説明

ランフラットタイヤ支持体及びその製造方法

【課題】ランフラット走行開始初期における弾性率並びに初期歪に対する応力が小さく、路面の段差において発生する衝撃を規定する段差衝撃試験をクリアすることができるランフラットタイヤ支持体並びにその製造方法を提供する。
【解決手段】外周部14、リムと接する内周面を有する内周部12、及び前記外周部と内周部とを接続するリブ部16とからなり、弾性体にて形成されており、弾性体はポリエーテルグリコールと芳香族ジイソシアネートとからなるイソシアネートプレポリマーと3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミンの少なくとも1種(ビス(メチルチオ)トルエンジアミン)を鎖延長剤として反応硬化させたポリウレタン弾性体であるランフラットタイヤ支持体10とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用タイヤのリムに装着され、空気タイヤの内部に配設されてタイヤがパンクした場合に必要なタイヤ外径を維持し、安全に走行可能とするランフラットタイヤ支持体並びにその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ランフラットタイヤは、タイヤがパンクした場合やその他の原因でタイヤの空気圧が大きく低下し或いはゼロとなった場合にも、最寄りのサービス施設まで到達するまでの間、車両の荷重と走行に耐え得る耐久性を備えたタイヤである。ランフラットタイヤとしては、タイヤのサイド部を補強したサイド補強タイプとタイヤ内部に支持体(中子)を収容した中子タイプとが実用化されている。
【0003】
中子タイプのランフラットタイヤ支持体として、ポリウレタン弾性体を構成材料とする支持体が公知である(例えば特許文献1、2)。
【0004】
特許文献1に開示されたランフラットタイヤ支持体は、特性の温度依存性が小さく、製造時間の短い支持体の提供を目的とし、主としてRIM成形により成形するポリウレタン弾性体からなるものであり、具体的にはポリイソシアネート成分としてMDIを使用し、最も好適な鎖延長剤としてジエチルトルエンジアミンを使用する。
【0005】
特許文献2に開示されたランフラットタイヤ支持体は、パンク状態でのタイヤ内面の損傷を低減すると共に乗り心地を改善することを目的とし、断面形状に特徴を有するものであり、実施例においてポリテトラメチレングリコールとトルエンジイソシアネートとからなるプレポリマーとメチレンビス−o−クロルアニリンとを反応させたポリウレタン弾性体からなる支持体が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特表2003−519699号公報
【特許文献2】特開平6−305310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1、2に記載されたランフラットタイヤ支持体を装着したランフラットタイヤは、実際にランフラット状態で走行すると、ランフラット走行中の弾性率並びに低歪の応力が大きいために衝撃吸収性能が充分ではなく、とりわけ路面の段差において発生する衝撃を規定する段差衝撃試験並びにランフラット走行における耐久性試験をクリアすることができないことが判明した。
【0008】
本発明は、係る事情に鑑みて、ランフラット走行中の弾性率並びに低歪の応力が従来よりも小さく、路面の段差において発生する衝撃を規定する段差衝撃試験をクリアすることができるランフラットタイヤ支持体並びにその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のランフラットタイヤ支持体は、外周部、リムと接する内周面を有する内周部、及び前記外周部と内周部とを接続するリブ部とからなり、弾性体にて形成されており、
前記弾性体はポリエーテルグリコールと芳香族ジイソシアネートとからなるイソシアネートプレポリマーと3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミンの少なくとも1種(ビス(メチルチオ)トルエンジアミン)を鎖延長剤として反応硬化させたポリウレタン弾性体であることを特徴とする。
【0010】
係る構成のランフラットタイヤ支持体は、必要な剛性、軽量性を有しつつ、ランフラット走行中の弾性率並びに低歪の応力が従来よりも小さく、路面の段差において発生する衝撃を規定する段差衝撃試験並びにランフラット走行における耐久性試験をクリアすることができるものである。
【0011】
ランフラットタイヤ支持体を構成するポリウレタン弾性体は、硬度がJIS D硬度(デュロメーターD硬度)にて25以上、60以下であることが好ましく、35以上、55以下であることがより好ましい。
【0012】
ポリウレタン弾性体の硬度がJIS D硬度にて25未満の場合には耐荷重性が充分ではなくなり、60を超えるとリムへの装着が困難となる。
【0013】
上述のランフラットタイヤ支持体においては、鎖延長剤としてさらにジエチルトルエンジアミンを鎖延長剤全量中30mol%以下となるように含有することが好ましい。
【0014】
係る構成のランフラットタイヤ支持体は、ランフラット走行中の弾性率並びに低歪の応力が従来よりも小さく、かつ剛性に優れたものである。
【0015】
また上述のランフラットタイヤ支持体においては、内周部にはリム周方向に補強コードを含む補強コード層が設けられていることが好ましい。
【0016】
係る構成のランフラットタイヤ支持体は、さらに該支持体を装着したランフラットタイヤの通常の走行において、遠心力により支持体の内径の拡径によるリム上の位置の移動が防止されたものである。
【0017】
別の本発明は、外周部及びリムと接する内周面を有し、リム周方向に補強コードを含む補強コード層を有する内周部及び前記外周部と前記内周部とを接続するリブ部とからなり、弾性体にて形成されたランフラットタイヤ支持体の製造方法であって、
前記内周面を形成する金型成形面の外周に補強コードを供給する補強コード層形成工程、及び金型の成形キャビティーにポリウレタン弾性体を形成する反応性組成物を供給して反応硬化させる硬化工程を有し、
前記反応性組成物は、ポリエーテルグリコールと芳香族ジイソシアネートとからなるイソシアネートプレポリマーと3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミンの少なくとも1種(ビス(メチルチオ)トルエンジアミン)を鎖延長剤として混合したものであることを特徴とする。
【0018】
係る構成の製造方法によれば、必要な剛性、軽量性を有しつつ、ランフラット走行中の弾性率並びに低歪の応力が従来よりも小さく、路面の段差において発生する衝撃を規定する段差衝撃試験並びにランフラット走行における耐久性試験をクリアすることができるランフラットタイヤ支持体を製造することができる。
【0019】
上述のランフラットタイヤ支持体の製造方法においては、鎖延長剤としてさらにジエチルトルエンジアミンを鎖延長剤全量中30mol%以下となるように含有することが好ましい。
【0020】
係る構成の製造方法によれば、ランフラット走行中の弾性率並びに低歪の応力が従来よりも小さく、かつ剛性に優れたランフラットタイヤ支持体を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明のランフラットタイヤ支持体を構成するポリウレタン弾性体は、ポリエーテルグリコールと芳香族ジイソシアネートとからなるイソシアネートプレポリマーと3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミンの少なくとも1種(ビス(メチルチオ)トルエンジアミン)を鎖延長剤として形成されたものである。
【0022】
芳香族ジイソシアネートとしては、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートやその異性体などのMDI、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート等のTDI、ナフタレンジイソシアネート(NDI)等が使用可能であるが、2,4−トルエンジイソシアネート、もしくは2、4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物の使用が好ましい。2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物としては、得られるポリウレタン弾性体の強度が優れていることから、2,4−TDI/2,6−TDI比(mol)が60以上であることが好ましく、80以上であることがより好ましい。
【0023】
ポリエーテルグリコールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が例示されるが、強度に優れたポリウレタン弾性体が形成されることから、ポリテトラメチレングリコールの使用が好ましい。
【0024】
イソシアネートプレポリマーは、ポリエーテルグリコールとジイソシアネート化合物とをNCO/OH当量比が1.6〜2.5にて反応させることにより製造する。
【0025】
鎖延長剤として3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミンと3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミンとを併用する場合には、その混合比は2,4体/2,6体の比にて、60/40〜95/5(mol比)であることが好ましい。この範囲の混合物として市販品を使用することも好ましく、エタキュア300(2,4体/2,6体比=80/20:アルベマール社)が好適な市販品として例示される。
【0026】
補強コード層を構成する補強コードとしては、公知の補強コードが限定なく使用できる。例えばナイロン66等のポリアミドコード、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルコード、アラミドコード、スチールコード、ガラス繊維、カーボン繊維等が例示される。補強コードはモノフィラメントであってもよい。これらの補強コードは、弾性体との接着性を向上させるための接着処理を行って使用することが好ましい。これらの中でも軽量でかつ少ない配設密度にて十分な補強効果が得られる点でアラミドコードの使用が特に好ましい。
【実施例1】
【0027】
図1は、本発明のランフラットタイヤ支持体を例示した斜視図であり、図2は図1のX−X断面図である。ランフラットタイヤ支持体10は、断面が四角形のリング状であり、ランフラット走行時にタイヤ内面と接する外周部14、リムに接する内周面13を有する内周部12、及び外周部14と内周部12とを接続する幅方向リブ部16と周方向リブ部20とから構成されており、内周部12の内周面近傍には、周方向に補強コード層22が設けられている。幅方向リブ部16と周方向リブ部20は、ランフラットタイヤ支持体の側部に設けられた凹部18により形成されている。凹部18の形状、個数は、支持体10が所定の機械的強度等の要請を満たす限り特に限定されるものではない。図1には側面視形状が扇型で幅方向断面形状が矩形の例を示したが、半球状であってもよい。凹部18の体積比率が大きいほど支持体10の軽量化が図れる。
【0028】
またランフラットタイヤ支持体10の内周面にはリムの外周面に形成された固定溝に嵌合してより効果的に走行中の支持体の移動を防止する凸条25が設けられている。凸条25の断面形状は特に限定されるものではないが、半円状などが好ましい。凸条25の高さは1〜4mmであることが好ましく、1〜3mmであることがより好ましい。凸条の高さが低すぎると支持体の移動防止効果が十分でない場合があり、高すぎるとリムへの支持体の装着が困難となる場合がある。凸条は複数本設けられていてもよい。
【0029】
図1、2に示した例では周方向リブ20は支持体10の側部に設けられているが、周方向リブ20の位置は限定されるものではなく、中央部であってもよい。周方向リブ20の位置が中央部の場合には、凹部18は、支持体10の両側面に形成される。
【0030】
補強コード層22は、補強コードと該補強コードの内周面側に補強繊維層を設けることにより構成することも好適な態様である。係る補強繊維層は、補強コードが直接リムに接することを防止するので、走行中に発生するリムとの摩擦による損傷から補強コードを保護する作用、並びに補助的ではあるが補強コード層の剛性を高める作用を有する。補強繊維層は、紡績糸ないしモノフィラメントを周方向に巻回して形成してもよく、織布やネットとしたものを巻回して形成してもよい。
【0031】
上述のランフラットタイヤ支持体は、幅がタイヤのビード幅の25%以上、50%以下であることが好ましい。
【0032】
ランフラットタイヤ支持体の幅がタイヤのビード幅の25%未満の場合には、支持体の軽量化効果は優れているが、ランフラット状態での走行の安定性が低下し、50%を超える場合にはランフラット状態での走行の安定性は向上するが軽量化効果が満足できるものではない。支持体の幅はビード幅に応じて設計するものである。
【実施例2】
【0033】
[ランフラットタイヤ支持体製造例]
(実施例1)
ポリテトラメチレングリコール(2官能、平均分子量1000)とTDI(2,4−TDI100%)とをNCO/OH比約2にて反応させて得られたイソシアネート基末端プレポリマーのアジプレンL−167(ユニロイヤル社:NCO基濃度=6.41重量%)5000重量部を予め減圧脱泡して温度80℃に調整する。このイソシアネート基末端プレポリマーに液温25℃の3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミンと3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミンの混合物であるエタキュア300(アルベマール社)732重量部を添加して撹拌して反応性組成物とした後に100℃に予熱した金型に注入した。その後100℃のオーブン中で1時間加熱硬化させた後に脱型し、100℃のオーブン中でさらに16時間ポストキュアを行ってランフラットタイヤ支持体を作製した。得られた図1に例示の形状を有するランフラットタイヤ支持体の評価結果は表1に示した。
【0034】
(実施例2)
ポリテトラメチレングリコール(2官能、平均分子量1000)とTDIとを反応させて得られたイソシアネート基末端プレポリマー(NCO/OH比は約2)のアジプレンL−167(ユニロイヤル社:NCO基濃度=6.41重量%)5000重量部を予め減圧脱泡して温度80℃に調整する。このイソシアネート基末端プレポリマーに液温25℃の3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミンと3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミンの混合物であるエタキュア300(アルベマール社)585重量部とジエチルトルエンジアミンであるエタキュア100(アルベマール社)123重量部の混合物(エタキュア300/エタキュア100=80/20(mol比))を添加して撹拌して反応性組成物とした後に100℃に予熱した金型に注入した。その後100℃のオーブン中で1時間加熱硬化させた後に脱型し、100℃のオーブン中でさらに16時間ポストキュアを行ってランフラットタイヤ支持体を作製した。得られたランフラットタイヤ支持体の評価結果は表1に示した。
【0035】
(比較例1)
鎖延長剤として4,4’−メチレンビス(o−クロルアニリン)(MOCA:イハラケミカル社)927重量部を使用した以外は実施例1と同様にしてランフラットタイヤ支持体を作製した。得られたランフラットタイヤ支持体の評価結果は表1に示した。
【0036】
(比較例2)
鎖延長剤として3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミンと3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミンの混合物であるエタキュア300(アルベマール社)439重量部とジエチルトルエンジアミンであるエタキュア100(アルベマール社)247重量部の混合物(エタキュア300/エタキュア100=60/40(mol比))を使用した以外は実施例1と同様にしてランフラットタイヤ支持体を作製しようとしたが、反応性組成物が金型全体に充填される前に硬化し、支持体の成形はできなかった。
【0037】
(比較例3)
RIM成形によりランフラットタイヤ支持体を作製した。ポリオール成分としてSBUポリオールM300(住化バイエルウレタン社)5000重量部、触媒DABCO33LV(エアプロダクト社)5重量部、ジブチルスズジラウレート5重量部を混合した組成物を使用し、液温を35℃に調整し、エアローディング(40%)を行った。イソシアネート成分としてスミジュールPF(住化バイエルウレタン社)を液温35℃に調整して使用し、RIM成形機を使用してポリオール成分とイソシアネート成分を5010/2550(重量比)となるように衝突混合させて反応性組成物とし、金型に注入してランフラットタイヤ支持体を作製した。得られたランフラットタイヤ支持体の評価結果は表1に示した。
【0038】
[評価方法]
(硬度)
JIS K 7312に準拠して測定した。測定はデュロメーターA硬度計とD硬度計を使用した。
【0039】
(弾性率、モジュラス)
JIS K 7312に準拠して測定した。試験片としてダンベル3号形を使用し、雰囲気温度23℃、クロスヘッド速度500mm/minにて測定した。
(段差衝撃試験)
リムにランフラットタイヤ支持体及びタイヤを装着してランフラットタイヤとし、空気圧240kPaを充填して実車に装着した。この車両を速度60km/hにて高さ80mmの段差に衝突させ、リムのビードシート部の最大変形量を測定した。この最大変形量が3mm未満の場合を○、3mm以上の場合を×と評価した。「リムのビードシート部の最大変形量」は、上記の段差衝突時に支持体を通じてリムが受ける変形量の最大値であり、リムの車軸取付け部であるリブ位置より距離の離れたIN側(車両内部側)の変形を測定して求めた値である。
【0040】
(接地圧の測定)
接地面となる場所にシート状の圧力センサーを接地し、ランフラットタイヤ支持体を所定のリムに装着して該圧力センサー上で所定の荷重をかけて接地圧を測定した。
【0041】
(耐久性試験)
リムにランフラットタイヤ支持体及びタイヤを装着してランフラットタイヤとし、実車の1輪として装着した。この車輪の空気圧をゼロとして車両を速度100km/hにて走行させて走行可能な時間を測定した。2時間以上走行可能な場合を○、走行時間が2時間未満の場合を×として評価した。
【0042】
【表1】

【0043】
上記の表1の結果より、本発明のランフラットタイヤ支持体は比較例と硬度がほぼ同じであるにもかかわらず10%伸長モジュラス、接地圧が小さく、段差衝撃試験をクリアし、耐久性試験もクリアするものであった。これに対して特許文献2に開示されたMOCAを使用したポリウレタン弾性体からなる支持体、並びに特許文献1に開示されたようなRIM成形したポリウレタン弾性体からなる支持体は、いずれも段差衝撃試験、耐久性試験をクリアできるものではなかった。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のランフラットタイヤ支持体を例示した斜視図
【図2】本発明のランフラットタイヤ支持体を例示した断面図
【符号の説明】
【0045】
10 ランフラットタイヤ支持体
12 内周部
13 内周面
14 外周部
16、20 リブ部
22 補強コード層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周部、リムと接する内周面を有する内周部、及び前記外周部と内周部とを接続するリブ部とからなり、弾性体にて形成されたランフラットタイヤ支持体であって、
前記弾性体はポリエーテルグリコールと芳香族ジイソシアネートとからなるイソシアネートプレポリマーと3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミンの少なくとも1種(ビス(メチルチオ)トルエンジアミン)を鎖延長剤として反応硬化させたポリウレタン弾性体であることを特徴とするランフラットタイヤ支持体。
【請求項2】
鎖延長剤としてさらにジエチルトルエンジアミンを鎖延長剤全量中30mol%以下となるように含有することを特徴とする請求項1に記載のランフラットタイヤ支持体。
【請求項3】
内周部にはリム周方向に補強コードを含む補強コード層が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のランフラットタイヤ支持体。
【請求項4】
外周部、リムと接する内周面を有し、リム周方向に補強コードを含む補強コード層を有する内周部、及び前記外周部と前記内周部とを接続するリブ部とからなり、弾性体にて形成されたランフラットタイヤ支持体の製造方法であって、
前記内周面を形成する金型成形面の外周に補強コードを供給する補強コード層形成工程、及び金型の成形キャビティーにポリウレタン弾性体を形成する反応性組成物を供給して反応硬化させる硬化工程を有し、
前記反応性組成物は、ポリエーテルグリコールと芳香族ジイソシアネートとからなるイソシアネートプレポリマーと3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミンの少なくとも1種(ビス(メチルチオ)トルエンジアミン)を鎖延長剤として混合したものであることを特徴とするランフラットタイヤ支持体の製造方法。
【請求項5】
鎖延長剤としてさらにジエチルトルエンジアミンを鎖延長剤全量中30mol%以下となるように含有することを特徴とする請求項4に記載のランフラットタイヤ支持体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−237903(P2007−237903A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−62682(P2006−62682)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【Fターム(参考)】