リードフレームの連続体の加熱冷却処理装置及びその加熱冷却処理方法
【課題】二枚の金属ベルトの間に挟まれて加熱冷却されたリードフレームの金属ベルトとの接触面に傷が付き易い従来のリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置の課題を解決する。
【解決手段】駆動ローラ20と従動ローラ18との間に、無端状に巻き付けられている金属ベルト22と、連続体10を拘束状態で所定温度に加熱する加熱部と、前記加熱部で加熱された連続体10を金属ベルト22に載置して拘束状態で冷却する冷却部と、連続体10の移送方向に走行する金属ベルト22を支承する複数の支承ローラ24とを具備し、複数の支承ローラ24が、金属ベルト22の連続体10を載置する載置面が外方に膨出する弧状面となるように配設され、前記加熱部で加熱処理が施された、一面側が露出状態の連続体10の他面側を金属ベルト22の弧状面に押し付けて、連続体10を拘束状態とする拘束手段と、連続体10が前記弧状面での拘束状態を保持して金属ベルト22と共に移送方向に走行して冷却される位置に、前記冷却部が設けられている。
【解決手段】駆動ローラ20と従動ローラ18との間に、無端状に巻き付けられている金属ベルト22と、連続体10を拘束状態で所定温度に加熱する加熱部と、前記加熱部で加熱された連続体10を金属ベルト22に載置して拘束状態で冷却する冷却部と、連続体10の移送方向に走行する金属ベルト22を支承する複数の支承ローラ24とを具備し、複数の支承ローラ24が、金属ベルト22の連続体10を載置する載置面が外方に膨出する弧状面となるように配設され、前記加熱部で加熱処理が施された、一面側が露出状態の連続体10の他面側を金属ベルト22の弧状面に押し付けて、連続体10を拘束状態とする拘束手段と、連続体10が前記弧状面での拘束状態を保持して金属ベルト22と共に移送方向に走行して冷却される位置に、前記冷却部が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置及びその加熱冷却処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置に用いるリードフレームを金属帯状体にプレス加工を施して製造する際に、プレス加工が施されて形成されたリードフレームの連続体に残留する残留歪を除去すべく、リードフレームのインナーリードの先端部同士を連結した状態で連続体に加熱処理を施した後、冷却処理を施すことが行われている。
かかる加熱冷却処理装置としては、下記特許文献1に図3に示すリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置が提案されている。図3に示すリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置には、第1駆動ローラ100aと第1従動ローラ100bとから成る一対のローラ間に無端状に巻き付けられ、所定張力で引っ張られて回転している第1金属ベルト102と、第2駆動ローラ104aと第2従動ローラ104bとから成る一対のローラ間に無端状に巻き付けられ、所定張力で引っ張られて回転している第2金属ベルト106とが設けられ、第1金属ベルト102と第2金属ベルト106との各駆動ローラ100a,104aの方向に走行する部分が所定の接圧力で重ね合わされており、この重ね合わせられた第1金属ベルト102と第2金属ベルト106との間に供給されたリードフレームの連続体108を拘束して加熱冷却できるように、重ね合わせられた第1金属ベルト102と第2金属ベルト106とが加熱領域と冷却領域とを貫通して走行可能に設けられている。
この様に、重ね合わせられた第1金属ベルト102と第2金属ベルト106との間には、図4に示す様に、リードフレームの連続体108の全体が挟まれて拘束されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−165823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図3及び図4に示すリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置によれば、プレス加工したリードフレームの連続体に残留する残留歪の除去を、連続体を迅速に加熱冷却することによって行うことができ、リードフレームの連続体の歪除去速度を向上でき、リードフレームの生産性の向上を図ることができる。
しかしながら、第1金属ベルト102と第2金属ベルト106との間に挟み込まれたリードフレームの連続体108は、第1金属ベルト102と第2金属ベルト106とに接触する接触面に傷が付き易いことが判明した。
そこで、本発明は、二枚の金属ベルトの間に挟まれて加熱冷却されたリードフレームの金属ベルトとの接触面に傷が付き易い従来のリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置及びその加熱冷却処理方法の課題を解決し、加熱冷却を施したリードフレームの連続体に可及的に傷が付き難いリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置及びその加熱冷却処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、前記課題を解決すべく検討した結果、駆動ローラと従動ローラとに無端状に巻き付いている金属ベルトの引張側を円弧状とし、円弧状の金属ベルトにリードフレームの連続体の一面側を押し付けることによって、リードフレームの連続体が金属ベルトの円弧状面に容易に拘束できることを見出した。
すなわち、前記課題を解決する手段として、プレス加工が施されたリードフレームの連続体に残留する残留歪を、前記連続体を加熱冷却して除去する加熱冷却装置であって、一対の駆動ローラと従動ローラとの間に、無端状に巻き付けられている金属ベルトと、前記連続体を拘束状態で所定温度に加熱する加熱部と、前記加熱部で加熱された前記連続体を前記金属ベルトに載置して拘束状態で冷却する冷却部と、前記駆動ローラと従動ローラとの間に設けられ、前記連続体の移送方向に走行する前記金属ベルトを支承する複数の支承ローラとを具備し、前記複数の支承ローラが、支承される前記金属ベルトの前記連続体を載置する載置面が外方に膨出する弧状面となるように配設され、前記加熱部で加熱処理が施された、一面側が露出状態の前記連続体の他面側を前記金属ベルトの弧状面に押し付けて、前記連続体を拘束状態とする拘束手段と、前記連続体が前記弧状面での拘束状態を保持して金属ベルトと共に前記移送方向に走行して冷却される位置に、前記冷却部が設けられているリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置を提供できる。
【0006】
また、前記課題を解決する手段として、プレス加工を施したリードフレームの連続体に残留する残留歪を、前記連続体を加熱冷却処理して除去する際に、前記加熱冷却処理を施す加熱冷却処理装置として、一対の駆動ローラと従動ローラとの間に、無端状に巻き付けられている金属ベルトと、前記連続体を拘束状態で所定温度に加熱する加熱部と、前記加熱部で加熱された前記連続体を前記金属ベルトに載置して拘束状態で冷却する冷却部と、前記駆動ローラと従動ローラとの間に設けられ、前記連続体の移送方向に走行する前記金属ベルトを支承する複数の支承ローラとを具備し、前記複数の支承ローラが、支承される前記金属ベルトの前記連続体を載置する載置面が外方に膨出する弧状面となるように配設された加熱冷却処理装置を用い、前記加熱部で加熱処理を施した、一面側が露出状態の前記連続体の他面側を、前記金属ベルトの弧状面に押し付けて、前記連続体を拘束状態とし、前記拘束状態を保持しつつ、前記金属ベルトと共に前記移送方向に走行する前記連続体を、前記冷却部を通過して冷却するリードフレームの連続体の加熱冷却処理方法を提供できる。
【0007】
本発明者らが提供した課題を解決する手段において、下記の好ましい態様を上げることができる。
金属ベルトとして、リードフレームの連続体よりも幅広の金属ベルトを用い、支承ローラに対応して、前記連続体から露出する前記幅広の金属ベルトの両側縁近傍に当接して、前記金属ベルトを支承ローラとの間に挟み込む一対の当接ローラ部と、前記一対の当接ローラ部を前記連続体と接触することなく連結するシャフト部とから成る押えローラを設けることによって、金属ベルトの走行状態を安定化できる。
かかる金属ベルトの弧状面を、前記金属ベルトの引張側に形成することによって、金属ベルトの弧状面を平滑面とすることができる。
また、加熱部には、加熱ローラを設け、リードフレームの連続体を拘束状態で加熱できるように、前記加熱ローラに前記連続体を巻回することによって、リードフレームの連続体を拘束状態で加熱してフラット化できる。
更に、従動ローラとして、加熱ローラを用いることによって、加熱処理を施したリードフレームの連続体を載置する金属ベルトを所定温度に加熱できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明者が提供したリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置では、リードフレームの連続体を載置する金属ベルトの載置面を、複数の支承ローラによって外方に膨出する弧状面に形成している。このため、加熱部で拘束されて加熱処理された、一面側が露出状態のリードフレームの連続体を、その他面側を拘束手段によって金属ベルトの弧状面に押し付けて拘束状態として冷却処理を施すことができる。
この様に、本発明者が提供したリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置では、加熱処理を施したリードフレームの連続体を、その一面側を露出させつつ、拘束状態で冷却を施すことができる。
従って、本発明者が提供したリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置を用いて得られた、リードフレームの連続体には、加熱処理が施されたリードフレームの連続体を二枚の金属ベルト間に挟み込んで冷却処理を施す従来のリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置を用いて得られた、リードフレームの連続体に比較して、加熱冷却処理の際の傷を可及的に少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明者が提案したリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置の概略図である。
【図2】図1に示す加熱冷却処理装置に用いる支承ローラ24と押えローラ30との関係及び金属ベルト22と連続体10との関係を説明する正面図である。
【図3】従来のリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置の概略図である。
【図4】図3に示す加熱冷却処理装置で用いる金属ベルトと連続体との関係を説明する部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明者が提案したリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置の一例を説明する概略図を図1に示す。図1に示す加熱冷却処理装置は、予備加熱部、加熱部及び冷却部が設けられている。
予備加熱部には、プレス加工が施されたリードフレームの連続体10が供給ローラ12を経由して走行する走行路に沿って複数の加熱ヒータ14,14が配設されている。この予備加熱部に隣接して加熱部が設けられている。かかる加熱部には、加熱ローラ16,18が設けられ、予備加熱部で予備加熱された連続体10を加熱ローラ16に巻回して拘束状態として所定温度まで加熱する。この加熱部にも、連続体10の走行路に沿って複数の加熱ヒータ14,14・・が配設されている。
この加熱部に隣接して冷却部が設けられている。冷却部には、ファン等の冷却装置(図示せず)から冷風が加熱部で所定温度まで昇温された連続体10を冷却する。かかる冷却部には、加熱部に設けられた従動ローラ18と冷却部の外側に設けられた駆動ローラ20とに無端状に巻き付けられた金属ベルト22が貫通している。この従動ローラ18と駆動ローラ20とに巻き付けられた金属ベルト22は、上部側が駆動ローラ20に引き込まれる引張側22aであり、下部側が駆動ローラ20から送り出される緩み側22bである。
ここで、従動ローラ18には、加熱ローラを採用することが好ましい。冷却部で冷却された金属ベルト22を加熱して所定温度に昇温し、連続体10を金属ベルト22に載置したとき、連続体10が急激に冷却されることを防止できるからである。
【0011】
金属ベルト22の引張側22aは、従動ローラ18と駆動ローラ20との間に設けられた複数の支承ローラ24,24・・によって支承されて走行している。かかる支承ローラ24,24・・は、金属ベルト22よりも幅広であって、金属ベルト22の引張側22aが外方に膨出する弧状面に形成されるように配設されている。
この金属ベルト22の引張側22aの弧状面に、加熱部に設けられた加熱ローラ16で加熱された連続体10が載置されたとき、連続体10に加えられている張力によって、連続体10は金属ベルト22の弧状面に押し付けられて拘束状態となる。
しかも、駆動ローラ20には、連続体10を金属ベルト22に押し付けるグリップローラ28が設けられており、確実に連続体10を金属ベルト22の弧状面に押し付けて拘束状態とすることができる。
ここで、金属ベルト22の緩み側22bにも、支承ローラ26,26・・が配設されている。これらの支承ローラ26,26・・は、金属ベルト22の緩み側22bが水平状態となるように配設されている。
尚、加熱ローラ16及び従動ローラ18としては、電気ヒータが内蔵された加熱ローラを用いることができる。
【0012】
図1に示す加熱冷却処理装置で用いる金属ベルト22は、図2に示す様に、連続体10よりも幅広に形成されているが、支承ローラ24よりも幅狭である。
かかる支承ローラ24,24・・の各々には、図1に示す様に、押えローラ30が設けられている。
かかる押えローラ30は、図2に示す様に、支承ローラ24に支承された金属ベルト22の連続体10から露出する両側縁近傍に当接する一対の当接ローラ部32,32と、一対の当接ローラ部32,32を連結するシャフト部34とから成る。このシャフト部34は、図2に示す様に、金属ベルト22に載置された連続体10に接触することなく一対の当接ローラ部32,32を連結している。
この様に、図2に示す押えローラ30と支承ローラ24との間に、金属ベルト22を挟み込むため、金属ベルト22のバタツキを抑制して、金属ベルト22の走行状態を安定化できる。
【0013】
図1に示す加熱冷却処理装置を用いてリードフレームの連続体10に加熱冷却処理を施す際には、巻回体から引き出されて、供給ローラ12を経由して予備加熱部に供給された連続体10は、加熱ヒータ14,14・・の間を通過して予備加熱される。
予備加熱された連続体10は、加熱部の加熱ローラ16に巻き付けられて拘束された状態で、加熱ローラ16及び加熱ヒータ14,14・・によって加熱される。
加熱ローラ16によって加熱された連続体10は、従動ローラ18と冷却部外に設けられた駆動ローラ20とに巻き付けられた金属ベルト22の引張側22aに載置される。
金属ベルト22の引張側22aは、支承ローラ24,24・・によって外方に膨出する弧状面に形成されている。このため、かかる金属ベルト22の弧状面に載置された連続体10は、金属ベルト22の弧状面に、その張力及び駆動ローラ20に設けられたグリップローラ28によって押し付けられて拘束状態となる。
従って、加熱ローラ16に巻き付けられて拘束状態で加熱された連続体10は、拘束状態で金属ベルト22の引張側22aに載置される。
【0014】
拘束状態で金属ベルト22の引張側22aに載置された連続体10は、金属ベルト22の走行に伴って駆動ローラ20側に走行して、拘束状態で冷却部を通過して冷却される。
冷却部を通過した連続体10は、グリップローラ28を通過したとき、拘束状態が解除されて金属ベルト22と分離される。
連続体10と分離された金属ベルト22は、支承ローラ26,26・・によって略水平に支承されて従動ローラ18の方向に走行し、従動ローラ18として用いられている加熱ローラに巻回され所定温度に加熱される。所定温度に加熱された金属ベルト22は、再度、拘束状態で加熱された連続体10が載置される。
この様に、拘束状態で加熱冷却が施された連続体10は、プレス加工による残留歪を除去できる。
しかも、金属ベルト22の引張側22aの弧状面に拘束状態で冷却された連続体10は、その片面が露出状態で冷却が施される。このため、図3に示す従来の加熱冷却処理装置を用いて加熱冷却処理を施した連続体に比較して、加熱冷却処理の際に受ける傷を可及的に少なくできる。
また、図1に示す加熱冷却処理装置は、連続体10を搬送する金属ベルト22も一本で済み、金属ベルトを二本必要とする図3に示す従来の加熱冷却処理装置に比較して、簡素化できる。しかも、冷却部での冷却効率も、図3に示す従来の加熱冷却処理装置よりも効率化できるため、図1に示す加熱冷却処理装置では、冷却部の長さを短縮でき、小型化を図ることができる。
【符号の説明】
【0015】
10 連続体
12 供給ローラ
14 加熱ヒータ
16 加熱ローラ
18 加熱ローラ(従動ローラ)
20 駆動ローラ
22 金属ベルト
22a 引張側
22b 緩み側
24,26 支承ローラ
28 グリップローラ
30 押えローラ
32 当接ローラ部
34 シャフト部
【技術分野】
【0001】
本発明はリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置及びその加熱冷却処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置に用いるリードフレームを金属帯状体にプレス加工を施して製造する際に、プレス加工が施されて形成されたリードフレームの連続体に残留する残留歪を除去すべく、リードフレームのインナーリードの先端部同士を連結した状態で連続体に加熱処理を施した後、冷却処理を施すことが行われている。
かかる加熱冷却処理装置としては、下記特許文献1に図3に示すリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置が提案されている。図3に示すリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置には、第1駆動ローラ100aと第1従動ローラ100bとから成る一対のローラ間に無端状に巻き付けられ、所定張力で引っ張られて回転している第1金属ベルト102と、第2駆動ローラ104aと第2従動ローラ104bとから成る一対のローラ間に無端状に巻き付けられ、所定張力で引っ張られて回転している第2金属ベルト106とが設けられ、第1金属ベルト102と第2金属ベルト106との各駆動ローラ100a,104aの方向に走行する部分が所定の接圧力で重ね合わされており、この重ね合わせられた第1金属ベルト102と第2金属ベルト106との間に供給されたリードフレームの連続体108を拘束して加熱冷却できるように、重ね合わせられた第1金属ベルト102と第2金属ベルト106とが加熱領域と冷却領域とを貫通して走行可能に設けられている。
この様に、重ね合わせられた第1金属ベルト102と第2金属ベルト106との間には、図4に示す様に、リードフレームの連続体108の全体が挟まれて拘束されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−165823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図3及び図4に示すリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置によれば、プレス加工したリードフレームの連続体に残留する残留歪の除去を、連続体を迅速に加熱冷却することによって行うことができ、リードフレームの連続体の歪除去速度を向上でき、リードフレームの生産性の向上を図ることができる。
しかしながら、第1金属ベルト102と第2金属ベルト106との間に挟み込まれたリードフレームの連続体108は、第1金属ベルト102と第2金属ベルト106とに接触する接触面に傷が付き易いことが判明した。
そこで、本発明は、二枚の金属ベルトの間に挟まれて加熱冷却されたリードフレームの金属ベルトとの接触面に傷が付き易い従来のリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置及びその加熱冷却処理方法の課題を解決し、加熱冷却を施したリードフレームの連続体に可及的に傷が付き難いリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置及びその加熱冷却処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、前記課題を解決すべく検討した結果、駆動ローラと従動ローラとに無端状に巻き付いている金属ベルトの引張側を円弧状とし、円弧状の金属ベルトにリードフレームの連続体の一面側を押し付けることによって、リードフレームの連続体が金属ベルトの円弧状面に容易に拘束できることを見出した。
すなわち、前記課題を解決する手段として、プレス加工が施されたリードフレームの連続体に残留する残留歪を、前記連続体を加熱冷却して除去する加熱冷却装置であって、一対の駆動ローラと従動ローラとの間に、無端状に巻き付けられている金属ベルトと、前記連続体を拘束状態で所定温度に加熱する加熱部と、前記加熱部で加熱された前記連続体を前記金属ベルトに載置して拘束状態で冷却する冷却部と、前記駆動ローラと従動ローラとの間に設けられ、前記連続体の移送方向に走行する前記金属ベルトを支承する複数の支承ローラとを具備し、前記複数の支承ローラが、支承される前記金属ベルトの前記連続体を載置する載置面が外方に膨出する弧状面となるように配設され、前記加熱部で加熱処理が施された、一面側が露出状態の前記連続体の他面側を前記金属ベルトの弧状面に押し付けて、前記連続体を拘束状態とする拘束手段と、前記連続体が前記弧状面での拘束状態を保持して金属ベルトと共に前記移送方向に走行して冷却される位置に、前記冷却部が設けられているリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置を提供できる。
【0006】
また、前記課題を解決する手段として、プレス加工を施したリードフレームの連続体に残留する残留歪を、前記連続体を加熱冷却処理して除去する際に、前記加熱冷却処理を施す加熱冷却処理装置として、一対の駆動ローラと従動ローラとの間に、無端状に巻き付けられている金属ベルトと、前記連続体を拘束状態で所定温度に加熱する加熱部と、前記加熱部で加熱された前記連続体を前記金属ベルトに載置して拘束状態で冷却する冷却部と、前記駆動ローラと従動ローラとの間に設けられ、前記連続体の移送方向に走行する前記金属ベルトを支承する複数の支承ローラとを具備し、前記複数の支承ローラが、支承される前記金属ベルトの前記連続体を載置する載置面が外方に膨出する弧状面となるように配設された加熱冷却処理装置を用い、前記加熱部で加熱処理を施した、一面側が露出状態の前記連続体の他面側を、前記金属ベルトの弧状面に押し付けて、前記連続体を拘束状態とし、前記拘束状態を保持しつつ、前記金属ベルトと共に前記移送方向に走行する前記連続体を、前記冷却部を通過して冷却するリードフレームの連続体の加熱冷却処理方法を提供できる。
【0007】
本発明者らが提供した課題を解決する手段において、下記の好ましい態様を上げることができる。
金属ベルトとして、リードフレームの連続体よりも幅広の金属ベルトを用い、支承ローラに対応して、前記連続体から露出する前記幅広の金属ベルトの両側縁近傍に当接して、前記金属ベルトを支承ローラとの間に挟み込む一対の当接ローラ部と、前記一対の当接ローラ部を前記連続体と接触することなく連結するシャフト部とから成る押えローラを設けることによって、金属ベルトの走行状態を安定化できる。
かかる金属ベルトの弧状面を、前記金属ベルトの引張側に形成することによって、金属ベルトの弧状面を平滑面とすることができる。
また、加熱部には、加熱ローラを設け、リードフレームの連続体を拘束状態で加熱できるように、前記加熱ローラに前記連続体を巻回することによって、リードフレームの連続体を拘束状態で加熱してフラット化できる。
更に、従動ローラとして、加熱ローラを用いることによって、加熱処理を施したリードフレームの連続体を載置する金属ベルトを所定温度に加熱できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明者が提供したリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置では、リードフレームの連続体を載置する金属ベルトの載置面を、複数の支承ローラによって外方に膨出する弧状面に形成している。このため、加熱部で拘束されて加熱処理された、一面側が露出状態のリードフレームの連続体を、その他面側を拘束手段によって金属ベルトの弧状面に押し付けて拘束状態として冷却処理を施すことができる。
この様に、本発明者が提供したリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置では、加熱処理を施したリードフレームの連続体を、その一面側を露出させつつ、拘束状態で冷却を施すことができる。
従って、本発明者が提供したリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置を用いて得られた、リードフレームの連続体には、加熱処理が施されたリードフレームの連続体を二枚の金属ベルト間に挟み込んで冷却処理を施す従来のリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置を用いて得られた、リードフレームの連続体に比較して、加熱冷却処理の際の傷を可及的に少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明者が提案したリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置の概略図である。
【図2】図1に示す加熱冷却処理装置に用いる支承ローラ24と押えローラ30との関係及び金属ベルト22と連続体10との関係を説明する正面図である。
【図3】従来のリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置の概略図である。
【図4】図3に示す加熱冷却処理装置で用いる金属ベルトと連続体との関係を説明する部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明者が提案したリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置の一例を説明する概略図を図1に示す。図1に示す加熱冷却処理装置は、予備加熱部、加熱部及び冷却部が設けられている。
予備加熱部には、プレス加工が施されたリードフレームの連続体10が供給ローラ12を経由して走行する走行路に沿って複数の加熱ヒータ14,14が配設されている。この予備加熱部に隣接して加熱部が設けられている。かかる加熱部には、加熱ローラ16,18が設けられ、予備加熱部で予備加熱された連続体10を加熱ローラ16に巻回して拘束状態として所定温度まで加熱する。この加熱部にも、連続体10の走行路に沿って複数の加熱ヒータ14,14・・が配設されている。
この加熱部に隣接して冷却部が設けられている。冷却部には、ファン等の冷却装置(図示せず)から冷風が加熱部で所定温度まで昇温された連続体10を冷却する。かかる冷却部には、加熱部に設けられた従動ローラ18と冷却部の外側に設けられた駆動ローラ20とに無端状に巻き付けられた金属ベルト22が貫通している。この従動ローラ18と駆動ローラ20とに巻き付けられた金属ベルト22は、上部側が駆動ローラ20に引き込まれる引張側22aであり、下部側が駆動ローラ20から送り出される緩み側22bである。
ここで、従動ローラ18には、加熱ローラを採用することが好ましい。冷却部で冷却された金属ベルト22を加熱して所定温度に昇温し、連続体10を金属ベルト22に載置したとき、連続体10が急激に冷却されることを防止できるからである。
【0011】
金属ベルト22の引張側22aは、従動ローラ18と駆動ローラ20との間に設けられた複数の支承ローラ24,24・・によって支承されて走行している。かかる支承ローラ24,24・・は、金属ベルト22よりも幅広であって、金属ベルト22の引張側22aが外方に膨出する弧状面に形成されるように配設されている。
この金属ベルト22の引張側22aの弧状面に、加熱部に設けられた加熱ローラ16で加熱された連続体10が載置されたとき、連続体10に加えられている張力によって、連続体10は金属ベルト22の弧状面に押し付けられて拘束状態となる。
しかも、駆動ローラ20には、連続体10を金属ベルト22に押し付けるグリップローラ28が設けられており、確実に連続体10を金属ベルト22の弧状面に押し付けて拘束状態とすることができる。
ここで、金属ベルト22の緩み側22bにも、支承ローラ26,26・・が配設されている。これらの支承ローラ26,26・・は、金属ベルト22の緩み側22bが水平状態となるように配設されている。
尚、加熱ローラ16及び従動ローラ18としては、電気ヒータが内蔵された加熱ローラを用いることができる。
【0012】
図1に示す加熱冷却処理装置で用いる金属ベルト22は、図2に示す様に、連続体10よりも幅広に形成されているが、支承ローラ24よりも幅狭である。
かかる支承ローラ24,24・・の各々には、図1に示す様に、押えローラ30が設けられている。
かかる押えローラ30は、図2に示す様に、支承ローラ24に支承された金属ベルト22の連続体10から露出する両側縁近傍に当接する一対の当接ローラ部32,32と、一対の当接ローラ部32,32を連結するシャフト部34とから成る。このシャフト部34は、図2に示す様に、金属ベルト22に載置された連続体10に接触することなく一対の当接ローラ部32,32を連結している。
この様に、図2に示す押えローラ30と支承ローラ24との間に、金属ベルト22を挟み込むため、金属ベルト22のバタツキを抑制して、金属ベルト22の走行状態を安定化できる。
【0013】
図1に示す加熱冷却処理装置を用いてリードフレームの連続体10に加熱冷却処理を施す際には、巻回体から引き出されて、供給ローラ12を経由して予備加熱部に供給された連続体10は、加熱ヒータ14,14・・の間を通過して予備加熱される。
予備加熱された連続体10は、加熱部の加熱ローラ16に巻き付けられて拘束された状態で、加熱ローラ16及び加熱ヒータ14,14・・によって加熱される。
加熱ローラ16によって加熱された連続体10は、従動ローラ18と冷却部外に設けられた駆動ローラ20とに巻き付けられた金属ベルト22の引張側22aに載置される。
金属ベルト22の引張側22aは、支承ローラ24,24・・によって外方に膨出する弧状面に形成されている。このため、かかる金属ベルト22の弧状面に載置された連続体10は、金属ベルト22の弧状面に、その張力及び駆動ローラ20に設けられたグリップローラ28によって押し付けられて拘束状態となる。
従って、加熱ローラ16に巻き付けられて拘束状態で加熱された連続体10は、拘束状態で金属ベルト22の引張側22aに載置される。
【0014】
拘束状態で金属ベルト22の引張側22aに載置された連続体10は、金属ベルト22の走行に伴って駆動ローラ20側に走行して、拘束状態で冷却部を通過して冷却される。
冷却部を通過した連続体10は、グリップローラ28を通過したとき、拘束状態が解除されて金属ベルト22と分離される。
連続体10と分離された金属ベルト22は、支承ローラ26,26・・によって略水平に支承されて従動ローラ18の方向に走行し、従動ローラ18として用いられている加熱ローラに巻回され所定温度に加熱される。所定温度に加熱された金属ベルト22は、再度、拘束状態で加熱された連続体10が載置される。
この様に、拘束状態で加熱冷却が施された連続体10は、プレス加工による残留歪を除去できる。
しかも、金属ベルト22の引張側22aの弧状面に拘束状態で冷却された連続体10は、その片面が露出状態で冷却が施される。このため、図3に示す従来の加熱冷却処理装置を用いて加熱冷却処理を施した連続体に比較して、加熱冷却処理の際に受ける傷を可及的に少なくできる。
また、図1に示す加熱冷却処理装置は、連続体10を搬送する金属ベルト22も一本で済み、金属ベルトを二本必要とする図3に示す従来の加熱冷却処理装置に比較して、簡素化できる。しかも、冷却部での冷却効率も、図3に示す従来の加熱冷却処理装置よりも効率化できるため、図1に示す加熱冷却処理装置では、冷却部の長さを短縮でき、小型化を図ることができる。
【符号の説明】
【0015】
10 連続体
12 供給ローラ
14 加熱ヒータ
16 加熱ローラ
18 加熱ローラ(従動ローラ)
20 駆動ローラ
22 金属ベルト
22a 引張側
22b 緩み側
24,26 支承ローラ
28 グリップローラ
30 押えローラ
32 当接ローラ部
34 シャフト部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス加工が施されたリードフレームの連続体に残留する残留歪を、前記連続体を加熱冷却して除去する加熱冷却装置であって、
一対の駆動ローラと従動ローラとの間に、無端状に巻き付けられている金属ベルトと、前記連続体を拘束状態で所定温度に加熱する加熱部と、前記加熱部で加熱された前記連続体を前記金属ベルトに載置して拘束状態で冷却する冷却部と、前記駆動ローラと従動ローラとの間に設けられ、前記連続体の移送方向に走行する前記金属ベルトを支承する複数の支承ローラとを具備し、
前記複数の支承ローラが、支承される前記金属ベルトの前記連続体を載置する載置面が外方に膨出する弧状面となるように配設され、
前記加熱部で加熱処理が施された、一面側が露出状態の前記連続体の他面側を前記金属ベルトの弧状面に押し付けて、前記連続体を拘束状態とする拘束手段と、
前記連続体が前記弧状面での拘束状態を保持して金属ベルトと共に前記移送方向に走行して冷却される位置に、前記冷却部が設けられていることを特徴とするリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置。
【請求項2】
金属ベルトが、リードフレームの連続体よりも幅広の金属ベルトであって、支承ローラに対応して設けられ、前記連続体から露出する金属ベルトの両側縁近傍に当接して、前記幅広の金属ベルトを支承ローラとの間に挟み込む一対の当接ローラ部と、前記一対の当接ローラ部を前記連続体と接触することなく連結するシャフト部とから成る押えローラを具備する請求項1記載のリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置。
【請求項3】
金属ベルトの弧状面が、前記金属ベルトの引張側に形成される請求項1又は請求項2記載のリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置。
【請求項4】
加熱部には、加熱ローラが設けられ、リードフレームの連続体を拘束状態で加熱できるように、前記加熱ローラに前記連続体が巻回されている請求項1〜3のいずれか一項記載のリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置。
【請求項5】
従動ローラが、加熱ローラである請求項1〜4のいずれか一項記載のリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置。
【請求項6】
プレス加工を施したリードフレームの連続体に残留する残留歪を、前記連続体を加熱冷却処理して除去する際に、
前記加熱冷却処理を施す加熱冷却処理装置として、一対の駆動ローラと従動ローラとの間に、無端状に巻き付けられている金属ベルトと、前記連続体を拘束状態で所定温度に加熱する加熱部と、前記加熱部で加熱された前記連続体を前記金属ベルトに載置して拘束状態で冷却する冷却部と、前記駆動ローラと従動ローラとの間に設けられ、前記連続体の移送方向に走行する前記金属ベルトを支承する複数の支承ローラとを具備し、
前記複数の支承ローラが、支承される前記金属ベルトの前記連続体を載置する載置面が外方に膨出する弧状面となるように配設された加熱冷却処理装置を用い、
前記加熱部で加熱処理を施した、一面側が露出状態の前記連続体の他面側を、前記金属ベルトの弧状面に押し付けて、前記連続体を拘束状態とし、
前記拘束状態を保持しつつ、前記金属ベルトと共に前記移送方向に走行する前記連続体を、前記冷却部を通過して冷却することを特徴とするリードフレームの連続体の加熱冷却処理方法。
【請求項7】
金属ベルトとして、リードフレームの連続体よりも幅広の金属ベルトを用い、支承ローラに対応して、前記連続体から露出する金属ベルトの両側縁近傍に当接して、前記幅広の金属ベルトを支承ローラとの間に挟み込む一対の当接ローラ部と、前記一対の当接ローラ部を前記連続体と接触することなく連結するシャフト部とから成る押えローラを設ける請求項6記載のリードフレームの連続体の加熱冷却処理方法。
【請求項8】
金属ベルトの弧状面を、前記金属ベルトの引張側に形成する請求項6又は請求項7記載のリードフレームの連続体の加熱冷却処理方法。
【請求項9】
加熱部には、加熱ローラを設け、リードフレームの連続体を拘束状態で加熱できるように、前記加熱ローラに前記連続体を巻回する請求項6〜8のいずれか一項記載のリードフレームの連続体の加熱冷却処理方法。
【請求項10】
従動ローラとして、加熱ローラを用いる請求項6〜9のいずれか一項記載のリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置。
【請求項1】
プレス加工が施されたリードフレームの連続体に残留する残留歪を、前記連続体を加熱冷却して除去する加熱冷却装置であって、
一対の駆動ローラと従動ローラとの間に、無端状に巻き付けられている金属ベルトと、前記連続体を拘束状態で所定温度に加熱する加熱部と、前記加熱部で加熱された前記連続体を前記金属ベルトに載置して拘束状態で冷却する冷却部と、前記駆動ローラと従動ローラとの間に設けられ、前記連続体の移送方向に走行する前記金属ベルトを支承する複数の支承ローラとを具備し、
前記複数の支承ローラが、支承される前記金属ベルトの前記連続体を載置する載置面が外方に膨出する弧状面となるように配設され、
前記加熱部で加熱処理が施された、一面側が露出状態の前記連続体の他面側を前記金属ベルトの弧状面に押し付けて、前記連続体を拘束状態とする拘束手段と、
前記連続体が前記弧状面での拘束状態を保持して金属ベルトと共に前記移送方向に走行して冷却される位置に、前記冷却部が設けられていることを特徴とするリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置。
【請求項2】
金属ベルトが、リードフレームの連続体よりも幅広の金属ベルトであって、支承ローラに対応して設けられ、前記連続体から露出する金属ベルトの両側縁近傍に当接して、前記幅広の金属ベルトを支承ローラとの間に挟み込む一対の当接ローラ部と、前記一対の当接ローラ部を前記連続体と接触することなく連結するシャフト部とから成る押えローラを具備する請求項1記載のリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置。
【請求項3】
金属ベルトの弧状面が、前記金属ベルトの引張側に形成される請求項1又は請求項2記載のリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置。
【請求項4】
加熱部には、加熱ローラが設けられ、リードフレームの連続体を拘束状態で加熱できるように、前記加熱ローラに前記連続体が巻回されている請求項1〜3のいずれか一項記載のリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置。
【請求項5】
従動ローラが、加熱ローラである請求項1〜4のいずれか一項記載のリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置。
【請求項6】
プレス加工を施したリードフレームの連続体に残留する残留歪を、前記連続体を加熱冷却処理して除去する際に、
前記加熱冷却処理を施す加熱冷却処理装置として、一対の駆動ローラと従動ローラとの間に、無端状に巻き付けられている金属ベルトと、前記連続体を拘束状態で所定温度に加熱する加熱部と、前記加熱部で加熱された前記連続体を前記金属ベルトに載置して拘束状態で冷却する冷却部と、前記駆動ローラと従動ローラとの間に設けられ、前記連続体の移送方向に走行する前記金属ベルトを支承する複数の支承ローラとを具備し、
前記複数の支承ローラが、支承される前記金属ベルトの前記連続体を載置する載置面が外方に膨出する弧状面となるように配設された加熱冷却処理装置を用い、
前記加熱部で加熱処理を施した、一面側が露出状態の前記連続体の他面側を、前記金属ベルトの弧状面に押し付けて、前記連続体を拘束状態とし、
前記拘束状態を保持しつつ、前記金属ベルトと共に前記移送方向に走行する前記連続体を、前記冷却部を通過して冷却することを特徴とするリードフレームの連続体の加熱冷却処理方法。
【請求項7】
金属ベルトとして、リードフレームの連続体よりも幅広の金属ベルトを用い、支承ローラに対応して、前記連続体から露出する金属ベルトの両側縁近傍に当接して、前記幅広の金属ベルトを支承ローラとの間に挟み込む一対の当接ローラ部と、前記一対の当接ローラ部を前記連続体と接触することなく連結するシャフト部とから成る押えローラを設ける請求項6記載のリードフレームの連続体の加熱冷却処理方法。
【請求項8】
金属ベルトの弧状面を、前記金属ベルトの引張側に形成する請求項6又は請求項7記載のリードフレームの連続体の加熱冷却処理方法。
【請求項9】
加熱部には、加熱ローラを設け、リードフレームの連続体を拘束状態で加熱できるように、前記加熱ローラに前記連続体を巻回する請求項6〜8のいずれか一項記載のリードフレームの連続体の加熱冷却処理方法。
【請求項10】
従動ローラとして、加熱ローラを用いる請求項6〜9のいずれか一項記載のリードフレームの連続体の加熱冷却処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2010−283134(P2010−283134A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−135092(P2009−135092)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】
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