ラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置
【課題】 ラインヘッドのレジストパターンの作成を簡単に行うことができる、ラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置の提供。
【解決手段】 ガラス基板62には、ドット光源として構成されている画像形成用の発光素子63が形成されており、前記発光素子63が主走査方向に複数配列されて、発光素子ラインが形成されている。72はTFT駆動回路で、前記発光素子63を駆動する。発光素子ラインの主走査方向一部には、ラインヘッドのレジストパターンを形成する機能を有する発光素子77を設けている。この発光素子77は、TFT駆動回路72により、画像形成とレジストパターンの形成を切り替えて制御される。
【解決手段】 ガラス基板62には、ドット光源として構成されている画像形成用の発光素子63が形成されており、前記発光素子63が主走査方向に複数配列されて、発光素子ラインが形成されている。72はTFT駆動回路で、前記発光素子63を駆動する。発光素子ラインの主走査方向一部には、ラインヘッドのレジストパターンを形成する機能を有する発光素子77を設けている。この発光素子77は、TFT駆動回路72により、画像形成とレジストパターンの形成を切り替えて制御される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジストパターンの作成が簡単でしかも色ずれを簡単に補正できる、ラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式のトナー像形成手段は、外周面に感光層を有する像担持体としての感光体と、この感光体の外周面を一様に帯電させる帯電手段と、この帯電手段により一様に帯電させられた外周面を選択的に露光して静電潜像を形成する露光手段と、この露光手段により形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像手段とを有している。
【0003】
カラー画像を形成するタンデム方式の画像形成装置としては、上記のようなトナー像形成手段を、中間転写ベルトに対して、複数個(例えば4個)配置する。これら単色トナー像形成手段による感光体上のトナー像を順次中間転写ベルトに転写して、中間転写ベルト上で複数色(例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(黒))のトナー像を重ね合わせ、中間転写ベルト上でカラー画像を得る中間転写ベルト形式のものがある。
【0004】
また、静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、ロータリ現像ユニットと、ラインヘッドとを備えたカラー画像形成装置が知られている。この画像形成装置においては、ロータリ現像ユニットは、複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持し、所定の回転方向に回転することにより異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送する。そして、前記像担持体と前記ロータリ現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリ現像ユニットから前記像担持体に移動させる。このような処理により、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成するものである。
【0005】
前記のようなタンデム方式、またはロータリ方式の画像形成装置においては、ラインヘッドに発光素子としてLEDや有機EL素子を用いたものが知られている。このような構成のラインヘッドは、各色の色重ねをする際に、色ずれのために所望の色再現ができず画像品質が劣化する場合がある。このような色ずれの発生を防止するために、中間転写媒体などに各色のレジストパターンを形成し、このレジストパターンを検出して基準に対する色ずれを判定し、画像形成位置の補正を行っている。
【0006】
このような、色ずれに起因する画像劣化を防止するために、種々の提案がなされている。例えば特許文献1においては、転写ベルト上に各色毎にレジスト検出用パターン画像を形成するためのパターン用画像信号発生手段をもつ,画像形成装置が記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開昭63−431724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献1に記載の技術においては、測定用パターンを作成して外部から画像形成装置に入力している。また、画像形成装置に設けた制御装置の内部に、前記測定用パターンを記憶データとして保持しておく必要がある。このため、測定用パターンを作成するための手間がかかる上に、画像形成装置における制御装置の構成が複雑になり、色ずれ補正が簡単にはできないという問題があった。
【0009】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、レジストパターンの作成と色ずれ補正を簡単に行うことができるラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明のラインヘッドは、基板に、画像印字用のドット光源からなる複数の発光素子を配列した発光素子ラインと、前記各発光素子を駆動する駆動回路とを有し、前記基板に、レジストパターンを形成する複数の発光素子を、前記画像印字用のドット光源と同じ形状のドット光源で設けたことを特徴とする。このように、本発明のラインヘッドは、基板にレジストパターンを形成する複数の発光素子を設けるという簡単な構成であり、外部で別途レジストパターンを作成する必要がないので、コストを低減しラインヘッドのレジスト補正を行うための処理も簡略化される。また、レジストパターンを形成する複数の発光素子は、画像印字用のドット光源と同じ形状のドット光源で形成しているので、画像印字用のドット光源と同じ工程で製造でき、製作が簡単でコストを低減することができる。
【0011】
また、本発明のラインヘッドは、前記レジストパターンを形成する複数の発光素子を、画像印字領域内に設けたことを特徴とする。このような構成とすることにより、ラインヘッドのレジストパターンを形成する複数の発光素子を設ける基板位置の制約を受けず、自由度を高めることができる。
【0012】
また、本発明のラインヘッドは、前記レジストパターンを形成する発光素子を、画像印字用の発光素子として兼用することを特徴とする。このように、ラインヘッドのレジストパターンを形成する発光素子を画像印字用の発光素子としても用いているので、発光素子の利用効率を向上させることができる。
【0013】
また、本発明のラインヘッドは、前記レジストパターンを形成する複数の発光素子は、前記基板の前記発光素子ラインとは副走査方向で異なる位置に設けたことを特徴とする。このような構成とすることにより、基板スペースの有効利用が図れる。
【0014】
また、本発明のラインヘッドは、前記レジストパターンを形成する複数の発光素子は、前記発光素子ラインと主走査方向で同一線上の画像印字領域外に設けたことを特徴とする。このような構成とすることにより、ラインヘッドのレジストパターンを形成する複数の発光素子を、ドット光源からなる複数の発光素子と同じ工程で基板に作成することができる。また、画像形成の妨げとなることなくラインヘッドのレジストパターンを形成することができる。
【0015】
また、本発明のラインヘッドは、前記レジストパターンを形成する複数の発光素子は、前記基板の一端に設けたことを特徴とする。このような構成とすることにより、基板の空きスペースの有効利用を図ることが出来る。
【0016】
また、本発明のラインヘッドは、前記基板は透明なガラス基板であることを特徴とする。このような構成とすることにより、画像形成用の発光素子とレジストパターン形成用の発光素子の光量を損なうことなく像担持体に照射することができる。
【0017】
また、本発明のラインヘッドは、前記画像印字用のドット光源からなる複数の発光素子、および前記レジストパターンを形成する複数の発光素子を有機EL素子で形成したことを特徴とする。有機EL素子は静的な制御が可能であるので、ラインヘッドのレジスト補正を行うための制御系を簡略化できる。
【0018】
また、本発明のラインヘッドは、前記駆動回路をTFT駆動回路で形成したことを特徴とする。このような構成とすることにより、ドット光源からなる複数の発光素子と同じ工程で駆動回路を基板に作成できるので、駆動回路作成のコストを低減することができる。
【0019】
また、本発明のラインヘッドは、前記画像印字用のドット光源からなる複数の発光素子と、前記レジストパターンを形成する発光素子とを前記駆動回路で共通して駆動することを特徴とする。このような構成とすることにより、単一の駆動回路でドット光源からなる複数の発光素子と、レジストパターンを形成する発光素子とを駆動するので、駆動回路の有効利用を図ることができる。また、ラインヘッドのスペースを節約して小型化することができる。
【0020】
また、本発明のラインヘッドは、前記駆動回路に、画像印字の発光素子の駆動と、レジストパターン形成の複数の発光素子の駆動とを切り替える切り替え手段を設けたことを特徴とする。このような構成とすることにより、画像印字、およびレジストパターン形成の誤操作を防止できる。
【0021】
また、本発明のラインヘッドは、前記レジストパターン形成の複数の発光素子は、前記駆動回路によりレジストパターン形成時に同じタイミングで駆動されることを特徴とする。このような構成とすることにより、レジストパターン形成の制御が簡単になる。
【0022】
また、本発明のラインヘッドは、前記レジストパターンの検出手段を設け、前記検出手段の検出結果に基づきラインヘッドの色ずれを算出する手段と、前記色ずれデータを記憶する手段と、前記色ずれを補正する制御手段を有することを特徴とする。このように、ラインヘッドの色ずれデータを記憶しているので、色ずれ補正データの作成が容易であり、ラインヘッドの色ずれに起因する画質劣化を防止することができる。
【0023】
本発明の画像形成装置は、像担持体の周囲に帯電手段、前記いずれかのラインヘッド、現像手段、転写手段の各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする。この構成によれば、タンデム方式の画像形成装置において、ラインヘッドのレジストパターンの作成と、レジストデータを用いたレジスト補正を簡単に行うことができる。
【0024】
また、本発明の画像形成装置は、静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、ロータリ現像ユニットと、前記いずれかのラインヘッドとを備え、前記ロータリ現像ユニットは、複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持するとともに、所定の回転方向に回転することによって異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送し、前記像担持体と前記ロータリ現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリ現像ユニットから前記像担持体に移動させることで、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成することを特徴とする。この構成によれば、ロータリ現像ユニットを備えた画像形成装置において、ラインヘッドのレジストパターンの作成と、レジストデータを用いたレジスト補正を簡単に行うことができる。
【0025】
また、本発明の画像形成装置は、中間転写部材を備えたことを特徴とする。このため、中間転写部材を備えた画像形成装置において、ラインヘッドのレジストパターンの作成と、レジストデータを用いたレジスト補正を簡単に行うことができる。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明によれば、ラインヘッドのレジストパターン形成用の発光素子を、ドット光源の複数の発光素子と同じ基板に、ドット光源と同じ形状で形成しているので、前記レジストパターン作成の構成を簡略化できる。また、かかるレジストデータを用いてレジスト補正を簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図11は、本発明のラインヘッドが用いられる画像形成装置の縦断側面図である。本実施例は、発光素子として有機EL素子を用いている。この画像形成装置は、同様な構成の4個の有機ELアレイ露光ヘッドを、対応する同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)の露光位置にそれぞれ配置したものであり、タンデム方式の画像形成装置として構成されている。
【0028】
図11に示された本実施例の画像形成装置1は、ハウジング本体2と、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された第1の開閉部材3と、ハウジング本体2の上面に開閉自在に装着された第2の開閉部材(排紙トレイを兼用している)4とを有している。さらに、第1の開閉部材3には、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された開閉蓋3’を備え、開閉蓋3’は第1の開閉部材3と連動して、または独立して開閉可能にされている。
【0029】
ハウジング本体2内には、電源回路基板及び制御回路基板を内蔵する電装品ボックス5、画像形成ユニット6、送風ファン7、転写ベルトユニット9、給紙ユニット10が配設され、第1の開閉部材3内には、二次転写ユニット11、定着ユニット12、記録媒体搬送手段13が配設されている。画像形成ユニット6及び給紙ユニット10内の消耗品は、本体に対して着脱可能な構成であり、その場合には、転写ベルトユニット9を含めて取り外して修理又は交換を行うことが可能な構成になっている。
【0030】
ハウジング本体2の前面下部の両側には、回動軸3bを介して第1の開閉部材3がハウジング本体2に開閉自在に装着されている。本実施例においては、装置の前面のみからのアクセスで各ユニットの着脱を可能としており、装置を室内にコンパクトに設置することができるようにしている。転写ベルトユニット9は、ハウジング本体2の下方に配設され図示しない駆動源により回転駆動される駆動ローラ14と、駆動ローラ14の斜め上方に配設される従動ローラ15と、この2本のローラ14、15間に張架されて図示矢印方向へ循環駆動される中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の表面に離当接されるクリーニング手段17とを備えている。上記駆動ローラ14及び従動ローラ15は、支持フレーム9aに回転自在に支持され、支持フレーム9aの下端には回動部9bが形成され、この回動部9bはハウジング本体2に設けられた回動軸(回動支点)2bに嵌合され、これにより、支持フレーム9aはハウジング本体2に対して回動自在に装着されている。
【0031】
また、支持フレーム9aの上端にはロックレバー9cが回動自在に設けられ、ロックレバー9cはハウジング本体2に設けられた係止軸2cに係止可能にされている。駆動ローラ14は、二次転写ユニット11を構成する二次転写ローラ19のバックアップローラを兼ねている。また、従動ローラ15をクリーニング手段17のバックアップローラとして兼用させている。なお、クリーニング手段17は、搬送方向下向きのベルト面16a側に設けられている。また、中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16a裏面には、後述する各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20に対向して板バネ電極からなる一次転写部材21がその弾性力で当接され、一次転写部材21には転写バイアスが印加されている。転写ベルトユニット9の支持フレーム9aには、駆動ローラ14に近接してテストパターンセンサ18が設置されている。このテストパターンセンサ18は、中間転写ベルト16上の各色トナー像の位置決めを行うとともに、各色トナー像の濃度を検出し、各色画像の画像濃度を補正するためのセンサである。なお、図示を省略しているが、中間転写ベルト16と対向する適宜の位置にレジストパターン検出用のセンサを設ける。
【0032】
画像形成ユニット6は、複数(本実施例では4つ)の異なる色の画像を形成する画像形成ステーションY(イエロー用)、M(マゼンタ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備え、各画像形成ステーションY、M、C、Kにはそれぞれ、感光ドラムからなる像担持体20と、像担持体20の周囲に配設された、帯電手段22、像書込手段(ラインヘッド)23及び現像手段24を有している。なお、帯電手段22、像書込手段23及び現像手段24は、画像形成ステーションYのみに図番を付けており、他の画像形成ステーションについては構成が同一のため、図番を省略する。また、各画像形成ステーションY、M、C、Kの配置順序は任意である。
【0033】
そして、各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20が中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接されるようにされ、その結果、各画像形成ステーションY、M、C、Kも駆動ローラ14に対して図で左側に傾斜する方向に配設されることになる。像担持体20は、図示矢印に示すように、中間転写ベルト16の搬送方向に回転駆動される。帯電手段22は、高電圧発生源に接続された導電性ブラシローラで構成され、ブラシ外周が感光体である像担持体20に対して逆方向で、かつ、2〜3倍の周速度で当接回転して像担持体20の表面を一様に帯電させる。
【0034】
像書込手段23は、後述するように、有機EL素子を像担持体20の軸方向に列状に配列した有機EL素子アレイを用いている。有機EL素子アレイを用いたラインヘッドは、レーザ走査光学系よりも光路長が短くてコンパクトであり、像担持体20に対して近接配置が可能であり、装置全体を小型化できるという利点を有する。本実施形態においては、各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20、帯電手段22及び像書込手段23を1つの像担持体ユニット25としてユニット化している。これらのユニットは、転写ベルトユニット9と共に支持フレーム9aに交換可能にしている。像担持体ユニット25の交換時には、ラインヘッドを含めて前記部材を交換する構成としている。
【0035】
次に、現像手段24の詳細について、画像形成ステーションKを代表して説明する。本実施例においては、各画像ステーションY、M、C、Kが斜め方向に配設され、かつ、像担持体20が中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接される関係上、トナー貯留容器26を斜め下方に傾斜して配置している。そのため、現像手段24として特別の構成を採用している。すなわち、現像手段24は、トナー(図のハッチング部)を貯留するトナー貯留容器26と、このトナー貯留容器26内に形成されたトナー貯留部27と、トナー貯留部27内に配設されたトナー撹拌部材29と、トナー貯留部27の上部に区画形成された仕切部材30を有している。
【0036】
また、仕切部材30の上方に配設されたトナー供給ローラ31と、仕切部材30に設けられトナー供給ローラ31に当接されるブレード32と、トナー供給ローラ31及び像担持体20に当接するように配設される現像ローラ33と、現像ローラ33に当接される規制ブレード34とが設けられている。像担持体20は中間転写ベルト16の搬送方向に回転され、現像ローラ33及び供給ローラ31は、図示矢印に示すように、像担持体20の回転方向とは逆方向に回転駆動され、一方、撹拌部材29は供給ローラ31の回転方向とは逆方向に回転駆動される。
【0037】
また、給紙ユニット10は、記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット35と、給紙カセット35から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ36とからなる給紙部を備えている。第1の開閉部材3内には、二次転写部への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するレジストローラ対37と、駆動ローラ14及び中間転写ベルト16に圧接される二次転写手段としての二次転写ユニット11と、定着ユニット12と、記録媒体搬送手段13と、排紙ローラ対39と、両面プリント用搬送路40を備えている。
【0038】
定着ユニット12は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ45と、この加熱ローラ45を押圧付勢する加圧ローラ46と、加圧ローラ46に揺動可能に配設されたベルト張架部材47と、加圧ローラ45とベルト張架部材47間に張架された耐熱ベルト49を有している。記録媒体に二次転写されたカラー画像は、加熱ローラ45と耐熱ベルト49で形成するニップ部で所定の温度で記録媒体に定着される。このように、図11に示した画像形成装置は、書き込み手段として有機EL素子を設けたラインヘッドを用いているので、レーザ走査光学系を用いた場合よりも、装置の小型化を図ることができる。
【0039】
図1は、本発明の実施形態を示す説明図である。図1において、ガラス基板62には、ドット光源として構成されている画像形成用の発光素子63が形成されている。画像形成用の発光素子63が主走査方向の同一線上に複数配列されて、発光素子ラインが形成されている。72はTFT駆動回路で、画像形成用の発光素子63を駆動する。ガラス基板62の長尺方向Xは主走査方向、短尺方向Yは副走査方向である。
【0040】
ガラス基板62の主走査方向の中央付近には、レジストパターン形成用として機能する発光素子77を設けている。レジストパターンを形成する発光素子77は、主走査方向の同一線上に、前記画像形成用のドット光源からなる発光素子63と同じ形状のドット光源で形成している。また、リード線77aにより駆動回路72に接続されており、レジストパターンを形成する複数の発光素子77は、同時に駆動される。
【0041】
図1で16は、レジストパターンが形成される中間転写媒体、Yaは記録媒体が搬送される方向である。レジストパターン形成用の発光素子77は、各色ともガラス基板62の同じ位置に形成されている。各色のレジストパターン81K、81C、81M、81Yは、中間転写媒体16の副走査方向の基準線W上の同じ位置に形成される。82は、レジストパターン検出用のセンサである。
【0042】
レジストパターンを形成する発光素子77は、画像形成用の発光素子63と走査方向の同一線上の一個所に設けられている。図1の例では、レジストパターンを形成する発光素子77は印字領域内に設けているが、レジストパターンは記録紙へは転写されないようにしている。このように、レジストパターンを形成するための発光素子77を印字領域内に設けることができるので、レジストパターンを形成するための発光素子の配置の自由度を高めることができる。
【0043】
図1の例は、図10で説明するように、画像印字の発光素子63の駆動と、レジストパターン形成の発光素子77の駆動とを切り替える切り替え手段を設けている。このような構成とすることにより、レジストパターン形成用の発光素子77を画像印字用の発光素子63としても兼用できるので、発光素子の有効利用が図れる。また、画像印字、およびレジストパターン形成の誤操作を防止できる。
【0044】
図1の例は、レジストパターンを形成する複数の発光素子77は、画像印字用のドット光源からなる発光素子63と同じ形状のドット光源で形成している。このため、レジストパターンを形成する発光素子として、画像印字用のドット光源からなる発光素子63と別形状のものを必要としない。すなわち、レジストパターンを形成する発光素子を画像印字用の発光素子と同じ工程で製造でき、製作が簡単でコストを低減することができる。また、レジストパターン形成用の複数のドット光源が同時に駆動されてレジストパターンが所定の長さで形成されるので、レジストパターンの検出が容易に行える。
【0045】
このように、本発明の実施形態においては、画像印字用の発光素子が形成されている基板に、レジストパターンを形成するための発光素子を設けるものである。このため、レジストパターン形成用の信号を外部から入力する必要がない。また、制御装置の内部に前記レジストパターンを記憶データとして保持しておく必要もないので、制御装置の構成が簡略化される。
【0046】
本発明において、画像形成用の発光素子とレジストパターン形成用の発光素子は、有機EL素子を用いることができる。また、前記有機EL素子以外に、例えばLED(Light Emitting Diod)を用いることもできる。有機EL素子は静的な制御が可能であるので、ラインヘッドのレジスト補正を行うための制御系を簡略化できる。また、発光素子をLEDで構成した場合には、ラインヘッドのレジスト補正を行う構成において、発光素子の製造が簡単になる。
【0047】
画像形成用の発光素子とレジストパターン形成用の発光素子を有機EL素子で、前記各発光素子の制御トランジスタと、ドライブトランジスタをTFT(Thin Film Transistor)により同一基板上に形成する場合がある。この場合には、これらのトランジスタと発光素子とを同じ製造工程で作製できるので、製造コストを低減することができる。また、スペースも節約できる。なお、図1においては、基板62として光透過性のガラス基板を用いる場合には、有機EL素子からなる画像形成用の発光素子、およびレジストパターン形成用の各発光素子の光量を損なうことなく像担持体に照射することができる。
【0048】
ラインヘッドの発光素子として有機EL素子を用いた場合には、発光素子自身の光量ムラもレンズアレイの透過光量ムラに比べて小さく、レンズアレイの中心線と発光素子列を高精度に位置決めできれば、光量補正がなくとも光量を均一にすることができ、スポット径も均一となる。このため、高画質なラインヘッドを構成することができる。
【0049】
図2は、レジストパターンの検出により、本発明の色ずれを判定する原理を説明するタイミングチャートである。横軸は時間tを示している。図2の(b)は、各色のレジストパターンを正常な状態で検出している。すなわち、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色のレジストパターンは、それぞれ規定のタイミングta、tb、tc、tdで検出されている。
【0050】
図2(b)は、M(マゼンタ)、C(シアン)でレジストパターンが規定のタイミングとはずれたタイミングで検出された例であり、色ずれが生じている。すなわち、M(マゼンタ)の場合には、正規のタイミングtbよりも遅いタイミングtxでレジストパターンを検出している。また、C(シアン)の場合には、正規のタイミングtcよりも早いタイミングtyでレジストパターンを検出している。
【0051】
図3は、図2のように色ずれを検出した際のレジスト補正を行う例を示すタイミングチャートである。この例では、(b)が正常状態の書き込みタイミングを示しており、Y(イエロー)は時刻trでオン、tpでオフとなっている。また、M(マゼンタ)は、時刻tsでオン、tvでオフとなっている。
【0052】
図3(a)は、図2(a)で説明したようにM(マゼンタ)で色ずれが発生した場合の書き込みタイミングを示しており、Y(イエロー)は(b)と同様に時刻trでオン、tpでオフとなっている。また、M(マゼンタ)は、正規のオンタイムtsよりもΔt早い時刻twでオン、tuでオフとなっている。図2(a)のC(シアン)の場合には、正規のタイミングよりも早いタイミングでレジストパターンを検出しているので、図3でレジスト補正を行う場合には、書き込みタイミングを正規の色のタイミングよりも遅らせる。
【0053】
このように、レジストパターンをセンサで検出した結果、色ずれが発生していると判定された色のラインヘッドに対しては、書き込みタイミングを正規の色(基準の色)よりも早めるか、または遅くすることにより、色ずれの補正を行うことができる。このように、本発明の実施形態においては、簡単な構成で色ずれの補正(レジスト補正)を行うことができる。
【0054】
図4は、本発明の他の実施形態にかかる説明図である。図4において、レジストパターンを形成する発光素子76は、図1と同様に主走査方向の同一線上に、前記画像印字用のドット光源からなる発光素子63と同じ形状のドット光源で形成している。また、リード線76aにより駆動回路72に接続されており、複数のレジストパターンを形成する発光素子76は、同時に駆動される。図4の例も、図1の例と同様に画像印字の発光素子の駆動と、レジストパターン形成の発光素子の駆動とを切り替える切り替え手段を設けている。
【0055】
レジストパターンを形成する発光素子77は、画像形成用の発光素子ラインの一方端部に設けられている。この例でも、図1で説明したように、レジストパターンを形成する発光素子77は、印字領域内に設けている。本発明の実施形態においては、画像形成用の発光素子はレジストパターンを形成する発光素子としても兼用するものであり、画像形成用の発光素子ラインのどの部分をレジストパターンを形成する発光素子として利用するかは、任意に定めることができる。レジストパターンを形成する発光素子と対応した位置に、レジストパターン検出用のセンサを設ける。
【0056】
図5は、本発明の他の実施形態にかかる説明図である。図5において、
ガラス基板62には、ドット光源として構成されている画像印字用の発光素子63からなる発光素子ラインを形成する。この発光素子ラインの
主走査方向の同一線上に隣接して、レジストパターン形成の複数の発光素子74を設けている。図5の例では、図1の場合と異なりレジストパターン形成用の発光素子74は、画像形成用の発光素子としては兼用しない。
【0057】
72はTFT駆動回路で、画像印字用の発光素子63とレジストパターン形成の複数の発光素子74を駆動する。レジストパターン形成の複数の発光素子74は、リード線74aによりTFT駆動回路72に接続されている。図1の例では、レジストパターンを形成する複数の発光素子74は、TFT駆動回路72により同じタイミングで駆動される。このため、レジストパターン形成の制御が簡単になる。
【0058】
この例においても、レジストパターンを形成する複数の発光素子74は、画像印字用のドット光源からなる発光素子63と同じ形状のドット光源で形成しているので、レジストパターンを形成する発光素子として、画像印字用のドット光源からなる発光素子63と別形状のものを必要としない。このため、コストを低減できる。
【0059】
図5の例では、ラインヘッドのレジストパターンを形成する複数の発光素子74は、発光素子ラインと主走査方向で同一線上に設けている。このため、発光素子ラインと同じ工程でレジストパターンを形成する発光素子74を形成することができるので、作業が簡略化される。また、発光素子74は、印字領域内に設けているが、レジストパターンは記録紙へは転写されないようにしている。
【0060】
図5の例では、駆動回路72は、発光素子ラインとレジストパターンを形成する複数の発光素子74を共通して駆動する。後述するように、駆動回路72はレジストパターン形成時と、画像形成時では、駆動する発光素子を切り替えて制御できるようにしている。このため、別個に駆動回路を設ける必要がないので、コストを低減することができる。なお、図5において、レジストパターンを形成する発光素子74を、画像印字用のドット光源からなる発光素子63とは異なる駆動回路で駆動する構成とすることもできる。
【0061】
発光素子74は、リード線74aにより駆動回路72に接続されている。このため、動作シーケンスを制御することにより、任意のタイミングで発光素子74を駆動し、レジストパターンを形成することができる。レジストパターンを形成するタイミングとしては、画像形成装置の起動時、温度上昇時、一定枚数印宇後、印字中、カートリッジ交換後、など適宜設定できる。
【0062】
図6は、本発明の他の実施形態にかかる説明図である。図6において、
図5と同じところには同一の符号を付している。この実施形態においては、レジストパターンを形成する発光素子74を、ガラス基板2の主走査方向の一端で印字領域外に配置している。こ場合には、画像印字の妨げとなることなく、レジストパターンを形成することができる。また、ガラス基板62の主走査方向両端のスペースを有効に利用できる。なお、印字領域外にレジストパターンを形成する発光素子74を設けているので、電極の配線処理が容易である。
【0063】
図7は、本発明の他の実施形態を示す説明図である。図7において、
図5と同じところには同一の符号を付している。この実施形態においては、レジストパターンを形成する発光素子74は、ガラス基板62の一端に発光素子ラインとは副走査方向で異なる位置に設けている。このため、ガラス基板62の副走査方向のスペースの有効利用が図れる。また、レジストパターンを形成する発光素子74は、ガラス基板62の両端の印字領域外に設けているので、レジストパターンを形成しても、画像印字の妨げになることはない。
【0064】
図8は、本発明の処理を行う制御部を示すブロック図である。本体コントローラ47は例えばコンピュータで構成され、画像データを形成する。また、画像形成装置に設けられている制御装置40には、各色の色ずれを検出する検出部(図2で説明した各色の色ずれのタイミング検出)42、色ずれ検出の情報が記憶されるメモリー43、CPUなどで構成される制御回路44、駆動回路45が設けられている。また、TFTからなる駆動回路72が設けられている。制御回路44、駆動回路45、駆動回路72は、画像形成用の発光素子63により形成されている1ラインの発光素子ラインを制御する。なお、駆動回路45は、図9のシフトレジスタ98が対応している。
【0065】
制御回路44は、メモリ43に記憶されている前記色ずれ情報に基づいて、図3で説明したように色ずれ補正の制御信号を形成する。制御回路44は、各色について、色ずれを補正する制御信号を形成して駆動回路45に供給する。駆動回路45は、ラインヘッドに配列されている各発光素子を、色ずれが補正されるように駆動する。
【0066】
図8では、色ずれの検出部42、メモリ43、駆動回路45の処理、制御について、CPUなどを用いた制御回路44で行っているが、本発明はこのような形態には限定されない。他の実施形態においては、本体コントローラ47により直接色ずれの検出部42、メモリ43、駆動回路45の処理、制御を行うことも可能である。この場合には、画像形成装置の制御系の構成が簡略化される。
【0067】
図9は、本発明の制御部の構成を示す回路図であり、図5〜図7の構成と対応している。図9において、92は例えば本体側のコントローラに接続されて制御データの送受信が行われる周辺回路、94はスキャンライン、95はデータライン、96はサプライライン(アノード側電源線)、97はカソード側電源線で、画像形成用のドット光源からなる発光素子63と、レジストパターン形成用の発光素子75のカソードに共通に接続される。98は制御データを転送するシフトレジスタである。なお、図9の例では、図5〜図7の構成でガラス基板の一端に形成したレジストパターン形成用の発光素子の位置をガラス基板の他端に形成する構成としている。
【0068】
前記各ドット光源からなる発光素子63は、個別に接続されたTFT回路72で制御される。また、ラインヘッドのレジストパターンを形成する発光素子75は、リード線75aで接続されており、図示左端のTFT回路72aで制御される。ラインヘッドのレジストパターンを形成する発光素子75の駆動は、前記した所定のタイミング(画像形成装置の起動時、温度上昇時、一定枚数印宇後、印字中、カートリッジ交換後、など)で行う。この際には、周辺回路92から画像印字とは異なる制御データをシフトレジスタ98に出力する。
【0069】
図9の例では、本体側のコントローラで形成された制御データが周辺回路92に入力され、周辺回路92からシフトレジスタ98に出力される。シフトレジスタ98は、制御データに基づきスキャンライン94を選択する。スキャンライン94は、前記各TFT回路72に接続されており、シフトレジスタ98で選択されたスキャンライン94は、接続されているドット光源駆動用の各TFT回路72、またはレジストパターンを形成する発光素子75駆動用のTFT回路72aに制御信号を印加する。
【0070】
また、周辺回路92はデータライン95とサプライライン96に接続されており、スキャンライン94から制御信号が印加されたTFT回路72が起動し、対応するドット光源からなる発光素子63が点灯する。この際に、TFT回路72aが起動すると、ラインヘッドのレジストパターンを形成する発光素子75が点灯する。
【0071】
図10は、本発明の他の実施形態を示す回路図であり、図1、図4に対応している。図9と異なるところを説明する。図10の例では、サプライライン96に、ドット光源駆動用のスイッチSaを設ける。また、レジストパターンを形成する発光素子77は、スイッチSb、リード線77a、サプライライン96を介して一方電源に接続される。
【0072】
スイッチSaをオン、スイッチSbをオフにして印字画像を形成する。また、スイッチSbをオン、スイッチSaをオフにしてレジストパターンを形成する。このような切り替え手段であるスイッチSa、スイッチSbを設けているので、発光素子を印字画像形成と、レジストパターンの形成に兼用できる。また、画像印字とレジストパターンの形成を誤ることなく操作できる。なお、スイッチSa、スイッチSbは、TFTのような電子的スイッチで形成することができる。
【0073】
本発明のラインヘッドは、図8に記載されているように、ガラス基板上に形成された発光素子および当該発光素子をアクティブマトリクス方式で駆動するTFT駆動回路を有している。前記発光素子は、パルス幅制御(PWM制御)により階調制御を行うことを基本的な構成としている。このような構成のラインヘッドが、前記のように色ずれが発生した場合に、その補正を書き込みタイミング制御により行う。
【0074】
本発明においては、モノクロプリンタの他に、前記タンデム方式のカラープリンタ、4サイクルカラープリンタにも当該ラインヘッドは当然適用されるものである。次に、本発明に係る画像形成装置として、4サイクルカラープリンタを用いる実施の形態について説明する。
【0075】
図12は、かかる画像形成装置の縦断側面図である。図12において、画像形成装置160には主要構成部材として、ロータリ構成の現像装置161、像担持体として機能する感光体ドラム165、有機EL素子が設けられているラインヘッド167、中間転写ベルト169、用紙搬送路174、定着器の加熱ローラ172、給紙トレイ178が設けられている。
【0076】
現像装置161は、現像ロータリ161aが軸161bを中心として矢視A方向に回転する。現像ロータリ161aの内部は4分割されており、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の像形成ユニットが設けられている。162a〜162dは、前記4色の各像形成ユニットに配置されており、矢視B方向に回転する現像ローラ、163a〜163dは、矢視C方向に回転するトナ−供給ローラである。また、164a〜164dはトナーを所定の厚さに規制する規制ブレードである。
【0077】
165は、前記のように像担持体として機能する感光体ドラム、166は一次転写部材、168は帯電器、167は像書込手段で有機EL素子を用いたラインヘッドで構成されている。感光体ドラム165は、図示を省略した駆動モータ、例えばステップモータにより現像ローラ162aとは逆方向の矢視D方向に駆動される。
【0078】
中間転写ベルト169は、従動ローラ170bと駆動ローラ170a間に張架されており、駆動ローラ170aが前記感光体ドラム165の駆動モータに連結されて、中間転写ベルトに動力を伝達している。当該駆動モータの駆動により、中間転写ベルト169の駆動ローラ170aは感光体ドラム165とは逆方向の矢視E方向に回動される。なお、前記したラインヘッドの傾き検出用パターンの検出手段を、中間転写ベルト169の表面上の任意の位置に設けることができる。
【0079】
用紙搬送路174には、複数の搬送ローラと排紙ローラ対176などが設けられており、用紙を搬送する。中間転写ベルト169に担持されている片面の画像(トナー像)が、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に転写される。二次転写ローラ171は、クラッチにより中間転写ベルト169に離当接され、クラッチオンで中間転写ベルト169に当接されて用紙に画像が転写される。
【0080】
上記のようにして画像が転写された用紙は、次に、定着器で定着処理がなされる。定着器には、加熱ローラ172、加圧ローラ173が設けられている。定着処理後の用紙は、排紙ローラ対176に引き込まれて矢視F方向に進行する。この状態から排紙ローラ対176が逆方向に回転すると、用紙は方向を反転して両面プリント用搬送路175を矢視G方向に進行する。177は電装品ボックス、178は用紙を収納する給紙トレイ、179は給紙トレイ178の出口に設けられているピックアップローラである。
【0081】
図の状態で、イエロー(Y)の静電潜像が感光体ドラム165に形成され、現像ローラ62aに高電圧が印加されることにより、感光体ドラム165にはイエローの画像が形成される。イエローの裏側および表側の画像がすべて中間転写ベルト169に担持されると、現像ロータリ161aが矢視A方向に90度回転する。
【0082】
中間転写ベルト169は1回転して感光体ドラム165の位置に戻る。次にシアン(C)の2面の画像が感光体ドラム165に形成され、この画像が中間転写ベルト169に担持されているイエローの画像に重ねて担持される。以下、同様にして現像ロータリ161の90度回転、中間転写ベルト169への画像担持後の1回転処理が繰り返される。
【0083】
4色のカラー画像担持には中間転写ベルト169は4回転して、その後に更に回転位置が制御されて二次転写ローラ171の位置で用紙に画像を転写する。給紙トレー178から給紙された用紙を搬送路174で搬送し、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に前記カラー画像を転写する。片面に画像が転写された用紙は前記のように排紙ローラ対176で反転されて、搬送径路で待機している。
【0084】
その後、用紙は適宜のタイミングで二次転写ローラ171の位置に搬送されて、他面に前記カラー画像が転写される。ハウジング180には、排気ファン181が設けられている。この例では、ロータリ式の画像形成装置において、ラインヘッドのレジストパターンの作成と、レジストデータを用いたレジスト補正を簡単に行うことができる。
【0085】
また、図11に示したタンデム式の画像形成装置において、ラインヘッドのレジストパターンの作成と、レジストデータを用いたレジスト補正を簡単に行うことができる。なお、図11、図12に示されたように、中間転写部材を有する画像形成装置において、ラインヘッドのレジストパターンの作成と、レジストデータを用いたレジスト補正を簡単に行うことができる。
【0086】
以上、本発明のラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置について実施例に基づいて説明したが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図2】色ずれ検出の例を示すタイミングチャートである。
【図3】色ずれ補正の例を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図6】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図8】本発明の実施形態を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施形態を示す回路図である。
【図10】本発明の実施形態を示す回路図である。
【図11】本発明の実施形態を示す画像形成装置の縦断側面図である。
【図12】本発明の他の実施形態を示す画像形成装置の縦断側面図である。
【符号の説明】
【0088】
1…画像形成装置、6…画像形成ユニット、9…転写ベルトユニット、10…給紙ユニット、11…二次転写ユニット、12…定着ユニット、13…記録媒体搬送手段、16…中間転写ベルト、17…クリーニング手段、20…像担持体、21…一次転写部材、22…帯電手段、23…像書込手段(ラインヘッド)、24…現像手段、25…像担持体ユニット(像担持体カートリッジ)、33…現像ローラ、40…制御装置、42…色ずれのタイキング検出部、43…メモリ、44…制御回路、45…駆動回路、47…本体コントローラ、60…ハウジング、61…有機EL素子アレイ、62…ガラス基板、63…発光素子、72…駆動回路、74、75、77…レジストパターン形成用の発光素子、161…現像装置、165…感光体ドラム、167…ラインヘッド、169…中間転写ベルト、171…二次転写ローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジストパターンの作成が簡単でしかも色ずれを簡単に補正できる、ラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式のトナー像形成手段は、外周面に感光層を有する像担持体としての感光体と、この感光体の外周面を一様に帯電させる帯電手段と、この帯電手段により一様に帯電させられた外周面を選択的に露光して静電潜像を形成する露光手段と、この露光手段により形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像手段とを有している。
【0003】
カラー画像を形成するタンデム方式の画像形成装置としては、上記のようなトナー像形成手段を、中間転写ベルトに対して、複数個(例えば4個)配置する。これら単色トナー像形成手段による感光体上のトナー像を順次中間転写ベルトに転写して、中間転写ベルト上で複数色(例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(黒))のトナー像を重ね合わせ、中間転写ベルト上でカラー画像を得る中間転写ベルト形式のものがある。
【0004】
また、静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、ロータリ現像ユニットと、ラインヘッドとを備えたカラー画像形成装置が知られている。この画像形成装置においては、ロータリ現像ユニットは、複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持し、所定の回転方向に回転することにより異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送する。そして、前記像担持体と前記ロータリ現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリ現像ユニットから前記像担持体に移動させる。このような処理により、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成するものである。
【0005】
前記のようなタンデム方式、またはロータリ方式の画像形成装置においては、ラインヘッドに発光素子としてLEDや有機EL素子を用いたものが知られている。このような構成のラインヘッドは、各色の色重ねをする際に、色ずれのために所望の色再現ができず画像品質が劣化する場合がある。このような色ずれの発生を防止するために、中間転写媒体などに各色のレジストパターンを形成し、このレジストパターンを検出して基準に対する色ずれを判定し、画像形成位置の補正を行っている。
【0006】
このような、色ずれに起因する画像劣化を防止するために、種々の提案がなされている。例えば特許文献1においては、転写ベルト上に各色毎にレジスト検出用パターン画像を形成するためのパターン用画像信号発生手段をもつ,画像形成装置が記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開昭63−431724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献1に記載の技術においては、測定用パターンを作成して外部から画像形成装置に入力している。また、画像形成装置に設けた制御装置の内部に、前記測定用パターンを記憶データとして保持しておく必要がある。このため、測定用パターンを作成するための手間がかかる上に、画像形成装置における制御装置の構成が複雑になり、色ずれ補正が簡単にはできないという問題があった。
【0009】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、レジストパターンの作成と色ずれ補正を簡単に行うことができるラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明のラインヘッドは、基板に、画像印字用のドット光源からなる複数の発光素子を配列した発光素子ラインと、前記各発光素子を駆動する駆動回路とを有し、前記基板に、レジストパターンを形成する複数の発光素子を、前記画像印字用のドット光源と同じ形状のドット光源で設けたことを特徴とする。このように、本発明のラインヘッドは、基板にレジストパターンを形成する複数の発光素子を設けるという簡単な構成であり、外部で別途レジストパターンを作成する必要がないので、コストを低減しラインヘッドのレジスト補正を行うための処理も簡略化される。また、レジストパターンを形成する複数の発光素子は、画像印字用のドット光源と同じ形状のドット光源で形成しているので、画像印字用のドット光源と同じ工程で製造でき、製作が簡単でコストを低減することができる。
【0011】
また、本発明のラインヘッドは、前記レジストパターンを形成する複数の発光素子を、画像印字領域内に設けたことを特徴とする。このような構成とすることにより、ラインヘッドのレジストパターンを形成する複数の発光素子を設ける基板位置の制約を受けず、自由度を高めることができる。
【0012】
また、本発明のラインヘッドは、前記レジストパターンを形成する発光素子を、画像印字用の発光素子として兼用することを特徴とする。このように、ラインヘッドのレジストパターンを形成する発光素子を画像印字用の発光素子としても用いているので、発光素子の利用効率を向上させることができる。
【0013】
また、本発明のラインヘッドは、前記レジストパターンを形成する複数の発光素子は、前記基板の前記発光素子ラインとは副走査方向で異なる位置に設けたことを特徴とする。このような構成とすることにより、基板スペースの有効利用が図れる。
【0014】
また、本発明のラインヘッドは、前記レジストパターンを形成する複数の発光素子は、前記発光素子ラインと主走査方向で同一線上の画像印字領域外に設けたことを特徴とする。このような構成とすることにより、ラインヘッドのレジストパターンを形成する複数の発光素子を、ドット光源からなる複数の発光素子と同じ工程で基板に作成することができる。また、画像形成の妨げとなることなくラインヘッドのレジストパターンを形成することができる。
【0015】
また、本発明のラインヘッドは、前記レジストパターンを形成する複数の発光素子は、前記基板の一端に設けたことを特徴とする。このような構成とすることにより、基板の空きスペースの有効利用を図ることが出来る。
【0016】
また、本発明のラインヘッドは、前記基板は透明なガラス基板であることを特徴とする。このような構成とすることにより、画像形成用の発光素子とレジストパターン形成用の発光素子の光量を損なうことなく像担持体に照射することができる。
【0017】
また、本発明のラインヘッドは、前記画像印字用のドット光源からなる複数の発光素子、および前記レジストパターンを形成する複数の発光素子を有機EL素子で形成したことを特徴とする。有機EL素子は静的な制御が可能であるので、ラインヘッドのレジスト補正を行うための制御系を簡略化できる。
【0018】
また、本発明のラインヘッドは、前記駆動回路をTFT駆動回路で形成したことを特徴とする。このような構成とすることにより、ドット光源からなる複数の発光素子と同じ工程で駆動回路を基板に作成できるので、駆動回路作成のコストを低減することができる。
【0019】
また、本発明のラインヘッドは、前記画像印字用のドット光源からなる複数の発光素子と、前記レジストパターンを形成する発光素子とを前記駆動回路で共通して駆動することを特徴とする。このような構成とすることにより、単一の駆動回路でドット光源からなる複数の発光素子と、レジストパターンを形成する発光素子とを駆動するので、駆動回路の有効利用を図ることができる。また、ラインヘッドのスペースを節約して小型化することができる。
【0020】
また、本発明のラインヘッドは、前記駆動回路に、画像印字の発光素子の駆動と、レジストパターン形成の複数の発光素子の駆動とを切り替える切り替え手段を設けたことを特徴とする。このような構成とすることにより、画像印字、およびレジストパターン形成の誤操作を防止できる。
【0021】
また、本発明のラインヘッドは、前記レジストパターン形成の複数の発光素子は、前記駆動回路によりレジストパターン形成時に同じタイミングで駆動されることを特徴とする。このような構成とすることにより、レジストパターン形成の制御が簡単になる。
【0022】
また、本発明のラインヘッドは、前記レジストパターンの検出手段を設け、前記検出手段の検出結果に基づきラインヘッドの色ずれを算出する手段と、前記色ずれデータを記憶する手段と、前記色ずれを補正する制御手段を有することを特徴とする。このように、ラインヘッドの色ずれデータを記憶しているので、色ずれ補正データの作成が容易であり、ラインヘッドの色ずれに起因する画質劣化を防止することができる。
【0023】
本発明の画像形成装置は、像担持体の周囲に帯電手段、前記いずれかのラインヘッド、現像手段、転写手段の各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする。この構成によれば、タンデム方式の画像形成装置において、ラインヘッドのレジストパターンの作成と、レジストデータを用いたレジスト補正を簡単に行うことができる。
【0024】
また、本発明の画像形成装置は、静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、ロータリ現像ユニットと、前記いずれかのラインヘッドとを備え、前記ロータリ現像ユニットは、複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持するとともに、所定の回転方向に回転することによって異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送し、前記像担持体と前記ロータリ現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリ現像ユニットから前記像担持体に移動させることで、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成することを特徴とする。この構成によれば、ロータリ現像ユニットを備えた画像形成装置において、ラインヘッドのレジストパターンの作成と、レジストデータを用いたレジスト補正を簡単に行うことができる。
【0025】
また、本発明の画像形成装置は、中間転写部材を備えたことを特徴とする。このため、中間転写部材を備えた画像形成装置において、ラインヘッドのレジストパターンの作成と、レジストデータを用いたレジスト補正を簡単に行うことができる。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明によれば、ラインヘッドのレジストパターン形成用の発光素子を、ドット光源の複数の発光素子と同じ基板に、ドット光源と同じ形状で形成しているので、前記レジストパターン作成の構成を簡略化できる。また、かかるレジストデータを用いてレジスト補正を簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図11は、本発明のラインヘッドが用いられる画像形成装置の縦断側面図である。本実施例は、発光素子として有機EL素子を用いている。この画像形成装置は、同様な構成の4個の有機ELアレイ露光ヘッドを、対応する同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)の露光位置にそれぞれ配置したものであり、タンデム方式の画像形成装置として構成されている。
【0028】
図11に示された本実施例の画像形成装置1は、ハウジング本体2と、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された第1の開閉部材3と、ハウジング本体2の上面に開閉自在に装着された第2の開閉部材(排紙トレイを兼用している)4とを有している。さらに、第1の開閉部材3には、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された開閉蓋3’を備え、開閉蓋3’は第1の開閉部材3と連動して、または独立して開閉可能にされている。
【0029】
ハウジング本体2内には、電源回路基板及び制御回路基板を内蔵する電装品ボックス5、画像形成ユニット6、送風ファン7、転写ベルトユニット9、給紙ユニット10が配設され、第1の開閉部材3内には、二次転写ユニット11、定着ユニット12、記録媒体搬送手段13が配設されている。画像形成ユニット6及び給紙ユニット10内の消耗品は、本体に対して着脱可能な構成であり、その場合には、転写ベルトユニット9を含めて取り外して修理又は交換を行うことが可能な構成になっている。
【0030】
ハウジング本体2の前面下部の両側には、回動軸3bを介して第1の開閉部材3がハウジング本体2に開閉自在に装着されている。本実施例においては、装置の前面のみからのアクセスで各ユニットの着脱を可能としており、装置を室内にコンパクトに設置することができるようにしている。転写ベルトユニット9は、ハウジング本体2の下方に配設され図示しない駆動源により回転駆動される駆動ローラ14と、駆動ローラ14の斜め上方に配設される従動ローラ15と、この2本のローラ14、15間に張架されて図示矢印方向へ循環駆動される中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の表面に離当接されるクリーニング手段17とを備えている。上記駆動ローラ14及び従動ローラ15は、支持フレーム9aに回転自在に支持され、支持フレーム9aの下端には回動部9bが形成され、この回動部9bはハウジング本体2に設けられた回動軸(回動支点)2bに嵌合され、これにより、支持フレーム9aはハウジング本体2に対して回動自在に装着されている。
【0031】
また、支持フレーム9aの上端にはロックレバー9cが回動自在に設けられ、ロックレバー9cはハウジング本体2に設けられた係止軸2cに係止可能にされている。駆動ローラ14は、二次転写ユニット11を構成する二次転写ローラ19のバックアップローラを兼ねている。また、従動ローラ15をクリーニング手段17のバックアップローラとして兼用させている。なお、クリーニング手段17は、搬送方向下向きのベルト面16a側に設けられている。また、中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16a裏面には、後述する各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20に対向して板バネ電極からなる一次転写部材21がその弾性力で当接され、一次転写部材21には転写バイアスが印加されている。転写ベルトユニット9の支持フレーム9aには、駆動ローラ14に近接してテストパターンセンサ18が設置されている。このテストパターンセンサ18は、中間転写ベルト16上の各色トナー像の位置決めを行うとともに、各色トナー像の濃度を検出し、各色画像の画像濃度を補正するためのセンサである。なお、図示を省略しているが、中間転写ベルト16と対向する適宜の位置にレジストパターン検出用のセンサを設ける。
【0032】
画像形成ユニット6は、複数(本実施例では4つ)の異なる色の画像を形成する画像形成ステーションY(イエロー用)、M(マゼンタ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備え、各画像形成ステーションY、M、C、Kにはそれぞれ、感光ドラムからなる像担持体20と、像担持体20の周囲に配設された、帯電手段22、像書込手段(ラインヘッド)23及び現像手段24を有している。なお、帯電手段22、像書込手段23及び現像手段24は、画像形成ステーションYのみに図番を付けており、他の画像形成ステーションについては構成が同一のため、図番を省略する。また、各画像形成ステーションY、M、C、Kの配置順序は任意である。
【0033】
そして、各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20が中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接されるようにされ、その結果、各画像形成ステーションY、M、C、Kも駆動ローラ14に対して図で左側に傾斜する方向に配設されることになる。像担持体20は、図示矢印に示すように、中間転写ベルト16の搬送方向に回転駆動される。帯電手段22は、高電圧発生源に接続された導電性ブラシローラで構成され、ブラシ外周が感光体である像担持体20に対して逆方向で、かつ、2〜3倍の周速度で当接回転して像担持体20の表面を一様に帯電させる。
【0034】
像書込手段23は、後述するように、有機EL素子を像担持体20の軸方向に列状に配列した有機EL素子アレイを用いている。有機EL素子アレイを用いたラインヘッドは、レーザ走査光学系よりも光路長が短くてコンパクトであり、像担持体20に対して近接配置が可能であり、装置全体を小型化できるという利点を有する。本実施形態においては、各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20、帯電手段22及び像書込手段23を1つの像担持体ユニット25としてユニット化している。これらのユニットは、転写ベルトユニット9と共に支持フレーム9aに交換可能にしている。像担持体ユニット25の交換時には、ラインヘッドを含めて前記部材を交換する構成としている。
【0035】
次に、現像手段24の詳細について、画像形成ステーションKを代表して説明する。本実施例においては、各画像ステーションY、M、C、Kが斜め方向に配設され、かつ、像担持体20が中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接される関係上、トナー貯留容器26を斜め下方に傾斜して配置している。そのため、現像手段24として特別の構成を採用している。すなわち、現像手段24は、トナー(図のハッチング部)を貯留するトナー貯留容器26と、このトナー貯留容器26内に形成されたトナー貯留部27と、トナー貯留部27内に配設されたトナー撹拌部材29と、トナー貯留部27の上部に区画形成された仕切部材30を有している。
【0036】
また、仕切部材30の上方に配設されたトナー供給ローラ31と、仕切部材30に設けられトナー供給ローラ31に当接されるブレード32と、トナー供給ローラ31及び像担持体20に当接するように配設される現像ローラ33と、現像ローラ33に当接される規制ブレード34とが設けられている。像担持体20は中間転写ベルト16の搬送方向に回転され、現像ローラ33及び供給ローラ31は、図示矢印に示すように、像担持体20の回転方向とは逆方向に回転駆動され、一方、撹拌部材29は供給ローラ31の回転方向とは逆方向に回転駆動される。
【0037】
また、給紙ユニット10は、記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット35と、給紙カセット35から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ36とからなる給紙部を備えている。第1の開閉部材3内には、二次転写部への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するレジストローラ対37と、駆動ローラ14及び中間転写ベルト16に圧接される二次転写手段としての二次転写ユニット11と、定着ユニット12と、記録媒体搬送手段13と、排紙ローラ対39と、両面プリント用搬送路40を備えている。
【0038】
定着ユニット12は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ45と、この加熱ローラ45を押圧付勢する加圧ローラ46と、加圧ローラ46に揺動可能に配設されたベルト張架部材47と、加圧ローラ45とベルト張架部材47間に張架された耐熱ベルト49を有している。記録媒体に二次転写されたカラー画像は、加熱ローラ45と耐熱ベルト49で形成するニップ部で所定の温度で記録媒体に定着される。このように、図11に示した画像形成装置は、書き込み手段として有機EL素子を設けたラインヘッドを用いているので、レーザ走査光学系を用いた場合よりも、装置の小型化を図ることができる。
【0039】
図1は、本発明の実施形態を示す説明図である。図1において、ガラス基板62には、ドット光源として構成されている画像形成用の発光素子63が形成されている。画像形成用の発光素子63が主走査方向の同一線上に複数配列されて、発光素子ラインが形成されている。72はTFT駆動回路で、画像形成用の発光素子63を駆動する。ガラス基板62の長尺方向Xは主走査方向、短尺方向Yは副走査方向である。
【0040】
ガラス基板62の主走査方向の中央付近には、レジストパターン形成用として機能する発光素子77を設けている。レジストパターンを形成する発光素子77は、主走査方向の同一線上に、前記画像形成用のドット光源からなる発光素子63と同じ形状のドット光源で形成している。また、リード線77aにより駆動回路72に接続されており、レジストパターンを形成する複数の発光素子77は、同時に駆動される。
【0041】
図1で16は、レジストパターンが形成される中間転写媒体、Yaは記録媒体が搬送される方向である。レジストパターン形成用の発光素子77は、各色ともガラス基板62の同じ位置に形成されている。各色のレジストパターン81K、81C、81M、81Yは、中間転写媒体16の副走査方向の基準線W上の同じ位置に形成される。82は、レジストパターン検出用のセンサである。
【0042】
レジストパターンを形成する発光素子77は、画像形成用の発光素子63と走査方向の同一線上の一個所に設けられている。図1の例では、レジストパターンを形成する発光素子77は印字領域内に設けているが、レジストパターンは記録紙へは転写されないようにしている。このように、レジストパターンを形成するための発光素子77を印字領域内に設けることができるので、レジストパターンを形成するための発光素子の配置の自由度を高めることができる。
【0043】
図1の例は、図10で説明するように、画像印字の発光素子63の駆動と、レジストパターン形成の発光素子77の駆動とを切り替える切り替え手段を設けている。このような構成とすることにより、レジストパターン形成用の発光素子77を画像印字用の発光素子63としても兼用できるので、発光素子の有効利用が図れる。また、画像印字、およびレジストパターン形成の誤操作を防止できる。
【0044】
図1の例は、レジストパターンを形成する複数の発光素子77は、画像印字用のドット光源からなる発光素子63と同じ形状のドット光源で形成している。このため、レジストパターンを形成する発光素子として、画像印字用のドット光源からなる発光素子63と別形状のものを必要としない。すなわち、レジストパターンを形成する発光素子を画像印字用の発光素子と同じ工程で製造でき、製作が簡単でコストを低減することができる。また、レジストパターン形成用の複数のドット光源が同時に駆動されてレジストパターンが所定の長さで形成されるので、レジストパターンの検出が容易に行える。
【0045】
このように、本発明の実施形態においては、画像印字用の発光素子が形成されている基板に、レジストパターンを形成するための発光素子を設けるものである。このため、レジストパターン形成用の信号を外部から入力する必要がない。また、制御装置の内部に前記レジストパターンを記憶データとして保持しておく必要もないので、制御装置の構成が簡略化される。
【0046】
本発明において、画像形成用の発光素子とレジストパターン形成用の発光素子は、有機EL素子を用いることができる。また、前記有機EL素子以外に、例えばLED(Light Emitting Diod)を用いることもできる。有機EL素子は静的な制御が可能であるので、ラインヘッドのレジスト補正を行うための制御系を簡略化できる。また、発光素子をLEDで構成した場合には、ラインヘッドのレジスト補正を行う構成において、発光素子の製造が簡単になる。
【0047】
画像形成用の発光素子とレジストパターン形成用の発光素子を有機EL素子で、前記各発光素子の制御トランジスタと、ドライブトランジスタをTFT(Thin Film Transistor)により同一基板上に形成する場合がある。この場合には、これらのトランジスタと発光素子とを同じ製造工程で作製できるので、製造コストを低減することができる。また、スペースも節約できる。なお、図1においては、基板62として光透過性のガラス基板を用いる場合には、有機EL素子からなる画像形成用の発光素子、およびレジストパターン形成用の各発光素子の光量を損なうことなく像担持体に照射することができる。
【0048】
ラインヘッドの発光素子として有機EL素子を用いた場合には、発光素子自身の光量ムラもレンズアレイの透過光量ムラに比べて小さく、レンズアレイの中心線と発光素子列を高精度に位置決めできれば、光量補正がなくとも光量を均一にすることができ、スポット径も均一となる。このため、高画質なラインヘッドを構成することができる。
【0049】
図2は、レジストパターンの検出により、本発明の色ずれを判定する原理を説明するタイミングチャートである。横軸は時間tを示している。図2の(b)は、各色のレジストパターンを正常な状態で検出している。すなわち、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色のレジストパターンは、それぞれ規定のタイミングta、tb、tc、tdで検出されている。
【0050】
図2(b)は、M(マゼンタ)、C(シアン)でレジストパターンが規定のタイミングとはずれたタイミングで検出された例であり、色ずれが生じている。すなわち、M(マゼンタ)の場合には、正規のタイミングtbよりも遅いタイミングtxでレジストパターンを検出している。また、C(シアン)の場合には、正規のタイミングtcよりも早いタイミングtyでレジストパターンを検出している。
【0051】
図3は、図2のように色ずれを検出した際のレジスト補正を行う例を示すタイミングチャートである。この例では、(b)が正常状態の書き込みタイミングを示しており、Y(イエロー)は時刻trでオン、tpでオフとなっている。また、M(マゼンタ)は、時刻tsでオン、tvでオフとなっている。
【0052】
図3(a)は、図2(a)で説明したようにM(マゼンタ)で色ずれが発生した場合の書き込みタイミングを示しており、Y(イエロー)は(b)と同様に時刻trでオン、tpでオフとなっている。また、M(マゼンタ)は、正規のオンタイムtsよりもΔt早い時刻twでオン、tuでオフとなっている。図2(a)のC(シアン)の場合には、正規のタイミングよりも早いタイミングでレジストパターンを検出しているので、図3でレジスト補正を行う場合には、書き込みタイミングを正規の色のタイミングよりも遅らせる。
【0053】
このように、レジストパターンをセンサで検出した結果、色ずれが発生していると判定された色のラインヘッドに対しては、書き込みタイミングを正規の色(基準の色)よりも早めるか、または遅くすることにより、色ずれの補正を行うことができる。このように、本発明の実施形態においては、簡単な構成で色ずれの補正(レジスト補正)を行うことができる。
【0054】
図4は、本発明の他の実施形態にかかる説明図である。図4において、レジストパターンを形成する発光素子76は、図1と同様に主走査方向の同一線上に、前記画像印字用のドット光源からなる発光素子63と同じ形状のドット光源で形成している。また、リード線76aにより駆動回路72に接続されており、複数のレジストパターンを形成する発光素子76は、同時に駆動される。図4の例も、図1の例と同様に画像印字の発光素子の駆動と、レジストパターン形成の発光素子の駆動とを切り替える切り替え手段を設けている。
【0055】
レジストパターンを形成する発光素子77は、画像形成用の発光素子ラインの一方端部に設けられている。この例でも、図1で説明したように、レジストパターンを形成する発光素子77は、印字領域内に設けている。本発明の実施形態においては、画像形成用の発光素子はレジストパターンを形成する発光素子としても兼用するものであり、画像形成用の発光素子ラインのどの部分をレジストパターンを形成する発光素子として利用するかは、任意に定めることができる。レジストパターンを形成する発光素子と対応した位置に、レジストパターン検出用のセンサを設ける。
【0056】
図5は、本発明の他の実施形態にかかる説明図である。図5において、
ガラス基板62には、ドット光源として構成されている画像印字用の発光素子63からなる発光素子ラインを形成する。この発光素子ラインの
主走査方向の同一線上に隣接して、レジストパターン形成の複数の発光素子74を設けている。図5の例では、図1の場合と異なりレジストパターン形成用の発光素子74は、画像形成用の発光素子としては兼用しない。
【0057】
72はTFT駆動回路で、画像印字用の発光素子63とレジストパターン形成の複数の発光素子74を駆動する。レジストパターン形成の複数の発光素子74は、リード線74aによりTFT駆動回路72に接続されている。図1の例では、レジストパターンを形成する複数の発光素子74は、TFT駆動回路72により同じタイミングで駆動される。このため、レジストパターン形成の制御が簡単になる。
【0058】
この例においても、レジストパターンを形成する複数の発光素子74は、画像印字用のドット光源からなる発光素子63と同じ形状のドット光源で形成しているので、レジストパターンを形成する発光素子として、画像印字用のドット光源からなる発光素子63と別形状のものを必要としない。このため、コストを低減できる。
【0059】
図5の例では、ラインヘッドのレジストパターンを形成する複数の発光素子74は、発光素子ラインと主走査方向で同一線上に設けている。このため、発光素子ラインと同じ工程でレジストパターンを形成する発光素子74を形成することができるので、作業が簡略化される。また、発光素子74は、印字領域内に設けているが、レジストパターンは記録紙へは転写されないようにしている。
【0060】
図5の例では、駆動回路72は、発光素子ラインとレジストパターンを形成する複数の発光素子74を共通して駆動する。後述するように、駆動回路72はレジストパターン形成時と、画像形成時では、駆動する発光素子を切り替えて制御できるようにしている。このため、別個に駆動回路を設ける必要がないので、コストを低減することができる。なお、図5において、レジストパターンを形成する発光素子74を、画像印字用のドット光源からなる発光素子63とは異なる駆動回路で駆動する構成とすることもできる。
【0061】
発光素子74は、リード線74aにより駆動回路72に接続されている。このため、動作シーケンスを制御することにより、任意のタイミングで発光素子74を駆動し、レジストパターンを形成することができる。レジストパターンを形成するタイミングとしては、画像形成装置の起動時、温度上昇時、一定枚数印宇後、印字中、カートリッジ交換後、など適宜設定できる。
【0062】
図6は、本発明の他の実施形態にかかる説明図である。図6において、
図5と同じところには同一の符号を付している。この実施形態においては、レジストパターンを形成する発光素子74を、ガラス基板2の主走査方向の一端で印字領域外に配置している。こ場合には、画像印字の妨げとなることなく、レジストパターンを形成することができる。また、ガラス基板62の主走査方向両端のスペースを有効に利用できる。なお、印字領域外にレジストパターンを形成する発光素子74を設けているので、電極の配線処理が容易である。
【0063】
図7は、本発明の他の実施形態を示す説明図である。図7において、
図5と同じところには同一の符号を付している。この実施形態においては、レジストパターンを形成する発光素子74は、ガラス基板62の一端に発光素子ラインとは副走査方向で異なる位置に設けている。このため、ガラス基板62の副走査方向のスペースの有効利用が図れる。また、レジストパターンを形成する発光素子74は、ガラス基板62の両端の印字領域外に設けているので、レジストパターンを形成しても、画像印字の妨げになることはない。
【0064】
図8は、本発明の処理を行う制御部を示すブロック図である。本体コントローラ47は例えばコンピュータで構成され、画像データを形成する。また、画像形成装置に設けられている制御装置40には、各色の色ずれを検出する検出部(図2で説明した各色の色ずれのタイミング検出)42、色ずれ検出の情報が記憶されるメモリー43、CPUなどで構成される制御回路44、駆動回路45が設けられている。また、TFTからなる駆動回路72が設けられている。制御回路44、駆動回路45、駆動回路72は、画像形成用の発光素子63により形成されている1ラインの発光素子ラインを制御する。なお、駆動回路45は、図9のシフトレジスタ98が対応している。
【0065】
制御回路44は、メモリ43に記憶されている前記色ずれ情報に基づいて、図3で説明したように色ずれ補正の制御信号を形成する。制御回路44は、各色について、色ずれを補正する制御信号を形成して駆動回路45に供給する。駆動回路45は、ラインヘッドに配列されている各発光素子を、色ずれが補正されるように駆動する。
【0066】
図8では、色ずれの検出部42、メモリ43、駆動回路45の処理、制御について、CPUなどを用いた制御回路44で行っているが、本発明はこのような形態には限定されない。他の実施形態においては、本体コントローラ47により直接色ずれの検出部42、メモリ43、駆動回路45の処理、制御を行うことも可能である。この場合には、画像形成装置の制御系の構成が簡略化される。
【0067】
図9は、本発明の制御部の構成を示す回路図であり、図5〜図7の構成と対応している。図9において、92は例えば本体側のコントローラに接続されて制御データの送受信が行われる周辺回路、94はスキャンライン、95はデータライン、96はサプライライン(アノード側電源線)、97はカソード側電源線で、画像形成用のドット光源からなる発光素子63と、レジストパターン形成用の発光素子75のカソードに共通に接続される。98は制御データを転送するシフトレジスタである。なお、図9の例では、図5〜図7の構成でガラス基板の一端に形成したレジストパターン形成用の発光素子の位置をガラス基板の他端に形成する構成としている。
【0068】
前記各ドット光源からなる発光素子63は、個別に接続されたTFT回路72で制御される。また、ラインヘッドのレジストパターンを形成する発光素子75は、リード線75aで接続されており、図示左端のTFT回路72aで制御される。ラインヘッドのレジストパターンを形成する発光素子75の駆動は、前記した所定のタイミング(画像形成装置の起動時、温度上昇時、一定枚数印宇後、印字中、カートリッジ交換後、など)で行う。この際には、周辺回路92から画像印字とは異なる制御データをシフトレジスタ98に出力する。
【0069】
図9の例では、本体側のコントローラで形成された制御データが周辺回路92に入力され、周辺回路92からシフトレジスタ98に出力される。シフトレジスタ98は、制御データに基づきスキャンライン94を選択する。スキャンライン94は、前記各TFT回路72に接続されており、シフトレジスタ98で選択されたスキャンライン94は、接続されているドット光源駆動用の各TFT回路72、またはレジストパターンを形成する発光素子75駆動用のTFT回路72aに制御信号を印加する。
【0070】
また、周辺回路92はデータライン95とサプライライン96に接続されており、スキャンライン94から制御信号が印加されたTFT回路72が起動し、対応するドット光源からなる発光素子63が点灯する。この際に、TFT回路72aが起動すると、ラインヘッドのレジストパターンを形成する発光素子75が点灯する。
【0071】
図10は、本発明の他の実施形態を示す回路図であり、図1、図4に対応している。図9と異なるところを説明する。図10の例では、サプライライン96に、ドット光源駆動用のスイッチSaを設ける。また、レジストパターンを形成する発光素子77は、スイッチSb、リード線77a、サプライライン96を介して一方電源に接続される。
【0072】
スイッチSaをオン、スイッチSbをオフにして印字画像を形成する。また、スイッチSbをオン、スイッチSaをオフにしてレジストパターンを形成する。このような切り替え手段であるスイッチSa、スイッチSbを設けているので、発光素子を印字画像形成と、レジストパターンの形成に兼用できる。また、画像印字とレジストパターンの形成を誤ることなく操作できる。なお、スイッチSa、スイッチSbは、TFTのような電子的スイッチで形成することができる。
【0073】
本発明のラインヘッドは、図8に記載されているように、ガラス基板上に形成された発光素子および当該発光素子をアクティブマトリクス方式で駆動するTFT駆動回路を有している。前記発光素子は、パルス幅制御(PWM制御)により階調制御を行うことを基本的な構成としている。このような構成のラインヘッドが、前記のように色ずれが発生した場合に、その補正を書き込みタイミング制御により行う。
【0074】
本発明においては、モノクロプリンタの他に、前記タンデム方式のカラープリンタ、4サイクルカラープリンタにも当該ラインヘッドは当然適用されるものである。次に、本発明に係る画像形成装置として、4サイクルカラープリンタを用いる実施の形態について説明する。
【0075】
図12は、かかる画像形成装置の縦断側面図である。図12において、画像形成装置160には主要構成部材として、ロータリ構成の現像装置161、像担持体として機能する感光体ドラム165、有機EL素子が設けられているラインヘッド167、中間転写ベルト169、用紙搬送路174、定着器の加熱ローラ172、給紙トレイ178が設けられている。
【0076】
現像装置161は、現像ロータリ161aが軸161bを中心として矢視A方向に回転する。現像ロータリ161aの内部は4分割されており、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の像形成ユニットが設けられている。162a〜162dは、前記4色の各像形成ユニットに配置されており、矢視B方向に回転する現像ローラ、163a〜163dは、矢視C方向に回転するトナ−供給ローラである。また、164a〜164dはトナーを所定の厚さに規制する規制ブレードである。
【0077】
165は、前記のように像担持体として機能する感光体ドラム、166は一次転写部材、168は帯電器、167は像書込手段で有機EL素子を用いたラインヘッドで構成されている。感光体ドラム165は、図示を省略した駆動モータ、例えばステップモータにより現像ローラ162aとは逆方向の矢視D方向に駆動される。
【0078】
中間転写ベルト169は、従動ローラ170bと駆動ローラ170a間に張架されており、駆動ローラ170aが前記感光体ドラム165の駆動モータに連結されて、中間転写ベルトに動力を伝達している。当該駆動モータの駆動により、中間転写ベルト169の駆動ローラ170aは感光体ドラム165とは逆方向の矢視E方向に回動される。なお、前記したラインヘッドの傾き検出用パターンの検出手段を、中間転写ベルト169の表面上の任意の位置に設けることができる。
【0079】
用紙搬送路174には、複数の搬送ローラと排紙ローラ対176などが設けられており、用紙を搬送する。中間転写ベルト169に担持されている片面の画像(トナー像)が、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に転写される。二次転写ローラ171は、クラッチにより中間転写ベルト169に離当接され、クラッチオンで中間転写ベルト169に当接されて用紙に画像が転写される。
【0080】
上記のようにして画像が転写された用紙は、次に、定着器で定着処理がなされる。定着器には、加熱ローラ172、加圧ローラ173が設けられている。定着処理後の用紙は、排紙ローラ対176に引き込まれて矢視F方向に進行する。この状態から排紙ローラ対176が逆方向に回転すると、用紙は方向を反転して両面プリント用搬送路175を矢視G方向に進行する。177は電装品ボックス、178は用紙を収納する給紙トレイ、179は給紙トレイ178の出口に設けられているピックアップローラである。
【0081】
図の状態で、イエロー(Y)の静電潜像が感光体ドラム165に形成され、現像ローラ62aに高電圧が印加されることにより、感光体ドラム165にはイエローの画像が形成される。イエローの裏側および表側の画像がすべて中間転写ベルト169に担持されると、現像ロータリ161aが矢視A方向に90度回転する。
【0082】
中間転写ベルト169は1回転して感光体ドラム165の位置に戻る。次にシアン(C)の2面の画像が感光体ドラム165に形成され、この画像が中間転写ベルト169に担持されているイエローの画像に重ねて担持される。以下、同様にして現像ロータリ161の90度回転、中間転写ベルト169への画像担持後の1回転処理が繰り返される。
【0083】
4色のカラー画像担持には中間転写ベルト169は4回転して、その後に更に回転位置が制御されて二次転写ローラ171の位置で用紙に画像を転写する。給紙トレー178から給紙された用紙を搬送路174で搬送し、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に前記カラー画像を転写する。片面に画像が転写された用紙は前記のように排紙ローラ対176で反転されて、搬送径路で待機している。
【0084】
その後、用紙は適宜のタイミングで二次転写ローラ171の位置に搬送されて、他面に前記カラー画像が転写される。ハウジング180には、排気ファン181が設けられている。この例では、ロータリ式の画像形成装置において、ラインヘッドのレジストパターンの作成と、レジストデータを用いたレジスト補正を簡単に行うことができる。
【0085】
また、図11に示したタンデム式の画像形成装置において、ラインヘッドのレジストパターンの作成と、レジストデータを用いたレジスト補正を簡単に行うことができる。なお、図11、図12に示されたように、中間転写部材を有する画像形成装置において、ラインヘッドのレジストパターンの作成と、レジストデータを用いたレジスト補正を簡単に行うことができる。
【0086】
以上、本発明のラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置について実施例に基づいて説明したが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図2】色ずれ検出の例を示すタイミングチャートである。
【図3】色ずれ補正の例を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図6】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図8】本発明の実施形態を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施形態を示す回路図である。
【図10】本発明の実施形態を示す回路図である。
【図11】本発明の実施形態を示す画像形成装置の縦断側面図である。
【図12】本発明の他の実施形態を示す画像形成装置の縦断側面図である。
【符号の説明】
【0088】
1…画像形成装置、6…画像形成ユニット、9…転写ベルトユニット、10…給紙ユニット、11…二次転写ユニット、12…定着ユニット、13…記録媒体搬送手段、16…中間転写ベルト、17…クリーニング手段、20…像担持体、21…一次転写部材、22…帯電手段、23…像書込手段(ラインヘッド)、24…現像手段、25…像担持体ユニット(像担持体カートリッジ)、33…現像ローラ、40…制御装置、42…色ずれのタイキング検出部、43…メモリ、44…制御回路、45…駆動回路、47…本体コントローラ、60…ハウジング、61…有機EL素子アレイ、62…ガラス基板、63…発光素子、72…駆動回路、74、75、77…レジストパターン形成用の発光素子、161…現像装置、165…感光体ドラム、167…ラインヘッド、169…中間転写ベルト、171…二次転写ローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に、画像印字用のドット光源からなる複数の発光素子を配列した発光素子ラインと、前記各発光素子を駆動する駆動回路とを有し、前記基板に、レジストパターンを形成する複数の発光素子を、前記画像印字用のドット光源と同じ形状のドット光源で設けたことを特徴とする、ラインヘッド。
【請求項2】
前記レジストパターンを形成する複数の発光素子を、画像印字領域内に設けたことを特徴とする、請求項1に記載のラインヘッド。
【請求項3】
前記レジストパターンを形成する発光素子を、画像印字用の発光素子として兼用することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のラインヘッド。
【請求項4】
前記レジストパターンを形成する複数の発光素子は、前記基板の前記発光素子ラインとは副走査方向で異なる位置に設けたことを特徴とする、請求項1に記載のラインヘッド。
【請求項5】
前記レジストパターンを形成する複数の発光素子は、前記発光素子ラインと主走査方向で同一線上の画像印字領域外に設けたことを特徴とする、請求項1に記載のラインヘッド。
【請求項6】
前記レジストパターンを形成する複数の発光素子は、前記基板の一端に設けたことを特徴とする、請求項1または請求項5に記載のラインヘッド。
【請求項7】
前記基板は透明なガラス基板であることを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項8】
前記画像印字用のドット光源からなる複数の発光素子、および前記レジストパターンを形成する複数の発光素子を有機EL素子で形成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項9】
前記駆動回路をTFT駆動回路で形成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項10】
前記画像印字用のドット光源からなる複数の発光素子と、前記レジストパターンを形成する発光素子とを前記駆動回路で共通して駆動することを特徴とする、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項11】
前記駆動回路に、画像印字の発光素子の駆動と、レジストパターン形成の複数の発光素子の駆動とを切り替える切り替え手段を設けたことを特徴とする、請求項10に記載のラインヘッド。
【請求項12】
前記レジストパターン形成の複数の発光素子は、前記駆動回路によりレジストパターン形成時に同じタイミングで駆動されることを特徴とする、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項13】
前記レジストパターンの検出手段を設け、前記検出手段の検出結果に基づきラインヘッドの色ずれを算出する手段と、前記色ずれデータを記憶する手段と、前記色ずれを補正する制御手段を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項14】
像担持体の周囲に帯電手段と、請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のラインヘッドと、現像手段と、転写手段との各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、ロータリ現像ユニットと、請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のラインヘッドとを備え、前記ロータリ現像ユニットは、複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持するとともに、所定の回転方向に回転することによって異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送し、前記像担持体と前記ロータリ現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリ現像ユニットから前記像担持体に移動させることで、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
中間転写部材を備えたことを特徴とする、請求項14または請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項1】
基板に、画像印字用のドット光源からなる複数の発光素子を配列した発光素子ラインと、前記各発光素子を駆動する駆動回路とを有し、前記基板に、レジストパターンを形成する複数の発光素子を、前記画像印字用のドット光源と同じ形状のドット光源で設けたことを特徴とする、ラインヘッド。
【請求項2】
前記レジストパターンを形成する複数の発光素子を、画像印字領域内に設けたことを特徴とする、請求項1に記載のラインヘッド。
【請求項3】
前記レジストパターンを形成する発光素子を、画像印字用の発光素子として兼用することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のラインヘッド。
【請求項4】
前記レジストパターンを形成する複数の発光素子は、前記基板の前記発光素子ラインとは副走査方向で異なる位置に設けたことを特徴とする、請求項1に記載のラインヘッド。
【請求項5】
前記レジストパターンを形成する複数の発光素子は、前記発光素子ラインと主走査方向で同一線上の画像印字領域外に設けたことを特徴とする、請求項1に記載のラインヘッド。
【請求項6】
前記レジストパターンを形成する複数の発光素子は、前記基板の一端に設けたことを特徴とする、請求項1または請求項5に記載のラインヘッド。
【請求項7】
前記基板は透明なガラス基板であることを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項8】
前記画像印字用のドット光源からなる複数の発光素子、および前記レジストパターンを形成する複数の発光素子を有機EL素子で形成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項9】
前記駆動回路をTFT駆動回路で形成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項10】
前記画像印字用のドット光源からなる複数の発光素子と、前記レジストパターンを形成する発光素子とを前記駆動回路で共通して駆動することを特徴とする、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項11】
前記駆動回路に、画像印字の発光素子の駆動と、レジストパターン形成の複数の発光素子の駆動とを切り替える切り替え手段を設けたことを特徴とする、請求項10に記載のラインヘッド。
【請求項12】
前記レジストパターン形成の複数の発光素子は、前記駆動回路によりレジストパターン形成時に同じタイミングで駆動されることを特徴とする、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項13】
前記レジストパターンの検出手段を設け、前記検出手段の検出結果に基づきラインヘッドの色ずれを算出する手段と、前記色ずれデータを記憶する手段と、前記色ずれを補正する制御手段を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項14】
像担持体の周囲に帯電手段と、請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のラインヘッドと、現像手段と、転写手段との各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、ロータリ現像ユニットと、請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のラインヘッドとを備え、前記ロータリ現像ユニットは、複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持するとともに、所定の回転方向に回転することによって異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送し、前記像担持体と前記ロータリ現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリ現像ユニットから前記像担持体に移動させることで、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
中間転写部材を備えたことを特徴とする、請求項14または請求項15に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−55117(P2007−55117A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−244188(P2005−244188)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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