説明

プリプレグ繊維の製造方法および製造装置

【課題】ボイドや毛羽立ちの発生が抑制されたプリプレグ繊維を提供する。
【解決手段】繊維束20の搬送に応じて回転するように軸支された含浸装置24を繊維束20が通過する際に樹脂液が含浸され、プリプレグ繊維が作製される。含浸装置24は、繊維束20と接触する繊維束接触面35を有する円筒形状の繊維束含浸部34と、繊維束含浸部34の内側に配置され、樹脂液を貯留するための貯液部32と、を含む。繊維束含浸部34は、貯液部32と連通し、含浸装置24の回転に応じて樹脂液が吐出される複数の樹脂液吐出孔54を有し、樹脂液吐出孔54から吐出された樹脂液が、繊維束接触面35の近傍を通過する繊維束20に含浸される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリプレグ繊維の製造方法および製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
酸素や窒素など、常温常圧状態における容積の大きな気体を高密度、小容量にて貯蔵するための容器として、所定の圧力により圧縮させて液体または気体として貯蔵する、圧力容器が使用されている。従来、耐圧性を有する鋼鉄製その他の金属製圧力容器が使用されてきたが、近年、天然ガスや水素ガスなどを貯蔵した圧力容器を車両などの移動体に搭載し、燃料として使用する技術に適用するため、圧力容器に対して要求される性能として、高密度化可能な耐圧性、耐久性はもちろんのこと、容器の軽量化も重要な課題となっていた。
【0003】
一方、例えば炭素繊維強化樹脂(CFRP)やガラス繊維強化樹脂(GFRP)などの繊維強化樹脂(FRP)を用いた圧力容器が知られている。FRP製の圧力容器は一般に、金属製圧力容器よりも軽量であるため、車両などの移動体への搭載には有利であり、また、水素用圧力容器として使用する場合における、従来の鋼鉄製容器の課題であった水素脆化その他の懸念も少ないため、特に注目されている。
【0004】
図3は、一般的なFRP製圧力容器の構成の概略を説明するための図である。図3に示す圧力容器10は例えば、6−ナイロン(ナイロン6とも称する)、6,6−ナイロン(ナイロン66とも称する)などのナイロン樹脂やポリプロピレン樹脂などの高いガスバリア性を有する熱可塑性樹脂に、必要に応じてエラストマーを添加して構成された中空形状のライナ12と、ライナ12の外周部分を被覆する繊維強化樹脂層(FRP層)14とを備え、構成されている。圧力容器10にはまた、少なくとも一つの口金16を有する。口金16は、図示しないバルブを接続可能に構成されており、このバルブ操作により圧力容器10の内外への高圧流体の流通を調節することができる。
【0005】
繊維強化樹脂層14は一般に、例えばガラス繊維、炭素繊維、ケブラ繊維などからなる、長く連続した糸状の繊維を複数束ねた繊維束(フィラメント)に、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂からなる樹脂液を含浸させ、必要に応じて乾燥および/または半硬化させたいわゆるプリプレグ繊維をライナの外周表面に巻きつけて、その後該樹脂液を硬化させることにより形成することができる。このとき、ライナ12の材質および/または厚みの他、例えば、繊維強化樹脂層14を構成する繊維または繊維束の太さや巻き数を調整し、繊維強化樹脂層14の厚みを調整することにより、圧力容器10の耐圧性能その他の設計強度を制御することができる。
【0006】
繊維束への樹脂液の含浸は、フィラメントワインディング(FW)とも称される、ライナへの巻き付け工程に先立つ工程として連続的に行なうことができる。また、別の手法として、予め繊維束に樹脂液を含浸させたプリプレグ繊維を用意し、これを別工程としてFWに利用することもまた、FRP製の圧力容器を作製するための周知の技法として知られている(例えば、特許文献1〜4)。
【0007】
特許文献1には、繊維束に溶融樹脂を含浸させたヤーンプリプレグを製造するために、回転する溝付きローラの溝部に溶融樹脂を供給しながら、回転方向の下流側でこの溝付きローラの溝部に繊維束を接触させることについて開示されている。
【0008】
特許文献2には、熱硬化性樹脂を含浸させたガラス繊維不織布が乾燥する前に、離型性のロールを当接し、プリプレグ表面にガラス繊維の毛羽立ちができるのを抑制することについて開示されている。
【0009】
特許文献3には、樹脂ワニスの基材への含浸性を改善するために回転ロールの表面に設けられた複数の小孔から溶剤を噴出させて基材を予備含浸させた後、樹脂ワニスを含浸させることについて開示されている。
【0010】
特許文献4には、樹脂含浸槽の樹脂を樹脂含浸ロールの回転により表面にピックアップし、ピックアップされた樹脂の膜厚を膜厚調整板により調整後、繊維基材に塗布含浸する樹脂含浸装置において、膜厚調整板と樹脂含浸ロール表面との間隔を繊維基材の移動速度に連動して制御し、含浸樹脂量を調整することについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平09−255799号公報
【特許文献2】特開平08−112815号公報
【特許文献3】特開平07−214554号公報
【特許文献4】特開2000−108211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
FRP製圧力容器の作製に用いられるフィラメントの一例としては、直径が5〜7μm程度の細い繊維を、例えば3000本〜24000本まとめたものを挙げることができる。このような繊維束に樹脂液を含浸させる際には、この繊維間に空気が入り込んでいわゆるボイドが発生し、樹脂液の含浸が不均一なプリプレグ繊維が形成され得る。繊維間へのボイドの発生は、繊維束の含浸時間が短くなると特に顕著となり得る。かかるプリプレグ繊維を用いて作製された圧力容器は、ボイドを含まないプリプレグ繊維を用いて作製された圧力容器と比較して、樹脂量または樹脂密度が低い箇所を有するため、例えば耐衝撃性、耐圧性、耐久性などの物理的強度が懸念される場合があり得た。
【0013】
また、プリプレグ繊維の作製時における繊維束やプリプレグ繊維の搬送には、例えば、その搬送経路内に設置された搬送ロールその他の1または複数の搬送用部材を含む搬送手段が用いられる。このような構成を有するプリプレグ繊維の作製装置において、生産性の向上のために繊維束やプリプレグ繊維の搬送速度を上げようとすると、その搬送用部材と繊維束/プリプレグ繊維との接触部分で生じる「こすれ」やこれに伴う摩擦が大きくなる。このとき、繊維束および/またはプリプレグ繊維の表面が荒れていわゆる「毛羽立ち」が発生し、場合によっては「毛羽立ち」が目視できる程度に顕著になる場合もあり得た。したがって、圧力容器の強度低下の一因となり得る繊維束および/またはプリプレグ繊維の荒れや「毛羽立ち」の発生を抑制するために、プリプレグ繊維の作製時における繊維束および/またはプリプレグ繊維の搬送速度を制限する必要があり、生産性の向上が阻害される要因ともなり得た。
【0014】
本発明は、ボイドや毛羽立ちの発生が抑制されたプリプレグ繊維を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の構成は以下のとおりである。
【0016】
(1)軸支された円筒形状の基体の表面上に、連続した糸状の繊維を複数束ねて構成される繊維束を接触させて搬送し、前記基体を回転させる繊維束搬送工程と、前記基体の回転に応じて樹脂液を前記基体の内部から表面に向けて吐出し、前記基体の表面上に搬送される前記繊維束に含浸させる含浸工程と、を含むことを特徴とするプリプレグ繊維の製造方法。
【0017】
(2)上記(1)に記載の製造方法において、前記樹脂液が、前記基体の回転速度に応じた遠心力に基づいて吐出される、プリプレグ繊維の製造方法。
【0018】
(3)連続した糸状の繊維を複数束ねて構成される繊維束を搬送させる搬送手段と、前記繊維束の搬送に応じて回転するように軸支された、前記搬送手段により搬送された繊維束に樹脂液を含浸させるための含浸手段であって、前記繊維束と接触する繊維束接触面を有する円筒形状の繊維束含浸部と、前記繊維束含浸部の内側に配置され、前記樹脂液を貯留するための貯液部と、を含む、含浸手段と、を備え、前記繊維束含浸部は、前記貯液部と連通し、前記含浸装置の回転に応じて前記樹脂液を吐出する複数の樹脂液吐出孔を有し、前記樹脂液吐出孔から吐出された前記樹脂液が、前記繊維束接触面の近傍を通過する前記繊維束に含浸される、プリプレグ繊維の製造装置。
【0019】
(4)上記(3)に記載の製造装置において、前記樹脂液が、前記繊維束含浸部の回転速度に応じた遠心力に基づいて前記樹脂液吐出孔から吐出される、プリプレグ繊維の製造装置。
【0020】
(5)上記(3)または(4)に記載の製造装置において、前記繊維束含浸部が、メッシュ基材により形成されてなる、プリプレグ繊維の製造装置。
【発明の効果】
【0021】
ボイドや毛羽立ちの発生が抑制されたプリプレグ繊維を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態におけるプリプレグ繊維の製造装置100の一例について、その構成の概略を説明するための上面図である。
【図2】図1に示す含浸装置24のA−A断面図である。
【図3】圧力容器10の構成の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を用いて詳細に説明する。
【0024】
図1、2を参照し、本発明の実施の形態におけるプリプレグ繊維の製造装置の構成の概略について説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるプリプレグ繊維の製造装置100を上面視した図であり、図2は、図1のA−A断面図に相当する、図1に示す含浸装置24の一部を断面視した図である。
【0025】
図1に示すプリプレグ繊維の製造装置100は、巻出しボビン22と、含浸装置24と、巻取りボビン28とを備える。巻出しボビン22から連続して巻き出される繊維束20は、含浸装置24を通過する際に樹脂液が含浸され、プリプレグ繊維26として巻取りボビン28に巻き取られる。必要に応じて、繊維束20を拡幅するための拡幅ローラ(図示せず)や、プリプレグ繊維26を収束させる収束ローラ(図示せず)を設置することも好適である。
【0026】
巻出しボビン22には、必要な長さの繊維束20が予め巻き取られている。例えば送出しローラ(図示せず)に設置された巻出しボビン22の矢印36方向への回転により、繊維束20が巻き出され、含浸装置24に連続搬送される。
【0027】
巻出しボビン22と巻取りボビン28は、協働して、適切な搬送速度で繊維束20を搬送するための搬送手段として機能する。必要に応じて、駆動または搬送ローラ42,44、ダンサーロールやアキュームレータなどの図示しない張力緩和装置その他の公知の搬送補助機構を適用することができる。
【0028】
含浸装置24は、巻出しボビン22から巻き出された繊維束20と接触する繊維束接触面35を有し、繊維束20に樹脂液を含浸させるための繊維束含浸部34と、繊維束含浸部34の内側に配置され、かつ、互いに平行に配置された上蓋50および下蓋52により外部と区画された、樹脂液を貯留することができる貯液部32とを含み、構成されている。繊維束含浸部34は、図2に示す軸46,48を回転軸として回転可能となるように軸支され、貯液部32と連通する複数の樹脂液吐出孔54が形成された円筒形状の基体である。
【0029】
貯液部32は、樹脂供給装置(図示せず)により外部から供給された樹脂液が、繊維束含浸部34の回転時に樹脂液吐出孔54から外部に向けて適切に吐出されるように貯留させることができるように構成されている。また、実施の形態において、含浸装置24の停止時には、樹脂液が樹脂液吐出孔54の外部に漏出しないように貯液部32と樹脂液吐出孔54との連通を遮断し、含浸装置24の駆動時には開放して貯液部32と樹脂液吐出孔54とを連通させるための開閉弁(図示せず)を備えることができる。また、他の実施の形態として、含浸装置24の駆動時には樹脂液を貯液部32に供給し、含浸装置24の停止時には樹脂液を貯液部32から排出する構成とすることもできる。
【0030】
巻出しボビン22から搬送された繊維束20を繊維束接触面35に接触させるようにして搬送させると、繊維束20の搬送速度に応じて含浸装置24が矢印38方向に回転する。貯液部32内に貯留された樹脂液には、貯液部32の中心部分から繊維束含浸部34方向に向けて、含浸装置24の回転速度に応じた遠心力が作用する。このため、含浸装置24の回転速度を所定の値まで上昇させると、樹脂液吐出孔54から樹脂液が放射状に吐出され、繊維束接触面35と接触するように搬送される繊維束20に樹脂液を含浸させることができる。
【0031】
このとき、繊維束20の搬送速度を上昇させ、含浸装置24の回転速度を上昇させればさせるほど、樹脂液吐出孔54から吐出される樹脂液の吐出量が増加し、かつ、吐出速度が増加する。さらに、繊維束接触面35に接触するように搬送される繊維束20にも同様に、含浸装置24の回転に応じた遠心力がかかるため、繊維束20を構成する繊維間の空気が押し出され、ボイドの発生が抑制される。このため、生産性を落とすことなく、ボイドの発生が抑制されたプリプレグ繊維26を作製することができる。
【0032】
本発明の実施の形態において、繊維束20と繊維束接触面35との接触部分では、含浸処理時における繊維束20と繊維束含浸部34との相対速度は実質的に0である。このため、繊維束接触面35との移動速度の相違に伴う繊維束20表面への毛羽立ちの発生を抑制することができる。本発明の実施の形態において、繊維束含浸部34はそれ自身では回転せず、繊維束20の搬送に従って回転するように構成され得る。また、他の実施の形態として、繊維束20の搬送速度を検出するための速度センサ(図示せず)と繊維束含浸部34の回転速度を検出するための速度センサ(図示せず)とを設置し、各速度センサの出力値に応じて、繊維束20と繊維束含浸部34との相対速度が0となるように同期させるように構成されてもよい。
【0033】
含浸装置24において繊維束20に樹脂液が含浸されて作製されたプリプレグ繊維26は、巻き取りローラ(図示せず)に設置された巻取りボビン28の矢印40方向への回転により、巻取りボビン28に巻き取られる。必要に応じて、含浸装置24と巻取りボビン28との間に乾燥および/または半硬化手段を設置してもよい。
【0034】
本発明の実施の形態において、繊維束20/プリプレグ繊維26の搬送速度は、例えば、0.3〜1m/s程度、より好ましくは、例えば0.7m/s程度とすることができる。繊維束20/プリプレグ繊維26の搬送速度が0.3m/sを下回る場合には、プリプレグ繊維26の生産性が低下するばかりでなく、繊維束20に対し樹脂液が適切に含浸されず、またボイドの除去も不十分となる場合がある。一方、繊維束20/プリプレグ繊維26の搬送速度が1m/sを超えると、樹脂液吐出孔54から吐出される樹脂液の一部が繊維束20を透過し、周囲を汚損する場合がある。
【0035】
本発明の実施の形態において、繊維束含浸部34としては、例えば、成形容易性、耐久性の観点から、ステンレス鋼などの金属材料を好適に用いることができる。
【0036】
また、樹脂液吐出孔54の形成は、繊維束含浸部34の材料となる平板に等間隔で穴あけ加工したものであってもよいが、所望の太さの線材を格子状に配置したメッシュ基材を利用して繊維束含浸部34を形成することが好適である。特に断面がほぼ円形または楕円形の線材を適用したメッシュ基材を適用すると、繊維束20との接触面積がより小さくなるため、より好適である。実施の形態において、樹脂液吐出孔54の目開きまたは直径に制限はないが、作製可能な程度を限度として大きければ大きい方がよい。
【0037】
また、含浸装置24の上蓋50および下蓋52は、水平配置された構成でなくてもよく、水平面に対してそれぞれ傾斜させて配置されていてもよい。また、他の実施の形態として、上蓋50および下蓋52は互いに平行でなくてもよいが、樹脂液の質量の影響を低減させて複数の樹脂液吐出孔54から放射状に吐出される樹脂液の量または速度をより安定に保持する観点から、円筒形状の繊維束含浸部34を直立配置させることが好適である。
【0038】
本発明の実施の形態において、含浸装置24を用いて繊維束20に含浸される樹脂液として、例えば液状の熱硬化性樹脂を用いることができ、要求される性能に応じて適宜選択することが可能である。かかる熱硬化性樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などを使用することができるが、これに限定されない。また、樹脂液吐出孔54から吐出される樹脂液の吐出量を増加させるために、必要に応じて溶媒の添加や温度調節により樹脂液の粘度を調整してもよい。他の実施の形態として、減圧雰囲気下で含浸工程を実施することも好適である。
【0039】
さらに別の実施の形態として、樹脂液吐出孔54から吐出され、繊維束20に含浸されなかった樹脂液を回収し、場合によっては再利用するための樹脂液回収機構(図示せず)を適用することも好適である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、複数の繊維を束ねた繊維束に樹脂液を含浸させてなるプリプレグ繊維の作製に利用することが可能であり、数千から2万本以上もの繊維からなる繊維束を利用したプリプレグ繊維の作製に特に有用である。
【0041】
本発明は、水素タンクなど、FRP製の圧力容器の作製のために利用することが可能である。
【符号の説明】
【0042】
10 圧力容器、12 ライナ、14 繊維強化樹脂層、16 口金、20 繊維束、22 巻出しボビン、24 含浸装置、26 プリプレグ繊維、28 巻取りボビン、32 貯液部、34 繊維束含浸部、35 繊維束接触面、42,44 搬送ローラ、46,48 軸、50 上蓋、52 下蓋、54 樹脂液吐出孔、100 プリプレグ繊維の製造装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸支された円筒形状の基体の表面上に、連続した糸状の繊維を複数束ねて構成される繊維束を接触させて搬送し、前記基体を回転させる繊維束搬送工程と、
前記基体の回転に応じて樹脂液を前記基体の内部から表面に向けて吐出し、前記基体の表面上に搬送される前記繊維束に含浸させる含浸工程と、
を含むことを特徴とするプリプレグ繊維の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の製造方法において、
前記樹脂液が、前記基体の回転速度に応じた遠心力に基づいて吐出されることを特徴とするプリプレグ繊維の製造方法。
【請求項3】
連続した糸状の繊維を複数束ねて構成される繊維束を搬送させる搬送手段と、
前記繊維束の搬送に応じて回転するように軸支された、前記搬送手段により搬送された繊維束に樹脂液を含浸させるための含浸手段であって、前記繊維束と接触する繊維束接触面を有する円筒形状の繊維束含浸部と、前記繊維束含浸部の内側に配置され、前記樹脂液を貯留するための貯液部と、を含む、含浸手段と、
を備え、
前記繊維束含浸部は、前記貯液部と連通し、前記含浸装置の回転に応じて前記樹脂液を吐出する複数の樹脂液吐出孔を有し、
前記樹脂液吐出孔から吐出された前記樹脂液が、前記繊維束接触面の近傍を通過する前記繊維束に含浸されることを特徴とするプリプレグ繊維の製造装置。
【請求項4】
請求項3に記載の製造装置において、
前記樹脂液が、前記繊維束含浸部の回転速度に応じた遠心力に基づいて前記樹脂液吐出孔から吐出されることを特徴とするプリプレグ繊維の製造装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の製造装置において、
前記繊維束含浸部が、メッシュ基材により形成されてなることを特徴とするプリプレグ繊維の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−245659(P2011−245659A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118803(P2010−118803)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】