説明

リパーゼ及びホスホリパーゼ阻害剤としてのイミダゾリジンカルボキサミド誘導体

本発明は、明細書に示された意味を有する一般式(I)のイミダゾリジンカルボキサミド誘導体、薬学的に使用可能なその塩、及び医薬としてのその使用に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式Iのイミダゾリジンカルボキサミド誘導体、薬学的に使用可能なその塩及び医薬としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願に記載されたイミダゾリジンカルボキサミド誘導体のほかに、類似構造の化合物が先行技術、例えば、非特許文献1に、殺菌剤としてフェニルアミノカルボニルヒダントインが特許文献1に記載されている。薬理学的作用を有する類似構造の化合物が、NK受容体アンタゴニストとして非特許文献2に記載されている。
【0003】
内皮リパーゼに対して阻害作用を有する化合物は、先行技術に、例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4又は特許文献5に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】日本特許第11147878号
【特許文献2】国際公開公報第2004/094394号
【特許文献3】国際公開公報第2004/094393号
【特許文献4】国際公開公報第2004/093872号
【特許文献5】国際公開公報第2006/111321号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Pirkle et al., Chirality 4:302-307 (1992)
【非特許文献2】J. Med. Chem. 38:923-933 (1995)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
内皮リパーゼの阻害をもたらす別の化合物を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一般式I:
【化1】

式中、
X、Yは、同一か又は異なり、−C(R3)(R4)−、−(C=O)−、−(C=S)であり、ここで、少なくとも1つのX又はYは、−(C=O)−又は−(C=S)−であり、しかし、同時に、−(C=O)−又は−(C=S)−ではあり得ず、又はX及びYは、一緒になってC(R3)=C(R3)であり;
Rは、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(CR5R6)−O(R7)、(C−C)−アルキルオキシ−(C−C)−アルキレン、
アリール、ヘテロ環、(C−C)−アルキレン−アリール、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、(C−C)−アルキレン−(C−C12)−シクロアルキルであり、ここで、シクロアルキル、アリール、ヘテロ環又はヘテロアリールは、1回又はそれ以上、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、O−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルキレン−アリール、O−(C−C)−アルキレン−アリール、S−アリール、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、N(R5)(R6)、SO−CH、SO−NH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R5)(R6)、N(R5)CO(R6)、N(R5)SO(R6)、CO(R5)、(CR5R6)m’−O(R7)、O−CO−N(R5)(R6)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R5)(R6)で置換されてもよく、ここで、アリール又はヘテロアリールは、また、1回又はそれ以上、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、O−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルキニル、N(R8)(R9)、SO−CH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R8)(R9)、N(R8)CO(R9)、N(R8)SO(R9)、CO(R8)、(CR8R9)m’’−O(R10)、O−CO−N(R8)(R9)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R8)(R9)で置換されてもよく;
【0008】
m、m’、m”は、0、1、2、3、4、5、6であり;
R5、R6、R7、R8、R9、R10は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;又は
−(C=O)−NR1aR2aであり;又は
−(C=O)−O−R1bであり;又は
R及びXは、X=−C(R3)(R4)−の場合、単環で、飽和又は部分的に不飽和の4〜7員環系、又は二環で、飽和若しくは部分的に不飽和の8〜14員環系を形成し、環系の個々の環要素は、−CHR11−、−CR11R12−、−(C=R11)−、=C(R11)−、−NR11−、−C(=O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO−シリーズからの1〜3個の原子又は原子団で代替されてもよく、但し、−O−、−S−、−SO−、−SO−シリーズからの2つのユニットは隣接できず;
R11、R12は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキル、アリール、(C−C12)−シクロアルキル、(C−C)−アルキレン−アリール、(C−C)−アルキレン−(C−C12)−シクロアルキルであり;ここで、アリール又はシクロアルキルは、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、N(R13)(R14)、SO−CH、SO−NH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R13)(R14)、N(R13)CO(R14)、N(R13)SO(R14)、CO(R13)、(CR13R14)−O(R15)、O−CO−N(R13)(R14)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R13)(R14)で置換されてもよく;
nは、0、1、2、3、4、5、6であり;
R13、R14、R15は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;
R1、R1a、R1bは、同一か又は異なり、(C−C16)−アルキル、CH−アリール、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、CH−(C−C12)−シクロアルキルであり、ここで、アリール、ヘテロアリール又はシクロアルキルは、1回又はそれ以上、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、O−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルキレン−アリール、O−(C−C)−アルキレン−アリール、S−アリール、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、N(R16)(R17)、SO−CH、SO−NH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R16)(R17)、N(R16)CO(R17)、N(R16)SO(R17)、CO(R16)、(CR16R17)−O(R18)、O−CO−N(R16)(R17)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R16)(R17)で置換されてもよく、ここで、アリール又はヘテロアリールは、また、1回又はそれ以上、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、O−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルキニル、N(R19)(R20)、SO−CH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R19)(R20)、N(R19)CO(R20)、N(R19)SO(R20)、CO(R19)、(CR19R20)o’−O(R21)、O−CO−N(R19)(R20)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R19)(R20)で置換されてもよく;
o、o’は、0、1、2、3、4、5、6であり;
R16、R17、R18、R19、R20、R21は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;又は
【0009】
式Ia:
【化2】

式中、
Wは、−C(R28)(R29)−、−C(R28)(R29)−C(R28a)(R29a)−、−C(R28)(R29)−O−であり;
R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R28a、R29aは、同一か又は異なり、水素、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、SF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、O−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルケニル、(C−C)−アルキニル、N(R30)(R31)、SO−CH、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R30)(R31)、N(R30)CO(R31)、N(R30)SO(R31)、CO(R30)、(CR30R31)−O(R32)、O−CO−N(R30)(R31)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R30)(R31)であり;
pは、0、1、2、3、4、5、6であり;
R30、R31、R32は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;又は
R22及びR28、又はR23及びR29は、それらを有する炭素原子と一緒になって、単環の5又は6員環であって、飽和の、部分的に不飽和の又は芳香族の環系を形成し、個々の環要素は、−CHR33−、−CR33R34−、=(C−R33)−で代替されてもよく;又は
R24及びR26、又はR25及びR27は、それらを有する炭素原子と一緒になって、単環の5又は6員環であって、飽和の、部分的に不飽和の又は芳香族の環系を形成し、個々の環要素は、−CHR33−、−CR33R34−、=(C−R33)−で代替されてもよく;
R33、R34は、同一か又は異なり、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、SF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、O−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルキニル、N(R35)(R36)、SO−CH、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R35)(R36)、N(R35)CO(R36)、N(R35)SO(R36)、CO(R35)、(CR35R36)−O(R37)、O−CO−N(R35)(R36)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R35)(R36)であり;
qは、0、1、2、3、4、5、6であり;
R35、R36、R37は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルである;
の基であり;
R2、R2aは、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;
R3、R4は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキル、ベンジルであり;
但し、X=CH、Y=CO、R=メチル、R2=Hの場合、R1は、ペンチル、CH−フェニル、−CH−(2−Cl−フェニル)、シクロヘキシル、−(2−メチルシクロヘキシル)ではない;
のイミダゾリジンカルボキサミド、該化合物の互変異性体及び生理学的に許容されるその塩に関する。
【0010】
好ましい実施態様は、R2が水素である式Iの化合物である。
【0011】
式Iの化合物であって、
Xが、−(C=O)−であり;そして
Yが、−C(R3)(R4)−である;
化合物が好ましい。
【0012】
式Iの化合物であって、
Yが、−(C=O)−であり;そして
Xが、−C(R3)(R4)−である;
化合物も、また、好ましい。
【0013】
特に好ましい式Iの化合物は、式中、
Yは、−(C=O)−であり;そして
Xは、−C(R3)(R4)−であり;又は
Xは、−(C=O)−であり;そして
Yは、−C(R3)(R4)−であり;
Rは、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(CR5R6)−O(R7)、フェニル、ヘテロ環、(C−C)−アルキレン−フェニル、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、(C−C)−アルキレン−(C−C12)−シクロアルキルであり;ここで、シクロアルキル、フェニル、ヘテロ環又はヘテロアリールは、1回又はそれ以上、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、O−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルキレン−アリール、O−(C−C)−アルキレン−アリール、S−アリール、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、N(R5)(R6)、SO−CH、SO−NH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R5)(R6)、N(R5)CO(R6)、N(R5)SO(R6)、CO(R5)、(CR5R6)m’−O(R7)、O−CO−N(R5)(R6)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R5)(R6)で置換されてもよく、ここで、アリール又はヘテロアリールは、また、1回又はそれ以上、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、O−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルキニル、N(R8)(R9)、SO−CH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R8)(R9)、N(R8)CO(R9)、N(R8)SO(R9)、CO(R8)、(CR8R9)m’’−O(R10)、O−CO−N(R8)(R9)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R8)(R9)で置換されてもよく;
【0014】
m、m’、m’’は、0、1、2、3、4、5、6であり;
R5、R6、R7、R8、R9、R10は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;又は
−(C=O)−NR1aR2aであり;又は
−(C=O)−O−R1bであり;又は
R及びXは、X=−C(R3)(R4)−の場合、単環で飽和の5〜7員環、又は二環で部分的に不飽和の8〜14員環系を形成し、個々の環要素は、−CHR11−、−CR11R12−、−(C=R11)−、−NR11−、−C(=O)−、−O−シリーズからの、1〜3個の原子又は原子団で代替されてもよく、但し、−O−シリーズからの2つのユニットは隣接できず;
R11、R12は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキル、フェニル、(C−C12)−シクロアルキル、(C−C)−アルキレン−フェニル、(C−C)−アルキレン−(C−C12)−シクロアルキルであり;ここで、フェニル又はシクロアルキルは、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、N(R13)(R14)、SO−CH、SO−NH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R13)(R14)、N(R13)CO(R14)、N(R13)SO(R14)、CO(R13)、(CR13R14)−O(R15)、O−CO−N(R13)(R14)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R13)(R14)で置換されてもよく;
nは、0、1、2、3、4、5、6であり;
R13、R14、R15は、互いに独立に、水素、(C−C)−アルキルであり;
R1、R1a、R1bは、同一か又は異なり、(C−C12)−アルキル、−CH−フェニル、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、−CH−(C−C12)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキルであり、ここで、フェニル、ヘテロアリール又はシクロアルキルは、1回又はそれ以上、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、O−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルキレン−フェニル、O−(C−C)−アルキレン−フェニル、S−フェニル、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、N(R16)(R17)、SO−CH、SO−NH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R16)(R17)、N(R16)CO(R17)、N(R16)SO(R17)、CO(R16)、(CR16R17)−O(R18)、O−CO−N(R16)(R17)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R16)(R17)で置換されてもよく、ここで、フェニル又はヘテロアリールは、また、1回又はそれ以上、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、N(R19)(R20)、SO−CH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R19)(R20)、N(R19)CO(R20)、N(R19)SO(R20)、CO(R19)、(CR19R20)o’−O(R21)、O−CO−N(R19)(R20)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R19)(R20)で置換されてもよく;
【0015】
o、o’は,0、1、2、3、4、5、6であり;
R16、R17、R18、R19、R20、R21は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキル;又は
式Ib:
【化3】

である;
化合物である。
【0016】
非常に特別に好ましい式Iの化合物は、式中、
Yは、−(C=O)−であり;そして
Xは、−C(R3)(R4)−であり;又は
Xは、−(C=O)−であり;そして
Yは、−C(R3(R4)−であり;
Rは、水素、(C−C)−アルキル、(CR5R6)−O(R7)、フェニル、−CH−フェニルであり、ここで、フェニルは、1回又は2回、F、Cl、Br、CF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、N(R5)(R6)、SO−CH、SO−NH、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R5)(R6)、CO(R5)、(CR5R6)m’−O(R7)で置換されてもよく;
m、m’は、0、1、2、3であり;
R5、R6、R7は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;又は
R及びXは、X=−C(R3)(R4)−の場合、単環で飽和の6員環、又は二環で部分的に不飽和の9〜11員環系を形成し、個々の環要素は、−CHR11−、−CR11R12−、−(C=R11)−、=C(R11)−シリーズからの1〜2個の原子又は原子団で代替されてもよく;
R11、R12は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;
R1は、(C−C)−アルキル、−CH−フェニル、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリールであり;ここで、ヘテロアリールは、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピリジン、ピラゾール、−CH−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキルのグループから選択され、ここで、フェニル、ヘテロアリール又はシクロアルキルは、1回又はそれ以上,F、Cl、Br、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキレン−フェニル、O−(C−C)−アルキレン−フェニル、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、N(R16)(R17)、SO−CH、SO−NH、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R16)(R17)、CO(R16)、(CR16R17)−O(R18)で置換されてもよく、ここで、フェニル又はヘテロアリールは、また、1回又はそれ以上、F、Cl、Br、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R19)(R20)、CO(R19)、(CR19R20)o’−O(R21)で置換されてもよく;
【0017】
o、o’は、0、1、2、3であり;
R16、R17、R18、R19、R20、R21は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;又は
以下のグループ;
【化4】

からの基であり;
R22、R23、R28、R29、R28a、R29aは、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり、好ましくは、水素及びメチルであり;
R2は、水素であり;
R3、R4は、同一か又は異なり、水素、メチルである;
化合物である。
【0018】
更に特別に好ましい式Iの化合物は、式中、
Yは,−(C=O)−であり;そして
Xは、−C(R3)(R4)−であり;又は
Xは、−(C=O)−であり;そして
Yは、−C(R3)(R4)−であり;
Rは、水素、(C−C)−アルキル、(CR5R6)−O(R7)、−CH−フェニルであり、ここで、フェニルは、1回又は2回、F、Cl、Br、CF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R5)(R6)、CO(R5)、(CR5R6)m’−O(R7)で置換されてもよく;
m、m’は、0、1、2、3であり;
R5、R6、R7は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;又は
R及びXは、X=−C(R3)(R4)−の場合、単環で飽和の6員環系を形成し、それにベンゼン核が縮合してもよく、個々の環系の環要素は、−CHR11−、−CR11R12−、−(C=R11)−、=C(R11)−シリーズからの1〜2個の原子団で代替されてもよく;
R11、R12は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;
R1は、(C−C)−アルキル、−CH−フェニル、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリールであり、ここで、ヘテロアリールは、チオフェン、ベンゾチオフェン、−CH−シクロヘキシル、シクロヘキシルのグループから選択され、ここで、フェニル、ヘテロアリール又はシクロヘキシルは、1回又は2回、F、Cl、OH、CF、OCF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキレン−フェニル、O−フェニル、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、N(R16)(R17)、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R16)(R17)、CO(R16)、(CR16R17)−O(R18)で置換されてもよく、ここで、フェニル又はヘテロアリールは、また、1回又は2回、F、Cl、OH、CF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R19)(R20)、CO(R19)、(CR19R20)o’−O(R21)で置換されてもよく;
【0019】
o、o’は、0、1、2、3であり;
R16、R17、R18、R19、R20、R21は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;又は
以下のグループ;
【化5】

からの基であり;
R22、R23、R28、R29、R28a、R29aは、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり、好ましくは水素及びメチルであり;
R2は、水素であり;
R3、R4は、同一か又は異なり、水素、メチルである;
化合物である。
【0020】
特に好ましい式Iの化合物は、式中、
Yは、−(C=O)−であり;そして
Xは、−C(R3)(R4)−であり;又は
Xは、−(C=O)−であり;そして
Yは、−C(R3)(R4)−であり;
Rは、水素、メチル、n−ブチル、HO−CH−、ベンジルであり;又は
R及びXは、X=−C(−R3)(R4)−の場合、−CH−CH−CH−CH−、又は以下の基:
【化6】

を形成し;
R1は、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、シクロヘキシル、−CH−シクロヘキシル、−CH−フェニル、−CH−チオフェン、−CH−CH−チオフェンであり、ここで、シクロヘキシル、フェニル又はチオフェンは、メチルで置換されてもよく;又は
【0021】
以下のグループ:
【化7】

からの基であり;
R22、R23、R28、R29、R28a、R29aは水素であり;
R2は水素であり;
R3、R4は、同一か又は異なり、水素、メチルである;
化合物である。
【0022】
本発明は、式Iの化合物であって、その塩、ラセミ体、ラセミ混合物、及び純粋エナンチオマーの形態をしたもの、並びにそのジアステレオマー及びその混合物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
式Iの化合物において、基又は置換基が1個より多く存在する場合、それらは全て、互いに独立に、記載された意味を有し、そして同一か又は異なってもよい。
【0024】
R、R1〜R37の置換基におけるアルキル又はアルキレン基は、直鎖状又は分枝鎖状であってもよい。ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、特に、フッ素又は塩素である。
【0025】
ハロアルキルは、1回若しくはそれ以上、又は完全にハロゲンで置換されたアルキルである。好ましいハロゲンは、フッ素及び塩素である。
【0026】
シクロアルキル基は、飽和又は部分不飽和(1つ又は2つの二重結合を有する)のであり、且つ、炭素原子のみから成る1つ又はそれ以上の環、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル又はアダマンチルなどを含む環系を意味する。
【0027】
シクロアルキル基は、1回又はそれ以上、好適な基、例えば:
F、Cl、Br、I、CF、NO、N、CN、COOH、COO(C−C)アルキル、CONH、CONH(C−C)アルキル、CON[(C−C)アルキル]、シクロアルキル、(C−C10)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アリール、O−CO−(C−C)−ヘテロ環;
PO、SOH、SO−NH、SONH(C−C)−アルキル、SON[(C−C)−アルキル]、S−(C−C)−アルキル、S−(CH−アリール、S−(CH−ヘテロ環、SO−(C−C)−アルキル、SO−(CH−アリール、SO−(CH−ヘテロ環、SO−(C−C)−アルキル、SO−(CH−アリール、SO−(CH−ヘテロ環、SO−NH(CH−アリール、SO−NH(CH−ヘテロ環、SO−N(C−C)−アルキル)(CH−アリール、SO−N(C−C)−アルキル)(CH−ヘテロ環、SO−N((CH−アリール)、SO−N((CH−(ヘテロ環)、ここで、nは0〜6であり、そしてアリール基又はヘテロ環基は、2回まで、F、Cl、Br、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、NHで置換されてもよい;
C(NH)(NH)、NH、NH−(C−C)−アルキル、N((C−C)−アルキル)、NH(C−C)−アシル、NH−CO−(C−C)−アルキル、NH−COO−(C−C)−アルキル、NH−CO−アリール、NH−CO−ヘテロ環、NH−COO−アリール、NH−COO−ヘテロ環、NH−CO−NH−(C−C)−アルキル、NH−CO−NH−アリール、NH−CO−NH−ヘテロ環、N(C−C)−アルキル−CO−(C−C)−アルキル、N(C−C)−アルキル−COO−(C−C)−アルキル、N(C−C)−アルキル −CO−アリール、N(C−C)−アルキル −CO−ヘテロ環、N(C−C)−アルキル−COO−アリール、N(C−C)−アルキル−COO−ヘテロ環、N(C−C)−アルキル−CO−NH−(C−C)−アルキル)、N(C−C)−アルキル−CO−NH−アリール、N(C−C)−アルキル−CO−NH−ヘテロ環、N((C−C)−アルキル)−CO−N−(C−C)−アルキル)、N((C−C)−アルキル)−CO−N((C−C)−アルキル)−アリール、N((C−C)−アルキル)−CO−N((C−C)−アルキル)−ヘテロ環、N((C−C)−アルキル)−CO−N−(アリール)、N((C−C)−アルキル)−CO−N−(ヘテロ環)、N(アリール)−CO−(C−C)−アルキル、N(ヘテロ環)−CO−(C−C)−アルキル、N(アリール)−COO−(C−C)−アルキル、N(ヘテロ環)−COO−(C−C)−アルキル、N(アリール)−CO−アリール、N(ヘテロ環)−CO−アリール、N(アリール)−COO−アリール、N(ヘテロ環)−COO−アリール、N(アリール)−CO−NH−(C−C)−アルキル)、N(ヘテロ環)−CO−NH−(C−C)−アルキル)、N(アリール)−CO−NH−アリール、N(ヘテロ環)−CO−NH−アリール、N(アリール)−CO−N−(C−C)−アルキル)、N(ヘテロ環)−CO−N−(C−C)−アルキル)、N(アリール)−CO−N((C−C)−アルキル)−アリール、N(ヘテロ環)−CO−N((C−C)−アルキル)−アリール、N(アリール)−CO−N−(アリール)、N(ヘテロ環)−CO−N−(アリール)、アリール、O−(CH−アリール、O−(CH−ヘテロ環、ここで、nは0〜6であり、且つ、アリール基又はヘテロ環基は、1〜3回、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、NH、NH(C−C)−アルキル、N((C−C)−アルキル)、SO−CH、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CONHで置換されてもよい;
で置換されてもよい。
【0028】
アリール基は、フェニル又はナフチル基を意味する。
アリール基は、1回又はそれ以上、好適な基、例えば:F、Cl、Br、I、CF、NO、CN、COOH、COO(C−C)アルキル、CONH、CONH(C−C)アルキル、CON[(C−C)アルキル]、(C−C10)−シクロアルキル、(C−C10)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アリール、PO、SOH、SO−NH、SONH(C−C)−アルキル、SON[(C−C)−アルキル]、S−(C−C)−アルキル、S−(CH−アリール、S−(CH−ヘテロ環、SO−(C−C)−アルキル、SO−(CH−アリール、SO−(CH−ヘテロ環、SO−(C−C)−アルキル、SO−(CH−アリール、SO−(CH−ヘテロ環、SO−NH(CH−アリール、SO−NH(CH−ヘテロ環、SO−N(C−C)−アルキル)(CH−アリール、SO−N(C−C)−アルキル)(CH−ヘテロ環、SO−N((CH−アリール)、SO−N((CH−(ヘテロ環)、ここで、nは0〜6であり、そしてアリール基又はヘテロ環基は、2回まで、F、Cl、Br、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、NHで置換されてもよい;
C(NH)(NH)、NH、NH−(C−C)−アルキル、N((C−C)−アルキル)、NH(C−C)−アシル、NH−CO−(C−C)−アルキル、NH−COO−(C−C)−アルキル、NH−CO−アリール、NH−CO−ヘテロ環、NH−COO−アリール、NH−COO−ヘテロ環、NH−CO−NH−(C−C)−アルキル、NH−CO−NH−アリール、NH−CO−NH−ヘテロ環、N(C−C)−アルキル−CO−(C−C)−アルキル、N(C−C)−アルキル−COO−(C−C)−アルキル、N(C−C)−アルキル−CO−アリール、N(C−C)−アルキル−CO−ヘテロ環、N(C−C)−アルキル−COO−アリール、N(C−C)−アルキル−COO−ヘテロ環、N(C−C)−アルキル−CO−NH−(C−C)−アルキル)、N(C−C)−アルキル−CO−NH−アリール、N(C−C)−アルキル−CO−NH−ヘテロ環、N((C−C)−アルキル)−CO−N−(C−C)−アルキル)、N((C−C)−アルキル)−CO−N((C−C)−アルキル)−アリール、N((C−C)−アルキル)−CO−N((C−C)−アルキル)−ヘテロ環、N((C−C)−アルキル)−CO−N−(アリール)、N((C−C)−アルキル)−CO−N−(ヘテロ環)、N(アリール)−CO−(C−C)−アルキル、N(ヘテロ環)−CO−(C−C)−アルキル、N(アリール)−COO−(C−C)−アルキル、N(ヘテロ環)−COO−(C−C)−アルキル、N(アリール)−CO−アリール、N(ヘテロ環)−CO−アリール、N(アリール)−COO−アリール、N(ヘテロ環)−COO−アリール、N(アリール)−CO−NH−(C−C)−アルキル)、N(ヘテロ環)−CO−NH−(C−C)−アルキル)、N(アリール)−CO−NH−アリール、N(ヘテロ環)−CO−NH−アリール、N(アリール)−CO−N−(C−C)−アルキル)、N(ヘテロ環)−CO−N−(C−C)−アルキル)、N(アリール)−CO−N((C−C)−アルキル)−アリール、N(ヘテロ環)−CO−N((C−C)−アルキル)−アリール、N(アリール)−CO−N−(アリール)、N(ヘテロ環)−CO−N−(アリール)、アリール、O−(CH−アリール、O−(CH−ヘテロ環、ここで、nは0〜6であり、且つ、アリール基又はヘテロ環基は、1〜3回、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、NH、NH(C−C)−アルキル、N((C−C)−アルキル)、SO−CH、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CONHで置換されてもよい;
で置換されてもよい。
【0029】
ヘテロ環は、環系における少なくとも1つの原子が、N、O及びSからのヘテロ原子である、5〜12個の環要素を含む単環又は二環系である。この定義は、また、ヘテロ環がベンゼン核と縮合する環系を含む。(C−C)−ヘテロ環は単環であり、(C−C12)−ヘテロ環は二環系である。
【0030】
好適な「ヘテロ環」又は「ヘテロ環基」としては、アゾジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダザリニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]−テトラヒドロフラン、フリル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、(ベンゾイミダゾリル)、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピロアゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、6H−1,2,5−チアダジニル、チアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チエニル、トリアゾリル、テトラゾリル及びキサンテニルがある。
【0031】
ピリジルは、2−、3−及び4−ピリジルのすべてである。チエニルは、2−及び3−チエニルの両者である。フリルは、2−及び3−フリルの両者である。
【0032】
また、これらの化合物の対応するN−オキシド、即ち、例えば、1−オキシ−2−、3−、又は4−ピリジルも含まれる。
【0033】
ヘテロ環又はヘテロ環基は、1回又はそれ以上、好適な基、例えば:
F、Cl、Br、I、CF、NO、N、CN、COOH、COO(C−C)アルキル、CONH、CONH(C−C)アルキル、CON[(C−C)アルキル]、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、O−(C−C)−アルキル、ここで、アルキル基における1つ、又は1つ以上、又は全ての水素原子がフッ素で置換されてもよい;
PO、SOH、SO−NH、SONH(C−C)−アルキル、SON[(C−C)−アルキル]、S−(C−C)−アルキル、S−(CH−フェニル、SO−(C−C)−アルキル、SO−(CH−フェニル、SO−(C−C)−アルキル、SO−(CH−フェニル、ここで、nは0〜6であり、そしてフェニル基は、2回まで、F、Cl、Br、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、NHで置換されてもよい;
C(NH)(NH)、NH、NH−(C−C)−アルキル、N((C−C)−アルキル)、NH(C−C)−アシル、フェニル、O−(CH−フェニル、ここで、nは0〜6であり、且つ、フェニル環は、1〜3回、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、NH、NH(C−C)−アルキル、N((C−C)−アルキル)、SO−CH、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CONHで置換されてもよい;
で置換されてもよい。
【0034】
ヘテロアリールは、環系における少なくとも1つの原子が、N、O及びSからのヘテロ原子である、5〜12個の環要素を含む単環又は二環の芳香族環系である。この定義は、また、ヘテロアリールがベンゼン核と縮合する環系をも含む。
【0035】
好適な「ヘテロアリール環」又は「ヘテロアリール基」は、例えば、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、キノリニル、フリル、フラザニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピロリル、チアゾリル、1,2,3−ジアジアゾリル、1,2,4−ジアジアゾリル、1,2,5−ジアジアゾリル、1,3,4−ジアジアゾリル、チオフェニルである。
【0036】
ヘテロアリール環又はヘテロアリール基は、1回又はそれ以上、好適な基、例えば:
F、Cl、Br、I、CF、NO、N、CN、COOH、COO(C−C)アルキル、CONH、CONH(C−C)アルキル、CON[(C−C)アルキル]、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、O−(C−C)−アルキル、ここで、アルキル基における1つ、又は1つ以上、又は全ての水素原子は、フッ素で置換されてもよい;
PO、SOH、SO−NH、SONH(C−C)−アルキル、SON[(C−C)−アルキル]、S−(C−C)−アルキル、S−(CH−フェニル、SO−(C−C)−アルキル、SO−(CH−フェニル、SO−(C−C)−アルキル、SO−(CH−フェニル、ここで、nは0〜6であり、そしてフェニル基は、2回まで、F、Cl、Br、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、NHで置換されてもよい;
C(NH)(NH)、NH、NH−(C−C)−アルキル、N((C−C)−アルキル)、NH(C−C)−アシル、フェニル、O−(CH−フェニル、ここで、nは0〜6であり、且つ、フェニル環は、1〜3回、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、NH、NH(C−C)−アルキル、N((C−C)−アルキル)、SO−CH、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CONHで置換されてもよい;
で置換されてもよい。
【0037】
薬学的に許容される塩は、水に対する溶解性が、元の又は基本の化合物より大きいので、特に医学用途に好適である。これらの塩は、薬学的に許容されるアニオン又はカチオンを有していなければならない。本発明の化合物の好適な薬学的に許容される酸付加塩としては、塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸、及び硫酸などの無機酸の塩、及び、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、コハク酸、p−トルエンスルホン酸及び酒石酸などの有機酸の塩がある。好適な薬学的に許容される塩基性の塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(ナトリウム、カリウム塩など)及びアルカリ土類金属塩(マグネシウム及びカルシウム塩など)、及びトロメタモール(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)、ジエタノールアミン、リシン又はエチレンジアミンの塩がある。
【0038】
薬学的に許容されないアニオン、例えば、トリフルオロアセテートも、同様に、薬学的に許容される塩の製造又は精製用として、及び/又は、非治療用途、例えば、インビトロ用途における有用な中間体として、本発明の枠組の範囲内に属する。
【0039】
本明細書で使われる、用語「生理学的機能を有する誘導体」は、式Iの本発明の化合物の生理学的に許容される誘導体であって、例えば、ヒトなどの哺乳類に投与した場合、(直接的に又は間接的に)式Iの化合物を、又はその活性な代謝物を生成することが可能なエステルである。
【0040】
生理学的機能を有する誘導体としては、また、例えば、H. Okada et al.、Chem. Pharm. Bull. 1994、42、57-61に記載されたもののような、本発明の化合物のプロドラッグを含む。その様なプロドラッグは、インビボで本発明の化合物に代謝されることが可能である。これらのプロドラッグは、それ自身、活性であっても、不活性であってもよい。
【0041】
本発明の化合物は、また、種々の多形体の形態で、例えば、非晶性及び結晶性多形体として存在することができる。本発明の化合物の全ての多形体は、本発明の枠組内に属し、そして本発明の更なる態様でもある。
【0042】
「式Iの化合物」に対するすべての言及は、これ以降、上記した式Iの化合物、及びその塩、溶媒和物、並びに本明細書に記載した生理学的機能を有する誘導体を意味する。
【0043】
用途
式Iの化合物は、内皮リパーゼ(EL)に対して驚くべき阻害作用を有する。ELの好ましい基質は、抗アテローム性動脈硬化活性を有するHDLである。HDL濃度の低下は、アテローム性動脈硬化症及びその続発症、例えば、冠動脈性心疾患などを進行させ、更に代謝症候群及びその続発症の糖尿病の発生を促進させる。ELの阻害は、従って、一般的にはアテローム性動脈硬化症を予防し、そして間接的には人が糖尿病になるリスクの確率を低減させる筈である。更に、本発明の式Iの化合物の阻害作用は、他のリパーゼに関して選択的であることが見出されている。
【0044】
式Iの化合物は、更に、少なくとも類似構造の化合物と同じくらい高い活性を保持したままで、水性媒体に対して改善した溶解性を示す。本発明の化合物は、先行技術の化合物と比較して、より高い代謝安定性及び血清安定性のような有利な特性が更に際立っている。
【0045】
この種類の化合物は、下記の治療及び/又は予防に特に好適である:
1.異常脂質血症及び一般的な脂質代謝障害、並びに、例えば、アテローム性動脈硬化症、冠動脈性心疾患、脳血管障害などのその続発症、特に下記の要因の1つ又はそれ以上によって特徴付けられるもの(しかし、これらに限定されない):
・高血漿トリグリセリド濃度(食後の高血漿トリグリセリド濃度)
・低HDLコレステロール濃度
・低アポリポタンパク質濃度
・高LDLコレステロール濃度
・低LDLコレステロール粒子密度
・高アポBリポタンパク質濃度;
2.代謝症候群に関連する可能性のある種々の他の状態、例えば、
・中心性肥満を含む肥満(過剰体重)
・血栓症、凝固性亢進及び前血栓症の段階(動脈及び静脈)
・高血圧症
・心不全、例えば心筋梗塞、高血圧性心疾患又は心筋症の後の状態など(しかし、これらに限定されない)
・糖尿病、特に2型糖尿病、それに関連する続発症(高血糖症、耐糖能障害、膵臓β細胞消失、大血管及び微小血管障害)の予防を含む;
3.他の疾患又は状態であって、例えば、炎症反応又は細胞分化が関与する下記のもの:
・アテローム性動脈硬化症、例えば狭心症又は心筋梗塞を包含する冠動脈硬化症、脳卒中など(しかし、これらに限定されない)
・血管再狭窄又は再閉塞
・慢性炎症性腸疾患、例えば、クローン病及び潰瘍性大腸炎など
・膵臓炎
・他の炎症状態
・網膜症
・脂肪細胞腫
・脂肪細胞腫瘍、例えば、脂肪肉腫など
・固形癌及び新生物、例えば、消化管、肝臓、胆管及び膵臓の腫瘍、内分泌腫瘍、肺、腎臓及び尿路、生殖管の腫瘍、前立腺癌など(しかし、これらに限定されない)
・急性及び慢性の骨髄増殖性疾患、並びにリンパ腫
・血管新生
・神経変性障害
・アルツハイマー病
・多発性硬化症
・パーキンソン病
・紅斑落屑性の皮膚疾患、例えば乾癬
・尋常性座瘡
・PPARによって変調される他の皮膚疾患及び皮膚科学的状態
・湿疹及び神経皮膚炎
・皮膚炎、例えば脂漏性皮膚炎又は光線過敏性皮膚炎
・角膜炎及び角化症、例えば脂漏性角化症、老人性角化症、光線性角化症、光誘導角化症又は毛包性角化症など
・ケロイド及びケロイド予防
・いぼ、コンジローム又は尖圭コンジロームを包含する
・ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症、例えば、性病性乳糖腫、ウイルス性疣贅、例えば、伝染性軟属腫、白斑症など
・丘疹性皮膚疾患、例えば、扁平苔癬など
・皮膚癌、例えば、基底細胞癌、メラノーマ又は皮膚T細胞性リンパ腫など
・局所的良性表皮性腫瘍、例えば、角皮症、表皮母斑など
・凍瘡
・高血圧症
・X症候群
・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
・喘息
・変形性関節症
・紅斑性狼瘡(LE)又は炎症性リウマチ性疾患、例えば、関節リウマチなど
・血管炎
・瘠痩(悪液質)
・痛風
・虚血/血液再潅流症候群
・急性呼吸窮迫症候群(ARDS)。
【0046】
製剤
要求される生物学的効果の達成に必要な本発明の化合物の量は、多くの要因、例えば、選択した特定の化合物、使用目的、投与方法及び患者の臨床状態に依存する。一日量は、一般に1日当たり及び体重1キログラム当たり0.3mg〜100mg(典型的には3mg〜50mg)の範囲であり、例えば、3〜10mg/kg/日である。静脈内用量は、例えば、0.3mg〜1.0mg/kgの範囲であってよく、それは1キログラム当たり及び毎分10ng〜100ngの注入として好適に投与することができる。これらの目的のための好適な注入溶液は、例えば、1ミリリットル当たり0.1ng〜10mg、典型的には1ng〜10mgを含有することができる。単回用量は、例えば、1mg〜10gの活性成分を含有することができる。従って、注射用アンプルは、例えば、1mg〜100mgを含有することができ、そして経口的に投与できる単回投与製剤、例えば、錠剤又はカプセルは、例えば、0.05〜1000mg、典型的には0.5〜600mgを含有することができる。上記の状態を治療するために、式Iの化合物は、化合物それ自体として使用されてもよいが、それらは許容される担体との医薬組成物の形態であることが好ましい。担体は、当然ながら、組成物の他の成分と適合し、且つ、患者の健康には害を及ぼさないという意味で許容さければならない。担体は、固体若しくは液体又は両者であってよく、そして好ましくは本化合物を用いた単回投与量として、例えば、0.05質量%〜95質量%の活性成分を含有することができる錠剤として製剤化される。他の医薬的に活性な物質が、他の本発明の化合物を含めて、同様に存在してもよい。本発明の医薬組成物は、基本的に成分を薬理学的に許容される担体及び/又は賦形剤と混合することから成る、公知の製薬方法の1つによって製造することができる。
【0047】
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、局所、口腔(例えば、舌下)及び非経口(例えば、皮下、筋肉内、皮内又は静脈内)投与に好適なものであるが、最も好適な投与方法は、それぞれの場合に、治療すべき状態の性質及び重症度、並びにそれぞれの場合に用いられる式Iの化合物の性質に依存する。被覆した製剤及び被覆した徐放性製剤も、また、本発明の範囲内に属する。好ましいものは、耐酸及び耐胃液性製剤である。好適な耐胃液性コーティング剤は、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、並びにメタクリル酸及びメタクリル酸メチルのアニオン性ポリマーを含む。
【0048】
経口投与に好適な医薬製剤は、個別単位の形態、例えば、カプセル剤、カシェ剤、サッカブル錠剤(suckable tablet)若しくは錠剤であって、それぞれが一定量の式Iの化合物を含有するもの;散剤若しくは顆粒剤;水性若しくは非水性液体の溶液若しくは懸濁液;又は水中油型若しくは油注水型の乳剤などであってよい。これらの組成物は、上記のように、活性成分及び担体(これは1種又はそれ以上の追加の成分から成ってもよい)を接触させる工程を含む、任意の好適な製薬方法によって製造することができる。組成物は、一般に、活性成分を液体及び/又は微粉化した固体担体と一様且つ均質に混合し、その後、生成物を必要に応じて成形することによって製造される。従って、例えば、錠剤は、化合物の粉末又は顆粒を、必要に応じて1種又はそれ以上の追加成分と共に、圧縮又は型出しすることにより製造することができる。圧縮錠剤は、自由流動形態の化合物、例えば、粉末又は顆粒を、必要に応じて結合剤、流動促進剤、不活性な稀釈剤及び/又は1種(又はそれ以上)の界面活性剤/分散剤と混合して、好適な機械で打錠することにより製造することができる。型出し錠剤は、粉末形態であって不活性液体稀釈剤で湿らせた化合物を、好適な機械で型出しすることにより製造することができる。
【0049】
口腔(舌下)投与に好適な医薬組成物は、式Iの化合物を香味剤、通常はショ糖及びアラビアゴム又はトラガカントと共に含むサッカブル錠剤、並びに化合物を不活性基剤、例えば、ゼラチン及びグリセロール又はショ糖及びアラビアゴム中に含むトローチを包含する。
【0050】
非経口投与に好適な医薬組成物は、好ましくは式Iの化合物の無菌水性製剤を含み、好ましくは意図する受容者の血液と等張である。これらの製剤は、好ましくは静脈内投与されるが、皮下、筋肉内又は皮内注射によって投与することもできる。これらの製剤は、好ましくは、化合物を水と混合し、得られた溶液を滅菌し、そして血液と等張にすることによって製造することができる。本発明の注射用組成物は、一般に0.1〜5質量%の活性化合物を含有する。
【0051】
直腸投与に好適な医薬組成物は、好ましくは単回投与の坐剤の形態である。これらは、式Iの化合物を1種又はそれ以上の従来の個体担体、例えば、カカオ脂と混合し、そして得られた混合物を成形することによって製造することができる。
【0052】
皮膚上の局所使用に好適な医薬組成物は、軟膏、クリーム、ローション、ペースト、スプレー、エアゾール又はオイルの形態である。使用できる担体は、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール及びこれらの物質の2種類又はそれ以上の組み合わせである。活性成分は、一般的に組成物の0.1〜15質量%、例えば、0.5〜2質量%の濃度で存在する。
【0053】
経皮投与も可能である。経皮使用に好適な医薬組成物は、患者の表皮との長期の密接な接触に好適な単回パッチの形態をとることができる。そのようなパッチは、好適には、接着剤中に溶解及び/又は分散されるか又はポリマー中に分散された、適切な場合は緩衝された水溶液中に活性成分を含有する。好適な活性成分濃度は、約1%〜35%、好ましくは約3%〜15%である。特別な可能性は、活性成分を、例えば、Pharmaceutical Reserch, 2(6): 318(1986)に記載されたようなエレクトロトランスポート又はイオントフォレーシスにより放出させることである。
【0054】
式Iの化合物は、脂質代謝障害に対する好ましい作用が際立っている。それは、LDLに対するHDLの比率に有益に影響し、特にHDLの濃度を増加させ、そして異常脂質血症及びメタボリックシンドローム並びにそれらの種々の続発症、例えば、アテローム性動脈硬化、冠動脈性心疾患、心不全、肥満及び糖尿病などの予防及び治療に好適である。
【0055】
他の医薬との組み合わせ
本発明の化合物は、単独で、又は1種又はそれ以上の更なる薬理活性成分と組み合わせて投与することができる。特に、本発明の化合物は、それ自身と同様の薬理作用を有する有効成分と共に投与することができる。例えば、それらは、代謝性障害又はしばしばそれに関連する疾患に有利な作用を有する活性成分と組み合わせて投与することができる。そのような薬剤の例は、以下のとおりである:
1.血糖値を低下させる医薬、抗糖尿病薬、
2.異常脂質血症を治療するための有効成分、
3.抗アテローム性動脈硬化薬、
4.抗肥満剤、
5.抗炎症活性成分、
6.悪性腫瘍を治療するための活性成分、
7.抗血栓活性成分、
8.高血圧を治療するための活性成分、
9.心不全を治療するための活性成分、
10、糖尿病による又は糖尿病に関連する合併症を治療及び/又は予防するための活性成分、
11.神経変性疾患の治療のための活性成分、
12.中枢神経系の疾患の治療のための活性成分、
13.薬物、ニコチン及びアルコール依存症の治療のための活性成分、及び
14.鎮痛薬。
【0056】
それらは、特に効果を相乗的に向上させるために、本発明の式Iの化合物と組み合わせることができる。活性成分組み合わせの投与は、患者に活性成分を個別に投与するか、又は複数の活性成分が1つの医薬製剤中に存在する配合製品の形態で投与するかの何れかによって行うことができる。
【0057】
配合剤に特に好適な更なる活性成分は、Rote Liste 2006の第12章の中で言及されるすべての抗糖尿病薬;Rote Liste 2006の第1章の中で言及されるすべての体重軽減剤/食欲抑制剤;Rote Liste 2006の第58章の中で言及されるすべての脂質低下剤である。それらは、特に効果を相乗的に向上させるために、本発明の式Iの化合物と組み合わせることができる。活性成分組み合わせの投与は、患者に活性成分を個別に投与するか、又は複数の活性成分が1つの医薬製剤中に存在する配合製品の形態で投与するかの何れかによって行うことができる。以下に言及されるほとんどの有効成分は、USP Dictionary of USAN及び International Drug Names, US Pharmacopeia, Rockville 2001に開示されている。
【0058】
抗糖尿病薬としては、インスリン及びインスリン誘導体、例えば、Lantus(登録商標)(www.lantus.comを参照)若しくはHMR−1964又は国際公開公報第2005005477号(Novo Nordisk)に記載されているもの;速効性インスリン(米国特許第6,221,633号を参照);吸入可能インスリン、例えば、Exubera(登録商標);又は経口インスリン、例えば、IN−105(Nobex)若しくはOralyn(登録商標)(Generex Biotechnology);GLP−1誘導体、例えば、エクセナチド、リラグルチド又はNovo Nordisk A/Sの国際公開公報第98/08871号若しくは国際公開公報第2005027978号、Zealandの国際公開公報第01/04156号若しくはBeaufour-Ipsenの国際公開公報第00/34331号に開示されているもの、酢酸プラムリンチド(Symlin; Amylin Pharmaceuticals)、及び経口的に有効な血糖降下活性成分が挙げられる。
【0059】
活性成分としては、好ましくは以下のものが挙げられる:
スルホニル尿素、
ビグアニド、
メグリチニド、
オキサジアゾリジンジオン、
チアゾリジンジオン、
グルコシダーゼ阻害剤、
グリコーゲンホスホリラーゼの阻害剤、
グルカゴンアンタゴニスト、
グルコキナーゼ活性化因子、
フルクトース−1,6−ビスホスファターゼの阻害剤、
グルコーストランスポーター4(GLUT4)のモジュレータ、
グルタミン−フルクトース−6−リン酸アミドトランスフェラーゼ(GFAT)の阻害剤、
GLP−1アゴニスト、
カリウムチャネルオープナーの、例えば、Novo Nordisk A/Sの国際公開公報第97/26265号及び国際公開公報第99/03861号に開示されているようなもの、
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)の阻害剤、
インスリン抵抗性改善薬、
グルコース新生及び/又はグリコーゲン分解の促進に関与する肝臓酵素の阻害剤、
グルコース取り込み、グルコース輸送及びグルコース再吸収のモジュレータ、
11β−HSD1の阻害剤、
タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP1B)の阻害剤、
ナトリウム依存グルコーストランスポーター1又は2(SGLT1、SGLT2)のモジュレータ、
抗高脂血症活性成分及び抗脂質血症活性成分のような脂質代謝を変える化合物、
食物摂取を低下させる化合物、
熱発生を増加させる化合物、
PPAR及びRXRのモジュレータ、及び
β細胞のATP依存カリウムチャンネルに作用する活性成分。
【0060】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、HMGCoA還元酵素阻害剤、例えば、シンバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチン又はL−659699と組み合わせて投与される。
【0061】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、コレステロール吸収阻害剤、例えば、エゼチミブ、チクエシド、パマクエシド、FM−VP4(シトスタノール/カンペステロールアスコルビルリン酸;Forbes Medi-Tech、国際公開公報第2005042692号)、MD−0727(Microbia Inc.、国際公開公報第2005021497号)と組み合わせて、又は国際公開公報第2002066464号(Kotobuki Pharmaceutical Co. Ltd.)、国際公開公報第2005062824号(Merck & Co.)若しくは国際公開公報第2005061451号及び国際公開公報第2005061452号(AstraZeneca AB)に記載される化合物、と組み合わせて投与される。
【0062】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、PPARγアゴニスト、例えば、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、JTT−501、Gl262570、R−483又はCS−011(リボグリタゾン)と組み合わせて投与される。
【0063】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、PPARαアゴニスト、例えば、GW9578、GW590735、K−111、LY−674, KRP−101又はDRF−10945と組み合わせて投与される。
【0064】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、混合PPARα/γアゴニスト、例えば、ムラグリタザール、テサグリタザール、ナベグリタザール、LY−510929、ONO−5129、E−3030、又はPCT/米国特許第00/11833号、PCT/米国特許第00/11490号、ドイツ特許第10142734.4号、若しくはJ.P. Berger et al., TRENDS in Pharmacological Sciences 28(5), 244-251, 2005に記載されるようなものとの組み合わせによってに投与される。
【0065】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、PPARδアゴニスト、例えば、GW−501516と組み合わせて投与される。
【0066】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、メタグリダセンと若しくはMBX−2044と、又は他の部分的PPARγアゴニスト/アンタゴニストと組み合わせて投与される。
【0067】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、フィブラート、例えば、フェノフィブラート、クロフィブラート又はベザフィブラートと組み合わせて投与される。
【0068】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、MTP阻害剤、例えば、インプリタビド(implitapide)、BMS−201038、R−103757又は国際公開公報第2005085226号に記載されているものなどと組み合わせて投与される。
【0069】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、CETP阻害剤、例えば、トルセトラピブ(torcetrapib)又はJTT−705と組み合わせて投与される。
【0070】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、胆汁酸吸収阻害剤(例えば、米国特許第6,245,744号、米国特許第6,221,897号又は国際公開公報第00/61568号を参照)、例えば、HMR1741又はドイツ特許第102005033099.1号及びドイツ特許第102005033100.9号に記載されているものなどと組み合わせて投与される。
【0071】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、ポリマー性胆汁酸吸着剤、例えば、コレスチラミン又はコレセベラム(colesevelam)などと組み合わせて投与される。
【0072】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、LDL受容体インデューサー(米国特許第6,342,512号を参照)、例えば、HMR1171、HMR1586又は国際公開公報第2005097738号に記載されているものなどと組み合わせて投与される。
【0073】
1つの実施態様においては、式Iの化合物は、Omacor(登録商標)(オメガ−3脂肪酸;高度に濃縮されたエイコサペンタエン酸のエチルエステル及びドコサヘキサエン酸のエチルエステル)と組み合わせて投与される。
【0074】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、ACAT阻害剤、例えば、アバシミベ(avasimibe)と組み合わせて投与される。
【0075】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、酸化防止剤、例えば、OPC−14117、プロブコール、トコフェロール、アスコルビン酸、β−カロチン又はセレンと組み合わせて投与される。
【0076】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、ビタミン、例えば、ビタミンB6又はビタミンB12と組み合わせて投与される。
【0077】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、リポタンパク質リパーゼモジュレータ、例えば、イブロリピム(ibrolipim)(NO−1886)と組み合わせて投与される。
【0078】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、ATPクエン酸リアーゼ阻害剤、例えば、SB−204990と組み合わせて投与される。
【0079】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、スクアレンシンセターゼ阻害剤、例えば、BMS−188494又は国際公開公報第2005077907号に記載のものなどと組み合わせて投与される。
【0080】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、リポ蛋白質(a)アンタゴニスト、例えば、ゲムカベン(gemcabene)(CI−1027)と組み合わせて投与される。
【0081】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、HM74A受容体アゴニスト、例えば、ニコチン酸と組み合わせて投与される。
【0082】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、リパーゼ阻害剤、例えば、オルリスタット又はセチリスタット(ATL−962)などと組み合わせて投与される。
【0083】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、インスリンと組み合わせて投与される。
【0084】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、スルホニル尿素、例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド又はグリメピリドと組み合わせて投与される。
【0085】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、ビグアニド、例えば、メトホルミンと組み合わせて投与される。
【0086】
本発明の別の実施態様においては、式Iの化合物は、メグリチニド、例えば、レパグリニド又はナテグリニドと組み合わせて投与される。
【0087】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、チアゾリジンジオン、例えば、トログリタゾン、シグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン又はDr. Reddy’s Research Foundationの国際公開公報第97/41097号に開示されているもの、特に5−[[4−[(3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソ−2−キナゾリニルメトキシ]フェニル]メチル)−2,4−チアゾリジンジオンと組み合わせて投与される。
【0088】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、α−グルコシダーゼ阻害剤、例えば、ミグリトール又はアカルボースと組み合わせて投与される。
【0089】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、β細胞のATP依存カリウムチャンネルに作用する活性成分、例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリメピリド又はレパグリニドなどと組み合わせて投与される。
【0090】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、上記の化合物の2種又はそれ以上の化合物と組み合わせて、例えば、スルホニル尿素及びメトホルミン、スルホニル尿素及びアカルボース、レパグリニド及びメトホルミン、インスリン及びスルホニル尿素、インスリン及びメトホルミン、インスリン及びトログリタゾン、インスリン及びロバスタチンなどと組み合わせて投与される。
【0091】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、グリコーゲンホスホリラーゼの阻害剤、例えば、PSN−357若しくはFR−258900、又は国際公開公報第2003084922号、国際公開公報第2004007455号、国際公開公報第2005073229−31号若しくは国際公開公報第2005067932号に記載されているものなどと組み合わせて投与される。
【0092】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、グルカゴン受容体アンタゴニスト、例えば、A−770077、NNC−25−2504又は国際公開公報第2004100875号若しくは国際公開公報第2005065680号に記載されているものなどと組み合わせて投与される。
【0093】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、グルコキナーゼの活性化因子、例えば、RO−4389620、LY−2121260(国際公開公報第2004063179号)、PSN−105、PSN−110、GKA−50、又は、例えば、Prosidionによる国際公開公報第2004072031号、国際公開公報第2004072066号、国際公開公報第05103021号又は国際公開公報第06016178号、Rocheによる国際公開公報第00058293号、国際公開公報第00183465号、国際公開公報第00183478号、国際公開公報第00185706号、国際公開公報第00185707号、国際公開公報第01044216号、英国特許第02385328号、国際公開公報第02008209号、国際公開公報第02014312号、国際公開公報第0246173号、国際公開公報第0248106号、ドイツ特許第10259786号、国際公開公報第03095438号、米国特許第04067939号又は国際公開公報第04052869号、Novo Nordiskによる欧州特許第1532980号、国際公開公報第03055482号、国際公開公報第04002481号、国際公開公報第05049019号、国際公開公報第05066145号又は国際公開公報第05123132号、Merck/Banyuによる国際公開公報第03080585号、国際公開公報第03097824号、国際公開公報第04081001号、国際公開公報第05063738号又は国際公開公報第05090332号、Eli Lillyによる国際公開公報第04063194号、又はAstra Zenecaによる国際公開公報第01020327号、国際公開公報第03000262号、国際公開公報第03000267号、国際公開公報第03015774号、国際公開公報第04045614号、国際公開公報第04046139号、国際公開公報第05044801号、国際公開公報第05054200号、国際公開公報第05054233号、国際公開公報第05056530号、国際公開公報第05080359号、国際公開公報第05080360号又は国際公開公報第05121110号に記載されているようなものなどと組み合わせて投与される。
【0094】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、糖新生の阻害剤、例えば、FR−225654と組み合わせて投与される。
【0095】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼ(FBPアーゼ)の阻害剤、例えば、CS−917と組み合わせて投与される。
【0096】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、グルコーストランスポーター4(GLUT4)のモジュレータ、例えば、KST−48(D.-O. Lee et al.: Arzneim.-Forsch. Drug Res. 54(12), 835(2004) )と組み合わせて投与される。
【0097】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、例えば、国際公開公報第2004101528号に記載されるようなグルタミン−フルクトース−6−リン酸アミドトランスフェラーゼ(GFAT)の阻害剤と組み合わせて投与される。
【0098】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)の阻害剤、例えば、ビルダグリプチン(LAF−237)、シタグリプチン(MK−0431)、サクサグリプチン(BMS−477118)、GSK−823093、PSN−9301、SYR−322、SYR−619、TA−6666、TS−021、GRC−8200、GW−825964X又は国際公開公報第2003074500号、国際公開公報第2003106456号、国際公開公報第200450658号、国際公開公報第2005058901号、国際公開公報第2005012312号、国際公開公報第2005/012308号、PCT/欧州特許第2005/007821号、PCT/欧州特許第2005/008005号、PCT/欧州特許第2005/008002号、PCT/欧州特許第2005/008004号、PCT/欧州特許第2005/008283号、ドイツ特許第102005012874.2号又はドイツ特許第102005012873.4号に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0099】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1(11β−HSD1)の阻害剤、例えば、BVT−2733又は国際公開公報第200190090−94号、国際公開公報第200343999号、国際公開公報第2004112782号、国際公開公報第200344000号、国際公開公報第200344009号、国際公開公報第2004112779号、国際公開公報第2004113310号、国際公開公報第2004103980号、国際公開公報第2004112784号、国際公開公報第2003065983号、国際公開公報第2003104207号、国際公開公報第2003104208号、国際公開公報第2004106294号、国際公開公報第2004011410号、国際公開公報第2004033427号、国際公開公報第2004041264号、国際公開公報第2004037251号、国際公開公報第2004056744号、国際公開公報第2004065351号、国際公開公報第2004089367号、国際公開公報第2004089380号、国際公開公報第2004089470−71号、国際公開公報第2004089896号、国際公開公報第2005016877号又は国際公開公報第2005097759号に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0100】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP1B)の阻害剤、例えば、国際公開公報第200119830−31号、国際公開公報第200117516号、国際公開公報第2004506446号、国際公開公報第2005012295号、PCT/欧州特許第2005/005311号、PCT/欧州特許第2005/005321号、PCT/欧州特許第2005/007151号、PCT/欧州特許第2005/号又はドイツ特許第102004060542.4号に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0101】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、ナトリウム依存グルコーストランスポーター1又は2(SGLT1、SGLT2)のモジュレータ、例えば、KGA−2727、T−1095及びSGL−0010又は、例えば、国際公開公報第2004007517号、国際公開公報第200452903号、国際公開公報第200452902号、国際公開公報第2005121161号、国際公開公報第2005085237号、日本特許第2004359630号若しくはA. L. HandlonによるExpert Opin. Ther. Patents (2005) 15(11), 1531-1540に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0102】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、ホルモン感受性リパーゼ(HSL)の阻害剤、例えば、国際公開公報第2005073199号、国際公開公報第2006111321号、国際公開公報第2006131233号、国際公開公報第2006131232号、国際公開公報第2006131231号、国際公開公報第2007042178号又は国際公開公報第2007045392号に記載されるようなものと組み合わせて投与される。
【0103】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)の阻害剤、例えば、国際公開公報第199946262号、国際公開公報第200372197号、国際公開公報第2003072197号又は国際公開公報第2005044814号に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0104】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)の阻害剤、例えば、国際公開公報第2004074288号に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0105】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3β(GSK−3β)の阻害剤、例えば、米国特許第2005222220号、国際公開公報第2005085230号、PCT/欧州特許第2005/005346号、国際公開公報第2003078403号、国際公開公報第2004022544号、国際公開公報第2003106410号、国際公開公報第2005058908号、米国特許第2005038023号、国際公開公報第2005009997号、米国特許第2005026984号、国際公開公報第2005000836号、国際公開公報第2004106343号、欧州特許第1460075号、国際公開公報第2004014910号、国際公開公報第2003076442号、国際公開公報第2005087727号又は国際公開公報第2004046117号に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0106】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、プロテインキナーゼCβ(PKCβ)の阻害剤、例えば、ルボキシスタウリン(ruboxistaurin)と組み合わせて投与される。
【0107】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、エンドセリンA受容体アンタゴニスト、例えば、アボセンタン(avosentan)(SPP−301)と組み合わせて投与される。
【0108】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、「IカッパBキナーゼ」の阻害剤(IKK阻害剤)、例えば、国際公開公報第2001000610号、国際公開公報第2001030774号、国際公開公報第2004022553号又は国際公開公報第2005097129号に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0109】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、グルココルチコイド受容体のモジュレータ、例えば、国際公開公報第2005090336号に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0110】
本発明の更なる実施態様においては、式Iの化合物は、
CARTモジュレータ(「コカイン・アンフェタミン制御の転写物は、マウスのエネルギー代謝、不安及び胃内容排出に影響を与える(Cocaine-amphetamine-regulated transcript influences energy metablolism, anxiety and gastric emptying in mice)」, Asakawa, et al.: Hormone and Metabolic Research (2001), 33(9), 554-558を参照);
NPYアンタゴニスト、例えば、ナフタレン−1−スルホン酸{4−[(4−アミノキナゾリン−2−イルアミノ)メチル]シクロヘキシルメチル}アミド塩酸塩(CGP71683A);
ペプチドYY3−36(PYY3−36)又は類似化合物、例えば、CJC−1682(Cys34を介して血清アルブミンと共役したPYY3−36)、CJC−1643(生体内で血清アルブミンと共役するPYY3−36の誘導体)、又は国際公開公報第2005080424号に記載されているようなもの;
カンナビノイド受容体1アンタゴニスト、例えば、リモナバント(rimonabant)、SR147778又は、例えば、欧州特許第0656354号、国際公開公報第00/15609号、国際公開公報第02/076949号、国際公開公報第2005080345号、国際公開公報第2005080328号、国際公開公報第2005080343号、国際公開公報第2005075450号、国際公開公報第2005080357号、国際公開公報第200170700号、国際公開公報第2003026647−48号、国際公開公報第200302776号、国際公開公報第2003040107号、国際公開公報第2003007887号、国際公開公報第2003027069号、米国特許第6,509,367号、国際公開公報第200132663号、国際公開公報第2003086288号、国際公開公報第2003087037号、国際公開公報第2004048317号、国際公開公報第2004058145号、国際公開公報第2003084930号、国際公開公報第2003084943号、国際公開公報第2004058744号、国際公開公報第2004013120号、国際公開公報第2004029204号、国際公開公報第2004035566号、国際公開公報第2004058249号、国際公開公報第2004058255号、国際公開公報第2004058727号、国際公開公報第2004069838号、米国特許第20040214837号、米国特許第20040214855号、米国特許第20040214856号、国際公開公報第2004096209号、国際公開公報第2004096763号、国際公開公報第2004096794号、国際公開公報第2005000809号、国際公開公報第2004099157号、米国特許第20040266845号、国際公開公報第2004110453号、国際公開公報第2004108728号、国際公開公報第2004000817号、国際公開公報第2005000820号、米国特許第20050009870号、国際公開公報第200500974号、国際公開公報第2004111033−34号、国際公開公報第200411038−39号、国際公開公報第2005016286号、国際公開公報第2005007111号、国際公開公報第2005007628号、米国特許第20050054679号、国際公開公報第2005027837号、国際公開公報第2005028456号、国際公開公報第2005063761−62号、国際公開公報第2005061509号又は国際公開公報第2005077897号に記載されているようなもの;
【0111】
MC4アゴニスト(例えば、1−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−カルボン酸[2−(3a−ベンジル−2−メチル−3−オキソ−2,3,3a,4,6,7−ヘキサヒドロピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5−イル)−1−(4−クロロフェニル)−2−オキソエチル]アミド(国際公開公報第01/91752号))、又はLB53280、LB53279、LB53278若しくはTHIQ、MB243、RY764、CHIR−785、PT−141、又は国際公開公報第2005060985号、国際公開公報第2005009950号、国際公開公報第2004087159号、国際公開公報第2004078717号、国際公開公報第2004078716号、国際公開公報第2004024720号、米国特許第20050124652号、国際公開公報第2005051391号、国際公開公報第2004112793号、米国特許第20050222014号、米国特許第20050176728号、米国特許第20050164914号、米国特許第20050124636号、米国特許第20050130988号、米国特許第20040167201号、国際公開公報第2004005324号、国際公開公報第2004037797号、国際公開公報第2005042516号、国際公開公報第2005040109号、国際公開公報第2005030797号、米国特許第20040224901号、国際公開公報第200501921号、国際公開公報第200509184号、国際公開公報第2005000339号、欧州特許第1460069号、国際公開公報第2005047253号、国際公開公報第2005047251号、欧州特許第1538159号、国際公開公報第2004072076号若しくは国際公開公報第2004072077号に記載されているようなもの;
オレキシン受容体アンタゴニスト(例えば、1−(2−メチルベンゾオキサゾール−6−イル)−3−[1,5]ナフチリジン−4−イル尿素・塩酸塩(SB−334867−A)、又は、例えば、国際公開公報第200196302号、国際公開公報第200185693号、国際公開公報第2004085403号若しくは国際公開公報第2005075458号に記載されているようなもの);
ヒスタミンH3受容体アゴニスト(例えば、3−シクロヘキシル−1−(4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル)プロパン−1−オン・シュウ酸塩(国際公開公報第00/63208号)又は国際公開公報第200064884号、国際公開公報第2005082893号に記載されているようなもの);
【0112】
CRFアンタゴニスト(例えば、[2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)−9H−1,3,9−トリアザフルオロエン−4−イル]ジプロピルアミン(国際公開公報第00/66585号));
CRF BPアンタゴニスト(例えば、ウロコルチン);
ウロコルチンアゴニスト;
β3アゴニスト(例えば、1−(4−クロロ−3−メタンスルホニルメチルフェニル)−2−[2−(2,3−ジメチル−1H−インドール−6−イルオキシ)エチルアミノ]エタノール・塩酸塩(国際公開公報第01/83451号));
MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)アゴニスト;
MCH(メラニン濃縮ホルモン)受容体アンタゴニスト(例えば、NBI−845、A−761、A−665798、A−798、ATC−0175、T−226296、T−71、GW−803430 又は、例えば、国際公開公報第200315769号、国際公開公報第2005085200号、国際公開公報第2005019240号、国際公開公報第2004011438号、国際公開公報第2004012648号、国際公開公報第2003015769号、国際公開公報第2004072025号、国際公開公報第2005070898号、国際公開公報第2005070925号、国際公開公報第2004039780号、国際公開公報第2003033476号、国際公開公報第2002006245号、国際公開公報第2002002744号、国際公開公報第2003004027号若しくはフランス特許第2868780号に記載されているような化合物);
CCK−Aアゴニスト(例えば、{2−[4−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−5−(2−シクロヘキシルエチル)チアゾール−2−イルカルバモイル]−5,7−ジメチルインドール−1−イル}酢酸・トリフルオロ酢酸塩(国際公開公報第99/15525号)、SR−146131(国際公開公報第0244150号)又はSSR−125180);
セロトニン再取り込み阻害剤(例えば、デキシフェンフルラミン);
混合セロトニン作動性及びノルアドレナリン作動性化合物(例えば、国際公開公報第00/71549号);
5−HT受容体アゴニスト、(例えば、1−(3−エチルベンゾフラン−7−イル)ピペラジン・シュウ酸塩(国際公開公報第01/09111号));
5−HT2C受容体アゴニスト(例えば、APD−356、BVT−933、又は国際公開公報第200077010号、国際公開公報第20077001−02号国際公開公報第2005019180号、国際公開公報第2003064423号、国際公開公報第200242304号若しくは国際公開公報第2005082859号に記載されているようなもの);
5HT6受容体アンタゴニスト、例えば、国際公開公報第2005058858号に記載されているようなもの;
【0113】
ボンベシン受容体アゴニスト(BRS−3アゴニスト);
ガラニン受容体アンタゴニスト;
成長ホルモン(例えば、ヒト成長ホルモン又はAOD−9604);
成長ホルモン放出化合物(第三級ブチル6−ベンジルオキシ−1−(2−ジイソプロピルアミノエチルカルバモイル)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボキシラート(国際公開公報第01/85695号));
成長ホルモン分泌促進因子受容体アンタゴニスト(グレリンアンタゴニスト)、例えば、A−778193又は国際公開公報第2005030734号に記載されているようなもの;
TRHアゴニスト(例えば、欧州特許第0462884号を参照);
脱共役タンパク質2又は3モジュレータ;
レプチンアゴニスト(Lee, Daniel W.; Leinung, Matthew C.; Rozhavskaya-Arena, Marina; Grasso, Patricia. Leptin agonists as a potential approach to the obesity. Drugs of the Future (2001), 26(9), 873-881を参照);
DAアゴニスト(ブロモクリプチン又はドプレキシン);
リパーゼ/アミラーゼ阻害剤(例えば、国際公開公報第00/40569号に記載されているようなもの);
ジアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ(DGAT)の阻害剤、例えば、米国特許第2004/0224997号、国際公開公報第2004094618号、国際公開公報第200058491号、国際公開公報第2005044250号、国際公開公報第2005072740号、日本特許第2005206492号又は国際公開公報第2005013907号に記載されているようなもの;
脂肪酸合成酵素(FAS)の阻害剤、例えば、C75又は国際公開公報第2004005277号に記載されているようなもの;
オキシントモジュリン;
オレオイルエストロン又は甲状腺ホルモン受容体アゴニスト、例えば、KB−2115又は国際公開公報第20058279号、国際公開公報第200172692号、国際公開公報第200194293号、国際公開公報第2003084915号、国際公開公報第2004018421号若しくは国際公開公報第2005092316号に記載されているようなもの;
と組み合わせて投与される。
【0114】
本発明の1つの実施態様においては、更なる活性成分はレプチンであり、例えば、「レプチンの治療的利用の展望(Perspectives in the therapeutic use of leptin)」、Salvador, Javier; Gomez-Ambrost, Javier; Fruhbeck, Gema, Expert Opinion on Pharmacotherapy (2001), 2(10), 1615-1622を参照されたい。
【0115】
本発明の1つの実施態様においては、更なる活性成分はデキサンフェタミン又はアンフェタミンである。
【0116】
本発明の1つの実施態様においては、更なる活性成分はフェンフルラミン又はデクスフェンフルラミンである。
【0117】
本発明の別の実施態様においては、更なる活性成分はシブトラミンである。
【0118】
本発明の1つの実施態様においては、更なる活性成分はマジンドール又はフェンテルミンである。
【0119】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、充填剤、好ましくは不溶性充填剤と組み合わせて投与される(例えば、Carob/Caromax(登録商標)(「高コレステロール血症を治療するためのイナゴマメパルプ製剤(Carob pulp preparation for treatment
of hypercholesterolemia)」, Zunft H J et al., ADVANCES IN THERAPY (2001 Sep-Oct), 18(5), 230-6を参照)。Caromaxは、Nutrinova, Nutrition Specialties & Food Ingredients GmbH, Industriepark Hoechst, 65926 Frankfurt/Mainが提供しているイナゴマメ含有製品である)。Caromax(登録商標)との組み合わせは、1つの製剤にして、又は式Iの化合物及びCaromax(登録商標)の別々の投与によって可能である。Caromax(登録商標)は、また、これに関連して、食品製品の形、例えば、製パン製品又はムースリバーで投与することができる。
【0120】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、PDE(ホスホジエステラーゼ)阻害剤、例えば、国際公開公報第2003/077949号又は国際公開公報第2005012485号に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0121】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、NAR−1(ニコチン酸受容体)アゴニスト、例えば、国際公開公報第2004094429号に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0122】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、CB2(カンナビノイド受容体)アゴニスト、例えば、米国特許第2005/143448号に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0123】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、ヒスタミン1アゴニスト、例えば、国際公開公報第2005101979号に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0124】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、国際公開公報第2006017504号に記載されているようなブプロピオンと組み合わせて投与される。
【0125】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、オピオイドアンタゴニスト、例えば、国際公開公報第2005107806号又は国際公開公報第2004094429号に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0126】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、例えば、国際公開公報第200202513号、国際公開公報第2002/06492号、国際公開公報第2002040008号、国際公開公報第2002040022号又は国際公開公報第2002047670号に記載されているようなものと組み合わせて投
与される。
【0127】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、NPY(神経ペプチドY)阻害剤、例えば、国際公開公報第2002047670号に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0128】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、ナトリウム/水素交換阻害剤、例えば、国際公開公報第2003092694号に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0129】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、グルココルチコイド受容体のモジュレータ、例えば、国際公開公報第2005090336号に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0130】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、ニコチン受容体アゴニスト、例えば、国際公開公報第2004094429号に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0131】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、NRIs(ノルエピネフリン再取り込み阻害剤)、例えば、国際公開公報第2002053140号に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0132】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、MOA(Eβ−メトキシアクリレート)、例えば、セゲリン(segeline)、又は、例えば、国際公開公報第2002053140号に記載されているようなものと組み合わせて投与される。
【0133】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物は、抗血栓性活性成分、例えば、クロピドロゲル(clopidrogel)と組み合わせて投与される。
【0134】
本発明の化合物及び1つ又はそれ以上の前記の化合物、並びに場合により1つ又はそれ以上の他の薬理学的活性物質のすべての好適な組合せは、本発明によって与えられる保護の範囲内に入ると見なすことは理解されるであろう。
【0135】
上記に言及された開発コードのいくつかの式を、以下に詳細に説明する。
【0136】
【化8】

【0137】
【化9】

【0138】
【化10】

【0139】
【化11】

【0140】
【化12】

【0141】
本発明の式Iの化合物の活性は、以下の酵素試験系で試験した。
【0142】
EL阻害アッセイ:
ELは、組み換え細胞株(CHO、HEK293)によって、分泌タンパク質として細胞培養培地(馴化培地)中に高濃度に放出される。これを、濃縮した後、酵素溶液として用いる。
【0143】
EL活性アッセイ
内皮リパーゼの酵素活性と阻害剤の作用を明らかにするために、ホスホリパーゼ特異的基質の1,2−ビス(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボーラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−ウンデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(メーカー:Molecular Probe)が使用される。酵素によるこのリン脂質のA1エステル結合の加水分解によって、蛍光色素Bodipyで標識された脂肪酸が解離され、それはHPTLCプレート(シリカゲル60、Merck)上の薄層クロマトグラフィーによって分離した後、又は反応容器内で直接、蛍光を測定することによって検出することができる。基質溶液は、1,2−ビス(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボーラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−ウンデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(メーカー:Molecular Probe)(100μg)をDMSO(100μL)に溶解し、それをDOP−コリン(1,2−ジオレイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)(20mg/mL)を含むクロロホルム(393μL)に溶解したトリパルミチン(Sigma)(2.4mg)に加えて調製する。この脂質混合物(39.3μL)を、新しい反応容器に移す。溶媒を蒸発させた後、脂質混合物を、TRIS−HCl(200mM)、食塩(150mM)、pH=7.4(4mL)に、超音波処理を2回行って溶解する。以下の酵素反応は、37℃で90分間行う。このために、基質溶液(20μL)を、適切な濃度の阻害剤(10%DMSOに溶解、10%濃度のDMSO溶液をコントロールとして使用)(2μL)及び酵素溶液(馴化培地)(2μL)とインキュベートする。次に、アッセイ混合物(4μL)をHPTLCプレート(シリカゲル60、Merck)に載せ、溶離液(ジエチルエーテル:石油ベンジン:酢酸[78:22:1])を用いて、解離した蛍光色素を検出するために分離する。溶離液を蒸発させた後、プレートを蛍光スキャナーで読み取る。阻害のない反応における蛍光色素の放出の増加を、酵素活性の尺度として観察する。
【0144】
酵素活性は使用される阻害剤濃度の関数として減少し、半最大酵素活性が観察される阻害剤濃度はIC50と呼ばれる。
【0145】
これらのアッセイで、実施例の化合物は、以下のIC50値を示した。
【表1】

【0146】
他の試験モデル
本発明の化合物の活性医薬成分としての適切性を試験することは、さまざまな試験モデルを使うことによって可能である。そのような試験モデルの説明を、例として以下に示す。
【0147】
水系における溶解性
物質の水性溶媒系における適切な溶解性は、(再現性のある)薬理効果を得るための重要な条件である。水系における溶解度は、様々な方法によって測定することができる。好適な例は、溶液沈殿法(「動力学的溶解度」)及び平衡になるまでの固体試料の溶解を調べる方法(「熱力学的溶解度」) である。
【0148】
a)動力学的溶解度
試験化合物のDMSO溶液(2.5mM;0.5μL)を、96ウェルマイクロタイタープレート内の水性試験溶液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水、10×、1M、Sigma、10mM、pH7.4に調整)(200μL)にピペットで加え、6.25μMの試験化合物に対して生じる理論濃度の濁度を、比濁計(例えば、Nephelostar Galaxy, BMG Labtech)を用いて測定する。次に、水性試験溶液中の試験化合物の濃度を、DMSO溶液(2.5mM;0.5μL)を更に加えて理論的に12.5μMに高め、濁度測定を繰り返す。更なるDMSO溶液の添加(1μL、2.5μM;0.5μL、10μM;次に9×1μL、10mMで、理論濃度50μM、100μM、150μM、200μM、250μM、300μM、350μM、400μM、450μM及び500μMを作る)とその間の濁度測定で測定プロセスは完了する。
評価:濁度計からの濁度値を水性試験溶液における試験化合物の理論濃度に対してプロットする。理論濃度で顕著な濁度(例えば、水性試験溶液のコントロール値の5倍を超える濁度)が検出され次第、それより低い濃度レベルは、試験溶液における試験化合物の溶解限度と記載される。従って、最大測定可能範囲は、<6.25μM、6.25−500μM及び>500μMの値として現わされる。
本発明の好ましい化合物は、リン酸緩衝液(pH7.4)において少なくとも12.5μM;より好ましくは少なくとも50μM、そして更により好ましくは少なくとも250μMの動力学的溶解度を示す。
【0149】
b)熱力学的溶解度
DMSO中の試験化合物の希釈系列(500μM、100μM、50μM、10μM及び1μM)のHPLCにおけるUV測定からの積分UV吸収は、検量線において濃度と線形相関を示す。試験化合物(500μg)は水性試験溶液(250μL)と共に、密閉容器(容量:1.5mL)内で16時間振とうする(Eppendorf thermoshaker,1400rpm、25℃、遮光下)。次いで、試料を最大回転速度で遠心し、最後に、上清を濾過する。濾過した上清の試料は、直接、HPLCのUV測定で分析する(上記を参照)。更なる試料は、希釈(上清1容量部、試験溶液39容量部)した後、分析する。
評価:未希釈上清中の試験化合物の濃度は、上清試料で得られた積分UV吸収から構築された検量線に基づいて計算され、それぞれの水性試験溶液に対する試験化合物の溶解度として提示される。水性試験溶液の例は、脱イオン水又はさまざまなpH値(例えば、pH1.2;pH4.0;pH6.8;pH7.4;pH9.0)の水性リン酸緩衝液であり、それは市販の溶液(リン酸緩衝生理食塩水10×、Sigma)から、標準的な方法でリン酸又は水酸化ナトリウム溶液を用いて希釈及び調整することによって調製することができる。本発明の好ましい化合物は、リン酸緩衝液(pH7.4)における溶解度が、少なくとも12.5μM、より好ましくは少なくとも50μM、そして更により好ましくは少なくとも250μMを示す。
【0150】
代謝安定性
代謝安定性は、試験化合物(5μM)を、肝ミクロソーム画分(0.1%質量/体積のBSAを含んだ1mg/mLのタンパク質;NADPH(1mM);DMSO(0.5%))と共に37℃でインキュベートすることによって測定される。分析は、LCMS/MSを用いて、インキュベーション時間0分及び20分に行う。実験方法について、更に詳細なテストシステムの説明及び論及は、Plant, N.; Drug Discovery Today 2004, 9(7), 328-336 及びLau, Y.Y. et al.; Pharmaceutical Res. 2002, 19(11), 1606-1610に見ることができる。
【0151】
製造方法
式Iの本発明の化合物は、それ自身公知の方法で、即ち、置換又は無置換のイミダゾリジン誘導体のカルボニルクロリドIIIによるアシル化(方法A)、又はイミダゾリジン誘導体をホスゲン又はクロロ炭酸トリクロロメチル、炭酸ジトリクロロメチル又はクロロギ酸4−ニトロフェニルなどのホスゲン相当物と反応させ、そして得られたイミダゾリジンカルボン酸誘導体を、更にアミンと反応させる2段反応(方法B)により製造される。イミダゾリジン誘導体IIを、適切なイソシアネートV(R1−N=C=O)と反応させること(方法C)も、また、同様に可能である。
【0152】
【化13】

【0153】
基R(水素と同等ではない)は、また、文献に開示された方法により、式Iの化合物(R=水素)のアルキル化により導入可能である。
【0154】
−(C=O)−NR1aR2aのタイプの基Rは、上記した方法A、B又はCにより導入することができる。成分IVa(HNR1aR2a)、及び出発化合物IIと比較して2倍量を超えるホスゲン又はIII若しくはVa(O=C=NR1a)を採用することにより、この反応が起こる。
【0155】
上記で記載の方法で得られた式Iの化合物は、例えば、結晶化又はクロマトグラフィー法などの公知の分離方法で分離することができる。例えば、二置換のイミダゾリジン誘導体から、一置換の誘導体を分離することは、この方法で可能である。
【0156】
通常これらの反応において酸が遊離されるので、反応促進剤として、ピリジン、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム溶液、又は炭酸アルカリ金属塩などの塩基を加えることが望ましい。反応は広範囲の温度領域で実施可能である。0℃から使用する溶媒の沸点までの温度において反応を実施することが有利であることが、通常証明されている。採用する溶媒の例としては、メチレンクロリド、THF、DMF、トルエン、酢酸エチル、n−ヘプタン、ジオキサン、ジエチルエーテル又はピリジンがある。THF又はDMFなどの非プロトン性溶媒中の、水素化リチウム、水素化ナトリウム又はカリウムtert−ブトキシドなどの強塩基も、また、無水条件下で使用することが好適であることが証明されている。
【0157】
出発化合物IIとして採用されるイミダゾリジン誘導体は市販されているか、又は文献(A. Boeijen; J. W: A. Kruijtzer、R. M. J. Liskamp、Bioorg. Med. Chem. Lett. 1998 (8)、2375-2380; J. C. Hodges、S. Klutchko、米国特許第5308853号)に開示された方法で製造することができる。
【0158】
以下に詳細に記述される実施例は、本発明を説明するためのものであるが、しかし、それを限定するものではない。
化合物の同定は、質量分析で確認した。
【0159】
〔実施例1〕
3−ベンジル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−ヘキシルカルボキサミド
1−ベンジルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100 mg、0.526mmol)、1−イソシアナトヘキサン(80.3mg、0.63 mmol)、及び必要に応じて触媒量の4−ジメチルアミノピリジンを、トルエン(10ml)及びピリジン(0.5ml)に溶解し、そして115℃で6時間撹拌した。その後、更に1−イソシアナトヘキサン(80mg)を加え、混合物を115℃で更に6時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を酢酸エチル及びHOに溶解し、そして有機相を水で2回洗浄し、濃縮し、分取型HPLC(PR18、アセトニトリル/水+0.1%TFA)で精製した。
収率:11.3 mg(7%)、M+H+:318.14。
【0160】
〔実施例2〕
3−ベンジル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−(2−メチルベンジル)カルボキサミド
1−ベンジルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100 mg、0.526mmol)及び1−イソシアナトメチル−2−メチルベンゼン(92.9mg、0.63 mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:54mg(30%)、M+H+:338.17。
【0161】
〔実施例3〕
3−ベンジル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−((S)−インダン−1−イル)カルボキサミド
1−ベンジルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100mg、0.526mmol)及び(S)−1−イソシアナトインダン(100.4mg、0.63mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:95mg(52%)、M+H+:350.19。
【0162】
〔実施例4〕
3−ベンジル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−((R)−インダン−1−イル)カルボキサミド
1−ベンジルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100mg、0.52mmol)及び(R)−1−イソシアナトインダン(100.4mg、0.63mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:48 mg(26%)、M+H+:350.19。
【0163】
〔実施例5〕
3−ベンジル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)カルボキサミド
1−ベンジルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100mg、0.526mmol)及び1−イソシアナト−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(109.3mg、0.63mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:60mg(31%)、M+H+:364.16。
【0164】
〔実施例6〕
3−ベンジル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−(2−チオフェン−2−イルエチル)カルボキサミド
1−ベンジルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100mg、0.526mmol)及び2−(2−イソシアナト-エチル)チオフェン(96.7mg、0.63mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:53.5mg(30%)、M+H+:344.08。
【0165】
〔実施例7〕
3−ベンジル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−ヘプチルカルボキサミド
1−ベンジルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100mg、0.526mmol)及び1−イソシアナトヘプタン(89.1mg、0.63mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:63.8mg(37%)、M+H+:332.20。
【0166】
〔実施例8〕
3−メチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−ヘキシルカルボキサミド
1−メチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100mg、0.876mmol)及び1−イソシアナトヘキサン(133.8mg、1.05mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:43.2mg(20%)、M+H+:242.15。
【0167】
〔実施例9〕
3,4,4−トリメチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−ヘキシルカルボキサミド
1,5,5−トリメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100mg、0.70mmol)及び1−イソシアナトヘキサン(107.4mg、0.84mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:31.5mg(17%)、M+H+:270.17。
【0168】
〔実施例10〕
3−ベンジル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−ヘキシルカルボキサミド
3−ベンジルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100mg、0.526mmol)及び1−イソシアナトヘキサン(80.2mg、0.63mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:19.3 mg(12%)、M+H+:318.15。
【0169】
〔実施例11〕
3−ベンジル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−(2−メチルベンジル)カルボキサミド
3−ベンジルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100mg、0.526mmol)及び1−イソシアナトメチル−2−メチルベンゼン(92.9mg、0.63mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:75.3 mg(42%)、M+H+:338.14。
【0170】
〔実施例12〕
3−ベンジル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−ヘプチルカルボキサミド
3−ベンジルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100mg、0.526mmol)及び1−イソシアナトヘプタン(89.1mg、0.63mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:48mg(28%)、M+H+:332.17。
【0171】
〔実施例13〕
3−ベンジル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−(2−チオフェン−2−イルエチル)カルボキサミド
3−ベンジルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100mg、0.526mmol)及び2−(2−イソシアナト-エチル)チオフェン(96.7mg、0.63mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:34.5mg(19%)、M+H+:
【0172】
〔実施例14〕
5,5−ジメチル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−ヘキシルカルボキサミド
5,5−ジメチル−3−モルホリン−4−イルメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100mg、0.44mmol)及び1−イソシアナトヘキサン(56 mg、0.44mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:8 mg(7%)、M+H+:256.21。
【0173】
〔実施例15〕
3−(5,5−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)−5,5−ジメチル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−ヘキシルカルボキサミド
3−(5,5−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100mg、0.416mmol)及び1−イソシアナトヘキサン(52.9mg、0.416mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:6 mg(4%)、M+H+:368.25。
【0174】
〔実施例16〕
3−ベンジル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−ペンチルカルボキサミド
1−ベンジルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100mg、0.526mmol)及び1−イソシアナトペンタン(71.4mg、0.63mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:15mg(9%)、M+H+:304.18。
【0175】
〔実施例17〕
3−ベンジル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−シクロヘキシルカルボキサミド
1−ベンジルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100mg、0.526mmol)及びイソシアナトシクロヘキサン(79mg、0.63mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:22mg(13%)、M+H+:316.18。
【0176】
〔実施例18〕
3−ベンジル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−シクロヘキシルメチルカルボキサミド
1−ベンジルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100mg、0.526mmol)及びイソシアナトメチルシクロ-ヘキサン(87.8mg、0.63mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:36.8mg(21%)、M+H+:330.18。
【0177】
〔実施例19〕
3−ベンジル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−ベンジルカルボキサミド
1−ベンジルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100mg、0.526mmol)及びイソシアナトメチル-ベンゼン(84mg、0.63mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:39.8 mg(23%)、M+H+:324.14。
【0178】
〔実施例20〕
3−ブチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−ヘキシルカルボキサミド
1−ブチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100mg、0.64mmol)及び1−イソシアナトヘキサン(97.7mg、0.768mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:9mg(5%)、M+H+:284.50。
【0179】
〔実施例21〕
3−ブチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−ヘプチルカルボキサミド
1−ブチルイミダゾリジン−2,4−ジオン (100 mg、0.64 mmol)及び1−イソシアナトヘプタン(108.5mg、0.768mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:15 mg(8%)、M+H+:298.18。
【0180】
〔実施例22〕
3−ブチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)カルボキサミド
1−ブチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(100mg、0.64mmol)及び1−イソシアナト−1,2,3,4−テトラ-ヒドロナフタレン(133 mg、0.768mmol)を、実施例1と類似の方法で反応させた。
収率:24.3mg(12%)、M+H+:330.17。
【0181】
〔実施例23〕
1,3−ジオキソヘキサヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−2−ヘキシルカルボキサミド
a)テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−1,3−ジオン
ピぺコリンカルボン酸メチル・塩酸塩(1g、5.567mmol)を水に溶解し、そして室温で、シアン酸カリウム(452mg、5.567mmol)の水溶液(2ml)を滴下しながら加えた。室温で1時間撹拌した後、シアン酸カリウム(130mg)と水(2ml)との溶液を、再び滴下しながら加え、そして撹拌を3時間継続した。反応溶液を塩酸で酸性化し、濃縮し、そして少量の水を加えて撹拌した。固体を吸引濾過し、乾燥した。
収率:191mg(22%)、M+H+:155.10。
処理を繰り返して、生成物を更に単離することができた。
b)1,3−ジオキソヘキサヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−2−ヘキシルカルボキサミド
テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−1,3−ジオン(690mg、4.476mmol)及びイソシアナト−ヘキサン(1.5 ml、10.3mmol、数回に分けて添加)を、ジオキサン(30ml)中で、80℃で3時間、及び110℃で5時間撹拌した。濃縮した後、分取型HPLC(PR18、アセトニトリル/水+0.1%TFA)で精製した。
収率:23 mg(2%)、M+H+:282.20。
【0182】
〔実施例24〕
1,3−ジオキソ−1,5,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[1,5−b]イソキノリン−2−ヘキシルカルボキサミド
10,10a−ジヒドロ−5H−イミダゾ[1,5−b]イソキノリン−1,3−ジオンを、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸エチルから実施例23と類似の方法で調製し(収率:85%)、その後、該化合物(1.48mmol)を、イソシアナトヘキサンと、実施例23に記載したように反応させた。
収率:61 mg(12%)、M+H+:330.20。
【0183】
〔実施例25〕
1,3−ジオキソヘキサヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−2−(2−メチルベンジル)カルボキサミド
テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−1,3−ジオンを、1−イソシアナトメチル−2−メチルベンゼンと、実施例23と類似の方法で反応させた。
収率:12%、M+H+:302.23。
【0184】
〔実施例26〕
1,3−ジオキソ−1,5,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[1,5−b]イソキノリン−2−((S)−インダン−1−イル)カルボキサミド
10,10a−ジヒドロ−5H−イミダゾ[1,5−b]イソキノリン−1,3−ジオンを、(S)−1−イソシアナトインダンと、実施例23と類似の方法で反応させた。
収率:5%、M+H+:362.11。
【0185】
〔実施例27〕
1,3−ジオキソ−1,5,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[1,5−b]イソキノリン−2−((R)−インダン−1−イル)カルボキサミド
10,10a−ジヒドロ−5H−イミダゾ[1,5−b]イソキノリン−1,3−ジオンを、(R)−1−イソシアナトインダンと、実施例23と類似の方法で反応させた。
収率:6%、M+H+:362.13。
【0186】
〔実施例28〕
1,3−ジオキソ−1,5,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[1,5−b]イソキノリン−2−(1,2,3,4−テトラ-ヒドロナフタレン−1−イル)カルボキサミド
10,10a−ジヒドロ−5H−イミダゾ[1,5−b]イソキノリン−1,3−ジオンを、1−イソシアナト−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンと、実施例23と類似の方法で反応させた。
収率:8%、M+H+:376.12。
【0187】
〔実施例29〕
1,3−ジオキソ−1,5,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[1,5−b]イソキノリン−2−メチルベンジル−2−カルボキサミド
10,10a−ジヒドロ−5H−イミダゾ[1,5−b]イソキノリン−1,3−ジオンを、1−イソシアナトメチル−2−メチルベンゼンと、実施例23と類似の方法で反応させた。
収率:2%、M+H+:350.12。
【0188】
〔実施例30〕
1,3−ジオキソヘキサヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−2−((S)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)カルボキサミド
テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−1,3−ジオンを、(S)−1−イソシアナト−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンと実施例23と類似の方法で反応させた。
収率:24%、M+H+:328.16。
【0189】
〔実施例31〕
1,3−ジオキソヘキサヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−2−((S)−インダン−1−イル)カルボキサミド
テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−1,3−ジオンを、(S)−1−イソシアナトインダンと、実施例23と類似の方法で反応させた。
収率:9%、M+H+:314.14。
【0190】
〔実施例32〕
1,3−ジオキソヘキサヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−2−((R)−インダン−1−イル)カルボキサミド
テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−1,3−ジオンを、(R)−1−イソシアナトインダンと、実施例23と類似の方法で反応させた。
収率:18%、M+H+:314.14.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

式中、
X、Yは、同一か又は異なり、−C(R3)(R4)−、−(C=O)−、−(C=S)であり、ここで、少なくとも1つのX又はYは、−(C=O)−又は−(C=S)−であり、しかし、同時に、−(C=O)−又は−(C=S)−ではあり得ず、又はX及びYは、一緒になってC(R3)=C(R3)であり;
Rは、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(CR5R6)−O(R7)、(C−C)−アルキルオキシ−(C−C)−アルキレン、アリール、ヘテロ環、(C−C)−アルキレン−アリール、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、(C−C)−アルキレン−(C−C12)−シクロアルキルであり、ここで、シクロアルキル、アリール、ヘテロ環又はヘテロアリールは、1回又はそれ以上、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、O−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルキレン−アリール、O−(C−C)−アルキレン−アリール、S−アリール、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、N(R5)(R6)、SO−CH、SO−NH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R5)(R6)、N(R5)CO(R6)、N(R5)SO(R6)、CO(R5)、(CR5R6)m’−O(R7)、O−CO−N(R5)(R6)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R5)(R6)で置換されてもよく、ここで、アリール又はヘテロアリールは、また、1回又はそれ以上、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、O−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルキニル、N(R8)(R9)、SO−CH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R8)(R9)、N(R8)CO(R9)、N(R8)SO(R9)、CO(R8)、(CR8R9)m’’−O(R10)、O−CO−N(R8)(R9)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R8)(R9)で置換されてもよく;
m、m’、m”は、0、1、2、3、4、5、6であり;
R5、R6、R7、R8、R9、R10は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;又は
−(C=O)−NR1aR2aであり;又は
−(C=O)−O−R1bであり;又は
R及びXは、X=−C(R3)(R4)−の場合、単環で、飽和又は部分的に不飽和の4〜7員環系、又は二環で、飽和若しくは部分的に不飽和の8〜14員環系を形成し、環系の個々の環要素は、−CHR11−、−CR11R12−、−(C=R11)−、=C(R11)−、−NR11−、−C(=O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO−シリーズからの1〜3個の原子又は原子団で代替されてもよく、但し、−O−、−S−、−SO−、−SO−シリーズからの2つのユニットは隣接できず;
R11、R12は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキル、アリール、(C−C12)−シクロアルキル、(C−C)−アルキレン−アリール、(C−C)−アルキレン−(C−C12)−シクロアルキルであり;ここで、アリール又はシクロアルキルは、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、N(R13)(R14)、SO−CH、SO−NH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R13)(R14)、N(R13)CO(R14)、N(R13)SO(R14)、CO(R13)、(CR13R14)−O(R15)、O−CO−N(R13)(R14)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R13)(R14)で置換されてもよく;
nは、0、1、2、3、4、5、6であり;
R13、R14、R15は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;
R1、R1a、R1bは、同一か又は異なり、(C−C16)−アルキル、CH−アリール、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、CH−(C−C12)−シクロアルキルであり、ここで、アリール、ヘテロアリール又はシクロアルキルは、1回又はそれ以上、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、O−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルキレン−アリール、O−(C−C)−アルキレン−アリール、S−アリール、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、N(R16)(R17)、SO−CH、SO−NH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R16)(R17)、N(R16)CO(R17)、N(R16)SO(R17)、CO(R16)、(CR16R17)−O(R18)、O−CO−N(R16)(R17)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R16)(R17)で置換されてもよく、ここで、アリール又はヘテロアリールは、また、1回又はそれ以上、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、O−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルキニル、N(R19)(R20)、SO−CH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R19)(R20)、N(R19)CO(R20)、N(R19)SO(R20)、CO(R19)、(CR19R20)o’−O(R21)、O−CO−N(R19)(R20)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R19)(R20)で置換されてもよく;
o、o’は、0、1、2、3、4、5、6であり;
R16、R17、R18、R19、R20、R21は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;又は
式Ia:
【化2】

式中、
Wは、−C(R28)(R29)−、−C(R28)(R29)−C(R28a)(R29a)−、−C(R28)(R29)−O−であり;
R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R28a、R29aは、同一か又は異なり、水素、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、SF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、O−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルケニル、(C−C)−アルキニル、N(R30)(R31)、SO−CH、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R30)(R31)、N(R30)CO(R31)、N(R30)SO(R31)、CO(R30)、(CR30R31)−O(R32)、O−CO−N(R30)(R31)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R30)(R31)であり;
pは、0、1、2、3、4、5、6であり;
R30、R31、R32は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;又は
R22及びR28、又はR23及びR29は、それらを有する炭素原子と一緒になって、単環の5又は6員環であって、飽和の、部分的に不飽和の又は芳香族の環系を形成し、個々の環要素は、−CHR33−、−CR33R34−、=(C−R33)−で代替されてもよく;又は
R24及びR26、又はR25及びR27は、それらを有する炭素原子と一緒になって、単環の5又は6員環であって、飽和の、部分的に不飽和の又は芳香族の環系を形成し、個々の環要素は、−CHR33−、−CR33R34−、=(C−R33)−で代替されてもよく;
R33、R34は、同一か又は異なり、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、SF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、O−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルキニル、N(R35)(R36)、SO−CH、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R35)(R36)、N(R35)CO(R36)、N(R35)SO(R36)、CO(R35)、(CR35R36)−O(R37)、O−CO−N(R35)(R36)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R35)(R36)であり;
qは、0、1、2、3、4、5、6であり;
R35、R36、R37は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルである;
の基であり;
R2、R2aは、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;
R3、R4は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキル、ベンジルであり;
但し、X=CH、Y=CO、R=メチル、R2=Hの場合、R1は、ペンチル、CH−フェニル、−CH−(2−Cl−フェニル)、シクロヘキシル、−(2−メチルシクロヘキシル)ではない;
の化合物、該化合物の互変異性体及び生理学的に許容されるその塩。
【請求項2】
R2が水素である、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の式Iの化合物であって、式中、
Yは、−(C=O)−であり;そして
Xは、−C(R3)(R4)−であり;又は
Xは、−(C=O)−であり;そして
Yは、−C(R3)(R4)−であり;
Rは、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(CR5R6)−O(R7)、フェニル、ヘテロ環、(C−C)−アルキレン−フェニル、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、(C−C)−アルキレン−(C−C12)−シクロアルキルであり;ここで、シクロアルキル、フェニル、ヘテロ環又はヘテロアリールは、1回又はそれ以上、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、O−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルキレン−アリール、O−(C−C)−アルキレン−アリール、S−アリール、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、N(R5)(R6)、SO−CH、SO−NH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R5)(R6)、N(R5)CO(R6)、N(R5)SO(R6)、CO(R5)、(CR5R6)m’−O(R7)、O−CO−N(R5)(R6)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R5)(R6)で置換されてもよく、ここで、アリール又はヘテロアリールは、また、1回又はそれ以上、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、O−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルキニル、N(R8)(R9)、SO−CH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R8)(R9)、N(R8)CO(R9)、N(R8)SO(R9)、CO(R8)、(CR8R9)m’’−O(R10)、O−CO−N(R8)(R9)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R8)(R9)で置換されてもよく;
m、m’、m’’は、0、1、2、3、4、5、6であり;
R5、R6、R7、R8、R9、R10は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;又は
−(C=O)−NR1aR2aであり;又は
−(C=O)−O−R1bであり;又は
R及びXは、X=−C(R3)(R4)−の場合、単環で飽和の5〜7員環、又は二環で部分的に不飽和の8〜14員環系を形成し、個々の環要素は、−CHR11−、−CR11R12−、−(C=R11)−、−NR11−、−C(=O)−、−O−シリーズからの、1〜3個の原子又は原子団で代替されてもよく、但し、−O−シリーズからの2つのユニットは隣接できず;
R11、R12は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキル、フェニル、(C−C12)−シクロアルキル、(C−C)−アルキレン−フェニル、(C−C)−アルキレン−(C−C12)−シクロアルキルであり;ここで、フェニル又はシクロアルキルは、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、N(R13)(R14)、SO−CH、SO−NH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R13)(R14)、N(R13)CO(R14)、N(R13)SO(R14)、CO(R13)、(CR13R14)−O(R15)、O−CO−N(R13)(R14)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R13)(R14)で置換されてもよく;
nは、0、1、2、3、4、5、6であり;
R13、R14、R15は、互いに独立に、水素、(C−C)−アルキルであり;
R1、R1a、R1bは、同一か又は異なり、(C−C12)−アルキル、−CH−フェニル、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、−CH−(C−C12)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキルであり、ここで、フェニル、ヘテロアリール又はシクロアルキルは、1回又はそれ以上、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、O−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルキレン−フェニル、O−(C−C)−アルキレン−フェニル、S−フェニル、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、N(R16)(R17)、SO−CH、SO−NH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R16)(R17)、N(R16)CO(R17)、N(R16)SO(R17)、CO(R16)、(CR16R17)−O(R18)、O−CO−N(R16)(R17)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R16)(R17)で置換されてもよく、ここで、フェニル又はヘテロアリールは、また、1回又はそれ以上、F、Cl、Br、I、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、O−(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、S−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、N(R19)(R20)、SO−CH、SF、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R19)(R20)、N(R19)CO(R20)、N(R19)SO(R20)、CO(R19)、(CR19R20)o’−O(R21)、O−CO−N(R19)(R20)、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−O−(C−C)−アルキル、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C−C)−アルキレン−CO−N(R19)(R2
0)で置換されてもよく;
o、o’は,0、1、2、3、4、5、6であり;
R16、R17、R18、R19、R20、R21は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキル;又は
式Ib:
【化3】

である;
化合物。
【請求項4】
請求項1〜3に記載の式Iの化合物であって、式中、
Yは、−(C=O)−であり;そして
Xは、−C(R3)(R4)−であり;又は
Xは、−(C=O)−であり;そして
Yは、−C(R3(R4)−であり;
Rは、水素、(C−C)−アルキル、(CR5R6)−O(R7)、フェニル、−CH−フェニルであり、ここで、フェニルは、1回又は2回、F、Cl、Br、CF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、N(R5)(R6)、SO−CH、SO−NH、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R5)(R6)、CO(R5)、(CR5R6)m’−O(R7)で置換されてもよく;
m、m’は、0、1、2、3であり;
R5、R6、R7は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;又は
R及びXは、X=−C(R3)(R4)−の場合、単環で飽和の6員環、又は二環で部分的に不飽和の9〜11員環系を形成し、個々の環要素は、−CHR11−、−CR11R12−、−(C=R11)−、=C(R11)−シリーズからの1〜2個の原子又は原子団で代替されてもよく;
R11、R12は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;
R1は、(C−C)−アルキル、−CH−フェニル、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリールであり;ここで、ヘテロアリールは、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピリジン、ピラゾール、−CH−(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキルのグループから選択され、ここで、フェニル、ヘテロアリール又はシクロアルキルは、1回又はそれ以上,F、Cl、Br、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキレン−フェニル、O−(C−C)−アルキレン−フェニル、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、N(R16)(R17)、SO−CH、SO−NH、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R16)(R17)、CO(R16)、(CR16R17)−O(R18)で置換されてもよく、ここで、フェニル又はヘテロアリールは、また、1回又はそれ以上、F、Cl、Br、OH、CF、NO、CN、OCF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R19)(R20)、CO(R19)、(CR19R20)o’−O(R21)で置換されてもよく;
o、o’は、0、1、2、3であり;
R16、R17、R18、R19、R20、R21は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;又は
以下のグループ;
【化4】

からの基であり;
R22、R23、R28、R29、R28a、R29aは、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり、好ましくは、水素及びメチルであり;
R2は、水素であり;
R3、R4は、同一か又は異なり、水素、メチルである;
化合物。
【請求項5】
請求項1〜4に記載の式Iの化合物であって、式中、
Yは、−(C=O)−であり;そして
Xは、−C(R3)(R4)−であり;又は
Xは、−(C=O)−であり;そして
Yは、−C(R3)(R4)−であり;
Rは、水素、(C−C)−アルキル、(CR5R6)−O(R7)、−CH−フェニルであり、ここで、フェニルは、1回又は2回、F、Cl、Br、CF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、O−(C−C)−ハロアルキル、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R5)(R6)、CO(R5)、(CR5R6)m’−O(R7)で置換されてもよく;
m、m’は、0、1、2、3であり;
R5、R6、R7は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;又は
R及びXは、X=−C(R3)(R4)−の場合、単環で飽和の6員環系を形成し、それにベンゼン核が縮合してもよく、個々の環系の環要素は、−CHR11−、−CR11R12−、−(C=R11)−、=C(R11)−シリーズからの1〜2個の原子団で代替されてもよく;
R11、R12は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;
R1は、(C−C)−アルキル、−CH−フェニル、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリールであり、ここで、ヘテロアリールは、チオフェン、ベンゾチオフェン、−CH−シクロヘキシル、シクロヘキシルのグループから選択され、ここで、フェニル、ヘテロアリール又はシクロヘキシルは、1回又は2回、F、Cl、OH、CF、OCF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキレン−フェニル、O−フェニル、(C−C)−アルキレン−ヘテロアリール、N(R16)(R17)、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R16)(R17)、CO(R16)、(CR16R17)−O(R18)で置換されてもよく、ここで、フェニル又はヘテロアリールは、また、1回又は2回、F、Cl、OH、CF、O−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル、COOH、COO−(C−C)−アルキル、CON(R19)(R20)、CO(R19)、(CR1
9R20)o’−O(R21)で置換されてもよく;
o、o’は、0、1、2、3であり;
R16、R17、R18、R19、R20、R21は、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり;又は
以下のグループ;
【化5】

からの基であり;
R22、R23、R28、R29、R28a、R29aは、同一か又は異なり、水素、(C−C)−アルキルであり、好ましくは水素及びメチルであり;
R2は、水素であり;
R3、R4は、同一か又は異なり、水素、メチルである;
化合物。
【請求項6】
請求項1〜5に記載の式Iの化合物であって、式中、
Yは、−(C=O)−であり;そして
Xは、−C(R3)(R4)−であり;又は
Xは、−(C=O)−であり;そして
Yは、−C(R3)(R4)−であり;
Rは、水素、メチル、n−ブチル、HO−CH−、ベンジルであり;又は
R及びXは、X=−C(−R3)(R4)−の場合、−CH−CH−CH−CH−、又は以下の基:
【化6】

を形成し;
R1は、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、シクロヘキシル、−CH−シクロヘキシル、−CH−フェニル、−CH−チオフェン、−CH−CH−チオフェンであり、ここで、シクロヘキシル、フェニル又はチオフェンは、メチルで置換されてもよく;又は
以下のグループ:
【化7】

からの基であり;
R22、R23、R28、R29、R28a、R29aは水素であり;
R2は水素であり;
R3、R4は、同一か又は異なり、水素、メチルである;
化合物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の式Iの化合物の1種又はそれ以上を含む医薬。
【請求項8】
請求項7に記載の医薬であって、更なる活性成分として1種又はそれ以上の抗糖尿病薬、血糖降下活性成分、HMGCoA還元酵素阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、PPARγアゴニスト、PPARαアゴニスト、PPARα/γアゴニスト、フィブラート、MTP阻害剤、胆汁酸吸収阻害剤、CETP阻害剤、ポリマー性胆汁酸吸着剤、LDL受容体インデューサー、ACAT阻害剤、酸化防止剤、リポタンパク質リパーゼ阻害剤、ATPクエン酸リアーゼ阻害剤、スクアレンシンセターゼ阻害剤、リポ蛋白質(a)アンタゴニスト、リパーゼ阻害剤、インスリン、スルホニル尿素、ビグアニド、メグルチニド、チアゾリジンジオン、α−グルコシダーゼ阻害剤、β細胞のATP依存カリウムチャンネルに作用する活性成分、CARTアゴニスト、NPYアゴニスト、MC4アゴニスト、オレキシンアンタゴニスト、H3アゴニスト、TNFアゴニスト、CRFアンタゴニスト、CRF BPアンタゴニスト、ウロコルチンアゴニスト、β3アゴニスト、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)アゴニスト、CCKアゴニスト、セロトニン再取り込み阻害剤、混合セロトニン作動性及びノルアドレナリン作動性化合物、5HTアゴニスト、ボンベシンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、成長ホルモン放出化合物、TRHアゴニスト、脱共役タンパク質2又は3モジュレータ、レプチンアゴニスト、DAアゴニスト(ブロモクリプチン又はドプレキシン)、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤、PPARモジュレータ、RXRモジュレータ又はTR−βアゴニスト若しくはアンフェタミンを含む医薬。
【請求項9】
脂肪酸代謝疾患及びグルコース利用障害を治療及び/又は予防する医薬を製造するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項10】
異常脂質血症及びその続発症を治療及び/又は予防する医薬を製造するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項11】
インスリン抵抗性が関与する代謝症候群及び疾患に関連する状態を治療及び/又は予防、又は糖尿病及びそれに関連する続発症を治療及び/又は予防する医薬を製造するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項12】
HDL濃度の低下に関連する状態を治療及び/又は予防する医薬を製造するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項13】
アテローム性動脈硬化症を治療及び/又は予防する医薬を製造するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項14】
インスリン抵抗性が関与する疾患を治療及び/又は予防する医薬を製造するための、少なくとも1種の更なる活性成分と組み合わせた、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項15】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の式Iの化合物の1種又はそれ以上を含む医薬の製造方法であって、後者を薬学的に好適な担体と混合し、そしてこの混合物を投与に好適な形態に変換することを含む製造方法。

【公表番号】特表2010−523503(P2010−523503A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501401(P2010−501401)
【出願日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【国際出願番号】PCT/EP2008/002231
【国際公開番号】WO2008/122352
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【Fターム(参考)】