ボンディング層が消滅する間接ボンディング
【課題】支持基板に直接に接着することができない半導体材料によるSeOI構造を形成する方法を提供する。
【解決手段】下部層1及び上部層2を備える半導体ドナー基板が使用され、上部層2の材料の元素の拡散を受け入れる材料のボンディング層3を上部層2上に形成する工程と、そのボンディング接着を確実に行うためにボンディング層3を洗浄する工程と、あらかじめ上部層2上に形成され、そして、洗浄されたボンディング層3の側から、支持基板20に対してドナー基板を接着する工程と、この上部層2から元素をボンディング層3中に拡散して、このボンディング層及び上部層中の上記元素の濃度を均一化し、均一な薄層を支持基板20の表面上に形成する工程とを備える。
【解決手段】下部層1及び上部層2を備える半導体ドナー基板が使用され、上部層2の材料の元素の拡散を受け入れる材料のボンディング層3を上部層2上に形成する工程と、そのボンディング接着を確実に行うためにボンディング層3を洗浄する工程と、あらかじめ上部層2上に形成され、そして、洗浄されたボンディング層3の側から、支持基板20に対してドナー基板を接着する工程と、この上部層2から元素をボンディング層3中に拡散して、このボンディング層及び上部層中の上記元素の濃度を均一化し、均一な薄層を支持基板20の表面上に形成する工程とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の適用分野は、エレクトロニクス、光学、及びオプトエレクトロニクスのための基板としての機能を果たすセミコンダクタ・オン・インシュレータ(SeOI)構造を製造するための方法についての分野である。
【0002】
本発明の非限定的な一適用は、支持基板の表面上に存在する熱酸化物層に対する半導体材料層の間接ボンディングによる、SeOI構造の製造に関する。
【背景技術】
【0003】
以下にさらに詳細に説明しているように、この用語「間接ボンディング」は、共に接着すべき2層の材料の間に挿入されるボンディング層を使用するボンディングのことを意味する。
【0004】
ボンディング層の使用は、ある種の半導体材料のある層(例えば、酸化物層)に対する直接ボンディングを実現することが難しいときに、特に効果的である。
【0005】
この困難については、特にシリコン・ゲルマニウム・オン・インシュレータ(SGOI)構造を製造するために、シリコン−ゲルマニウムSiGeの層が支持基板の表面上の酸化物層に直接に接着されることになるときに観察される。
【0006】
この困難は、SiGe層中のゲルマニウムの濃度が高いときになお一層顕著となることに留意されたい。
【0007】
SiGe層の支持基板に対する直接ボンディングを実行するために、ボンディングに先立って、接着すべきこれらの表面を処理するためのいくつかの方法が提案されてきている。とりわけ、共に接着すべきこれらの表面の洗浄は、一般にボンディングの前に、これらの表面の接着を妨げる可能性がある(粗さ、粒子状汚染など)異なる諸要因を制御するために実行される。
【0008】
一例として、「疎水性ボンディング」として知られている方法について言及されることもあるが、この方法では、接着すべき表面は、ボンディングに先立って(例えば、HF化学洗浄漕にこれらの表面を浸漬することにより)前処理をしてこれらの表面を疎水性にする。
【0009】
しかし、この前処理は、これらの表面に厳しい粒子状汚染を引き起こしてしまう傾向があり、ボンディング中に欠陥を生成するという特別な結果を伴う。
【0010】
親水性ボンディング法についても提案されてきており、この方法では、接着すべきSiGe層の表面は、親水性シリコン表面、又はシリコン酸化膜SiO2の表面とこの表面を接触させるのに先立って、この表面を親水性にするために処理が行われる。
【0011】
ある層を親水性にするための最も良く知られている処理のうちの1つは、化学SC1タイプの溶液(NH4OH/H2O2/H2O)中にこの層を浸漬することである。
【0012】
しかし、この溶液は、このSiGe層をエッチングし、その粗さを増大させる傾向があり、その結果、不満足な品質の結合となってしまう。
【0013】
このエッチング・レートは、このSiGe層中のゲルマニウムの濃度の関数として指数関数的に変化することに留意されたい。
【0014】
この理由のために、低濃度(例えば20%)のゲルマニウムを有するSiGe層中における制御されたエッチングは可能で(それによってボンディングを想定することも可能で)あるが、高濃度(例えば50%)のゲルマニウムを有するSiGe層中における制御されたエッチングは困難である。
【0015】
最終的には、低濃度(例えば20%)のゲルマニウムを有するSiGe層の親水性ボンディングは、比較的満足できるように実行することができるが、高濃度(例えば50%)のゲルマニウムを有するSiGe層の親水性ボンディングは、満足できるようには実行することができない。
【0016】
より正確には、Si又はSiO2の支持基板にSiGe層を直接に接着するための表面処理方法は、例えばボンディングの品質が本発明の適用分野における現行の仕様からして一般的に許容することができないような短所を有する。
【0017】
さらに、良好な品質のボンディングは、転写すべきSiGe層中のゲルマニウム濃度が高いときには、実現することがさらに困難にさえなる。
【0018】
SiGe層のボンディングに関する前述の直接ボンディングの短所には、他の材料で製造される層の直接ボンディングの状況で現れることもあることに留意されたい。
【0019】
従って、支持基板の表面に直接に接着することができるボンディング層と呼ばれる層(例えば、酸化物層又はシリコン層)を用いて、(特に、このボンディング層の表面処理を実施して、その表面を清浄にし、その結果、満足できる品質のボンディングを実施することができるようにすることが可能であるので)、支持基板の表面に直接に接着することができない層(例えば、Ge層)をコーティングすることは、特に効果的であるように思われる。
【0020】
このようにして、ボンディング層が支持基板の表面とコンタクトさせられるときには、この清浄化されたボンディング層の良好なボンディング特性が利用され、良好な品質のボンディングを達成することができる。
【0021】
この場合には、間接ボンディングは、前述の直接ボンディング法と対照的なボンディング層を介したボンディングである。
【0022】
間接ボンディングを実行するためには、例えば、支持基板の表面上の酸化物層SiO2上のシリコン層や、支持基板の表面上の酸化物層SiO2、又は、シリコン支持基板上の酸化物層の良好なボンディング特性を利用することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
表面が例えば第1の技法におけるSi又はSiO2から形成することができる支持基板に対するSiGe層の間接ボンディングの例に戻ると、酸化物層は、前記SiGe層を酸化することにより、SiGe層上に直接に形成することができるものと考えることができる。
【0024】
しかし、SiGe層の酸化中に、前記層中に存在するゲルマニウムは、形成されつつある酸化物層から離れたその領域中へと押しやられる。このようにして、ゲルマニウムがSiGe/酸化物境界面において析出されることが観察される。
【0025】
最終的には、ゲルマニウムの全体的な濃度が増大しているこの酸化膜に対向したゾーンが形成される。それ故に、このゲルマニウム濃度はSiGe層を介することによりもはや一様ではない。
【0026】
このゲルマニウム析出現象は、とりわけ低温での酸化を実行することにより、最小にすることができるが、この形成される酸化物は熱的に不安定なものである。
【0027】
従って、この第1の技法は良好な品質のSGOI構造を形成するときには使用することができない。
【0028】
SiGe層を酸化してボンディング層を取得することに頼る代わりに、間接ボンディングのさらに知られている方法は、SiGe層上に酸化物層を直接に堆積させることである。次いでこの堆積させられた酸化物層はシリコン支持基板に対するボンディングに先立って研磨される必要がある。
【0029】
しかしこの場合には、SiGe層上に堆積させられた酸化物層は、この得られたSGOI構造の埋込み酸化物層を構成し、これは不利をもたらす。
【0030】
酸化物層の密度とその電気的性能は、半導体業界における現行の仕様を満たす酸化膜/半導体境界面を形成するために(特に、熱酸化膜の密度と性能と比べて)不十分であることが判明することもある。
【0031】
さらに、堆積させられた酸化膜を用いると、一般にこのSGOI構造における埋込み酸化物層の厚みの均一性が悪くなることもある。
【0032】
さらにまた、前記均一性の不足により、半導体業界におけるSeOI構造の意図された使用と不適合であることが判明することもある。
【0033】
さらにまた、前記酸化物層を堆積させることが電気的欠陥をもたらすこともある汚染を引き起こすこともある。
【0034】
ある層を間接的に接着するためのさらなる技法は、SiGe層の表面上に歪んだシリコン層をエピタキシャル成長することである。次いで、このシリコン層は完全に酸化されて、それでシリコン酸化物層SiO2の代用をさせ、また次いで酸化されたシリコン支持基板との酸化膜/酸化膜ボンディングを実行する。
【0035】
SiGe層上にエピタキシャル成長されたシリコン層の全面的酸化により、接着すべき構造の表面上に酸化物層が効果的に形成される。
【0036】
しかし、このエピタキシャル成長されたシリコン層とSiGe層との間のまさしく境界面において、このエピタキシャル成長されたSi層の酸化の進行を停止させることは、達成することが非常に難しい。
【0037】
それ故にこの酸化の進行は、一般にSi/SiGe境界面の後に停止させられる(これは、「過剰酸化」と名付けられる)。
【0038】
このような場合には、SiGeが酸化され、この場合には複合酸化膜SiyGetO2(y及びtは、前記複合酸化膜中におけるシリコンとゲルマニウムの各濃度を表している)が形成される。
【0039】
この場合には、この酸化膜/SiGe境界面は、電荷キャリアに対する電気トラップを構成する可能性がある。結局、その品質は満足できるものではない。
【0040】
最終的には、かかる技法は良好な酸化膜/酸化膜ボンディングを可能にするが、この酸化の進行を制御することの困難さの影響(特に、過剰酸化の場合における低品質の酸化膜/SiGe境界面)は、望ましくない。
【0041】
本発明の一目的は、前述の制限を克服するSeOI構造を製造することである。
【0042】
より詳細には、特定の一態様において本発明は、ボンディング層を介して半導体材料層の支持基板に対する間接ボンディングを可能にすることを目指しており、この支持基板に対するボンディングは、このボンディング層の全面的な酸化に頼ることなく適切に実現され、それによってこの酸化の進行を停止させることの問題を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0043】
この目的を達成するために、本発明は、支持基板上に半導体材料の薄層を備える構造を製造する方法を提供しており、半導体材料の上部層を備えるドナー基板から前記薄層が得られ、前記方法が、前記上部層の前記材料の元素の拡散を受け入れる材料のボンディング層を前記上部層上に形成する工程と、そのボンディング接着を確実に行うために前記ボンディング層を洗浄する工程と、あらかじめ前記上部層上に形成され洗浄された前記ボンディング層の側から、前記支持基板に対して前記ドナー基板を接着する工程と、前記上部層から前記元素を前記ボンディング層中に拡散して、前記ボンディング層及び前記上部層中における前記元素の濃度を均一化し、前記ボンディング層及び前記上部層を用いて前記構造の前記薄層を構成する工程とを備えることを特徴とする。
【0044】
本発明の第1の態様のこの方法についての好ましいけれども非限定的な態様は、以下のようなものである。
【0045】
前記拡散工程中に、前記ボンディング層が前記上部層中に混合して前記構造の前記薄層を形成することにより、前記ボンディング層が消滅する。
【0046】
ボンディングに続いて、そして、拡散に先立って、前記方法は、前記ドナー基板の一部分を除去して、前記上部層の一部分だけを保持して、前記支持基板と、前記ボンディング層と、前記上部層の残りによって形成される薄層とを備える中間構造を得ることを目指した薄層化工程をさらに備えてもよい。
【0047】
前記上部層の層中にボンディングに先立って形成される脆弱ゾーンにおける前記ドナー基板からの剥離によって薄層化が実行されてもよい。
【0048】
前記上部層中に化学種を注入することによって前記脆弱ゾーンが形成されてもよい。
【0049】
注入に先立って、前記ボンディング層上に保護層が堆積されてもよく、前記ボンディング工程の前に前記保護層が除去される。
【0050】
前記薄層化工程が少なくとも1つのエッチング工程を備えてもよい。
【0051】
薄層化の後に得られる前記中間構造に対して熱処理を加えることにより前記拡散工程が実行されてもよい。
【0052】
薄層化の後に得られる前記構造のボンディング境界面を安定化させるための熱処理中に前記拡散工程が実行されてもよい。
【0053】
前記熱処理が1000°Cと1100°Cの間で約2時間実行されてもよい。
【0054】
前記上部層がシリコン−ゲルマニウムSiGeの場合、前記拡散工程は前記上部層から前記ボンディング層中に前記元素Geを拡散することである。
【0055】
前記ボンディング層を堆積する工程が前記SiGe上部層上に歪んだシリコンSiの膜を堆積させる工程を備えてもよい。
【0056】
前記歪んだ単結晶シリコン膜がエピタキシャル成長によって堆積されてもよい。
【0057】
前記歪んだエピタキシャル成長されたSi膜の厚みが約5ナノメータ(nm)であると好ましい。
【0058】
ボンディングが酸化された支持基板上に実行されて良好な品質のSi/酸化膜結合を生じさせてもよい。
【0059】
前記歪んだSi膜の形成に続いて、そして、洗浄に先立って、部分熱酸化工程が行われて前記歪んだSi膜の表面上に熱酸化物層を形成してもよい。
【0060】
酸化された支持基板上に直接にボンディングが実行されて良好な品質の酸化膜/酸化膜結合を生じさせてもよい。
【0061】
シリコン支持基板上に直接にボンディングが実行されて良好な品質の酸化膜/Si結合を生じさせてもよい。
【0062】
前記ボンディング層の前記洗浄がSC1タイプの溶液を用いて実施されてもよい。
【0063】
酸化物層に対して前記SiGe膜の直接ボンディングが確実に行われるように、前記ボンディング層を形成する前記工程が、あるゲルマニウム濃度を有するSiGeの膜を前記SiGe上部層上に形成させる工程を備えてもよい。
【0064】
前記堆積させられたSiGe膜中の前記ゲルマニウムの濃度は例えば20%未満である。
【0065】
良好な品質のSiGe/酸化膜結合が実現できるように、酸化された支持基板に対して直接にボンディングが実行されてもよい。
【0066】
前記SiGe上部層と前記ボンディング層の同化作用によって均一な濃度のゲルマニウムを有する層が得られるように、前記拡散工程中に、前記ボンディング層中(又は、ボンディングに先だって、前記ボンディング層を部分酸化させる工程が既に行われている場合は、少なくとも前記ボンディング層の酸化されていない部分)に前記元素Geが拡散する。
【0067】
SiGeボンディング層の前記洗浄工程がRCAタイプの処理に従って実施されてよい。
【0068】
前記洗浄工程が前記ボンディング層に接着すべき前記支持基板の面の洗浄工程も備えてもよい。
【0069】
より一般的な態様においては、本発明は、半導体材料の第1のウェーハと第2のウェーハとを共に接着する方法であって、前記第1のウェーハが上部層を備え、前記第2のウェーハが自由面を備え、前記方法が、前記第1のウェーハの前記上部層上に、前記上部層の前記材料の元素の拡散を受け入れる材料のボンディング層を形成する工程と、そのボンディング接着を確実に行うために前記ボンディング層を洗浄する工程と、あらかじめ前記上部層上に形成され、そして、洗浄された前記ボンディング層の側から、前記前記第2のウェーハの前記自由面に対して前記第1のウェーハを接着する工程と、前記ウェーハが共に接着され、前記第1のウェーハの前記上部層が前記第2のウェーハの前記自由面に結合されるように、前記上部層の前記元素を前記ボンディング層中に拡散させて前記ボンディング層及び前記上部層中における前記元素の濃度を均一化させ、そして、前記ボンディング層を前記上部層との混合によって消滅させる工程とを備えることを特徴とする方法である。
【0070】
本発明のさらなる特徴、目的、及び利点については、非限定的な例として提供される添付図面を参照して行われる以降の詳細な説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0071】
本発明は、一般にドナー基板上に形成された上部層を基板支持材上に接着することに関する。
【0072】
より詳細には、本発明は、この支持基板上に直接に接着することができない材料から形成される上部層に関する。
【0073】
従って、ボンディングは、この上部層上に形成されるボンディング層を介して間接的に実行される。
【0074】
一般的に、本発明に関連して使用されるボンディング層は、材料層、すなわち、この支持基板に対するボンディングを確実に行うための、また、この上部層を構成する材料の元素の拡散を受け入れる材料層である。
【0075】
ある層のボンディングについては、ボンディングの前に表面処理工程中にこの層の洗浄が実施されて、この表面の接着を妨げる可能性のある(粗さ、親水性、粒子状汚染などの)要因を制御できるときに確実に行うことができるものと考えられることに留意されたい。
【0076】
図1aから1eは、本発明による方法における様々な工程を示す図である。
【0077】
図1aを参照すると、下部層1及び上部層2を備えるドナー基板10が使用される。
【0078】
前記上部層2は、一般的に(やはり図1aに示される)支持基板20の自由表面4に対して満足できるように直接に接着することができない半導体材料から形成される。
【0079】
図1bを参照すると、本発明の方法は、ドナー基板10の上部層2上に前述の特性を有するボンディング層3を形成する工程を備えている。
【0080】
本発明による方法は、ボンディングの前にボンディング層3の表面の洗浄工程(例えば、親水性処理)を備えて、特に良好なボンディング強度を保証し、それによって基板支持材の自由面4とのボンディング層3のボンディングを確実に行う。
【0081】
もちろん、共に接着すべき各表面(ボンディング層3及び基板支持材の自由面4)の洗浄を実行することが好ましい。このようにして同じ洗浄処理が、共に接着すべき両方の表面上で実施される。
【0082】
図1cを参照すると、本発明の方法は、ドナー基板10とボンディング層3とを備える構造を支持基板20に接着する工程を備えており、ボンディング層3は前記支持基板20の自由面4と密着させられる。
【0083】
図1c及び1dを参照すると、本発明の方法は、ドナー基板10の一部分を除去してその上部層2の部分だけを保持し、それによってこの上部層の残り(すなわち、上部層2と同じ材料の層2’)と、ボンディング層3と、支持基板20とを備える中間構造を取得する薄層化工程を含むことができる。
【0084】
最終的に、本発明の方法は、ボンディング層3中に層2’の材料の元素を拡散して、前記ボンディング層3がこの層と前記薄層とを同化させることにより消滅するようにすることを目指した工程を備えている。
【0085】
従って均一な薄層2”が支持基板20の表面上に形成される。
【0086】
前記薄層2”の材料は、層2’とボンディング層3の材料に由来することに留意されたい。
【0087】
より正確には、層2’の材料とボンディング層3の材料との間で行われている拡散のために、前記2つの層は、その材料が均一である単一の薄層2”を構成している。
【0088】
この態様については、本発明の一実施形態を参照して以下でさらに説明している。
【0089】
ボンディング層3が層2’中に「消滅」して、薄層2”を形成するようにするためには、前記ボンディング層3の厚みは十分な程度まで減少させることができるように調整されることに留意されたい。
【0090】
最終的に、ドナー基板20上に薄層2”を備える構造が得られる。
【0091】
薄層2”の材料の特性は、開始されるドナー基板10の上部層2の材料の特性に似ている。
【0092】
使用されたボンディング層3は消滅しており、もはやこの最終構造においては姿が見えなくなっている。
【0093】
本発明の1つの非限定的な用途は、(例えば、シリコンから成る)支持基板上にSiGe上部層を備える任意の構造を接着することに関する。
【0094】
SiGe上部層を備える構造は歪んだSiGeの上部層を含んでいてもよい。
【0095】
例えばこの場合には、単結晶シリコンのウェーハと、この下にあるSiウェーハによって歪まされたSiGe上部層とを備えるドナー基板が使用される。このような場合には、歪んだSiGeの前記上部層上に形成されたSiのボンディング層は、このSiウェーハと同じ格子パラメータを有し、それ故に歪んではいないことに留意されたい。
【0096】
SiGe上部層を備える構造はまた、緩和されたSiGeの上部層を備えることもできる。
【0097】
この場合には、例えば単結晶シリコンのウェーハを備えるドナー基板が使用され、この単結晶シリコンのウェーハ上に、緩和されたSiGeの前記上部層がバッファ層を介して形成され、このバッファ層中において、この格子パラメータは、これらの2つの材料、すなわちSiとSiGeとの間に存在する格子パラメータの違いにもかかわらず変化している。
【0098】
Siウェーハと緩和されたSiGe層の間に挿入されたバッファ層は、一般にこのSiウェーハから緩和されたSiGeの上部層に向かってゲルマニウムの割合が徐々に増大するSiGeから形成される。
【0099】
この構造のさらなる例は、Si膜がその上に成長され、最終的には比較的薄いSiGe層が前記Si膜の表面上に存在しているSiGe層を備える構造に関する。
【0100】
特に、前記Si膜は、Si上のSiGeの選択的エッチングを実行するときのエッチング停止層を構成する。
【0101】
明らかに本発明は、SiGe上部層と、1つ又は複数のエッチング停止層とを備えるもっと複雑な構造も包含している。
【0102】
シリコン支持基板は、この表面において従来から前記Si支持基板の熱酸化によって得られるシリコン酸化物SiO2層を備えることができる。
【0103】
本発明の第1の実施形態においては、ボンディング層はシリコン層とすることができる。
【0104】
Si層は、単結晶Siから形成されることが好ましいが、これは多結晶又はアモルファスのSiから形成されてもよい。
【0105】
前記第1の実施形態の変形形態においては、ボンディングに先立って、Si層の部分的な酸化が実行されて、前記Si層の表面上に熱酸化物層が形成される。
【0106】
前記変形形態の場合においては、Si層の酸化によって形成される酸化物層SiO2が、ボンディング層としての機能を果たす。
【0107】
酸化は部分的なものにすぎないので、酸化の進行は、この酸化が前記ボンディング層の下にあるこのSiGe層に到達する前に停止されることが可能となり、これが前述の制限を克服することに留意されたい。
【0108】
前記第1の実施形態においては、以下のボンディング特性、すなわち、(Si支持基板が酸化される場合に)Si支持基板の表面のSiO2層上のSiボンディング層と、前述の変形形態の場合における、(Si支持基板が酸化される場合に)Si支持基板の表面上のSiO2層上のSiO2から形成されるボンディング層と、(Si支持基板が酸化されない場合には)Si支持基板上のSiO2のボンディング層とのボンディング特性が利用される。
【0109】
本発明の第2の実施形態においては、ボンディング層は、酸化されたSi基板に対するそのボンディングが確実に行われることを可能にするようなゲルマニウム濃度を有するシリコン−ゲルマニウム層(すなわち、例えば前述のように一般的には20%未満の低濃度のゲルマニウムを有するSiGe層)とすることができる。このような場合には、SiGe層は、そのボンディングを確実に行うことができるように、特にこのSiGe層の表面処理を実施して、その表面を清浄化し、それによって満足できるボンディング強度を達成できるようにすることが可能なようにボンディング層としての機能を果たす。
【0110】
図2aから2fは、酸化されたシリコンの支持基板に対して緩和されたSiGe層の間接ボンディングと、SGOI構造の製造についての本発明の一例を示している。
【0111】
より詳細には、本発明のこの実施形態は、SMARTCUT(登録商標)タイプの転写方法に関連して実行される。
【0112】
SMARTCUT(登録商標)法に関するさらなる詳細については、Jean-Pierre Colingeによる文献「Silicon-on Insulator Technology: Materials to VLSI, 2nd Edition」、Kluwer Academic Publishers、50及び51頁中に見出すことができる。
【0113】
図2aを参照すると、ドナー基板30は、その上に緩和されたSiGe上部層322がバッファ層321の仲介手段を介して形成されている単結晶シリコン31のウェーハを備える。
【0114】
緩和されたSiGe層322は、バッファ層321の表面上にエピタキシャル成長によって効果的に形成される。
【0115】
このSiGe層の厚みは、状況に応じて大幅に異なる可能性があり、この厚みは、一般的に0.5ミクロン(μm)から1μmの範囲にある。
【0116】
図2aにおいて、参照番号32は、バッファ層321と緩和されたSiGe層322によって構成される構造を示している。
【0117】
酸化されたシリコンから形成される支持基板40もまた、図2aに示されている。この支持基板は、シリコン・ウェーハ45と、熱酸化物層46と、ドナー基板30の上部層322がその上に接着されることになる(酸化物層46の面上の)自由表面44とを備える。
【0118】
図2bを参照すると、ボンディング層を構成することになる歪んだ単結晶シリコン膜33が、緩和されたSiGeの上部層321上に成長される。
【0119】
この膜33中に備えられるシリコンは、緩和されたSiGe層によってその公称格子パラメータを増大させるように効果的に強いられて、その公称格子パラメータが成長基板の公称格子パラメータと実質的に同じになるようにし、それ故に内部引張応力を有するようになる。
【0120】
歪んだ単結晶Si膜33は、CVD(化学的気相成長)やMBE(分子線エピタキシ)などの知られている技法を使用してエピタキシャル成長によって効果的に形成される。
【0121】
単結晶の歪んだボンディング層33のエピタキシャル成長は、その場で、下にあるSiGe層322の形成を継続することによって直接に、又は、例えばCMP(化学的機械研磨)による、下にあるSiGe層の表面仕上げの容易な工程に続いて実行することができる。
【0122】
Si膜33の厚みは、非常に薄く、臨界厚みを下回っており、その結果、膜33中のシリコンの公称格子パラメータ及び/又は欠陥の生成に向かう緩和されたSiGe層322によって課される応力の膜33の層内においては緩和は生じない。
【0123】
前記臨界厚みは、明らかにこの応力を課すSiGe層中のゲルマニウムの濃度に依存する。簡単に言えば、この濃度が高くなればなるほど、この臨界厚みは薄くなる。
【0124】
以下でより詳細に説明するように、Si膜の膜内におけるゲルマニウムの拡散により、前記膜33から構成されることになるボンディング層がSiGe層322と同化され均一化されて、ボンディングの後に消滅する可能性があるようにSi膜の厚みが選択される。
【0125】
膜33に課される応力は、SiGe層322との均一化のためにボンディング層中におけるゲルマニウムの前記拡散を促進するファクタであることに留意されたい。
【0126】
20%程度のゲルマニウム濃度を有するSiGe層322を考慮すれば、膜33の厚みは、一般的に緩和の応力への影響を防止するために20nmよりも薄くする必要がある。
【0127】
SiGe層322に含まれるゲルマニウムの拡散中にSiGe層322との同化作用により歪んだ膜33が完全に消滅するように歪んだ膜33は約5nmの厚みであることが好ましい。
【0128】
代わりに、歪んだ単結晶Si膜ではなくて、SiGe上部層322上に多結晶又はアモルファスのSi層を堆積させることも可能である。
【0129】
この代替形態においては、このSi層中には、ほとんど又は全く応力が観察されない。それ故に、特に前記Si層の部分酸化がボンディングに先立って考えられるときには、厚みに関して制限のない所望の厚みの多結晶又はアモルファスのSi層を堆積させることが可能である。
【0130】
図2cを参照すると、原子化学種又はイオン化学種が、それ自体知られている方法で、単結晶シリコン膜33を介してSiGe上部層322中に注入されて、前記SiGe上部層322の層内に(破線で示されるような)脆弱ゾーンが形成される。
【0131】
本発明の特定の実施形態においては、この注入工程に先立ってこのボンディング層上に保護層を堆積させる工程が実行される。
【0132】
前記保護層は、とりわけ、注入の影響からボンディング層の表面を保護することが可能である。
【0133】
より詳細には、前記保護層の堆積は、このボンディング層が上部酸化物層を含んでいないときに効果的である(前記上部酸化物層は、以下で説明する代替形態の場合のように、例えばボンディング層の部分酸化によって得られる)。
【0134】
明らかに、この保護層はドナー構造を支持基板に接着することに先立って除去される。
【0135】
シリコン膜33の表面と自由表面44は、ボンディングに先立って、それ自体従来からの方法で前処理されて、酸化されたシリコンの支持基板40と、このドナー基板のボンディング強度が強化される。
【0136】
このようにしてこのボンディング層(Si膜33)の洗浄が実行されて、例えば親水性処理、とりわけSC1タイプの溶液中における処理を実行することにより、そのボンディングが確実に行われる。
【0137】
図2dを参照すると、上部に清浄化されたSi膜33を備える注入されたドナー構造が、酸化された支持基板40の自由表面44と密着させられる。これにより、Si/酸化膜ボンディングが首尾良く行われる。
【0138】
本発明のこの実施形態に対する異なる代替形態についても考えることができる(注、前述の本発明の第1の実施形態に対する変形形態)。
【0139】
第1の代替形態においては、歪んだSi膜33は、ボンディングに先立って部分的に酸化して、膜33の表面領域に熱酸化物層を形成することができる。
【0140】
次いでこの酸化物層をボンディング層として使用して、酸化された支持基板上に結合が生じる。
【0141】
第2の代替形態においては、歪んだSi膜33は部分的に酸化することもできる。次いで、形成された熱酸化物層をボンディング層として使用して、Si支持基板に対して直接に接着させ、この場合にはこの熱酸化物層は、最終的なSGOI構造の埋込み酸化物層を構成する。
【0142】
これらの2つの代替形態は、このボンディング層が多結晶又はアモルファスSiから形成されるときに実施することもできることに留意されたい。
【0143】
本発明の実施形態の説明に戻ると、間接ボンディング工程に続いて、ドナー基板を薄層化する工程が実行されて、このドナー基板の一部分を除去し、一部分(及び特にこの最終構造の有用な層を構成することになるSiGeの上部層322の一部分)だけが保持される。
【0144】
ここで説明されているこのSMARTCUT(登録商標)タイプの転写方法の場合には、前記薄層化工程は、前述の注入工程中に形成される脆弱ゾーンの所でこのドナー基板を切り離すための、それ自体は従来からの工程である。
【0145】
図2eを参照すると、前記薄層化工程に続いて、ドナー基板の一部分が支持基板に対して転写され、注入ゾーンに関してSi膜33の側のSiGe上部層322の一部分であるドナー基板のこの一部分しか保持されない。
【0146】
酸化された支持基板40と、Si膜33と、上部層322に由来する前記部分に対応するSiGeから形成された薄層32’とを備える中間構造が得られる。
【0147】
T. A. Langdo等による文献「SiGe-free strained Si in insulator by wafer bonding and layer transfer」、Applied Phisics Letters、volume 82 number 24、2003年6月16日は、本発明のこの例に関連し、図2aから2eに示されるここに説明される方法と同様な方法における熱酸化物層上の歪んだシリコン層のボンディングについて開示していることをここで言及しておくべきである。
【0148】
しかし、T. A. Langdo等によるこの文献に開示されたこのボンディングの目的は、その目的がsSOI(strained silicon on insulator structure)の製造に関連し、このSi層中の歪みがその下にある緩和されたSiGe層によって確実にされている点で本発明の目的とは異なっている。
【0149】
この上に挙げた文献は、SGOI構造の製造について教示しておらず、なおのこと、酸化された支持基板に対して緩和されたSiGe層を接着するためのどのような解決方法も提案しておらず、また緩和されたSiGe層から歪んだSi層へのゲルマニウムの拡散を認識してはいない。
【0150】
さらにこの文献においては、転写される歪んだシリコン層は故意に厚くされており、その結果このシリコン層は、保持され、また最終的なsSOI構造の活性化された電気的層を構成する可能性がある。
【0151】
さらに、また特に、以下でもっと詳細に説明しているように、歪みSi層内へのゲルマニウムを拡散させ、このSi層をSiGe層と同化させ均一化させることにより前記歪んだSi層が消滅するという本発明によって課される制約条件と比べるときに、この厚みは、あまりにも厚すぎる。
【0152】
本発明の実施形態の説明に戻ると、薄層化工程に続いて、また図2fを参照すれば、前記SiGeの薄層32’からこのボンディング層(この場合には歪んだ単結晶シリコン膜33)へとゲルマニウムを拡散する工程が実施される。
【0153】
また以上から分かるように、SiGe層によって前記膜33上に課される歪みは、膜33を介したゲルマニウムの拡散を促進し、前記膜33と前記SiGe層の格子パラメータは、ほぼ同じになる。
【0154】
それ故に、この拡散工程は、Si層33をSiGe層32’と同化させることにより、このSi層33を消滅させ、均一なゲルマニウム濃度を有するSiGe層32”を得ることを可能にする。
【0155】
特にSiGe層32’とボンディング層のそれぞれの厚み(これらの図に示された層の厚みは縮尺してはいない)の間の比率のために、SiGe層32”中のゲルマニウムの濃度は、以前からSiGe層32’中に存在する濃度に比べてほとんど変わらないことに留意されたい。
【0156】
前記拡散工程は、ボンディングと薄層化の後に得られた構造についての例えば1000°Cと1100°Cの間で約2時間、実行される熱処理を備える。
【0157】
前記熱処理は、特にSMARTCUT(登録商標)タイプの転写方法の場合における従来の安定化工程中に効果的に実行して、薄層と支持基板の間の境界面を強化することができることに留意されたい。
【0158】
最終的には、Siウェーハ45と、埋込み酸化物層46と、薄いSiGe層32”とから構成されるSGOI構造が得られ、このSGOI構造は、SiGe層32”と酸化物層46との間の良好な結合品質からの恩恵を受ける。
【0159】
さらに、埋込み酸化膜の品質は、熱酸化膜の品質であることに留意されたい。どのような変形形態が使用されようとも、前記埋込み酸化膜は、Si基板45の熱酸化及び/又はSi膜33の部分熱酸化によって得られる。
【0160】
以前に述べたように、従来技術のSiGe上への酸化膜の堆積技法は、ボンディングに先立って前記堆積させられた酸化物層を研磨する必要があり、この研磨がこの厚みの均一性不足を引き起こしてしまう可能性がある。
【0161】
本発明は、接触させられる表面のうちの少なくとも一方についての事前の研磨工程を必要としないボンディングを可能にしている。それ故に、埋込み酸化物層は厚みに関して良好な一様性を持つことになる。
【0162】
明らかであるが、本発明の実施形態は、ここに提示されたバッファ層を備える構造だけには限定されず、特にSiGe上部層を備えるどのような構造にも適用することができることを理解されたい。
【0163】
ボンディング層の材料はシリコンだけには限定されないことについても理解されたい。本発明の第2の実施形態に関してすでに以上で述べたように、酸化された支持基板に対して接着するときには、ボンディング層の材料はSiGeとすることが可能である。
【0164】
より正確には、あるゲルマニウムの含有率(一般的には20%未満)を有するSiGeボンディング層が使用され、その結果、酸化物層SiO2に対する前記SiGe層のボンディングを満足できるように実行することが可能である。
【0165】
より正確には、SiGe層のボンディングを確実に行うためには、このSiGe層の洗浄が、ボンディングの前に実施される。かかる洗浄工程は、ボンディング強度を強化する助けをし、この得られたボンディングは、一般的に約20%未満のゲルマニウム含有率を提示するSiGeボンディング層について満足できる品質であることが判明している。かかる洗浄は、親水性処理、とりわけ(順にSC1溶液中とSC2溶液とによる処理を備える)RTAタイプの処理であってもよい。
【0166】
それ故に、低いゲルマニウム含有率を有するかかるSiGe層を用いることにより、接着すべき酸化された支持基板に対して前記SiGe層の直接ボンディングを実行できるためにはあまりにも高すぎるゲルマニウム含有率を有するSiGe層も仕様可能となる。
【0167】
低濃度xのGeを有するSi1−xGexボンディング層が、より高い濃度yのゲルマニウム(y>x)を有するSi1−yGey上部層の間接ボンディングのために使用されるときには、前記Si1−xGexボンディング層は、前記Si1−yGey上部層によって歪みを受けることに留意されたい。
【0168】
歪んだ単結晶Si膜から構成されるボンディング層に関して以上で説明したのと同様にして、Si1−xGexボンディング層上に課される歪みは、Si1−yGey上部層とのこのSi1−xGexボンディング層の均一化のために、前記ボンディング層を介したゲルマニウムの拡散を促進する一ファクタである。
【0169】
このSi1−xGexボンディング層の厚みは、その層全体を通して歪みの緩和がないように、また前記ボンディング層が、その層を介してのゲルマニウムの拡散によってボンディング後に消滅することができるように選択される。
【0170】
前述の注入し、脆弱性ゾーンの所で切り離す工程については、ボンディングの後に得られる構造の、このドナー基板側で薄層化をもたらすことが可能な工程の例として述べられているにすぎないことにも留意されたい。
【0171】
薄層化技法の他の例については、以下で述べられている。前記例は、どのような場合にも限定するものとなることはなく、本発明は、本発明の方法に従ってこのドナー基板を薄層化することができるどのようなタイプの技法をも包含することに留意されたい。
【0172】
例えば、一技法は、少なくとも1層の多孔質層を形成することにより脆弱化させられているゾーンにおいてこのドナー基板を「切断する」ためのエネルギーを供給することにより材料を除去することであってもよい。
【0173】
他の技法は、例えばラッピング及び/又は化学的機械研磨CMPによる、機械的又は化学的機械的な作用である。
【0174】
プラズマ・エッチングやスプレー・エッチングなどのドライ・エッチング技法についても言及することができる。
【0175】
最終的に、特にエッチングすべき構造がエッチング停止層を備えるときには、選択的な化学エッチング技法を実行することができる。
【0176】
これは、特にSiGe上部層の下にあるSiエッチング停止層を備えるドナー基板を有する場合に当てはまり、この場合には、選択的なエッチングによるボンディングに続いて、前記Siエッチング停止層を使用して、前記ドナー基板を薄くすることができる。
【0177】
最後に、本発明は、SiGe層の間接ボンディングに関するだけでなく、本発明の方法を使用して、ボンディング層の仲介手段を介して支持基板に対して転写することができる任意の半導体材料層の間接ボンディングにも関する。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1a】本発明の可能な実施形態による方法の一工程を示す図である。
【図1b】本発明の可能な実施形態による方法の一工程を示す図である。
【図1c】本発明の可能な実施形態による方法の一工程を示す図である。
【図1d】本発明の可能な実施形態による方法の一工程を示す図である。
【図1e】本発明の可能な実施形態による方法の一工程を示す図である。
【図2a】緩和されたSiGe層の酸化されたシリコン支持基板に対する間接ボンディングとSGOI構造を形成するSMARTCUT(登録商標)タイプの転写方法に関連する本発明の方法の一実施形態を示す図である。
【図2b】緩和されたSiGe層の酸化されたシリコン支持基板に対する間接ボンディングとSGOI構造を形成するSMARTCUT(登録商標)タイプの転写方法に関連する本発明の方法の一実施形態を示す図である。
【図2c】緩和されたSiGe層の酸化されたシリコン支持基板に対する間接ボンディングとSGOI構造を形成するSMARTCUT(登録商標)タイプの転写方法に関連する本発明の方法の一実施形態を示す図である。
【図2d】緩和されたSiGe層の酸化されたシリコン支持基板に対する間接ボンディングとSGOI構造を形成するSMARTCUT(登録商標)タイプの転写方法に関連する本発明の方法の一実施形態を示す図である。
【図2e】緩和されたSiGe層の酸化されたシリコン支持基板に対する間接ボンディングとSGOI構造を形成するSMARTCUT(登録商標)タイプの転写方法に関連する本発明の方法の一実施形態を示す図である。
【図2f】緩和されたSiGe層の酸化されたシリコン支持基板に対する間接ボンディングとSGOI構造を形成するSMARTCUT(登録商標)タイプの転写方法に関連する本発明の方法の一実施形態を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明の適用分野は、エレクトロニクス、光学、及びオプトエレクトロニクスのための基板としての機能を果たすセミコンダクタ・オン・インシュレータ(SeOI)構造を製造するための方法についての分野である。
【0002】
本発明の非限定的な一適用は、支持基板の表面上に存在する熱酸化物層に対する半導体材料層の間接ボンディングによる、SeOI構造の製造に関する。
【背景技術】
【0003】
以下にさらに詳細に説明しているように、この用語「間接ボンディング」は、共に接着すべき2層の材料の間に挿入されるボンディング層を使用するボンディングのことを意味する。
【0004】
ボンディング層の使用は、ある種の半導体材料のある層(例えば、酸化物層)に対する直接ボンディングを実現することが難しいときに、特に効果的である。
【0005】
この困難については、特にシリコン・ゲルマニウム・オン・インシュレータ(SGOI)構造を製造するために、シリコン−ゲルマニウムSiGeの層が支持基板の表面上の酸化物層に直接に接着されることになるときに観察される。
【0006】
この困難は、SiGe層中のゲルマニウムの濃度が高いときになお一層顕著となることに留意されたい。
【0007】
SiGe層の支持基板に対する直接ボンディングを実行するために、ボンディングに先立って、接着すべきこれらの表面を処理するためのいくつかの方法が提案されてきている。とりわけ、共に接着すべきこれらの表面の洗浄は、一般にボンディングの前に、これらの表面の接着を妨げる可能性がある(粗さ、粒子状汚染など)異なる諸要因を制御するために実行される。
【0008】
一例として、「疎水性ボンディング」として知られている方法について言及されることもあるが、この方法では、接着すべき表面は、ボンディングに先立って(例えば、HF化学洗浄漕にこれらの表面を浸漬することにより)前処理をしてこれらの表面を疎水性にする。
【0009】
しかし、この前処理は、これらの表面に厳しい粒子状汚染を引き起こしてしまう傾向があり、ボンディング中に欠陥を生成するという特別な結果を伴う。
【0010】
親水性ボンディング法についても提案されてきており、この方法では、接着すべきSiGe層の表面は、親水性シリコン表面、又はシリコン酸化膜SiO2の表面とこの表面を接触させるのに先立って、この表面を親水性にするために処理が行われる。
【0011】
ある層を親水性にするための最も良く知られている処理のうちの1つは、化学SC1タイプの溶液(NH4OH/H2O2/H2O)中にこの層を浸漬することである。
【0012】
しかし、この溶液は、このSiGe層をエッチングし、その粗さを増大させる傾向があり、その結果、不満足な品質の結合となってしまう。
【0013】
このエッチング・レートは、このSiGe層中のゲルマニウムの濃度の関数として指数関数的に変化することに留意されたい。
【0014】
この理由のために、低濃度(例えば20%)のゲルマニウムを有するSiGe層中における制御されたエッチングは可能で(それによってボンディングを想定することも可能で)あるが、高濃度(例えば50%)のゲルマニウムを有するSiGe層中における制御されたエッチングは困難である。
【0015】
最終的には、低濃度(例えば20%)のゲルマニウムを有するSiGe層の親水性ボンディングは、比較的満足できるように実行することができるが、高濃度(例えば50%)のゲルマニウムを有するSiGe層の親水性ボンディングは、満足できるようには実行することができない。
【0016】
より正確には、Si又はSiO2の支持基板にSiGe層を直接に接着するための表面処理方法は、例えばボンディングの品質が本発明の適用分野における現行の仕様からして一般的に許容することができないような短所を有する。
【0017】
さらに、良好な品質のボンディングは、転写すべきSiGe層中のゲルマニウム濃度が高いときには、実現することがさらに困難にさえなる。
【0018】
SiGe層のボンディングに関する前述の直接ボンディングの短所には、他の材料で製造される層の直接ボンディングの状況で現れることもあることに留意されたい。
【0019】
従って、支持基板の表面に直接に接着することができるボンディング層と呼ばれる層(例えば、酸化物層又はシリコン層)を用いて、(特に、このボンディング層の表面処理を実施して、その表面を清浄にし、その結果、満足できる品質のボンディングを実施することができるようにすることが可能であるので)、支持基板の表面に直接に接着することができない層(例えば、Ge層)をコーティングすることは、特に効果的であるように思われる。
【0020】
このようにして、ボンディング層が支持基板の表面とコンタクトさせられるときには、この清浄化されたボンディング層の良好なボンディング特性が利用され、良好な品質のボンディングを達成することができる。
【0021】
この場合には、間接ボンディングは、前述の直接ボンディング法と対照的なボンディング層を介したボンディングである。
【0022】
間接ボンディングを実行するためには、例えば、支持基板の表面上の酸化物層SiO2上のシリコン層や、支持基板の表面上の酸化物層SiO2、又は、シリコン支持基板上の酸化物層の良好なボンディング特性を利用することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
表面が例えば第1の技法におけるSi又はSiO2から形成することができる支持基板に対するSiGe層の間接ボンディングの例に戻ると、酸化物層は、前記SiGe層を酸化することにより、SiGe層上に直接に形成することができるものと考えることができる。
【0024】
しかし、SiGe層の酸化中に、前記層中に存在するゲルマニウムは、形成されつつある酸化物層から離れたその領域中へと押しやられる。このようにして、ゲルマニウムがSiGe/酸化物境界面において析出されることが観察される。
【0025】
最終的には、ゲルマニウムの全体的な濃度が増大しているこの酸化膜に対向したゾーンが形成される。それ故に、このゲルマニウム濃度はSiGe層を介することによりもはや一様ではない。
【0026】
このゲルマニウム析出現象は、とりわけ低温での酸化を実行することにより、最小にすることができるが、この形成される酸化物は熱的に不安定なものである。
【0027】
従って、この第1の技法は良好な品質のSGOI構造を形成するときには使用することができない。
【0028】
SiGe層を酸化してボンディング層を取得することに頼る代わりに、間接ボンディングのさらに知られている方法は、SiGe層上に酸化物層を直接に堆積させることである。次いでこの堆積させられた酸化物層はシリコン支持基板に対するボンディングに先立って研磨される必要がある。
【0029】
しかしこの場合には、SiGe層上に堆積させられた酸化物層は、この得られたSGOI構造の埋込み酸化物層を構成し、これは不利をもたらす。
【0030】
酸化物層の密度とその電気的性能は、半導体業界における現行の仕様を満たす酸化膜/半導体境界面を形成するために(特に、熱酸化膜の密度と性能と比べて)不十分であることが判明することもある。
【0031】
さらに、堆積させられた酸化膜を用いると、一般にこのSGOI構造における埋込み酸化物層の厚みの均一性が悪くなることもある。
【0032】
さらにまた、前記均一性の不足により、半導体業界におけるSeOI構造の意図された使用と不適合であることが判明することもある。
【0033】
さらにまた、前記酸化物層を堆積させることが電気的欠陥をもたらすこともある汚染を引き起こすこともある。
【0034】
ある層を間接的に接着するためのさらなる技法は、SiGe層の表面上に歪んだシリコン層をエピタキシャル成長することである。次いで、このシリコン層は完全に酸化されて、それでシリコン酸化物層SiO2の代用をさせ、また次いで酸化されたシリコン支持基板との酸化膜/酸化膜ボンディングを実行する。
【0035】
SiGe層上にエピタキシャル成長されたシリコン層の全面的酸化により、接着すべき構造の表面上に酸化物層が効果的に形成される。
【0036】
しかし、このエピタキシャル成長されたシリコン層とSiGe層との間のまさしく境界面において、このエピタキシャル成長されたSi層の酸化の進行を停止させることは、達成することが非常に難しい。
【0037】
それ故にこの酸化の進行は、一般にSi/SiGe境界面の後に停止させられる(これは、「過剰酸化」と名付けられる)。
【0038】
このような場合には、SiGeが酸化され、この場合には複合酸化膜SiyGetO2(y及びtは、前記複合酸化膜中におけるシリコンとゲルマニウムの各濃度を表している)が形成される。
【0039】
この場合には、この酸化膜/SiGe境界面は、電荷キャリアに対する電気トラップを構成する可能性がある。結局、その品質は満足できるものではない。
【0040】
最終的には、かかる技法は良好な酸化膜/酸化膜ボンディングを可能にするが、この酸化の進行を制御することの困難さの影響(特に、過剰酸化の場合における低品質の酸化膜/SiGe境界面)は、望ましくない。
【0041】
本発明の一目的は、前述の制限を克服するSeOI構造を製造することである。
【0042】
より詳細には、特定の一態様において本発明は、ボンディング層を介して半導体材料層の支持基板に対する間接ボンディングを可能にすることを目指しており、この支持基板に対するボンディングは、このボンディング層の全面的な酸化に頼ることなく適切に実現され、それによってこの酸化の進行を停止させることの問題を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0043】
この目的を達成するために、本発明は、支持基板上に半導体材料の薄層を備える構造を製造する方法を提供しており、半導体材料の上部層を備えるドナー基板から前記薄層が得られ、前記方法が、前記上部層の前記材料の元素の拡散を受け入れる材料のボンディング層を前記上部層上に形成する工程と、そのボンディング接着を確実に行うために前記ボンディング層を洗浄する工程と、あらかじめ前記上部層上に形成され洗浄された前記ボンディング層の側から、前記支持基板に対して前記ドナー基板を接着する工程と、前記上部層から前記元素を前記ボンディング層中に拡散して、前記ボンディング層及び前記上部層中における前記元素の濃度を均一化し、前記ボンディング層及び前記上部層を用いて前記構造の前記薄層を構成する工程とを備えることを特徴とする。
【0044】
本発明の第1の態様のこの方法についての好ましいけれども非限定的な態様は、以下のようなものである。
【0045】
前記拡散工程中に、前記ボンディング層が前記上部層中に混合して前記構造の前記薄層を形成することにより、前記ボンディング層が消滅する。
【0046】
ボンディングに続いて、そして、拡散に先立って、前記方法は、前記ドナー基板の一部分を除去して、前記上部層の一部分だけを保持して、前記支持基板と、前記ボンディング層と、前記上部層の残りによって形成される薄層とを備える中間構造を得ることを目指した薄層化工程をさらに備えてもよい。
【0047】
前記上部層の層中にボンディングに先立って形成される脆弱ゾーンにおける前記ドナー基板からの剥離によって薄層化が実行されてもよい。
【0048】
前記上部層中に化学種を注入することによって前記脆弱ゾーンが形成されてもよい。
【0049】
注入に先立って、前記ボンディング層上に保護層が堆積されてもよく、前記ボンディング工程の前に前記保護層が除去される。
【0050】
前記薄層化工程が少なくとも1つのエッチング工程を備えてもよい。
【0051】
薄層化の後に得られる前記中間構造に対して熱処理を加えることにより前記拡散工程が実行されてもよい。
【0052】
薄層化の後に得られる前記構造のボンディング境界面を安定化させるための熱処理中に前記拡散工程が実行されてもよい。
【0053】
前記熱処理が1000°Cと1100°Cの間で約2時間実行されてもよい。
【0054】
前記上部層がシリコン−ゲルマニウムSiGeの場合、前記拡散工程は前記上部層から前記ボンディング層中に前記元素Geを拡散することである。
【0055】
前記ボンディング層を堆積する工程が前記SiGe上部層上に歪んだシリコンSiの膜を堆積させる工程を備えてもよい。
【0056】
前記歪んだ単結晶シリコン膜がエピタキシャル成長によって堆積されてもよい。
【0057】
前記歪んだエピタキシャル成長されたSi膜の厚みが約5ナノメータ(nm)であると好ましい。
【0058】
ボンディングが酸化された支持基板上に実行されて良好な品質のSi/酸化膜結合を生じさせてもよい。
【0059】
前記歪んだSi膜の形成に続いて、そして、洗浄に先立って、部分熱酸化工程が行われて前記歪んだSi膜の表面上に熱酸化物層を形成してもよい。
【0060】
酸化された支持基板上に直接にボンディングが実行されて良好な品質の酸化膜/酸化膜結合を生じさせてもよい。
【0061】
シリコン支持基板上に直接にボンディングが実行されて良好な品質の酸化膜/Si結合を生じさせてもよい。
【0062】
前記ボンディング層の前記洗浄がSC1タイプの溶液を用いて実施されてもよい。
【0063】
酸化物層に対して前記SiGe膜の直接ボンディングが確実に行われるように、前記ボンディング層を形成する前記工程が、あるゲルマニウム濃度を有するSiGeの膜を前記SiGe上部層上に形成させる工程を備えてもよい。
【0064】
前記堆積させられたSiGe膜中の前記ゲルマニウムの濃度は例えば20%未満である。
【0065】
良好な品質のSiGe/酸化膜結合が実現できるように、酸化された支持基板に対して直接にボンディングが実行されてもよい。
【0066】
前記SiGe上部層と前記ボンディング層の同化作用によって均一な濃度のゲルマニウムを有する層が得られるように、前記拡散工程中に、前記ボンディング層中(又は、ボンディングに先だって、前記ボンディング層を部分酸化させる工程が既に行われている場合は、少なくとも前記ボンディング層の酸化されていない部分)に前記元素Geが拡散する。
【0067】
SiGeボンディング層の前記洗浄工程がRCAタイプの処理に従って実施されてよい。
【0068】
前記洗浄工程が前記ボンディング層に接着すべき前記支持基板の面の洗浄工程も備えてもよい。
【0069】
より一般的な態様においては、本発明は、半導体材料の第1のウェーハと第2のウェーハとを共に接着する方法であって、前記第1のウェーハが上部層を備え、前記第2のウェーハが自由面を備え、前記方法が、前記第1のウェーハの前記上部層上に、前記上部層の前記材料の元素の拡散を受け入れる材料のボンディング層を形成する工程と、そのボンディング接着を確実に行うために前記ボンディング層を洗浄する工程と、あらかじめ前記上部層上に形成され、そして、洗浄された前記ボンディング層の側から、前記前記第2のウェーハの前記自由面に対して前記第1のウェーハを接着する工程と、前記ウェーハが共に接着され、前記第1のウェーハの前記上部層が前記第2のウェーハの前記自由面に結合されるように、前記上部層の前記元素を前記ボンディング層中に拡散させて前記ボンディング層及び前記上部層中における前記元素の濃度を均一化させ、そして、前記ボンディング層を前記上部層との混合によって消滅させる工程とを備えることを特徴とする方法である。
【0070】
本発明のさらなる特徴、目的、及び利点については、非限定的な例として提供される添付図面を参照して行われる以降の詳細な説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0071】
本発明は、一般にドナー基板上に形成された上部層を基板支持材上に接着することに関する。
【0072】
より詳細には、本発明は、この支持基板上に直接に接着することができない材料から形成される上部層に関する。
【0073】
従って、ボンディングは、この上部層上に形成されるボンディング層を介して間接的に実行される。
【0074】
一般的に、本発明に関連して使用されるボンディング層は、材料層、すなわち、この支持基板に対するボンディングを確実に行うための、また、この上部層を構成する材料の元素の拡散を受け入れる材料層である。
【0075】
ある層のボンディングについては、ボンディングの前に表面処理工程中にこの層の洗浄が実施されて、この表面の接着を妨げる可能性のある(粗さ、親水性、粒子状汚染などの)要因を制御できるときに確実に行うことができるものと考えられることに留意されたい。
【0076】
図1aから1eは、本発明による方法における様々な工程を示す図である。
【0077】
図1aを参照すると、下部層1及び上部層2を備えるドナー基板10が使用される。
【0078】
前記上部層2は、一般的に(やはり図1aに示される)支持基板20の自由表面4に対して満足できるように直接に接着することができない半導体材料から形成される。
【0079】
図1bを参照すると、本発明の方法は、ドナー基板10の上部層2上に前述の特性を有するボンディング層3を形成する工程を備えている。
【0080】
本発明による方法は、ボンディングの前にボンディング層3の表面の洗浄工程(例えば、親水性処理)を備えて、特に良好なボンディング強度を保証し、それによって基板支持材の自由面4とのボンディング層3のボンディングを確実に行う。
【0081】
もちろん、共に接着すべき各表面(ボンディング層3及び基板支持材の自由面4)の洗浄を実行することが好ましい。このようにして同じ洗浄処理が、共に接着すべき両方の表面上で実施される。
【0082】
図1cを参照すると、本発明の方法は、ドナー基板10とボンディング層3とを備える構造を支持基板20に接着する工程を備えており、ボンディング層3は前記支持基板20の自由面4と密着させられる。
【0083】
図1c及び1dを参照すると、本発明の方法は、ドナー基板10の一部分を除去してその上部層2の部分だけを保持し、それによってこの上部層の残り(すなわち、上部層2と同じ材料の層2’)と、ボンディング層3と、支持基板20とを備える中間構造を取得する薄層化工程を含むことができる。
【0084】
最終的に、本発明の方法は、ボンディング層3中に層2’の材料の元素を拡散して、前記ボンディング層3がこの層と前記薄層とを同化させることにより消滅するようにすることを目指した工程を備えている。
【0085】
従って均一な薄層2”が支持基板20の表面上に形成される。
【0086】
前記薄層2”の材料は、層2’とボンディング層3の材料に由来することに留意されたい。
【0087】
より正確には、層2’の材料とボンディング層3の材料との間で行われている拡散のために、前記2つの層は、その材料が均一である単一の薄層2”を構成している。
【0088】
この態様については、本発明の一実施形態を参照して以下でさらに説明している。
【0089】
ボンディング層3が層2’中に「消滅」して、薄層2”を形成するようにするためには、前記ボンディング層3の厚みは十分な程度まで減少させることができるように調整されることに留意されたい。
【0090】
最終的に、ドナー基板20上に薄層2”を備える構造が得られる。
【0091】
薄層2”の材料の特性は、開始されるドナー基板10の上部層2の材料の特性に似ている。
【0092】
使用されたボンディング層3は消滅しており、もはやこの最終構造においては姿が見えなくなっている。
【0093】
本発明の1つの非限定的な用途は、(例えば、シリコンから成る)支持基板上にSiGe上部層を備える任意の構造を接着することに関する。
【0094】
SiGe上部層を備える構造は歪んだSiGeの上部層を含んでいてもよい。
【0095】
例えばこの場合には、単結晶シリコンのウェーハと、この下にあるSiウェーハによって歪まされたSiGe上部層とを備えるドナー基板が使用される。このような場合には、歪んだSiGeの前記上部層上に形成されたSiのボンディング層は、このSiウェーハと同じ格子パラメータを有し、それ故に歪んではいないことに留意されたい。
【0096】
SiGe上部層を備える構造はまた、緩和されたSiGeの上部層を備えることもできる。
【0097】
この場合には、例えば単結晶シリコンのウェーハを備えるドナー基板が使用され、この単結晶シリコンのウェーハ上に、緩和されたSiGeの前記上部層がバッファ層を介して形成され、このバッファ層中において、この格子パラメータは、これらの2つの材料、すなわちSiとSiGeとの間に存在する格子パラメータの違いにもかかわらず変化している。
【0098】
Siウェーハと緩和されたSiGe層の間に挿入されたバッファ層は、一般にこのSiウェーハから緩和されたSiGeの上部層に向かってゲルマニウムの割合が徐々に増大するSiGeから形成される。
【0099】
この構造のさらなる例は、Si膜がその上に成長され、最終的には比較的薄いSiGe層が前記Si膜の表面上に存在しているSiGe層を備える構造に関する。
【0100】
特に、前記Si膜は、Si上のSiGeの選択的エッチングを実行するときのエッチング停止層を構成する。
【0101】
明らかに本発明は、SiGe上部層と、1つ又は複数のエッチング停止層とを備えるもっと複雑な構造も包含している。
【0102】
シリコン支持基板は、この表面において従来から前記Si支持基板の熱酸化によって得られるシリコン酸化物SiO2層を備えることができる。
【0103】
本発明の第1の実施形態においては、ボンディング層はシリコン層とすることができる。
【0104】
Si層は、単結晶Siから形成されることが好ましいが、これは多結晶又はアモルファスのSiから形成されてもよい。
【0105】
前記第1の実施形態の変形形態においては、ボンディングに先立って、Si層の部分的な酸化が実行されて、前記Si層の表面上に熱酸化物層が形成される。
【0106】
前記変形形態の場合においては、Si層の酸化によって形成される酸化物層SiO2が、ボンディング層としての機能を果たす。
【0107】
酸化は部分的なものにすぎないので、酸化の進行は、この酸化が前記ボンディング層の下にあるこのSiGe層に到達する前に停止されることが可能となり、これが前述の制限を克服することに留意されたい。
【0108】
前記第1の実施形態においては、以下のボンディング特性、すなわち、(Si支持基板が酸化される場合に)Si支持基板の表面のSiO2層上のSiボンディング層と、前述の変形形態の場合における、(Si支持基板が酸化される場合に)Si支持基板の表面上のSiO2層上のSiO2から形成されるボンディング層と、(Si支持基板が酸化されない場合には)Si支持基板上のSiO2のボンディング層とのボンディング特性が利用される。
【0109】
本発明の第2の実施形態においては、ボンディング層は、酸化されたSi基板に対するそのボンディングが確実に行われることを可能にするようなゲルマニウム濃度を有するシリコン−ゲルマニウム層(すなわち、例えば前述のように一般的には20%未満の低濃度のゲルマニウムを有するSiGe層)とすることができる。このような場合には、SiGe層は、そのボンディングを確実に行うことができるように、特にこのSiGe層の表面処理を実施して、その表面を清浄化し、それによって満足できるボンディング強度を達成できるようにすることが可能なようにボンディング層としての機能を果たす。
【0110】
図2aから2fは、酸化されたシリコンの支持基板に対して緩和されたSiGe層の間接ボンディングと、SGOI構造の製造についての本発明の一例を示している。
【0111】
より詳細には、本発明のこの実施形態は、SMARTCUT(登録商標)タイプの転写方法に関連して実行される。
【0112】
SMARTCUT(登録商標)法に関するさらなる詳細については、Jean-Pierre Colingeによる文献「Silicon-on Insulator Technology: Materials to VLSI, 2nd Edition」、Kluwer Academic Publishers、50及び51頁中に見出すことができる。
【0113】
図2aを参照すると、ドナー基板30は、その上に緩和されたSiGe上部層322がバッファ層321の仲介手段を介して形成されている単結晶シリコン31のウェーハを備える。
【0114】
緩和されたSiGe層322は、バッファ層321の表面上にエピタキシャル成長によって効果的に形成される。
【0115】
このSiGe層の厚みは、状況に応じて大幅に異なる可能性があり、この厚みは、一般的に0.5ミクロン(μm)から1μmの範囲にある。
【0116】
図2aにおいて、参照番号32は、バッファ層321と緩和されたSiGe層322によって構成される構造を示している。
【0117】
酸化されたシリコンから形成される支持基板40もまた、図2aに示されている。この支持基板は、シリコン・ウェーハ45と、熱酸化物層46と、ドナー基板30の上部層322がその上に接着されることになる(酸化物層46の面上の)自由表面44とを備える。
【0118】
図2bを参照すると、ボンディング層を構成することになる歪んだ単結晶シリコン膜33が、緩和されたSiGeの上部層321上に成長される。
【0119】
この膜33中に備えられるシリコンは、緩和されたSiGe層によってその公称格子パラメータを増大させるように効果的に強いられて、その公称格子パラメータが成長基板の公称格子パラメータと実質的に同じになるようにし、それ故に内部引張応力を有するようになる。
【0120】
歪んだ単結晶Si膜33は、CVD(化学的気相成長)やMBE(分子線エピタキシ)などの知られている技法を使用してエピタキシャル成長によって効果的に形成される。
【0121】
単結晶の歪んだボンディング層33のエピタキシャル成長は、その場で、下にあるSiGe層322の形成を継続することによって直接に、又は、例えばCMP(化学的機械研磨)による、下にあるSiGe層の表面仕上げの容易な工程に続いて実行することができる。
【0122】
Si膜33の厚みは、非常に薄く、臨界厚みを下回っており、その結果、膜33中のシリコンの公称格子パラメータ及び/又は欠陥の生成に向かう緩和されたSiGe層322によって課される応力の膜33の層内においては緩和は生じない。
【0123】
前記臨界厚みは、明らかにこの応力を課すSiGe層中のゲルマニウムの濃度に依存する。簡単に言えば、この濃度が高くなればなるほど、この臨界厚みは薄くなる。
【0124】
以下でより詳細に説明するように、Si膜の膜内におけるゲルマニウムの拡散により、前記膜33から構成されることになるボンディング層がSiGe層322と同化され均一化されて、ボンディングの後に消滅する可能性があるようにSi膜の厚みが選択される。
【0125】
膜33に課される応力は、SiGe層322との均一化のためにボンディング層中におけるゲルマニウムの前記拡散を促進するファクタであることに留意されたい。
【0126】
20%程度のゲルマニウム濃度を有するSiGe層322を考慮すれば、膜33の厚みは、一般的に緩和の応力への影響を防止するために20nmよりも薄くする必要がある。
【0127】
SiGe層322に含まれるゲルマニウムの拡散中にSiGe層322との同化作用により歪んだ膜33が完全に消滅するように歪んだ膜33は約5nmの厚みであることが好ましい。
【0128】
代わりに、歪んだ単結晶Si膜ではなくて、SiGe上部層322上に多結晶又はアモルファスのSi層を堆積させることも可能である。
【0129】
この代替形態においては、このSi層中には、ほとんど又は全く応力が観察されない。それ故に、特に前記Si層の部分酸化がボンディングに先立って考えられるときには、厚みに関して制限のない所望の厚みの多結晶又はアモルファスのSi層を堆積させることが可能である。
【0130】
図2cを参照すると、原子化学種又はイオン化学種が、それ自体知られている方法で、単結晶シリコン膜33を介してSiGe上部層322中に注入されて、前記SiGe上部層322の層内に(破線で示されるような)脆弱ゾーンが形成される。
【0131】
本発明の特定の実施形態においては、この注入工程に先立ってこのボンディング層上に保護層を堆積させる工程が実行される。
【0132】
前記保護層は、とりわけ、注入の影響からボンディング層の表面を保護することが可能である。
【0133】
より詳細には、前記保護層の堆積は、このボンディング層が上部酸化物層を含んでいないときに効果的である(前記上部酸化物層は、以下で説明する代替形態の場合のように、例えばボンディング層の部分酸化によって得られる)。
【0134】
明らかに、この保護層はドナー構造を支持基板に接着することに先立って除去される。
【0135】
シリコン膜33の表面と自由表面44は、ボンディングに先立って、それ自体従来からの方法で前処理されて、酸化されたシリコンの支持基板40と、このドナー基板のボンディング強度が強化される。
【0136】
このようにしてこのボンディング層(Si膜33)の洗浄が実行されて、例えば親水性処理、とりわけSC1タイプの溶液中における処理を実行することにより、そのボンディングが確実に行われる。
【0137】
図2dを参照すると、上部に清浄化されたSi膜33を備える注入されたドナー構造が、酸化された支持基板40の自由表面44と密着させられる。これにより、Si/酸化膜ボンディングが首尾良く行われる。
【0138】
本発明のこの実施形態に対する異なる代替形態についても考えることができる(注、前述の本発明の第1の実施形態に対する変形形態)。
【0139】
第1の代替形態においては、歪んだSi膜33は、ボンディングに先立って部分的に酸化して、膜33の表面領域に熱酸化物層を形成することができる。
【0140】
次いでこの酸化物層をボンディング層として使用して、酸化された支持基板上に結合が生じる。
【0141】
第2の代替形態においては、歪んだSi膜33は部分的に酸化することもできる。次いで、形成された熱酸化物層をボンディング層として使用して、Si支持基板に対して直接に接着させ、この場合にはこの熱酸化物層は、最終的なSGOI構造の埋込み酸化物層を構成する。
【0142】
これらの2つの代替形態は、このボンディング層が多結晶又はアモルファスSiから形成されるときに実施することもできることに留意されたい。
【0143】
本発明の実施形態の説明に戻ると、間接ボンディング工程に続いて、ドナー基板を薄層化する工程が実行されて、このドナー基板の一部分を除去し、一部分(及び特にこの最終構造の有用な層を構成することになるSiGeの上部層322の一部分)だけが保持される。
【0144】
ここで説明されているこのSMARTCUT(登録商標)タイプの転写方法の場合には、前記薄層化工程は、前述の注入工程中に形成される脆弱ゾーンの所でこのドナー基板を切り離すための、それ自体は従来からの工程である。
【0145】
図2eを参照すると、前記薄層化工程に続いて、ドナー基板の一部分が支持基板に対して転写され、注入ゾーンに関してSi膜33の側のSiGe上部層322の一部分であるドナー基板のこの一部分しか保持されない。
【0146】
酸化された支持基板40と、Si膜33と、上部層322に由来する前記部分に対応するSiGeから形成された薄層32’とを備える中間構造が得られる。
【0147】
T. A. Langdo等による文献「SiGe-free strained Si in insulator by wafer bonding and layer transfer」、Applied Phisics Letters、volume 82 number 24、2003年6月16日は、本発明のこの例に関連し、図2aから2eに示されるここに説明される方法と同様な方法における熱酸化物層上の歪んだシリコン層のボンディングについて開示していることをここで言及しておくべきである。
【0148】
しかし、T. A. Langdo等によるこの文献に開示されたこのボンディングの目的は、その目的がsSOI(strained silicon on insulator structure)の製造に関連し、このSi層中の歪みがその下にある緩和されたSiGe層によって確実にされている点で本発明の目的とは異なっている。
【0149】
この上に挙げた文献は、SGOI構造の製造について教示しておらず、なおのこと、酸化された支持基板に対して緩和されたSiGe層を接着するためのどのような解決方法も提案しておらず、また緩和されたSiGe層から歪んだSi層へのゲルマニウムの拡散を認識してはいない。
【0150】
さらにこの文献においては、転写される歪んだシリコン層は故意に厚くされており、その結果このシリコン層は、保持され、また最終的なsSOI構造の活性化された電気的層を構成する可能性がある。
【0151】
さらに、また特に、以下でもっと詳細に説明しているように、歪みSi層内へのゲルマニウムを拡散させ、このSi層をSiGe層と同化させ均一化させることにより前記歪んだSi層が消滅するという本発明によって課される制約条件と比べるときに、この厚みは、あまりにも厚すぎる。
【0152】
本発明の実施形態の説明に戻ると、薄層化工程に続いて、また図2fを参照すれば、前記SiGeの薄層32’からこのボンディング層(この場合には歪んだ単結晶シリコン膜33)へとゲルマニウムを拡散する工程が実施される。
【0153】
また以上から分かるように、SiGe層によって前記膜33上に課される歪みは、膜33を介したゲルマニウムの拡散を促進し、前記膜33と前記SiGe層の格子パラメータは、ほぼ同じになる。
【0154】
それ故に、この拡散工程は、Si層33をSiGe層32’と同化させることにより、このSi層33を消滅させ、均一なゲルマニウム濃度を有するSiGe層32”を得ることを可能にする。
【0155】
特にSiGe層32’とボンディング層のそれぞれの厚み(これらの図に示された層の厚みは縮尺してはいない)の間の比率のために、SiGe層32”中のゲルマニウムの濃度は、以前からSiGe層32’中に存在する濃度に比べてほとんど変わらないことに留意されたい。
【0156】
前記拡散工程は、ボンディングと薄層化の後に得られた構造についての例えば1000°Cと1100°Cの間で約2時間、実行される熱処理を備える。
【0157】
前記熱処理は、特にSMARTCUT(登録商標)タイプの転写方法の場合における従来の安定化工程中に効果的に実行して、薄層と支持基板の間の境界面を強化することができることに留意されたい。
【0158】
最終的には、Siウェーハ45と、埋込み酸化物層46と、薄いSiGe層32”とから構成されるSGOI構造が得られ、このSGOI構造は、SiGe層32”と酸化物層46との間の良好な結合品質からの恩恵を受ける。
【0159】
さらに、埋込み酸化膜の品質は、熱酸化膜の品質であることに留意されたい。どのような変形形態が使用されようとも、前記埋込み酸化膜は、Si基板45の熱酸化及び/又はSi膜33の部分熱酸化によって得られる。
【0160】
以前に述べたように、従来技術のSiGe上への酸化膜の堆積技法は、ボンディングに先立って前記堆積させられた酸化物層を研磨する必要があり、この研磨がこの厚みの均一性不足を引き起こしてしまう可能性がある。
【0161】
本発明は、接触させられる表面のうちの少なくとも一方についての事前の研磨工程を必要としないボンディングを可能にしている。それ故に、埋込み酸化物層は厚みに関して良好な一様性を持つことになる。
【0162】
明らかであるが、本発明の実施形態は、ここに提示されたバッファ層を備える構造だけには限定されず、特にSiGe上部層を備えるどのような構造にも適用することができることを理解されたい。
【0163】
ボンディング層の材料はシリコンだけには限定されないことについても理解されたい。本発明の第2の実施形態に関してすでに以上で述べたように、酸化された支持基板に対して接着するときには、ボンディング層の材料はSiGeとすることが可能である。
【0164】
より正確には、あるゲルマニウムの含有率(一般的には20%未満)を有するSiGeボンディング層が使用され、その結果、酸化物層SiO2に対する前記SiGe層のボンディングを満足できるように実行することが可能である。
【0165】
より正確には、SiGe層のボンディングを確実に行うためには、このSiGe層の洗浄が、ボンディングの前に実施される。かかる洗浄工程は、ボンディング強度を強化する助けをし、この得られたボンディングは、一般的に約20%未満のゲルマニウム含有率を提示するSiGeボンディング層について満足できる品質であることが判明している。かかる洗浄は、親水性処理、とりわけ(順にSC1溶液中とSC2溶液とによる処理を備える)RTAタイプの処理であってもよい。
【0166】
それ故に、低いゲルマニウム含有率を有するかかるSiGe層を用いることにより、接着すべき酸化された支持基板に対して前記SiGe層の直接ボンディングを実行できるためにはあまりにも高すぎるゲルマニウム含有率を有するSiGe層も仕様可能となる。
【0167】
低濃度xのGeを有するSi1−xGexボンディング層が、より高い濃度yのゲルマニウム(y>x)を有するSi1−yGey上部層の間接ボンディングのために使用されるときには、前記Si1−xGexボンディング層は、前記Si1−yGey上部層によって歪みを受けることに留意されたい。
【0168】
歪んだ単結晶Si膜から構成されるボンディング層に関して以上で説明したのと同様にして、Si1−xGexボンディング層上に課される歪みは、Si1−yGey上部層とのこのSi1−xGexボンディング層の均一化のために、前記ボンディング層を介したゲルマニウムの拡散を促進する一ファクタである。
【0169】
このSi1−xGexボンディング層の厚みは、その層全体を通して歪みの緩和がないように、また前記ボンディング層が、その層を介してのゲルマニウムの拡散によってボンディング後に消滅することができるように選択される。
【0170】
前述の注入し、脆弱性ゾーンの所で切り離す工程については、ボンディングの後に得られる構造の、このドナー基板側で薄層化をもたらすことが可能な工程の例として述べられているにすぎないことにも留意されたい。
【0171】
薄層化技法の他の例については、以下で述べられている。前記例は、どのような場合にも限定するものとなることはなく、本発明は、本発明の方法に従ってこのドナー基板を薄層化することができるどのようなタイプの技法をも包含することに留意されたい。
【0172】
例えば、一技法は、少なくとも1層の多孔質層を形成することにより脆弱化させられているゾーンにおいてこのドナー基板を「切断する」ためのエネルギーを供給することにより材料を除去することであってもよい。
【0173】
他の技法は、例えばラッピング及び/又は化学的機械研磨CMPによる、機械的又は化学的機械的な作用である。
【0174】
プラズマ・エッチングやスプレー・エッチングなどのドライ・エッチング技法についても言及することができる。
【0175】
最終的に、特にエッチングすべき構造がエッチング停止層を備えるときには、選択的な化学エッチング技法を実行することができる。
【0176】
これは、特にSiGe上部層の下にあるSiエッチング停止層を備えるドナー基板を有する場合に当てはまり、この場合には、選択的なエッチングによるボンディングに続いて、前記Siエッチング停止層を使用して、前記ドナー基板を薄くすることができる。
【0177】
最後に、本発明は、SiGe層の間接ボンディングに関するだけでなく、本発明の方法を使用して、ボンディング層の仲介手段を介して支持基板に対して転写することができる任意の半導体材料層の間接ボンディングにも関する。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1a】本発明の可能な実施形態による方法の一工程を示す図である。
【図1b】本発明の可能な実施形態による方法の一工程を示す図である。
【図1c】本発明の可能な実施形態による方法の一工程を示す図である。
【図1d】本発明の可能な実施形態による方法の一工程を示す図である。
【図1e】本発明の可能な実施形態による方法の一工程を示す図である。
【図2a】緩和されたSiGe層の酸化されたシリコン支持基板に対する間接ボンディングとSGOI構造を形成するSMARTCUT(登録商標)タイプの転写方法に関連する本発明の方法の一実施形態を示す図である。
【図2b】緩和されたSiGe層の酸化されたシリコン支持基板に対する間接ボンディングとSGOI構造を形成するSMARTCUT(登録商標)タイプの転写方法に関連する本発明の方法の一実施形態を示す図である。
【図2c】緩和されたSiGe層の酸化されたシリコン支持基板に対する間接ボンディングとSGOI構造を形成するSMARTCUT(登録商標)タイプの転写方法に関連する本発明の方法の一実施形態を示す図である。
【図2d】緩和されたSiGe層の酸化されたシリコン支持基板に対する間接ボンディングとSGOI構造を形成するSMARTCUT(登録商標)タイプの転写方法に関連する本発明の方法の一実施形態を示す図である。
【図2e】緩和されたSiGe層の酸化されたシリコン支持基板に対する間接ボンディングとSGOI構造を形成するSMARTCUT(登録商標)タイプの転写方法に関連する本発明の方法の一実施形態を示す図である。
【図2f】緩和されたSiGe層の酸化されたシリコン支持基板に対する間接ボンディングとSGOI構造を形成するSMARTCUT(登録商標)タイプの転写方法に関連する本発明の方法の一実施形態を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基板上に半導体材料の薄層を備える構造を製造する方法であって、半導体材料の上部層を備えるドナー基板から前記薄層が得られ、前記方法が、
前記上部層の前記材料の元素の拡散を受け入れる材料のボンディング層を前記上部層上に形成する工程と、
そのボンディング接着を確実に行うために前記ボンディング層を洗浄する工程と、
あらかじめ前記上部層上に形成され洗浄された前記ボンディング層の側から、前記支持基板に対して前記ドナー基板を接着する工程と、
前記上部層から前記元素を前記ボンディング層中に拡散して、前記ボンディング層及び前記上部層中における前記元素の濃度を均一化し、前記ボンディング層及び前記上部層を用いて前記構造の前記薄層を構成する工程と
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記上部層から前記ボンディング層中に前記元素を拡散する工程中に、前記ボンディング層が前記上部層中に混合して前記構造の前記薄層を形成することにより、前記ボンディング層が消滅することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ボンディングに続いて、そして、拡散に先立って、前記ドナー基板の一部分を除去して、前記上部層の一部分だけを保持して、前記支持基板と、前記ボンディング層と、前記ボンディング層と一体になって残存する前記上部層の残りによって形成される薄層とを備える中間構造を得ることを目指した薄層化工程をさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記上部層の層中にボンディングに先立って形成される脆弱ゾーンにおける前記ドナー基板からの剥離によって薄層化が実行されることを特徴とする、前記請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記上部層中に化学種を注入することによって前記脆弱ゾーンが形成されることを特徴とする、前記請求項に記載の方法。
【請求項6】
注入に先立って、前記ボンディング層上に保護層を堆積させることを目指した工程を備え、前記ボンディング工程の前に前記保護層が除去されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記薄層化工程が少なくとも1つのエッチング工程を備えることを特徴とする、請求項3から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
薄層化の後に得られる前記中間構造に対して熱処理を加えることにより前記拡散工程が実行されることを特徴とする、請求項3から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
薄層化の後に得られる前記構造のボンディング境界面を安定化させるための熱処理中に前記拡散工程が実行されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記熱処理が1000°Cと1100°Cの間で約2時間実行されることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記上部層がシリコン−ゲルマニウムSiGeから形成され、前記拡散工程が前記上部層から前記ボンディング層中に前記元素Geを拡散することを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記ボンディング層を形成する工程が前記SiGe上部層上に歪んだシリコンSiの膜を堆積させる工程を備えることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記SiGe上部層上への歪んだ単結晶シリコン膜のエピタキシャル成長によって前記ボンディング層が形成されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記歪んだエピタキシャル成長されたSi膜の厚みが約5nmであることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ボンディングが酸化された支持基板上に実行されて良好な品質のSi/酸化膜結合を生じさせることを特徴とする、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記歪んだSi膜の形成に続いて、そして、洗浄に先立って、前記歪んだSi膜の表面上に熱酸化物層を形成する、前記歪んだSi膜の部分熱酸化の工程をさらに備えることを特徴とする、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項17】
酸化された支持基板上に直接にボンディングが実行されて良好な品質の酸化膜/酸化膜結合を生じさせることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
シリコン支持基板上に直接にボンディングが実行されて良好な品質の酸化膜/Si結合を生じさせることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ボンディング層の前記洗浄がSC1タイプの溶液を用いて実施されることを特徴とする、請求項12から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
酸化物層に対して前記堆積させられたSiGe膜のボンディングが確実に行われるように、前記ボンディング層を形成する前記工程が、あるゲルマニウム濃度を有するSiGeの膜を前記SiGe上部層上に堆積させる工程を備えることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
前記堆積させられたSiGe膜中の前記ゲルマニウムの濃度が20%未満であることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
酸化された支持基板に対して直接にボンディングが実行されて、良好な品質のSiGe/酸化膜結合を実現することを特徴とする、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
前記SiGe上部層と前記ボンディング層の同化作用によって均一な濃度のゲルマニウムを有する層が得られるように、前記拡散工程中に、前記元素Geが前記ボンディング層中に拡散することを特徴とする、請求項15又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記部分的に酸化された歪んだシリコン膜の前記酸化されていない部分の前記SiGe上部層との同化作用によって均一な濃度のゲルマニウムを有する層が得られるように、前記拡散工程中に、ボンディングに先立って部分的に酸化された前記歪んだシリコン膜の酸化されていない部分に前記元素ゲルマニウムGeが拡散する層が得られることを特徴とする、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項25】
前記SiGeボンディング層の前記洗浄がRCAタイプの処理に従って実施されることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記洗浄工程が前記ボンディング層に接着すべき前記支持基板の面の洗浄工程も備えることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
半導体材料の第1のウェーハと第2のウェーハとを共に接着する方法であって、前記第1のウェーハが上部層を備え、前記第2のウェーハが自由面を備え、前記方法が、
前記第1のウェーハの前記上部層上に、前記上部層の前記材料の元素の拡散を受け入れる材料のボンディング層を形成する工程と、
そのボンディング接着を確実に行うために前記ボンディング層を洗浄する工程と、
あらかじめ前記上部層上に形成され、そして、洗浄された前記ボンディング層の側から、前記支持基板に対して前記ドナー基板を接着する工程と、
前記ウェーハが共に接着され、前記第1のウェーハの前記上部層が前記第2のウェーハの前記自由面に結合されるように、前記上部層の前記元素を前記ボンディング層中に拡散させて前記ボンディング層及び前記上部層中における前記元素の濃度を均一化させ、そして、前記ボンディング層を前記上部層との混合によって消滅させる工程と
を備えることを特徴とする方法。
【請求項1】
支持基板上に半導体材料の薄層を備える構造を製造する方法であって、半導体材料の上部層を備えるドナー基板から前記薄層が得られ、前記方法が、
前記上部層の前記材料の元素の拡散を受け入れる材料のボンディング層を前記上部層上に形成する工程と、
そのボンディング接着を確実に行うために前記ボンディング層を洗浄する工程と、
あらかじめ前記上部層上に形成され洗浄された前記ボンディング層の側から、前記支持基板に対して前記ドナー基板を接着する工程と、
前記上部層から前記元素を前記ボンディング層中に拡散して、前記ボンディング層及び前記上部層中における前記元素の濃度を均一化し、前記ボンディング層及び前記上部層を用いて前記構造の前記薄層を構成する工程と
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記上部層から前記ボンディング層中に前記元素を拡散する工程中に、前記ボンディング層が前記上部層中に混合して前記構造の前記薄層を形成することにより、前記ボンディング層が消滅することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ボンディングに続いて、そして、拡散に先立って、前記ドナー基板の一部分を除去して、前記上部層の一部分だけを保持して、前記支持基板と、前記ボンディング層と、前記ボンディング層と一体になって残存する前記上部層の残りによって形成される薄層とを備える中間構造を得ることを目指した薄層化工程をさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記上部層の層中にボンディングに先立って形成される脆弱ゾーンにおける前記ドナー基板からの剥離によって薄層化が実行されることを特徴とする、前記請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記上部層中に化学種を注入することによって前記脆弱ゾーンが形成されることを特徴とする、前記請求項に記載の方法。
【請求項6】
注入に先立って、前記ボンディング層上に保護層を堆積させることを目指した工程を備え、前記ボンディング工程の前に前記保護層が除去されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記薄層化工程が少なくとも1つのエッチング工程を備えることを特徴とする、請求項3から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
薄層化の後に得られる前記中間構造に対して熱処理を加えることにより前記拡散工程が実行されることを特徴とする、請求項3から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
薄層化の後に得られる前記構造のボンディング境界面を安定化させるための熱処理中に前記拡散工程が実行されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記熱処理が1000°Cと1100°Cの間で約2時間実行されることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記上部層がシリコン−ゲルマニウムSiGeから形成され、前記拡散工程が前記上部層から前記ボンディング層中に前記元素Geを拡散することを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記ボンディング層を形成する工程が前記SiGe上部層上に歪んだシリコンSiの膜を堆積させる工程を備えることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記SiGe上部層上への歪んだ単結晶シリコン膜のエピタキシャル成長によって前記ボンディング層が形成されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記歪んだエピタキシャル成長されたSi膜の厚みが約5nmであることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ボンディングが酸化された支持基板上に実行されて良好な品質のSi/酸化膜結合を生じさせることを特徴とする、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記歪んだSi膜の形成に続いて、そして、洗浄に先立って、前記歪んだSi膜の表面上に熱酸化物層を形成する、前記歪んだSi膜の部分熱酸化の工程をさらに備えることを特徴とする、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項17】
酸化された支持基板上に直接にボンディングが実行されて良好な品質の酸化膜/酸化膜結合を生じさせることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
シリコン支持基板上に直接にボンディングが実行されて良好な品質の酸化膜/Si結合を生じさせることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ボンディング層の前記洗浄がSC1タイプの溶液を用いて実施されることを特徴とする、請求項12から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
酸化物層に対して前記堆積させられたSiGe膜のボンディングが確実に行われるように、前記ボンディング層を形成する前記工程が、あるゲルマニウム濃度を有するSiGeの膜を前記SiGe上部層上に堆積させる工程を備えることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
前記堆積させられたSiGe膜中の前記ゲルマニウムの濃度が20%未満であることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
酸化された支持基板に対して直接にボンディングが実行されて、良好な品質のSiGe/酸化膜結合を実現することを特徴とする、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
前記SiGe上部層と前記ボンディング層の同化作用によって均一な濃度のゲルマニウムを有する層が得られるように、前記拡散工程中に、前記元素Geが前記ボンディング層中に拡散することを特徴とする、請求項15又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記部分的に酸化された歪んだシリコン膜の前記酸化されていない部分の前記SiGe上部層との同化作用によって均一な濃度のゲルマニウムを有する層が得られるように、前記拡散工程中に、ボンディングに先立って部分的に酸化された前記歪んだシリコン膜の酸化されていない部分に前記元素ゲルマニウムGeが拡散する層が得られることを特徴とする、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項25】
前記SiGeボンディング層の前記洗浄がRCAタイプの処理に従って実施されることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記洗浄工程が前記ボンディング層に接着すべき前記支持基板の面の洗浄工程も備えることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
半導体材料の第1のウェーハと第2のウェーハとを共に接着する方法であって、前記第1のウェーハが上部層を備え、前記第2のウェーハが自由面を備え、前記方法が、
前記第1のウェーハの前記上部層上に、前記上部層の前記材料の元素の拡散を受け入れる材料のボンディング層を形成する工程と、
そのボンディング接着を確実に行うために前記ボンディング層を洗浄する工程と、
あらかじめ前記上部層上に形成され、そして、洗浄された前記ボンディング層の側から、前記支持基板に対して前記ドナー基板を接着する工程と、
前記ウェーハが共に接着され、前記第1のウェーハの前記上部層が前記第2のウェーハの前記自由面に結合されるように、前記上部層の前記元素を前記ボンディング層中に拡散させて前記ボンディング層及び前記上部層中における前記元素の濃度を均一化させ、そして、前記ボンディング層を前記上部層との混合によって消滅させる工程と
を備えることを特徴とする方法。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図2f】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図2f】
【公開番号】特開2011−109125(P2011−109125A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5104(P2011−5104)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【分割の表示】特願2006−530756(P2006−530756)の分割
【原出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(503368410)エス.オー.アイ.テック、シリコン、オン、インシュレター、テクノロジーズ (49)
【氏名又は名称原語表記】S.O.I.TEC SILICON ON INSULATOR TECHNOLOGIES
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【分割の表示】特願2006−530756(P2006−530756)の分割
【原出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(503368410)エス.オー.アイ.テック、シリコン、オン、インシュレター、テクノロジーズ (49)
【氏名又は名称原語表記】S.O.I.TEC SILICON ON INSULATOR TECHNOLOGIES
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]