説明

ブレーキ制御装置

【課題】ECUに異常が生じる前にモータ駆動回路の作動状態を点検できるブレーキ制御装置を提供する。
【解決手段】ブレーキ制御装置において、CPU222および入出力IC224は、ポンプを駆動するモータ632の駆動を制御する。複数のモータ駆動回路は、それぞれがモータ632の駆動信号を個別に出力し、並列に配される。調停回路232は、CPU222または入出力IC224の異常を示す信号を受け取った場合に、複数のモータ駆動回路の駆動信号のうち、いずれか一つの駆動信号を選択して出力し、該駆動信号をモータ632に供給する。CPU222および入出力IC224は、CPU222および入出力IC224の異常を示す信号を出力し、調停回路232から受け取ったモータ駆動回路の出力にもとづいてモータ駆動回路の作動状態を点検する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪に制動力を付与するブレーキ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブレーキペダルの操作量に応じた液圧を液圧回路内に発生させ、各車輪のホイールシリンダにその液圧を供給することにより制動力を付与するブレーキ装置が知られている。ブレーキ装置の各アクチュエータは、車両に搭載された電子制御装置(以下、「ECU」という)によりアクチュエータの駆動回路に制御指令が出力されることで駆動制御される。
【0003】
特許文献1には、複数のリレーの断線異常を個々に検出するため、複数のリレーに対して順番に、複数のリレーのうちの1つのみがオンされ、残りがオフされるという駆動を行い、各リレーが単独でオンさせられているときに、電圧検出抵抗を通じてモータに電圧が印加されているか否かを判定することで、各リレーの断線異常の検出を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−324781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ホイールシリンダに液圧を供給するポンプを駆動するモータは、通常はECUにより制御されるが、所定の条件を満たした場合には通常のモータ駆動回路とは別のモータ駆動回路によって駆動される。このモータ駆動回路が所定の条件を満たした場合に動作するかどうか点検する必要がある。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ECUに異常が生じる前にモータ駆動回路の作動状態を点検できるブレーキ制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のブレーキ制御装置は、ポンプを駆動するモータを制御する制御手段と、モータの駆動信号を出力し、並列に配された複数のモータ駆動回路と、制御手段の異常を示す信号を受け取った場合に、複数のモータ駆動回路の駆動信号のうち、いずれか一つの駆動信号を選択して出力し、該駆動信号をモータに供給する調停回路と、を備える。制御手段は、制御手段の異常を示す信号を出力し、調停回路から受け取ったモータ駆動回路の出力にもとづいてモータ駆動回路の作動状態を点検する。
【0008】
この態様によると、制御手段の異常時に制御手段に代わってモータを駆動するモータ駆動回路に対して、制御手段に異常が生じる前に作動状態を点検することが可能となる。
【0009】
複数のモータ駆動回路のうち第1モータ駆動回路は、制御手段の異常を示す信号が入力された場合にモータの駆動信号を出力してもよい。制御手段の異常を示す信号を出力することで、制御手段の異常を示す信号が入力された場合に作動を開始する第1モータ駆動回路に対して作動状態を点検することができる。
【0010】
制御手段は、制御手段が異常となる前に、制御手段の異常を示す信号を出力してもよい。これにより、制御手段が異常となる前に、第1モータ駆動回路の作動状態を点検できる。
【0011】
制御手段は、イグニッションスイッチがオフからオンになったときに、制御手段の異常を示す信号を出力してもよい。これにより、運転開始直後に第1モータ駆動回路の作動状態を点検できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ブレーキ制御装置において、ECUに異常が生じる前にモータ駆動回路の作動状態を点検できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係るブレーキ制御装置をその液圧回路を中心に示す系統図である。
【図2】実施形態に係るブレーキECUの機能構成を示す図である。
【図3】実施形態に係るモータ駆動回路の作動状態を点検する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施形態において、ブレーキ制御装置は、モータの駆動信号を出力する複数のモータ駆動回路と、複数のモータ駆動回路の出力のうちいずれか一つの出力をモータに供給可能な調停回路と、複数のモータ駆動回路の作動状態を点検する制御手段を備える。この制御手段は、ECUのCPU(Central Processing Unit)や入出力回路を含む。ブレーキ制御装置は、このCPUが万が一故障した場合にも、モータが作動するように複数のモータ駆動回路を構成する。たとえば、複数のモータ駆動回路のうち第1モータ駆動回路は、制御手段の異常を示す信号を受け取った場合にモータの駆動信号を出力し、モータを作動させる。この複数のモータ駆動回路がCPU故障時に正常に作動するかどうか点検する必要がある。さらには、モータ駆動回路の出力をモータに供給する調停回路も点検する必要がある。
【0015】
そこで、制御手段は、制御手段自身の異常を示す信号を出力し、調停回路から受け取ったモータ駆動回路の出力にもとづいてモータ駆動回路の作動状態を点検する。これにより、制御手段に異常が生じる前にモータ駆動回路の作動状態を点検することが可能となる。
【0016】
図1は、実施形態に係るブレーキ制御装置をその液圧回路を中心に示す系統図である。ブレーキ制御装置610には電子制御式ブレーキシステム(ECB)が採用されており、運転者によるブレーキ操作部材としてのブレーキペダル12の操作に応じて車両の4輪のブレーキを独立かつ最適に設定する。
【0017】
ブレーキペダル12は、運転者による踏み込み操作に応じて作動液としてのブレーキオイルを送り出すマスタシリンダ14に接続されている。また、ブレーキペダル12には、その踏込ストロークを検出するストロークセンサ22、および、ブレーキペダル12の踏み込みの有無を検出するストップランプスイッチ(不図示)が設けられている。マスタシリンダ14にはリザーバタンク24が接続されており、マスタシリンダ14の一方の出力ポートには、開閉弁26を介して運転者によるブレーキペダル12の操作力に応じた反力を創出するストロークシミュレータ25が接続されている。開閉弁26はいわゆる常閉型のリニアバルブであり、電流が供給されていない状態では閉弁し、運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作が検出された場合に電流が供給され開弁する。
【0018】
マスタシリンダ14の一方の出力ポートには、右前輪用の管路Aが接続されている。管路Aは管路Fに接続し、管路Fは右前輪に制動力を付与する右前輪用ホイールシリンダ20FRに接続されている。また、マスタシリンダ14の他方の出力ポートには、左前輪用の管路Bが接続されている。管路Bは管路Gに接続し、管路Gは左前輪に制動力を付与する左前輪用ホイールシリンダ20FLに接続されている。
【0019】
管路Fの中途には遮断弁28が設けられており、管路Gの中途には遮断弁30が設けられている。遮断弁28および遮断弁30は、何れもいわゆる常開型のリニアバルブであり、電流が供給されている状態では閉弁してマスタシリンダ14と右前輪用ホイールシリンダ20FRまたは左前輪用ホイールシリンダ20FLとの連通を阻止し、電流の供給が減少または停止されることにより開弁してマスタシリンダ14と右前輪用ホイールシリンダ20FRまたは左前輪用ホイールシリンダ20FLとを連通させる。
【0020】
また、管路Fの中途には、右前輪側のマスタシリンダ圧を検出する液圧センサ70が設けられている。左前輪用の管路Gの途中には、左前輪側のマスタシリンダ圧を検出する液圧センサ72が設けられている。ブレーキ制御装置610では、運転者によってブレーキペダル12が踏み込まれた際、ストロークセンサ22によりその踏み込み操作量が検出されるが、液圧センサ70および液圧センサ72によって検出されるマスタシリンダ圧からもブレーキペダル12の踏み込み操作力(踏力)を求めることができる。
【0021】
リザーバタンク24に一端が接続された管路Cの他端には、モータ632により駆動されるポンプ634の吸込口が接続されている。ポンプ634の吐出口は、高圧通路を形成する高圧管路H6に接続されており、この高圧管路H6には、アキュムレータ650とリリーフバルブ653とが接続されている。アキュムレータ650、ポンプ634、モータ632は、ブレーキフルードの液圧を蓄圧可能な動力液圧源を構成する。ポンプ634の吸入口は、非駆動時、高圧管路H6との連通が実質的に遮断される。実施形態では、ポンプ634として、モータ632によって回転駆動されるギヤポンプが採用されている。モータ632としてブラシ付きモータが用いられる。また、アキュムレータ650としてはブレーキフルードの圧力エネルギを窒素等の封入ガスの圧力エネルギに変換して蓄えるものが採用される。
【0022】
アキュムレータ650は通常、ポンプ634によって内部の液圧(以下「アキュムレータ圧」という)が所定の設定範囲(例えば8〜12MPa程度)にまで昇圧されたブレーキフルードを蓄える。リリーフバルブ653の弁出口は高圧管路H6に接続されており、高圧管路H6内の液圧が異常に高まって例えば25MPa程度になると、そのリリーフバルブ653が開弁し、高圧のブレーキフルードは高圧管路H6を介してリザーバタンク24へ戻される。さらに、高圧管路H6には内部の作動液の液圧(実施形態ではアキュムレータ圧に等しい)を検出するアキュムレータ圧センサ651が設けられている。
【0023】
そして、高圧管路H6は、増圧弁640FR,640FL,640RR,640RLを介して右前輪用のホイールシリンダ20FR、左前輪用のホイールシリンダ20FL、右後輪用のホイールシリンダ20RRおよび左後輪用のホイールシリンダ20RL(以下、これらを区別しない場合、「ホイールシリンダ20」という)に接続されている。以下、増圧弁640FR〜640RLを総称して「増圧弁640」という。増圧弁640は、何れも非通電時は閉じた状態にあり、必要に応じてホイールシリンダ20の増圧に利用される常閉型の電磁流量制御弁(リニア弁)である。なお、図示されない車両の各車輪に対しては、ディスクブレーキユニットが設けられており、各ディスクブレーキユニットは、ホイールシリンダ20の作用によってブレーキパッドをディスクに押し付けることで制動力を発生する。
【0024】
また、右前輪用のホイールシリンダ20FRと左前輪用のホイールシリンダ20FLとは、それぞれ減圧弁642FRまたは642FLを介して油圧給排管J6に接続されている。減圧弁642FRおよび642FLは、必要に応じてホイールシリンダ20FR,20FLの減圧に利用される常閉型の電磁流量制御弁(リニア弁)である。一方、右後輪用のホイールシリンダ20RRと左後輪用のホイールシリンダ20RLとは、常開型の電磁流量制御弁である減圧弁642RRまたは642RLを介して油圧給排管J6に接続されている。以下、適宜、減圧弁642FR〜642RLを総称して「減圧弁642」という。
【0025】
右前輪用、左前輪用、右後輪用および左後輪用のホイールシリンダ20FR〜20RL付近には、それぞれ対応するホイールシリンダ20に作用するブレーキフルードの圧力であるホイールシリンダ圧を検出するシリンダ圧センサ644FR,644FL,644RRおよび644RLが設けられている。以下、適宜、シリンダ圧センサ644FR〜644RLを総称して「シリンダ圧センサ644」という。
【0026】
また、高圧管路H6と管路Gとをつなぐバイパス管路I6(「接続流路」として機能する)が設けられ、そのバイパス管路I6には常開型の電磁流量制御弁である連通弁655(「開閉弁」として機能する)が設けられている。また、高圧管路H6における連通弁655の接続点とアキュムレータ650との間には逆止弁636が設けられ、アキュムレータ650に蓄積された高圧のブレーキフルードがバイパス管路I6を介してマスタシリンダ14側へ流れることを規制している。
【0027】
上述の遮断弁28,30、増圧弁640FR〜640RL、減圧弁642FR〜642RL、ポンプ634、アキュムレータ650、連通弁655等は、ブレーキ制御装置610の液圧アクチュエータ616を構成する。この液圧アクチュエータ616は、ブレーキECU206によって制御される。
【0028】
ブレーキECU206は、4輪の各ホイールシリンダ圧を制御する電磁制御弁等のアクチュエータに制御指令を出力するCPUを含むマイクロコンピュータを中心に構成され、CPUの他にROM、RAM、入出力ポートおよび通信ポート等を備える。ブレーキECU206のCPU、入力ICおよび出力ICは、モータ632の駆動回路を構成する調停回路と通信ラインを介して接続されている。調停回路は、CPUからの指令入力のほか、アキュムレータ圧が設定範囲にあるか否かに応じたスイッチ入力によりモータ632をオン・オフ可能なアナログ回路からなるものである。
【0029】
CPUは、液圧センサを含む各種センサから入力ICを介して入力された信号等に基づいて各輪の目標制動力および制御指令値を演算し、その演算結果に基づく指令信号を出力ICを介して各輪の各電磁制御弁等に出力する。調停回路にはストップランプスイッチの信号(以下、「STP信号」と表記する)も入力される。
【0030】
実施形態においては、ブレーキECU206のCPUを中心としてブレーキ制御処理が実行される。しかし、何らかの要因によってCPUが故障したり、CPUと各駆動回路との通信ラインが断線するなど、予期しない異常が生じた場合であっても制動力を確保する必要がある。そこで、実施形態ではこのような場合を想定した工夫がなされている。
【0031】
実施形態では、CPU等のフェール時には、運転者がブレーキペダル12を踏み込んで制動要求を発したとしても、CPUから本来入力されるシリアル信号が調停回路へ入力されなくなる。調停回路は、ブレーキペダル12の踏み込みによりSTP信号が入力されているにもかかわらず、CPUからの信号入力がない場合にフェールセーフ処理としてモータ632を駆動し、所定の車輪に制動力を付与する。
【0032】
すなわち、ブレーキECU206のCPU等がフェールした場合、基本的に液圧アクチュエータ616を構成する電磁制御弁等の各アクチュエータへの通電はなされず、ノーマル状態とされる。このような場合においてブレーキペダル12が踏み込まれた場合、調停回路は、STP信号が入力されているにもかかわらずCPUからのシリアル信号の入力が途絶えていることをもってフェール状態にあるとみなし、モータ632を駆動させる。実施形態においてはストロークセンサ22よりも簡素かつ低コストに構成可能なストップランプスイッチを利用してフェール時の制動力を確保可能となるため、ブレーキ制御装置610のCPU等に故障が発生したとしても、フェールセーフ制御を低コストに実現できるようになる。また、ストップランプスイッチが無電源で作動するものであるため、仮に電源が故障したとしても、フェールセーフ制御を確実に実行できるようになる。
【0033】
STP信号に応じてモータ632を駆動させたとき、ポンプ634が作動するため、リザーバタンク24からブレーキフルードが汲み上げられて吐出される。連通弁655が開弁状態にあるため、吐出されたブレーキフルードがバイパス管路I6、管路Gおよび管路Bを介してプライマリ室14aへ導入される。その結果、マスタシリンダ圧が上昇する。このとき、遮断弁30が開弁状態にあるため、そのブレーキフルードは管路Gを介して左前輪のホイールシリンダ20FLに供給される。また、開閉弁26が閉弁状態にあり、遮断弁28が開弁状態にあるため、セカンダリ室14bのブレーキフルードが押し出され、管路Aおよび管路Fを介して右前輪のホイールシリンダ20FRに供給される。すなわち、CPU等がフェールしても、ブレーキペダル12が踏み込まれていれば前輪(駆動輪であってよい)に制動力を付与することができる。
【0034】
CPU等がフェールした場合に、STP信号にもとづいてモータを駆動する駆動回路は、CPU等が正常である場合にモータを駆動する駆動回路とは別に設けられる。また、実施形態では、さらに別の条件によって作動するモータの駆動回路が複数設けられる。正常時には使用しないモータ駆動回路がCPU等がフェールした時に正常に作動するかどうか、CPU等がフェールする前に点検する必要がある。また、モータ駆動回路の出力をモータに供給する調停回路も正常に作動するかどうか点検する必要がある。そこで、ブレーキECUは図2に示すアナログの回路を備える。
【0035】
図2は、実施形態に係るブレーキECUの機能構成を示す図である。ブレーキECU206は、第2モータ駆動回路208、第3モータ駆動回路210、第1モータ駆動回路212、第1論理部214、第2論理部215、第3論理部216、第4論理部220、CPU222および入出力IC224を備える。CPU222および入出力IC224は、モータ632の駆動を制御する制御部230として機能する。また、第1論理部214、第2論理部215、第3論理部216、第4論理部220およびその配線は、各モータ駆動回路の出力をモータに供給可能な調停回路232として機能する。
【0036】
CPU222は、モータ632の駆動を制御し、車輪に付与するブレーキを制御する。CPU222は、液圧センサを含む各種センサ(不図示)から入出力IC224を介して入力された信号等に基づいて各輪の目標制動力および制御指令値を演算し、その演算結果に基づく指令信号を入出力IC224を介して各輪の各電磁制御弁およびモータ632に出力する。たとえば、アキュムレータ圧が8MPa以下となると、CPU222はモータ632を駆動させ、アキュムレータ圧が8MPaより大きくなるように制御する。また、CPU222は、CPU222が正常に作動している場合に、CPU222の正常を示す信号を第4論理部220に出力する。
【0037】
入出力IC224は、CPU222および入出力IC224が正常である場合にモータ632を駆動する駆動信号を生成する通常モータ駆動回路234を備える。CPU222および入出力IC224が正常でない場合、入出力IC224は第3論理部216にモータ駆動のオフを示す信号を出力してもよい。入出力IC224は、CPU222からモータ632の指令信号を受け取って、モータ632の駆動信号をモータ632に向かうよう第3論理部216に出力する。入出力IC224は、入出力IC224が正常に作動している場合に、入出力IC224の正常を示す信号を第4論理部220に出力する。CPU222および入出力IC224が正常であるかどうか、互いに信号を送出し、その応答信号により正常かどうか点検してよい。また、CPU222および入出力IC224が正常であるかどうか点検する他のプログラムを有してよい。
【0038】
第4論理部220は、CPU222および入出力IC224のそれぞれから正常を示す信号を受け取ると、正常であることを示す信号を第2論理部215および第1モータ駆動回路212に出力する。一方、第4論理部220は、CPU222および入出力IC224のいずれかから異常を示す信号を受け取ると、異常を示す信号を第2論理部215および第1モータ駆動回路212に出力する。すなわち第4論理部220は、CPU222および入出力IC224のいずれかから正常を示す信号が出力されなければ、異常を示す信号を第2論理部215および第1モータ駆動回路212に出力する。
【0039】
第1モータ駆動回路212、第2モータ駆動回路208および第3モータ駆動回路210は、CPU222および入出力IC224がフェールした場合にモータ632を駆動するための回路であって、それぞれの所定の作動条件が成立した場合にモータ632の駆動信号を出力する。
【0040】
第3モータ駆動回路210は、ブレーキECU206が起動されると作動が開始され、ブレーキECU206の電源がオフされるまで作動する。第3モータ駆動回路210は、モータ632を間欠駆動させるように駆動信号を出力する。これにより、ブラシモータであるモータ632のブラシの加熱を抑えることができる。間欠駆動とは、たとえばモータ632を数秒間駆動させ、その後モータ632を数秒間停止させ、この駆動および停止を繰り返すことをいう。
【0041】
第1モータ駆動回路212は、CPU222および入出力IC224の異常の有無を示す信号にもとづいて作動される。すなわち、第1モータ駆動回路212は、CPU222および入出力IC224の異常を示す信号を受け取ると、作動を開始し、所定の時間を経過すると、作動を終える。この所定の時間は、たとえば1分以下の時間に設定される。これにより、CPU222および入出力IC224がフェールした場合に、フェール直後にアキュムレータ650の圧力が低下することを抑え、第3モータ駆動回路210によるアキュムレータ圧の昇圧の不足を補うことができる。
【0042】
第2モータ駆動回路208は、STP信号にもとづいて作動される。すなわち、第2モータ駆動回路208は、オンを示すSTP信号を受け取ると、作動を開始する。STP信号がオフされたときから所定期間を経過後に、第2モータ駆動回路208は作動を停止する。
【0043】
各モータ駆動回路は、並列に第1論理部214に接続される。第1論理部214は、各モータ駆動回路の駆動信号のうちいずれか1つの駆動信号を選択し、その駆動信号をモータ632に向かうよう第2論理部215に出力する。
【0044】
各モータ駆動回路は、自身が作動していない場合に作動していないことを示す信号を第1論理部214に出力し、第1論理部214は、作動していないことを示す信号をもとに駆動信号を選択してよい。また第1論理部214は、第2モータ駆動回路208、第1モータ駆動回路212、第3モータ駆動回路210の出力信号の順に、第2モータ駆動回路208から優先的に選択して出力してよい。
【0045】
第1論理部214の出力は入出力IC224に入力される。第1論理部214により、各モータ駆動回路を個別に出力する場合と比べて部品点数を減らすことができる。
【0046】
第2論理部215は、第1論理部214から出力された有効な駆動信号と第4論理部220からCPU222または入出力IC224の異常を示す信号とを受け取った場合に、第1論理部214から出力された駆動信号をモータ632に向かうよう第3論理部216に出力する。一方、第2論理部215は、第4論理部220からCPU222および入出力IC224の正常を示す信号を受け取った場合に、第1論理部214から出力された駆動信号を出力しない。第2論理部215は、第1論理部214から出力された駆動信号を出力しないとき、第3論理部216にモータ駆動のオフを示す信号を出力してもよい。
【0047】
第3論理部216は、第2論理部215と制御部230とに接続する。第3論理部216は、第2論理部215および制御部230から出力された信号のうちいずれか一方の信号をモータ632に出力する。第3論理部216は、第2論理部215および制御部230の出力する信号がモータ駆動のオフを示す信号かどうかにもとづいて、いずれの信号を出力するか選択してよい。たとえば、制御部230が異常である場合は第2論理部215から出力された信号をモータ632に出力し、制御部230が正常である場合は入出力IC224から出力されるモータ632の駆動信号をモータ632に出力する。
【0048】
以上のように、CPU222および入出力IC224が万が一フェールした場合に、シンプルなアナログの調停回路を介してモータ632を駆動することができる。
ここで、CPU222および入出力IC224がフェールした場合に、各モータ駆動回路が正常に作動するかどうか、各論理部が正常に作動するかどうか監視すれば、より安全である。そこで、CPU222は、調停回路および各モータ駆動回路の作動状態を点検する。各モータ駆動回路の作動状態を点検する過程で、各モータ駆動回路とCPU222をリレーする調停回路の部分も作動状態を点検することができる。
【0049】
CPU222は、制御部230が異常となる前に、制御部230の異常を示す信号を出力する。CPU222は、イグニッションスイッチがオフからオンになったときに、制御部230の異常を示す信号を出力してもよい。これにより、運転開始直後の車両が発進する前にモータ駆動回路の作動状態を点検できる。
【0050】
図3は、実施形態に係るモータ駆動回路の作動状態を点検する処理を示すフローチャートである。この処理では、第1モータ駆動回路212の作動状態を点検する。この処理は、ブレーキECU206が起動されたときに行われてよい。またこの処理は、ブレーキECU206が起動されたときに毎回実行するのではなく、ブレーキECU206が所定回数起動される毎に実行してもよい。
【0051】
まず、CPU222は、イグニッションスイッチがオンされているかどうか判定する(S10)。この処理では、ブレーキECU206の電源がオンされたことが確認できれば、他の方法であってよい。これにより、第3モータ駆動回路210の作動の有無が確認できる。CPU222はイグニッションスイッチがオンされていなければ(S10のN)、本処理を終える。
【0052】
CPU222はイグニッションスイッチがオンされていれば(S10のY)、CPU222および入出力IC224が正常を示す信号を出力しているかどうか判定する(S12)。CPU222は入出力IC224が正常かどうか点検してよい。これにより、第4論理部220が出力している信号を確認し、第1モータ駆動回路212の作動の有無を確認する。CPU222および入出力IC224のいずれかが正常を示す信号を出力していなければ(S12のN)、本処理を終える。
【0053】
CPU222および入出力IC224が正常を示す信号を出力していれば(S12のY)、CPU222はストップランプスイッチがオンされているかどうか判定する(S14)。これにより、第2モータ駆動回路208の作動の有無を確認できる。ストップランプスイッチがオンされていれば(S14のY)、本処理を終える。ストップランプスイッチがオンされていれば、第2モータ駆動回路208の作動条件が成立しているからである。なおこの場合は、本処理を再試行してもよい。
【0054】
ストップランプスイッチがオンされていなければ(S14のN)、CPU222は、CPU222または入出力IC224から第4論理部220に異常を示す信号を出力する(S16)。これにより、CPU222または入出力IC224の異常を示す信号が第4論理部220を介して第1モータ駆動回路212に入力され、第1モータ駆動回路212の作動条件が成立する。
【0055】
CPU222は、入出力IC224を介して第1論理部214の出力を受け取り、第1論理部214から第1モータ駆動回路212の駆動信号を示す信号が出力されているかどうか判定する(S18)。CPU222または入出力IC224の異常を示す信号を第4論理部220に入力したことに応じて、第1論理部214から所定の時間だけモータ632の有効な駆動信号が出力されていれば、CPU222は第1論理部214から第1モータ駆動回路212の駆動信号を示す信号が出力されていると判断する。
【0056】
第1論理部214から第1モータ駆動回路212の駆動信号を示す有効な信号が出力されていなければ(S18のN)、CPU222は第1モータ駆動回路212が異常であると判定する(S22)。なお、CPU222は第1モータ駆動回路212または第1論理部214に異常があると判断してもよい。このとき、CPU222は、第1モータ駆動回路212の異常を示す警報を運転者に通知してよい。
【0057】
一方、第1論理部214から第1モータ駆動回路212の駆動信号を示す信号が出力されていれば(S18のY)、CPU222は第1モータ駆動回路212が正常であると判定する(S20)。以上のように、CPU222等に異常が生じる前に、第1モータ駆動回路212の作動状態を点検することができる。
【0058】
次に、第3モータ駆動回路210の作動状態を点検する処理について説明する。第3モータ駆動回路210は、ブレーキECU206の電源がオンされるとともに作動し、モータ632を間欠駆動する駆動信号を出力する。そして、第1論理部214は、第2モータ駆動回路208および第1モータ駆動回路212の出力する有効な駆動信号が出力されていなければ、第3モータ駆動回路210の駆動信号を出力する。そのため、第2モータ駆動回路208および第1モータ駆動回路212の作動条件が成立していなければ、第3モータ駆動回路210およびそのリレーに異常がない限り第3モータ駆動回路210の駆動信号が第1論理部214から出力されている。
【0059】
そこで、CPU222は、イグニッションスイッチがオンされており、CPU222および入出力IC224の正常を示す信号が出力されており、ストップランプスイッチがオンされていない場合に、第1論理部214から第3モータ駆動回路210の駆動信号を示す有効な信号が出力されているかどうか判定する。CPU222は、第1論理部214から出力される信号がモータ632を間欠駆動させる駆動信号であれば、第3モータ駆動回路210が出力した駆動信号であると判定する。第1論理部214から第3モータ駆動回路210が出力した駆動信号が出力されていなければ、CPU222は、第3モータ駆動回路210に異常があると判断する。なお、このとき、CPU222は第3モータ駆動回路210または第1論理部214に異常があるとしてもよい。一方、第1論理部214から第3モータ駆動回路210が出力した駆動信号が出力されていれば、CPU222は、第3モータ駆動回路210が正常であると判断する。このように、第3モータ駆動回路210の作動状態を点検することができる。
【0060】
次に、第2モータ駆動回路208の作動状態を点検する処理について説明する。第2モータ駆動回路208は、オンを示すSTP信号が入力されると作動する。そのため、CPU222は、点検処理を開始した場合、まずSTP信号を受け取ってSTP信号がオンを示すかどうか監視する。そしてSTP信号がオンを示していれば、CPU222は、第1論理部214の出力を受け取って、STP信号に応じてモータ632の有効な駆動信号が出力されているかどうか判定する。
【0061】
具体的には、CPU222は、第2モータ駆動回路208がSTP信号のオンに応じて駆動信号を出力し始め、STP信号のオフに応じて駆動信号の出力を停止するかどうか点検する。このように、CPU222は第2モータ駆動回路208の作動状態を点検することができる。なお、CPU222はSTP信号を生成し、第2モータ駆動回路208にオンを示すSTP信号を出力して、第2モータ駆動回路208の作動状態を点検してもよい。以上のように、各モータ駆動回路の異常の有無を、第1論理部214の出力をもとに点検することができる。
【0062】
さらに、CPU222は、各論理部およびそのリレーの作動状態を点検する。そのためCPU222は、第3論理部216の出力を取得する。また、第3論理部216の出力の代わりに、CPU222は、モータ632が駆動しているときにモータ632が駆動していることを示す信号を、モータリレー回路(不図示)から取得してもよい。すなわち、CPU222は、モータ632の駆動状態を示す信号を取得する。なおモータリレー回路は、第3論理部216とモータ632を電気的に接続する。また、制御部230は、点検のために第2論理部215の出力を受け取ってよい。
【0063】
まず、第1論理部214の作動状態を点検する処理について説明する。第1論理部214の出力にもとづいて各モータ駆動回路の作動状態を点検した場合に、各モータ駆動回路に異常がなければ、第1論理部214は正常である。各モータ駆動回路の作動状態の点検において、各モータ駆動回路の作動状態の全てが異常と判定されれば、CPU222は第1論理部214が異常であると判定してよい。CPU222は各モータ駆動回路の点検とともに第1論理部214の作動状態を点検する。
【0064】
第4論理部220の作動状態を点検する処理について説明する。第1モータ駆動回路212の作動状態を点検した場合に、CPU222または入出力IC224の作動状態を示す出力信号に応じて第1モータ駆動回路212が作動していれば、CPU222は第4論理部220は正常であると判定する。一方、CPU222または入出力IC224の作動状態を示す出力信号に応じて第1モータ駆動回路212が作動せず、第1論理部214から出力された信号が第2論理部215から出力されていなければ、CPU222は第4論理部220が異常であると判定する。CPU222は第1モータ駆動回路212の点検とともに第4論理部220の作動状態を点検してよい。
【0065】
第3論理部216の作動状態を点検する処理について説明する。第3論理部216と入出力IC224を接続するリレーの状態を点検する。CPU222は、モータ632の駆動状態を示す信号を受け取る。入出力IC224の正常時には入出力IC224からアキュムレータ圧に応じたモータ632の駆動信号が出力される。そこで、CPU222は、入出力IC224の出力と同様に、アキュムレータ圧に応じたモータ632の駆動信号が第3論理部216から出力されているかどうか点検する。また、CPU222は、モータ632がアキュムレータ圧に応じて駆動しているかどうか点検する。具体的には、CPU222はアキュムレータ圧が15Mpa以下になったときに、モータ632が駆動しているかどうか点検する。CPU222は、入出力IC224の出力と同様に、アキュムレータ圧に応じたモータ632の駆動信号が第3論理部216から出力されていれば、第3論理部216と入出力IC224を接続する系統は正常であると判定する。
【0066】
第2論理部215の作動状態を点検する処理について説明する。上述のように、CPU222は、第2論理部215および第3論理部216の作動状態に関係なく各モータ駆動回路の点検をすることができるため、各モータ駆動回路が正常であることを点検した後に各モータ駆動回路を用いて第2論理部215の点検を実行してもよい。
【0067】
CPU222または入出力IC224の異常を示す信号を出力したときに、第1モータ駆動回路212が正常であり、モータ632が第1モータ駆動回路212の駆動信号に応じて所定時間駆動していなければ、CPU222は第2論理部215およびその配線のいずれかが異常であると判定する。このとき、CPU222は第2論理部215の出力を取得してもよい。このようにCPU222は第1モータ駆動回路212の点検とともに、モータ632の駆動状態を示す信号を取得して第2論理部215の作動状態を点検してもよい。これにより点検時間が短縮され、CPU222または入出力IC224の異常を示す信号を出力する手間が省ける。CPU222または入出力IC224の正常を示す信号を出力したときに、CPU222は、第2論理部215が第3モータ駆動回路210の駆動信号を出力していれば、第2論理部215が異常であると判定する。CPU222は、点検により第3論理部216が正常であれば、第2論理部215も正常であるとしてよい。以上のようにして、各モータ駆動回路の出力をモータに供給する調停回路の作動状態を点検することができる。
【0068】
なお、上述の実施形態は、以下に示す態様を含む。
ブレーキ制御装置は、ポンプを駆動するモータを制御する制御手段と、それぞれがモータの駆動信号を個別に出力する複数のモータ駆動回路と、制御手段の異常を示す信号を受け取った場合に、複数のモータ駆動回路の出力をモータに供給する調停回路と、を備える。その調停回路は、複数のモータ駆動回路の駆動信号のうちいずれか1つの駆動信号を選択して出力する第1論理手段を備える。そして、制御手段は第1論理手段が出力した信号を受け取り、該信号にもとづいて複数のモータ駆動回路の作動状態を点検する。これにより、第1調停手段により複数のモータ駆動回路の出力を一つにまとめ、その出力にもとづいて複数のモータ駆動回路の作動状態を点検することができる。
【0069】
また、調停回路は、第1論理手段から出力された駆動信号と制御手段の異常を示す信号とを受け取った場合に、第1論理手段から出力された駆動信号をモータに向かうよう出力する第2論理手段をさらに備える。これにより、第2論理手段は、制御手段に異常が生じた場合に、複数のモータ駆動回路のいずれかから出力されたモータの駆動信号を出力することができる。
【0070】
また、調停回路は、第2論理手段および制御手段から出力された信号のうちいずれか一方の信号をモータに出力する第3論理手段をさらに備える。また、複数のモータ駆動回路のうち第1モータ駆動回路は、制御手段の異常を示す信号が入力された場合に作動し、制御手段は、制御手段の異常を示す信号を第1モータ駆動回路に入力し、第1論理手段から出力された信号が第1モータ駆動回路から出力された駆動信号であるかどうかにもとづいて第1モータ駆動回路の作動状態を点検する。制御手段が制御手段自身の異常を示す信号を第1モータ駆動回路に入力することで、第1モータ駆動回路が正常に作動するかどうか制御手段に異常が生じる前に点検することができる。
【0071】
また、複数のモータ駆動回路のうち第2モータ駆動回路は、ストップランプスイッチがオンされた場合に作動し、制御手段は、ストップランプスイッチがオンされている場合に、第1論理手段から出力された信号が第2モータ駆動回路から出力された駆動信号であるかどうかにもとづいて第2モータ駆動回路の作動状態を点検する。これにより、ストップランプスイッチに応じて作動する第2モータ駆動回路の作動状態を点検することができる。
【0072】
また、複数のモータ駆動回路のうち第3モータ駆動回路は、モータを間欠駆動させる駆動信号を出力し、制御手段は、ストップランプスイッチがオフされ、制御手段から正常を示す信号が出力されているときに、第1論理手段から出力された信号が第3モータ駆動回路から出力された駆動信号であるかどうかにもとづいて第3モータ駆動回路の作動状態を点検する。これにより、第3モータ駆動回路の作動状態を点検することができる。
【0073】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。
【0074】
たとえば、ブレーキ制御装置の種類に応じて、異常時にモータを駆動させる各モータ駆動回路を変更すれば、図2に示す調停回路の構成を用いることが可能である。
【符号の説明】
【0075】
H1,J1,H2,J2,I3,J3,I4,J4 管路、 H6 高圧管路、 I6 バイパス管路、 J6 油圧給排管、 12 ブレーキペダル、 14 マスタシリンダ、 14a プライマリ室、 14b セカンダリ室、 15 プッシュロッド、 16 液圧アクチュエータ、 20FL,20FR,20RL,20RR ホイールシリンダ、 22 ストロークセンサ、 24 リザーバタンク、 25 ストロークシミュレータ、 26 開閉弁、 28,30 遮断弁、 70,72 液圧センサ、 206 ブレーキECU、 208 第2モータ駆動回路、 210 第3モータ駆動回路、 212 第1モータ駆動回路、 214 第1論理部、 215 第2論理部、 216 第3論理部、 220 第4論理部、 222 CPU、 224 入出力IC、 230 制御部、 232 調停回路、 234 通常モータ駆動回路、 610 ブレーキ制御装置、 616 液圧アクチュエータ、 632 モータ、 634 ポンプ、 636 逆止弁、 640,640FR 増圧弁、 642,642FR,642RR 減圧弁、 644,644FR シリンダ圧センサ、 650 アキュムレータ、 651 アキュムレータ圧センサ、 653 リリーフバルブ、 655 連通弁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプを駆動するモータを制御する制御手段と、
それぞれが前記モータの駆動信号を個別に出力し、並列に配された複数のモータ駆動回路と、
前記制御手段の異常を示す信号を受け取った場合に、複数の前記モータ駆動回路の駆動信号のうち、いずれか一つの駆動信号を選択して出力し、該駆動信号を前記モータに供給する調停回路と、を備え、
前記制御手段は、前記制御手段の異常を示す信号を出力し、前記調停回路から受け取った前記モータ駆動回路の駆動信号にもとづいて前記モータ駆動回路の作動状態を点検することを特徴とするブレーキ制御装置。
【請求項2】
複数の前記モータ駆動回路のうち第1モータ駆動回路は、前記制御手段の異常を示す信号が入力された場合に前記モータの駆動信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記制御手段が異常となる前に、前記制御手段の異常を示す信号を出力することを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキ制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、イグニッションスイッチがオフからオンになったときに、前記制御手段の異常を示す信号を出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のブレーキ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−189901(P2011−189901A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59766(P2010−59766)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(301065892)株式会社アドヴィックス (1,291)
【Fターム(参考)】