説明

リフロー炉

【課題】リフロー炉の搬送部内における雰囲気を乱流化させた状態で基板へふきつけ、基板への熱交換効率を向上させると共に、搬送部内における雰囲気温度を所定の温度条件に制御する。
【解決手段】フード40と仕切板50により、ヒータ62とファン64が配設された熱風発生部60と基板22を搬送する搬送部30とが区画され、仕切板50に多数設けられた熱風噴出部から加熱された雰囲気を搬送部内30に送り込み、仕切板50に多数設けた吸引部56から搬送部30内の雰囲気を熱風発生部60内に吸引して循環するリフロー炉10であって、熱風噴出部と吸引部56とが対をなして設けられ、各対の熱風噴出部と吸引部56とにおいて、熱風噴出部が吸引部56の外側に隣接した状態に配設されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリフロー炉に関し、より詳細には、基板への加熱が効率的に行うことができると共に、リフロー炉の搬送部における雰囲気を均一の温度にすることが可能なリフロー炉に関する。
【背景技術】
【0002】
基板上に熱風を吹き付け、はんだをリフローさせて電子部品を基板にはんだ付けする装置として、リフロー炉が広く用いられている。このようなリフロー炉としては、例えば、特許文献1記載のものがある。特許文献1記載のリフロー炉は、基板に向けてヒータが設けられていて、ヒータの輻射熱によりリフローさせる熱を得ていた。
【0003】
【特許文献1】特開平1−305554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の発明においては、輻射熱を基板への加熱熱源および、搬送部内の雰囲気の加熱熱源としている。基板を加熱する熱源に輻射熱を用いると、リフロー処理に時間がかかってしまうという課題がある。また、輻射熱によりリフロー炉内の雰囲気を加熱した場合には温度の維持管理が難しいという課題がある。このようなリフロー炉においてリフロー処理を行うと、想定していた品質を満足できない製品が製造されてしまうことがあるという課題があった。
【0005】
また近年は、従来のはんだに替えて鉛フリーはんだが用いられるようになっている。鉛フリーはんだにおけるリフロー温度は、従来のはんだに比べてリフロー温度が高く、基板に搭載する電子部品の耐熱温度との温度差がわずかになっている。このように、鉛フリーはんだを用いて基板に電子部品を取り付けする場合においては、従来以上に搬送部内における雰囲気の温度管理を厳密に行わなければならないといった課題もある。
【0006】
本発明は、基板への加熱効率を高めると共に、リフロー炉の搬送部における雰囲気の温度を常に均一にし、リフロー炉の搬送部内における雰囲気を確実に所定の温度条件に制御することが可能なリフロー炉の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、フードと仕切板により、ヒータとファンが配設された熱風発生部と基板を搬送する搬送部とが区画され、該仕切板に多数設けられた熱風噴出部から加熱された雰囲気を前記搬送部内に送り込み、前記仕切板に多数設けた吸引部から前記搬送部内の雰囲気を前記熱風発生部内に吸引して循環するリフロー炉であって、前記熱風噴出部と前記吸引部とが対をなして設けられ、各対の前記熱風噴出部と前記吸引部とにおいて、前記熱風噴出部が前記吸引部の外側に隣接した状態に配設されていることを特徴とするリフロー炉である。
【0008】
また、前記熱風噴出部は、前記吸引部の周りを囲むようにして複数箇所に配設されていることが好ましい。ここで、吸引部の周りを囲んだ複数の熱風噴出部どうしを接続し、熱風噴出部を前記吸引部と同心のリング状に形成してもよい。これにより、熱風噴出部から噴出される熱風と吸引部から吸引される搬送部の雰囲気の流れの関係により、基板への熱交換が効率的になると共に、搬送部内の雰囲気の温度が好適に均一化される。
【0009】
また、前記吸引部は管体により形成され、前記熱風噴出部は仕切板の板厚方向に貫通する貫通孔に形成されていて、前記貫通孔が、前記管体の外周面の一部に接した状態で配設されていることが好ましい。一方、前記熱風噴出部は管体により形成され、前記吸引部は仕切板の板厚方向に貫通する貫通孔に形成されていて、前記管体が、前記貫通孔の外周面の一部に接した状態で配設されていてもよい。これらの構成を採用することで、より好適に基板を加熱することができ、また、搬送部内の雰囲気温度を均一化することができる。
【0010】
また、前記吸引部の流路断面積と、前記熱風噴出部の流路断面積の比は2:1〜4:1の範囲であることが好ましい。さらには、前記吸引部の流路断面積と、前記熱風噴出部の流路断面積の比は3:1であればより好ましい。これにより、熱風噴出部から噴出する加熱された雰囲気と、吸引部を介して搬送部から吸引される雰囲気の流入流出のバランスが良好になり、より好適に基板に熱を加えることができると共に、搬送部内の雰囲気温度を均一に維持することができる。
【0011】
また、前記熱風噴出部から噴出した加熱された雰囲気の一部が前記吸引部に吸引されることにより、前記搬送部内において乱流が形成されることで、前記基板への加熱効率を向上させると共に、前記搬送部内の雰囲気温度が可及的に均一化されることを特徴とする。これにより、搬送部内に噴出された雰囲気が搬送部内で広がり、基板への加熱性能が向上し、搬送部内の雰囲気温度を均一にすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかるリフロー炉によれば、基板にふきつける雰囲気を乱流状態にすることができるので、基板を効率的に加熱することができ、リフロー処理を短時間で行うことができる。このようなリフロー炉によれば、鉛フリーはんだを用いた場合であっても、基板に搭載した電子部品への熱負荷を最小限にすることができる。
また、搬送部内の雰囲気温度を可及的に均一化することができるので、はんだを用いて電子部品を搭載する基板のはんだリフローのムラをなくすことができる。すなわち、均一な品質で電子部品を搭載した基板を提供することができ、電子部品搭載製品の歩留まりを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下、本実施形態におけるリフロー炉について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施形態におけるリフロー炉の概略構成を示す基板搬送方向から臨んだ説明図である。図2は、搬送部側から仕切板の方向を臨んだ説明図である。図3は、図2中のZ部分の拡大図である。図4は搬送部と熱風噴出部および吸引部における雰囲気の流れを示す説明図である。
【0014】
本実施形態におけるリフロー炉10は、断面形状が下に開口するコ字状に形成された断熱材からなるフード40が仕切板50により仕切られることにより、電子部品20が載置された基板22を水平方向に搬送する搬送部30と、ヒータ62とファン(送風ファン)64とが配設された熱風発生部60とに区画されている。12は台座である。台座12の内部空間は、リフロー炉10を窒素炉として使用する場合に必要な窒素ガスの収納庫として利用することができる。
【0015】
搬送部30内には、耐熱性部材により形成されたメッシュコンベア等に例えられる無端の循環式の基板搬送装置31が配設される。基板搬送装置31は、リフロー炉10の入口側から出口側に向けて(図1において紙面に垂直な方向に向けて)基板22を搬送する。図1においては、基板搬送装置31の基板搬送部分を図示しており、基板搬送装置31は紙面と直交する方向に循環している。
【0016】
仕切板50の上方側の空間はヒータ62と送風ファン64が配設された熱風発生部60に形成されている。ヒータ62と触媒体66は直方体に形成されたヒータボックス68に内蔵されている。ヒータボックス68は取付板69により仕切板50に取り付けられている。ヒータボックス68の底面と取付板69と仕切板50により、搬送部30の上方に搬送方向と直交する方向に伸びるトンネル部が形成される。
【0017】
ヒータボックス68の上面には開口部68Aが形成されていて、この開口部68Aに対向して送風ファン64が配設されている。ヒータボックス68の底面板には円形の貫通孔68Bが複数形成されていて、吸引部(吸引管)56を介して搬送部30に連通している。貫通孔68Bは、ヒータボックス68の底面板に千鳥配列をなすように形成されている。
【0018】
熱風発生部60内には、ヒータボックス68とフード40および仕切板50により、熱風循環路80が形成されている。熱風循環路80は、送風ファン64により送られる熱風を、基板搬送方向と直交する方向の両側(図1中の矢印Aの方向)に向けて分配すると共に、両側部から搬送部30の方向に向けて下方側(図1中の矢印Bの方向)に案内し、さらには搬送部30と平行に、リフロー炉10の両側からトンネル部によりリフロー炉10の中央部分に向かって互いに対向する逆向き方向(図1中の矢印Cの方向)に案内した後、熱風噴出部54から搬送部30の上に搬送されてくる基板22に向けて噴出することができるように形成されている。
【0019】
搬送部30と熱風循環路80とは、仕切板50に形成された熱風噴出部54により連通している。また搬送部30と熱風発生部60(ヒータ62)とは、仕切板50の貫通孔52とヒータボックス68の底面板に形成された貫通孔68Bとを渡すようにして両孔に両端が嵌着された吸引部(吸引管)56により連通している。したがって、吸引管56は上記トンネル部内を上下方向に通過する状態に伸びて、搬送部30とヒータボックス68とを連通している。
【0020】
仕切板50に形成された貫通孔52は、ヒータボックス68に形成された貫通孔68Bと同一配列の千鳥配列となるようにプレス加工等により形成されている。貫通孔52の形状は、図2、図3に示すように吸引部56として用いられる管体からなる吸引管56の一端が圧入される内孔53と、内孔53の周上にさらに半円状をなす外孔(熱風噴出部)54とを有する形状に形成されている。内孔53の内径寸法は、吸引管56の外径寸法に等しく形成されている。
【0021】
仕切板50に形成された貫通孔52の外孔54は仕切板50に吸引管56を装着した後においても仕切板50を板厚方向に貫通した状態を維持する。本実施形態においてはこの外孔54が熱風噴出部54となる。すなわち、各熱風噴出部54は各吸引管56と対をなして設けられ、吸引管56の吸引部分を外側から囲むようにして、吸引管56の外周面の一部に接した状態で複数箇所に配設された状態となる。
【0022】
また、吸引管56の流路面積と熱風噴出部54の流路面積の比は4:1〜2:1の範囲であることが好適であるが、より好ましくは吸引管56の流路面積と熱風噴出部54の流路面積が3:1の比となる場合である。このように吸引管56の流路面積に対し、熱風噴出部54の流路面積が1/4〜1/2の範囲となるように設けられているので、熱風噴出部54から搬送部30内に噴出される雰囲気の流速は吸引管56に吸引される雰囲気の流速の2〜4倍になる。
【0023】
リフロー炉10内には、図示しない供給口から窒素ガスが導入され、極力空気がパージされた状態ではんだのリフローがなされることがある。
熱風噴出部54から加熱された雰囲気が搬送部30内に噴出され、搬送部30内の雰囲気は吸引管56により吸引されてヒータボックス68に導入される。このようにしてリフロー炉10内を雰囲気が循環する。もちろん、リフロー炉10内に導入された雰囲気の一部は、リフロー炉10の入口側と出口側から外部に流出する。
【0024】
熱風噴出部54は吸引管(吸引部)56の外側に隣接した状態で配設されているので、熱風噴出部54から搬送部30内に噴出される雰囲気の一部が、吸引管56によって図4に示すように、熱風噴出部54から搬送部30内に噴出される雰囲気に乱流が生じ、基板22に均一にふきつけられる。また雰囲気が乱流状態となるので、基板22への加熱が効率的に行われるので、リフロー処理を短時間で行うことができる。さらには、搬送部30内の雰囲気の温度が均一化され、良好なリフローが行われる。
【0025】
また、先にも説明したとおり、仕切板50の貫通孔52が平面視において千鳥配列になっているため、搬送部30内の基板22の搬送方向と直交する方向における熱風噴出部54と吸引管56の配設密度を高めることができる。熱風噴出部54と吸引管56の配設密度が高まると、搬送部30内の雰囲気の攪拌がより高度に行われるので、搬送部30における雰囲気温度がより均一にすることができるため好都合である。
【0026】
図5は、リフロー炉10内における雰囲気の流速分布を示すものである。基板22に流速計を取り付け、リフロー炉10内を搬送することによって基板22にふきつけられる雰囲気の風速を計測した。図5内のA区は、本実施の形態におけるリフロー炉10内における風速を、B区は、図の下部に示すように、各吸引管56から離れた位置に、吸引管56間の中間位置に熱風噴出部54を配置した場合(従来技術)の比較例を示す。
図5のA区では、風速の最大値Amaxと最小値Aminとの差が小さくなっているのに対し、B区ではその差(風速の最大値Bmaxと最小値Bminとの差)が極めて大きくなっている。これは、本実施形態の場合は、前記のように、熱風噴出部54から噴出される雰囲気の一部が、吸引管56から吸引される雰囲気に巻き付くようにして吸引されて乱流状態が生じるのに対し、比較例の場合は、熱風噴出部54からストレートに雰囲気が噴出され、雰囲気の攪拌が少ないためと考えられる。
【0027】
この実験結果から、本実施形態にかかるリフロー炉10によれば、搬送部30内において基板22にふきつけられる雰囲気の流速のばらつきが少なく、雰囲気が均一の状態で基板22にふきつけられていることが分かる。このように搬送部30内において均一の雰囲気が流れていることによっても、基板22への加熱が効率的に行えると共に、搬送部30内における雰囲気の温度ムラ発生が好適に防止できる。
また、均一な条件下ではんだリフロー処理をすることが可能になり、リフロー処理後における製品の歩留まりを向上させることができる。
【0028】
次に、リフロー炉10内における雰囲気の流れについて説明する。
送風ファン64によってヒータボックス68に吸引された搬送部30内の雰囲気は、ヒータ62により加熱された後、ヒータボックス68の開口部68Aを通過し、再び送風ファン64により熱風循環路80に送り出される。送風ファン64により送り出された加熱された雰囲気は、熱風循環路80内を搬送部30の延長方向と直交する方向の両側に向けて(図1の矢印A方向)離反するように誘導され、さらにその両側部から搬送部30方向に向けて下方(図1中の矢印B方向)に、さらには搬送部30とヒータボックス68の間のトンネル部を側方から互いに接近するように逆方向(図1中の矢印C方向)に進入した後、仕切板50に設けられた熱風噴出部54から搬送部30内に搬送されている基板22に向けて(図1中の矢印D方向)噴出される。搬送部30に噴出された雰囲気は、基板22に搭載されたはんだをリフローさせる。搬送部30内の雰囲気は、送風ファン62により、仕切板50の貫通孔52に取り付けられた吸引管56を経由してヒータボックス68(熱風発生部60側)に吸引される(図1中の矢印E方向)。
ヒータボックス68(熱風発生部60の内部空間)に吸引された雰囲気は、再びヒータ62により加熱された後に、ヒータボックス68の上面の開口部68Aを通過して送風ファン62に吸引される(図1中のF方向)。このようにして搬送部30の雰囲気はリフロー炉10内部を循環する。
【0029】
(第2実施形態)
次に他の実施形態について説明する。第1実施形態においては、単体のリフロー炉10について説明したが、本実施形態においては図5に示すように搬送部30の上下に熱風発生部60,60を配設し、上下にヒータ60および送風ファン62をそれぞれ配設したリフロー炉10について説明をする。
【0030】
本実施形態における基板搬送装置31の構成は特に限定されるものではないが、図6の紙面に対して垂直方向に回転する無端状チエーン31Aを2基平行に設け、各チエーン片に内方に向けて突出する支持ピンPを設けた形態のものを採用している。基板搬送装置31により搬送される基板22は、この支持ピンP間に橋渡し状に載置して搬送するようにすることができる。
本実施形態においては、搬送部30の上下にそれぞれヒータ62および送風ファン64を有しているので、搬送部30内の雰囲気をより均一な温度条件に設定することができるため好都合である。
【0031】
以上に説明した実施形態においては、それぞれ、基板22の搬送方向において一基のリフロー炉10が配設された形態を示しているが、実際には、基板22の搬送方向に複数基のリフロー炉10を連結した連続式リフロー炉に構成する。この場合、フード40を長手方向に複数に仕切ってそれぞれのリフロー炉10の区切板として用いるとよい。また、雰囲気に含まれるフラックスを除去する触媒体(図示せず)を必要なセクションにおけるリフロー炉10に配設することもできる。
【0032】
連続式リフロー炉を採用することにより、基板22を搬送部30上に順次並べて連続式リフロー炉内に順次搬入、搬送することによって、基板22への電子部品20のはんだ付けを連続的に行うことができる。搬送部30の温度設定を変更したリフロー炉10,10,10,・・・を基板搬送方向に複数基連結することによって、搬送方向に適宜温度勾配をもたせる(プリヒート部、加熱部、本加熱部、冷却部などといった構成となる)こともできる。これにより、きめ細かなリフロー条件(リフロー温度、および時間)を設定することが可能となる。
【0033】
単体のリフロー炉および連続式リフロー炉のいずれにおいても、リフロー炉10と外界との境界となる搬送部30の出入り口部分に、ラビリンスやエアカーテン装置を配設すれば、搬送部30の雰囲気の温度管理を容易に行うことができるため好適である。
【0034】
以上に説明した実施形態におけるリフロー炉10は、搬送部30の延長方向と直交する水平方向にリフロー炉10内の雰囲気を一旦二分割して流通させた後、分割させた雰囲気を再び合流させ、リフロー炉10内に窒素を導入した所謂窒素炉について説明しているが、雰囲気の流通形態は特に限定されるものではなく、いかなる雰囲気の流通形態および窒素を導入しない、いわゆる大気炉であっても本願発明を適用することができるのはもちろんである。
【0035】
また、熱風噴出部54は必ずしも吸引部(吸引管)56の外周縁上の複数箇所に形成された形態である必要はない。熱風噴出部54の他の形態としては、例えば吸引部56と同心のリング状に形成してもよいのはもちろんである。熱風噴出部54を吸引部56と同心のリング状に形成する場合には、図7に示すような二重構造管58を仕切板50の貫通孔52とヒータボックス68の底面に設けた貫通孔68Bに連通させて配設し、外側管58Aと内側管58Bの間の空間を熱風噴出部54として用い、内側管58Bの内部空間を吸引部56として用いればよい。
この場合においても、吸引部56の流路面積と熱風噴出部54の流路面積の比は先に説明した比率であることが好ましいのは同様である。
【0036】
本実施形態においては、熱風噴出部54を仕切板50に形成した貫通孔52の外孔54により構成し、吸引管56により吸引部を構成する形態について説明したが、吸引部56の外周を囲むように熱風噴出部54を配設する形態であれば、熱風噴出部54を管状体により形成し、吸引部56を仕切板に形成した貫通孔により構成する形態を採用しても本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1実施形態におけるリフロー炉の概略構成を示す基板搬送方向から臨んだ説明図である。
【図2】搬送部側から仕切板の方向を臨んだ説明図である。
【図3】図2中のZ部分の拡大図である。
【図4】搬送部と熱風噴出部および吸引部における雰囲気の流れを示す説明図である。
【図5】第1実施形態にかかる仕切板を用いたリフロー炉と、従来技術にかかる仕切板を用いたリフロー炉により、搬送部内において基板にふき付けられる雰囲気の風速を計測した実験の結果を示すグラフである。
【図6】第2実施形態のリフロー炉の概略構成を示す説明図である。
【図7】熱風噴出部の他の実施形態の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0038】
10 リフロー炉
12 台座
20 電子部品
22 基板
30 搬送部
31 基板搬送装置
40 フード
50 仕切板
52 貫通孔
54 熱風噴出部(外孔)
56 吸引部(吸引管)
58 二重構造管
58A 外側管
58B 内側管
60 熱風発生部
62 ヒータ
64 送風ファン
68 ヒータボックス
69 取付板
80 熱風循環路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フードと仕切板により、ヒータとファンが配設された熱風発生部と基板を搬送する搬送部とが区画され、該仕切板に多数設けられた熱風噴出部から加熱された雰囲気を前記搬送部内に送り込み、前記仕切板に多数設けた吸引部から前記搬送部内の雰囲気を前記熱風発生部内に吸引して循環するリフロー炉であって、
前記熱風噴出部と前記吸引部とが対をなして設けられ、各対の前記熱風噴出部と前記吸引部とにおいて、前記熱風噴出部が前記吸引部の外側に隣接した状態に配設されていることを特徴とするリフロー炉。
【請求項2】
前記熱風噴出部は、前記吸引部の周りを囲むようにして複数箇所に配設されていることを特徴とする請求項1記載のリフロー炉。
【請求項3】
前記熱風噴出部は、前記吸引部と同心のリング状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のリフロー炉。
【請求項4】
前記吸引部は管体により形成され、前記熱風噴出部は仕切板の板厚方向に貫通する貫通孔に形成されていて、
前記貫通孔が、前記管体の外周面の一部に接した状態で配設されていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のリフロー炉。
【請求項5】
前記熱風噴出部は管体により形成され、前記吸引部は仕切板の板厚方向に貫通する貫通孔に形成されていて、
前記管体が、前記貫通孔の外周面の一部に接した状態で配設されていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のリフロー炉。
【請求項6】
前記吸引部の流路断面積と、前記熱風噴出部の流路断面積の比は2:1〜4:1の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のリフロー炉。
【請求項7】
前記吸引部の流路断面積と、前記熱風噴出部の流路断面積の比は3:1であることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載のリフロー炉。
【請求項8】
前記熱風噴出部から噴出した加熱された雰囲気の一部が前記吸引部に吸引されることにより、前記搬送部内において乱流が形成されることで、前記基板への加熱効率を向上させると共に、前記搬送部内の雰囲気温度が可及的に均一化されることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載のリフロー炉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−172154(P2008−172154A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−6039(P2007−6039)
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(390035895)株式会社鈴木 (11)
【Fターム(参考)】