を水平面よりも上方に移動させるとともに、ロック解除機構を上方に移動させた状態で、昇降部に第2フープ群(積層型フープ群)を載置させる。そして、積層された第2フープ同士のロックがロック解除機構により解除される。同時に、把持部によりロックが解除された第2フープが把持される。この状態で、昇降部を下方に移動させることにより、第2フープ同士が分離され、各第2フープに収納された各半導体ウエーハがロボットハンドにより取り出されて所定の処理が施される。このとき、積層された第2フープ群のうち下方に位置する第2フープに収納された半導体ウエーハからロボットハンドにより順次取り出されていく。以上のように、本発明によれば、1つのフープオープナで、SEMI規格の規定を遵守した状態で、第1フープ(従来型フープ)の他に、第2フープ(積層型フープ)も取り扱うことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のフープオープナにおいて、前記ロック解除機構の移動を制御する制御部を有し、前記ロック解除機構には前記第2フープの枚数を検出する第1検出部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、ロック解除機構には第2フープの枚数を検出する第1検出部が設けられているため、第2フープの枚数を正確に検出することができる。これにより、第2フープの枚数に対応させてロック解除機構の移動を制御部により正確に制御することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフープオープナにおいて、前記ロック解除機構の移動を制御する制御部を有し、前記ロック解除機構には前記第2フープに収納されている半導体ウエーハの有無を検出する第2検出部が設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、ロック解除機構には第2フープに収納されている半導体ウエーハの有無を検出する第2検出部が設けられているため、第2フープに収納されている半導体ウエーハの有無を正確に検出することができる。これにより、第2フープに収納されている半導体ウエーハの有無に応じて、ロック解除機構を正確に移動させることができ、ロックを解除すべき第2フープのみのロックを解除することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、SEMI規格の規定を遵守した状態で、半導体ウエーハが複数枚積層された状態で収納されている1つの第1フープ(従来型フープ)の他、1枚の半導体ウエーハを収納した第2フープ(積層型フープ)が複数積層されている第2フープ群(積層型フープ群)も取り扱うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の第1実施形態に係るフープオープナについて、図面を参照して説明する。
【0018】
図1に示すように、フープオープナ10は、半導体製造装置12に設けられている。この半導体製造装置12の内部には、ロボットハンド14が収納されている第1チャンバ16と、半導体ウエーハWに対して所定の処理を施す第2チャンバ18が形成されている。
【0019】
図1乃至図4に示すように、フープオープナ10は、水平面22が形成された載置台20と、脚部24と、開口部26が形成されたチャンバ区画壁28と、開口部26を開放又は閉塞するシャッター部30と、を備えている。
【0020】
ここで、載置台20の水平面22の略中央には、平板状の台座部32が着脱可能に設けられている。この台座部32は載置台20の水平面22に単に置かれる構成でもよいし、また、台座部32に凸部又は凹部(図示省略)を設け、水平面22に凹部又は凸部(図示省略)を設け、両者を係合させるように構成してもよい。さらに、第2フープ(積層型フープ)の最下部形状を第1フープと共通化することによって、台座部を省略してもよい。
【0021】
また、載置台20の水平面22に着脱可能に設けられている台座部32の近傍には、一対のロック解除機構34が上下方向(図2及び図3中矢印X方向)及び水平方向(図2及び図3中矢印Y方向)に沿って移動可能となるように設けられている。すなわち、各ロック解除機構34の下部には駆動部36がそれぞれ接続されており、駆動部36の駆動により各ロック解除機構34が上下方向に沿って移動可能となっている。また、駆動部36は図示しない水平移動機構により水平方向に沿って移動可能となるように設けられており、駆動部36とともに各ロック解除機構34が水平方向に沿って移動する。また、各ロック解除機構34は、台座部32を挟んだ位置であって相互に所定の距離だけ離間した状態でそれぞれ設けられている。また、駆動部36は制御部38と接続されており、制御部38により駆動が制御される。各ロック解除機構34の各上面部はそれぞれ平面状に形成されており、各ロック解除機構34の各上面部が水平面22と面一となることにより水平面22の一部を構成するものである。なお、駆動部36として、例えば、上下方向に移動するボールネジを介したモータ駆動で構成してもよいし、シリンダの内部を上下方向に移動するピストンロッドで構成してもよい。また、上下方向に伸縮可能なリンク機構を用いてもよい。
【0022】
また、図2に示すように、各ロック解除機構34には、水平方向(図2及び図3中矢印Y方向)に移動する棒状の操作キー40がそれぞれ設けられている。この操作キー40は、1つのロック解除機構34に対して2つ設けられている。この操作キー40は制御部38と接続されており、制御部38により駆動が制御される。なお、操作キー40として、例えばシリンダの内部を水平方向に移動するピストンロッドで構成してもよいし、水平方向に伸縮可能なリンク機構を用いてもよい。
【0023】
また、図2及び図3に示すように、各ロック解除機構34には、第2フープF2(図5参照)を把持するための把持部41がそれぞれ設けられている。各把持部41は、各ロック解除機構34の両端部にそれぞれ設けられている。このため、各把持部41は、各ロック解除機構34とともに上下方向と水平方向に移動する。なお、各把持部41は、水平移動する操作キー40と連動、または操作キー40そのものと一体化させてもよいし、制御部38と接続されて駆動が制御される単独の機構でもよい。また、各把持部41として、例えばシリンダの内部を水平方向に移動するピストンロッドで構成してもよいし、水平方向に伸縮可能なリンク機構を用いてもよい。なお、上記操作キー40は、把持部41の内部に収納されている。
【0024】
また、図4に示すように、各ロック解除機構34には、第2フープF2(図5参照)の枚数を検出する第1検出部42が設けられている。ここで、「第2フープ」とは、比較的厚さが薄い半導体ウエーハを収納した積層型フープを意味し、第2フープが複数枚積層され、かつ上下に隣接する各第2フープ同士が不意に離れないようにロックされている第2フープ群(積層型フープ群)FCを構成するものである。なお、これに対して、「第1フープ」とは、半導体ウエーハWが複数枚積層された状態で収納されている1つの従来型フープF1(図3及び図11参照)を意味する。また、第1検出部42として、例えば、光センサを用いてもよい。すなわち、一方のロック解除機構34に発光素子を設け、他方のロック解除機構34に受光素子を設け、受光素子における光の受光の有無により、第2フープ群FCの高さを制御部38により算出し、この算出結果とROM44に格納されたプログラム(第2フープ群FCの高さと第2フープF2の枚数との関係を示すテーブル)とに基づいて、第2フープ群FCを構成している各第2フープF2の枚数を制御部38により算出するようにしてもよい。
【0025】
また、図4に示すように、各ロック解除機構34には、第2フープF2に収納されている半導体ウエーハWの有無を検出する第2検出部46が設けられている。この第2検出部46として、半導体ウエーハWに付されたID番号を読み取るIDリーダなどが用いられる。
【0026】
また、フープオープナ10には、ROM44が設けられている。このROM44には、第2フープF2の枚数や半導体ウエーハWの有無に応じた位置に各ロック解除機構34が移動できるようなプログラムが格納されている。
【0027】
ここで、載置台20に載置される各フープについて説明する。
【0028】
第1フープF1(図3及び図11参照)は、上述したように、半導体ウエーハWが複数枚積層された状態で収納されている1つの従来型フープであり、第2フープF2(図5参照)と比較して高さ寸法、幅寸法、奥行き寸法などが大きいものである。第1フープF1には、内部に収納された各半導体ウエーハWを取り出し、あるいは内部に各半導体ウエーハWを収納するための取出口(図示省略)が形成されている。第1フープF1は、載置台20の水平面22から台座部32が取り外され、かつ各ロック解除機構34がそれぞれ下方に移動されて各ロック解除機構34の各上面部が水平面22と面一となった状態で、載置台20の水平面22に載置されるものである。なお、第1フープF1が載置台20の水平面22に載置された状態では、第1フープF1の取出口が開口部26側に向いている。
【0029】
また、図5乃至図8に示すように、第2フープF2は、上述したように、比較的厚さが薄い半導体ウエーハを収納した積層型フープを意味し、第2フープF2が複数枚積層され、かつ上下に隣接する各第2フープF2同士が不意に離れないようにロックされている第2フープ群(積層型フープ群)FCを構成するものであり、第1フープF1と比較して高さ寸法、幅寸法、奥行き寸法などが小さいものである。第2フープF2は、載置台20の水平面22に台座部32が設けられ、かつ各ロック解除機構34が載置台20の水平面22と面一に移動された状態で台座部32上に載置されるものである。
【0030】
ここで、図5及び図6に示すように、第2フープ群FCは、複数の第2フープF2が積層された構成となっている。すなわち、各第2フープF2の上面には半導体ウエーハWが載置される平面上の載置面48がそれぞれ形成されており、下方に位置する第2フープF2の載置面48に半導体ウエーハWが載置された状態でその上方から別の第2フープF2が順次積層されている。なお、上下方向に隣接する第2フープF2同士はシール部材50を介して接続されているため、載置面48の気密性は確保されている。
【0031】
また、図7及び図8に示すように、各第2フープF2には、他の第2フープF2に設けられている各スナップ留54と係合する4つのフック52がそれぞれ形成されている。また、各第2フープF2には、他の第2フープF2に形成されている各フック52と係合する4つのスナップ留54がそれぞれ設けられている。このため、各第2フープF2は、上下方向に隣接する他の第2フープF2に対してロック可能な状態となる。すなわち、上方に位置する第2フープF2の各フック52がその下方に位置する第2フープF2の各スナップ留54とそれぞれ係合することにより、両者が相互にロックされた状態となる(図7参照)。
【0032】
また、各第2フープF2には各スナップ留54に通じる4つの脱着操作孔56がそれぞれ形成されている。各ロック解除機構34に設けられた各操作キー40が各脱着操作孔56にそれぞれ挿入されることにより、各操作キー40が各スナップ留54を押圧し、各フック52と各スナップ留54との係合が解除される(図8参照)。これにより、上下方向に積層された第2フープF2同士を相互に取り外すことが可能となる。
【0033】
次に、本実施形態に係るフープオープナ10の作用について説明する。
【0034】
図2に示すように、例えば、比較的厚さが薄い半導体ウエーハWを収納した第2フープ(積層型フープ)F2が複数枚積層され、かつ上下に隣接する各第2フープF2同士が不意に離れないようにロックされている第2フープ群(積層型フープ群)FCから各半導体ウエーハWを取り出す場合には、ロック解除機構34と載置台20の水平面22とを面一にさせた状態で、台座部32を載置台20に設置し、台座部32に第2フープ群(積層型フープ群)FCを載置させる。そして、制御部38により制御された駆動部36の駆動によりロック解除機構34が目的の位置まで移動される。さらに、各ロック解除機構34に設けられた各操作キー40の移動が制御部38により制御され、各第2フープF2の各脱着操作孔56(図5参照)にそれぞれ挿入される。これにより、各スナップ留54が各操作キー40により押圧され、各フック52と各スナップ留54との係合が解除され(図8参照)、上下方向に積層された第2フープF2同士を相互に取り外すことが可能となる。これと同時に、把持部41がロック解除機構34とともに水平方向に移動され、把持部41により第2フープF2が把持された状態となる(図8参照)。そして、この状態でロボットハンド14が進入できる位置までロック解除機構34が上昇することによって上方に位置する第2フープF2が取り外され、下方に位置する第2フープF2の載置面48に載置されている半導体ウエーハWがロボットハンド14により取り出され、第2チャンバ18において所定の処理が施される。
【0035】
一方、図3に示すように、例えば、半導体ウエーハWが複数枚積層された状態で収納されている1つの第1フープ(従来型フープ)F1から各半導体ウエーハWを取り出す場合には、各ロック解除機構34を制御部38により水平方向及び下方に移動させ各ロック解除機構34の上面部を載置台20の水平面22と面一にさせて、台座部32を載置台20から取り外す。これにより、載置台20の水平面22に凸凹が無くなり水平となる。この状態で、載置台20の水平面22に第1フープF1を載置させる。そして、半導体製造装置12に設けられたロボットハンド14により第1フープF1から半導体ウエーハWがそれぞれ取り出され、第2チャンバ18において所定の処理が施される。
【0036】
以上のように、1つのフープオープナ10において、台座部32の脱着と各ロック解除機構34の移動制御をするだけで、SEMI規格の規定を遵守するとともに、第1フープ(従来型フープ)F1の他に、第2フープ(積層型フープ)F2も取り扱うことができる。このように、本実施形態のフープオープナ10は、2種類のフープに対して兼用することができる。
【0037】
特に、各ロック解除機構34には第2フープF2の枚数を検出する第1検出部42が設けられているため、第2フープF2の枚数を正確に検出することができる。これにより、第2フープF2の枚数に対応させてロック解除機構34の移動を制御部38により正確に制御することができる。
【0038】
また、ロック解除機構34には第2フープF2に収納されている半導体ウエーハWの有無を検出する第2検出部46が設けられているため、第2フープF2に収納されている半導体ウエーハWの有無を正確に検出することができる。これにより、第2フープF2に収納されている半導体ウエーハWの有無に応じて、ロック解除機構34を正確に移動させることができ、ロックを解除すべき第2フープF2のみのロックを解除することができる。
【0039】
次に、本発明の第2実施形態に係るフープオープナについて説明する。
なお、第1実施形態に係るフープオープナ10と重複する構成には同符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0040】
図9及び図10に示すように、本実施形態のフープオープナ60は、台座部32に替えて、載置台20の水平面22の一部を上下方向に移動できるように構成したものである。すなわち、載置台20の水平面22の略中央には、上下方向に移動可能に設けられ水平面22の一部を形成する昇降部62が設けられている。この昇降部62の上面は平面上に形成されており、昇降部62が水平面22と面一となることにより水平面22の一部を構成する。また、昇降部62の下部には駆動部64が接続されており、駆動部64の駆動により上下方向に移動可能となっている。この駆動部64は制御部38と接続されており、制御部38により駆動が制御される。なお、駆動部64として、例えば、上下方向に移動するボールネジを介したモータ駆動で構成してもよいし、シリンダの内部を上下方向に移動するピストンロッドで構成してもよい。また、上下方向に伸縮可能なリンク機構を用いてもよい。
【0041】
本実施形態のフープオープナ60によれば、図9に示すように、例えば、比較的厚さが薄い半導体ウエーハWを収納した第2フープ(積層型フープ)FCが複数枚積層され、かつ上下に隣接する各第2フープF2同士が不意に離れないようにロックされている第2フープ群(積層型フープ群)FCから半導体ウエーハWを取り出す場合には、昇降部62を水平面22よりも上方に移動させるとともに、各ロック解除機構34を上方に移動させた状態で、昇降部62に第2フープ群(積層型フープ群)FCを載置させる。そして、各ロック解除機構34に設けられた駆動部36及び各操作キー40の移動が制御部38により制御され、各第2フープF2の各脱着操作孔56にそれぞれ挿入される。これにより、各スナップ留54が各操作キー40により押圧され、各フック52と各スナップ留54との係合が解除され(図8参照)、上下方向に積層された第2フープF2同士を相互に取り外すことが可能となる。また、これと同時に、把持部41によって第2フープF2が把持された状態となる(図8参照)。そして、この状態で昇降部62が制御部38により駆動され、ロボットハンド14が進入できる位置まで降下することによって、上方に位置する第2フープF2が取り外されて、下方に位置する第2フープF2の載置面48に載置されている半導体ウエーハWがロボットハンド14により取り出され、第2チャンバ18において所定の処理が施される。
【0042】
一方、図10に示すように、半導体ウエーハWが複数枚積層された状態で収納されている1つの第1フープ(従来型フープ)F1から半導体ウエーハWを取り出す場合には、昇降部64を制御部38により移動させて載置台20の水平面22の一部を形成させるとともに、各ロック解除機構34を制御部38により移動させて載置台20の水平面22の一部を形成させた状態で、載置台20の水平面22に第1フープ(従来型フープ)F1を載置させる。そして、半導体製造装置12に設けられたロボットハンド14により第1フープF1から半導体ウエーハWが順次取り出され、第2チャンバ18において所定の処理が施される。
【0043】
以上のように、1つのフープオープナ60で、SEMI規格の規定を遵守した状態で、第1フープ(従来型フープ)F1の他に、第2フープ(積層型フープ)F2も取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施形態に係るフープオープナが半導体製造装置に設けられている状態の概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るフープオープナに第2フープを載置させた状態の部分的な斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るフープオープナに第1フープを載置させた状態の部分的な斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るフープオープナの一部を構成するブロック図である。
【図5】本発明のフープオープナに載置される第2フープの斜視図である。
【図6】本発明のフープオープナに載置される第2フープの断面図である。
【図7】本発明のフープオープナに載置される第2フープ同士がロックされた状態の部分的な断面図である。
【図8】本発明のフープオープナに載置される第2フープ同士のロックが解除された状態の部分的な断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るフープオープナに第2フープを載置させた状態の部分的な斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係るフープオープナに第1フープを載置させた状態の部分的な斜視図である。
【図11】従来のフープオープナが半導体製造装置に設けられている状態の概略構成図である。
【符号の説明】
【0045】
10、60 フープオープナ
20 載置台(載置部)
22 水平面
32 台座部
34 ロック解除機構
38 制御部
41 把持部
42 第1検出部
46 第2検出部
62 昇降部
F1 第1フープ
F2 第2フープ
W 半導体ウエーハ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットハンドなどにより移動させられる半導体ウエーハを収納したフープが載置されるフープオープナに関する。
【背景技術】
【0002】
図11に示すように、従来から半導体製造装置100には、半導体ウエーハWが複数枚積層された状態で収納されている1つのフープ(従来型フープ)F1が載置されるフープオープナ102が設けられている。例えば、このフープオープナ102は、水平台104と、脚部106と、ロボットハンド収納部108と接続する開口部110を開放又は閉塞するシャッター部112と、ロボットハンド収納部108に収納されたロボットハンド114と、を備えている。
【0003】
フープF1がフープオープナ102に載置された状態で、フープF1に収納された半導体ウエーハがロボットハンド114により1枚ずつ半導体製造装置100の内部にある処理部116に移動される。そして、処理部116において、半導体ウエーハWに対して所定の処理が施される。
【0004】
なお、上記従来技術は公用の技術であり、本発明は公用の技術をもとに開発したものである。このため、出願人は、特許出願の時において本発明に関連する文献公知発明の存在を知らず、文献公知発明の名称その他の文献公知発明に関する情報の所在の記載を省略する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、最近では、比較的厚さが薄い半導体ウエーハを収納したフープが複数枚積層され、かつ上下に隣接する各フープ同士が不意に離れないようにロックされているもの(積層型フープ)も流通している。このため、この積層型フープを取り扱うためには、積層されているフープ同士のロックを解除してロック解除したフープを順次取り外していく機構が別途必要となり、水平台を設けただけの従来のフープオープナでは積層型フープを取り扱うことができなかった。
【0006】
また、フープオープナの形状や寸法などについては、SEMI規格により予め規定されているため、上記積層型フープを取り扱うための機構を従来のフープオープナに単純に組み付けるだけでは、SEMI規格の規定に合致したものにならない。このような背景から、SEMI規格の規定に合致したものにならないフープオープナは、当然に認められないという社会的な事情がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、SEMI規格の規定を遵守した状態で、半導体ウエーハが複数枚積層された状態で収納されている1つの第1フープ(従来型フープ)の他、1枚の半導体ウエーハを収納した第2フープ(積層型フープ)が複数積層されている第2フープ群(積層型フープ群)も取り扱うことができるフープオープナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、第1フープが載置される水平面を有する載置部と、前記載置部に着脱可能に設けられ第2フープが載置される台座部と、上下方向に移動可能に設けられ前記水平面の一部を形成するとともに積層された前記第2フープ同士のロックを解除するロック解除機構と、前記ロック解除機構に設けられロックが解除された前記第2フープを把持する把持部と、を含んで構成されたことを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、例えば、半導体ウエーハが複数枚積層された状態で収納されている1つの第1フープ(従来型フープ)から半導体ウエーハを取り出す場合には、ロック解除機構を移動させて載置部の水平面の一部を形成させた状態で、台座部を載置部から取り外し、載置部の水平面に第1フープ(従来型フープ)を載置させる。そして、半導体製造装置に設けられたロボットハンドにより第1フープから半導体ウエーハが取り出され、所定の処理が施される。一方、例えば、比較的厚さが薄い半導体ウエーハを収納した第2フープ(積層型フープ)が複数枚積層され、かつ上下に隣接する各第2フープ同士が不意に離れないようにロックされている第2フープ群(積層型フープ群)から半導体ウエーハを取り出す場合には、ロック解除機構を移動させて載置部の水平面の一部を形成させた状態で、台座部を載置部に設置し、台座部に第2フープ群(積層型フープ群)を載置させる。そして、ロック解除機構を目的の位置まで上昇させ、積層された第2フープ同士のロックがロック解除機構により解除される。同時に、把持部によりロックが解除された第2フープが把持される。この状態でさらに上方に移動させることにより第2フープ同士が分離され、各第2フープに収納された各半導体ウエーハがロボットハンドにより取り出されて所定の処理が施される。このとき、積層された第2フープ群のうち下方に位置する第2フープに収納された半導体ウエーハからロボットハンドにより順次取り出されていく。以上のように、本発明によれば、1つのフープオープナで、SEMI規格の規定を遵守した状態で、第1フープ(従来型フープ)の他に、第2フープ(積層型フープ)も取り扱うことができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、第1フープが載置される水平面を有する載置部と、上下方向に移動可能に設けられ前記水平面の一部を形成するとともに第2フープが載置可能な昇降部と、上下方向に移動可能に設けられ前記水平面の一部を形成するとともに積層された前記第2フープ同士のロックを解除するロック解除機構と、前記ロック解除機構に設けられロックが解除された前記第2フープを把持する把持部と、を含んで構成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、例えば、半導体ウエーハが複数枚積層された状態で収納されている1つの第1フープ(従来型フープ)から半導体ウエーハを取り出す場合には、昇降部を移動させて載置部の水平面の一部を形成させるとともに、ロック解除機構を移動させて載置部の水平面の一部を形成させた状態で、載置部の水平面に第1フープ(従来型フープ)を載置させる。そして、半導体製造装置に設けられたロボットハンドにより第1フープから半導体ウエーハが取り出され、所定の処理が施される。一方、例えば、比較的厚さが薄い半導体ウエーハを収納した第2フープ(積層型フープ)が複数枚積層され、かつ上下に隣接する各第2フープ同士が不意に離れないようにロックされている第2フープ群(積層型フープ群)から半導体ウエーハを取り出す場合には、昇降部を水平面よりも上方に移動させるとともに、ロック解除機構を上方に移動させた状態で、昇降部に第2フープ群(積層型フープ群)を載置させる。そして、積層された第2フープ同士のロックがロック解除機構により解除される。同時に、把持部によりロックが解除された第2フープが把持される。この状態で、昇降部を下方に移動させることにより、第2フープ同士が分離され、各第2フープに収納された各半導体ウエーハがロボットハンドにより取り出されて所定の処理が施される。このとき、積層された第2フープ群のうち下方に位置する第2フープに収納された半導体ウエーハからロボットハンドにより順次取り出されていく。以上のように、本発明によれば、1つのフープオープナで、SEMI規格の規定を遵守した状態で、第1フープ(従来型フープ)の他に、第2フープ(積層型フープ)も取り扱うことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のフープオープナにおいて、前記ロック解除機構の移動を制御する制御部を有し、前記ロック解除機構には前記第2フープの枚数を検出する第1検出部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、ロック解除機構には第2フープの枚数を検出する第1検出部が設けられているため、第2フープの枚数を正確に検出することができる。これにより、第2フープの枚数に対応させてロック解除機構の移動を制御部により正確に制御することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフープオープナにおいて、前記ロック解除機構の移動を制御する制御部を有し、前記ロック解除機構には前記第2フープに収納されている半導体ウエーハの有無を検出する第2検出部が設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、ロック解除機構には第2フープに収納されている半導体ウエーハの有無を検出する第2検出部が設けられているため、第2フープに収納されている半導体ウエーハの有無を正確に検出することができる。これにより、第2フープに収納されている半導体ウエーハの有無に応じて、ロック解除機構を正確に移動させることができ、ロックを解除すべき第2フープのみのロックを解除することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、SEMI規格の規定を遵守した状態で、半導体ウエーハが複数枚積層された状態で収納されている1つの第1フープ(従来型フープ)の他、1枚の半導体ウエーハを収納した第2フープ(積層型フープ)が複数積層されている第2フープ群(積層型フープ群)も取り扱うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の第1実施形態に係るフープオープナについて、図面を参照して説明する。
【0018】
図1に示すように、フープオープナ10は、半導体製造装置12に設けられている。この半導体製造装置12の内部には、ロボットハンド14が収納されている第1チャンバ16と、半導体ウエーハWに対して所定の処理を施す第2チャンバ18が形成されている。
【0019】
図1乃至図4に示すように、フープオープナ10は、水平面22が形成された載置台20と、脚部24と、開口部26が形成されたチャンバ区画壁28と、開口部26を開放又は閉塞するシャッター部30と、を備えている。
【0020】
ここで、載置台20の水平面22の略中央には、平板状の台座部32が着脱可能に設けられている。この台座部32は載置台20の水平面22に単に置かれる構成でもよいし、また、台座部32に凸部又は凹部(図示省略)を設け、水平面22に凹部又は凸部(図示省略)を設け、両者を係合させるように構成してもよい。さらに、第2フープ(積層型フープ)の最下部形状を第1フープと共通化することによって、台座部を省略してもよい。
【0021】
また、載置台20の水平面22に着脱可能に設けられている台座部32の近傍には、一対のロック解除機構34が上下方向(図2及び図3中矢印X方向)及び水平方向(図2及び図3中矢印Y方向)に沿って移動可能となるように設けられている。すなわち、各ロック解除機構34の下部には駆動部36がそれぞれ接続されており、駆動部36の駆動により各ロック解除機構34が上下方向に沿って移動可能となっている。また、駆動部36は図示しない水平移動機構により水平方向に沿って移動可能となるように設けられており、駆動部36とともに各ロック解除機構34が水平方向に沿って移動する。また、各ロック解除機構34は、台座部32を挟んだ位置であって相互に所定の距離だけ離間した状態でそれぞれ設けられている。また、駆動部36は制御部38と接続されており、制御部38により駆動が制御される。各ロック解除機構34の各上面部はそれぞれ平面状に形成されており、各ロック解除機構34の各上面部が水平面22と面一となることにより水平面22の一部を構成するものである。なお、駆動部36として、例えば、上下方向に移動するボールネジを介したモータ駆動で構成してもよいし、シリンダの内部を上下方向に移動するピストンロッドで構成してもよい。また、上下方向に伸縮可能なリンク機構を用いてもよい。
【0022】
また、図2に示すように、各ロック解除機構34には、水平方向(図2及び図3中矢印Y方向)に移動する棒状の操作キー40がそれぞれ設けられている。この操作キー40は、1つのロック解除機構34に対して2つ設けられている。この操作キー40は制御部38と接続されており、制御部38により駆動が制御される。なお、操作キー40として、例えばシリンダの内部を水平方向に移動するピストンロッドで構成してもよいし、水平方向に伸縮可能なリンク機構を用いてもよい。
【0023】
また、図2及び図3に示すように、各ロック解除機構34には、第2フープF2(図5参照)を把持するための把持部41がそれぞれ設けられている。各把持部41は、各ロック解除機構34の両端部にそれぞれ設けられている。このため、各把持部41は、各ロック解除機構34とともに上下方向と水平方向に移動する。なお、各把持部41は、水平移動する操作キー40と連動、または操作キー40そのものと一体化させてもよいし、制御部38と接続されて駆動が制御される単独の機構でもよい。また、各把持部41として、例えばシリンダの内部を水平方向に移動するピストンロッドで構成してもよいし、水平方向に伸縮可能なリンク機構を用いてもよい。なお、上記操作キー40は、把持部41の内部に収納されている。
【0024】
また、図4に示すように、各ロック解除機構34には、第2フープF2(図5参照)の枚数を検出する第1検出部42が設けられている。ここで、「第2フープ」とは、比較的厚さが薄い半導体ウエーハを収納した積層型フープを意味し、第2フープが複数枚積層され、かつ上下に隣接する各第2フープ同士が不意に離れないようにロックされている第2フープ群(積層型フープ群)FCを構成するものである。なお、これに対して、「第1フープ」とは、半導体ウエーハWが複数枚積層された状態で収納されている1つの従来型フープF1(図3及び図11参照)を意味する。また、第1検出部42として、例えば、光センサを用いてもよい。すなわち、一方のロック解除機構34に発光素子を設け、他方のロック解除機構34に受光素子を設け、受光素子における光の受光の有無により、第2フープ群FCの高さを制御部38により算出し、この算出結果とROM44に格納されたプログラム(第2フープ群FCの高さと第2フープF2の枚数との関係を示すテーブル)とに基づいて、第2フープ群FCを構成している各第2フープF2の枚数を制御部38により算出するようにしてもよい。
【0025】
また、図4に示すように、各ロック解除機構34には、第2フープF2に収納されている半導体ウエーハWの有無を検出する第2検出部46が設けられている。この第2検出部46として、半導体ウエーハWに付されたID番号を読み取るIDリーダなどが用いられる。
【0026】
また、フープオープナ10には、ROM44が設けられている。このROM44には、第2フープF2の枚数や半導体ウエーハWの有無に応じた位置に各ロック解除機構34が移動できるようなプログラムが格納されている。
【0027】
ここで、載置台20に載置される各フープについて説明する。
【0028】
第1フープF1(図3及び図11参照)は、上述したように、半導体ウエーハWが複数枚積層された状態で収納されている1つの従来型フープであり、第2フープF2(図5参照)と比較して高さ寸法、幅寸法、奥行き寸法などが大きいものである。第1フープF1には、内部に収納された各半導体ウエーハWを取り出し、あるいは内部に各半導体ウエーハWを収納するための取出口(図示省略)が形成されている。第1フープF1は、載置台20の水平面22から台座部32が取り外され、かつ各ロック解除機構34がそれぞれ下方に移動されて各ロック解除機構34の各上面部が水平面22と面一となった状態で、載置台20の水平面22に載置されるものである。なお、第1フープF1が載置台20の水平面22に載置された状態では、第1フープF1の取出口が開口部26側に向いている。
【0029】
また、図5乃至図8に示すように、第2フープF2は、上述したように、比較的厚さが薄い半導体ウエーハを収納した積層型フープを意味し、第2フープF2が複数枚積層され、かつ上下に隣接する各第2フープF2同士が不意に離れないようにロックされている第2フープ群(積層型フープ群)FCを構成するものであり、第1フープF1と比較して高さ寸法、幅寸法、奥行き寸法などが小さいものである。第2フープF2は、載置台20の水平面22に台座部32が設けられ、かつ各ロック解除機構34が載置台20の水平面22と面一に移動された状態で台座部32上に載置されるものである。
【0030】
ここで、図5及び図6に示すように、第2フープ群FCは、複数の第2フープF2が積層された構成となっている。すなわち、各第2フープF2の上面には半導体ウエーハWが載置される平面上の載置面48がそれぞれ形成されており、下方に位置する第2フープF2の載置面48に半導体ウエーハWが載置された状態でその上方から別の第2フープF2が順次積層されている。なお、上下方向に隣接する第2フープF2同士はシール部材50を介して接続されているため、載置面48の気密性は確保されている。
【0031】
また、図7及び図8に示すように、各第2フープF2には、他の第2フープF2に設けられている各スナップ留54と係合する4つのフック52がそれぞれ形成されている。また、各第2フープF2には、他の第2フープF2に形成されている各フック52と係合する4つのスナップ留54がそれぞれ設けられている。このため、各第2フープF2は、上下方向に隣接する他の第2フープF2に対してロック可能な状態となる。すなわち、上方に位置する第2フープF2の各フック52がその下方に位置する第2フープF2の各スナップ留54とそれぞれ係合することにより、両者が相互にロックされた状態となる(図7参照)。
【0032】
また、各第2フープF2には各スナップ留54に通じる4つの脱着操作孔56がそれぞれ形成されている。各ロック解除機構34に設けられた各操作キー40が各脱着操作孔56にそれぞれ挿入されることにより、各操作キー40が各スナップ留54を押圧し、各フック52と各スナップ留54との係合が解除される(図8参照)。これにより、上下方向に積層された第2フープF2同士を相互に取り外すことが可能となる。
【0033】
次に、本実施形態に係るフープオープナ10の作用について説明する。
【0034】
図2に示すように、例えば、比較的厚さが薄い半導体ウエーハWを収納した第2フープ(積層型フープ)F2が複数枚積層され、かつ上下に隣接する各第2フープF2同士が不意に離れないようにロックされている第2フープ群(積層型フープ群)FCから各半導体ウエーハWを取り出す場合には、ロック解除機構34と載置台20の水平面22とを面一にさせた状態で、台座部32を載置台20に設置し、台座部32に第2フープ群(積層型フープ群)FCを載置させる。そして、制御部38により制御された駆動部36の駆動によりロック解除機構34が目的の位置まで移動される。さらに、各ロック解除機構34に設けられた各操作キー40の移動が制御部38により制御され、各第2フープF2の各脱着操作孔56(図5参照)にそれぞれ挿入される。これにより、各スナップ留54が各操作キー40により押圧され、各フック52と各スナップ留54との係合が解除され(図8参照)、上下方向に積層された第2フープF2同士を相互に取り外すことが可能となる。これと同時に、把持部41がロック解除機構34とともに水平方向に移動され、把持部41により第2フープF2が把持された状態となる(図8参照)。そして、この状態でロボットハンド14が進入できる位置までロック解除機構34が上昇することによって上方に位置する第2フープF2が取り外され、下方に位置する第2フープF2の載置面48に載置されている半導体ウエーハWがロボットハンド14により取り出され、第2チャンバ18において所定の処理が施される。
【0035】
一方、図3に示すように、例えば、半導体ウエーハWが複数枚積層された状態で収納されている1つの第1フープ(従来型フープ)F1から各半導体ウエーハWを取り出す場合には、各ロック解除機構34を制御部38により水平方向及び下方に移動させ各ロック解除機構34の上面部を載置台20の水平面22と面一にさせて、台座部32を載置台20から取り外す。これにより、載置台20の水平面22に凸凹が無くなり水平となる。この状態で、載置台20の水平面22に第1フープF1を載置させる。そして、半導体製造装置12に設けられたロボットハンド14により第1フープF1から半導体ウエーハWがそれぞれ取り出され、第2チャンバ18において所定の処理が施される。
【0036】
以上のように、1つのフープオープナ10において、台座部32の脱着と各ロック解除機構34の移動制御をするだけで、SEMI規格の規定を遵守するとともに、第1フープ(従来型フープ)F1の他に、第2フープ(積層型フープ)F2も取り扱うことができる。このように、本実施形態のフープオープナ10は、2種類のフープに対して兼用することができる。
【0037】
特に、各ロック解除機構34には第2フープF2の枚数を検出する第1検出部42が設けられているため、第2フープF2の枚数を正確に検出することができる。これにより、第2フープF2の枚数に対応させてロック解除機構34の移動を制御部38により正確に制御することができる。
【0038】
また、ロック解除機構34には第2フープF2に収納されている半導体ウエーハWの有無を検出する第2検出部46が設けられているため、第2フープF2に収納されている半導体ウエーハWの有無を正確に検出することができる。これにより、第2フープF2に収納されている半導体ウエーハWの有無に応じて、ロック解除機構34を正確に移動させることができ、ロックを解除すべき第2フープF2のみのロックを解除することができる。
【0039】
次に、本発明の第2実施形態に係るフープオープナについて説明する。
なお、第1実施形態に係るフープオープナ10と重複する構成には同符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0040】
図9及び図10に示すように、本実施形態のフープオープナ60は、台座部32に替えて、載置台20の水平面22の一部を上下方向に移動できるように構成したものである。すなわち、載置台20の水平面22の略中央には、上下方向に移動可能に設けられ水平面22の一部を形成する昇降部62が設けられている。この昇降部62の上面は平面上に形成されており、昇降部62が水平面22と面一となることにより水平面22の一部を構成する。また、昇降部62の下部には駆動部64が接続されており、駆動部64の駆動により上下方向に移動可能となっている。この駆動部64は制御部38と接続されており、制御部38により駆動が制御される。なお、駆動部64として、例えば、上下方向に移動するボールネジを介したモータ駆動で構成してもよいし、シリンダの内部を上下方向に移動するピストンロッドで構成してもよい。また、上下方向に伸縮可能なリンク機構を用いてもよい。
【0041】
本実施形態のフープオープナ60によれば、図9に示すように、例えば、比較的厚さが薄い半導体ウエーハWを収納した第2フープ(積層型フープ)FCが複数枚積層され、かつ上下に隣接する各第2フープF2同士が不意に離れないようにロックされている第2フープ群(積層型フープ群)FCから半導体ウエーハWを取り出す場合には、昇降部62を水平面22よりも上方に移動させるとともに、各ロック解除機構34を上方に移動させた状態で、昇降部62に第2フープ群(積層型フープ群)FCを載置させる。そして、各ロック解除機構34に設けられた駆動部36及び各操作キー40の移動が制御部38により制御され、各第2フープF2の各脱着操作孔56にそれぞれ挿入される。これにより、各スナップ留54が各操作キー40により押圧され、各フック52と各スナップ留54との係合が解除され(図8参照)、上下方向に積層された第2フープF2同士を相互に取り外すことが可能となる。また、これと同時に、把持部41によって第2フープF2が把持された状態となる(図8参照)。そして、この状態で昇降部62が制御部38により駆動され、ロボットハンド14が進入できる位置まで降下することによって、上方に位置する第2フープF2が取り外されて、下方に位置する第2フープF2の載置面48に載置されている半導体ウエーハWがロボットハンド14により取り出され、第2チャンバ18において所定の処理が施される。
【0042】
一方、図10に示すように、半導体ウエーハWが複数枚積層された状態で収納されている1つの第1フープ(従来型フープ)F1から半導体ウエーハWを取り出す場合には、昇降部64を制御部38により移動させて載置台20の水平面22の一部を形成させるとともに、各ロック解除機構34を制御部38により移動させて載置台20の水平面22の一部を形成させた状態で、載置台20の水平面22に第1フープ(従来型フープ)F1を載置させる。そして、半導体製造装置12に設けられたロボットハンド14により第1フープF1から半導体ウエーハWが順次取り出され、第2チャンバ18において所定の処理が施される。
【0043】
以上のように、1つのフープオープナ60で、SEMI規格の規定を遵守した状態で、第1フープ(従来型フープ)F1の他に、第2フープ(積層型フープ)F2も取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施形態に係るフープオープナが半導体製造装置に設けられている状態の概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るフープオープナに第2フープを載置させた状態の部分的な斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るフープオープナに第1フープを載置させた状態の部分的な斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るフープオープナの一部を構成するブロック図である。
【図5】本発明のフープオープナに載置される第2フープの斜視図である。
【図6】本発明のフープオープナに載置される第2フープの断面図である。
【図7】本発明のフープオープナに載置される第2フープ同士がロックされた状態の部分的な断面図である。
【図8】本発明のフープオープナに載置される第2フープ同士のロックが解除された状態の部分的な断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るフープオープナに第2フープを載置させた状態の部分的な斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係るフープオープナに第1フープを載置させた状態の部分的な斜視図である。
【図11】従来のフープオープナが半導体製造装置に設けられている状態の概略構成図である。
【符号の説明】
【0045】
10、60 フープオープナ
20 載置台(載置部)
22 水平面
32 台座部
34 ロック解除機構
38 制御部
41 把持部
42 第1検出部
46 第2検出部
62 昇降部
F1 第1フープ
F2 第2フープ
W 半導体ウエーハ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1フープが載置される水平面を有する載置部と、
前記載置部に着脱可能に設けられ第2フープが載置される台座部と、
上下方向に移動可能に設けられ前記水平面の一部を形成するとともに積層された前記第2フープ同士のロックを解除するロック解除機構と、
前記ロック解除機構に設けられロックが解除された前記第2フープを把持する把持部と、
を含んで構成されたことを特徴とするフープオープナ。
【請求項2】
第1フープが載置される水平面を有する載置部と、
上下方向に移動可能に設けられ前記水平面の一部を形成するとともに第2フープが載置可能な昇降部と、
上下方向に移動可能に設けられ前記水平面の一部を形成するとともに積層された前記第2フープ同士のロックを解除するロック解除機構と、
前記ロック解除機構に設けられロックが解除された前記第2フープを把持する把持部と、
を含んで構成されたことを特徴とするフープオープナ。
【請求項3】
前記ロック解除機構の移動を制御する制御部を有し、
前記ロック解除機構には前記第2フープの枚数を検出する第1検出部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフープオープナ。
【請求項4】
前記ロック解除機構の移動を制御する制御部を有し、
前記ロック解除機構には前記第2フープに収納されている半導体ウエーハの有無を検出する第2検出部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフープオープナ。
【請求項1】
第1フープが載置される水平面を有する載置部と、
前記載置部に着脱可能に設けられ第2フープが載置される台座部と、
上下方向に移動可能に設けられ前記水平面の一部を形成するとともに積層された前記第2フープ同士のロックを解除するロック解除機構と、
前記ロック解除機構に設けられロックが解除された前記第2フープを把持する把持部と、
を含んで構成されたことを特徴とするフープオープナ。
【請求項2】
第1フープが載置される水平面を有する載置部と、
上下方向に移動可能に設けられ前記水平面の一部を形成するとともに第2フープが載置可能な昇降部と、
上下方向に移動可能に設けられ前記水平面の一部を形成するとともに積層された前記第2フープ同士のロックを解除するロック解除機構と、
前記ロック解除機構に設けられロックが解除された前記第2フープを把持する把持部と、
を含んで構成されたことを特徴とするフープオープナ。
【請求項3】
前記ロック解除機構の移動を制御する制御部を有し、
前記ロック解除機構には前記第2フープの枚数を検出する第1検出部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフープオープナ。
【請求項4】
前記ロック解除機構の移動を制御する制御部を有し、
前記ロック解除機構には前記第2フープに収納されている半導体ウエーハの有無を検出する第2検出部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフープオープナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−220828(P2007−220828A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−38528(P2006−38528)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(501114693)株式会社ウインズ (23)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(501114693)株式会社ウインズ (23)
【Fターム(参考)】
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