ブロック状造形物の製造法及びブロック状造形物
【課題】 工場内でマニュアルに従って、作業者の技量に影響を受けることなく、品質の安定したブロック状造形物を、簡単、低コストで製造できるようにする。また工場内で製造したブロック状造形物を、現場に運んで固定するだけで済むようにして、この種の造形物の施工の簡単化、迅速化、低コスト化を図る。
【解決手段】 ブロック状造形物1を成形するための型2を作る。この型2を複数に分割して各型2の内面にモルタル3を塗布する。このモルタル3に絡ませて補強材を各型2の内側に設ける。次に各型2を接合して型2を復元し、この型2の内部に発泡樹脂材4を注入して充填する。発泡樹脂材4の硬化後に型2から成形品10を取り外し、その後、成形品10の表面を化粧仕上げする。
【解決手段】 ブロック状造形物1を成形するための型2を作る。この型2を複数に分割して各型2の内面にモルタル3を塗布する。このモルタル3に絡ませて補強材を各型2の内側に設ける。次に各型2を接合して型2を復元し、この型2の内部に発泡樹脂材4を注入して充填する。発泡樹脂材4の硬化後に型2から成形品10を取り外し、その後、成形品10の表面を化粧仕上げする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば門柱、塀、水栓取付用ポール、照明器具取付用ポールなど、屋外や屋内に設置するブロック状造形物の製造法に関し、更に詳しくはブロック状造形物の製造法及びこの製造法で製造したブロック状造形物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の製造法としては、例えば短柱状のピースの表面にレンガ状部材を露出させ、この短柱状のピースを積み上げて門柱を施工しているものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ところで従来、例えば門柱を施工する場合は、現場に型枠を設置してコンクリートを打設し、その硬化後にコンクリートの表面を化粧仕上げしたり、或いは上例のようなレンガ状のピースを現場で積み重ね、内部に配筋したり、モルタル等を流し込んで施工するのが通例である。
従って従来は、型枠の設置工事や、コンクリート等の乾燥に時間がかかり、現場でほぼ全ての作業を行なうものであったから、天候に左右され、施工に時間がかかって工事を短期間で予定通りに完了することができない、という問題があった。
また従来は、型枠工事や、ピースの積み方等に熟練が必要であったから、作業者の技量によって出来栄えに差が生じる、という問題があった。
【特許文献1】特開2002−174086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような従来の実情に鑑み、提案されたものである。
従って本発明の解決しようとする技術的課題は、工場内でマニュアルに従って、作業者の技量に影響を受けることなく、品質の安定したブロック状造形物を、簡単、低コストで製造できるようにすることにある。
また工場内で製造したブロック状造形物を、現場に運んで固定するだけで済むようにして、この種の造形物の施工の簡単化、迅速化、低コスト化を図ることにある。
また一定品質で安価な、また現場で固定するだけの簡単な作業で、迅速且つ低コストで施工できる、水栓ポールや照明灯、或いは郵便受け機能を有する門柱等の造形物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するため、次のような技術的手段を採る。
即ち本発明は、図1、図10等に示されるように、ブロック状造形物1を成形するための型2を作り、この型2を複数に分割して各型2の内面にモルタル3を塗布し、このモルタル3に絡ませて補強材を各型2の内側に設け、次に各型2を接合して型2を復元し、この型2の内部に発泡樹脂材4を注入して充填し、発泡樹脂材4の硬化後に型2から成形品10を取り外し、その後、成形品10の表面を化粧仕上げすることを特徴とする(請求項1)。
【0006】
ここで、ブロック状造形物1としては、例えば門柱、塀、水栓取付用ポール、照明器具取付用ポール、植木鉢の載置台、置石状の造形物1など、屋外、屋内に設置する各種の物品がある。ブロック状造形物1を成形するための型2は、通常、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)等の樹脂材で形成されるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、その他、例えば木や金属の板などで形成されるのでも良い。補強材としては、型2のコーナーに配置する断面鉤形の金属製のアングル材5や、モルタル3の表面に、面的に配置する金網7がある。アングル材5によると、コーナーの強度を高めた造形物1を製造でき、金網7によると各面の強度を高めた造形物1を製造できる。アングル材5と金網7は、その両方を型2の内部に設けるのでも良く、その場合はコーナーと面の両方の強度を高めることができる。
【0007】
而して本発明の場合は、発泡樹脂材4を注入する前に、型2の中に、発泡樹脂材4との親和性がある芯材9を仕込むのが好ましい(請求項2)。
なぜならこれによると、芯材9によって発泡樹脂材4の注入スペースを小さくでき、発泡樹脂材4の使用量を減らすことができるからである。ここで、発泡樹脂材4との親和性がある芯材9とは、発泡樹脂材4と密着し、一体化する部材を意味し、具体的には発泡スチロール等の板やブロックがある。
【0008】
また本発明は、発泡樹脂材4を注入する前に、型2の内部に、水道管8、又は電線の挿通管を配管するのが好ましい(請求項3)。
なぜならこれによると、製造したブロック状造形物1の上部や側面等に、蛇口11、又は照明器具その他の電気器具を取り付けることができ、付加価値を高めることができるからである。水道管8等の配管は、発泡樹脂材4を注入する前であれば、分割した各型2を接合する前でも、後でも良い。
【0009】
また本発明は、発泡樹脂材4を注入する前に、型2の内部に、郵便受け12を配置するのでも良い(請求項4)。
なぜならこれによると、製造したブロック状造形物1の側面等に、郵便受け12に連通する郵便物の投入口13を、また背面等に郵便物の取り出し口14を形成することができ、付加価値を高めることができるからである。この郵便受け12の配置は、水道管8等の配管作業の場合と同様、発泡樹脂材4を注入する前であれば、分割した各型2を接合する前でも、後でも良い。
【0010】
また本発明の製造法で製造したブロック状造形物1としては、請求項3記載の製造法で製造したブロック状造形物1であって、水道管8、又は電線の挿通管の引き出し端に、蛇口11、又は照明器具その他の電気器具が取り付けられていることを特徴とするものがある(請求項5)。
ここで、照明器具その他の電気器具としては、例えば監視カメラ、インターホン、呼び鈴などがある。
【0011】
また他のブロック状造形物1としては、請求項4記載の製造法で製造したブロック状造形物1であって、郵便受け12に連通して郵便物の投入口13と、郵便物の取り出し口14とが形成されていることを特徴とするものがある(請求項6)。
この場合、郵便物の投入口13や取り出し口14の形状、構造、形成位置等は、任意である。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、このようにブロック状造形物を成形するための型を作り、この型を複数に分割して各型の内面にモルタルを塗布し、このモルタルに絡ませて補強材を各型の内側に設け、次に各型を接合して型を復元し、この型の内部に発泡樹脂材を注入して充填し、発泡樹脂材の硬化後に型から成形品を取り外し、その後、成形品の表面を化粧仕上げするものである。
従って本発明によれば、工場内でマニュアルに従って、作業者の技量に影響を受けることなく、品質の安定したブロック状造形物を、簡単、低コストで製造できる。またこれによると、工場内で製造したブロック状造形物を、現場に運んで固定するだけで済むことになるから、この種の造形物の施工の簡単化、迅速化、低コスト化に寄与できる。
また本発明法で製造した請求項5及び6に係る造形物によれば、一定品質で安価な水栓ポールや照明灯、或いは郵便受け機能を有する門柱等の造形物を、現場で固定するだけの簡単な作業で、迅速且つ低コストで施工できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明は、図2に示されるように、先ずブロック状造形物1(図10等参照)を成形するための型2を作り、この型2を複数に分割する。この実施形態の場合、型2は、上面開口状の箱形に、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)で作られ、真中から縦に二つ割りしている。
【0014】
次に作業者は、図3に示されるように、各型2の内面にモルタル3を塗布する。この場合、作業者は、モルタル3の表面を、後述する発泡樹脂材4との密着性が良くなるよう、凸凹状に塗るのが良い。そして作業者は、補強材としての断面鉤形のアングル材5をコーナーに縦向きに配置し、モルタル3で塗り込み埋設する。
【0015】
次に作業者は、二つ割した各型2を、その内面を向かい合わせて接合し、接合部に外側から粘着テープ6を貼り、型2を復元する(図4参照)。そして作業者は、この型2の内側に、補強材としての金網又はガラス繊維製ネット7をモルタル3に絡ませて固定する。補強材として金網7を使用するときは、金網7を波板状に成形し、モルタル3の表面に食い込ませて設置するのが良い。なぜならこの場合は、金網7の目の中にモルタル3が食い込み、両者の結合度が高まって強度を一層向上できるからである。また作業者は、型2の内部に、例えば水道管8として機能する樹脂パイプを縦向きに配管する。
【0016】
次に作業者は、図5に示されるように、型2の内部に、発泡樹脂材4としての、例えばウレタン樹脂の溶液を注入して充填する。注入した発泡樹脂材4は、図6に示されるように、型2内で徐々に膨張する。この場合、作業者は、発泡樹脂材4の注入量を減らすことができるよう、発泡樹脂材4を型2内に注入する前に、型2の中に、発泡樹脂材4との親和性がある、例えば発泡スチロール製のブロック状の芯材9を仕込んで置くのが良い。
【0017】
そして作業者は、注入した発泡樹脂材4が硬化したら、型2の上面から食み出ている発泡樹脂材4等を切断して露出面を面一にし、次にこの露出面を下にして、図8に示されるように、型2を割って型2から成形品10を取り出す。そして作業者は、図10に示されるように、離型した成形品10の表面を、例えばモルタル3でレンガ状に塗ったり、着色したり、或いはタイル等を貼って化粧仕上げする。また作業者は、水道管8の引き出し端に、蛇口11を連結する。これにより、蛇口11の取り付けられたブロック状造形物1としての門柱が完成する。この門柱の製造は、工場内で行う。そして施工する場合は、現場に運び、現場の上水配管と接続し、地面にコンクリート等で固定する。
【0018】
以上の処において、本発明は、ブロック状造形物1の種類は任意である。図11に示される実施形態は、本発明法で製造した、郵便受け12を備えた門柱の例である。
この郵便受け12を備えたブロック状造形物1を製造する場合は、作業者は、上例の工程において、水道管8に代え、郵便受け12を型2の中に配置する。その他の工程は、上例と同様であるため、詳しい説明は省略する。
そして作業者は、離型後、表面を化粧仕上げすると共に、郵便受け12と連通するよう、例えば側面の上部に郵便物の投入口13を形成し、また例えば背面に郵便物の取り出し口14を形成する。現場に設置する場合は、上例と同様、このブロック状造形物1を現場に運び、コンクリート等で固定する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の製造法の好適な一実施形態を示す流れ図である。
【図2】同上製造法を説明するための要部斜視図である。
【図3】同上製造法を説明するための要部斜視図である。
【図4】同上製造法を説明するための要部斜視図である。
【図5】同上製造法を説明するための要部斜視図である。
【図6】同上製造法を説明するための要部斜視図である。
【図7】同上製造法を説明するための要部斜視図である。
【図8】同上製造法を説明するための要部斜視図である。
【図9】同上製造法を説明するための要部斜視図である。
【図10】同上製造法で製造したブロック状造形物の斜視図である。
【図11】同上製造法で製造した他のブロック状造形物の斜視図である。
【符号の説明】
【0020】
1 ブロック状造形物
2 型
3 モルタル
4 発泡樹脂材
5 補強材としてのアングル材
6 粘着テープ
7 補強材としての金網又はガラス繊維製ネット
8 水道管
9 芯材
10 成形品
11 蛇口
12 郵便受け
13 投入口
14 取り出し口
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば門柱、塀、水栓取付用ポール、照明器具取付用ポールなど、屋外や屋内に設置するブロック状造形物の製造法に関し、更に詳しくはブロック状造形物の製造法及びこの製造法で製造したブロック状造形物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の製造法としては、例えば短柱状のピースの表面にレンガ状部材を露出させ、この短柱状のピースを積み上げて門柱を施工しているものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ところで従来、例えば門柱を施工する場合は、現場に型枠を設置してコンクリートを打設し、その硬化後にコンクリートの表面を化粧仕上げしたり、或いは上例のようなレンガ状のピースを現場で積み重ね、内部に配筋したり、モルタル等を流し込んで施工するのが通例である。
従って従来は、型枠の設置工事や、コンクリート等の乾燥に時間がかかり、現場でほぼ全ての作業を行なうものであったから、天候に左右され、施工に時間がかかって工事を短期間で予定通りに完了することができない、という問題があった。
また従来は、型枠工事や、ピースの積み方等に熟練が必要であったから、作業者の技量によって出来栄えに差が生じる、という問題があった。
【特許文献1】特開2002−174086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような従来の実情に鑑み、提案されたものである。
従って本発明の解決しようとする技術的課題は、工場内でマニュアルに従って、作業者の技量に影響を受けることなく、品質の安定したブロック状造形物を、簡単、低コストで製造できるようにすることにある。
また工場内で製造したブロック状造形物を、現場に運んで固定するだけで済むようにして、この種の造形物の施工の簡単化、迅速化、低コスト化を図ることにある。
また一定品質で安価な、また現場で固定するだけの簡単な作業で、迅速且つ低コストで施工できる、水栓ポールや照明灯、或いは郵便受け機能を有する門柱等の造形物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するため、次のような技術的手段を採る。
即ち本発明は、図1、図10等に示されるように、ブロック状造形物1を成形するための型2を作り、この型2を複数に分割して各型2の内面にモルタル3を塗布し、このモルタル3に絡ませて補強材を各型2の内側に設け、次に各型2を接合して型2を復元し、この型2の内部に発泡樹脂材4を注入して充填し、発泡樹脂材4の硬化後に型2から成形品10を取り外し、その後、成形品10の表面を化粧仕上げすることを特徴とする(請求項1)。
【0006】
ここで、ブロック状造形物1としては、例えば門柱、塀、水栓取付用ポール、照明器具取付用ポール、植木鉢の載置台、置石状の造形物1など、屋外、屋内に設置する各種の物品がある。ブロック状造形物1を成形するための型2は、通常、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)等の樹脂材で形成されるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、その他、例えば木や金属の板などで形成されるのでも良い。補強材としては、型2のコーナーに配置する断面鉤形の金属製のアングル材5や、モルタル3の表面に、面的に配置する金網7がある。アングル材5によると、コーナーの強度を高めた造形物1を製造でき、金網7によると各面の強度を高めた造形物1を製造できる。アングル材5と金網7は、その両方を型2の内部に設けるのでも良く、その場合はコーナーと面の両方の強度を高めることができる。
【0007】
而して本発明の場合は、発泡樹脂材4を注入する前に、型2の中に、発泡樹脂材4との親和性がある芯材9を仕込むのが好ましい(請求項2)。
なぜならこれによると、芯材9によって発泡樹脂材4の注入スペースを小さくでき、発泡樹脂材4の使用量を減らすことができるからである。ここで、発泡樹脂材4との親和性がある芯材9とは、発泡樹脂材4と密着し、一体化する部材を意味し、具体的には発泡スチロール等の板やブロックがある。
【0008】
また本発明は、発泡樹脂材4を注入する前に、型2の内部に、水道管8、又は電線の挿通管を配管するのが好ましい(請求項3)。
なぜならこれによると、製造したブロック状造形物1の上部や側面等に、蛇口11、又は照明器具その他の電気器具を取り付けることができ、付加価値を高めることができるからである。水道管8等の配管は、発泡樹脂材4を注入する前であれば、分割した各型2を接合する前でも、後でも良い。
【0009】
また本発明は、発泡樹脂材4を注入する前に、型2の内部に、郵便受け12を配置するのでも良い(請求項4)。
なぜならこれによると、製造したブロック状造形物1の側面等に、郵便受け12に連通する郵便物の投入口13を、また背面等に郵便物の取り出し口14を形成することができ、付加価値を高めることができるからである。この郵便受け12の配置は、水道管8等の配管作業の場合と同様、発泡樹脂材4を注入する前であれば、分割した各型2を接合する前でも、後でも良い。
【0010】
また本発明の製造法で製造したブロック状造形物1としては、請求項3記載の製造法で製造したブロック状造形物1であって、水道管8、又は電線の挿通管の引き出し端に、蛇口11、又は照明器具その他の電気器具が取り付けられていることを特徴とするものがある(請求項5)。
ここで、照明器具その他の電気器具としては、例えば監視カメラ、インターホン、呼び鈴などがある。
【0011】
また他のブロック状造形物1としては、請求項4記載の製造法で製造したブロック状造形物1であって、郵便受け12に連通して郵便物の投入口13と、郵便物の取り出し口14とが形成されていることを特徴とするものがある(請求項6)。
この場合、郵便物の投入口13や取り出し口14の形状、構造、形成位置等は、任意である。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、このようにブロック状造形物を成形するための型を作り、この型を複数に分割して各型の内面にモルタルを塗布し、このモルタルに絡ませて補強材を各型の内側に設け、次に各型を接合して型を復元し、この型の内部に発泡樹脂材を注入して充填し、発泡樹脂材の硬化後に型から成形品を取り外し、その後、成形品の表面を化粧仕上げするものである。
従って本発明によれば、工場内でマニュアルに従って、作業者の技量に影響を受けることなく、品質の安定したブロック状造形物を、簡単、低コストで製造できる。またこれによると、工場内で製造したブロック状造形物を、現場に運んで固定するだけで済むことになるから、この種の造形物の施工の簡単化、迅速化、低コスト化に寄与できる。
また本発明法で製造した請求項5及び6に係る造形物によれば、一定品質で安価な水栓ポールや照明灯、或いは郵便受け機能を有する門柱等の造形物を、現場で固定するだけの簡単な作業で、迅速且つ低コストで施工できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明は、図2に示されるように、先ずブロック状造形物1(図10等参照)を成形するための型2を作り、この型2を複数に分割する。この実施形態の場合、型2は、上面開口状の箱形に、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)で作られ、真中から縦に二つ割りしている。
【0014】
次に作業者は、図3に示されるように、各型2の内面にモルタル3を塗布する。この場合、作業者は、モルタル3の表面を、後述する発泡樹脂材4との密着性が良くなるよう、凸凹状に塗るのが良い。そして作業者は、補強材としての断面鉤形のアングル材5をコーナーに縦向きに配置し、モルタル3で塗り込み埋設する。
【0015】
次に作業者は、二つ割した各型2を、その内面を向かい合わせて接合し、接合部に外側から粘着テープ6を貼り、型2を復元する(図4参照)。そして作業者は、この型2の内側に、補強材としての金網又はガラス繊維製ネット7をモルタル3に絡ませて固定する。補強材として金網7を使用するときは、金網7を波板状に成形し、モルタル3の表面に食い込ませて設置するのが良い。なぜならこの場合は、金網7の目の中にモルタル3が食い込み、両者の結合度が高まって強度を一層向上できるからである。また作業者は、型2の内部に、例えば水道管8として機能する樹脂パイプを縦向きに配管する。
【0016】
次に作業者は、図5に示されるように、型2の内部に、発泡樹脂材4としての、例えばウレタン樹脂の溶液を注入して充填する。注入した発泡樹脂材4は、図6に示されるように、型2内で徐々に膨張する。この場合、作業者は、発泡樹脂材4の注入量を減らすことができるよう、発泡樹脂材4を型2内に注入する前に、型2の中に、発泡樹脂材4との親和性がある、例えば発泡スチロール製のブロック状の芯材9を仕込んで置くのが良い。
【0017】
そして作業者は、注入した発泡樹脂材4が硬化したら、型2の上面から食み出ている発泡樹脂材4等を切断して露出面を面一にし、次にこの露出面を下にして、図8に示されるように、型2を割って型2から成形品10を取り出す。そして作業者は、図10に示されるように、離型した成形品10の表面を、例えばモルタル3でレンガ状に塗ったり、着色したり、或いはタイル等を貼って化粧仕上げする。また作業者は、水道管8の引き出し端に、蛇口11を連結する。これにより、蛇口11の取り付けられたブロック状造形物1としての門柱が完成する。この門柱の製造は、工場内で行う。そして施工する場合は、現場に運び、現場の上水配管と接続し、地面にコンクリート等で固定する。
【0018】
以上の処において、本発明は、ブロック状造形物1の種類は任意である。図11に示される実施形態は、本発明法で製造した、郵便受け12を備えた門柱の例である。
この郵便受け12を備えたブロック状造形物1を製造する場合は、作業者は、上例の工程において、水道管8に代え、郵便受け12を型2の中に配置する。その他の工程は、上例と同様であるため、詳しい説明は省略する。
そして作業者は、離型後、表面を化粧仕上げすると共に、郵便受け12と連通するよう、例えば側面の上部に郵便物の投入口13を形成し、また例えば背面に郵便物の取り出し口14を形成する。現場に設置する場合は、上例と同様、このブロック状造形物1を現場に運び、コンクリート等で固定する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の製造法の好適な一実施形態を示す流れ図である。
【図2】同上製造法を説明するための要部斜視図である。
【図3】同上製造法を説明するための要部斜視図である。
【図4】同上製造法を説明するための要部斜視図である。
【図5】同上製造法を説明するための要部斜視図である。
【図6】同上製造法を説明するための要部斜視図である。
【図7】同上製造法を説明するための要部斜視図である。
【図8】同上製造法を説明するための要部斜視図である。
【図9】同上製造法を説明するための要部斜視図である。
【図10】同上製造法で製造したブロック状造形物の斜視図である。
【図11】同上製造法で製造した他のブロック状造形物の斜視図である。
【符号の説明】
【0020】
1 ブロック状造形物
2 型
3 モルタル
4 発泡樹脂材
5 補強材としてのアングル材
6 粘着テープ
7 補強材としての金網又はガラス繊維製ネット
8 水道管
9 芯材
10 成形品
11 蛇口
12 郵便受け
13 投入口
14 取り出し口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロック状造形物を成形するための型を作り、この型を複数に分割して各型の内面にモルタルを塗布し、このモルタルに絡ませて補強材を各型の内側に設け、次に各型を接合して型を復元し、この型の内部に発泡樹脂材を注入して充填し、発泡樹脂材の硬化後に型から成形品を取り外し、その後、成形品の表面を化粧仕上げすることを特徴とするブロック状造形物の製造法。
【請求項2】
請求項1記載の製造法であって、発泡樹脂材を注入する前に、型の中に、発泡樹脂材との親和性がある芯材を仕込むことを特徴とするブロック状造形物の製造法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の製造法であって、発泡樹脂材を注入する前に、型の内部に、水道管、又は電線の挿通管を配管することを特徴とするブロック状造形物の製造法。
【請求項4】
請求項1又は2記載の製造法であって、発泡樹脂材を注入する前に、型の内部に、郵便受けを配置することを特徴とするブロック状造形物の製造法。
【請求項5】
請求項3記載の製造法で製造されたブロック状造形物であって、水道管、又は電線の挿通管の引き出し端に、蛇口、又は照明器具その他の電気器具が取り付けられていることを特徴とするブロック状造形物。
【請求項6】
請求項4記載の製造法で製造されたブロック状造形物であって、郵便受けに連通して郵便物の投入口と、郵便物の取り出し口とが形成されていることを特徴とするブロック状造形物。
【請求項1】
ブロック状造形物を成形するための型を作り、この型を複数に分割して各型の内面にモルタルを塗布し、このモルタルに絡ませて補強材を各型の内側に設け、次に各型を接合して型を復元し、この型の内部に発泡樹脂材を注入して充填し、発泡樹脂材の硬化後に型から成形品を取り外し、その後、成形品の表面を化粧仕上げすることを特徴とするブロック状造形物の製造法。
【請求項2】
請求項1記載の製造法であって、発泡樹脂材を注入する前に、型の中に、発泡樹脂材との親和性がある芯材を仕込むことを特徴とするブロック状造形物の製造法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の製造法であって、発泡樹脂材を注入する前に、型の内部に、水道管、又は電線の挿通管を配管することを特徴とするブロック状造形物の製造法。
【請求項4】
請求項1又は2記載の製造法であって、発泡樹脂材を注入する前に、型の内部に、郵便受けを配置することを特徴とするブロック状造形物の製造法。
【請求項5】
請求項3記載の製造法で製造されたブロック状造形物であって、水道管、又は電線の挿通管の引き出し端に、蛇口、又は照明器具その他の電気器具が取り付けられていることを特徴とするブロック状造形物。
【請求項6】
請求項4記載の製造法で製造されたブロック状造形物であって、郵便受けに連通して郵便物の投入口と、郵便物の取り出し口とが形成されていることを特徴とするブロック状造形物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−70851(P2007−70851A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−257870(P2005−257870)
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(505337113)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(505337113)
【Fターム(参考)】
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