説明

プロセス削減反応器

【課題】排出ストリームを削減するための改良された方法および装置を提供すること。
【解決手段】特定の実施形態では、ガスストリームから汚染物質を除去する際に使用するための装置が提供される。該装置は、複数の積層多孔性セラミックリングから形成された熱反応ユニットを含む。該多孔性セラミックリングの第1は第1の熱膨張係数(CTE)を有しており、該多孔性セラミックリングの第2は第2のCTEを有している。他の態様も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2005年10月31日に出願された米国仮特許出願第60/731,719号の優先権を請求するものである。
【0002】
[0002]本発明は、削減システムにおける反応生成物の堆積を削減しつつ、半導体製造プロセスで生成された排出ガスなどの産業排出流体を削減するための改良されたシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]半導体材料、半導体デバイス、半導体製品および半導体メモリ製品の製造によるガス状排出物は、プロセス設備で使用および生成される多様な化学化合物を伴っている。これらの化合物は無機および有機化合物、フォトレジストおよび他の試薬の分解生成物、およびプロセス設備から大気中に換気される前に廃棄ガスから除去されるはずの多様な他のガス類を含んでいる。
【0004】
[0004]半導体製造プロセスは多様な化学物質を利用しており、これらの多くの人的耐性レベルは極めて低い。このような材料は、アンチモン、ヒ素、ホウ素、ゲルマニウム、窒素、リン酸、シリコン、セレン、シラン、ホスフィンとのシラン混合物、アルゴン、水素、有機シラン、ハロシラン、ハロゲン、有機金属および他の有機化合物のガス状ハイブリッドを含んでいる。
【0005】
[0005]ハロゲン類、例えばフッ素(F2)および他のフッ化化合物は、削減を要する種々の成分のうちでとりわけ問題となる。電子産業は、堆積ステップから残渣を除去し、かつ薄膜をエッチングするためにウェーハ処理ツールにおいてペルフルオロ化合物(PFC)を使用する。PFCは地球温暖化に大きく影響するものとして認識されており、電子産業は、これらのガスの放出減少に尽力している。最も一般的に使用されているPFCはCF4、C26、SF6、C38、C48、C48OおよびNF3を含むが、これらに制限されない。実際、これらのPFCはプラズマにおいて解離されて、高反応性フッ化イオンおよびフッ素ラジカルを発生させ、これらは実際のクリーニングおよび/またはエッチングを行う。これらの処理動作による排出はたいてい、フッ素、四フッ化シリコン(SiF4)、フッ化水素(HF)、フッ化カルボニル(COF2)、CF4およびC26を含んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006]このような排出ストリームを削減するための改良された方法および装置が所望されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]特定の実施形態では、半導体製造プロセスの削減時に使用するための熱反応器が提供される。該熱反応器は、(a)中央チャンバを画成する内部多孔性壁であって、複数の積層多孔性セクションから形成された内部多孔性壁と、(b)該中央チャンバと流体連通しており、かつガス状廃棄ストリームを該中央チャンバに導入するように適合されている少なくとも1つの廃棄ガス入口と、(c)該中央チャンバ内に位置決めされており、かつ該中央チャンバ内で該ガス状廃棄ストリームを分解することによって反応生成物を形成するように適合されている熱機構と、(d)該中央チャンバの該内部多孔性壁の内面への反応生成物の堆積を減少させるのに十分な力で該内部多孔性壁を介して該中央チャンバに流体を提供するように適合されている流体送出システムと、を有する熱反応ユニットを含んでいる。該多孔性セクションのうちの少なくとも1つは、(i)該多孔性セクション内で変化する特性と、(ii)該内部多孔性壁の少なくとも1つの他の多孔性セクションの特性と異なる特性とのうちの1つ以上を有している。
【0008】
[0008]特定の実施形態では、交換部品が削減システムで使用するために提供される。該交換部品は、半導体製造プロセスからのガス廃棄物の分解中に使用する中央チャンバを画成する多孔性壁を形成するために、該多孔性チャンバセクションに他の多孔性チャンバセクションが積層されるようにする複数の特徴部を有する積層可能かつ交換可能な多孔性チャンバセクションを含んでいる。該多孔性チャンバセクションは、該多孔性チャンバセクションの内面への反応生成物の移動を減少させるために、該中央チャンバ内で実行される分解プロセス中に該多孔性チャンバセクション外から該多孔性チャンバセクションを介して該中央チャンバへの流体の移送を可能にするのに十分な多孔性を有している。該多孔性チャンバセクションは、球形、楕円形、三角形、四角形、矩形、多角形、五角形、六角形および八角形からなる群より選択される形状を有している。更に、該多孔性チャンバセクションは、(a)該多孔性チャンバセクション内で変化する特性と、(b)該多孔性壁の少なくとも1つの他の多孔性チャンバセクションの特性と異なる特性のうちの1つ以上を有している。
【0009】
[0009]特定の実施形態では、ガスストリームから汚染物質を除去する際に使用するための装置が提供される。該装置は、複数の積層多孔性セラミックリングから形成された熱反応ユニットを含んでいる。該多孔性セラミックリングの第1は第1の熱膨張係数(CTE)を有しており、該多孔性セラミックリングの第2は第2のCTEを有している。
【0010】
[0010]特定の実施形態では、ガスストリームから汚染物質を除去する際に使用するための装置が提供される。該装置は、複数の積層多孔性セラミックリングから形成された熱反応ユニットを含んでいる。該多孔性セラミックリングの第1は第1の純度レベルを有しており、該多孔性セラミックリングの第2は第2の純度レベルを有している。
【0011】
[0011]特定の実施形態では、ガスストリームから汚染物質を除去する際に使用するための装置が提供される。該装置は、複数の積層多孔性セラミックリングから形成された熱反応ユニットを含んでいる。該多孔性セラミックリングの第1は第1のドーパントレベルを有しており、該多孔性セラミックリングの第2は第2のドーパントレベルを有している。
【0012】
[0012]特定の実施形態では、半導体製造プロセスの削減時に使用するための装置が提供される。該装置は、(a)流体を通過させるように適合されている複数の穿孔を有する外部壁と、(b)中央チャンバを画成する内部多孔性壁であって、複数の積層多孔性セクションから形成された内部多孔性壁と、(c)該中央チャンバと流体連通しており、かつガス状廃棄ストリームを該中央チャンバに導入するように適合されている少なくとも1つの廃棄ガス入口と、(d)該中央チャンバ内に位置決めされており、かつ該中央チャンバ内で該ガス状廃棄ストリームを分解することによって反応生成物を形成するように適合されている熱機構と、(e)該中央チャンバの該内部多孔性壁の内面への反応生成物の堆積を減少させるのに十分な力で該外部壁の該穿孔を介して、かつ該内部多孔性壁を介して該中央チャンバに流体を提供するように適合されている流体送出システムと、を有する熱反応ユニットを含んでいる。該外部壁の該穿孔は、約0.1〜約5psiの該熱反応ユニットの圧力低下を提供する。
【0013】
[0013]特定の実施形態では、半導体製造プロセスの削減時に使用するための装置が提供される。該装置は、(a)流体を通過させるように適合されている複数の穿孔を有する外部壁と、(b)中央チャンバを画成する内部多孔性壁であって、複数の積層多孔性セクションから形成された内部多孔性壁と、(c)該中央チャンバと流体連通しており、かつガス状廃棄ストリームを該中央チャンバに導入するように適合されている少なくとも1つの廃棄ガス入口と、(d)該中央チャンバ内に位置決めされており、かつ該中央チャンバ内で該ガス状廃棄ストリームを分解することによって反応生成物を形成するように適合されている熱機構と、(e)該中央チャンバの該内部多孔性壁の内面への反応生成物の堆積を減少させるのに十分な力で該外部壁の該穿孔を介して、かつ該内部多孔性壁を介して該中央チャンバへ流体を提供するように適合されている流体送出システムと、を有する熱反応ユニットを含んでいる。該流体送出システムは、水、蒸気、空気、クリーンドライエア、クリーン富化空気、酸素富化空気、酸素減損空気、不活性ガス、試薬、酸化剤および減損空気のうちの少なくとも1つを提供するように適合されている。該流体送出システムはまた、約600psi以下の圧力で流体を提供するように適合されている。
【0014】
[0014]特定の実施形態では、半導体製造プロセスの削減時に使用するための方法が提供される。該方法は、(a)流体を通過させるように適合されている複数の穿孔を有する外部壁と、(b)中央チャンバを画成する内部多孔性壁であって、複数の積層多孔性セクションから形成された内部多孔性壁と、(c)該中央チャンバと流体連通しており、かつガス状廃棄ストリームを該中央チャンバに導入するように適合されている少なくとも1つの廃棄ガス入口と、(d)該中央チャンバ内に位置決めされ、かつ該中央チャンバ内で該ガス状廃棄ストリームを分解することによって反応生成物を形成するように適合されている熱機構と、(e)該中央チャンバの該内部多孔性壁の内面への反応生成物の堆積を減少させるのに十分な力で該外部壁の該穿孔を介して、かつ該内部多孔性壁を介して該中央チャンバへ流体を提供するように適合されている流体送出システムと、を有する熱反応ユニットを提供するステップを含んでいる。該外部壁の該穿孔は約0.1〜約5psiの該熱反応ユニットの圧力低下を提供する。該方法はまた、該半導体デバイス製造プロセスを削減するために該熱反応ユニットを使用するステップを含んでいる。
【0015】
[0015]特定の実施形態では、半導体製造プロセスの削減時に使用するための方法が提供される。該方法は、(a)流体を通過させるように適合されている複数の穿孔を有する外部壁と、(b)中央チャンバを画成する内部多孔性壁であって、複数の積層多孔性セクションから形成された内部多孔性壁と、(c)該中央チャンバと流体連通しており、かつガス状廃棄ストリームを該中央チャンバに導入するように適合されている少なくとも1つの廃棄ガス入口と、(d)該中央チャンバ内に位置決めされており、かつ該中央チャンバ内で該ガス状廃棄ストリームを分解することによって反応生成物を形成するように適合されている熱機構と、(e)該中央チャンバの該内部多孔性壁の内面への反応生成物の堆積を減少させるのに十分な力で該外部壁の該穿孔を介して、かつ該内部多孔性壁を介して該中央チャンバに流体を提供するように適合されている流体送出システムと、を有する熱反応ユニットを提供するステップを含んでいる。該流体送出システムは、水、蒸気、空気、クリーンドライエア、クリーン富化空気、酸素富化空気、酸素減損空気、不活性ガス、試薬、酸化剤および減損空気のうちの少なくとも1つを提供するように適合されている。該流体送出システムはまた、約600psi以下の圧力で流体を提供するように適合されている。該方法はまた、該半導体デバイス製造プロセスを削減するために該熱反応ユニットを使用するステップを含んでいる。
【0016】
[0016]特定の実施形態では、電子デバイスを製造するためのシステムが提供される。該システムは、(a)複数の処理ツールと、(b)該処理ツールから汚染物質を削減するための、複数の入口ポートを有する削減システムと、(c)該複数の処理ツールの汚染物質出口ポートを該削減システムの該複数の入口ポートに結合するためのマニホルドと、を含んでいる。
【0017】
[0017]特定の実施形態では、電子デバイスを製造するためのシステムが提供される。該システムは、(a)処理ツールと、(b)該処理ツールから汚染物質を削減するための、各チャンバが複数の入口ポートを含む複数のチャンバを含む削減システムと、(c)該処理ツールの汚染物質出口ポートを該削減システムの該複数の入口ポートに結合するためのマニホルドと、を含んでいる。
【0018】
[0018]特定の実施形態では、電子デバイスを製造するためのシステムが提供される。該システムは(a)複数の処理ツールと、(b)該処理ツールから汚染物質を削減するための削減システムと、を含んでいる。該削減システムは複数のチャンバを含んでおり、各々は複数の入口ポートを含んでいる。該システムはまた、該複数の処理ツールの汚染物質出口ポートを該削減システムの該チャンバの該複数の入口ポートに選択的に結合させるためのマニホルドを含んでいる。
【0019】
[0019]特定の実施形態では、半導体製造プロセスの削減時に使用するための装置が提供される。該装置は、(a)各チャンバが複数の廃棄ストリーム入口ポートを含む複数のチャンバと、(b)複数の処理ツールの汚染物質出口ポートを該チャンバの該複数の廃棄ストリーム入口ポートに選択的に結合させるためのマニホルドと、を含んでいる。
【0020】
[0020]特定の実施形態では、半導体製造プロセスの削減時に使用するための装置が提供される。該装置は、(a)中央チャンバを画成し、かつ複数の積層セラミックセクションから形成された内部多孔性壁と、(b)該中央チャンバと流体連通しており、かつガス状廃棄ストリームを該中央チャンバに導入するように適合されている少なくとも1つの廃棄ガス入口と、(c)該中央チャンバ内に位置決めされており、かつ該中央チャンバ内で該ガス状廃棄ストリームを分解することによって反応生成物を形成するように適合されている熱機構と、(d)該中央チャンバの該内部多孔性壁の内面への反応生成物の堆積を減少させるのに十分な圧力で該内部多孔性壁を介して該中央チャンバに流体を提供するように適合されている流体送出システムと、を有する熱反応ユニットを含んでいる。該積層セラミックセクションのうちの少なくとも1つは、該中央チャンバの内容物の特徴を検知できるように適合されている。
【0021】
[0021]特定の実施形態では、半導体製造プロセスの削減時に使用するための装置が提供される。該装置は、(a)中央チャンバを画成する内部多孔性壁であって、複数の積層セラミックセクションから形成された内部多孔性壁と、(b)該中央チャンバと流体連通しており、ガス状廃棄ストリームを該中央チャンバに導入するように適合されており、また該チャンバの該内部多孔性壁から該ガス状廃棄ストリームをそらすように配置されている少なくとも1つの廃棄ガス入口と、(d)該中央チャンバ内に位置決めされており、かつ該中央チャンバ内で該ガス状廃棄ストリームを分解することによって反応生成物を形成するように適合されている熱機構と、(e)該中央チャンバの該内部多孔性壁の内面への反応生成物の堆積を減少させるのに十分な圧力で該内部多孔性壁を介して該中央チャンバに流体を提供するように適合されている流体送出システムと、を有する熱反応ユニットを含んでいる。
【0022】
[0022]本発明の他の特徴および態様は、以下の詳細な説明、付属の特許請求の範囲および添付の図面からより完全に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明によって使用可能な熱反応ユニット、入口アダプタおよび下部クエンチチャンバの切欠き図である。
【図2】図1の入口アダプタの内部プレートの正面図である。
【図3】図1の入口アダプタの部分的切欠き図である。
【図4】図1の中央ジェットの図である。
【図5】図1の入口アダプタおよび熱反応ユニットの切欠き図である。
【図6A】図1の熱反応ユニットのセラミックリングの正面図である。
【図6B】図6Aのセラミックリングの部分的切欠き図である。
【図6C】図1の熱反応チャンバを画成するために相互に積層されているセラミックリングの部分的切欠き図である。
【図7】図1のチャンバで使用可能な穿孔金属シェルのセクションの図である。
【図8】図1の熱反応ユニットの実施形態の外観である。
【図9】図1の反応ユニットの例示的入口アダプタ/熱反応ユニットジョイントの部分的切欠き図である。
【図10】図1の熱反応ユニットと下部クエンチチャンバ間に位置決め可能な例示的シールドの部分的切欠き図である。
【図11A】熱反応チャンバが複数の積層多孔性セラミックセクションから形成される熱反応ユニットの部分的切欠き図である。
【図11B】各セラミックセクションが2つのセラミックサブセクションから形成される図11Aの熱反応チャンバの実施形態を図示している。
【図12】複数のセラミックセクションによって画成される例示的熱反応チャンバの概略図である。
【図13】反応チャンバへの入口ポートが角度付けされている熱反応ユニットの例示的実施形態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[0039]本発明は、システム内の堆積生成物の蓄積を減少させつつ熱反応器の排出ガスの分解コントロールを提供するための方法およびシステムに関する。本発明は更に、排出ガスの高温分解時に熱反応ユニットが割れるのを削減するための改良された熱反応器設計に関する。
【0025】
[0040]削減される廃棄ガスは、例えば、半導体プロセスによって発生される種および/または化学変化せずに半導体プロセスに送出され、またこれから放出された種を含むことがある。本明細書で使用されているように、用語「半導体プロセス」は、半導体製品、フラットパネルディスプレイおよび/またはLCD製品の製造における任意かつすべての処理およびユニット動作と、半導体、フラットパネルディスプレイおよび/またはLCD製造設備で使用される、またはこれらによって生成される材料の処置または処理を伴う全動作と、アクティブ製造を伴わない半導体、フラットパネルディスプレイおよび/またはLCD製造設備と関連して実施される全動作を含むものと広く解釈されることを意図している(例として、プロセス機器の調整、動作の準備段階の化学送出ラインのパージ、プロセスツールチャンバのエッチングクリーニング、半導体、フラットパネルディスプレイおよび/またはLCD製造設備などによって生成される排出物からの有毒または危険なガスの削減を含んでいる)。
【0026】
[0041]全体が参照によって個々に組み込まれており、かつ「’921号出願」とも称される、2004年11月12日に出願された米国特許出願第10/987,921号(代理人番号第723号)は、図1に示されているような熱反応ユニット30および下部クエンチチャンバ150を有する改良型熱反応システムについて説明している。熱反応ユニット30は熱反応チャンバ32と、上部プレート18、少なくとも1つの廃棄ガス入口14、少なくとも1つの燃料入口17、場合により少なくとも1つの酸化剤入口11、バーナージェット15、中央ジェット16、および、熱反応チャンバ32において、またはこの中に位置決めされている内部プレート12を含む入口アダプタ10とを含んでいる(熱反応ユニットとは別の入口アダプタの概略については図3を参照)。入口アダプタは、汚染を破壊するためにシステムに燃料富化ガス混合物を提供するための燃料入口および酸化剤ガス入口を含んでいる。酸化剤が使用される場合、燃料および酸化剤は、熱反応チャンバに導入される前に事前混合されてもよい。想定されている燃料は、水素、メタン、天然ガス、プロパン、LPGおよび都市ガスを含むがこれらに制限されず、好ましくは天然ガスである。想定されている酸化剤は、酸素、オゾン、空気、クリーンドライエア(CDA)および酸素富化空気を含むがこれらに制限されない。削減される廃棄ガスは、CF4、C26、SF6、C38、C48、C48O、SiF4、BF3、NF3、BH3、B26、B59、NH3、PH3、SiH4、SeH2、F2、Cl2、HCL、HF、HBr、WF6、H2、Al(CH33、1級および2級アミン、有機シラン、有機金属およびハロシランからなる群より選択された種を備えている。
【0027】
[0042]従来技術の入口アダプタは、入口アダプタの内部プレートとして多孔性が制限されたセラミックプレートを含んでいた。これらの多孔性が制限された内部プレートの欠点は、上記表面への微粒子の蓄積を含んでおり、結果的に入口ポートの詰まりおよび火炎検出エラーをもたらすことになる。921号出願の発明は、一部の実施形態では内部プレート12として網状セラミックフォームを使用することによってこれらの欠点を克服している。図2は、内部プレートの入口ポート14、バーナージェット15、中央ジェットポート16および網状セラミックフォーム20を含む内部プレート12の正面図を表している。網状セラミックフォーム20は複数の細孔をその中に配置している。従って、熱反応チャンバ32への内部プレートの細孔を介する流体の通過は、内部プレート12の表面および内部プレート12に近接する熱反応ユニット30の壁における微粒子物質の堆積を削減可能である。流体は、好ましくは適切な圧力に加圧されている任意のガスを含むことがあり、この圧力で、材料を介する拡散は、熱反応チャンバにおける削減処置に悪影響を及ぼさずに内部プレートへの堆積を減少させるのに十分である。内部プレート12の細孔を介する通過を想定されているガスは空気、CDA、酸素富化空気、酸素、オゾンおよび、Ar、N2などの不活性ガスを含んでおり、燃料を欠いているはずである。更に、流体は連続または振動モードで導入されてもよい。
【0028】
[0043]網状セラミックフォームの内部プレートは内部プレートの微粒子のビルドアップを部分的に防止する助けとなっているように思われるが、これは、暴露されている平らな表面積が減少されることによってビルドアップに使用可能な表面を削減することができるためであり、内部プレートの網状化が、臨界質量を達成すると内部プレートから離れる微粒子物質を成長させるためにより小さな取り付けポイントを提供するためであり、また内部プレートの細孔を通過する空気が「境界層」を形成して、微粒子が表面に侵入して堆積するのを防ぐためである。
【0029】
[0044]セラミックフォーム本体は、セラミック構造のウェブによって囲まれている複数の相互接続空隙によって特徴付けられるオープンセル構造を有している。これらは、高強度、低熱質量、高熱ショック耐性および高温での高腐食耐性などの優れた物理的特性を呈する。空隙は材料全体に均一に分布されてもよく、また空隙は、流体を材料に容易に分散させるサイズである。セラミックフォーム本体は、揮発性の高いハロゲン種を形成するために排出物のPFCとはそれほど反応するべきではない。セラミックフォーム本体は、アルミナ材料、酸化マグネシウム、ZrO2などの耐熱金属酸化物、シリコンカーバイドおよび窒化シリコン、好ましくは高純度アルミナ材料、例えばスピネルおよびイットリアドープアルミナ材料を含んでもよい。最も好ましくは、セラミックフォーム本体はイットリアドープアルミナ材料およびイットリア安定ジルコニウムアルミナ(YZA)から形成されたセラミック本体である。セラミックフォーム本体の準備は当業者の知識においては既知である。
【0030】
[0045]内部プレート12上の微粒子のビルドアップを更に減少させるために、流体入口通路は入口アダプタ10の中央ジェット16に内蔵されていてもよい(入口アダプタにおける中央ジェットの配置については、例えば図1、3および5を参照)。中央ジェット16の実施形態は図4に図示されており、上記中央ジェットはパイロット噴射マニホルドチューブ24と、パイロットポート26と、パイロット火炎保護プレート22と、固定手段28、例えば入口アダプタのスレッディングに相補的なスレッディングとを含んでいるため、中央ジェットおよび入口アダプタは気密的に相互に相補的に噛合してもよい。中央ジェット16のパイロット火炎は入口アダプタのバーナージェット15に着火するために使用される。高速流体のストリームが熱反応チャンバ32に噴射するように導入可能なボアホール25は中央ジェット16の中央を通る(例えば、図5を参照)。高速空気は空気力学を変更し、また熱反応チャンバのガス状および/または微粒子成分をチャンバの中央に引き寄せることによって、微粒子物質が上部プレートおよび上部プレートに近接するチャンバ壁に近づかないようにすると考えられている。高速流体は、熱反応チャンバにおける削減処置に悪影響を与えることなく熱反応ユニットの内部壁への堆積を減少させるのに十分なガスを含んでもよい。更に、流体は連続または振動モード、好ましくは連続モードで導入されてもよい。想定されているガスは、空気、CDA、酸素富化空気、酸素、オゾンおよび不活性ガス、例えばAr、N2などを含んでいる。好ましくは、ガスはCDAであり、酸素富化であってもよい。別の実施形態では、高速流体は、熱反応チャンバへの導入前に加熱される。
【0031】
[0046]更に別の実施形態では、熱反応ユニットは、熱反応チャンバ32を画成する多孔性セラミックシリンダー設計を含んでいる。高速空気は、熱反応ユニットの内部壁の微粒子のビルドアップを少なくとも部分的に減少させるように熱反応ユニット30の細孔を介して向けられてもよい。セラミックシリンダーは、例えば図6Cに図示されているように、相互に積層されている少なくとも2個のセラミックリングを含んでいる。より好ましくは、セラミックシリンダーは、相互に積層されている少なくとも約2〜約20個のリングを含んでいる。用語「リング」は円形リングだけに制限されないが、任意の多角形または楕円形形状のリングを含んでもよい。好ましくは、リングの形状は概してチューブ状である。
【0032】
[0047]図6Cは、相補的シップラップジョイント設計を有する個別セラミックリング36の積層を示すセラミックシリンダー設計の部分的切欠き図であり、積層されているセラミックリングは熱反応チャンバ32を画成している。最上セラミックリング40は入口アダプタを収容するように設計されている。ジョイント設計はラップジョイントに制限されないが、ベベル付きジョイント、突合せジョイント、ラップジョイントおよびさねはぎジョイントを含んでもよい点が注目される。ガスケットまたはシール手段、例えば積層リング間に位置決めされているGRAFOIL(登録商標)や他の高温材料が、特に積層セラミックリングがつき合わせジョイントされている場合には想定されている。好ましくは、積層セラミックリング間のジョイントは、赤外線放射が熱反応チャンバから逃げるのを防止するために重なり合う、例えばシップラップする。
【0033】
[0048]各セラミックリングは円周方向に連続的なセラミックリングであってもよく、あるいは代替的に、セラミックリングをなすようにジョイント可能な少なくとも2つのセクションであってもよい。図6Aは後者の実施形態を図示しており、セラミックリング36は第1の弓状セクション38および第2の弓状セクション40を含んでおり、第1および第2の弓状セクションが一緒に結合される場合には、熱反応チャンバ32の一部を画成するリングが形成される。セラミックリングは好ましくは、先に述べたセラミックフォーム本体と同じ材料、例えばYZAで形成される。
【0034】
[0049]個別積層セラミックリングによって画成されている熱反応チャンバを有することの利点は、熱ショックによるチャンバのセラミックリングのひび割れの減少、ひいては機器コストの減少を含んでいる。例えば、1つのセラミックリングがひび割れすると、ダメージを受けたリングはわずかなコストで容易に交換され、オンラインで即座に熱反応器の配置に戻されることが可能である。
【0035】
[0050]セラミックリングは熱反応ユニット30を形成するために別のリングに保持されることによって、高速空気が、熱反応ユニットの内部壁での微粒子のビルドアップを少なくとも部分的に削減するように熱反応ユニットのセラミックリングの細孔を介して向けられてもよい。このために、穿孔金属シェルが、熱反応ユニットの積層セラミックリングを完全に包み、かつ熱反応ユニットの多孔性内部壁を介して軸方向に向けられた空気流をコントロールするために使用されてもよい。図7は穿孔金属シェル110の実施形態を図示しているが、金属シェルは積層セラミックリングの同じ一般的形状、例えば円形シリンダーや多角形シリンダーの形状を有しており、また金属シェルは、セラミックシリンダーの一般的形状をなすのに一緒にジョイント可能な少なくとも2つの取り付け可能なセクション112を含んでいる。2つの取り付け可能なセクション112はリブ114、例えばクランプ可能な延長部114を含んでおり、これは結合時にセラミックリングに圧力をかけることによってリングを相互に保持することができる。
【0036】
[0051]金属シェル110は穿孔パターンを有しており、これによって好ましくはより多くの空気が熱反応ユニットの上部、例えば下部チャンバなどの熱反応ユニットの底部よりも入口アダプタ10に近い部分に向けられる(図7および図8を参照)。代替例では、穿孔パターンは金属シェル全体で同じである。ここに画成されているように、「穿孔」は、金属シェルの一体性および強度を妥協しない金属シェルを介する開口のアレイを表すこともあり、多孔性内部壁を介して軸方向に向けられる空気流がコントロール可能であることを保証する。例えば、穿孔は、円形、多角形または楕円形の形状を有するホールであってもよく、あるいは代替例では、穿孔は種々の長さおよび幅のスリットであってもよい。一実施形態では、穿孔は直径1/16’’のホールであり、また熱反応ユニットの上部への穿孔パターンは1平方インチ当たり1ホールであるのに対して、熱反応ユニットの底部への穿孔パターンは1平方インチ当たり0.5ホールである(すなわち、4平方インチ当たり2ホールである)。好ましくは、穿孔面積は金属シェルの面積の約0.1%〜1%である。金属シェルは、ステンレス鋼;Inconel(登録商標)600、601、617、625、625LCF、706、718、718SPF、X−750、MA754、783、792およびHXなどのオーステナイトニッケル/クロム/鉄合金;およびハステロイB、B2、C、C22、C276、C2000、G、G2、G3およびG30などの他のニッケル系合金を含むが、これらに制限されない腐食耐性のある金属から構成される。
【0037】
[0052]図8を参照すると、セラミックリング36は相互に積層されており、少なくとも1層の繊維性ブランケットが積層セラミックリングの外部に巻かれており、そして金属シェル110のセクション112が繊維性ブランケット周辺に位置決めされて、リブ114を結合することによってしっかりと取り付けられている。繊維性ブランケットは、低熱伝導性と、高温性能と、金属シェルおよびセラミックリングの熱膨張係数不整合に対処する能力とを有する任意の繊維性無機材料であってもよい。想定されている繊維性ブランケット材料は、スピネル繊維、ガラスウール、およびアルミニウムシリケートを備える他の材料を含むが、これらに制限されない。代替例では、繊維性ブランケットは軟性セラミックスリーブであってもよい。
【0038】
[0053]実際、流体流は、金属シェルの穿孔、繊維性ブランケットおよびシリンダーの網状セラミックリングを介して軸方向かつコントロール可能に導入される。流体は、約0.05psi〜約0.30psi、好ましくは約0.1psi〜0.2psiの範囲で、熱反応ユニットの外部から熱反応ユニットの内部への圧力低下を経験する。流体は、連続または振動モードで、好ましくは熱反応チャンバ内の流体の再循環を減少させるために連続モードで導入されてもよい。ガスが再循環される熱反応チャンバ内の常駐時間の増加は、より大きな微粒子材料の形成と、反応器内の堆積可能性の増加とをもたらす。流体は、熱反応チャンバの削減処置に悪影響を与えることなく、セラミックリングの内部壁への堆積を減少させるのに十分なガスを含んでいてもよい。想定されているガスは空気、CDA、酸素富化空気、酸素、オゾンおよび不活性ガス、例えばAr、N2などを含んでいる。
【0039】
[0054]流体を熱反応ユニットの壁に導入して熱反応チャンバ32を通過させるために、熱反応ユニット30全体が外部ステンレス鋼反応器シェル60(例えば図1を参照)内に完全に包まれ、これによって環状空間62が外部反応器シェル60の内部壁と熱反応ユニット30の外部壁間に作成される。熱反応ユニットの壁を介して導入される流体は、外部反応器シェル60に位置決めされているポート64で導入されてもよい。
【0040】
[0055]図1を参照すると、入口アダプタ10の内部プレート12は熱反応ユニット30の熱反応チャンバ32において、またはこの中に位置決めされている。熱反応ユニット内のガスが、入口アダプタが熱反応ユニットに接触する領域から漏れないことを保証するために、ガスケットまたはシール42は好ましくは上部セラミックリング40と上部プレート18間に位置決めされる(例えば図9を参照)。ガスケットまたはシール42はGRAFOIL(登録商標)、または上部プレート/熱反応ユニットジョイントを介するブローオフ空気の漏れを防止する、つまりガス分布用のセラミックリング後方の背圧を維持する他の高温材料であってもよい。
【0041】
[0056]熱反応チャンバから放出する微粒子物質を捕捉するために、下部クエンチチャンバ150に位置決めされている水クエンチ手段は熱反応チャンバの下流にある。水クエンチ手段は、全体が参照によって本明細書に組み込まれる「Gas Processing System Comprising a Water Curtain for Preventing Solids Deposition on Interior Walls Thereof」と題された、Glenn Tomら名義の同時係属の米国特許出願第10/249,703号に開示されているような水カーテンを含んでもよい。図1を参照すると、水カーテンへの水が入口152で導入されて、水カーテン156が形成されることによって、水カーテンは、熱反応ユニット30で生じる燃焼および分解反応の熱を吸収して、下部クエンチチャンバ150の壁の微粒子物質のビルドアップを排除して、分解および燃焼反応の水溶性ガス状生成物、例えばCO2、HFなどを吸収する。
【0042】
[0057]最底部セラミックリングが湿らないことを保証するために、シールド202(例えば図12参照)が最底部セラミックリング198と下部チャンバ150の水カーテン間に位置決めされてもよい。好ましくは、シールドはL字型であり、最底部セラミックリングの3次元形状、例えば円形リングを想定しているため、水は最底部セラミックリングと接触しない。シールドは、ステンレス鋼;Inconel(登録商標)600、601、617、625、625LCF、706、718、718SPF、X−750、MA754、783、792およびHXなどのオーステナイトニッケル/クロム/鉄合金;およびハステロイB、B2、C、C22、C276、C2000、G、G2、G3およびG30などの他のニッケル系合金を含むが、これらに制限されない水および腐食耐性があり、かつ熱的に安定している任意の材料から構成されてもよい。
【0043】
[0058]実際、排出ガスは、入口アダプタ10に提供されている少なくとも1つの入口から熱反応チャンバ32に入り、また燃料/酸化剤混合物は少なくとも1つのバーナージェット15から熱反応チャンバ32に入る。中央ジェット16のパイロット火炎は、入口アダプタのバーナージェット15に着火して、約500℃〜約2000℃の範囲の熱反応ユニット温度を作成するために使用される。高温は、熱反応チャンバ内にある排出ガスの分解を容易にする。一部の排出ガスが燃料/酸化剤混合物の存在下で燃焼/酸化を被ることも考えられる。熱反応チャンバ内の圧力は約0.5atm〜約5atm、好ましくはわずかに減圧されて、例えば約0.98atm〜約0.99atmの範囲である。
【0044】
[0059]分解/燃焼に続いて、排出ガスは下部チャンバ150へと通過して、ここで水カーテン156が、下部チャンバの壁を冷却して、壁への微粒子物質の堆積を抑制するために使用されてもよい。一部の微粒子物質および水溶性ガスが水カーテン156を使用してガスストリームから除去されてもよいことが想定されている。水カーテンの更に下流において、水スプレー手段154が、ガスストリームを冷却して、微粒子物質および水溶性ガスを除去するために下部クエンチチャンバ150内に位置決めされてもよい。ガスストリームの冷却は、水スプレー手段の下流での低温材料の使用を見込んでおり、材料コストを削減することができる。下部クエンチチャンバを通過するガスは大気に開放されてもよく、あるいは代替的に、液体/液体スクラブ、物理および/または化学吸着、石炭トラップ、電気集塵装置およびサイクロンを含むが、これらに制限されない追加処置ユニットに向けられてもよい。熱反応ユニットおよび下部クエンチチャンバの通過に続いて、排出ガスの濃度は好ましくは検出限度未満、例えば1ppm未満である。
【0045】
[0060]代替実施形態では、「空気ナイフ」が熱反応ユニット内に位置決めされている。図10を参照すると、流体は空気ナイフ入口206に断続的に注入されてもよく、これは最底部セラミックリング198と下部クエンチチャンバ150の水クエンチ手段の間にある。空気ナイフ入口206は、水が上記のような最底部セラミックリング198を濡らすのを防止するシールド202に内蔵されてもよい。空気ナイフ流体は、上記ユニットの分解処置に悪影響を与えることなく、熱反応ユニットの内部壁への堆積を減少させるのに十分な任意のガスを含んでいてもよい。想定されているガスは、空気、CDA、酸素富化空気、酸素、オゾンおよび不活性ガス、例えばAr、N2などを含んでいる。動作時に、ガスは空気ナイフ入口206を介して断続的に注入されて、熱反応チャンバ32の内部壁に平行に位置決めされている極めて薄いスリット204を出る。従って、ガスは(図10の矢印の方向の)壁に沿って上方に向けられて、堆積されている微粒子物質を内部壁の表面からそらす。
[改良された反応器設計]
【0046】
[0061]本発明によると、図1の熱反応ユニット30の改良が提供される。例えば、図11Aは、熱反応チャンバ32が複数の積層多孔性セラミックセクション36a〜hから形成されている熱反応チャンバ32の部分的切欠き図である。8個の積層多孔性セラミックセクションが図11Aに示されているが、8個未満またはこれより多数のセラミックセクションが使用可能である点が理解される。例えば、ある具体的な実施形態では、11個の多孔性セラミックセクションが使用されてもよい。一部の実施形態では、11個より多数またはこれ未満の多孔性セラミックセクションが使用されてもよい。セラミックセクション36a〜hは球形、楕円形、三角形、四角形、矩形、多角形、五角形、六角形、八角形または他の形状であってもよい。セラミックセクションは、積層可能なワッシャ、シェブロン、リングあるいは他の適切な形状および/または構造を含んでもよい。リングは(球形、楕円形、多角形などの上記のような)任意の適切な形状であってもよい。
【0047】
[0062]1つ以上の実施形態では、多孔性セクションのうちの少なくとも1つが非剛性材料を含んでもよい。例えば、多孔性セクションはイットリア・ドープ・アルミニウム繊維を含んでもよい。別の例として、一部の実施形態では、多孔性セクションのうちの少なくとも1つがセラミック、焼結セラミック、焼結金属、多孔性金属材料、ドープアルミニウム繊維、ガラスおよび/または多孔性ポリマー材料を含んでもよい。
【0048】
[0063]具体的な実施形態では、多孔性セクションのうちの少なくとも1つがMgAl24、Al23、SiCおよび/またはMgOを含んでもよい。イットリア、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luおよび/または任意の他の適切なドーパントによってドープされているセラミックなどのドープセラミックもまた使用されてもよい。
【0049】
[0064]図11Bは、各セラミックセクション36a〜hが2つのセラミックサブセクション1102a、1102bから形成されている図11Aの熱反応チャンバ32の実施形態を図示している。第1のセラミックサブセクション1102aは、第2のセラミックサブセクション1102b内に嵌合し、かつこれに接合してラップジョイント1104a〜bを形成するようにサイズ設定されている。ラップジョイント1104a〜bは、示されているようにセラミックセクション36a〜hを一緒に結合するために使用されてもよい。糊付けや他の接合技術が、セラミックサブセクション1102a、1102bを一緒に結合するのに使用されてもよい。このような接合セラミックセクションの使用は製造コストを削減可能である。
【0050】
[0065]少なくとも1つの実施形態では、熱反応チャンバ32は、段階的および/または様々な熱膨張係数(CTE)を有していることがある。例えば、反応チャンバ32の入口(図11Aの反応ユニットの上部)に最も近いセラミックセクションは、入口から遠いセラミックセクションよりも小さなCTEを有していることがある。ある具体的な実施形態では、(入口に最も近い)第1のセラミックセクション36aは最小CTEを有していることがあり、また(入口から最も遠い)第8のセラミックセクション36hは最大CTEを有していることがある。残りのセラミックセクション36b〜gは、最高CTEと最低CTE間に及び、また一部の実施形態ではこの間で値が低下するCTEを有することもある。上記実施形態は、より高価かつ低いCTEセラミックが反応チャンバ32の入口近く(例えば、温度が最高である場所)で使用されると、熱反応チャンバ32のコスト削減を提供可能であり、より安価かつ高いCTEセラミックが、より低い温度に付される反応チャンバ32の領域で使用されてもよい。
【0051】
[0066]同一または別の実施形態では、さらなる温度および/または化学耐性がある99.99%Al23などのより高い品質のセラミックが、熱反応チャンバ32の入口に最も近い1つ以上のセラミックセクションに使用されてもよいのに対して、98%Al23などのより低い品質のセラミックは、熱反応チャンバ32の入口から遠いセラミックセクションに使用されてもよい。
【0052】
[0067]同一または別の実施形態では、各セラミックセクションのCTEは段階的であっても、他の態様で変化してもよい。例えば、セラミックセクションのCTEは段階的であってもよいため、最高温度を経験するセラミックセクションの部分は最低CTEを有する。図11Aの実施形態では、例えば、各セラミックセクションは、セラミックセクションの上部から底部へ、および/またはセラミックセクションの内部から外部へ減少する段階的CTEを有することもある。
【0053】
[0068]同一または別の実施形態では、各セラミックセクションおよび/またはセラミックセクション間の多孔性、組成、ドーパントタイプおよび/または濃度などが段階的であっても、および/または変化してもよい。同様に、細孔は、セラミックセクション内および/またはセラミックセクション間でサイズ、形状、密度などが変化することもある。また、細孔は形状が均一であっても、(例えば、セクションの内部または外部でのより大きな開口によって)先細りにされても、他の態様で成形されてもよい。複数の細孔サイズがセラミックセクションで使用されてもよい(例えば、異なる直径の細孔2、3、4など)。
【0054】
[0069]1つ以上の実施形態では、第1の多孔性セクションは第1のドーピングレベルを有することもあり、第2の多孔性セクションは第2の異なるドーピングレベルを有することもある。例えば、より高いドーパントレベルの多孔性セクションが、熱反応チャンバの入口に最も近くで使用されてもよい。一部の実施形態では、各多孔性セクションのCTE,純度レベルおよびドーピングレベルのうちの少なくとも1つが、削減時に熱反応ユニット内の温度プロファイルに基づいて選択されてもよい。更に、各多孔性セクションのCTE、純度レベルおよびドーピングレベルのうちの少なくとも1つが、各多孔性セクションの膨張が削減時の熱反応ユニット内でほぼ等しくなるように選択されてもよい。1つ以上の実施形態では、各セラミックリングは異なるCTE、純度レベルおよび/またはドーパントレベルを有してもよい。
【0055】
[0070]更に別の実施形態では、セラミックセクションのうちの1つ以上が、(例えば1つ以上のセンサー用の空隙や他の空間を有することによって)1つ以上のセンサーを含んでいてもよく、またこれを収容し、および/またはこの使用を容易にするように適合されていてもよい。例えば、1つ以上のセラミックセクションは温度、NOX、圧力、放射または他の適切なセンサーを含んでもよい。1つ以上のこのようなセンサーはコントローラーに結合されてもよく、また(例えば、流速、ガス濃度などの調整を可能にするフィードバックループを介する)熱反応チャンバ32内の削減プロセスのより良好なコントロールおよび監視を提供するために使用されてもよい。1つ以上のセラミックセクションは代替的または付加的に、(例えば、パージ動作時に)ガスがセラミックセクションを流れるようにする、および/または(例えば、サンプリング動作を介して)ガスが熱反応チャンバ32から抽出されるようにする1つ以上のポートを含んでもよい。例えば、反応ガスおよび/または生成物の周期的またはランダムなサンプリングが、(燃焼プロセスの分析を可能にするために)セラミックセクション内のポートを介して実行されてもよい。
【0056】
[0071]図12は、複数のセラミックセクション1202a〜fによって画成されている例示的熱反応チャンバ1200の概略図である。より少数または多数のセラミックセクションが使用されてもよい。各セラミックセクション1202a〜fは、チャンバ1200をパージおよび/またはサンプリングするためのポート1204a〜fを含んでいる。付加的に、各セラミックセクション1202a〜fは、チャンバ1200の特徴(例えば、温度、NOXレベルなど)を検知するためのセンサー1206a〜fを含んでいる。各ポート1204a〜fおよび/またはセンサー1206a〜fはコントローラー1208と連通していても、および/またはこれを介してコントロールされてもよい。コントローラー1208は例えば、1つ以上のマイクロコントローラー、マイクロプロセッサ、専用ハードウェア、これらの組み合わせなどを含んでもよい。少なくとも1つの実施形態では、コントローラー1208は、熱反応チャンバ1200と関連したプロセスパラメータ(例えば、流速、ガス濃度など)をコントロールするためにポート1204a〜fおよび/またはセンサー1206a〜fから収集された情報を使用してもよい。
【0057】
[0072]1つ以上の実施形態では、複数の処理ツール(例えば、クラスターや類似のツール)が、熱反応チャンバ30および/またはクエンチユニット150などの単一熱削減システムを使用して削減されてもよい。例えば、2個、3個、4個、5個、6個の処理ツールがこのように削減されてもよい。同様に、複数の熱削減システムが(例えば、冗長性に対して)同一のツールをサービス提供してもよい。例えば、ここに説明されている熱削減システムのうちの2つが、3つ以上の処理ツールを削減するために使用されてもよい。このように、各処理ツールは、処理ツール当たり1つの削減システムが必要な場合よりも更に少数の冗長的削減システムを含んでいる。他の類似の構造が使用されてもよい(例えば、3個の削減システムが4個、5個、6個の処理ツールをサービス提供する)。複数の処理ツール(例えば、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個の入口)をサービス提供するのに必要な削減システムごとに追加入口が提供されてもよい。また、複数の削減システムは単一のツール(例えば、ツール当たり2個、3個、4個、5個の削減システム)をサービス提供してもよい。従って、本システムは、複数の熱削減チャンバによってサービス提供されている複数の処理ツールと、単一の熱削減チャンバによってサービス提供されている複数の処理ツールと、および/または複数の熱削減チャンバによってサービス提供されている単一処理ツールと、によって構成されてもよい。熱削減チャンバの容量が汚染物質出力負荷を超える一部の実施形態では、1つ以上の熱削減チャンバが、一次熱削減チャンバがオフラインにならない限り使用されない二次つまりバックアップ削減チャンバとして作用することもある。このような実施形態では、廃棄物を不活性チャンバから活性削減チャンバに選択的に向けるためにマニホルドが使用されてもよい。マニホルドはシステムコントローラーのコントロール下で操作されてもよく、また削減チャンバからのフィードバックおよび/または、処理ツールおよび/またはマニホルドの上流のセンサーからの廃棄物流の量および組成に関する情報に応答してもよい。
【0058】
[0073]図13は、排出および/または他のガスを反応チャンバ23の内部壁1300から中央反応ゾーン1302に向けるために反応チャンバ32への入口ポート14が(例えば、垂直に対して)角度付けされている熱反応ユニット30の例示的実施形態の平面図である。入口ポート14はまた、示されているように乱流および/または旋回燃焼を作成するように角度付けされてもよい。入口ポートの例示的角度は垂直に対して2〜45度を含んでいるが、他の角度が使用されてもよい。入口ポートは、反応チャンバにおける廃棄物の常駐時間を最大化して全廃棄物の燃焼を増大させる螺旋渦パターンで廃棄物を向けるように角度付けされてもよい。一部の実施形態では、入口ポート14の角度は、所与のタイプの廃棄物について所望の螺旋渦パターンに基づいて調整可能であってもよい。例えば、特定の廃棄物はより長い常駐時間の利点を享受することがあるのに対して、他のタイプはより長い常駐時間を必要とせず、またより急な(例えば、より下向きの)角度で導入される場合に最も効率的に燃焼されることもある。入口ポート14の角度は、マニホルドの処理ツール、センサー(例えば、温度、圧力、流速、組成など)および/または反応チャンバ32のセンサーからのフィードバックに基づいてシステムコントローラーによってコントロールされてもよい。入口ポート14の角度は、センサー情報や、廃棄物自体についての既知の情報(例えば、量、組成など)および/または廃棄物を発生させるプロセスに基づいて選択されてもよい。
【0059】
[0074]一部の実施形態では、金属シェルの穿孔は約0.1〜約5psiの熱反応ユニットの圧力低下を提供する。一実施形態では、約22個の積層セラミックリングがチャンバ32に使用されてもよい。
【0060】
[0075]ガスストリームから汚染物質を除去するための2段階反応器は、上部熱反応チャンバおよび下部反応チャンバを含んでもよい。上部熱反応チャンバは、外部壁と、中央分解・変換チャンバを画成する内部多孔性壁と、ガス状廃棄ストリームをその中に導入するための、中央分解・変換チャンバと流体連通している少なくとも1つの廃棄ガス入口と、ガス状廃棄ストリームを反応生成物に分解および変換するための熱手段と、流体を内部空間に導入するための手段とを含んでもよい。内部多孔性壁は、内部多孔性壁への反応生成物の堆積を減少させるのに十分な力で内部空間から中央分解・変換チャンバへの流体の移送を可能にするように適合されてもよい。内部多孔性壁はまた、内部空間を画成するのに十分な距離外部壁から離れて位置決めされてもよい。
【0061】
[0076]下部反応チャンバは、中央分解・変換チャンバと流体連通しているガス流チャンバを含んでもよい。ガス流チャンバは、ガス状廃棄ストリームおよび反応生成物を通過させるための入口および出口を含んでもよい。下部反応チャンバはまた、下方に流れる液膜をガス流チャンバの内面に発生させるための手段を含んでもよい。下方に流れる液膜は、下部反応チャンバへの微粒子固体の堆積および蓄積を減少可能である。一部の実施形態では、滝および/またはスプレージェットが、下方に流れる液膜を作成するために使用されてもよい。
【0062】
[0077]外部壁と内部多孔性壁間に位置決めされている内部空間は内部環状空間であってもよい。流体を内部空間に導入するための手段は、加圧された流体を内部環状空間に導入するように適合されてもよい。流体を内部空間に導入するための手段は、水、蒸気、空気、クリーンドライエア、クリーン富化空気、酸素富化空気、酸素減損空気(例えば、大気の酸素割合未満の空気)、不活性ガス(例えば、N2)、減損空気や不活性ガス、および/またはこれらの混合物を導入するように適合されてもよい。流体を内部空間に導入するための手段は代替的に、水のみまたは空気のみを導入するように適合されてもよい。一部の実施形態では、流体を内部空間に導入するための手段は、パルス条件下で流体を内部空間に導入するように適合されてもよい。流体を内部空間に導入するための手段はまた、周期的パルスで流体を中央分解・変換チャンバに噴射するように適合されてもよい。一部の実施形態では、パルス条件は、約3ms〜1秒のパルス期間を使用してもよい。
【0063】
[0078]2段階反応器は、下部反応チャンバが、酸化剤をガス流チャンバに導入するように位置決めされている少なくとも1つの酸化剤入口を含むように適合されてもよい。2段階反応器はまた、ガス状廃棄ストリームと混合するための可燃性燃料、反応剤および/または酸化剤を導入するための少なくとも1つの追加ガス入口を含んでもよい。反応器はまた、少なくとも1つの追加ガス入口に結合されている可燃性燃料サプライを含んでおり、この場合可燃性燃料サプライは、酸素、都市ガス、LPG、プロパン、メタンおよび/または水素を供給するように適合されている。
【0064】
[0079]一部の実施形態では、流体を内部空間に導入するための手段は、ガス流チャンバの入口付近に位置決めされた液体渦を含んでいる。液体渦は、中央分解・変換チャンバと流体連通している中央開口を具備する上部プレートを有する外部シェルを含むことがある。内面と、ガスストリーム流チャンバの内面と概して整列されている中央開口とを有する外部シェル内に円錐形バッフルがあってもよい。円錐形バッフルは概して、同心チャンバと形成するために外部シェルの内面と同心的に整列されていてもよい。液体渦はまた、液体を同心チャンバに接線方向に導入するように配列されている液体入口を含んでもよい。液体は、同心チャンバが液体で充填されて旋回運動を作成するように導入されてもよいため、液体は上昇して円錐形バッフルからあふれ出し、またガスストリーム流チャンバの内面へ下方に流れこむ円錐形バッフルの内面上に流体シートを形成する。円錐形バッフルの内面上の流体シートは、入ってくるガスストリームがガスストリーム流チャンバの内面に接触するのを阻害することによって、反応生成物の堆積に抵抗することができる。
【0065】
[0080]一部の実施形態では、内部多孔性壁は、セラミック、焼結セラミック、焼結金属、多孔性金属材料、多孔性ポリマー材料、ガラスおよび/またはこれらのブレンドおよび/またはこれらの組み合わせを含む材料から製作されてもよい。内部多孔性壁は、多孔性材料に均一に分布されている細孔を含んでもよい。他の実施形態では、細孔は、勾配を含む様々な密度で分布されてもよい。
【0066】
[0081]一部の実施形態では、外部壁および内部多孔性壁は、環状空間を提供し、かつ内部多孔性壁を通過する加圧ガスを分布させるのに十分な距離だけ分離されてもよい。反応チャンバは大気圧未満の圧力で動作してもよい。
【0067】
[0082]内部多孔性壁は、加圧ガスを内部多孔性壁を介して中央分解・変換チャンバへと通過させるための複数のアパーチャーを含んでもよい。この複数のアパーチャーは円錐形の突起部分を含んでもよい。
【0068】
[0083]流体を内部空間に導入するための手段は、適切な圧力に圧縮されている流体を導入して、中央分解・変換チャンバの内面への微粒子堆積を減少させるのに十分な力で流体の振動放出を容易にするように適合されてもよい。一部の実施形態では、圧力は約60psig〜約100psigであってもよい。
【0069】
[0084]一部の実施形態では、本発明は、ガス状廃棄ストリームのガス状汚染物質の分解および変換をコントロールするための削減システムを含んでもよい。このシステムは、上部熱反応チャンバおよび下部反応チャンバを含んでもよい。上部熱反応チャンバは、外部壁と、中央分解・変換チャンバを画成する内部多孔性壁と、流体を内部環状空間に導入するための手段と、反応生成物を形成するためにガス状廃棄ストリームを分解および変換するための熱手段と、ガス状廃棄ストリームを上部熱反応器に通すための少なくとも1つの廃棄ガス入口とを含んでもよい。内部多孔性壁は、内部環状空間を画成するのに十分な距離、外部壁から離れて位置決めされてもよい。
【0070】
[0085]下部反応チャンバは、中央分解・変換チャンバと流体連通しているガス流チャンバと、酸化剤をガスストリーム流チャンバに導入するように位置決めされている少なくとも1つの酸化剤入口とを含んでもよい。
【0071】
[0086]廃棄ガス入口は、中央分解・変換チャンバ内で終端する導管を含んでもよい。中央分解・変換チャンバ内で終端する導管の一部は、火炎形成用チューブ内のチャンバを画成するために、導管の端部を超えて突出するチューブ内に配置されてもよい。チューブは、中央分解・変換チャンバと流体連通している開放端を有してもよい。
【0072】
[0087]下部反応チャンバは、中央分解・変換チャンバとガス流チャンバ間に位置決めされている液体渦を含んでもよい。液体渦は、上部プレートを具備する外部シェルと、外部シェル内の円錐形バッフルと、液体入口とを含んでもよい。外部シェルは、中央分解・変換チャンバと流体連通している中央開口を含んでもよい。外部シェル内の円錐形バッフルは、内面と、ガスストリーム流チャンバの内面と概して整列されている中央開口とを含んでもよい。円錐形バッフルは概して、同心チャンバを形成するために外部シェルの内面と同心的に整列されてもよい。液体入口は、液体を同心チャンバに接線方向に導入するように配列されてもよい。液体は、同心チャンバを液体で充填して、旋回運動を作成して、液体を上昇させて、円錐形バッフルからガスストリーム流チャンバへあふれ出すように導入されてもよい。あふれ出た液体は従って、ガスストリーム流チャンバの内面に下方向に流れこむ円錐形バッフルの内面に流体シートを形成してもよい。
【0073】
[0088]内部多孔性壁は、内部多孔性壁への反応生成物の堆積を減少させるのに十分な力で内部環状空間から中央分解・変換チャンバへの流体の移送を提供してもよい。内部多孔性壁は約20%未満の多孔性を有してもよい。
【0074】
[0089]一部の実施形態では、流体を内部環状空間に導入するための手段は、加圧流体を環状空間に導入するように適合されてもよい。流体を導入するための手段は、水、蒸気、空気、クリーンドライエア、クリーン富化空気、酸素富化空気、酸素減損空気(例えば、大気の酸素割合未満の空気)、不活性ガス(例えば、N2)、減損空気または不活性ガスおよび/またはこれらの混合物を含む流体を導入するように適合されてもよい。流体を内部空間に導入するための手段は代替的に、水のみまたは空気のみを導入するように適合されてもよい。例えば、流体を内部環状空間に導入するための手段は、内部多孔性壁を介してストリームを放射するように適合されてもよい。加えて、流体を内部環状空間に導入するための手段はパルス条件下で流体を導入するように適合されてもよい。
【0075】
[0090]一部の実施形態では、流体を内部環状空間に導入するための流体送出システムや他の手段は、水、蒸気、空気、クリーンドライエア、クリーン富化空気、酸素富化空気、酸素減損空気、不活性ガス、試薬、酸化剤および減損空気のうちの少なくとも1つを提供するように適合されてもよい。1つ以上の実施形態では、流体送出システムや他の手段は、オゾン、過酸化水素およびアンモニアのうちの少なくとも1つを提供するように適合されてもよい。
【0076】
[0091]削減システムは更に、ガス状廃棄ストリームと混合するための可燃性燃料、反応剤および/または酸化剤を導入するための1つ以上の追加ガス入口を含んでもよい。削減システムはまた、この少なくとも1つの追加ガス入口に結合された可燃性燃料サプライを含んでもよい。可燃性燃料サプライは、酸素、ブタン、エタノール、LPG、都市ガス、天然ガス、プロパン、メタン、水素、13Aおよび/またはこれらの混合物を供給するように適合されてもよい。
【0077】
[0092]本発明はまた、2段階熱反応器おいてガス状廃棄ストリームにおけるガス状汚染物質の分解および変換をコントロールするための方法を含んでもよい。この方法は、少なくとも1つの廃棄ガス入口を介してガス状廃棄ストリームを上部熱反応器に導入するステップと、ガス状廃棄ストリームと混合して燃料富化可燃性ガスストリーム混合物を形成するための少なくとも1つの可燃性燃料を提供するステップと、分解・変換チャンバの燃料富化可燃性ガスストリーム混合物に着火して反応生成物の形成を実行するステップと、燃料富化可燃性ガスストリーム混合物の分解および変換と同時に分解・変換チャンバの多孔性壁を介して追加流体を分解・変換チャンバに噴射するステップであって、追加流体が分解・変換チャンバの内面に近づく反応生成物の力を超える力で噴射されることによって反応生成物の堆積を阻害することができるステップと、反応生成物を下部反応チャンバに流すステップと、下部反応チャンバの内面の一部に沿って水を流すステップと、下部反応チャンバの一部を介して反応生成物を流すステップであって、水を流すことによって、下部反応チャンバの内面への反応生成物の堆積を阻害するステップと、を含んでもよい。
【0078】
[0093]一部の実施形態では、追加流体を分解・変換チャンバの多孔性壁を介して分解・変換チャンバに噴射するステップは、多孔性壁を介して追加流体をパルスするステップを含んでもよい。この方法は更に、燃料減損混合物を形成するために空気含有ガスを反応生成物に導入するステップを含んでもよい。下部反応チャンバの内面の一部に沿って水を流すステップは水渦を使用するステップを含んでもよい。
【0079】
[0094]本発明は更に、半導体製造プロセスの削減時に使用するための装置を含んでもよい。この装置は、中央分解・変換チャンバを画成する内部多孔性壁を具備する熱反応チャンバと、中央分解・変換チャンバと流体連通しており、かつガス状廃棄ストリームを中央分解・変換チャンバに導入するように適合されている少なくとも1つの廃棄ガス入口と、中央分解・変換チャンバ内に位置決めされており、かつ中央分解・変換チャンバ内でガス状廃棄ストリームを燃焼させることによって反応生成物を形成するように適合されている熱機構と、中央分解・変換チャンバの内部多孔性壁の内面への反応生成物の堆積を減少させるのに十分な力で内部多孔性壁を介して流体を中央分解・変換チャンバに提供するように適合されている流体送出システムと、を含んでもよい。
【0080】
この装置は更に、内部多孔性壁を囲み、かつ外部壁と内部多孔性壁間の内部空間を画成する外部壁を含んでもよい。流体送出システムは、外部壁と内部多孔性壁間の内部空間に流体を提供することによって、内部多孔性壁を介して流体を中央分解・変換チャンバに提供するように適合されてもよい。中央分解・変換チャンバは円筒形であってもよい。流体送出システムは、水、空気、クリーンドライエア、減損空気および/またはクリーン富化空気を内部多孔性壁を介して中央分解・変換チャンバに提供するように適合されてもよい。流体送出システムはまた、流体をパルスすることによって内部多孔性壁を介して流体を中央分解・変換チャンバに提供するように適合されてもよい。パルスは周期的であってもよい。流体送出システムは、約600psig未満の圧力、一部の実施形態では約100psig未満の圧力で内部多孔性壁を介して流体を中央分解・変換チャンバに提供するように適合されてもよい。一部の実施形態では、流体送出システムは、約50psig〜約100psig、約5psig〜約50psig、あるいは約1/10psig〜約5psigの圧力で流体を提供するように適合されてもよい。他の圧力範囲が使用されてもよい。
【0081】
[0095]流体送出システムは、中央分解・変換チャンバの内面に隣接する非堆積ゾーンを形成するために内部多孔性壁を介して中央分解・変換チャンバに流体を提供するように適合されてもよい。流体送出システムはまた、内部多孔性壁の外面の長さに沿って流体を送出するように適合されている複数の入口を含んでもよい。
【0082】
[0096]内部多孔性壁は、中央分解・変換チャンバからの流体や反応生成物の逆流を削減しつつ中央分解・変換チャンバへの流体の通過を提供するように成形されている細孔を含んでもよい。一部の実施形態では、内部多孔性壁は多孔性セラミックを含んでもよい。壁は、中央分解・変換チャンバからの流体や反応生成物の逆流を減少させつつ、中央分解・変換チャンバへの流体の通過を提供するように成形されている細孔を含んでもよい。
【0083】
[0097]熱反応チャンバは複数の廃棄ガス入口を含んでもよい。例えば、熱反応チャンバは、少なくとも4個または6個の廃棄ガス入口を含んでもよい。この入口は、乱流を導入してチャンバの側壁への堆積を防止するように角度付けされ、および/または向けられてもよい。
【0084】
[0098]装置は更に、熱反応チャンバに結合されている第2の反応チャンバを含んでもよい。第2の反応チャンバは、中央分解・変換チャンバと流体連通しているガス流チャンバを含んでもよい。ガス流チャンバは、ガス流チャンバを介してガス状廃棄ストリームおよび反応生成物を通過させるための入口および出口を有してもよい。一部の実施形態では、第2の反応チャンバはまた、ガス流チャンバの内面上への微粒子固体の堆積および蓄積を減少させるようにガス流チャンバの内面に流れる液膜を発生させるように適合された水送出システムを含んでもよい。
【0085】
[0099]水送出システムはガス流チャンバの内面を冷却するように適合されてもよい。一部の実施形態では、水送出システムは、冷却水の渦を発生させるように適合されてもよい。一部の実施形態では、第2の反応チャンバは熱反応チャンバの下方に配置されてもよい。第2の反応チャンバは、酸化剤をガス状廃棄ストリームに導入するように適合されている少なくとも1つの入口を含んでもよい。
【0086】
[00100]本発明は、半導体製造プロセスの削減時に使用するための装置として具現化されてもよい。本装置は上部反応チャンバおよび下部反応チャンバを含んでもよい。上部反応チャンバは、中央分解・変換チャンバを画成する内部多孔性壁と、内部多孔性壁を囲み、かつ外部壁と内部多孔性壁間の内部空間を画成する外部壁と、中央分解・変換チャンバと流体連通しており、かつ中央分解・変換チャンバにガス状廃棄ストリームを導入するように適合されている少なくとも1つの廃棄ガス入口と、中央分解・変換チャンバ内に位置決めされ、かつ中央分解・変換チャンバ内でガス状廃棄ストリームを燃焼させることによって反応生成物を形成するように適合されている熱機構と、中央分解・変換チャンバの内部多孔性壁の内面への反応生成物の堆積を減少させるのに十分な力で内部多孔性壁を介して流体を中央分解・変換チャンバに提供するように適合されている流体送出システムとを含んでもよい。
【0087】
[00101]下部反応チャンバは上部反応チャンバに結合されてもよい。下部反応チャンバは、中央分解・変換チャンバと流体連通しているガス流チャンバを含んでもよく、このガス流チャンバは、ガス流チャンバを介してガス状廃棄ストリームおよび反応生成物を通過させるための入口および出口を有している。下部反応チャンバはまた、ガス流チャンバの内面への微粒子固体の堆積および蓄積を減少させるようにガス流チャンバの内面に流れる液膜を発生させるように適合されている水送出システムを含んでもよい。下部反応チャンバはまた、ガス状廃棄ストリームに酸化剤を導入するように適合されている入口を含んでもよい。
【0088】
[00102]本発明はまた、熱反応チャンバに交換可能なライナを含んでもよい。交換可能なライナはモジュラであっても、多孔性であっても、またセラミックや他の類似の材料から構成されてもよい。多孔性セラミックライナは、半導体製造によるガス状廃棄物の分解および変換時に使用するための中央分解・変換チャンバを画成する形状を有してもよい。多孔性セラミックライナや壁は、多孔性セラミック壁やライナの内面への反応生成物の移動を削減するために、中央分解・変換チャンバ内で実行される分解・変換プロセス時に多孔性セラミック壁の外部から多孔性セラミック壁を介して中央分解・変換チャンバへの流体の移送を可能にするのに十分な多孔性を有してもよい。
【0089】
[00103]一部の実施形態では、多孔性セラミック壁/ライナは、中央分解・変換チャンバからの流体や反応生成物の逆流を削減しつつ、多孔性セラミック壁によって画成されている中央分解・変換チャンバへの流体の通過を提供するように成形されている細孔を含んでもよい。多孔性セラミック壁は、セラミック、焼結セラミック、MgAl24、Al23、SiC、MgOおよび/またはこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0090】
[00104]本発明は代替的に、半導体製造プロセスからのガス状廃棄物の分解および変換時に使用するための中央分解・変換チャンバを画成する形状を有する多孔性材料壁を含んでいる。多孔性材料壁は、多孔性材料壁の内面への反応生成物の移動を減少させるために中央分解・変換チャンバ内で実行される分解・変換プロセス時に多孔性材料壁の外部から多孔性材料壁を介して中央分解・変換チャンバへの流体の移送を可能にするのに十分な多孔性を有してもよい。多孔性材料壁は、焼結セラミック、焼結金属、多孔性金属材料、多孔性ポリマー材料および/またはこれらの組み合わせを備えてもよい。
【0091】
[00105]本発明は事例的実施形態および特徴部を参照して様々に本明細書で説明されているが、上記の実施形態および特徴部は本発明を制限することは意図しておらず、また他の変形例、修正および他の実施形態も、本明細書の開示に基づいて当業者には容易に想定される点が理解される。従って本発明は後述の特許請求の範囲と矛盾せずに幅広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0092】
10…入口アダプタ、12…内部プレート、14…廃棄ガス入口、15…バーナージェット、16…中央ジェット、17…燃料入口18…上部プレート、20…網状セラミックフォーム、22…パイロット火炎保護プレート、24…パイロット噴射マニホルドチューブ、25…ボアホール、26…パイロットポート、28…固定手段、30…熱反応ユニット、32…熱反応チャンバ、36…セラミックリング、40…最上セラミックリング、42…ガスケットまたはシール、60…外部ステンレス鋼反応シェル、62…環状空間、110…穿孔金属シェル、112…取り付け可能なセクション、114…リブ、150…下部チャンバ、152…入口、154…水スプレー手段、156…水カーテン、198…最底部セラミックリング、202…シールド、206…空気ナイフ、1200…熱反応チャンバ、1202…セラミックセクション、1204…ポート、1206…センサー、1208…コントローラー、1300…内部壁、1302…中央反応ゾーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体製造プロセスにおいて生成される産業排出流体の削減時に使用するための装置であって、
熱反応ユニットを具備し、
該熱反応ユニットが、
流体を通過させるように構成された複数の穿孔を有する外部壁と、
中央チャンバを画成し、複数の積層多孔性セクションから形成された内部多孔性壁と、
前記中央チャンバに流体連通し、ガス状廃棄ストリームを該中央チャンバに導入するように構成された少なくとも1つの廃棄ガス入口と、
前記中央チャンバ内に配置され、前記中央チャンバ内において前記ガス状廃棄ストリームを分解することによって反応生成物を形成するように構成された熱機構と、
前記中央チャンバの前記内部多孔性壁の内面に対する反応生成物の堆積を減少させるのに十分な力により、前記外部壁の前記穿孔を介して前記中央チャンバに前記内部多孔性壁を介して流体を提供するように構成された流体送出システムと、
を有し、
前記外部壁の前記穿孔が、前記熱反応ユニット全体に約0.1〜約5psiの圧力低下を与える、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記外部壁が少なくとも2つの取り付け可能なセクションを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも2つの取り付け可能なセクションがリブを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記穿孔が、前記熱反応ユニットの下部チャンバよりも前記廃棄ガス入口に向かってより多くの空気を導くパターンを形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記多孔性セクションが、
削除の間において前記中央チャンバ内のガスをサンプリングすることを可能にする空間、及び、削除の間において前記多孔性セクション内の温度を測定するように構成されたセンサを収容する空間、のうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
半導体製造プロセスにおいて生成される産業排出流体の削減時に使用するための方法であって、
流体を通過させるように構成された複数の穿孔を有する外部壁と、
中央チャンバを画成し、複数の積層多孔性セクションから形成された内部多孔性壁と、
前記中央チャンバに流体連通し、ガス状廃棄ストリームを前記中央チャンバに導入するように構成された少なくとも1つの廃棄ガス入口と、
前記中央チャンバ内に配置され、該中央チャンバ内において前記ガス状廃棄ストリームを分解することによって反応生成物を形成するように構成された熱機構と、
前記中央チャンバの前記内部多孔性壁の内面に対する反応生成物の堆積を減少させるのに十分な力により、前記外部壁の前記穿孔を介して前記中央チャンバに前記内部多孔性壁を介して流体を提供するように構成された流体送出システムと、
を有し、前記外部壁の前記穿孔が前記熱反応ユニット全体に約0.1〜約5psiの圧力低下を与えるように構成された、熱反応ユニットを提供する段階と、
前記熱反応ユニットを使用して前記半導体製造プロセスを削減する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記熱反応ユニットの底部よりも前記廃棄ガス入口に向かって前記外部壁における前記複数の穿孔を介してより多くの空気を導く段階、をさらに含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記熱反応ユニットの底部よりも前記廃棄ガス入口に向かって前記外部壁における前記複数の穿孔を介してより多くの空気を導くように構成された穿孔パターンを提供する段階、をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
結合したリブを介して前記外部壁の取り付け可能なセクションを結合する段階、をさらに含む請求項6に記載の方法。
【請求項10】
連続モードにおいて前記複数の穿孔を介して流体を導入することによって、前記熱反応チャンバ内における前記流体の再循環を減少させる段階、をさらに含む請求項6に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−174695(P2011−174695A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81443(P2011−81443)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【分割の表示】特願2008−538972(P2008−538972)の分割
【原出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】