説明

ヘッドアップディスプレイ用コンバイナの収納方法及びヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置

【課題】ダッシュボード内に折り畳んで収納していたヘッドアップディスプレイのコンバイナを精度良く使用箇所に位置決めすること。
【解決手段】コンバイナ20の使用時に、展開状態の各折り畳みアームユニット410を昇降ユニット430により下限箇所から上限箇所に上昇させる際、ベースフレーム440に固着した支持フレーム436のガイドレール435によって、リンクフレーム414のガイドフレーム417をスライド可能に支持させて、各折り畳みアームユニット410をベースフレーム440により、少なくともガイドフレーム417の幅及び長さで(間接的に)結合、支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のダッシュボード内の表示源に表示された重畳用画像の虚像をフロントガラスを透して視認される車両の前景と重畳視認させるために、ダッシュボードの上方に配置される、ヘッドアップディスプレイのコンバイナの収納方法とその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両で用いられるヘッドアップディスプレイは、運転に必要な補助情報等を車両の前景と重畳視認させるもので、運転中に大きな視線移動を行うことなく補助情報等を認識できるという特徴を有している。
【0003】
このようなヘッドアップディスプレイのうち、補助情報等の画像をフロントガラスよりも若干アイポイント寄りに配置されるコンバイナに投影させるものについては、コンバイナがなるべく目障りにならないようにすることが寛容となる。
【0004】
しかしその一方で、夜間の視界の悪さを補うために、赤外線カメラ等で撮影した車両の前景の画像をヘッドアップ表示する商品が出される等、表示の大型化が要望されている。
【0005】
そのような大型の表示をコンバイナで行う場合、手元が暗い夜間は元々コンバイナの存在が見えづらいので問題ないが、逆にコンバイナによる運転支援の必要がない昼間においては、大型のコンバイナが目の前にあるというのは非常に圧迫感を生み、好ましい状況とは言い難いので、使用しない昼間については、たとえ大型であっても何とかダッシュボード内にコンバイナを収納したいという要求が当然発生するし、大型表示でない従来のヘッドアップ表示においても、ヘッドアップ表示を行わない状態ではコンバイナをダッシュボード内に収納したいという要求があるのは当然である。
【0006】
そこで、本出願人は過去に、ダッシュボード内の収納位置にあるコンバイナを、コンバイナのガイドピンが円弧状のガイド溝の始点から終点まで移動させて、収納スペースに合わせた傾きのコンバイナを使用状態に合わせた傾きに変えた中間箇所に位置させた後、ガイド溝の終点側の一部が形成されたフレームごと上昇移動させて使用箇所にコンバイナを移動させることで、直線移動では到達できない収納箇所と使用箇所との間のコンバイナの移動を、中間箇所を経由して可能とする機構を提案している。
【特許文献1】特開2002−331854号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した過去の提案に係る機構は、コンバイナのガイドピンをガイド溝の終端に位置させたままフレームを上昇させて使用箇所にコンバイナを移動させる構成であることから、ガイド溝の終端におけるガイドピンの位置関係がコンバイナの使用箇所での位置決めに関与することになるが、そもそもガイドピンがガイド溝に対して、移動のスムーズさを確保するために多少のクリアランスを有していることから、使用箇所においてコンバイナをブレなく位置決めするために、さらなる改良の余地があった。
【0008】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、車両のダッシュボード内の表示源に表示された重畳用画像の虚像をフロントガラスを透して視認される車両の前景と重畳視認させるために、ダッシュボードの上方に配置される、ヘッドアップディスプレイのコンバイナを、限られたスペースしかなくても効率よくダッシュボードの内部に収納することができるようにする上で、コンバイナを展開して使用箇所に位置させた時の位置決め精度を高めることができるヘッドアップディスプレイ用コンバイナの収納方法と、この方法を実施する際に用いて好適なヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため請求項1に記載した本発明のヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置は、車両のダッシュボード内の表示源に表示された重畳用画像の虚像を、車両の前景と重畳して視認させる際に、前記ダッシュボードの上方に配置して用いられるコンバイナを、前記重畳用画像の虚像の視認を行わない際に、前記ダッシュボードの内部に収納するための装置であって、前記ダッシュボード上方の上限箇所と、該上限箇所の下方であって前記表示源の上方の下限箇所との間で昇降されるリンクフレームと、前記リンクフレームを前記上限箇所と前記下限箇所との間で昇降させる昇降手段と、前記リンクフレームに回転可能に取り付けられた回転アームを有し、該回転アームの回転にリンクして展開状態と折り畳み状態との間で変移するリンクアームユニットと、前記リンクフレームの前記上限箇所においては前記回転アームとの係合を解除し、前記リンクフレームの前記下限箇所においては前記回転アームと係合する回転プレートを有し、該回転プレートを回転させる回転手段とを備えており、前記昇降手段は、前記リンクフレームの前記上限箇所から前記下限箇所の全体に亘って、前記リンクフレームのガイドフレームを該リンクフレームの昇降方向に沿ってガイドするガイドレールを有しており、前記リンクアームユニットに前記コンバイナが支持されていて、前記回転アームが前記回転プレートと係合している前記展開状態の前記リンクアームユニットの前記回転アームを、前記回転手段により前記回転プレートごと回転させて、前記リンクアームユニットを前記展開状態から前記折り畳み状態に変移させることで、前記コンバイナを前記ダッシュボード内の収納箇所に位置させると共に、前記回転アームが前記回転プレートと係合している前記展開状態の前記リンクアームユニットを、前記昇降手段により前記リンクフレームごと、該リンクフレームの前記下限箇所から前記上限箇所に上昇させて、前記回転アームと前記回転プレートとの係合を解除させることで、前記コンバイナを前記ダッシュボード上方の使用箇所に位置させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載した本発明のヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置は、請求項1に記載した本発明のヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置において、前記昇降手段が、前記リンクフレームを前記下限箇所から前記上限箇所に向けて均一な力で付勢するコンストンバネを備えているものとした。
【0011】
さらに、請求項3に記載した本発明のヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置は、請求項1又は2に記載した本発明のヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置において、前記リンクフレームが、前記リンクアームユニットの前記展開状態における前記回転アームのロックピンが前記下限箇所において挿抜可能なロック孔を有するロックプレートを有しており、該ロックプレートが、前記リンクフレームの前記上限箇所において前記下限箇所における位置からシフトして、前記ロック孔に挿入された前記ロックピンを該ロック孔から抜脱可能に保持するように構成されているものとした。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載した本発明のヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置によれば、昇降手段によるリンクフレームの下限箇所から上限箇所への上昇により、回転アームと回転フレームとの係合を解除させて、コンバイナをダッシュボード上方の使用箇所に位置させると、リンクフレームのガイドフレームが昇降手段のガイドレールにより、少なくともガイドフレームの大きさで結合、支持された状態となるので、ガイド溝に対するピンの位置決めよりも数段精度良く、使用箇所におけるコンバイナの位置決めを行うことができる。
【0013】
また、請求項2に記載した本発明のヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置によれば、請求項1に記載した本発明のヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置において、昇降手段によるリンクフレームの昇降時に必要とするトルクを一定にして、昇降手段の駆動源に求められるトルクを最小化し、装置の小型化とコンバイナの収納、展開のスピードを均一化することができる。
【0014】
さらに、請求項3に記載した本発明のヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置によれば、請求項1又は2に記載した本発明のヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置において、リンクアームユニットの折り畳み及び展開で収納及び使用を可能とするに当たり、リンクアームユニットの繰り返しの展開によっても常にコンバイナを同じ使用箇所に再現性良く位置させることができる。
【0015】
ちなみに、請求項1、2又は3に記載した本発明のヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置において、前記回転手段が、前記回転プレートに対して回転用駆動源からの動力を伝達する動力伝達機構を有しており、該動力伝達機構が、前記回転プレートに対してその回転方向に加わる所定量以上の外力の前記回転用駆動源への伝達を遮断するスリップ機構を有しているものとしてもよい。
【0016】
そして、そのようにすれば、請求項1、2又は3に記載した本発明のヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置において、回転プレートに対してその回転方向に所定量以上の外力が加わると、回転手段の動力伝達機構のスリップ機構において、その外力の回転用駆動源への伝達が遮断されるので、回転アームとの係合中にコンバイナやリンクアームユニットに所定量以上の外力が加わっても、そのストレスをスリップ機構で吸収してコンバイナやリンクアームユニット、あるいは、回転手段に破損が生じるのを防ぐことができる。
【0017】
また、上記した回転手段がスリップ機構を有するものとしたヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置や、請求項1、2又は3に記載した本発明のヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置において、前記リンクアームユニットが、該リンクアームユニットの回転可能に連結された第1アーム部分と第2アーム部分とを所定の摩擦力によって直線上に位置するように保持するクラッチ機構を有しており、該クラッチ機構が、前記回転アームの延在方向と交わる方向から前記第1アーム部分及び前記第2アーム部分のうちいずれか一方に前記所定の摩擦力を超える外力が負荷されることで、前記第1アーム部分及び前記第2アーム部分のうちいずれか他方に対して前記一方を、前記外力の負荷方向に回転させるものとしてもよい。
【0018】
そして、そのようにすれば、上記した回転手段がスリップ機構を有するものとしたヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置や、請求項1、2又は3に記載した本発明のヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置において、リンクアームユニットの第1アーム部分と第2アーム部分とのどちらかに、これらの回転可能な連結部分に設けたクラッチ機構に設定された所定の摩擦力を超える外力が負荷されると、クラッチ機構が、その外力が負荷された方のアーム部分をもう一方のアーム部分に対して、外力の負荷方向に回転させるので、コンバイナやリンクアームユニットに所定の摩擦力を超える外力が加わっても、そのストレスをクラッチ機構で吸収してコンバイナやリンクアームユニット、あるいは、回転手段に破損が生じるのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明によるヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0020】
図1は本発明の一実施形態に係るヘッドアップディスプレイの原理的な概略構成を示す断面図で、図1中引用符号10で示す本実施形態のヘッドアップディスプレイは、ダッシュボード1の上方に位置しフロントガラス3に沿って配置される使用箇所のコンバイナ20上に、このコンバイナ20及びその前方のフロントガラス3を透して視認される前景と重畳視認させる重畳用画像を、ダッシュボード1内の表示源30から投影させるものである。
【0021】
そして、本実施形態のヘッドアップディスプレイ10は、上記したコンバイナ20や表示源30の他、コンバイナ20を図2に断面図で示すダッシュボード1内の収納箇所と、図1に示す使用箇所との間で移動させる移送ユニット40と、コンバイナ20が出し入れされるダッシュボード1の開口3を開閉する開閉ユニット50等を有している。
【0022】
前記移送ユニット40は、図3に斜視図で示すように、コンバイナ20の左右両側に各々取り付けられた折り畳みアームユニット410,410と、この折り畳みアームユニット410,410ごとコンバイナ20を回転移動させる回転ユニット420(請求項中の回転手段に相当)と、折り畳みアームユニット410,410ごとコンバイナ20を昇降移動させる昇降ユニット430と、これら各ユニット410〜430を支持するベースフレーム440とを有している。
【0023】
前記各折り畳みアームユニット410は、図4に斜視図で示すように、コンバイナ20の左右両側に先端部が直接固定される第1アーム411と、第1アーム411の基端寄り箇所に先端が回転可能に連結された第2アーム413(請求項中の回転アームに相当)とを備えている。
【0024】
また、各折り畳みアームユニット410は、第2アーム413の基端に一つの角部が回転可能に連結された平面視三角形状のリンクフレーム414と、第1アーム411の第2アーム413との連結箇所よりも基端寄りの箇所とリンクフレーム414の他の角部とに両端がそれぞれ回転可能に連結されたリンクアーム415とを備えている。
【0025】
尚、本実施形態では、第2アーム413を除く折り畳みアームユニット410によって、請求項中のリンクアームユニットが構成されている。
【0026】
各折り畳みアームユニット410は、図2に示すように第1アーム411の側面の段差部411bに第2アーム413が当接して第1アーム411と第2アーム413とが鋭角状に折り畳まれる折り畳み状態と、図5に拡大斜視図で示すように、第1アーム411と第2アーム413とが一直線上に位置する展開状態との間で、折り畳み展開可能に構成されている。
【0027】
そして、第1アーム411と第2アーム413とが一直線上に位置する折り畳みアームユニット410の展開状態では、図4に示すように、第2アーム413がリンクフレーム414のストッパ片414aに当接して、それ以上のリンクフレーム414に対する第2アーム413の回転を規制されるように構成されている。
【0028】
尚、リンクフレーム414のストッパ片414aの、第2アーム413が当接する側とは反対側の面には、図6に要部拡大斜視図で示すように、ストッパ片414aの長手方向(上下方向)にスライド可能にロックプレート416が取り付けられている。
【0029】
このロックプレート416は、図4に示すように、リンクフレーム414のストッパ片414aから突設されてロックプレート416の長孔416aを貫通したピン414bと、ロックプレート416に突設されたピン416bとの間に架設されたコイルばね414cによって、ストッパ片414aに対して常時下方向に付勢されている。
【0030】
そして、ロックプレート416は、図6に示すように、ピン416bに基端が枢支されてリンクフレーム414のストッパ片414aとの間に配置されたレバー416dの、ロックプレート416の側方から突出する先端を上動させることで、レバー416dと共にその中間箇所に緩く連結されたロックプレート416が、図7に要部拡大平面図で示すように、ストッパ片414aに対して上動するように構成されている。
【0031】
上記したロックプレート416には、図6に示すように、上側の小径部416fと下側の大径部416gとを連結したロック孔416eが形成されており、リンクフレーム414のストッパ片414aの、ロックプレート416が下限箇所にスライドしている状態でロック孔416eの小径部416fに臨む箇所には、大径部416gと同じ幅で通孔414dが形成されている。
【0032】
尚、図2に示すように、第1アーム411の基端にはロックピン411aが突設されており、このロックピン411aは、図6に示すように、リンクフレーム414のストッパ片414aの通孔414dやロックプレート416のロック孔416eの大径部416gに挿通可能で、かつ、ロック孔416eの小径部416fよりも大きい径で形成されている。
【0033】
そして、図3に示すように第1アーム411と第2アーム413とが一直線上に位置した状態では、図8に要部拡大斜視図で示すように、第1アーム411のロックピン411aが、スライド範囲の上限位置にあるロックプレート416のロック孔416eの大径部416g側に挿入される。
【0034】
この状態でロックプレート416が図4に示すコイルばね414cの付勢力によりリンクフレーム414のストッパ片414aに対して下動すると、ロック孔416eにおけるロックピン411aの位置が、図7に示す大径部416gから図6に示す小径部416fに移り、ロックピン411aの周面に形成された不図示の環状溝に、小径部416fの縁部が係止されて、ロックピン411aのロック孔416eからの抜脱が不能となり、第1アーム411と第2アーム413とが図4に示すように一直線上に位置した状態でロックされる。
【0035】
図3に示すように、前記回転ユニット420は、ベースフレーム440に回転可能に支持された回転シャフト421と、この回転シャフト421の両端にそれぞれ固着される駆動ギア422と、この駆動ギア422に噛合するギアを円弧状のギア面上に配置した扇形のギアプレート423(請求項中の回転プレートに相当)とを備えている。
【0036】
また、回転ユニット420は、図9に要部拡大斜視図で示すように、回転シャフト421に取り付けられた出力ギア424と、出力ギア424の回転駆動源であるモータ425(請求項中の回転用駆動源に相当)と、このモータ425の出力軸に取り付けられたウォームギア426と、このウォームギア426と噛合する第1中間ギア427Aと、この第1中間ギア427Aと一体に形成された第2中間ギア427Bと、この第2中間ギア427Bと噛合する第3中間ギア428と、この第3中間ギア428と一体に形成されて第3中間ギア428の回転を出力ギア424に伝達する第4中間ギア429とを備えている。
【0037】
尚、本実施形態では、回転ユニット420のうちギアプレート423とモータ425とを除いた残りが、請求項中における動力伝達機構に相当している。
【0038】
この回転ユニット420は、モータ425を回転させることで、ウォームギア426と、第1乃至第4の中間ギア426〜429と、出力ギア424と、図3に示す回転シャフト421及び駆動ギア422と介して、ギアプレート423をベースフレーム440に対して回転させるように構成されている。
【0039】
前記ギアプレート423の側面には、図10に拡大断面図で示すように、ギアプレート423の回転中心を通って放射線状に延在する嵌合溝423aが形成されており、この連結用溝423aに挿入可能な連結用突起413cが、折り畳みアームユニット410の第2アーム413の基端の内側面に、リンクフレーム414の角部の連結箇所を通って第2アーム413の延在方向に延出するように突設されている。
【0040】
前記ギアプレート423は、その円弧状のギア面側から嵌合溝423aに第2アーム413の連結用突起413cを挿入することで、第2アーム413と一体に回転するように構成されている。
【0041】
そして、回転ユニット420は、ギアプレート423の嵌合溝423aに第2アーム413の連結用突起413cが挿入された状態で、モータ425を正方向に回転させることで、ギアプレート423と第2アーム413とを一体で回転させると共に、基端寄り部分が第2アーム413の先端に連結されている第1アーム411とリンクフレーム414との間に架設されたリンクアーム415もリンクして回転させ、これにより、各折り畳みアームユニット410を、図5に示す展開状態から図2に示す折り畳み状態に変移させるように構成されている。
【0042】
また、回転ユニット420は、図10に示すギアプレート423の嵌合溝423aに第2アーム413の連結用突起413cが挿入された状態で、モータ425を逆方向に回転させることで、ギアプレート423と第2アーム413とを一体で回転させると共に、リンクアーム415もリンクして回転させ、これにより、各折り畳みアームユニット410を、図2に示す折り畳み状態から図5に示す展開状態に変移させるように構成されている。
【0043】
前記昇降ユニット430は、図11に内部の拡大斜視図で示すように、折り畳みアームユニット410の展開状態における第1アーム411の中間箇所と第2アーム413の基端とに各々隣接して配置された上プーリ431a及び下プーリ431bと、これら上プーリ431a及び下プーリ431bの中間から若干外れた箇所に配置された駆動プーリ432と、この駆動プーリ432と上プーリ431a及び下プーリ431bとの間にそれぞれ配置された上テンションプーリ433a及び下テンションプーリ433bを備えている。
【0044】
また、昇降ユニット430は、駆動プーリ432、上テンションプーリ433a、上プーリ431a、下プーリ431b、下テンションプーリ433bから駆動プーリ432へとループ状に架け渡されたベルト434と、上プーリ431a及び下プーリ431bの間に配置されたガイドレール435と、図12に拡大斜視図で示すように、ベースフレーム440に固着されて一方の折り畳みアームユニット410の側部に隣接する支持フレーム436とを備えている。
【0045】
さらに、前記昇降ユニット430は、支持フレーム436の上部にステー437を介して取り付けられたC型コンストンバネ438と、駆動プーリ432を回転させるモータ439(図3参照)とを備えている。
【0046】
前記支持フレーム436は、図11に示す上プーリ431a、下プーリ431b、上テンションプーリ433a、及び、下テンションプーリ433bをそれぞれ回転可能に支持していると共に、ガイドレール435を固定して支持しており、このガイドレール435には、図13に拡大斜視図で示すように、リンクフレーム414に固着されたガイドフレーム417が、図11に示すガイドレール435の延在方向にスライド可能に挿入される。
【0047】
また、図12に示すコンストンバネ438は、ドラム438aから帯状のワイヤ438bを巻き取り方向に付勢された状態で繰り出したもので、ドラム438aから繰り出されたワイヤ438bの先端は、図11に示すベルト434の上プーリ431aと下プーリ431bとの間の箇所と共に、図12に示す折り畳みアームユニット410のリンクフレーム414の保持片418に取り付けられている。
【0048】
尚、駆動プーリ432を回転させる図3のモータ439は、ベースフレーム440に隠れているため、図11乃至図13上には示していない。
【0049】
この昇降ユニット430は、モータ439を回転させて図11に示すベルト434を周回させることで、ベルト434を取り付けた図13の保持片418が固着されているリンクフレーム414のガイドフレーム417が、図12に示す支持フレーム436に支持された図11のガイドレール435によりガイドされつつ、ガイドレール435が延在する展開状態の折り畳みアームユニット410の第1アーム411及び第2アーム413の延在方向に沿って、折り畳みアームユニット410を往復移動させるように構成されている。
【0050】
尚、昇降ユニット430による折り畳みアームユニット410の移動は、折り畳みアームユニット410が図5に示す展開状態にある時にのみ行われる。
【0051】
そして、図3に示す昇降ユニット430のモータ439が正方向に回転すると、各折り畳みアームユニット410は展開状態のまま、図10に示すギアプレート423の連結用溝423aに挿入されている第2アーム413の連結用突起413cを引き出して離脱させながら、図5の下限箇所(請求項中の中間箇所に相当)から図10に示す上限箇所、即ち、使用箇所に上昇する。
【0052】
反対に、図3に示す昇降ユニット430のモータ439が逆方向に回転すると、各折り畳みアームユニット410は、図10に示す使用箇所、即ち、上限箇所から図5に示す下限箇所に向けて展開状態のまま降下し、やがて、ギアプレート423の連結用溝423aに第2アーム413の連結用突起413cが挿入されて下限箇所に到達する。
【0053】
この昇降ユニット430による各折り畳みアームユニット410の上昇、降下の際、リンクフレーム414は、図12に示すコンストンバネ438による支持フレーム436の上部側への付勢力を常に均一な力で受けることから、重力に抗して各折り畳みアームユニット410を上昇させる際にも、重力方向に各折り畳みアームユニット410を降下させる際にも、駆動プーリ432を回転させる図3のモータ439が必要とするトルクは変わらない。
【0054】
ちなみに、昇降ユニット430により展開状態の各折り畳みアームユニット410が下限箇所から上限箇所に向けて上昇する際には、図10に示すギアプレート423の連結用溝423aから第2アーム413の連結用突起413cが引き出されて離脱するよりも前に、図7に示すベースフレーム440の係止片441との係合によって先端が上動させられたレバー416dの、各折り畳みアームユニット410の上昇に伴う係止片441との係合の解除により、コイルばね414cの付勢力によってロックプレート416が図6に示すようにリンクフレーム414のストッパ片414aに対して下動する。
【0055】
これにより、ロックピン411aのロック孔416eからの抜脱が不能となり、第1アーム411と第2アーム413とが図3に示すように一直線上に位置した状態でロックされて、その後に、図10に示すギアプレート423の連結用溝423aから第2アーム413の連結用突起413cが引き出されて離脱することになるので、以後、各折り畳みアームユニット410の上限箇所への上昇中に第1アーム411が第2アーム413に対して折り畳まれた状態になることはない。
【0056】
よって、各折り畳みアームユニット410が折り畳み状態と展開状態とを何度繰り返しても、ロックプレート416によるロックピン411aのロックにより、展開状態の各折り畳みアームユニット410が常に同じ姿勢に保たれる。
【0057】
反対に、昇降ユニット430により展開状態の各折り畳みアームユニット410が上限箇所から下限箇所に向けて降下する際には、図10に示すギアプレート423の連結用溝423aに第2アーム413の連結用突起413cが挿入され始めた後に、図8に示すベースフレーム440の係止片441にレバー416dの先端が係合し、コイルばね414cの付勢力に抗してロックプレート416が図7に示すようにリンクフレーム414のストッパ片414aに対して上動する。
【0058】
これにより、ロックピン411aのロック孔416eからの抜脱が可能となり、第1アーム411と第2アーム413とが、図3に示すように一直線上に位置した状態でロックされた状態から解除されるので、以後、回転ユニット420がギアプレート423と共に各折り畳みアームユニット410の第2アーム413を一体で回転させても、各折り畳みアームユニット410が図5に示す展開状態から図2に示す折り畳み状態に変移される際の支障となることはない。
【0059】
図1に示す前記ダッシュボード1の開口3を開閉する開閉ユニット50は、開口3の前方側部分を開閉する前蓋51と、開口3の上方側部分を開閉する上蓋53と、展開状態(下限箇所乃至上限箇所)にある時の各折り畳みアームユニット410との緩衝防止用に上蓋53に設けた切欠部分53cを塞ぐ補助蓋55とを有している。
【0060】
前蓋51は支軸51aによって、また、上蓋53は支軸53aによって、いずれもダッシュボード1に対して開閉可能に取り付けられており、補助蓋55は、その基端が支軸55aによって前蓋51に回転可能に取り付けられている。
【0061】
また、前蓋51と上蓋53との間には、前蓋51のリンクピン51aを一端のガイド孔57aに挿入させ、他端のリンクピン57bを上蓋53のガイド孔53aに挿入させたリンクレバー57が、前蓋51と上蓋53とを連動させるために架設されており、補助蓋55の先端寄り部分とダッシュボード1内との間には、リンクレバー59が架設されている。
【0062】
そして、コンバイナ20をダッシュボード1内に収納した状態では、図1に示すように前蓋51、後蓋53、及び、補助蓋55はいずれも閉じているが、コンバイナ20を使用する場合は、まず、移送ユニット40の回転ユニット420によりダッシュボード1内の収納箇所にある折り畳み状態の折り畳みアームユニット410を展開状態に変移させるために、図14に断面図で示すように、前蓋51をダッシュボード1の前方に開き、リンクレバー57により上蓋53もダッシュボード1の上方に若干開かせる。
【0063】
尚、前蓋51を開くと補助蓋55も一緒に開き、かつ、リンクレバー59に引っ張られる形で補助蓋55が前蓋51の内側に収納される。
【0064】
これにより、各折り畳みアームユニット410は、移送ユニット40の回転ユニット420により、図15及び図16に断面図で示すように折り畳み状態から展開状態に変移する間、開閉ユニット50側と衝突することがない。
【0065】
各折り畳みアームユニット410が展開状態に変移したならば、図17に断面図で示すように、リンクレバー57を移動させることでガイド孔57a,57b内におけるリンクピン51a,53aの位置を相対的にずらして、上蓋53を閉じてしまって良い。
【0066】
後は、図1に示すように、前蓋51及び補助蓋55を開いたままで、移送ユニット40の昇降ユニット430により各折り畳みアームユニット410を下限箇所から上限箇所に上昇させることになる。
【0067】
尚、コンバイナ20の使用時には、表示源30からの表示光の像光を遮らないように、前蓋51及び補助蓋55は開けたままとしておく。
【0068】
ちなみに、この開閉ユニット50は、移送ユニット40に連動するように構成することもできるし、手動で開口3を開閉するように構成することもできる。
【0069】
このように構成された本実施形態のヘッドアップディスプレイでは、コンバイナ20の非使用時には、各折り畳みアームユニット410の第1アーム411と第2アーム413とを鋭角状に折り畳んだ折り畳み状態としてダッシュボード1内の収納箇所に収納し、使用時には、移送ユニット40の回転ユニット420により折り畳み状態の各折り畳みアームユニット410を展開状態として中間箇所、つまり、下限箇所に位置させ、さらに、昇降ユニット430により展開状態の各折り畳みアームユニット410を上限箇所、つまり、使用箇所に位置させることになる。
【0070】
そして、使用箇所に位置させた各折り畳みアームユニット410は、リンクフレーム414のガイドフレーム417が、ベースフレーム440に固着した昇降ユニット430の支持フレーム436のガイドレール435によって、スライド可能に支持された状態にあるので、各折り畳みアームユニット410がベースフレーム440により、少なくともガイドフレーム417の幅及び長さで(間接的に)結合、支持されていることになる。
【0071】
このため、ガイド溝の終端とそこに位置しているコンバイナのガイドピンとの位置決めによって使用箇所にコンバイナを位置決めしていた従来に比べて、使用箇所でのコンバイナの位置決め精度を高くすることができる。
【0072】
尚、コンバイナ20の使用中に、例えば車両の急制動等により乗員が前のめりになると、コンバイナ20にぶつかって移送ユニット40の破損等を招く恐れがあることから、そうならないための緩衝機構を設けておくことは有用である。
【0073】
そこで、そのような緩衝機構を有する本発明の変形実施形態に係るヘッドアップディスプレイを、図18の斜視図を参照して説明する。
【0074】
図18に示す変形実施形態のヘッドアップディスプレイでは、各折り畳みアームユニット410の第1アーム411の基部側を、第2アーム413(図18中図示せず)の先端との連結箇所までで終わりとし、先の実施形態では第1アーム411の基端側の一部であった部分を別部材のクラッチブロック419として、このクラッチブロック419に、第1アーム411と第2アーム413とが一直線上に位置した状態でロックプレート416のロック孔416eの大径部416g側に挿入されるロックピン411aを突設している。
【0075】
そして、第1アーム411の基端とクラッチブロック419とを連結するクラッチ機構412を、図19(A),(B),(C)の部分拡大平面図、部分拡大側面図、及び、分解図で示すように、第1アーム411の基端にIカットの嵌合部412bが回り止め状態で取り付けられるシャフト412aのカラー部412cに、ウェーブワッシャ412d及びワッシャ412eを介して、クラッチブロック419に取り付けられたプレート412fを回転可能に連結し、さらに、ワッシャ412g及び押えリング412hによりこれらウェーブワッシャ412d、ワッシャ412e、プレート412fをシャフト412a側に押えつけた状態で、これらの全てを不図示のEリングによりカラー部412cに回転可能でかつ抜き取り不能に取り付けて構成している。
【0076】
尚、図18に示すように、クラッチブロック419の先端に当接する第1アーム411の基端の一方の角には、曲面状の面取り加工が施されており、この面取り加工により第1アーム411は、クラッチ機構412に設定されたトルクを上回る力が加わった際に、クラッチブロック419に対してほぼ一直線上に位置する状態からほぼ直角に交わる状態に、クラッチ機構412のシャフト412aのカラー部412cを中心として回転、揺動する。
【0077】
このクラッチブロック419に対する第1アーム411の回転、揺動により、例えば乗員がコンバイナ20にぶつかっても、第1アーム411乃至コンバイナ20がフロントガラス3側に移動するので、移送ユニット40に大きな外力が加わって破損に至ることがない。
【0078】
ちなみに、このように構成する場合、第1アーム411が請求項中の第1アーム部分に相当し、クラッチブロック419が請求項中の第2アーム部分に相当することになる。
【0079】
また、図18の変形実施形態の構成に代えて、図9に示す回転ユニット420の第1中間ギア427Aと第2中間ギア427Bとを別体に構成し、図20に要部拡大断面図で示すような、第1中間ギア427Aと第2中間ギア427Bとを回転可能に貫通するカラー部材427Cの一端側に、テンションばね427Dを嵌装してばねリテーナ427EをEリング等(図示せず)により回転可能でかつ抜き取り不能に取り付けて、一定以上のトルクが加わると第1中間ギア427Aと第2中間ギア427Bとが個別に回転するスリップギア(請求項中のスリップ機構に相当)とすることによっても、使用中のコンバイナ20に外力が加わった際の移送ユニット40の破損を防ぐことができる。
【0080】
以上に説明した本発明の実施形態及びその変形実施形態において、コンストンバネ438によって、各折り畳みアームユニット410の上昇、降下の際に駆動プーリ432を回転させるモータ439が必要とするトルクを変わらないようにするための構成は、省略してもよい。
【0081】
また、同様に、各折り畳みアームユニット410の展開状態時に第1アーム411と第2アーム413とが直線上に位置する姿勢を保持できるような摩擦力を持って連結されている場合は、リンクフレーム414のストッパ片414aに設けたロックプレート416のロック孔416eへの、第1アーム411に突設したロックピン411のロックにより、第1アーム411と第2アーム413とを一直線上に位置した状態でロックするための構成は、省略してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施形態に係るヘッドアップディスプレイの原理的な概略構成を示す断面図である。
【図2】図1に示すコンバイナがダッシュボード内の収納箇所に位置している状態を示す断面図である。
【図3】図1に示すコンバイナの移送ユニットの概略構成を示す斜視図である。
【図4】図3に示す折り畳みアームユニットの斜視図である。
【図5】折り畳みアームユニットの展開状態における図3の移送ユニットの拡大斜視図である。
【図6】図4に示すロックプレート部分の要部拡大斜視図である。
【図7】図6に示すロックプレートが上動した状態を示す要部拡大平面図である。
【図8】図7に示す上動箇所のロックプレートに第1アームのロックピンが挿入された状態を示す要部拡大斜視図である。
【図9】図3に示す回転ユニットの概略構成を示す要部拡大斜視図である。
【図10】図3に示す回転ユニットから折り畳みアームユニットが分離した状態を示す拡大断面図である。
【図11】図1に示すコンバイナの移送ユニット中の昇降ユニットの内部を示す拡大斜視図である。
【図12】図11の昇降ユニットの外観を示す拡大斜視図である。
【図13】図11の昇降ユニットの内部を示す拡大斜視図である。
【図14】図1に示すコンバイナが収納箇所から使用箇所まで移動遷移する際のダッシュボードの開閉ユニットの動作変移を示す断面図である。
【図15】図1に示すコンバイナが収納箇所から使用箇所まで移動遷移する際のダッシュボードの開閉ユニットの動作変移を示す断面図である。
【図16】図1に示すコンバイナが収納箇所から使用箇所まで移動遷移する際のダッシュボードの開閉ユニットの動作変移を示す断面図である。
【図17】図1に示すコンバイナが収納箇所から使用箇所まで移動遷移する際のダッシュボードの開閉ユニットの動作変移を示す断面図である。
【図18】本発明の変形実施形態に係るヘッドアップディスプレイの折り畳みアームユニットの要部構成を示す斜視図である。
【図19】(A),(B),(C)は図18のクラッチ機構の部分拡大平面図、部分拡大側面図、及び、分解図である。
【図20】図9の回転ユニットの第1及び第2中間ギアをスリップギアによって構成する場合の変形実施形態を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0083】
1 ダッシュボード
20 コンバイナ
30 表示源
411 第1アーム(リンクアームユニット、第1アーム部分)
411a ロックピン
412 クラッチ機構
413 第2アーム(回転アーム)
414 リンクフレーム
415 リンクアーム(リンクアームユニット)
416 ロックプレート
416e ロック孔
417 ガイドフレーム
419 クラッチブロック(第2アーム部分)
420 回転ユニット(回転手段)
421 回転シャフト(動力伝達機構)
422 駆動ギア(動力伝達機構)
423 ギアプレート(回転プレート)
424 出力ギア(動力伝達機構)
425 モータ(回転用駆動源)
426 ウォームギア(動力伝達機構)
427A 第1中間ギア(動力伝達機構)
427B 第2中間ギア(動力伝達機構)
428 第3中間ギア(動力伝達機構)
429 第4中間ギア(動力伝達機構)
430 昇降ユニット(昇降手段)
435 ガイドレール
438 コンストンバネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のダッシュボード内の表示源に表示された重畳用画像の虚像を、車両の前景と重畳して視認させる際に、前記ダッシュボードの上方に配置して用いられるコンバイナを、前記重畳用画像の虚像の視認を行わない際に、前記ダッシュボードの内部に収納するための装置であって、
前記ダッシュボード上方の上限箇所と、該上限箇所の下方であって前記表示源の上方の下限箇所との間で昇降されるリンクフレームと、
前記リンクフレームを前記上限箇所と前記下限箇所との間で昇降させる昇降手段と、
前記リンクフレームに回転可能に取り付けられた回転アームを有し、該回転アームの回転にリンクして展開状態と折り畳み状態との間で変移するリンクアームユニットと、
前記リンクフレームの前記上限箇所においては前記回転アームとの係合を解除し、前記リンクフレームの前記下限箇所においては前記回転アームと係合する回転プレートを有し、該回転プレートを回転させる回転手段とを備えており、
前記昇降手段は、前記リンクフレームの前記上限箇所から前記下限箇所の全体に亘って、前記リンクフレームのガイドフレームを該リンクフレームの昇降方向に沿ってガイドするガイドレールを有しており、
前記リンクアームユニットに前記コンバイナが支持されていて、
前記回転アームが前記回転プレートと係合している前記展開状態の前記リンクアームユニットの前記回転アームを、前記回転手段により前記回転プレートごと回転させて、前記リンクアームユニットを前記展開状態から前記折り畳み状態に変移させることで、前記コンバイナを前記ダッシュボード内の収納箇所に位置させると共に、
前記回転アームが前記回転プレートと係合している前記展開状態の前記リンクアームユニットを、前記昇降手段により前記リンクフレームごと、該リンクフレームの前記下限箇所から前記上限箇所に上昇させて、前記回転アームと前記回転プレートとの係合を解除させることで、前記コンバイナを前記ダッシュボード上方の使用箇所に位置させる、
ことを特徴とするヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置。
【請求項2】
前記昇降手段は、前記リンクフレームを前記下限箇所から前記上限箇所に向けて均一な力で付勢するコンストンバネを備えている請求項1記載のヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置。
【請求項3】
前記リンクフレームは、前記リンクアームユニットの前記展開状態における前記回転アームのロックピンが前記下限箇所において挿抜可能なロック孔を有するロックプレートを有しており、該ロックプレートは、前記リンクフレームの前記上限箇所において前記下限箇所における位置からシフトして、前記ロック孔に挿入された前記ロックピンを該ロック孔から抜脱可能に保持するように構成されている請求項1又は2記載のヘッドアップディスプレイ用コンバイナ収納装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−182132(P2007−182132A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−1424(P2006−1424)
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】