プリント配線板およびその製造方法
【課題】プリント配線板の総数の削減による薄型化および軽量化を図ったプリント配線板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタを内蔵するプリント配線板において、インダクタが存在する部分とその周辺部が異なる樹脂で構成されており、その製造方法は(a)インダクタとなる下部配線が形成された第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程(b)インダクタとなる部分の第2の絶縁層をレーザーにより溝を形成し、下部配線を露出させる工程(c)穴開けした部分に、磁性材を含有させた絶縁樹脂を埋め込む工程(d)表面を研磨し、平坦化する工程(e)レーザーにより、ビアを形成する工程(f)上部配線を形成し、ビアで下部配線と電気的接続を施す工程よりなる。
【解決手段】絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタを内蔵するプリント配線板において、インダクタが存在する部分とその周辺部が異なる樹脂で構成されており、その製造方法は(a)インダクタとなる下部配線が形成された第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程(b)インダクタとなる部分の第2の絶縁層をレーザーにより溝を形成し、下部配線を露出させる工程(c)穴開けした部分に、磁性材を含有させた絶縁樹脂を埋め込む工程(d)表面を研磨し、平坦化する工程(e)レーザーにより、ビアを形成する工程(f)上部配線を形成し、ビアで下部配線と電気的接続を施す工程よりなる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種電子機器のプリント配線板に係わり、さらに詳しくはインダクタ内蔵プリント配線板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のプリント配線板に内蔵されるインダクタおよびその製造方法について以下に説明する。図14は、従来のインダクタを内蔵したプリント配線板の一部分を断面で表した説明図である。また図15は、従来のプリント配線板に内蔵されたインダクタの上部配線、下部配線およびビアの一部立体構造を斜視で表した説明図である。インダクタの構造としては、図14及び図15に示す様に、下部配線8、上部配線12及びビア13で構成されたものであり、下部配線8と上部配線12の間の磁性体を含有する樹脂11がプリント配線板全面に形成されたものである。その製造方法としては、所定の回路(図示せず)が形成された基板6上に、磁性体を含有しない樹脂7を形成し、続いてその磁性体を含有しない樹脂7上に下部配線8を形成し、さらに、磁性体を含有する樹脂11を形成し、所定のビアを炭酸ガスレーザー等で形成し、次いで、上部配線12を形成するといったものであった。
【0003】上記したようなプリント配線板及びその製造方法では、一つの層にインダクタ以外の部品を内蔵できす、また、配線引き回しの自由度も制限される事から、プリント配線板の薄型化、軽量化が困難であるといった問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点を鑑みなされたものであり、その目的とするところは、プリント配線板の総数の削減による薄型化および軽量化を図ったプリント配線板及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明は、前記課題を達成するもので、第一の発明としては、絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタを内蔵するプリント配線板において、インダクタが存在する部分とその周辺部が異なる樹脂で構成されている事を特徴とするプリント配線板としたものである。
【0006】第二の発明としては、絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタを内蔵する請求項1のプリント配線板の製造方法において、以下の工程を備える事を特徴とするプリント配線板の製造方法としたものである。
(a)インダクタとなる下部配線が形成された第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程。
(b)インダクタとなる部分の第2の絶縁層をレーザーにより溝を形成し、下部配線を露出させる工程。
(c)穴開けした部分に、磁性材を含有させた絶縁樹脂を埋め込む工程。
(d)表面を研磨し、平坦化する工程。
(e)レーザーにより、ビアを形成する工程。
(f)上部配線を形成し、ビアで下部配線と電気的接続を施す工程。
【0007】第三の発明としては、絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタが内蔵するプリント配線板において、インダクタの上部配線の下側に存在する樹脂と下部配線の上側に存在する樹脂とが異なることを事を特徴とする請求項1記載のプリント配線板としたものである。
【0008】第四の発明としては、絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタが内蔵する請求項3記載のプリント配線板の製造方法において、以下の工程を備える事を特徴とするプリント配線板の製造方法としたものである。
(a)インダクタとなる下部配線が形成された第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程。
(b)インダクタとなる部分の第2の絶縁層上に所定のビアをレーザーにより形成しする工程。
(c)インダクタとなる部分の第2の絶縁層上に、上部配線を形成する工程。
(e)レーザーにより、下部配線上の樹脂を除去する溝を形成する工程。
(f)溝を形成した部分に、磁性材を含有させた絶縁樹脂を埋め込む工程。
【0009】第五の発明としては、絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタが内蔵するプリント配線板において、プリント配線板平面から見て、インダクタの下部配線と上部配線が重なる事を特徴とする請求項3記載のプリント配線板としたものである。
【0010】第六の発明としては、絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタが内蔵するプリント配線板において、インダクタの下部配線の一つ下となる部分に穴開け加工を施す大きさよりも大きい面積で、導体のアイランドを備える事を特徴とする請求項1または3記載のプリント配線板としたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】図1から図5に基づき本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態例のプリント配線板であって、インダクタを含む一部分を上面で表した説明図である。プリント配線板の形態としては、図1に示すように、絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタ1を内蔵するプリント配線板において、インダクタ1が存在する部分とその周辺部が異なる樹脂、いわゆる磁性体を含有する樹脂2と磁性体を含有しない樹脂3で構成されているプリント配線板である。
【0012】具体的には、第1の実施の形態例として、図2はこの例の、図1のA−A’を断面で表した説明図、図3は、図1のB−B’を断面で表した説明図である。図2、図3の断面で示すように、配線パターン(図示せず)を形成した基板6上に第1の絶縁樹脂層4が形成され、その上に第2の絶縁樹脂層5が形成されている。第2の絶縁樹脂層5に対しては、エキシマレーザー等で樹脂厚を調整してインダクタが形成される部分及びその近辺の樹脂を除去し、下部配線8の深さまで溝を形成している。磁性体を含有する樹脂2をこの溝に形成し、上部配線12を形成したものが本実施の形態例である。ここで、図3において、磁性材を形成する部分は、ビア同士の内側(各ビア間)のみでも良い。
【0013】第2の実施の形態例は、図4(本形態例ではインダクタのパターンは第1の例と同じものを利用することとし、図4は図1のA−A’の断面図を示す)のように、図1で示した実施形態例の第1の絶縁樹脂層4に磁性材料を設けたプリント配線板である。この場合、予め基板6上に、穴開け加工を施す部分(溝を形成する部分)よりも大きい面積で、導体のアイランド9を設け、第1の絶縁樹脂層を形成し、下部配線8を形成した後、エキシマレーザー加工よりも安価な炭酸ガスレーザー等により、第1の絶縁樹脂層まで溝を形成したものである。この場合、炭酸ガスレーザ等により、アイランド9及び下部配線8をストッパとして、下部配線8の無い樹脂部分が溶融され、基板上の導体のアイランド9まで溝を形成する。この溝形成後の、第2絶縁樹脂層形成以降は第1の実施の形態例と同様である。
【0014】また、第3の実施の形態例としては、図5に示すように、第1の実施の形態例で第2の絶縁樹脂層を形成し、上部配線12を形成した後に、炭酸ガスレーザー等により溝を形成し、その溝に磁性材を含有する樹脂を形成したものである。この場合は、上部配線12と下部配線8をストッパとして、樹脂を溶融し、溝を形成する。その結果、インダクタの上部配線の下側に存在する樹脂と下部配線の上側に存在する樹脂とが異なるプリント配線板が得られる。またインダクタの上部配線と下部配線とは、プリント配線板平面から見て、その端部が重なった方が、樹脂の過剰な溶融等を防げ、下部配線がストッパーとなり、下部配線8の下層における配線を保護することが可能となり、好ましい。
【0015】なお、上記の全ての実施の形態例では、基板6として配線層を形成されたものを前提としたが、本発明はこれにこだわるものではなく、基板上にビルドアップ工法により絶縁層、配線層が単層又は複数層積層された樹脂基板を上記の基板6としてもよい。
【0016】さらに、上記の実施の形態例で示したインダクタを含む配線板上にビルドアップ工法により単層又は複数積層された多層基板としても良いし、あるいはさらにインダクタを含む層が複数層形成された多層配線基板としても良い。
【0017】また、上記の実施の形態例では、第1、2絶縁樹脂層の磁性材を含有している樹脂の形成された部分以外には、インダクタ以外の通常のビアを形成して良いし、第1、2絶縁樹脂層の上下部で、磁性材を含有している樹脂の形成された部分以外には、インダクタ以外の通常の配線領域として利用して良い。
【0018】つぎに本発明のプリント配線板の製造方法の第一の実施形態例について説明する。両面または片面に所定の回路パターンが形成された樹脂基板6、または樹脂基板に、両面または片面に所定のビルドアップ工程により絶縁層、配線層が単層又は複数層積層された樹脂基板6を用意する。
(1)つぎに基板6上に磁性体を含有しない樹脂を設け第1の絶縁層4とし、その上にインダクタとなる下部配線8を形成し、さらに磁性体を含有しない樹脂を設け第2の絶縁層5を形成する。このとき、第1の絶縁層上には、インダクタになる部分以外の所には、他の配線パターンを形成しても良い。また樹脂基板とに間にビアを設けて第1の絶縁層上の配線パターン等と電気的接続をしても良い。同様に第2の絶縁層上にも配線パターン等を設け、また第2の絶縁層中にビアを設けて、電気的接続をしても良い。
(2)次いで、炭酸ガスレーザーにより、インダクタ1部分の磁性体を含有しない樹脂(第2の絶縁層5)に、溝を設け、下部配線8を露出させる。
(3)次に、スクリーン印刷等により、インダクタ1部の溝に磁性体を含有する樹脂2を形成する。
(4)つぎに、樹脂表面を研磨し、平滑化する。
(5)次いで、炭酸ガスレーザーにより、ビアを形成する。
(6)次に、セミアディティブ法などにより、上部配線12を形成し、ビアで下部配線と電気的接続を施す。
【0019】なおこの後さらにビルドアップ法により絶縁層、配線層を積層し、多層プリント配線板としても良い。従って多層プリント配線板の単層もしくは複数層をインダクタの形成された層とすることが出来る。
【0020】つぎに本発明のプリント配線板の製造方法の第二の実施形態例について説明する。両面または片面に所定の回路パターンが形成された樹脂基板6、または樹脂基板に、両面または片面に所定のビルドアップ工程により絶縁層、配線層が単層又は複数層積層された樹脂基板6を用意する。
(1)つぎに基板6上に磁性体を含有しない樹脂を設け第1の絶縁層4とし、その上にインダクタとなる下部配線8を形成し、さらに磁性体を含有しない樹脂を設け第2の絶縁層5を形成する。このとき、第1の絶縁層上には、インダクタになる部分以外の所には、他の配線パターンを形成しても良い。また樹脂基板とに間にビアを設けて第1の絶縁層上の配線パターン等と電気的接続をしても良い。同様に第2の絶縁層上にも配線パターン等を設け、また第2の絶縁層中にビアを設けて、電気的接続をしても良い。
(2)次いで、インダクタとなる部分の第2の絶縁層上に所定のビアをレーザーにより形成しする。
(3)次いで、インダクタとなる部分の第2の絶縁層上にセミアディティブ法等により、上部配線を形成する。
(4)次いで、レーザーにより、下部配線上の樹脂を除去する溝を形成する。
(5)次いで、溝を形成した部分に、スクリーン印刷等により磁性材を含有させた絶縁樹脂を埋め込む。
【0021】なおこの後さらにビルドアップ法により絶縁層、配線層を積層し、多層プリント配線板としても良い。従って多層プリント配線板の単層もしくは複数層をインダクタの形成された層とすることが出来る。
【0022】本発明のプリント配線板及びその製造方法によると、インダクタが存在する部分のみ磁性体の含有する樹脂を設けるため、インダクタと同じ層に他の部品を内蔵でき、プリント配線板の総数の削減による薄型化および軽量化が可能となり、設計の自由度も拡大する。
【0023】
【実施例】<実施例1>図6から図10に従って実施例1を示す。両面に所定の回路パターンが形成された不織ガラスエポキシ樹脂を含浸させた銅張り樹脂基板を用い、基板6上に磁性体を含有しない樹脂7として、エポキシ系樹脂を厚さ40μm設け、専用の処理液にて、樹脂表面を粗化し、無電解Cuめっきを行った。
【0024】次に、無電解Cuめっき表面にフォトレジストを設け、露光現像を行い、所定のインダクタ配線となる無電解Cuめっき表面を露出させた。
【0025】次に、露出している無電解Cuめっき表面に電解Cuめっきを行い、Cuを10μm程度析出させた。
【0026】次いで、フォトレジストを剥離し、無電解Cuめっき膜を過硫酸アンモニウム水溶液等でソフトエッチングすることにより、インダクタ1となる下部配線8及び他の配線や内蔵部品となる導電体(図示せず)を設けた(図6)。ここで所定の回路パターン(図示せず)の他に、図5に示す様に、インダクタ1下部に、レーザーによる穴開け止めのアイランド導体パターン9を設けた基板6を使用した。
【0027】次に、再び基板6上に磁性体を含有しない樹脂7として、エポキシ系樹脂を厚さ40μm設けた。(図7)
【0028】次いで、炭酸ガスレーザーにより、インダクタ1部の磁性体を含有しない樹脂7に、溝10を設けた(図8)。
【0029】次に、スクリーン印刷により、インダクタ1部の溝10に磁性体を含有する樹脂11として、エポキシ系樹脂を形成し、樹脂表面を研磨し、平滑化させた(図9)。
【0030】次いで、炭酸ガスレーザーにより、ビアの穴開けを行った。
【0031】次に、スパッタ法により、Ni及びCu薄膜を設け、Cu薄膜表面にフォトレジストを設け、露光現像を行い、所定のインダクタ配線となるCu薄膜表面を露出させた。
【0032】次いで、露出しているCu薄膜表面に電解Cuめっきを行い、Cuを10μm程度析出させた。ここで、ビアにより、下部配線8と上部配線12は電気的に完全に接続された。
【0033】次に、フォトレジストを剥離し、Cu及びNi薄膜を過硫酸アンモニウム水溶液等でソフトエッチングすることにより、インダクタ1となる上部配線10及び他の配線や内蔵部品となる導電体(図示せず)を設けることで、本発明であるインダクタの内蔵されたプリント配線板を作製した(図10)。
【0034】<実施例2>図11〜図13に従って実施例2を示す。両面に所定の回路パターンが形成された不織ガラスエポキシ樹脂を含浸させた銅張り樹脂基板を用い、基板6上に磁性体を含有しない樹脂7として、エポキシ系樹脂を厚さ40μm設け、専用の処理液にて、樹脂表面を粗化し、無電解Cuめっきを行った。
【0035】次に、無電解Cuめっき表面にフォトレジストを設け、露光現像を行い、所定のインダクタ配線となる無電解Cuめっき表面を露出させた。
【0036】次に、露出している無電解Cuめっき表面に電解Cuめっきを行い、Cuを10μm程度析出させた。
【0037】次いで、フォトレジストを剥離し、無電解Cuめっき膜を過硫酸アンモニウム水溶液等でソフトエッチングすることにより、インダクタ1となる下部配線8及び他の配線や内蔵部品となる導電体(図示せず)を設けた。
【0038】次に、再び基板6上に磁性体を含有しない樹脂7として、エポキシ系樹脂を厚さ40μm設けた。
【0039】次いで、炭酸ガスレーザーにより、インダクタ1部の磁性体を含有しない樹脂7に、所定のビアの穴開けを行った。
【0040】次に、スパッタ法により、Ni及びCu薄膜を設け、Cu薄膜表面にフォトレジストを設け、露光現像を行い、所定のインダクタ配線となるCu薄膜表面を露出させた。
【0041】次いで、露出しているCu薄膜表面に電解Cuめっきを行い、Cuを10μm程度析出させた。ここで、ビアにより、下部配線8と上部配線12は電気的に完全に接続された。
【0042】次に、フォトレジストを剥離し、Cu及びNi薄膜を過硫酸アンモニウム水溶液等でソフトエッチングすることにより、インダクタ1となる上部配線10及び他の配線や内蔵部品となる導電体(図示せず)を設けた。ここで、プリント配線板平面から見て、インダクタの下部配線と上部配線が一部重なるようにした(図11)。ビア径50μm、ランド径100μm、配線幅75μm、配線ピッチ130μmに設計し、重なり幅は10μmとなった。
【0043】次いで、炭酸ガスレーザーにより、下部配線8上に溝10を形成した(図12)。
【0044】次に、スクリーン印刷により、インダクタ1部の溝10に磁性体を含有する樹脂11として、エポキシ系樹脂を形成することにより、本発明であるインダクタの内蔵されたプリント配線板を作製した(図13)。
【0045】
【発明の効果】本発明は以上のような構成並びに作用を有するから、プリント配線板の総数の削減による薄型化および軽量化が得られる、設計の自由度も拡大するプリント配線板及びその製造方法とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例のプリント配線板において、インダクタを含む一部分を上面で表した説明図である。
【図2】本発明の実施の形態例のプリント配線板において、図1のA−A’を断面で表した説明図である。
【図3】本発明の実施の形態例のプリント配線板において、図1のB−B’を断面で表した説明図である。
【図4】本発明の実施の形態例のプリント配線板において、下部配線の下の層に、溝の深さ調整用のアイランドを設けた構造の図1のA−A’を断面で表した説明図である。
【図5】本発明の実施の形態例のプリント配線板において、下部配線上のみに磁性体を含有する樹脂を設けた構造を断面で表した説明図である。
【図6】本発明のプリント配線板の製造方法の実施例1において、下部配線を設けた後を断面で表した説明図である。
【図7】本発明のプリント配線板の製造方法の実施例1において、下部配線上に磁性体を含有しない樹脂を設けた後を断面で表した説明図である。
【図8】本発明のプリント配線板の製造方法の実施例1において、インダクタとなる部分に溝を設けた後を断面で表した説明図である。
【図9】本発明のプリント配線板の製造方法の実施例1において、溝に磁性体を含有する樹脂を設け、樹脂表面を研磨した後を断面で表した説明図である。
【図10】本発明のプリント配線板の製造方法の実施例1において、上部配線を設けた後を断面で表した説明図である。
【図11】本発明のプリント配線板の製造方法の実施例2において、下部配線および上部配線を設けた後を断面で表した説明図である。
【図12】本発明のプリント配線板の製造方法の実施例2において、下部配線上に溝を設けた後を断面で表した説明図である。
【図13】本発明のプリント配線板の製造方法の実施例2において、下部配線上に磁性体を含有する樹脂を設けた後を断面で表した説明図である。
【図14】従来のプリント配線板の一部分を断面で表した説明図である。
【図15】従来のプリント配線板に内蔵されたインダクタの上部配線、下部配線およびビアの一部立体を斜視で表した説明図である。
【符号の説明】
1・・・インダクタ
2・・・磁性体を含有する樹脂
3・・・磁性体を含有しない樹脂
4・・・第1の絶縁樹脂
5・・・第2の絶縁樹脂
6・・・基板
7・・・磁性体を含有しない樹脂
8・・・下部配線
9・・・アイランド導体パターン
10・・・溝
11・・・磁性体を含有する樹脂
12・・・上部配線
13・・・ビア
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種電子機器のプリント配線板に係わり、さらに詳しくはインダクタ内蔵プリント配線板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のプリント配線板に内蔵されるインダクタおよびその製造方法について以下に説明する。図14は、従来のインダクタを内蔵したプリント配線板の一部分を断面で表した説明図である。また図15は、従来のプリント配線板に内蔵されたインダクタの上部配線、下部配線およびビアの一部立体構造を斜視で表した説明図である。インダクタの構造としては、図14及び図15に示す様に、下部配線8、上部配線12及びビア13で構成されたものであり、下部配線8と上部配線12の間の磁性体を含有する樹脂11がプリント配線板全面に形成されたものである。その製造方法としては、所定の回路(図示せず)が形成された基板6上に、磁性体を含有しない樹脂7を形成し、続いてその磁性体を含有しない樹脂7上に下部配線8を形成し、さらに、磁性体を含有する樹脂11を形成し、所定のビアを炭酸ガスレーザー等で形成し、次いで、上部配線12を形成するといったものであった。
【0003】上記したようなプリント配線板及びその製造方法では、一つの層にインダクタ以外の部品を内蔵できす、また、配線引き回しの自由度も制限される事から、プリント配線板の薄型化、軽量化が困難であるといった問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点を鑑みなされたものであり、その目的とするところは、プリント配線板の総数の削減による薄型化および軽量化を図ったプリント配線板及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明は、前記課題を達成するもので、第一の発明としては、絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタを内蔵するプリント配線板において、インダクタが存在する部分とその周辺部が異なる樹脂で構成されている事を特徴とするプリント配線板としたものである。
【0006】第二の発明としては、絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタを内蔵する請求項1のプリント配線板の製造方法において、以下の工程を備える事を特徴とするプリント配線板の製造方法としたものである。
(a)インダクタとなる下部配線が形成された第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程。
(b)インダクタとなる部分の第2の絶縁層をレーザーにより溝を形成し、下部配線を露出させる工程。
(c)穴開けした部分に、磁性材を含有させた絶縁樹脂を埋め込む工程。
(d)表面を研磨し、平坦化する工程。
(e)レーザーにより、ビアを形成する工程。
(f)上部配線を形成し、ビアで下部配線と電気的接続を施す工程。
【0007】第三の発明としては、絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタが内蔵するプリント配線板において、インダクタの上部配線の下側に存在する樹脂と下部配線の上側に存在する樹脂とが異なることを事を特徴とする請求項1記載のプリント配線板としたものである。
【0008】第四の発明としては、絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタが内蔵する請求項3記載のプリント配線板の製造方法において、以下の工程を備える事を特徴とするプリント配線板の製造方法としたものである。
(a)インダクタとなる下部配線が形成された第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程。
(b)インダクタとなる部分の第2の絶縁層上に所定のビアをレーザーにより形成しする工程。
(c)インダクタとなる部分の第2の絶縁層上に、上部配線を形成する工程。
(e)レーザーにより、下部配線上の樹脂を除去する溝を形成する工程。
(f)溝を形成した部分に、磁性材を含有させた絶縁樹脂を埋め込む工程。
【0009】第五の発明としては、絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタが内蔵するプリント配線板において、プリント配線板平面から見て、インダクタの下部配線と上部配線が重なる事を特徴とする請求項3記載のプリント配線板としたものである。
【0010】第六の発明としては、絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタが内蔵するプリント配線板において、インダクタの下部配線の一つ下となる部分に穴開け加工を施す大きさよりも大きい面積で、導体のアイランドを備える事を特徴とする請求項1または3記載のプリント配線板としたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】図1から図5に基づき本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態例のプリント配線板であって、インダクタを含む一部分を上面で表した説明図である。プリント配線板の形態としては、図1に示すように、絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタ1を内蔵するプリント配線板において、インダクタ1が存在する部分とその周辺部が異なる樹脂、いわゆる磁性体を含有する樹脂2と磁性体を含有しない樹脂3で構成されているプリント配線板である。
【0012】具体的には、第1の実施の形態例として、図2はこの例の、図1のA−A’を断面で表した説明図、図3は、図1のB−B’を断面で表した説明図である。図2、図3の断面で示すように、配線パターン(図示せず)を形成した基板6上に第1の絶縁樹脂層4が形成され、その上に第2の絶縁樹脂層5が形成されている。第2の絶縁樹脂層5に対しては、エキシマレーザー等で樹脂厚を調整してインダクタが形成される部分及びその近辺の樹脂を除去し、下部配線8の深さまで溝を形成している。磁性体を含有する樹脂2をこの溝に形成し、上部配線12を形成したものが本実施の形態例である。ここで、図3において、磁性材を形成する部分は、ビア同士の内側(各ビア間)のみでも良い。
【0013】第2の実施の形態例は、図4(本形態例ではインダクタのパターンは第1の例と同じものを利用することとし、図4は図1のA−A’の断面図を示す)のように、図1で示した実施形態例の第1の絶縁樹脂層4に磁性材料を設けたプリント配線板である。この場合、予め基板6上に、穴開け加工を施す部分(溝を形成する部分)よりも大きい面積で、導体のアイランド9を設け、第1の絶縁樹脂層を形成し、下部配線8を形成した後、エキシマレーザー加工よりも安価な炭酸ガスレーザー等により、第1の絶縁樹脂層まで溝を形成したものである。この場合、炭酸ガスレーザ等により、アイランド9及び下部配線8をストッパとして、下部配線8の無い樹脂部分が溶融され、基板上の導体のアイランド9まで溝を形成する。この溝形成後の、第2絶縁樹脂層形成以降は第1の実施の形態例と同様である。
【0014】また、第3の実施の形態例としては、図5に示すように、第1の実施の形態例で第2の絶縁樹脂層を形成し、上部配線12を形成した後に、炭酸ガスレーザー等により溝を形成し、その溝に磁性材を含有する樹脂を形成したものである。この場合は、上部配線12と下部配線8をストッパとして、樹脂を溶融し、溝を形成する。その結果、インダクタの上部配線の下側に存在する樹脂と下部配線の上側に存在する樹脂とが異なるプリント配線板が得られる。またインダクタの上部配線と下部配線とは、プリント配線板平面から見て、その端部が重なった方が、樹脂の過剰な溶融等を防げ、下部配線がストッパーとなり、下部配線8の下層における配線を保護することが可能となり、好ましい。
【0015】なお、上記の全ての実施の形態例では、基板6として配線層を形成されたものを前提としたが、本発明はこれにこだわるものではなく、基板上にビルドアップ工法により絶縁層、配線層が単層又は複数層積層された樹脂基板を上記の基板6としてもよい。
【0016】さらに、上記の実施の形態例で示したインダクタを含む配線板上にビルドアップ工法により単層又は複数積層された多層基板としても良いし、あるいはさらにインダクタを含む層が複数層形成された多層配線基板としても良い。
【0017】また、上記の実施の形態例では、第1、2絶縁樹脂層の磁性材を含有している樹脂の形成された部分以外には、インダクタ以外の通常のビアを形成して良いし、第1、2絶縁樹脂層の上下部で、磁性材を含有している樹脂の形成された部分以外には、インダクタ以外の通常の配線領域として利用して良い。
【0018】つぎに本発明のプリント配線板の製造方法の第一の実施形態例について説明する。両面または片面に所定の回路パターンが形成された樹脂基板6、または樹脂基板に、両面または片面に所定のビルドアップ工程により絶縁層、配線層が単層又は複数層積層された樹脂基板6を用意する。
(1)つぎに基板6上に磁性体を含有しない樹脂を設け第1の絶縁層4とし、その上にインダクタとなる下部配線8を形成し、さらに磁性体を含有しない樹脂を設け第2の絶縁層5を形成する。このとき、第1の絶縁層上には、インダクタになる部分以外の所には、他の配線パターンを形成しても良い。また樹脂基板とに間にビアを設けて第1の絶縁層上の配線パターン等と電気的接続をしても良い。同様に第2の絶縁層上にも配線パターン等を設け、また第2の絶縁層中にビアを設けて、電気的接続をしても良い。
(2)次いで、炭酸ガスレーザーにより、インダクタ1部分の磁性体を含有しない樹脂(第2の絶縁層5)に、溝を設け、下部配線8を露出させる。
(3)次に、スクリーン印刷等により、インダクタ1部の溝に磁性体を含有する樹脂2を形成する。
(4)つぎに、樹脂表面を研磨し、平滑化する。
(5)次いで、炭酸ガスレーザーにより、ビアを形成する。
(6)次に、セミアディティブ法などにより、上部配線12を形成し、ビアで下部配線と電気的接続を施す。
【0019】なおこの後さらにビルドアップ法により絶縁層、配線層を積層し、多層プリント配線板としても良い。従って多層プリント配線板の単層もしくは複数層をインダクタの形成された層とすることが出来る。
【0020】つぎに本発明のプリント配線板の製造方法の第二の実施形態例について説明する。両面または片面に所定の回路パターンが形成された樹脂基板6、または樹脂基板に、両面または片面に所定のビルドアップ工程により絶縁層、配線層が単層又は複数層積層された樹脂基板6を用意する。
(1)つぎに基板6上に磁性体を含有しない樹脂を設け第1の絶縁層4とし、その上にインダクタとなる下部配線8を形成し、さらに磁性体を含有しない樹脂を設け第2の絶縁層5を形成する。このとき、第1の絶縁層上には、インダクタになる部分以外の所には、他の配線パターンを形成しても良い。また樹脂基板とに間にビアを設けて第1の絶縁層上の配線パターン等と電気的接続をしても良い。同様に第2の絶縁層上にも配線パターン等を設け、また第2の絶縁層中にビアを設けて、電気的接続をしても良い。
(2)次いで、インダクタとなる部分の第2の絶縁層上に所定のビアをレーザーにより形成しする。
(3)次いで、インダクタとなる部分の第2の絶縁層上にセミアディティブ法等により、上部配線を形成する。
(4)次いで、レーザーにより、下部配線上の樹脂を除去する溝を形成する。
(5)次いで、溝を形成した部分に、スクリーン印刷等により磁性材を含有させた絶縁樹脂を埋め込む。
【0021】なおこの後さらにビルドアップ法により絶縁層、配線層を積層し、多層プリント配線板としても良い。従って多層プリント配線板の単層もしくは複数層をインダクタの形成された層とすることが出来る。
【0022】本発明のプリント配線板及びその製造方法によると、インダクタが存在する部分のみ磁性体の含有する樹脂を設けるため、インダクタと同じ層に他の部品を内蔵でき、プリント配線板の総数の削減による薄型化および軽量化が可能となり、設計の自由度も拡大する。
【0023】
【実施例】<実施例1>図6から図10に従って実施例1を示す。両面に所定の回路パターンが形成された不織ガラスエポキシ樹脂を含浸させた銅張り樹脂基板を用い、基板6上に磁性体を含有しない樹脂7として、エポキシ系樹脂を厚さ40μm設け、専用の処理液にて、樹脂表面を粗化し、無電解Cuめっきを行った。
【0024】次に、無電解Cuめっき表面にフォトレジストを設け、露光現像を行い、所定のインダクタ配線となる無電解Cuめっき表面を露出させた。
【0025】次に、露出している無電解Cuめっき表面に電解Cuめっきを行い、Cuを10μm程度析出させた。
【0026】次いで、フォトレジストを剥離し、無電解Cuめっき膜を過硫酸アンモニウム水溶液等でソフトエッチングすることにより、インダクタ1となる下部配線8及び他の配線や内蔵部品となる導電体(図示せず)を設けた(図6)。ここで所定の回路パターン(図示せず)の他に、図5に示す様に、インダクタ1下部に、レーザーによる穴開け止めのアイランド導体パターン9を設けた基板6を使用した。
【0027】次に、再び基板6上に磁性体を含有しない樹脂7として、エポキシ系樹脂を厚さ40μm設けた。(図7)
【0028】次いで、炭酸ガスレーザーにより、インダクタ1部の磁性体を含有しない樹脂7に、溝10を設けた(図8)。
【0029】次に、スクリーン印刷により、インダクタ1部の溝10に磁性体を含有する樹脂11として、エポキシ系樹脂を形成し、樹脂表面を研磨し、平滑化させた(図9)。
【0030】次いで、炭酸ガスレーザーにより、ビアの穴開けを行った。
【0031】次に、スパッタ法により、Ni及びCu薄膜を設け、Cu薄膜表面にフォトレジストを設け、露光現像を行い、所定のインダクタ配線となるCu薄膜表面を露出させた。
【0032】次いで、露出しているCu薄膜表面に電解Cuめっきを行い、Cuを10μm程度析出させた。ここで、ビアにより、下部配線8と上部配線12は電気的に完全に接続された。
【0033】次に、フォトレジストを剥離し、Cu及びNi薄膜を過硫酸アンモニウム水溶液等でソフトエッチングすることにより、インダクタ1となる上部配線10及び他の配線や内蔵部品となる導電体(図示せず)を設けることで、本発明であるインダクタの内蔵されたプリント配線板を作製した(図10)。
【0034】<実施例2>図11〜図13に従って実施例2を示す。両面に所定の回路パターンが形成された不織ガラスエポキシ樹脂を含浸させた銅張り樹脂基板を用い、基板6上に磁性体を含有しない樹脂7として、エポキシ系樹脂を厚さ40μm設け、専用の処理液にて、樹脂表面を粗化し、無電解Cuめっきを行った。
【0035】次に、無電解Cuめっき表面にフォトレジストを設け、露光現像を行い、所定のインダクタ配線となる無電解Cuめっき表面を露出させた。
【0036】次に、露出している無電解Cuめっき表面に電解Cuめっきを行い、Cuを10μm程度析出させた。
【0037】次いで、フォトレジストを剥離し、無電解Cuめっき膜を過硫酸アンモニウム水溶液等でソフトエッチングすることにより、インダクタ1となる下部配線8及び他の配線や内蔵部品となる導電体(図示せず)を設けた。
【0038】次に、再び基板6上に磁性体を含有しない樹脂7として、エポキシ系樹脂を厚さ40μm設けた。
【0039】次いで、炭酸ガスレーザーにより、インダクタ1部の磁性体を含有しない樹脂7に、所定のビアの穴開けを行った。
【0040】次に、スパッタ法により、Ni及びCu薄膜を設け、Cu薄膜表面にフォトレジストを設け、露光現像を行い、所定のインダクタ配線となるCu薄膜表面を露出させた。
【0041】次いで、露出しているCu薄膜表面に電解Cuめっきを行い、Cuを10μm程度析出させた。ここで、ビアにより、下部配線8と上部配線12は電気的に完全に接続された。
【0042】次に、フォトレジストを剥離し、Cu及びNi薄膜を過硫酸アンモニウム水溶液等でソフトエッチングすることにより、インダクタ1となる上部配線10及び他の配線や内蔵部品となる導電体(図示せず)を設けた。ここで、プリント配線板平面から見て、インダクタの下部配線と上部配線が一部重なるようにした(図11)。ビア径50μm、ランド径100μm、配線幅75μm、配線ピッチ130μmに設計し、重なり幅は10μmとなった。
【0043】次いで、炭酸ガスレーザーにより、下部配線8上に溝10を形成した(図12)。
【0044】次に、スクリーン印刷により、インダクタ1部の溝10に磁性体を含有する樹脂11として、エポキシ系樹脂を形成することにより、本発明であるインダクタの内蔵されたプリント配線板を作製した(図13)。
【0045】
【発明の効果】本発明は以上のような構成並びに作用を有するから、プリント配線板の総数の削減による薄型化および軽量化が得られる、設計の自由度も拡大するプリント配線板及びその製造方法とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例のプリント配線板において、インダクタを含む一部分を上面で表した説明図である。
【図2】本発明の実施の形態例のプリント配線板において、図1のA−A’を断面で表した説明図である。
【図3】本発明の実施の形態例のプリント配線板において、図1のB−B’を断面で表した説明図である。
【図4】本発明の実施の形態例のプリント配線板において、下部配線の下の層に、溝の深さ調整用のアイランドを設けた構造の図1のA−A’を断面で表した説明図である。
【図5】本発明の実施の形態例のプリント配線板において、下部配線上のみに磁性体を含有する樹脂を設けた構造を断面で表した説明図である。
【図6】本発明のプリント配線板の製造方法の実施例1において、下部配線を設けた後を断面で表した説明図である。
【図7】本発明のプリント配線板の製造方法の実施例1において、下部配線上に磁性体を含有しない樹脂を設けた後を断面で表した説明図である。
【図8】本発明のプリント配線板の製造方法の実施例1において、インダクタとなる部分に溝を設けた後を断面で表した説明図である。
【図9】本発明のプリント配線板の製造方法の実施例1において、溝に磁性体を含有する樹脂を設け、樹脂表面を研磨した後を断面で表した説明図である。
【図10】本発明のプリント配線板の製造方法の実施例1において、上部配線を設けた後を断面で表した説明図である。
【図11】本発明のプリント配線板の製造方法の実施例2において、下部配線および上部配線を設けた後を断面で表した説明図である。
【図12】本発明のプリント配線板の製造方法の実施例2において、下部配線上に溝を設けた後を断面で表した説明図である。
【図13】本発明のプリント配線板の製造方法の実施例2において、下部配線上に磁性体を含有する樹脂を設けた後を断面で表した説明図である。
【図14】従来のプリント配線板の一部分を断面で表した説明図である。
【図15】従来のプリント配線板に内蔵されたインダクタの上部配線、下部配線およびビアの一部立体を斜視で表した説明図である。
【符号の説明】
1・・・インダクタ
2・・・磁性体を含有する樹脂
3・・・磁性体を含有しない樹脂
4・・・第1の絶縁樹脂
5・・・第2の絶縁樹脂
6・・・基板
7・・・磁性体を含有しない樹脂
8・・・下部配線
9・・・アイランド導体パターン
10・・・溝
11・・・磁性体を含有する樹脂
12・・・上部配線
13・・・ビア
【特許請求の範囲】
【請求項1】絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタを内蔵するプリント配線板において、インダクタが存在する部分とその周辺部が異なる樹脂で構成されている事を特徴とするプリント配線板。
【請求項2】絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタを内蔵する請求項1のプリント配線板の製造方法において、以下の工程を備える事を特徴とするプリント配線板の製造方法。
(a)インダクタとなる下部配線が形成された第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程。
(b)インダクタとなる部分の第2の絶縁層をレーザーにより溝を形成し、下部配線を露出させる工程。
(c)穴開けした部分に、磁性材を含有させた絶縁樹脂を埋め込む工程。
(d)表面を研磨し、平坦化する工程。
(e)レーザーにより、ビアを形成する工程。
(f)上部配線を形成し、ビアで下部配線と電気的接続を施す工程。
【請求項3】絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタが内蔵するプリント配線板において、インダクタの上部配線の下側に存在する樹脂と下部配線の上側に存在する樹脂とが異なることを事を特徴とする請求項1記載のプリント配線板。
【請求項4】絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタが内蔵する請求項3記載のプリント配線板の製造方法において、以下の工程を備える事を特徴とするプリント配線板の製造方法。
(a)インダクタとなる下部配線が形成された第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程。
(b)インダクタとなる部分の第2の絶縁層上に所定のビアをレーザーにより形成しする工程。
(c)インダクタとなる部分の第2の絶縁層上に、上部配線を形成する工程。
(e)レーザーにより、下部配線上の樹脂を除去する溝を形成する工程。
(f)溝を形成した部分に、磁性材を含有させた絶縁樹脂を埋め込む工程。
【請求項5】絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタが内蔵するプリント配線板において、プリント配線板平面から見て、インダクタの下部配線と上部配線が重なる事を特徴とする請求項3記載のプリント配線板。
【請求項6】絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタが内蔵するプリント配線板において、インダクタの下部配線の一つ下となる部分に穴開け加工を施す大きさよりも大きい面積で、導体のアイランドを備える事を特徴とする請求項1または3記載のプリント配線板。
【請求項1】絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタを内蔵するプリント配線板において、インダクタが存在する部分とその周辺部が異なる樹脂で構成されている事を特徴とするプリント配線板。
【請求項2】絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタを内蔵する請求項1のプリント配線板の製造方法において、以下の工程を備える事を特徴とするプリント配線板の製造方法。
(a)インダクタとなる下部配線が形成された第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程。
(b)インダクタとなる部分の第2の絶縁層をレーザーにより溝を形成し、下部配線を露出させる工程。
(c)穴開けした部分に、磁性材を含有させた絶縁樹脂を埋め込む工程。
(d)表面を研磨し、平坦化する工程。
(e)レーザーにより、ビアを形成する工程。
(f)上部配線を形成し、ビアで下部配線と電気的接続を施す工程。
【請求項3】絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタが内蔵するプリント配線板において、インダクタの上部配線の下側に存在する樹脂と下部配線の上側に存在する樹脂とが異なることを事を特徴とする請求項1記載のプリント配線板。
【請求項4】絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタが内蔵する請求項3記載のプリント配線板の製造方法において、以下の工程を備える事を特徴とするプリント配線板の製造方法。
(a)インダクタとなる下部配線が形成された第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程。
(b)インダクタとなる部分の第2の絶縁層上に所定のビアをレーザーにより形成しする工程。
(c)インダクタとなる部分の第2の絶縁層上に、上部配線を形成する工程。
(e)レーザーにより、下部配線上の樹脂を除去する溝を形成する工程。
(f)溝を形成した部分に、磁性材を含有させた絶縁樹脂を埋め込む工程。
【請求項5】絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタが内蔵するプリント配線板において、プリント配線板平面から見て、インダクタの下部配線と上部配線が重なる事を特徴とする請求項3記載のプリント配線板。
【請求項6】絶縁層を挟み上下の配線とその配線同士を電気的に接続するビアで形成されるインダクタが内蔵するプリント配線板において、インダクタの下部配線の一つ下となる部分に穴開け加工を施す大きさよりも大きい面積で、導体のアイランドを備える事を特徴とする請求項1または3記載のプリント配線板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
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【図15】
【公開番号】特開2003−209331(P2003−209331A)
【公開日】平成15年7月25日(2003.7.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−8410(P2002−8410)
【出願日】平成14年1月17日(2002.1.17)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成15年7月25日(2003.7.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成14年1月17日(2002.1.17)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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