説明

ポリオルガノシルセスキオキサンおよびその製造方法

【課題】
有機溶媒との相溶性が高く、また、シラノール基が極めて少なく、分子量分布が狭い低分子ポリオルガノシルセスキオキサン及びその製造方法の提供。
【解決手段】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が500〜20,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.0の範囲で占められ、式〔1〕及び式〔2〕
で表される繰り返し単位、並びに式〔3〕で表される末端基を有し、上記式〔1〕中の3つの酸素原子が結合したケイ素原子が70mol%以上、上記式〔2〕中の2つの酸素原子と1つの水酸基が結合したケイ素原子が30mol%以下であり、上記式〔3〕中の1つの酸素原子と2つの水酸基が結合したケイ素原子が1mol%以下で構成されてなることを特徴とするポリオルガノシルセスキオキサン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオルガノシルセスキオキサンおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオルガノシルセスキオキサンは、ケイ素原子数に対する酸素原子数が1.5であるようなシリコーンレジンの総称であり、耐熱性、透明性、電気絶縁性等に優れ、光学材料用途、半導体封止、レジスト材料、層間絶縁膜等として利用されている。
【0003】
1960年のGE社のブラウンらは、フェニルトリクロルシランを加水分解して得られるプレポリマーをトルエン溶媒中、塩基性触媒下で生成する水を共沸で系外に除去しながら反応し、シラノール基を有さないポリフェニルシルセスキオキサンが合成できる事を示した[非特許文献1]。
【0004】
しかしながら、この方法は反応の制御が難しく、しかも大量の合成が困難であるという欠点を持つほか、このようにして得られるポリマーは一般に高分子量であり、分子量分布が広く、特に高分子量成分を含有するため、ベンゼンやテトラヒドロフラン(THF)など極めて限られた溶媒にしか溶解せず、トルエンにも殆ど溶解しない。
【0005】
その後も多くのグループからポリオルガノシルセスキオキサンの合成が提案されているが、上記方法の延長線上にある。例えば木村らはフェニルシラントリオールを有機溶媒中で加水分解してプレポリマーを得て、これをトルエン溶媒中、塩基性触媒下で生成する水を共沸で系外に除去しながら反応し、シラノール基を有さないポリフェニルシルセスキオキサンを得ている(特許文献1)。しかしながら、縮合自体は同様な方法のために上記と同様の問題点を有する。
【0006】
また、これらの製造方法によって、分子量分布の狭いポリオルガノシルセスキオキサンを得るためには、一旦製造したポリマーを分子量分別する必要があった(特許文献2、特許文献3)。しかし、このような方法では、得られるポリオルガノシルセスキオキサンの収率が低く、特に、低分子のポリオルガノシルセスキオキサンを得ることは困難であるという問題があった。
【0007】
【非特許文献1】J.Am.Chem.Soc.82.6194(1960)
【特許文献1】特開平8−143578号公報
【特許文献2】特開昭57―10627号公報
【特許文献3】特開昭61−127732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者らは、上記問題点を解決するため、鋭意検討を進めた結果、ついに本発明を完成した。すなわち、本発明の目的は、有機溶媒との相溶性が高く、また、シラノール基が極めて少なく、分子量分布が狭い低分子ポリオルガノシルセスキオキサンおよびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が500〜20,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.0の範囲で占められ、下記式〔1〕及び式〔2〕
【0010】
【化1】

【0011】
【化2】

で表される繰り返し単位、並びに下記式〔3〕
【0012】
【化3】


(式中、R1、R及びRは各々独立にアリール基、アルキル基又はアルケニル基を示す。)
【0013】
で表される末端基を有し、上記式〔1〕中の3つの酸素原子が結合したケイ素原子が70mol%以上、上記式〔2〕中の2つの酸素原子と1つの水酸基が結合したケイ素原子が30mol%以下であり、上記式〔3〕中の1つの酸素原子と2つの水酸基が結合したケイ素原子が1mol%以下で構成されてなることを特徴とするポリオルガノシルセスキオキサンである(項1)。
【0014】
また、本発明は、シラノール基を有するポリオルガノシルセスキオキサンを、固体状態で加熱処理して脱水縮合させることを特徴とする項1に記載のポリオルガノシルセスキオキサンの製造方法である(項2)。
【0015】
更に本発明は、加熱処理の温度が100℃〜500℃であることを特徴とする項2に記載のポリオルガノシルセスキオキサンの製造方法である(項3)。
【0016】
更にまた、本発明は、上記シラノール基を有するポリオルガノシルセスキオキサンのゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が100〜5,000であることを特徴とする項2乃至項3の何れかに記載のポリオルガノシルセスキオキサンの製造方法である(項4)。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、有機溶媒との相溶性が高く、また、シラノール基が極めて少なく、分子量分布が狭い低分子ポリオルガノシルセスキオキサンが工業的に容易に得られ、例えば、耐熱性、透明性、電気絶縁性等に優れ、光学材料用途、半導体封止、レジスト材料、層間絶縁膜等としての有効利用が期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明のポリオルガノシルセスキオキサンについて詳しく説明する。
本発明の上記式〔1〕、式〔2〕及び式〔3〕において定義されているR1、R2及びRのアリール基、アルキル基又はアルケニル基において、アリール基としては、フェニル基、トリル基等が、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜8の範囲のアルキル基が挙げられ、またアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基等の炭素数2〜8の範囲のアルケニル基が挙げられる。
【0019】
また、これらアリール基、アルキル基またはアルケニル基は、一部の水素が他の有機基で更に置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。他の有機基で更に置換されている場合として、例えばハロアルキル基、ハロアルコキシアルキル基などが挙げられる。
【0020】
本発明のポリオルガノシルセスキオキサンは、上記式〔1〕中の3つの酸素原子が結合したケイ素原子が70mol%以上、上記式〔2〕中の2つの酸素原子と1つの水酸基が結合したケイ素原子が30mol%以下であり、上記式〔3〕中の1つの酸素原子と2つの水酸基が結合したケイ素原子が1mol%以下で構成されてなることを特徴とする。
【0021】
本発明のポリオルガノシルセスキオキサンは、有機溶媒との相溶性が高く、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、その他ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)等に溶解することができる。
【0022】
本発明のポリオルガノシルセスキオキサンは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が500〜20,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.0の範囲で占められる。
【0023】
次に、本発明のポリオルガノシルセスキオキサンの製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、シラノール基を有するポリオルガノシルセスキオキサンを、固体状態で加熱処理して脱水縮合させることで、本発明のポリオルガノシルセスキオキサンを製造することができる。ここで、加熱処理の温度は100℃〜500℃、好ましくは150℃〜300℃である。
【0024】
本発明に用いられるシラノール基を有するポリオルガノシルセスキオキサンは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が100〜5,000であり、このようなシラノール基を有するポリオルガノシルセスキオキサンを固体の状態で加熱オーブンおよびコニカルドライヤー等の加熱装置または溶媒懸濁下に加熱処理すること等で、本発明のポリオルガノシルセスキオキサンを製造することができる。
【0025】
また、本発明に用いられるシラノール基を有するポリオルガノシルセスキオキサンは、公知の方法で製造されたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が100〜5,000の水酸基を有するポリオルガノシルセスキオキサンであれば特に限定されるものではないが、例えば、水と混和しない有機溶媒と水を強攪拌により均一分散し、この系中にオルガノトリハロシランを滴下して得られたポリオルガノシルセスキオキサンのプレポリマーがより好ましく用いられる。
【0026】
更に詳しくは、上記の方法では、水と有機溶媒の抽出分配性を利用して、短時間に特定の分子量となったポリオルガノシルセスキオキサンを選択的に有機溶媒層に抽出し、縮合反応を停止する事ができるため、有機溶媒種、オルガノトリハロシランの滴下条件等の反応条件を選択する事で、容易に分子量制御が可能であり、任意の分子量のポリオルガノシルセスキオキサンを再現性良く得る事ができるからである。
【0027】
また、本発明に用いられるシラノール基を有するポリオルガノシルセスキオキサンは、下記式〔4〕及び式〔5〕
【0028】
【化4】

【0029】
【化5】

で表される繰り返し単位、並びに下記式〔6〕
【0030】
【化6】

(式中、R、R及びRは各々独立にアリール基、アルキル基又はアルケニル基を示す。)
【0031】
で表される末端基を有し、上記式〔4〕中の3つの酸素原子が結合したケイ素原子が45mol%以上、式〔5〕中の2つの酸素原子と1つの水酸基が結合したケイ素原子が50mol%以下であり、式〔6〕中の1つの酸素原子と2つの水酸基が結合したケイ素原子が5mol%以下で構成されたポリオルガノシルセスキオキサンのプレポリマーがより好ましい。
【0032】
また、本発明に用いられるシラノール基を有するポリオルガノシルセスキオキサンの固体状態は、微細粉末状、粉末状、フレーク状であることが好ましく、より好ましくは微細粉末状である。
【0033】
更に、溶媒懸濁下に加熱処理する方法としては、用いられるシラノール基を有するポリオルガノシルセスキオキサンの溶解性が低い溶媒で行えば特に限定されるものではなく、例えば、ヘキサノール、n-オクタノール、デカノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、デカリン等の脂肪族炭化水素類が挙げられる。
【0034】
加熱処理条件は、用いられるシラノール基を有するポリオルガノシルセスキオキサンの官能基、シラノール基の量、分子量および形状等により異なるが、加熱処理温度はポリオルガノシルセスキオキサンの反応性および熱安定性の点から、100℃〜500℃が好ましく、より好ましくは150〜300℃の範囲である。加熱処理時間は、生産性および経済性の点から、20時間以下が好ましく、より好ましくは1〜10時間の範囲である。
【実施例】
【0035】
以下、合成例、実施例および比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
【0036】
合成例1
温度計、撹拌装置、還流冷却管、排出用コックを取り付けた1Lのジャケット付きフラスコに、水250gとトルエン100gを仕込み、撹拌モーターの速度を有機溶媒層と水層の2層が均一分散状態となる最小回転数に調整した。
【0037】
次いで、ジャケットに25℃の水を通水し、系内温度を25℃±2℃に調整した後、トルエン130gで希釈されたフェニルトリクロロシラン130g(615mmol)を2時間で滴下した。この時の系内温度はmax.28℃まで発熱が見られた。その後、5分間撹拌した後、5分間静置し、釜底に取り取り付けられた排出用コックから、水層を除去した。更に、水250gを系内に投入して5分間撹拌した後、5分間静置して同様に水層を排出し、排水のpHが中性になるまで4回洗浄を繰り返した後、トルエンを減圧除去することにより、白色粉末のポリフェニルシルセスキオキサン80gを得た。
【0038】
得られたポリフェニルシルセスキオキサンのゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量(MW)は1,290であり、分子量分布(MW/MN)1.32であった。また、29SiNMRにより、3つの酸素原子と結合したケイ素原子(以下「Ph」と略す)の領域:−76ppm〜−82ppm、2つの酸素原子と1つの水酸基が結合したケイ素原子(以下「Ph」と略す)の領域:−66ppm〜−72ppm、1つの酸素原子と2つの水酸基が結合したケイ素原子(以下「Ph」と略す)の領域:−58ppm〜−62ppmにシグナルが観測された。それぞれのシグナルの積分値から、PhPhPhが53.4mol%:46.1mol%:0.5mol%で構成されるシラノール基を有するポリフェニルシルセスキオキサンであった。
【0039】
実施例1
合成例1で得られたシラノール基を有するポリフェニルシルセスキオキサンの白色粉末50gを乳鉢にて微細粉砕し、乾燥皿に入れて250℃の電気炉で一時間加熱し、白色粉末48gを得た。
【0040】
得られたポリフェニルシルセスキオキサンのゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量(MW)は6,690であり、分子量分布(MW/MN)1.77であった。また、29SiNMRでPh領域とPh領域にシグナルが観察され、Ph領域のシグナルは観測されなかった。それぞれの積分値から、得られたポリフェニルシルセスキオキサンはPhPhPhが85.4mol%:14.6mol%:0.0mol%で構成されたポリフェニルシルセスキオキサンであった。
【0041】
実施例2
合成例1で得られたシラノール基を有するポリフェニルシルセスキオキサンの白色粉末50gを乳鉢にて微粉砕し、300mlのナスフラスコに仕込み、ロータリーエバポレーターにセットし、減圧度10torr、回転数50rpmで室温から2時間かけて250℃までオイルバスにて徐々に昇温し、250℃で1時間保持した後、冷却して47gの白色粉末を得た。
【0042】
得られたポリフェニルシルセスキオキサンのゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量(MW)は5,090であり、分子量分布(MW/MN)1.57であった。また、29SiNMRでPh領域とPh領域にシグナルが観察され、Ph領域のシグナルは観測されなかった。それぞれの積分値から、得られたポリフェニルシルセスキオキサンは、PhPhPhが92.4mol%:7.6mol%:0.0mol%で構成されたポリフェニルシルセスキオキサンであった。
【0043】
実施例3
温度計、撹拌装置、還流冷却管を取り付けた500mlのフラスコにドデカン300gを仕込み、乳鉢にて微粉砕した合成例1で得られたシラノール基を有するポリフェニルシルセスキオキサンの白色粉末50gを加えて、マントルヒーターにて室温から200℃まで1時間かけて徐々に昇温し、200℃で6時間保持した後、ドデカンを減圧除去することにより、46gの白色粉末を得た。
【0044】
得られたポリフェニルシルセスキオキサンのゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量(MW)は8,890であり、分子量分布(MW/MN)1.47であった。また、29SiNMRでPh領域にシグナルが観察され、Ph領域とPh領域のシグナルは観測されず、縮合は完結していた。
【0045】
比較例1
温度計、撹拌装置、還流冷却管を取り付けた200mlのフラスコに、トルエン50gを仕込み、乳鉢にて微粉砕した合成例1で得られたシラノール残基を有するポリフェニルシルセスキオキサンの白色粉末50gを加えて溶解し、次いで0.05gの水酸化カリウムを加えて、生成する水を共沸で除きながら16時間還流した後、トルエンを減圧除去することにより、46gの白色粉末を得た。
【0046】
得られたポリフェニルシルセスキオキサンのゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量(MW)は180,000であり、分子量分布(MW/MN)2.52であった。また、29SiNMRでPh領域にシグナルが観察され、Ph領域とPh領域のシグナルは観測されず、縮合は完結していた。
【0047】
実施例4
表1に示す溶剤にて、実施例1〜3で得られたポリオルガノシルセスキオキサン、濃度30%における相溶性を確認した。また、同様にして相溶性を確認した比較例1で得られたポリフェニルシルセスキオキサンの結果も併記する。
【0048】
【表1】

*1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂
【0049】
表1中の「○」とは、検体を目視で確認し、不溶解物または濁りが無いことを表し、「△」とは、検体を目視で確認し、若干の濁りが確認できたことを表し、「×」とは不溶解分または濁りが明らかに確認できたことを表す。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明のポリオルガノシルセスキオキサンは、例えば、光学材料、電気絶縁材料、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の汎用樹脂、各種フィルムの改質剤等として好適に使用することができる。また、公知の方法で製造されたポリオルガノシルセスキオキサンに比べて、有機溶媒および熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の汎用樹脂との相溶性が高く、シラノール基が少ないことから、特に透明性、熱安定性、吸湿性、電気特性等に優れ、その利用価値が一段と高まる事が期待されるところである。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が500〜20,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.0の範囲で占められ、下記式〔1〕及び式〔2〕
【化1】


【化2】

で表される繰り返し単位、並びに下記式〔3〕
【化3】

(式中、R1、R及びRは各々独立にアリール基、アルキル基又はアルケニル基を示す。)
で表される末端基を有し、上記式〔1〕中の3つの酸素原子が結合したケイ素原子が70mol%以上、上記式〔2〕中の2つの酸素原子と1つの水酸基が結合したケイ素原子が30mol%以下であり、上記式〔3〕中の1つの酸素原子と2つの水酸基が結合したケイ素原子が1mol%以下で構成されてなることを特徴とするポリオルガノシルセスキオキサン。
【請求項2】
シラノール基を有するポリオルガノシルセスキオキサンを、固体状態で加熱処理して脱水縮合させることを特徴とする請求項1に記載のポリオルガノシルセスキオキサンの製造方法。
【請求項3】
加熱処理の温度が100℃〜500℃であることを特徴とする請求項2に記載のポリオルガノシルセスキオキサンの製造方法。
【請求項4】
上記シラノール基を有するポリオルガノシルセスキオキサンのゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が100〜5,000であることを特徴とする請求項2乃至請求項3の何れかに記載のポリオルガノシルセスキオキサンの製造方法。

【公開番号】特開2007−169375(P2007−169375A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−366290(P2005−366290)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(391010895)小西化学工業株式会社 (19)
【Fターム(参考)】