説明

リソグラフィ装置及び測定方法

【課題】レベルセンサのプロセス依存型オフセット誤差を正確に修正する費用有効性の高い方法を提供する。
【解決手段】基板W(たとえば基板を支持するための基板テーブルを備えたリソグラフィ装置内の基板)を露光する方法には、第1及び第2のセンサ10,11を使用して少なくとも1つの基板Wの一部の第1及び第2の高さ測定を実行するステップと、測値の差に基づいてオフセット誤差マップを作成し、且つ、記憶するステップと、第1のセンサ10を使用して高さ測定を実行することによって、前記基板W(又は前記部分と類似した処理が施された他の基板)の複数の部分のハイト・マップを作成して記憶し、且つ、オフセット誤差マップによってこのハイト・マップを修正するステップと、前記基板W(又は他の基板)を露光するステップが含まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リソグラフィ投影装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書に使用されている「パターニング構造」という用語は、入射する放射ビームの断面に、基板の目標部分に生成すべきパターンに対応するパターンを付与するべく使用することができる任意の構造即ち電界を意味するものとして広義に解釈されたい。このコンテキストにおいては、「光バルブ」という用語を使用することも可能である。パターニング構造上に「表示される」パターンは、たとえば基板又は基板の層(たとえばフィーチャの予備バイアス化、光学近似補正フィーチャ、位相及び/又は偏光変分技法、及び/又は多重露光技法が使用される)に最終的に転写されるパターンとは実質的に異なっていても良いことを理解されたい。通常、このようなパターンは、目標部分に生成されるデバイス、たとえば集積回路又は他のデバイス(以下を参照されたい)中の特定の機能層に対応している。パターニング構造は、反射型及び/又は透過型にすることができる。パターニング構造の実施例には、次のようなものがある。
【0003】
マスク:マスクの概念についてはリソグラフィにおいては良く知られており、バイナリ、交番移相及び減衰移相などのマスク・タイプ、並びに様々なハイブリッド・マスク・タイプが知られている。このようなマスクを放射ビーム中に配置することにより、マスクに衝突する放射をマスク上のパターンに従って選択的に透過させ(透過型マスクの場合)、或いは選択的に反射させる(反射型マスクの場合)ことができる。マスクの場合、支持構造は、通常、入射する放射ビーム中の所望の位置でマスクを確実に保持することができ、且つ、必要に応じてマスクをビームに対して確実に移動させることができるマスク・テーブルである。
【0004】
プログラム可能ミラー・アレイ:粘弾性制御層及び反射表面を有するマトリックス・アドレス指定可能表面は、このようなデバイスの実施例の1つである。このような装置の基礎をなしている基本原理は、(たとえば)反射表面のアドレス指定領域が入射光を回折光として反射し、一方、非アドレス指定領域が入射光を非回折光として反射することである。適切なフィルタを使用することにより、非回折光を反射ビームからフィルタ除去し、回折光のみを残すことができる。この方法によれば、マトリックス・アドレス指定可能表面のアドレス指定パターンに従ってビームがパターン化される。この方法に対応する方法で複数の回折格子光バルブ(GLV)のアレイを使用することも可能であり、GLVの各々は、入射光を回折光として反射する回折格子を形成するべく、互いに変形可能な(たとえば電位を印加することによって)複数の反射リボンを備えることができる。プログラム可能ミラー・アレイの他の代替実施例には、マトリックスに配列された極めて微小な(場合によっては微視的な)ミラーが使用されている。これらの微小ミラーの各々は、適切な局部電界を印加することによって、或いは圧電駆動手段を使用することによって、1つの軸の周りに個々に傾斜させることができる。たとえば、入射する放射ビームを反射する方向が、アドレス指定ミラーと非アドレス指定ミラーとでそれぞれ異なるように微小ミラーをマトリックス・アドレス指定することができる。この方法によれば、マトリックス・アドレス指定可能ミラーのアドレス指定パターンに従って反射ビームがパターン化される。必要なマトリックス・アドレス指定は、適切な電子手段を使用して実行することができる。上で説明したいずれの状況においても、パターニング構造は、1つ又は複数のプログラム可能ミラー・アレイを備えることができる。上で参照したミラー・アレイに関する詳細な情報については、たとえば、参照によりそれらの文書が本明細書に組み込まれている米国特許第5,296,891号及び第5,523,193号、並びにPCT特許出願WO98/38597号及びWO98/33096号を参照されたい。プログラム可能ミラー・アレイの場合、支持構造は、たとえば、必要に応じて固定又は移動させることができるフレーム又はテーブルとして具体化することができる。
【0005】
プログラム可能LCDパネル:参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,229,872号に、このような構造の実施例の1つが記載されている。この場合の支持構造も、プログラム可能ミラー・アレイの場合と同様、たとえば、必要に応じて固定又は移動させることができるフレーム又はテーブルとして具体化することができる。
【0006】
分かり易くするために、本明細書の以下の特定の部分、とりわけ実施例の部分にはマスク(即ち「レチクル」)及びマスク・テーブル(即ち「レチクル・テーブル」)が包含されているが、このような実施例の中で考察されている一般原理は、上で説明したパターニング構造のより広義のコンテキストの中で理解されたい。
【0007】
リソグラフィ装置を使用して、表面(たとえば基板の目標部分)に所望のパターンを適用することができる。リソグラフィ投影装置は、たとえば集積回路(IC)の製造に使用することができる。このような場合、パターニング構造を使用してICの個々の層に対応する回路パターンが生成され、生成されたパターンが、放射線感応材料(たとえばレジスト)の層で被覆された基板(たとえばシリコン又は他の半導体材料のウェハ)上の目標部分(たとえば1つ又は複数のダイ及び/又はその1つ又は複数の部分が含まれている)に画像化される。通常、1枚の基板には、投影システムを介して順次(たとえば一度づつ)照射される目標部分に隣接するマトリックス即ち回路網全体が含まれている。
【0008】
現在、マスク・テーブル上のマスクによるパターニングを使用した装置には2種類のマシンがある。第1の種類のリソグラフィ投影装置では、マスク・パターン全体を1回で目標部分に露光することによって目標部分の各々が照射される。このような装置は、一般にウェハ・ステッパと呼ばれている。一般にステップ・アンド・スキャン装置と呼ばれている代替装置では、マスク・パターンを投影ビームの下で所与の基準方向(「走査」方向)に連続的に走査し、且つ、基板テーブルをこの方向に平行又は非平行に同期走査することによって目標部分の各々が照射される。通常、投影システムは、倍率係数M(通常<1)を有しているため、基板テーブルを走査する速度Vは、マスク・テーブルを走査する速度を係数M倍した速度になる。走査型の装置の場合、投影ビームは、走査方向にスリット幅を有するスリットの形態にすることができる。上で説明したリソグラフィ・デバイスに関する詳細な情報については、たとえば、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,046,792号を参照されたい。
【0009】
リソグラフィ投影装置を使用した製造プロセスでは、パターン(たとえばマスクのパターン)が、少なくとも一部が放射線感応材料(たとえばレジスト)の層で被覆された基板上に画像化される。この画像化処理手順に先立って、プライミング、レジスト・コーティング及び/又はソフト・ベークなどの他の様々な処理手順が基板に加えられる。放射線への露光後、露光後ベーク(PEB)、現像、ハード・ベーク及び/又は画像化されたフィーチャの測定/検査などの他の処理手順が基板に加えられる。この一連の処理手順は、デバイス(たとえばIC)の個々の層をパターン化するための基本として使用することができる。たとえば、これらの転送処理手順によって、基板上のレジストの層をパターン化することができる。蒸着、エッチング、イオン注入(ドーピング)、メタライゼーション、酸化、化学機械研磨などの1つ又は複数のパターン処理がその後に続くことになるが、これらの処理はすべて、個々の層の生成、修正又は仕上げを意図したものであっても良い。複数の層を必要とする場合、新しい層の各々に対してこれらのすべての処理手順又はそれらの変形手順を繰り返すことができる。最終的には複数のデバイスのアレイが基板(ウェハ)上に出現する。これらのデバイスは、次に、ダイシング又はソーイングなどの技法を使用して互いに分離され、分離された個々のデバイスがキャリアに実装され、或いはピンに接続される。このようなプロセスに関する詳細な情報については、たとえば、著書「Microchip Fabrication:A Practical Guide to Semiconductor Processing」(Peter van Zant著、第3版、McGraw Hill Publishing Co.、1997年、ISBN 0−07−067250−4)を参照されたい。
【0010】
本明細書において参照されている基板は、たとえばトラック(通常、基板にレジストの層を塗布し、且つ、露光済みのレジストを現像するツール)若しくは度量衡学ツール又は検査ツール中で、露光前又は露光後に処理することができる。適用可能である場合、本明細書における開示は、このような基板処理ツール及び他の基板処理ツールに適用することができる。また、基板は、複数回にわたって処理することができるため(たとえば多層ICを生成するために)、本明細書において使用されている基板という用語は、処理済みの複数の層が既に含まれている基板を指している場合もある。
【0011】
「投影システム」という用語は、たとえば屈折光学系、反射光学系及びカタディオプトリック系を始めとする様々なタイプの投影システムが包含されているものとして広義に解釈されたい。使用する露光放射のタイプ、露光経路における1つ又は複数の液浸液又はガス充填領域の有無、露光経路のすべて又は一部に真空が使用されているかどうかなどの要因に基づいて特定の投影システムを選択することができる。分かり易くするために、以下、投影システムを「レンズ」と呼ぶ。また、放射システムは、放射の投影ビームを導き、整形し、縮小し、拡大し、パターン化し、且つ/又は制御するための任意の設計タイプに従って動作するコンポーネントを備えることも可能であり、以下、このようなコンポーネントについても、集合的又は個々に「レンズ」と呼ぶ。
【0012】
また、リソグラフィ装置は、複数の基板テーブル(及び/又は複数のマスク・テーブル)を有するタイプの装置であっても良い。このような「多重ステージ」デバイスの場合、追加テーブルを並列に使用することができ、或いは1つ又は複数の他のテーブルを露光のために使用している間、1つ又は複数のテーブルに対して予備ステップを実行することができる。たとえば、参照によりそれらの文書が本明細書に組み込まれている米国特許第5,969,441号及びPCT出願第WO98/40791号に、二重ステージ・リソグラフィ装置が記載されている。
【0013】
また、リソグラフィ装置は、基板が比較的屈折率の大きい液体(たとえば水)に浸され、それにより投影システムの最終エレメントと基板の間の空間が充填されるタイプの装置であっても良い。また、リソグラフィ装置内の他の空間、たとえばマスクと投影システムの第1のエレメントの間の空間に液浸液を適用することも可能である。投影システムの有効開口数を大きくするための液浸技法の使用は、当分野では良く知られている。
【0014】
本明細書に使用されている「放射」及び「ビーム」という用語には、紫外放射(たとえば波長が365nm、248nm、193nm、157nm又は126nmの放射)及びEUV(たとえば波長の範囲が5〜20nmの極紫外放射)並びに粒子線(イオン・ビーム又は電子ビームなど)を含むあらゆるタイプの電磁放射が包含されている。
【0015】
本明細書においては、とりわけICの製造におけるリソグラフィ装置の使用が参照されているが、このような装置は、他の多くの可能アプリケーションを有していることを明確に理解されたい。たとえば、このような装置は、集積光学系、磁気領域メモリのための誘導及び検出パターン、液晶ディスプレイ・パネル、薄膜磁気ヘッド、DNA分析装置などの製造に使用することができる。このような代替アプリケーションのコンテキストにおいては、本明細書における「ウェハ」又は「ダイ」という用語の使用はすべて、それぞれより一般的な「基板」及び「目標部分」という用語に置換されるものと見なすべきであることは当業者には理解されよう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
基板ハイト・マップは、基板を露光する毎に作成することが望ましい。基板が既に1つ又は複数のプロセス・ステップを経ている場合、その表面層はもはや純粋に研磨されたシリコンではなく、既に基板に生成済みのフィーチャを表す構造即ちトポロジーが存在している場合もある。異なる表面層及び構造は、レベル・センサの読み値に影響することがあり、とりわけそのオフセットを変える可能性がある。レベル・センサが光センサである場合、これらの効果は、たとえば、表面構造に起因する回折効果によるもの、或いは表面反射率の波長依存性に起因する回折効果によるものであることが考えられ、必ずしも予測可能であるとは言えない。レベル・センサが容量センサである場合、基板の電気特性に起因するプロセス依存型誤差が生じることがある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一実施例による測定方法には、基板の第1の部分の少なくとも1つの高さを測定するために第1のセンサを使用するステップと、基板の第1の部分の少なくとも1つの高さを測定するために第2のセンサを使用するステップが含まれている。この方法には、さらに、第1のセンサを使用して測定した少なくとも1つの高さ、及び第2のセンサを使用して測定した少なくとも1つの高さに基づいて、第1のセンサのオフセット誤差の特性表示を生成するステップと、基板の第2の部分の複数の高さを測定するために第1のセンサを使用するステップが含まれている。基板の第2の部分のこの複数の高さ及び第1のセンサのオフセット誤差の特性表示に基づいて、基板の第2の部分の特性表示が生成される。
【0018】
本発明の他の実施例による測定方法には、基板の第1の部分の少なくとも1つの高さを測定するために第1のセンサを使用するステップと、基板の第1の部分の少なくとも1つの高さを測定するためにイン・レジスト焦点測定を使用するステップが含まれている。この方法には、さらに、第1のセンサを使用して測定した少なくとも1つの高さ、及びイン・レジスト焦点測定を使用して測定した少なくとも1つの高さに基づいて、第1のセンサのオフセット誤差の特性表示を生成するステップと、基板の第2の部分の複数の高さを測定するために第1のセンサを使用するステップが含まれている。基板の第2の部分のこの複数の高さ及び第1のセンサのオフセット誤差の特性表示に基づいて、基板の第2の部分の特性表示が生成される。
【0019】
また、本明細書においては、このような方法の多くの変形形態、デバイス製造方法、及びこのような方法を実行するために使用することができるリソグラフィ装置及びデータ記憶媒体が開示される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施例によるリソグラフィ装置を示す図である。
【図2】本発明の一実施例による構造を示す略図である。
【図3a】本発明の一実施例による方法の中でプロセス依存型誤差を予測することができるグラフである。
【図3b】本発明の一実施例による方法の中でプロセス依存型誤差を予測することができる他のグラフである。
【図4】本発明の代替実施例に従って使用される基板を示す図である。
【図5】本発明の他の代替実施例による基板の典型的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例について、単なる実施例にすぎないが、添付の略図を参照して説明する。図において、対応する参照記号は対応する部品を表している。
【実施例】
【0022】
本発明の実施例には、たとえば、レベル・センサのプロセス依存型オフセット誤差を費用有効性の高い方法で正確に修正するために使用することができる基板露光方法が含まれている。
【0023】
図1は、本発明の特定の実施例によるリソグラフィ投影装置を略図で示したものである。このリソグラフィ投影装置は、以下に示すアイテムを備えている。
【0024】
放射(たとえばUV放射又はEUV放射)の投影ビームを供給するようになされた(たとえば投影ビームを供給することができる構造を有する)放射システム。この特定の実施例では、放射システムRSは、放射源SO、ビーム引渡しシステムBD及び照明システムを備えており、照明システムは、照明ノードを設定するための調整構造AM、インテグレータIN及び集光光学系COを備えている。
【0025】
投影ビームをパターニングすることができるパターニング構造を支持するようになされた支持構造。この実施例では、第1の対物テーブル(マスク・テーブル)MTは、マスクMA(たとえばレチクル)を保持するためのマスク・ホルダを備えており、マスクをアイテムPLに対して正確に位置決めするための第1の位置決め構造に接続されている。
【0026】
基板を保持するようになされた第2の対物テーブル(基板テーブル)。この実施例では、基板テーブルWTは、基板W(たとえばレジスト被覆半導体ウェハ)を保持するための基板ホルダを備えており、アイテムPLに対して、また、レンズPLに対する基板及び/又は基板テーブルの位置を正確に指示するようになされた(たとえば干渉)測定構造IFに対して、基板を正確に位置決めするための第2の位置決め構造に接続されている。
【0027】
パターン化されたビームを投射するようになされた投影システム(「レンズ」)。この実施例では、投影システムPL(たとえば屈折レンズ群、カタディオプトリック系若しくはカタプトリック系及び/又はミラー系)は、マスクMAの照射部分を基板Wの目標部分C(たとえば1つ又は複数のダイ及び/又はその1つ又は複数の部分が含まれている)に画像化するようになされている。別法としては、投影システムは、プログラム可能パターニング構造のエレメントがシャッタとして作用することができる二次ソースの画像を投影することも可能である。また、投影システムは、たとえば二次ソースを形成し、且つ、マイクロスポットを基板に投影するための微小レンズ・アレイ(MLA)を備えることも可能である。
【0028】
図に示すように、このリソグラフィ投影装置は、透過型(たとえば透過型マスクを有する)タイプの装置である。しかしながら、一般的にはこのリソグラフィ投影装置は、たとえば反射型(たとえば反射型マスクを備えた)タイプの装置であっても良い。別法としては、このリソグラフィ投影装置は、上で参照したタイプのプログラム可能ミラー・アレイなどの他の種類のパターニング構造を使用することも可能である。
【0029】
放射源SO(たとえば水銀灯、エキシマ・レーザ、電子銃、レーザ生成プラズマ源即ち放電プラズマ源、若しくはストレイジ・リング又はシンクロトロン内の電子ビームの経路の周りに提供されたアンジュレータ)は、放射のビームを生成している。このビームは、照明システム(イルミネータ)ILに直接供給され、或いは条件付け構造即ち電界を介して供給される。たとえば、ビーム引渡しシステムBDは、適切な誘導ミラー及び/又はビーム・エキスパンダを備えることができる。イルミネータILは、ビームの強度分布の外部及び/又は内部ラジアル・エクステント(一般に、それぞれσ−外部及びσ−内部と呼ばれている)を設定するための調整構造即ち電界AMを備えることができ、投影ビームによってたとえば基板に引き渡される放射エネルギーの角分布に影響を及ぼすことができる。また、このリソグラフィ投影装置は、通常、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の様々なコンポーネントを備えている。この方法によれば、マスクMAに衝突する投影ビームPBは、所望する一様な強度分布をその断面に有することになる。
【0030】
図1に関して、放射源SOをリソグラフィ投影装置のハウジング内に配置し(放射源SOがたとえば水銀灯の場合にしばしば見られるように)、且つ、リソグラフィ投影装置から離して配置することにより、放射源SOが生成する放射ビームをリソグラフィ投影装置に供給することができる(たとえば適切な誘導ミラーを使用して)ことに留意されたい。この後者のシナリオは、放射源SOがエキシマ・レーザの場合にしばしば見られるシナリオである。本発明及び特許請求の範囲には、これらのシナリオの両方が包含されている。
【0031】
次に、投影ビームPBが、マスク・テーブルMT上に保持されているマスクMAによって遮断される。マスクMAを透過した(或いはマスクMAで選択的に反射した)投影ビームPBは、投影ビームPBを基板Wの目標部分Cに集束させるレンズPLを通過する。基板テーブルWTは、第2の位置決め構造(及び干渉測定構造IF)を使用して正確に移動させることができ、それによりたとえば異なる目標部分Cを投影ビームPBの光路内に配置することができる。同様に、第1の位置決め構造を使用して、たとえばマスク・ライブラリからマスクMAを機械的に検索した後、或いは走査中に、マスクMAを投影ビームPBの光路に対して正確に配置することができる。通常、対物テーブルMT及びWTの移動は、図1には明確に示されていないが、長ストローク・モジュール(粗位置決め)及び短ストローク・モジュール(精密位置決め)を使用して実現することができる。しかしながら、ウェハ・ステッパの場合(ステップ・アンド・スキャン装置ではなく)、マスク・テーブルMTは、短ストローク・アクチュエータに接続するだけで良く、或いは固定することも可能である。マスクMA及び基板Wは、マスク・アライメント・マークM1、M2及び基板アライメント・マークP1、P2を使用して整列させることができる。
【0032】
図に示す装置は、以下に示す複数の異なるモードで使用することができる。
【0033】
1.ステップ・モード
マスク・テーブルMTが基本的に静止状態に維持され、マスク画像全体が目標部分Cに一度で(即ち単一「フラッシュ」で)投影される。次に、基板テーブルWTがx方向及び/又はy方向にシフトされ、異なる目標部分Cが投影ビームPBによって照射される。ステップ・モードでは、露光視野の最大サイズによって、単一静止露光で露光される目標部分のサイズが制限されることになる。
【0034】
2.走査モード
所与の目標部分Cが単一「フラッシュ」で露光されない点を除き、基本的にステップ・モードと同じシナリオが適用される。走査モードでは、マスク・テーブルMTを所与の方向(いわゆる「走査方向」、たとえばy方向)に速度vで移動させることができるため、投影ビームPBでマスク画像を走査することができる。それと同時に基板テーブルWTが同じ方向又は逆方向に、速度V=Mvで移動する。MはレンズPLの倍率である(通常、M=1/4又はM=1/5)。マスク・テーブルMTに対する基板テーブルWTの速度及び/又は方向は、投影システムPLの倍率、縮小率(縮小)及び/又は画像反転特性によって決まる。この方法によれば、解像度を犠牲にすることなく、比較的大きい目標部分Cを露光することができる。走査モードでは、露光視野の最大サイズによって、単一動的露光で露光される目標部分の幅(非走査方向の幅)が制限され、また、走査運動の長さによって露光される目標部分の高さ(走査方向の高さ)が決まる。
【0035】
3.他のモード
プログラム可能パターニング構造を保持するべくマスク・テーブルMTが基本的に静止状態に維持され、投影ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影されている間、基板テーブルWTが移動又は走査される。このモードでは、通常、パルス放射源が使用され、走査中、基板テーブルWTが移動する毎に、或いは連続する放射パルスと放射パルスの間に、必要に応じてプログラム可能パターニング構造が更新される。この動作モードは、上で参照したタイプのプログラム可能ミラー・アレイなどのプログラム可能パターニング構造を利用しているマスクレス・リソグラフィに容易に適用することができる。
【0036】
上で説明した使用モードの組合せ及び/又はその変形形態、或いは全く異なる使用モードを使用することも可能である。
【0037】
パターニング構造及び/又は投影システムに対する基板の正確な位置を知り、且つ/又は基板の位置を正確に修正することが重要であることは理解されよう。たとえば、基板の正確な位置を知り、且つ、正確に修正することは、マスクの画像を横方向の変位が生じることなく意図した目標部分に正確に投影するために重要であるばかりでなく、マスクの画像を可能な限り正確に基板の表面に集束させるためにも重要である。
【0038】
基板の頂部表面(たとえば基板上のレジストの層)に対する投影ビームの最適焦点を得るためには、基板とマスク及び/又は光学系の間の高さを決定することが望ましいか或いは必要である。たとえば、その高さを所望の焦点距離に相当する高さに調整することが望ましいか或いは必要である。基板はその厚さが変化することがあるため、基板の所望の位置又は最適位置(たとえばマスク及び/又は光学系に対する位置)を露光操作毎に決定することが望ましいか或いは必要である。また、基板は必ずしも完全に平らな対象ではないため、基板の表面全体にわたってその所望の焦点位置又は最適焦点位置が変化する場合がある。最後に、基板が異なる場合があり、また、基板は異なる形態を有している。したがって、基板の一部又はすべてのハイト・マップを基板毎に測定し、場合によっては露光毎に測定することが望ましい。
【0039】
解決法の1つを実施するために使用することができるリソグラフィ投影装置は、パターン化されたビームを基板に投射する光学系に隣接して配置されているか、或いはその光学系の一部であるレベル・センサを備えている。この解決法によれば、露光中に基板のハイト・マップが測定される。測定した値に基づいて、たとえば基板を支持している基板テーブルの高さを調整することによって光学系に対する基板の距離(たとえば高さ)を調整することができる。
【0040】
別法としては、露光に先立って基板のハイト・マップを測定することも可能である。現在、個々に移動させることができる少なくとも2つの基板テーブルを備えたマシンが利用可能になっており、たとえば国際特許出願WO98/28665号及びWO98/40791号に記載されている多重ステージ装置を参照されたい。このような多重ステージ装置の基礎をなしている動作原理の1つは、第1の基板テーブルがその基板テーブルの上に位置している第1の基板を露光するために投影システムの真下の露光位置に位置している間、第2の基板テーブルをたとえば装荷位置に搬送し、既に露光済みの基板を除去し、新しい基板をピック・アップし、ピック・アップした新しい基板に対して測定の一部(たとえば上で言及したハイト・マップの測定)を実行し、且つ、投影システムの真下の露光位置への新しい基板の搬送を待機し、第1の基板の露光が完了すると直ちに投影システムの真下の露光位置に搬送することができることである。このようなサイクルは反復が可能である。本明細書において開示されている本発明のいくつかの実施例のアプリケーションでは、露光位置と測定位置の間を移動させることができるものであれ、或いは移動させることができないものであれ、ただ1つの基板テーブルと共に使用することができ、或いは3つ以上の基板テーブルと共に使用することができるため、基板テーブルの数は無関係である。
【0041】
基板上の測定位置で実行される測定には、たとえば、基板上の意図されている様々な露光領域(「ダイ」とも呼ばれている)、基板上の基準マーク、及び基板の外側の領域の基板テーブル上に配置されている少なくとも1つの基準マーク(たとえばフィデューシャル)の間の空間関係(たとえばX方向及びY方向の空間関係)の決定を含めることができる。このような情報は、投影ビームに対する露光領域のX方向及びY方向の位置決めを速やかに、且つ、正確に実行するために、次の露光位置で使用することができる。このような測定及びそれらの使用法に関する詳細な情報については、たとえばPCT特許公告WO99/32940号を参照されたい。この文書には、同じく、基板ホルダの基準平面に対する様々なポイントにおける基板表面のZ位置に関連するハイト・マップの測定位置における準備が記載されている。Zは、基板の表面に直角の方向を表している。
【0042】
基板のハイト・マップの測定は、通常、基板の頂部表面と相互作用するセンサを使用して実施される。このようなセンサは、一般にレベル・センサと呼ばれている。基板のハイト・マップの測定は、欧州特許公告EP1037117A2号にも記載されているように、プロセス依存型誤差(PDE)に支配されることがある。
【0043】
プロセス依存型誤差には、オフセット誤差と線形性誤差即ちミス・スケーリング(つまり利得)の2つのタイプの誤差が知られている。レベル・センサによって測定される高さZLSは、妥当な精度の範囲内で実高さZrealの関数として表すことができる。つまり、ZLS=areal+bであり、aは利得、bはオフセットである。理想的には、利得(a)は単位(1)に等しく、オフセット(b)はゼロに等しい。
【0044】
基板ハイト・マップは、基板を露光する毎に作成することが望ましい。基板が既に1つ又は複数のプロセス・オペレーションを経ている場合、その表面層はもはや純粋に研磨されたシリコンではなく、既に基板に生成済みのフィーチャを表す構造即ちトポロジーが存在している場合もある。異なる表面層及び構造は、レベル・センサの読み値に影響することがあり、とりわけそのオフセットを変える可能性がある。レベル・センサが光センサである場合、これらの効果は、たとえば、表面構造に起因する回折効果によるもの、或いは表面反射率の波長依存性に起因する回折効果によるものであることが考えられ、必ずしも予測可能であるとは言えない。レベル・センサが容量センサである場合、基板の電気特性に起因するプロセス依存型誤差が生じることがある。
【0045】
これらのプロセス依存型誤差を克服するためには、プロセス依存型修正ニーズを決定しなければならない。欧州特許公告EP1037117A2号に、これらのプロセス依存型誤差を抑制し、且つ/又は修正するためのいくつかの方法が提案されている。
【0046】
必要なプロセス依存型利得修正を決定するためには、たとえば、基板テーブルをいくつかの異なる垂直位置に設定し、レベル・センサを使用して露光領域即ち目標位置を測定することができる(たとえばレベル・センサの線形範囲又は線形化された範囲を測ることによって)。基板の高さは、基板の表面と、たとえば基板テーブルによって画定される基準平面との間の物理距離として特性化することができる。基準平面のZ方向の位置は、たとえば干渉計を使用して測定することができる。このような基板高さZwaferは、基板テーブルの垂直方向の位置によって変化しないため、レベル・センサの測値とZ−干渉計の測値とを減算することによって得ることができる。つまりZWAFER=ZLS−ZIFである。ZLSは、基板表面のレベル・センサによる測値であり、ZIFは、基準平面の干渉計による測値である。しかしながら、基板テーブルの位置が分かっている限り、干渉計の代わりに他のセンサを使用することも可能であることは理解されよう。
【0047】
WAFERは、基準平面に対する基板の高さを表している。したがって、決定されたZWAFERの値が基板テーブルの垂直方向の位置によって変化する場合、この結果は、レベル・センサ又はZ−干渉計(或いは使用されている他のセンサ)のいずれか一方或いはその両方が線形ではないこと、或いは等しくスケール化されていないことを示している場合がある。Z−干渉計は、その線形性が基板ハイト・マップに必要な精度よりはるかに高いため、線形であると見なすことができる。したがって、基板の高さの値の差はすべてレベル・センサの線形性誤差即ちミス・スケーリングによるものと仮定することができ、たとえば利得誤差によるものと仮定することができる。このような差と、場合によっては、対応するレベル・センサの読み値に関する、それらの読み値を観察した時点における知識とを使用して、レベル・センサの出力を修正することができる。レベル・センサを備えているか或いはレベル・センサを使用している本発明の一実施例では、単純な利得修正が提案されている。しかしながら、知られている他のセンサを使用してもっと複雑な修正を使用することも可能である。
【0048】
処理すべき基板が、異なるプロセスを既に経ている露光領域をその上に有している場合、基板上の異なるタイプの露光領域毎にプロセス依存型修正を決定することができる。逆に、同じプロセス又は類似したプロセスを経た露光領域を有する基板のバッチを露光する場合、必要なことは、バッチ毎に一度、露光領域のタイプ毎にプロセス依存型修正を測定することだけである場合がある。その場合、そのタイプの露光領域のハイト・マップをそのバッチの中で作成する毎に、このような修正を適用することができる。
【0049】
プロセス依存型誤差に支配されないセンサが知られている。空気マイクロメータ或いは走査ニードル・プロファイラは、このようなプロセス独立型センサと見なすことができる。空気マイクロメータは、当業者に知られているように、ガス出口から基板の表面へガスの流れを供給することによって基板のハイト・マップを決定することができる。基板の表面が高い場合、つまり基板の表面がガス出口により接近している場合、ガスの流れは、比較的大きい抵抗を受けることになる。流れの抵抗を基板の上方の空気マイクロメータの空間位置の関数として測定することにより、基板の少なくともいくつかの特性(たとえば基板の頂部層の電気特性及び/又は光学特性)に無関係の(或いは少なくとも比較的無関係の)基板のハイト・マップを得ることができ、したがってプロセス独立型ハイト・マップを提供することができる。
【0050】
走査ニードル・プロファイラを使用して、基板のハイト・マップをニードルで走査することができる。この場合も、レジスト層の電気特性及び/又は光学特性などの特性に無関係のハイト・マップを提供することができる。また、他のプロセス独立型センサも知られている。しかしながら、このようなプロセス独立型センサは、通常、プロセス依存型レベル・センサと比較すると、その走査速度(即ち帯域幅)が遅い(たとえば最大100倍遅い)。また、これらのプロセス独立型センサの走査速度は、要求される速度に対して遅いことがある。
【0051】
知られているプロセス独立型センサは、比較的速度が極めて遅いため、プロセス依存型誤差を決定するための知られている方法は、一般に非常に時間がかかっている。上で説明した方法によるプロセス依存型センサを使用してプロセス依存型利得誤差を決定するためには、基板に対して異なる高さから測定する必要がある場合がある。このような構造は、基板が配置される基板テーブルを高さ方向に移動させなければならないこと、且つ/又はセンサを高さ方向に移動させなければならないことを意味している場合があり、時間がかかることがある。また、このような方法の場合、促進することができるのはプロセス依存型利得誤差(a)の修正のみであり、プロセス依存型オフセット誤差(b)については、その修正を促進することができない可能性がある。利得修正とオフセット修正を区別する可能な方法の1つは、利得修正の場合、相対測値に基づいてその修正を実施することができる(たとえば基板を高さ方向に既知の量だけ移動させ、レベル・センサの応答を既知の移動と比較する場合)ことであり、それに対してオフセット修正は、絶対測値(たとえばゼロ高さ値に対する測値)に基づいて実施することができることである。
【0052】
プロセス依存型オフセット誤差を抑制する他の技法を利用することができる。たとえば、上で参照した欧州特許公告第EP1037117A2には、使用しているセンサを調整するために使用することができる異なる解決法が記述されている。この特許公告には、複数の波長を使用したセンサを使用した高さの測定が提案されている。また、この文書には、レベル・センサが高さを測定する入射角の変更が提案されている。これらの測定値(たとえば複数の波長及び/又は可変角度を使用した測定値)から得られる測値を使用して、プロセス依存型オフセットを抑制することができる。しかしながら、これらの解決法には相対的に問題があり(たとえば時間がかかる)、したがって比較的費用がかかっている。また、これらの解決法では、プロセス依存型オフセット誤差を決定することができない場合がある。
【0053】
米国特許出願公告第2002/0158185号は、プロセス依存型オフセット誤差に対処するための、プロセス依存型誤差のない空気マイクロメータと組み合わせた第1のレベル・センサを使用した解決法を提供している。これらのセンサはいずれも、露光に先立って基板の高さ又は基板の一部の高さを決定している。これらの測値と測値の差が決定され、記憶され、第1のレベル・センサのプロセス依存型誤差(即ちオフセット)の測度として使用されている。露光(オン・ザ・フライ)中、第1のレベル・センサと本質的に同じである第2のレベル・センサが使用される。記憶されている第1のレベル・センサのプロセス依存型誤差を使用して、このプロセス依存型誤差を第2のレベル・センサにも等しく適用できると仮定して、この第2のレベル・センサの測値が修正される。しかしながら、この解決法には、2つの本質的に同じレベル・センサが必要であり(つまり、これらのセンサは、その性能が整合していなければならない)、それがこの解決法をどちらかと言えば困難にし、且つ、費用のかかるものにしている。
【0054】
本発明の一実施例による方法によれば、基板W自体の高さを測定するために、いずれも絶対測定(つまりゼロ高さ値に対する測定)に使用される第1のセンサ10及び第2のセンサ11を使用してプロセス依存型オフセット誤差が決定される。したがって、この方法によれば、利得誤差を決定しなければならず、また、測定中、測定機器に対する基板Wの高さが移動する(高さ移動の相対測値を得るために)測定とは対照的に、基板Wの高さが測定機器に対して移動することはない。この場合、得られた測値と測値の差を使用してプロセス依存型オフセット誤差(PDOE)が決定される。以下、本発明の異なる実施例についてさらに説明する。
【0055】
図2は、基板W、基板Wの上方に配置された、たとえば基板Wのハイト・マップを決定するための第1のセンサ10及び第2のセンサ11を示したものである。また、図2には、第1のセンサ10及び第2のセンサ11と通信するようになされたプロセッサ12が示されている。センサ10、11は、測定した測値をプロセッサ12に転送するようになされている。プロセッサ12は、さらに、記憶装置13と通信するようになされている。プロセッサ12は、記憶装置13からのデータを記憶し、且つ、検索することができる。プロセッサ12は、さらに、以下で説明するように、第1のセンサ10、第2のセンサ11及び/又は記憶装置13から検索したデータを使用して計算を実行するようになされている。プロセッサ12及び/又は記憶装置13は、リソグラフィ投影装置1の一部であっても良いが、リソグラフィ投影装置1の外部に配置することも可能である。
【0056】
本発明の一実施例による装置の場合、第1のセンサ10は、空気マイクロメータ或いは走査ニードル・プロファイラなどの、その高さ測値が測定表面の電気特性及び/又は光学特性に依存しないプロセス独立型センサである。第2のセンサ11はプロセス依存型センサであり、つまり基板Wに施されるプロセスに依存する可能性のあるオフセット誤差(PDOE)を有している。利得誤差は既に修正されていることが仮定されている。この場合、プロセス依存型オフセット誤差によって第1のセンサの測値と第2のセンサの測値の差が実質的に形成される。このような場合、PDOEはすべて第2のセンサ11によるものであること、また、第1のセンサ10の読み値から基板Wの「実」高さが分かると仮定することができる。
【0057】
測定は、第1及び第2のセンサ10、11を使用して、たとえばセンサ10、11の真下の基板を走査することにより、基板上の複数の位置に対して実行することができる。第1及び第2のセンサ10、11によって得られる測値を使用して、測定した基板W上の位置毎に第2のセンサ11のPDOEが記憶されているマップを作成することができる。このマップは、プロセス・ステップ毎に、基板W上の位置を表すX座標及びY座標の組合せでPDOEが記憶されている単純なテーブルであっても良い。したがって、言い換えると、X、Y位置及びこの第2のセンサが使用されるプロセスの関数として第2のセンサ11の測値を較正することができ、また、個々の較正データを記憶装置13に記憶することができる。
【0058】
プロセッサ12によって計算された第2のセンサ11のPDOEマップは、記憶装置13に記憶することができる。基板Wをさらに処理する場合、この記憶装置13からPDOEマップを検索することができる。しかしながら、このPDOEマップは、他の記憶装置(図示せず)に転送することも可能であり、リソグラフィ投影装置1によって、露光中に、その記憶装置からより容易に、且つ、より迅速にPDOEマップを検索することができる。
【0059】
PDOEは、基板Wの特性(たとえば使用するレジストの種類及びレジストの層の下側の構造の組成)に依存しているため、このPDOEは、同じ種類の特性を有する基板Wのすべての部分、たとえば、類似したパターン及び類似した処理を使用した類似した露光に既に1回又は複数回にわたって晒されている対応する目標部分C(或いは目標部分の一部)に対して同じであると仮定することができる。これらの特性には、基板の光学特性及び/又は電気特性を含めることができる。実際には、このような依存性は、PDOEマップが基板W上の対応するすべての目標部分Cに対して同じであり、且つ/又は対応するプロセス・ステップにおける他の基板W上の対応するすべての目標部分Cに対して同じである可能性があることを意味している場合がある。
【0060】
PDOEマップの決定は、たとえばプロセス独立型センサを使用することによって時間のかかるプロセスになる場合がある(空気マイクロメータ及び走査ニードル・プロファイラの測定は速度が遅い)。しかしながら、目標部分Cが類似している場合、同じようなPDOEマップになる可能性があるため、類似している目標部分C毎に特定のPDOEマップを一度決定するだけで十分である場合がある。特定のタイプの目標部分CのPDOEマップが分かると、通常、高速のプロセス依存型センサを使用して、類似した目標部分Cを有するすべての基板Wを処理することができる。正規の処理速度で動作させることができるこれらのプロセス依存型センサの測値は、既に作成済みのPDOEマップを使用して修正することができる。したがって、すべての目標部分Cが類似している場合、1つのPDOEマップを作成するだけで十分である場合がある。
【0061】
リソグラフィ露光の場合、基板Wのハイト・マップを作成することができる。基板Wのハイト・マップは、欧州特許公告第EP1037117A2により詳細に説明されているように、リソグラフィ装置の露光位置で作成することができ、或いはリソグラフィ装置の遠隔位置、たとえばいわゆる多重ステージ・マシンにおける測定位置で作成することができる。
【0062】
基板Wの露光に先立って、PDOEマップを決定するために使用される第2のセンサ11と同じPDOEに支配されるレベル・センサを使用して基板Wのハイト・マップを決定することができる。当然、第2のレベル・センサ11とこのレベル・センサは、1つの同じセンサであっても良い。この場合、このレベル・センサの測値は、PDOEマップを使用して、たとえば、目標部分C上のその対応する位置に対するPDOEマップの内容をこのレベル・センサの測値に単純に加算することによって修正することができる。この計算は、たとえば、プロセッサ12によって、記憶装置13に既に記憶されているデータを使用して実施することができる。このような方法を使用することにより、比較的高速のレベル・センサを使用してハイト・マップが得られ、且つ、プロセス依存型誤差が補償されるため、基板Wを比較的速い処理速度で処理することができる。
【0063】
本発明の他の実施例による方法によれば、プロセス依存型オフセット誤差マップ及びハイト・マップが露光に先立って決定される。露光中、基板Wは、たとえばウェハ・テーブルに固定された、いわゆるTISセンサなどのイメージ・センサを使用して得られる測値に基づいてウェハ・テーブルWTを位置決めすることにより、パターン化されたビームPBに対して配置される。TISセンサについては、多重ステージ・マシンに関連して以下で説明する。
【0064】
図2に示すような多重ステージ・マシンの場合、測定位置におけるレベル・センサを使用して基板Wの表面のマップを作成することができる。マップは、基準平面(たとえばTISによって画定される平面)に対して測定することができ、記憶装置にこの情報を記憶することができる。
【0065】
次に、基板Wが図2に示す露光位置へ搬送される。露光に先立って、TISを使用して基板テーブルWTの位置及び配向を測定し、且つ、基準平面に対して関連付けることができる。TISによってマスクMAから基板テーブルに画像化された複数のマークの位置が測定される(この測定にはマークの高さが含まれている)。従来、複数のTISセンサが使用されている(図2にはそのうちの1つしか示されていない)。
【0066】
第1の位置におけるレベル・センサの測定によって既に入手済みのデータを記憶装置から検索し、且つ、検索した情報に基づいて、露光中に、たとえばTISを使用して画定された基準平面に対する基板Wの高さ及び傾斜を調整することができるため、必ずしも基板Wの表面を露光位置で測定する必要はない。
【0067】
このようなマシンの場合、PDOEマップを使用して、測定位置におけるレベル・センサの測値のプロセス依存型オフセット誤差を修正することができる。しかしながら、露光中に修正することも可能である。当然、たとえば測定位置と露光位置が同じ位置であり、露光に先立ってハイト・マップが作成される単一ステージ・マシンにも同じ方法を使用することができる。
【0068】
以上の説明では、第1及び第2のセンサ10、11は、同じ位置に配置されている。しかしながら、第1の位置における第1の(プロセス独立型)センサ10及び第2の位置における第2のセンサ11を使用して基板Wの表面を測定することも可能である。第1の位置は、リソグラフィ投影装置1の外側の位置であっても良い。たとえば、プロセス独立型センサ10は、いわゆる外部プロファイラ(たとえば走査ニードル・プロファイラ又は走査トンネル顕微鏡)であっても良い。その場合、両方のセンサの測値を互いに比較することができることが重要である場合がある。基板Wが配置される基板テーブルWTは、基板Wの形状に影響を及ぼすことがあるため、第1及び第2のセンサ10、11を使用して測定している間、同じ基板テーブルWT上の同じ位置に基板Wを配置することが望ましい場合がある。
【0069】
上で既に言及したように、プロセス独立型センサ10は、空気マイクロメータ或いは走査ニードル・プロファイラであっても良いが、他のプロセス独立型センサ10を使用することも可能である。これらのプロセス独立型センサは当業者に知られている。たとえば、「The principles and applications of pneumatic gauging」(V.R.Burrows、FWP Journal、1976年10月)及び米国特許第4,953,388号などの文書に空気マイクロメータが考察されている。
【0070】
たとえばプロセス依存型オフセット誤差が決定される限り、本発明の他の実施例を思い浮かべることができることは当業者には理解されよう。プロセス依存型オフセット誤差マップを決定するための他の技法は、パターンを基板Wに画像化し、基板Wを処理し、且つ、得られたパターンの品質を検出することである(たとえばレジスト中の局部焦点外れを決定することである)。検出した異なる画像の品質に基づいて局部最適焦点高さとプロセス依存型センサ11の測値を比較し、プロセス依存型オフセット誤差マップを決定することができる。レジスト中の局部焦点外れは、以下で簡単に説明する様々な技法を使用して決定することができる。
【0071】
本発明の他の実施例による方法によれば、第1の測定には、イン・レジスト焦点測定方法が含まれており、センサ11はプロセス依存型センサである。このような方法の場合、たとえば、プロセス依存型センサ11の読み値が既に読み取られている位置と同じ位置に生じる焦点外れの測値を使用して、センサ11のプロセス依存型オフセット誤差を決定することができる。
【0072】
処理済みの基板Wに適用すべき焦点オフセットを決定するために使用されている共通のイン・レジスト焦点測定方法は、焦点露光マトリックス(FEM)である。この方法は、レジスト中の臨界構造を露光し、且つ、後続する露光における焦点オフセットを予測最良焦点の近辺で変化させることに基づいている。これらの露光は、基板Wの同じ目標部分C或いは異なる目標部分Cに対して実施することができる。レジストを現像した後、結増臨界構造の検査又は測定(光学的/電気的な検査又は測定)を実行し、処理層に対する最適焦点オフセットを決定することができる。
【0073】
FEM技法は、基板W全体の最適焦点設定/オフセットを決定し、或いは目標部分C毎の個別焦点オフセットを決定するために広く使用されている。本発明の他の実施例による方法には、このような技法を適用して処理済み基板W毎の焦点オフセット或いは目標部分C毎の焦点オフセットを決定する代わりに、基板W上の目標部分C内の焦点変化を決定するためにこのような技法を使用するステップが含まれている。基板Wの高さを測定するプロセス依存型センサのX方向及びY方向の測定位置と整合した、より稠密な露光パターンを提供することが望ましい場合がある。このような構造を使用することにより、センサの特定の知覚領域内の焦点を介して結増臨界構造を露光し、且つ、目標部分Cの知覚領域毎に個別に最適焦点設定/焦点オフセットを決定することができる(たとえばPDOEマップを決定するために)。
【0074】
基板Wに適用すべき焦点オフセットを決定するための知られているもう1つの技法には、レジスト中の焦点感応マークの露光が使用されており、また、露光済みマークを測定するためのスキャナ中のもう1つのセンサが使用されている。これらのマークはアライメント・マークであっても良いが、スキャナ中の他のセンサを使用して測定することができる他の任意の構造を使用することも可能である。
【0075】
これらのアライメント・マークは、稠密構成でマスクMA上にパターン化されており、したがって露光済みの目標部分Cに稠密パターンのマークを生成する。本発明の他の実施例による方法によれば、これらのマークは、光学投影システムに非テレセントリシティを導入することによって焦点に感応するようになされている。マスクMAの上に配置されているアライメント・マークのサブセットは、マスクMAに接着された水晶くさびによって結合されており、投影システムに非テレセントリシティを導入している(以下、測定マークと呼ぶ)。これらの測定マークは、水平方向に変位即ちシフトすることになる。この変位即ちシフトは、マークが露光される焦点外れに比例している。したがって、くさびを備えたアライメント・マーク(測定マーク)の位置は焦点に敏感になり、一方、他のマーク(基準マークと呼ばれている)の位置は焦点に鈍感になる。この場合、基準マークに対する測定マークの相対シフトは、試験露光の間、焦点外れの測度として機能させることができる。
【0076】
処理済みの基板上の特定の位置に対する焦点オフセットは、露光済みのマークとマークの間の水平方向のシフトを測定することによって決定することができる。知覚領域毎に少なくとも1つの測定マーク及び少なくとも1つの基準マークを露光することができる。このような手法を使用することにより、露光済みの基板W上の知覚領域毎に焦点オフセットを決定することができる。これらの焦点オフセットは、特定の目標部分C内の知覚領域毎に引き出すことができ、プロセス依存型オフセット誤差マップとして、全く同じ基板組成を有する目標部分C毎に記憶することができる。目標部分Cのプロセス依存型オフセット誤差マップを決定するためのこのような方法は、基板W上の1つの特定の目標部分Cを露光することによって、或いは基板W上のすべての目標部分Cの焦点オフセットを平均することによって実施することができ、それにより目標部分Cを代表する平均プロセス依存型オフセット誤差マップを決定することができる。
【0077】
基板Wに適用すべき焦点オフセットを決定するための類似した技法には、レジスト中の焦点感応マークの露光が使用されており、また、露光済みマークを測定するための外部度量衡学ツールが使用されている。これらのマークは、米国特許第5,300,786号に記載されているようないわゆるボックス・イン・ボックス構造などのより特殊なアライメント・マークであっても良い。光学投影システムに非テレセントリシティを導入することによってこれらのマーク自体を焦点に感応するように構築することができる。これは、マスクMA上のラインの隣にステップをエッチングするフェーズによって達成することができ、それによりボックス・イン・ボックス構造が形成され、画像化された構造の回折次数が相殺される。米国特許第5,300,786号に、このような方法がより詳細に記載されている。
【0078】
知覚領域毎に少なくとも1つのマークを露光することができる。このような手法を使用することにより、処理済みの基板W上の知覚領域毎に焦点オフセットを決定することができる。これらの焦点オフセットは、特定の目標部分C内の知覚領域毎に引き出すことができ、プロセス依存型オフセット誤差マップとして、全く同じ基板組成を有する目標部分C毎に記憶することができる。目標部分Cのプロセス依存型オフセット誤差マップを決定するためのこのような方法は、基板W上の1つの特定の目標部分Cを露光することによって、或いは基板W上のすべての目標部分Cの焦点オフセットを平均することによって実施することができ、それにより目標部分Cを代表する平均誤差マップを決定することができる。
【0079】
この場合、センサ11の測値は、PDOEマップを使用して、たとえば、目標部分C上のその対応する位置に対するPDOEマップの内容をセンサ11の測値に単純に加算することによって修正することができる。この計算は、たとえば、プロセッサ12によって、記憶装置13に既に記憶されているデータを使用して実施することができる。別法として、基板Wを露光している間、PDOEマップの内容を修正値として使用することができる。
【0080】
処理すべき基板Wが、異なるプロセスを既に経ている露光領域をその上に有している場合、基板上の異なるタイプの露光領域毎にプロセス依存型オフセット誤差マップを決定することができる。逆に、同じプロセス又は類似したプロセスを経た露光領域を有する基板のバッチを露光する場合、必要なことは、バッチ毎に一度、露光領域のタイプ毎にプロセス依存型オフセット誤差マップを測定することだけである場合がある。その場合、そのタイプの露光領域のハイト・マップをそのバッチの中で作成する毎に、その修正を適用することができる。
【0081】
本発明の他の実施例による方法によれば、プロセス依存型オフセット誤差(PDOE)マップを決定するために、図2に示すように第1のセンサ10及び第2のセンサ11を使用して基板Wが測定される。この実施例では第1及び第2のセンサ10、11はいずれもプロセス依存型センサであるが、プロセス・パラメータに対する感度がそれぞれ異なっている。これは、多くの様々な方法で達成することができる。たとえば第1のセンサ10は、第2のセンサ11とは異なるタイプのプロセス依存型センサであっても良い。しかしながら、第1のセンサ10及び第2のセンサ11は、同じタイプの、異なる設定、たとえば異なる波長スペクトル及び/又は異なる偏光を使用したセンサであっても良い。最後に、第1のセンサ10及び第2のセンサ11は、異なる設定を使用した1つの同じセンサであっても良い。測定した値の差を使用してPDOEマップを決定することができる。その場合、PDOEは、測定した2つの値の差に必ずしも等しくなくても良いが、その代わりに、以下で説明するように、たとえば実験によって既に入手済みのモデル又はテーブルを使用して検索することができる。
【0082】
図3aは、第1のセンサ10及び第2のセンサ11のプロセス依存性のグラフを示したものである(センサは、いずれもプロセス依存型である)。水平軸は、プロセス依存型パラメータ(たとえばレジスト層の厚さ又はレジストの屈折率)を示している。曲線M10、M11は、それぞれセンサ10、11によって測定された高さを示している。図3aのグラフは、プロセス独立型センサによって測定される「実」高さが一定の高さを維持している状況、及び基板のプロセス依存型パラメータが変化し、第1及び第2のセンサ10、11によって高さが測定される状況で実行された実験の結果であっても良い。しかしながら、このグラフは、第1のセンサ10及び/又は第2のセンサ11のプロセス依存性を予測する理論的なモデルに基づくことも可能である。
【0083】
図3aは、プロセス依存型パラメータを関数として固定「実」高さで測定することができる値が、M10とM11のうちのどちらの値であるかを示していることに留意されたい。しかしながら、たとえばセンサ10を使用して値を測定しても、もう1つの「実」高さと、センサ10による同じ測定値に対応するプロセス依存型パラメータの他の値との他の組合せが存在する可能性があるため、それだけでは「実」高さ(プロセス独立型高さ)及びプロセス依存型パラメータの値に関する知識を自動的に得ることはできない。
【0084】
図3aに示す実施例では、基板Wの「実」高さは、水平方向の真直ぐな破線で示されている。したがって、この破線は、理想的なプロセス独立型センサによって得られる測値を表している。図3aから分かるように、センサ10、11によってそれぞれ測定される高さM10、M11は、この実高さに対して、プロセス依存型パラメータの関数として変化している。
【0085】
特定のプロセス依存型パラメータに対して、図3aに示すグラフが得られることが望ましい場合がある。高さM10とM11の差は、参照数表示Δで示されている。このような実施例では、この差は、特定のプロセス依存型パラメータのみの関数であると仮定することができる。
【0086】
他の実施例による方法によれば、たとえばセンサ10の測定値及び差Δとセンサ11の測定値との組合せの各々は、1つの実高さとの固有の関係を有している。したがって、センサ10の測定値と差Δの組合せ毎にPDOEの値を引き出すことができる。図3aに示すグラフに基づいて、図3bに示すグラフが得られる。このグラフは、第1のセンサ10と第2のセンサ11の間の差Δを関数とした第1のセンサ10のPDOEを示している。第1のセンサ10のPDOEは、たとえば第1のセンサ10の読み値と実高さの差を計算することによって単純に得ることができる。たとえば以下で説明する理由により、Δを関数としたPDOEのグラフを単調関数(増加又は減少させることができる)にすることが望ましいか或いは重要である場合がある。当然、第2のセンサ11のための対応するグラフを得ることも可能である。
【0087】
図3bに示すグラフから得られる情報を使用して、基板Wの特定の目標部分CのPDOEマップを得ることができる。したがって、図2に示す第1及び第2のセンサ10、11を使用して目標部分Cを測定することができる。目標部分Cの位置毎に、第1のセンサ10の読み値と第2のセンサ11の読み値の差Δを計算することができる。この場合、この差に基づいて、たとえば図3bに示すグラフを使用してPDOEを得ることができる。
【0088】
上で説明した方法に従ってPDOEマップが決定されると、プロセス依存型センサ10を使用して基板Wを処理し、且つ、測定することができる。このセンサ10を使用して測定した値は、第1の実施例と同様、PDOEマップを使用して修正することができる。
【0089】
本発明の他の実施例による方法によれば、第1のセンサ10の読み値と第2のセンサ11の読み値の間の、プロセス依存型パラメータを関数とする差は、単調増加関数又は単調減少関数である。他の実施例による方法によれば、この差は単調関数ではなく、プロセス依存型パラメータ(たとえばレジスト及び酸化膜の厚さの範囲、レイアウト、使用材料)に関するより深い知識が未知である限り、PDOEを明瞭に決定することは困難であるか或いは不可能である場合がある。
【0090】
第1のセンサ10の読み値と第2のセンサ11の読み値の差が取り得る値は、単調関数を得るために制限することができ、或いは差分関数をいくつかの単調部分に分割することができる。たとえば、図3bに示すグラフが発振関数である場合、この実施例で説明する方法は、追加情報が分かっていることを条件として(たとえば、決定すべき高さがある一定の範囲内で分かっており、且つ、その範囲内でグラフが単調であることを条件として)、依然として使用が可能である。この問題は、以下で説明するように、3つ以上のセンサを使用することによって抑制することも可能である。
【0091】
また、第1のセンサ10の読み値と第2のセンサ11の読み値の差が特定のプロセス依存型パラメータに対して固有値であるだけでなく、すべてのプロセス依存型パラメータに対して固有値である場合も、この実施例の解決法を必要とする場合がある。差Δが1つのPDパラメータの異なる値に対してだけでなく、異なるPDパラメータに対しても生じ得ない場合、PDOEマップを決定することができる固有の解決法を見出すためには、上で言及したようにプロセスに関する追加知識を必要とする場合がある。
【0092】
本発明の一実施例による方法によれば、高さの差Δは、プロセス依存型パラメータにのみ依存すると仮定することができる。しかしながら、PDOEは実高さにも依存すると考えることも可能である。このような場合、たとえばPDOEを関数とした2つのセンサの読み値の差の間に単調関係が維持される限り、このような方法は、依然として適用が可能である。高さの差Δが実高さにも依存する場合、図3aに示すグラフを高さ毎に測定するか、或いは複数の高さで実施された1組の測値を使用してこのようなグラフを高さ毎に作成することが望ましい場合がある。その場合、補間(たとえば一次補間など)によって他の高さに対するこのようなグラフを作成することができる。
【0093】
このような実施例による方法の潜在的な利点の1つは、図3a及び3bに示す必要なグラフが決定されると、比較的速度が速く、或いは特殊な機械要求事項、たとえば空間要求事項、汚染要求事項などの要求事項に合致するプロセス依存型センサのみを使用して基板Wをさらに処理することができることである。
【0094】
上で説明した実施例による方法に関して、PDOEマップを決定する必要があるのは、対応するすべての目標部分Cに対して一度だけであることは理解されよう。あらゆる種類の可能シナリオを思い浮かべることが可能である。たとえば、マップを作成すべき異なる目標部分が単一の基板Wに含まれていても良い。すべての目標部分Cが互いに異なっている場合、基板W全体のPDOEマップを作成することが望ましい場合がある。このPDOEマップが有用であるのは、その単一基板のみである場合もあるが、類似したプロセス・ステップにおいて、他の基板が類似した目標部分Cを有している場合、このマップを再度使用することができる。
【0095】
当然、目標部分Cが類似している場合であっても、目標部分C毎にPDOEマップを作成することは同じく可能である。また、類似した基板WのPDOEマップが予め分かっている場合であっても、基板W毎に新しいPDOEマップを作成することも可能である。たとえば、最適精度を保証するためにこのような余計なマップの作成を実施することができる。
【0096】
多重ステージ・マシンの場合、得られたPDOEマップを記憶装置13に記憶し、基板Wを処理している間(たとえば、上で既に説明したように、第1の位置でハイト・マップを決定している間、或いは第2の位置で露光している間)、このPDOEマップを使用することができる。基板Wの個々の目標部分Cのハイト・マップを決定するために、PDOEマップを使用して、第1の位置におけるレベル・センサの測値を修正することができる。しかしながら、第2の位置で露光している間、PDOEマップを使用して基板Wの高さ及び配向を調整することも可能である。
【0097】
また、類似した方法を3つ以上のセンサを使用して適用することができることは当業者には理解されよう。たとえば、異なるプロセス依存性を有する多数のプロセス依存型センサを使用して実施された測値と測値の差に基づいてPDOEを決定することができる。また、図3aに示すグラフの相違が特定の範囲でのプロセス依存型パラメータの単調関数のみである場合、もっと多くのセンサを使用することができる。
【0098】
上で説明した実施例は、あらゆる種類のリソグラフィ投影装置に適用することができる。このような方法は、実時間レベリング(オン・ザ・フライ)を使用しているマシンに使用することができ、或いは露光に先立ってハイト・マップを作成するマシンに使用することができる。後者のマシンは、たとえば、上で説明した国際特許出願WO98/28665号及びWO98/40791号に記載されている多重ステージ装置を備えることができる。
【0099】
本発明の実施例には、リソグラフィ装置内の基板を露光する方法、デバイス製造方法、及び放射の投影ビームを提供するための照明システムと、投影ビームの断面にパターンを付与するように機能するパターニング構造を支持するための支持構造と、基板を保持するための基板テーブルと、パターン化されたビームを基板の目標部分に投射するための投影システムとを備えたリソグラフィ装置が含まれている。
【0100】
本発明の一実施例による、基板を支持するための支持テーブルを備えたリソグラフィ装置内の基板を露光する方法には、プロセス依存型センサである第1のセンサを使用して少なくとも1つの基板の一部の第1の高さ測定を実行するステップと、第2のセンサを使用して前記少なくとも1つの基板の同じ部分の第2の高さ測定を実行するステップと、第1の高さ測値と第2の高さ測値の差に基づいて第1のセンサのオフセット誤差マップを作成し、且つ、このオフセット誤差マップを記憶装置に記憶するステップと、第1のセンサを使用して高さ測定を実行することによって、前記基板又は前記部分と類似した処理が施された他の基板の複数の部分のハイト・マップを作成し、且つ、オフセット誤差マップによってこのハイト・マップを修正するステップと、このハイト・マップを記憶装置に記憶するステップと、前記基板又は他の基板が基板テーブルによって露光位置で支持されると、それらを露光するステップであって、ウェハ・テーブル・センサ及びハイト・マップを使用して露光位置が制御されるステップが含まれている。
【0101】
本発明の他の実施例による、基板を支持するための支持テーブルを備えたリソグラフィ装置内の基板を露光する方法には、プロセス依存型センサである第1のセンサを使用して少なくとも1つの基板の一部の第1の高さ測定を実行するステップと、第2のセンサを使用して前記少なくとも1つの基板の同じ部分の第2の高さ測定を実行するステップと、第1の高さ測値と第2の高さ測値の差に基づいて第1のセンサのオフセット誤差マップを作成し、且つ、このオフセット誤差マップを記憶装置に記憶するステップと、第1のセンサを使用して高さ測定を実行することによって、前記基板又は前記部分と類似した処理が施された他の基板の複数の部分のハイト・マップを作成するステップと、このハイト・マップを前記記憶装置に記憶するステップと、前記基板又は他の基板が基板テーブルによって露光位置で支持されると、それらを露光するステップであって、オフセット誤差マップによって修正している間、ハイト・マップを使用して露光位置が制御されるステップが含まれている。
【0102】
基板の特定の部分に対して作成されるプロセス依存型誤差マップは、同じ基板又は他の基板の類似した部分に対して実行された測値を修正するために有利に使用することができる。この場合、測定した高さは、予め記憶されているプロセス依存型誤差を使用して容易に修正することができる。基板上の異なる目標部分即ちダイは、通常、類似したパターンに露光され、露光と露光の間に、類似した処理が施される。したがって、特定の目標部分に対するセンサのプロセス依存型誤差は、他の目標部分に類似している場合がある。
【0103】
一実施例によれば、本発明は、前記部分が前記少なくとも1つの基板上の複数のサブ部分によって形成されている方法、或いは前記部分が複数の基板上の複数のサブ部分によって形成されている方法に関している。
【0104】
本発明の他の実施例による方法によれば、第2のセンサはプロセス独立型センサであり、たとえば空気マイクロメータ、外部プロファイラ及び走査ニードル・プロファイラのうちの少なくとも1つである。このような実施例による方法の場合、第2のセンサのプロセス依存型誤差は、第1のセンサの読み値と第2のセンサの読み値の差によって単純に得ることができる。
【0105】
本発明の他の実施例による方法によれば、第1のセンサは、第1のプロセス依存性を有するプロセス依存型センサであり、第2のセンサは、前記第1のプロセス依存性とは異なる第2のプロセス依存性を有するプロセス依存型センサである。このような実施例による方法の場合、場合によっては高価で、且つ、時間のかかるプロセス独立型センサは不要であり、たとえば比較的費用有効性が高く、且つ、高速のプロセス依存型センサのみを使用することができる。このような方法は、比較的時間有効性に優れている場合がある。
【0106】
本発明の他の実施例による、基板を支持するための支持テーブルを備えたリソグラフィ装置内の基板を露光する方法には、プロセス依存型センサである第1のセンサを使用して少なくとも1つの基板の一部の第1の測定を実行するステップであって、第1の測定が高さ測定であるステップと、前記少なくとも1つの基板の同じ部分の第2の測定を実行するステップであって、第2の測定にイン・レジスト焦点測定方法が含まれているステップと、第1の測値と第2の測値の差に基づいて第1のセンサのオフセット誤差マップを作成し、且つ、このオフセット誤差マップを記憶装置に記憶するステップと、第1のセンサを使用して高さ測定を実行することにより、前記基板又は前記部分と類似した処理が施された他の基板の複数の部分のハイト・マップを作成し、且つ、オフセット誤差マップによってこのハイト・マップを修正するステップと、このハイト・マップを記憶装置に記憶するステップと、前記基板又は他の基板が基板テーブルによって露光位置で支持されると、それらを露光するステップであって、ハイト・マップを使用して露光位置が制御されるステップが含まれている。
【0107】
本発明の他の実施例による、基板を支持するための支持テーブルを備えたリソグラフィ装置内の基板を露光する方法には、プロセス依存型センサである第1のセンサを使用して少なくとも1つの基板の一部の第1の測定を実行するステップであって、第1の測定が高さ測定であるステップと、前記少なくとも1つの基板の同じ部分の第2の高さ測定を実行するステップであって、第2の高さ測定にイン・レジスト焦点測定方法が含まれているステップと、第1の測値と第2の測値の差に基づいて第1のセンサのオフセット誤差マップを作成し、且つ、このオフセット誤差マップを記憶装置に記憶するステップと、第1のセンサを使用して高さ測定を実行することによって、前記基板又は前記部分と類似した処理が施された他の基板の複数の部分のハイト・マップを作成するステップと、このハイト・マップを記憶装置に記憶するステップと、前記基板又は他の基板が基板テーブルによって露光位置で支持されると、それらを露光するステップであって、オフセット誤差マップによって修正している間、ハイト・マップを使用して露光位置が制御されるステップが含まれている。
【0108】
このような方法の場合、センサのプロセス依存型誤差は、プロセス依存型センサの読み値が既に読み取られている位置と同じ位置に生じる焦点外れの測値を使用して(つまり、実質的に同じ位置の測定を実行し、且つ、読み値を読み取ることによって)決定することができる。異なるセンサ及び異なる方法を使用して、たとえば、基板の理想ポイントではないが、特定の知覚領域又は位置の高さ或いは焦点外れを測定することができる。このような知覚手段の形状及びサイズは、センサ及び方法に応じて異なっていても良い。したがって「同じ位置」という用語は、「実質的に同じ位置」を意味するものとして解釈されたい。
【0109】
本発明の他の実施例による基板を露光する方法によれば、イン・レジスト焦点測定方法には、焦点露光マトリックス(FEM)及び焦点感応マークのうちの少なくとも1つが使用されている。焦点感応マークは、たとえば光学投影システムへの非テレセントリシティの導入に基づいて使用することができる。有利であることが期待されるイン・レジスト焦点測定方法を実行する方法については、本明細書においてより詳細に説明されている。
【0110】
本発明の一実施例によるデバイス製造方法は、さらに、基板を提供するステップと、照明システムを使用して放射の投影ビームを提供するステップと、投影ビームの断面にパターンを付与するためにパターニング構造を使用するステップと、パターン化された放射のビームを基板の目標部分に投射するステップを含むことができる。
【0111】
本発明の一実施例によるリソグラフィ装置は、放射の投影ビームを提供するための照明システムと、投影ビームの断面にパターンを付与するように機能するパターニング構造を支持するための支持構造と、基板を保持するための基板テーブルと、パターン化されたビームを基板の目標部分に投射するための投影システムを備えることができる。
【0112】
このようなリソグラフィ投影装置は、さらに、少なくとも1つの基板の一部の第1の高さ測定を実行するようになされた、プロセス依存型センサである第1のセンサと、前記少なくとも1つの基板の同じ部分の第2の高さ測定を実行するようになされた第2のセンサと、プロセッサと、記憶装置を備えることができる。前記プロセッサは、第1の高さ測値と第2の高さ測値の差に基づいて前記第1のセンサのオフセット誤差マップを作成し、且つ、このオフセット誤差マップを記憶装置に記憶するようになされている。また、第1のセンサは、第1のセンサを使用して高さ測定を実行することによって、前記基板又は前記部分と類似した処理が施された他の基板の複数の部分のハイト・マップを作成するようになされている。また、プロセッサは、オフセット誤差マップによってこのハイト・マップを修正するようになされており、さらに、このハイト・マップを記憶装置に記憶するようになされている。リソグラフィ装置は、前記基板又は他の基板が基板テーブルによって露光位置で支持されると、それらを露光するようになされている。露光位置は、ウェハ・テーブル・センサ及びハイト・マップを使用して制御される。
【0113】
本発明の他の実施例によるリソグラフィ装置は、放射の投影ビームを提供するための照明システムと、投影ビームの断面にパターンを付与するように機能するパターニング構造を支持するための支持構造と、基板を保持するための基板テーブルと、パターン化されたビームを基板の目標部分に投射するための投影システムを備えている。このようなリソグラフィ投影装置は、さらに、少なくとも1つの基板の一部の第1の高さ測定を実行するようになされた、プロセス依存型センサである第1のセンサと、前記少なくとも1つの基板の同じ部分の第2の高さ測定を実行するようになされた第2のセンサと、第1のセンサ、第2のセンサ及び記憶装置と通信するようになされたプロセッサを備えることができる。プロセッサは、第1の高さ測値と第2の高さ測値の差に基づいて第1のセンサのオフセット誤差マップを作成し、且つ、このオフセット誤差マップを記憶装置に記憶するようになされている。また、第1のセンサは、第1のセンサを使用して高さ測定を実行することによって、前記基板又は前記部分と類似した処理が施された他の基板の複数の部分のハイト・マップを作成するようになされている。また、プロセッサは、このハイト・マップを記憶装置に記憶するようになされている。リソグラフィ装置は、前記基板又は他の基板が基板テーブルによって露光位置で支持されると、それらを露光するようになされている。露光位置は、オフセット誤差マップによって修正するプロセッサによって修正されている間、ウェハ・テーブル・センサ及びハイト・マップを使用して制御される。
【0114】
上で既に説明したように、PDOEマップの決定は、たとえばプロセス独立型センサを使用することによって時間のかかるプロセスになる場合がある(空気マイクロメータ及び走査ニードル・プロファイラの測定は速度が遅い)。しかしながら、目標部分Cが類似している場合、同じようなPDOEマップになる可能性があるため、類似している目標部分C毎に特定のPDOEマップを一度決定するだけで十分である場合がある。類似したすべての目標部分Cに対して、PDOEマップを1つ作成するだけで十分である場合がある。類似した目標部分CにPDOEマップを使用するこの技法は、以下で説明するようにさらに発展させることができる。
【0115】
基板Wに加えられる層は、通常、完全に平らではない。たとえば、SiO層を塗布し、化学機械研磨技法(CMP)を使用して平坦化する場合、基板Wの中心領域のSiO層がより分厚くなり、基板Wの縁に近い領域のSiO層がより薄くなることがある。その結果、基板Wの中心領域のプロセス依存型誤差と縁に近い領域のプロセス依存型誤差が異なることになることは理解されよう。
【0116】
このような変化の結果、基板Wの中心で実行された測定に基づくPDOEマップは、基板Wの縁の近傍で非常に不正確になることがある。この問題に対処するために、基板Wの表面を異なる領域に分割することができる。基板Wの表面は、たとえば第1の部分Iと第2の部分IIに分割することができる。第1の部分は、基板Wの中央の円形領域であり、第2の部分は、第1の部分Iで覆われていない基板Wの残りの部分、つまり基板Wの縁に沿ったリング/環状形の領域である。図4は、これを示したものである。
【0117】
この場合、上で説明した方法に従って、第1の部分Iに対する第1のPDOEマップを決定し、且つ、第2の部分IIに対する第2のPDOEマップを決定することができる。上で説明したセンサ11などのプロセス依存型センサを使用して基板Wのハイト・マップを決定する場合、第1及び第2のPDOEマップの情報が使用される。センサ11を使用して測定を実行し、基板Wの第1の部分Iのハイト・マップを決定する場合、第1のPDOEマップを使用して、測定を実行した位置に応じて高さ測値が修正される。センサ11を使用して測定を実行し、基板Wの第2の部分IIのハイト・マップを決定する場合、第2のPDOEマップを使用して高さ測値が修正される。
【0118】
基板Wを3つ以上の部分に分割し、精度をさらに高くすることができることは理解されよう。これらの部分は、必ずしも図4に示す実施例のような回転対称である必要はなく、任意の形状にすることができる。
【0119】
他の代替によれば、本発明による方法は、補間アルゴリズムを使用することによってより正確になる。この補間アルゴリズムによって、基板Wに対するプロセス変動が連続的に修正される。図5は、中央部分の厚さが縁の近傍より分厚い全体形状を有する基板Wの横断面図を示したものである。図5は、基板Wの縁に近い第1の位置A(たとえば目標部分)、及び基板Wの中央の第2の位置B(たとえば他の目標部分)でPDOEマップが決定されることを示している。図5には、第1及び第2の位置A、BのPDOEマップがa及びbで示されている。ここで基板の全体形状を考慮すると、補間技法を使用して位置Aと位置Bの間の領域のPDOEマップを決定することができる。
【0120】
基板Wの全体形状に関する追加情報を利用することができない場合、図5にダッシュ線iで示すように、一次補間を使用することができる。全体形状に関する追加情報を利用することができる場合、その情報を使用して、状況により適した補間技法を使用することができる。たとえば、第1の位置Aと第2の位置Bの間の基板の形状が凹形であるか凸形であるかを示す情報を利用することができる。図5に示す、基板Wの中央部分の厚さが比較的分厚い実施例では、二次多項式補間技法を使用することができ、それにより、図5にダッシュ線iiで示す補間曲線が得られる。
【0121】
PDOEマップを作成し、且つ、使用する基礎をなしている一般的な着想は、類似した処理が施された目標部分Cのプロセス依存型誤差が同じであることである。しかしながら、それにもかかわらず、異なる基板W間で差異が生じることがある。バッチ(たとえば25枚の基板セット)が異なる基板Wは差異を示すことがある。また、上で説明した、一般的には5枚の基板Wセットで実施されるCMP処理は、異なるセット間で基板Wのプロセス依存性が異なる原因になることがある。したがって、場合によってはバッチ及び/又はセット毎にPDOEマップを決定することが必要であるが、それはどちらかと言えば時間のかかるプロセスである。
【0122】
本発明の他の代替によれば、より時間有効性の高い方法が提案される。たとえば基板Wの第1のセットに対して決定されたPDOEマップが更新され、基板Wの第2のセットに使用される。この更新は、第2のセットの1つ又は複数の基板Wに対して実行された比較的少数の測値に基づいて実施される。これらの測値によって、第2のセットの基板W上の特定の位置におけるPDOEに関する情報が提供される。第2のセットのこれらのPDOEと第1のセットの対応するPDOEを比較することができる。第1のセットのPDOEと第2のセットのPDOEの差に基づいて第1のセット全体のPDOEマップを修正し、第2のセットに使用することができるPDOEマップを決定することができる。この修正は、既に決定済みのPDOEマップに追加されるオフセットであっても良いが、利得係数を含むことも可能である。したがって、第2のセットの1つ又は複数の基板Wに対して実施される、上で説明した第1及び第2のセンサ11、12を使用した測定は、比較的少数の測定しか実施されない。
【0123】
上で説明した方法によれば、第1及び第2のセンサを使用して基板Wの高さが測定される。露光ツールが動作している間は第1のセンサを使用することができ、より速度の遅い第2のセンサを使用してこの第1のセンサが較正される。第1のセンサは比較的速度の速いセンサであっても良いが、その測定原理(たとえば光学的原理、電気的原理)により、基板Wのタイプ及び基板Wに適用される処理に依存する測定のプロセス依存性の影響を受け易い。第2のセンサは比較的速度が遅くても良いが、測定すべき基板の表面のあらゆる処理誘導効果に鈍感になることがある。第2のセンサの測値を使用して第1のセンサのオフセットが決定される。第1のセンサの測値は、露光におけるフィードフォワードに使用されることに留意されたい。
【0124】
高さの測定だけでなく、基板Wの他の特性の測定にもこれと同じ原理を使用することができることは理解されよう。たとえばオーバレイの目的にこれと同じ原理を使用することができる。
【0125】
オーバレイを目的とする場合、基板Wに提供されたマークの位置は、x軸及びy軸が露光すべき基板Wの表面の平面に実質的に存在し、且つ、z軸が基板Wの表面に対して実質的に直角であるXY平面で測定される。
【0126】
基板Wを処理している間、これらのマークがひずみ、そのためにマークの測定に誤差が生じる。この問題は、現在、これらのマークを測定するための、2つの波長を含んだ測定ビームを使用した光センサを使用することによって対処されている。測定ビームによって基板Wの表面が走査され、測定ビームがマークに当たると、そのマークによって回折パターンが生成される。走査中、光センサによって回折パターン次数の強度が測定される。回折次数の最大値を基板Wの相対位置の関数として決定することによって、これらのマークの位置を決定することができる。しかしながら、これは、比較的時間及び費用のかかる解決法である。
【0127】
本発明によれば、第1及び第2のセンサをオーバレイの目的に使用することができ、第2のセンサを使用して第1のセンサが較正される。第2のセンサは、マークの実際の位置を測定することなくそのプロファイルを測定することができる比較的正確な測定デバイスであっても良い。この第2のセンサは、比較的速度の遅いセンサであっても良い。トンネル顕微鏡、表面プロファイル測定デバイス又は適切な他の任意のセンサは、このような第2のセンサの実施例である。決定されたマークのプロファイルから、このマークによって生成される回折パターンを計算することができる。
【0128】
たとえば、マークの左側が損傷した場合、回折次数の最大強度は、損傷していないマークに対して右側に移動した位置に見出されることになる。この知識に基づいて、測定したマークの位置を修正するために使用することができるオフセットを計算することができる。したがって、第1のセンサを使用したマークの測値と第2のセンサを使用した測値の間のオフセットを計算することができ、計算したオフセットを使用して第1のセンサを較正することができる。
【0129】
したがって、第1のセンサに対する補助的なセンサである第2のセンサの原理は、オーバレイ・センサ及び焦点センサの両方に共通である。いずれの場合においても、第1のセンサには、すべての基板のすべてのマークを測定することができる比較的速度の速いセンサを使用することができる。第2のセンサには、同じ方法で処理される基板Wのバッチ全体の典型的なオフセットを測定することができる比較的速度の遅いセンサを使用することができる。第2のセンサが測定するのは、そのバッチの1つ又はいくつかの基板Wの1つ又はいくつかのマークのみであり、したがって第1のセンサの追加オフセットを決定している。
【0130】
基本原理は、第2のセンサが他の物理方法を使用して、第1のセンサが感応する物理パラメータと同じ物理パラメータ又は追加物理パラメータのいずれかを測定していることである。第2のセンサにはすべてのマークを測定する必要がないため、比較的速度の遅いセンサを使用することができる。比較的速度の遅いセンサを使用することができるため、このようなセンサをより容易に捜し出すことができる。
【0131】
以上、本発明の特定の実施例について説明したが、特許請求する本発明は、説明した以外の方法でも実践することができることは理解されよう。たとえば、上記方法の実施例は、装置を制御し、それにより本明細書において説明した方法を実行するようになされた1つ又は複数のコンピュータ、プロセッサ及び/又は処理装置(たとえば複数の論理素子のアレイ)を備えることも可能であり、或いはこのような方法を記述した命令(たとえば複数の論理素子のアレイによる実行が可能な命令)を含むようになされたデータ記憶媒体(たとえば磁気ディスク若しくは光ディスク、又はROM、RAM或いはフラッシュRAMなどの半導体記憶装置)を備えることも可能である。これらの実施例についての説明には、特許請求する本発明の制限は一切意図されていないことを明確に留意されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定方法であって、
基板の第1の部分の少なくとも1つの高さを測定するために第1のセンサを使用するステップと、
前記基板の前記第1の部分の少なくとも1つの高さを測定するために第2のセンサを使用するステップと、
前記第1のセンサを使用して測定した前記少なくとも1つの高さ、及び前記第2のセンサを使用して測定した前記少なくとも1つの高さに基づいて、前記第1のセンサのオフセット誤差の第1の特性表示を生成するステップと、
基板の第2の部分の複数の高さを測定するために前記第1のセンサを使用するステップと、
前記第1の特性表示及び基板の前記第2の部分の前記複数の高さに基づいて、基板の前記第2の部分の第2の特性表示を生成するステップと、を含む、
方法。
【請求項2】
前記第1の部分及び前記第2の部分が同じ基板の部分である、請求項1に記載の測定方法。
【請求項3】
前記第1の部分及び前記第2の部分が異なる複数の基板の部分である、請求項1に記載の測定方法。
【請求項4】
前記方法が、前記第2の特性表示に基づいて基板を露光するステップをさらに含む、請求項1に記載の測定方法。
【請求項5】
前記方法が、前記露光ステップに先立って前記第2の特性表示を記憶するステップをさらに含む、請求項4に記載の測定方法。
【請求項6】
第2の特性表示を生成する前記ステップが前記露光ステップの間に生じる、請求項4に記載の測定方法。
【請求項7】
基板を露光する前記ステップが、前記第2の特性表示に基づいて前記基板の位置を制御するステップを含む、請求項4に記載の測定方法。
【請求項8】
基板を露光する前記ステップが、パターン化された放射のビームを露光すべき基板の目標部分に投射するステップを含み、
前記目標部分の少なくとも一部が放射線感応材料の層で覆われた、請求項4に記載の測定方法。
【請求項9】
前記第2の特性表示にハイト・マップが含まれている、請求項1に記載の測定方法。
【請求項10】
前記方法が、
異なる複数の基板の複数の部分の第1の複数の高さを測定するために前記第1のセンサを使用するステップと、
異なる複数の基板の前記複数の部分の第2の複数の高さを測定するために第2のセンサを使用するステップと、をさらに含み、
第1の特性表示を生成する前記ステップが、前記第1及び第2の複数の高さに基づいている、請求項1に記載の測定方法。
【請求項11】
前記第1の部分が基板の複数のサブ部分を含む、請求項10に記載の測定方法。
【請求項12】
基板の第1の部分の少なくとも1つの高さを測定するために第1のセンサを使用する前記ステップが、前記第1の部分の光学特性及び前記第1の部分の電気特性のうちの少なくともいずれか1つの特性に基づいて高さを測定するステップを含む、請求項1に記載の測定方法。
【請求項13】
基板の第1の部分の少なくとも1つの高さを測定するために第2のセンサを使用する前記ステップが、前記第1の部分の光学特性及び電気特性以外の特性に基づいて高さを測定するステップを含む、請求項1に記載の測定方法。
【請求項14】
前記第1のセンサがプロセス依存型センサである、請求項1に記載の測定方法。
【請求項15】
前記第1のセンサが第1のプロセス依存性を有するプロセス依存型センサであり、
前記第2のセンサが、前記第1のプロセス依存性とは異なる第2のプロセス依存性を有するプロセス依存型センサである、請求項1に記載の測定方法。
【請求項16】
前記第2のセンサがプロセス独立型センサである、請求項1に記載の測定方法。
【請求項17】
第1の部分の少なくとも1つの高さを測定するために第2のセンサを使用する前記ステップが、前記第1の部分の高さを測定するために、空気マイクロメータ、外部プロファイラ及び走査ニードル・プロファイラのうちの少なくとも1つを使用するステップを含む、請求項1に記載の測定方法。
【請求項18】
基板の第1の部分の少なくとも1つの高さを測定するために第1のセンサを使用する前記ステップが、前記第1の部分の光学特性及び前記第1の部分の電気特性のうちの1つに基づいて高さを測定するステップを含み、
基板の第1の部分の少なくとも1つの高さを測定するために第2のセンサを使用する前記ステップが、前記第1の部分の光学特性及び電気特性以外の特性に基づいて高さを測定するステップを含む、請求項1に記載の測定方法。
【請求項19】
前記第1の特性表示及び前記第2の特性表示が、いずれも前記基板の表面の所定の部分の内側で実行された測定に基づいている、請求項1に記載の測定方法。
【請求項20】
いずれも前記基板の表面の他の所定の部分の内側で実行された測定に基づいて、他の第1の特性表示及び他の第2の特性表示が生成される、請求項19に記載の測定方法。
【請求項21】
基板の第1の部分に対して実行された測定に基づいて前記第1の特性表示が決定され、前記基板の第2の部分に対して実行された測定に基づいて第2の特性表示が決定され、前記第1及び前記第2の特性表示の補間に基づいて他の特性表示が決定される、請求項1に記載の測定方法。
【請求項22】
複数の基板の第1のグループに対するオフセット誤差の第1の特性表示が決定され、且つ、複数の基板の第2のグループの基板の少なくとも1つの高さを測定するために、複数の基板の前記第1のグループに対する前記オフセット誤差の前記第1の特性表示と、前記第1及び第2のセンサによって実行された測定に基づいて、複数の基板の前記第2のグループに対する他の第1の特性表示が決定される、請求項1に記載の測定方法。
【請求項23】
請求項1に記載の方法に従って製造されたデバイス。
【請求項24】
測定方法であって、
基板の第1の部分の少なくとも1つの高さを測定するために第1のセンサを使用するステップと、
前記基板の前記第1の部分の少なくとも1つの高さを測定するためにイン・レジスト焦点測定を使用するステップと、
前記第1のセンサを使用して測定した前記少なくとも1つの高さ、及びイン・レジスト焦点測定を使用して測定した前記少なくとも1つの高さに基づいて、前記第1のセンサのオフセット誤差の第1の特性表示を生成するステップと、
基板の第2の部分の複数の高さを測定するために前記第1のセンサを使用するステップと、
前記第1の特性表示及び基板の前記第2の部分の前記複数の高さに基づいて、基板の前記第2の部分の第2の特性表示を生成するステップと、を含む、
方法。
【請求項25】
前記イン・レジスト焦点測定を使用して測定される高さが、焦点露光マトリックス及び焦点感応マークのうちの少なくとも1つを使用した結果に基づいている、請求項24に記載の測定方法。
【請求項26】
前記第1の部分及び前記第2の部分が同じ基板の部分である、請求項24に記載の測定方法。
【請求項27】
前記第1の部分及び前記第2の部分が異なる複数の基板の部分である、請求項24に記載の測定方法。
【請求項28】
前記方法が、前記第2の特性表示に基づいて基板を露光するステップをさらに含む、請求項24に記載の測定方法。
【請求項29】
前記方法が、前記露光ステップに先立って前記第2の特性表示を記憶するステップをさらに含む、請求項28に記載の測定方法。
【請求項30】
第2の特性表示を生成する前記ステップが前記露光ステップの間に生じる、請求項28に記載の測定方法。
【請求項31】
基板を露光する前記ステップが、前記第2の特性表示に基づいて前記基板の位置を制御するステップを含む、請求項28に記載の測定方法。
【請求項32】
前記第2の特性表示にハイト・マップが含まれている、請求項24に記載の測定方法。
【請求項33】
前記方法が、
異なる複数の基板の複数の部分の第1の複数の高さを測定するために前記第1のセンサを使用するステップと、
異なる複数の基板の前記複数の部分の第2の複数の高さを測定するために前記イン・レジスト焦点測定を使用するステップと、をさらに含み、
第1の特性表示を生成する前記ステップが、前記第1及び第2の複数の高さに基づいている、請求項24に記載の測定方法。
【請求項34】
前記第1の部分が基板の複数のサブ部分を含む、請求項33に記載の測定方法。
【請求項35】
基板の第1の部分の少なくとも1つの高さを測定するために第1のセンサを使用する前記ステップが、前記第1の部分の光学特性及び前記第1の部分の電気特性のうちの少なくともいずれか1つの特性に基づいて高さを測定するステップを含む、請求項24に記載の測定方法。
【請求項36】
前記第1のセンサがプロセス依存型センサである、請求項24に記載の測定方法。
【請求項37】
基板の第1の部分の少なくとも1つの高さを測定し、且つ、基板の第2の部分の複数の高さを測定するようになされた第1のセンサと、
前記基板の前記第1の部分の少なくとも1つの高さを測定するようになされた第2のセンサと、
(1)前記第1のセンサを使用して測定した前記少なくとも1つの高さ、及び前記第2のセンサを使用して測定した前記少なくとも1つの高さに基づいて、前記第1のセンサのオフセット誤差の第1の特性表示を生成するようになされ、且つ、(2)前記第1の特性表示及び基板の前記第2の部分の前記複数の高さに基づいて、基板の前記第2の部分の第2の特性表示を生成するようになされたプロセッサと、を備えた、
リソグラフィ装置。
【請求項38】
前記装置が、
所望のパターンに従って放射のビームをパターン化するようになされたパターニング構造と、
基板を保持するようになされた基板テーブルと、
パターン化されたビームを前記基板テーブルによって保持されている基板の目標部分に投射するようになされた投影システムと、をさらに備え、
前記装置が、前記第2の特性表示に基づいて前記基板テーブルを配置するようになされた、請求項37に記載のリソグラフィ装置。
【請求項39】
前記装置が、前記放射のビームを提供するようになされた放射システムをさらに備えた、請求項38に記載のリソグラフィ装置。
【請求項40】
前記目標部分の少なくとも一部が放射線感応材料の層で覆われた、請求項37に記載のリソグラフィ装置。
【請求項41】
前記第1のセンサが、前記第1の部分の光学特性及び前記第1の部分の電気特性のうちの少なくとも1つに基づいて前記第1の部分の高さを測定するようになされた、請求項37に記載のリソグラフィ装置。
【請求項42】
前記第2のセンサが、前記第1の部分の光学特性及び電気特性以外の特性に基づいて高さを測定するようになされた、請求項37に記載のリソグラフィ装置。
【請求項43】
前記第1のセンサがプロセス依存型センサである、請求項37に記載のリソグラフィ装置。
【請求項44】
前記第2のセンサがプロセス独立型センサである、請求項37に記載のリソグラフィ装置。
【請求項45】
前記装置が、前記第1及び第2の特性表示のうちの少なくともいずれか一方を記憶するようになされた記憶装置をさらに備えた、請求項37に記載のリソグラフィ装置。
【請求項46】
測定方法を記述した命令を含んだデータ記憶媒体であって、前記方法が、
基板の第1の部分の少なくとも1つの高さを測定するために第1のセンサを使用するステップと、
前記基板の前記第1の部分の少なくとも1つの高さを測定するために第2のセンサを使用するステップと、
前記第1のセンサを使用して測定した前記少なくとも1つの高さ、及び前記第2のセンサを使用して測定した前記少なくとも1つの高さに基づいて、前記第1のセンサのオフセット誤差の第1の特性表示を生成するステップと、
基板の第2の部分の複数の高さを測定するために前記第1のセンサを使用するステップと、
前記第1の特性表示及び基板の前記第2の部分の前記複数の高さに基づいて、基板の前記第2の部分の第2の特性表示を生成するステップと、を含む、
データ記憶媒体。
【請求項47】
第1及び第2のセンサを使用した測定方法であって、
基板の上に配置された少なくとも1つのマークの輪郭を測定するために第2のセンサを使用するステップと、
前記第2のセンサを使用した前記少なくとも1つのマークの測値に基づいて、前記第1のセンサのオフセット誤差の特性表示を生成するステップと、
前記第1のセンサによる測値と前記特性表示に基づいてマークの位置を決定するステップと、を含む、
方法。
【請求項48】
前記第2のセンサが、トンネル顕微鏡及び表面プロファイル測定デバイスのうちのいずれかである、請求項47に記載の測定方法。
【請求項49】
請求項47に記載の方法に従って製造されたデバイス。
【請求項50】
基板の上に配置された複数のマークの複数の位置を測定するようになされた第1のセンサと、
基板の上に配置された少なくとも1つのマークの輪郭を測定するようになされた第2のセンサと、
前記第2のセンサの少なくとも1つの測値に基づいて、前記第1のセンサのオフセット誤差の特性表示を生成し、且つ、前記第1のセンサによる測値及び前記特性表示に基づいてマークの位置を決定するようになされたプロセッサと、
を備えたリソグラフィ装置。
【請求項51】
第1のセンサ及び第2のセンサを使用した測定方法を記述した命令を含んだデータ記憶媒体であって、前記方法が、
基板の上に配置された少なくとも1つのマークの輪郭を測定するために前記第2のセンサを使用するステップと、
前記第2のセンサを使用した前記少なくとも1つのマークの測値に基づいて、前記第1のセンサのオフセット誤差の特性表示を生成するステップと、
前記第1のセンサによる測値及び前記特性表示に基づいてマークの位置を決定するステップと、を含む、
データ記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−109377(P2010−109377A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−287396(P2009−287396)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【分割の表示】特願2006−546870(P2006−546870)の分割
【原出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】