説明

プラスチック成形材料を着色するための方法及び装置

本発明は、水性リキッドカラーを用いた着色プラスチック成形材料の製造法であって、該水性リキッドカラーを溶融したプラスチック成形材料に添加する方法に関する。さらに本発明は、該方法を実施するための装置を記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色プラスチック成形材料の製造法に関する。さらに、本発明は該方法を実施するための装置を記載する。
【0002】
プラスチック成形材料は久しい以前から色素で着色されている。通常、このために、それぞれ様々な利点及び欠点を有する種々の方法が用いられる。
【0003】
例えば、着色すべきプラスチックに固体色素を添加することができる。しかしながらこの場合、プラスチックへの該顔料の均一な分散はプラスチックの長時間のコンパウンディングなしには極めて困難であり、該コンパウンディングによってポリマーの分解並びにそれに伴うその機械的特性の劣化が生じ得ることが欠点である。
【0004】
それに応じて、しばしば予備着色されたプラスチック、いわゆるマスターバッチが使用される。該マスターバッチは、使用すべき色素、特に顔料を濃縮形で有する。しかしながら、使用すべき担体プラスチックは、着色すべきプラスチックの機械的特性の劣化を招き得る。さらに、この予備着色されたプラスチックの使用はしばしば比較的高価であり、それというのも、このプラスチックの製造には、色素の均一な分配を達成するために長いコンパウンディングが必要とされるためである。
【0005】
さらに、着色すべきプラスチックにおける色素の十分な分配を達成するために、有機溶剤を使用することもできる。しかしながら、有機溶剤は着色されたプラスチック中に比較的多量に残留してしまう。これにより、しばしばプラスチックの機械的特性はマイナスの影響を受ける。特にノッチ付衝撃強さが低下する。さらに、該成形材料から得られる成形体が有機溶剤と接触すると、応力亀裂が生じる傾向が増大する。さらに、成形材料中の有機溶剤の残分は、後加工、例えば射出成形プロセスの際に、被覆物の形成を招くことがある。
【0006】
上記理由から、水性着色剤の使用が試みられた。
【0007】
例えば刊行物US6,649,122には、色素約10〜約80%、分散剤30%まで、及び水25〜90%を含む水性リキッドカラーが記載されている。プラスチックペレットの着色のためには、有利には、該ペレットの表面が、記載されている水性リキッドカラーで湿潤され、その後、着色剤中に含まれる水が除去される。それに応じて有利に、着色剤を用いたプラスチックペレットの前処理が行われ、その際、着色剤と混合されたプラスチックペレットが押出機に投入される前に、水が除去される。確かに該刊行物の実施例2には、得られた混合物を、前に記載された予備混合工程なしで押出機の取込み領域に投入することもできるとの説明がされている。しかしながら該刊行物によれば、これによりしばしば発泡した押出物が得られる。それに応じて該刊行物では、押出機中に水性リキッドカラーを直接添加しないようにとの忠告がなされている。
【0008】
刊行物US6,649,122において有利であると説明されている方法の欠点は、殊に予備混合に付随するエネルギーコストである。さらに、この有利であると説明されている方法を実施する際には投資の必要性が増大する。さらに、前に説明されている押出機の2つのバリエーションでは、押出機は完全に着色剤で湿潤される。これは、色替えを行う際に高いコストを招く。これに関連して、押出機を取り外さずに装置を切り替えた場合に、規定外の色調を示す多量のプラスチック成形材料により生じる廃物が指摘される。装置を洗浄のために解体する場合、この時間は着色プラスチック成形材料の製造が不可能である。それに応じて、解体のコストに加えて製造ロスについても考慮しなければならない。
【0009】
従来技術に鑑み、本発明の課題は、着色プラスチック成形材料を特に廉価に得ることのできる着色プラスチック成形材料の製造法を提供することであった。特に、該方法によって、装置の解体を要することなく、また多量の廃物が生じることなく、特に迅速かつ容易な色替えが可能となることが望ましい。
【0010】
そのうえ、本発明の課題は、高品質のプラスチックをもたらす着色プラスチック成形材料の製造法を提供することであった。この場合、プラスチックが卓越した機械的特性、特に高いノッチ付衝撃強さ又は高いビカー軟化温度を示すことが望ましい。さらに、着色に伴うポリマーの分解が出来る限りわずかであることが望ましい。さらに、着色されたプラスチックが極めて均一な色調を示すことが望ましく、その際、着色の再現性が出来る限り高いことが望ましい。さらに、着色されたプラスチック成形材料が、加工の際、特に射出成形プロセスの際に被覆物形成の傾向を示さないことが望ましい。
【0011】
本発明のもう一つの課題は、出来る限り一定の高い生成物品質をもたらす、本方法を実施するための装置を創作することであった。さらに、該装置は、煩雑なメンテナンス作業を要せずに長時間にわたる運転が可能であることが望ましい。
【0012】
さらに、該方法を、環境リスクを伴うことなく、容易かつ廉価に実施できることが望ましい。
【0013】
上記課題、並びに、明示されてはいないものの本願明細書の冒頭で議論された文脈から容易に導出可能又は推論可能である更なる課題は、請求項1の全ての特徴を有する方法によって解決される。本発明による方法の目的に適った変形例は、請求項1を引用する従属請求項において保護される。該方法を実施するための装置に関して、請求項15が、基礎をなす課題の解決手段を提供する。
【0014】
それに応じて本発明の対象は、水性リキッドカラーを用いた着色プラスチック成形材料の製造法において、該水性リキッドカラーを溶融したプラスチック成形材料に添加することを特徴とする方法である。
【0015】
これにより、予見不可能な方法で、着色プラスチック成形材料が特に廉価に得られる着色プラスチック成形材料の製造法を提供することができる。特に、該方法によって、装置の解体を要することなく、また多量の廃物が生じることなく、特に迅速かつ容易な色替えが可能となる。
【0016】
さらに、本発明による方法は、高品質の着色プラスチックの製造を提供する。この場合、該プラスチックは、例えば特に高いノッチ付衝撃強さ又は高いビカー軟化温度により視認可能な卓越した機械的特性を示す。意想外にも、本発明による方法によって、ポリマーの実質的な分解を伴うことなく着色プラスチックを製造することができる。さらに、該着色プラスチックは極めて均一な色調を示しており、その際、着色の再現性は極めて高い。さらに、該着色プラスチック成形材料が、後加工の際、特に射出成形プロセスの際に示す被覆物形成の傾向は極めてわずかである。
【0017】
さらに、該方法は、環境リスクを伴うことなく容易かつ廉価に実施可能である。
【0018】
さらに、本発明は、意想外にも一定した高い生成物品質をもたらす、該方法を実施するための装置を提供する。さらに、該装置は、煩雑なメンテナンス作業を要せずに長時間にわたる運転が可能である。
【0019】
本方法により着色可能な成形材料は自体公知であり、その際、該成形材料は必須成分として熱可塑性加工可能なポリマーを含有する。有利なポリマーには、例えば、ポリ(メタ)アクリラート、特にポリメチルメタクリラート(PMMA)、ポリ(メタ)アクリルイミド、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボナート、ポリビニルクロリドが属する。ここで、ポリ(メタ)アクリラート及びポリ(メタ)アクリルイミドが有利である。該ポリマーは、単独でも混合物としても使用することができる。さらに、該ポリマーはコポリマーの形で存在していてもよい。有利なコポリマーは、とりわけ、スチレン−アクリロニトリル−コポリマー、スチレン−マレイン酸−コポリマー及びポリメチルメタクリラート−コポリマー、特にポリメチルメタクリラート−ポリ(メタ)アクリルイミド−コポリマーである。
【0020】
本発明の特別な観点の一つによれば、ポリカーボナートを含有する成形材料を着色することができる。ポリカーボナートは当業界において公知である。ポリカーボナートは、形式上、炭酸と脂肪族又は芳香族ジヒドロキシ化合物とからのポリエステルと見なすことができる。ポリカーボナートは、ジグリコール又はビスフェノールとホスゲンないし炭酸ジエステルとを重縮合ないしエステル交換反応により反応させることにより、容易に得られる。
【0021】
ここで、ビスフェノールから誘導されているポリカーボナートが有利である。該ビスフェノールには、特に、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−ブタン(ビスフェノールB)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールC)、2,2’−メチレンジフェノール(ビスフェノールF)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(テトラブロモビスフェノールA)及び2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(テトラメチルビスフェノールA)が属する。
【0022】
通常、このような芳香族ポリカーボナートは、界面重縮合又はエステル交換により製造され、その際、詳細はEncycl. Polym. Sci. Engng. 11, 648-718に記載されている。
【0023】
本発明の特別な一実施態様によれば、ポリカーボナートを少なくとも20質量%、有利には少なくとも40質量%、極めて特に有利には少なくとも80質量%含有する成形材料を着色することができる。
【0024】
本発明のもう一つの実施態様によれば、特に有利な成形材料は、ポリメチルメタクリラート、ポリメタクリルイミド及び/又はポリメチルメタクリラート−コポリマーを、該成形材料の全質量に対して少なくとも15質量%、有利には少なくとも50質量%、特に有利には少なくとも80質量%有する。
【0025】
本発明により着色することができる成形材料は、有利にはポリ(メタ)アクリラートを含有することができる。(メタ)アクリラートとの表現は、メタクリラート及びアクリラート並びに双方からの混合物を包含する。
【0026】
ポリ(メタ)アクリラートは、モノマーの質量に対して(メタ)アクリラートを少なくとも60質量%、有利には少なくとも80質量%有するモノマー混合物の重合により得ることができるポリマーである。該モノマーは当業界において一般に公知であり、かつ市販されている。該モノマーには、とりわけ(メタ)アクリル酸、及び、飽和アルコールから誘導される(メタ)アクリラート、例えばメチル(メタ)アクリラート、エチル(メタ)アクリラート、プロピル(メタ)アクリラート、ブチル(メタ)アクリラート、ペンチル(メタ)アクリラート、ヘキシル(メタ)アクリラート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリラート、ヘプチル(メタ)アクリラート;
不飽和アルコールから誘導される(メタ)アクリラート、例えばオレイル(メタ)アクリラート、2−プロピニル(メタ)アクリラート、アリル(メタ)アクリラート、ビニル(メタ)アクリラート等;
(メタ)アクリル酸のアミド及びニトリル、例えばN−(3−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(ジエチルホスホノ)(メタ)アクリルアミド、1−メタクリロイルアミド−2−メチル−2−プロパノール;
シクロアルキル(メタ)アクリラート、例えば3−ビニルシクロヘキシル(メタ)アクリラート、ボルニル(メタ)アクリラート;
ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリラート、例えば3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、3,4−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリラート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート;
グリコールジ(メタ)アクリラート、例えば1,4−ブタンジオール(メタ)アクリラート、エーテルアルコールの(メタ)アクリラート、例えばテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリラート、ビニルオキシエトキシエチル(メタ)アクリラート;及び
多価アクリラート、例えばトリメチロイルプロパントリ(メタ)アクリラートが属する。
【0027】
前に説明した(メタ)アクリラートに加えて、ポリ(メタ)アクリラートの製造には、前記のメタクリラートと共重合可能である他の不飽和モノマーも使用することができる。一般に、該化合物は、モノマーの質量に対して0〜40質量%、有利には0〜20質量%の量で使用され、その際、該コモノマーは単独か又は混合物として使用することができる。これにはとりわけ、1−アルケン、例えば1−ヘキセン、1−ヘプテン;分枝したアルケン、例えばビニルシクロヘキサン、3,3−ジメチル−1−プロペン、3−メチル−1−ジイソブチレン、4−メチル−1−ペンテン;ビニルエステル、例えば酢酸ビニル;スチレンモノマー、例えばスチレン、側鎖にアルキル置換基を有する置換スチレン、例えばα−メチルスチレン及びα−エチルスチレン、環にアルキル置換基を有する置換スチレン、例えばビニルトルエン及びp−メチルスチレン;ハロゲン化スチレン、例えばモノクロロスチレン、ジクロロスチレン、トリブロモスチレン及びテトラブロモスチレン;複素環式ビニル化合物、例えば2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、3−エチル−4−ビニルピリジン、2,3−ジメチル−5−ビニルピリジン、ビニルピリミジン、ビニルピペリジン、9−ビニルカルバゾール、3−ビニルカルバゾール、4−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン、3−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルブチロラクタム、ビニルオキソラン、ビニルフラン、ビニルチオフェン、ビニルチオラン、ビニルチアゾール及び水素化ビニルチアゾール、ビニルオキサゾール及び水素化ビニルオキサゾール;ビニル−及びイソプレニルエーテル;マレイン酸誘導体、例えばマレイン酸無水物、メチルマレイン酸無水物、マレインイミド、メチルマレインイミド;及びジエン、例えばジビニルベンゼンが属する。
【0028】
有利なポリ(メタ)アクリラートは、メチルメタクリラートを、重合すべきモノマーの全質量に対してそれぞれ少なくとも20質量%、特に少なくとも60質量%、特に有利には少なくとも80質量%有する混合物の重合により得ることができる。該ポリマーは、本発明の範囲内でポリメチルメタクリラートと呼称される。有利な成形材料は、例えば分子量又はモノマー組成物が異なる種々のポリ(メタ)アクリラートを含むことができる。
【0029】
ラジカル重合の種々の方法による上述のモノマーからの(メタ)アクリラート−ホモ−及び/又はコポリマーの製造は、自体公知である。例えば、ポリマーは塊状−、溶液−、懸濁−又は乳化重合で製造することができる。塊状重合は例えばHouben-Weyl, Volume E20, Part 2 (1987), pp. 1145に記載されている。溶液重合に関する有用な指摘は、同文献の第1156頁以下に記載されている。懸濁重合技術についての説明は同文献の第1149頁以下に記載されており、また乳化重合は同文献の第1150頁以下に記載及び説明されている。
【0030】
さらに、有利な成形材料はポリ(メタ)アクリルイミドを含むことができる。該ポリ(メタ)アクリルイミドは式(I)
【化1】

[式中、
1及びR2は同じか又は異なって、水素又はメチル基であり、R3は水素であるか、又は、20個までの炭素原子を有するアルキル−又はアリール基を表す]
により表すことができる繰り返し単位を有する。
【0031】
有利に、構造式(I)の単位は、ポリ(メタ)アクリルイミドの30質量%超、特に有利には50質量%超、極めて特に有利には80質量%超を占める。
【0032】
ポリ(メタ)アクリルイミドの製造は自体公知であり、例えばGB−PS1078425、GB−PS1045229、DE−PS1817156(=US−PS3627711)又はDE−PS2726259(=US−PS4139685)に開示されている。
【0033】
さらに、該コポリマーは、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸と、特に1〜4個のC原子を有する低級アルコールとのエステル、スチレン、マレイン酸又はその無水物、イタコン酸又はその無水物、ビニルピロリドン、塩化ビニル又は塩化ビニリデンから生じる他のモノマー単位を含むことができる。環化が不可能であるか又は可能ではあるが極めて困難であるコモノマーの割合は、モノマーの質量に対して30質量%以下、有利には20質量%以下、特に有利には10質量%以下である。
【0034】
有利には、ポリ(N−メチルメタクリルイミド)(PMMI)及び/又はポリメチルメタクリラート(PMMA)を含む成形材料を使用することができる。ポリ(N−メチルメタクリルイミド)(PMMI)、ポリメチルメタクリラート(PMMA)及び/又はPMMI−PMMA−コポリマーは、有利には、PMMAの部分的なシクロイミド化により製造されるPMMI及びPMMAのコポリマーである。(PMMAの部分イミド化により製造されるPMMIは、通常、使用されるPMMAの最大83%がイミド化されるように製造される。この場合に生じる生成物はPMMIと呼称されるが、厳密にはPMMI−PMMA−コポリマーである)。PMMAもPMMI又はPMMI−PMMA−コポリマーも、例えばEvonik Roehm社よりPLEXIGLAS又はPLEXIMIDの商標名で市販されている。例示的なコポリマー(PLEXIMID 8803)は、MMI単位33%、MMA単位54.4%、メタクリル酸単位2.6%及び無水物単位1.2%を有する。生成物並びにその製造は公知である(Hans R. Kricheldorf, Handbook of Polymer Synthesis, Part A, Verlag Marcel Dekker Inc. New York - Basel - Hongkong, pp. 223; H. G. Elias, Makromolekuele, Huethig und Wepf Verlag Basel - Heidelberg - New York; US−PSS2146209、4246374)。
【0035】
さらに、該成形材料はスチレン−アクリロニトリル−ポリマー(SAN)を含むことができる。特に有利なスチレン−アクリロニトリル−ポリマーは、重合すべきモノマーの全質量に対してそれぞれ、
スチレン70〜92質量%、
アクリロニトリル8〜30質量%、及び
他のコモノマー0〜22質量%
からなる混合物の重合により得ることができる。
【0036】
耐衝撃性値を改善するために、該成形材料にシリコーンゴムグラフトコポリマーをブレンドすることができ、ここで、該コポリマーは、
該コポリマーの全質量に対して0.05〜95質量%の、一般式(R2SiO2/2x・(RSiO3/2y・(SiO4/2z(ここで、x=0〜99.5モル%、y=0.5〜100モル%、z=0〜50モル%であり、Rは1〜6個のC原子を有する同じか又は異なるアルキル−又はアルケニル基、アリール基又は置換炭化水素基を意味する)に相当するオルガノシリコンポリマーからのコアa)、
該コポリマーの全質量に対して0〜94.5質量%の、ポリジアルキルシロキサン層b)、及び、
該コポリマーの全質量に対して5〜95質量%の、有機ポリマーからのシェルc)
から構成されており、
ここで、該コアa)はグラフト前にビニル基を含み、かつ該シェルc)は、アクリル酸エステルとメタクリラートとを含む混合物のラジカル重合により得ることができる。
【0037】
本発明による成形材料は、さらにアクリラートゴム変性剤を含むことができる。このようなアクリラートゴム変性剤は自体公知である。これはコア・シェル構造を有するコポリマーであり、その際、コア及びシェルは高い割合の上記(メタ)アクリラートを有する。ここで、有利なアクリラートゴム変性剤は組成の異なる2つのシェルを備えた構造を有している。
【0038】
特に有利なアクリラートゴム変性剤は、とりわけ以下の構成を有する:
コア:コアの質量に対して少なくとも90質量%のメチルメタクリラート割合を有するポリマー。
シェル1:一番目のシェルの質量に対して少なくとも80質量%のブチルアクリラート割合を有するポリマー。
シェル2:二番目のシェルの質量に対して少なくとも90質量%のメチルメタクリラート割合を有するポリマー。
【0039】
例えば、好ましいアクリラートゴム変性剤は、次の構成を有していてよい:
コア:メチルメタクリラート(95.7質量%)、エチルアクリラート(4質量%)及びアリルメタクリラート(0.3質量%)からのコポリマー。
S1:ブチルアクリラート(81.2質量%)、スチレン(17.5質量%)及びアリルメタクリラート(1.3質量%)からのコポリマー。
S2:メチルメタクリラート(96質量%)及びエチルアクリラート(4質量%)からのコポリマー。
【0040】
アクリラートゴム変性剤のコア対シェルの比は、幅広い範囲内で変動可能である。好ましくは、1つのシェルを有する変性剤の場合にはコア対シェルの質量比K/Sは20:80〜80:20、好ましくは30:70〜70:30の範囲内であり、また、2つのシェルを有する変性剤の場合には、コア対シェル1対シェル2の比K/S1/S2は10:80:10〜40:20:40、特に好ましくは20:60:20〜30:40:30の範囲内である。
【0041】
アクリラートゴム変性剤の粒度は、通常50〜1000nm、好ましくは100〜500nm、特に好ましくは150〜450nmの範囲内であるが、これにより限定が行われるものではない。
【0042】
耐衝撃性改良剤の製造はとりわけEP−A0113924、EP−A0522351、EP0528196A1、EP−A0465049及びEP−A0683028に記載されている。欧州特許庁に1983年12月31日付けで出願された出願番号83113259.2の刊行物EP−A0113924;欧州特許庁に1991年6月26日付けで出願された出願番号92110610.0のEP−A0522351;欧州特許庁に1992年7月22日付けで出願された出願番号92112513.4のEP0528196A1;欧州特許庁に1991年6月19日付けで出願された出願番号91305555.4のEP−A0465049;及び欧州特許庁に1995年5月11日付けで出願された出願番号95107103.4のEP−A0683028に記載されている耐衝撃性改良剤及びその製造法は、該刊行物を参照することにより開示のために本願明細書に組み入れられる。
【0043】
本発明の特別な観点の一つによれば、前述の添加剤を組み合わせて使用することができる。意想外にも、前述の耐衝撃性改良剤を組み合わせて使用することによって、成形材料から製造された成形体の室温(約23℃)での卓越した耐衝撃性挙動を達成することができる。例えば弾性率又はビカー軟化温度といった機械的及び熱的特性は、極めて高いレベルに維持される。室温で類似のノッチ付衝撃強さをアクリラートゴム変性剤又はシリコーンゴムグラフトコポリマーの使用によってのみ達成しようとすると、これらの値は明らかに低下する。
【0044】
本発明の特別な観点の一つによれば、シリコーンゴムグラフトコポリマー対アクリラートゴム変性剤の質量比は1:10〜10:1、有利には4:6〜6:4の範囲内であってよい。
【0045】
特別な成形材料は、成分f1〜f4の質量に対してそれぞれ、
f1)ポリ(メタ)アクリラート 20〜95質量%、
f2)スチレン−アクリロニトリル−ポリマー 0〜45質量%、
f3)シリコーンゴムグラフトコポリマー 5〜60質量%
f4)アクリラートゴムをベースとする耐衝撃性改良剤 0〜60質量%、
及び常用の添加剤及び添加物からなる。
【0046】
さらに、重合すべき組成物、本発明により使用可能な成形材料ないし該成形材料から得ることができる成形体は、他の一般に公知の添加剤を含有することができる。前記添加剤には、とりわけ、分子量調節剤、離型剤、帯電防止剤、酸化防止剤、離型剤、難燃剤、潤滑剤、着色剤、流動性改善剤、充填剤、光安定剤、顔料、風解保護剤及び可塑剤が属する。
【0047】
添加剤は、通常の量で、即ち全材料に対して80質量%まで、有利には30質量%までの量で使用される。該量が全材料に対して80質量%を上回る場合には、プラスチックの特性、例えばその加工性が著しく損なわれることがある。
【0048】
本発明によりプラスチック成形材料において使用され得るホモポリマー及び/又はコポリマーの分子量Mwの質量平均は、広い範囲内で変動することができ、ここで、この分子量は、通常、成形材料の用途及び加工方法に適合される。しかし一般的には、該分子量は20000〜1000000g/モル、好ましくは50000〜500000g/モル、特に好ましくは80000〜300000g/モルの範囲内であるが、これにより限定が行われるものではない。分子量は、PMMA標準に対するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
【0049】
有利な成形材料ないし該成形材料から製造された成形体は、ISO527による(1mm/分で)、1200MPa以上、有利には1600MPa以上の弾性率を示す。さらに、本発明により着色された成形材料ないし該成形材料から製造された成形体は、ISO179による10kJ/m2以上、有利には15kJ/m2以上のシャルピー衝撃強さを示し得る。
【0050】
さらに、DIN53455−1−3による(1mm/分で)、55以上、有利には60以上の引張強さを有するプラスチックが生じ得る。
【0051】
上述の成形材料は、本発明の特別な観点の一つによれば、有利には連続重合法により得ることができる。このような方法は、とりわけ独国特許出願公開DE4424300A1において説明されている。独国特許庁に1994年7月9日付けで出願番号P4424300.6で出願された刊行物DE4424300A1において説明されている、熱可塑性プラスチック成形材料の製造法は、該刊行物を参照することにより開示のために本願明細書に組み入れられる。該方法において、ポリマーは押出機中で製造又は後処理される。この場合、残留モノマーを反応混合物から除去した後に水性リキッドカラーを押出機に導入することができる。それに応じて意想外にも、本発明による方法によって、プラスチックを繰り返し溶融させる必要なくプラスチックを容易かつ廉価に着色することが可能となる。さらに、これにより特に着色プラスチック材料を廉価に得ることができ、それというのも、製造及び着色を押出機内で行うことができるためである。ここで返送されるモノマー流は、意想外にも、色素の残分を極めてわずかに含むか、有利には含まないため、色替えを煩雑な洗浄プロセスなしに行うことができる。
【0052】
もう一つの観点によれば、使用可能な成形材料は、有利には溶液重合法により得ることができる。「溶液重合」という概念は当業界で一般に公知であり、ここで、このような方法は前述の従来技術において記載されている。この場合、溶剤残分を反応混合物から除去した後に水性リキッドカラーを添加することができる。
【0053】
前述の成形材料は、水性リキッドカラーで着色される。水性リキッドカラーとは、水を含む着色剤である。該着色剤は溶液又は分散液として存在しており、その際、水性分散液が好ましい水性リキッドカラーである。「リキッドカラー」という概念は、着色剤が標準状態(25℃、1013ミリバール)で流動性であることを明示している。有利な水性リキッドカラーは、DIN EN ISO 2555に従って25℃で測定して(ブルックフィールド)、0.5〜2000mPas、有利には10〜1500mPas、極めて特に有利には100〜600mPasの範囲内の動的粘度を示す。該粘度は、水の割合及び場合により色素粒子の粒度によって、簡単に調節可能である。
【0054】
水性リキッドカラー中の水の割合は、5〜95質量%の範囲内、有利には20〜80質量%の範囲内、特に有利には40〜60質量%の範囲内である。
【0055】
このようなリキッドカラーは、とりわけ米国特許庁(USPTO)に2000年4月7日付けで出願番号09/545014で出願された前述の刊行物US6,649,122B1に記載されており、ここで、該刊行物に記載されているリキッドカラー及びその製造は、該刊行物を参照することにより開示のために本願明細書に組み入れられる。
【0056】
水に加え、該リキッドカラーは通常少なくとも1の色素を含む。色素とは、DIN 55943によれば、色を付与する全ての物質の総称である。色を付与する物質には、とりわけ可溶性染料及び無機又は有機顔料が属する。該色素は、単独で、又は2以上の混合物として使用することができる。特に、有機着色顔料と可溶性有機染料との混合物を使用することができる。さらに、無機着色顔料及び有機着色顔料を含む混合物を使用することができる。さらに、無機着色顔料に対して付加的に可溶性有機染料を含有する混合物を使用することができる。さらに、可溶性染料と無機顔料と有機顔料とを含む混合物が有利である。上述の色素は、とりわけKirk Orthmer Encyclopedia of Chemical Technology, Third Edition, vol. 19, pp. 1-78及びUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry 5th Edition on CD-ROMにおいて説明されている。
【0057】
有利な有機着色顔料には、とりわけアゾ色素及びジアゾ色素、フタロシアニン、ペリレン、メチン及びアントラキノンが属する。
【0058】
有機可溶性染料についての例は、とりわけアントラピリミジン、キノフタロン、ペリノン又はモノアゾ染料、例えばThermoplastrot(R) 454、Thermoplast BLACK X70(R)、Macrolexgelb(R) G、Sandoplast(R) Red G又はSolvaperm(R) Red Gである。
【0059】
有利な無機顔料は、とりわけ、クロム酸亜鉛、硫化カドミウム、酸化クロム、ウルトラマリン顔料及び金属フレーク、さらにBaSO4及びTiO2、並びにカーボンブラックである。
【0060】
色素の量は、水性リキッドカラーの全質量に対して0.1質量%〜80質量%、有利には0.5質量%〜50質量%、極めて特に有利には10質量%〜40質量%の範囲内であってよい。
【0061】
色素対水の質量比は広い範囲であってよく、その際、色素の割合が高すぎる場合には、色素をプラスチック成形材料中に分配する際に、及び、プロセスを実施する際に、例えば弁内でのカラーの沈積により問題が生じ得る。色素の割合が少なすぎる場合には、プラスチック材料へ供給する際の体積が大きすぎてしまい、かつ、例えば脱気部を通じて押出機から排出できる水の量が比較的多量になってしまう。一般に、色素対水の質量比は50:1〜1:50、有利には10:1〜1:10の範囲内、極めて特に有利には5:1〜1:5の範囲内である。
【0062】
色素に応じて、該水性リキッドカラーは、界面活性物質又は界面活性剤とも呼称される分散剤を1以上含有することができる。有利な分散剤には、とりわけ、例えばSokalan HP50の名称でBASF社より入手可能なポリビニルピロリドン;イオン性基を有するポリアクリラート(ここで、特に該ポリアクリラートのアルカリ金属塩を使用することができる);殊にアルカリ金属塩又は鉄塩として使用することができるリグノスルホナート、縮合したナフタレンスルホナート、及び、有利にアルカリ金属塩の形で使用可能であるナフタレンスルホナートが属する。
【0063】
イオン性基を有するポリアクリラートは、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリラートから誘導されている単位を含むポリマーである。ポリアクリラート中に含まれるイオン性基は、エステル基の鹸化により、又は酸基を有するモノマー、有利には(メタ)アクリル酸の使用により得ることができる。該モノマーは前に説明されているため、該開示が参照される。
【0064】
有利な分散剤には、殊に、非イオン性界面活性剤、例えば、有利には8〜40のエチレンオキシド−ないしプロピレンオキシド単位を有するエチレンオキシド/プロピレンオキシド−コポリマー、有利にはブロックコポリマー、及び、親水性基、特にポリアルキレングリコール基を有するポリアクリラートが属する。
【0065】
分散剤として好適な親水性基を有するポリアクリラートは、(メタ)アクリラートから誘導された単位を含む。「親水性基」という概念は、該基が水との相溶性を生じさせることを意味する。ここで特に、親水性をもたらす非イオン性基が挙げられる。該基は特に、水に可溶性であるか又は水中に分散可能であるモノマーから誘導されている。これには特に、1以上のヒドロキシ基を有するモノマー、特にヒドロキシルアルキル(メタ)アクリラート、又は、ポリアルキレングリコール基を有するモノマーが属する。
【0066】
分散剤として好適な特に有利なポリアクリラートは、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリラートから誘導されている単位を含む。
【0067】
ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリラートは、(メタ)アクリラート基の他にポリアルキレングリコール基を有するモノマーである。該モノマーの製造は、とりわけ欧州特許庁に2005年9月2日付けで出願番号PCT/EP2005/009466で出願されたWO2006/024538;及び、米国特許庁(USPTO)に2004年5月20日付けで出願番号PCT/US2004/015898で出願されたWO2005/000929に説明されており、ここで、開示のために該刊行物が参照され、かつ該刊行物に記載されているポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリラート及びその製造法は本願に組み入れられる。ヒドロキシ基を有するポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリラートは、(メタ)アクリル酸とエポキシドとの反応により得ることができる。さらに、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリラートは、アルキル(メタ)アクリラートとアルコキシポリアルキレングリコール、特にメトキシポリアルキレングリコールとのエステル交換により得ることができる。
【0068】
ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリラートの質量平均分子量は、GPCにより測定して、有利には500〜20000g/モルの範囲内、特に有利には1000〜10000g/モルの範囲内にある。
【0069】
ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリラートの製造に有利なポリアルキレングリコールには、特にポリ−C2〜C4−アルキレングリコール化合物が属する。ポリ−C2〜C4−アルキレングリコール化合物(度々ポリ−C2〜C4−アルキレンオキシド又はポリ(オキシ−C2〜C4−アルキレン)化合物とも呼称される)とは、C2〜C4−アルキレングリコールから誘導されている、複数の、通常は少なくとも3、しばしば少なくとも5、特に少なくとも10でかつ通常500以下、しばしば400以下の、例えば10〜300、特に10〜200の繰り返し単位を有する、オリゴマーないし高分子のポリエーテルであると解釈される。該化合物は直鎖又は分枝鎖であってよい。
【0070】
有利なポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリラートは、一般式(II)
【化2】

[式中、
nは繰り返し単位の数を示しており、通常は3〜500の範囲内、特に5〜400の範囲内、特に有利には10〜300の範囲内、極めて特に有利には10〜200の範囲内の数を表し、AはC2〜C4−アルキレン、例えば1,2−エタンジイル、1,3−プロパンジイル、1,2−プロパンジイル、1,2−ブタンジイル又は1,4−ブタンジイルを表し、R1は水素又はメチルを表し、R4は水素、又は、有利には1〜10のC原子、特に1〜4のC原子を有するアルキル、フェニル、ベンジル、有利には1〜10のC原子を有するアシル(=C(O)−アルキル)、SO3H基又はPO32、特にC1〜C10−アルキル、特に有利にはC1〜C4−アルキル、特にメチル又はエチルを表す]
により記述することができる。
【0071】
特に有利に使用可能な(ポリ−C2〜C4−アルキレングリコール)モノ(メタ)アクリル酸エステルは、式(II)における繰り返し単位A−Oの少なくとも50質量%、有利には少なくとも70質量%、特に少なくとも90質量%、特に全てが、エチレングリコールないしエチレンオキシドから誘導されていることを特徴とする。それに応じて、有利には、式(II)における単位A−Oの少なくとも50質量%、特に少なくとも70質量%、極めて特に有利には少なくとも90質量%、特に全てが、CH2−CH2−Oを表す。本発明のもう一つの有利な実施態様によれば、使用されるポリ−C2〜C4−アルキレングリコール化合物P中の繰り返し単位の少なくとも50質量%、有利には少なくとも70質量%、特に少なくとも90質量%、特に全てが、プロピレングリコールないしプロピレンオキシドから誘導されていてよい。
【0072】
有利なポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリラートには、特に、上述の式(II)の基Rとしてのアルコキシ基を特徴とする、アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリラートが属する。ここで特に、MPEG−(メタ)アクリラートとも呼称されるメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリラートが特に有利である。
【0073】
意想外の利点は、特に分散剤として好適なポリアクリラートにより達成されることができ、該ポリアクリラートは、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリラートから誘導されている単位を、該ポリアクリラートの製造に使用されたモノマーの質量に対して0.1〜90質量%、特に有利には1〜50質量%、極めて特に有利には5〜30質量%有している。
【0074】
前に説明されたポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリラート単位の他に、有利なポリアクリラートは、それを用いることでさらなる所望の特性、特に、着色すべきプラスチック成形材料中に含まれているポリマーとの高い相容性を達成し得るようなコモノマーを有する。それに応じて、該ポリアクリラートは、スチレンモノマー、(メタ)アクリラート又は他のコモノマーから誘導されている単位を含むことができる。
【0075】
該ポリアクリラートの製造はラジカル重合法により行うことができ、ここで、特に溶液重合、塊状重合又は乳化重合が挙げられる。これらは、Ullmanns's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Sixth Editionにおいて説明されている。
【0076】
ポリアルキレングリコール基を有するポリアクリラートは、例えばEFKA(R) - 4550の商標でCiba Specialty Chemicals社より市販されている。該ポリマーは、本質的にモノマーα−メチルスチレン、2−エチルヘキシルアクリラート及びMPEG−メタクリラートからなる。
【0077】
有利に、分散剤、有利には親水性基で変性されたポリアクリラートは、1〜99質量%、有利には20〜80質量%、極めて特に有利には48質量%〜52質量%の作用物質含分を有する水溶液の形で使用することができる。
【0078】
分散剤、有利にはポリアクリラートの量は、水性リキッドカラーの全質量に対して、1〜90質量%、有利には5質量%〜50質量%、特に有利には5〜30質量%であってよい。
【0079】
水対分散剤の質量比は、有利には100:1〜1:5、特に有利には10:1〜1:2の範囲内であり、極めて特に有利には8:1〜2:1の範囲内であってよい。
【0080】
色素対分散剤の質量比は、有利には100:1〜1:5、特に有利には10:1〜1:1の範囲内、極めて特に有利には5:1〜2:1の範囲内であってよい。
【0081】
前に説明された親水性基を有するポリアクリラートは、pH値に依存しない分散剤として、水性塗装系及び顔料濃縮物において顔料解凝集のために使用することができる。
【0082】
本発明により使用可能なリキッドカラーは、例えば、成分の混合及び引き続く分散により製造することができる。
【0083】
本発明によれば、水性リキッドカラーは溶融したプラスチック成形材料に添加される。「溶融したプラスチック成形材料」という概念は、熱可塑性状態にある成形材料を表す。それに応じて、該プラスチック成形材料は、該プラスチック成形材料の熱可塑性加工を可能にする温度を有する。ここで、厳密な温度は使用されるプラスチックに依存し、特にポリマーの種類及び分子量に依存する。有利に、溶融したプラスチック成形材料は80℃〜350℃、有利には160℃〜330℃、特に有利には190〜285℃の範囲内の温度を有することができる。
【0084】
プラスチック溶融物へのリキッドカラーの導入は、この導入に好適ないかなる装置において行われてもよく、ここで、該装置には例えばスタティックミキサー又は押出機が含まれる。
【0085】
有利には、該方法を実施するために押出機を使用することができる。「押出機」という概念は、通常、スクリューコンベアの機能原理により固体ないし高粘度の材料を開口部から押し出す搬送装置であると解釈される。このような装置は久しい以前から公知であり、例えばChris Rauwendaal : Polymer-Extrusion, Hanser Publishers, Munich Vienna New York, 1986, ISBN 3-446-14196-0, USA: ISBN 0-02-947500-7に記載されている。
【0086】
例えば、一軸スクリュー−又は二軸スクリュー押出機を使用することができる。ここで、好適な押出機スクリュー、特にその形状を、相応する方法技術的課題、例えば、取込み、搬送、均質化、溶融及び圧縮に基づいて選択しかつ適合させることは、当業者の一般知識に属する。
【0087】
スクリュー押出機の取込み領域において、有利にシリンダー温度は50〜350℃の範囲内に設定される。取込み領域において、例えば前に説明された成形材料をペレットの形で供給することができる。本発明の特別な観点の一つによれば、さらに、着色すべきポリマーを含む反応混合物も添加できる。通常、該反応混合物は、モノマー及び/又は溶剤の本質的割合を含む。取込み領域の後には材料を溶融及び均質化させる帯域が続き、この後に排出領域(ダイ)が続く。
【0088】
さらに、溶融物から、均質化の前、間又は後に、易揮発性分を、常圧で又は真空の印加下に脱気することにより除去することができる。ここで、押出機は1以上の脱気帯域を有することができる。ここで有利には、脱気のうち1つを均質化の領域内か又は均質化の後に行うことができる。
【0089】
有利な一実施態様によれば、プラスチック成形材料を、脱気帯域の後に水性リキッドカラーと混合することができる。押出機が複数の脱気帯域を有してる場合には、リキッドカラーを有利には最後の脱気帯域の後に導入することができる。
【0090】
リキッドカラーをプラスチック溶融物に導入するのに必要な液体配量は、有利に弁を通じて行うことができる。殊に、溶融物がカラー供給管路へと押し戻されるのを防ぐ噴射弁を備えた装置が特に重要である。例えば、該弁は可変の環状ギャップを有することができ、該ギャップによりカラー供給管路におけるフィード圧を調節することができる。この場合、該圧力を、供給管路内に設けられたポンプにより保持することができる。さらに、弁は圧力保持弁の形で形成されていてよい。該弁は有利には、生じるデッドスペースが出来る限りわずかとなるように構成されていてよい。このことは、例えば、弁の端部が押出シリンダーの内壁と同一平面上にシールを形成することによって達成することができる。
【0091】
本発明の特別な観点の一つによれば、カラー組成物中に含まれる水の早期の蒸発を防ぐために、カラー供給管路は特に押出機の領域内で冷却可能となるように構成されていてよい。これは、例えば公知の冷却要素、例えば熱交換器又はペルティエ素子により行うことができる。
【0092】
成形材料に施与される水性リキッドカラーの量は、カラー供給管路内に設けられている第一のポンプの搬送性能により調節することができる。該ポンプは、例えば歯車ポンプとして、又はピストンダイアフラムポンプとして構成されていてよい。有利に、該ポンプの搬送性能は質量流量計により調節することができ、その際、予定量はポンプの性能出力によって測定量に適合される。ポンプの搬送性能は、その構成に応じて、例えばポンプを運転する回転数により調節することができる。カラー供給管路内の圧力は圧力センサで測定することができ、ポンプの調節により、又は実施態様に応じて、弁開口部、例えば環状ギャップのバリエーションにより調節することができる。
【0093】
成形材料に施与する水性リキッドカラーの量を調節する際に、特に、質量流量が流れ方向で見て第一のポンプの前又は後で測定される制御回路によって、意想外の利点を達成することができる。有利に、質量流量はコリオリ質量流量計を用いて測定することができる。
【0094】
水性リキッドカラーの量を制御し得る精度に関する更なる改良は、水性リキッドカラーを第一のポンプの吸込み領域に供給する第二のポンプにより達成することができる。このために、例えば、有利には圧力空気により運転されることのできるメンブレンポンプが使用可能である。2つのポンプ間には、有利には、粗いカラー粒子を阻止する1以上のフィルターが設けられていてよい。フィルター交換の間に中断なしの運転を保証する切り替え可能なフィルターによって、特別な利点が達成される。
【0095】
特に、溶融したプラスチック成形材料及びリキッドカラーの質量流量を搬送及び配量するための装置及び設備は、有利には、この質量流量の変動が出来る限り低く保たれるように構築されている。有利に、質量流量の平均値からの偏差は、せいぜい10%、特に有利にはせいぜい5%である。
【0096】
加工すべき成形材料に対して、他の液体添加剤を1以上の更なる別個の液体配量により添加することができる。所望の場合には、固体添加物を、溶解又は懸濁させて、もしくは、有利には投入帯域か又は投入帯域の後に続く帯域のうちの1つに存在する付加的な固体配量装置を用いて、添加することができる。固体添加物を添加する場合、側方に取り付けられたスクリュー配量部が設けられていてよい。
【0097】
場合により溶融物の均質化を、有利には混練ブロックの使用により行うことができる。溶融−及び均質化領域において、有利に温度プロファイルは160〜330℃、特に有利に190〜285℃の範囲内に調節される。排出領域において、温度は有利には220〜300℃の範囲内である。本発明による方法を実施する際に、押出機の加熱帯域の調節に関して、特に有利には、投入帯域からダイまでの上昇する温度プロファイルが用いられる。ここで、使用される温度プロファイルは使用されるポリマーに応じて変化する。
【0098】
例えば、押出機の均質化領域内での最大のシリンダー温度は、ポリメチルメタクリラートの場合には220〜285℃であり、ポリマーメタクリルイミドの場合には250〜330℃である。ここで、上記温度はシリンダー温度に関するものであり、熱電対、例えばFeCuNiタイプL又はタイプJ、PT 100温度計又はIR温度計を用いて測定することができる。
【0099】
例えば水性リキッドカラーの導入後の均質化を改善するために、押出機は他の内部構造体を含むことができる。とりわけ、スタティックミキサー又は均質化帯域が、フィード部の後に設けられていてよい。しかしながら延長された帯域は、色替えの際に増大した廃物を招く。
【0100】
本発明の特別な観点の一つによれば、押出機には、流れ方向で見て水性リキッドカラーのためのフィード部の後に、不純物を阻止するメルトフィルターが設けられていてよい。意想外にも、このようなメルトフィルターはスタティックミキサーの作用を示す。フィルターインサートのメッシュ幅は、例えば5〜300μm、有利には例えば10〜150μmであってよい。
【0101】
相応するダイ、例えばフラットダイ、環状ダイ又はプロファイルダイの使用により、本発明による方法を用いて直接成形体を製造することが可能である。この方法で、成形体、例えば平面状の箔、シート、異形品又は他の成形体を製造することができる。該成形体は、押出機のダイを去った後に、当業者に公知の方法により冷却される。有利にペレットが製造される。製造されたペレットを後接続されたユニットにおいて後加工し、種々の厚さの射出成形品及び押出成形品とすることができる。
【0102】
さらに、本発明による方法を実施するための特に有利な装置を、添付の図1をもとに詳説する。
【0103】
図1は、水性リキッドカラーを用いて着色プラスチック成形材料を製造するのに好適な有利な装置の概略図であるが、これにより制限が行われるものではない。
【0104】
図1に示すプラスチック成形材料の着色のための装置は、押出機1を含んでおり、該押出機1において、フィード部2を通じて、連続運転した重合からのモノマー残分を含むポリマー組成物が導入される。該モノマー残分は、押出機1から脱気帯域EZ1、3a、3b及び3cを通じて引き出すことができる。本実施態様において、押出機中に存在する組成物は種々の圧力で脱気され、その際、脱気帯域3cは真空下に運転される。脱気帯域3cの後に、押出機1は、水性リキッドカラー用のフィード部4を有している。該押出機1内にはもう1つの供給管路5が設けられており、該供給管路5を通じて例えば他の添加剤、例えば安定剤及び/又は離型剤を成形材料に供給することができる。ここで、溶融物は加熱された溶融管6を通じて押出機から引き出され、スクリーンチェンジャー(示されていない)を通じてストランド押出機(示されていない)に供給される。
【0105】
フィード部4は、押出機シリンダー中で下方から延びる孔の形で、ねじなしに構築されている。噴射弁7はシリンダーにねじで取り付けられた金属ブロックと一緒に押出機に接続されており、弁の端部はシリンダーの内壁と同一平面上にシールを形成している。これにより、デッドスペースのない配量を達成することができる。
【0106】
ここで噴射弁7は環状ギャップを含んでおり、該環状ギャップを通じて水性リキッドカラーを押出機1に導入することができる。本実施態様において、環状ギャップの幅は調節可能である。噴射弁7は供給管路8と接続されており、該供給管路8を通じて水性リキッドカラーが噴射弁7に供給される。供給管路8内には安全弁9が設けられている。ここで、供給管路8内の水性リキッドカラーの圧力は、第一のポンプ10を通じて保たれる。本装置において、リキッドカラーの量を調節部により正確に制御することができる。調節部は、質量流量測定器13(示されているように、ポンプ10の吸込み側、及び、十分な耐圧設計の場合にはポンプ10の圧縮側で、管路8に取り付けられていてよい)を通じて質量流量を検出して、ポンプ駆動部11の回転数を調節し、それにより所定の配量を保持する。さらに、ポンプ10の圧縮側の配量圧力を、圧力センサ12bにより検出する。所定の圧力基準からずれた場合には、噴射弁7を閉じるか、又はポンプ駆動部11の回転数を変化させる。さらに、ポンプ10の吸込み側の進入圧力を、圧力センサ12cにより検出する。該圧力センサ12cは、フィルターユニット16aないし16bの後の圧力を示す。所定の値を下回った場合には、使用したフィルターユニットが閉塞している。その場合、別のフィルターユニットに切り替えねばならず、かつ、閉塞したフィルターユニットを交換又は洗浄しなければならない。さらに、本装置は第二のポンプ14を有しており、該ポンプ14は、水性リキッドカラーを貯蔵容器15から第一のポンプ10の吸込み領域へと搬送する。該貯蔵容器には、沈降を防ぐために撹拌機が備えられていてよい。交互に運転される2つの装入容器を使用することもできる。ここで、第二のポンプ14と質量流量測定器13との間の領域に、二つの切り替え可能なフィルターユニット16a及び16bが設けられている。
【0107】
本発明による方法の有利な一実施態様によれば、水性リキッドカラーは圧力下に押出機に導入される。有利に、水性リキッドカラーが押出機に供給される圧力は、0.1〜200バール(ゲージ圧)の範囲内、特に有利には5〜70バール(ゲージ圧)の範囲内、極めて特に有利には10〜50バール(ゲージ圧)の範囲内であってよい。該圧力は、特に、リキッドカラーのための供給管路内で噴射弁7の前でかつ第一のポンプの後に設けられている圧力センサにより測定することができる。
【0108】
押出機中でリキッドカラーのフィード部の領域内で保たれている圧力と、リキッドカラーを導入する圧力との差が、0.1〜100バールの範囲内、特に有利には5〜50バールの範囲内である方法は、特に重要である。押出機中のフィード部の領域内での圧力は、この場所に設けられた圧力センサにより測定することができる。
【0109】
押出機中のフィード部の領域内での圧力は、例えば200ミリバール〜10バールの範囲内、有利には0.8バール〜3バール(絶対)の範囲内であってよい。
【0110】
有利には、フィード部での成形材料の温度は180〜330℃の範囲内、特に有利には220〜285℃の範囲内である。ここで、上記温度は押出機シリンダー温度に関するものであり、熱電対、例えばFeCuNiタイプL又はタイプJ、PT 100温度計又はIR温度計を用いて測定することができる。
【0111】
特に、フィード部での温度及び圧力が、水が平衡状態でガス状である値を示すことによって、意想外の利点が達成され得る。この値は、押出機中での圧力及び温度に関するものである。この方法により、特に、極めて長時間にわたり装置を中断なしに運転させることができる。
【0112】
本発明により、着色された成形材料が製造され、その際、プラスチック成形材料は水性リキッドカラーで着色される。水性リキッドカラー対プラスチック成形材料の質量比は、広範囲であってよい。有利には、水性リキッドカラー対プラスチック成形材料の質量比は、10:100〜0.001:100、特に有利には2:100〜0.01:100の範囲内であってよい。該比は、フィード部の領域におけるプラスチック成形材料の質量に関するものであり、その際、該比は質量流量から導出することができる。
【0113】
以下に、本発明を実施例に基づき、これにより制限することなく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】水性リキッドカラーを用いて着色プラスチック成形材料を製造するのに好適な有利な、本発明による装置の概略を示す図。
【実施例】
【0115】
実施例1
図1による装置において、一軸スクリュー押出機中に、6日間にわたり、PMMAポリマー108tと未反応モノマーとを含むポリマー混合物216tを供給した。最初の三つの脱気帯域を大気圧で運転し、四番目を200ミリバール(絶対)の圧力で運転した。脱気帯域から得られるモノマーを凝縮し、ポリメチルメタクリラートの製造に使用した。
【0116】
噴射弁として、Phoenix社製の蛇腹部材を備えたタイプ230 DN2、PN 400の噴射弁を使用した。フィード部における押出機内部の圧力はほぼ大気圧に相応しており、その際、温度は約260℃であった。フィード部に、毎時750kgの成形材料を導入した。フィード部に、水性リキッドカラーを毎時535gで圧力20バールで供給した。水性リキッドカラーとして、分散剤としてのポリアクリラート(Ciba Specialty Chemicals社よりEFKA(R) 4550の商標で市販されている)20質量%、脱塩水39.33質量%、消泡剤(BYK Additives and Instruments社よりByk(R) 024の商標で市販されている;ポリシロキサンベースの消泡剤)0.6質量%、Thermoplastrot(R) 454 31.74質量%及びMacrolexgelb(R) G 8.26質量%及び防腐剤(Ebotec(R) MT 15)0.07質量%を含有する組成物を使用した。
【0117】
供給の制御を図1に示されている配置で行い、その際、Lewa社よりFCMk 1の名称で入手可能な高圧ポンプ(ポンプ10)及びAlmatec社よりTyp A 08 UTTの名称で入手可能な圧縮空気運転式メンブレンポンプ(ポンプ14)を使用した。フィルターのメッシュ幅は50μmであった。圧力センサとして、Wika社より入手可能なIS10を使用した。管路8中の流量を、Endress+Hauser社よりPromass 83Fの名称で入手可能なコリオリ質量流量計を用いて測定した。
【0118】
該装置は、6日間にわたって中断なしに、障害が生じることなく運転可能であった。着色された成形材料は、極めて狭い表色内にとどまる卓越した色分布を示していた。
【0119】
色を表すためにx、y座標を用いた標準表色系(DIN 5033、第3部)及び光透過率を用い、ここで、これらの値の測定をDIN 5033、第4部及び第7部により行った。
【0120】
着色された成形材料の通常の規定は、X座標0.6722〜0.6764の範囲内、Y座標0.3228〜0.3265の範囲内及び透過率25.2〜27.2%の範囲内が予定される。
【0121】
全製造時間にわたり、一定の時間間隔で約110個の試料を採取した。X座標の最大値は約0.6750であり、最小値は約0.6732であった。Y座標の最大値は約0.3254であり、最小値は約0.3238であった。透過率の最大値は約26.5%であり、最小値は約25.6%であった。
【0122】
上記の値は、単に、予定された規定が満足されるのみではないことを示している。そればかりか、本質的により狭い許容差を保持することができた。それに応じて、本方法により、慣用の方法によってはほとんど達成し得ないような極めて厳密な色の許容差が実現可能である。
【符号の説明】
【0123】
1 押出機、 2 フィード部、 3a 脱気帯域、 3b 脱気帯域、 3c 脱気帯域、 4 水性リキッドカラー用のフィード部、 5 供給管路、 6 溶融管、 7 噴射弁、 8 供給管路、 9 安全弁、 10 第一のポンプ、 11 ポンプ駆動部、 12a 圧力センサ、 12b 圧力センサ、 12c 圧力センサ、 13 質量流量測定器、 14 第二のポンプ、 15 貯蔵容器、 16a フィルターユニット、 16b フィルターユニット、 EZ1 脱気帯域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性リキッドカラーを用いた着色プラスチック成形材料の製造法において、該水性リキッドカラーを溶融したプラスチック成形材料に添加することを特徴とする方法。
【請求項2】
押出機中で、脱気帯域後に水性リキッドカラーをプラスチック成形材料に添加する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
プラスチック成形材料がポリ(メタ)アクリラートを含む、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
水性リキッドカラーが色素0.5質量%〜50質量%を含む、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
水性リキッドカラーが、該水性リキッドカラーの全質量に対して5質量%〜50質量%の分散剤を含む、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
水性リキッドカラー中で、分散剤として、親水性又はイオン性基を有するポリアクリラートを使用する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
水対分散剤の質量%比が2:1〜1:2の範囲内である、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
水性リキッドカラーを、溶融したプラスチック成形材料に圧力下に導入する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
リキッドカラーを導入する圧力が0.1〜200バール(ゲージ圧)の範囲内である、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
押出機中でリキッドカラーの導入の領域内で保たれている圧力と、リキッドカラーを導入する圧力との差が、0.1〜100バールの範囲内である、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
フィード部での成形材料の温度が180〜330℃の範囲内である、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
フィード部での温度及び圧力が、水が平衡状態でガス状である値を示す、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
リキッドカラー対成形材料の質量比が1:10〜0.0001:10の範囲内である、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
成形材料を、押出機中での連続的な重合法により製造又は後処理する、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項記載の方法を実施するための装置において、該装置は少なくとも1の押出機を有しており、該押出機はリキッドカラーのためのフィード部を含んでおり、ここで、水性リキッドカラーのための供給管路は第一のポンプを含んでおり、該ポンプは制御装置により調節可能となるように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項16】
リキッドカラーのためのフィード部が、流れ方向で見て脱気部の後に設けられている、請求項15記載の装置。
【請求項17】
流れ方向で見て、第一のポンプの吸込み領域の前に第二のポンプが配置されている、請求項15又は16記載の装置。
【請求項18】
圧力センサが第一のポンプの吸込み領域内に配置されている、請求項15から17までのいずれか1項記載の装置。
【請求項19】
押出機がリキッドカラーのためのフィード部の後に少なくとも1のシーブを含んでいる、請求項15から18までのいずれか1項記載の装置。

【図1】
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【公表番号】特表2013−505863(P2013−505863A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531300(P2012−531300)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/062156
【国際公開番号】WO2011/038990
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(390009128)エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (293)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Roehm GmbH
【住所又は居所原語表記】Kirschenallee, D−64293 Darmstadt, Germany
【Fターム(参考)】