説明

レシプロエンジン用多段過給システム

【課題】高効率で機動性の高い多段過給システムを提供する。
【解決手段】低圧段過給器B1,B2を並列に接続し、排気路の分岐点p2においてタービンt2、t3への排気の分配を制御する分配制御弁v4を設け、これを制御する制御装置を備える。また、合流点p2と圧縮機c2,c3との間の排気路8e,8fのそれぞれ吸気逆止弁v5,v6を備える。
【効果】分配制御弁v4の制御により使用する過給器を選択制御することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機用レシプロエンジンの多段過給システムに関し、より詳しくは、高度約11km以上の高々度を長時間にわたって飛行可能な航空機のレシプロエンジンに用いる多段過給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
レシプロエンジンは、高度上昇に伴う空気密度の低下によりエンジン出力が低下する。このため飛行中は、過給器を用いてエンジン吸気圧力を地上の大気圧と同等の圧力まで昇圧させることにより、エンジンの出力確保を行なっている。
ところで、既存の過給器における圧力比の最大値は、約4.5:1程度である。これにより、このような過給器を1段のみ備えたレシプロエンジンにおいては、地上と同等なエンジン出力が得られる飛行高度は、大気圧が地上の約1/4.5となる高度約11kmが限界となる。
したがって、この高度以上を飛行しようとする場合、過給器を2段以上組み合わせたレシプロエンジンシステムが必要となる。
また、高々度を飛行するレシプロ航空機では、エンジンへの十分な過給を得るためには過給した圧力空気の温度冷却性能等を考慮すると、高度約20kmでは2段過給が必要なことが解っている。
さらに、高度約25kmの超高々度飛行においては、約3段過給という直列接続の多段過給システムが必要であることが地上試験等で明らかにされてきている。
【0003】
特許文献1〜3には、多段過給システムが記載されている。特許文献2には、低圧過給器を並列にした多段過給システムが記載されている。
【特許文献1】特開平11−315725号公報
【特許文献2】特開平8−226333号公報
【特許文献3】特開2005−330811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、以上のような従来の多段過給システムにあっても、高々度飛行状態で必要な高圧過給状態を保ったまま、過給空気量を可変とすることが難しいため、高々度飛行状態においてエンジン出力の制御性が低下する。
さらに、高々度まで飛行するため大型の過給器を装備した航空機では、中・低高度域を飛行している時にエンジンの出力を絞ると、排気エネルギーによって駆動されている過給器の駆動エネルギーが減少し、再度出力上昇を求めた時の即応性や、制御性の低下につながる。
大型の過給器ほど、過給器のタービンの慣性量が大きいため、駆動するための排気エネルギーは多く必要となる。このため、応答の時間遅れに起因してエンジンが作動不安定となったり、制御性が低下したりする可能性がある。
高圧力過給のみを求めて過給器の直列接続数が増えると、1つの過給器の故障が、システム全体の過給状態へ影響する確率が高くなり、システムとしての冗長性が低下する。
【0005】
航空機のような飛行高度により外気環境(圧力、密度、温度)が大きく変動するシステムにおいては、高々度を飛行する航空機が、地上付近又は低高度を飛行する場合(過給器の過給圧力が低くてよく、また、過給流量が少なくてよい場合)は、全ての過給器をフル稼働させる必要は無く、高々度においては高稼働率を要する。
過給器の稼働率は従来の方法と同じく、ウエィスト・ゲート・バルブを開とすることで、本来過給器の駆動に使用するべき排気エネルギーを外部へ捨て、過給器の駆動力を減少させることで制御するが、高々度飛行機においては可能な限り排気エネルギーを無駄に捨てることなく回収する要求が高くなり、更なる高効率化が常に求められている。
【0006】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、高効率で即応性が高く、且つ冗長性が高く、外部環境に対する適応性の高い多段過給システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、レシプロエンジンに昇圧させた吸気を供給するための多段過給システムであって、
互いに直列に接続された複数段の過給器を備え、
前記過給器のそれぞれは、前記レシプロエンジンからの排気を受けて回転するタービンと、該タービンによって駆動されて前記レシプロエンジンに供給する吸気を昇圧させる圧縮機とからなり、
前記複数段のうちの少なくとも一段に、複数の過給器を含み、
該複数の過給器におけるタービン同士は、上流側の分岐点から分岐した排気路を介して並列に接続され、
さらに、
前記分岐点において前記タービンへの排気の分配を制御する分配制御弁と、
前記分配制御弁を制御する制御装置とを備えるレシプロエンジン用多段過給システムである。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記複数の過給器における圧縮機同士は、下流側の合流点で合流する吸気路を介して並列に接続され、
前記合流点と前記圧縮機との間にそれぞれ設置された吸気逆止弁を備えることを特徴とする請求項1に記載のレシプロエンジン用多段過給システムである。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記レシプロエンジンと前記タービンとの間の排気路に過給空気を噴射投入することにより前記過給器の駆動力を増加させるアンチラグシステムを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレシプロエンジン用多段過給システムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、分配制御弁により並列接続された複数のタービンへの排気の分配を制御することができる。これにより、同一段に設けられた複数の過給器の使用率を変化させることができる。同一段に設けられた複数の過給器の使用率を変化させることにより、その段の全体的な容積を可変制御することができる。
また、同じ能力の過給システムを稼動させていても、同一段に設けられた複数の過給器の中から稼動する過給器を選択することができる。
したがって、本発明によれば、飛行高度や、エンジンの作動状態、操縦に基づきエンジンに要求される出力、過給器の不具合等の状況に応じて、稼動する過給器の構成を変化させることのできる冗長性が高く、且つ外部環境に対する適応性の高い多段過給システムを構成することができる。
【0011】
例えば、高々度飛行する場合(過給器の高圧力過給が必要な場合)に、分配制御弁を制御することで、エンジンへの過給空気の高圧力比状態を保ちながら、過給空気量を可変にすることができ、高々度飛行時におけるエンジン出力の選択幅、制御性が向上する。
また、使用する過給器のみに駆動エネルギーとなる排気を集中して供給することができるため、高効率駆動、及び安定した出力を出すことが可能となる。これは、高々度飛行のための多段過給システムを持つ航空機も、低〜中高度に適した過給システムを併せ持つことができるようになることを意味する。
【0012】
同一段の複数の過給器のうちいずれかの過給器が故障しても全動力系統システムの喪失は回避することができる可能性が高まる(システムの冗長性、生存性の向上)。
さらに、排気ガスを故障した過給器のタービンへ分配することなく、他の故障していない過給器へ集中して送ることが可能であり、故障していない過給器のみを高効率で駆動することが可能となる。すなわち、生存側の過給器に十分な駆動エネルギーを集約することができ、過給能力低下分を補うことで、制御性の低下が抑えられる。
【0013】
また、本発明によれば、分配制御弁により並列接続された複数のタービンへの排気の分配を制御するので、排気エネルギーを捨てることなく、高効率な多段過給システムを構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に本発明の一実施の形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
【0015】
〔第1実施形態〕
まず、本発明の第1実施形態につき、図1を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態の多段過給システムの構成図である。なお、本実施形態の多段過給システムは、直列に2段で、排気下流側の過給機を2機並列に接続した構成例で、航空機用レシプロエンジンに適用した例である。
【0016】
図1に示すように本実施形態の多段過給システムは、高圧段過給器A1と、互いに並列にされた2つの低圧段過給器B1,B2とを備え、レシプロエンジン6に昇圧させた吸気を供給する。高圧段過給器A1と、2つの低圧段過給器B1,B2とは互いに直列に接続されている。
レシプロエンジン6には、フライホイール5とギアボックス2を介してプロペラ1が接続されている。ギアボックス2には、プロペラガバナー3及びジェネレータ4が付設されている。プロペラガバナー3は、フライトコントロールコンピュータ(以下「FCC」という。)12により制御される。レシプロエンジン6は、エンジンコントロールユニット(以下「ECU」という。)11により制御される。
【0017】
高圧段過給器A1は、レシプロエンジン6からの排気を受けて回転するタービンt1と、タービンt1によって駆動されてレシプロエンジン6に供給する吸気を昇圧させる圧縮機c1とからなる。
低圧段過給器B1は、レシプロエンジン6からの排気を受けて回転するタービンt2と、タービンt2によって駆動されてレシプロエンジン6に供給する吸気を昇圧させる圧縮機c2とからなる。
低圧段過給器B2は、レシプロエンジン6からの排気を受けて回転するタービンt3と、タービンt3によって駆動されてレシプロエンジン6に供給する吸気を昇圧させる圧縮機c3とからなる。
【0018】
本多段過給システムの排気路は、レシプロエンジン6とタービンt1とを繋ぐ排気路7aと、タービンt1と分岐点p1とを繋ぐ排気路7bと、タービンt1を介さずに排気路7aと排気路7bを短絡させるバイパス排気路7cと、分岐点p1とタービンt2とを繋ぐ排気路7dと、分岐点p1とタービンt3とを繋ぐ排気路7eと、タービンt2から排気口7jまで形成された排気路7fと、タービンt2を介さずに排気路7dと排気路7fを短絡させるバイパス排気路7gと、タービンt3から排気口7kまで形成された排気路7hと、タービンt3を介さずに排気路7eと排気路7hを短絡させるバイパス排気路7iとから構成される。
【0019】
バイパス排気路7c,7g,7iをそれぞれ開閉するウエィスト・ゲート・バルブv1,v2,v3が設けられている。
また、分岐点p1においてタービンt2,t3への排気の分配を制御する分配制御弁v4が設けられている。
【0020】
本多段過給システムの吸気路は、吸気口8aから圧縮機c2まで形成された吸気路8cと、吸気口8bから圧縮機c3まで形成された吸気路8dと、圧縮機c2と合流点p2とを繋ぐ吸気路8eと、圧縮機c3と合流点p2とを繋ぐ吸気路8fと、合流点p2と圧縮機c1とを繋ぐ吸気路8gと、圧縮機c1とレシプロエンジン6とを繋ぐ吸気路8hとから構成される。
【0021】
合流点p2と圧縮機c2との間の吸気路8eには吸気逆止弁v5が設置されている。合流点p2と圧縮機c3との間の吸気路8fには吸気逆止弁v6が設置されている。吸気逆止弁v5,v6は吸気の逆流を阻止する。
【0022】
排気路7aには、アンチ・ラグ・ソレノイド・バルブv7が設置されている。アンチ・ラグ・ソレノイド・バルブv7を制御することにより、排気路7aに過給空気を噴射投入する。これにより過給器A1,B1,B2の駆動力を増加させる。
吸気路8hには、過度な過給を防止するリリーフ機能を備え、また、エンジンへの流入空気量を制御するためのブロー・オフ・バルブv8が設置されている。吸気路8gにはインタークーラー9aが設置されている。吸気路8hにはインタークーラー9bが設置されている。13はスロットルである。
【0023】
バルブv1〜v3,v7,v8は、ECU11によって制御される。分配制御弁v4は、FCC12によって制御される。ECU11は、FCC12からの命令を受け制御動作を実行し、実行状態をFCC12に伝達する。
【0024】
FCC12は、低圧段過給器B1及び低圧段過給器B2を使用する場合は、分配制御弁v4を中立にし、分岐点p1において排気路7d,7eの両者を上流の排気路7bに対して開状態とする。
FCC12は、低圧段過給器B1を使用し、低圧段過給器B2を停止する場合は、分配制御弁v4を制御し、分岐点p1において排気路7dを上流の排気路7bに対して開状態とし、排気路7eを上流の排気路7bに対して閉状態とする。このとき、合流点p2から圧縮機c3への吸気の逆流は、吸気逆止弁v6により阻止される。
FCC12は、低圧段過給器B1を停止し、低圧段過給器B2を使用する場合は、分配制御弁v4を制御し、分岐点p1において排気路7dを上流の排気路7bに対して閉状態とし、排気路7eを上流の排気路7bに対して開状態とする。このとき、合流点p2から圧縮機c2への吸気の逆流は、吸気逆止弁v5により阻止される。
【0025】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態につき、図2を参照して説明する。図2は本発明の第2実施形態の多段過給システムの構成図である。なお、本実施形態の多段過給システムは、直列に3段で、排気下流側の2段の過給機を2機並列に接続した構成例で、航空機用レシプロエンジンに適用した例である。
【0026】
本実施形態の多段過給システムは、第1実施形態の高圧段過給器A1に相当する高圧段過給器C1と、第1実施形態の低圧段過給器B1,B2に相当する中圧段過給器D1,D2とを同様に備え、さらに低圧段過給器E1,E2を加えた構成である。適宜、第1実施形態と同様の要素は同一の符号を用いる。
【0027】
高圧段過給器C1と中圧段過給器D1,D2との排気路及び吸気路の接続関係は、第1実施形態のものと同様である。第1実施形態と同様に、分岐点p1には分配制御弁v4が設けられており、図示しないFCCにより制御される。
【0028】
中圧段過給器D1,D2からの排気路は、合流分岐点p3に合流する。排気路は合流分岐点p3から分岐して低圧段過給器E1,E2にそれぞれ接続される。
合流分岐点p3において低圧段過給器E1のタービンt4と、低圧段過給器E2のタービンt5への排気の分配を制御する分配制御弁v9が設けられている。分配制御弁v9は、図示しないFCCにより制御される。
【0029】
一方、低圧段過給器E1の圧縮機c4からの吸気路と、低圧段過給器E2の圧縮機c5からの吸気路は、その下流で直ちに合流することなく、吸気逆止弁v10,v11を介して、中圧段過給器D1の圧縮機c2、中圧段過給器D2の圧縮機c3にそれぞれ直列につながれる。
【0030】
各過給器C1,D1,D2,E1,E2を通る排気路及び吸気路には、バイパス路及びこれを開閉するバルブが付設されている。9a〜9dはインタークーラー、13はスロットルである。
【0031】
FCCは、第1の実施形態と同様に分配制御弁v4を制御して、使用する中圧段過給器D1,D2を選択制御する。同様にFCCは、分配制御弁v9を制御して、使用する低圧段過給器E1,E2を選択制御する。
【0032】
以上の第1,第2の実施形態によれば、以下の作用効果がある。
(1)高々度飛行する場合(過給器の高圧力過給が必要な場合)に、分配制御弁を制御することで、エンジンへの過給空気の高圧力比状態を保ちながら、過給空気量を可変にすることができ、高々度飛行時におけるエンジン出力の選択幅、制御性が向上する。ウエィスト・ゲート・バルブを開とする従来の方法では、圧力比が下がることにより、これは不可能であった。
(2)分配制御弁を使用すれば、使用する過給器のみに駆動エネルギー(排気エネルギー)を集中して供給することができるため、高効率駆動、及び安定した出力を出すことが可能となる。これは、高々度飛行のための多段過給システムを持つ航空機も、低〜中高度に適した過給システムを併せ持つことができるようになるということでもある。
(3)並列接続する過給器は、過給流量を足し合わせることで、1つの大型の過給器と同等の性能を発揮するため、小型の物で分散して使用すれば、個々は勿論のこと全体としても軽量な過給器となる可能性がある。この効果は更に、航空機の艤装性が向上し、航空機機体形状に対する影響を小さくすることができる。また、航空機においては、機体規模を小さくすることは機体構造体の軽量化につながるため、燃費向上、航続距離の向上につながるため大きな利点である。
(4)並列接続にすることで、エンジンへ至る過給流路が増えることとなり、並列接続した過給器の何れかが故障しても全動力系統システムの喪失は回避することができる可能性が高まる(システムの冗長性、生存性の向上)。
(5)上記(4)はさらに、排気エネルギーを故障した過給器のタービンへ分配することなく、他の故障していない過給器へ集中して送ることが可能であり、故障していない過給器のみを高効率で駆動することが可能となる。すなわち、生存側の過給器に十分な駆動エネルギーを得ることができ、制御性の低下が抑えられる。
(6)並列接続することで、過給器を小型のものへと置き換えられる効果は、過給器のタービンの慣性(質量)を小さくすることになるため、過給器のタービンを駆動させやすくなり、レスポンス性が向上する。これにより、航空機においてはエンジン出力の変化に対する即応性が高まると同時に、飛行中のエンジン不時停止が発生した場合の空中再始動性の良さにもつながり、エンジン・システムの安全性が向上する。
(7)直列数、並列数を任意に選択することで様々な航空機に適したシステムが構築できる。ただし、過給器の数は無限に増やすことはできない。これは、過給器の機械損失(タービン駆動時の摩擦、空力的な駆動効率、外部へ放出される熱エネルギー等による損失)が、エンジンから得られる排気エネルギーより上回れば、過給器を駆動できなくなるからである。この量は、エンジンの排気エネルギーと過給器の駆動力に必要なエネルギーによって左右される。
{エンジン排気エネルギー} ≧ {過給器の駆動エネルギー(効率、損失を含む)}
また、高度30km以上の超高々度では、過給器内のレイノルズ数が低下する影響や、必要流量に比例して必要となってくる過給器吸入口面積のサイズ的な影響から、過給器の物理的サイズ、過給性能に容易な解が得られないことが考えられる。過給器の大きさ、数量共に現実的ではなくなった時点でこのシステムの限界が訪れるものと考える。
(8)一般的に空気密度の濃い低高度の地上付近では、過給器によるエンジン過給は必要ではないだけでなく、大型の過給器を地上付近で駆動することはエンジンの出力超過となる。しかし、高々度飛行状態においては、外気密度が非常に薄くなるために、エンジンの過給が必要な反面、高圧・高温排気エネルギーが過給器のタービン部を流れやすくなり(圧力の高いところから、低いところにエネルギーが流れるエネルギー的なポテンシャル差が増加し、過給器駆動のための力が増す)、地上状態に比べて駆動が容易となる。これらの効果を鑑みて、駆動可能なサイズの過給器と、飛行機の運用との関係を考慮し、使用する過給器の順番や使用率を制御する方法が、同時にシステム成立性の重要なファクターとなる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1実施形態の多段過給システムの構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態の多段過給システムの構成図である。
【符号の説明】
【0034】
1 プロペラ
2 ギアボックス
6 レシプロエンジン
A1 高圧段過給
B1,B2 低圧段過給器
c1-c5 圧縮機
C1 高圧段過給器
D1,D2 中圧段過給器
E1,E2 低圧段過給器
p1 分岐点
p2 合流点
p3 合流分岐点
t1-t5 タービン
v1,v2,v3 ウエィスト・ゲート・バルブ
v4 分配制御弁
v5,v6 吸気逆止弁
v6 吸気逆止弁
v7 アンチ・ラグ・ソレノイド・バルブ
v8 ブロー・オフ・バルブ
v9 分配制御弁
v10,v11吸気逆止弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レシプロエンジンに昇圧させた吸気を供給するための多段過給システムであって、
互いに直列に接続された複数段の過給器を備え、
前記過給器のそれぞれは、前記レシプロエンジンからの排気を受けて回転するタービンと、該タービンによって駆動されて前記レシプロエンジンに供給する吸気を昇圧させる圧縮機とからなり、
前記複数段のうちの少なくとも一段に、複数の過給器を含み、
該複数の過給器におけるタービン同士は、上流側の分岐点から分岐した排気路を介して並列に接続され、
さらに、
前記分岐点において前記タービンへの排気の分配を制御する分配制御弁と、
前記分配制御弁を制御する制御装置とを備えるレシプロエンジン用多段過給システム。
【請求項2】
前記複数の過給器における圧縮機同士は、下流側の合流点で合流する吸気路を介して並列に接続され、
前記合流点と前記圧縮機との間にそれぞれ設置された吸気逆止弁を備えることを特徴とする請求項1に記載のレシプロエンジン用多段過給システム。
【請求項3】
前記レシプロエンジンと前記タービンとの間の排気路に過給空気を噴射投入することにより前記過給器の駆動力を増加させるアンチラグシステムを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレシプロエンジン用多段過給システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−106728(P2008−106728A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−292817(P2006−292817)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】