説明

ブラジキニンB1受容体アンタゴニストとしての選択された置換ピラゾール誘導体および関連化合物

ブラジキニンB1受容体アンタゴニストであり、ブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の疾患を治療する、または疾患状態に関連する有害症状を軽減するために有用な化合物を開示する。特定の化合物は効力増強を示し、作用期間の延長も示すことが期待される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、特定の3-アミド-5-置換ピラゾール誘導体および関連化合物を目的とする。これらの化合物は、疼痛、炎症、敗血症ショック、瘢痕化過程などを含む、少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の有害症状を軽減するための、ブラジキニンB1受容体アンタゴニストとして有用である。なお、本出願は、2003年5月2日出願の米国仮出願第60/467,695号および2003年9月17日出願の米国仮出願第60/503,652号の恩典を主張し、これらの出願はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
参考文献
下記文献および特許公開公報は、本明細書において上付数字として引用される。




【0003】
前述の出版物はすべて、それぞれ個々の出版物の全体が特別に、かつ個別に参照により本明細書に組み入れられたのと同程度に、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0004】
従来技術
ブラジキニンすなわちキニン-9(BK)は、血漿グロブリン、キニノゲンの配列を加水分解する、血漿カリクレインの作用によって生成する、血管作用性ノナペプチド、

である。血漿カリクレインは不活性チモーゲンとして循環し、それから活性カリクレインがハーゲマン因子によって放出される。組織カリクレインは経細胞電解質輸送に関与すると考えられる部位の上皮細胞膜の外表面上に主に局在すると思われる。
【0005】
腺性カリクレインは一残基前でキニノゲンを切断し、デカペプチドLys-ブラジキニン(カリジン、Lys-BK)(SEQ ID:2)を生じる。おそらくは白血球カリクレインの作用によって、Met-Lys-ブラジキニン(SEQ ID:3)も生成する。薬理学的に重要な類縁体にはdes-Arg9すなわちBK1-8(SEQ ID:1のアミノ酸1〜8)およびIle-Ser-ブラジキニン(すなわちT-キニン)(SEQ ID:4)、[Hyp3]ブラジキニン(SEQ ID:5)、ならびに[Hyp4]ブラジキニン(SEQ ID:6)が含まれる36
【0006】
ブラジキニン(BK)(SEQ ID:1)は、求心性C線維仲介性疼痛の最も強力な天然刺激物質の一つであることが知られている。BKは、血管の透過性を高め、血圧低下を引き起こす強力な血管拡張物質、浮腫生成物質、ならびに子宮、腸管および細気管支などの組織における様々な血管および非血管平滑筋の刺激物質でもある。ブラジキニン(SEQ ID:1)は様々な炎症状態および実験的アナフィラキシーショックにおいて生成される。キニン/キニノゲン活性化経路は、様々な生理学的および病態生理学的過程において重要な役割を果たし、炎症反応において活性化される最初の系の一つであり、かつ(i)ホスホリパーゼA2、したがってプロスタグランジンおよびロイコトリエンの生成;ならびに(ii)ホスホリパーゼC、したがってリン酸イノシトールおよびジアシルグリセロールの放出の最も強力な刺激因子の一つであることも報告されている。これらの効果は主にBK2型のBK受容体活性化により仲介される。
【0007】
ブラジキニン受容体はブラジキニン(BK)(SEQ ID:1)に結合し、その細胞内効果を仲介する、任意の膜タンパク質である。二つの型の受容体が確認されている:B1、ここでの効力の順はdes-Arg9-ブラジキニン(BK1-8)(SEQ ID:1のアミノ酸1〜8)=カリジン(Lys-BK)(SEQ ID:2)>BK(SEQ ID:1)である;およびB2、効力の順はカリジン(SEQ ID:2)>BK(SEQ ID:1)>>BK1-8(SEQ ID:1のアミノ酸1〜8)である。したがって、BK1-8(SEQ ID:1のアミノ酸1〜8)は強力な識別物質である36。B1受容体はほとんどの組織に存在するB2受容体に比べると、出現頻度がかなり低い。ラットB2受容体は、活性化されるとホスホイノシチド代謝回転を刺激することが明らかにされている、7-膜貫通ドメインタンパク質である。B1サブタイプは炎症過程によって誘導される33。受容体B1は炎症状態においてのみ発現されるため、その分布は非常に限られている。ブラジキニン受容体は異なる種、特にヒトB1受容体でクローン化されている(J.G. Menke et al.1、およびヒトB2受容体、J.F. Hess2参照)。例:B1、データベースコードBRB1_HUMAN、353アミノ酸(40.00kD);B2、データベースコードBRB2_HUMAN、364アミノ酸(41.44kDa)36
【0008】
2つの主要なキニン前駆体蛋白質、高分子量および低分子量キニノーゲンは、肝臓で合成され、血漿中で循環し、尿および鼻液などの分泌液中で見られる。高分子量キニノーゲンは血漿カリクレインにより開裂され、BK(SEQ ID NO.1)が得られ、または組織カリクレインにより開裂され、カリジンが得られる。しかしながら、低分子量キニノーゲンは組織カリクレインにのみに対する基質である。さらに、カリジンのBK(SEQ ID NO.1)へのいくつかの変換が、起こることがある。カリジン(SEQ ID NO.2)のアミノ末端リシン残基は血漿アミノペプチダーゼにより除去されるからである。キニンに対する血漿半減期は約15秒であり、肺血管床を1回通過すると、80〜90%が破壊される。血管床中の主分解酵素はジペプチジルカルボキシペプチダーゼキニナーゼIIまたはアンジオテンシン変換酵素(ACE)である。遅効性酵素、キニナーゼI、またはカルボキシペプチダーゼN(カルボキシル末端Argを除去する)は、血漿中で非常に豊富に循環する。これにより、生理学的に、より重要な分解酵素であるかもしれないことが示唆される。BK(SEQ ID NO.1)またはカリジン(SEQ ID NO.2)にそれぞれ、作用するキナーゼIにより形成されたdes-Arg9-ブラジキニン(SEQ ID NO.1のアミノ酸1〜8)およびdes-Arg10-カリジン(SEQ ID NO.2のアミノ酸1〜9)は、BK1受容体作動薬に作用するが、BK(SEQ ID NO.1)およびカリジン(SEQ ID NO.2)の両方が強力な作動薬であるより豊富なBK2受容体ではかなり不活性である。
【0009】
剥皮した皮膚にブラジキニン(SEQ ID NO.1)を直接塗布すると、または動脈内もしくは内臓注入により、ヒトを含む哺乳類で疼痛感覚が生じる。キニン様物質が様々な刺激により生じさせた炎症部位から単離されている。さらに、ブラジキニン受容体は、侵害受容性末梢神経経路に局在化しており、BK(SEQ ID NO.1)は中枢線維媒介疼痛感覚を刺激することが証明されている。ブラジキニン(SEQ ID NO.1)はまた、疼痛の動物モデルにおいて痛覚過敏を引き起こすことができることが示されている。Burch et al.3およびClark, W.G.を参照のこと。
【0010】
これらの観察により、鎮痛薬としてのBK拮抗薬の使用にかなりの注意が注がれることになった。多くの研究により、ブラジキニン拮抗薬が、ヒトを含む哺乳類において疼痛および痛覚過敏の両方を遮断または寛解させることができることが証明されている。Ammons W.S. et al.5、Clark W.G.4、Costello A.H. et al.6、Laneuville et al.7、Steranka、et al.8、およびSteranka et al.9を参照のこと。
【0011】
現在許容されている鎮痛薬への治療アプローチはかなり制限されている。軽度〜中程度の疼痛は非ステロイド性抗炎症薬および他の軽度の鎮痛薬を使用することにより軽減することができ、外科的処置、火傷および重度の外傷に伴って起こる重度の疼痛では、麻薬性の鎮痛薬の使用が必要である。これらの薬物は、乱用の可能性、身体的および心理学的依存性、精神状態の変化および呼吸抑制(これらによりそれらの実用性がかなり制限される)といった制限がある。
【0012】
BK拮抗薬の分野における以前の努力により、そのような拮抗薬は様々な役割において有益であることが示される。これらには、火傷、手術前後の疼痛、偏頭痛および他の形態の疼痛、ショック、中枢神経経の損傷、喘息、鼻炎、早産、炎症性関節炎、炎症性大腸炎、神経因性疼痛などの治療での使用が含まれる。例えば、Whalleyら10は、BK拮抗薬がヒト水疱基本モデルにおけるBK誘発性疼痛を遮断することができることを証明している。これにより、そのような拮抗薬の局所塗布により、火傷を負った皮膚、例えば、長期にわたり多量の麻薬薬を必要とする重度の火傷を負った患者において、および比較的軽い火傷または他の形態の局所的な皮膚損傷の局所治療に対し、疼痛を阻止することができることが示唆される。
【0013】
手術前後の疼痛管理には、十分な用量の麻薬性鎮痛薬を使用し、疼痛を軽減させるが、過剰の呼吸抑制を誘発しないことが必要である。術後の麻酔薬により誘発された低換気により、患者は、術後の発熱の一般的な原因である肺セグメントの崩壊にかかりやすくなり、しばしば機械的人工換気の中断が遅れる。強力な非麻酔性の非経口鎮痛薬の可用性は、手術前後の疼痛の治療に重要な追加策となる。慢性的な疼痛の管理のために使用される適した薬物動態プロファイルを有する現在入手可能なBK拮抗薬はないが、手術前後の疼痛の管理では、麻酔医および外科医がすでに一般的に、頻繁な投与および連続注入を使用している。
【0014】
いくつかの証明により、カリクレイン/キニン経路が、偏頭痛における血管反応性および無菌性炎症の開始または増幅に関与しているかもしれないことが示唆される。(Back et al.11を参照のこと)。偏頭痛に対する予防および非麻酔性治療措置の両方の成功が制限されていること、ならびにこれらの患者における麻薬依存性のために、BK拮抗薬の使用は、偏頭痛の治療に非常に望ましい別のアプローチを提供する。
【0015】
ブラジキニン(SEQ ID NO.1)は組織損傷中に産生され、冠状動脈の実験的閉塞後の冠状静脈血中で見出すことができる。さらに、腹腔に直接注入すると、BK(SEQ ID NO.1)は内臓痛を引き起こす。(Ness et al.12を参照のこと)。上記以外の設定において明らかに多くの他のメディエータも疼痛および痛覚過敏に関与しているが、BK(SEQ ID NO.1)の拮抗薬が、なお、そのような形態の疼痛の軽減に関わっているとも考えられる。
【0016】
細菌感染に関連するショックは主な健康上の問題である。米国では、毎年、400,000症例の細菌性敗血症が生じ、そのうちの200,000がショックに進行し、これらの50%が死亡していると推定される。現在の療法は対症的であり、最近の研究では、グラム陰性内毒素に対するモノクローナル抗体は、疾病の結果にプラス効果を有するかもしれないことが示唆される。この特異的療法にもかかわらず、死亡率は依然と高く、かなりの割合の敗血症患者がグラム陽性菌に感染しており、グラム陽性菌は抗内毒素療法には適さない。
【0017】
複数の研究から、内毒素に関係するショックの発生におけるカリクレイン/キニン系に対する役割が示唆されている。Aasen、et al.13、Aasen、et al.14、Katori、et al.15、およびMarceau、et al.16を参照のこと。新しく入手可能なBK拮抗薬を使用した最近研究により、動物モデルでは、これらの化合物は内毒素ショックの進行に大いに影響を与えることができることが証明されている。(Weipert、et al.17を参照のこと)。グラム陽性菌による敗血症ショックの発生におけるBK(SEQ ID NO.1)および他のメディエータの役割に関する入手可能なデータは少ない。しかしながら、同様の機序が関係すると考えられる。外傷に続くショックはしばしば失血によるものあるが、これもまたカリクレイン/キニン系の活性化を伴う。(Haberland18を参照のこと。)
【0018】
多くの研究により、脳中のカリクレイン/キニン系のかなりのレベルの活性が証明されている。カリクレインおよびBK(SEQ ID NO.1)は、中枢神経系(CNS)損傷の動物モデルにおいて脳血管を拡張する。(Ellis、et al.19およびKamitani、et al.20を参照のこと)。ブラジキニン拮抗薬はまた、脳外傷後動物における脳浮腫を減少させることが示されている。以上に基づき、BK拮抗薬は、脳卒中および頭部外傷の管理において有益であると考えられている。
【0019】
他の研究により、BK受容体が肺中に存在すること、BK(SEQ ID NO.1)は動物および人間の両方において気管支収縮を引き起こすことができること、BK(SEQ ID NO.1)の気管支収縮効果に対する感受性が喘息患者において高くなっていることが証明されている。いくつかの研究では、BK拮抗薬を使用すると動物モデルでBK(SEQ ID NO.1)およびアレルゲンに誘発された気管収縮の両方が阻害されることを証明することができる。これらの研究から、喘息の治療における臨床薬としてのBK拮抗薬の使用に対する潜在的な役割が示される。(Barnes21、Burch et al.3、Fuller et al.23、Jin、et al.24、およびPolosa、et al.25を参照のこと。)ブラジキニンはまた、アトピー性喘息において吸入されたブラジキニンにより誘発される気管支収縮に対するヒスタミンおよびプロスタノイドの産生に関与している25。ブラジキニン(SEQ ID NO.1)はまた、アレルギー性およびウイルス性鼻炎の両方における症状の発生に関与している。これらの研究は、鼻洗浄液中のカリクレインおよびBK(SEQ ID NO.1)両方の証明、およびこれらの物質のレベルは鼻炎の症状とよく相関することの証明を含む。(Baumgarten、et al.26、Jin、et al.24、およびProud、et al.27を参照のこと)
【0020】
さらに、研究によりBK(SEQ ID NO.1)自体が鼻炎の症状を引き起こすことができることが証明されている。StewartおよびVavrek28はペプチドBK拮抗薬およびBK(SEQ ID NO.1)の効果に対するそれらの可能な使用について議論している。改善された特性を有するそのような拮抗薬の開発に向けて多大な研究努力が費やされている。しかしながら、そのような改善されたBK拮抗薬を見出すための広範囲にわたる努力にもかかわらず、さらに、より効果的なBK拮抗薬が必要とされている。現在入手可能なBK拮抗薬に関連する主問題のうちの2つは、効力レベルが低いこと、活性期間が非常に短いことである。このように、効力および作用期間が増大したBK拮抗薬が特に必要とされている。
【0021】
二つの世代のB2受容体のペプチドアンタゴニストが開発されている。第二世代には第一世代に比べて鎮痛剤として二桁強力な化合物があり、最も重要な誘導体はイカチバントであった。1993年に報告されたB2受容体の最初の非ペプチドアンタゴニストは、修飾アミノ酸で分けられた二つのホスホニウムカチオンを有する。このジカチオン化合物の多くの誘導体が調製されている。B2のもう一つの非ペプチド化合物アンタゴニストは、天然物のマルチネリン(Martinelline)である。Elguero, et a1.30、およびSeabrook29参照。
【0022】
米国特許第3,654,275号31は、特定の1,2,3,4-テトラヒドロ-1-アシル-3-オキソ-2-キノキサリンカルボキサミドが抗炎症活性を有することを教示している。
【0023】
2002年7月2日に出願され、2003年1月30日に公開された、国際特許出願WO03/007958号は、ブラジキニンアンタゴニストとして作用するテトラヒドロキノキサリンを開示している32
【0024】
米国特許第5,916,908号34は、3,5-二置換ピラゾールまたは3,4,5-三置換ピラゾールのキナーゼ阻害剤としての使用を教示している。
【0025】
日本特許出願第4910008035は、抗炎症剤としての2-アミノピラゾールを教示している。
【0026】
現在、ブラジキニンB1受容体阻害のための市販の治療薬はない。前述のことを考慮して、ブラジキニンB1受容体アンタゴニストである化合物は、ブラジキニンB1受容体によって仲介される疾患を治療する際に、特に有益であると思われる。
【発明の開示】
【0027】
発明の概要
本発明は、部分的には、ブラジキニンB1受容体アンタゴニストである化合物を目的とする。本発明はまた、哺乳動物における少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される疾患を治療する、または疾患状態に関連する有害症状を軽減するために有用な化合物も目的とする。例えば、ブラジキニンB1受容体の阻害は疼痛、炎症、敗血症ショック、瘢痕化過程などの緩和のために有用であると考えられる。これらの化合物は、好ましくは、B2受容体よりもB1受容体の拮抗作用に特異的である。特定の化合物は効力増強を示し、作用期間の延長も示すことが期待される。
【0028】
一つの態様において、本発明は式(I)または式(II)の化合物を提供する:

式中、
Z'はO、SおよびNHから選択され;
R1は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より選択され;
R2は水素、アルキル、および置換アルキルからなる群より選択され;
R3は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より選択され;
R4はアリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;
R5は水素、アルキルおよび置換アルキルからなる群より選択され;
Xは水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、およびアミノアシルからなる群より選択される);
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグもしくは異性体であって;
ただし下記の条件を満たし:
A)Z'がOであり、XがHであり、R1がメチルであり、R2がHであり、R3がメチルであり、かつR5がHである場合、R4はN2-メチル-3-カルボキシ-ピラゾル-5-イルまたはN2-メチル-3-(メトキシカルボニル)-ピラゾル-5-イルではなく;
B)Z'がOであり、XがHであり、R2がHであり、R3がメチルであり、R5がHであり、かつR1がN2-メチル-3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エタ-1-イルアミノ]ピラゾル-5-イルまたはN1-メチル-3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エタ-1-イルアミノ]ピラゾル-5-イルのいずれかである場合、R4はN2-メチル-3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エタ-1-イルアミノ]ピラゾル-5-イルまたはN1-メチル-3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エタ-1-イルアミノ]ピラゾル-5-イルではなく;
C)Z'がOであり、Xが2-ベンゾチアゾリルであり、R1がメチルであり、R2がHであり、R3が4-メチルフェニルであり、かつR5がHである場合、R4はフェニルではなく;
さらに式(I)の化合物は
A')4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸フェニルアミド
ではないとの条件を満たす化合物。
【0029】
式(I)または式(II)において、Z'は好ましくはOである。
【0030】
式(I)または式(II)において、好ましいR1基にはアリールおよび置換アリール基が含まれる。アリール基のいくつかの例には、フェニル、ナフト-2-イル、ナフト-1-イルなどが含まれる。いくつかの好ましい置換アリール基には、5-ジメチルアミノナフト-1-イル、2-クロロフェニル、2-フルオロフェニル、2-ブロモフェニル、2-ヒドロキシフェニル、2-ニトロフェニル、2-メチルフェニル、2-メトキシフェニル、2-フェノキシフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、4-ブロモフェニル、4-ニトロフェニル、4-メチルフェニル、4-ヒドロキシフェニル、4-メトキシフェニル、4-エトキシフェニル、4-ブトキシフェニル、4-イソプロピルフェニル、4-フェノキシフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、4-ヒドロキシメチルフェニル、3-メトキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、3-ニトロフェニル、3-フルオロフェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、3-フェノキシフェニル、3-チオメトキシフェニル、3-メチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、2,3-ジクロロフェニル、2,3-ジフルオロフェニル、2,4-ジクロロフェニル、2,5-ジメトキシフェニル、3,4-ジクロロフェニル、3,4-ジフルオロフェニル、3,4-メチレンジオキシフェニル、3,4-ジメトキシフェニル、3,5-ジフルオロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3,5-ジ-(トリフルオロメチル)フェニル、3,5-ジメトキシフェニル、2,4-ジクロロフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、3,4,5-トリフルオロフェニル、3,4,5-トリメトキシフェニル、3,4,5-トリ-(トリフルオロメチル)フェニル、2,4,6-トリフルオロフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2,4,6-トリ-(トリフルオロメチル)フェニル、2,3,5-トリフルオロフェニル、2,4,5-トリフルオロフェニル、2,5-ジフルオロフェニル、2-フルオロ-3-トリフルオロメチルフェニル、4-フルオロ-2-トリフルオロメチルフェニル、2-フルオロ-4-トリフルオロメチルフェニル、4-ベンジルオキシフェニル、2-クロロ-6-フルオロフェニル、2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル、2,5-ジメチルフェニル、4-フェニルフェニル、および2-フルオロ-3-トリフルオロメチルフェニル、2-(キノリン-8-イル)チオメチル)フェニル、2-((3-メチルフェニ-1-イルチオ)メチル)フェニルなどの、一置換フェニル、二置換フェニルおよび三置換フェニルが含まれる。
【0031】
好ましいR1置換アリール基は、例としてベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニル-n-プロピルなどを含むアルカリール基である。
【0032】
式(I)または式(II)の好ましいR1アルキル、置換アルキル、アルケニル、シクロアルキルおよびシクロアルケニル基には、例として、イソプロピル、n-プロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、-CH2CH=CH2、-CH2CH=CH(CH2)4CH3、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキサ-1-エニル、-CH2-シクロプロピル、-CH2-シクロブチル、-CH2-シクロヘキシル、-CH2-シクロペンチル、-CH2CH2-シクロプロピル、-CH2CH2-シクロブチル、-CH2CH2-シクロヘキシル、-CH2CH2-シクロペンチルなどが含まれる。
【0033】
式(I)または式(II)の好ましいR1ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールには、例として、ピリド-2-イル、ピリド-3-イル、ピリド-4-イル、フルオロピリジル(5-フルオロピリド-3-イルを含む)、クロロピリジル(5-クロロピリド-3-イルを含む)、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、ベンゾチアゾル-4-イル、2-フェニルベンゾキサゾル-5-イル、フラン-2-イル、ベンゾフラン-2-イル、チオナフテン-2-イル、2-クロロチオフェン-5-イル、3-メチルイソキサゾル-5-イル、2- (チオフェニル)チオフェン-5-イル、6-メトキシチオナフテン-2-イル、3-フェニル-1,2,4-チオオキサヂアゾル-5-イル、2-フェニルオキサゾル-4-イル、5-クロロ-1,3-ジメチルピラゾル-4-イル;2-メトキシカルボニル-チオフェン-3-イル;2,3-ジメチルイミダゾル-5-イル;2-メチルカルボニルアミノ-4-メチル-チアゾル-5-イル;キノリン-8-イル;チオフェン-2-イル;1-メチルイミジアゾル-4-イル;3,5-ジメチルイソキサゾル-4-イルなどが含まれる。
【0034】
特に好ましいR1基には、例にすぎないが、5-ジメチルアミノナフト-1-イル、2-クロロフェニル、2-フルオロフェニル、2-ブロモフェニル、2-ヒドロキシフェニル、2-ニトロフェニル、2-メチルフェニル、2-メトキシフェニルが含まれる。
【0035】
R1は下記の式(V)(R21は水素もしくはメチルであり、R20はアミノ酸側鎖であるか、またはR20およびR21ならびにそれらが結合している原子は環原子が4から12個の複素環もしくはヘテロアリール基を形成し、かつR22はアルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールである)などのスルホン化アミノアルキルであってもよい。

【0036】
一つの態様において、R1はN-(4-メチルベンゼンスルホニル)ピロル-2-イル、N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)ピロル-2-イル、N-(ナフチルスルホニル)ピロル-2-イル、N-(ベンジルスルホニル)ピロル-2-イル;N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)アゼチジン-2-イル、N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)ピペリジン-2-イル、1-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-イル、N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-N-メチル-アミノメチル;および1-[N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)アミノ]エタ-1-イルなどである。
【0037】
R22は好ましくはフェニル、4-メチルフェニル、2,5-ジメチルフェニル、4-クロロフェニル、2,5-ジメチル-4-クロロフェニル、ベンジル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンなどからなる群より選択される。
【0038】
R20は好ましくは水素である。
【0039】
R21は好ましくは水素、メチル、またはエチルである。
【0040】
好ましくは、R20およびR21は一緒になってアゼチジニル、ピロリル、ピペリジニル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニルなどの複素環基を形成する。
【0041】
好ましいR2基には、水素、メチル、エチル、イソプロピル、2-メトキシエタ-1-イル、ピリド-3-イルメチル、ベンジル、t-ブトキシカルボニル-メチルなどが含まれる。特に好ましいR2は水素である。
【0042】
好ましいR3基には、水素、メチル、エチル、イソプロピル、2-メトキシエタ-1-イル、ピリド-3-イルメチル、ベンジル、t-ブトキシカルボニル-メチルなどが含まれる。特に好ましいR3基には、水素、C1-4アルキル、置換されていてもよい単環式アリール、および置換されていてもよい単環式ヘテロアリールが含まれる。最も好ましいR3基は水素、メチルおよびフェニルである。
【0043】
好ましいR4には、4-(N,N-ジエチルアミノ)フェニル;4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル;2-メチルフェニル;フェニル;1-ナフチル;4-メチルフェニル;4-クロロフェニル;3,4-ジクロロフェニル;4-メトキシフェニル;ピリジン-3-イル;ピリジン-4-イル;2-クロロフェニル;4-メトキシ-3-ヒドロキシフェニル;2-メトキシピリジン-5-イル;3,5-ジメトキシフェニル;ピラジン-2-イル;4-エチルフェニル;4-(1-(RまたはS)-1-メチルプロパ-1-イル);1-メチル-1H-ピラゾル-3-イル;9H-フルオレン-9-イル;イソキノリン-1-イル;イソキノリン-3-イル;4-フェニルチアゾル-2-イル;4-(4-ピリジン-4-イル-ピペラジン-1-イル)フェニル;4-[1,4'-ビピペリジン]-1'-イル-フェニル;1H-ベンズイミダゾル-2-イル;ベンゾチアゾル-2-イル;4-(2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)エチル)フェニル;4-(3-アミノプロピル)フェニル;4-(2-アミノエチル)フェニル;4-[1,4'-ビピペリジン]-1'-イル-フェニル;4-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-2-イル)エチル)フェニル;4-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)フェニル;4-フルオロ-3-シアノ-フェニル;および4-(2-シアノエチル)フェニルが含まれる。
【0044】
別の好ましいR4基には、2-エトキシフェニル;3-(2-メチルチアゾル-5-イル)-ピラゾル-5-イル;4-アミノフェニルアミノ;4-(1H-イミダゾル-2-イルメチル)-フェニルアミノ;4-[2-(1H-イミダゾル-2-イル)-エチル]-フェニルアミノ;4-アミノメチル-フェニルアミノ;4-(1H-イミダゾル-2-イル)-フェニルアミノ;4-[N,N'-ジエチルアミジノ]-フェニルアミノ;4-[N,N'-ジメチルアミジノ]-フェニルアミノ;4-[N,N'-ジフェニルアミジノ]-フェニルアミノ;4-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イルメチル)-フェニルアミノ;4-(1H-ベンズイミダゾル-2-イル)-フェニルアミノ;4-[N-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)アミノメチル]-フェニルアミノ;4-(1H-ベンズイミダゾル-2-イルメチル)-フェニルアミノ;4-(1,4,5,6-テトラヒドロ-ピリミジン-2-イル)-フェニルアミノ;および4-(1,4,5,6-テトラヒドロ-ピリミジン-2-イルメチル)-フェニルアミノが含まれる。
【0045】
好ましいR5基には、水素、メチル、エチル、イソプロピル、2-メトキシエチル、およびピリド-3-イル-メチルが含まれる。
【0046】
好ましいX基には、水素、臭素、塩素、フッ素およびメチルが含まれる。
【0047】
式(I)または式(II)のR3が水素以外である場合、二つの幾何異性体が存在することもある。R3が水素である場合、式(I)または式(II)は互変異性体である。式(I)または式(II)の化合物が互変異性体、光学異性体または幾何異性体として存在する場合には、前述の式は異性体混合物ならびに個々の異性体ブラジキニンB1受容体アンタゴニストまたは中間体異性体を表すことが意図され、それらはすべて本発明の範囲内に含まれる。
【0048】
さらに、式(I)または式(II)の化合物の薬学的適用に関するこれら化合物への言及は、式(I)または式(II)の化合物の薬学的に許容される塩を含むことも意図される。
【0049】
本発明の範囲内の化合物には下記の表Iに示すものが含まれる:
【表1】



【0050】
本発明の特に好ましい化合物には下記が含まれる:
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-ジエチルアミノフェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-ジメチルアミノフェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸o-トリルアミド;
5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸フェニルアミド;
5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-4-エチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸フェニルアミド;
5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-4-プロピル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸フェニルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸フェニルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルフェニルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ナフタレン-1-イルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸p-トリルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-クロロフェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3,4-ジクロロフェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-メトキシフェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピリジン-3-イルアミド
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピリジン-4-イルアミド
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド;
4-クロロ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸フェニルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(6-メトキシピリジン-3-イル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3,5-ジメトキシフェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピラジン-2-イルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-エチルフェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-sec-ブチルフェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1-メチル-1H-ピラゾル-3-イル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(9H-フルオレン-9-イル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸イソキノリン-1-イルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸イソキノリン-3-イルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-フェニルチアゾル-2-イル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[4-(4-ピリジン-4-イル-ピペラジン-1-イル)フェニル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-[1,4'-ビピペリジン]-1'-イル-フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1H-ベンズイミダゾル-2-イル)アミド;および
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ベンゾチアゾル-2-イルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)エチル)フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(3-アミノプロピル)フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2- アミノエチル)フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-[1,4'-ビピペリジン]-1'-イル-フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-2-イル)エチル)フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-フルオロ-3-シアノ-フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1-メチル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-[1,4'-ビピペリジン]-1'-イル-フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1-メチル-ピラゾール-3-カルボン酸[4-(4-ピリジン-4-イル-ピペラジン-1-イル)フェニル]アミド;
4-メチル-5-(2-フルオロベンゾイルアミノ)-1-t-ブチル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-シアノエチル)フェニル)アミド;
4-メチル-5-(2-フルオロベンゾイルアミノ)-1-t-ブチル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)エチル)フェニル)アミド;
4-メチル-5-(2-フルオロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)エチル)フェニル)アミド;
4-メチル-5-(2-フルオロベンゾイルアミノ)-1-フェニル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)エチル)フェニル)アミド;
4-メチル-5-(2-フルオロベンゾイルアミノ)-1-フェニル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-シアノエチル)フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1-メチル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(3-アミノプロピル)フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1-メチル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)エチル)フェニル)アミド;
およびその薬学的に許容される塩。
【0051】
下記の化合物は本発明に含まれない


【0052】
一つの好ましい態様において、式(I)および式(II)の化合物の、特に、しかし必須ではなく、R3がメチルであり、R1がメチルである場合、R4は置換N-メチルピラゾリル以外である。
【0053】
式(I)および式(II)の化合物は、ブラジキニンB2受容体よりもブラジキニンB1受容体の選択的アンタゴニストとして用いることができる。
【0054】
本発明は、式(I)または式(II)の化合物である、ブラジキニンB2受容体よりもブラジキニンB1受容体の選択的アンタゴニストも提供する。
【0055】
本発明はさらに、ブラジキニンB1およびB2受容体両方を含む生体試料中で、ブラジキニンB2受容体よりもブラジキニンB1受容体を選択的に阻害する方法であって、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその混合物の阻害有効量を生体試料に接触させる段階を含む方法を提供する。
【0056】
本発明はさらに、薬学的に許容される担体と、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその混合物の、ブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の有害症状を治療または緩和するのに有効な量とを含む薬学的組成物を提供する。
【0057】
本発明はさらに、少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の有害症状を治療または緩和する方法であって、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその混合物、あるいはより一般的には薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法を提供する。
【0058】
本発明はさらに、組織損傷または炎症後にブラジキニンB1受容体をアップレギュレートすることに関連する哺乳動物の有害症状を治療または緩和するための、薬学的に許容される担体と、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその混合物の治療上有効な量とを含む薬学的組成物を提供する。
【0059】
本発明はさらに、組織損傷または炎症に関連する哺乳動物の有害症状を治療または緩和する方法であって、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその混合物、あるいはより一般的には薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法を提供する。
【0060】
本発明はさらに、哺乳動物においてブラジキニンB1受容体アゴニストの存在または分泌に関連する有害症状を治療または緩和する方法であって、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその混合物、あるいはより一般的には薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法を提供する。
【0061】
本発明は、少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の疼痛、炎症、敗血症ショックまたは瘢痕化過程を治療または軽減する方法であって、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその混合物、あるいはより一般的には薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法を提供する。
【0062】
本発明は、火傷、術中疼痛、偏頭痛、ショック、中枢神経系損傷、喘息、鼻炎、早産、炎症性関節炎、炎症性腸疾患または神経障害性疼痛に関連する哺乳動物の有害症状を治療または軽減する方法であって、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその混合物、あるいはより一般的には薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法を提供する。
【0063】
本発明はさらに、哺乳動物においてブラジキニンB1受容体アゴニストの存在または分泌に関連する有害症状を治療または緩和する方法であって、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその混合物、あるいはより一般的には薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法を提供する。
【0064】
本発明は、生体試料中のブラジキニンB1受容体アゴニストのレベルを定量する方法であって、該生体試料をあらかじめ決められた濃度の式(I)または式(II)の化合物と接触させる段階を含む方法も提供する。
【0065】
好ましい態様の詳細な説明
前述のとおり、本発明は、疼痛、炎症、敗血症ショック、瘢痕化過程などを含む、少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の有害症状を軽減するための、ブラジキニンB1受容体アンタゴニストとして有用である、特定の3-アミド-5-置換ピラゾール誘導体および関連化合物を目的とする。しかし、本発明をより詳細に説明する前に、まず下記の用語を定義する。
【0066】
定義
用語の特定の出現に関して明白に他の定義がなされていない限り、本明細書において用いられる下記の用語は大文字であるか否かにかかわらず下記の意味を有することになる。
【0067】
「アルキル」または「アルク」なる用語は、1から15個の炭素原子、より好ましくは1から6個の炭素原子を有する一価アルキル基を意味し、直鎖および分枝鎖アルキル基の両方を含む。この用語の例は、メチル、t-ブチル、n-ヘプチル、オクチルなどの基である。C1-4アルキルなる用語は1から4個の炭素原子を有するアルキル基を指す。
【0068】
「置換アルキル」なる用語は、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、チオカルボニルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミジノ、アルキルアミジノ、チオアミジノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アリールオキシルアリール、置換アリールオキシアリール、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、オキソ、チオキソ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、グアニジノ、グアニジノスルホン、チオール、チオアルキル、置換チオアルキル、チオアリール、置換チオアリール、チオシクロアルキル、置換チオシクロアルキル、チオヘテロアリール、置換チオヘテロアリール、チオ複素環、置換チオ複素環、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、オキシカルボニルアミノ、オキシチオカルボニルアミノ、-OS(O)2-アルキル、-OS(O)2-置換アルキル、-OS(O)2-アリール、-OS(O)2-置換アリール、-OS(O)2-ヘテロアリール、-OS(O)2-置換ヘテロアリール、-OS(O)2-複素環、-OS(O)2-置換複素環、-OSO2-NR40R40(各R40は水素またはアルキルである)、-NR40S(O)2-アルキル、-NR40S(O)2-置換アルキル、-NR40S(O)2-アリール、-NR40S(O)2-置換アリール、-NR40S(O)2-ヘテロアリール、-NR40S(O)2-置換ヘテロアリール、-NR40S(O)2-複素環、-NR40S(O)2-置換複素環、-NR40S(O)2-NR40-アルキル、-NR40S(O)2-NR40-置換アルキル、-NR40S(O)2-NR40-アリール、-NR40S(O)2-NR40-置換アリール、-NR40S(O)2-NR40-ヘテロアリール、-NR40S(O)2-NR40-置換ヘテロアリール、-NR40S(O)2-NR40-複素環、および-NR40S(O)2-NR40-置換複素環(各R40は水素またはアルキルである)からなる群より独立に選択される、1から5個の置換基、好ましくは1から3個の置換基を有する、炭素原子1から15個、より好ましくは1から6個のアルキル基を意味する。
【0069】
「アルコキシ」とは「アルキル-O-」なる基を意味し、例として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ、1,2-ジメチルブトキシなどが含まれる。
【0070】
「置換アルコキシ」とは「置換アルキル-O-」なる基を意味する。
【0071】
「アシル」とは、H-C(O)-、アルキル-C(O)-、置換アルキル-C(O)-、アルケニル-C(O)-、置換アルケニル-C(O)-、アルキニル-C(O)-、置換アルキニル-C(O)-、シクロアルキル-C(O)-、置換シクロアルキル-C(O)-、アリール-C(O)-、置換アリール-C(O)-、ヘテロアリール-C(O)-、置換ヘテロアリール-C(O)、複素環-C(O)-、および置換複素環-C(O)-なる基を意味し、ただし複素環または置換複素環の窒素原子は-C(O)-基に結合しておらず、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書の定義のとおりである。
【0072】
「アミノ」とは-NH2なる基を意味する。
【0073】
「置換アミノ」とは、NR41R41(各R41基は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、-SO2-アルキル、-SO2-置換アルキル、-SO2-アルケニル、-SO2-置換アルケニル、-SO2-シクロアルキル、-SO2-置換シクロアルキル、-SO2-アリール、-SO2-置換アリール、-SO2-ヘテロアリール、-SO2-置換ヘテロアリール、-SO2-複素環、-SO2-置換複素環からなる群より独立に選択される)なる基を意味し、ただしR41基の両方が水素であることはないか;またはR41基は窒素原子と一緒になって複素環もしくは置換複素環を形成することもできる。
【0074】
「アシルアミノ」あるいは接頭語としての「カルバモイル」もしくは「カルボキサミド」または「置換カルバモイル」もしくは「置換カルボキサミド」とは、-C(O)NR42R42(各R42は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環からなる群より独立に選択され、各R42基は窒素原子と一緒になって複素環または置換複素環を形成し、ただしアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書の定義のとおりである)なる基を意味する。
【0075】
「チオカルボニルアミノ」あるいは接頭語としての「チオカルバモイル」、「チオカルボキサミド」または「置換チオカルバモイル」もしくは「置換チオカルボキサミド」とは、-C(S)NR43R43(各R43基は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環からなる群より独立に選択され、各R43基は窒素原子と一緒になって複素環または置換複素環を形成し、ただしアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書の定義のとおりである)なる基を意味する。
【0076】
「アシルオキシ」とは、アシル-O-(アシルは本明細書の定義のとおりである)なる基を意味する。
【0077】
「アルケニル」とは、2から10個の炭素原子、より好ましくは2から6個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1部位、好ましくは1〜2部位のアルケニル不飽和を有するアルケニル基を意味する。
【0078】
「置換アルケニル」とは、置換アルキルについて定義された置換基群より独立に選択される、1から5個の置換基、好ましくは1から3個の置換基を有するが、ただしヒドロキシル、チオ、オキソまたはチオキソ基はビニル炭素原子に結合していない、本明細書の定義のとおりのアルケニル基を意味する。
【0079】
「アルキニル」とは、2から10個の炭素原子、より好ましくは3から6個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1部位、好ましくは1〜2部位のアルキニル不飽和を有するアルキニル基を意味する。
【0080】
「置換アルキニル」とは、置換アルキルについて定義されたものと同じ置換基群より選択される、1から5個の置換基、好ましくは1から3個の置換基を有するが、ただしヒドロキシル、チオ、オキソまたはチオキソ基はビニル炭素原子に結合していない、本明細書の定義のとおりのアルキニル基を意味する。
【0081】
「アミジノ」とはH2NC(=NH)-なる基を意味し、「アルキルアミジノ」なる用語は1から3個のアルキル基を有する化合物(例えば、アルキルHNC(=NH)-)を意味する。
【0082】
「チオアミジノ」とはR44SC(=NH)-(R44は水素または本明細書の定義のとおりのアルキルである)を意味する。
【0083】
「アミノアシル」とは、-NR45C(O)アルキル、-NR45C(O)置換アルキル、-NR45C(O)シクロアルキル、-NR45C(O)置換シクロアルキル、-NR45C(O)アルケニル、-NR45C(O)置換アルケニル、-NR45C(O)アルキニル、-NR45C(O)置換アルキニル、-NR45C(O)アリール、-NR45C(O)置換アリール、-NR45C(O)ヘテロアリール、-NR45C(O)置換ヘテロアリール、-NR45C(O)複素環、および-NR45C(O)置換複素環(R45は水素またはアルキルであり、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書の定義のとおりである)なる基を意味する。
【0084】
「アミノカルボニルオキシ」とは、-NR46C(O)O-アルキル、-NR46C(O)O-置換アルキル、-NR46C(O)O-アルケニル、-NR46C(O)O-置換アルケニル、-NR46C(O)O-アルキニル、-NR46C(O)O-置換アルキニル、-NR46C(O)O-シクロアルキル、-NR46C(O)O-置換シクロアルキル、-NR46C(O)O-アリール、-NR46C(O)O-置換アリール、-NR46C(O)O-ヘテロアリール、-NR46C(O)O-置換ヘテロアリール、-NR46C(O)O-複素環、および-NR46C(O)O-置換複素環(R46は水素またはアルキルであり、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書の定義のとおりである)なる基を意味する。
【0085】
「オキシカルボニルアミノ」または接頭語としての「カルバモイルオキシ」もしくは「置換カルバモイルオキシ」とは、-OC(O)NR47R47(各R47は独立に水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環であるか、または各R47は窒素原子と一緒になって複素環もしくは置換複素環を形成し、ただしアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書の定義のとおりである)なる基を意味する。
【0086】
「オキシチオカルボニルアミノ」とは、-OC(S)NR48R48(各R48は独立に水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環であるか、または各R48は窒素原子と一緒になって複素環もしくは置換複素環を形成し、ただしアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書の定義のとおりである)なる基を意味する。
【0087】
「アミノカルボニルアミノ」とは-NR49C(O)NR49-(R49は水素およびアルキルからなる群より選択される)なる基を意味する。
【0088】
「アミノチオカルボニルアミノ」とは-NR50C(S)NR50-(R50は水素およびアルキルからなる群より選択される)なる基を意味する。
【0089】
「アリール」または「Ar」とは、一つの環(すなわち単環式)(例えばフェニル)または複数の縮合環(例えばナフチルまたはアントリル)を有する、炭素原子6から14個の芳香族炭素環基を意味し、ただし縮合環は芳香族であってもなくてもよい(例えば、2-ベンゾキサゾリノン、2H-1,4-ベンゾキサジン-3(4H)-オンなど)。多環式縮合環構造の少なくとも一つが非芳香族である場合、アリール基の中核構造への結合点は芳香環の一つにある。好ましいアリールにはフェニルおよびナフチルが含まれる。
【0090】
「置換アリール」とは、ヒドロキシ、アシル、アシルアミノ、チオカルボニルアミノ、アシルオキシ、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アミジノ、アルキルアミジノ、チオアミジノ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、チオール、チオアルキル、置換チオアルキル、チオアリール、置換チオアリール、チオヘテロアリール、置換チオヘテロアリール、チオシクロアルキル、置換チオシクロアルキル、チオ複素環、置換チオ複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、グアニジノ、グアニジノスルホン、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、オキシカルボニルアミノ、オキシチオカルボニルアミノ、-S(O)2-アルキル、-S(O)2-置換アルキル、-S(O)2-シクロアルキル、-S(O)2-置換シクロアルキル、-S(O)2-アルケニル、-S(O)2-置換アルケニル、-S(O)2-アリール、-S(O)2-置換アリール、-S(O)2-ヘテロアリール、-S(O)2-置換ヘテロアリール、-S(O)2-複素環、-S(O)2-置換複素環、-OS(O)2-アルキル、-OS(O)2-置換アルキル、-OS(O)2-アリール、-OS(O)2-置換アリール、-OS(O)2-ヘテロアリール、-OS(O)2-置換ヘテロアリール、-OS(O)2-複素環、-OS(O)2-置換複素環、-OSO2-NR51R51(各R51は水素またはアルキルである)、-NR51S(O)2-アルキル、-NR51S(O)2-置換アルキル、-NR51S(O)2-アリール、-NR51S(O)2-置換アリール、-NR51S(O)2-ヘテロアリール、-NR51S(O)2-置換ヘテロアリール、-NR51S(O)2-複素環、-NR51S(O)2-置換複素環、-NR51S(O)2-NR51-アルキル、-NR51S(O)2-NR51-置換アルキル、-NR51S(O)2-NR51-アリール、-NR51S(O)2-NR51-置換アリール、-NR51S(O)2-NR51-ヘテロアリール、-NR51S(O)2-NR51-置換ヘテロアリール、-NR51S(O)2-NR51-複素環、および-NR51S(O)2-NR51-置換複素環(各R51は水素またはアルキルである)からなる群より独立に選択される、1から4個、好ましくは1〜3個の置換基で置換されている、本明細書の定義のとおりのアリール基を意味し、ただし各用語は本明細書の定義のとおりである。
【0091】
「アリールオキシ」とはアリール-O-なる基を意味し、例としてフェノキシ、ナフトキシなどが含まれる。
【0092】
「置換アリールオキシ」とは置換アリール-O-基を意味する。
【0093】
「アリールオキシアリール」とは-アリール-O-アリールなる基を意味する。
【0094】
「置換アリールオキシアリール」とは、いずれか、または両方のアリール環上で、置換アリールについて定義された置換基からなる同じ群より独立に選択される、1から4個、好ましくは1〜3個の置換基で置換されている、アリールオキシアリール基を意味する。
【0095】
「カルボキシル」とは-COOHなる基およびその薬学的に許容される塩を意味する。
【0096】
「カルボキシルエステル」とは、下記のエステルの任意の一つを意味する:-COO-アルキル、-COO-置換アルキル、-COO-シクロアルキル、-COO-置換シクロアルキル、-COO-アリール、- COO-置換アリール、-COO-ヘテロアリール、-COO-置換ヘテロアリール、-COO-複素環、および-COO-置換複素環。
【0097】
「シクロアルキル」とは、一つまたは複数の環を有する、炭素原子3から20個の環状アルキル基を意味し、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル、アダマンチルなどが含まれる。本発明のシクロアルキル基には、構造の中核または骨格への結合点が非芳香族シクロアルキル環上にある限り、多環式環構造内の一つまたは複数の環がアリール、シクロアルケニル、ヘテロアリール、および/または複素環である、多環式縮合環も含まれる。
【0098】
「シクロアルケニル」とは、一つまたは複数の不飽和を有し、一つまたは複数の不飽和環であるが、芳香環ではない環を有する、炭素原子4から20個の環状アルケニル基を意味する。適当なシクロアルケニル基には、例として、シクロペンテニル、シクロオクテニルなどが含まれる。本発明のシクロアルケニル基には、構造の中核または骨格への結合点が非芳香族シクロアルケニル環上にある限り、多環式環構造内の一つまたは複数の環がアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび/または複素環である、多環式縮合環も含まれる。
【0099】
「置換シクロアルキル」および「置換シクロアルケニル」とは、置換アルキルについて定義されたものと同じ置換基群より独立に選択される、1から5個、好ましくは1〜3個の置換基を有する、本明細書の定義のとおりのシクロアルキルおよびシクロアルケニル基を意味する。
【0100】
「シクロアルコキシ」とは-O-シクロアルキル基(シクロアルキルは本明細書の定義のとおりである)を意味する。
【0101】
「置換シクロアルコキシ」とは-O-置換シクロアルキル基(置換シクロアルキルは本明細書の定義のとおりである)を意味する。
【0102】
「グアニジノ」または「置換グアニジノ」とは-NR52C(=NR52)NR52R52(各R52は独立に水素またはアルキルである)なる基を意味する。
【0103】
「グアニジノスルホン」とは、-NR53C(=NR53)NRSO2-アルキル、-NR53C(=NR53)NR53SO2-置換アルキル、-NR53C(=NR53)NR53SO2-アルケニル、-NR53C(=NR53)NR53SO2-置換アルケニル、-NR53C(=NR53)NR53SO2-アルキニル、-NR53C(=NR53)NR53SO2-置換アルキニル、-NR53C(=NR53)NR53SO2-アリール、-NR53C(=NR53)NR53SO2-置換アリール、-NR53C(=NR53)NR53SO2-シクロアルキル、-NR53C(=NR53)NR53SO2-置換シクロアルキル、-NR53C(=NR53)NR53SO2-ヘテロアリール、-NR53C(=NR53)NR53SO2-置換ヘテロアリール、-NR53C(=NR53)NR53SO2-複素環、および-NR53C(=NR53)NR53SO2-置換複素環(各R53は独立に水素およびアルキルである)なる基を意味する。
【0104】
「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
【0105】
「ヘテロアリール」とは、環内に2から10個の環炭素原子ならびに酸素、窒素および硫黄から選択される1から4個の環ヘテロ原子を有する芳香族基を意味する。そのようなヘテロアリール基は、非ヘテロアリールであってもよい一つの環(すなわち単環式)(例えばピリジルまたはフリル)または複数の縮合環(例えばインドリジニルまたはベンゾチエニル)を有することもできる。多環式縮合環構造内の少なくとも一つの環がアリール、シクロアルキル、シクロアルケニルまたは複素環などの非ヘテロアリールである場合、ヘテロアリール基の中核構造への結合点はヘテロアリール原子の一つにある。好ましいヘテロアリールにはピリジル、ピロリル、インドリルおよびフリルが含まれる。
【0106】
「置換ヘテロアリール」とは、置換アリールについて定義されたものと同じ置換基群より独立に選択される1から3個の置換基で置換されている、前述の定義のヘテロアリール基を意味する。
【0107】
「ヘテロアリールオキシ」とは、-O-ヘテロアリールなる基を意味し、「置換ヘテロアリールオキシ」とは-O-置換ヘテロアリールなる基を意味し、ただしヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールは前述の定義のとおりである。
【0108】
「複素環(heterocycle)」または「複素環(heterocyclic)」とは、環内に2から20個の環炭素原子および窒素、硫黄または酸素から選択される1から4個の環ヘテロ原子を有する、一つの環または複数の縮合環を有する、飽和または不飽和であるが、芳香族複素環ではない基を意味する。本発明の「複素環(heterocycle)」または「複素環(heterocyclic)」基には、構造の中核または骨格への結合点が複素環上にある限り、多環式環構造内の一つまたは複数の環が複素環ではない(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリールまたはヘテロアリール)多環式縮合環も含まれる。
【0109】
「置換複素環」とは、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、ならびに置換アリールについて定義されたものと同じ置換基群より独立に選択される、1から3個の置換基で置換されている、前述の定義のとおりの複素環基を意味する。
【0110】
複素環およびヘテロアリールの例には、アゼチジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、ジヒドロインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、フタルイミド、1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン、チアゾール、チアゾリジン、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジニル、ピロリジン、テトラヒドロフラニルなどが含まれるが、それに限定されるわけではない。
【0111】
「ヘテロシクリルオキシ」とは-O-複素環なる基を意味し、「置換ヘテロシクリルオキシ」とは-O-置換複素環なる基を意味し、ただし複素環および置換ヘテロシクリオキシは前述の定義のとおりである。
【0112】
「チオール」とは-SHなる基を意味する。
【0113】
「チオアルキル」または「チオアルコキシ」とは-S-アルキルなる基を意味する。
【0114】
「置換チオアルキル」および「置換チオアルコキシ」とはS-置換アルキルなる基を意味する。
【0115】
「チオシクロアルキル」とは-S-シクロアルキルなる基を意味する。
【0116】
「置換チオシクロアルキル」とは-S-置換シクロアルキルなる基を意味する。
【0117】
「チオアリール」とは-S-アリールなる基を意味し、「置換チオアリール」とは-S-置換アリールなる基を意味する。
【0118】
「チオヘテロアリール」とは-S-ヘテロアリールなる基を意味し、「置換チオヘテロアリール」とは-S-置換ヘテロアリールなる基を意味する。
【0119】
「チオ複素環」とは-S-複素環なる基を意味し、「置換チオ複素環」とは-S-置換複素環なる基を意味する。
【0120】
アミノ酸とは、天然アミノ酸、ならびに合成類縁体(例えば、D-トレオニンなどの天然アミノ酸のD-立体異性体)およびその誘導体のいずれかを意味する。α-アミノ酸はアミノ基、カルボキシル基、水素原子、および「側鎖」と呼ばれる特徴的な基が結合している炭素原子を含む。天然アミノ酸の側鎖は当技術分野において周知で、例えば、水素(例えば、グリシンの場合)、アルキル(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリンの場合)、置換アルキル(例えば、トレオニン、セリン、メチオニン、システイン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アルギニン、およびリシンの場合)、アリールアルキル(例えば、フェニルアラニンおよびトリプトファンの場合)、置換アリールアルキル(例えば、チロシンの場合)、およびヘテロアリールアルキル(例えば、ヒスチジンの場合)が含まれる。「天然アミノ酸」なる用語はこれらのアミノ酸を意味する。
【0121】
例えば、Williams (ed.), Synthesis of Optically Active .alpha.-Amino Acids, Pergamon Press (1989); Evans et al., J. Amer. Chem. Soc., 112:4011-4030 (1990); Pu et al., J. Org Chem., 56:1280-1283 (1991); Williams et al., J. Amer. Chem. Soc., 113:9276-9286 (1991); およびその中で引用されるすべての参照文献に示されるとおり、非天然アミノ酸も当技術分野において公知である。
【0122】
「薬学的に許容される塩」とは、式(I)または式(II)の化合物の薬学的に許容される塩であって、当技術分野において周知であり、例にすぎないが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどを含む様々な有機および無機対イオン由来の塩;ならびに分子が塩基性官能基を含む場合、塩酸塩、臭化水素塩、酒石酸塩、メシレート、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などの有機または無機酸の塩を意味する。
【0123】
「薬学的に許容されるプロドラッグ」とは、インビボで代謝されて本発明の化合物またはその活性代謝物を提供する、一つまたは複数の官能基に対する当技術分野において認められた修飾を意味する。ヒドロキシルおよび/またはアミノ置換に対するアシル基、側鎖ヒドロキシル基の一つまたは複数はアルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシまたは置換アリールオキシ基などに変換されている、モノ、ジ、およびトリリン酸のエステルを含むそのような官能基は当技術分野において周知である。
【0124】
本明細書において定義された置換パターンは、いかなる化学的に不可能な置換パターンも含まないことが理解される。さらに、置換アリールのように基が「置換」なる用語で規定され、可能な置換基が置換された基自体である、例えば、置換アリールで置換された置換アリールの場合、そのような置換パターンはポリマー、例えば、(置換アリール)nを生じるような限界のない繰り返しを意図することはない。したがって、すべての場合に、最大の反復数は4である。すなわち、nは1から4の整数である。
【0125】
化合物調製
本発明の化合物は、容易に入手することができる開始材料から下記一般方法および手順を用いて調製することができる。典型的なまたは好ましい処理条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)を示すが、特に記載がなければ、他の処理条件を使用することもできることは認識されるであろう。最適反応条件は使用した特別な反応物または溶媒と共に変動してもよいが、そのような条件は当業者であれば、ルーチン的な最適化手順により決定することができる。
【0126】
さらに、当業者にとっては明かであるように、一定の官能基を、望ましくない反応を受けないようにするのに従来の保護基が必要であるかもしれない。様々な官能基に対する適した保護基、ならびに特別な官能基を保護および脱保護するための適した条件は当技術分野において周知である。例えば、多くの保護基がT.W. Greene and G.M. Wuts、Protecting Groups in Organic Synthesis、Third Edition、Wiley、New York、1999および本明細書で引用した参考文献において記述されている。
【0127】
本発明の化合物は1または複数のキラル中心を一般的に含むと考えられる。したがって、所望であれば、そのような化合物を純粋な立体異性体として、すなわち、個々の鏡像異性体もしくはジアステレオマーとして、または立体異性体が富化された混合物として調製または単離することができる。そのような立体異性体(および富化された混合物)は全て、特に記載がなければ、本発明の範囲内に含まれる。純粋な立体異性体(または富化された混合物)は、例えば、当技術分野において周知の光学的に活性な開始材料または立体選択的な試薬を使用して調製してもよい。また、そのような化合物のラセミ混合物は、例えば、キラルカラムクロマトグラフィ、キラル分離剤などを使用して分離することができる。
【0128】
以下の反応に対する開始材料は一般に周知の化合物であり、または周知の手順もしくは明かなそれらの改良により調製することができる。例えば、開始材料の多くは商業的供給者、例えばAldrich Chemical Co.(ウィスコンシン州ミルウォーキー、USA)、Bachem(カリフォルニア州トーランス、USA)、Emka-ChemceまたはSigma(ミズーリ州セントルイス、USA)から入手可能である。他は、標準的基準テキスト、例えばFieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis、Volumes 1-15(John Wiley and Sons、1991)、Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds、Volumes 1-5 and Supplementals (Elsevier Science Publishers、1989)、Organic Reactions、Volumes 1-40 (John Wiley and Sons、1991)、March’s Advanced Organic Chemistry, (John Wiley and Sons、4th Edition)、およびLarock’s Comprehensive Organic Transformations (VCH Publishers Inc. 1989)に記述されている手順、またはそれらの明かな改良により調製してもよい。
【0129】
具体的には、置換ピラゾールおよび置換ピラゾールの調製において有用な様々な中間体は、好ましくは下記のスキームに示すとおりに調製する。
スキーム1

【0130】
具体的には、スキーム1(R1、R3、R4、R5、Xは前述の定義のとおりであり、R*はアルキルである)において、市販の3-ニトロ-5-カルボキシルピラゾールである化合物117を、酸性媒質中、メタノールなどの適当なアルコールを用いて、通常の条件下でエステル化し、対応するエステルである化合物118を得る。用いる特定のアルコールは重要ではなく、典型的には合成の容易さ、および費用に基づいて選択する。反応は好ましくは、反応が実質的に完了するまで、典型的には2から12時間、約25から約100℃の高い温度で実施する。得られる生成物の化合物118は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0131】
3-ニトロ-5-カルボキシルエステルピラゾールである化合物118を、通常の条件下、通常の保護基Pgで保護する。選択した保護基は、水素添加以外の条件下で除去されるものである。好ましい保護基はBoc基である。
【0132】
保護3-ニトロ-5-カルボキシルエステルピラゾールである化合物119のニトロ基を、標準の還元反応を用いてアミンに還元する。例えば、化合物119を、炭素担持Pdなどの適当な触媒存在下、約10から60psiで水素ガスと反応させ、対応するアミンである化合物120を得る。反応は好ましくは、反応が実質的に完了するまで、典型的には1から5時間、約20から約80℃の温度で実施する。得られるアミンの化合物120は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0133】
3-アミノ-5-カルボキシルエステルピラゾールである化合物120を、通常の条件下、少なくとも化学量論量、好ましくは過剰の望ましい塩化アシルである化合物121との反応によりアシル化する。反応は好ましくは、生成した酸を捕捉するピリジンなどの塩基存在下、DMAPなどの通常の活性化剤存在下で実施する。反応は好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルムなどの不活性溶媒中で行うが、ピリジンなどの液体塩基を溶媒として用いて、生成した酸を捕捉することもできる。反応は好ましくは、反応が実質的に完了するまで、典型的には2から12時間、約-5から約35℃の温度で実施する。標準の脱保護反応後に生成物である化合物122が得られ、これはクロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0134】
メタノールおよび/またはTHF中の水酸化リチウムおよび水などの通常の条件を用いた、化合物122の加水分解により、3-(R1CO)-5-カルボン酸ピラゾールである化合物123が得られる。
【0135】
化合物123を、通常の方法によりピラゾール環の4位に官能基を導入して化合物107とする。例えば、Xがハロの場合、化合物123を少なくとも化学量論量の、N-ハロスクシンイミド、臭素などの適当なハロゲン化剤と接触させる。反応をジメチルホルムアミド、ジクロロメタンなどの不活性希釈剤中、ハロゲン化を行うのに十分な温度で実施する。典型的には反応は、反応が実質的に完了するまで、典型的には約0.1から10時間以内に完了するが、約0℃から約40℃で実施する。得られる生成物の化合物107は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0136】
続いて、化合物107のカルボン酸基を、好ましくはHOBT、EDC・HCL、NMMなどのカップリングを行うための活性化剤を用いた、当技術分野において周知の通常条件下、少なくとも化学量論量、好ましくは過剰の適当なアミンHNR4R5を用いてアミド化する。得られる化合物125は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができる。
【0137】
または、化合物123を前述の通りにアミド化して化合物124を得ることもでき、これはクロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができる。化合物124を、化合物123から化合物107への変換について記載したものと同じ方法を用いて、通常の方法によりピラゾール環の4位に官能基を導入して化合物125とすることができる。
【0138】
別の合成態様において、Xがアルキルまたは水素である式(I)または式(II)の化合物を、下記のスキーム2に示すとおりに調製することができる:
スキーム2

【0139】
具体的には、スキーム2(R1は前述の定義のとおりである)において、市販のシュウ酸ジエチルエステルである化合物145を、エタノール中、カリウムエトキシドなどの適当な塩基存在下、少なくとも化学量論量のアルキルニトリルである化合物146と混合する。反応は好ましくは、反応が実質的に完了するまで、典型的には12から24時間、約60℃から約100℃の温度で維持する。得られる生成物の化合物147は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0140】
次いで、化合物147をエタノール中、わずかに過剰のt-ブチルヒドラジン塩酸塩(示していない)を用いて環化する。反応は好ましくは、反応が実質的に完了するまで、典型的には12から24時間、約75から約150℃の温度および約1から10atmの圧などの高い温度と圧で実施する。得られる生成物の化合物148は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0141】
化合物148の反応は、120について前述した様式で進み、Xがアルキルである式(I)または式(II)の化合物を得る。
【0142】
スキーム2はさらに、2-(Pg)-3-(-NHC(O)R1)-4-(X)-5-カルボキシルピラゾールである化合物149のカルボキシル基の誘導体化を例示している。具体的には、エステルの通常の加水分解により化合物152を得、次いでこれを任意に活性化剤存在下、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの適当な不活性希釈剤中、通常のカップリング条件下で市販のN-O-ジメチル-ヒドロキシルアミン塩酸塩と反応させることにより、メトキシメチルアミドに変換する。反応は、例えば、約0から約40℃の温度で12から24時間を含む、化合物153を得るのに十分な条件下で維持する。得られる生成物の化合物153は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0143】
次いで、化合物153を、少なくとも化学量論量、好ましくは過剰のR^-Li(R^はアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群より選択される)と接触させることにより誘導体化する。反応は典型的には、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの不活性溶媒中、実質的な反応完了に十分な時間、典型的には約12から24時間以内に完了するが、約0℃から約-78℃の低温で実施する。得られる生成物の化合物155は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができる。
【0144】
前述の反応において用いる出発原料は市販されており、かつ/または当技術分野において周知の方法により調製することができる。例えば、式R1C(O)Xの酸ハロゲン化物は対応するカルボン酸から、例えば、ハロゲン化オキサリル、ハロゲン化チオニルなどとの反応により容易に調製される。式R1C(O)OHの酸は非常によく知られており、芳香族の酸(例えば、R1はアリールである)が含まれる。
【0145】
または、塩化o-(Ar-S-CH2-)ベンゾイルである化合物143を、下記のスキーム3(Arはアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環である)に例示したとおりに調製することができる:
スキーム3

【0146】
具体的には、化合物140をo-ブロモメチル-安息香酸メチルエステルである化合物141(Dvornikovs J. Org. Chem, 2002, 67, 2160のとおりに調製した)に、DMF中、約30当量の炭酸カリウム存在下でカップリングさせる。この反応は典型的には、反応が実質的に完了するまで、典型的には1から15日間、約0℃から約30℃の温度で実施する。得られる生成物の化合物142は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0147】
次いで、塩化o-(Ar-S-CH2-)ベンゾイルである化合物143を、化合物142におけるメチルエステルの通常の加水分解に続き、例えば、生成する酸を捕捉するための塩基存在下、ハロゲン化オキサリルを用いた、カルボキシル基のハロゲン化カルボキシルへの通常の変換により調製する。反応は典型的にはジクロロメタンなどの不活性溶媒中で実施する。この反応は典型的には、反応が実質的に完了するまで、典型的には1から12時間、約-20から約10℃の温度で実施する。得られる生成物の化合物143は、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0148】
スキーム4

【0149】
一つの態様において、式1の置換ピラゾールのZ'は硫黄である。これらの置換ピラゾールはスキーム4(Pg、X、R4、R5およびR1は本明細書における前述の定義のとおりである)に示すとおりに調製する。
【0150】
具体的には、スキーム4において、市販の3-ニトロ-5-カルボキシルピラゾールである化合物117を、本明細書において前述したとおり、カップリングを行うための通常の条件、例えば、HOBT、EDC・HCl、NMMなどの活性化剤を用いることにより、アミンにカップリングさせる。得られる化合物108は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができる。
【0151】
3-ニトロ-5-カルボキシルアミドピラゾールである化合物108を、通常の条件下、保護基Pgで保護して、化合物109を得る。選択した保護基は、水素添加以外の条件下で除去されるものである。好ましい保護基はBoc基である。
【0152】
保護3-ニトロ-5-カルボキシルアミドピラゾールである化合物109のニトロ基を、標準の還元反応を用いてアミンに還元する。例えば、化合物109を、炭素担持Pdなどの適当な触媒存在下、約10から60psiで水素ガスと反応させ、対応するアミンである化合物110を得る。
【0153】
3-アミノ-5-カルボキシルアミドピラゾールである化合物110を、当技術分野において公知の通常の条件下、チオアミドである化合物111に変換する。アミノからのチオアミドの生成は、P4S10またはLawesson's試薬の使用を含むいくつかの公知の方法、ならびにErnst Schaumann in Comprehensive Organic Synthesis Barry M. Trost, Ed.; Pergamon Press: Oxford, 1991; Vol. 6, Chapter 2.4(この全体が参照により本明細書に組み入れられる)によって例示されたものなどの当技術分野において公知の他の方法を用いて達成することができる。
【0154】
3-アミノ-5-チオカルボキシルアミドピラゾールである化合物111を、通常の条件下、望ましい塩化アシルである化合物121との反応によりアシル化する。反応は好ましくは、生成した酸を捕捉するピリジンなどの塩基存在下、DMAPなどの通常の活性化剤存在下で実施する。反応は好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルムなどの不活性溶媒中で行う。または、ピリジンなどの液体塩基を溶媒として用いて、生成した酸を捕捉することもできる。反応は典型的には、完了まで、通常は約2から約12時間、約-5から約35℃の温度で実施する。標準の脱保護反応後に生成物である化合物112が得られ、これはクロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0155】
化合物112を、通常の方法によりピラゾール環の4位に官能基を導入して化合物113とする。例えば、Xがハロの場合、化合物112を少なくとも化学量論量の、N-ハロスクシンイミド、Br2などの適当なハロゲン化剤と接触させる。反応をジメチルホルムアミド、ジクロロメタンなどの不活性希釈剤中、ハロゲン化を行うのに十分な温度で実施する。典型的には反応は、反応が実質的に完了するまで、典型的には約0.1から10時間以内に完了するが、約0℃から約40℃で実施する。得られる生成物の化合物113は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0156】
スキーム5

【0157】
Z'がNHである式1の置換ピラゾールの一つの態様において、置換ピラゾールをスキーム5に示すとおりに調製する。
【0158】
具体的には、スキーム5において、3-アミノ-5-シアノピラゾールである化合物161を、tert-ブチルヒドラゾンをフマロニトリルである化合物160に加えることにより調製する。この反応は典型的には、実質的に完了するまで、通常は約1から約48時間、約0から約110℃の温度で実施する。得られる生成物の化合物161は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0159】
3-アミノ-5-シアノピラゾールである化合物161を、通常の条件下、望ましい塩化アシルである化合物121との反応によりアシル化し、化合物162を得る。反応は好ましくは、生成した酸を捕捉するピリジンなどの塩基存在下、DMAPなどの通常の活性化剤存在下で実施する。反応は好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルムなどの不活性溶媒中で行うが、ピリジンなどの液体塩基を溶媒として用いて、生成した酸を捕捉することもできる。化合物162の標準の脱保護反応後に生成物である化合物163が得られ、これはクロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0160】
化合物163を、通常の方法によりピラゾール環の4位に官能基を導入して化合物164とする。例えば、Xがハロの場合、化合物163を少なくとも化学量論量の、N-ハロスクシンイミド、臭素などの適当なハロゲン化剤と接触させる。反応をジメチルホルムアミド、ジクロロメタンなどの不活性希釈剤中、ハロゲン化を行うのに十分な温度で実施する。典型的には反応は、反応が実質的に完了するまで、典型的には約0.1から10時間以内に完了するが、約0℃から約40℃で実施する。得られる生成物の化合物164は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0161】
化合物164を、当技術分野において公知の通常の条件下でアミジンである化合物165に変換する。ニトリルからのアミジンの生成は、アミンとの縮合を含むいくつかの公知の方法を用いて達成することができる。アミジンを調製する他の方法はWilli Kantlehner in Comprehensive Organic Synthesis Barry M. Trost, Ed.; Pergamon Press: Oxford, 1991; Vol. 6, Chapter 2.7により例示されている。
【0162】
式HNR4R5のアミンは当技術分野において公知である。当業者であれば、本発明の合成において用いるアリールまたはヘテロアリールアミンをいかにして得るかを理解すると思われる。簡単に言えば、アリールまたはヘテロアリールアミンは、置換アリールもしくはヘテロアリール環のニトロ化によって得た対応するニトロ化合物の還元、または置換されていてもよいアリールもしくはヘテロアリールカルボン酸のクルチウス転位によって得ることができる。多くの他のアリールまたはヘテロアリールアミンが、例えばAldrich、TCIおよびLancaster Synthesisなどの化学供給会社から市販されている。
【0163】
R1は下記の式(VI)(R21は水素またはメチルであり、R20はアミノ酸側鎖であるか、またはR20およびR21ならびにそれらが結合している原子は4から12個の環原子の複素環もしくはヘテロアリール基を形成し、R22はアルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールである)などのスルホン化アミノアルキルであってもよい。

【0164】
R1がそのようなスルホン化アミノ基である式(I)または式(II)の化合物は、下記のスキーム6(X、Z'、Q、R2、R3、R20、R21およびR22は本明細書の定義のとおりである)に示すとおりに調製してもよい。
スキーム6

【0165】
化合物170のアミン基を、適当な塩化スルホニルである化合物175および標準の反応条件を用いて、スルホンアミドに変換する。例えば、化合物170を塩化アリールスルホニルである化合物175と、炭酸ナトリウムなどの適当な塩基存在下、水などの不活性溶媒中、反応が実質的に完了するまで、典型的には1から約24時間、約0℃から約100℃の温度で反応させてもよい。生成物の化合物171は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0166】
次いで、化合物171を標準の条件を用いて塩化アシルに変換する。例えば、化合物171をSOCl2と、ジクロロメタンなどの不活性溶媒中、反応が実質的に完了するまで、典型的には1から約24時間、約-10℃から約39℃の温度で反応させてもよい。生成物の化合物172は、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または結晶化することなく、次の段階で用いることもできる。
【0167】
次いで、本明細書のスキーム1にアミド化反応について前述している周知の方法(化合物124および/または化合物125を調製するために用いる)を用いて、化合物172を化合物110にカップリングして化合物173を生成する。化合物123を、本明細書のスキーム1にハロゲン化反応について前述している通常の方法(化合物107および/または化合物125を調製するために用いる)によりピラゾール環の4位に官能基を導入して化合物174とする。
【0168】
前述の反応において用いる塩化スルホニルである化合物175は、公知の化合物または通常の合成法により公知の化合物から調製することができる化合物のいずれかである。そのような化合物は典型的には、対応するスルホン酸、すなわち式R22-SO3H(R22は前述の定義のとおりである)の化合物から、三塩化リンおよび五塩化リンを用いて調製する。この反応は一般に、スルホン酸を約2から5モル当量の三塩化リンおよび五塩化リンと、ニートまたはジクロロメタンなどの不活性溶媒中、約0℃から約80℃の範囲の温度で約1から約48時間接触させることにより実施して、塩化スルホニルとする。または、塩化スルホニルは、対応するチオール化合物、すなわち式R22-SH(R22は前述の定義のとおりである)から、チオールを塩素(Cl2)および水で通常の反応条件下、処理することにより調製することができる。
【0169】
製剤
薬剤として使用する場合、化学式(I)または(II)の化合物は通常、薬学的組成物の形態で投与される。これらの化合物は経口、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋内および鼻内を含む様々な経路により投与できる。これらの化合物は注射組成物および経口組成物の両方として効果的である。そのような組成物は薬学分野において周知の様式で調製され、少なくとも1つの活性化合物を含む。
【0170】
本発明はまた、活性成分として、上記化学式(I)または(II)の1または複数の化合物を、薬学的に許容される担体と共に有する薬学的組成物を含む。本発明の組成物を製造する際には、活性成分は通常、賦形剤と混合され、賦形剤により希釈され、またはそのような担体内に封入される。そのような担体はカプセル、サシェ(sachet)、紙または他の容器の形態とすることができる。賦形剤が希釈剤として機能する場合、賦形剤は、固体、半固体、または液体材料とすることができ、活性成分のためのビヒクル、担体または媒質として作用する。このように、組成物は、錠剤、ピル、粉末、トローチ、サシェ、カシェ(cachet)、エリキシル、懸濁液、エマルジョン、溶液、シロップ、エアロゾル(固体として、または液体媒質中)、例えば、最大10重量%までの活性成分を含む軟膏、ソフトおよびハードゼラチンカプセル、坐薬、滅菌注射溶液、および滅菌パッケージ粉末の形態とすることができる。
【0171】
製剤を調製する場合、他の成分と混合する前に、活性化合物を粉砕し適当な粒子サイズとする必要があるかもしれない。活性化合物が実質的に不溶性である場合、普通、200メッシュ未満の粒子サイズまで粉砕される。活性化合物が実質的に水溶性である場合、粒子サイズは普通粉砕により調節され、製剤中で実質的に均一に分配され、例えば約40メッシュである。
【0172】
適した賦形剤のいくつかの例としては、乳糖、デキストロース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギナート、トラガカントゴム、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロール、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、およびメチルセルロースが挙げられる。製剤はさらに、下記を含むことができる:潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱物油;湿潤剤;乳化剤および懸濁化剤;保存剤、例えば、メチル-およびプロピルヒドロキシ-ベンゾエート;甘味剤;および香味剤。本発明の組成物は、当技術分野において周知の手順を用いることにより患者に投与した後、活性成分が即時放出、持続放出または遅延放出されるように製剤化することができる。
【0173】
組成物は好ましくは単位用量形態で製剤化され、各々の用量が5〜約100mg、より普通には約10〜約30mgの活性成分を含む。「単位用量形態」という用語は、ヒト被験者および他の哺乳類のための単位用量として適当な物理的に別個の単位を示し、各単位が、適した薬学的賦形剤と共に、所望の治療効果を実現するように計算された予め決められた量の活性材料を含む。
【0174】
活性化合物は広範囲の用量範囲において効果的であり、一般に薬学的に有効な量で投与される。しかしながら、実際に投与される化合物の量は、関連する状況、例えば、治療される状態、選択した投与経路、投与した実際の化合物、各患者の年齢、体重および反応、患者の症状の重篤度などを考慮して、医師が決定することは理解されるであろう。
【0175】
錠剤などの固体組成物を調製するために、主活性成分を薬学的賦形剤と共に混合し、本発明の化合物の均質混合物を含む固体予備製剤(preformulation)組成物を形成する。これらの予備製剤組成物を均質と呼ぶ場合、活性成分が組成物全体に均一に分散され、組成物を容易に等しい効果の単位用量形態、例えば錠剤、ピルおよびカプセルにさらに分割することができることを意味する。この固体予備製剤をその後、例えば、0.1〜約500mgの本発明の活性成分を含む上記型の単位用量形態にさらに分割する。
【0176】
本発明の錠剤またはピルはコートしてもよく、またはそうでなければ配合して、持続性作用の利点が得られる用量形態としてもよい。例えば、錠剤またはピルは内側用量成分および外側用量成分を含み、後者は前者上のエンベロープ形態である。2つの成分は腸溶性層により分離することができ、腸溶性層は胃での崩壊に抵抗し、内側成分を無傷で十二指腸内に移行させるまたは放出を遅延させるように作用する。そのような腸溶性層またはコーティングには様々な材料を使用することができ、そのような材料としては多くの高分子酸、およびシェラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースなどの材料ととの高分子酸の混合物が挙げられる。
【0177】
本発明の新規化合物が、経口または注射による投与のために組み入れられてもよい液体形態としては、水溶液、適当な香味シロップ、水性または油性懸濁液、および食用油、例えば綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、またはピーナッツ油を有する香味エマルジョン、ならびにエリキシルおよび同様の薬学的ビヒクルが挙げられる。
【0178】
吸入または吹送のための組成物としては薬学的に許容される、水性もしくは有機溶媒、またはそれらの混合物に溶解された溶液および懸濁液、ならびに粉末が挙げられる。液体または固体組成物は、上記のように適した、薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい。好ましくは、組成物は局所または全身効果を得るために経口または鼻呼吸経路により投与される。好ましくは、薬学的に許容される溶媒中に溶解した組成物を、不活性ガスを使用することにより噴霧させてもよい。噴霧溶液は直接噴霧装置から吸い込んでもよく、または噴霧装置をフェースマスクテント、もしくは一時的な陽圧呼吸装置に取り付けてもよい。溶液、懸濁液、または粉末組成物は、好ましくは、経口または鼻内により、適当な様式で製剤を送達する装置から投与してもよい。
【0179】
下記製剤例は本発明の薬学的組成物を説明する。
【0180】
製剤例1
下記成分を含むハードゼラチンカプセルを調製する:

【0181】
上記成分を混合し、ハードゼラチンカプセル中に340mgの量で充填する。
【0182】
製剤例2
錠剤処方を、下記成分を用いて調製する:

【0183】
成分をブレンドし、圧縮し錠剤を形成する。各々が240mgである。
【0184】
製剤例3
下記成分を含む乾燥粉末吸入製剤を調製する:

【0185】
活性混合物を乳糖と混合し、混合物を粉末吸入器具に加える。
【0186】
製剤例4
各々30mgの活性成分を含む錠剤を下記のように調製する:

【0187】
活性成分、デンプンおよびセルロースをNo.20メッシュU.S.シーブに通し、完全に混合する。ポリビニル-ピロリドンの溶液を得られた粉末と混合し、その後16メッシュU.S.シーブに通す。そのように作製した顆粒を50℃〜60℃で乾燥させ、16メッシュU.S.シーブに通す。前もってNo.30メッシュU.S.シーブに通したカルボキシメチルスターチナトリウム、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクを、その後、顆粒に添加し、混合後、錠剤機で圧縮すると、各々150mgの錠剤が得られる。
【0188】
製剤例5
各々40mgの薬剤を含むカプセルを下記のように作製する:

【0189】
活性成分、セルロース、デンプン、ステアリン酸マグネシウムをブレンドし、No.20メッシュU.S.シーブに通し、150mgの量でハードゼラチンカプセルに充填する。
【0190】
製剤例6
各々25mgの活性成分を含む坐薬を下記のように作製する:

【0191】
活性成分をNo.60メッシュU.S.シーブに通し、必要とされる最小の熱を用い前もって融解させた飽和脂肪酸グリセリド中に懸濁させる。その後、混合物を公称2.0g容量の坐薬型に注ぎ入れ、冷却させる。
【0192】
製剤例7
各々、5.0mLの用量につき50mgの薬剤を含む懸濁液を下記のように作製する:

【0193】
薬剤、ショ糖およびキサンタンガムをブレンドし、No.10メッシュU.S.シーブに通し、その後、水に溶解した微結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムの前もって作製した溶液と混合する。安息香酸ナトリウム、香味剤、および着色剤を幾らかの水で希釈し、撹拌しながら添加する。その後十分な水を添加し、必要な体積とする。
【0194】
製剤例8

【0195】
活性成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムをブレンドし、No.20メッシュU.S.シーブに通し、560mgの量でハードゼラチンカプセルに充填する。
【0196】
製剤例9
静脈内製剤を下記のように調製してもよい:

【0197】
製剤例10
局所製剤を下記のように調製してもよい:

【0198】
ホワイトソフトパラフィンを融解するまで加熱する。流動パラフィンおよび乳化ろうを組み入れ、溶解するまで撹拌する。活性成分を添加し、分散するまで撹拌を続ける。その後、混合物を固体になるまで冷却する。
【0199】
本発明の方法において使用する別の好ましい製剤は、経皮送達装置(「パッチ」)を使用する。そのような経皮パッチを使用して、本発明の化合物を制御した量で連続または不連続注入してもよい。薬学的作用物質を送達するための経皮パッチの構成および使用は当技術分野において周知である。例えば、1991年6月11日に付与された米国特許第5,023,252号を参照のこと。この特許は参照により全体として本明細書に組み込まれる。そのようなパッチは、薬学的作用物質を連続して、脈動的に(pulsatile)、または要求に応じて送達するように構成されてもよい。
【0200】
薬学的組成物を脳に導入することが望ましいまたは必要である場合、直接または間接技術のいずれかを使用してもよい。直接技術は通常、宿主の室系内に薬物送達カテーテルを配置し血液脳関門をバイパスすることを含む。身体の特定の解剖学的領域に生物学的要因を輸送するために使用される1つのそのような植え込み型送達システムは、米国特許第5,011,472号において記述されている。この特許は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0201】
間接技術は、一般に好ましく、この技術は通常、親水性薬物を脂溶性薬物に変換することによる薬物潜在化(latentiation)を提供する組成物を製剤化する段階を含む。潜在化は一般に、薬物上に存在するヒドロキシ、カルボニル、スルフェート、および1級アミン基をブロックし、薬物をより脂溶性とし、血液脳関門を横切る輸送に適したものとすることにより達成される。また、親水性薬物の送達は、一時的に血液脳関門を開くことができる高張溶液の動脈内注入により増強させてもよい。
【0202】
有用性
ブラジキニン(「BK」)は、急性および慢性の疼痛および炎症を伴う病態生理学的過程において重要な役割を果たすキニンである。ブラジキニンは、他の関連するキニンと同様、キニノゲンと呼ばれる血漿および組織前駆体に対するカリクレイン酵素の触媒作用によって産生されるオータコイドペプチドである。ブラジキニンB1アンタゴニストまたは逆アゴニストである化合物によるブラジキニンB1受容体の阻害により、BK B1受容体経路を通して望ましくない症状を仲介する疾病からの軽減が得られると考えられる。
【0203】
本発明の化合物はブラジキニンB1受容体アンタゴニストであり、したがって、哺乳動物の疼痛ならびに痛覚過敏を阻止または改善する際の使用に適している。そのような化合物は、例えば、骨および関節痛(骨関節炎)、反復運動痛、歯痛、癌性疼痛、筋筋膜疼痛(筋肉損傷、線維筋痛)、術中疼痛(一般外科、婦人科)および慢性疼痛を含む疼痛の治療または予防において有効であると思われる。特に、例えば、炎症性気道疾患(慢性閉塞性肺疾患)などの炎症性疼痛は、ブラジキニンB1アンタゴニスト化合物によって有効に治療されると思われる。
【0204】
本発明の化合物は、少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される、哺乳動物の疾患状態の治療においても有用である。そのような疾患状態の例には、喘息、炎症性腸疾患、鼻炎、膵炎、膀胱炎(間質性膀胱炎)、ブドウ膜炎、炎症性皮膚疾患、慢性関節リウマチおよび火傷、捻挫または骨折に関連する外傷が原因の浮腫が含まれる。本発明の化合物は、外科的介入後(例えば、術後の鎮痛剤として)および様々な原因(例えば、骨関節炎、慢性関節リウマチ、リウマチ性疾患、腱鞘炎および痛風)の炎症性疼痛を治療するため、ならびにアンギナ、癌または月経に関連する疼痛治療のために用いることもできる。これらの化合物は、糖尿病性脈管障害、後毛細管抵抗、または膵島炎に関連する糖尿病症状(例えば、高血糖、多尿、タンパク尿ならびに亜硝酸塩およびカリクレインの尿中排泄増加)を治療するために用いることもできる。これらの化合物は、胃腸管もしくは子宮の痙攣治療のための平滑筋弛緩剤として、またはクローン病、潰瘍性結腸炎もしくは膵炎の治療において用いることもできる。そのような化合物は、反応亢進性気道を治療するため、および気道疾患、例えば喘息に関連する炎症事象を治療するため、および喘息における気道反応亢進を制御、制限または逆転するために、治療的に用いることもできる。これらは、アレルギー性喘息(アトピー性または非アトピー性)を含む内因性および外因性喘息、ならびに運動誘発喘息、職業性喘息、細菌感染後喘息、他の非アレルギー性喘息および「乳幼児喘息様症候群(wheezy-infant syndrome)」を治療するために用いることもできる。これらは、アルミニウム症、炭粉症、石綿症、石粉症、睫毛脱落症、鉄症、珪肺症、タバコ症および綿肺症を含む塵肺症、ならびに成人呼吸障害症候群、慢性閉塞性肺または気道疾患、気管支炎、アレルギー性鼻炎、および血管運動神経性鼻炎に対しても有効でありうる。加えて、これらは肝疾患、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化症、アルツハイマー病、敗血症ショック、例えば、血液量減少および/または低血圧治療薬として、脳浮腫、頭痛、偏頭痛、閉鎖頭部外傷、過敏性腸症候群ならびに腎炎に対しても有効でありうる。最後に、そのような化合物は、研究用ツール(インビボおよびインビトロで)としても有用である。
【0205】
上記のように、本発明の化合物は典型的には、薬学的組成物の形態で哺乳類に投与される。本発明の薬学的組成物は、様々な薬物送達システムにおいて使用するのに適している。本発明において使用するのに適した製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mace Publishing Company、Philadelphia、PA、17th ed.(1985)において見出される。
【0206】
血清半減期を増強するために、化合物はカプセル化してもよく、リポソームのルーメンに導入してもよく、コロイドとして調製してもよい。また、化合物の血清半減期を延長する他の従来の技術を使用してもよい。例えば、Szoka、et al.、米国特許第4,235,871号、Geho, et al., 米国特許第4,501,728号およびAllen, et al., 米国特許第4,837,028号において記述されているように、リポソームを調製するための様々な方法が使用できる。これらの特許の各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0207】
患者に投与される量は、何が投与されるか、投与の目的、例えば予防または治療、患者の状態、投与様式などにより変動する。これらは全て担当臨床医の技術内である。治療用途では、組成物は、すでに疾患に苦しむ患者に、疾患およびその合併症の症状を治すまたは少なくとも一部阻止するのに十分な量で投与される。これを達成するのに十分な量は「治療上有効な用量」として規定される。この用途のために効果的な量は、治療する疾患状態、ならびに炎症の重篤度、患者の年齢、体重および一般的状態などの因子に基づく担当臨床医の判断に依存する。
【0208】
患者に投与される組成物は上記薬学的組成物の形態である。これらの組成物は従来の滅菌技術により滅菌されてもよく、または滅菌濾過されてもよい。得られた水溶液はそのまま使用するためにパッケージされてもよく、または凍結乾燥させてもよい。凍結乾燥された調製物は投与前に滅菌水性担体と混合される。化合物調製物のpHは典型的には3〜11の間、より好ましくは5〜9の間、最も好ましくは7〜8である。一定の前述の賦形剤、担体または安定化剤を使用すると、薬学的塩が形成することは理解されるであろう。
【0209】
本発明の化合物の治療用量は、例えば、治療が行われる特別な用途、化合物の投与様式、患者の健康および状態、処方医の判断により変動する。例えば、静脈内投与では、用量は典型的には約20μg〜約500μg/kg体重、好ましくは約100μg〜約300μg/kg体重の範囲内である。効果的な用量は、インビトロまたは動物モデル試験系から導いた用量応答曲線から外挿することができる。
【0210】
または、約0.1mg/日から約1,000mg/日の本発明の化合物、または化合物の混合物、好ましくは約1mg/日から約100mg/日、より好ましくは5mg/日から約50mg/日を経口投与してもよい。非経口、舌下、鼻内またはクモ膜下投与のためには、約0.5から約100mg/日を患者に投与してもよく;デポー(depo)投与および植え込みのためには約0.5mg/日から約50mg/日;局所投与のためには約0.5mg/日から約200mg/日;直腸投与のためには約0.5mgから約500mg;およびより好ましくは、非経口投与のためには、約5から約50mg/日を投与してもよい。
【0211】
下記の合成および生物学的実施例は、本発明を例示するために提供するものであり、いかなる様式でも、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。特に明記されない限り、すべての温度は摂氏温度である。
【0212】
実施例
以下の実施例において、下記の略語は下記の意味を有する。略語が定義されていない場合、それは一般に認められる意味を有する。
Ac=アセチル
aq.=水性
Boc=t-ブトキシカルボニル
bs=ブロード一重線
d=二重線
dd=二重線の二重線
DMAP=4-N,N-ジメチルアミノピリジン
DMF=N,N-ジメチルホルムアミド
EDCまたはEDC・HCL=1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
Et=エチル
EtOH=エタノール
eq.=当量
g=グラム
HATU=O-(7-アザベンゾトリアゾル-1-イル)-1,1,3-,3-テトラメチル-ウロニウムヘキサフルオロリン酸
HOBT=1-ヒドロキシベンゾチアゾール水和物
Hz=ヘルツ
HPLC=高性能液体クロマトグラフィ
MS=質量分光法
Me=メチル
MeOH=メタノール
m=多重線
M=モル濃度
mg=ミリグラム
min.=分
mL=ミリリットル
MHz=メガヘルツ
MP=メソ多孔性
N=規定
NBC=N-ブロモスクシンアミド
NMR=核磁気共鳴
NMM=N-メチルモルホリン
OAc=アセテート
PS=ポリスチレン
psi=1平方インチの面積に働くポンド力量
q=四重線
rt=室温
s=一重線
sat.=飽和
t=三重線
THF=テトラヒドロフラン
wt/wt=重量比
μL=マイクロリットル
【0213】
下記の実施例および方法において、「Aldrich」なる用語は、方法において用いる化合物または試薬がAldrich Chemical Company, Inc., Milwaukee, WI 53233 USAから市販されていることを示し;「Sigma」なる用語は、化合物または試薬がSigma, St. Louis MO 63178 USAから市販されていることを示し;「TCI」なる用語は、化合物または試薬がTCI America, Portland OR 97203;から市販されていることを示し;「Frontier」または「Frontier Scientific」なる用語は、化合物または試薬がFrontier Scientific, Utah, USAから市販されていることを示し;「Bachem」なる用語は、化合物または試薬がBachem, Torrance, California, USAから市販されていることを示している。「Matrix」なる用語は、化合物または試薬がMatrix Scientific, Columbia, SC, USAから市販されていることを示している。「Ambinter」なる用語は、化合物または試薬がAmbinter Paris, Franceから市販されていることを示している。
【0214】
下記の一般法は、式(I)または式(II)の3-アミド-5-置換ピラゾール誘導体およびこれを調製する際に有用なアミン中間体を調製するための一般合成経路を示している。
【0215】
一般法1
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(7)の調製

【0216】
3-メトキシカルボニル-5-ニトロピラゾール(18)の調製。5-ニトロ-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(17、Aldrich、カタログ番号41,483-2)のMeOH溶液を調製した。撹拌しながら、溶液にHClを2分間バブリングさせた。反応混合物をエステル化が完了するのに十分な時間還流し、室温まで冷却した。溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。飽和NaHCO3水溶液を加えて未精製材料を塩基性化し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥してろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターで蒸発させ、減圧下で乾燥して、18を得た。
【0217】
1-tert-ブトキシカルボニル-3-メトキシカルボニル-5-ニトロピラゾール(19)の調製。18(1.0eq.)、(Boc)2O(1.1eq.)、Et3N(1.5eq.)、およびDMAP(0.05eq.)のCH2Cl2溶液を調製した。反応混合物を室温で反応完了に十分な時間撹拌し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。未精製材料を減圧下で乾燥し、生成物19を得た。
【0218】
5-アミノ-1-tert-ブトキシカルボニル-3-メトキシカルボニルピラゾール(20)の調製。19(1.0eq.)および10%炭素担持Pd(0.1 wt/wt eq.)の混合物を、10〜60psiの水素で反応完了に十分な時間水素添加した。反応混合物をセライトを通してろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。未精製材料を減圧下で乾燥して生成物20を得た。
【0219】
5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-ピラゾール-1,3-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル3-メチルエステル(28)の調製。20(1.0eq.)、ピリジン(1.5eq.)、およびDMAP(0.04eq.)のCH2C12溶液を調製した。0℃に冷却した後、塩化2-クロロベンゾイル(Aldrich、カタログ番号10,391-8)(1.1eq.)を加えた。反応溶液を室温に戻し、反応完了に十分な時間の後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去して、未精製の28を得た。
【0220】
5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-3-メトキシカルボニルピラゾール(22)の調製。1M HCl中の28の溶液を5分間撹拌し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を飽和NaHCO3水溶液で洗浄した後、MgSO4で乾燥し、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターにかけ、減圧下で乾燥して、22を得た。
【0221】
5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(23)の調製。THF、MeOH、およびH2O(2:1:1)中の22(1.0eq.)およびLiOH・H2O(5.0eq.)の溶液を室温で撹拌した。反応完了に十分な時間の後、反応混合物をロータリーエバポレーターにかけた。混合物を濃HClで酸性化した。溶液のpHが約2に達すると、沈殿が生じた。固体をろ取し、減圧下で乾燥した後、生成物23を得た。
【0222】
標題化合物(7)の調製。23(1.0eq.)のDMF溶液を調製した。撹拌しながら、N-ブロモスクシンアミド(1.2eq.)のDMF溶液を加えた。室温で反応完了に十分な時間撹拌した後、H2Oを加えた。混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を1M HClで洗浄した後、MgSO4で乾燥し、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターにかけた。未精製材料をCH2Cl2で粉砕し、減圧下で乾燥して、7を得た。
【0223】
一般法2
4-クロロ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(24)の調製

23(1.0eq.)のDMF溶液を調製した。撹拌しながら、N-クロロスクシンアミド(1.3eq.)および少量の濃HClを加えた。室温で反応完了に十分な時間撹拌した後、H2Oを加えた。反応停止した溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥し、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターにかけた。未精製材料をCH2Cl2で粉砕し、減圧下で乾燥して、24を得た。
【0224】
一般法3
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸アミド(25)の調製

化合物7を一般法1に示したとおりに調製した。化合物25を一般法3に示したとおりに調製した。THF中の7(1.0eq.)、2(1.1eq.)、HOBT(1.2eq.)、NMM(2.2eq.)、およびEDC・HCl(1.2eq.)の混合物を室温で撹拌した。反応完了に十分な時間の後、反応混合物をシリカゲルに吸着させ、溶離剤としてEtOAc/ヘキサンの混合物を用いるフラッシュクロマトグラフィにかけ、生成物25を得た。
【0225】
一般法4
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸アニリノアミド(27)の調製

無水ピリジン中の7(1.0eq.)および26(1.3eq.)の溶液を-10℃まで冷却した。撹拌しながら、POCl3(1.1eq.)を滴加した。10分後に冷却浴を取り除き、混合物を室温で撹拌した。10分後、1.0M HClを加えた。混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を飽和NaHCO3水溶液で洗浄した後、MgSO4で乾燥し、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターにかけた。未精製材料を、溶離剤としてEtOAc-ヘキサンの混合物を用いるフラッシュクロマトグラフィにかけ、27を得た。
【0226】
一般法5
5-[(2-クロロ-ベンゾイル)-メチル-アミノ]-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルエステル(29)の調製

一般法1で調製したエステル28(1.0eq.)のTHF中の懸濁液を-78℃で撹拌しながら、n-BuLiのTHF中2.5M溶液(2.0eq.)を加えた。冷却浴を取り除き、反応混合物を加温しながら10分間撹拌した。混合物を再度-78℃に冷却し、MeI(2.0eq.)を加えた。冷却浴を再度取り除き、反応混合物を室温に戻した。反応完了に十分な時間の後、反応を1M HClで停止し、EtOAcで抽出した。有機層を飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過して、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。材料を、溶離剤としてEtOAc-ヘキサンの混合物を用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、29を得た。
【0227】
一般法6
4-ブロモ-5-[2-(キノリン-8-イルチオメチル)ベンゾイルアミノ]-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(43)の調製

2-(キノリン-8-イルチオメチル)安息香酸メチルエステル(41)の調製。キノリン-8-チオール塩酸塩(39、Aldrich、カタログ番号35,978-5)(4.0eq.)の溶液をDMFに溶解した。これに、炭酸カリウム(32.0eq.)を加えた。混合物を室温で20分間撹拌し、2-ブロモメチル-安息香酸メチルエステル(40、J. Org. Chem, 2002, 67, 2160)(1.0eq.)を加えた。混合物を室温で反応完了に十分な時間撹拌した。混合物を0.1Mクエン酸で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過して濃縮した。生成物を、溶離剤としてEtOAc-ヘキサンの混合物を用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、41を得た。
【0228】
塩化2-(キノリン-8-イルチオメチル)ベンゾイル(42)の調製。メタノールおよび水中のエステル41(1.0eq.)およびLiOH(3.0eq.)の溶液を加水分解完了に十分な時間、65℃で加熱した。混合物を室温まで冷却し、濃縮し、次いでH2Oで希釈した。水性混合物のpHを4.5に調節し、EtOAcで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過して濃縮し、中間体の安息香酸を得た。
【0229】
2-(キノリン-8-イルチオメチル)安息香酸(1.0eq.)のCH2Cl2溶液を0℃まで冷却した。これに塩化オキサリル(1.1eq,)と続いて1滴のDMFを加えた。混合物を室温まで加温し、反応完了に十分な時間撹拌した。混合物を濃縮して42を得、これを直接用いた。
【0230】
標題化合物(43)の調製。塩化2-(キノリン-8-イルチオメチル)ベンゾイル(42)を用いて、化合物22について記載した方法を行った。化合物23について記載したとおり、メチルエステルの加水分解により、酸43を得た。
【0231】
一般法7
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸アミド(44)の調製

酸7(1.0eq.)、アミン2(1.0eq.)、およびEt3N(8.1eq.)のDMF溶液を調製した。撹拌しながら、DMFに溶解したHATU(1.0eq.)の溶液を加えた。室温で反応完了に十分な時間撹拌した後、MP-カーボネート樹脂(6.0eq.)およびPS-トリスアミン樹脂(6.0eq.)(いずれもArgonaut Technologies, Inc.から)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、ろ過し、DMFおよびMeOHで洗浄した。未精製材料を、溶離剤としてアセトニトリル-水の混合物を用いる逆相HPLCで精製した。精製した材料を濃縮し、乾燥して、アミド44を得た。
【0232】
一般法8
5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(51)の調製

カリウム2-シアノ-1-エトキシカルボニル-2メチルエテノラート(47)の調製。密封チューブにカリウムエトキシド(1.0eq.)およびEtOHを加え、溶解するまで振盪した。シュウ酸ジエチル(1.0eq.)およびプロピオニトリル(1.0eq.)を密封チューブに加え、混合物に栓をし、還流点で撹拌した。反応完了に十分な時間の後、反応混合物を冷却し、沈殿を回収し、ジエチルエーテルで洗浄して、47を得た。
【0233】
5-アミノ-1-tert-ブチル-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチルエステル(48)の調製。密封加圧反応フラスコに47(1.0eq.)を加えた。EtOHおよびt-ブチルヒドラジン塩酸塩(1.1eq.)を加えた。加圧フラスコに栓をし、加熱還流した。反応完了に十分な時間の後、混合物を蒸発乾固し、得られた固体を同量のEtOAcおよび水に溶解した。有機層を飽和NaHCO3水溶液、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、蒸発させた。このわずかに黄色の固体をヘキサンで粉砕し、ろ過して、エステル48を得た。
【0234】
1-tert-ブチル-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチルエステル(49)の調製。5-アミノ-1-tert-ブチル-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチルエステル(49)を用いて、化合物22について記載した方法を行った。
【0235】
5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチルエステル(50)の調製。エステル48を最少量のギ酸に溶解し、反応完了に十分な時間、80℃に加熱した。ギ酸をロータリーエバポレーターで除去し、50を得た。
【0236】
標題化合物(51)の調製。5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチルエステル(50)を用いて、化合物23について記載した方法を行った。
【0237】
一般法9
N-(5-カルボキシアルキル-4-メチル-2H-ピラゾル-3-イル)-2-クロロ-ベンズアミド(55)の調製

1-tert-ブチル-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(52)の調製。1-tert-ブチル-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチルエステル(49)を用いて、化合物23について記載した方法を行い、酸52を得た。
【0238】
1-tert-ブチル-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メトキシメチルアミド(53)の調製。1-tert-ブチル-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(52)およびN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(Aldrich、カタログ番号D16,370-8)を用いて、化合物3について記載した方法を行った。
【0239】
N-(5-カルボキシアルキル-2-tert-ブチル-4-メチル-2H-ピラゾル-3-イル)-2-クロロベンズアミド(54)の調製。撹拌子を備えたフラスコに、窒素雰囲気下、THFに溶解した53(1.0eq.)を加えた。混合物を-10℃まで冷却し、MeLiのジエチルエーテル中1.4M溶液(6.0eq.)を滴加した。混合物を室温までゆっくり戻し、反応完了に十分な時間撹拌した。反応混合物を0.1N HClに注ぎ、ジクロロメタンで抽出し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して、未精製油状物を得た。未精製材料を、カラムクロマトグラフィによりEtOAc-ヘキサンの混合物で溶出して精製し、54を得た。
【0240】
標題化合物(55)の調製。ベンズアミド 54を用いて、化合物50について記載した方法を行った。
【0241】
一般法10
4-ブロモ-5-(2-m-トリルチオメチルベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(62)の調製

塩化2-m-トリルチオメチル-ベンゾイル(59)の調製。58(Coll. Czech. Chem. Comm. 1982, 47, 3094)(1.0eq.)のCH2Cl2溶液を調製した。撹拌しながら、塩化オキサリル(1.1eq.)および1滴のDMFを加えた。室温で反応完了に十分な時間撹拌した後、反応混合物をロータリーエバポレーターにかけ、減圧下で乾燥して、59を得た。
【0242】
5-(2-m-トリルチオメチルベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルエステル(60)の調製。20(1.1eq.)、ピリジン(1.1eq.)、およびDMAP(0.07eq.)のCH2Cl2溶液を0℃まで冷却した。撹拌しながら、59(1.0eq.)のCH2Cl2溶液を加えた。反応溶液を室温に戻した。反応完了に十分な時間の後、反応溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、1.0M HClを加えた。酸性化した溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を飽和NaHCO3水溶液で洗浄した後、MgSO4で乾燥し、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターにかけ、未精製材料を、溶離剤としてEtOAc-ヘキサンの混合物を用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、60を得た。
【0243】
4-ブロモ-5-(2-m-トリルチオメチルベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルエステル(61)の調製。60(1.0eq.)のDMF溶液を調製した。撹拌しながらNBS(1.1eq.)のDMF溶液を加えた。室温で反応完了に十分な時間撹拌した後、水を加えた。溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥し、減圧ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターにかけ、未精製材料を、溶離剤としてEtOAc-ヘキサンの混合物を用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、61を得た。
【0244】
標題化合物(62)の調製。メチルエステル61を用いて、化合物23について記載した方法を行い、酸62を得た。
【0245】
一般法11
3-(4-アミノ-フェニル)-プロピオニトリル(66)の調製

p-トルエン-4-スルホン酸2-(4-ニトロフェニル)エチルエステル(64)の調製。2-(4-ニトロフェニル)エタノール63(Aldrich、18,346-6)(1.0eq.)およびトリエチルアミン(1.1eq.)のCH2Cl2溶液に、塩化p-トルエンスルホニル(1.0eq.)を加えた。混合物を窒素雰囲気下で終夜撹拌し、濃縮乾固した。未精製固体を同量のEtOAcおよび飽和硫酸銅水溶液に溶解した。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒除去後、Et2Oで粉砕して、化合物64をわずかに黄褐色の固体として得た。
【0246】
3-(4-ニトロフェニル)プロピオニトロル(65)の調製。あらかじめ70℃に加熱したDMSO(5ml)中のシアン化ナトリウム(1.3eq.)溶液に、p-トルエン-4-スルホン酸2-(4-ニトロフェニル)エチルエステル(64)(1.0eq.)を加えた。添加完了後、反応混合物を90℃以上に加熱し、2時間撹拌した。褐色溶液を室温まで冷却し、水を加えて白色沈殿を得、これをCH2Cl2中に抽出した。次いで、抽出物を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。EtOAc/ヘキサンの勾配によるカラムクロマトグラフィでベースライン不純物を速やかに除去して淡橙色油状物を得たが、これはその後の工程のために十分純粋であった。
【0247】
3-(4-アミノフェニル)プロピオニトロル(66)の調製。3-(4-ニトロフェニル)プロピオニトロルである化合物(65)をEtOAcに溶解し、Parr水素添加容器に加えた。H2O飽和5%Pd/C(スパチュラの先に少量)を容器に加え、混合物をParr水素添加振盪機に入れて、30psiで約3時間反応させた。反応混合物をセライトを通してろ過し、Na2SO4で乾燥して、化合物66を得た。
【0248】
一般法13
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸{4-[2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)エチル]フェニル}アミド(68)の調製

67(化合物66およびピラゾール酸7を用いて、一般法4に示したとおりに調製した)のEtOH溶液に、HClガスを10分間バブリングさせ、0℃まで冷却した(1.0eq.)。30分間撹拌した後、白色沈殿が生じた。混合物をさらに5時間撹拌し、次いで蒸発乾固した。次いで、未精製混合物をEtOHに溶解し、エチレンジアミン(1.1eq.)を加えた。次いで、反応混合物を窒素雰囲気下で終夜撹拌した。混合物を蒸発乾固し、調製用HPLCで精製して、化合物68をトリフルオロ酢酸塩として得た。
【0249】
一般法14
[3-(4-アミノフェニル)プロピル]カルバミン酸tert-ブチルエステル(70)の調製

4-(3-アミノプロピル)フェニルアミン(69)の調製。ニトリル65(8g、45mmol)をアルゴン雰囲気下で無水エタノール(500mL)に溶解した。炭素担持パラジウム(10%、0.8g)と、続いてヒドラジン1水和物(6.6mL、136mmol)を加えた。2時間後、触媒をろ去し、ラネーニッケル(8g)と、さらにヒドラジン1水和物(6.6mL、136mmol)を加え、反応混合物をアルゴン雰囲気下で53℃まで加熱した。1時間後、ヒドラジン1水和物(6.6mL)を加え、混合物をさらに2時間加熱した。触媒を除去してジアミン69を油状物で得、これをそれ以上精製せずに用いた。
【0250】
[3-(4-アミノフェニル)プロピル]カルバミン酸tert-ブチルエステル(70)の調製。ジアミン69(6.6g、44mmol)を無水CH2Cl2(150mL)に溶解し、氷浴中で冷却した。浴を0℃に維持しながら、ジ-tert-ブチル-ジカーボネート(9.59g、44mmol)を溶液(100mL 無水CH2Cl2)でゆっくり加えた。0℃で2時間後、溶液を飽和NaHCO3水溶液(100mL)、食塩水(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカ、30〜50%EtOAc:ヘキサン)で精製し、アニリン70を黄色固体で得た。
【0251】
一般法15
5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルエステル(74)および5-アミノ-2-メチル-2H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルエステル(73)の調製

1-メチル-5-ニトロ-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルエステル(71)および2-メチル-5-ニトロ-2H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルエステル(72)の調製。5-ニトロ-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルエステル(18)(18.6g、109mmol)の無水THF(200mL)溶液を氷浴中で冷却し、撹拌しながら、これに鉱油中60重量%NaH分散物(10.9g、273mmol)の懸濁液を分割して加えた。35分間撹拌した後、ヨウ化メチル(20.4mL、327mmol)を加え、反応混合物を20時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAc(200mL)に溶解し、水(60mL)で洗浄し、無水MgSO4と共に20分間撹拌した。ろ過して濃縮した後、無色油状物(22.2g)を得、これをHPLC/MSおよびNMR分析で71および72の1:2.27の比率の混合物と確認した(Baraldi, Pier Giovanni, et al; Molecules [Electronic Publication], 1998, 3(2), M46参照)。
【0252】
5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルエステル(73)および5-アミノ-2-メチル-2H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルエステル(74)の調製。メチルエステル71および72の混合物の溶液をエタノール(60mL)に溶解し、10%Pd/C(1.0g)を加え、混合物を30psiのH2で16時間水素添加した。混合物をセライト層を通してろ過し、蒸発させて、黄色固体(16.0g)を得、これはHPLC-MS分析により73および74の混合物であることが示された。二つの異性体をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン=1:1)で分離して、74(9.90g、63.9mmol、59%)(Ho H. Lee, et al; J Org. Chem. 1989, 54, 428-431)および73(4.14g、26.7mmol、24.5%)(Ho H. Lee, et al; J. Org. Chem. 1989, 54, 428-431)を得た。

【0253】
一般法16
5-アミノ-1-フェニル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチルエステル(76)の調製

無水EtOH中の3-シアノ-2-オキソプロパン酸エチルエステル(75)(Degussa、NACOPE)(1.0eq.)およびフェニルヒドラジン塩酸塩(1.2eq.)の懸濁液を3日間還流点で撹拌した。反応混合物を室温に戻し、セライトを通してろ過した。溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。溶離剤として50%EtOAc-ヘキサンを用いて、シリカゲルで材料を精製し、化合物76を得た。
【0254】
実施例1
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-ジエチルアミノ-フェニル)-アミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法3に記載の方法を用いてN,N-ジエチル-1,4-フェニレンジアミン(Aldrich、26,151-3)とカップリングさせた。
MS+(m/z) = 490.0

【0255】
実施例2
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-ジメチルアミノ-フェニル)-アミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法3に記載の方法を用いてN,N-ジメチル-1,4-フェニレンジアミン(Aldrich、19,399-2)とカップリングさせた。

【0256】
実施例3
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸o-トリルアミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法3に記載の方法を用いてo-トルイジン(Aldrich、18,542-6)とカップリングさせた。

【0257】
実施例4
5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸フェニルアミドの調製

一般法8に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法3に記載の方法を用いてアニリン(Aldrich、24,228-4)とカップリングさせた。

【0258】
実施例5
5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-4-エチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸フェニルアミドの調製

一般法8の方法に従ってシュウ酸ジエチル(45)およびブチロニトリルから調製したピラゾール酸を、一般法3に記載の方法を用いてアニリン(Aldrich、24,228-4)とカップリングさせた。

【0259】
実施例6
5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-4-プロピル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸フェニルアミドの調製

一般法8の方法に従ってシュウ酸ジエチル(45)およびバレロニトリル(Aldrich、15,509-8)から調製したピラゾール酸を、一般法3に記載の方法を用いてアニリン(Aldrich、24,228-4)とカップリングさせた。

【0260】
実施例7
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸フェニルアミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法3に記載の方法を用いてアニリン(Aldrich、24,228-4)とカップリングさせた。

【0261】
実施例8
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチル-フェニル-アミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法3に記載の方法を用いてN-メチルアニリン(Aldrich、23,623-3)とカップリングさせた。

【0262】
実施例9
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ナフタレン-1-イルアミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法3に記載の方法を用いて1-ナフチルアミン(Fluka、70731)とカップリングさせた。

【0263】
実施例10
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸p-トリルアミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法3に記載の方法を用いてp-トルイジン(Aldrich、23,631-4)とカップリングさせた。
MS+ = 433.0
【0264】
実施例11
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-クロロ-フェニル)-アミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法3に記載の方法を用いて4-クロロアニリン(Aldrich、47,722-2)とカップリングさせた。
MS+ = 452.9
【0265】
実施例12
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3,4-ジクロロ-フェニル)-アミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法3に記載の方法を用いて3,4-ジクロロアニリン(Aldrich、43,777-8)とカップリングさせた。
MS+ = 486.9
【0266】
実施例13
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-メトキシ-フェニル)-アミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法3に記載の方法を用いてp-アニシジン(Fluka、10490)とカップリングさせた。
MS+ = 448.9
【0267】
実施例14
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピリジン-3-イルアミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法3に記載の方法を用いて2-アミノピリジン(Acros、40106)とカップリングさせた。
MS+ = 419.9
【0268】
実施例15
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピリジン-4-イルアミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法3に記載の方法を用いて4-アミノピリジン(Fluka、09370)とカップリングさせた。
MS+ = 419.9
【0269】
実施例16
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロ-フェニル)-アミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法3に記載の方法を用いて2-クロロアニリン(Fluka、23300)とカップリングさせた。
MS+ = 452.9
【0270】
実施例17
4-クロロ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸フェニルアミドの調製

一般法2に示す方法に続き、一般法3に記載の方法を用いてアニリン(Aldrich、24,228-4)とカップリングさせることにより、標題化合物を調製した。

【0271】
実施例18
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-アミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法4に記載の方法を用いて5-アミノ-2-メトキシフェノール(Acros Organics、33491)とカップリングさせた。

【0272】
実施例19
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)-アミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法4の方法を用いて5-アミノ-2-メトキシピリジン(Pfaltz & Bauer Chemicals、A24130)とカップリングさせた。

【0273】
実施例20
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3,5-ジメトキシ-フェニル)-アミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法7の方法を用いて3,5-ジメトキシアニリン(Fluka、38600)とカップリングさせた。
MS+ = 479.0
【0274】
実施例21
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピラジン-2-イルアミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法7の方法を用いてアミノピラジン(Fluka、09332)とカップリングさせた。
MS+ = 442.2 (M+Na)
【0275】
実施例22なし
【0276】
実施例23
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-エチル-フェニル)-アミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法7の方法を用いて4-エチルアニリン(Fluka、03070)とカップリングさせた。
MS+ = 447.0
【0277】
実施例24
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-sec-ブチル-フェニル)-アミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法7の方法を用いて4-sec-ブチルアニリン(Fluka、19559)とカップリングさせた。
MS+ = 475.1
【0278】
実施例25
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1-メチル-1H-ピラゾル-3-イル)アミドの調製

一般法1に記載の方法を用いてピラゾール酸を調製した後、一般法3の方法を用いて1-メチル-1H-ピラゾル-3-アミン(TimTec, Inc., TBB019586)とカップリングさせた。

【0279】
実施例26
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(9H-フルオレン-9-イル)-アミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法3に記載の方法を用いて9-アミノフルオレン塩酸塩(Acros、26928)とカップリングさせた。

【0280】
実施例27
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸イソキノリン-1-イルアミドの調製

一般法1に記載の方法を用いてピラゾール酸を調製した後、一般法3の方法を用いて1-アミノイソキノリン(Aldrich、17,859-4)とカップリングさせた。

【0281】
実施例28
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸イソキノリン-3-イルアミドの調製

一般法1に記載の方法を用いてピラゾール酸を調製した後、一般法3の方法を用いて3-イソキノリンアミン(Ryan Scientific、BTB10019)とカップリングさせた。

【0282】
実施例29
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-フェニルチアゾル-2-イル)アミドの調製

一般法1に記載の方法を用いてピラゾール酸を調製した後、一般法3の方法を用いて2-アミノ-4-フェニルチアゾール(Alfa、A18488)とカップリングさせた。

【0283】
実施例30
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[4-(4-ピリジン-4-イル-ピペラジン-1-イル)フェニル]アミドの調製

一般法1に記載の方法を用いてピラゾール酸を調製した後、一般法3の方法を用いて4-(4-ピリジン-4-イル-ピペラジン-1-イル)フェニルアミン(WO02/099388)とカップリングさせた。

【0284】
実施例31
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-[1,4'-ビピペリジン]-1'-イル-フェニル)アミドの調製

一般法1に記載の方法を用いてピラゾール酸を調製した後、一般法3の方法を用いて4-[1,4'-ビピペリジン]-1'-イル-フェニルアミン(WO02/099388)とカップリングさせた。

【0285】
実施例32
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1H-ベンズイミダゾル-2-イル)アミドの調製

一般法1に記載の方法を用いてピラゾール酸を調製した後、一般法3の方法を用いて2-アミノベンズイミダゾール(Aldrich、17,177-8)とカップリングさせた。
MS+ = 458.9
【0286】
実施例33
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ベンゾチアゾル-2-イルアミドの調製

一般法1に記載の方法を用いてピラゾール酸を調製した後、一般法3の方法を用いて2-アミノベンゾチアゾール(Aldrich、10,881-2)とカップリングさせた。
MS+ = 475.9
【0287】
実施例34
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)エチル)フェニル)アミドの調製

標題化合物を一般法13に記載のとおりに調製した。

【0288】
実施例35
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(3-アミノプロピル)フェニル)アミドの調製

方法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸7を、方法4の方法を用いて、方法14に記載のとおりに調製したアニリン70とカップリングさせた後、TFAで処理した。

【0289】
実施例36
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-アミノエチル)フェニル)アミドの調製

方法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸7を、方法4の方法を用いて[2-(4-アミノフェニル)エチル]カルバミン酸tert-ブチルエステル(J & W PharmLab LLC、20-0111)とカップリングさせた後、TFAで処理した。

【0290】
実施例37
4-ブロモ-5-(2-フルオロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-[1,4'-ビピペリジン]-1'-イル-フェニル)アミドの調製

ピラゾール酸を、アミン20および塩化2-フルオロベンゾイル(Aldrich、12,084-7)を用いて、化合物22について記載したとおりに調製した後、一般法8に示したとおりに臭素化した。アミンは国際特許出願WO02/099388に記載のとおりに調製し、一般法4に示すとおりにピラゾール酸をカップリングさせる。

【0291】
実施例38
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-2-イル)エチル)フェニル)アミドの調製

標題化合物を、プロピレンジアミンを用いて一般法13に記載のとおりに調製した。

【0292】
実施例39
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)フェニル)アミドの調製

一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法4の方法を用いて4-アミノベンゾニトリル(Aldrich、14,775-3)とカップリングさせた。方法13に記載のとおりエチレンジアミンで処理することにより、標題化合物を得た。

【0293】
実施例40
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-フルオロ-3-シアノ-フェニル)アミドの調製

ピラゾール酸を一般法1に記載のとおりに調製した。アミンはOakwood(カタログ番号013105)から購入した。アミンおよびピラゾール酸を一般法4に示すとおりにカップリングさせた。

【0294】
実施例41
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1-メチル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-[1,4'-ビピペリジン]-1'-イル-フェニル)アミドの調製

一般法1の方法を用いてメチルエステル73(一般法15)を塩化2-クロロベンゾイル(21)とカップリングさせた後、加水分解および臭素化を行うことにより調製したピラゾール酸を、一般法4の方法を用いて4-[1,4'-ビピペリジン]-1'-イル-フェニルアミン(WO2/099388)とカップリングさせた。

【0295】
実施例42
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1-メチル-ピラゾール-3-カルボン酸[4-(4-ピリジン-4-イル-ピペラジン-1-イル)フェニル]アミドの調製

一般法1の方法を用いてメチルエステル73(一般法15)を塩化2-クロロベンゾイル(21)とカップリングさせた後、加水分解および臭素化を行うことにより調製したピラゾール酸を、一般法4の方法を用いて4-(4-ピリジン-4-イル-ピペラジン-1-イル)フェニルアミン(WO2/099388)とカップリングさせた。

【0296】
実施例43
4-メチル-5-(2-フルオロベンゾイルアミノ)-1-t-ブチル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-シアノエチル)フェニル)アミドの調製

一般法8の方法を用いてメチルエステル48を塩化2-フルオロベンゾイル(Aldrich、12,084-7)とカップリングさせた後、一般法9の方法を用いて加水分解を行うことにより調製したピラゾール酸を、一般法4の方法を用いてアミン66とカップリングさせた。

【0297】
実施例44
4-メチル-5-(2-フルオロベンゾイルアミノ)-1-(t-ブチル)-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)エチル)フェニル)アミドの調製

方法13の方法を用いて実施例43からの化合物をエチレンジアミンで処理した。

【0298】
実施例45
4-メチル-5-(2-フルオロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)エチル)フェニル)アミドの調製

化合物21の代わりに塩化2-フルオロベンゾイルを用いて一般法8に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法4の方法を用いてシアン化4-アミノベンジル(Aldrich、A4,205-0)とカップリングさせた。一般法13の方法を用いてエチレンジアミンで処理することにより、標題化合物を得た。
MS+ = 435.2
【0299】
実施例46
4-メチル-5-(2-フルオロベンゾイルアミノ)-1-フェニル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)エチル)フェニル)アミドの調製

方法13の方法を用いて実施例47からの化合物をエチレンジアミンで処理した。

【0300】
実施例47
4-メチル-5-(2-フルオロベンゾイルアミノ)-1-フェニル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-シアノエチル)フェニル)アミドの調製

化合物20の代わりに5-アミノ-4-メチル-1-フェニル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチルエステル(3-シアノ-3-メチル-2-オキソプロパン酸エチルエステル(US4652669)を用いて一般法16に記載のとおりに調製した)および化合物21の代わりに塩化2-フルオロベンゾイルを用いて一般法1に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、一般法10を用いてシアン化4-アミノベンジル(Aldrich、A4,205-0)とカップリングさせた。

【0301】
実施例48
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1-メチル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(3-アミノプロピル)フェニル)アミドの調製

一般法1に示すとおり、メチルエステル73(一般法15)を塩化2-ベンゾイル(21)とカップリングさせた後、加水分解および臭素化を行うことにより調製したピラゾール酸を、一般法4の方法を用いてアニリン70(一般法14)とカップリングさせた。TFA処理により標題化合物を得た。

【0302】
実施例49
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1-メチル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)エチル)フェニル)アミドの調製

一般法1に示すとおり、メチルエステル73(一般法15)を塩化2-ベンゾイル(21)とカップリングさせた後、加水分解および臭素化を行うことにより調製したピラゾール酸を、一般法4の方法を用いてシアン化4-アミノベンジル(Aldrich、A4,205-0)とカップリングさせた。一般法13の方法を用いてエチレンジアミンで処理することにより、標題化合物を得た。

【0303】
生物学的実施例
ブラジキニンB1受容体を阻害する効力および効能は、本発明の化合物に対し、細胞ベース(cell-based)蛍光カルシウム動員アッセイ法において決定した。アッセイ法では、自然のヒトブラジキニンB1受容体発現細胞系における細胞内自由Ca+2のブラジキニンB1受容体作動薬により誘発される増加を阻害する試験化合物の能力が測定される。
【0304】
この実施例では、下記追加の略語は、下記で説明した意味を有する。前に規定した略語は前に規定した通りである。規定していない略語は、当技術分野で認識される意味を有する。
BSA=ウシ血清アルブミン
DMSO=ジメチルスルホキシド
FBS=ウシ胎児血清
MEM=最少必須培地
mM=ミリモル濃度
ng=ナノグラム
μg=マイクログラム
μM=マイクロモル濃度
【0305】
特に、カルシウム指示薬を導入した細胞を、試験化合物無しで、または異なる濃度の試験化合物の存在下で、予めインキュベートし、続いて、選択的ブラジキニンB1受容体作動薬ペプチドで刺激し、Ca依存性蛍光をモニタする。
【0306】
IMR-90ヒト肺線維芽細胞(CCL186、American Type Tissue Collection)を、ATCCにより推奨されるように、10% FBSを補充したMEM中で増殖させる。集密細胞をトリプシン処理により収集し、黒色壁/透明底の96ウェルプレート(Costar#3904)に約13,000細胞/ウェルで播種する。次の日、細胞を10% FBS/MEM中、0.35ng/mLインターロイキン-1βで2時間処理し、ブラジキニンB1受容体を上方制御する。誘導した細胞に、2.3μM Fluo-4/AM(Molecular Probes)と共に37℃で1.5hrの間、陰イオン輸送阻害薬(1% FBS/MEM中の2.5mMプロベネシド)の存在下でインキュベートすることにより、蛍光カルシウム指示薬を導入する。細胞外染料をアッセイ緩衝液(2.5mMプロベネシド、0.1% BSA、20mM HEPESを含むハンクス平衡塩類溶液、重炭酸塩またはフェノールレッドを含まない、pH7.5)で洗浄することにより除去し、細胞プレートを使用するまで暗闇で保持する。試験化合物を7つの濃度で、3組のウェルにおいてアッセイする。連続希釈を半対数段階(half log-steps)で、DMSO中で最終濃度の100倍で実施し、その後、アッセイ緩衝液で希釈する。化合物添加プレートは、2.5% DMSO/アッセイ緩衝液中に最終濃度の2.5倍の試験化合物または対照を含む。作動薬プレートはアッセイ緩衝液中に最終濃度の5倍の2.5nM(3×EC50)ブラジキニンB1受容体作動薬ペプチドdes-Arg10-カリジン(DAKD、Bachem)を含む。Fluorometric Imaging Plate Reader(FLIPR、Molecular Devices)において、細胞プレートに試験化合物を添加し、5分、35℃でインキュベートし、続いてブラジキニンB1受容体作動薬DAKDを添加し、連続してCa依存蛍光をモニタする。DAKD誘発蛍光のピーク高さを試験化合物の濃度の関数としてプロットする。非線形回帰を用い4-パラメータロジスティック関数を濃度-反応データに適合させることによりIC50値を計算する(Xlfit、IDBS(ID Business Solutions Ltd.))。
【0307】
ブラジキニンB1受容体作動薬ペプチドに対し観察される典型的な効力については、des-Arg10-カリジンおよびdes-Arg9-ブラジキニンに対し、それぞれ、EC50が約0.8nMおよび約100nMであり、ブラジキニンB1受容体拮抗薬ペプチドdes-Arg10、Leu9-カリジンでは、IC50は約1nMである。
【0308】
本発明の化合物は、前述のアッセイにおいて50マイクロモル未満の結果が示すとおり効力を有する。アッセイ結果が1マイクロモル未満であることは有利であり、結果が0.5マイクロモル未満であればさらに有利である。
【0309】
前述のことを鑑みて、これらの化合物はすべてブラジキニンB1受容体アンタゴニストの性質を示し、したがって、少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される疾患状態を治療する際に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)もしくは式(II)の化合物:

(式中
Z'はO、SおよびNHから選択され;
R1は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より選択され;
R2は水素、アルキル、および置換アルキルからなる群より選択され;
R3は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より選択され;
R4はアリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;
R5は水素、アルキルおよび置換アルキルからなる群より選択され;
Xは水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、およびアミノアシルからなる群より選択される;
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグもしくは異性体であって;
ただし下記の条件を満たし:
A)Z'がOであり、XがHであり、R1がメチルであり、R2がHであり、R3がメチルであり、かつR5がHである場合、R4はN2-メチル-3-カルボキシ-ピラゾル-5-イルまたはN2-メチル-3-(メトキシカルボニル)-ピラゾル-5-イルではなく;
B)Z'がOであり、XがHであり、R2がHであり、R3がメチルであり、R5がHであり、かつR1がN2-メチル-3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エタ-1-イルアミノ]ピラゾル-5-イルまたはN1-メチル-3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エタ-1-イルアミノ]ピラゾル-5-イルのいずれかである場合、R4はN2-メチル-3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エタ-1-イルアミノ]ピラゾル-5-イルまたはN1-メチル-3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エタ-1-イルアミノ]ピラゾル-5-イルではなく;
C)Z'がOであり、Xが2-ベンゾチアゾリルであり、R1がメチルであり、R2がHであり、R3が4-メチルフェニルであり、かつR5がHである場合、R4はフェニルではなく;
さらに式(I)の化合物は
A')4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸フェニルアミド
ではないとの条件を満たす化合物。
【請求項2】
R1が2-クロロフェニル、2-フルオロフェニル、2-ブロモフェニル、2-ヒドロキシフェニル、2-ニトロフェニル、2-メチルフェニル、2-メトキシフェニル、2-フェノキシフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、4-ブロモフェニル、4-ニトロフェニル、4-メチルフェニル、4-ヒドロキシフェニル、4-メトキシフェニル、4-エトキシフェニル、4-ブトキシフェニル、4-イソプロピルフェニル、4-フェノキシフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、4-ヒドロキシメチルフェニル、3-メトキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、3-ニトロフェニル、3-フルオロフェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、3-フェノキシフェニル、3-チオメトキシフェニル、3-メチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、2,3-ジクロロフェニル、2,3-ジフルオロフェニル、2,4-ジクロロフェニル、2,5-ジメトキシフェニル、3,4-ジクロロフェニル、3,4-ジフルオロフェニル、3,4-メチレンジオキシフェニル、3,4-ジメトキシフェニル、3,5-ジフルオロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3,5-ジ-(トリフルオロメチル)フェニル、3,5-ジメトキシフェニル、2,4-ジクロロフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、3,4,5-トリフルオロフェニル、3,4,5-トリメトキシフェニル、3,4,5-トリ-(トリフルオロメチル)フェニル、2,4,6-トリフルオロフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2,4,6-トリ-(トリフルオロメチル)フェニル、2,3,5-トリフルオロフェニル、2,4,5-トリフルオロフェニル、2,5-ジフルオロフェニル、2-フルオロ-3-トリフルオロメチルフェニル、4-フルオロ-2-トリフルオロメチルフェニル、2-フルオロ-4-トリフルオロメチルフェニル、4-ベンジルオキシフェニル、2-クロロ-6-フルオロフェニル、2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル、2,5-ジメチルフェニル、4-フェニルフェニル、2-フルオロ-3-トリフルオロメチルフェニル、フェニル、2-((3-メチルフェン-1-イルチオ)メチル)フェン-1-イル、2-(キノリン-8-イル)チオメチル)フェン-1-イル、ナフト-2-イル、ナフト-1-イル、5-ジメチルアミノナフト-1-イル、ベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニル-n-プロピル、イソプロピル、n-プロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、-CH2CH=CH2、-CH2CH=CH(CH2)4CH3、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキサ-1-エニル、-CH2-シクロプロピル、-CH2-シクロブチル、-CH2-シクロヘキシル、-CH2-シクロペンチル、-CH2CH2-シクロプロピル、-CH2CH2-シクロブチル、-CH2CH2-シクロヘキシル、-CH2CH2-シクロペンチル、ピリド-2-イル、ピリド-3-イル、ピリド-4-イル、フルオロピリジル(5-フルオロピリド-3-イルを含む)、クロロピリジル(5-クロロピリド-3-イルを含む)、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、ベンゾチアゾル-4-イル、2-フェニルベンゾキサゾル-5-イル、フラン-2-イル、ベンゾフラン-2-イル、チオナフテン-2-イル、2-クロロチオフェン-5-イル、3-メチルイソキサゾル-5-イル、2-(チオフェニル)チオフェン-5-イル、6-メトキシチオナフテン-2-イル、3-フェニル-1,2,4-チオオキサジアゾル-5-イル、2-フェニルオキサゾル-4-イル、5-クロロ-1,3-ジメチルピラゾル-4-イル、2-メトキシカルボニル-チオフェン-3-イル、2,3-ジメチルイミダゾル-5-イル、2-メチルカルボニルアミノ-4-メチル-チアゾル-5-イル、キノリン-8-イル、チオフェン-2-イル、1-メチルイミダゾル-4-イル、3,5-ジメチルイソキサゾル-4-イル、およびN-モルホリノからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1が2-クロロフェニル、2-(キノリン-8-イル)チオメチル)フェニルまたは2-((3-メチルフェン-1-イルチオ)-メチル)-フェニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
R1が2-クロロフェニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
R2が水素、メチル、エチル、イソプロピル、2-メトキシエタ-1-イル、ピリド-3-イルメチル、フェニル、ベンジル、t-ブチル、t-ブトキシカルボニルメチルなどからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
R3が水素、C1-4アルキル、置換されていてもよい単環式アリール、および置換されていてもよい単環式ヘテロアリールからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
R5が水素、メチル、エチル、イソプロピル、2-メトキシエチル、およびピリド-3-イル-メチルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
R4が4-(N,N-ジエチルアミノ)フェニル;4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル;2-メチルフェニル;フェニル;1-ナフチル;4-メチルフェニル;4-クロロフェニル;3,4-ジクロロフェニル;4-メトキシフェニル;ピリジン-3-イル;ピリジン-4-イル;2-クロロフェニル;4-メトキシ-3-ヒドロキシフェニル;2-メトキシピリジン-5-イル;3,5-ジメトキシフェニル;ピラジン-2-イル;4-エチルフェニル;4-(1-(RまたはS)-1-メチルプロパ-1-イル);1-メチル-1H-ピラゾル-3-イル;9H-フルオレン-9-イル;イソキノリン-1-イル;イソキノリン-3-イル;4-フェニルチアゾル-2-イル;4-(4-ピリジン-4-イル-ピペラジン-1-イル)フェニル;4-[1,4'-ビピペリジン]-1'-イル-フェニル;1H-ベンズイミダゾル-2-イル;ベンゾチアゾル-2-イル;4-(2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)エチル)フェニル;4-(3-アミノプロピル)フェニル;4-(2-アミノエチル)フェニル;4-[1,4'-ビピペリジン]-1'-イル-フェニル;4-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-2-イル)エチル)フェニル;4-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)フェニル;4-フルオロ-3-シアノ-フェニル;および4-(2-シアノエチル)フェニルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
R4が2-エトキシフェニル;3-(2-メチルチアゾル-5-イル)-ピラゾル-5-イル;ピラゾル-2-イル;4-アミノフェニルアミノ;4-(1H-イミダゾル-2-イルメチル)-フェニルアミノ;4-[2-(1H-イミダゾル-2-イル)-エチル]-フェニルアミノ;4-アミノメチル-フェニルアミノ;4-(1H-イミダゾル-2-イル)-フェニルアミノ;4-[N,N'-ジエチルアミジノ]-フェニルアミノ;4-[N,N'-ジメチルアミジノ]-フェニルアミノ;4-[N,N'-ジフェニルアミジノ]-フェニルアミノ;4-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イルメチル)-フェニルアミノ;4-(1H-ベンズイミダゾル-2-イル)-フェニルアミノ;4-[N-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)アミノメチル]-フェニルアミノ;4-(1H-ベンズイミダゾル-2-イルメチル)-フェニルアミノ;4-(1,4,5,6-テトラヒドロ-ピリミジン-2-イル)-フェニルアミノ;および4-(1,4,5,6-テトラヒドロ-ピリミジン-2-イルメチル)-フェニルアミノからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
R4が4-(4-ピリジン-4-イル-ピペラジン-1-イル)フェニル、4-(N,N-ジエチルアミノ)フェニル、4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニルおよび4-[1,4'-ビピペリジン]-1'-イル-フェニルからなる群より選択される、請求項8記載の化合物。
【請求項11】
Xが水素、臭素、塩素、フッ素およびメチルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項12】
下記からなる群より選択される化合物:
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-ジエチルアミノフェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-ジメチルアミノフェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸o-トリルアミド;
5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸フェニルアミド;
5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-4-エチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸フェニルアミド;
5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-4-プロピル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸フェニルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸フェニルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルフェニルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ナフタレン-1-イルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸p-トリルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-クロロフェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3,4-ジクロロフェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-メトキシフェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピリジン-3-イルアミド
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピリジン-4-イルアミド
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド;
4-クロロ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸フェニルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(6-メトキシピリジン-3-イル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3,5-ジメトキシフェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピラジン-2-イルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-エチルフェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-sec-ブチルフェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1-メチル-1H-ピラゾル-3-イル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(9H-フルオレン-9-イル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸イソキノリン-1-イルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸イソキノリン-3-イルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-フェニルチアゾル-2-イル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[4-(4-ピリジン-4-イル-ピペラジン-1-イル)フェニル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-[1,4'-ビピペリジン]-1'-イル-フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1H-ベンズイミダゾル-2-イル)アミド;および
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ベンゾチアゾル-2-イルアミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)エチル)フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(3-アミノプロピル)フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-アミノエチル)フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-[1,4'-ビピペリジン]-1'-イル-フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-2-イル)エチル)フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-フルオロ-3-シアノフェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1-メチル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-[1,4'-ビピペリジン]-1'-イル-フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1-メチル-ピラゾール-3-カルボン酸[4-(4-ピリジン-4-イル-ピペラジン-1-イル)フェニル]アミド;
4-メチル-5-(2-フルオロベンゾイルアミノ)-1-t-ブチル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-シアノエチル)フェニル)アミド;
4-メチル-5-(2-フルオロベンゾイルアミノ)-1-t-ブチル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)エチル)フェニル)アミド;
4-メチル-5-(2-フルオロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)エチル)フェニル)アミド;
4-メチル-5-(2-フルオロベンゾイルアミノ)-1-フェニル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)エチル)フェニル)アミド;
4-メチル-5-(2-フルオロベンゾイルアミノ)-1-フェニル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-シアノエチル)フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1-メチル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(3-アミノプロピル)フェニル)アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1-メチル-ピラゾール-3-カルボン酸(4-(2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾル-2-イル)エチル)フェニル)アミド;
およびその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
ブラジキニンB2受容体よりもブラジキニンB1受容体の選択的アンタゴニストであって、式(I)もしくは式(II)の化合物:

(式中
Z'はO、SおよびNHから選択され;
R1は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より選択され;
R2は水素、アルキル、および置換アルキルからなる群より選択され;
R3は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より選択され;
R4はアリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;
R5は水素、アルキルおよび置換アルキルからなる群より選択され;
Xは水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、およびアミノアシルからなる群より選択される);
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグもしくは異性体であって;
ただし下記の条件を満たし:
A)Z'がOであり、XがHであり、R1がメチルであり、R2がHであり、R3がメチルであり、かつR5がHである場合、R4はN2-メチル-3-カルボキシ-ピラゾル-5-イルまたはN2-メチル-3-(メトキシカルボニル)-ピラゾル-5-イルではなく;
B)Z'がOであり、XがHであり、R2がHであり、R3がメチルであり、R5がHであり、かつR1がN2-メチル-3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エタ-1-イルアミノ]ピラゾル-5-イルまたはN1-メチル-3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エタ-1-イルアミノ]ピラゾル-5-イルのいずれかである場合、R4はN2-メチル-3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エタ-1-イルアミノ]ピラゾル-5-イルまたはN1-メチル-3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エタ-1-イルアミノ]ピラゾル-5-イルではなく;
C)Z'がOであり、Xが2-ベンゾチアゾリルであり、R1がメチルであり、R2がHであり、R3が4-メチルフェニルであり、かつR5がHである場合、R4はフェニルではなく;
さらに式(I)の化合物は
A')4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸フェニルアミド
ではないとの条件を満たす、ブラジキニンB1受容体の選択的アンタゴニスト。
【請求項14】
ブラジキニンB2受容体よりもブラジキニンB1受容体を選択的に阻害する方法であって、請求項1記載の化合物を使用する段階を含む方法。
【請求項15】
薬学的に許容される担体と、請求項1記載の化合物またはその混合物の、ブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の有害症状を治療または緩和するのに有効な治療量とを含む薬学的組成物。
【請求項16】
ブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の有害症状を治療または緩和する方法であって、請求項1記載の化合物またはその混合物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項17】
薬学的に許容される担体と、請求項1記載の化合物またはその混合物の、組織損傷または炎症後にブラジキニンB1受容体をアップレギュレートすることに関連する哺乳動物の有害症状を治療または緩和するのに有効な治療量とを含む薬学的組成物。
【請求項18】
組織損傷または炎症に関連する哺乳動物の有害症状を治療または緩和する方法であって、請求項1記載の化合物またはその混合物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項19】
哺乳動物においてブラジキニンB1受容体アゴニストの存在または分泌に関連する有害症状を治療または緩和する方法であって、請求項1記載の化合物またはその混合物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項20】
ブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の疼痛、炎症、敗血症ショックまたは瘢痕化過程を、そのような哺乳動物において治療または軽減する方法であって、請求項1記載の化合物またはその混合物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項21】
火傷、術中疼痛、偏頭痛、ショック、中枢神経系損傷、喘息、鼻炎、早産、炎症性関節炎、炎症性腸疾患または神経障害性疼痛に関連する有害症状を治療または軽減する方法であって、請求項1記載の化合物またはその混合物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項22】
哺乳動物においてブラジキニンB1受容体アゴニストの存在または分泌に関連する有害症状を治療または緩和する方法であって、請求項1記載の化合物またはその混合物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項23】
生体試料中のブラジキニンB1受容体アゴニストのレベルを定量する方法であって、該生体試料をあらかじめ決められた濃度の請求項1記載の化合物と接触させる段階を含む方法。

【公表番号】特表2006−525361(P2006−525361A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514230(P2006−514230)
【出願日】平成16年4月30日(2004.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/013655
【国際公開番号】WO2004/099155
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(399013971)エラン ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (75)
【Fターム(参考)】