説明

ヘモグロビン濃度変化予測装置及び警報器

【課題】一酸化炭素濃度から血中のヘモグロビン濃度の変化を早期に予測し、逃げ遅れ等の防止に貢献する。
【解決手段】ガスセンサ10が検出した一酸化炭素濃度に基づいて、血液中のヘモグロビン濃度の変化を予測するヘモグロビン濃度変化予測装置2であって、一酸化炭素濃度の所定時間における複数種類の上昇率の各々に対応し、予め定められたヘモグロビン危険濃度への到達を予測するための到達予測情報を記憶する到達予測情報記憶手段22と、ガスセンサ10が時系列的に検出した一酸化炭素濃度に基づいて、当該一酸化炭素濃度の上昇率を算出する上昇率算出手段21aと、上昇率算出手段21aが算出した上昇率に対応した前記到達予測情報に基づいて、ヘモグロビン危険濃度への到達を予測する予測手段21bと、予測手段21bがヘモグロビン危険濃度に到達するとの予測結果を通知する予測結果通知手段21cと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスセンサが検出した一酸化炭素濃度に基づいて、血液中のヘモグロビン濃度の変化を予測するヘモグロビン濃度変化予測装置及び警報器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一酸化炭素(以下、CO)は燃焼器具を正常な状態で使用しても発生することが知られている。特に、鍋、やかん等の調理器具を用いて、お湯を沸かす場合に、冷たい調理器具が暖まるまでの間にCOが発生する。そこで、従来のガス警報器では、CO濃度が設定点を超えてもすぐには警報の発生を行わず、予め定めた遅延時間経過後も設定点を越えている状態が継続した場合に、警報を発生するようにしている。
【0003】
従来の家庭用のガス警報器では、(1)CO濃度が低濃度設定点300ppmに到達してから遅延時間10分以内に警報を発し、かつ、(2)CO濃度が高濃度設定点550ppmに到達してから遅延時間5分以内に警報を発するようにしている。
【0004】
上述した(1)、(2)に従って警報を発すれば、換気回数が少ない部屋で燃焼器具を燃焼させ、酸欠に伴い燃焼器具が不完全燃焼して、CO濃度が上昇し続けても、人体の血液中の一酸化炭素ヘモグロビン濃度(以下COHb)が25%に達する前に警報が行えるようになっている。
【0005】
そして、COの人体に対する影響状況に応じたガス警報を正確に行うために、COの人体への影響を考慮し、COHbに対応した係数Kを用いて遅延時間を設定するガス警報器が提案されている(特許文献1)。このガス警報器は、「家庭用ガス器具の低換気率室内での燃焼(酸欠燃焼)の危険性」(安全工学Vol.19 No.4 1980年の報文)に報告されているCO濃度、酸素濃度、漏洩時間からなる回帰式からCOHb値を求めて係数Kを決定し、遅延時間を決める方法をとっている。このように設定された遅延時間は人体の血液中のCOHbに応じた時間であり、COの人体に対する影響状況に応じたガス警報が行われてきた。
【特許文献1】特開2002−39980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したガス警報器では、COHbに対応した遅延時間を設定して、COの人体に対する影響状況に応じたガス警報を行ってきたが、そのガス警報は危険な状態になってからの警報であり、逃げ遅れ等の発生を防止するためにも、ガス警報の前に利用者に危険の可能性を知らせたいとの要望があった。そこで、ガス警報の警報条件を引き下げることが考えられるが、そうすると、誤警報の発生確率が高まってしまい、実現することが困難であった。
【0007】
よって本発明は、上述した問題点に鑑み、一酸化炭素濃度から血中のヘモグロビン濃度の変化を早期に予測し、逃げ遅れ等の防止に貢献するヘモグロビン濃度変化予測装置及び警報器を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1記載のヘモグロビン濃度変化予測装置は、図1の基本構成図に示すように、ガスセンサ10が検出した一酸化炭素濃度に基づいて、血液中のヘモグロビン濃度の変化を予測するヘモグロビン濃度変化予測装置であって、前記一酸化炭素濃度の所定時間における複数種類の上昇率の各々に対応し、予め定められたヘモグロビン危険濃度への到達を予測するための到達予測情報を記憶する到達予測情報記憶手段22と、前記ガスセンサ10が時系列的に検出した一酸化炭素濃度に基づいて、当該一酸化炭素濃度の上昇率を算出する上昇率算出手段21aと、前記上昇率算出手段21aが算出した上昇率に対応した前記到達予測情報に基づいて、前記ヘモグロビン危険濃度への到達を予測する予測手段21bと、前記予測手段21bが前記ヘモグロビン危険濃度に到達するとの予測結果を通知する予測結果通知手段21cと、を有することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1に記載のヘモグロビン濃度変化予測装置において、前記上昇率算出手段21aが、前記一酸化炭素濃度に対応して予め定められた計測対象条件を前記一酸化炭素濃度が満たしたときに前記上昇率を算出する手段であることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1又は2に記載のヘモグロビン濃度変化予測装置において、前記ガスセンサ10が検出した一酸化炭素濃度に基づいて、血液中のヘモグロビン濃度を計測するヘモグロビン濃度計測手段21dを有し、前記到達予測情報が、前記複数種類の上昇率の各々と前記ヘモグロビン濃度とに基づいて、前記ヘモグロビン危険濃度までの到達予測時間を算出するための算出データを有し、前記予測手段21bが、前記上昇率と前記ヘモグロビン濃度と前記算出データとに基づいて、前記ヘモグロビン危険濃度への到達を予測する手段であることを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項4記載の警報器は、図1の基本構成図に示すように、一酸化炭素濃度を検出するガスセンサ10と、予め定められたヘモグロビン危険濃度に前記ガスセンサ10によって検出した一酸化炭素濃度が達したことを警報する警報手段と、を有する警報器において、請求項1又は2に記載のヘモグロビン濃度変化予測装置2を有し、血中のヘモグロビン濃度が前記ヘモグロビン危険濃度に到達する前に、前記ヘモグロビン濃度変化予測装置2の予測結果を通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように請求項1に記載した本発明のヘモグロビン濃度変化予測装置によれば、ガスセンサ10が時系列的に検出した一酸化炭素濃度に基づいて当該一酸化炭素濃度の上昇率を計測し、該上昇率に対応した到達予測情報に基づいて、ヘモグロビン危険濃度への到達を予測したことを通知するようにしたことから、ヘモグロビン危険濃度に達する前に危険が迫っていることを早期の段階で利用者に通知できるため、逃げ遅れ等の防止に貢献することができる。また、予測結果を通知することで、設置場所の換気等を利用者に促すことができるため、ヘモグロビン危険濃度に達することの防止に貢献することができる。さらに、一酸化炭素濃度の上昇率は低濃度で計測することができることから、安価なガスセンサを用いることができるため、安価に実現することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、一酸化炭素濃度が計測対象条件を満たしたときに、その上昇率を計測するようにしたことから、計測対象条件として、設置された環境、ガスの使用状況等に応じて発生する一酸化炭素の濃度を考慮することができるため、ヘモグロビン危険濃度への到達の予測精度を向上させることが可能となり、誤通知を低減することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、一酸化炭素濃度の上昇率とヘモグロビン濃度との関係に基づいてヘモグロビン危険濃度への到達を予測するようにしたことから、その予測の精度を早期の段階でも向上させることができるため、誤通知をより一層低減することができる。
【0015】
以上説明したように請求項4に記載した本発明の警報器によれば、ヘモグロビン濃度変化予測装置2の予測結果を通知した後、ヘモグロビン危険濃度に到達したときに警報を行うようにしたことから、ヘモグロビン危険濃度に達する前に危険が迫っていることを早期の段階で利用者に通知できるため、逃げ遅れ等の防止に貢献することができる。また、予測結果を通知することで、設置場所の換気等を利用者に促すことができるため、ヘモグロビン危険濃度に達することの防止に貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るヘモグロビン濃度変化予測装置を警報器に適用した場合の一実施の形態を、図1〜図5の図面を参照して説明する。
【0017】
図2において、警報器1は、ガスセンサ10と、マイクロプロセッサユニット(MPU)20と、警報部30と、を有して構成しており、台所、室内等に設置されている。そして、警報器1は、内蔵する電池5から供給される電力によって動作している。なお、警報器1は、商用電源からの電力により動作するような実施形態とすることもできる。
【0018】
ガスセンサ10は、一酸化炭素(以下、COともいう)の酸化反応により、CO濃度に応じた電流が流れる電気化学式ガスセンサを用いており、CO濃度に応じた電流を電圧に変換して、MPU20に出力している。なお、ガスセンサ10としては、警報器1のコストダウンを図るために、半導体式ガスセンサや接触燃焼式ガスセンサを用いることもできる。
【0019】
MPU20は、周知のように、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)21、CPU21のためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM22、各種のデータを格納するとともにCPU21の処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM23等を有して構成している。
【0020】
ROM22は、CPU21を図1に示す請求項中の上昇率計測手段21a、予測手段21b、予測結果通知手段21c、ヘモグロビン濃度計測手段21d等の各種手段として機能させるためのCOHb変化予測処理プログラムを記憶している。そして、CPU21はそのCOHb変化予測処理プログラムを実行することで、上昇率計測手段21a、予測手段21b、予測結果通知手段21c、ヘモグロビン濃度計測手段21dとして機能することになる。
【0021】
また、ROM22は、一酸化炭素濃度の所定時間における複数種類の上昇率の各々に対応し、予め定められたヘモグロビン危険濃度(危険濃度)への到達を予測するための到達予測情報を記憶しており、本実施形態では上記請求項中の到達予測情報記憶手段22として記憶している。
【0022】
到達予測情報の一例としては、図3(a)〜(c)に示すような複数種類(図3中では3つ)のグラフ中の上昇勾配等から求めた上昇率、該上昇率とCOHb濃度(積算値など)に対応し且つCOHb濃度の予め定められた危険濃度に達するまでの到達予測時間(到達するか否か)等を示す各種データを有している。
【0023】
図3において、縦軸がCO濃度(ppm)及び血液中の一酸化炭素ヘモグロビン濃度(COHbともいう)(%)、横軸が経過時間(秒)をそれぞれ示している。そして、図3(a)は、CO200ppmのガスが存在しCOHbが5%まで上昇し、その後600ppm/minで急激にCOが発生した場合のCOHbの変化をCoburn−Forster−Kane Equationにて換算した結果を示している。同様に、図3(b)は、400ppm/minで急激にCOが発生した場合、図3(c)は200ppm/minで急激にCOが発生した場合の各換算結果を示している。
【0024】
そして、図3(a)〜(c)の各グラフから、上記危険濃度に達するときのCO濃度の上昇率を求め、該上昇率から任意に設定された所定時間におけるCO濃度の上昇率を求め、そのときのCOHbと上昇率を関連付けて到達予測情報を作成してROM22に記憶している。
【0025】
このように本実施形態では、複数の到達予測情報によって上昇率とCOHb濃度とから到達予測時間を特定するためのテーブル情報を構成する場合について説明するが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば上昇率とCOHb濃度から到達予測時間を予測する予測プログラムとして記憶するなど種々異なる実施形態とすることができる。
【0026】
また、ROM22には、図4に示すように、CO濃度の計測対象条件として、危険濃度よりも低く設定された計測対象閾値を記憶している。計測対象条件は、ガスセンサ10の測定精度、測定の下限値等に基づいて任意に設定される。なお、図4中の縦軸がCO濃度(ppm)、横軸が経過時間(秒)及びCOHb(%)をそれぞれ示している。
【0027】
警報部30は、警報出力部31と、スピーカ32と、警報表示部33と、を有している。警報出力部31は、CPU21によって制御され、CPU21によって要求された複数種類の音声警報、警報音等の各々に対応した警報信号を選択的にスピーカ32に出力する。スピーカ32は、警報出力部31から入力された警報信号等を外部に出力する。警報表示部33は、LED、LCD等が用いられ、CPU21によって要求された各種警報情報を表示する。
【0028】
次に、上述したCPU21が実行するCOHb変化予測処理の一例を、図5のフローチャートを参照して以下に説明する。なお、COHb変化予測処理は、電源断、終了要求の発生等に応じて強制終了されることを前提としている。
【0029】
CPU21によってCOHb変化予測処理が実行されると、ステップS11において、ガスセンサ10からの入力信号に基づいて所定のサンプリング時間にCO濃度が計測され、ステップS12において、そのCO濃度と上記計測対象条件が比較され、該比較結果に基づいてCO濃度を検出できたか否かが判定される。CO濃度を検出できなかったと判定された場合(S12でN)、ステップS11に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、CO濃度を検出できたと判定された場合(S12でY)、ステップS13に進む。
【0030】
ステップS13において、計測したCO濃度がRAM23に時系列的に記憶され、ステップS14において、RAM23のCO濃度がCoburn−Forster−Kane Equationにて換算されてCOHbが算出され、ステップS15において、そのCOHbがRAM23に積算され、その後ステップS16に進む。
【0031】
ステップS16において、RAM23に時系列的に記憶された複数のCO濃度に基づいて、CO濃度が上昇しているか否かが判定される。上昇していないと判定された場合(S16でN)、ステップS11に戻り、一連の処理が繰り返される。一方、上昇していると判定された場合(S16でY)、ステップS17に進む。
【0032】
ステップS17において、所定時間におけるCO濃度の上昇率が計測され、ステップS18において、当該上昇率とRAM23のCOHbの積算値とに対応した上記到達予測情報が複数の到達予測情報の中から抽出され、該到達予測情報に基づいて危険濃度への到達(到達予測時間等)が予測され、その後ステップS19に進む。
【0033】
ステップS19において、予測結果が通知条件を満たすか否かが判定される。なお、通知条件の一例としては、危険濃度へ到達する可能性があると判定されたとき、到達予測時間が予め定められた所定時間内であるときなど任意に設定することができる。そして、通知条件を満たさないと判定された場合(S19でN)、ステップS11に戻り、一連の処理が繰り返される。
【0034】
一方、通知条件を満たすと判定された場合(S19でY)、ステップS20において、予測結果の通知が警報部30に要求されることで、予測結果が警報部30から外部に出力され、その後ステップS11に戻り、一連の処理が繰り返される。なお、予測結果の通知方法としては、例えば、COHbが危険濃度に達したときの警報音とは異なる警報音、音声警報など種々異なる実施形態とすることができる。
【0035】
以上説明した図5に示すフローチャート中のステップS17が上昇率計測手段21a、ステップS18が予測手段21b、ステップS20が予測結果通知手段21c、ステップS14〜S15がヘモグロビン濃度計測手段21dにそれぞれ相当している。
【0036】
次に、上述した警報器1における本発明に係る動作(作用)の一例を、図4等の図面を参照して以下に説明する。
【0037】
図4に示す時間t0においてCOが発生した後、時間t1において、そのCO濃度が警報対象条件を到達すると、警報器1は、上昇するCO濃度を時系列的に計測すると共に、COHbを計測してその値を積算する。そして、時間t2において、警報器1は、CO濃度の上昇率ΔLを計測し、該上昇率ΔLとその時点のCOHbの積算値に対応した到達予測情報に基づいて危険濃度への到達を予測し、到達予測時間Tが経過した時間t3に、COHbが危険濃度に到達すると予測した場合、その予測結果は時間t2に警報部30から利用者に対して通知する。その後、時間t3において、警報器1は、COHbが危険濃度に到達したことを検出すると、従来のようにCOHbが危険濃度に達したこと警報される。
【0038】
以上説明した警報器1によれば、時間t2でCOHbが危険濃度に達すると予測したことを利用者に対して通知し、その後時間t3でCOHbが危険濃度に達したときに従来の警報を行うようにしたことから、危険濃度に達する前に危険が迫っていることを早期の段階で利用者に通知できるため、逃げ遅れ等の防止に貢献することができる。また、予測結果を通知することで、設置場所の換気等を利用者に促すことができるため、ヘモグロビン危険濃度に達することの防止に貢献することができる。さらに、一酸化炭素濃度の上昇率は低濃度(例えば50ppm以下など)で計測することができることから、安価なガスセンサを用いることができるため、安価に実現することができる。
【0039】
また、CO濃度が計測対象条件を満たしたときに、その上昇率ΔLを計測するようにしたことから、計測対象条件として、設置された環境、ガスの使用状況等に応じて発生する一酸化炭素の濃度を考慮することができるため、危険濃度への到達の予測精度を向上させることが可能となり、誤通知を低減することができる。
【0040】
さらに、CO濃度の上昇率ΔLとCOHbとの関係に基づいて危険濃度への到達を予測するようにしたことから、その予測の精度を早期の段階でも向上させることができるため、誤通知をより一層低減することができる。
【0041】
なお、上述した実施形態では、本発明のヘモグロビン濃度変化予測装置を警報器1に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、例えばヘモグロビン濃度変化予測装置を複合型警報器、火災警報器、時計、電化製品等に適用するなど種々異なる実施形態とすることができる。
【0042】
このように上述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】ヘモグロビン濃度変化予測装置及び警報器の基本構成を示す構成図である。
【図2】本発明を適用した警報器の概略構成の一例を示す構成図である。
【図3】到達予測情報の一例を説明するためのCO濃度とCOHbと時間との関係を示すグラフであり、(a)はCO濃度の発生が600ppm/min、(b)はCO濃度の発生が400ppm/min、(c)はCO濃度の発生が200ppm/minをそれぞれ示している。
【図4】COHbが危険濃度に到達すると予測する場合の動作を説明するための図である。
【図5】図2中のCPUが実行するCOHb変化予測処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
1 警報器
2 ヘモグロビン濃度変化予測装置
10 ガスセンサ
21a 上昇率計測手段(CPU)
21b 予測手段(CPU)
21c 予測結果通知手段(CPU)
21d ヘモグロビン濃度計測手段(CPU)
22 到達予測情報記憶手段(ROM)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスセンサが検出した一酸化炭素濃度に基づいて、血液中のヘモグロビン濃度の変化を予測するヘモグロビン濃度変化予測装置であって、
前記一酸化炭素濃度の所定時間における複数種類の上昇率の各々に対応し、予め定められたヘモグロビン危険濃度への到達を予測するための到達予測情報を記憶する到達予測情報記憶手段と、
前記ガスセンサが時系列的に検出した一酸化炭素濃度に基づいて、当該一酸化炭素濃度の上昇率を算出する上昇率算出手段と、
前記上昇率算出手段が算出した上昇率に対応した前記到達予測情報に基づいて、前記ヘモグロビン危険濃度への到達を予測する予測手段と、
前記予測手段が前記ヘモグロビン危険濃度に到達するとの予測結果を通知する予測結果通知手段と、
を有することを特徴とするヘモグロビン濃度変化予測装置。
【請求項2】
前記上昇率算出手段が、前記一酸化炭素濃度に対応して予め定められた計測対象条件を前記一酸化炭素濃度が満たしたときに前記上昇率を算出する手段であることを特徴とする請求項1に記載のヘモグロビン濃度変化予測装置。
【請求項3】
前記ガスセンサが検出した一酸化炭素濃度に基づいて、血液中のヘモグロビン濃度を計測するヘモグロビン濃度計測手段を有し、
前記到達予測情報が、前記複数種類の上昇率の各々と前記ヘモグロビン濃度とに基づいて、前記ヘモグロビン危険濃度までの到達予測時間を算出するための算出データを有し、
前記予測手段が、前記上昇率と前記ヘモグロビン濃度と前記算出データとに基づいて、前記ヘモグロビン危険濃度への到達を予測する手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載のヘモグロビン濃度変化予測装置。
【請求項4】
一酸化炭素濃度を検出するガスセンサと、予め定められたヘモグロビン危険濃度に前記ガスセンサによって検出した一酸化炭素濃度が達したことを警報する警報手段と、を有する警報器において、
請求項1又は2に記載のヘモグロビン濃度変化予測装置2を有し、
血中のヘモグロビン濃度が前記ヘモグロビン危険濃度に到達する前に、前記ヘモグロビン濃度変化予測装置の予測結果を通知することを特徴とする警報器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−175833(P2009−175833A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−11198(P2008−11198)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】