プロセス流れを濾過し、流れ分配しそしてそれに触媒作用を及ぼす方法
プロセス流れから汚染物を除去する方法に、前記プロセス流れを濾過する目的で網状材料を用いることを包含させる。前記網状材料はまたプロセス装置内のプロセス流れの流れ分配も助長する。そのような網状材料を相当数の前記網状材料の間に隙間が存在するように詰め込むことができるが、その隙間を濾過および流れ分配が向上するように変えることができる。本濾過方法では、また、プロセス装置から出る汚染物を除去する方法も提供する。本方法はいろいろなプロセス流れおよびプロセス装置で使用可能である。そのような網状材料にはセラミック、金属材料および化学的蒸着要素が含まれ得る。そのような網状材料にいろいろな形状および大きさを持たせることができかつまたそれが触媒的に活性を示すようにすることも可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプロセス流れ(process streams)から汚染物を濾過で除去する方法に関する。本発明は、別の面において、プロセス装置(process units)の中でプロセス流れの流れ分配(flow distribution)を起こさせる方法に関する。本発明は、更に別の面において、濾過または流れ分配または両方をもたらすと同時に少なくとも1つの反応に触媒作用を及ぼすことで当該プロセス流れの中に入っている特定の化学種を少なくともある程度除去しそして/または転化させることを提供する。
【背景技術】
【0002】
プロセス流れに入っている汚染物はプロセスにとって有害でありかつまたプロセス装置にとっても有害であり得る。汚染物はプロセス装置に損傷を与える可能性があり、その結果として、環境または安全上の事故が起こる可能性がある。汚染物はまたプロセス内の効率を低下させ、生産を停止させ、製品の仕様に影響を与えることなどによってプロセスに損傷を与える可能性もある。汚染物はあらゆる種類のプロセス流れ、例えば供給流れ、排出流れまたは流出流れなどに存在し得る。汚染物はいろいろな種類のプロセス装置、例えば反応槽、抽出装置、蒸留塔、スクラバー、排ガス処理装置、焼却炉、交換器、ボイラー、凝縮器などに影響を与える可能性がある。
【0003】
プロセス装置の形態は当該装置の中のプロセス流れが垂直に下方もしくは上方または両方向に流れるような形態になっている可能性がある。別法として、当該装置の中のプロセス流れは当該装置の中心から外側にか外側部分から中心部にか或は両方に向かって放射状に流れるようになっている可能性もある。
【0004】
反応槽はある種のプロセス装置である。1個以上の固定床の中に含まれている個別の固体状触媒粒子が入っている反応槽は数多く存在する。触媒床は典型的にこの触媒床に供給されるプロセス流れの中に入っている汚染物を捕捉する点で非常に有効である。しかしながら、そのような触媒床はその捕捉した汚染物によって急速に詰まりを起こす可能性がある。その床が詰まりを起こすと、当該プロセス装置に沿って起こる圧力降下が増大し、その結果として、最終的には、そのプロセス装置をあまりにも早期に停止することが起こってしまう。
【0005】
そのような問題をある程度軽減する目的で、しばしば、触媒床が備わっているプロセス装置ばかりでなく触媒床が備わっていないプロセス装置にも通常の保持用材料床(retention material beds)を追加することが行われているが、それらが詰まりに対して示す耐久性はいくらか低い。そのような通常の保持用材料床は典型的に当該プロセス装置の入り口に取り付けられる。触媒床が備わっているプロセス装置の場合、そのような通常の保持用材料床は典型的に触媒床の中で起こる反応に対して不活性である。そのような通常の保持用材料床は汚染物、例えば埃、酸化鉄、硫化鉄、アスファルテン、コークス微細物、触媒微細物、沈澱物、または当該プロセス流れの中に連行された他の外来粒状材料(当該プロセス装置の中に入り込むか或はそれから出て行く)などの全部またはいくらかを捕捉または濾過で除去する点でいくらか有効であり得る。そのような汚染物を捕捉しておくと、望ましくない材料が当該プロセス装置を詰まらせることも触媒を被毒させることも他の様式で損傷を与えることもなくなる。そのような通常の保持用材料床が不活性である場合、それらは典型的にペレット、リング、サドルまたは球の形態の通常のセラミック材料で作られており、それらは典型的に破砕、高温および/または高圧に耐える必要がある。そのような通常の保持用材料床は当該プロセス装置が詰まらないよう
にする点でいくらか有効であり得るが、そのような通常の保持用材料床はそれら自身が結局は詰まりを起こしてしまう。
【0006】
通常の保持用材料床は、また、当該プロセスの流れを当該プロセス装置に沿って前記プロセス流れの流れ方向に対して垂直な方向に流れ分配するのも助長し得る。そのような挙動を本明細書では垂直流れ分配と呼ぶことにする。一例として、上昇流もしくは下降流プロセス装置の場合、そのプロセス流れの流れは軸方向でありそして垂直流れ分配は半径方向である。
【0007】
通常の保持用材料床が示す効率を向上させる目的で、当該プロセス装置が汚染物、例えば埃、酸化鉄、硫化鉄、アスファルテン、コークス微細物、触媒微細物、沈澱物、または連行された他の外来粒状材料などで詰まって来る速度が遅くなるように大きさと形状が異なる保持用材料を段階的に位置させた層を穴開き盤またはスクリーンバスケット(screen baskets)と一緒に用いることが行われた。
【0008】
通常の保持用材料床はプロセス装置の入り口の所で汚染物と接触すると最終的に汚染物によって詰まりを起こすであろう。これが起こると、当該プロセス装置に沿った圧力降下が増大し、その結果として、最終的には装置の停止がもたらされてしまう。このことが触媒床が備わっているプロセス装置で起こると、その触媒床自身の一部が汚染物でいくらかまたは完全に詰まってしまうのが典型的である。そのように当該プロセス装置の停止が生じると、前記通常の保持用材料の詰まりを起こした部分ばかりでなく触媒床の詰まりを起こした部分もすくい取るか或は除去する必要がある。
【0009】
プロセス流れに入っている汚染物によって詰まりが生じることに加えて、また、触媒床が備わっているプロセス装置に供給されるプロセス流れに存在する重合体前駆体、例えばジオレフィンなどが重合を起こすことでもそのようなプロセス装置の汚れ、目詰まりまたは閉塞が生じる可能性がある。特に、2つの重合機構、即ちフリーラジカル重合および縮合型重合によって触媒床の汚れ、目詰まりまたは閉塞が生じる可能性がある。プロセス流れが酸素と遭遇する場合にはフリーラジカル重合を制御する目的で抗酸化剤を添加するのが有効であることが確認されている。ジオレフィンの縮合重合は典型的に有機物が基になった供給材料が加熱された後に起こる。従って、重合反応は一般に前記装置内で起こることから、そのような汚染物を除去しておく目的でプロセス流れが触媒床プロセス装置の中に入り込む前にそれを濾過しておくことは役に立たない可能性がある。
【0010】
汚染物による詰まりを全く起こさなくてプロセス流れに由来する汚染物を効率的かつ効果的に濾過で除去する保持用材料が得られたならば、これは非常に望ましいことである。効率は、そのような材料がプロセス流れから除去する汚染物のパーセントばかりでなくそのような材料が除去し得る汚染物の大きさの範囲に関係している。効果は、そのような材料が保持用材料の中を通る浄化されたプロセス流れの流れを邪魔しない度合に関係している。そのような材料が幅広い範囲の大きさの汚染物の全部をプロセス流れから最終的に除去すると同時にプロセス装置に沿って起こる受け入れられない圧力降下の増大を起こさせないならば、それは望ましいことである。また、垂直流れ分配を助長する保持用材料が得られたならば、これも非常に望ましいことである。プロセス流れを濾過しかつ流れ分配をもたらす本発明の方法は、以前に提案された従来技術の方法に比べて、汚染物を非常に効率良くかつ非常に効果的に濾過し、触媒床が備わっているプロセス装置に入っている触媒の寿命および活性を向上させ、触媒の損失を低くし、プロセス装置の構造配置の最適化を可能にし、プロセス装置の中に入るプロセス流れおよびプロセス装置の中に入っているプロセス流れの垂直流れ分配を向上させ、かつプロセス装置をオフラインにする(通常の保持用材料床が詰まりを装置に沿って起こる圧力降下が受け入れられない度合にまで上昇した時点で取られている)ことを行う必要がないと言った利点を有する。そのような利点に
よって資本および運転費用の両方の節約がもたらされ、休止時間が短くなり、プロセス装置の性能が向上しかつプロセス装置の運転時間が長くなる可能性がある。
【0011】
通常の保持用材料床の弱点は、それらがフィルターとして特に効率的でも特に効果的でもない点にある。通常の保持用材料床がある種の汚染物をプロセス流れから除去する点で効率的である時間は典型的に限られている。そのような方法で捕捉される汚染物の大きさは典型的に約50ミクロン以上である。通常の保持用材料床は、結局は詰まりを起こすことが理由で浄化されたプロセス流れが通常の保持用材料床の中を流れなくなることでプロセス装置の圧力降下が受け入れないほど増大してしまうことから、効果の点で欠点がある。その上、通常の保持用材料床が汚染物を捕捉する深さは上部の約6インチから12インチの範囲内であると思われる。通常の保持用材料を含有する床の深さをより深くしてもそのような材料が示す捕捉能力が高くなることはない。従って、本技術分野では、50ミクロン未満の粒状汚染物を除去し、プロセス装置の圧力降下の有意な増大なしに浄化されたプロセス流れの自由な流れを可能にしながら粒状汚染物を濾過で除去しかつ床の深さに関係なく濾過能力が床の深さに伴って高くなる濾過方法が探求されていた。
【0012】
プロセス装置に関する現在の垂直流れ分配デザインおよび方法に伴う欠点によって、結果として、当該プロセス装置の中で起こる分配が劣る可能性がある。粒状汚染物または望まれない重合反応の生成物によって引き起こされる如き詰まりまたは他の汚れはまた流れ分配異常の原因にも成り得る。流れ分配異常が起こると結果としてプロセス装置の一部のチャネリングおよび相当する迂回、汚染物除去効率の低下および装置効率の低下がもたらされる可能性がある。流れ分配異常問題の証拠はまた一般にいわゆる温度ホットスポット(hot−spots)が生じることでも見られる。そのようなホットスポットが生じると、例えば触媒床プロセス装置の中で起こるコークス化の増大および活性の低下などがもたらされる可能性がある。従って、本技術分野では、プロセス流れをプロセス装置内により均一に分配することを可能にし、汚染物を濾過で効率良く除去し、ホットスポットが生じる度合を低くしかつ望まれない重合反応によって引き起こされる汚れを低下させ得る垂直流れ分配方法が求められていた。
【0013】
有機供給流れを濾過しかつそれを化学反応槽の中で分配する目的で用いられる網状(reticulated)セラミック材料が特許文献1および2(これらは両方とも引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に記述されている。有機物が基になった流れに加えて他の種類のプロセス流れそして化学反応槽に加えて他の種類のプロセス装置でも濾過および流れ分配を可能にする必要性が存在する。
【0014】
あらゆるプロセス流れおよびあらゆるプロセス装置で用いるに適していて、汚染物をプロセス流れから除去し、プロセス装置内の垂直流れ分配を向上させ、圧力降下の増大以外の要因によって決まる装置稼働時間を長くし、プロセス装置に沿って起こる圧力降下を最小限にしかつ触媒床のチャネリングおよび流れ分配異常によって生じるプロセスの安全および環境上の懸念、温度ホットスポットおよびプロセス装置の停止および始動を最小限にする目的で用いられる材料の濾過効率および効果を向上させる濾過および流れ分配方法が得られたならば、これは望ましいことである。
【特許文献1】米国特許第6,258,900号
【特許文献2】米国特許第6,291,603号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に従い、網状要素を用いてプロセス流れを濾過し、プロセス流れをプロセス装置
内で分配しそしてこれらの片方または両方を所望反応に触媒作用を及ぼしながら同時に達成する本方法によって前記利点を達成した。本発明は、有利に、汚染されているプロセス流れから汚染物を除去する方法を提供する。本方法を、好適には、当該プロセス流れをプロセス装置の中に入れておいた多数の網状要素に通すことで実施する。前記網状要素の表面で起こる汚染物濾過が向上すると同時に浄化されたプロセス流れが前記多数の網状要素の中を妨げられないで通ることができるようにする目的で、前記網状要素を前記プロセス装置の中に各網状要素の間に有意な隙間が存在するように無作為に詰め込む。表面には内部表面および外側表面が含まれ得る。本発明に従って作成する網状要素は、濾過で利用可能な内部表面積の方が外側表面積よりも大きい。網状要素には発泡材料およびモノリス材料が含まれ得る。発泡材料は一般に不規則なパターンを有する一方で、モノリスが有するパターンはより均一である。そのような網状要素は商業的に入手可能な如何なる材料で作られていてもよく、例えばジルコニアで強化されたアルミナ(これは一般にZTAと呼ばれる)などで作られていてもよい。ZTAは本社がCudahy(ウィスコンシン)に在るFiber Ceramics,Inc.からセラミック発泡体として入手可能である。別の適切な種類のセラミックは、本社がCorning(ニューヨーク)に在るCorning,Inc.が製造しているモノリスである。前記プロセス流れは液体流れ、気相または両方の相の組み合わせであってもよく、汚染物には埃、酸化鉄、硫化鉄、アスファルテン、コークス微細物、煤、触媒微細物、沈澱物、または連行された他の外来粒状物、蒸留塔の中の塩、気体流れの中の粒子、または排ガス装置に由来する硫黄または硫化物が含まれ得る。そのようなプロセス流れはまた有機物が基になったプロセス流れであってもよい。前記網状要素をこれが当該プロセス流れから汚染物のいくらかまたは全部を除去するに充分な量で供給すべきである。本発明の別の特徴は、浄化されたプロセス流れにさらなる処理を受けさせる段階を包含する。
【0016】
より詳細には、本発明は、プロセス装置に入って来るプロセス流れの流れ品質を向上させる方法に関する。具体例には、触媒床プロセス装置に入って来る有機物が基になったプロセス流れの流れ品質を向上させることが含まれる。そのような触媒床プロセス装置には、好適には、個々別々の固体状要素が固定されている触媒床が用いられている。そのような触媒床プロセス装置には水素添加処理装置(hydrotreater)、水素添加精製装置(hydrorefiner)、水素添加分解装置、改質装置、アルキル置換反応槽、脱アルキル反応槽、異性化反応槽、酸化反応槽、エステル化反応槽および重合反応槽が含まれ得る。前記個々別々の固定状触媒粒子は1個以上の固定床の中に上昇流、下降流または放射状流デザインのいずれかで入っている可能性がある。
【0017】
本発明の網状要素は、触媒床プロセス装置で使用可能であることに加えて、他の種類のプロセス装置から汚染物を除去する目的でも使用可能である。そのようなプロセス装置には、焼却炉、スクラバー、排ガス処理装置および蒸留塔、そして連続様式で作動する製造装置のいずれも含まれ得る。本網状要素を蒸留塔で用いる場合、それらを蒸留塔の底に位置させることで、それを蒸留過程に由来する塩を除去するフィルターとして働かせることができる。塩を除去すると、蒸留塔に沿って起こる圧力降下が低下し、蒸留塔が示す分離効率がより良好になり、かつそのような塩を蒸留塔から除去するに典型的に要する休止時間と休止時間の間の時間が長くなる。
【0018】
本発明は、また、有利には、プロセス装置の中で垂直流れ分配を起こさせる方法も提供する。本垂直流れ分配方法は、1個以上の網状要素を当該プロセス装置の中に供給することを包含する。用いる網状要素が1個のみの場合には、典型的に、それの大きさが有効に当該プロセス装置の全長に及ぶようにする。用いる網状要素が多数の場合には、それらを典型的には無作為に詰め込まれた床の状態に配置する。そのような網状要素の形態に関係なく、各網状要素は、この網状要素の全体を貫く多数の流路を限定している多数のウエブ材(web members)を有する。従って、プロセス流れが各網状要素のウエブ材
で限定されている多数の流路を通ることによって前記プロセス流れが前記多数の網状要素と接触するとそれらは多数のより小さい流体流れに細分される。前記プロセス流れの流れが前記網状要素の中の流路の中を通りかつ使用する網状要素が多数の時には前記網状要素の間に存在する隙間を通ることで、前記プロセス装置の中を通る前記プロセス流れの流れに対して垂直な有効な流れ分配がもたらされる。本方法は当該プロセス装置の中に入って来るプロセス流れが入り込む地点が当該プロセス装置の中の任意地点であるか、プロセス装置の出口であるか或はそのような場所の任意組み合わせであるいずれにも適用可能である。本方法はプロセス流れに適用可能であると同時に前記プロセス流れから汚染物を濾過で除去することを可能にする。本方法はプロセス流れに適用可能であると同時に前記プロセス流れの中に存在する所望化学種をある程度または完全に除去または転化させる触媒反応を実施することを可能にする。
【0019】
本発明の追加的特徴は、いろいろな形状の網状要素を用いる段階を包含し得る。そのような形状には、とりわけ、実質的に球形の球、モノリス、正方形、ラシッヒリング、サドル、中空円柱、穴開き盤、盤、単一シートおよび固形円柱(solid cylinder)が含まれ得る。各形状物の大きさを個々の仕様に合わせることができる。使用する形状物の大きさには、直径が約1/8から2インチの実質的に球形の球、幅が約1/8から2インチで長さが約1/8から2インチのモノリス、幅が約1/8から2インチで長さが約1/8から2インチの正方形、内径が約1/8から1インチで外径が約1/4から1.5インチで高さが約1/4から2インチのラシッヒリング、半径が約1/4から2インチのサドル形状、内径が約1/8から1 1/4インチで外径が約1/4から2インチで高さが約1/4から3インチの中空円柱、および直径が約1/8から1インチで高さが約1/4から2インチの固形円柱が含まれ得る。特注のワンピース盤または単一シート構造物を反応槽の物理的形態に特別に適合させてもよい。本発明のこの面のさらなる特徴は、前記網状要素を盤または単一シートのいずれかの状態で成形して場合により各々に穴を開けておいてもよい点にある。本発明の追加的特徴は、前記網状要素を構築する時に反応槽の物理的形態に特別に適合する組み立てシート(assembled sheet)または盤を生じさせる目的で多数の断片に成形しておいてもよい点にある。
【0020】
本発明の追加的特徴は、間隙率および孔径がいろいろな網状要素を用いる段階を包含し得る。そのような網状要素の製造は、それらが1インチ当たりに有する孔の数(「ppi」)が非常に多数であると言った間隙率を有するように実施可能である。このことは、例えば、30ppiの網状要素を本分野の技術者が検査した時にそれが孔を1インチ当たり平均で30個有することを意味する。1インチが約25ミリメートルであるとすると、そのような材料の孔径はちょうど1ミリメートル以下になるであろう。これに関して、孔径は、孔が完全な球ではないことを考慮して、孔の空隙の一般的な大きさである。孔径の別の重要な要素は、孔の中に向かって開放されているウインドの大きさである。これは、孔の中に捕捉または除去される最も大きな粒子の大きさを決める尺度である。本発明の網状要素の間隙率の範囲は4から800ppiである。このようにして、網状要素の大きさおよび形状を用途制約(粒子充填率および圧力降下の制約を包含)に適合させることができる。本網状要素が有する孔の範囲は約6ミリメートルから約100ミクロンであり得るが、それらは各々が多数のウエブ材で限定されていて当該網状要素の中を貫く多数の流路を形成している。
【0021】
本発明の追加的特徴は、孔径がいろいろな網状要素を同じプロセス装置の中で用いることで幅広い範囲の大きさの汚染材料を除去する段階を包含し得る。本発明の材料を用いると、大きさが約1ミクロンほどの小さい汚染物を濾過で除去することができる。商業的に入手可能な保持用材料が捕捉することができる粒子の大きさは約50ミクロンまでである。
【0022】
本発明の別の特徴では、有利に、プロセス装置の長さ全体に渡って多数の網状要素を装備することを提供する。そのような多数の網状要素を1種の触媒とか、多数種の触媒とか或は他の材料、例えば構造化充填材料などと一緒に当該プロセス装置の全体に渡って混ぜ合わせてもよい。
【0023】
本発明の別の面に従い、汚染されているプロセス流れを本網状要素と接触させる段階に、前記網状要素をその汚染されているプロセス流れと接触させるに先立ってそれの上に触媒を付着させておくことを含めてもよい。本発明のこの面の別の特徴に、VI−B族の金属またはVIII族の金属または両方を伴う多孔質アルミナ被膜を包含する選択した触媒の実質的に均一な被膜を有する基材として網状要素を用いることを含めてもよい。前記VI−B族の金属は好適にはモリブデンであり、そして前記VIII族の金属は好適にはニッケルまたはコバルトのいずれかである。より好適には、前記VI−B族の金属およびVIII族の金属を前記網状要素の中に含浸させておく。本発明の方法は、当該触媒床の有効寿命を長くするに有用である。そのような触媒活性を示す網状要素は、ジオレフィンまたは他の重合体前駆体を反応させる目的で使用可能であり、かつまたそれらをフィルターおよび流れ分配装置(flow distributor)として働かせることも可能である。固体を濾過で除去しそしていずれかの重合体前駆体、例えばジオレフィンなどをある程度反応させておくと、触媒の汚れが減少することで反応槽の稼働時間が有効に長くなる。
【0024】
本発明の別の面に従い、本濾過方法に、下流に位置する装置の汚れまたは詰まりを減少させる目的でプロセス装置の中に生じた固体粒状材料または沈澱物を濾過で除去する段階を含めてもよい。本発明のこの面に、1個以上の網状要素を準備し、粒状材料または沈澱物が入っているプロセス流れを前記網状要素と接触させ、前記粒状材料または沈澱物を前記プロセス流れから除去しそして粒状材料または沈澱物を相対的に含有しないプロセス流れにさらなる処理を受けさせる段階を含めてもよい。そのような網状要素を位置させる場所は当該プロセス装置内の1個以上の場所または当該プロセス装置の出口または両方の組み合わせであってもよい。沈澱物を除去する本方法をまた蒸留塔で用いることで、相対的に沈澱物を含有しないプロセス流れにさらなる処理を受けさせることができる。触媒床プロセス装置の中のプロセス流れを濾過する本発明の方法は、従来技術の方法と比べて、必要な保持用材料の体積が小さく、投資費用が低く、固体状粒状物を供給流れから濾過で除去する度合が向上し、装置に沿った圧力降下が低く、反応槽の稼働時間が長く、活性がより高い触媒の使用が可能になり、運転費用が低く、プロセスの安全性が向上しかつ環境上の懸念が低下すると言った利点を有する。
【0025】
本発明を好適な態様に関連して記述するが、本発明をそのような態様に限定することを意図しないことは理解されるであろう。それとは対照的に、添付請求の範囲で限定する如き本発明の精神および範囲内に含まれ得る如きあらゆる代替、修飾および相当物の全部を保護することを意図する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1を参照して、プロセス流れを処理する目的で、実質的に球形の球122(図11)の形状の網状要素15を用いた単一触媒固定床プロセス装置22を記述するが、この上で考察したように、他の形状の網状要素15ばかりでなく他のプロセス装置も使用可能である。プロセス装置22が下降流形態の場合、汚染されているプロセス流れ20は入り口24の所でプロセス装置22の中に入る。本発明は固定床または流動床のいずれのプロセス装置でも使用可能である。好適には、本発明を上昇流または下降流または放射状流形態のいずれかの1個以上の固定床で用いる。そのような触媒床プロセス装置には、好適には、水素添加処理装置、水素添加精製装置、水素添加分解装置、改質装置、アルキル置換反応槽、脱アルキル反応槽、異性化反応槽、エステル化反応槽および重合反応槽が含まれる。
供給流れに典型的に存在する汚染物には、典型的には、埃、酸化鉄、硫化鉄、アスファルテン、コークス微細物、煤、触媒微細物、沈澱物、または連行された他の外来粒状物、蒸留塔の中の塩、気体流れの中の粒子、排ガス装置に由来する硫黄または硫化物、または重合体前駆体、例えばジオレフィンなどが含まれる。網状要素15の層26、好適には層26、28を当該槽の中にそれがプロセス流れ20から汚染物を所望時間(これには、これらに限定するものでないが、当該反応槽内の触媒が前記反応槽の運転を保証するに充分な活性を示す間が含まれる)に渡って濾過で除去するに充分な量で装備する。好適には、入って来るプロセス流れが網状要素15の床を通って流れる時に網状要素15、例えば球122などの大きさが層26の中の1つの大きさから層28の中の別の大きさへと段階的であるように複数の層26、28を装備してもよい。網状要素には発泡材料およびモノリス材料が含まれ得る。発泡材料は一般に不規則なパターンを有する一方でモノリスが有するパターンの方がより均一である。セラミック製網状要素を用いる場合、そのようなセラミック製網状要素は商業的に入手可能な如何なる材料で作られていてもよく、例えばジルコニアで強化されたアルミナ(これは一般にZTAと呼ばれる)などで作られていてもよい。ZTAは本社がCudahy(ウィスコンシン)に在るFiber Ceramics,Inc.から入手可能である。本発明で用いるに適した典型的なモノリスは、本社がCorning(ニューヨーク)に在るCorning,Inc.から入手可能である。そのように網状要素15の大きさを段階的にすることで濾過可能な汚染物の大きさの範囲の幅が広がる。
【0027】
本発明は、有利に、汚染されているプロセス流れから汚染物を除去する方法を提供する。本方法を、好適には、浄化されたプロセス流れが網状材料の中を妨げられることなく通り抜けることができるような様式で汚染物の濾過が向上するように網状要素を好適には各網状要素の間に隙間が存在するように無作為に詰め込むことを通して実施する。本発明は、プロセス流れからの汚染物濾過で前記網状要素の全体が利用され得るような方法を提供するものである。触媒床プロセス装置では、前記網状要素のサイズを、この網状要素が汚染粒子を濾過で除去する能力が枯渇する前に触媒床の触媒活性が枯渇するようなサイズにしてもよい。本方法では、現在の方法(通常に入手可能な保持用材料の上方の6から12インチが最終的に詰まりを起こす)とは対照的に、網状要素の床全体が利用され得る。そのような材料を用いると、約1フィートより深い所の床はプロセス流れからの粒状汚染物の除去で本質的に利用されない。その上、そのような材料を用いると、その床の上部が詰まりを起こした時点で、その装置の中で起こる圧力降下が増大し始めることから、その詰まりを起こした材料をプロセス装置から除去して交換する目的で休止させる必要が生じる。
【0028】
いろいろなプロセス装置に本発明の網状要素を用いた実験を受けさせることでデータを集めた。本発明の網状要素が示した性能は商業的に入手可能な通常の保持用材料が示した性能より劇的に良好であった。
【実施例1】
【0029】
蒸留液水素添加処理装置における使用
4種類の蒸留液水素添加処理装置を実質的に同じプロセス条件下で用いて行った製油所でデータを得た。そのような水素添加処理装置の中の2つ、即ちAおよびBには、「リンググレーディングシステム(ring grading systems)」として知られる通常の網状材料が入っていた。残りの2つの水素添加処理装置、即ちCおよびDでは、本発明の網状要素を用いた。図17に、通常のリンググレーディングシステムおよび本発明の網状要素を用いた4種類の水素添加処理装置が示した圧力降下の比較を示す。このグラフで分かるであろうように、本網状要素を入れておいたCおよびDの水素添加処理装置では450日を超える期間に渡って圧力降下は実験開始時の圧力降下に比較して低いままであったが、通常のリンググレーディングシステムが用いられているAおよびB水素添
加処理装置はほんの200日の稼働時間後に劇的な圧力増加を示した。このような圧力降下の比較の結果を表1に見ることができる。蒸留液水素添加処理装置の中の汚染されているプロセス流れは主に液相状態であった。前記C水素添加処理装置の場合の450日目の圧力差は8psiのみであった。前記D水素添加処理装置の場合の450日目の圧力差は0.5psiのみであった。前記AおよびB水素添加処理装置の場合の圧力差はそれぞれ82.5psiおよび54psiであった。比較として、本発明の網状要素を用いた前記CおよびD水素添加処理装置が示した性能の方が通常のリンググレーディングシステムを用いた場合よりも有意に良好であった。本発明の網状要素を用いると圧力差が低くなることで入れ替えと入れ替えの間の時間が劇的に長くなる。
【0030】
【表1】
圧力降下の典型的な想定は、最初の数カ月間の運転期間中の圧力降下は低いが、その後、圧力が比較的短い期間の間に装置を休止させて詰まりを除去し、その除去した材料を交換しそして装置を再始動させる必要がある地点にまで有意に増大するが、その時点は予測不能である。そのような出来事が予測不能であるか、非常に短い先行時間で代わりの材料を取得する必要があるか或は代わりの材料の在庫を充分な量で維持する必要があるか、或は代わりの材料の配達を待つまで休止時間を長くする必要があると、それは厄介であり得る。本網状要素を本明細書に記述する方法に従って用いると、プロセス流れに入っている汚染物の濃度およびプロセス装置に充填する本網状要素の能力を基準にした圧力降下が予測可能な期間に渡って低いままである。本網状要素が飽和状態になる前に装置に入っている触媒が枯渇するに充分な量で網状要素を充填してもよい。
【実施例2】
【0031】
ナフサ水素添加処理装置における使用
4種類のナフサ水素添加処理装置を用いて行った精製でデータを得た。そのような水素添加処理装置の中の3つ(A、BおよびC)では通常のリンググレーディングシステムを用いる一方で、残りの水素添加処理装置(D)では本発明の網状要素を用いた。図18に、前記4種類の水素添加処理装置の間の比較圧力降下を示す。200日が終了した時点で、リンググレーディングシステムを入れておいた3種類の装置が起こした圧力降下、即ち水素添加処理装置Bの場合の10psiおよび水素添加処理装置Cの場合の22psiに比較して、本網状要素を入れておいた装置Dが起こした圧力降下は最小限である、即ち水素添加処理装置Dの場合は−4psiであった。ナフサ水素添加処理装置の中の汚染されているプロセス流れは主に気相状態であった。本発明の網状要素による濾過は効率的かつ効果的であったが、通常のリンググレーディングシステムは詰まりを起こした。
【0032】
再び図1を参照して、特に明記しない限り、網状材料15は汚染されているプロセス流れ20を濾過することに加えてまた触媒床32に入って来るプロセス流れ20の流れを均一に分配し得る。
【0033】
プロセス流れを層26、28の中の網状材料15のウエブ材123(図9)で限定されている多数の流路120(図9)の中に通すと、その入って来るプロセス流れ20は多数のより小さな流体流れに細分された後に複数回再細分されて流れがより小さくなることで、その入って来たプロセス流れは触媒床32の線34−34に沿って取った流体入り口断面34を横切るように均一に広がり、それによって、また、その入って来たプロセス流れの分散も起こり得る。そのプロセス流れ20は触媒床32の中で反応を起こす。この触媒床32に好適には個々別々の固形触媒粒子36を入れておく。
【0034】
触媒床プロセス装置では、粒状の汚染物が触媒床に到達する前に、本発明の方法を用いてそれを濾過しておく。それによって、触媒として利用され得る触媒表面積が通常の保持用材料が用いられているシステム、例えば実施例1および2で用いたリンググレーディングシステムなどのそれに比べて大きくなることから、触媒床の効率が高くなる。その結果として当該装置が起こす平均圧力降下がより低くなる結果として触媒活性が約10%−15%高くなることから、大きさがより小さくて触媒活性がより高い触媒要素を用いることが可能になる。
【0035】
出て行くプロセス流れ38から粒子36を濾過で取り除いて保持する目的で網状材料15を用いることも可能である。網状材料の層40、42を用いて、流出するプロセス流れの中に入った状態で飛沫同伴して来る可能性のある小さい粒状の材料36をプロセス流れ38から濾過で除去、即ち捕捉して保持することができる。反応槽22の出口44の所に位置させる層40、42の中の網状材料の大きさを好適には層40の中のある大きさから層42の中の別の大きさへと段階的にする。加うるに、プロセス装置の中に材料の沈澱物が生じる可能性があり、例えば残油の水素添加分解が過剰に起こることで生じた沈澱物が下流の装置を詰まらせるか或は汚す可能性がある。網状材料15を用いて、そのような沈澱物をその出て行くプロセス流れ38から濾過で除去することができる。反応槽22の出口44の所に位置させる層40、42の中の網状材料の大きさを好適には層40の中のある大きさから層42の中の別の大きさへと段階的にする。別法として、本発明をまた上昇流構造配置で用いることも可能であり、この場合には、代わりに、その汚染されているプロセス流れ46を下方末端部39の所の44の所で装置の中に入らせそして流出するプロセス流れ25を反応槽22の上方末端部47の所の24の所でプロセス装置から出させることになるであろう。
【0036】
この上で考察したように、本発明の別の利点は、活性化させておいたか或はある程度活性化させておいた網状材料15を汚染されているプロセス流れ20に入っている重合体前駆体と反応させる点にある。その汚染されているプロセス流れ20が一般にプロセス装置22に入る前に加熱されるとジオレフィンの縮合重合がプロセス装置32の中で起こることで、プロセス装置32自身の中に汚染物が生じて、それがプロセス装置32の目詰まりまたは詰まりを生じさせる可能性がある。そのような汚染物がプロセス装置内に生じてしまうと、その汚染されたプロセス流れ20が流体入り口断面34を横切って流れる前にそれを濾過で除去しておくのは不可能になる。従って、網状材料15の層26、28、40、42の中の1層または2層以上をアルミナの粉末(これはまた触媒材料用の担体としても働き得る)で被覆しておくことである程度活性化された網状材料を生じさせることも可能である。「活性担体」を本明細書で用いる場合、これは(1)触媒材料を染み込ませておいた網状材料、または(2)ある金属の酸化物、窒化物または炭化物であってもよい網状材料、または(3)ゼオライトまたは無機酸化物、例えばアルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、マグネシア、シリカ−マグネシアまたはチタニアなどを含有する網状材料を意味する。「ある程度活性化された担体」を本明細書で用いる場合、これは、より遅い反応速度を達成するか或は接触する材料をある程度反応させる目的で意図的に活性を低くしておいたか或はある程度失活させておいた活性担体材料を意味する。
【0037】
また、数種の通常触媒の中の1種を含んで成っていてもよい被膜で覆われている網状材料15を用いることも可能である。アルミナを活性被膜として用いてもよいが、場合によるが、好適には、そのような触媒を強化する担体としてアルミナを用いてもよい。本発明に従う触媒は、好適には、アルミナが基になった担体の中に染み込んでいるVI−B族の金属またはVIII族の一員または両方を含んで成る。従って、そのような触媒はクロム、モリブデンおよびタングステンの中の少なくとも1種を鉄、ニッケル、コバルト、白金、パラジウムおよびイリジウムの中の少なくとも1種と組み合わされた状態で含んで成っていてもよい。特に、エチレンからアセチレンおよびジオレフィンを除去しようとする時、酸素を除去しようとする時、そして水素を除去しようとする時には、パラジウムの使用が有効である。VI−B族の金属の中ではモリブデンが最も好適である。そのような触媒のVI−B族金属含有量を好適には約2から約14重量%にする。VIII族の金属の中ではニッケルおよびコバルトが最も好適である。そのような触媒中のVIII族金属の量を好適には約0.5から約10重量%にする。
【0038】
図2を参照して、サドル126(図7)の形状の網状材料15と一緒に2個の固定触媒床48、50が備わっている複数固定触媒床プロセス装置46を記述する。反応槽46を下降流形態で説明するが、この形態では、汚染されているプロセス流れ51は装置46の中に入り口52の所で入りそして流出するプロセス流れ54はこの装置から出口56、60の所で出る。ある程度反応を起こしたプロセス流れ58は1番目の固定床48の出口61の所に集積しそして集積装置のトレー60の所で取り出され得る。そのある程度反応を起こしたプロセス流れ58はある程度を反応を起こしたプロセス流れ62として混合室64の所で反応槽46の中に再び入る前にそれに加熱または急冷または他の様式の処理を受けさせておいてもよい。そのある程度反応を起こしたプロセス流れ62が反応槽46の中に再び入って次の触媒床50によって反応を起こす前に、必要に応じて、そのある程度反応を起こしたプロセス流れ58を取り出して再分配、加熱または他の処理段階を受けさせておいてもよい。追加的処理段階で用いる処理装置からいくらか飛沫同伴して来るか或はいくらか生じる汚染物、例えば埃、酸化鉄、硫化鉄、アスファルテン、コークス微細物、煤、触媒微細物、沈澱物、または連行された他の外来粒状物、蒸留塔の中の塩、気体流れの中の粒子、排ガス装置に由来する硫黄または硫化物、または重合体前駆体、例えばジオレフィンなどを除去しようとする時には、網状材料15の追加的層70を濾過および分配の目的で装備してもよい。
【0039】
プロセス流れ51およびある程度反応を起こしたプロセス流れ62を濾過するに充分な量の網状材料15の層66、68、70を反応槽46の中の入り口52および混合室64の下方に装備する。網状材料15の間隙率が好適には入って来る汚染されているプロセス流れが網状材料15の中を通って流れる時に層66の中のある間隙率から層68の中の別の間隙率そして層70の中の別の間隙率へと段階的であるように複数の層66、68、70を装備する。本発明は、場合により、通常のバスケットスクリーン72の有り無しで実施可能である。固定触媒床48、50に好適には個々別々の固体状触媒粒子74を入れておく。
【0040】
本発明の別の特徴では、有利に、多数の網状要素15をプロセス装置の長さ全体に渡って装備することを提供する。そのような多数の網状要素15を図22に示すようにプロセス装置全体に渡って触媒19と混合しておいてもよい。
【0041】
この上で考察したように、本発明の1つの利点は、これをまたプロセス流れを分配する目的でも用いることができる点にある。入って来るプロセス流れを網状材料15のウエブ材123(図9)で限定されている多数の流路120(図9)の中に通すと、その入って来るプロセス流れは多数のより小さな流体流れに細分された後に複数回再細分されて流れがより小さくなることで、その入って来たプロセス流れは触媒床76の流体入り口断面を
横切るように均一に広がり、それによって、プロセス流れ51の濾過が起こると同時にまたそれの分配も起こり得る。次に、その供給材料51は触媒床48の中で反応を起こした後、ある程度反応を起こしたプロセス流れ58として集積装置板60の所で取り出される。次に、そのある程度反応を起こしたプロセス流れ62が混合室64の中に流れ込みそして網状材料の層70の中を通る時にそれは本濾過および分配方法を繰り返し受ける。
【0042】
本発明の別の特徴は、網状材料15を用いてまたその流出するある程度反応を起こしたプロセス流れ58および反応を起こしたプロセス流れ54から触媒粒子74を捕捉して保持することも可能である点にある。1番目の固定床48の出口61の所の層78、80に入っている網状材料126および2番目の固定床50の出口56の所の層82、84に入っている網状材料126を用いて、そのある程度反応を起こしたプロセス流れ58または反応を起こしたプロセス流れ54の中に入って飛沫同伴して来る可能性のある触媒粒子74を濾過して保持する。図1を参照して考察したように、単一もしくは複数いずれかの固定床化学反応槽の中のある程度反応したか或は反応した流出するプロセス流れから触媒74を捕捉して保持しようとする場合には、網状材料15を好適には図2にそれぞれ各床48、50の層78、80および82、84に関して示したようにある間隙率から別の間隙率へと段階的にする。場合により、網状材料の間隙率もまた小さい孔から大きな孔へと段階的にしてもよい。別法として、触媒床内で生じ得る沈澱物を濾過しようとする時には網状材料の間隙率を逆に大きな孔から小さい孔へと段階的にすることも可能である。
【0043】
本発明のさらなる利点は、網状材料15にプロセス流れ51、62に入っている重合体前駆体と反応する触媒的に活性のある材料による活性化または含浸を受けさせておいてもよい点にある。図2に示すように、網状材料15の層66、68、70に活性担体を含有させておいてもよいが、それには好適にはアルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、マグネシア、シリカ−マグネシアまたはチタニアから成る群から選択される無機酸化物、または好適にはゼオライトL、ゼオライトXおよびゼオライトYから成る群から選択されるゼオライトが含まれ、これを触媒材料用担体としての網状材料に添加しておいてもよい。場合により、前記網状材料に触媒材料を染み込ませておいてもよいか、或は前記網状材料は米国特許第5,399,535号(これは本発明と整合する度合で引用することによって本明細書に組み入れられる)に開示されている如き金属の酸化物、窒化物、炭化物またはホウ化物であってもよい。
【0044】
この上に記述したようにして活性化またはある程度の活性化を受けさせておいた網状材料を用いてジオレフィンまたは他の重合体前駆体の水素添加速度を制御することで汚れまたは粘着物の生成を防止することも可能である。反応が吸熱であることで熱をある程度反応を起こしたプロセス流れ58に加える必要がある場合、好適には、また、層70の網状材料15にも活性化またはある程度活性化を受けさせておく。本発明は、また、数種の通常触媒の中の1種を含んで成っていてもよい被膜で覆っておいた網状材料を用いることでも実施可能である。アルミナを活性被膜または担体として用いてもよい。本発明に従う触媒は、好適には、前記網状材料、無機酸化物またはゼオライトの中に染み込んでいるVI−B族の金属またはVIII族の一員または両方を含んで成る。従って、そのような触媒はクロム、モリブデンおよびタングステンの中の少なくとも1種を鉄、ニッケル、コバルト、白金、パラジウムおよびイリジウムの中の少なくとも1種と組み合わされた状態で含んで成っていてもよい。VI−B族の金属の中ではモリブデンが最も好適である。そのような触媒のVI−B族金属含有量を好適には約2から約14重量%にする。VIII族の金属の中ではニッケルおよびコバルトが最も好適である。そのような触媒中のVIII族金属の量を好適には約0.5から10重量%にする。
【0045】
図3に、通常の燃焼装置型の流動床反応槽88、90を示す。流動床化学反応槽90および燃焼装置または再生装置88の中で網状材料15の層86、92を用いることで蒸気
または空気流れの入り口損失および分配異常を減少させる。燃焼装置または再生装置88に流入する空気94は網状材料の層86の中を流れることで、その流れは多数のより小さい流れる流れに細分される。その網状材料15は説明した穴125を持たない単一の円形盤124(図6)であってもよいが、しかしながら、それは楕円形または正方形のシート121(図9)または所望の如何なる幾何形態であってもよく、それには組み立て盤134(図10)が含まれる。場合により、複数の盤86、92(図3)を用いることも可能である。また、盤124(図7)またはシート121(図9)に場合により穴を含めてもよい。前記蒸気または空気の流れが細分されることでその入って来た蒸気または空気の流れの乱れが減少する可能性があり、従って、個々の燃焼装置型流動床反応槽(図3)のプロセス制約に応じて、圧縮装置の馬力の使用度を低くすることができるか或は流量を大きくすることが可能になる。本発明のさらなる利点は、そのように蒸気もしくは空気の流れを細分すると蒸気もしくは空気94が燃焼装置または再生装置88の全体に渡ってより均一に分配される可能性がある点にある。加うるに、網状材料15の別の層92を用いて、流動床反応槽90の中でいくらか用いられるフワフワした蒸気96を均一に分配することも可能である。
【0046】
別法として、通常の2段再生装置流動床反応槽104を示す図4では、網状材料15の層98、112を図3で一段燃焼装置または再生装置に関して考察した様式と同様な様式で用いることも可能である。燃焼装置または再生装置の第一段108に入り込む乱れた空気102は網状材料15の層98の中を通って流れることで、その流れは細分され、好適には多数のより小さい流れる流れに細分される。その網状材料15は好適には穴125を持たない単一の円形盤124(図6)であるが、しかしながら、それは楕円形または正方形のシート121(図9)または所望の如何なる幾何形態であってもよく、それには組み立て盤134(図10)が含まれる。場合により、複数の盤98、112(図4)を用いることも可能である。また、盤124(図7)またはシート121(図9)に場合により穴を含めてもよい。その入って来る乱れた空気106は第二段110でも同様に網状材料15の層100の中を通って流れることで、その流れは多数のより小さな流れる流れに細分される。そのように蒸気もしくは空気の流れを細分すると、その入って来る蒸気もしくは空気の流れの乱れが減少し、従って2段再生装置流動床反応槽104、116のプロセス制約に応じて、圧縮装置の馬力の使用度を低くすることができるか或は流量を大きくすることが可能になる。本発明のさらなる利点は、そのように蒸気もしくは空気の流れを細分すると蒸気もしくは空気が燃焼装置または再生装置室108、110の全体に渡ってより均一に分配される可能性がある点にある。加うるに、網状要素の別の層112を用いて、流動床反応槽116の中でいくらか用いられるフワフワした蒸気114を均一に分配することも可能である。
【0047】
図5を参照して、蒸気の形態の汚染されているプロセス流れを処理する目的で、実質的に球形の球122(図11)の形状の網状材料15を用いた放射状流固定床化学反応槽94を説明するが、この上で考察したように、他の形状を用いることも可能である。蒸気形態の汚染されているプロセス流れ92は入り口96の所で放射状流反応槽94の中に入る。網状材料15の層98、より好適には網状材料15の層98、100を槽の中の偏向用邪魔板102とスカロップ104の間に装備する。網状材料15の層98、100は、汚染されている蒸気供給材料92が固定触媒床108の中で反応を起こしそして反応を起こしたプロセス流れ112として中心パイプ110の中を通って出て行く前にそれに入っている汚染物、例えば埃、酸化鉄、硫化鉄、アスファルテン、コークス微細物、煤、触媒微細物、沈澱物、または連行された他の外来粒状物、または重合体前駆体、例えばジオレフィンなどを濾過で除去するに役立つ。また、この上で考察したように、本発明の1つの利点は、網状材料15を用いて流出流れから触媒を捕捉して保持することができる点にある[ここでは、アンロード管(unloading tubes)106として示す]。
【0048】
他の種類のプロセス装置の中の汚染物、例えば沈澱物などを濾過で除去する目的で網状要素を用いることも可能である。図15に本発明の別の態様を示す。この態様では、蒸留塔90の中の沈澱物、例えば塩などを除去する目的で網状要素95を用いる。プロセス装置の中に生じた沈澱物を濾過で除去する本方法は、好適には、各網状要素の間に隙間が存在するように詰め込んでおいた網状要素の層を準備することを包含する。前記網状要素の表面で起こる小さい方の汚染物の除去が向上する一方で大きい方の汚染物は網状要素の層を通り抜けることでそれを詰まらせることがないように、前記隙間を多様にする。この方法では、更に、そのような沈澱物が入っているプロセス流れを前記網状要素と接触させて小さい方の汚染物を前記網状要素の表面で除去しかつ大きい方の汚染物を各網状要素の間の隙間に通して進行させることで沈澱物をプロセス流れから除去することも提供する。この方法によって、沈澱物を相対的に含有していなくてさらなる処理を受けさせるに適したプロセス流れがもたらされる。
【0049】
図6に、本発明の具体的な態様を網状要素の盤124として示す。場合により、この盤に穴125を持たせてもよい。好適には、場合により網状要素で満たしてもよいスクリーンバスケットに適応するように多数の穴を用いる。他の形状にはサドル126(図7)、中空円柱128(図8)、網状材料15の単一シート121(図9)、多数の断片134
a−fで作られた盤134(図10)、実質的に球形の球122(図11)、固形円柱132(図12)、ラシッヒリング130(図13)、正方形(図14)およびモノリス(図14)が含まれ得る。各形状物の大きさを個々の仕様に合わせることができる。使用する形状物の大きさには、直径が約1/8から2インチの実質的に球形の球、内径が約1/8から1インチで外径が約1/4から1.5インチで高さが約1/4から2インチのラシッヒリング、半径が約1/4から2インチのサドル形状、内径が約1/8から1 1/4インチで外径が約1/4から2インチで高さが約1/4から3インチの中空円柱および直径が約1/8から1インチで高さが約1/4から2インチの固形円柱が含まれ得る。特注のワンピース盤124または単一シート121構造物を反応槽の物理的形態に特別に適合させてもよい。本発明のこの面のさらなる特徴は、網状材料15を穴125を有する盤124または単一シート121のいずれかに成形してもよい点にある。本発明の追加的特徴は、前記網状要素を構築する時に反応槽の物理的形態に特別に適合する組み立てシートまたは盤を生じさせる目的で多数の断片に成形してもよい点にある。本網状要素の間隙率は4から800ppiの範囲であってもよい。この間隙率を好適には約4から80ppiの範囲にしてもよい。この間隙率をより好適には約10から60ppiの範囲にしてもよい。このようにして網状材料15の大きさおよび形状を用途制約、大きさ制約、粒子充填率制約および圧力降下制約に合わせることができる。この網状要素の孔または開口部を取り巻く網状要素材がウエブ材123(図9)を構成していて、それが流路120(図9)を限定している。
【0050】
本発明は、また、有利には、プロセス装置内で垂直流れ分配を起こさせる方法も提供する。本垂直流れ分配方法は、1個以上の網状要素を当該プロセス装置の中に供給することを包含する。用いる網状要素が1個のみの場合には、典型的に、それの大きさをそれが有効に当該プロセス装置の全長に及ぶに充分な大きさにする。用いる網状要素が多数の場合には、それらを典型的には無作為に詰め込まれた床の状態に配置する。そのような網状要素の形態に関係なく、各網状要素は、この網状要素の全体を貫く多数の流路を限定している多数のウエブ材を有する。従って、プロセス流れが各網状要素のウエブ材によって限定されている多数の流路を通ることによって前記プロセス流れが前記多数の網状要素と接触するとそれらは多数のより小さい流体流れに細分される。前記プロセス流れの流れが前記網状要素の中の流路の中を通りかつ使用する網状要素が多数の時には前記網状要素の間に存在する隙間を通ることで、前記プロセス装置の中を通る前記プロセス流れの流れに対して垂直な有効な流れ分配がもたらされる。本方法は、図19に示すように、当該プロセス装置の中に入って来るプロセス流れが入り込む地点が当該プロセス装置の中の任意地点で
あるか、プロセス装置の出口であるか或はそのような場所の任意組み合わせであるいずれにも適用可能である。本方法はプロセス流れに適用可能であると同時に前記プロセス流れから汚染物を濾過で除去することを可能にする。本方法はプロセス流れに適用可能であると同時に前記プロセス流れの中に存在する所望化学種をある程度または完全に除去または変化させる触媒反応を実施することを可能にする。
【0051】
図21に、本発明の網状要素がもたらし得る垂直流れの量を示す。ドロッパー直径が約1/16”のドロッパーを用いて実験を実施した。前記網状要素は液体を前記ドロッパー直径の約7倍の直径にまで垂直に分配した。その流れは前記網状要素の下方には同じほどには分配されなかった。有意な分配が水平面に起こり、垂直面には起こらなかった。本網状要素をプロセス装置で用いると、それは、チャネリングおよび本明細書で考察した他の問題が起こらないように、流体を有意に垂直分散させる。
【0052】
本発明の追加的特徴は、図20に示すように、間隙率および孔径がいろいろな網状要素を用いる段階を包含し得る。そのような網状要素の製造は、それらが1インチ当たりに有する孔の数(「ppi」)が非常に多数であると言った間隙率を有するように実施可能である。このことは、例えば、30ppiの網状要素を本分野の技術者が検査した時にそれが孔を1インチ当たり平均で30個有することを意味する。そのような材料の孔径はちょうど1ミリメートル以下になるであろう。これに関して、孔径は、孔が完全な球ではないことを考慮して、孔の空隙の一般的な大きさである。孔径の別の重要な要素は、孔の中に向かって開放されているウインドの大きさである。これは、孔の中に捕捉または除去される最も大きな粒子の大きさを決める尺度である。本発明の網状要素の間隙率の範囲は4から800ppiである。それによって、網状要素の大きさおよび形状を用途制約(粒子充填率および圧力降下の制約を包含)に適合させることができる。本網状要素が有する孔の範囲は約6ミリメートルから約100ミクロンであり得るが、それらは各々が多数のウエブ材で限定されていて当該網状要素の中を貫く多数の流路を形成している。
【0053】
本発明の1つの利点として、本濾過方法を用いると当該プロセス装置内で起こる濾過がより効率良く起こる。本網状要素が汚染物で覆われるのは最初の1インチ(通常の保持用材料を用いた場合のように)ではないことから、フィルター床の全部が有効に利用され得る。本網状要素を貫く圧力降下は網状要素を充分な量で用いる限り低いままであり得ることから、当該プロセス装置が到達する稼働終了(end−of−run)状態は圧力降下が増大する状態以外の状態である。そのように圧力降下の度合が低いと、下流装置への流れ込みが起こらないことがなくなりかつ上流の装置の圧力が高くなることもないことから、当該装置の運転の安全性が向上する。プロセス装置が稼働終了状態になる前にプロセス装置を運転することができる時間が以前の濾過方法を用いた時よりも長くなることから、触媒交換と触媒交換の間の稼働時間が有意に長くなる。
【0054】
本発明の別の利点は、触媒床が受けるサイクル平均圧力降下がずっと低くなることから触媒床プロセス装置で用いられる触媒の大きさをずっと小さくすることができる点にある。より小さくて触媒反応性がより高い触媒を用いることが可能になると、結果として、活性が約10%から約15%上昇する。当該プロセス装置が1サイクル当たりに示す平均圧力降下がずっと低くなることから、触媒の表面積全体がその意図した目的(反応速度が速くなるように改良する)で利用されるようになり得る。
【0055】
本発明の別の利点は、図21に示すように、チャネリングおよび他の流れ異常分配兆候が軽減されるように垂直流れ再分配を助長する目的で網状要素の1層以上の層をプロセス装置内のいろいろな場所で用いる点にある。そのように網状要素の1層以上の層をプロセス装置内に存在させるとまた当該プロセス装置内で起こさせる粒状汚染物の除去も助長される。
【0056】
本分野の技術者に明確な修飾形および相当物が思い浮かぶであろうことから本発明を示しかつ記述した構成、操作、正確な材料または態様の正確な詳細に限定するものでないと理解されるべきである。例えば、液体がプロセス装置全体に広がるのを助長する目的で網状要素を特殊な液体分配装置または通常の液体分配装置に用いることができるであろう。逆に、単に粒状物を除去する目的で網状要素を用いることも可能である。従って、それに応じて、本発明が限定されるのは添付請求の範囲によってのみである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、本発明の具体的な態様を示す単一固定触媒床プロセス装置の部分断面側面図である。
【図2】図2は、本発明の別の態様を示す複数固定床化学反応槽の部分断面側面図である。
【図3】図3は、本発明の1つの態様を示す燃焼装置型再生装置流動床反応槽の部分断面側面図である。
【図4】図4は、本発明の1つの態様を示す2段再生装置流動床反応槽の部分断面側面図である。
【図5】図5は、本発明の別の態様を示す放射状流れ反応槽の部分断面側面図である。
【図6】図6は、本発明に従う網状材料で作られた穴開き盤の透視図である。
【図7】図7は、本発明に従う網状材料で作られたサドルの透視図である。
【図8】図8は、本発明に従う網状材料で作られた中空円柱の透視図である。
【図9】図9は、本発明に従う網状材料で作られたワンピースシートの一例の透視図である。
【図10】図10は、本発明に従う網状材料で作られた組み立て盤の透視図である。
【図11】図11は、本発明に従う網状材料で作られた球の透視図である。
【図12】図12は、本発明に従う網状材料で作られた固形円柱の透視図である。
【図13】図13は、本発明に従う網状材料で作られた中空円柱の透視図である。
【図14】図14は、本発明に従う網状材料で作られたモノリスの透視図である。
【図15】図15は、本発明の1つの態様を示す蒸留塔の部分断面側面図である。
【図16】図16は、各網状要素の間の隙間を本発明に従って変えられる網状要素の層の透視図である。
【図17】図17は、本発明の網状要素を装備した蒸留液水素添加処理装置における圧力降下を従来技術の保持用材料を装備した蒸留液水素添加処理装置における圧力降下と比較するグラフである。
【図18】図18は、本発明がナフサ水素添加処理装置における圧力降下に対して示す効果を説明するグラフである。
【図19】図19は、本発明の1つの態様に従って本発明の方法がもたらされるようにプロセス装置の入り口、プロセス装置内の他の2カ所およびプロセス装置の出口の所に網状要素の複数の層を装備した下降流プロセス装置の部分断面側面図である。
【図20】図20は、本発明の1つの態様に従って粒径の範囲が幅広い汚染物を濾過で除去することが可能なようにいろいろな間隙率の網状要素の層を装備したプロセス装置の部分断面図である。
【図21】図21は、本発明に従う網状要素が示す垂直流れ分配を説明する目的で食品用着色剤で着色しておいた水を落下させた網状要素片の上部および下部の透視図である。
【図22】図22は、本発明の1つの態様に従って触媒床の長さ全体に渡って無作為に詰め込んだ本発明の網状要素が備わっているプロセス装置の透視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明はプロセス流れ(process streams)から汚染物を濾過で除去する方法に関する。本発明は、別の面において、プロセス装置(process units)の中でプロセス流れの流れ分配(flow distribution)を起こさせる方法に関する。本発明は、更に別の面において、濾過または流れ分配または両方をもたらすと同時に少なくとも1つの反応に触媒作用を及ぼすことで当該プロセス流れの中に入っている特定の化学種を少なくともある程度除去しそして/または転化させることを提供する。
【背景技術】
【0002】
プロセス流れに入っている汚染物はプロセスにとって有害でありかつまたプロセス装置にとっても有害であり得る。汚染物はプロセス装置に損傷を与える可能性があり、その結果として、環境または安全上の事故が起こる可能性がある。汚染物はまたプロセス内の効率を低下させ、生産を停止させ、製品の仕様に影響を与えることなどによってプロセスに損傷を与える可能性もある。汚染物はあらゆる種類のプロセス流れ、例えば供給流れ、排出流れまたは流出流れなどに存在し得る。汚染物はいろいろな種類のプロセス装置、例えば反応槽、抽出装置、蒸留塔、スクラバー、排ガス処理装置、焼却炉、交換器、ボイラー、凝縮器などに影響を与える可能性がある。
【0003】
プロセス装置の形態は当該装置の中のプロセス流れが垂直に下方もしくは上方または両方向に流れるような形態になっている可能性がある。別法として、当該装置の中のプロセス流れは当該装置の中心から外側にか外側部分から中心部にか或は両方に向かって放射状に流れるようになっている可能性もある。
【0004】
反応槽はある種のプロセス装置である。1個以上の固定床の中に含まれている個別の固体状触媒粒子が入っている反応槽は数多く存在する。触媒床は典型的にこの触媒床に供給されるプロセス流れの中に入っている汚染物を捕捉する点で非常に有効である。しかしながら、そのような触媒床はその捕捉した汚染物によって急速に詰まりを起こす可能性がある。その床が詰まりを起こすと、当該プロセス装置に沿って起こる圧力降下が増大し、その結果として、最終的には、そのプロセス装置をあまりにも早期に停止することが起こってしまう。
【0005】
そのような問題をある程度軽減する目的で、しばしば、触媒床が備わっているプロセス装置ばかりでなく触媒床が備わっていないプロセス装置にも通常の保持用材料床(retention material beds)を追加することが行われているが、それらが詰まりに対して示す耐久性はいくらか低い。そのような通常の保持用材料床は典型的に当該プロセス装置の入り口に取り付けられる。触媒床が備わっているプロセス装置の場合、そのような通常の保持用材料床は典型的に触媒床の中で起こる反応に対して不活性である。そのような通常の保持用材料床は汚染物、例えば埃、酸化鉄、硫化鉄、アスファルテン、コークス微細物、触媒微細物、沈澱物、または当該プロセス流れの中に連行された他の外来粒状材料(当該プロセス装置の中に入り込むか或はそれから出て行く)などの全部またはいくらかを捕捉または濾過で除去する点でいくらか有効であり得る。そのような汚染物を捕捉しておくと、望ましくない材料が当該プロセス装置を詰まらせることも触媒を被毒させることも他の様式で損傷を与えることもなくなる。そのような通常の保持用材料床が不活性である場合、それらは典型的にペレット、リング、サドルまたは球の形態の通常のセラミック材料で作られており、それらは典型的に破砕、高温および/または高圧に耐える必要がある。そのような通常の保持用材料床は当該プロセス装置が詰まらないよう
にする点でいくらか有効であり得るが、そのような通常の保持用材料床はそれら自身が結局は詰まりを起こしてしまう。
【0006】
通常の保持用材料床は、また、当該プロセスの流れを当該プロセス装置に沿って前記プロセス流れの流れ方向に対して垂直な方向に流れ分配するのも助長し得る。そのような挙動を本明細書では垂直流れ分配と呼ぶことにする。一例として、上昇流もしくは下降流プロセス装置の場合、そのプロセス流れの流れは軸方向でありそして垂直流れ分配は半径方向である。
【0007】
通常の保持用材料床が示す効率を向上させる目的で、当該プロセス装置が汚染物、例えば埃、酸化鉄、硫化鉄、アスファルテン、コークス微細物、触媒微細物、沈澱物、または連行された他の外来粒状材料などで詰まって来る速度が遅くなるように大きさと形状が異なる保持用材料を段階的に位置させた層を穴開き盤またはスクリーンバスケット(screen baskets)と一緒に用いることが行われた。
【0008】
通常の保持用材料床はプロセス装置の入り口の所で汚染物と接触すると最終的に汚染物によって詰まりを起こすであろう。これが起こると、当該プロセス装置に沿った圧力降下が増大し、その結果として、最終的には装置の停止がもたらされてしまう。このことが触媒床が備わっているプロセス装置で起こると、その触媒床自身の一部が汚染物でいくらかまたは完全に詰まってしまうのが典型的である。そのように当該プロセス装置の停止が生じると、前記通常の保持用材料の詰まりを起こした部分ばかりでなく触媒床の詰まりを起こした部分もすくい取るか或は除去する必要がある。
【0009】
プロセス流れに入っている汚染物によって詰まりが生じることに加えて、また、触媒床が備わっているプロセス装置に供給されるプロセス流れに存在する重合体前駆体、例えばジオレフィンなどが重合を起こすことでもそのようなプロセス装置の汚れ、目詰まりまたは閉塞が生じる可能性がある。特に、2つの重合機構、即ちフリーラジカル重合および縮合型重合によって触媒床の汚れ、目詰まりまたは閉塞が生じる可能性がある。プロセス流れが酸素と遭遇する場合にはフリーラジカル重合を制御する目的で抗酸化剤を添加するのが有効であることが確認されている。ジオレフィンの縮合重合は典型的に有機物が基になった供給材料が加熱された後に起こる。従って、重合反応は一般に前記装置内で起こることから、そのような汚染物を除去しておく目的でプロセス流れが触媒床プロセス装置の中に入り込む前にそれを濾過しておくことは役に立たない可能性がある。
【0010】
汚染物による詰まりを全く起こさなくてプロセス流れに由来する汚染物を効率的かつ効果的に濾過で除去する保持用材料が得られたならば、これは非常に望ましいことである。効率は、そのような材料がプロセス流れから除去する汚染物のパーセントばかりでなくそのような材料が除去し得る汚染物の大きさの範囲に関係している。効果は、そのような材料が保持用材料の中を通る浄化されたプロセス流れの流れを邪魔しない度合に関係している。そのような材料が幅広い範囲の大きさの汚染物の全部をプロセス流れから最終的に除去すると同時にプロセス装置に沿って起こる受け入れられない圧力降下の増大を起こさせないならば、それは望ましいことである。また、垂直流れ分配を助長する保持用材料が得られたならば、これも非常に望ましいことである。プロセス流れを濾過しかつ流れ分配をもたらす本発明の方法は、以前に提案された従来技術の方法に比べて、汚染物を非常に効率良くかつ非常に効果的に濾過し、触媒床が備わっているプロセス装置に入っている触媒の寿命および活性を向上させ、触媒の損失を低くし、プロセス装置の構造配置の最適化を可能にし、プロセス装置の中に入るプロセス流れおよびプロセス装置の中に入っているプロセス流れの垂直流れ分配を向上させ、かつプロセス装置をオフラインにする(通常の保持用材料床が詰まりを装置に沿って起こる圧力降下が受け入れられない度合にまで上昇した時点で取られている)ことを行う必要がないと言った利点を有する。そのような利点に
よって資本および運転費用の両方の節約がもたらされ、休止時間が短くなり、プロセス装置の性能が向上しかつプロセス装置の運転時間が長くなる可能性がある。
【0011】
通常の保持用材料床の弱点は、それらがフィルターとして特に効率的でも特に効果的でもない点にある。通常の保持用材料床がある種の汚染物をプロセス流れから除去する点で効率的である時間は典型的に限られている。そのような方法で捕捉される汚染物の大きさは典型的に約50ミクロン以上である。通常の保持用材料床は、結局は詰まりを起こすことが理由で浄化されたプロセス流れが通常の保持用材料床の中を流れなくなることでプロセス装置の圧力降下が受け入れないほど増大してしまうことから、効果の点で欠点がある。その上、通常の保持用材料床が汚染物を捕捉する深さは上部の約6インチから12インチの範囲内であると思われる。通常の保持用材料を含有する床の深さをより深くしてもそのような材料が示す捕捉能力が高くなることはない。従って、本技術分野では、50ミクロン未満の粒状汚染物を除去し、プロセス装置の圧力降下の有意な増大なしに浄化されたプロセス流れの自由な流れを可能にしながら粒状汚染物を濾過で除去しかつ床の深さに関係なく濾過能力が床の深さに伴って高くなる濾過方法が探求されていた。
【0012】
プロセス装置に関する現在の垂直流れ分配デザインおよび方法に伴う欠点によって、結果として、当該プロセス装置の中で起こる分配が劣る可能性がある。粒状汚染物または望まれない重合反応の生成物によって引き起こされる如き詰まりまたは他の汚れはまた流れ分配異常の原因にも成り得る。流れ分配異常が起こると結果としてプロセス装置の一部のチャネリングおよび相当する迂回、汚染物除去効率の低下および装置効率の低下がもたらされる可能性がある。流れ分配異常問題の証拠はまた一般にいわゆる温度ホットスポット(hot−spots)が生じることでも見られる。そのようなホットスポットが生じると、例えば触媒床プロセス装置の中で起こるコークス化の増大および活性の低下などがもたらされる可能性がある。従って、本技術分野では、プロセス流れをプロセス装置内により均一に分配することを可能にし、汚染物を濾過で効率良く除去し、ホットスポットが生じる度合を低くしかつ望まれない重合反応によって引き起こされる汚れを低下させ得る垂直流れ分配方法が求められていた。
【0013】
有機供給流れを濾過しかつそれを化学反応槽の中で分配する目的で用いられる網状(reticulated)セラミック材料が特許文献1および2(これらは両方とも引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に記述されている。有機物が基になった流れに加えて他の種類のプロセス流れそして化学反応槽に加えて他の種類のプロセス装置でも濾過および流れ分配を可能にする必要性が存在する。
【0014】
あらゆるプロセス流れおよびあらゆるプロセス装置で用いるに適していて、汚染物をプロセス流れから除去し、プロセス装置内の垂直流れ分配を向上させ、圧力降下の増大以外の要因によって決まる装置稼働時間を長くし、プロセス装置に沿って起こる圧力降下を最小限にしかつ触媒床のチャネリングおよび流れ分配異常によって生じるプロセスの安全および環境上の懸念、温度ホットスポットおよびプロセス装置の停止および始動を最小限にする目的で用いられる材料の濾過効率および効果を向上させる濾過および流れ分配方法が得られたならば、これは望ましいことである。
【特許文献1】米国特許第6,258,900号
【特許文献2】米国特許第6,291,603号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に従い、網状要素を用いてプロセス流れを濾過し、プロセス流れをプロセス装置
内で分配しそしてこれらの片方または両方を所望反応に触媒作用を及ぼしながら同時に達成する本方法によって前記利点を達成した。本発明は、有利に、汚染されているプロセス流れから汚染物を除去する方法を提供する。本方法を、好適には、当該プロセス流れをプロセス装置の中に入れておいた多数の網状要素に通すことで実施する。前記網状要素の表面で起こる汚染物濾過が向上すると同時に浄化されたプロセス流れが前記多数の網状要素の中を妨げられないで通ることができるようにする目的で、前記網状要素を前記プロセス装置の中に各網状要素の間に有意な隙間が存在するように無作為に詰め込む。表面には内部表面および外側表面が含まれ得る。本発明に従って作成する網状要素は、濾過で利用可能な内部表面積の方が外側表面積よりも大きい。網状要素には発泡材料およびモノリス材料が含まれ得る。発泡材料は一般に不規則なパターンを有する一方で、モノリスが有するパターンはより均一である。そのような網状要素は商業的に入手可能な如何なる材料で作られていてもよく、例えばジルコニアで強化されたアルミナ(これは一般にZTAと呼ばれる)などで作られていてもよい。ZTAは本社がCudahy(ウィスコンシン)に在るFiber Ceramics,Inc.からセラミック発泡体として入手可能である。別の適切な種類のセラミックは、本社がCorning(ニューヨーク)に在るCorning,Inc.が製造しているモノリスである。前記プロセス流れは液体流れ、気相または両方の相の組み合わせであってもよく、汚染物には埃、酸化鉄、硫化鉄、アスファルテン、コークス微細物、煤、触媒微細物、沈澱物、または連行された他の外来粒状物、蒸留塔の中の塩、気体流れの中の粒子、または排ガス装置に由来する硫黄または硫化物が含まれ得る。そのようなプロセス流れはまた有機物が基になったプロセス流れであってもよい。前記網状要素をこれが当該プロセス流れから汚染物のいくらかまたは全部を除去するに充分な量で供給すべきである。本発明の別の特徴は、浄化されたプロセス流れにさらなる処理を受けさせる段階を包含する。
【0016】
より詳細には、本発明は、プロセス装置に入って来るプロセス流れの流れ品質を向上させる方法に関する。具体例には、触媒床プロセス装置に入って来る有機物が基になったプロセス流れの流れ品質を向上させることが含まれる。そのような触媒床プロセス装置には、好適には、個々別々の固体状要素が固定されている触媒床が用いられている。そのような触媒床プロセス装置には水素添加処理装置(hydrotreater)、水素添加精製装置(hydrorefiner)、水素添加分解装置、改質装置、アルキル置換反応槽、脱アルキル反応槽、異性化反応槽、酸化反応槽、エステル化反応槽および重合反応槽が含まれ得る。前記個々別々の固定状触媒粒子は1個以上の固定床の中に上昇流、下降流または放射状流デザインのいずれかで入っている可能性がある。
【0017】
本発明の網状要素は、触媒床プロセス装置で使用可能であることに加えて、他の種類のプロセス装置から汚染物を除去する目的でも使用可能である。そのようなプロセス装置には、焼却炉、スクラバー、排ガス処理装置および蒸留塔、そして連続様式で作動する製造装置のいずれも含まれ得る。本網状要素を蒸留塔で用いる場合、それらを蒸留塔の底に位置させることで、それを蒸留過程に由来する塩を除去するフィルターとして働かせることができる。塩を除去すると、蒸留塔に沿って起こる圧力降下が低下し、蒸留塔が示す分離効率がより良好になり、かつそのような塩を蒸留塔から除去するに典型的に要する休止時間と休止時間の間の時間が長くなる。
【0018】
本発明は、また、有利には、プロセス装置の中で垂直流れ分配を起こさせる方法も提供する。本垂直流れ分配方法は、1個以上の網状要素を当該プロセス装置の中に供給することを包含する。用いる網状要素が1個のみの場合には、典型的に、それの大きさが有効に当該プロセス装置の全長に及ぶようにする。用いる網状要素が多数の場合には、それらを典型的には無作為に詰め込まれた床の状態に配置する。そのような網状要素の形態に関係なく、各網状要素は、この網状要素の全体を貫く多数の流路を限定している多数のウエブ材(web members)を有する。従って、プロセス流れが各網状要素のウエブ材
で限定されている多数の流路を通ることによって前記プロセス流れが前記多数の網状要素と接触するとそれらは多数のより小さい流体流れに細分される。前記プロセス流れの流れが前記網状要素の中の流路の中を通りかつ使用する網状要素が多数の時には前記網状要素の間に存在する隙間を通ることで、前記プロセス装置の中を通る前記プロセス流れの流れに対して垂直な有効な流れ分配がもたらされる。本方法は当該プロセス装置の中に入って来るプロセス流れが入り込む地点が当該プロセス装置の中の任意地点であるか、プロセス装置の出口であるか或はそのような場所の任意組み合わせであるいずれにも適用可能である。本方法はプロセス流れに適用可能であると同時に前記プロセス流れから汚染物を濾過で除去することを可能にする。本方法はプロセス流れに適用可能であると同時に前記プロセス流れの中に存在する所望化学種をある程度または完全に除去または転化させる触媒反応を実施することを可能にする。
【0019】
本発明の追加的特徴は、いろいろな形状の網状要素を用いる段階を包含し得る。そのような形状には、とりわけ、実質的に球形の球、モノリス、正方形、ラシッヒリング、サドル、中空円柱、穴開き盤、盤、単一シートおよび固形円柱(solid cylinder)が含まれ得る。各形状物の大きさを個々の仕様に合わせることができる。使用する形状物の大きさには、直径が約1/8から2インチの実質的に球形の球、幅が約1/8から2インチで長さが約1/8から2インチのモノリス、幅が約1/8から2インチで長さが約1/8から2インチの正方形、内径が約1/8から1インチで外径が約1/4から1.5インチで高さが約1/4から2インチのラシッヒリング、半径が約1/4から2インチのサドル形状、内径が約1/8から1 1/4インチで外径が約1/4から2インチで高さが約1/4から3インチの中空円柱、および直径が約1/8から1インチで高さが約1/4から2インチの固形円柱が含まれ得る。特注のワンピース盤または単一シート構造物を反応槽の物理的形態に特別に適合させてもよい。本発明のこの面のさらなる特徴は、前記網状要素を盤または単一シートのいずれかの状態で成形して場合により各々に穴を開けておいてもよい点にある。本発明の追加的特徴は、前記網状要素を構築する時に反応槽の物理的形態に特別に適合する組み立てシート(assembled sheet)または盤を生じさせる目的で多数の断片に成形しておいてもよい点にある。
【0020】
本発明の追加的特徴は、間隙率および孔径がいろいろな網状要素を用いる段階を包含し得る。そのような網状要素の製造は、それらが1インチ当たりに有する孔の数(「ppi」)が非常に多数であると言った間隙率を有するように実施可能である。このことは、例えば、30ppiの網状要素を本分野の技術者が検査した時にそれが孔を1インチ当たり平均で30個有することを意味する。1インチが約25ミリメートルであるとすると、そのような材料の孔径はちょうど1ミリメートル以下になるであろう。これに関して、孔径は、孔が完全な球ではないことを考慮して、孔の空隙の一般的な大きさである。孔径の別の重要な要素は、孔の中に向かって開放されているウインドの大きさである。これは、孔の中に捕捉または除去される最も大きな粒子の大きさを決める尺度である。本発明の網状要素の間隙率の範囲は4から800ppiである。このようにして、網状要素の大きさおよび形状を用途制約(粒子充填率および圧力降下の制約を包含)に適合させることができる。本網状要素が有する孔の範囲は約6ミリメートルから約100ミクロンであり得るが、それらは各々が多数のウエブ材で限定されていて当該網状要素の中を貫く多数の流路を形成している。
【0021】
本発明の追加的特徴は、孔径がいろいろな網状要素を同じプロセス装置の中で用いることで幅広い範囲の大きさの汚染材料を除去する段階を包含し得る。本発明の材料を用いると、大きさが約1ミクロンほどの小さい汚染物を濾過で除去することができる。商業的に入手可能な保持用材料が捕捉することができる粒子の大きさは約50ミクロンまでである。
【0022】
本発明の別の特徴では、有利に、プロセス装置の長さ全体に渡って多数の網状要素を装備することを提供する。そのような多数の網状要素を1種の触媒とか、多数種の触媒とか或は他の材料、例えば構造化充填材料などと一緒に当該プロセス装置の全体に渡って混ぜ合わせてもよい。
【0023】
本発明の別の面に従い、汚染されているプロセス流れを本網状要素と接触させる段階に、前記網状要素をその汚染されているプロセス流れと接触させるに先立ってそれの上に触媒を付着させておくことを含めてもよい。本発明のこの面の別の特徴に、VI−B族の金属またはVIII族の金属または両方を伴う多孔質アルミナ被膜を包含する選択した触媒の実質的に均一な被膜を有する基材として網状要素を用いることを含めてもよい。前記VI−B族の金属は好適にはモリブデンであり、そして前記VIII族の金属は好適にはニッケルまたはコバルトのいずれかである。より好適には、前記VI−B族の金属およびVIII族の金属を前記網状要素の中に含浸させておく。本発明の方法は、当該触媒床の有効寿命を長くするに有用である。そのような触媒活性を示す網状要素は、ジオレフィンまたは他の重合体前駆体を反応させる目的で使用可能であり、かつまたそれらをフィルターおよび流れ分配装置(flow distributor)として働かせることも可能である。固体を濾過で除去しそしていずれかの重合体前駆体、例えばジオレフィンなどをある程度反応させておくと、触媒の汚れが減少することで反応槽の稼働時間が有効に長くなる。
【0024】
本発明の別の面に従い、本濾過方法に、下流に位置する装置の汚れまたは詰まりを減少させる目的でプロセス装置の中に生じた固体粒状材料または沈澱物を濾過で除去する段階を含めてもよい。本発明のこの面に、1個以上の網状要素を準備し、粒状材料または沈澱物が入っているプロセス流れを前記網状要素と接触させ、前記粒状材料または沈澱物を前記プロセス流れから除去しそして粒状材料または沈澱物を相対的に含有しないプロセス流れにさらなる処理を受けさせる段階を含めてもよい。そのような網状要素を位置させる場所は当該プロセス装置内の1個以上の場所または当該プロセス装置の出口または両方の組み合わせであってもよい。沈澱物を除去する本方法をまた蒸留塔で用いることで、相対的に沈澱物を含有しないプロセス流れにさらなる処理を受けさせることができる。触媒床プロセス装置の中のプロセス流れを濾過する本発明の方法は、従来技術の方法と比べて、必要な保持用材料の体積が小さく、投資費用が低く、固体状粒状物を供給流れから濾過で除去する度合が向上し、装置に沿った圧力降下が低く、反応槽の稼働時間が長く、活性がより高い触媒の使用が可能になり、運転費用が低く、プロセスの安全性が向上しかつ環境上の懸念が低下すると言った利点を有する。
【0025】
本発明を好適な態様に関連して記述するが、本発明をそのような態様に限定することを意図しないことは理解されるであろう。それとは対照的に、添付請求の範囲で限定する如き本発明の精神および範囲内に含まれ得る如きあらゆる代替、修飾および相当物の全部を保護することを意図する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1を参照して、プロセス流れを処理する目的で、実質的に球形の球122(図11)の形状の網状要素15を用いた単一触媒固定床プロセス装置22を記述するが、この上で考察したように、他の形状の網状要素15ばかりでなく他のプロセス装置も使用可能である。プロセス装置22が下降流形態の場合、汚染されているプロセス流れ20は入り口24の所でプロセス装置22の中に入る。本発明は固定床または流動床のいずれのプロセス装置でも使用可能である。好適には、本発明を上昇流または下降流または放射状流形態のいずれかの1個以上の固定床で用いる。そのような触媒床プロセス装置には、好適には、水素添加処理装置、水素添加精製装置、水素添加分解装置、改質装置、アルキル置換反応槽、脱アルキル反応槽、異性化反応槽、エステル化反応槽および重合反応槽が含まれる。
供給流れに典型的に存在する汚染物には、典型的には、埃、酸化鉄、硫化鉄、アスファルテン、コークス微細物、煤、触媒微細物、沈澱物、または連行された他の外来粒状物、蒸留塔の中の塩、気体流れの中の粒子、排ガス装置に由来する硫黄または硫化物、または重合体前駆体、例えばジオレフィンなどが含まれる。網状要素15の層26、好適には層26、28を当該槽の中にそれがプロセス流れ20から汚染物を所望時間(これには、これらに限定するものでないが、当該反応槽内の触媒が前記反応槽の運転を保証するに充分な活性を示す間が含まれる)に渡って濾過で除去するに充分な量で装備する。好適には、入って来るプロセス流れが網状要素15の床を通って流れる時に網状要素15、例えば球122などの大きさが層26の中の1つの大きさから層28の中の別の大きさへと段階的であるように複数の層26、28を装備してもよい。網状要素には発泡材料およびモノリス材料が含まれ得る。発泡材料は一般に不規則なパターンを有する一方でモノリスが有するパターンの方がより均一である。セラミック製網状要素を用いる場合、そのようなセラミック製網状要素は商業的に入手可能な如何なる材料で作られていてもよく、例えばジルコニアで強化されたアルミナ(これは一般にZTAと呼ばれる)などで作られていてもよい。ZTAは本社がCudahy(ウィスコンシン)に在るFiber Ceramics,Inc.から入手可能である。本発明で用いるに適した典型的なモノリスは、本社がCorning(ニューヨーク)に在るCorning,Inc.から入手可能である。そのように網状要素15の大きさを段階的にすることで濾過可能な汚染物の大きさの範囲の幅が広がる。
【0027】
本発明は、有利に、汚染されているプロセス流れから汚染物を除去する方法を提供する。本方法を、好適には、浄化されたプロセス流れが網状材料の中を妨げられることなく通り抜けることができるような様式で汚染物の濾過が向上するように網状要素を好適には各網状要素の間に隙間が存在するように無作為に詰め込むことを通して実施する。本発明は、プロセス流れからの汚染物濾過で前記網状要素の全体が利用され得るような方法を提供するものである。触媒床プロセス装置では、前記網状要素のサイズを、この網状要素が汚染粒子を濾過で除去する能力が枯渇する前に触媒床の触媒活性が枯渇するようなサイズにしてもよい。本方法では、現在の方法(通常に入手可能な保持用材料の上方の6から12インチが最終的に詰まりを起こす)とは対照的に、網状要素の床全体が利用され得る。そのような材料を用いると、約1フィートより深い所の床はプロセス流れからの粒状汚染物の除去で本質的に利用されない。その上、そのような材料を用いると、その床の上部が詰まりを起こした時点で、その装置の中で起こる圧力降下が増大し始めることから、その詰まりを起こした材料をプロセス装置から除去して交換する目的で休止させる必要が生じる。
【0028】
いろいろなプロセス装置に本発明の網状要素を用いた実験を受けさせることでデータを集めた。本発明の網状要素が示した性能は商業的に入手可能な通常の保持用材料が示した性能より劇的に良好であった。
【実施例1】
【0029】
蒸留液水素添加処理装置における使用
4種類の蒸留液水素添加処理装置を実質的に同じプロセス条件下で用いて行った製油所でデータを得た。そのような水素添加処理装置の中の2つ、即ちAおよびBには、「リンググレーディングシステム(ring grading systems)」として知られる通常の網状材料が入っていた。残りの2つの水素添加処理装置、即ちCおよびDでは、本発明の網状要素を用いた。図17に、通常のリンググレーディングシステムおよび本発明の網状要素を用いた4種類の水素添加処理装置が示した圧力降下の比較を示す。このグラフで分かるであろうように、本網状要素を入れておいたCおよびDの水素添加処理装置では450日を超える期間に渡って圧力降下は実験開始時の圧力降下に比較して低いままであったが、通常のリンググレーディングシステムが用いられているAおよびB水素添
加処理装置はほんの200日の稼働時間後に劇的な圧力増加を示した。このような圧力降下の比較の結果を表1に見ることができる。蒸留液水素添加処理装置の中の汚染されているプロセス流れは主に液相状態であった。前記C水素添加処理装置の場合の450日目の圧力差は8psiのみであった。前記D水素添加処理装置の場合の450日目の圧力差は0.5psiのみであった。前記AおよびB水素添加処理装置の場合の圧力差はそれぞれ82.5psiおよび54psiであった。比較として、本発明の網状要素を用いた前記CおよびD水素添加処理装置が示した性能の方が通常のリンググレーディングシステムを用いた場合よりも有意に良好であった。本発明の網状要素を用いると圧力差が低くなることで入れ替えと入れ替えの間の時間が劇的に長くなる。
【0030】
【表1】
圧力降下の典型的な想定は、最初の数カ月間の運転期間中の圧力降下は低いが、その後、圧力が比較的短い期間の間に装置を休止させて詰まりを除去し、その除去した材料を交換しそして装置を再始動させる必要がある地点にまで有意に増大するが、その時点は予測不能である。そのような出来事が予測不能であるか、非常に短い先行時間で代わりの材料を取得する必要があるか或は代わりの材料の在庫を充分な量で維持する必要があるか、或は代わりの材料の配達を待つまで休止時間を長くする必要があると、それは厄介であり得る。本網状要素を本明細書に記述する方法に従って用いると、プロセス流れに入っている汚染物の濃度およびプロセス装置に充填する本網状要素の能力を基準にした圧力降下が予測可能な期間に渡って低いままである。本網状要素が飽和状態になる前に装置に入っている触媒が枯渇するに充分な量で網状要素を充填してもよい。
【実施例2】
【0031】
ナフサ水素添加処理装置における使用
4種類のナフサ水素添加処理装置を用いて行った精製でデータを得た。そのような水素添加処理装置の中の3つ(A、BおよびC)では通常のリンググレーディングシステムを用いる一方で、残りの水素添加処理装置(D)では本発明の網状要素を用いた。図18に、前記4種類の水素添加処理装置の間の比較圧力降下を示す。200日が終了した時点で、リンググレーディングシステムを入れておいた3種類の装置が起こした圧力降下、即ち水素添加処理装置Bの場合の10psiおよび水素添加処理装置Cの場合の22psiに比較して、本網状要素を入れておいた装置Dが起こした圧力降下は最小限である、即ち水素添加処理装置Dの場合は−4psiであった。ナフサ水素添加処理装置の中の汚染されているプロセス流れは主に気相状態であった。本発明の網状要素による濾過は効率的かつ効果的であったが、通常のリンググレーディングシステムは詰まりを起こした。
【0032】
再び図1を参照して、特に明記しない限り、網状材料15は汚染されているプロセス流れ20を濾過することに加えてまた触媒床32に入って来るプロセス流れ20の流れを均一に分配し得る。
【0033】
プロセス流れを層26、28の中の網状材料15のウエブ材123(図9)で限定されている多数の流路120(図9)の中に通すと、その入って来るプロセス流れ20は多数のより小さな流体流れに細分された後に複数回再細分されて流れがより小さくなることで、その入って来たプロセス流れは触媒床32の線34−34に沿って取った流体入り口断面34を横切るように均一に広がり、それによって、また、その入って来たプロセス流れの分散も起こり得る。そのプロセス流れ20は触媒床32の中で反応を起こす。この触媒床32に好適には個々別々の固形触媒粒子36を入れておく。
【0034】
触媒床プロセス装置では、粒状の汚染物が触媒床に到達する前に、本発明の方法を用いてそれを濾過しておく。それによって、触媒として利用され得る触媒表面積が通常の保持用材料が用いられているシステム、例えば実施例1および2で用いたリンググレーディングシステムなどのそれに比べて大きくなることから、触媒床の効率が高くなる。その結果として当該装置が起こす平均圧力降下がより低くなる結果として触媒活性が約10%−15%高くなることから、大きさがより小さくて触媒活性がより高い触媒要素を用いることが可能になる。
【0035】
出て行くプロセス流れ38から粒子36を濾過で取り除いて保持する目的で網状材料15を用いることも可能である。網状材料の層40、42を用いて、流出するプロセス流れの中に入った状態で飛沫同伴して来る可能性のある小さい粒状の材料36をプロセス流れ38から濾過で除去、即ち捕捉して保持することができる。反応槽22の出口44の所に位置させる層40、42の中の網状材料の大きさを好適には層40の中のある大きさから層42の中の別の大きさへと段階的にする。加うるに、プロセス装置の中に材料の沈澱物が生じる可能性があり、例えば残油の水素添加分解が過剰に起こることで生じた沈澱物が下流の装置を詰まらせるか或は汚す可能性がある。網状材料15を用いて、そのような沈澱物をその出て行くプロセス流れ38から濾過で除去することができる。反応槽22の出口44の所に位置させる層40、42の中の網状材料の大きさを好適には層40の中のある大きさから層42の中の別の大きさへと段階的にする。別法として、本発明をまた上昇流構造配置で用いることも可能であり、この場合には、代わりに、その汚染されているプロセス流れ46を下方末端部39の所の44の所で装置の中に入らせそして流出するプロセス流れ25を反応槽22の上方末端部47の所の24の所でプロセス装置から出させることになるであろう。
【0036】
この上で考察したように、本発明の別の利点は、活性化させておいたか或はある程度活性化させておいた網状材料15を汚染されているプロセス流れ20に入っている重合体前駆体と反応させる点にある。その汚染されているプロセス流れ20が一般にプロセス装置22に入る前に加熱されるとジオレフィンの縮合重合がプロセス装置32の中で起こることで、プロセス装置32自身の中に汚染物が生じて、それがプロセス装置32の目詰まりまたは詰まりを生じさせる可能性がある。そのような汚染物がプロセス装置内に生じてしまうと、その汚染されたプロセス流れ20が流体入り口断面34を横切って流れる前にそれを濾過で除去しておくのは不可能になる。従って、網状材料15の層26、28、40、42の中の1層または2層以上をアルミナの粉末(これはまた触媒材料用の担体としても働き得る)で被覆しておくことである程度活性化された網状材料を生じさせることも可能である。「活性担体」を本明細書で用いる場合、これは(1)触媒材料を染み込ませておいた網状材料、または(2)ある金属の酸化物、窒化物または炭化物であってもよい網状材料、または(3)ゼオライトまたは無機酸化物、例えばアルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、マグネシア、シリカ−マグネシアまたはチタニアなどを含有する網状材料を意味する。「ある程度活性化された担体」を本明細書で用いる場合、これは、より遅い反応速度を達成するか或は接触する材料をある程度反応させる目的で意図的に活性を低くしておいたか或はある程度失活させておいた活性担体材料を意味する。
【0037】
また、数種の通常触媒の中の1種を含んで成っていてもよい被膜で覆われている網状材料15を用いることも可能である。アルミナを活性被膜として用いてもよいが、場合によるが、好適には、そのような触媒を強化する担体としてアルミナを用いてもよい。本発明に従う触媒は、好適には、アルミナが基になった担体の中に染み込んでいるVI−B族の金属またはVIII族の一員または両方を含んで成る。従って、そのような触媒はクロム、モリブデンおよびタングステンの中の少なくとも1種を鉄、ニッケル、コバルト、白金、パラジウムおよびイリジウムの中の少なくとも1種と組み合わされた状態で含んで成っていてもよい。特に、エチレンからアセチレンおよびジオレフィンを除去しようとする時、酸素を除去しようとする時、そして水素を除去しようとする時には、パラジウムの使用が有効である。VI−B族の金属の中ではモリブデンが最も好適である。そのような触媒のVI−B族金属含有量を好適には約2から約14重量%にする。VIII族の金属の中ではニッケルおよびコバルトが最も好適である。そのような触媒中のVIII族金属の量を好適には約0.5から約10重量%にする。
【0038】
図2を参照して、サドル126(図7)の形状の網状材料15と一緒に2個の固定触媒床48、50が備わっている複数固定触媒床プロセス装置46を記述する。反応槽46を下降流形態で説明するが、この形態では、汚染されているプロセス流れ51は装置46の中に入り口52の所で入りそして流出するプロセス流れ54はこの装置から出口56、60の所で出る。ある程度反応を起こしたプロセス流れ58は1番目の固定床48の出口61の所に集積しそして集積装置のトレー60の所で取り出され得る。そのある程度反応を起こしたプロセス流れ58はある程度を反応を起こしたプロセス流れ62として混合室64の所で反応槽46の中に再び入る前にそれに加熱または急冷または他の様式の処理を受けさせておいてもよい。そのある程度反応を起こしたプロセス流れ62が反応槽46の中に再び入って次の触媒床50によって反応を起こす前に、必要に応じて、そのある程度反応を起こしたプロセス流れ58を取り出して再分配、加熱または他の処理段階を受けさせておいてもよい。追加的処理段階で用いる処理装置からいくらか飛沫同伴して来るか或はいくらか生じる汚染物、例えば埃、酸化鉄、硫化鉄、アスファルテン、コークス微細物、煤、触媒微細物、沈澱物、または連行された他の外来粒状物、蒸留塔の中の塩、気体流れの中の粒子、排ガス装置に由来する硫黄または硫化物、または重合体前駆体、例えばジオレフィンなどを除去しようとする時には、網状材料15の追加的層70を濾過および分配の目的で装備してもよい。
【0039】
プロセス流れ51およびある程度反応を起こしたプロセス流れ62を濾過するに充分な量の網状材料15の層66、68、70を反応槽46の中の入り口52および混合室64の下方に装備する。網状材料15の間隙率が好適には入って来る汚染されているプロセス流れが網状材料15の中を通って流れる時に層66の中のある間隙率から層68の中の別の間隙率そして層70の中の別の間隙率へと段階的であるように複数の層66、68、70を装備する。本発明は、場合により、通常のバスケットスクリーン72の有り無しで実施可能である。固定触媒床48、50に好適には個々別々の固体状触媒粒子74を入れておく。
【0040】
本発明の別の特徴では、有利に、多数の網状要素15をプロセス装置の長さ全体に渡って装備することを提供する。そのような多数の網状要素15を図22に示すようにプロセス装置全体に渡って触媒19と混合しておいてもよい。
【0041】
この上で考察したように、本発明の1つの利点は、これをまたプロセス流れを分配する目的でも用いることができる点にある。入って来るプロセス流れを網状材料15のウエブ材123(図9)で限定されている多数の流路120(図9)の中に通すと、その入って来るプロセス流れは多数のより小さな流体流れに細分された後に複数回再細分されて流れがより小さくなることで、その入って来たプロセス流れは触媒床76の流体入り口断面を
横切るように均一に広がり、それによって、プロセス流れ51の濾過が起こると同時にまたそれの分配も起こり得る。次に、その供給材料51は触媒床48の中で反応を起こした後、ある程度反応を起こしたプロセス流れ58として集積装置板60の所で取り出される。次に、そのある程度反応を起こしたプロセス流れ62が混合室64の中に流れ込みそして網状材料の層70の中を通る時にそれは本濾過および分配方法を繰り返し受ける。
【0042】
本発明の別の特徴は、網状材料15を用いてまたその流出するある程度反応を起こしたプロセス流れ58および反応を起こしたプロセス流れ54から触媒粒子74を捕捉して保持することも可能である点にある。1番目の固定床48の出口61の所の層78、80に入っている網状材料126および2番目の固定床50の出口56の所の層82、84に入っている網状材料126を用いて、そのある程度反応を起こしたプロセス流れ58または反応を起こしたプロセス流れ54の中に入って飛沫同伴して来る可能性のある触媒粒子74を濾過して保持する。図1を参照して考察したように、単一もしくは複数いずれかの固定床化学反応槽の中のある程度反応したか或は反応した流出するプロセス流れから触媒74を捕捉して保持しようとする場合には、網状材料15を好適には図2にそれぞれ各床48、50の層78、80および82、84に関して示したようにある間隙率から別の間隙率へと段階的にする。場合により、網状材料の間隙率もまた小さい孔から大きな孔へと段階的にしてもよい。別法として、触媒床内で生じ得る沈澱物を濾過しようとする時には網状材料の間隙率を逆に大きな孔から小さい孔へと段階的にすることも可能である。
【0043】
本発明のさらなる利点は、網状材料15にプロセス流れ51、62に入っている重合体前駆体と反応する触媒的に活性のある材料による活性化または含浸を受けさせておいてもよい点にある。図2に示すように、網状材料15の層66、68、70に活性担体を含有させておいてもよいが、それには好適にはアルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、マグネシア、シリカ−マグネシアまたはチタニアから成る群から選択される無機酸化物、または好適にはゼオライトL、ゼオライトXおよびゼオライトYから成る群から選択されるゼオライトが含まれ、これを触媒材料用担体としての網状材料に添加しておいてもよい。場合により、前記網状材料に触媒材料を染み込ませておいてもよいか、或は前記網状材料は米国特許第5,399,535号(これは本発明と整合する度合で引用することによって本明細書に組み入れられる)に開示されている如き金属の酸化物、窒化物、炭化物またはホウ化物であってもよい。
【0044】
この上に記述したようにして活性化またはある程度の活性化を受けさせておいた網状材料を用いてジオレフィンまたは他の重合体前駆体の水素添加速度を制御することで汚れまたは粘着物の生成を防止することも可能である。反応が吸熱であることで熱をある程度反応を起こしたプロセス流れ58に加える必要がある場合、好適には、また、層70の網状材料15にも活性化またはある程度活性化を受けさせておく。本発明は、また、数種の通常触媒の中の1種を含んで成っていてもよい被膜で覆っておいた網状材料を用いることでも実施可能である。アルミナを活性被膜または担体として用いてもよい。本発明に従う触媒は、好適には、前記網状材料、無機酸化物またはゼオライトの中に染み込んでいるVI−B族の金属またはVIII族の一員または両方を含んで成る。従って、そのような触媒はクロム、モリブデンおよびタングステンの中の少なくとも1種を鉄、ニッケル、コバルト、白金、パラジウムおよびイリジウムの中の少なくとも1種と組み合わされた状態で含んで成っていてもよい。VI−B族の金属の中ではモリブデンが最も好適である。そのような触媒のVI−B族金属含有量を好適には約2から約14重量%にする。VIII族の金属の中ではニッケルおよびコバルトが最も好適である。そのような触媒中のVIII族金属の量を好適には約0.5から10重量%にする。
【0045】
図3に、通常の燃焼装置型の流動床反応槽88、90を示す。流動床化学反応槽90および燃焼装置または再生装置88の中で網状材料15の層86、92を用いることで蒸気
または空気流れの入り口損失および分配異常を減少させる。燃焼装置または再生装置88に流入する空気94は網状材料の層86の中を流れることで、その流れは多数のより小さい流れる流れに細分される。その網状材料15は説明した穴125を持たない単一の円形盤124(図6)であってもよいが、しかしながら、それは楕円形または正方形のシート121(図9)または所望の如何なる幾何形態であってもよく、それには組み立て盤134(図10)が含まれる。場合により、複数の盤86、92(図3)を用いることも可能である。また、盤124(図7)またはシート121(図9)に場合により穴を含めてもよい。前記蒸気または空気の流れが細分されることでその入って来た蒸気または空気の流れの乱れが減少する可能性があり、従って、個々の燃焼装置型流動床反応槽(図3)のプロセス制約に応じて、圧縮装置の馬力の使用度を低くすることができるか或は流量を大きくすることが可能になる。本発明のさらなる利点は、そのように蒸気もしくは空気の流れを細分すると蒸気もしくは空気94が燃焼装置または再生装置88の全体に渡ってより均一に分配される可能性がある点にある。加うるに、網状材料15の別の層92を用いて、流動床反応槽90の中でいくらか用いられるフワフワした蒸気96を均一に分配することも可能である。
【0046】
別法として、通常の2段再生装置流動床反応槽104を示す図4では、網状材料15の層98、112を図3で一段燃焼装置または再生装置に関して考察した様式と同様な様式で用いることも可能である。燃焼装置または再生装置の第一段108に入り込む乱れた空気102は網状材料15の層98の中を通って流れることで、その流れは細分され、好適には多数のより小さい流れる流れに細分される。その網状材料15は好適には穴125を持たない単一の円形盤124(図6)であるが、しかしながら、それは楕円形または正方形のシート121(図9)または所望の如何なる幾何形態であってもよく、それには組み立て盤134(図10)が含まれる。場合により、複数の盤98、112(図4)を用いることも可能である。また、盤124(図7)またはシート121(図9)に場合により穴を含めてもよい。その入って来る乱れた空気106は第二段110でも同様に網状材料15の層100の中を通って流れることで、その流れは多数のより小さな流れる流れに細分される。そのように蒸気もしくは空気の流れを細分すると、その入って来る蒸気もしくは空気の流れの乱れが減少し、従って2段再生装置流動床反応槽104、116のプロセス制約に応じて、圧縮装置の馬力の使用度を低くすることができるか或は流量を大きくすることが可能になる。本発明のさらなる利点は、そのように蒸気もしくは空気の流れを細分すると蒸気もしくは空気が燃焼装置または再生装置室108、110の全体に渡ってより均一に分配される可能性がある点にある。加うるに、網状要素の別の層112を用いて、流動床反応槽116の中でいくらか用いられるフワフワした蒸気114を均一に分配することも可能である。
【0047】
図5を参照して、蒸気の形態の汚染されているプロセス流れを処理する目的で、実質的に球形の球122(図11)の形状の網状材料15を用いた放射状流固定床化学反応槽94を説明するが、この上で考察したように、他の形状を用いることも可能である。蒸気形態の汚染されているプロセス流れ92は入り口96の所で放射状流反応槽94の中に入る。網状材料15の層98、より好適には網状材料15の層98、100を槽の中の偏向用邪魔板102とスカロップ104の間に装備する。網状材料15の層98、100は、汚染されている蒸気供給材料92が固定触媒床108の中で反応を起こしそして反応を起こしたプロセス流れ112として中心パイプ110の中を通って出て行く前にそれに入っている汚染物、例えば埃、酸化鉄、硫化鉄、アスファルテン、コークス微細物、煤、触媒微細物、沈澱物、または連行された他の外来粒状物、または重合体前駆体、例えばジオレフィンなどを濾過で除去するに役立つ。また、この上で考察したように、本発明の1つの利点は、網状材料15を用いて流出流れから触媒を捕捉して保持することができる点にある[ここでは、アンロード管(unloading tubes)106として示す]。
【0048】
他の種類のプロセス装置の中の汚染物、例えば沈澱物などを濾過で除去する目的で網状要素を用いることも可能である。図15に本発明の別の態様を示す。この態様では、蒸留塔90の中の沈澱物、例えば塩などを除去する目的で網状要素95を用いる。プロセス装置の中に生じた沈澱物を濾過で除去する本方法は、好適には、各網状要素の間に隙間が存在するように詰め込んでおいた網状要素の層を準備することを包含する。前記網状要素の表面で起こる小さい方の汚染物の除去が向上する一方で大きい方の汚染物は網状要素の層を通り抜けることでそれを詰まらせることがないように、前記隙間を多様にする。この方法では、更に、そのような沈澱物が入っているプロセス流れを前記網状要素と接触させて小さい方の汚染物を前記網状要素の表面で除去しかつ大きい方の汚染物を各網状要素の間の隙間に通して進行させることで沈澱物をプロセス流れから除去することも提供する。この方法によって、沈澱物を相対的に含有していなくてさらなる処理を受けさせるに適したプロセス流れがもたらされる。
【0049】
図6に、本発明の具体的な態様を網状要素の盤124として示す。場合により、この盤に穴125を持たせてもよい。好適には、場合により網状要素で満たしてもよいスクリーンバスケットに適応するように多数の穴を用いる。他の形状にはサドル126(図7)、中空円柱128(図8)、網状材料15の単一シート121(図9)、多数の断片134
a−fで作られた盤134(図10)、実質的に球形の球122(図11)、固形円柱132(図12)、ラシッヒリング130(図13)、正方形(図14)およびモノリス(図14)が含まれ得る。各形状物の大きさを個々の仕様に合わせることができる。使用する形状物の大きさには、直径が約1/8から2インチの実質的に球形の球、内径が約1/8から1インチで外径が約1/4から1.5インチで高さが約1/4から2インチのラシッヒリング、半径が約1/4から2インチのサドル形状、内径が約1/8から1 1/4インチで外径が約1/4から2インチで高さが約1/4から3インチの中空円柱および直径が約1/8から1インチで高さが約1/4から2インチの固形円柱が含まれ得る。特注のワンピース盤124または単一シート121構造物を反応槽の物理的形態に特別に適合させてもよい。本発明のこの面のさらなる特徴は、網状材料15を穴125を有する盤124または単一シート121のいずれかに成形してもよい点にある。本発明の追加的特徴は、前記網状要素を構築する時に反応槽の物理的形態に特別に適合する組み立てシートまたは盤を生じさせる目的で多数の断片に成形してもよい点にある。本網状要素の間隙率は4から800ppiの範囲であってもよい。この間隙率を好適には約4から80ppiの範囲にしてもよい。この間隙率をより好適には約10から60ppiの範囲にしてもよい。このようにして網状材料15の大きさおよび形状を用途制約、大きさ制約、粒子充填率制約および圧力降下制約に合わせることができる。この網状要素の孔または開口部を取り巻く網状要素材がウエブ材123(図9)を構成していて、それが流路120(図9)を限定している。
【0050】
本発明は、また、有利には、プロセス装置内で垂直流れ分配を起こさせる方法も提供する。本垂直流れ分配方法は、1個以上の網状要素を当該プロセス装置の中に供給することを包含する。用いる網状要素が1個のみの場合には、典型的に、それの大きさをそれが有効に当該プロセス装置の全長に及ぶに充分な大きさにする。用いる網状要素が多数の場合には、それらを典型的には無作為に詰め込まれた床の状態に配置する。そのような網状要素の形態に関係なく、各網状要素は、この網状要素の全体を貫く多数の流路を限定している多数のウエブ材を有する。従って、プロセス流れが各網状要素のウエブ材によって限定されている多数の流路を通ることによって前記プロセス流れが前記多数の網状要素と接触するとそれらは多数のより小さい流体流れに細分される。前記プロセス流れの流れが前記網状要素の中の流路の中を通りかつ使用する網状要素が多数の時には前記網状要素の間に存在する隙間を通ることで、前記プロセス装置の中を通る前記プロセス流れの流れに対して垂直な有効な流れ分配がもたらされる。本方法は、図19に示すように、当該プロセス装置の中に入って来るプロセス流れが入り込む地点が当該プロセス装置の中の任意地点で
あるか、プロセス装置の出口であるか或はそのような場所の任意組み合わせであるいずれにも適用可能である。本方法はプロセス流れに適用可能であると同時に前記プロセス流れから汚染物を濾過で除去することを可能にする。本方法はプロセス流れに適用可能であると同時に前記プロセス流れの中に存在する所望化学種をある程度または完全に除去または変化させる触媒反応を実施することを可能にする。
【0051】
図21に、本発明の網状要素がもたらし得る垂直流れの量を示す。ドロッパー直径が約1/16”のドロッパーを用いて実験を実施した。前記網状要素は液体を前記ドロッパー直径の約7倍の直径にまで垂直に分配した。その流れは前記網状要素の下方には同じほどには分配されなかった。有意な分配が水平面に起こり、垂直面には起こらなかった。本網状要素をプロセス装置で用いると、それは、チャネリングおよび本明細書で考察した他の問題が起こらないように、流体を有意に垂直分散させる。
【0052】
本発明の追加的特徴は、図20に示すように、間隙率および孔径がいろいろな網状要素を用いる段階を包含し得る。そのような網状要素の製造は、それらが1インチ当たりに有する孔の数(「ppi」)が非常に多数であると言った間隙率を有するように実施可能である。このことは、例えば、30ppiの網状要素を本分野の技術者が検査した時にそれが孔を1インチ当たり平均で30個有することを意味する。そのような材料の孔径はちょうど1ミリメートル以下になるであろう。これに関して、孔径は、孔が完全な球ではないことを考慮して、孔の空隙の一般的な大きさである。孔径の別の重要な要素は、孔の中に向かって開放されているウインドの大きさである。これは、孔の中に捕捉または除去される最も大きな粒子の大きさを決める尺度である。本発明の網状要素の間隙率の範囲は4から800ppiである。それによって、網状要素の大きさおよび形状を用途制約(粒子充填率および圧力降下の制約を包含)に適合させることができる。本網状要素が有する孔の範囲は約6ミリメートルから約100ミクロンであり得るが、それらは各々が多数のウエブ材で限定されていて当該網状要素の中を貫く多数の流路を形成している。
【0053】
本発明の1つの利点として、本濾過方法を用いると当該プロセス装置内で起こる濾過がより効率良く起こる。本網状要素が汚染物で覆われるのは最初の1インチ(通常の保持用材料を用いた場合のように)ではないことから、フィルター床の全部が有効に利用され得る。本網状要素を貫く圧力降下は網状要素を充分な量で用いる限り低いままであり得ることから、当該プロセス装置が到達する稼働終了(end−of−run)状態は圧力降下が増大する状態以外の状態である。そのように圧力降下の度合が低いと、下流装置への流れ込みが起こらないことがなくなりかつ上流の装置の圧力が高くなることもないことから、当該装置の運転の安全性が向上する。プロセス装置が稼働終了状態になる前にプロセス装置を運転することができる時間が以前の濾過方法を用いた時よりも長くなることから、触媒交換と触媒交換の間の稼働時間が有意に長くなる。
【0054】
本発明の別の利点は、触媒床が受けるサイクル平均圧力降下がずっと低くなることから触媒床プロセス装置で用いられる触媒の大きさをずっと小さくすることができる点にある。より小さくて触媒反応性がより高い触媒を用いることが可能になると、結果として、活性が約10%から約15%上昇する。当該プロセス装置が1サイクル当たりに示す平均圧力降下がずっと低くなることから、触媒の表面積全体がその意図した目的(反応速度が速くなるように改良する)で利用されるようになり得る。
【0055】
本発明の別の利点は、図21に示すように、チャネリングおよび他の流れ異常分配兆候が軽減されるように垂直流れ再分配を助長する目的で網状要素の1層以上の層をプロセス装置内のいろいろな場所で用いる点にある。そのように網状要素の1層以上の層をプロセス装置内に存在させるとまた当該プロセス装置内で起こさせる粒状汚染物の除去も助長される。
【0056】
本分野の技術者に明確な修飾形および相当物が思い浮かぶであろうことから本発明を示しかつ記述した構成、操作、正確な材料または態様の正確な詳細に限定するものでないと理解されるべきである。例えば、液体がプロセス装置全体に広がるのを助長する目的で網状要素を特殊な液体分配装置または通常の液体分配装置に用いることができるであろう。逆に、単に粒状物を除去する目的で網状要素を用いることも可能である。従って、それに応じて、本発明が限定されるのは添付請求の範囲によってのみである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、本発明の具体的な態様を示す単一固定触媒床プロセス装置の部分断面側面図である。
【図2】図2は、本発明の別の態様を示す複数固定床化学反応槽の部分断面側面図である。
【図3】図3は、本発明の1つの態様を示す燃焼装置型再生装置流動床反応槽の部分断面側面図である。
【図4】図4は、本発明の1つの態様を示す2段再生装置流動床反応槽の部分断面側面図である。
【図5】図5は、本発明の別の態様を示す放射状流れ反応槽の部分断面側面図である。
【図6】図6は、本発明に従う網状材料で作られた穴開き盤の透視図である。
【図7】図7は、本発明に従う網状材料で作られたサドルの透視図である。
【図8】図8は、本発明に従う網状材料で作られた中空円柱の透視図である。
【図9】図9は、本発明に従う網状材料で作られたワンピースシートの一例の透視図である。
【図10】図10は、本発明に従う網状材料で作られた組み立て盤の透視図である。
【図11】図11は、本発明に従う網状材料で作られた球の透視図である。
【図12】図12は、本発明に従う網状材料で作られた固形円柱の透視図である。
【図13】図13は、本発明に従う網状材料で作られた中空円柱の透視図である。
【図14】図14は、本発明に従う網状材料で作られたモノリスの透視図である。
【図15】図15は、本発明の1つの態様を示す蒸留塔の部分断面側面図である。
【図16】図16は、各網状要素の間の隙間を本発明に従って変えられる網状要素の層の透視図である。
【図17】図17は、本発明の網状要素を装備した蒸留液水素添加処理装置における圧力降下を従来技術の保持用材料を装備した蒸留液水素添加処理装置における圧力降下と比較するグラフである。
【図18】図18は、本発明がナフサ水素添加処理装置における圧力降下に対して示す効果を説明するグラフである。
【図19】図19は、本発明の1つの態様に従って本発明の方法がもたらされるようにプロセス装置の入り口、プロセス装置内の他の2カ所およびプロセス装置の出口の所に網状要素の複数の層を装備した下降流プロセス装置の部分断面側面図である。
【図20】図20は、本発明の1つの態様に従って粒径の範囲が幅広い汚染物を濾過で除去することが可能なようにいろいろな間隙率の網状要素の層を装備したプロセス装置の部分断面図である。
【図21】図21は、本発明に従う網状要素が示す垂直流れ分配を説明する目的で食品用着色剤で着色しておいた水を落下させた網状要素片の上部および下部の透視図である。
【図22】図22は、本発明の1つの態様に従って触媒床の長さ全体に渡って無作為に詰め込んだ本発明の網状要素が備わっているプロセス装置の透視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染されているプロセス流れから汚染物を除去する方法であって、
(a)多数の網状要素をプロセス装置の中に供給し、
(b)前記多数の網状要素の表面で起こる汚染物濾過作用が向上して実質的に浄化されたプロセス流れがもたらされるようにする目的で前記多数の網状要素を前記プロセス装置の中に相当数の前記網状要素の間に隙間が存在するように無作為に詰め込み、そして
(c)前記実質的に浄化されたプロセス流れが前記多数の網状要素の中を妨げられないで通ることを可能にしながら前記汚染されているプロセス流れから汚染物が取り除かれるように前記汚染されているプロセス流れを前記多数の網状要素と接触させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項2】
前記多数の網状要素がいろいろな大きさの汚染物を濾過で除去し得るように前記多数の網状要素にいろいろな孔径を持たせる請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記汚染されているプロセス流れが有機物が基になった汚染されているプロセス流れである請求項1記載の方法。
【請求項4】
更に、前記汚染されているプロセス流れと接触させる前に前記多数の網状要素の上に触媒を付着させておくことも包含する請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記網状要素がセラミック材料、金属材料および化学蒸着材料から成る群から選択した材料を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項6】
相当数の前記多数の網状要素が多数のウエブ材で限定されている多数の孔を有することで前記多数の網状要素の中を貫く多数の流路が形成されておりそして前記孔の平均孔径が約6ミリメートルから約100ミクロンである請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記多数の網状要素が示す間隙率が長さ1インチ当たり約4から800個の孔である請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記網状要素が網状発泡材料から生じさせた網状要素である請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記網状要素に実質的に球形の球、ラシッヒリング、サドル形状の片、モノリス、正方形、単一シート、中空円柱、固形円柱および単一盤から成る群から選択した形状を持たせる請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記網状要素が穴を有するように生じさせた網状要素である請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記プロセス装置が内部断面形態を有しそして前記多数の網状要素を構築する時にそれを前記プロセス装置の内部断面形態に特別に適合する組み立てシートに成形しておく請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記プロセス装置が内部断面形態を有しそして前記多数の網状要素を構築する時にそれを前記プロセス装置の内部断面形態に特別に適合する組み立て盤を形成する多数の断片に成形しておく請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記プロセス装置を蒸留塔、排ガス処理装置、焼却炉およびスクラバーから成る群から選択する請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記網状要素がVI−B族の1種の金属を伴う多孔質アルミナ被膜を包含する選択した触媒の実質的に均一な被膜を有する網状要素の基材を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記VI−B族の金属がモリブデンである請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記網状要素がVIII族の1種の金属を伴う多孔質アルミナ被膜を包含する選択した触媒の実質的に均一な被膜を有する網状要素の基材を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項17】
VIII族の金属がニッケルまたはコバルトである請求項16記載の方法。
【請求項18】
VI−B族の金属を前記網状要素の中に含浸させておく請求項1記載の方法。
【請求項19】
VIII族の金属を前記網状要素の中に含浸させておく請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記網状要素がアルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、マグネシア、シリカ−マグネシアおよびチタニアから成る群から選択した多孔質無機酸化物を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記網状要素がチタン、錫、鉛、ジルコニウム、ルテニウム、タングステン、イットリウム、ニッケル、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ケイ素またはホウ素から成る群から選択した金属の酸化物を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記網状要素がチタン、ジルコニウム、タングステン、ケイ素またはホウ素から成る群から選択した金属の窒化物を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項23】
前記網状要素がチタン、ジルコニウム、タングステン、ケイ素またはホウ素から成る群から選択した金属の炭化物を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項24】
前記網状要素がチタン、ジルコニウムまたはタングステンから成る群から選択した金属のホウ化物を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項25】
前記網状要素がゼオライトL、ゼオライトXおよびゼオライトYから成る群から選択したゼオライトを含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項26】
プロセス装置の中で垂直流れ分配を起こさせる方法であって、
(a)垂直流れ分配を助長する流路を限定している多数のウエブ材を有するプロセス装置の中に多数の網状要素を供給し、そして
(b)プロセス流れを前記網状要素の領域に接触させ、そして
(c)前記プロセス流れを前記多数の網状要素のウエブ材が限定している前記多数の流路の中に通すことで前記プロセス流れを垂直方向に有意に分散させることによって前記プロセス流れを多数のより小さい流体流れに細分する、
段階を含んで成る方法。
【請求項27】
更に、下記の段階:
(a)前記多数の網状要素の表面で起こる汚染物濾過作用を向上させる目的で前記多数の網状要素を前記プロセス装置の中に各網状要素の間に隙間が存在するように無作為に位置させることで前記汚染されているプロセス流れから汚染物を除去し、そして
(b)浄化されかつ均一に広がったプロセス流れにさらなる処理を下流のプロセス装置の中で受けさせる、
段階も含んで成る方法。
【請求項28】
前記多数の網状要素を供給する段階に前記多数の網状要素をプロセス装置の入り口、プロセス装置の内部、プロセス装置の出口およびこれらの組み合わせから成る群から選択した場所に供給することを含める請求項26記載の方法。
【請求項29】
前記プロセス装置が内部断面形態を有しそして前記多数の網状要素を構築する時にそれを前記プロセス装置の内部断面形態に特別に適合する組み立てシートに成形しておく請求項26記載の方法。
【請求項30】
プロセス装置の中に生じた沈澱物を濾過で除去する方法であって、
(a)多数の網状要素を前記プロセス装置の中に供給し、
(b)相当数の前記網状要素の表面で起こる汚染物除去作用が向上して実質的に沈澱物を含有しないプロセス流れがもたらされるようにする目的で前記多数の網状要素を前記プロセス装置の中に相当数の前記網状要素の間に隙間が存在するように無作為に詰め込み、
(c)前記沈澱物を含有するプロセス流れを相当数の前記網状要素と接触させ、
(d)前記沈澱物が前記プロセス流れから除去され、そして
(e)実質的に沈澱物を含有しないプロセス流れにさらなる処理を受けさせる、
段階を含んで成る方法。
【請求項31】
反応槽を含んで成る反応槽組み立て品であって、前記反応槽が
(a)相当数の網状要素の表面で起こる汚染物濾過作用が向上して実質的に浄化されたプロセス流れがもたらされるようにする目的で相当数の網状要素の間に隙間が存在するように前記反応槽の中に無作為に詰め込んでおいた多数の網状要素、および
(b)前記多数の網状要素の下流に位置していて触媒を触媒活性が約15%から約20%の範囲で向上するに有効な規模で含有する触媒床、
を含有する反応槽組み立て品。
【請求項32】
前記多数の網状要素がプロセス装置の長さ全体に渡って無作為に詰め込まれている請求項31記載の反応槽組み立て品。
【請求項33】
前記多数の網状要素がプロセス装置の長さ全体に渡って触媒と混ざり合っている請求項32記載の反応槽組み立て品。
【請求項34】
汚染されているプロセス流れから汚染物を除去する方法であって、
(a)多数のセラミック製モノリスを化学反応槽の中に供給し、
(b)相当数の前記セラミック製モノリスの表面で起こる汚染物濾過作用が向上して実質的に浄化されたプロセス流れがもたらされるようにする目的で前記多数のセラミック製モノリスを前記化学反応槽の中に相当数の前記セラミック製モノリスの間に隙間が存在するように無作為に詰め込み、そして
(c)前記実質的に浄化されたプロセス流れが前記多数のセラミック製モノリスの中を妨げられないで通ることを可能にしながら前記汚染されているプロセス流れから汚染物が取り除かれるように前記汚染されているプロセス流れを相当数の前記セラミック製モノリスと接触させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項1】
汚染されているプロセス流れから汚染物を除去する方法であって、
(a)多数の網状要素をプロセス装置の中に供給し、
(b)前記多数の網状要素の表面で起こる汚染物濾過作用が向上して実質的に浄化されたプロセス流れがもたらされるようにする目的で前記多数の網状要素を前記プロセス装置の中に相当数の前記網状要素の間に隙間が存在するように無作為に詰め込み、そして
(c)前記実質的に浄化されたプロセス流れが前記多数の網状要素の中を妨げられないで通ることを可能にしながら前記汚染されているプロセス流れから汚染物が取り除かれるように前記汚染されているプロセス流れを前記多数の網状要素と接触させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項2】
前記多数の網状要素がいろいろな大きさの汚染物を濾過で除去し得るように前記多数の網状要素にいろいろな孔径を持たせる請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記汚染されているプロセス流れが有機物が基になった汚染されているプロセス流れである請求項1記載の方法。
【請求項4】
更に、前記汚染されているプロセス流れと接触させる前に前記多数の網状要素の上に触媒を付着させておくことも包含する請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記網状要素がセラミック材料、金属材料および化学蒸着材料から成る群から選択した材料を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項6】
相当数の前記多数の網状要素が多数のウエブ材で限定されている多数の孔を有することで前記多数の網状要素の中を貫く多数の流路が形成されておりそして前記孔の平均孔径が約6ミリメートルから約100ミクロンである請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記多数の網状要素が示す間隙率が長さ1インチ当たり約4から800個の孔である請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記網状要素が網状発泡材料から生じさせた網状要素である請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記網状要素に実質的に球形の球、ラシッヒリング、サドル形状の片、モノリス、正方形、単一シート、中空円柱、固形円柱および単一盤から成る群から選択した形状を持たせる請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記網状要素が穴を有するように生じさせた網状要素である請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記プロセス装置が内部断面形態を有しそして前記多数の網状要素を構築する時にそれを前記プロセス装置の内部断面形態に特別に適合する組み立てシートに成形しておく請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記プロセス装置が内部断面形態を有しそして前記多数の網状要素を構築する時にそれを前記プロセス装置の内部断面形態に特別に適合する組み立て盤を形成する多数の断片に成形しておく請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記プロセス装置を蒸留塔、排ガス処理装置、焼却炉およびスクラバーから成る群から選択する請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記網状要素がVI−B族の1種の金属を伴う多孔質アルミナ被膜を包含する選択した触媒の実質的に均一な被膜を有する網状要素の基材を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記VI−B族の金属がモリブデンである請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記網状要素がVIII族の1種の金属を伴う多孔質アルミナ被膜を包含する選択した触媒の実質的に均一な被膜を有する網状要素の基材を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項17】
VIII族の金属がニッケルまたはコバルトである請求項16記載の方法。
【請求項18】
VI−B族の金属を前記網状要素の中に含浸させておく請求項1記載の方法。
【請求項19】
VIII族の金属を前記網状要素の中に含浸させておく請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記網状要素がアルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、マグネシア、シリカ−マグネシアおよびチタニアから成る群から選択した多孔質無機酸化物を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記網状要素がチタン、錫、鉛、ジルコニウム、ルテニウム、タングステン、イットリウム、ニッケル、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ケイ素またはホウ素から成る群から選択した金属の酸化物を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記網状要素がチタン、ジルコニウム、タングステン、ケイ素またはホウ素から成る群から選択した金属の窒化物を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項23】
前記網状要素がチタン、ジルコニウム、タングステン、ケイ素またはホウ素から成る群から選択した金属の炭化物を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項24】
前記網状要素がチタン、ジルコニウムまたはタングステンから成る群から選択した金属のホウ化物を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項25】
前記網状要素がゼオライトL、ゼオライトXおよびゼオライトYから成る群から選択したゼオライトを含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項26】
プロセス装置の中で垂直流れ分配を起こさせる方法であって、
(a)垂直流れ分配を助長する流路を限定している多数のウエブ材を有するプロセス装置の中に多数の網状要素を供給し、そして
(b)プロセス流れを前記網状要素の領域に接触させ、そして
(c)前記プロセス流れを前記多数の網状要素のウエブ材が限定している前記多数の流路の中に通すことで前記プロセス流れを垂直方向に有意に分散させることによって前記プロセス流れを多数のより小さい流体流れに細分する、
段階を含んで成る方法。
【請求項27】
更に、下記の段階:
(a)前記多数の網状要素の表面で起こる汚染物濾過作用を向上させる目的で前記多数の網状要素を前記プロセス装置の中に各網状要素の間に隙間が存在するように無作為に位置させることで前記汚染されているプロセス流れから汚染物を除去し、そして
(b)浄化されかつ均一に広がったプロセス流れにさらなる処理を下流のプロセス装置の中で受けさせる、
段階も含んで成る方法。
【請求項28】
前記多数の網状要素を供給する段階に前記多数の網状要素をプロセス装置の入り口、プロセス装置の内部、プロセス装置の出口およびこれらの組み合わせから成る群から選択した場所に供給することを含める請求項26記載の方法。
【請求項29】
前記プロセス装置が内部断面形態を有しそして前記多数の網状要素を構築する時にそれを前記プロセス装置の内部断面形態に特別に適合する組み立てシートに成形しておく請求項26記載の方法。
【請求項30】
プロセス装置の中に生じた沈澱物を濾過で除去する方法であって、
(a)多数の網状要素を前記プロセス装置の中に供給し、
(b)相当数の前記網状要素の表面で起こる汚染物除去作用が向上して実質的に沈澱物を含有しないプロセス流れがもたらされるようにする目的で前記多数の網状要素を前記プロセス装置の中に相当数の前記網状要素の間に隙間が存在するように無作為に詰め込み、
(c)前記沈澱物を含有するプロセス流れを相当数の前記網状要素と接触させ、
(d)前記沈澱物が前記プロセス流れから除去され、そして
(e)実質的に沈澱物を含有しないプロセス流れにさらなる処理を受けさせる、
段階を含んで成る方法。
【請求項31】
反応槽を含んで成る反応槽組み立て品であって、前記反応槽が
(a)相当数の網状要素の表面で起こる汚染物濾過作用が向上して実質的に浄化されたプロセス流れがもたらされるようにする目的で相当数の網状要素の間に隙間が存在するように前記反応槽の中に無作為に詰め込んでおいた多数の網状要素、および
(b)前記多数の網状要素の下流に位置していて触媒を触媒活性が約15%から約20%の範囲で向上するに有効な規模で含有する触媒床、
を含有する反応槽組み立て品。
【請求項32】
前記多数の網状要素がプロセス装置の長さ全体に渡って無作為に詰め込まれている請求項31記載の反応槽組み立て品。
【請求項33】
前記多数の網状要素がプロセス装置の長さ全体に渡って触媒と混ざり合っている請求項32記載の反応槽組み立て品。
【請求項34】
汚染されているプロセス流れから汚染物を除去する方法であって、
(a)多数のセラミック製モノリスを化学反応槽の中に供給し、
(b)相当数の前記セラミック製モノリスの表面で起こる汚染物濾過作用が向上して実質的に浄化されたプロセス流れがもたらされるようにする目的で前記多数のセラミック製モノリスを前記化学反応槽の中に相当数の前記セラミック製モノリスの間に隙間が存在するように無作為に詰め込み、そして
(c)前記実質的に浄化されたプロセス流れが前記多数のセラミック製モノリスの中を妨げられないで通ることを可能にしながら前記汚染されているプロセス流れから汚染物が取り除かれるように前記汚染されているプロセス流れを相当数の前記セラミック製モノリスと接触させる、
段階を含んで成る方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公表番号】特表2006−523139(P2006−523139A)
【公表日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509004(P2006−509004)
【出願日】平成16年3月2日(2004.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/006366
【国際公開番号】WO2004/094039
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(505359436)クリスタフエイズ・インターナシヨナル・インコーポレーテツド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年3月2日(2004.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/006366
【国際公開番号】WO2004/094039
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(505359436)クリスタフエイズ・インターナシヨナル・インコーポレーテツド (2)
【Fターム(参考)】
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