プローブカード及びそれを用いた半導体ウェーハの検査方法
【課題】ウェーハに対して非接触状態の容量性結合又は誘導性結合により信号の授受を行う際にこれらの電磁的結合をより大きくして信号の授受を安定して行えるようにするプローブカードの提供。
【解決手段】ウェーハ4と対向する第1の面上で、且つ各パッド電極4aと対向する位置に設けられた複数のバンプ電極3a及び容量性結合又は誘導性結合によりパッド電極と電気的に接続される非接触パターン3bを有する薄膜基板3と、薄膜基板の反対側に配置され、バンプ裏面電極と対向する位置に設けられた複数の電極21aを有する配線基板2とを備えている。第1の密閉空間5及び第2の密閉51が減圧されることにより、バンプ裏面電極と電極21aとが密着されると共にパッド電極とバンプ電極とが密着される。第1及び第2の密閉空間はそれぞれの圧力が独立して調整できる。
【解決手段】ウェーハ4と対向する第1の面上で、且つ各パッド電極4aと対向する位置に設けられた複数のバンプ電極3a及び容量性結合又は誘導性結合によりパッド電極と電気的に接続される非接触パターン3bを有する薄膜基板3と、薄膜基板の反対側に配置され、バンプ裏面電極と対向する位置に設けられた複数の電極21aを有する配線基板2とを備えている。第1の密閉空間5及び第2の密閉51が減圧されることにより、バンプ裏面電極と電極21aとが密着されると共にパッド電極とバンプ電極とが密着される。第1及び第2の密閉空間はそれぞれの圧力が独立して調整できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の半導体チップをウェーハ状態で一括に検査するプローブカード及びそれを用いた半導体ウェーハの検査方法に関し、特に、誘導結合又は容量結合等の非接触結合による信号の授受により検査を行うプローブカード及びそれを用いた半導体ウェーハの検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路は、製造時には、半導体ウェーハ上に拡散プロセスを経て、複数個の半導体集積デバイス(チップ)が同時に形成される。しかしながら、製造工程においてはダスト等の種々の要因により、同時に製造された複数のチップの全てを良品とすることは通常困難である。このため、製造されたチップは、個々に良品か否かを検査する必要がある。この検査には、実際にデバイスを動作させて不良を取り除く検査と、市場で一定期間使用された際にも、デバイスの信頼性に問題がないかを確認するバーンイン選別の大きく2種類の選別がある。
【0003】
また、近年、注目されている技術である、複数のチップを1つのパッケージに実装したり、3次元的に積み上げて相互のチップを接続して実装密度を高めたデバイスを製造したりするには、個々のチップが予め良品であることを確かめる必要がある。そうしないと、複数のチップを集積して得られた製品は、各チップの良品率の積でトータルの良品率が決まるため、より多くのチップを集積すればするほど、その良品率が低下してしまうからである。
【0004】
このため、個々のチップが実装される前に、ウェーハ状態でこれらの検査及び選別を行う必要があり、その方法として下記の特許文献4に開示されているようなウェーハ一括コンタクトを行うプローブカードを用い、また、下記の特許文献3に開示されているような方法で、このプローブカードを半導体ウェーハと接触させて検査及びバーンインを行うことができる。また、その際、検査温度の変化に追従し、ウェーハと同等の熱膨張量にコントロールされたバンプ付薄膜基板を用いたプローブカードの構造が下記の特許文献4に開示されている。
【0005】
ところで、チップの各パッド電極に対して電気的な接続を取るには、特許文献3の方法を用いたとしても、加重値の制限から接触できる端子の数に制限がある。このため、トータル加重値の制限を受けない容量性結合又は誘導性結合を用いて、非接触状態で信号の授受を行う方法が下記の特許文献1、特許文献2、非特許文献1及び非特許文献2等に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−85720号公報
【特許文献2】国際公開第2006/069309号パンフレット
【特許文献3】特開平8−005666号公報
【特許文献4】特開平7−231019号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Y. Yoshida, K. Nose, Y. Nakagawa, K. Noguchi, Y. Morita, M. Tago, T. Kuroda, and M. Mizuno, “Wireless DC Voltage Transmission Using Inductive-Coupling Channel for Highly-Parallel Wafer-Level Testing,”IEEE International Solid-State Circuits Conference (ISSCC'09), Dig. Tech. Papers, pp.470-472, Feb. 2009.
【非特許文献2】S. Kawai, H. Ishikuro and T. Kuroda, "A 4.7 Gb/s Inductive Coupling Interposer with Dual Mode Modem," IEEE Symposium on VLSI Circuits, Dig. Tech. Papers, pp. 92-93, Jun. 2009.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の非接触状態で信号の授受を行う構成においては、容量性結合を用いる場合は、その結合パッドの距離に反比例して信号強度が減衰する。また、誘導性結合を用いる場合は、そのインダクタ径と同等程度の距離以上離れると、信号強度が顕著に減衰すると共に、隣接する電極からの信号同士が混信を起こす等の問題がある。
【0009】
従って、非接触型のプロープカード等を用いて通信を行う際には、非接触プローブをできるだけ被検査チップに近接させる必要がある。
【0010】
本発明の目的は、前記従来の問題に鑑み、半導体ウェーハに対して非接触状態の容量性結合又は誘導性結合により信号の授受を行う際に、これらの電磁的結合をより大きくして、信号の授受を安定して行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するため、本発明は、プロープカードを、配線基板とバンプ電極等を有する薄膜基板とによって大気圧より減圧された第1の密閉空間を形成し、薄膜基板と検査対象の半導体ウェーハとによって大気圧より減圧された第2の密閉空間を形成し、第1の密閉空間の圧力を第2の密閉空間の圧力よりも高くする構成とする。
【0012】
具体的に、本発明に係るプローブカードは、半導体ウェーハ上に形成され、それぞれが複数のパッド電極を有する複数の半導体チップを一括に検査するプローブカードであって、半導体ウェーハと対向する第1の面上で、且つ各パッド電極と対向する位置に設けられた複数の突起電極及び容量性結合又は誘導性結合によりパッド電極と電気的に接続される非接触電極、並びに第1の面の反対側の面である第2の面上に設けられ各突起電極及び非接触電極と電気的に接続された複数の第1の電極とを有する薄膜基板と、薄膜基板における半導体ウェーハの反対側に配置され、第1の電極と対向する位置に設けられた複数の第2の電極を有する配線基板とを備え、配線基板と薄膜基板とは第1の密閉空間を形成し、且つ薄膜基板と半導体ウェーハとは第2の密閉空間を形成し、第1の密閉空間及び第2の密閉空間が減圧されることにより、第1の電極と第2の電極とが密着されると共にパッド電極と突起電極とが密着され、第1の密閉空間及び第2の密閉空間はそれぞれの圧力が独立して調整できることを特徴とする。
【0013】
本発明のプローブカードによると、配線基板と薄膜基板とは第1の密閉空間を形成し、且つ薄膜基板と半導体ウェーハとは第2の密閉空間を形成し、第1の密閉空間及び第2の密閉空間が減圧されることにより、第1の電極と第2の電極とが密着されると共にパッド電極と突起電極とが密着され、第1の密閉空間及び第2の密閉空間はそれぞれの圧力が独立して調整できる。これにより、第1の密閉空間の圧力を第2の密閉空間の圧力よりも高く設定することにより、第1の密閉空間と第2の密閉空間との双方に接する薄膜基板は、半導体ウェーハ側に膨らむことになる。その結果、薄膜基板に設けられた非接触電極は、半導体チップに形成されたパッド電極とより近接するようになるため、非接触である電磁的結合が大きくなって信号の授受を安定して行えるようになる。
【0014】
本発明のプローブカードにおいて、第1の密閉空間は、第2の密閉空間の圧力よりも高く設定されることが好ましい。
【0015】
本発明のプローブカードにおいて、配線基板と薄膜基板との間に設けられ、第1の電極と第2の電極との間で互いの圧着方向に導通する弾性体からなる異方性導電シートをさらに備えていてもよい。
【0016】
このようにすると、半導体ウェーハに形成された各パッド電極の高さが一様でない場合であっても、パッド電極と突起電極との接触をより確実に行うことができる。
【0017】
本発明のプローブカードは、配線基板と薄膜基板との間に設けられ、配線基板と薄膜基板との互いの圧着方向に導通する弾性体からなる第1の異方性導電シートと、配線基板と第1の異方性導電シートとの間に設けられ、薄膜基板と対向する側に第1の電極と対向する電極を有し、且つ配線基板と対向する側に第2の電極と対向する電極を有するピッチ変換基板と、配線基板とピッチ変換基板との間に設けられ、配線基板とピッチ変換基板との互いの圧着方向に導通する弾性体からなる第2の異方性導電シートとをさらに備えていてもよい。
【0018】
このようにすると、検査対象である半導体ウェーハの品種が異なる場合であっても、ピッチ変換基板と第2の異方性導電シートと薄膜基板とを新たな品種に合わせれば良く、本発明のプローブカード(特に配線基板)の汎用性を高めることができる。
【0019】
本発明のプローブカードにおいて、非接触電極は、薄膜基板の第1の面に形成されており、薄膜基板の第2の面上には、非接触電極と電気的に接続される薄膜裏面電極が形成されており、薄膜裏面電極は、非接触電極に対して、薄膜基板の膜厚の10倍以上離れた位置に形成されていてもよい。
【0020】
このようにすると、薄膜基板における非接触電極の周辺領域が十分に伸びることができるため、非接触電極の半導体ウェーハとの距離を確実に小さくすることができる。
【0021】
この場合に、薄膜裏面電極の面積は、突起電極と接続された第1の電極の面積よりも小さくてもよい。
【0022】
このようにすると、非接触電極の半導体ウェーハとの接触圧力を抑制できるため、薄膜基板に形成された突起電極と半導体チップに形成されたパッド電極との接触圧力を高めることができる。
【0023】
また、本発明のプローブカードにおいて、非接触電極は、薄膜基板の第1の面又は第2の面上で、且つ複数の第1の電極のうちの最も近い第1の電極に対して、薄膜基板の膜厚の10倍以上離れた位置に形成されており、薄膜基板の第2の面上には、非接触電極と直接に接続される薄膜裏面電極が形成されていてもよい。
【0024】
このようにしても、薄膜基板における非接触電極の周辺領域が十分に伸びるため、非接触電極の半導体ウェーハとの距離を確実に小さくすることができる。
【0025】
この場合に、本発明のプローブカードは、配線基板と薄膜基板との間に設けられ、第1の電極及び薄膜裏面電極と第2の電極との間で互いの圧着方向に導通する弾性体からなる異方性導電シートをさらに備え、異方性導電シートにおける薄膜裏面電極との接触面積は、異方性導電シートにおける突起電極と接続された第1の電極との接触面積よりも小さくてもよい。
【0026】
本発明のプローブカードは、ピッチ変換基板を備えている場合に、非接触電極はプロービング用インダクタであり、且つ各半導体チップは送受信用インダクタを有しており、ピッチ変換基板は、半導体ウェーハ側に形成された第1のインダクタと、配線基板側に形成され且つ第1のインダクタと電気的に接続された第2のインダクタとを有し、第1のインダクタは、送受信用インダクタと対向する位置に設けられ、第2のインダクタは、プロービング用インダクタと対向する位置に設けられていてもよい。
【0027】
このようにすると、ピッチ変換基板を備えている場合であっても、半導体チップと配線基板との信号の授受を確実に行うことができる。
【0028】
この場合に、第1のインダクタと第2のインダクタとは、互いの電流の向きが逆方向となるように接続されていてもよい。
【0029】
また、この場合に、第1のインダクタと第2のインダクタとは、ピッチ変換基板の表裏方向において、互いの中心位置が異なるように配置されていてもよい。
【0030】
また、この場合に、ピッチ変換基板は、少なくとも送受信用インダクタと対向する領域に磁性体層を含んでいてもよい。
【0031】
このようにすると、隣接する他のインダクタからの信号の混信を防止することができる。
【0032】
本発明のプローブカードは、ピッチ変換基板を備えている場合に、非接触電極はプロービング用インダクタであり、且つ各半導体チップは送受信用インダクタを有し、プロービング用インダクタと送受信用インダクタとは互いに対向しており、ピッチ変換基板には、送受信用インダクタとプロービング用インダクタとの間に、ピッチ変換基板を貫通する方向に、磁性体からなるビアが形成されていてもよい。
【0033】
このようにすると、磁場の拡散を防止できるため、プロービング用インダクタに効率良く磁束を導いて電磁的結合を強められるので、安定した検査を行うことができる。
【0034】
また、本発明のプローブカードにおいて、非接触電極はプロービング用インダクタであり、且つ各半導体チップは送受信用インダクタを有し、プロービング用インダクタと送受信用インダクタとは互いに対向しており、薄膜基板における第1の面上には、プロービング用インダクタの形成領域を貫通するように、磁性体からなるバンプ電極が形成されていてもよい。
【0035】
このようにしても、磁場の拡散を防止できるため、プロービング用インダクタに効率良く磁束を導いて電磁的結合を強められるので、安定した検査を行うことができる。
【0036】
本発明のプローブカードは、配線基板における薄膜基板と対向する領域に形成され、非接触電極を介して各半導体チップとの間で通信を行うプローブチップをさらに備えていてもよい。
【0037】
このようにすると、特に容量性結合の際に問題となる寄生容量を小さく抑えることができるため、薄膜基板の非接触電極からの信号を確実に送受信できる。
【0038】
この場合に、プローブチップは、薄膜基板と対向する領域に形成された凹部に配置されていてもよい。
【0039】
また、この場合に、プローブチップは、薄膜基板と対向する領域の内部に埋め込まれて配置されていてもよい。
【0040】
本発明に係るプローブカードを用いた第1の半導体ウェーハの検査方法は、配線基板と薄膜基板との間で第1の密閉空間を形成して保持されたプローブカードを用意する工程と、ウェーハ載置台の上に、検査対象となる半導体ウェーハを載置する工程と、半導体ウェーハにおける各半導体チップのパッド電極と、第1の密閉空間が形成されたプローブカードの突起電極とを位置合わせする工程と、位置合わせされた状態で、プローブカードとウェーハ載置台との間で減圧して、第2の密閉空間を形成する工程とを備え、第2の密閉空間を形成する工程において、第2の密閉空間は、第1の密閉空間が第2の密閉空間の圧力よりも高くなるように維持しながら減圧することを特徴とする。
【0041】
第1の半導体ウェーハの検査方法によると、第1の密閉空間が形成された配線基板及び薄膜基板を、ウェーハ載置台(ウェーハチャック)に載置された半導体ウェーハとの間で位置合わせした後に第2の密閉空間を形成する。さらに、第2の密閉空間を形成する工程において、第2の密閉空間を、第1の密閉空間が第2の密閉空間の圧力よりも高くなるように維持しながら減圧することにより、第1の密閉空間と第2の密閉空間との双方に接する薄膜基板は、半導体ウェーハ側に膨らむことになる。その結果、薄膜基板に設けられた非接触電極は、半導体チップに形成されたパッド電極とより近接するようになるため、非接触である電磁的結合が大きくなって信号の授受を安定して行えるようになる。
【0042】
本発明に係るプローブカードを用いた第2の半導体ウェーハの検査方法は、配線基板と前記薄膜基板との間で前記第1の密閉空間を形成して保持されたプローブカードを用意する工程と、ウェーハ載置台の上に、検査対象となる半導体ウェーハを載置する工程と、半導体ウェーハにおける各半導体チップのパッド電極と、第1の密閉空間が形成されたプローブカードの突起電極とを位置合わせする工程と、位置合わせされた状態で、プローブカードとウェーハ載置台との間で減圧して、第2の密閉空間を形成する工程とを備え、第2の密閉空間を形成する工程において、第2の密閉空間は、第1の密閉空間の圧力と同一にしながら減圧し、その後、第1の密閉空間の圧力を、第2の密閉空間の圧力よりも高くなるように加圧する工程を備えていることを特徴とする。
【0043】
第2の半導体ウェーハの検査方法によると、第1の半導体ウェーハの検査方法と同様の効果を得られる上に、第2の密閉空間を減圧する際に第1の密閉空間の圧力と同一にしながら減圧するため、薄膜基板の伸びを抑制できるので、突起電極及び非接触電極とパッド電極との位置ずれを防止することができる。
【0044】
第1及び第2の半導体ウェーハの検査方法において、第1の密閉空間と第2の密閉空間との圧力の差は1kPaから30kPaであることが好ましい。
【発明の効果】
【0045】
本発明に係るプローブカード及びそれを用いた半導体ウェーハの検査方法によると、半導体ウェーハに対して非接触状態の容量性結合又は誘導性結合により信号の授受を行う際に、これらの電磁的結合がより大きくなるため、信号の授受を安定して行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る薄膜基板と配線基板とからなるプローブカードを示す部分的な模式断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る薄膜基板と異方性導電シートと配線基板とからなるプローブカードを示す部分的な模式断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る薄膜基板、異方性導電シート、ピッチ変換基板及び配線基板とからなるプローブカードを示す部分的な模式断面図である。
【図4】(a)及び(b)は本発明の各実施形態に係るプローブカードに用いる薄膜基板の非接触パターンの一例であって、(a)は部分的な模式平面図であり、(b)は部分的な模式断面図である。
【図5】本発明に係るプローブカードに用いる薄膜配板の膜厚ごとの圧力によるたわみ具合の計算結果を示すグラフである。
【図6】(a)及び(b)は本発明の各実施形態に係るプローブカードに用いる薄膜基板の非接触パターンの第1変形例であって、(a)は部分的な模式平面図であり、(b)は部分的な模式断面図である。
【図7】(a)及び(b)は本発明の各実施形態に係るプローブカードに用いる薄膜基板の非接触パターンの第2変形例であって、(a)は部分的な模式平面図であり、(b)は部分的な模式断面図である。
【図8】本発明の各実施形態に係るプローブカードを用いた半導体ウェーハの第1の検査方法を示すフロー図である。
【図9】本発明の各実施形態に係るプローブカードを用いた半導体ウェーハの第2の検査方法を示すフロー図である。
【図10】(a)は本発明の第4の実施形態に係るプローブカードであって、ピッチ変換基板の一例を示す模式的な斜視図である。(b)はインダクタ同士の結線方向を説明する図である。
【図11】は本発明の第4の実施形態に係るプローブカードであって、ピッチ変換基板の第1変形例を示す模式的な斜視図である。
【図12】は本発明の第4の実施形態に係るプローブカードであって、ピッチ変換基板の第2変形例を示す模式的な斜視図である。
【図13】は本発明の第4の実施形態に係るプローブカードであって、ピッチ変換基板の第3変形例を示す模式的な斜視図である。
【図14】(a)は本発明の第5の実施形態に係るプローブカードであって、薄膜基板の一例を示す模式的な断面図である。(b)は(a)の拡大断面図である。
【図15】本発明の第6の実施形態に係るプローブカードであって、配線基板及び薄膜基板の一例を示す模式的な斜視図である。
【図16】本発明の第6の実施形態に係るプローブカードであって、配線基板の第1変形例を示す模式的な斜視図である。
【図17】本発明の第6の実施形態に係るプローブカードであって、配線基板の第2変形例を示す模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るプローブカードについて図1を参照しながら説明する。
【0048】
図1に示すように、第1の実施形態に係るプローブカード1は、配線基板2及び薄膜基板3により構成されている。配線基板2における薄膜基板3と対向する面には、電極21a及び電極21bが形成されている。電極21aは、検査対象であるウェーハ4に対して電力を主に供給し、電極21bは、ウェーハ4に対する検査信号の授受を行う。ここで、電極21aはめっき等によって、電極21bよりも厚くなるように形成されていることが好ましい。
【0049】
薄膜基板3は、例えばポリイミドからなる薄膜と銅薄との2層基材、又は銅薄を接着剤によって張り合わせた3層基材を用いて製作される。ポリイミド側の面からレーザ光等を照射して銅薄を露出する貫通孔を形成する。さらに、電界めっき法又は無電解めっき法等により、貫通孔を通して例えばニッケル又は銅若しくはその合金からなるバンプ電極3aを形成して作製する。薄膜基板3における各バンプ電極3aの裏側部分には、各バンプ電極3aと電気的に接続されるバンプ裏面電極3a2がそれぞれ形成されている。
【0050】
薄膜基板3に設ける容量性結合又は誘導性結合を得るための非接触パターン3bは、薄膜基板3自体の銅薄をエッチングして形成してもよい。また、銅箔における非接触パターン3bの形成領域を一旦除去した後に、再度スパッタ法等により薄膜金属層を形成し、その後、形成した薄膜金属層をエッチングして形成してもよい。スパッタ法等により薄膜金属層を形成すると、金属層をより薄く形成できるため、微細加工が可能になる等のメリットがある。また、薄膜金属層の場合は、レーザ光等による加工でさらに微細なパターンを形成することも可能となるため、誘導性結合パターンを形成するインダクタ(コイル)等を形成する際に適している。
【0051】
バンプ電極3aは、配線基板2の電極21aとウェーハ4の検査用のパッド電極4aとにそれぞれ対向する位置に設けられる。また、非接触パターン3bは、配線基板2の電極21bとウェーハ4の検査用の非接触パッド4bとにそれぞれ対向する位置に設けられる。さらに、非接触パターン3bは、柔軟性又は弾性を有する導電性部材23により配線基板2の電極21bと接続されている。弾性を有する導電性部材23には、図示したような、例えばリング状で中空の金属部材により構成してもよく、また、シリコーンゴムに導電粒子又は導電性ワイヤを混入させる構成でもよい。さらに、導電性部材23は、その弾性により薄膜基板21aをウェーハ4側に押し出すように取り付けられていてもよく、また、薄膜基板3はウェーハ4の主面に対してほぼ平行を維持するように取り付けられていてもよい。なお、配線基板2の電極21bと電気的に接続される部分及び非接触パターン3bと電気的に接続される部分は、導電性を持つ接着剤又は半田材等によって固着されていることが好ましい。特に、柔軟性を有する導電性部材23によって接続する場合には固着されている必要がある。
【0052】
図1においては、非接触パターン3bは、容量性結合パターンとしており、1つの非接触パターン3bからは、その直上に弾性を有する導電性部材23により引き出されている。これに代えて、誘導性結合パターン(インダクタ)を用いる場合には、信号電流を該インダクタに流す必要があるため、信号電流はインダクタの一方の端子から入力し、他方の端子から出力する必要がある。このため、電流の入力側と出力側にはそれぞれに電極21bを設けることとなる。但し、誘導性結合する複数の非接触パターン3bが隣接して形成されている場合には、それぞれのインダクタの一方の電極を共有することができるため、誘導性結合パターンの数より1つだけ多い電極21bがあればよい。このとき、1つの誘導性結合を形成する非接触パターン3bと接続された一対の電極21bは、共に非接触パターン3bの直上にあることが好ましい。但し、加工技術上の制約及びパターン形状の関係により、共に直上に配置することが困難な場合には、この限りではないが、できる限り近傍に配置されていることが好ましい。
【0053】
配線基板2と薄膜基板3とによって挟まれた空間は、外周部で密閉されて(図示せず)第1の密閉空間5を形成する。第1の実施形態においては、第1の密閉空間5の空気圧を任意に調整できるように、配線基板2には貫通孔24が設けられている。貫通孔24には、配管24aが接続され、その先には圧力調整弁(図示せず)が接続されている。
【0054】
また、薄膜基板3とウェーハ4とによって挟まれた空間は、外周部で密閉されて(図示せず)第2の密閉空間51を形成する。
【0055】
上記のように構成されたプローブカード1は、アライメント装置によりウェーハ4とアライメント(位置合わせ)され、パッド電極4a及び非接触パッド4bは、それぞれプローブカード1のバンプ電極3aと接続する共に非接触パターン3bと近接する。さらに、貫通孔24を通して第1の密閉空間5の圧力をウェーハ4上の第2の密閉空間51の圧力よりも高くすることにより、薄膜基板3をウェーハ4側に膨張させる。これにより、薄膜基板3に設けられた非接触パターン3aは、ウェーハ4上の非接触パッド4bと密着する。
【0056】
配線基板2には、ウェーハ4を検査するための複数の配線22が設けられ、電源、信号発生器及び各信号を判定するコンパレータ等に接続されている。また、ウェーハ4に設けられた非接触パッド4bと非接触結合を通して検査信号の授受が行われる結果、電気的な検査を実施できる。非接触結合を通して送受信される信号は極めて微弱な場合が多く、ウェーハ4側への送信信号は、ウェーハ4内でセンス、増幅及び成形されて、ウェーハ4内の各半導体チップの検査に用いられる。また、ウェーハ4からの信号はプローブカード1に実装されたプローブチップ(図示せず)でセンス、増幅及び成形されて検査結果の判定に用いられる。このプローブチップは、信号が微弱であるため、第6の実施形態で詳述するように、プローブカード1(配線基板2)のできる限り非接触パターン3bに近い位置に配置することが好ましい。
【0057】
このように、第1の実施形態によると、信号線のデータ量が多くても、実質的に荷重をほとんど必要とせずにウェーハ4との信号の送受信を行えるため、より複雑な検査が可能となるばかりでなく、ウェーハ4に対して一括に行う検査も容易となる。
【0058】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図2を参照しながら説明する。図2において、図1と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0059】
図2に示すように、第1の実施形態との相違点は、配線基板2と薄膜基板3との間に、バンプ電極3aと電極21a、及び非接触パターン3bと電極21bとをそれぞれ圧着方向にのみ導通させる弾性体からなる異方性導電シート6を設けている点である。
【0060】
異方性導電シート6は、弾性を有しながら配線基板2と薄膜基板3を接続する部材であって、シートの面内方向には絶縁性を有し、シートの主面に垂直な方向には導電性を有する材料からなる。
【0061】
このような特性を持った材料及び構成としては、
1)シリコーンゴムのような弾性材に導電粒子を局在化して分散させ、圧縮されることでこれらの導電粒子が互いに接触することによって圧縮方向にのみ導通する構成
2)シリコーンゴムのような弾性材に導電性ワイヤを主面に垂直な方向に埋め込み、且つ両端部を露出させる構成、
3)弾性を有するテフロン等からなる多孔質樹脂材に選択的に貫通孔を設け、貫通孔の内壁を、導電性材料によりその弾性を残す程度に覆う構成等がある。
【0062】
このような弾性を有する異方性導電シート6を配線基板2と薄膜基板3との間に配することにより、薄膜基板3に設けたバンプ電極3a同士の高さのばらつき、並びに配線基板2の反り及び凹凸等が吸収されるため、半導体ウェーハ4と配線基板2との間の電気的な接続を安定して実現することができる。
【0063】
なお、図2に示した第2の実施形態においては、上述の1)に記載した構成の異方性導電シート6を用いている。この1)の構成に代えて、他の2)及び3)の構成、さらには、1)等の異方性導電シート6と同様の特性を示す材料であれば、同様の効果を得られることはいうまでもない。
【0064】
さらに、図2に示す異方性導電シート6は、導電性粒子を局在配置して、バンプ電極3a等と対向する導通部61a及び61bが設けられ、該導通部61a及び61bは、線膨脹係数を例えばシリコン(Si)の線膨脹係数に近づけるように調整された剛性材からなるフレーム62に保持されている。これにより、初期の位置精度が確保されるだけでなく、検査の測定時の測定温度に対しても、位置精度を高く維持することができる。なお、異方性導電シート6に局在配置された導通部61a及び62bは、フレーム62の主面から突起して形成されていることが好ましい。このようにすると、導通部61a及び62bを構成する粒子同士の接触を確実にするための、より強い押圧力を確保することができる。
【0065】
また、押圧時には、導通部61aは薄膜基板3のバンプ電極3aと電気的に接続され、導通部61bは薄膜基板3の非接触パターン3bと電気的に接続される。ここで、非接触パターン3bと接続される導通部61bの断面積は、バンプ電極3aと接続される導通部61aの断面積よりも小さいことが好ましい。これは、非接触パターン3bが接触による電気的接続を要しないことに起因しており、薄膜基板3におけるバンプ電極3aを設けない部分と接するため大きな押圧力を要しないことと、電源等と異なり大きな電流を流す必要がないためである。
【0066】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図3を参照しながら説明する。図3において、図1及び図2と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0067】
図3に示すように、第2の実施形態との相違点は、配線基板2と弾性体からなる異方性導電シート6(ここでは第1の異方性導電シート6と呼ぶ。)との間に、ピッチ変換基板7及び弾性体からなる第2の異方性導電シート8を配している点である。
【0068】
この構成により、検査対象であるウェーハ4の品種が変わり、それに伴いパッド電極4a及び非接触パッド4bの配置が異なる場合であっても、配線基板2をその都度変更する必要はなく、新たな品種と対応する薄膜基板3、第1の異方性導電シート6及びピッチ変換基板7のみを交換することにより対応することが可能となる。すなわち、ウェーハ4の品種の切り替えを容易に且つ安価に行うことができる。その上、配線基板2においてもウェーハ4における電極パッド4a及び非接触パッド4b等と対応する電極21a、21bの微細加工が不要となるため、この点においてもプローブカード1を安価に作製することができる。
【0069】
ピッチ変換基板7の構成を詳細に説明すると、例えば、ウェーハ4と対向する面上には、該ウェーハ4のパッド電極4aと対向する複数のピッチ変換電極71aが形成され、その裏面であって配線基板2と対向する面上には、ピッチを広げた複数の裏面電極71bが形成されている。これらピッチ変換電極71a及び裏面電極71bはそれぞれ内部配線72により電気的に接続されている。
【0070】
また、図3に示すように、ピッチ変換基板7の両面の空間5a、5bは、外周部で密閉され(図示せず)て、第1の密封空間5を形成する。なお、ピッチ変換基板7には、空間5a、5bを繋ぐ貫通孔74が選択的に設けられていることが好ましい。これにより、第1の密閉空間5の空気圧は配線基板2に設けられた貫通孔24を通して外部から任意に調整可能となる。但し、ピッチ変換基板7に設ける貫通孔74は必須ではなく、空間5a、5b同士は、ピッチ変換基板7の周縁部で通じていてもよい。ピッチ変換基板7に貫通孔74を設ける利点は、ピッチ変換基板7の両面の空間5a、5bにおける圧力差を速やかに解消させることにある。
【0071】
なお、第2の異方性導電シート8の構成材料には、第1の異方性導電シートと同一の材料及び構成を用いることができる。但し、第2の異方性導電シート8に局在配置された各導通部81aは、配線基板2側において各電極21a、21bと接触し、また、ピッチ変換基板7側においてその裏面電極71bと接触するように配置されている。
【0072】
以下、図4(a)及び図4(b)を参照しながら薄膜基板3における非接触パターン3bの構成とその最適な配置とについて説明する。
【0073】
図4(a)は薄膜基板3の平面構成(バンプ電極3aの裏面から見た図)を示し、図4(b)は第1の密閉空間5と第2の密閉空間51とに差圧が加えられた際の薄膜基板3の断面構成をそれぞれ模式的に表している。
【0074】
バンプ電極3aは、薄膜基板3に設けられた貫通孔3a1を通してバンプ裏面電極3a2と接続されている。
【0075】
これに対し、非接触パターン3bは、よりウェーハに近くなるよう薄膜基板3のウェーハ側(バンプ電極3側)に形成されており、非接触パターン配線3b4を経由してバンプ電極3aの近傍にまで引き出されている。非接触パターン配線3b4と接続された表面電極3b3は、薄膜基板3に設けられた貫通孔3b1を通し、裏面電極3b2と接続されている。また、非接触パターン3bと接続された裏面電極3b2は、図1に示す導電性部材23、又は図2に示す異方性導電シート6における非接触パターン3b用の導通部61bと接触する。
【0076】
図4(b)に示すように、薄膜基板3の上側の第1の密閉空間5及び該薄膜基板3の下側の第2の密閉空間51の内圧に差圧を加えることにより、非接触パターン3bをウェーハ(図示せず)に近接させることができる。このため、非接触パターン3bはバンプ電極3aがなすバンプ列から、薄膜基板3を構成する基材の厚さtの10倍以上離して配置されることが好ましい。例えば、薄膜基板3の基材として、厚さtが25μmのポリイミドを用いる際には、間隔cを250μm以上取ることになる。この程度の間隔を取ると、バンプ電極3aの高さを、例えば20μmに設定した場合でも、薄膜基板3が十分にたわむことができる。このため、非接触パターン3bは、ウェーハの非接触パッドとほとんど位置ずれを起こすことなく、ウェーハと接触させることができる。
【0077】
さらに、この間隔cは、薄膜基板3の厚さtだけでなく、薄膜基材の剛性(ヤング率)と、薄膜基板3が張力を内在している場合にはその張力及び第1の密閉空間5と第2の密閉空間との差圧等にも影響される。また、非接触パターン3bに容量性結合を用いる場合は、結合容量と比べて配線が持つ容量が寄生容量として信号のレベルを減衰することになるため、配線はできるだけ短くすることが好ましい。また、非接触パターン配線3b4の線幅も同様に、寄生容量を小さくする観点から細くすることが好ましい。
【0078】
図5は薄膜配板3の基材として、膜厚が25μmのポリイミド(宇部興産社製ユーピレックス)を用いた場合と、膜厚が5μmのポリイミド(東洋紡社製ゼノマックス)とを用いた場合の、第1の密閉空間と第2の密閉空間とに付与する差圧と、ポリイミド膜のたわみ具合の計算結果を示す。図5からは、バンプ電極の高さを25μmで膜厚が25μmのポリイミド膜に約30kPaの差圧を加えると、バンプ電極から約700μmだけ離れた位置で該ポリイミド膜はウェーハと密着することが分かる。このときのポリイミド膜の伸びは約0.54μmである。
【0079】
また、バンプ高さが20μmで膜厚が5μmのポリイミド膜の場合は、約6kPaの差圧を加えると、バンプ電極から約300μmだけ離れた位置で該ポリイミド膜はウェーハと密着することが分かる。このときのポリイミド膜の伸びは約0.89μmである。
【0080】
このように、非接触パターン3bは最悪条件(非接触パターンのバンプ側と裏面とにバンプ電極が存在せず、ウェーハに近接するために曲がった分だけ位置ずれを起こす場合)で0.89μm程度の位置ずれとなる。従って、ほとんど位置ずれを考慮する必要なく、薄膜基板3を設計及び製作することができる。
【0081】
ところで、非接触パターン用の裏面電極3b2は、その面積がバンプ裏面電極3a2と比べて小さく形成されていることが好ましい。このようにすると、裏面電極3b2における異方性導電シート6と接触する面積が小さくなり、薄膜基板3を強く押圧することなく接続が可能となるからである。これは、バンプ電極3aにより押圧されて接触するウェーハ上のパッド電極4aは通常アルミニウム等で形成されており、ある程度の荷重がないと電気的導通を果たせないのと比べて、非接触パターン用の裏面電極3b2は、金めっきを施す等により、低い荷重で安定した電気的接続を行えるためである。
【0082】
以下、図6(a)及び図6(b)を参照しながら非接触パターン3bの第1変形例を説明する。
【0083】
図6(a)及び図6(b)に示すように、第1変形例に係る非接触パターン3bの図4に示す非接触パターン3bとの構成の相違点は、表面電極3b3が省略されて裏面電極3b2と共有されている点である。これにより、非接触パターン配線3b4及び貫通孔3b1が不要となる。なお、裏面電極3b2は、図1に示す導電性部材23、又は図2に示す異方性導電シート6における非接触パターン3b用の導通部61bと接触する。
【0084】
本変形例によると、非接触パターン配線3b4を設けないため、その分の寄生容量を小さく抑えることができる。
【0085】
以下、図7(a)及び図7(b)を参照しながら非接触パターン3bの第2変形例を説明する。
【0086】
図7(a)及び図7(b)に示すように、第2変形例に係る非接触パターン3bの図4に示す非接触パターン3bとの構成の相違点は、非接触パターン3b(表面電極3b3)自体に、貫通孔3b1を通して裏面電極3b2が形成されていることにある。従って、非接触パターン配線3b4は不要となる。また、裏面電極3b2は、図1に示す導電性部材23、又は図2に示す異方性導電シート6における非接触パターン3b用の導通部61bと接触する。
【0087】
なお、第2変形例においては、非接触パターン3bに容量性結合を用いる場合には、ウェーハ上のキャパシタとの距離が薄膜基板3の膜厚の分だけ大きくなるため、結合容量が小さくなることが懸念される。従って、薄膜基板3は誘電率が大きく、膜厚が小さい薄膜基材を用いることが好ましい。なお、貫通孔3b1を形成するには、薄膜基材をバンプ電極3の裏面側から、化学的なエッチングを行うか、又はレーザ光を含む機械的物理的な方法により加工すればよい。
【0088】
図6及び図7を用いて説明した変形例のさらに効果的な形態として、非接触パターン3bの裏面電極3b2と接続される異方性導電シート6における非接触パターン用の導通部61bは、該シートの主面から突起していることが好ましい。さらには、この突起部分はバンプ裏面電極3a2と接続される部分の突起面積よりも小さいことが好ましい。このようにすると、低い荷重で非接触パターン3bとの導通を実現することができる。
【0089】
(半導体ウェーハの第1の検査方法)
以下、第1〜第3の実施形態及びその変形例に係るプローブカードを用いた半導体ウェーハの第1の検査方法について図8を参照しながら説明する。
【0090】
図8に示すように、工程S01において、ウェーハ載置台(ウェーハチャック)の上に、それぞれが検査対象の半導体集積回路を含む複数の半導体チップが形成されたウェーハ4をロードする。
【0091】
これと並行して、工程S02において、配線基板2と薄膜基板3との間で第1の密閉空間5を形成して保持されたプローブカード1を用意する。
【0092】
次に、工程S03において、ウェーハ4における各半導体チップのパッド電極4a及び非接触パッド4bと、第1の密閉空間5が形成されたプローブカード1のバンプ電極3a及び非接触パターン3bとを位置合わせ(アライメント)する。その後、互いに近接させて、プローブカード1と半導体ウェーハ4とを密着する。このとき、ウェーハ載置台におけるウェーハ4の周囲に設けられたシールリングが、プローブカード1と接触することにより、ウェーハ4(ウェーハ載置台)とプローブカード1との間に第2の密閉空間51が形成される。
【0093】
次に、工程S04において、第1の密閉空間5の圧力(内圧)が第2の密閉空間51の圧力(内圧)よりも常に1kPaから30kPa程度高い状態の差圧を維持しながら、該第2の密閉空間51の圧力を減圧する。第2の密閉空間51の減圧が完了すると、薄膜基板3のバンプ電極3aは、ウェーハ4のパッド電極4aと接触して電気的導通を得ると共に、薄膜基板3の非接触パターン3bは、非接触パッド4bと近接して非接触結合を形成する。
【0094】
このようにして、互いにアライメントされて接触されたプローブカード1とウェーハ4とは、該プローブカード1上に設けられた検査機能を有するテスタチップ、非接触信号を送受信するプローブチップ、又はプローブカード1の外部に置かれたテスタと接続されて所望の検査が行われる。
【0095】
このとき、薄膜基板3のバンプ電極3aは、外界の圧力(通常は大気圧)と第2の密閉空間51との圧力差と、外界の圧力(通常は大気圧)と第1の密閉空間5の圧力差との間の圧力差によって、ウェーハ4のパッド電極4aに押圧されることになる。さらに、薄膜基板3の非接触パターン3bは、ウェーハ4上の第2の密閉空間51の圧力とプローブカード1内の第1の密閉空間5の圧力のと差によって、ウェーハ4に近接する。
【0096】
このように、第1の検査方法においては、第1の密閉空間1と第2の密閉空間2との間に常に差圧を付与しながら第2の密閉空間51の減圧を行うため、減圧完了時には非接触パターン3bもウェーハ4の非接触パッド4bと近接している。従って、この後、直ちに所定の検査を始めることが可能となる。
【0097】
(半導体ウェーハの第2の検査方法)
以下、第1〜第3の実施形態及びその変形例に係るプローブカードを用いた半導体ウェーハの第2の検査方法について図8を参照しながら説明する。
【0098】
図7に示した第1の検査方法と異なる工程のみを説明する。
【0099】
まず、工程S03において、第1の検査方法と同様に、ウェーハ4とプローブカード1との間にアライメントが完了した第2の密閉空間51を形成する。
【0100】
続いて、工程S14において、第1の密閉空間5の圧力が第2の密閉空間51の圧力と常に等しくなるように圧力を維持しながら第2の密閉空間51の圧力を減圧する。これにより、薄膜基板3のバンプ電極3aは、ウェーハ4のパッド電極4aと接触して電気的導通を得る。
【0101】
次に、工程S15において、第1の密閉空間5及び第2の密閉空間51の減圧が完了した後、第1の密閉空間5の圧力が第2の密閉空間51の圧力よりも1kPaから30kPa程度高い状態となるよう第1の密閉空間5に差圧を付与する。この差圧により、薄膜基板3の非接触パターン3bはウェーハ4の非接触パッド4bと近接して、非接触結合を形成する。
【0102】
このように、第2の検査方法においても、互いにアライメントされて接触されたプローブカード1とウェーハ4とは、該プローブカード1上に設けられた検査機能を有するテスタチップ、非接触信号を送受信するプローブチップ、又はプローブカード1の外部に置かれたテスタと接続されて所望の検査が行われる。
【0103】
さらに、第2の検査方法においては、バンプ電極3aのパッド電極4aとの押圧が完了した後に、非接触パターン3bと非接触パッド4bとが互いに近接するため、アライメントの精度を非常に高く維持することが可能となる。
【0104】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係るプローブカードであって、第3の実施形態で用いたピッチ変換基板の一例を図10に基づいて説明する。ここでは、ピッチ変換電極71a及び裏面電極71bは省略している。
【0105】
図3に示した第3の実施形態で説明したように、プローブチップを配線基板に形成し、ピッチ変換基板7を用いて、半導体ウェーハ(半導体チップ)の品種切り替えを行う際に高価なプローブチップを実装した配線基板2を再利用することは、コスト的にメリットが大きい。しかしながら、ピッチ変換基板7は、第1の異方性導電シート6及び第2の異方性導電シート8によって押圧されるため、ある程度の剛性を有する必要がある。このため、通常は1mm程度の厚さが必要である。一方、誘導性結合は、それを構成するインダクタコイルの直径程度以上に離れると、相互インダクタンスが急速に小さくなる。ウェーハ4との間の誘導性結合には10μmから200μm程度のコイルを用いると想定される。この程度の大きさのコイルでは、厚さが1mm程度のピッチ変換基板7を超えて、通信用のプローブチップと結合させることは極めて困難である。
【0106】
そこで、本実施形態においては、図10(a)に示すように、ピッチ変換基板7におけるウェーハ側と配線基板側との双方に第1のインダクタ75a及び第2のインダクタ75bを形成し、これらを相互結合することにより、両インダクタ75a、75bの間を一旦、電気信号により接続することが好ましい。
【0107】
この場合、図10(b)に示すように、両インダクタ75a、75bにおけるコイルの巻き方向は、電流が互いに逆方向に流れるように巻かれていることがより好ましい。このようにすると、第1のインダクタ75aで誘起された電流が作る磁界の向きがウェーハの非接触パッド4bが作る磁界の向きと同一となるため、互いに打ち消す現象を防ぐことができる。これは、プローブチップ側から磁界変化を与えてウェーハ側に信号を送る際も同様である。
【0108】
(第4の実施形態の第1変形例)
以下、本発明の第4の実施形態に係るプローブカードであって、ピッチ変換基板の第1変形例を図11に基づいて説明する。ここでも、ピッチ変換電極71a及び裏面電極71bは省略している。
【0109】
図11に示すように、第1変形例においては、ピッチ変換基板7の両面に設けられた第1のインダクタ75aと第2のインダクタ75bとは、同軸上に形成されていない。すなわち、第1のインダクタ75aと第2のインダクタ75bとの互いの中心位置が異なるように配置されている。
【0110】
このようにすると、ウェーハ4と対向する第1のインダクタ75aは、ウェーハ4における誘導性の非接触パッド4bと対向する位置に配置でき、また、配線基板と対向する第2のインダクタ75bは、配線基板におけるプローブチップと対向する位置に配置でき、いずれも適当な位置に配置することができる。
【0111】
なお、第1変形例における第1のインダクタ75a及び第2のインダクタ75bの接続時の電流の向きは、ウェーハ4に形成された非接触パッド4bと配線基板に実装されたプローブチップ(図示せず)の非接触パターンとの位置関係に応じてそれぞれが作る磁場の関係に基づいて適宜決定すればよい。
【0112】
(第4の実施形態の第2変形例)
以下、本発明の第4の実施形態に係るプローブカードであって、ピッチ変換基板の第2変形例を図12に基づいて説明する。ここでも、ピッチ変換電極71a及び裏面電極71bは省略している。
【0113】
図12に示すように、第2変形例においては、ピッチ変換基板7の内部に主面に対して平行に磁性体層76が設けられている。磁性体層76は磁場を遮蔽する効果があり、ピッチ変換基板7の両面に設けられた非接触通信用の第1のインダクタ75a及び第2のインダクタ75bが、それぞれが対向する面側のウェーハ4又は配線基板上のプローブチップにおける非接触通信用の電極パターンが作る磁場の影響を遮蔽することが可能となる。ここで、磁性体層76の一例として、インバー合金(ニッケルを36%程度含む鉄合金)を用いることができる。
【0114】
第2変形例によると、非接触パッド4bの配置を全く考慮することなく、任意の位置にピッチ変換基板7の第1のインダクタ75a及び第2のインダクタ75bを配置し、且つ相互接続することが可能となる。また、この際、相互接続の向きも考慮する必要はほとんどなく、設計の自由度を大幅に向上することができる。
【0115】
なお、磁性体層76は、ピッチ変換基板7の内部の全面に設ける必要はなく、ピッチ変換基板7の両面に設けられた各インダクタ75a、75bの平面積以上の領域を覆っていればよい。従って、磁性体の価格、磁性体の熱膨張率係数及び磁性体が導電性であることによる表裏導通のための貫通孔の形成等の制約により、ピッチ変換基板7の一部だけに形成してもその効果を得ることができる。
【0116】
また、磁性体層76に用いる磁性体は、透磁率が大きく残留磁場が小さい軟磁性体であることが好ましい。このようにすると、高周波通信時のエネルギー損失をも抑えることができる。
【0117】
(第4の実施形態の第3変形例)
以下、本発明の第4の実施形態に係るプローブカードであって、配線基板及びピッチ変換基板の第3変形例を図13に基づいて説明する。ここでは、配線基板2における電極21a、21b及び配線22、ピッチ変換基板7におけるピッチ変換電極71a及び裏面電極71b、並びにピッチ変換基板7と配線基板2とを電気的に接続する第2の異方性導電シート8は省略している。
【0118】
図13に示すように、第3変形例に係るピッチ変換基板7には、該ピッチ変換基板7を貫通する方向に、磁場を誘導するための磁性体からなるビア77が埋め込まれている。このようにすると、配線基板2に設けられたプローブチップ25とウェーハ4とに形成されたそれぞれ誘導性結合を得るための非接触パターン同士の間の磁場結合が、距離が大きくなることにより低下することを抑えることができる。
【0119】
この磁場結合の低下を抑える効果をより高めるには、磁性体からなるビア77は、プローブカード1を構成するうちの支障がない範囲において、ピッチ変換基板7の表面から突出していることが好ましい。このようにすると、ビア77が、ウェーハ4における非接触パッド4b及び配線基板2におけるプローブチップ25の非接触パターンとのそれぞれの近接が容易となる。
【0120】
また、磁性体としては、高周波通信を可能とするため、残留磁場が小さい軟磁性体を用いることが好ましい。
【0121】
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態に係るプローブカードであって、薄膜基板の一例を図14に基づいて説明する。
【0122】
図14(a)に示すように、比較用の薄膜基板3であって、薄膜基板3の上面(配線基板側)には、それぞれインダクタからなる2つの非接触パターン3bが形成され、そのうちの一方の非接触パターン3bには、薄膜基材を貫通する、磁性体からなるバンプ電極31が形成されている。
【0123】
図14(b)に示すように、薄膜基板3とウェーハ4との間が空気の場合は、ウェーハ4に設けられた誘導性の非接触パッド4bに、信号によって発生した磁束は、ウェーハ4の表面から離れるに従って広がり、薄膜基板3に設けられた非接触パターン3bの内部を通過する磁束はウェーハ4との距離が大きくなるに従って少なくなる。
【0124】
しかしながら、第5の実施形態のように、例えばニッケル等の磁性体からなるバンプ電極31を非接触パッド4bの軸上に配置することにより、磁場は磁性体からなるバンプ電極31の内部を通過して磁束の広がりが抑えられるため、誘導性結合を高めることができる。これにより、ウェーハ4からの微弱な信号を検出して所望の通信を行うことが可能となる。
【0125】
(第6の実施形態)
以下、本発明の第6の実施形態に係るプローブカードであって、配線基板及び薄膜基板の一例を図15に基づいて説明する。
【0126】
本発明に係るプローブカード1は、図1に示すように、配線基板2及び薄膜基板3からなり、配線基板2における薄膜基板3と対向する面上に、電極21a、21bが形成されている。
【0127】
第6の実施形態においては、配線基板2に実装される能動素子(チップ)を説明する。図15に示すように、配線基板2におけるウェーハ4と対向する面には、プローブチップ25が実装されている。また、配線基板2におけるウェーハ4と反対側の面上には、テスターチップ26が実装されている。さらには、図示はしていないが、配線基板2のウェーハ4と対向する面上に、電源用のDC/DCコンバータ、抵抗器及びキャパシタ等の受動素子が搭載されていてもよい。
【0128】
薄膜基板3に形成された、例えばインダクタからなる非接触パターン3bと対向するプローブチップ25は、ウェーハ4と非接触通信を行うためのドライバ回路又はウェーハ4から非接触で得られた信号のセンス、増幅及び波形整形等を行う回路が形成されている。プローブチップ25は、1つのチップからなり、ウェーハ4上の半導体チップの1つと1本又は複数の信号線で繋がれていてもよい。また、1つのチップで複数の半導体チップと同時に通信する構成であってもよい。さらには、複数のプローブチップ25が1つの半導体チップと通信する構成も可能である。また、プローブチップ25は、非接触通信用に限られず、接触用の信号のドライバ回路を備えてもよい。さらには、コンパレータを備え、得られたウェーハ4からの信号をプローブチップ25において比較検査を行うことも可能である。
【0129】
テスターチップ26は、プローブチップ25との信号の授受を行う。1つのテスターチップ26は1つのプローブチップ25と接続されていてもよく、また、1つのテスターチップ26が複数のプローブチップ25を制御し、信号の授受を行ってもよい。また、テスターチップ26は、1つの配線基板2に設けられたDC/DCコンバータの電圧制御及び管理を行ってもよい。また、1つのプローブカード1に複数のテスターチップ26を搭載する場合は、これらの複数のテスターチップ26が同時に動作を行うために、相互に接続されてネットワークを構成していることが好ましい。
【0130】
このように、第6の実施形態においては、プローブチップ25が、配線基板2のウェーハ4と対向する面に配置されることにより、配線基板2の複雑な内層を通過することなく、薄膜基板3の非接触パターン3bと接続することが可能となる。このため、クロストーク等のノイズの影響を受けるおそれを大幅に削減することができる。特に、非接触通信に容量性結合を用いる場合には、寄生容量成分を大幅に減らすことができるため、信号品質が高い非接触結合を実現できる。
【0131】
また、プローブチップ25をもっぱら検査を行うテスターチップ26と分離することにより、プローブカード1の裏面(ウェーハ4と反対側の面)の実装面積を有効に活用することができる。
【0132】
また、プローブチップ25の機能を主に信号の送受信に限定することにより、該プローブチップ25の消費電流を抑えることができる。このため、特段の放熱対策を講じる必要がなくなるので、プローブカード1の内面に実装することが可能となる。
【0133】
(第6の実施形態の第1変形例)
以下、本発明の第6の実施形態に係るプローブカードであって、配線基板の第1変形例を図16に基づいて説明する。ここでは、配線基板2のみを図示している。
【0134】
図16に示すように、第1変形例に係る配線基板2は、プローブチップ25が配線基板2におけるウェーハと対向する面に設けられた凹部(窪み)27に実装されていることを特徴とする。
【0135】
プローブチップ25は、配線基板2に実装された状態では配線基板2のウェーハ側の面から突出していないことが好ましい。従って、第1変形例においては、配線基板2のウェーハ側の面に形成された凹部27にプローブチップ25を実装することにより、配線基板2のウェーハ側の面にプローブチップ25を実装したことに伴う突起部分をなくすことができる。このため、第1〜第3の各実施形態を実現する際の、配線基板2に設ける電極21aの厚さ、第1の異方性導電シート6及び第2の異方性導電シート等の厚さの問題、並びに配線基板2に対して均一加圧を行う上での面内の均一性の懸念を小さくすることができる。
【0136】
(第6の実施形態の第2変形例)
以下、本発明の第6の実施形態に係るプローブカードであって、配線基板の第2変形例を図17に基づいて説明する。ここでも、配線基板2のみを図示している。
【0137】
図17に示すように、第2変形例に係る配線基板2は、プローブチップ25が配線基板2の内部に実装されていることを特徴とする。
【0138】
図15により第6の実施形態で説明したように、プローブチップ25の実装位置はできるだけウェーハ側に近い位置に配置されることが好ましい。しかしながら、プローブカード1においては、配線基板2の裏面の実装面積が限られているという観点からは、必ずしもウェーハ側に近い位置に配置される必要はない。
【0139】
なお、配線基板2の内部には、他の機能素子、並びにキャパシタ、インダクタ及び抵抗器等の受動素子も埋め込まれていてもよい。
【0140】
このように、第2変形例においては、配線基板2に実装されるプローブチップ25を該配線基板2の内部に埋め込んだことにより、配線基板2のウェーハ側の面にプローブチップ25の実装に伴う突起をなくすことができる。このため、第1〜第3の各実施形態を実現する際の、配線基板2に設ける電極21aの厚さ、第1の異方性導電シート6及び第2の異方性導電シート等の厚さの問題、並びに配線基板2に対して均一加圧を行う上での面内の均一性の懸念を小さくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明に係るプローブカード及びそれを用いた半導体ウェーハの検査方法は、半導体ウェーハに対して非接触状態の容量性結合又は誘導性結合により信号の授受を行う際に、これらの電磁的結合がより大きくなるため、信号の授受を安定して行えるようになる。また、例えば、バーンインスクリーニングにも使用できるため、品質の確保も可能となり、SiP(System in Package)又は三次元実装等の複数の半導体チップを1つのパッケージに組み込んだ高密度実装を行うために不可欠なKGD(Known Good Die)等にも有用である。
【符号の説明】
【0142】
1 プローブカード
2 配線基板
21a 電極(第2の電極)
21b 電極
22 配線
23 導電部材
24 貫通孔
24a 配管
25 プローブチップ
26 テスターチップ
27 凹部
3 薄膜基板
3a バンプ電極(突起電極)
3a1 貫通孔
3a2 バンプ裏面電極(第1の電極)
3b 非接触パターン
3b1 貫通孔
3b2 裏面電極(薄膜裏面電極)
3b3 表面電極
3b4 非接触パターン配線
31 バンプ電極
4 ウェーハ
4a パッド電極
4b 非接触パッド
5 第1の密閉空間
51 第2の密閉空間
6 (第1の)異方性導電シート
61a 導通部
61b 導通部
62 フレーム
7 ピッチ変換基板
71a ピッチ変換電極
71b 裏面電極
72 内部配線
74 貫通孔
75a 第1のインダクタ
75b 第2のインダクタ
76 磁性体層
77 ビア
8 第2の異方性導電シート
81a 導通部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の半導体チップをウェーハ状態で一括に検査するプローブカード及びそれを用いた半導体ウェーハの検査方法に関し、特に、誘導結合又は容量結合等の非接触結合による信号の授受により検査を行うプローブカード及びそれを用いた半導体ウェーハの検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路は、製造時には、半導体ウェーハ上に拡散プロセスを経て、複数個の半導体集積デバイス(チップ)が同時に形成される。しかしながら、製造工程においてはダスト等の種々の要因により、同時に製造された複数のチップの全てを良品とすることは通常困難である。このため、製造されたチップは、個々に良品か否かを検査する必要がある。この検査には、実際にデバイスを動作させて不良を取り除く検査と、市場で一定期間使用された際にも、デバイスの信頼性に問題がないかを確認するバーンイン選別の大きく2種類の選別がある。
【0003】
また、近年、注目されている技術である、複数のチップを1つのパッケージに実装したり、3次元的に積み上げて相互のチップを接続して実装密度を高めたデバイスを製造したりするには、個々のチップが予め良品であることを確かめる必要がある。そうしないと、複数のチップを集積して得られた製品は、各チップの良品率の積でトータルの良品率が決まるため、より多くのチップを集積すればするほど、その良品率が低下してしまうからである。
【0004】
このため、個々のチップが実装される前に、ウェーハ状態でこれらの検査及び選別を行う必要があり、その方法として下記の特許文献4に開示されているようなウェーハ一括コンタクトを行うプローブカードを用い、また、下記の特許文献3に開示されているような方法で、このプローブカードを半導体ウェーハと接触させて検査及びバーンインを行うことができる。また、その際、検査温度の変化に追従し、ウェーハと同等の熱膨張量にコントロールされたバンプ付薄膜基板を用いたプローブカードの構造が下記の特許文献4に開示されている。
【0005】
ところで、チップの各パッド電極に対して電気的な接続を取るには、特許文献3の方法を用いたとしても、加重値の制限から接触できる端子の数に制限がある。このため、トータル加重値の制限を受けない容量性結合又は誘導性結合を用いて、非接触状態で信号の授受を行う方法が下記の特許文献1、特許文献2、非特許文献1及び非特許文献2等に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−85720号公報
【特許文献2】国際公開第2006/069309号パンフレット
【特許文献3】特開平8−005666号公報
【特許文献4】特開平7−231019号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Y. Yoshida, K. Nose, Y. Nakagawa, K. Noguchi, Y. Morita, M. Tago, T. Kuroda, and M. Mizuno, “Wireless DC Voltage Transmission Using Inductive-Coupling Channel for Highly-Parallel Wafer-Level Testing,”IEEE International Solid-State Circuits Conference (ISSCC'09), Dig. Tech. Papers, pp.470-472, Feb. 2009.
【非特許文献2】S. Kawai, H. Ishikuro and T. Kuroda, "A 4.7 Gb/s Inductive Coupling Interposer with Dual Mode Modem," IEEE Symposium on VLSI Circuits, Dig. Tech. Papers, pp. 92-93, Jun. 2009.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の非接触状態で信号の授受を行う構成においては、容量性結合を用いる場合は、その結合パッドの距離に反比例して信号強度が減衰する。また、誘導性結合を用いる場合は、そのインダクタ径と同等程度の距離以上離れると、信号強度が顕著に減衰すると共に、隣接する電極からの信号同士が混信を起こす等の問題がある。
【0009】
従って、非接触型のプロープカード等を用いて通信を行う際には、非接触プローブをできるだけ被検査チップに近接させる必要がある。
【0010】
本発明の目的は、前記従来の問題に鑑み、半導体ウェーハに対して非接触状態の容量性結合又は誘導性結合により信号の授受を行う際に、これらの電磁的結合をより大きくして、信号の授受を安定して行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するため、本発明は、プロープカードを、配線基板とバンプ電極等を有する薄膜基板とによって大気圧より減圧された第1の密閉空間を形成し、薄膜基板と検査対象の半導体ウェーハとによって大気圧より減圧された第2の密閉空間を形成し、第1の密閉空間の圧力を第2の密閉空間の圧力よりも高くする構成とする。
【0012】
具体的に、本発明に係るプローブカードは、半導体ウェーハ上に形成され、それぞれが複数のパッド電極を有する複数の半導体チップを一括に検査するプローブカードであって、半導体ウェーハと対向する第1の面上で、且つ各パッド電極と対向する位置に設けられた複数の突起電極及び容量性結合又は誘導性結合によりパッド電極と電気的に接続される非接触電極、並びに第1の面の反対側の面である第2の面上に設けられ各突起電極及び非接触電極と電気的に接続された複数の第1の電極とを有する薄膜基板と、薄膜基板における半導体ウェーハの反対側に配置され、第1の電極と対向する位置に設けられた複数の第2の電極を有する配線基板とを備え、配線基板と薄膜基板とは第1の密閉空間を形成し、且つ薄膜基板と半導体ウェーハとは第2の密閉空間を形成し、第1の密閉空間及び第2の密閉空間が減圧されることにより、第1の電極と第2の電極とが密着されると共にパッド電極と突起電極とが密着され、第1の密閉空間及び第2の密閉空間はそれぞれの圧力が独立して調整できることを特徴とする。
【0013】
本発明のプローブカードによると、配線基板と薄膜基板とは第1の密閉空間を形成し、且つ薄膜基板と半導体ウェーハとは第2の密閉空間を形成し、第1の密閉空間及び第2の密閉空間が減圧されることにより、第1の電極と第2の電極とが密着されると共にパッド電極と突起電極とが密着され、第1の密閉空間及び第2の密閉空間はそれぞれの圧力が独立して調整できる。これにより、第1の密閉空間の圧力を第2の密閉空間の圧力よりも高く設定することにより、第1の密閉空間と第2の密閉空間との双方に接する薄膜基板は、半導体ウェーハ側に膨らむことになる。その結果、薄膜基板に設けられた非接触電極は、半導体チップに形成されたパッド電極とより近接するようになるため、非接触である電磁的結合が大きくなって信号の授受を安定して行えるようになる。
【0014】
本発明のプローブカードにおいて、第1の密閉空間は、第2の密閉空間の圧力よりも高く設定されることが好ましい。
【0015】
本発明のプローブカードにおいて、配線基板と薄膜基板との間に設けられ、第1の電極と第2の電極との間で互いの圧着方向に導通する弾性体からなる異方性導電シートをさらに備えていてもよい。
【0016】
このようにすると、半導体ウェーハに形成された各パッド電極の高さが一様でない場合であっても、パッド電極と突起電極との接触をより確実に行うことができる。
【0017】
本発明のプローブカードは、配線基板と薄膜基板との間に設けられ、配線基板と薄膜基板との互いの圧着方向に導通する弾性体からなる第1の異方性導電シートと、配線基板と第1の異方性導電シートとの間に設けられ、薄膜基板と対向する側に第1の電極と対向する電極を有し、且つ配線基板と対向する側に第2の電極と対向する電極を有するピッチ変換基板と、配線基板とピッチ変換基板との間に設けられ、配線基板とピッチ変換基板との互いの圧着方向に導通する弾性体からなる第2の異方性導電シートとをさらに備えていてもよい。
【0018】
このようにすると、検査対象である半導体ウェーハの品種が異なる場合であっても、ピッチ変換基板と第2の異方性導電シートと薄膜基板とを新たな品種に合わせれば良く、本発明のプローブカード(特に配線基板)の汎用性を高めることができる。
【0019】
本発明のプローブカードにおいて、非接触電極は、薄膜基板の第1の面に形成されており、薄膜基板の第2の面上には、非接触電極と電気的に接続される薄膜裏面電極が形成されており、薄膜裏面電極は、非接触電極に対して、薄膜基板の膜厚の10倍以上離れた位置に形成されていてもよい。
【0020】
このようにすると、薄膜基板における非接触電極の周辺領域が十分に伸びることができるため、非接触電極の半導体ウェーハとの距離を確実に小さくすることができる。
【0021】
この場合に、薄膜裏面電極の面積は、突起電極と接続された第1の電極の面積よりも小さくてもよい。
【0022】
このようにすると、非接触電極の半導体ウェーハとの接触圧力を抑制できるため、薄膜基板に形成された突起電極と半導体チップに形成されたパッド電極との接触圧力を高めることができる。
【0023】
また、本発明のプローブカードにおいて、非接触電極は、薄膜基板の第1の面又は第2の面上で、且つ複数の第1の電極のうちの最も近い第1の電極に対して、薄膜基板の膜厚の10倍以上離れた位置に形成されており、薄膜基板の第2の面上には、非接触電極と直接に接続される薄膜裏面電極が形成されていてもよい。
【0024】
このようにしても、薄膜基板における非接触電極の周辺領域が十分に伸びるため、非接触電極の半導体ウェーハとの距離を確実に小さくすることができる。
【0025】
この場合に、本発明のプローブカードは、配線基板と薄膜基板との間に設けられ、第1の電極及び薄膜裏面電極と第2の電極との間で互いの圧着方向に導通する弾性体からなる異方性導電シートをさらに備え、異方性導電シートにおける薄膜裏面電極との接触面積は、異方性導電シートにおける突起電極と接続された第1の電極との接触面積よりも小さくてもよい。
【0026】
本発明のプローブカードは、ピッチ変換基板を備えている場合に、非接触電極はプロービング用インダクタであり、且つ各半導体チップは送受信用インダクタを有しており、ピッチ変換基板は、半導体ウェーハ側に形成された第1のインダクタと、配線基板側に形成され且つ第1のインダクタと電気的に接続された第2のインダクタとを有し、第1のインダクタは、送受信用インダクタと対向する位置に設けられ、第2のインダクタは、プロービング用インダクタと対向する位置に設けられていてもよい。
【0027】
このようにすると、ピッチ変換基板を備えている場合であっても、半導体チップと配線基板との信号の授受を確実に行うことができる。
【0028】
この場合に、第1のインダクタと第2のインダクタとは、互いの電流の向きが逆方向となるように接続されていてもよい。
【0029】
また、この場合に、第1のインダクタと第2のインダクタとは、ピッチ変換基板の表裏方向において、互いの中心位置が異なるように配置されていてもよい。
【0030】
また、この場合に、ピッチ変換基板は、少なくとも送受信用インダクタと対向する領域に磁性体層を含んでいてもよい。
【0031】
このようにすると、隣接する他のインダクタからの信号の混信を防止することができる。
【0032】
本発明のプローブカードは、ピッチ変換基板を備えている場合に、非接触電極はプロービング用インダクタであり、且つ各半導体チップは送受信用インダクタを有し、プロービング用インダクタと送受信用インダクタとは互いに対向しており、ピッチ変換基板には、送受信用インダクタとプロービング用インダクタとの間に、ピッチ変換基板を貫通する方向に、磁性体からなるビアが形成されていてもよい。
【0033】
このようにすると、磁場の拡散を防止できるため、プロービング用インダクタに効率良く磁束を導いて電磁的結合を強められるので、安定した検査を行うことができる。
【0034】
また、本発明のプローブカードにおいて、非接触電極はプロービング用インダクタであり、且つ各半導体チップは送受信用インダクタを有し、プロービング用インダクタと送受信用インダクタとは互いに対向しており、薄膜基板における第1の面上には、プロービング用インダクタの形成領域を貫通するように、磁性体からなるバンプ電極が形成されていてもよい。
【0035】
このようにしても、磁場の拡散を防止できるため、プロービング用インダクタに効率良く磁束を導いて電磁的結合を強められるので、安定した検査を行うことができる。
【0036】
本発明のプローブカードは、配線基板における薄膜基板と対向する領域に形成され、非接触電極を介して各半導体チップとの間で通信を行うプローブチップをさらに備えていてもよい。
【0037】
このようにすると、特に容量性結合の際に問題となる寄生容量を小さく抑えることができるため、薄膜基板の非接触電極からの信号を確実に送受信できる。
【0038】
この場合に、プローブチップは、薄膜基板と対向する領域に形成された凹部に配置されていてもよい。
【0039】
また、この場合に、プローブチップは、薄膜基板と対向する領域の内部に埋め込まれて配置されていてもよい。
【0040】
本発明に係るプローブカードを用いた第1の半導体ウェーハの検査方法は、配線基板と薄膜基板との間で第1の密閉空間を形成して保持されたプローブカードを用意する工程と、ウェーハ載置台の上に、検査対象となる半導体ウェーハを載置する工程と、半導体ウェーハにおける各半導体チップのパッド電極と、第1の密閉空間が形成されたプローブカードの突起電極とを位置合わせする工程と、位置合わせされた状態で、プローブカードとウェーハ載置台との間で減圧して、第2の密閉空間を形成する工程とを備え、第2の密閉空間を形成する工程において、第2の密閉空間は、第1の密閉空間が第2の密閉空間の圧力よりも高くなるように維持しながら減圧することを特徴とする。
【0041】
第1の半導体ウェーハの検査方法によると、第1の密閉空間が形成された配線基板及び薄膜基板を、ウェーハ載置台(ウェーハチャック)に載置された半導体ウェーハとの間で位置合わせした後に第2の密閉空間を形成する。さらに、第2の密閉空間を形成する工程において、第2の密閉空間を、第1の密閉空間が第2の密閉空間の圧力よりも高くなるように維持しながら減圧することにより、第1の密閉空間と第2の密閉空間との双方に接する薄膜基板は、半導体ウェーハ側に膨らむことになる。その結果、薄膜基板に設けられた非接触電極は、半導体チップに形成されたパッド電極とより近接するようになるため、非接触である電磁的結合が大きくなって信号の授受を安定して行えるようになる。
【0042】
本発明に係るプローブカードを用いた第2の半導体ウェーハの検査方法は、配線基板と前記薄膜基板との間で前記第1の密閉空間を形成して保持されたプローブカードを用意する工程と、ウェーハ載置台の上に、検査対象となる半導体ウェーハを載置する工程と、半導体ウェーハにおける各半導体チップのパッド電極と、第1の密閉空間が形成されたプローブカードの突起電極とを位置合わせする工程と、位置合わせされた状態で、プローブカードとウェーハ載置台との間で減圧して、第2の密閉空間を形成する工程とを備え、第2の密閉空間を形成する工程において、第2の密閉空間は、第1の密閉空間の圧力と同一にしながら減圧し、その後、第1の密閉空間の圧力を、第2の密閉空間の圧力よりも高くなるように加圧する工程を備えていることを特徴とする。
【0043】
第2の半導体ウェーハの検査方法によると、第1の半導体ウェーハの検査方法と同様の効果を得られる上に、第2の密閉空間を減圧する際に第1の密閉空間の圧力と同一にしながら減圧するため、薄膜基板の伸びを抑制できるので、突起電極及び非接触電極とパッド電極との位置ずれを防止することができる。
【0044】
第1及び第2の半導体ウェーハの検査方法において、第1の密閉空間と第2の密閉空間との圧力の差は1kPaから30kPaであることが好ましい。
【発明の効果】
【0045】
本発明に係るプローブカード及びそれを用いた半導体ウェーハの検査方法によると、半導体ウェーハに対して非接触状態の容量性結合又は誘導性結合により信号の授受を行う際に、これらの電磁的結合がより大きくなるため、信号の授受を安定して行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る薄膜基板と配線基板とからなるプローブカードを示す部分的な模式断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る薄膜基板と異方性導電シートと配線基板とからなるプローブカードを示す部分的な模式断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る薄膜基板、異方性導電シート、ピッチ変換基板及び配線基板とからなるプローブカードを示す部分的な模式断面図である。
【図4】(a)及び(b)は本発明の各実施形態に係るプローブカードに用いる薄膜基板の非接触パターンの一例であって、(a)は部分的な模式平面図であり、(b)は部分的な模式断面図である。
【図5】本発明に係るプローブカードに用いる薄膜配板の膜厚ごとの圧力によるたわみ具合の計算結果を示すグラフである。
【図6】(a)及び(b)は本発明の各実施形態に係るプローブカードに用いる薄膜基板の非接触パターンの第1変形例であって、(a)は部分的な模式平面図であり、(b)は部分的な模式断面図である。
【図7】(a)及び(b)は本発明の各実施形態に係るプローブカードに用いる薄膜基板の非接触パターンの第2変形例であって、(a)は部分的な模式平面図であり、(b)は部分的な模式断面図である。
【図8】本発明の各実施形態に係るプローブカードを用いた半導体ウェーハの第1の検査方法を示すフロー図である。
【図9】本発明の各実施形態に係るプローブカードを用いた半導体ウェーハの第2の検査方法を示すフロー図である。
【図10】(a)は本発明の第4の実施形態に係るプローブカードであって、ピッチ変換基板の一例を示す模式的な斜視図である。(b)はインダクタ同士の結線方向を説明する図である。
【図11】は本発明の第4の実施形態に係るプローブカードであって、ピッチ変換基板の第1変形例を示す模式的な斜視図である。
【図12】は本発明の第4の実施形態に係るプローブカードであって、ピッチ変換基板の第2変形例を示す模式的な斜視図である。
【図13】は本発明の第4の実施形態に係るプローブカードであって、ピッチ変換基板の第3変形例を示す模式的な斜視図である。
【図14】(a)は本発明の第5の実施形態に係るプローブカードであって、薄膜基板の一例を示す模式的な断面図である。(b)は(a)の拡大断面図である。
【図15】本発明の第6の実施形態に係るプローブカードであって、配線基板及び薄膜基板の一例を示す模式的な斜視図である。
【図16】本発明の第6の実施形態に係るプローブカードであって、配線基板の第1変形例を示す模式的な斜視図である。
【図17】本発明の第6の実施形態に係るプローブカードであって、配線基板の第2変形例を示す模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るプローブカードについて図1を参照しながら説明する。
【0048】
図1に示すように、第1の実施形態に係るプローブカード1は、配線基板2及び薄膜基板3により構成されている。配線基板2における薄膜基板3と対向する面には、電極21a及び電極21bが形成されている。電極21aは、検査対象であるウェーハ4に対して電力を主に供給し、電極21bは、ウェーハ4に対する検査信号の授受を行う。ここで、電極21aはめっき等によって、電極21bよりも厚くなるように形成されていることが好ましい。
【0049】
薄膜基板3は、例えばポリイミドからなる薄膜と銅薄との2層基材、又は銅薄を接着剤によって張り合わせた3層基材を用いて製作される。ポリイミド側の面からレーザ光等を照射して銅薄を露出する貫通孔を形成する。さらに、電界めっき法又は無電解めっき法等により、貫通孔を通して例えばニッケル又は銅若しくはその合金からなるバンプ電極3aを形成して作製する。薄膜基板3における各バンプ電極3aの裏側部分には、各バンプ電極3aと電気的に接続されるバンプ裏面電極3a2がそれぞれ形成されている。
【0050】
薄膜基板3に設ける容量性結合又は誘導性結合を得るための非接触パターン3bは、薄膜基板3自体の銅薄をエッチングして形成してもよい。また、銅箔における非接触パターン3bの形成領域を一旦除去した後に、再度スパッタ法等により薄膜金属層を形成し、その後、形成した薄膜金属層をエッチングして形成してもよい。スパッタ法等により薄膜金属層を形成すると、金属層をより薄く形成できるため、微細加工が可能になる等のメリットがある。また、薄膜金属層の場合は、レーザ光等による加工でさらに微細なパターンを形成することも可能となるため、誘導性結合パターンを形成するインダクタ(コイル)等を形成する際に適している。
【0051】
バンプ電極3aは、配線基板2の電極21aとウェーハ4の検査用のパッド電極4aとにそれぞれ対向する位置に設けられる。また、非接触パターン3bは、配線基板2の電極21bとウェーハ4の検査用の非接触パッド4bとにそれぞれ対向する位置に設けられる。さらに、非接触パターン3bは、柔軟性又は弾性を有する導電性部材23により配線基板2の電極21bと接続されている。弾性を有する導電性部材23には、図示したような、例えばリング状で中空の金属部材により構成してもよく、また、シリコーンゴムに導電粒子又は導電性ワイヤを混入させる構成でもよい。さらに、導電性部材23は、その弾性により薄膜基板21aをウェーハ4側に押し出すように取り付けられていてもよく、また、薄膜基板3はウェーハ4の主面に対してほぼ平行を維持するように取り付けられていてもよい。なお、配線基板2の電極21bと電気的に接続される部分及び非接触パターン3bと電気的に接続される部分は、導電性を持つ接着剤又は半田材等によって固着されていることが好ましい。特に、柔軟性を有する導電性部材23によって接続する場合には固着されている必要がある。
【0052】
図1においては、非接触パターン3bは、容量性結合パターンとしており、1つの非接触パターン3bからは、その直上に弾性を有する導電性部材23により引き出されている。これに代えて、誘導性結合パターン(インダクタ)を用いる場合には、信号電流を該インダクタに流す必要があるため、信号電流はインダクタの一方の端子から入力し、他方の端子から出力する必要がある。このため、電流の入力側と出力側にはそれぞれに電極21bを設けることとなる。但し、誘導性結合する複数の非接触パターン3bが隣接して形成されている場合には、それぞれのインダクタの一方の電極を共有することができるため、誘導性結合パターンの数より1つだけ多い電極21bがあればよい。このとき、1つの誘導性結合を形成する非接触パターン3bと接続された一対の電極21bは、共に非接触パターン3bの直上にあることが好ましい。但し、加工技術上の制約及びパターン形状の関係により、共に直上に配置することが困難な場合には、この限りではないが、できる限り近傍に配置されていることが好ましい。
【0053】
配線基板2と薄膜基板3とによって挟まれた空間は、外周部で密閉されて(図示せず)第1の密閉空間5を形成する。第1の実施形態においては、第1の密閉空間5の空気圧を任意に調整できるように、配線基板2には貫通孔24が設けられている。貫通孔24には、配管24aが接続され、その先には圧力調整弁(図示せず)が接続されている。
【0054】
また、薄膜基板3とウェーハ4とによって挟まれた空間は、外周部で密閉されて(図示せず)第2の密閉空間51を形成する。
【0055】
上記のように構成されたプローブカード1は、アライメント装置によりウェーハ4とアライメント(位置合わせ)され、パッド電極4a及び非接触パッド4bは、それぞれプローブカード1のバンプ電極3aと接続する共に非接触パターン3bと近接する。さらに、貫通孔24を通して第1の密閉空間5の圧力をウェーハ4上の第2の密閉空間51の圧力よりも高くすることにより、薄膜基板3をウェーハ4側に膨張させる。これにより、薄膜基板3に設けられた非接触パターン3aは、ウェーハ4上の非接触パッド4bと密着する。
【0056】
配線基板2には、ウェーハ4を検査するための複数の配線22が設けられ、電源、信号発生器及び各信号を判定するコンパレータ等に接続されている。また、ウェーハ4に設けられた非接触パッド4bと非接触結合を通して検査信号の授受が行われる結果、電気的な検査を実施できる。非接触結合を通して送受信される信号は極めて微弱な場合が多く、ウェーハ4側への送信信号は、ウェーハ4内でセンス、増幅及び成形されて、ウェーハ4内の各半導体チップの検査に用いられる。また、ウェーハ4からの信号はプローブカード1に実装されたプローブチップ(図示せず)でセンス、増幅及び成形されて検査結果の判定に用いられる。このプローブチップは、信号が微弱であるため、第6の実施形態で詳述するように、プローブカード1(配線基板2)のできる限り非接触パターン3bに近い位置に配置することが好ましい。
【0057】
このように、第1の実施形態によると、信号線のデータ量が多くても、実質的に荷重をほとんど必要とせずにウェーハ4との信号の送受信を行えるため、より複雑な検査が可能となるばかりでなく、ウェーハ4に対して一括に行う検査も容易となる。
【0058】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図2を参照しながら説明する。図2において、図1と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0059】
図2に示すように、第1の実施形態との相違点は、配線基板2と薄膜基板3との間に、バンプ電極3aと電極21a、及び非接触パターン3bと電極21bとをそれぞれ圧着方向にのみ導通させる弾性体からなる異方性導電シート6を設けている点である。
【0060】
異方性導電シート6は、弾性を有しながら配線基板2と薄膜基板3を接続する部材であって、シートの面内方向には絶縁性を有し、シートの主面に垂直な方向には導電性を有する材料からなる。
【0061】
このような特性を持った材料及び構成としては、
1)シリコーンゴムのような弾性材に導電粒子を局在化して分散させ、圧縮されることでこれらの導電粒子が互いに接触することによって圧縮方向にのみ導通する構成
2)シリコーンゴムのような弾性材に導電性ワイヤを主面に垂直な方向に埋め込み、且つ両端部を露出させる構成、
3)弾性を有するテフロン等からなる多孔質樹脂材に選択的に貫通孔を設け、貫通孔の内壁を、導電性材料によりその弾性を残す程度に覆う構成等がある。
【0062】
このような弾性を有する異方性導電シート6を配線基板2と薄膜基板3との間に配することにより、薄膜基板3に設けたバンプ電極3a同士の高さのばらつき、並びに配線基板2の反り及び凹凸等が吸収されるため、半導体ウェーハ4と配線基板2との間の電気的な接続を安定して実現することができる。
【0063】
なお、図2に示した第2の実施形態においては、上述の1)に記載した構成の異方性導電シート6を用いている。この1)の構成に代えて、他の2)及び3)の構成、さらには、1)等の異方性導電シート6と同様の特性を示す材料であれば、同様の効果を得られることはいうまでもない。
【0064】
さらに、図2に示す異方性導電シート6は、導電性粒子を局在配置して、バンプ電極3a等と対向する導通部61a及び61bが設けられ、該導通部61a及び61bは、線膨脹係数を例えばシリコン(Si)の線膨脹係数に近づけるように調整された剛性材からなるフレーム62に保持されている。これにより、初期の位置精度が確保されるだけでなく、検査の測定時の測定温度に対しても、位置精度を高く維持することができる。なお、異方性導電シート6に局在配置された導通部61a及び62bは、フレーム62の主面から突起して形成されていることが好ましい。このようにすると、導通部61a及び62bを構成する粒子同士の接触を確実にするための、より強い押圧力を確保することができる。
【0065】
また、押圧時には、導通部61aは薄膜基板3のバンプ電極3aと電気的に接続され、導通部61bは薄膜基板3の非接触パターン3bと電気的に接続される。ここで、非接触パターン3bと接続される導通部61bの断面積は、バンプ電極3aと接続される導通部61aの断面積よりも小さいことが好ましい。これは、非接触パターン3bが接触による電気的接続を要しないことに起因しており、薄膜基板3におけるバンプ電極3aを設けない部分と接するため大きな押圧力を要しないことと、電源等と異なり大きな電流を流す必要がないためである。
【0066】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図3を参照しながら説明する。図3において、図1及び図2と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0067】
図3に示すように、第2の実施形態との相違点は、配線基板2と弾性体からなる異方性導電シート6(ここでは第1の異方性導電シート6と呼ぶ。)との間に、ピッチ変換基板7及び弾性体からなる第2の異方性導電シート8を配している点である。
【0068】
この構成により、検査対象であるウェーハ4の品種が変わり、それに伴いパッド電極4a及び非接触パッド4bの配置が異なる場合であっても、配線基板2をその都度変更する必要はなく、新たな品種と対応する薄膜基板3、第1の異方性導電シート6及びピッチ変換基板7のみを交換することにより対応することが可能となる。すなわち、ウェーハ4の品種の切り替えを容易に且つ安価に行うことができる。その上、配線基板2においてもウェーハ4における電極パッド4a及び非接触パッド4b等と対応する電極21a、21bの微細加工が不要となるため、この点においてもプローブカード1を安価に作製することができる。
【0069】
ピッチ変換基板7の構成を詳細に説明すると、例えば、ウェーハ4と対向する面上には、該ウェーハ4のパッド電極4aと対向する複数のピッチ変換電極71aが形成され、その裏面であって配線基板2と対向する面上には、ピッチを広げた複数の裏面電極71bが形成されている。これらピッチ変換電極71a及び裏面電極71bはそれぞれ内部配線72により電気的に接続されている。
【0070】
また、図3に示すように、ピッチ変換基板7の両面の空間5a、5bは、外周部で密閉され(図示せず)て、第1の密封空間5を形成する。なお、ピッチ変換基板7には、空間5a、5bを繋ぐ貫通孔74が選択的に設けられていることが好ましい。これにより、第1の密閉空間5の空気圧は配線基板2に設けられた貫通孔24を通して外部から任意に調整可能となる。但し、ピッチ変換基板7に設ける貫通孔74は必須ではなく、空間5a、5b同士は、ピッチ変換基板7の周縁部で通じていてもよい。ピッチ変換基板7に貫通孔74を設ける利点は、ピッチ変換基板7の両面の空間5a、5bにおける圧力差を速やかに解消させることにある。
【0071】
なお、第2の異方性導電シート8の構成材料には、第1の異方性導電シートと同一の材料及び構成を用いることができる。但し、第2の異方性導電シート8に局在配置された各導通部81aは、配線基板2側において各電極21a、21bと接触し、また、ピッチ変換基板7側においてその裏面電極71bと接触するように配置されている。
【0072】
以下、図4(a)及び図4(b)を参照しながら薄膜基板3における非接触パターン3bの構成とその最適な配置とについて説明する。
【0073】
図4(a)は薄膜基板3の平面構成(バンプ電極3aの裏面から見た図)を示し、図4(b)は第1の密閉空間5と第2の密閉空間51とに差圧が加えられた際の薄膜基板3の断面構成をそれぞれ模式的に表している。
【0074】
バンプ電極3aは、薄膜基板3に設けられた貫通孔3a1を通してバンプ裏面電極3a2と接続されている。
【0075】
これに対し、非接触パターン3bは、よりウェーハに近くなるよう薄膜基板3のウェーハ側(バンプ電極3側)に形成されており、非接触パターン配線3b4を経由してバンプ電極3aの近傍にまで引き出されている。非接触パターン配線3b4と接続された表面電極3b3は、薄膜基板3に設けられた貫通孔3b1を通し、裏面電極3b2と接続されている。また、非接触パターン3bと接続された裏面電極3b2は、図1に示す導電性部材23、又は図2に示す異方性導電シート6における非接触パターン3b用の導通部61bと接触する。
【0076】
図4(b)に示すように、薄膜基板3の上側の第1の密閉空間5及び該薄膜基板3の下側の第2の密閉空間51の内圧に差圧を加えることにより、非接触パターン3bをウェーハ(図示せず)に近接させることができる。このため、非接触パターン3bはバンプ電極3aがなすバンプ列から、薄膜基板3を構成する基材の厚さtの10倍以上離して配置されることが好ましい。例えば、薄膜基板3の基材として、厚さtが25μmのポリイミドを用いる際には、間隔cを250μm以上取ることになる。この程度の間隔を取ると、バンプ電極3aの高さを、例えば20μmに設定した場合でも、薄膜基板3が十分にたわむことができる。このため、非接触パターン3bは、ウェーハの非接触パッドとほとんど位置ずれを起こすことなく、ウェーハと接触させることができる。
【0077】
さらに、この間隔cは、薄膜基板3の厚さtだけでなく、薄膜基材の剛性(ヤング率)と、薄膜基板3が張力を内在している場合にはその張力及び第1の密閉空間5と第2の密閉空間との差圧等にも影響される。また、非接触パターン3bに容量性結合を用いる場合は、結合容量と比べて配線が持つ容量が寄生容量として信号のレベルを減衰することになるため、配線はできるだけ短くすることが好ましい。また、非接触パターン配線3b4の線幅も同様に、寄生容量を小さくする観点から細くすることが好ましい。
【0078】
図5は薄膜配板3の基材として、膜厚が25μmのポリイミド(宇部興産社製ユーピレックス)を用いた場合と、膜厚が5μmのポリイミド(東洋紡社製ゼノマックス)とを用いた場合の、第1の密閉空間と第2の密閉空間とに付与する差圧と、ポリイミド膜のたわみ具合の計算結果を示す。図5からは、バンプ電極の高さを25μmで膜厚が25μmのポリイミド膜に約30kPaの差圧を加えると、バンプ電極から約700μmだけ離れた位置で該ポリイミド膜はウェーハと密着することが分かる。このときのポリイミド膜の伸びは約0.54μmである。
【0079】
また、バンプ高さが20μmで膜厚が5μmのポリイミド膜の場合は、約6kPaの差圧を加えると、バンプ電極から約300μmだけ離れた位置で該ポリイミド膜はウェーハと密着することが分かる。このときのポリイミド膜の伸びは約0.89μmである。
【0080】
このように、非接触パターン3bは最悪条件(非接触パターンのバンプ側と裏面とにバンプ電極が存在せず、ウェーハに近接するために曲がった分だけ位置ずれを起こす場合)で0.89μm程度の位置ずれとなる。従って、ほとんど位置ずれを考慮する必要なく、薄膜基板3を設計及び製作することができる。
【0081】
ところで、非接触パターン用の裏面電極3b2は、その面積がバンプ裏面電極3a2と比べて小さく形成されていることが好ましい。このようにすると、裏面電極3b2における異方性導電シート6と接触する面積が小さくなり、薄膜基板3を強く押圧することなく接続が可能となるからである。これは、バンプ電極3aにより押圧されて接触するウェーハ上のパッド電極4aは通常アルミニウム等で形成されており、ある程度の荷重がないと電気的導通を果たせないのと比べて、非接触パターン用の裏面電極3b2は、金めっきを施す等により、低い荷重で安定した電気的接続を行えるためである。
【0082】
以下、図6(a)及び図6(b)を参照しながら非接触パターン3bの第1変形例を説明する。
【0083】
図6(a)及び図6(b)に示すように、第1変形例に係る非接触パターン3bの図4に示す非接触パターン3bとの構成の相違点は、表面電極3b3が省略されて裏面電極3b2と共有されている点である。これにより、非接触パターン配線3b4及び貫通孔3b1が不要となる。なお、裏面電極3b2は、図1に示す導電性部材23、又は図2に示す異方性導電シート6における非接触パターン3b用の導通部61bと接触する。
【0084】
本変形例によると、非接触パターン配線3b4を設けないため、その分の寄生容量を小さく抑えることができる。
【0085】
以下、図7(a)及び図7(b)を参照しながら非接触パターン3bの第2変形例を説明する。
【0086】
図7(a)及び図7(b)に示すように、第2変形例に係る非接触パターン3bの図4に示す非接触パターン3bとの構成の相違点は、非接触パターン3b(表面電極3b3)自体に、貫通孔3b1を通して裏面電極3b2が形成されていることにある。従って、非接触パターン配線3b4は不要となる。また、裏面電極3b2は、図1に示す導電性部材23、又は図2に示す異方性導電シート6における非接触パターン3b用の導通部61bと接触する。
【0087】
なお、第2変形例においては、非接触パターン3bに容量性結合を用いる場合には、ウェーハ上のキャパシタとの距離が薄膜基板3の膜厚の分だけ大きくなるため、結合容量が小さくなることが懸念される。従って、薄膜基板3は誘電率が大きく、膜厚が小さい薄膜基材を用いることが好ましい。なお、貫通孔3b1を形成するには、薄膜基材をバンプ電極3の裏面側から、化学的なエッチングを行うか、又はレーザ光を含む機械的物理的な方法により加工すればよい。
【0088】
図6及び図7を用いて説明した変形例のさらに効果的な形態として、非接触パターン3bの裏面電極3b2と接続される異方性導電シート6における非接触パターン用の導通部61bは、該シートの主面から突起していることが好ましい。さらには、この突起部分はバンプ裏面電極3a2と接続される部分の突起面積よりも小さいことが好ましい。このようにすると、低い荷重で非接触パターン3bとの導通を実現することができる。
【0089】
(半導体ウェーハの第1の検査方法)
以下、第1〜第3の実施形態及びその変形例に係るプローブカードを用いた半導体ウェーハの第1の検査方法について図8を参照しながら説明する。
【0090】
図8に示すように、工程S01において、ウェーハ載置台(ウェーハチャック)の上に、それぞれが検査対象の半導体集積回路を含む複数の半導体チップが形成されたウェーハ4をロードする。
【0091】
これと並行して、工程S02において、配線基板2と薄膜基板3との間で第1の密閉空間5を形成して保持されたプローブカード1を用意する。
【0092】
次に、工程S03において、ウェーハ4における各半導体チップのパッド電極4a及び非接触パッド4bと、第1の密閉空間5が形成されたプローブカード1のバンプ電極3a及び非接触パターン3bとを位置合わせ(アライメント)する。その後、互いに近接させて、プローブカード1と半導体ウェーハ4とを密着する。このとき、ウェーハ載置台におけるウェーハ4の周囲に設けられたシールリングが、プローブカード1と接触することにより、ウェーハ4(ウェーハ載置台)とプローブカード1との間に第2の密閉空間51が形成される。
【0093】
次に、工程S04において、第1の密閉空間5の圧力(内圧)が第2の密閉空間51の圧力(内圧)よりも常に1kPaから30kPa程度高い状態の差圧を維持しながら、該第2の密閉空間51の圧力を減圧する。第2の密閉空間51の減圧が完了すると、薄膜基板3のバンプ電極3aは、ウェーハ4のパッド電極4aと接触して電気的導通を得ると共に、薄膜基板3の非接触パターン3bは、非接触パッド4bと近接して非接触結合を形成する。
【0094】
このようにして、互いにアライメントされて接触されたプローブカード1とウェーハ4とは、該プローブカード1上に設けられた検査機能を有するテスタチップ、非接触信号を送受信するプローブチップ、又はプローブカード1の外部に置かれたテスタと接続されて所望の検査が行われる。
【0095】
このとき、薄膜基板3のバンプ電極3aは、外界の圧力(通常は大気圧)と第2の密閉空間51との圧力差と、外界の圧力(通常は大気圧)と第1の密閉空間5の圧力差との間の圧力差によって、ウェーハ4のパッド電極4aに押圧されることになる。さらに、薄膜基板3の非接触パターン3bは、ウェーハ4上の第2の密閉空間51の圧力とプローブカード1内の第1の密閉空間5の圧力のと差によって、ウェーハ4に近接する。
【0096】
このように、第1の検査方法においては、第1の密閉空間1と第2の密閉空間2との間に常に差圧を付与しながら第2の密閉空間51の減圧を行うため、減圧完了時には非接触パターン3bもウェーハ4の非接触パッド4bと近接している。従って、この後、直ちに所定の検査を始めることが可能となる。
【0097】
(半導体ウェーハの第2の検査方法)
以下、第1〜第3の実施形態及びその変形例に係るプローブカードを用いた半導体ウェーハの第2の検査方法について図8を参照しながら説明する。
【0098】
図7に示した第1の検査方法と異なる工程のみを説明する。
【0099】
まず、工程S03において、第1の検査方法と同様に、ウェーハ4とプローブカード1との間にアライメントが完了した第2の密閉空間51を形成する。
【0100】
続いて、工程S14において、第1の密閉空間5の圧力が第2の密閉空間51の圧力と常に等しくなるように圧力を維持しながら第2の密閉空間51の圧力を減圧する。これにより、薄膜基板3のバンプ電極3aは、ウェーハ4のパッド電極4aと接触して電気的導通を得る。
【0101】
次に、工程S15において、第1の密閉空間5及び第2の密閉空間51の減圧が完了した後、第1の密閉空間5の圧力が第2の密閉空間51の圧力よりも1kPaから30kPa程度高い状態となるよう第1の密閉空間5に差圧を付与する。この差圧により、薄膜基板3の非接触パターン3bはウェーハ4の非接触パッド4bと近接して、非接触結合を形成する。
【0102】
このように、第2の検査方法においても、互いにアライメントされて接触されたプローブカード1とウェーハ4とは、該プローブカード1上に設けられた検査機能を有するテスタチップ、非接触信号を送受信するプローブチップ、又はプローブカード1の外部に置かれたテスタと接続されて所望の検査が行われる。
【0103】
さらに、第2の検査方法においては、バンプ電極3aのパッド電極4aとの押圧が完了した後に、非接触パターン3bと非接触パッド4bとが互いに近接するため、アライメントの精度を非常に高く維持することが可能となる。
【0104】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係るプローブカードであって、第3の実施形態で用いたピッチ変換基板の一例を図10に基づいて説明する。ここでは、ピッチ変換電極71a及び裏面電極71bは省略している。
【0105】
図3に示した第3の実施形態で説明したように、プローブチップを配線基板に形成し、ピッチ変換基板7を用いて、半導体ウェーハ(半導体チップ)の品種切り替えを行う際に高価なプローブチップを実装した配線基板2を再利用することは、コスト的にメリットが大きい。しかしながら、ピッチ変換基板7は、第1の異方性導電シート6及び第2の異方性導電シート8によって押圧されるため、ある程度の剛性を有する必要がある。このため、通常は1mm程度の厚さが必要である。一方、誘導性結合は、それを構成するインダクタコイルの直径程度以上に離れると、相互インダクタンスが急速に小さくなる。ウェーハ4との間の誘導性結合には10μmから200μm程度のコイルを用いると想定される。この程度の大きさのコイルでは、厚さが1mm程度のピッチ変換基板7を超えて、通信用のプローブチップと結合させることは極めて困難である。
【0106】
そこで、本実施形態においては、図10(a)に示すように、ピッチ変換基板7におけるウェーハ側と配線基板側との双方に第1のインダクタ75a及び第2のインダクタ75bを形成し、これらを相互結合することにより、両インダクタ75a、75bの間を一旦、電気信号により接続することが好ましい。
【0107】
この場合、図10(b)に示すように、両インダクタ75a、75bにおけるコイルの巻き方向は、電流が互いに逆方向に流れるように巻かれていることがより好ましい。このようにすると、第1のインダクタ75aで誘起された電流が作る磁界の向きがウェーハの非接触パッド4bが作る磁界の向きと同一となるため、互いに打ち消す現象を防ぐことができる。これは、プローブチップ側から磁界変化を与えてウェーハ側に信号を送る際も同様である。
【0108】
(第4の実施形態の第1変形例)
以下、本発明の第4の実施形態に係るプローブカードであって、ピッチ変換基板の第1変形例を図11に基づいて説明する。ここでも、ピッチ変換電極71a及び裏面電極71bは省略している。
【0109】
図11に示すように、第1変形例においては、ピッチ変換基板7の両面に設けられた第1のインダクタ75aと第2のインダクタ75bとは、同軸上に形成されていない。すなわち、第1のインダクタ75aと第2のインダクタ75bとの互いの中心位置が異なるように配置されている。
【0110】
このようにすると、ウェーハ4と対向する第1のインダクタ75aは、ウェーハ4における誘導性の非接触パッド4bと対向する位置に配置でき、また、配線基板と対向する第2のインダクタ75bは、配線基板におけるプローブチップと対向する位置に配置でき、いずれも適当な位置に配置することができる。
【0111】
なお、第1変形例における第1のインダクタ75a及び第2のインダクタ75bの接続時の電流の向きは、ウェーハ4に形成された非接触パッド4bと配線基板に実装されたプローブチップ(図示せず)の非接触パターンとの位置関係に応じてそれぞれが作る磁場の関係に基づいて適宜決定すればよい。
【0112】
(第4の実施形態の第2変形例)
以下、本発明の第4の実施形態に係るプローブカードであって、ピッチ変換基板の第2変形例を図12に基づいて説明する。ここでも、ピッチ変換電極71a及び裏面電極71bは省略している。
【0113】
図12に示すように、第2変形例においては、ピッチ変換基板7の内部に主面に対して平行に磁性体層76が設けられている。磁性体層76は磁場を遮蔽する効果があり、ピッチ変換基板7の両面に設けられた非接触通信用の第1のインダクタ75a及び第2のインダクタ75bが、それぞれが対向する面側のウェーハ4又は配線基板上のプローブチップにおける非接触通信用の電極パターンが作る磁場の影響を遮蔽することが可能となる。ここで、磁性体層76の一例として、インバー合金(ニッケルを36%程度含む鉄合金)を用いることができる。
【0114】
第2変形例によると、非接触パッド4bの配置を全く考慮することなく、任意の位置にピッチ変換基板7の第1のインダクタ75a及び第2のインダクタ75bを配置し、且つ相互接続することが可能となる。また、この際、相互接続の向きも考慮する必要はほとんどなく、設計の自由度を大幅に向上することができる。
【0115】
なお、磁性体層76は、ピッチ変換基板7の内部の全面に設ける必要はなく、ピッチ変換基板7の両面に設けられた各インダクタ75a、75bの平面積以上の領域を覆っていればよい。従って、磁性体の価格、磁性体の熱膨張率係数及び磁性体が導電性であることによる表裏導通のための貫通孔の形成等の制約により、ピッチ変換基板7の一部だけに形成してもその効果を得ることができる。
【0116】
また、磁性体層76に用いる磁性体は、透磁率が大きく残留磁場が小さい軟磁性体であることが好ましい。このようにすると、高周波通信時のエネルギー損失をも抑えることができる。
【0117】
(第4の実施形態の第3変形例)
以下、本発明の第4の実施形態に係るプローブカードであって、配線基板及びピッチ変換基板の第3変形例を図13に基づいて説明する。ここでは、配線基板2における電極21a、21b及び配線22、ピッチ変換基板7におけるピッチ変換電極71a及び裏面電極71b、並びにピッチ変換基板7と配線基板2とを電気的に接続する第2の異方性導電シート8は省略している。
【0118】
図13に示すように、第3変形例に係るピッチ変換基板7には、該ピッチ変換基板7を貫通する方向に、磁場を誘導するための磁性体からなるビア77が埋め込まれている。このようにすると、配線基板2に設けられたプローブチップ25とウェーハ4とに形成されたそれぞれ誘導性結合を得るための非接触パターン同士の間の磁場結合が、距離が大きくなることにより低下することを抑えることができる。
【0119】
この磁場結合の低下を抑える効果をより高めるには、磁性体からなるビア77は、プローブカード1を構成するうちの支障がない範囲において、ピッチ変換基板7の表面から突出していることが好ましい。このようにすると、ビア77が、ウェーハ4における非接触パッド4b及び配線基板2におけるプローブチップ25の非接触パターンとのそれぞれの近接が容易となる。
【0120】
また、磁性体としては、高周波通信を可能とするため、残留磁場が小さい軟磁性体を用いることが好ましい。
【0121】
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態に係るプローブカードであって、薄膜基板の一例を図14に基づいて説明する。
【0122】
図14(a)に示すように、比較用の薄膜基板3であって、薄膜基板3の上面(配線基板側)には、それぞれインダクタからなる2つの非接触パターン3bが形成され、そのうちの一方の非接触パターン3bには、薄膜基材を貫通する、磁性体からなるバンプ電極31が形成されている。
【0123】
図14(b)に示すように、薄膜基板3とウェーハ4との間が空気の場合は、ウェーハ4に設けられた誘導性の非接触パッド4bに、信号によって発生した磁束は、ウェーハ4の表面から離れるに従って広がり、薄膜基板3に設けられた非接触パターン3bの内部を通過する磁束はウェーハ4との距離が大きくなるに従って少なくなる。
【0124】
しかしながら、第5の実施形態のように、例えばニッケル等の磁性体からなるバンプ電極31を非接触パッド4bの軸上に配置することにより、磁場は磁性体からなるバンプ電極31の内部を通過して磁束の広がりが抑えられるため、誘導性結合を高めることができる。これにより、ウェーハ4からの微弱な信号を検出して所望の通信を行うことが可能となる。
【0125】
(第6の実施形態)
以下、本発明の第6の実施形態に係るプローブカードであって、配線基板及び薄膜基板の一例を図15に基づいて説明する。
【0126】
本発明に係るプローブカード1は、図1に示すように、配線基板2及び薄膜基板3からなり、配線基板2における薄膜基板3と対向する面上に、電極21a、21bが形成されている。
【0127】
第6の実施形態においては、配線基板2に実装される能動素子(チップ)を説明する。図15に示すように、配線基板2におけるウェーハ4と対向する面には、プローブチップ25が実装されている。また、配線基板2におけるウェーハ4と反対側の面上には、テスターチップ26が実装されている。さらには、図示はしていないが、配線基板2のウェーハ4と対向する面上に、電源用のDC/DCコンバータ、抵抗器及びキャパシタ等の受動素子が搭載されていてもよい。
【0128】
薄膜基板3に形成された、例えばインダクタからなる非接触パターン3bと対向するプローブチップ25は、ウェーハ4と非接触通信を行うためのドライバ回路又はウェーハ4から非接触で得られた信号のセンス、増幅及び波形整形等を行う回路が形成されている。プローブチップ25は、1つのチップからなり、ウェーハ4上の半導体チップの1つと1本又は複数の信号線で繋がれていてもよい。また、1つのチップで複数の半導体チップと同時に通信する構成であってもよい。さらには、複数のプローブチップ25が1つの半導体チップと通信する構成も可能である。また、プローブチップ25は、非接触通信用に限られず、接触用の信号のドライバ回路を備えてもよい。さらには、コンパレータを備え、得られたウェーハ4からの信号をプローブチップ25において比較検査を行うことも可能である。
【0129】
テスターチップ26は、プローブチップ25との信号の授受を行う。1つのテスターチップ26は1つのプローブチップ25と接続されていてもよく、また、1つのテスターチップ26が複数のプローブチップ25を制御し、信号の授受を行ってもよい。また、テスターチップ26は、1つの配線基板2に設けられたDC/DCコンバータの電圧制御及び管理を行ってもよい。また、1つのプローブカード1に複数のテスターチップ26を搭載する場合は、これらの複数のテスターチップ26が同時に動作を行うために、相互に接続されてネットワークを構成していることが好ましい。
【0130】
このように、第6の実施形態においては、プローブチップ25が、配線基板2のウェーハ4と対向する面に配置されることにより、配線基板2の複雑な内層を通過することなく、薄膜基板3の非接触パターン3bと接続することが可能となる。このため、クロストーク等のノイズの影響を受けるおそれを大幅に削減することができる。特に、非接触通信に容量性結合を用いる場合には、寄生容量成分を大幅に減らすことができるため、信号品質が高い非接触結合を実現できる。
【0131】
また、プローブチップ25をもっぱら検査を行うテスターチップ26と分離することにより、プローブカード1の裏面(ウェーハ4と反対側の面)の実装面積を有効に活用することができる。
【0132】
また、プローブチップ25の機能を主に信号の送受信に限定することにより、該プローブチップ25の消費電流を抑えることができる。このため、特段の放熱対策を講じる必要がなくなるので、プローブカード1の内面に実装することが可能となる。
【0133】
(第6の実施形態の第1変形例)
以下、本発明の第6の実施形態に係るプローブカードであって、配線基板の第1変形例を図16に基づいて説明する。ここでは、配線基板2のみを図示している。
【0134】
図16に示すように、第1変形例に係る配線基板2は、プローブチップ25が配線基板2におけるウェーハと対向する面に設けられた凹部(窪み)27に実装されていることを特徴とする。
【0135】
プローブチップ25は、配線基板2に実装された状態では配線基板2のウェーハ側の面から突出していないことが好ましい。従って、第1変形例においては、配線基板2のウェーハ側の面に形成された凹部27にプローブチップ25を実装することにより、配線基板2のウェーハ側の面にプローブチップ25を実装したことに伴う突起部分をなくすことができる。このため、第1〜第3の各実施形態を実現する際の、配線基板2に設ける電極21aの厚さ、第1の異方性導電シート6及び第2の異方性導電シート等の厚さの問題、並びに配線基板2に対して均一加圧を行う上での面内の均一性の懸念を小さくすることができる。
【0136】
(第6の実施形態の第2変形例)
以下、本発明の第6の実施形態に係るプローブカードであって、配線基板の第2変形例を図17に基づいて説明する。ここでも、配線基板2のみを図示している。
【0137】
図17に示すように、第2変形例に係る配線基板2は、プローブチップ25が配線基板2の内部に実装されていることを特徴とする。
【0138】
図15により第6の実施形態で説明したように、プローブチップ25の実装位置はできるだけウェーハ側に近い位置に配置されることが好ましい。しかしながら、プローブカード1においては、配線基板2の裏面の実装面積が限られているという観点からは、必ずしもウェーハ側に近い位置に配置される必要はない。
【0139】
なお、配線基板2の内部には、他の機能素子、並びにキャパシタ、インダクタ及び抵抗器等の受動素子も埋め込まれていてもよい。
【0140】
このように、第2変形例においては、配線基板2に実装されるプローブチップ25を該配線基板2の内部に埋め込んだことにより、配線基板2のウェーハ側の面にプローブチップ25の実装に伴う突起をなくすことができる。このため、第1〜第3の各実施形態を実現する際の、配線基板2に設ける電極21aの厚さ、第1の異方性導電シート6及び第2の異方性導電シート等の厚さの問題、並びに配線基板2に対して均一加圧を行う上での面内の均一性の懸念を小さくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明に係るプローブカード及びそれを用いた半導体ウェーハの検査方法は、半導体ウェーハに対して非接触状態の容量性結合又は誘導性結合により信号の授受を行う際に、これらの電磁的結合がより大きくなるため、信号の授受を安定して行えるようになる。また、例えば、バーンインスクリーニングにも使用できるため、品質の確保も可能となり、SiP(System in Package)又は三次元実装等の複数の半導体チップを1つのパッケージに組み込んだ高密度実装を行うために不可欠なKGD(Known Good Die)等にも有用である。
【符号の説明】
【0142】
1 プローブカード
2 配線基板
21a 電極(第2の電極)
21b 電極
22 配線
23 導電部材
24 貫通孔
24a 配管
25 プローブチップ
26 テスターチップ
27 凹部
3 薄膜基板
3a バンプ電極(突起電極)
3a1 貫通孔
3a2 バンプ裏面電極(第1の電極)
3b 非接触パターン
3b1 貫通孔
3b2 裏面電極(薄膜裏面電極)
3b3 表面電極
3b4 非接触パターン配線
31 バンプ電極
4 ウェーハ
4a パッド電極
4b 非接触パッド
5 第1の密閉空間
51 第2の密閉空間
6 (第1の)異方性導電シート
61a 導通部
61b 導通部
62 フレーム
7 ピッチ変換基板
71a ピッチ変換電極
71b 裏面電極
72 内部配線
74 貫通孔
75a 第1のインダクタ
75b 第2のインダクタ
76 磁性体層
77 ビア
8 第2の異方性導電シート
81a 導通部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェーハ上に形成され、それぞれが複数のパッド電極を有する複数の半導体チップを一括に検査するプローブカードであって、
前記半導体ウェーハと対向する第1の面上で、且つ前記各パッド電極と対向する位置に設けられた複数の突起電極及び容量性結合又は誘導性結合により前記パッド電極と電気的に接続される非接触電極、並びに前記第1の面の反対側の面である第2の面上に設けられ前記各突起電極及び非接触電極と電気的に接続された複数の第1の電極とを有する薄膜基板と、
前記薄膜基板における前記半導体ウェーハの反対側に配置され、前記第1の電極と対向する位置に設けられた複数の第2の電極を有する配線基板とを備え、
前記配線基板と前記薄膜基板とは第1の密閉空間を形成し、且つ前記薄膜基板と前記半導体ウェーハとは第2の密閉空間を形成し、
前記第1の密閉空間及び前記第2の密閉空間が減圧されることにより、前記第1の電極と前記第2の電極とが密着されると共に前記パッド電極と前記突起電極とが密着され、
前記第1の密閉空間及び第2の密閉空間は、それぞれの圧力が独立して調整できることを特徴とするプローブカード。
【請求項2】
前記第1の密閉空間は、前記第2の密閉空間の圧力よりも高く設定されることを特徴とする請求項1に記載のプローブカード。
【請求項3】
前記配線基板と前記薄膜基板との間に設けられ、前記第1の電極と前記第2の電極との間で互いの圧着方向に導通する弾性体からなる異方性導電シートをさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプローブカード。
【請求項4】
前記配線基板と前記薄膜基板との間に設けられ、前記配線基板と前記薄膜基板との互いの圧着方向に導通する弾性体からなる第1の異方性導電シートと、
前記配線基板と前記第1の異方性導電シートとの間に設けられ、前記薄膜基板と対向する側に前記第1の電極と対向する電極を有し、且つ前記配線基板と対向する側に前記第2の電極と対向する電極を有するピッチ変換基板と、
前記配線基板と前記ピッチ変換基板との間に設けられ、前記配線基板と前記ピッチ変換基板との互いの圧着方向に導通する弾性体からなる第2の異方性導電シートとをさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプローブカード。
【請求項5】
前記非接触電極は、前記薄膜基板の前記第1の面に形成されており、
前記薄膜基板の前記第2の面上には、前記非接触電極と電気的に接続される薄膜裏面電極が形成されており、
前記薄膜裏面電極は、前記非接触電極に対して、前記薄膜基板の膜厚の10倍以上離れた位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプローブカード。
【請求項6】
前記薄膜裏面電極の面積は、前記突起電極と接続された前記第1の電極の面積よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載のプローブカード。
【請求項7】
前記非接触電極は、前記薄膜基板の前記第1の面又は前記第2の面上で、且つ前記複数の第1の電極のうちの最も近い第1の電極に対して、前記薄膜基板の膜厚の10倍以上離れた位置に形成されており、
前記薄膜基板の前記第2の面上には、前記非接触電極と直接に接続される薄膜裏面電極が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプローブカード。
【請求項8】
前記配線基板と前記薄膜基板との間に設けられ、前記第1の電極及び薄膜裏面電極と前記第2の電極との間で互いの圧着方向に導通する弾性体からなる異方性導電シートをさらに備え、
前記異方性導電シートにおける前記薄膜裏面電極との接触面積は、前記異方性導電シートにおける前記突起電極と接続された前記第1の電極との接触面積よりも小さいことを特徴とする請求項7に記載のプローブカード。
【請求項9】
前記非接触電極はプロービング用インダクタであり、且つ前記各半導体チップは送受信用インダクタを有しており、
前記ピッチ変換基板は、前記半導体ウェーハ側に形成された第1のインダクタと、前記配線基板側に形成され且つ前記第1のインダクタと電気的に接続された第2のインダクタとを有し、
前記第1のインダクタは、前記送受信用インダクタと対向する位置に設けられ、
前記第2のインダクタは、前記プロービング用インダクタと対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のプローブカード。
【請求項10】
前記第1のインダクタと前記第2のインダクタとは、互いの電流の向きが逆方向となるように接続されていることを特徴とする請求項9に記載のプローブカード。
【請求項11】
前記第1のインダクタと前記第2のインダクタとは、前記ピッチ変換基板の表裏方向において、互いの中心位置が異なるように配置されていることを特徴とする請求項9又は10に記載のプローブカード。
【請求項12】
前記ピッチ変換基板は、少なくとも前記送受信用インダクタと対向する領域に磁性体層を含むことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載のプローブカード。
【請求項13】
前記非接触電極はプロービング用インダクタであり、且つ前記各半導体チップは送受信用インダクタを有し、
前記プロービング用インダクタと前記送受信用インダクタとは互いに対向しており、
前記ピッチ変換基板には、前記送受信用インダクタと前記プロービング用インダクタとの間に、前記ピッチ変換基板を貫通する方向に、磁性体からなるビアが形成されていることを特徴とする請求項4に記載のプローブカード。
【請求項14】
前記非接触電極はプロービング用インダクタであり、且つ前記各半導体チップは送受信用インダクタを有し、
前記プロービング用インダクタと前記送受信用インダクタとは互いに対向しており、
前記薄膜基板における前記第1の面上には、前記プロービング用インダクタの形成領域を貫通するように、磁性体からなるバンプ電極が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプローブカード。
【請求項15】
前記配線基板における前記薄膜基板と対向する領域に形成され、前記非接触電極を介して前記各半導体チップとの間で通信を行うプローブチップをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のプローブカード。
【請求項16】
前記プローブチップは、前記薄膜基板と対向する領域に形成された凹部に配置されていることを特徴とする請求項15に記載のプローブカード。
【請求項17】
前記プローブチップは、前記薄膜基板と対向する領域の内部に埋め込まれて配置されていることを特徴とする請求項15に記載のプローブカード。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載のプローブカードを用いた半導体ウェーハの検査方法であって、
前記配線基板と前記薄膜基板との間で前記第1の密閉空間を形成して保持されたプローブカードを用意する工程と、
ウェーハ載置台の上に、検査対象となる半導体ウェーハを載置する工程と、
前記半導体ウェーハにおける各半導体チップのパッド電極と、前記第1の密閉空間が形成された前記プローブカードの突起電極とを位置合わせする工程と、
位置合わせされた状態で、前記プローブカードと前記ウェーハ載置台との間で減圧して、前記第2の密閉空間を形成する工程とを備え、
前記第2の密閉空間を形成する工程において、前記第2の密閉空間は、前記第1の密閉空間が前記第2の密閉空間の圧力よりも高くなるように維持しながら減圧することを特徴とする半導体ウェーハの検査方法。
【請求項19】
請求項1〜17のいずれか1項に記載のプローブカードを用いた半導体ウェーハの検査方法であって、
前記配線基板と前記薄膜基板との間で前記第1の密閉空間を形成して保持されたプローブカードを用意する工程と、
ウェーハ載置台の上に、検査対象となる半導体ウェーハを載置する工程と、
前記半導体ウェーハにおける各半導体チップのパッド電極と、前記第1の密閉空間が形成された前記プローブカードの突起電極とを位置合わせする工程と、
位置合わせされた状態で、前記プローブカードと前記ウェーハ載置台との間で減圧して、前記第2の密閉空間を形成する工程とを備え、
前記第2の密閉空間を形成する工程において、前記第2の密閉空間は、前記第1の密閉空間の圧力と同一にしながら減圧し、
その後、前記第1の密閉空間の圧力を、前記第2の密閉空間の圧力よりも高くなるように加圧する工程を備えていることを特徴とする半導体ウェーハの検査方法。
【請求項20】
前記第1の密閉空間と前記第2の密閉空間との圧力の差は、1kPaから30kPaであることを特徴とする請求項18又は19に記載の半導体ウェーハの検査方法。
【請求項1】
半導体ウェーハ上に形成され、それぞれが複数のパッド電極を有する複数の半導体チップを一括に検査するプローブカードであって、
前記半導体ウェーハと対向する第1の面上で、且つ前記各パッド電極と対向する位置に設けられた複数の突起電極及び容量性結合又は誘導性結合により前記パッド電極と電気的に接続される非接触電極、並びに前記第1の面の反対側の面である第2の面上に設けられ前記各突起電極及び非接触電極と電気的に接続された複数の第1の電極とを有する薄膜基板と、
前記薄膜基板における前記半導体ウェーハの反対側に配置され、前記第1の電極と対向する位置に設けられた複数の第2の電極を有する配線基板とを備え、
前記配線基板と前記薄膜基板とは第1の密閉空間を形成し、且つ前記薄膜基板と前記半導体ウェーハとは第2の密閉空間を形成し、
前記第1の密閉空間及び前記第2の密閉空間が減圧されることにより、前記第1の電極と前記第2の電極とが密着されると共に前記パッド電極と前記突起電極とが密着され、
前記第1の密閉空間及び第2の密閉空間は、それぞれの圧力が独立して調整できることを特徴とするプローブカード。
【請求項2】
前記第1の密閉空間は、前記第2の密閉空間の圧力よりも高く設定されることを特徴とする請求項1に記載のプローブカード。
【請求項3】
前記配線基板と前記薄膜基板との間に設けられ、前記第1の電極と前記第2の電極との間で互いの圧着方向に導通する弾性体からなる異方性導電シートをさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプローブカード。
【請求項4】
前記配線基板と前記薄膜基板との間に設けられ、前記配線基板と前記薄膜基板との互いの圧着方向に導通する弾性体からなる第1の異方性導電シートと、
前記配線基板と前記第1の異方性導電シートとの間に設けられ、前記薄膜基板と対向する側に前記第1の電極と対向する電極を有し、且つ前記配線基板と対向する側に前記第2の電極と対向する電極を有するピッチ変換基板と、
前記配線基板と前記ピッチ変換基板との間に設けられ、前記配線基板と前記ピッチ変換基板との互いの圧着方向に導通する弾性体からなる第2の異方性導電シートとをさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプローブカード。
【請求項5】
前記非接触電極は、前記薄膜基板の前記第1の面に形成されており、
前記薄膜基板の前記第2の面上には、前記非接触電極と電気的に接続される薄膜裏面電極が形成されており、
前記薄膜裏面電極は、前記非接触電極に対して、前記薄膜基板の膜厚の10倍以上離れた位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプローブカード。
【請求項6】
前記薄膜裏面電極の面積は、前記突起電極と接続された前記第1の電極の面積よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載のプローブカード。
【請求項7】
前記非接触電極は、前記薄膜基板の前記第1の面又は前記第2の面上で、且つ前記複数の第1の電極のうちの最も近い第1の電極に対して、前記薄膜基板の膜厚の10倍以上離れた位置に形成されており、
前記薄膜基板の前記第2の面上には、前記非接触電極と直接に接続される薄膜裏面電極が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプローブカード。
【請求項8】
前記配線基板と前記薄膜基板との間に設けられ、前記第1の電極及び薄膜裏面電極と前記第2の電極との間で互いの圧着方向に導通する弾性体からなる異方性導電シートをさらに備え、
前記異方性導電シートにおける前記薄膜裏面電極との接触面積は、前記異方性導電シートにおける前記突起電極と接続された前記第1の電極との接触面積よりも小さいことを特徴とする請求項7に記載のプローブカード。
【請求項9】
前記非接触電極はプロービング用インダクタであり、且つ前記各半導体チップは送受信用インダクタを有しており、
前記ピッチ変換基板は、前記半導体ウェーハ側に形成された第1のインダクタと、前記配線基板側に形成され且つ前記第1のインダクタと電気的に接続された第2のインダクタとを有し、
前記第1のインダクタは、前記送受信用インダクタと対向する位置に設けられ、
前記第2のインダクタは、前記プロービング用インダクタと対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のプローブカード。
【請求項10】
前記第1のインダクタと前記第2のインダクタとは、互いの電流の向きが逆方向となるように接続されていることを特徴とする請求項9に記載のプローブカード。
【請求項11】
前記第1のインダクタと前記第2のインダクタとは、前記ピッチ変換基板の表裏方向において、互いの中心位置が異なるように配置されていることを特徴とする請求項9又は10に記載のプローブカード。
【請求項12】
前記ピッチ変換基板は、少なくとも前記送受信用インダクタと対向する領域に磁性体層を含むことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載のプローブカード。
【請求項13】
前記非接触電極はプロービング用インダクタであり、且つ前記各半導体チップは送受信用インダクタを有し、
前記プロービング用インダクタと前記送受信用インダクタとは互いに対向しており、
前記ピッチ変換基板には、前記送受信用インダクタと前記プロービング用インダクタとの間に、前記ピッチ変換基板を貫通する方向に、磁性体からなるビアが形成されていることを特徴とする請求項4に記載のプローブカード。
【請求項14】
前記非接触電極はプロービング用インダクタであり、且つ前記各半導体チップは送受信用インダクタを有し、
前記プロービング用インダクタと前記送受信用インダクタとは互いに対向しており、
前記薄膜基板における前記第1の面上には、前記プロービング用インダクタの形成領域を貫通するように、磁性体からなるバンプ電極が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプローブカード。
【請求項15】
前記配線基板における前記薄膜基板と対向する領域に形成され、前記非接触電極を介して前記各半導体チップとの間で通信を行うプローブチップをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のプローブカード。
【請求項16】
前記プローブチップは、前記薄膜基板と対向する領域に形成された凹部に配置されていることを特徴とする請求項15に記載のプローブカード。
【請求項17】
前記プローブチップは、前記薄膜基板と対向する領域の内部に埋め込まれて配置されていることを特徴とする請求項15に記載のプローブカード。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載のプローブカードを用いた半導体ウェーハの検査方法であって、
前記配線基板と前記薄膜基板との間で前記第1の密閉空間を形成して保持されたプローブカードを用意する工程と、
ウェーハ載置台の上に、検査対象となる半導体ウェーハを載置する工程と、
前記半導体ウェーハにおける各半導体チップのパッド電極と、前記第1の密閉空間が形成された前記プローブカードの突起電極とを位置合わせする工程と、
位置合わせされた状態で、前記プローブカードと前記ウェーハ載置台との間で減圧して、前記第2の密閉空間を形成する工程とを備え、
前記第2の密閉空間を形成する工程において、前記第2の密閉空間は、前記第1の密閉空間が前記第2の密閉空間の圧力よりも高くなるように維持しながら減圧することを特徴とする半導体ウェーハの検査方法。
【請求項19】
請求項1〜17のいずれか1項に記載のプローブカードを用いた半導体ウェーハの検査方法であって、
前記配線基板と前記薄膜基板との間で前記第1の密閉空間を形成して保持されたプローブカードを用意する工程と、
ウェーハ載置台の上に、検査対象となる半導体ウェーハを載置する工程と、
前記半導体ウェーハにおける各半導体チップのパッド電極と、前記第1の密閉空間が形成された前記プローブカードの突起電極とを位置合わせする工程と、
位置合わせされた状態で、前記プローブカードと前記ウェーハ載置台との間で減圧して、前記第2の密閉空間を形成する工程とを備え、
前記第2の密閉空間を形成する工程において、前記第2の密閉空間は、前記第1の密閉空間の圧力と同一にしながら減圧し、
その後、前記第1の密閉空間の圧力を、前記第2の密閉空間の圧力よりも高くなるように加圧する工程を備えていることを特徴とする半導体ウェーハの検査方法。
【請求項20】
前記第1の密閉空間と前記第2の密閉空間との圧力の差は、1kPaから30kPaであることを特徴とする請求項18又は19に記載の半導体ウェーハの検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−71245(P2011−71245A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219857(P2009−219857)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)「国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成19年度独立行政法人 新エネルギー・産業技術開発機構委託研究「次世代三次元積層技術の先導研究」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)」
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)「国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成19年度独立行政法人 新エネルギー・産業技術開発機構委託研究「次世代三次元積層技術の先導研究」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)」
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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