説明

プリント回路基板の製造方法および使用ならびにプリント回路基板

本発明は、構成部品(6)をプリント回路基板(1)へ、またはプリント回路基板内に固定する、および/またはプリント回路基板の個々の素子を接続する方法で、相互接続または互いに固定される構成部品(6)および/またはプリント回路基板(1)の領域が少なくとも1つのそれぞれのはんだ層(4、5、9、10)とともに備えられ、はんだ層(4、5、9、10)は周囲条件に対して高められた圧力および温度で互いに接触および相互接続され、金属間拡散層(12)が形成され、それにより、高い強度の接続を実現する。さらに本発明は前記方法の使用およびプリント回路基板(1)にも関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構成部品をプリント回路基板へ、またはプリント回路基板内に固定する、および/またはプリント回路基板の個々の素子を接続する方法のほか、そのような方法の使用ならびにプリント回路基板にも関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路基板の製造、詳細には、構成部品のプリント回路基板への、またはプリント回路基板内での固定、および/またはプリント回路基板の個々の素子の接続という状況で、例えば、リジッドフレキシブルプリント回路基板の製造では、とりわけ、現行の従来技術に沿う3つの方法が適用され、ここで参照されるのは、特に、ワイヤーボンディング、はんだ付け、および電気的導通性もしくは導電性の粘着フィルムまたは接着剤によるボンディングである。リジッドフレキシブルプリント回路基板の製造では、さらに、多くのスペースを要するプラグインシステムが知られている。
【0003】
ワイヤーボンディングの場合、例えば、金またはアルミニウムから形成されたワイヤーは、超音波、熱、および圧力を供給することにより電子構成部品の導体パッドまたは接触部位に接続され、その後、プリント回路基板上の、ともに接続される接触面または領域に引き出される。そのプリント回路基板では、例えば、超音波、熱、および/または圧力を使用した接続またはボンディング手順が繰り返される。そのようなボンディングプロセスに必要な多額のコストに加えて、主な欠点は、並行プロセスが実行不可能な個々の接続の生成を逐次的に連続することにある。特に、接触される各接触または各領域は別々に製造される必要があり、従って全体的に、費用のかさむ方法となっている。使用される金属ワイヤーのタイプによっては、部分的にさらに高い熱負荷が、例えば、300度位までの、そして必要に応じてそれを超える温度で、接続またはボンディングされる構成部品または素子に加えられる。それによって、ワイヤーボンド接続の単に平均的で、ほとんどの場合、十分ではない抗張力も付加的に得られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
はんだ付けプロセスの場合、はんだペースト堆積物の利用に次に、例えば、供給されたはんだペースト堆積物または部位で、相互接続されるプリント回路基板の構成部品、あるいは素子または小領域の配置が行われる。その上で、はんだペーストの溶解による接続はその後、例えば、ともに接続されるプリント回路基板の小領域の構成部品および基板からなる組み立て部品全体のリフロー炉の加熱に影響される。このため、特に無鉛はんだ付けでは、240度を超える、詳細には、265度を超える温度が少なくとも短時間、必要とされ、それは構成部品と接続されるプリント回路基板またはプリント回路基板の小領域にかなりの負荷となり、個々のプリント回路基板層の分離、すなわち層間剥離につながる場合がある。
【0005】
電気的導通性もしくは導電性の粘着フィルムまたは接着剤を使用する場合、例えば、電気的導通性の構成部品の充填材の含有物間の相互作用のために、達成可能な伝導性に関し、妥協点が見つけられる必要があり、そのように達成される粘着力を考慮して、通例、接着特性に不利な影響がない限定された伝導性のみを達成することが可能となる。加熱する接着済み素子がプリント回路基板上で、例えば1つの構成部品または複数の電子構成部品から構成される場合、大きく異なった寸法変化が、使用される物質に応じてさらに発生することになり、詳細には、例えば受動部品の場合に使用されるセラミック、能動部品の場合のシリコンのほか、粘着フィルムおよび接着剤に使用される合成物質ならびに、例えば、銅であっても、それらの膨張係数の部分的な大幅な違いがプリント回路基板の導電性接触部位またはパッドおよび導体トラックの領域で発生し、導通性接着剤を使用して提供されるパッドまたは接触領域の損傷および破壊が、温度変化による温度変動または負荷により生じる場合がある。
【0006】
したがって最初に定義した種類の方法から離れ、本発明は、プリント回路基板へのまたはプリント回路基板内の構成部品の適切な接着および固定および/またはプリント回路基板の個々の素子の接続を維持する問題についての上述の欠点を回避することを目的としており、詳細には、プリント回路基板へのまたはプリント回路基板内の少なくとも1つの構成部品および/またはプリント回路基板の個々の素子間のほか、個々の構成部品および/または小領域の改善された粘着性を備えるプリント回路基板で、耐久性があり、改善または強化された抗張力のある強度を発揮する接続または固定を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの目的を解決するために、最初に定義した種類の方法は、基本的に、相互接続される、または互いに固定される構成部品および/またはプリント回路基板の領域が、はんだ層が互いに接触し、周囲条件に対して高い圧力および温度で相互接続され、金属間拡散層が形成される、少なくとも1つのそれぞれのはんだ層とともに提供されることを特徴としている。相互接続されるか、互いに固定される、構成部品およびプリント回路基板の領域、あるいはプリント回路基板の小領域または小素子に少なくとも1つのそれぞれのはんだ層が付着された後、はんだ層が周囲条件に対して高められた圧力および温度を加えることによって、相互に接着および相互接続され、同時に、金属間拡散層が形成され、プリント回路基板へ接続されるまたは固定される、プリント回路基板の構成部品および/または素子間の適切で高強度の接続が確保され、同時に、相互に隣接または接着したはんだ層間で、合金または接続が形成され、それによって、知られている方法と比較すると、詳細には、例えば変動する温度条件または応力の下での使用中の、破壊に対して高い抗張力のほか、改善された抵抗力も実現される。相互接続または互いに固定される領域、構成部品の特にパッドのほか、プリント回路基板の素子も接続する金属間拡散層を形成することによって、例えば、使用される材料の熱膨張係数の近似または調和が得られるので、接続を提供するために使用される材料の膨張係数の適応または均一化により、熱応力が変動する場合であっても、接続の損傷または破壊に対して大幅に改善された抵抗力を実現することができる。さらに固定または接続手順では、配置または固定される構成部品とプリント回路基板の両方、あるいは、例えばリジッドフレキシブルまたはスティッフフレキシブルプリント回路基板の接着または接続されるプリント回路基板の小領域がより均一で、とりわけ、例えば知られているはんだ付け接着またはワイヤーボンディングプロセスと比較して、より低い熱負荷にしか暴露されないことが確保される。拡散はんだ付け方法または溶融拡散はんだ付け方法を使用し、同時に、金属間拡散層を形成するために周囲条件に対して高くされる圧力と温度が加えられると、相互に接着されたはんだ付け層の材料または構成部品が互いに拡散し、相互への、または互いとのはんだ層の拡散により、高強度の接続を提供する。そのようにする際、金属間層または合金が、金属間拡散層の形成に使用される材料間で発生または生成される場合があり、相互への材料の拡散が、はんだ層でそれぞれ使用される原材料の溶解温度を大幅に下回る温度で起きるようなことには、注意する必要がある。これについては、以下でより詳細に述べられる。
【0008】
プリント回路基板の小領域であっても損傷なく暴露可能な圧力および温度条件で拡散はんだ付けを実行し、同時に、それぞれのはんだ層に使用される材料で、拡散による適切な接続または固定を達成するには、少なくとも1つのはんだ層が銀、金、ニッケル、および銅ならびに/またはスズ、インジウム、およびビスマスからなる群から選択された導電性金属により形成されることが、本発明による方法の好適な実施形態により提案されている。言及された材料は、接続される構成部品および/あるいはプリント回路基板の領域または接触部位の間の適切な接着を達成するのに必要である(複数可)優れた高い電気伝導性を示し、さらに、適切な時間期間にわたって特に比較的低い温度および適切な圧力で、信頼できる金属間接続が接続される構成部品または素子のはんだ層の間に形成されることを確保する。
【0009】
はんだ接続として金属間拡散層の形成に使用される材料が相互接続または互いに固定される構成部品または素子のパッドまたは接触領域に拡散しないようにするには、少なくとも1つのはんだ層を付着する前に、バリア層が構成部品および/またはプリント回路基板で、相互接続または互いに固定される領域に付着することが、さらに好適な実施形態により提案されている。このバリア層によって、形成する金属間接続のはんだ材料または素子、あるいは必要に応じて形成された合金が構成部品および/またはプリント回路基板で、相互接続または互いに固定される領域またはパッドの領域に拡散しないようにすることができる。
【0010】
バリア層の信頼できる形成と同時に、十分な接続性のほか、相互接続または互いに固定される構成部品および素子の隣接する領域またはパッドのほか、加えて提供される少なくとも1つのはんだ層への信頼できる接続も維持することを確保するには、バリア層がニッケル、鉄、またはモリブデンならびに/あるいはニッケルおよび/または鉄を含む合金からなる群から選択された導電性金属により形成されることがさらに好適な実施形態により提案されている。
【0011】
相互接続または互いに固定される領域、特にパッドを接続するために溶解拡散手順をサポートするには、異なる2つのはんだ層が接続または固定される領域に、それぞれ付着されることがさらに好適な実施形態により提案されている。異なる2つのはんだ層を備える、または付着することで、例えば、直接隣接するはんだ層を適切に選択し、同時に、はんだ層をさらに備えることで金属間拡散層の形成下で接着の進行または継続を制御することによって、相互接続される領域を接触した後に、拡散手順を選択的に起動または開始することが可能である。この点において、拡散はんだ層は、例えば、溶解温度の観点で選択されることができ、ここで例えば、低溶解温度材料のはんだ層が相互接続される領域の上側にそれぞれ固定され、そこで、必要に応じ、改善または強化された電気伝導性を備えたより高い溶解温度の材料のはんだ層が、例えば、はんだ層に使用される材料の共晶合金が拡散手順の間にさらに形成されるように、その後に付着され、接続の破壊に対して相応の高い抵抗力のほか、達成される接着について相応の高く優れた電気伝導性を示す。
【0012】
プリント回路基板の製造に特に関連付けられた、薄い厚さまたは層の厚さのそれぞれ少なくとも1つのはんだ層を特に信頼できかつ簡単に付着するには、少なくとも1つのはんだ層およびバリア層が電気化学的もしくは化学的に蒸着または付着されることが本発明による方法のさらに好適な実施形態により提案されている。
【0013】
プリント回路基板の小型化が進むことに伴い、それに応じて個々の素子で厚さの薄い層が使用される、プリント回路基板の製造状況、およびそれに応じた耐久性のある接続または接着の達成を考慮する場合、少なくとも1つのはんだ層および/またはバリア層には少なくとも5ナノメートルの厚さ、詳細には少なくとも100ナノメートルから大きくて100マイクロメートル、好適にはせいぜい20マイクロメートルの厚さがあることがさらに好適な実施形態により提案されている。通常、層の厚さ内で採用される範囲のはんだ層および/またはバリア層のそのような層の厚さは、プリント回路基板の製造で、個々の素子またはそのようなプリント回路基板の層に付着され、その結果、生成される接着はそのようなプリント回路基板に簡単に一体化されることが可能である。
【0014】
接着される領域または素子の信頼できる接続を実現し、同時に、金属間拡散層を形成するには、はんだ付け手順が300バール未満、詳細には250バール未満の圧力、および600度未満、詳細には150度と450度の間の温度で実行されることがさらに好適な実施形態により提案されている。溶解拡散はんだ付け手順で使用される温度を特別に考慮中の場合、部分的に、はんだ付け層の形成に使用される材料の溶解温度をかなり超えた状態の温度で、はんだ付け手順が実行されることが直ぐに明らかになる。
【0015】
接続または固定手順の間に金属間拡散層を形成する場合、少なくとも10分、詳細には少なくとも20分および長くても150分、特にはせいぜい120分の間、高められた圧力および高められた温度が加えられることがさらに好適な実施形態により提案されている。
【0016】
本発明による接続または固定方法の状況において、それぞれ少なくとも1つのはんだ層の付着、および、はんだ付けまたはワイヤーボンディングなどの知られている技術とは対照的に、接続または固定手順の並行または同時実行が、必要に応じて相互接続または互いに固定される非常に膨大な数の領域、特にパッドに影響を与える可能性があるような、はんだ層の相互接着の後に、複数の接続または固定が同時に実現されることが可能であることにさらに留意すべきである。
【0017】
固定される構成部品、または互いに固定されるプリント回路基板の素子で、必要に応じて必要とされる一時または仮の位置決めを確実にするには、少なくとも1つのはんだ層と、必要に応じてバリア層の付着のほか、接続される素子または構成部品のはんだ層の接着の後に、プリント回路基板の固定される構成部品、または互いに固定される素子が一時的に接着剤層を使用して互いに接続されることが本発明による方法のさらに好適な実施形態により提案されている。接着による固定は、単に接続または固定を形成するための溶解拡散方法の実行前後の一時的な位置決め用にのみ提供されるので、接着力に関しては、それに応じて簡単でほんのわずかな必要性を満たす接着剤で十分である。それは、最終的に達成される接続または接着はその後の、構成部品または素子を一方へまたは互いに固定するために、周囲条件に対して高められた圧力および温度で行われる拡散方法の際に達成される。
【0018】
数回、既に上述しているように、特に好適な方法の本発明による方法は、例えば、プリント回路基板上に、またはプリント回路基板内に電子構成部品を装着するために使用されることが可能で、そのような構成部品は能動または受動構成部品、単一の構成部品、または組み立て部品から構成される。
【0019】
さらに、好適な方法の本発明による方法は、プリント回路基板の一部または素子の接続に、特に、リジッドフレキシブルプリント回路基板の製造に適用または使用されることが可能である。
【0020】
本発明による方法の適用または使用の別の好適な分野はプリント回路基板内またはプリント回路基板上の熱放射素子の製造または形成であり、そこでは、適切な材料のはんだ層を配置することにより、そのような熱放射素子を、例えば、プリント回路基板への、またはプリント回路基板内の構成部品の接続または固定、あるいはプリント回路基板の個々の素子の相互接続の生成と同時に製造することが可能である。
【0021】
最初に定義した目的を解決するために、プリント回路基板がさらに提供されており、それは基本的に、構成部品および/またはプリント回路基板の相互接続または互いに固定される領域がそれぞれ少なくともの1つのはんだ層とともに提供され、はんだ層が周囲条件に対して高められた圧力および温度で互いに接触可能および互いに相互接続可能で、金属間拡散層が形成されることを特徴としている。接続または接触される領域間で金属間拡散層が形成されるので、接触パッドの例の場合、したがってプリント回路基板が提供されており、相互接続される構成部品または素子は固定、または互いに接続され、高度に信頼できる接続または接着が示される。
【0022】
続く部分で、本発明は、添付図面で略示される例示的な実施形態の形でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明によるプリント回路基板の小領域、およびそこから隔てられ、したがってそこに接続される構成部品の略図で、バリア層および2つのはんだ層が、相互接続される領域の各領域に本発明による方法で既に付着されている。
【図1A】図1の小領域Aを拡大した詳細図である。
【図2】図1と類似した図で、プリント回路基板と接続される構成部品の一時位置決めのための接着部位のあるプリント回路基板の詳細図である。
【図3】溶解拡散方法が実行されるより前の、図2により適用された接着剤によってプリント回路基板上に配置された構成部品を示す図である。
【図4】はんだ層間に金属間拡散層が形成された状況下で溶解拡散方法の実行後の、プリント回路基板に固定された構成部品を示す図である。
【図5】図1と類似した図で、特に、相互接続前および相互接続される領域にはんだ領域が付着された後の、リジッドフレキシブルプリント回路基板で相互接続された素子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1から図4では、プリント回路基板に、またはプリント回路基板内に構成部品を固定する方法を遂行する様々な方法ステップを図示している。
【0025】
図1では、1で通常示されるプリント回路基板上の、それぞれ2で示され、例えば銅で作られた接触パッドの領域に、バリア層3がこの銅の層2上に配置されており、このバリア層上に、異なるはんだ材料の2つの層4および5が続いて配置または付着されていることが示されている。
【0026】
同様に、バリア層8は、接触部位の領域すなわちパッド7でプリント回路基板1と接続される電子構成部品6にそれぞれ配置または付着され、そこに、異なる材料のはんだ層9および10がここでも続けて付着または備えられている。
【0027】
図1Aは、図1による構成部品6の小領域Aを拡大して図示しており、厚さが誇張され図示されている接触層7には、バリア層8が続けて備えられており、それには、はんだ層9および10がさらに続けて付着されていることは明らかである。
【0028】
図1Aによる例示では、個々の層7から10は理解しやすいように、わずかに分離した方法で図示されており、そのような分離は単に、図式的な例示の理解しやすさを単純化するためのものである。さらに、個々の層7から10の厚さは、単に例示的なもので、一律の縮尺で示しているものではなく、使用可能な層の厚さの範囲は以下で詳細に説明されることになる。
【0029】
プリント回路基板1のパッド2の領域も、図1Aによる例示と同様の方法で形成され、その結果、図1で例示されている実施形態では、層すなわち接触部位2および7はそれぞれ銅で形成されており、それに、例えばニッケルから作られたバリア層3および8がそれぞれ続けて付着されていることが予測されることができる。図1で図示されている例示的な実施形態で、それぞれ互いに接続されている、はんだ層4および5ならびに9および10は、例えば、層4および9は銀から作られ、層5および10はスズから作られることができる。
【0030】
層3、4、および5ならびに8、9、および10の付着は、それぞれ、電気化学的または化学的蒸着または付着により達成されることが可能である。
【0031】
プリント回路基板1上の接触パッド2の領域にバリア層3のほか、少なくとも1つのはんだ層4および5を配置または付着した後、図2で例示されているように、接着部位または層11の配置または付着が行われ、それにより、図3で例示されているように構成部品6の一時的な固定または配置が行われ、はんだ層の接着は続けて行われ、それにより、特に相互に面する層5および10が互いに直接接触するようになることは図3から明らかである。
【0032】
特に、接着部位11による、プリント回路基板1上の構成部品6の配置は、金属間拡散層12を形成するために、次に周囲条件に対して高められた圧力および温度を加え、層3および9に銀が使用され、層5および10にスズが使用される場合、前記拡散層12は共晶銀スズ合金から形成され、それには、例えば構成部品6とプリント回路基板1の接触部位間の知られている接続に比べ、例えば、1000N/mより大きな高められた抗張力がある。
【0033】
この場合、バリア層3および8の厚さはそれぞれ、100ナノメートルから20マイクロメートルの間の範囲である。はんだ層4および5ならびに9および10の厚さはそれぞれ、約100ナノメートルから最大100マイクロメートルの範囲である。
【0034】
上部で示されているようにはんだ層が接触した後、周囲条件に対して高められた圧力および温度が上部で示しているように加えられ、図1から図4で選択されている材料の場合、例えば、少なくとも15分、詳細には、約20分から120分の時間が選択され、圧力は250バール未満で、特に、プリント回路基板1のほか、構成部品6で使用される材料に応じて、150度から450度の間の温度が選択され、それは必要に応じて、ソフトはんだ付けと呼ばれる場合がある。
【0035】
バリア層3および8では、例えば、ニッケルが鉄またはモリブデンならびに/あるいはニッケルおよび/または鉄を含む合金に置き換えられることができる。
【0036】
はんだ層4および5のほか、9および10では、様々な溶解点を有する材料または金属が特に使用されることが可能で、ここで、隣接する層5および10はより低い溶解点、したがってより高い溶解性を有する金属により形成され、一方、層4および9は、例えば金属により形成され、特に例えば、銀の代わりに金または銅などの、一般的に高い導電性を有する金属により形成される。
【0037】
層4および5のほか、9および10で使用される材料の選択は、さらに、適切な温度および圧力条件を加えることによる溶解拡散から得られる合金を考慮しても行われ、次いで、その合金は高い強度、および特に、得ようとしていた高抗張力接着または接続を提供する。
【0038】
図5は、図1と同様の方法で、金属間拡散層の接続と同時に形成を行うための方法がプリント回路基板の個々の素子の接続に使用される実施形態を図示している。この場合、製造されるリジッドフレキシブルプリント回路基板の剛性部品または素子が図5では13および14で図示されており、それぞれは、一般的に知られているように複数の層から構成されている。
【0039】
製造されるリジッドフレキシブルプリント回路基板25の柔軟性のある部分または素子15との接続する領域に、パッド16が配置または示されており、はんだ層17がパッド16上にそれぞれ配置または付着され、例えば、これも銅で作られる。同様の方法で、はんだ層19もパッド18の領域の柔軟性のある素子にそれぞれ配置され、これも銅から形成されることが可能である。
【0040】
素子13、14、および15の一時的な位置決めでは、接着部位またはゾーン20が前の実施形態と同じように備えられている。
【0041】
はんだ層17および19を付着した後、はんだ層17、19の接着は図1から図4による実施形態と同様に行われ、ここで、周囲条件に対して高められた圧力および温度を加えることにより、はんだ層17および19の領域で金属間拡散層が再度形成され、前記金属間拡散層は柔軟性のある小領域15との剛性小領域13および14の高い強度と、それに応じた耐久性のある接続を提供し、同時に、複数の接続または接触部位を形成する。
【0042】
この場合、柔軟性のある素子15は、例えば、その上に導体トラックを含むプリプレグ22および接着剤23が配置された柔軟性のあるコア21と、さらに24で示されているシールド層から構成される。
【0043】
さらにこの場合、溶解拡散工程によりパッド16および18の個々の領域間で堅固な接続が形成され、同時に、はんだ材料17および19には溶解温度を下回る温度が加えられる。
【0044】
上述の材料は、はんだ層17および19の材料として再度使用されることが可能である。
【0045】
さらに、特にプリント回路基板1と一体化された構成部品6の領域の、随所で形成の可能性のある熱の放散に対して、溶解拡散方法が適用され、熱導電性領域を形成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成部品をプリント回路基板(1)へ、またはプリント回路基板内に固定する、および/またはプリント回路基板(1)の個々の素子を接続する方法であって、相互接続または互いに固定される構成部品(6)および/またはプリント回路基板(1、25)の領域が少なくとも1つのそれぞれのはんだ層(4、5、9、10、17、19)とともに備えられ、はんだ層(5、10、17、19)が周囲条件に対して高められた圧力および温度で互いに接触および相互接続され、金属間拡散層(12)も形成されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
少なくとも1つのはんだ層(4、5、9、10、17、19)が、銀、金、ニッケル、および銅、ならびに/またはスズ、インジウム、およびビスマスからなる群から選択される電気伝導性金属によって形成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つのはんだ層(4、5、9、10)を付着する前に、構成部品(6)および/またはプリント回路基板(1)の相互接続または互いに固定される領域に、バリア層(3、8)が付着されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
バリア層(3、8)が、ニッケル、鉄、またはモリブデン、ならびに/あるいはニッケルおよび/または鉄を含む合金からなる群から選択される電気伝導性金属によって形成されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
異なる2つのはんだ層(4、5、9、10)が接続または固定される領域にそれぞれ付着されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのはんだ層(4、5、9、10、17、19)および/またはバリア層(3、8)が電気化学的もしくは化学的に蒸着または付着されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのはんだ層(4、5、9、10、17、19)および/またはバリア層(3、8)が少なくとも5ナノメートル、詳細には、少なくとも100ナノメートルから大きくても100マイクロメートル、好適にはせいぜい20マイクロメートルの厚さであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
はんだ付け手順が300バール未満、詳細には250バール未満の圧力、および600度を下回り、詳細には150度と450度の間の温度で実行されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
高められた圧力および高められた温度が少なくとも10分、詳細には少なくとも20分、および長くても150分、詳細にはせいぜい120分の間、加えられることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
プリント回路基板(1、25)の、固定される構成部品(6)、または互いに固定される素子(13、14、15)が接着層(11、12)を使用して互いに一時接続されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
プリント回路基板(1)上へ、またはプリント回路基板内へ電子構成部品(6)を装着するための、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法の使用。
【請求項12】
特に、リジッドフレキシブルプリント回路基板(25)の製造で、プリント回路基板セグメント(13、14、15)を接続するための、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法の使用。
【請求項13】
プリント回路基板(1、25)内またはプリント回路基板上での熱放散素子の製造のための、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法の使用。
【請求項14】
構成部品(6)および/またはプリント回路基板(1、25)の相互接続または互いに固定される領域が、それぞれ少なくとも1つのはんだ層(4、5、9、10、17、19)とともに備えられ、はんだ層(4、5、9、10、17、19)が周囲条件に対して高められた圧力および温度で互いに接触および相互接続され、金属間拡散層(12)も形成されることを特徴とする、プリント回路基板。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−521458(P2011−521458A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509813(P2011−509813)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【国際出願番号】PCT/AT2009/000210
【国際公開番号】WO2009/140709
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(505420013)アーテー・ウント・エス・オーストリア・テヒノロギー・ウント・ジュステームテッヒニク・アクチェンゲゼルシャフト (19)
【氏名又は名称原語表記】AT & S AUSTRIA TECHNOLOGIE & SYSTEMTECHNIK AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】