説明

ブレーキ異常検出システム、ブレーキ温度検出システム、およびブレーキ制御システム

【課題】簡易な構成によってブレーキ装置の温度等を検出し、車両の乗員への報知やブレーキ制御等に役立てる。
【解決手段】ブレーキ異常検出システム200Aにおいて、グリース量判定部102は、検出された電気抵抗値を利用してグリースの量が充分か否かを判定する。表示制御部106およびディスプレイ50は、グリースの量が充分でないと判定された場合、車両の乗員にその旨を報知する。車輪速センサ54は、車両の停車を検出する。電気抵抗検出装置48は、車両のブレーキに設けられるブレーキパッドのパッド裏金30と、パッド裏金30とグリースを介して近接して設けられるパッドシム18との間の電気抵抗を検出する。グリース量判定部102は、所定時間を越える車両の停車が検出された場合に、検出された電気抵抗値を利用してグリースの量が充分か否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキ異常検出システム、ブレーキ温度検出システム、およびブレーキ制御システムに関し、特にブレーキパッドおよびパッドシムを備えるブレーキ機構におけるブレーキ異常検出システム、ブレーキ温度検出システム、およびブレーキ制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ブレーキ装置の温度を検出する技術として、たとえば特許文献1に記載されるように、ブレーキライニング内等に電気抵抗を配置してブレーキライニングの厚さの測定と同時に温度測定も行うことが可能なブレーキライニングの厚さ及び温度同時検出用センサが知られている。また、たとえば特許文献2に記載されるように、ブレーキパッドの摩擦部材、抵抗体、定電圧源、および電流計を直列に接続し、抵抗値の増加に応じた電流値の現況を検出することにより摩擦部材の摩耗および過熱を検出するブレーキ摩擦部材の摩耗及び過熱検出装置が知られている。
【0003】
また、従来から、ブレーキ装置に設けられるシムの脱落を抑制する技術として、たとえば特許文献3に記載されるように、シムの上辺の左右両端に半径方向外方に凸部を突設し、これをL形に屈曲させて脱落防止係止部として裏金の上辺の左右両側部の上方に配置したディスクブレーキのシムの脱落防止機構が知られている。
【特許文献1】特開平6−193660号公報
【特許文献2】特開平10−9307号公報
【特許文献3】特開平10−19068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載される技術では、ブレーキライニング内などに電気抵抗を配置するため、たとえばブレーキライニングを交換するときに電気抵抗を再度配置しなければならず、ブレーキライニングを交換するための作業工数を低減することは困難である。また、特許文献2に記載される技術では、摩擦部材に少なくとも抵抗値の検出が可能な電導性の材料を使用しなければならず、摩擦部材の材料の選択範囲を狭めることとなる。また、特許文献3に記載される技術では、シムの脱落を抑制するべく凸部を形成するため、シムの材料コストや加工コストを低減することは困難であり、またシムが脱落しそうになっていることを車両の乗員に認識させることは困難である。なお、上記特許文献には、パッド裏金とシムとの間に塗布されるグリースの量を検出する技術は何ら開示されていない。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成によってブレーキ装置の温度等を検出し、車両の乗員への報知やブレーキ制御等に役立てることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のブレーキ異常検出システムは、車両のブレーキに設けられるブレーキパッドのパッド裏金と、パッド裏金とグリースを介して近接して設けられるパッドシムとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段と、検出された電気抵抗値を利用してグリースの量が充分か否かを判定するグリース量判定手段と、グリースの量が充分でないと判定された場合、車両の乗員にその旨を報知する報知手段と、を備える。
【0007】
この態様によれば、簡易な構成によってパッド裏金とパッドシムとの間に塗布されるグリースの量を検出することができる。このため、ブレーキ鳴きが発生する程度までグリースの量が減少する前に車両の乗員にグリースの量が減少している旨を報知することができ、ブレーキ鳴きなどを事前に抑制することが可能となる。
【0008】
車両の停車を検出する停車検出手段をさらに備えてもよい。グリース量判定手段は、車両の所定時間を越える停車が検出された場合に、グリースの量が充分か否かを判定してもよい。たとえば車両走行後であってブレーキパッドの温度が高くなっている場合でも、その後長期間車両が停車した場合にはブレーキパッドの温度が低下し、常温に近い温度となる。したがって、このようなタイミングでグリースの量が充分か否かを判定することで略常温におけるグリース量の判定を実施することができるため、グリース量の判定の精度を高めることができる。
【0009】
本発明の別の態様は、ブレーキ温度検出システムである。このブレーキ温度検出システムは、車両のブレーキに設けられるブレーキパッドのパッド裏金と、パッド裏金とグリースを介して近接して設けられるパッドシムとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段と、検出された電気抵抗値を利用してブレーキパッドの温度を推定するパッド温度推定手段と、を備える。
【0010】
パッド裏金とパッドシムとの間に塗布されるグリースは温度に応じて電導性が変化する場合がある。この態様によれば、このようなグリースの特性を利用して、たとえばパッド裏金とパッドシムとの間を電気抵抗検出手段を介して接続することによってブレーキパッドの温度を推定することが可能となる。このため、ブレーキパッドに電気抵抗などの部材を配置する必要がないため、ブレーキパッドの温度を検出する機構を設けることによるブレーキパッド交換の作業工数の増加を抑制することが可能となる。
【0011】
車両の停車を検出する停車検出手段をさらに備えてもよい。パッド温度推定手段は、車両の所定時間を越える停車が検出された場合に検出されたパッド裏金とパッドシムとの間の電気抵抗値を利用してグリースの量を推定し、推定されたグリースの量を利用してブレーキパッドの温度を推定してもよい。
【0012】
パッド裏金とパッドシムとの間に塗布されるグリースは経時的に減少する場合がある。このため、同じ温度でパッド裏金とパッドシムとの間の電気抵抗を検出しても、検出される電気抵抗が経時的に変化する場合があり得る。一方、グリースの量が変化していなくても、グリースの温度が変化することによりパッド裏金とパッドシムとの間の電気抵抗も変化する可能性がある。このため、略常温におけるパッド裏金とパッドシムとの間の電気抵抗をまず検出することによってグリースの減少量を推定することができ、さらに推定されたグリースの減少量を考慮して、ブレーキパッドの推定温度を補正することが可能となる。したがって、ブレーキパッドの温度を高い精度で推定することが可能となる。
【0013】
本発明のさらに別の態様は、ブレーキ制御システムである。このブレーキ制御システムは、車両のブレーキに設けられるブレーキパッドのパッド裏金と、パッド裏金とグリースを介して近接して設けられるパッドシムとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段と、検出された電気抵抗値を利用してブレーキパッドの温度を推定するパッド温度推定手段と、推定されたブレーキパッドの温度に応じてディスクロータの摩擦摺動面へのブレーキパッドの押接力を制御するブレーキ制御手段と、を備える。
【0014】
ブレーキパッドは、自身の温度の変化によって変形したり、ディスクロータに押接される摩擦摺動面の摩擦係数が変動する場合があり得る。この態様によれば、前述のように温度に応じて電導性が変化し得るグリースの特性を利用して、ブレーキパッドの変形や摩擦係数の変動などが生じた場合においても適切な制動力が車輪に与えられるようブレーキパッドの押接力を制御することが可能となる。
【0015】
車両は、ブレーキパッドをディスクロータの摩擦摺動面へ押接させて車輪に制動力を与える機械式ブレーキと、回生制動力を利用して車輪に制動力を与える回生ブレーキとを有してもよい。ブレーキ制御手段は、推定されたブレーキパッドの温度に応じて、機械式ブレーキによって車輪に与える制動力と、回生ブレーキによって車輪に与える制動力との割合を制御する協調制御を実施してもよい。
【0016】
一般的に、ブレーキパッドの温度およびブレーキパッドの押接力に応じてブレーキ鳴きの発生しやすさは変化する。この態様によれば、ブレーキパッドの温度に応じて、ブレーキ鳴きの発生しにくい押接力でブレーキパッドを押接し、これによる車輪への制動力の変動を回生ブレーキによって調整することが可能となる。このため、ブレーキ鳴きを効果的に抑制することが可能となる。
【0017】
本発明のさらに別の態様は、ブレーキ異常検出システムである。このブレーキ異常検出システムは、車両のブレーキに設けられるブレーキパッドのパッド裏金と、パッド裏金と近接して設けられるパッドシムとの間の通電を検出する通電検出手段と、パッド裏金パッドシムとの間の通電が検出されるか否かに基づいてパッドシムが所定の位置から脱落したか否かを判定するシム脱落判定手段と、パッドシムが所定の位置から脱落したと判定された場合、車両の乗員にその旨を報知する報知手段と、を備える
この態様によれば、パッドシムの材料コストや加工コストの増加を抑制しながら、簡易にシムの脱落を判定することが可能となる。また、車両の乗員にその旨を報知することができるため、シムの脱落に対する迅速な対応が可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、簡易な構成によってブレーキ装置の温度等を検出し、車両の乗員への報知やブレーキ制御等に役立てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という。)について詳細に説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るディスクブレーキ機構10における、キャリパユニット12周辺の断面図である。図1ではディスクロータ14のみを断面として示す。図1において、ディスクブレーキ機構10の左側に車両本体(図示せず)が位置し、ディスクブレーキ機構10の右側は車両の外部となる。このため、図1において左方向を車両内部方向、右方向を車両外部方向として以下説明する。
【0021】
ディスクブレーキ機構10は、ディスクロータ14、キャリパユニット12、およびブレーキパッド16を有する。ディスクロータ14は、2枚のディスクにフィンが介在する、いわゆるベンチレーテッドディスクが採用されている。ディスクロータ14は、全体として中心部周辺が椀型に一方に凹まされた円盤状に形成されている。ディスクロータ14の外周部周辺の両側面には円環状の摩擦摺動面14aが形成される。
【0022】
車体には回転可能なハブ(図示せず)が設けられている。ハブの車両外部側の面に、ディスクロータ14の椀型に凹んだ内側の面が当てつけられ、さらにその外側から車輪がディスクロータ14に当てつけられ、この状態でハブナットがハブボルトに螺合されることによって、車輪、ディスクロータ14、およびハブが共に回転可能となるように相互に固定される。したがって、ディスクロータ14に制動力が与えられることにより車輪にも制動力が与えられる。
【0023】
キャリパユニット12は、キャリパ24およびピストン26を有する。キャリパ24は、シリンダハウジング24aおよび爪部24bを有する。シリンダハウジング24aと爪部24bとは相互に対向し、一部において相互に一体的に結合されている。この結果、キャリパ24はコ字状に形成されている。
【0024】
シリンダハウジング24aの内部には、爪部24bに向かって開口する円柱状の空間部であるシリンダ部(図示せず)が設けられている。ピストン26はシリンダ部の内径と略同一の外径を有する円柱状に形成され、シリンダ部に嵌挿されている。
【0025】
第1の実施形態に係るキャリパ24は浮動型のものが採用されている。キャリパ24は、公知のスライドピン機構等により、車両左右方向に所定範囲を移動可能にマウンティングに支持される。このときキャリパ24は、シリンダハウジング24aが車両内部方向に位置し、爪部24bが車両外側方向に位置し、シリンダ部の中心軸が車両左右方向に向くようマウンティングに支持される。また、キャリパ24は、爪部24bとシリンダ部との間にディスクロータ14の摩擦摺動面14aが位置するよう配置される。
【0026】
ブレーキパッド16は摩擦部材28、およびパッド裏金30を有する。パッド裏金30は略長方形の外形を有する板状に形成される。摩擦部材28は、パッド裏金30の長辺および短辺より僅かに小さい長辺および短辺の長方形の外形を有する板状に形成される。摩擦部材28は、ノンメタリック系、ローメタリック系、カーボンメタリック系などの材質により形成される。パッド裏金30は、鉄系材料などの電導性を有する金属材料により形成される。摩擦部材28とパッド裏金30とは、双方の側面同士が接着され相互に固定される。
【0027】
ブレーキパッド16は、車両内部側の摩擦摺動面14aとピストン26との間、および車両外部側の摩擦摺動面14aと爪部24bとの間にそれぞれ1つずつ配置される。車両内部側の摩擦摺動面14aとピストン26との間に配置されるブレーキパッド16(以下、「車両内部側のブレーキパッド16」という)は、摩擦部材28がその一方の摩擦摺動面14aに対向するように配置される。車両外部側の摩擦摺動面14aと爪部24bとの間に配置されるブレーキパッド16(以下、「車両外部側のブレーキパッド16」という)は、摩擦部材28と他方の摩擦摺動面14aとが対向するように配置される。
【0028】
ブレーキパッド16は、マウンティングによってディスクロータ径方向および周方向の移動が規制される。ただし、車両内部側のブレーキパッド16は車両内部側の摩擦摺動面14aとシリンダ部の開口部との間において、車両外部側のブレーキパッド16は車両外部側の摩擦摺動面14aと爪部24bとの間において、ディスクロータ軸方向に移動可能とされている。
【0029】
パッドシム18は鉄系材料など、電導性を有する金属材料によって薄い板状に形成される。パッドシム18の外形は、パッド裏金30の外形と略同一の外形とされる。パッドシム18は、パッド裏金30とピストン26との間、およびパッド裏金30と爪部24bとの間にそれぞれ配置される。このときパッドシム18は、各々の外形がパッド裏金30の外形に沿うように配置される。パッドシム18は、外周部に設けられた爪部(図示せず)がパッド裏金30の外周に係合されることによって、パッドシム18の面方向への両者の相対的な位置が規制される。
【0030】
パッドシム18とパッド裏金30との間にはグリース20が塗布される。この結果、パッドシム18の各々はグリース20を介して近接して設けられる。グリース20は、温度に応じて電導性が変化するものが採用されている。
【0031】
シリンダ部は、液圧配管を通じて増圧弁(図示せず)および減圧弁(図示せず)に連通している。ディスクブレーキ機構10を含むブレーキシステムとして、第1の実施形態では電子制御ブレーキシステムが採用されている。運転者がブレーキペダル(図示せず)を踏み込み操作することにより、ブレーキペダルの操作量やマスタシリンダ圧に応じて増圧弁が開弁し、シリンダ部に作動液が供給されシリンダ部の作動液圧が増圧される。この結果、ピストン26が車両内部側のブレーキパッド16に向かって推進される。
【0032】
ピストン26が推進される前は、ブレーキパッド16の各々は、摩擦部材28がディスクロータ14から離間した位置である初期位置に位置している。ピストン26が車両内部側のブレーキパッド16に向かって推進されると、車両内部側のブレーキパッド16がピストン26によって押され、その摩擦部材28が車両内部側の摩擦摺動面14aに押接される。また、その反力によってキャリパ24全体が車両内部方向に摺動し、車両外部側のブレーキパッド16が爪部24bによって押され、その摩擦部材28が車両外部側の摩擦摺動面14aに押接される。このように、ディスクブレーキ機構10は、運転者のブレーキペダルの操作量に応じた力で、ブレーキパッド16の摩擦部材28をディスクロータ14の摩擦摺動面14aに押接させ、ディスクロータ14及び車輪に制動力を与える。
【0033】
運転者がブレーキペダルの踏み込み操作を解除することにより、ブレーキペダルの操作量やマスタシリンダ圧に応じて減圧弁が開弁し、シリンダ部の外部に作動液が排出されシリンダ部の作動液圧が減圧される。この結果、ピストン26が爪部24bから離間する方向に向かって推進される。これによってブレーキパッド16の各々が初期位置に戻され、ブレーキパッド16の摩擦部材28が摩擦摺動面14aから離間することによってディスクロータ14および車輪に与えられていた制動力が解除される。
【0034】
図2は、第1の実施形態に係るブレーキ異常検出システム200Aにおける、パッド裏金30およびパッドシム18へのワイヤの接続態様を示す図である。ブレーキ異常検出システム200Aは、パッド裏金30、パッドシム18、グリース20、電気抵抗検出装置48、電子制御ユニット(以下、「ECU」という)100A、ディスプレイ50、および第1ワイヤ40乃至第4ワイヤ46を有する。
【0035】
パッドシム18の4つの辺から成る外周部のうち、1つの辺の外周部において所定の間隔をあけて第1ワイヤ40および第2ワイヤ42の一端がそれぞれ接続される。また、パッド裏金30の4つの辺から成る外周部のうち、1つの辺の外周部において所定の間隔をあけて第3ワイヤ44および第4ワイヤ46の一端がそれぞれ接続される。このときパッド裏金30では、パッドシム18の第1ワイヤ40との接続箇所に近接する箇所に第3ワイヤ44が接続され、パッドシム18の第2ワイヤ42との接続箇所に近接する箇所に第4ワイヤ46が接続される。
【0036】
第1ワイヤ40、第2ワイヤ42、第3ワイヤ44、および第4ワイヤ46の他端はそれぞれ電気抵抗検出装置48に接続される。電気抵抗検出装置48には、コストを考慮して、比較的安価な微弱電源またはリレー接点が採用されている。電気抵抗検出装置48は、パッドシム18の第1ワイヤ40との接続箇所と、パッド裏金30の第3ワイヤ44との接続箇所との間の電気抵抗を検出する。また、電気抵抗検出装置48は、パッドシム18の第2ワイヤ42との接続箇所と、パッド裏金30の第4ワイヤ46との接続箇所との間の電気抵抗を検出する。電気抵抗検出装置48はECU100Aに接続されており、電気抵抗検出装置48の検出結果はECU100Aに出力される。このように1つのブレーキパッド16とパッドシム18の組合せにおいて複数箇所の電気抵抗を検出することにより、パッド裏金30とパッドシム18との間の電気抵抗を精度良く検出することが可能となる。
【0037】
なお、電気抵抗検出装置48は、1つの車輪に対応する1つのディスクブレーキ機構10につき1つ設けられる。したがって、電気抵抗検出装置48は2つのパッドシム18および2つのパッド裏金30にそれぞれ接続される。電気抵抗検出装置48はスイッチング機構を内蔵しており、電気抵抗検出装置48は、グリース20を介して相互に近接して設けられるパッドシム18とパッド裏金30との間の電気抵抗を検出する。
【0038】
ディスプレイ50は、車体における車両室内のインストルメントパネルなど、運転者によって視認可能な箇所に配置される。ディスプレイ50はECU100Aに接続されており、ECU100Aから入力される表示データを利用して情報を表示する。
【0039】
図3は、第1の実施形態に係るブレーキ異常検出システム200Aの機能ブロック図である。なお、図3においてECU100Aは、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMなどのハードウェア、およびソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックが描かれている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェアおよびソフトウェアの組合せによって様々な形で実現することができる。
【0040】
ブレーキ異常検出システム200Aは、イグニッションセンサ52、車輪速センサ54、および油圧制御アクチュエータ60も有する。イグニッションセンサ52は、イグニッションスイッチのオンおよびオフを検出する。車輪速センサ54は、各々の車輪の周辺に設けられ、車輪と共に回転するドライブシャフトに設けられたパルサをピックアップコイルで検出することによって車輪の回転を検出する。イグニッションセンサ52および車輪速センサ54はECU100Aに接続されており、各々の検出結果はECU100Aに出力される。
【0041】
油圧制御アクチュエータ60は増圧用リニアバルブ56および減圧用リニアバルブ58を有する。増圧用リニアバルブ56および減圧用リニアバルブ58は、1つの車輪に対応する1つのディスクブレーキ機構10にそれぞれ1つずつ設けられる。
【0042】
ECU100Aは、グリース量判定部102、パッド温度推定部104、表示制御部106、およびブレーキ制御部108を有する。グリース量判定部102は、電気抵抗検出装置48によって検出されたパッド裏金30とパッドシム18との間の電気抵抗値を利用して、グリース20の量が充分か否かを判定する。パッド温度推定部104は、電気抵抗検出装置48によって検出されたパッド裏金30とパッドシム18との間の電気抵抗値を利用して、ブレーキパッド16の温度を推定する。表示制御部106は、ディスプレイ50に表示させるための表示データを生成する。ブレーキ制御部108は、増圧用リニアバルブ56および減圧用リニアバルブ58に供給する電力を制御することによって、増圧用リニアバルブ56および減圧用リニアバルブ58の作動を制御し、ディスクブレーキ機構10によって車輪に与える制動力を制御する。
【0043】
図4は、第1の実施形態に係るブレーキ異常検出システム200Aの動作手順を示すフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、イグニッションセンサ52によりイグニッションスイッチがオンにされたときに開始し、その後所定時間毎に繰り返し実行される。
【0044】
たとえば車両走行後などは、ブレーキパッド16の温度が高くなっている可能性が高い。グリース20の量の判定の精度を高めるためには、略常温においてグリース20の量の判定を実施することが好ましい。ここで車両が所定時間停車していればブレーキパッド16が略常温になったとみなすことができると考えられることから、グリース量判定部102は、車輪速センサ54の検出結果を利用して、車両が所定時間停車したか否かを判定する(S11)。
【0045】
具体的には、ECU100Aには、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)またはフラッシュメモリなどイグニッションスイッチがオフにされても記憶内容を保持する記憶装置(図示せず)が接続されている。また、ECU100Aはタイマ(図示せず)を有する。ECU100Aは、車輪速センサ54の検出結果からいずれの車輪の車輪速もゼロとなった場合に車両が停車したと判定し、その停車時刻を示す情報を記憶装置に格納すると共に停車時刻から経過した時間を計測する。したがって、車輪速センサ54は、車両の停車を検出する停車検出手段として機能する。所定時間車両が停車していないと判定された場合(S11のN)、S15の処理に移行する。
【0046】
なお、たとえば車両が停車した直後にイグニッションスイッチがオフにされた場合、グリース量判定部102は再びイグニッションスイッチがオンにされるまで本フローチャートにおける処理を中断する。再びイグニッションスイッチがオンにされると、グリース量判定部102は、記憶装置に格納された停車時刻を参照し、現在時刻までに経過した時間を算出することによって車両の停車時間を算出する。このように途中でイグニッションスイッチがオフにされた場合においても、グリース量判定部102は、車両が所定時間停車したか否かを判定する。
【0047】
所定時間車両が停車していると判定した場合(S11のY)、ディスクブレーキ機構10が略常温になったとみなし、グリース量判定部102は、検出された電気抵抗値Rgが閾値電気抵抗値Rthより小さいか否かを判定する(S12)。検出された電気抵抗値Rgが閾値電気抵抗値Rthより小さいと判定された場合(S12のY)、パッド裏金30とパッドシム18との間のグリース20の量がメンテナンスを要する程度まで減少したと考えられる。このため表示制御部106は、ディスクブレーキ機構10のメンテナンスを実施することが望ましい旨、またはグリース20の量がメンテナンスを要する程度まで減少した旨をディスプレイ50に表示する表示データを生成し、ディスプレイ50のその旨を表示させる(S13)。したがって、ディスプレイ50はグリース20が減少した旨を乗員に報知する報知手段として機能する。
【0048】
また、グリース20が減少した場合の報知手段として、ディスプレイ50の代わりに警告灯などが用いられてもよく、またスピーカから警告音や警告メッセージを出力してもよいことも勿論である。この場合、表示制御部106は、検出された電気抵抗値Rgが閾値電気抵抗値Rthより小さいと判定された場合に警告灯を点灯し、またはスピーカから警告音や警告メッセージを出力してグリース20の量がメンテナンスを要する程度まで減少したことを車両の乗員に報知する。
【0049】
検出された電気抵抗値Rgが閾値電気抵抗値Rth以上と判定された場合(S12のN)、グリース20の量はメンテナンスを要する程度まで減少していないため、グリース量判定部102は、S13の処理をスキップする。検出された電気抵抗値Rgが閾値電気抵抗値Rthより小さいか否かにかかわらず、車両が所定時間停車した場合には、グリース量判定部102は、検出された電気抵抗値Rgを前述の記憶装置に格納する(S14)。
【0050】
パッド温度推定部104は、格納された電気抵抗値Rgを参照し、現在のグリース量を推定する(S15)。パッド温度推定部104は、推定されたグリース量を利用してブレーキパッド温度Tpを推定する(S16)。
【0051】
具体的には、ECU100AのROMには電気抵抗値とブレーキパッド温度Tpとの対応関係を示すマップが格納されている。このマップは、グリースの推定量に応じて複数用意されている。パッド温度推定部104は、推定されたグリース量に応じたマップを参照し、その時に検出された電気抵抗値Rgに対応するブレーキパッド温度Tpを、ブレーキパッド16の現在の温度として推定する。このようにグリース量を考慮してブレーキパッド温度Tpを推定することにより、精度良くブレーキパッド温度Tpを推定することが可能となる。
【0052】
パッド温度推定部104は、こうして推定したブレーキパッド温度Tpが閾値温度Tthより高いか否かを判定する(S17)。ブレーキパッド温度Tpが閾値温度Tthより高いと判定された場合(S17のY)、ブレーキ制御部108は、ブレーキパッド温度Tpに応じたブレーキ制御を実施する(S18)。
【0053】
具体的には、ブレーキ制御部108は、増圧用リニアバルブ56または減圧用リニアバルブ58に供給する電流を制御することによって、ディスクロータの摩擦摺動面へのブレーキパッド16の押接力を制御し、ブレーキパッド温度Tpに応じた制動力を車輪に与える。ブレーキパッド温度Tpが閾値温度Tth以下と判定された場合(S17のN)、ブレーキパッド温度Tpを考慮してブレーキ制御を実施する程度にまでブレーキパッド温度Tpが高くなっていないことから、ブレーキ制御部108はS18の処理をスキップする。ブレーキパッド温度Tpに応じたブレーキ制御が実施されると、本フローチャートにおける処理を終了する。
【0054】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係るブレーキ異常検出システム200Bにおける、パッド裏金30およびパッドシム18へのワイヤの接続態様を示す図である。なお、ブレーキパッド16およびパッドシム18が設けられているディスクブレーキ機構10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、第1の実施形態と同様の箇所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】
ブレーキ異常検出システム200Bは、ブレーキパッド16、パッドシム18、ECU100B、ディスプレイ50、および第1ワイヤ70乃至第4ワイヤ76を備える。パッドシム18の4つの辺から成る外周部のうち、1つの辺の外周部において所定の間隔をあけて第1ワイヤ70および第2ワイヤ72の一端がそれぞれ接続される。また、パッド裏金30の4つの辺から成る外周部のうち、1つの辺の外周部において所定の間隔をあけて第3ワイヤ74および第4ワイヤ76の一端がそれぞれ接続される。このときパッド裏金30は、パッドシム18の第1ワイヤ70との接続箇所に近接する箇所に第3ワイヤ74が接続され、パッドシム18の第2ワイヤ72との接続箇所に近接する箇所に第4ワイヤ76が接続される。
【0056】
第1ワイヤ70、第2ワイヤ72、第3ワイヤ74、および第4ワイヤ76の他端はそれぞれECU100Bに接続される。ECU100Bは、第1ワイヤ70と第3ワイヤ74に適当な検査電流を供給することにより、第1ワイヤ70と第3ワイヤ74との間の通電を検出する。ECU100Bは、同様に第2ワイヤ72と第4ワイヤ76に適当な検査電流を供給することにより、第2ワイヤ72と第4ワイヤ76との間の通電を検出する。したがって、ECU100Bは、パッド裏金30と、パッド裏金とパッドシム18との間の通電を検出する通電検出手段として機能する。ディスプレイ50はECU100Bに接続されている。このように複数の箇所の通電を検出することにより、パッドシム18の脱落を精度良く判定することが可能となる。
【0057】
図6は、第2の実施形態に係るブレーキ異常検出システム200Bの機能ブロック図である。なお、図6においてECU100Bは、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMなどのハードウェア、およびソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックが描かれている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェアおよびソフトウェアの組合せによって様々な形で実現することができる。
【0058】
ブレーキ異常検出システム200Bはイグニッションセンサ52も有する。イグニッションセンサ52はECU100Bに接続されており、イグニッションセンサ52の検出結果はECU100Bに出力される。ECU100Bはシム脱落判定部110および表示制御部106を有する。シム脱落判定部110は、パッド裏金30とパッドシム18との通電を検出することによりパッドシム18への通電状況を判定し、判定されたパッドシム18への通電状況を利用してパッドシム18が脱落したか否かを判定する。
【0059】
図7は、第2の実施形態に係るブレーキ異常検出システム200Bの動作手順を示すフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、イグニッションセンサ52によりイグニッションスイッチがオンにされたときに開始し、その後所定時間毎に繰り返し実行される。
【0060】
まずシム脱落判定部110は、パッドシム18に正常に通電しているかか否かを判定する(S21)。具体的には、シム脱落判定部110は、第1ワイヤ70と第3ワイヤ74との間、および第2ワイヤ72と第4ワイヤ76との間の双方において通電しなくなった場合、パッドシム18に正常に通電していないと判定し、それ以外の場合はパッドシム18に正常に通電していると判定する。なお、シム脱落判定部110は、第1ワイヤ70と第3ワイヤ74との間、および第2ワイヤ72と第4ワイヤ76との間のいずれか一方が通電しなくなった場合、パッドシム18に正常に通電していないと判定してもよい。
【0061】
パッドシム18に正常に通電していると判定された場合(S21のY)、パッドシム18は脱落していないと考えられることから、本フローチャートにおける処理を終了する。パッドシム18に正常に通電していないと判定された場合(S21のN)、表示制御部106は、ディスクブレーキ機構10のメンテナンスを実施することが望ましい旨、またはパッドシム18が脱落した可能性がある旨をディスプレイ50に表示する表示データを生成し、ディスプレイ50のその旨を表示させる(S22)。したがって、表示制御部106およびディスプレイ50は、パッドシム18が脱落した可能性がある旨を乗員に報知する報知手段として機能する。
【0062】
また、パッドシム18が脱落した可能性がある場合の報知手段として、ディスプレイ50の代わりに警告灯などが用いられてもよく、またスピーカから警告音や警告メッセージを出力してもよいことも勿論である。この場合、表示制御部106は、パッドシム18に正常に通電していないと判定された場合に警告灯を点灯し、またはスピーカから警告音や警告メッセージを出力してパッドシム18が脱落した可能性があることを車両の乗員に報知する。
【0063】
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。以下、そうした例をあげる。
【0064】
第1の実施形態におけるある変形例では、車両は、ブレーキパッドをディスクロータの摩擦摺動面へ押接させて車輪に制動力を与える機械式ブレーキと、回生制動力を利用して車輪に制動力を与える回生ブレーキとの双方を各々の車輪に対応して備える。ブレーキ制御部108は、検出されたブレーキパッド温度Tpに応じて、機械式ブレーキによって車輪に与える制動力と、回生ブレーキによって車輪に与える制動力との割合を制御する協調制御を実施する。
【0065】
ブレーキパッドの温度およびブレーキパッドの押接力に応じてブレーキ鳴きの発生しやすさは変化する。しかし、ブレーキ鳴きを抑制するためにブレーキパッドの押接力を低減したり増加させるだけでは、ディスクブレーキ機構10によって車輪に与えられる制動力が不安定なものとなる。このように機械式ブレーキと回生ブレーキの双方が各々の車輪に対応して設けられている場合、たとえばブレーキ鳴きを抑制するために機械式ブレーキにおいてブレーキパッド16の押接力を低減させた場合に、それによって低下する制動力を補填すべく回生ブレーキによって車輪に与える制動力を増加させるなど、ブレーキ鳴きを抑制しながら車輪に与える制動力を不安定にすることを抑制することができる。
【0066】
第1の実施形態における別の変形例では、パッドシム18も、温度に応じて電導性が変化する材料によって形成される。これによって、たとえばグリースの量が減少した場合においてもブレーキパッド温度を検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】第1の実施形態に係るディスクブレーキ機構における、キャリパユニット周辺の断面図である。
【図2】第1の実施形態に係るブレーキ異常検出システムにおける、パッド裏金およびパッドシムへのワイヤの接続態様を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係るブレーキ異常検出システムの機能ブロック図である。
【図4】第1の実施形態に係るブレーキ異常検出システムの動作手順を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係るブレーキ異常検出システムにおける、パッド裏金およびパッドシムへのワイヤの接続態様を示す図である。
【図6】第2の実施形態に係るブレーキ異常検出システムの機能ブロック図である。
【図7】第2の実施形態に係るブレーキ異常検出システムの動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
10 ディスクブレーキ機構、 16 ブレーキパッド、 18 パッドシム、 20 グリース、 28 摩擦部材、 30 パッド裏金、 48 電気抵抗検出装置、 50 ディスプレイ、 100A及び100B ECU、 102 グリース量判定部、 104 パッド温度推定部、 108 ブレーキ制御部、 110 シム脱落判定部、 200A及び200B ブレーキ異常検出システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のブレーキに設けられるブレーキパッドのパッド裏金と、前記パッド裏金とグリースを介して近接して設けられるパッドシムとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段と、
前記検出された電気抵抗値を利用して前記グリースの量が充分か否かを判定するグリース量判定手段と、
前記グリースの量が充分でないと判定された場合、前記車両の乗員にその旨を報知する報知手段と、
を備えることを特徴とするブレーキ異常検出システム。
【請求項2】
前記車両の停車を検出する停車検出手段をさらに備え、
前記グリース量判定手段は、前記車両の所定時間を越える停車が検出された場合に、前記グリースの量が充分か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ異常検出システム。
【請求項3】
車両のブレーキに設けられるブレーキパッドのパッド裏金と、前記パッド裏金とグリースを介して近接して設けられるパッドシムとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段と、
前記検出された電気抵抗値を利用してブレーキパッドの温度を推定するパッド温度推定手段と、
を備えることを特徴とするブレーキ温度検出システム。
【請求項4】
車両の停車を検出する停車検出手段をさらに備え、
前記パッド温度推定手段は、前記車両の所定時間を越える停車が検出された場合に検出された前記パッド裏金と前記パッドシムとの間の電気抵抗値を利用して前記グリースの量を推定し、前記推定されたグリースの量を利用してブレーキパッドの温度を推定することを特徴とする請求項3に記載のブレーキ温度検出システム。
【請求項5】
車両のブレーキに設けられるブレーキパッドのパッド裏金と、前記パッド裏金とグリースを介して近接して設けられるパッドシムとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段と、
前記検出された電気抵抗値を利用してブレーキパッドの温度を推定するパッド温度推定手段と、
推定されたブレーキパッドの温度に応じてディスクロータの摩擦摺動面へのブレーキパッドの押接力を制御するブレーキ制御手段と、
を備えることを特徴とするブレーキ制御システム。
【請求項6】
前記車両は、前記ブレーキパッドをディスクロータの摩擦摺動面へ押接させて車輪に制動力を与える機械式ブレーキと、回生制動力を利用して車輪に制動力を与える回生ブレーキとを有し、
前記ブレーキ制御手段は、推定されたブレーキパッドの温度に応じて、前記機械式ブレーキによって車輪に与える制動力と、前記回生ブレーキによって車輪に与える制動力との割合を制御する協調制御を実施することを特徴とする請求項5に記載のブレーキ制御システム。
【請求項7】
車両のブレーキに設けられるブレーキパッドのパッド裏金と、前記パッド裏金と近接して設けられるパッドシムとの間の通電を検出する通電検出手段と、
前記パッド裏金パッドシムとの間の通電が検出されるか否かに基づいて前記パッドシムが所定の位置から脱落したか否かを判定するシム脱落判定手段と、
前記パッドシムが所定の位置から脱落したと判定された場合、前記車両の乗員にその旨を報知する報知手段と、
を備えることを特徴とするブレーキ異常検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−56185(P2008−56185A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−238341(P2006−238341)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】