説明

マルルビイン及びいびきを低減するための組成物、パッケージ及び製法

本発明は、いびきを低減するための組成物、そのパッケージング及びその製法に関する。組成物は、各種の形態、特に、スプレーとして、ゲルとして又はフォーム処方として、咽頭に適用される。好適な具体例では、この組成物は、ホワイトホアハウンド(マルルビウム・ウルガレ(Marrubium vulgare))及び/又はブラック・ホアハウンド(バロッタ・ニグラ(Ballota nigra))を含んでなる。この組成物の適用は、少なくとも一時的に、処置した者のいびきを低減する。本発明は、さらに、いびきの治療のための医薬品の製造におけるマルルビイン(murrubiin)の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いびきの低減を目的とする組成物に関する。本発明は、さらに、このような組成物を収容するパッケージにも関する。さらに、本発明は、このような組成物の製法にも関する。さらにまた、本発明は、いびき治療用の医薬品の製造における、マルルビイン(murrubiin)の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
いびきは、睡眠中における、呼吸する間の鼻息、喘鳴及び/又はうめきの音の発生である。呼吸の間、空気は、鼻腔及び/又は口腔を通り、のど及び気管を経由して、肺から又は肺に運ばれる。一般的には、咽頭のエリアの組織の振動は、特に、口蓋垂及び/又は声帯の周囲の領域における、吸息及び呼息の間の空気の置換によって生ずるものと考えられる。本来の素質、年齢及び口腔及び/又は咽頭の疾患に加えて、いびきは、中でも、アルコールの摂取、喫煙及び肥満に関連する。いびきによって生ずる騒音は、他のヒトの睡眠に悪影響を及ぼす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ヒトのいびきを低減できる手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、この目的のため、少なくとも有効量の、収斂性を持つ少なくとも1の有効成分及び生理学上許容される賦形剤を含んでなる、いびき低減組成物を提供するものである。このような組成物は、好ましくは、咽頭において適用される。本発明による組成物での処置では、驚くべきことには、いびきの音を抑制するか、又はいびきを少なくとも許容レベルまで低減でき、場合によっては、いびきを完全に防止できる。本発明による組成物は、家庭だけでなく、多数のヒトが同じ空間において眠ることが要求される特殊な状況、例えば、寮、病院又は兵舎においても、有効に適用される。
【0005】
現在のところ、夕方に、本発明による薬剤をシングル投与することにより、一晩中、充分な作用が発揮されるものと考えられている。しかし、しばらくすると、作用が弱まること及び新たな用量の組成物を適用しなければならないこともある。
【0006】
作用に関して、組成物が有効であるか間は、有効成分の収斂(収縮)特性が、処置した組織を強張らせ、これによって、いびき音の原因となる振動が可能ではなくなる。収斂特性とは、特に、粘膜に塗布された成分が、処置部位において、組織の収縮をもたらすことを意味するものと理解される。
【0007】
生理学的に許容される賦形剤は、各種の好適な、薬学上許容される、咽頭及び口腔での使用に適する、固体、液体又はそれらの混合形のマトリックである。有効成分は、例えば、精油又は植物の水‐アルコールエキスである。
【0008】
組成物が適用される口腔、咽頭及び鼻の経路の粘膜は、絶えず粘液を生産している。ヒトは、恒常的に唾を飲み込んでおり、これによって、有効成分も処置部位から除去される。このようにして、しばらくすると、塗付された組成物は消失するため、一定の時間のみ粘膜において機能できる。
【0009】
組成物が実質的に液状であれば有利である。このような組成物は、所望の部位、例えば、咽頭への塗付が簡単である。さらに、液状組成物は、有効成分を、処置されるべき表面全体に適切に分配する。液状組成物は、例えば、溶液、エマルジョン又は懸濁液である。液状組成物用には、液上賦形剤、例えば、水、水溶液又は各種液体の混合物が使用される。液状組成物は、例えば、有効成分を所望の部位に適用するために、うがい液として使用される。
【0010】
液状組成物は、好ましくは、噴霧可能である。噴霧可能な組成物は、体温において、10,000 cPs未満、好ましくは、5,000 cPs未満の粘度を有する。このような溶液は、好適なスプレー装置を使用して投与される。粘度1,000〜10,000 cPs、好ましくは、1,000〜5,000 cPsを持つ組成物が特に有利である。このような組成物は、処置部位における良好な接触時間と、有効成分の効果的な吸収性とを兼ね備える。このように、有効成分は、より効果的に分散された様式で適用される。組成物がエーロゾル(エーロゾルでは、液体が非常に細かく分散された水に転化されている)として噴霧可能であることが特に推奨される。このように非常に細かく分散されたミストは、組成物のより効果的な使用を提供し、非常に良好に吸収される。エーロゾルは、高圧ガスを含む容器によって生成され、また、ベンチュリースプレーユニットを備える容器によっても生成される。
【0011】
好適な1具体例では、組成物はゲル状である。ゲルは、水と比べて増大された粘度を持つ液体である。使用可能なゲル形成添加剤は、水を結合する高分子生成物である。ゲルは、好ましくは、体温において、1,000 cPs以上の粘度を有する。ゲルは、所望の部位において、有効成分のより長い接触時間を提供し、その結果、有効成分をより有効に使用でき、改善された効果を達成できる。ゲルは、成分に少なくとも1のゲル生成添加剤を添加することによって生成されるが、有効成分自体がゲルを生成できるものであってもよい。使用可能なゲル生成添加剤は、例えば、カラヤゴム、トラガカントゴム、アラビヤゴム、ガティガムのような植物性抽出物、ガーゴム、イナゴマメ粉、タマリンドゴムのような種子から得られた多糖、カラギーナン、アルギン酸塩、アルギン酸のような海草からの多糖、キサンタンガム及びデキストランのような細胞外微生物多糖、マルトデキストリン、マカ、コンニャクマンナン、コーンスターチのようなデンプン生成物、カゼイン、ゼラチン、ケラチンのような動物性生成物、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース誘導体、エチレン‐プロピレンオキシド共重合体、アクリル酸及び/又はメタクリル酸から誘導された高分子、及びビニルアルコールから誘導された高分子であるが、これらに限定されない。このような成分からの好適なゲルの形成については、D. Laba, 化粧品のレオロジー特性, Marcel Dekker, 1993, ISBN 0-8247-9090-1を参照する。
【0012】
組成物がフォーム状である場合も有利である。フォームは、処置表面における、高度に改善された有効成分の分配を提供する。フォームの生成には表面活性剤が必要である。表面活性剤は水の表面張力を低減し、常に、親水性(疎油性)部分及び親油性(疎水性)部分で構成されている生成物である。表面活性物質/表面活性物質混合物は、非イオン性、アニオン性、カチオン性又は両性表面活性物質の群の一部を構成するものである。口腔及び咽頭での使用に好適であること関しての特異的は成分については、M.M. Rieger, 界面活性剤大辞典, Allured Publishing Corp., ISBN 0-931710-49-9を参照する。
【0013】
好適な1具体例では、収斂特性を持つ少なくとも1の有効成分は、ホワイトホアハウンドである。エーテル油及び/又はそのエキスが、処置されたヒトのいびきのレベルについて、特に好ましい作用を有することが認められる。ホワイトホアハウンドは、マルルビウム・ウルガレ(Marrubium vulgare)として知られている(英国:ホワイトホアハウンド;独国:アンドルン(andorn);仏国:マルーブ(Marrube))。ホワイトホアハウンドは、フラボノイド、置換ケイ皮酸(例えば、カフェイン酸)、テルペノイド、浸透調節生成物(例えば、タリシン(turicine)、ベトニシン)及び五環式ステロイドのような広範囲の生理活性生成物を含有する。ホワイトホアハウンド中に存在する上記物質に加えて、マルルビウム・ウルガレの代表的な成分は、物質マルルビインであり、このマルルビインは、誘導体マルルベノール(marrubenol)及びマルルビノール(marrubinol)の形でも存在しうる。
【0014】
他の好適な1具体例では、収斂作用を持つ少なくとも1の有効成分は、ブラックホアハウンド(black horehound)である。この植物及びその親水性エキス及び/又はエーテル油も、処置されたヒトのいびきのレベルについて、特に好ましい作用を有することが認められる。ブラックホアハウンドは、バロッタ・ニグラ(Ballota nigra)として知られている(英国:ブラックホアハウンド;仏国:バロット・フェティード(Ballotte fetide);独国:ゴットフェルゲス(Gottvergess))。ブラックホアハウンドは、特有の代表的な成分(例えば、バロニグリン(ballonigrin)、バロテノール(ballotenol)及びバロチノン(ballotinone))に加えて、タングリチン、モノ‐及びセスキテルペノイドのようなフラボノイドからなるエーテル油を含んでなる。これらの生成物は、構造的にマルルビインに関連しており、フラノイドセスキテルペノイドとして特徴付けられている(G. Savona, F. Piozzi, J.R. Hanson, M. Siverns, J. Chem. Soc., Perkin Trans., 5, 497, 1977)。
【0015】
組成物が、有効量で、ホワイトホアハウンド及びブラックホアハウンドの両方を含んでなることは有利である。ホワイトホアハウンドとの組み合せにおいて、ブラックホアハウンドは、いびきの抑制に関して相乗作用を有することが認められる。望ましい混合物は、ホワイトホアハウンド及びブラックホアハウンドを、質量比1:25〜25:1で含んでなる。ここに示す比は、それぞれ、ホワイトホアハウンド及びブラックホアハウンドのエーテル油の質量比を表す。
【0016】
ホワイトホアハウンドの質量%:ブラックホアハウンドの質量%の比は、好ましくは、1:10〜10:1である。このような百分率では、2つの有効成分の相乗作用は特に効果的である。ホワイトホアハウンドの質量%:ブラックホアハウンドの質量%の比は、さらに好ましくは、1:2〜2:1である。ホワイトホアハウンドの質量%は、最も好ましくは、ブラックホアハウンドの質量%と実質的に等しい。
【0017】
組成物が少なくとも1の香料を含有することも有利である。香料は、ホワイトホアハウンド及びブラックホアハウンドの組み合せの風味(多くのヒトに、不快及び苦いとして知覚される)をカモフラージュする。
【0018】
ここでは、香料が、ペパーミント、アニス及びユーカリからなる群から選ばれるものであることが推奨される。これらの香料は、ホワイトホアハウンド及びブラックホアハウンドの組み合せの風味をカモフラージュすることに関して最も効果的であることが認められる。これら香料の複数個の組み合わせも有効である。
【0019】
収斂作用を持つ多数の有効成分を使用する場合、有効量は、すべての有効成分の量を平均するものと理解される。従って、有効成分は、それらが個々では有効ではないが、所定の濃度で他の成分と組み合わされる場合には、所望の効果を達成できる濃度で存在できる。
【0020】
組成物がショウガを含有することも有利である。ショウガは、例えば、エキス又はエーテル油として添加される。ショウガの最もよく知られた形態はジンジャー・オフィシナル(Zingiber officinale)であるが、他のタイプも同等の効果を有する。改善された抗いびき作用は、ホワイトホアハウンド及び/又はブラックホアハウンドと組み合せてショウガを使用することによって得られる。有効成分の20〜60質量%が、好ましくは、ショウガで構成される。さらに、このような組成物は、非常に改善された風味を有し、これによって、処置されるヒトは、治療を心地よいものと知覚し、このような組成物による処置は、大いなる成功を達成できる。
【0021】
組成物がタイムを含むことも推奨される。このような組成物は、改善された抗いびき作用を付与する。タイムの最もよく知られた形態は、ティムス・ブルガリス(Tymus vulgaris)として知られているものである。タイムは、オイル及び/又はエキスとして組成物に配合される。タイムは、改善された抗いびき作用を与える。
【0022】
有効成分は組成物の0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜8質量%、さらに好ましくは1〜5質量%を構成することが推奨される。このような濃度において、良好な抗いびき作用が実現され、この場合、有効成分は、さらに、効果的に使用される。有効成分の一部は、最終的には、嚥下と共に、粘液腺による粘液の生産によって、一定時間後には、所望の部位から除去され、従って、処置部位において、限定された接触時間でのみ作用する。より高い濃度では、実際には、有効成分の多くは、抗いびき作用を発揮するためには使用されず、比較的高価な有効成分が無駄になる。上述の濃度では、有効成分が良好に分散された状態で適用され、これによって、有効成分は、処置位置において、粘膜に対して、接触時間中、充分に作用できる。
【0023】
組成物は、好ましくは、有効量の浸透調節剤を含有できる。浸透調節剤の添加によって、組成物の抗いびき作用の改善が認められる。最良の抗いびき効果は、使用するマトリックスに応じて0.1〜10質量%の浸透調節剤を含んでなる処方によって達成される。ここでは、浸透調節剤として各種の物質の組み合せを使用することも可能である。浸透調節剤は、水の細胞間移動を生じさせる生成物である(E.E. Brand-Garnys, H.M. Brand, Soap, Perfumery and Cosmetics, 2005)。過剰の水移動は細胞の緩和を生じ、いびきを促進するが、これは浸透調節剤によって防止される。使用可能な浸透調節剤は、ベタイン(トリメチルグリシン)及び関連するアミノ酸ベタイン(例えば、アラニンベタイン)、ジメチルスルホンイオプロピオネート(DMSP:S,S-ジメチル-3-メルカプトプロピオン酸)、コリンスルフェート、プロリン及びヒドロキシプロリン、ベタイン、エクトイン(ectoine)、いくつかのポリオール(例えば、グリセロール)及び非還元糖(例えば、トレハロース、マンニトール及びイノシトール)である。
【0024】
好適な1具体例では、浸透調節剤は実質的にベタインを含んでなる。浸透調節剤としてのベタインの添加によって、経口投与の際の改善された感覚と共に、改善された抗いびき効果が与えれることが認められる。これは、ベタインが処置部位における有効成分の吸収を改善することによるものである。ベタインの正式名はトリメチルグリシン(TMG)である。
【0025】
組成物が浸透性エンハンサー1〜20質量%を含むことは有利である。浸透性エンハンサーは、処置された組織による有効成分の吸収、これによって、処方の効力を促進する。透過性エンハンサーとして、エタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、フィタントリオール及びメチルスルホニルメタン(ジメチルスルホン:MSM)又はその混合物が特に有用である。
【0026】
組成物は、好ましくは、少なくとも1の香料を含む。香料を使用することによって、組成物の風味が改善され、これによって、処置されるヒトが、処置を、より心地よいものと認識するようになる。香料は、好ましくはエーテル油又はその混合物である。少なくとも1の香料は、好ましくは、ユーカリ油、メントール、チョウジ油、アニス油及びペパーミント油からなる群から選ばれるものである。他のエーテル油、例えば、スィートオレンジ油、ピネン油、グレープフルーツ油及びマンダリン油も使用可能である。これらの物質は、口及びのどにおいて、清涼感及び良好な風味を生じさせる。多種類の香料の組み合せも使用できる。香料は、香料の種類及び所望の強さに応じて、一般に、処方の0.01〜5質量%である。このようにして、有効成分の苦味又は他の許容しがたい味が、効果的な態様でカモフラージュされる。組成物がタイムを含む場合に特に有利であり、その苦味が香料によってカモフラージュされる。
【0027】
組成物がキシリトール0.5〜5質量%を含むことが有利である。キシリトールは抗菌作用を有しており、これによって、この組成物の使用者は、有効期間が終了した後も、比較的爽やかに呼吸できる。加えて、キシリトールは甘味料としても作用し、これによって、組成物の味が富化される。
【0028】
組成物は、好ましくは、生体接着性ゲル化剤0.01〜5質量%も含む。これによって、処置部位における組成物の接触時間が長くなる。高ゲル化剤濃度(0.05〜5質量%)では、高粘度を持つゲルが得られ、同様に、処置部位における接触時間の増大に寄与する。使用可能な生体接着性を持つゲル化剤はとしては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、カラヤゴム、トラガカントゴム、カラギーナン、マンナンガム及びキトサンがある。
【0029】
組成物が界面活性剤0.01〜2質量%を含む場合も有利である。界面活性剤は表面活性物質であり、有効成分の処置表面上における効果的な分散に寄与する。界面活性剤は、フォーム状処方を得るためには必須である。適用される表面活性物質としては、非イオン性、アニオン性又は両性の表面活性剤、例えば、アルキル置換ポリグルコース(n=1〜3)、そのアニオン型誘導体(例えば、ナトリウムココポリグルコース酒石酸塩)、乳酸の脂肪酸エステル、乳酸エステル及びポリソルベートを含む、各種の生理学的及び薬学上許容される界面活性剤又はその組み合せがある。
【0030】
本発明は、上述の組成物を収容するパッケージング、及び組成物の経口投与に適用される投与手段を提供する。パッケージングは、好ましくは、投与手段を備えている。組成物の形態(固体、液体、ゲル、エマルジョン)に応じて、例えば、アトマイザー、スプレー又はげるディスペンサーである。
【0031】
投与手段が、処置のため、ヒトの咽頭に組成物を案内するために適用される案内手段を含むものであることが有利である。ここでは、例えば、液体を咽頭における所望の部位に付着させることができるフレキシブルホースを使用できる。このようにして、組成物ができるだけ有効に使用される。
【0032】
さらに他の好適な具体例は、パッケージングが、組成物に加えて高圧ガスを収容する容器を含んでなるとの対策を提供する。これによって、使用の便利さが非常に増大される。
【0033】
高圧ガスが容器においてフレキシブル容器内に保持されている加圧容器を使用する。これは、いわゆる、2チャンバーシステムとして知られている。高圧ガスは外部へ出て行くことはなく、従って、高圧ガスの選択性が広がる。高圧ガスは、加圧下のガスを意味するものと理解される。高圧ガスとしては、好ましくは、薬学上許容されるガス又はガス混合物、例えば、圧縮空気、窒素又は二酸化炭素がある。
【0034】
さらに他の具体例によれば、パッケージングは、唇間の配置に適用されるバルブを備えている。これによって、エーロゾルビームにより、組成物と接触される咽頭の奥、例えば、口蓋垂に、組成物の一部が到達することが容易である。
【0035】
同じ効果は、パッケージングが、組成物を咽頭まで案内するための注ぎ口を備えている場合にも達成される。
【0036】
さらに、本発明は、本発明に従っていびき治療用の組成物を製造する方法であって、収斂特性を持つ少なくとも1の有効成分及び生理学的に許容される賦形剤を混合することを特徴とするいびき治療用の組成物の製法を提供する。さらに、上述したような他の可能な薬学上許容される添加剤を添加して、所望の組成物を得ることもできる。
【0037】
本発明は、さらに、いびき治療用の医薬品の製造におけるマルルビインの使用を提供する。マルルビインは、特に良好な抗いびき作用を有することが認められる。マルルビインは、マルルビインから直接得られる酸化生成物のマルルベノール及びマルルビノール、及び他の可能な合成及び天然の誘導体物質(例えば、エステル化生成物)を含むものと理解される。マルルビインは、ホワイトホアハウンド中に03〜10質量%で存在し、ここから、親水性エキス又はエーテル油として抽出される。ホワイトホアハウンドのエキス又は油は、通常、マルルベノール及びマルルビノールとの混合物としてマルルビインを含んでなる。マルルビインの正式名は、6-(2-フラン-3-イル-エチル)-6-ヒドロキシ-2a,5a,7-トリメチルデカヒドロナフト[1,8-bc]フラン-2-オンである。マルルビインの化学構造は下記のように表される。
【0038】
【化1】

【0039】
下記の実施例を参照して、本発明を詳述する。
表1に示す組成物A、B及びCは、口を介して咽頭に適用される際、良好な抗いびき作用を有することが認められる。いずれの処方も水を基準とするものであり、表示した質量%に水を加えて100%とするものである。組成物Aはスプレーにて又は滴として適用される液状組成物である。組成物Bはゲル状組成物である。組成物Cはフォーム状である。
【0040】
表1

ホワイトホアハウンド 5 5 5
ブラックホアハウンド 5 5 5
タイム油 − 0.1 0.1
ショウガ油 0.15 − 0.15
ユーカリ油 0.05 0.1 0.05
ペパーミント油 0.15 0.15 0.15
キシリトール 3.6 3.6 5
ベタイン 3 3 3
Oleth-20 0.8 0.6 1
ピリドキシンHCl 0.5 0.6 0.7
ジメチルスルホン 3.5 5 3.5
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
− 0.6 −
ナトリウムココポリグルコース酒石酸塩
− − 0.8
水 100%まで 100%まで 100%まで
【0041】
表1における物質の量は、質量%で示されている。精油、エキス又はチンキとして、ホワイトホアハウンド、ブラックホアハウンド、タイム、ショウガ、ユーカリ油及びペパーミントを添加できる。表1におけるタイム、ショウガ、ユーカリ油及びペパーミントの質量%はエーテル油に関するものである。ホワイトホアハウンド、ブラックホアハウンド、ショウガ及びタイムが、抗いびき作用のための最も重要な有効成分であると考えられる。ユーカリ油、ペパーミント油及びMSMは、作用的には、所望の作用に寄与する物質と考えられる。ユーカリ油、ペパーミント油、キシリトールも香料としての機能を有し、この内、キシリトールは、(限定された)微生物活性も有する。浸透調節剤としてベタインが添加される。Oleth-20は、精油用の可溶化剤としての機能も有する非イオン性界面活性剤である。ピリドキシンは、ビタミンV6としても知られており、粘膜の炎症の防止を助け、去痰(粘液溶解)特性を有する。有効量での粘液溶解化合物の添加は、抗いびき作用に寄与する。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、生体接着性を有するゲル化剤である。ナトリウムココポリグルコース酒石酸塩はフォーミング剤であり、フォーム状組成物Cにおいてのみ存在する。いずれの組成物においても、水を添加して100%としている。組成物は、好適な温度において、好適な技術を使用して、成分を混合することによって得られたものである。
【0042】
本発明による組成物の多数の好適な変更もなお可能であることが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
いびきを低減するための組成物であって、少なくとも有効量の、収斂特性を持つ少なくとも1の有効成分及び生理学的に許容される賦形剤を含んでなることを特徴とする、組成物。
【請求項2】
組成物が実質的に液状であることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
組成物がゲル状であることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
組成物がフォーム状であることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
収斂特性を持つ少なくとも1の有効成分がホワイトホアハウンドであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
収斂特性を持つ少なくとも1の有効成分がブラックホアハウンドであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
組成物が、有効量で、ホワイトホアハウンド及びブラックホアハウンドを含むものであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
ホワイトホアハウンドの質量%:ブラックホアハウンドの質量%の比が、1:10〜10:1の範囲であることを特徴とする、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
ホワイトホアハウンドの質量%:ブラックホアハウンドの質量%の比が、1:2〜2:1の範囲であることを特徴とする、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
ホワイトホアハウンドの質量%が、ブラックホアハウンドの質量%と実質的に同じであることを特徴とする、請求項7、8又は9記載の組成物。
【請求項11】
組成物が、さらに、少なくとも1の香料を含むものであることを特徴とする、請求項7〜10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
香料が、ペパーミント油、アニス油及びユーカリ油からなる群から選ばれるものであることを特徴とする、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
組成物が、さらに、ショウガを含むものであることを特徴とする、請求項5〜12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
組成物が、さらに、タイムを含むものであることを特徴とする、請求項5〜13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
有効成分が、組成物の0.1〜10質量%を構成することを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
組成物が、さらに、有効量の浸透調節剤を含むものであることを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
浸透調節剤が、実質的にベタインを含んでなるものであることを特徴とする、請求項16記載の組成物。
【請求項18】
組成物が、透過性エンハンサー1〜20質量%を含むものであることを特徴とする、請求項1〜17のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
組成物が、キシリトール0.5〜5質量%を含むものであることを特徴とする、請求項1〜18のいずれかに記載の組成物。
【請求項20】
組成物が、生体接着性ゲル化剤0.01〜5質量%を含むものであることを特徴とする、請求項1〜19のいずれかに記載の組成物。
【請求項21】
組成物が、界面活性剤0.01〜2質量%を含むものであることを特徴とする、請求項1〜20のいずれかに記載の組成物。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれかに記載の組成物を収容するパッケージングであって、前記パッケージングが、組成物の経口投与のために適用される投与手段を備えていることを特徴とする、パッケージング。
【請求項23】
投与手段が、処置のため、ヒトの咽頭に前記組成物を案内するように適用される案内手段を含むものであることを特徴とする、請求項22記載のパッケージング。
【請求項24】
パッケージが、組成物に加えて、高圧ガスを収容する容器を含むものであることを特徴とする、請求項22又は23記載のパッケージング。
【請求項25】
高圧ガスが、容器において、フレキシブル容器内に保持されていることを特徴とする、請求項24記載のパッケージング。
【請求項26】
パッケージングが、唇間の配置に適用されるバルブを備えていることを特徴とする、請求項22〜25のいずれかに記載のパッケージング。
【請求項27】
パッケージングが、組成物を咽頭に案内するための注ぎ口を備えていることを特徴とする、請求項22〜26のいずれかに記載のパッケージング。
【請求項28】
請求項1〜21のいずれかに記載のいびき治療用の組成物を製造する方法であって、収斂特性を持つ少なくとも1の有効成分及び生理学的に許容される賦形剤を混合することを特徴とする、いびきの治療用組成物の製法。
【請求項29】
いびき治療用の医薬品の製造におけるマルルビインの使用。

【公表番号】特表2009−503062(P2009−503062A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524922(P2008−524922)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【国際出願番号】PCT/NL2006/050194
【国際公開番号】WO2007/018432
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(508036570)プラノクス メディカル ベスローテン フェンノートシャップ (1)
【Fターム(参考)】