説明

リハビリテーション教育用ロボット

【課題】二関節アーム装置の先端部において六方向の力を発生させるようにアクチュエータの駆動を制御することによって、人間の上肢又は下肢の筋出力と上肢又は下肢の先端の出力方向との関係を再現することができ、リハビリテーション施術訓練者が人間の上肢又は下肢の各筋の出力と上肢又は下肢の先端の出力方向との関係を体験的に学習することができるようにする。
【解決手段】所定の駆動シーケンスに従って第1〜第6アクチュエータを動作させ、第1リンクの先端部において六方向の力を発生させ、第1リンクの先端部において発生される力の方向が選択された方向となるように選択されたアクチュエータを動作させ、第1リンクの先端部を保持するリハビリテーション施術訓練者に第1リンクの先端部において発生される力の方向を体験させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リハビリテーション教育用ロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高齢者や怪我人、病人の身体の機能回復、すなわち、リハビリテーションに携わる理学療養士のトレーニングに適したリハビリテーション教育用ロボットが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−204832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来のリハビリテーション教育用ロボットにおいては、股(こ)関節及び膝(ひざ)関節の筋出力を関節トルクのみ表現しているので、人間が有する三対六筋の特性を表現することができず、リハビリテーションの訓練者は、各筋の出力を適切に学習することができなかった。
【0004】
本発明は、前記従来のリハビリテーション教育用ロボットの問題点を解決して、二関節アーム装置の先端部において六方向の力を発生させるようにアクチュエータの駆動を制御することによって、人間の上肢又は下肢の筋出力と上肢又は下肢の先端の出力方向との関係を再現することができ、リハビリテーション施術訓練者が人間の上肢又は下肢の各筋の出力と上肢又は下肢の先端の出力方向との関係を体験的に学習することができるリハビリテーション教育用ロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために、本発明のリハビリテーション教育用ロボットにおいては、第1リンクと、基端部がベースに回転可能に支持され、先端部が前記第1リンクの基端部に回転可能に接続された第2リンクと、前記第1リンクを第2リンクに対して回転させるための駆動力を発生する第1アクチュエータ及び第2アクチュエータと、前記第1リンクをベースに対して回転させるための駆動力を発生する第3アクチュエータ及び第4アクチュエータと、前記第2リンクをベースに対して回転させるための駆動力を発生する第5アクチュエータ及び第6アクチュエータとを備える二関節アーム装置を有するリハビリテーション教育用ロボットであって、所定の駆動シーケンスに従って前記第1〜第6アクチュエータを動作させ、前記第1リンクの先端部において六方向の力を発生させる制御装置を更に有し、前記第1リンクの先端部において発生される力の方向が選択された方向となるように選択されたアクチュエータを動作させ、前記第1リンクの先端部を保持するリハビリテーション施術訓練者に前記第1リンクの先端部において発生される力の方向を体験させる。
【0006】
本発明の他のリハビリテーション教育用ロボットにおいては、さらに、拮(きっ)抗する位置関係に配置されたアクチュエータが発生する駆動力が互いに拮抗するように初期状態を設定し、前記リハビリテーション施術訓練者が前記第1リンクの先端部を任意の方向に移動させたときに反力を発生するアクチュエータを検出し、該アクチュエータに対応する上肢又は下肢の筋を特定して前記リハビリテーション施術訓練者に通知する。
【0007】
本発明の更に他のリハビリテーション教育用ロボットにおいては、第1リンクと、基端部がベースに回転可能に支持され、先端部が前記第1リンクの基端部に回転可能に接続された第2リンクと、前記第1リンク及び第2リンクを各々独立して回転させるための駆動力を発生する第1アクチュエータ及び第2アクチュエータとを備える二関節アーム装置を有するリハビリテーション教育用ロボットであって、6つのアクチュエータによる駆動シーケンスを前記第1アクチュエータ及び第2アクチュエータによる駆動シーケンスに変換するアルゴリズムを備え、前記第1リンクの先端部において六方向の力を発生させる制御装置を更に有し、前記第1リンクの先端部において発生される力の方向が選択された方向となるように選択されたアクチュエータを動作させ、前記第1リンクの先端部を保持するリハビリテーション施術訓練者に前記第1リンクの先端部において発生される力の方向を体験させる。
【0008】
本発明の更に他のリハビリテーション教育用ロボットにおいては、さらに、前記リハビリテーション施術訓練者が前記第1リンクの先端部に対して任意の方向に力を作用させたときに、前記第1アクチュエータ及び第2アクチュエータに作用するトルクがあらかじめ設定された目標値と一致するように前記第1アクチュエータ及び第2アクチュエータを制御し、前記トルクが目標値と一致したときの前記第1アクチュエータ及び第2アクチュエータの回転角度及びトルクの値から前記第1リンクの先端部に作用する力の方向を算出し、算出した力の方向に基づき、力を受ける上肢又は下肢の筋を特定して前記リハビリテーション施術訓練者に通知する。
【0009】
本発明の更に他のリハビリテーション教育用ロボットにおいては、さらに、第1関節と第2関節との間を連結する二関節筋のばね要素を内部モデルとして備え、前記リハビリテーション施術訓練者が前記第1リンクの先端部に対して任意の方向に力を作用させたときに、前記第1アクチュエータ及び第2アクチュエータの回転角度を検出し、前記内部モデルに基づき、前記力を第1アクチュエータ及び第2アクチュエータに作用するトルクに換算し、該トルクを発生するために必要な駆動電圧又は駆動電流を第1アクチュエータ及び第2アクチュエータに印加して前記二関節筋のばね要素を仮想的に再現し、前記リハビリテーション施術訓練者に体験させる。
【0010】
本発明の更に他のリハビリテーション教育用ロボットにおいては、さらに、前記二関節アーム装置は、前記第1リンク及び第2リンクの表面を覆う表皮部と、上肢又は下肢の一関節筋及び二関節筋に対応する位置に配設された発光部とを備え、駆動力を発生している又は力が作用しているアクチュエータに対応する発光部を点灯させ、前記リハビリテーション施術訓練者に活性化している又は力を受けている上肢又は下肢の筋を視認させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、二関節アーム装置の先端部において六方向の力を発生させるようにアクチュエータの駆動を制御するようになっている。これにより、人間の上肢又は下肢の筋出力と上肢又は下肢の先端の出力方向との関係を再現することができ、リハビリテーション施術訓練者が人間の上肢又は下肢の各筋の出力と上肢又は下肢の先端の出力方向との関係を体験的に学習することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の第1の実施の形態における二関節アーム装置の構成を示す図、図2は本発明の第1の実施の形態における第2関節部の側面を示す図、図3は本発明の第1の実施の形態における第1関節部の側面を示す図である。
【0014】
図1において、10は本実施の形態におけるリハビリテーション教育用ロボットに含まれる二関節アーム装置であって、人間の下肢、すなわち、脚の部分を模した構造を有する。なお、前記二関節アーム装置10は、人間の上肢、すなわち、腕の部分を模した構造を有するものであってもよいが、ここでは下肢を模した構造を有するものである場合について説明する。
【0015】
そして、11は、下肢を模した構造の二関節アーム装置10の下腿(たい)に該当する第1リンクであり、12は、下肢を模した構造の二関節アーム装置10の上腿に該当する第2リンクである。また、13は、腰に該当するベースとしてのフレームであり、基端部(図1における左端部)が、図示されない土台等に固定された固定部材33に固着されている。そして、前記フレーム13の先端部(図1における右端部)には、股関節に該当する第2関節部15を介して、第2リンク12の基端部が回転可能に接続されている。さらに、第2リンク12の先端部には、膝関節に該当する第1関節部14を介して、第1リンク11の根本端部が回転可能に接続されている。
【0016】
また、16〜21はアクチュエータとしての第1アクチュエータ〜第6アクチュエータであり、22は前記第1リンク11に第1アクチュエータ16及び第2アクチュエータ17を固定する第1ブラケット、23は前記フレーム13に第5アクチュエータ20及び第6アクチュエータ21を固定する第2ブラケットである。そして、24〜31はワイヤであり、ワイヤ24は第2アクチュエータ17と第2リンク固定膝プーリ14aとを連結し、ワイヤ25は第1アクチュエータ16と第2リンク固定膝プーリ14aとを連結し、ワイヤ26は第3アクチュエータ18と第1リンク固定膝プーリ14bとを連結し、ワイヤ27は第3アクチュエータ18とフレーム固定股プーリ15bとを連結し、ワイヤ28は第4アクチュエータ19と第1リンク固定膝プーリ14bとを連結し、ワイヤ29は第4アクチュエータ19とフレーム固定股プーリ15bとを連結し、ワイヤ30は第5アクチュエータ20と第2リンク固定股プーリ15aとを連結し、ワイヤ31は第6アクチュエータ21と第2リンク固定股プーリ15aとをそれぞれ連結している。
【0017】
この場合、第1アクチュエータ16及び第2アクチュエータ17並びに第3アクチュエータ18及び第4アクチュエータ19は、第1リンク11及び第2リンク12を各々独立して回転させるための駆動力を発生する。また、第5アクチュエータ20及び第6アクチュエータ21は、第1リンク11及び第2リンク12をフレーム13に対して同時に回転させるための駆動力を発生する。
【0018】
図2に示されるように、第2関節部15は、プーリとしての第2リンク固定股プーリ15a及びフレーム固定股プーリ15bを有する。そして、第2リンク固定股プーリ15aは、第2リンク12に回転しないように固定され、フレーム固定股プーリ15bはフレーム13に回転しないように固定されている。また、第2リンク12とフレーム13とはブッシュ15cによって連結されており、相互に回転可能となっている。そして、15dはエンコーダであり、第2リンク12に対するフレーム13の回転角度を測定する。また、ワイヤ31及びワイヤ30は、第2リンク固定股プーリ15aに巻き付けられ、終端が第2リンク固定股プーリ15aに固定されている。同様に、ワイヤ29及びワイヤ27は、フレーム固定股プーリ15bに巻き付けられ、終端がフレーム固定股プーリ15bに固定されている。
【0019】
また、図3に示されるように、第1関節部14は、プーリとしての第2リンク固定膝プーリ14a及び第1リンク固定膝プーリ14bを有する。そして、第2リンク固定膝プーリ14aは第2リンク12に回転しないように固定され、第1リンク固定膝プーリ14bは第1リンク11に回転しないように固定されている。また、第1リンク11と第2リンク12とはブッシュ14cによって連結されており、相互に回転可能となっている。そして、14dはエンコーダであり、第2リンク12に対する第1リンク11の回転角度を測定する。また、ワイヤ24及びワイヤ25は第2リンク固定膝プーリ14aに巻き付けられ、終端が第2リンク固定膝プーリ14aに固定されている。同様に、ワイヤ28及びワイヤ26は第1リンク固定膝プーリ14bに巻き付けられ、終端が第1リンク固定膝プーリ14bに固定されている。
【0020】
次に、前記第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21の構成について説明する。
【0021】
図4は本発明の第1の実施の形態におけるアクチュエータの構成を示す図、図5は本発明の第1の実施の形態における二関節アーム装置の動作を制御する制御装置を示す回路ブロック図である。
【0022】
本実施の形態において、前記第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21は、実質的に同一の構成を備え、図4に示されるように、モータ40、ウォーム41、はすば歯車42、ラック43、第1ポテンショメータ44、第2ポテンショメータ45、ばね46、第1ブラケット47、第2ブラケット48及びワイヤ49を有する。該ワイヤ49は、図1に示されるワイヤ24〜31のアクチュエータ側の端部に該当し、第1ブラケット47に固定されている。なお、ワイヤ24〜31の反対側の端部は、第2リンク固定膝プーリ14a、第1リンク固定膝プーリ14b、第2リンク固定股プーリ15a及びフレーム固定股プーリ15bに固定されている。また、第1アクチュエータ16及び第2アクチュエータ17においては、モータ40が第1ブラケット22に固定され、第5アクチュエータ20及び第6アクチュエータ21においては、モータ40が第2ブラケット23に固定されている。さらに、第3アクチュエータ18及び第4アクチュエータ19においては、モータ40が第2リンク固定股プーリ15a及びフレーム固定股プーリ15bに固定されている。
【0023】
ここで、前記ばね46は、弾性を有する材質であれば、金属以外の材質から成るものであってもよく、例えば、合成樹脂から成るものであってもよい。そして、前記ばね46は、図4に示される例においては、コイルばねであり、コイルの軸心が第1ブラケット47及びラック43に固定された第2ブラケット48の面に対して垂直に延在するように配設されている。そして、前記ラック43が平行移動することによって、ばね46の位置が変化するようになっている。
【0024】
そして、前記ラック43は、図示されない固定部材に固定されたガイド部材に沿って、図4における左右方向にスライド可能に取り付けられ、前記はすば歯車42と噛(か)み合っている。なお、前記ラック43における噛み合い歯は、前記はすば歯車42側の面、すなわち、図4における上側面に形成されている。
【0025】
また、前記はすば歯車42は、図示されない固定部材に固定された回転軸に回転可能に取り付けられている。そして、前記はすば歯車42は、図4における下側の部分において前記ラック43と噛み合うとともに、図4における上側の部分において前記ウォーム41と噛み合っている。この場合、前記はすば歯車42は、ウォームホイールとして機能し、ウォーム41によって、回転軸を中心として回転させられる。
【0026】
ここで、前記ウォーム41は、前記モータ40の回転軸に取り付けられて、回転させられるようになっている。なお、前記モータ40の回転軸及びウォーム41は、図4において左右方向に延在する軸の回りに回転する。これにより、前記モータ40によってウォーム41が回転させられると、該ウォーム41に噛み合っているはすば歯車42が回転させられ、さらに、該はすば歯車42に噛み合っている前記ラック43が図4における左右方向に移動させられる。
【0027】
そして、前記モータ40は、図示されない固定部材に固定され、図5に示されるドライバ53〜58からの駆動電流によって駆動され、回転軸を所定の方向に所定の速度で回転させるようになっている。なお、前記モータ40は、例えば、DCモータであるが、いかなる種類のモータであってもよい。
【0028】
ここで、二関節アーム装置10の動作を制御する制御装置は、図5に示されるような構成を有する。図5において、50は演算手段としてのCPUであり、該CPU50で実行されるプログラム等を記憶するROM51、及び、前記CPU50がプログラムを実行する際のデータ等を一時記憶するRAM52が接続されている。また、前記CPU50には、第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21を動作させるための駆動回路としてのドライバ53〜58が接続されている。該ドライバ53〜58は、前記CPU50の指示を受けて第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21を動作させる。さらに、前記CPU50には、第2リンク12に対する第1リンク11の回転角度を測定するエンコーダ14d、及び、第2リンク12に対するフレーム13の回転角度を測定するエンコーダ15dが接続されている。
【0029】
そして、前記CPU50は、ネットワーク等によって図示されない上位装置と通信可能に接続されている。ここで、該上位装置は、CPU、MPU等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、キーボード、マウス等の入力手段、CRT、液晶ディスプレイ等の表示手段、通信手段等を備えるコンピュータであり、前記二関節アーム装置10の動作を統括的に制御する装置である。そして、前記CPU50は、あらかじめ組み込まれたプログラム又は入力手段から入力されたオペレータの指令に従って、前記ドライバ53〜58に制御信号を送信して、前記モータ40を駆動させる。
【0030】
例えば、前記CPU50が第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21に収縮させる方向の出力を発生させる収縮指令を送信すると、前記モータ40が駆動され、該モータ40の回転軸及びウォーム41が所定方向に回転する。すると、該ウォーム41に噛み合っているはすば歯車42が回転させられ、さらに、該はすば歯車42に噛み合っている前記ラック43が図4における左方向に移動させられる。そして、前記ばね46が左方向に移動させられ、前記第1ブラケット47が左方向に移動させられる。
【0031】
このように、前記モータ40、ウォーム41、はすば歯車42及びラック43は、弾性体としてのばね46の一端の位置を制御する手段として機能する。また、第1ブラケット47は、前記ばね46の他端からばね46の弾性力、すなわち、ばね力を第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21の出力として取り出す手段として機能する。また、ドライバ53〜58は収縮力を発生する旨の指令を受ける手段として機能する。
【0032】
次に、前記構成のリハビリテーション教育用ロボットの動作について説明する。まず、二関節アーム装置10の動作について説明する。
【0033】
図6は本発明の第1の実施の形態におけるアクチュエータの駆動シーケンスと力の方向を示す図、図7は本発明の第1の実施の形態における二関節アーム装置の先端部で発生する力の方向を示す図、図8は本発明の第1の実施の形態における二関節アーム装置が模す下肢の構造を示す図である。なお、図6の縦軸はアクチュエータの出力を〔%〕単位で示している。
【0034】
図7において、a〜fは第1リンク11の先端部に発生する力の方向を示したものであり、例えば、図7のa方向に力を発生させる場合には、図6の駆動シーケンスaのように、第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21の出力を制御することによって実現することができる。このように、図6の駆動シーケンスa〜fは、図7の力の発生方向a〜fに対応している。なお、図7において、O1 は先端部の中心を示し、O2 は第1関節部14の中心を示し、O3 は第2関節部15の中心を示している。
【0035】
また、図8に示されるような人間の下肢において、32は腸腰筋であって第6アクチュエータ21がこれに対応し、33は大腿直筋であって第4アクチュエータ19がこれに対応し、34は外側広筋であって第2アクチュエータ17がこれに対応し、35大殿筋であって第5アクチュエータ20がこれに対応し、36はハムストリングスであって第3アクチュエータ18がこれに対応し、37は大腿二頭筋短頭であって第1アクチュエータ16がこれに対応する。なお、図6には、第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21の各々と、前述の下肢における各筋との対応関係が示されている。
【0036】
また、第1アクチュエータ16の出力をF2、第2アクチュエータ17の出力をE2、第3アクチュエータ18の出力をF3、第4アクチュエータ19の出力をE3、第5アクチュエータ20の出力をF1、第6アクチュエータ21の出力をE1とし、図6に示される駆動シーケンスに従って各アクチュエータを駆動したときのa〜fの発生力を示すと、該発生力が、図7に示されるように、六角形になることが知られている。
【0037】
さらに、線分ab及び線分deの長さはF3とE3との和に等しく、線分bc及び線分efの長さはF2とE2との和に等しく、線分cd及び線分afの長さはF1とE1との和に等しいことが知られている。
【0038】
次に、第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21の出力について説明する。
【0039】
図4に示されるように、ワイヤ24〜31のアクチュエータ側の端部に該当するワイヤ49は、第1ブラケット47に固定されている。また、ワイヤ24〜31の反対側の端部は、第2リンク固定膝プーリ14a、第1リンク固定膝プーリ14b、第2リンク固定股プーリ15a及びフレーム固定股プーリ15bに固定されている。そして、第1アクチュエータ16及び第2アクチュエータ17においては、モータ40が第1ブラケット22に固定され、第5アクチュエータ20及び第6アクチュエータ21においては、モータ40が第2ブラケット23に固定されている。さらに、第3アクチュエータ18及び第4アクチュエータ19においては、モータ40が第2リンク固定股プーリ15a及びフレーム固定股プーリ15bに固定されている。
【0040】
ここで、ワイヤ49が弛(ゆる)みなく張られ、かつ、該ワイヤ49の張力が0である状態をアクチュエータ出力0とする。そして、アクチュエータ出力0の状態から、モータ40を駆動し、第2ブラケット48を矢印方向に最大量移動させた位置においてワイヤ49の張力が最大となった状態をアクチュエータ出力100〔%〕とする。
【0041】
次に、リハビリテーション施術訓練者としての訓練者によるリハビリテーション教育用ロボットの使用方法について説明する。
【0042】
図9は本発明の第1の実施の形態における下肢の先端の出力方向を選択する画面の例を示す図、図10は本発明の第1の実施の形態における下肢の筋力を設定する画面の例を示す図である。
【0043】
図において、200はCRT、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の表示装置としてのディスプレイである。該ディスプレイ200は、二関節アーム装置10の動作を制御する制御装置の上位装置が備える表示手段の一部であってもよいが、ここでは、前記制御装置又は上位装置に接続された操作端末の表示手段であるものとする。
【0044】
まず、訓練者は、図9に示されるような操作端末のディスプレイ200に表示された入力画面で、下肢の先端部の出力方向を入力する。そして、該出力方向が入力されると、それに対応した筋、例えば、a方向を選択した場合は、a方向の出力をするために必要な筋の色が画面上で変化することで、訓練者が認識することができるようになっている。
【0045】
次に、訓練者は、図7に示されるような二関節アーム装置10の先端部の中心O1 近傍を保持し、操作端末を操作して準備が完了したことを入力する。このとき、入力操作は、操作端末のキーボードのリターンキーを押下でもよいし、操作端末の備える音声認識機能を利用した音声入力であってもよい。そして、準備が完了したことが入力されると、操作端末は、前記制御装置又は上位装置に対してコマンドを送信する。すると、前記制御装置又は上位装置は、受信したコマンドに対応するアクチュエータを選択する。
【0046】
ここでは、a方向が選択されているので、図6に示されるシーケンスに従って、第2アクチュエータ17、第4アクチュエータ19及び第5アクチュエータ20が選択される。そして、前記第2アクチュエータ17、第4アクチュエータ19及び第5アクチュエータ20をあらかじめ設定されている力で駆動すると、先端部はa方向に移動を開始する。すると、訓練者は、前記先端部を保持しているので、力の方向、すなわち、a方向と力の大きさとを体感することができる。
【0047】
また、訓練者は、図10に示されるような入力画面で、各筋の発生する力をあらかじめ設定することができるので、筋力のばらつきによる力の発生する方向や力の大きさを学習するこが可能となる。
【0048】
さらに、訓練者に力の方向や各筋の設定値を知らせずに上記の操作を実施し、訓練者が力の方向や大きさを判断して結果を報告することによって、訓練者の能力試験等にも応用することができる。
【0049】
このように、本実施の形態において、リハビリテーション教育用ロボットには、人間の上肢又は下肢の筋構造が組み込まれている。そのため、上肢又は下肢における各筋の出力及び先端部の力の方向を再現することができ、訓練者は、上肢又は下肢における各筋の出力及び先端部の力の方向を体験的に学習することができる。
【0050】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0051】
図11は本発明の第2の実施の形態における下肢の姿勢を設定する画面の例を示す図、図12は本発明の第2の実施の形態における下肢の筋力を設定する画面の例を示す図、図13は本発明の第2の実施の形態における二関節アーム装置の先端部で発生する力を説明する図である。
【0052】
まず、訓練者は、図11に示されるような操作端末のディスプレイ200に表示された入力画面で、股関節角度及び膝関節角度を入力して下肢の姿勢を決定する。次に、訓練者は、図12に示されるような操作端末のディスプレイ200に表示された入力画面で、各拮抗筋、すなわち、外側広筋34と大腿二頭筋短頭37、腸腰筋32と大殿筋35、及び、大腿直筋33とハムストリングス36の収縮力を任意の値に設定する。そして、入力準備が完了すると、操作端末は、二関節アーム装置10の動作を制御する制御装置又は上位装置に対してコマンドを送信する。
【0053】
すると、前記制御装置は、図13に示されるように、股関節角度及び膝関節角度が入力された値である目標角度θ1 及びθ2 となるように、エンコーダ14d及び15dを参照しつつ、第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21を制御する。
【0054】
そして、股関節角度及び膝関節角度が目標角度(股関節角度=θ1 、膝関節角度=θ2 )に到達した後、前記制御装置は、第1アクチュエータ16と第2アクチュエータ17、第3アクチュエータ18と第4アクチュエータ19、及び、第5アクチュエータ20と第6アクチュエータ21が、それぞれ、設定された収縮力となるようにばね46に変位を与えるように、各アクチュエータの第1ポテンショメータ44及び第2ポテンショメータ45を参照しつつ、各アクチュエータのモータ40を制御する。前記第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21の制御が完了した時点で、操作端末は、訓練者に準備完了を報知し、続いて、第1リンク11の先端部、すなわち、二関節アーム装置10の先端部を保持して、リハビリテーションの施術を実施するよう訓練者に指示する。
【0055】
図13において、r1 は第2リンク固定股プーリ15aの半径、r2 は第1リンク固定膝プーリ14bの半径、l1 は第2リンク12の長さ、l2 は第1リンク11の長さである。また、θ1 及びθ2 は、図13に示されるように定義される。さらに、第1アクチュエータ16の出力をFf2 、第2アクチュエータ17の出力をFe2 、第3アクチュエータ18の出力をFf3 、第4アクチュエータ19の出力をFe3 、第5アクチュエータ20の出力をFf1 、第6アクチュエータ21の出力をFe1 とする。
【0056】
ここで、二関節アーム装置10の先端部の出力のx軸成分をFx及びy軸成分をFyとすると、Fx及びFyは次の式(1)で表される。
【0057】
【数1】

但し、r=r1 =r2
初期状態では、Ff1 =Fe1 、Ff2 =Fe2 、Ff3 =Fe3 であるので、Fx= Fy= 0となり、二関節アーム装置10の先端部の出力は0となる。
【0058】
この状態から、訓練者が図7におけるa方向に二関節アーム装置10の先端部を動かし、リハビリテーションの施術を開始したとする。このとき、第6アクチュエータ21のばね46には圧縮される方向に力が働くので、前記制御装置は、第6アクチュエータ21の出力が大きくなると判断する。反対に、第5アクチュエータ20のばね46には伸びる方向に力が働くので、前記制御装置は、第5アクチュエータ20の出力が小さくなると判断する。同様に、前記制御装置は、第1アクチュエータ16及び第3アクチュエータ18の出力が大きくなり、第2アクチュエータ17及び第4アクチュエータ19の出力が小さくなると判断する。
【0059】
これは、対となるアクチュエータ同士が拮抗している状態からa方向に力が加えられたために、d方向に反力が発生したことを意味し、出力が大きいと判断されたアクチュエータがd方向の反力発生に寄与している。そのため、前記制御装置は、第6アクチュエータ21、第1アクチュエータ16及び第3アクチュエータ18を上位装置に通知し、操作端末のディスプレイ200に表示させる。これにより、訓練者は、自分のリハビリテーションの施術によってどのアクチュエータに負荷を与えているかを、操作端末のディスプレイ200の表示で確認することができる。
【0060】
このように、本実施の形態においては、訓練者が各筋の収縮力を設定すると、設定された収縮力に対応する出力を各アクチュエータが発生し、訓練者が二関節アーム装置10の先端部を保持してリハビリテーションの施術を実施すると、それに対する反力を発生するアクチュエータを表示するようになっている。そのため、訓練者は、自身のリハビリテーション動作によってどのアクチュエータに負荷がかかっているかを容易に判別することができ、リハビリテーションの効果を認識することができる。
【0061】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0062】
図14は本発明の第3の実施の形態における二関節アーム装置の構成を示す正面図、図15は本発明の第3の実施の形態における二関節アーム装置の構成を示す側面図、図16は本発明の第3の実施の形態における二関節アーム装置の動作を制御する制御装置を示す回路ブロック図である。
【0063】
図において、100は本実施の形態におけるリハビリテーション教育用ロボットに含まれる二関節アーム装置であって、人間の下肢を模した構造を有する。
【0064】
そして、65は下腿に該当する第1リンクであり、64は上腿に該当する第2リンクである。また、77は、腰に該当するベースとしてのフレームである。そして、該フレーム77には、股関節に該当する第2関節部115を介して、第2リンク64の根本端部が回転可能に接続されている。さらに、第2リンク64の先端部には、膝関節に該当する第1関節部114を介して、第1リンク65の根本端部が回転可能に接続されている。
【0065】
第2関節部115は、第2リンク64の基端部に固定されたプーリとしての第2リンク固定股プーリ61を有する。該第2リンク固定股プーリ61は、ブッシュ72を介して、第1ブラケット75に回転可能に取り付けられている。なお、該第1ブラケット75はフレーム77に固定されている。
【0066】
また、該フレーム77には、第2ブラケット74を介して、第1のアクチュエータとしての第1モータ68が固定されている。そして、該第1モータ68の出力軸には、直接又は図示されない減速機を介して、プーリとしての第2リンク駆動プーリ60が取り付けられている。さらに、ワイヤ66が第2リンク駆動プーリ60及び第2リンク固定股プーリ61に巻き付けられ、その終端が第2リンク駆動プーリ60及び第2リンク固定股プーリ61に固定されている。
【0067】
さらに、第2関節部115は、プーリとしてのフレーム固定股プーリ62を有する。該フレーム固定股プーリ62は、第2リンク固定股プーリ61と同軸上で回転可能なように、第3ブラケット76に取り付けられている。なお、該第3ブラケット76はフレーム77に固定されている。また、前記フレーム固定股プーリ62は、第3ブラケット76に固定された第2のアクチュエータとしての第2モータ69の出力軸に、直接又は図示されない減速機を介して、取り付けられている。
【0068】
一方、第1関節部114は、第1リンク65の基端部に固定されたプーリとしての第1リンク固定膝プーリ63を有する。該第1リンク固定膝プーリ63は、ブッシュ73を介して、第2リンク64の先端部に回転可能に取り付けられている。そして、ワイヤ67がフレーム固定股プーリ62及び第1リンク固定膝プーリ63に巻き付けられ、その終端がフレーム固定股プーリ62及び第1リンク固定膝プーリ63に固定されている。
【0069】
なお、70及び71はエンコーダであり、第2関節部115の回転中心O2 におけるフレーム77に対する第2リンク64の回転角度、及び、第1関節部114の回転中心O3 における第2リンク64に対する第1リンク65の回転角度を各々測定する。また、78及び79は、第1モータ68及び第2モータ69の出力軸又は減速後の出力軸のトルクを計測するためのトルクセンサであり、前記出力軸に作用するトルクを測定する。
【0070】
本実施の形態において、二関節アーム装置100の動作を制御する制御装置は、図16に示されるような構成を有する。図16において、150は演算手段としてのCPUであり、該CPU150で実行されるプログラム等を記憶するROM151、及び、前記CPU150がプログラムを実行する際のデータ等を一時記憶するRAM152が接続されている。また、前記CPU150には、第1モータ68及び第2モータ69を動作させるための駆動回路としてのドライバ153及び154が接続されている。前記ドライバ153及び154は、前記CPU150の指示を受けて第1モータ68及び第2モータ69を動作させる。さらに、前記CPU150には、第2リンク64に対する第1リンク65の回転角度を測定するエンコーダ70、及び、フレーム77に対する第2リンク64の回転角度を測定するエンコーダ71が接続されている。さらに、トルクセンサ78及び79の出力は、A/D変換器178及び179を介して、CPU150に入力される。
【0071】
そして、前記CPU150は、ネットワーク等によって図示されない上位装置と通信可能に接続されている。ここで、該上位装置は、CPU、MPU等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、キーボード、マウス等の入力手段、CRT、液晶ディスプレイ等の表示手段、通信手段等を備えるコンピュータであり、前記二関節アーム装置100の動作を統括的に制御する装置である。そして、前記CPU150は、あらかじめ組み込まれたプログラム又は入力手段から入力されたオペレータの指令に従って、前記ドライバ153及び154に制御信号を送信して、第1モータ68及び第2モータ69を駆動させる。
【0072】
次に、本実施の形態における二関節アーム装置100の動作について説明する。
【0073】
図17は本発明の第3の実施の形態における二関節アーム装置の制御ブロック図、図18は本発明の第3の実施の形態における二関節アーム装置の先端部で発生する力の方向を示す図である。
【0074】
ここでは、前記第1の実施の形態における図6〜10を参照しながら説明する。
【0075】
図7に示されるような前記第1の実施の形態における二関節アーム装置10において、第1アクチュエータ16の出力をFf2 、第2アクチュエータ17の出力をFe2 、第3アクチュエータ18の出力をFf3 、第4アクチュエータ19の出力をFe3 、第5アクチュエータ20の出力をFf1 、第6アクチュエータ21の出力をFe1 とし、第1関節部14及び第2関節部15を構成するプーリーの半径をrとする。
【0076】
また、図14及び15に示されるような本実施の形態における二関節アーム装置100において、第1モータ68の発生トルクをT1 、第2モータ69の発生トルクをT2 とする。すると、本実施の形態における二関節アーム装置100の第1モータ68及び第2モータ69が発生するトルクT1 及びT2 と、前記第1の実施の形態における二関節アーム装置10の各アクチュエータの出力との関係は、次の式(2)及び(3)で表される。
1 =(Ff1 −Fe1 )r+(Ff3 −Fe3 )r・・・式(2)
2 =(Ff2 −Fe2 )r+(Ff3 −Fe3 )r・・・式(3)
そして、該式(2)及び(3)を取り入れた制御ブロックを作成すると、図17に示されるようになる。図17において、90及び91はコントローラ、92及び93は第1モータ68及び第2モータ69の伝達関数、94及び95はトルクセンサ78及び79の変換係数(入力は角度、出力はトルク)である。
【0077】
まず、訓練者は、図9に示されるような操作端末のディスプレイ200に表示された入力画面で、下肢の先端部の出力方向を入力する。そして、該出力方向が入力されると、それに対応した筋、例えば、a方向を選択した場合は、a方向の出力をするために必要な筋の色が画面上で変化することで、訓練者が認識することができるようになっている。
【0078】
次に、訓練者は、図18に示されるような二関節アーム装置100の先端部の中心O1 近傍を保持し、操作端末を操作して準備が完了したことを入力する。このとき、入力操作は、操作端末のキーボードのリターンキーを押下でもよいし、操作端末の備える音声認識機能を利用した音声入力であってもよい。そして、準備が完了したことが入力されると、操作端末は、制御装置又は上位装置に対してコマンドを送信する。すると、前記制御装置又は上位装置は、受信したコマンドに対応するアクチュエータを選択する。
【0079】
ここでは、a方向が選択されているので、前記第1の実施の形態における二関節アーム装置10の場合、図6に示されるシーケンスに従って、第2アクチュエータ17、第4アクチュエータ19及び第5アクチュエータ20が選択される。
【0080】
そこで、第2アクチュエータ17の出力をFe2 、第4アクチュエータ19の出力をFe3 、及び、第5アクチュエータ20の出力をFf1 として、それぞれ、図17に示されるような制御ブロックの入力値として設定する。なお、その他のアクチュエータの出力は0とする。
【0081】
すると、入力された設定値から第1モータ68が発生するトルクの目標値T1 ref、及び、第2モータ69が発生するトルクの目標値T2 refがそれぞれ算出され、コントローラ90及び91によって出力される操作量に基づいて、第1モータ68及び第2モータ69の制御が開始される。
【0082】
そして、前記第1モータ68及び第2モータ69の制御が開始されると、二関節アーム装置100の先端部はa方向に移動を開始する。すると、訓練者は、先端部の中心O1 近傍を保持しているので、力の方向、すなわち、a方向と力の大きさとを体感することができる。
【0083】
また、訓練者は、図10に示されるような入力画面で、各筋の発生する力をあらかじめ設定することができるので、筋力のばらつきによる力の発生する方向や力の大きさを学習するこが可能となる。
【0084】
さらに、訓練者に力の方向や各筋の設定値を知らせずに上記の操作を実施し、訓練者が力の方向や大きさを判断して結果を報告することによって、訓練者の能力試験等にも応用することができる。
【0085】
このように、本実施の形態においては、各アクチュエータの駆動シーケンスと各アクチュエータの出力が各関節の及ぼずトルクとの関係から、第1のアクチュエータとしての第1モータ68及び第2のアクチュエータとしての第2モータ69の出力するトルクを算出することによって、6個のアクチュエータを使用する場合と同等の効果を2個のアクチュエータを使用することで再現することができる。そのため、二関節アーム装置100を小型化することができ、また、二関節アーム装置100のコストを低減することができる。
【0086】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1〜第3の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0087】
図19は本発明の第4の実施の形態における目標トルクを説明する図、図20は本発明の第4の実施の形態における二関節アーム装置の動作を説明する図、図21は本発明の第4の実施の形態におけるアクチュエータの駆動シーケンスと力の方向を示す図である。
【0088】
本実施の形態におけるリハビリテーション教育用ロボットの構成は、前記第3の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。また、動作の説明については、前記第2及び第3の実施の形態における図11〜13及び17を参照しながら説明する。
【0089】
訓練者は、図11に示されるような操作端末のディスプレイ200に表示された入力画面で、股関節角度及び膝関節角度を入力して下肢の姿勢を決定する。次に、訓練者は、図12に示されるような操作端末のディスプレイ200に表示された入力画面で、各拮抗筋、すなわち、外側広筋34と大腿二頭筋短頭37、腸腰筋32と大殿筋35、及び、大腿直筋33とハムストリングス36の収縮力を任意の値に設定する。そして、入力準備が完了すると、操作端末は、二関節アーム装置100の動作を制御する制御装置又は上位装置に対してコマンドを送信する。
【0090】
すると、前記制御装置は、図13に示されるように、股関節角度及び膝関節角度が入力された値である目標角度θ1 及びθ2 となるように、エンコーダ70及び71を参照しつつ、第1のアクチュエータとしての第1モータ68及び第2のアクチュエータとしての第2モータ69を制御する。
【0091】
そして、股関節角度及び膝関節角度が目標角度(股関節角度=θ1 、膝関節角度=θ2 )に到達した後、前記制御装置は、入力された各筋の収縮力を図17に示される制御ブロックに入力する。すると、入力された設定値から第1モータ68が発生するトルクの目標値T1 ref、及び、第2モータ69が発生するトルクの目標値T2 refがそれぞれ算出され、コントローラ90及び91によって出力される操作量に基づいて、第1モータ68及び第2モータ69の制御が開始される。
【0092】
この時点で、操作端末は、訓練者に準備完了を報知し、続いて、第1リンク65の先端部、すなわち、二関節アーム装置100の先端部を保持して、リハビリテーションの施術を実施するよう訓練者に指示する。すると、訓練者は、二関節アーム装置100の先端部を保持して、リハビリテーションの施術を開始する。
【0093】
ここでは、図20において、d方向とe方向との中間方向に力を入れた場合を考える。このとき、股関節角度及び膝関節角度が変化し、この角度の変化量に応じてトルク量が制御される。図19は、その一例を示している。初期角度(ここでは、θ1 及びθ2 )からあらかじめ設定された角度までは、角度とトルクを比例的に変化させ、設定された角度以上となると、トルクが目標値となるように制御される。
【0094】
次に、第1モータ68及び第2モータ69の発生するトルクT1 及びT2 とそれぞれの目標値T1 ref及びT2 refとが一致した時点で、その時の股関節角度θ1 及び膝関節角度θ2 を検出して、次の式(4)より、二関節アーム装置100の先端部の出力のx軸成分をFx及びy軸成分をFyを算出する。
【0095】
【数2】

入力された姿勢が図20のような場合を考える。第1リンク65と第2リンク64との長さが等しく、先端部の中心点O1 と第2関節部115の回転中心O2 とが同一直線上にあり、かつ、線分O2 −O3 とO1 −O3 とが成す角度が90度であるとき、a方向及びd方向は線分O2 −O1 上にあり、b方向及びe方向は線分O2 −O3 と平行となり、c方向及びf方向は線分O3 −O1 上にある。そして、先端部の中心点O1 を原点として、x軸及びy軸を図20のように採って、x軸から左回りにθを採ると、図21のようになる。
【0096】
ここで、前記式(4)によって求めた(Fx、Fy)をx−y平面上にプロットし、x軸と成す角度をθxyとして求めて図21上にプロットする。プロットされた位置で、駆動状態となっているF1、E2、E3及びF3が実際に動作していることを示している。これは、d方向とe方向との中間の方向に力が加えられたため、反対側のa方向とb方向との中間の方向に反力が発生したことを示している。ここで、Flは腸腰筋32に、E2は大腿二頭筋短頭37に、E3はハムストリングス36に、F3は大腿直筋33にそれぞれ対応している。
【0097】
そして、制御装置は、F1(腸腰筋32)、E2(大腿二頭筋短頭37)、E3(ハムストリングス36)及びF3(大腿直筋33)を上位装置に通知し、操作端末のディスプレイ200に表示させる。これにより、訓練者は、自分のリハビリテーションの施術によってどのアクチュエータに負荷を与えているのかを、操作端末のディスプレイ200の表示で確認することができる。
【0098】
このように、本実施の形態においては、股関節と、膝関節に働くトルクと、回転角度とから先端部の出力方向を算出し、その方向から駆動状態となっている仮想的なアクチュエータを求めるようになっている。これにより、訓練者は、自身のリハビリテーション動作によって、どの仮想的アクチュエータに負荷がかかっているのか容易に判別することができる。そのため、訓練者は、リハビリテーションの効果を認識することができるようになる。また、二関節アーム装置100の小型化、低コスト化が可能となる。
【0099】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第1〜第4の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1〜第4の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0100】
図22は本発明の第5の実施の形態における二関節アーム装置の制御ブロック図、図23は本発明の第5の実施の形態におけるばね要素を説明する図である。
【0101】
本実施の形態におけるリハビリテーション教育用ロボットの構成は、前記第3の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0102】
本実施の形態において、二関節アーム装置100の制御ブロック図は、図22に示されるようになっている。ここで、110は第1モータ68の伝達関数であり、第1リンク65及び第2リンク64回りの慣性モーメントを含んでいる。同様に、101は第2モータ69の伝達関数であり、第1リンク65回りの慣性モーメントを含んでいる。
【0103】
そして、102及び103は、コントローラであって、トルクの目標値T1 ref及びT2 refに応じた電圧を制御対象である伝達関数110及び101に印加する。また、106及び107は、図23に示されるようなばね要素Kと関節の回転中心からばねが作用する点までの距離(半径)Rとを含む伝達関数である。さらに、104及び105は、ばね要素Kにより発生するトルクと同等なトルクを第1モータ68及び第2モータ69が発生するために必要な電圧に変換するための係数である。
【0104】
図22において、Ff1 〜Ff3 及びFe1 〜Fe3 を0としたとき、トルクの目標値T1 ref及びT2 refは0となり、第1モータ68及び第2モータ69には電圧が印加されない。
【0105】
この状態で、図14に示されるような関節アーム装置100の先端部を訓練者が保持し、任意の方向に動かしたとき、股関節角度θ1 及び膝関節角度θ2 が変化する。このときの初期値からの変化量をそれぞれΔθ1 及びΔθ2 とすると、第1モータ68及び第2モータ69の発生するトルクTK1及びTK2は、それぞれ、次の式(5)及び(6)のように算出される。
K1=Δθ1 ×2KR2 ・・・式(5)
K2=Δθ2 ×2KR2 ・・・式(6)
トルクTK1及びTK2は、第1モータ68及び第2モータ69に対して相互に作用するため、前記第1モータ68及び第2モータ69に印加する電圧VK1及びVK2は、それぞれ、次の式(7)及び(8)のように算出される。
K1=(−Δθ1 ×2KR2 +Δθ2 ×2KR2 )×Rm /Kt ・・・式(7)
K2=(Δθ1 ×2KR2 −Δθ2 ×2KR2 )×Rm /Kt ・・・式(8)
算出された電圧VK1及びVK2を第1モータ68及び第2モータ69にそれぞれ印加すると、前記第1モータ68及び第2モータ69は、TK1及びTK2のトルクをそれぞれ発生する。これにより、関節アーム装置100の先端部に力が発生するので、訓練者はこの力を反力として感じることになる。これは、図23に示されるばね要素Kが外力を与えられたことによって発生する力であり、二関節筋のばね要素を再現している。
【0106】
このように、本実施の形態においては、二関節筋の弾性要素をモデル化し、股関節及び膝関節の初期状態からの回転角度変化を計測し、弾性要素を二つの関節軸に働くトルクとして求め、関節を駆動する第1モータ68及び第2モータ69の駆動電圧値に変換し、第1モータ68及び第2モータ69を駆動するようになっている。これにより、二関節筋の働きを仮想的に再現することができ、二関節筋の弾性要素としての働きを、訓練者に体験させることができる。
【0107】
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。なお、第1〜第5の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1〜第5の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0108】
図24は本発明の第6の実施の形態における二関節アーム装置の構成を示す図、図25は本発明の第6の実施の形態における二関節アーム装置の動作を制御する制御装置を示す回路ブロック図である。
【0109】
図において、210は本実施の形態におけるリハビリテーション教育用ロボットに含まれる二関節アーム装置であって、人間の下肢を模した構造を有する。前記二関節アーム装置210は、機構部120及び表皮部121を有する。なお、前記機構部120は、前記第1の実施の形態における二関節アーム装置10及び前記第3の実施の形態における二関節アーム装置100と同様のものであるので、その構成及び動作についての説明は省略する。
【0110】
また、前記表皮部121は、発泡ゴム、ウレタンフォーム等の軟質の材料から成り、機構部120の表面を覆うように形成されている。そして、前記表皮部121には、ランプ、発光ダイオード等の発光要素から成る発光部122〜127が配設されている。ここで、発光部122は腸腰筋32を示し、発光部123は大腿直筋33を示し、発光部124は外側広筋34を示し、発光部125は大殿筋35を示し、発光部126はハムストリングス36を示し、発光部127は大腿二頭筋短頭37を示している。そして、発光部122〜127は、対応するそれぞれの筋の位置に配設されている。
【0111】
また、発光部122〜127の色は、股関節周りの一関節筋に対応する発光部122及び125、二関節筋に対応する発光部123及び126、並びに、膝関節周りの一関節筋に対応する発光部124及び127毎に対となって、色分けされている。なお、これは一例であって、色分けの仕方は任意に設定することができる。
【0112】
さらに、前記表皮部121は、少なくとも発光部122〜127を覆う部分は、透明又は半透明な材料から成り、発光部122〜127の点灯を外部から視認することができるようになっている。なお、発光部122〜127の色分けは、ランプ、発光ダイオード等の発光要素自体の発光色を変化させて行ってもよいし、表皮部121における発光部122〜127を覆う部分の色を変化させて行ってもよい。
【0113】
図25に示されるように、本実施の形態における制御装置は、図16に示されるような前記第2の実施の形態における制御装置に、発光部122〜127を駆動するドライバとしての発光駆動回路130〜135を追加したものである。なお、ここでは、前記発光部122〜127の発光要素が発光ダイオードであるものとする。
【0114】
発光駆動回路130〜135の各々は、発光部122〜127の各々に接続されており、これにより、CPU150の指示を受けて、発光部122〜127を点灯及び消灯させることができる。
【0115】
なお、本実施の形態における制御装置は、図5に示されるような前記第1の実施の形態における制御装置に発光駆動回路130〜135を追加したものであってもよい。
【0116】
次に、本実施の形態における二関節アーム装置210の動作について説明する。
【0117】
前記第1の実施の形態のように、動作させるアクチュエータを任意に設定する場合、該当するアクチュエータを前記操作端末のディスプレイ200上に表示するとともに対応する発光部を点灯させ、訓練者に認識させる。
【0118】
また、前記第2、第4及び第5の実施の形態のように、訓練者がリハビリテーションの施術を実施して任意の方向に力を加えている場合、力を加えている方向から負荷のかかっているアクチュエータを判定し、該当するアクチュエータを操作端末のディスプレイ200に表示するとともに対応する発光部を点灯させ、訓練者に認識させる。
【0119】
さらに、前記第3の実施の形態のように、動作させるアクチュエータを制御ブロック図における入力として設定する場合、設定した仮想的なアクチュエータを操作端末のディスプレイ200に表示するとともに対応する発光部を点灯させ、訓練者に認識させる。
【0120】
このように、本実施の形態においては、人間の下肢の筋構造に対応する位置に発光部122〜127を配設し、駆動しているアクチュエータ、又は、訓練者がリハビリテーション施術時に負荷を与えているアクチュエータに対応している発光部を点灯させるようになっている。これにより、訓練者に筋肉の位置と力の方向との関係をリアルタイムに認識させることができる。
【0121】
なお、前記第1〜第6の実施の形態においては、下肢を例に説明したが、上肢においても、下肢と同様に、一関節筋と二関節筋とを有する筋配列構造を持っているので、本発明を適用することができる。
【0122】
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明の第1の実施の形態における二関節アーム装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における第2関節部の側面を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における第1関節部の側面を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるアクチュエータの構成を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における二関節アーム装置の動作を制御する制御装置を示す回路ブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるアクチュエータの駆動シーケンスと力の方向を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における二関節アーム装置の先端部で発生する力の方向を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における二関節アーム装置が模す下肢の構造を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における下肢の先端の出力方向を選択する画面の例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における下肢の筋力を設定する画面の例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における下肢の姿勢を設定する画面の例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における下肢の筋力を設定する画面の例を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態における二関節アーム装置の先端部で発生する力を説明する図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態における二関節アーム装置の構成を示す正面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態における二関節アーム装置の構成を示す側面図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態における二関節アーム装置の動作を制御する制御装置を示す回路ブロック図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態における二関節アーム装置の制御ブロック図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態における二関節アーム装置の先端部で発生する力の方向を示す図である。
【図19】本発明の第4の実施の形態における目標トルクを説明する図である。
【図20】本発明の第4の実施の形態における二関節アーム装置の動作を説明する図である。
【図21】本発明の第4の実施の形態におけるアクチュエータの駆動シーケンスと力の方向を示す図である。
【図22】本発明の第5の実施の形態における二関節アーム装置の制御ブロック図である。
【図23】本発明の第5の実施の形態におけるばね要素を説明する図である。
【図24】本発明の第6の実施の形態における二関節アーム装置の構成を示す図である。
【図25】本発明の第6の実施の形態における二関節アーム装置の動作を制御する制御装置を示す回路ブロック図である。
【符号の説明】
【0124】
10、100、210 二関節アーム装置
11、65 第1リンク
12、64 第2リンク
13、77 フレーム
16 第1アクチュエータ
17 第2アクチュエータ
18 第3アクチュエータ
19 第4アクチュエータ
20 第5アクチュエータ
21 第6アクチュエータ
68 第1モータ
69 第2モータ
121 表皮部
122、123、124、125、126、127 発光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1リンクと、
(b)基端部がベースに回転可能に支持され、先端部が前記第1リンクの基端部に回転可能に接続された第2リンクと、
(c)前記第1リンクを第2リンクに対して回転させるための駆動力を発生する第1アクチュエータ及び第2アクチュエータと、
(d)前記第1リンクをベースに対して回転させるための駆動力を発生する第3アクチュエータ及び第4アクチュエータと、
(e)前記第2リンクをベースに対して回転させるための駆動力を発生する第5アクチュエータ及び第6アクチュエータとを備える二関節アーム装置を有するリハビリテーション教育用ロボットであって、
(f)所定の駆動シーケンスに従って前記第1〜第6アクチュエータを動作させ、前記第1リンクの先端部において六方向の力を発生させる制御装置を更に有し、
(g)前記第1リンクの先端部において発生される力の方向が選択された方向となるように選択されたアクチュエータを動作させ、前記第1リンクの先端部を保持するリハビリテーション施術訓練者に前記第1リンクの先端部において発生される力の方向を体験させることを特徴とするリハビリテーション教育用ロボット。
【請求項2】
拮抗する位置関係に配置されたアクチュエータが発生する駆動力が互いに拮抗するように初期状態を設定し、前記リハビリテーション施術訓練者が前記第1リンクの先端部を任意の方向に移動させたときに反力を発生するアクチュエータを検出し、該アクチュエータに対応する上肢又は下肢の筋を特定して前記リハビリテーション施術訓練者に通知する請求項1に記載のリハビリテーション教育用ロボット。
【請求項3】
(a)第1リンクと、
(b)基端部がベースに回転可能に支持され、先端部が前記第1リンクの基端部に回転可能に接続された第2リンクと、
(c)前記第1リンク及び第2リンクを各々独立して回転させるための駆動力を発生する第1アクチュエータ及び第2アクチュエータとを備える二関節アーム装置を有するリハビリテーション教育用ロボットであって、
(d)6つのアクチュエータによる駆動シーケンスを前記第1アクチュエータ及び第2アクチュエータによる駆動シーケンスに変換するアルゴリズムを備え、前記第1リンクの先端部において六方向の力を発生させる制御装置を更に有し、
(e)前記第1リンクの先端部において発生される力の方向が選択された方向となるように選択されたアクチュエータを動作させ、前記第1リンクの先端部を保持するリハビリテーション施術訓練者に前記第1リンクの先端部において発生される力の方向を体験させることを特徴とするリハビリテーション教育用ロボット。
【請求項4】
前記リハビリテーション施術訓練者が前記第1リンクの先端部に対して任意の方向に力を作用させたときに、前記第1アクチュエータ及び第2アクチュエータに作用するトルクがあらかじめ設定された目標値と一致するように前記第1アクチュエータ及び第2アクチュエータを制御し、前記トルクが目標値と一致したときの前記第1アクチュエータ及び第2アクチュエータの回転角度及びトルクの値から前記第1リンクの先端部に作用する力の方向を算出し、算出した力の方向に基づき、力を受ける上肢又は下肢の筋を特定して前記リハビリテーション施術訓練者に通知する請求項3に記載のリハビリテーション教育用ロボット。
【請求項5】
第1関節と第2関節との間を連結する二関節筋のばね要素を内部モデルとして備え、
前記リハビリテーション施術訓練者が前記第1リンクの先端部に対して任意の方向に力を作用させたときに、前記第1アクチュエータ及び第2アクチュエータの回転角度を検出し、前記内部モデルに基づき、前記力を第1アクチュエータ及び第2アクチュエータに作用するトルクに換算し、該トルクを発生するために必要な駆動電圧又は駆動電流を第1アクチュエータ及び第2アクチュエータに印加して前記二関節筋のばね要素を仮想的に再現し、前記リハビリテーション施術訓練者に体験させる請求項3に記載のリハビリテーション教育用ロボット。
【請求項6】
前記二関節アーム装置は、前記第1リンク及び第2リンクの表面を覆う表皮部と、上肢又は下肢の一関節筋及び二関節筋に対応する位置に配設された発光部とを備え、
駆動力を発生している又は力が作用しているアクチュエータに対応する発光部を点灯させ、前記リハビリテーション施術訓練者に活性化している又は力を受けている上肢又は下肢の筋を視認させる請求項1〜5のいずれか1項に記載のリハビリテーション教育用ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2008−281926(P2008−281926A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−128009(P2007−128009)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】