説明

プラズマ源装置

本発明の高密度RFプラズマ源は、13.56MHzなどの周波数の波を送り出すために特殊なアンテナ構成を使用する。アンテナは、共通軸の周りに軸に沿って相互に間隔を置いて配置される数個の伝導性ループを含む。ループは、軸方向伝導性セグメントによって電気的に接続され、各ループは複数の直列接続された容量性素子を含む。このアンテナはチューニング可能なので、半導体製造のプラズマ加工において見られる発生プラズマにRFエネルギー(10)を能動的に結合させるのに適する。このプラズマ源は以下の用途に使用することができる:プラズマ・エッチング、蒸着、スパッタリング・システム、宇宙推進、プラズマに基づく滅菌、プラズマ切削システム。別の実施態様において、プラズマ源は、1つまたはそれ以上の加工チャンバと組み合わされ、プロセス・チャンバは磁石アレイ(14)及びRFコイル(15、16)を含む。これらの素子は、フィードバック制御法によってプラズマの閉じ込めまたは能動的プラズマ制御(プラズマ回転)のために使用することができ、一方、水分などの現場NMRモニタリングまたは分析のために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ源及び関連工程を強化するための方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ヘリコン(Helicon)波放電は、高密度プラズマを効率よく生成することが知られており、半導体加工(エッチング、蒸着、スパッタリングなど)(Lieberman M.A.,Lichtenberg A.J.、プラズマ放電の原理及び材料処理、J.Wiley & Sons、1994、ニューヨーク)、宇宙推進力及び基本プラズマ実験のための高密度プラズマ・ツールとして利用されてきた。プラズマは通常円筒形真空容器において100−300Gまたはそれ以上で縦方向に均質の磁界で生成される。電磁エネルギーは1から50MHz、加工プラズマの場合には通常13.56MHzの周波数でプラズマ源に伝達される。ヘリコン波は特殊成形アンテナによってプラズマ・コラムにおいて生成される。
【0003】
ヘリコン波を励起するために使用される最も一般的なアンテナは、NagoyaタイプIII アンテナ(Okumura S.他、1986、Nucl.Fusion 26 1491)であり、その修正がBoswellの二重サドル・コイル(Boswell R.W.1984、Plasma Phys.Control.Fusion、261147)である。ヘリカル・アンテナはShoji他によって初めて使用され、シングルループ・アンテナ(Sakawa Y.,Koshikawa N.,Shoji T.、1996Appl.Phys.Lett.69 1695;Carter C.及びKhachan J.、1999 Plasma Sources Sci.Technol.8 432)、ダブルループ・アンテナ(Tynan G.R.他、1997J.Vac.Sci.Technol A 15 2885;Degeling A.W.,Jung C.O.,Boswell R.W.,Ellingboe A.R.、1996 Phys.Plasmas 3 2788)、ソレノイド・アンテナ(Kim J.H.,Yun S.M.及びChang H.Y.1996 Phys. Lett.A 221 94)及び二本巻き回転磁界アンテナ(Miljak D.G.及びChen F.F.1988 Plasma Sources Sci. Technol.7 61)などに改作された。
【0004】
この波の減衰は衝突理論(Chen F.F.,Sudit I.D.及びLight M.、1996Plasma Sources Sci.Technol.5 173)によって説明できるが、ヘリコン波の無衝突(ランダウ(Landau))減衰及びトリベルピース-グールド(Trivelpiece-Gould)方式と呼ばれるチェンバの境界における別の波の励起によるヘリコン波伝達についても論議されている(Chen F.F.、工業用RFプラズマ源における物理的メカニズム、LTP-104、2001、UCLA)。この放電のタイプは0.1Pa圧力範囲で最高1012−1013cm-3までの電子密度を達成する。
【0005】
プラズマを発生させるためにヘリコン波を励起するための正しいアンテナ構造を定義する主要な特徴は以下のとおりである:
−励起周波数:波がωci<ω<ωc(ωciはイオンサイクロトロン周波数、ωcは電子サイクロトロン周波数)を満足するようなものでなければならない。13.56MHzなど工業規格周波数が半導体加工に通常使用される。
−波モード:RF電力を波励起に効果的に結合するようアンテナ配列を最適に設計できるように生成される電磁波の電磁界のモード構造。最下位2つのモードはm=0及びm=1モードである。モードm=0を励起するための最適の方法は、波長の半分の距離で分離される2つのループを使用することであろう。モードm=1の場合には、波が主軸に沿って伝播するとき電界及び磁界ベクトルに対して自然の螺旋ピッチがある。最新技術では、このモードを励起するための現行の方法は、螺旋形アンテナを使用するものである。
−プラズマへのRF電力の結合の効率:プラズマ生成の効率は、プラズマへのRFエネルギーの結合によって決まる。RFエネルギー減衰の重要なメカニズムは、ランダウ減衰である。ヘリコン波の位相速度はω/kzによって示される。ここでkzは分散関係式によって与えられ、プラズマ密度及び磁界の強さに応じて決まる。理想的には、波の位相速度は、イオン化したい気体のイオン化電位の最大値に近くなければならない。kzの値が高ければ、それだけ密度が高くなる。しかしkzが高すぎると、電子のエネルギーがイオン化電位より下がるかも知れない。従って、密度を増大しかつ電子温度を制御できるためには、kzを制御することが重要である。
【0006】
4対の電極を含む装置でヘリコン波を生成することは既知である(米国特許第5,146,137号、K-H Kretschmer他、1992-09-08)。第一の対の電極は第一の電圧に接続される。第二の対の電極は第二の電圧に接続される。第一の電圧は、第二の電圧に対して90度位相がずれる。第一及び第二の対の電極は、容器の第一の領域に取り付けられる。第三の対の電極及び第四の対の電極は、容器の第一の領域から離れた容器の第二の領域に取り付けられる。第三及び第四の対の電極は、第一及び第二の対の電極と同様に位相シフト電圧に接続される。代替態様において、装置は、電磁エネルギーを外部から容器の壁を通じてプラズマに結合することによって、円偏波を用いて容器内部にプラズマを発生する。この装置は4つのコイルを含む。第一のコイルは第一の電圧に接続される。第二のコイルは第二の電圧に接続される。第一の電圧は、第二の電圧に対して90度位相がずれる。第三及び第四のコイルは、第一及び第二のコイルと同様に位相シフト電圧に接続される。さらに第三の形態において、装置は4対のコイルを含む。第一の対のコイルは第一の電圧に接続される。第二の対のコイルは第二の電圧に接続される。第一の電圧は第二の電圧に対して90度位相がずれる。第一及び第二の対のコイルは容器の第一の領域に取り付けられる。第三の対のコイル及び第四の対のコイルは、容器の第一の領域から離れた容器の第二の領域に取り付けられる。第三及び第四の対のコイルは、第一及び第二の対のコイルと同様に位相シフト電圧に接続される。
【0007】
上述の装置と本発明との間の主要な相違は、本発明のアンテナが容量性素子を含めて1つのコイル(伝導性ループと軸方向セグメントが接続される)から成るのに対して、上述の装置が4つの独立する電極またはコイルから成り、接続される容量性素子を持たないことである。さらに、本発明は共振アンテナであり、上述の装置と異なり、方位角の関数として正弦波電流分布がある。
【0008】
フィルムを蒸着するあるいはエッチングするためまたはフィルムをスパッタ蒸着するために加工物が配置されるプロセス・チャンバとプラズマ源が結合されることは既知である。この加工システムは、現場核磁気共鳴として使用されるために特に外部磁石コンポーネント及びRFコイルを含む。物理的、化学的及び生物学的研究のための核磁気共鳴(NMR)の使用は開発が進んでおり、非常に成功している(P.J.Hore、核磁気共鳴、Oxford University Press、Oxford、UK、1995)。プラズマ診断技術へのNMRの応用はトカマク(Tokamak)実験のために最近着手された(Zweben S.J.他、Rev.Sci.Inst.、74、1460)。設備のトラブルシューティング時間を減少し製造された装置の品質を改良するために特に水分監視、汚染監視、チャンバ特徴づけのために低圧力及び/又は低温度プラズマ加工にNMRを使用することは非常に画期的である。
【発明の開示】
【0009】
本発明に従って、請求項1において定義されるプラズマ源装置が提供される。
【0010】
本発明は、加工チャンバ内部の広い領域にわたって高くかつ均等の密度を与えるために1つまたは複数の加工チャンバと共に1つまたは複数のプラズマ源を使用する。
【0011】
別の実施態様においては、アンテナの容量性素子及び/又は可動軸方向伝導性素子が、アクティブ・アンテナを定義するRFエネルギーとプラズマとの間の結合を増大するように調整される。
【0012】
別の実施態様においては、プラズマ源または加工チャンバにおける主コンポーネントは、NMR原理に基づく加工チャンバ内の環境の現場監視または加工物(半導体加工の一部としてのウェハーなど)の現場検査に使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[定義]
流体:気体、二相性液体または超臨界気体を含む。
伝導性ループ:閉鎖または開放することができ、円形、楕円形の形状又は直角を持つ形状をとることができる、伝導性素子。
高周波発生器:1つまたは数個の周波数で連続的またはパルスのRF電力を供給する装置。
プロセス・チャンバ:エッチング、蒸着、スパッタリング、イオン発生、滅菌などプラズマ加工が行われるチャンバ、または内部に移送、調整、ストック加工のために1つまたは数個の加工物(ウェハー)が置かれるチャンバ。
【0014】
図1、2、4、6及び7から分かる通り、本発明の第一の本質的構造は、アンテナ構成である。RF電流は、少なくとも1対の伝導性ループ2(任意の位相を持つ)及び軸方向伝導性素子1を通じて流される。このようにして、図2の構成において電流は5に従って流れる。RF電圧はRF電源4から加えられる。
【0015】
コイルの1つの特徴は励起に関するものである。単一の励起ポイントでのRFコイルの励起は線形偏波磁界Bを生じる。可能な1つの構成において説明されるコイル(図1を参照のこと)を用いて単純に直交励起を得ることができる。これは、1つの伝導性ループ素子2の円周に沿って相互に直角に配置される2つの入力キャパシタでコイルを励起させることによって可能になる。さらに、望みの円偏波を得るために、2つのポイントでコイルを励起させるために使用されるRF源は、相互に電気的に90度位相がずれなければならない。このようにして、上述の通りほぼ均等の横断磁界を有する2つのモードが励起される。
【0016】
アンテナのさらなる特徴は、アンテナにエネルギーを与えるために複数のRF増幅器を利用することによって実現することができる。各増幅器は異なる入力キャパシタに取り付けられ、各増幅器を通る信号は、望みのRF励起を生成するために正確に位相調整される。このようにして、各増幅器から必要とされる電力は、1つまたは2つの増幅器を使ってアンテナを駆動する場合に比べて小さくなる。
【0017】
アンテナは、例えば銅の丸型単線でまたは一緒に捻られたまたは編まれた別個に絶縁された多数のストランドから成る導体で作ることができる。各ストランドは導体全体の断面においてあらゆる可能なポジションを取る傾向があるので、この設計は、個々のストランドの鎖交磁束−及びリアクタンス−を均等化して、電流が導体全体に均等に広がるようにする。主要な利点は、AC損失が減少することである。このような構成の一例はリッツ線として知られている。
【0018】
上述の複数増幅器構成は単に例であり、4つまたはそれ以上の増幅器を利用するその他の多くの組合せが可能であることが理解されるはずである。
【0019】
一般にPVCのパイプに配置される磁界発生器8に取り囲まれるパイレックス(登録商標)(Pyrex)・プラズマ発生チャンバ6を持つプラズマ源の基本構成が、図3に示されている。RF電源10は、マッチング・ネットワーク9を通じてアンテナにエネルギーを与える。
【0020】
このアンテナの主要な利点は、どのモード(m≠±1)についても電流分布がゼロに見える点である。全てのアンテナ・パワーはこの2つのモードに集中される。実験において、m=1モードはヘリコン波によるプラズマ加熱にとってより効率が良い。もう1つの利点は、チャンバ内部におけるプラズマの均質性が高く、集積回路への損傷を大幅に減少することができ、製造収率を上げることができる点である。
【0021】
特にプロセス用プラズマにおいて、主要な特徴(密度、電子温度、イオン温度、部分圧力など)は加工物だけではなくプロセス・チャンバ全体との相互作用によって加工時間に依存する。従って、RFエネルギーと発生プラズマとの間の結合を調整できることが、設備の工程及び使用可能時間の大幅な改良を可能にする。本発明に従った別の実施態様においては、アクティブ・アンテナを定義することが提案される。すなわち、少なくとも1つのキャパシタがチューニング可能で、及び/又は少なくとも1つの伝導性ループ・ポジションが可動で、及び/又は第一の上部ループにおける軸方向伝導性素子の接続と第一の下部ループにおける軸方向伝導性素子の接続との間を非ゼロ角度に導く少なくとも1回の伝導性ループの回転(→捻りアンテナ)が可動である。さらなる構成は、診断技術として使用されるセンサ(磁気プローブ、光学プローブ、ラングミュア・プローブ、ホール・プローブなど)に応じてアクティブ・アンテナのフィードバック制御を含む。
【0022】
本発明に従った別の実施態様においては、プラズマ発生チャンバにおいて高密度及び低密度の連続的エリアを形成するプラズマに対するぜん動性磁気作用を果たすために、磁石は、時間及び/又は空間の関数として磁気幅を与えることができる。このパターンは、単一空間電位プロフィルを通じてプラズマ電位の様々な値を結合する反対記号を持つ2つの隣接する電荷のシースによって構成される構造である複数の二重層を発生させることができる。
【0023】
本発明に従った別の実施態様においては、プラズマ源の性能を強化するために、プラズマ源の近くに電子サイクロトロン共鳴、イオンサイクロトロン共鳴または電子バーンステイン波など補完的プラズマ源を追加することが可能である。
【0024】
本発明に従った別の実施態様においては、周波数調整は、RFコイルの縦軸を中心として同心RFシールドを機械的に動かすことによって行われる。RFコイルを中心としてシールドを動かすことによって、システムの相互インダクタンスを効果的に変化させ、共鳴周波数を調整するためのメカニズムが与えられる。
【0025】
本発明に従った別の実施態様においては、プラズマ源は、磁石アレイ14、プロセス・チャンバ壁外部のRFコイル・アレイ15及びプロセス・チャンバ内部のRFコイル・アレイ16を含むプロセス・チャンバと組み合わされる。RFコイルは、プラズマ源の1つとして設計することができ、すなわち複数のキャパシタを持つ。コイルの一部はフィードバック・コイルとして使用され、他の部分はセンサ・コイルとして使用される。コイル・センサ信号を入手することによってプラズマ安定性を制御し、処理後プラズマ作用を改良するために適切な電流を加えることが可能である。センサ・コイルは、他のタイプのセンサ(光学プローブ、ホール・プローブなど)と交換することができる。
【0026】
本発明に従った別の実施態様においては、プロセス・チャンバ内部に一連の電極が追加され、一般にこれに振動電圧が加えられる。これによってプラズマ及び/又は粒子を閉じ込めることができる。このトラップの四極電界は、周期的集束四極磁界が荷電粒子に与える半径方向力と同様の半径方向力を荷電粒子に与える。
【0027】
本発明に従った別の実施態様においては、核磁気共鳴による現場モニタリングを行うためにプロセス・チャンバのコンポーネント(磁石アレイ及びRFコイル・アレイ)が使用される。実際、1つまたはそれ以上のコイルを通じてRF磁界の過渡的パルスを応用することができる。パルスを切った後、同じコイルに誘導された交流電圧として、放出されたエネルギーが測定される。このNMR信号の振幅は観察対象の物体(プロセス・チャンバ壁、加工物など)における共鳴スピンの数に比例する。しかし、スピンとその原子及び分子環境との間の相互作用によって並びにスピン-スピン間の相互作用によって、吸収される過剰エネルギーも分散する。この相互作用は、分子運動によって時間に伴って変調し、2つの緩和過程を生じる。これによって、例えば、化合水を物理的に固体面に結合した水及びバルク液体状態の水から区別することができる。特定の方向の勾配を定義する磁界の強さによってモニタリングを改良することが可能である。
【0028】
このようなNMRモニタリングによって、設備の使用可能時間を最適化し、さらに製造される装置の生産率を改良するために、工程を大幅に改良することができる(プラズマ工程の前及び後、または予防保守後に、環境の質特に水分を制御することが可能である)。
【0029】
本発明に従った別の実施態様においては、プラズマ源はRFプラズマによる気体レーザ・システムを実現するために光共振器と結合される。この装置は、クオーツで作られ光共振器を形成する2枚の平らな半透明ミラーによって密封されるガス放電管を含み、RF放電を励起するために磁石と一緒に本発明のアンテナが使用される。ミラーのうちの1枚は、圧電変換器に取り付けることができる。ミラーは光波を多重反射するように並べられる。
【0030】
本発明に従った別の実施態様においては、プラズマ源は、プラズマの点火及び維持の核(nclei)として作用する音響キャビテーション・バブルを発生する装置と結合される。プラズマは液体環境において形成されるので、かつてないほど低いプラズマ温度でずっと高いフィルム蒸着率またはエッチング率(関係する化学種によって決まる)を得ることができる。さらに、この工程は常温及び常用圧力で実施することができる。以前には、S.Nomura及びH.Toyota(2003、Applied Physics Letters、83、4503)によって超音波とマイクロ波放射の結合が行われ、また一方で、ダウ・コーニング・プラズマ(Dow Corning Plasma)によって超音波とグロー放電の結合が設計された。本発明においては、超音波とRFプラズマ・タイプの結合が提案される。
【0031】
本発明の主要な用途は、プラズマ加工(半導体製造、マイクロテクノロジー、ナノテクノロジー)、プラズマ溶接、プラズマに基づく滅菌、プラズマ切断、宇宙推進、プラズマ切削システム、学術研究などである。
【0032】
本発明について特定的に説明し図解したが、これは、望ましい実施態様を例示するためのものである。開示は一例として行われている事を理解されたい。当業者は、特許請求の範囲において請求される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、部品、ステップ及び特徴の組合せ及び配列に様々な変更を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に従ったアンテナ配列の略図である。
【図2】別の実施態様におけるアンテナ構成の略図である。
【図3】プラズマ源の基本構成の略図である。
【図4】軸方向伝導性素子が捻れているアンテナ構成の略図である。
【図5】反応器の内部及び外部のアンテナ及び要素磁石アレイを含むプラズマ反応器の構成の略図である。
【図6】本発明に従った開放伝導性ループを持つアンテナ配列の略図である。
【図7】別の実施態様のアンテナ構成の略図である。
【図8】本発明に従ったアンテナ網の略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ源装置であり、
a.アンテナと、
b.前記アンテナ付近のプラズマ発生チャンバと、
c.前記プラズマ発生チャンバに少なくとも1つの流体を導入するための流体注入器と、
d.連続またはパルスRF電源を持つ高周波発生器と、を有し、
前記アンテナが、共通の縦軸に沿って間隔を置く2つの伝導性ループ素子及び前記伝導性ループ素子を電気的に相互接続する少なくとも1つの軸方向伝導性セグメントを含み、前記伝導性ループ素子の各々及び/又は前記軸方向伝導性セグメントが少なくとも1つの容量性素子を含む、
ことを特徴とするプラズマ源装置。
【請求項2】
前記伝導性ループ素子のみが少なくとも1つの容量性素子を含む、請求項1に記載のプラズマ源装置。
【請求項3】
前記軸方向伝導性素子のみが少なくとも1つの容量性素子を含む、請求項1に記載のプラズマ源装置。
【請求項4】
前記伝導性ループ素子及び前記軸方向伝導性セグメントが少なくとも1つの容量性素子を含む、請求項1に記載のプラズマ源装置。
【請求項5】
複数の軸方向伝導性セグメントを含み、各軸方向伝導性セグメントが前記伝導性ループ素子を相互接続する、請求項1〜4の何れか一項に記載のプラズマ源装置。
【請求項6】
冷却器、ヒートパイプ、冷凍機またはペルチエ装置などアンテナ冷却手段を含む、請求項1〜5の何れか一項に記載のプラズマ源装置。
【請求項7】
特にプラズマ点火中前記プラズマ発生チャンバの内部と外部との間の熱衝撃を避けるための前記プラズマ発生チャンバの熱制御手段を含む、請求項1〜6の何れか一項に記載のプラズマ源装置。
【請求項8】
前記高周波発生器から前記アンテナへの高周波エネルギーの最適の伝達を促進するように、前記高周波発生器と前記アンテナを相互接続するマッチング回路を含む、請求項1〜7の何れか一項に記載のプラズマ源装置。
【請求項9】
前記アンテナとプラズマとの間の最適の電磁結合を定義する又はリアルタイムに調整するのに適する、アンテナを取り囲むがこれから切断される固定又は可動シールドを含む、請求項1〜8の何れか一項に記載のプラズマ源装置。
【請求項10】
1つ又は複数の前記軸方向伝導性素子が前記容量性素子を通じて直接前記シールドに接続する、請求項1〜9の何れか一項に記載のプラズマ源装置。
【請求項11】
前記アンテナの周りに配列される磁界発生器を含む、請求項1〜10の何れか一項に記載のプラズマ源装置。
【請求項12】
前記容量性素子のうち少なくとも1つがチューニング可能である、請求項1〜11の何れか一項に記載のプラズマ源装置。
【請求項13】
前記軸方向伝導性素子又は前記軸方向伝導性セグメントのうち少なくとも1つが捻られる、請求項1〜12の何れか一項に記載のプラズマ源装置。
【請求項14】
前記伝導性ループ素子のうち少なくとも1つが可動性である、請求項1〜13の何れか一項に記載のプラズマ源装置。
【請求項15】
前記プラズマ源装置が、前記プラズマ発生チャンバの境界に配置される少なくとも2枚のミラー、1枚は部分反射であるが、を含む光学共鳴器と結合され、前記ミラーは光波の複数の反射を与えるように整列される、請求項1〜14の何れか一項に記載のプラズマ源装置。
【請求項16】
前記プラズマ源装置が、超音波によりキャビテーション・バブルを発生する装置と結合され、RFエネルギーがプラズマ点火及び維持のための核として作用する前記音響キャビテーション・バブルの内部に誘導され、前記プラズマ発生チャンバが前記バブル発生の基となる液体を収納することができる、請求項1〜15の何れか一項に記載のプラズマ源装置。
【請求項17】
前記プラズマ源装置が、電子サイクロトロン共鳴源またはイオンサイクロトロン共鳴源など補完的プラズマ源と結合される、請求項1〜16の何れか一項に記載のプラズマ源装置。
【請求項18】
前記プラズマ源装置が前記プラズマ発生チャンバの内部または外部の補完的アンテナと結合される、請求項1〜17の何れか一項に記載のプラズマ源装置。
【請求項19】
前記アンテナが前記プラズマ発生チャンバ内部で実施される核磁気共鳴(NMR)監視または流体または工作物の分析を行うための受信システムとしても適する、請求項1〜18の何れか一項に記載のプラズマ源装置。
【請求項20】
1つ又は複数の前記軸方向伝導性セグメント及び/又は前記伝導性ループ素子の各々が体積伝導性ワイヤ、編組線、リッツ線又は中空線で作られる、請求項1〜19の何れか一項に記載のプラズマ源装置。
【請求項21】
請求項1〜20の何れか一項において定義されるアンテナのネットワークを含み、前記プラズマ源装置において、隣接する対の伝導性ループ素子が少なくとも1つの共通の軸方向伝導性セグメントを有する、請求項1〜20の何れか一項に記載のプラズマ源装置。
【請求項22】
前記プラズマ源装置が、1つまたは複数の加工チャンバに接続される、請求項1〜21の何れか一項に記載のプラズマ源装置。
【請求項23】
請求項1〜22の何れか一項に記載の複数のプラズマ源装置であって、各プラズマ源が少なくとも1つの加工チャンバに協働的に接続される、プラズマ源装置。
【請求項24】
請求項1〜23の何れか一項に記載の1つ又は複数のプラズマ源装置であって、複数のRFコイルを含み、前記RFコイルが前記加工チャンバに近接して円周状に配置される、プラズマ源装置。
【請求項25】
請求項1〜23の何れか一項に記載の1つ又は複数のプラズマ源装置であって、少なくとも1つのRFコイルが容量性素子を含む、プラズマ源装置。
【請求項26】
請求項22,23,24又は25の何れか一項に記載の1つ又は複数のプラズマ源装置であって、複数の磁石を含み、前記磁石が、例えば加工チャンバ及び/又はその内部の加工物のNMR検査を行うために前記加工チャンバに近接して円周状に配置される、プラズマ源装置。
【請求項27】
請求項22,23,24,25及び26の何れか一項に記載のプラズマ源装置であって、振動電圧が加えられるポール・トラップ型又はペニング・トラップ型を形成する複数の電極を含む、プラズマ源装置。
【請求項28】
請求項1〜27の何れか一項に記載のプラズマ源装置における、例えば水分の現場NMR監視、加工チャンバの現場NMR検査又は加工チャンバ内部の加工物(例えば、ウェハー)の現場NMR分析への使用。
【請求項29】
請求項1〜28の何れか一項に記載のプラズマ源装置における、RF励起が同時に前記アンテナの1つまたは複数の部分に、望ましくは前記アンテナの2つの部分に加えられ、前記2つの部分の差が入力励起において90度位相がずれるへの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−511867(P2007−511867A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529535(P2006−529535)
【出願日】平成16年5月18日(2004.5.18)
【国際出願番号】PCT/CH2004/000300
【国際公開番号】WO2004/105078
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYREX
【出願人】(505434320)エリーゼン ソシエテ ア レスポンサビリテ リミテ (1)
【Fターム(参考)】