説明

レバー装置

【課題】ステアリングシャフト周りの部品を車体に組み付ける際に、その組付作業を簡素化することができるレバー装置を提供する。
【解決手段】車体1には、車両のコンビネーションスイッチとして機能するレバー装置2が組み付けられている。レバー装置2の中央部には挿通孔8が貫設され、この挿通孔8にはステアリングシャフト10が回動可能な状態で挿通されている。レバー装置2には、ステアリングホイールから延びる配線の引き出し及び巻き取りが可能なステアリングロールコネクタ4と、ステアリングホイールの絶対舵角検出機構5と、ステアリングシャフト10に加わるトルクを検出するトルク検出機構6とが組み込まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングシャフト周りに取り付けられ、各種機器を作動する際に操作されるレバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般の車両には、1つのレバーで方向指示器や走行系ライトの点滅・点灯の表示切換を行うレバー装置が搭載されている。この種のレバー装置の一例は、例えば特許文献1等に開示されている。この種のレバー装置においては、レバーが上方又は下方に傾到操作されるとその操作方向に応じた方向指示器が点滅し、レバーが前方又は後方に傾到操作されるとヘッドライトがディマ/パッシング状態となり、レバー先端にあるスイッチノブが回動操作されると操作系ライト(ヘッドライト及びテールライト)が点灯する。
【特許文献1】特開2000−11815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、車両には、ステアリングホイール操作時にステアリングシャフトに加わるトルクを検出するトルクセンサが搭載される。このように、この種のトルクセンサとレバー装置とが別体の場合には、車両部品を車体に組み付ける際に、それぞれ別個の作業でこれら部品を組み付ける必要があり、組付作業が面倒である問題があった。また、車両には、エアバックインフレータと車体側のエアバックコントローラとを電機説即するステアリングロールコネクタや、ステアリングの回転角度(操舵角度)を検出するステアリングアングルセンサが搭載される。よって、これら部品においても組付作業が面倒である問題が発生することになる。
【0004】
本発明の目的は、ステアリングシャフト周りの部品を車体に組み付ける際に、その組付作業を簡素化することができるレバー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記問題点を解決するために、本発明では、レバーの操作を接点手段で検出することにより、車両に搭載された各種機器を作動させるレバー操作位置検出機構を備えたレバー装置において、ステアリングホイール操作時にステアリングシャフトに加わるトルクを検出するトルク検出機構を備えたことを要旨とする。
【0006】
この構成によれば、ステアリングシャフト周りの部品であるレバー装置にトルク検出機構を設けたので、このレバー装置はトルク検出機構がユニット化された装置となる。このため、レバー装置を車体に組み付ければ、同時にトルク検出機構も車体に組み付けられた状態となるので、レバー装置とトルク検出機構が別々の場合に比べ、組付工程が1つ減ることになり、ステアリングシャフト周りの部品を車体に組み付ける際の組付作業を簡素化することが可能となる。
【0007】
本発明では、前記トルク検出機構は、前記ステアリングシャフトにおいて車体側に取り付けられ、当該ステアリングシャフトと同期回動する第1主動ギアと、前記ステアリングシャフトにおいてステアリングホイール側に取り付けられ、当該ステアリングシャフトと同期回動する第2主動ギアと、前記第1主動ギアに噛み合い、当該第1主動ギアと連れ回りする車体側従動ギアと、前記第2主動ギアに噛み合い、当該第2主動ギアと連れ回りする操作側従動ギアと、前記第車体側従動ギアの回転角度を検出する車体側検出手段と、前記操作側従動ギアの回転角度を検出する操作側検出手段と、前記車体側検出手段の検出信号と、前記操作側検出手段の検出信号とに基づき、これら検出信号の間の位相差から前記ステアリングシャフトのトルクを算出するトルク算出手段とを備えたことを要旨とする。
【0008】
この構成によれば、ステアリングホイールが操舵操作されてステアリングシャフトが回転すると、第1主動ギア及び第2主動ギアが回転し、これに伴い車体側従動ギア及び操作側従動ギアが連れ回りする。このとき、車体側検出手段が車体側従動ギアの回転角度を検出し、操作側検出手段が操作側従動ギアの回転角度を検出する。ここで、例えばステアリングホイールが過度の力で回されてステアリングシャフトにねじれが生じると、車体側従動ギアの回転角度と操作側従動ギアの回転角度との間に位相差が生じ、トルク検出手段はこの位相差をステアリングシャフトのトルクとして算出する。従って、本発明においては、ギアの回転角度を検出手段で検出してトルクを求めるという簡素な構造を用いて、ステアリングシャフトに生じるトルクを検出することが可能となる。
【0009】
本発明では、前記第1主動ギアと前記第2主動ギアとは、ねじり許容部材で連結されていることを要旨とする。
この構成によれば、ステアリングシャフトにトルクがかかった際、ねじり許容部材によりステアリングシャフトのねじれが促進されるので、トルクの算出精度に効果が高い。
【0010】
本発明では、前記車体側従動ギアは、複数設けられ、前記車体側検出手段は、複数の前記車体側従動ギアに合わせて複数設けられ、前記トルク算出手段は、一方の前記車体側従動ギアの回転角度と前記操作側従動ギアの回転角度とから前記トルクを算出するとともに、他方の前記車体側従動ギアの回転角度と前記操作側従動ギアの回転角度とからも前記トルクを算出することにより、多重系で前記トルクを監視することを要旨とする。
【0011】
この構成によれば、ステアリングシャフトにかかるトルクを多重系で見るので、例えば通常使用するトルク検出機構が故障しても、それ以外のトルク検出機構でトルク算出が行われることになるため、トルクの算出精度確保に効果が高い。
【0012】
本発明では、前記ステアリングホイールに設けられた電装機器と、車体側に設けられたコントローラとを、前記ステアリングホイールの回動を許容する状態で電気接続するコネクタ機構を備えたことを要旨とする。
【0013】
この構成によれば、レバー装置にコネクタ機能を設けたので、このレバー装置はコネクタ機構がユニット化された装置となる。このため、レバー装置を車体に組み付ければ、同時にコネクタ機構も車体に組み付けられた状態となるので、レバー装置とコネクタ機構が別々の場合に比べ、組付工程が1つ減ることになり、ステアリングシャフト周りの部品を車体に組み付ける際の組付作業簡素化に一層寄与する。
【0014】
本発明では、複数設けられた前記車体側従動ギアと、前記車体側従動ギアに合わせて複数設けられた前記車体側検出手段と、複数の前記車体側検出手段の検出信号に基づき、前記ステアリングシャフトの絶対舵角を算出する角度検出手段とを有する角度検出機構を備えたことを要旨とする。
【0015】
この構成によれば、レバー装置にステアリングシャフトの角度検出機構を設けたので、このレバー装置は角度検出機構とがユニット化された装置となる。このため、レバー装置を組み付ければ、同時に角度検出機構も車体に組み付けられた状態となるので、レバー装置と角度検出機構とが別々の場合に比べ、組付工程が1つ減ることになり、ステアリングシャフト周りの部品を車体に組み付ける際の組付作業簡素化に一層寄与する。また、トルク検出と角度検出との間で部品の共用化が図られるので、部品点数低減にも効果が高い。
【0016】
本発明では、前記ステアリングシャフトが前記車体側と前記操作側とで2分割され、これら分割シャフトのうち一方が前記第1主動ギア側に連結固定され、他方が前記第2主動ギアに連結固定され、これら当該分割シャフトは、設定範囲内のみの回転を許容する有限回転ベアリングで連結されていることを要旨とする。
【0017】
この構成によれば、有限回転ベアリングによってステアリングシャフトのねじれを許容しつつ、例えばトーションバーが破損してステアリングシャフトとステアリングホイールとが分離し得る状況になったとしても、有限回転ベアリングが分割シャフトの連結状態を保持することになるため、ステアリングホイール操作時においてステアリングシャフトが回らないような状況が生じずに済む。
【0018】
本発明では、前記第1主動ギアが前記ステアリングシャフトに連結固定され、前記第2主動ギアが前記ステアリングホイールに連結固定され、前記ステアリングシャフト及び前記ステアリングホイールは、設定範囲内のみの回転を許容する有限回転ベアリングで連結されていることを要旨とする。
【0019】
この構成によれば、有限回転ベアリングによってステアリングシャフトのねじれを許容しつつ、例えばトーションバーが破損してもステアリングシャフトとステアリングホイールとが分離し得る状況になったとしても、有限回転ベアリングがステアリングホイールとステアリングシャフトとの連結状態を保持することになるため、ステアリングホイール操作時においてステアリングシャフトが回らないような状況が生じずに済む。また、ステアリングシャフトとステアリングホイールとの間に有限回転ベアリングを配置するので、ステアリングシャフトとして分割シャフトを用いずに済み、シャフト構造の簡素化にも寄与する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ステアリングシャフト周りの部品を車体に組み付ける際に、その組付作業を簡素化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を車両用レバー装置に具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図1に示すように、車体1には、方向指示器や走行系ライトを作動する際に操作されるレバー装置2が組み付けられている。本例のレバー装置2には、レバー操作位置を検出するコンビネーションスイッチ機構3の他に、ステアリングホイールから延びる配線の引き出し及び巻き取りが可能なステアリングロールコネクタ(SRC:Steering Roll Connector)4、ステアリングホイールの絶対舵角検出機構(SAS:steering angle sensor)5、ステアリングシャフトにかかるトルク検出機構6が設けられている。なお、ステアリングロールコネクタ4がコネクタ機構に相当し、コンビネーションスイッチ機構3がレバー操作位置検出機構に相当し、絶対舵角検出機構5が角度検出機構に相当する。
【0022】
レバー装置2は、中空状を成すとともに樹脂材から成るケース7を有している。ケース7の中央部には、同ケース7の厚さ方向に延びる挿通孔8が貫設され、挿通孔8の底部には、無底円柱形状のコラムチューブ9が取着されている。この挿通孔8には、車両のステアリングシャフト10がコラムチューブ9に収容されつつ、しかも相対回動可能な状態で挿通されている。ステアリングシャフト10の先端には、同先端に形成されたネジ部10aにロックナット11を螺着することにより、ステアリングホイール12が一体回動可能な状態で固定されている。
【0023】
ケース7は、図示しない複数のネジによって車体1に固定されたステータ13と、このステータ13に対して相対回動可能な取付状態をとるロテータ14とから成る。ステータ13の中央部には、ステータ13の厚み方向に延びる収容孔13aが貫設され、その収容孔13aに略円筒形状のロテータ14が取り付けられる。ステータ13は、ケース7のボディ部分を構成するスイッチボディ15aと、ステアリングロールコネクタ4のステータとなるステータ部品15bとから成る。スイッチボディ15aとステータ部品15bとは同心軸上に配置され、複数のネジ16で一体に取付固定されている。
【0024】
図1及び図2に示すようにスイッチボディ15aの内部には、ステアリングシャフト10を取り囲むように収容スペース17が形成されている。この収容スペース17には、レバー装置2の各種電装部品が実装されたプリント基板18が収容されている。プリント基板18には、レバー装置2を統括制御するCPU19と、各種制御プログラムやデータが格納されたEEPROM20(図2参照)と、レバー装置2を外部装置に接続する際の接続口となるコネクタ21と、CPU19が外部と通信する際のインターフェースドライバとして機能するドライバ回路22とが実装されている。なお、CPU19がトルク算出手段及び角度検出手段を構成する。
【0025】
図1に示すように、プリント基板18の一端(図1の右端)には、方向指示器や走行系ライトのスイッチとして機能するターンシグナルスイッチ23のスイッチ本体23aが配設されている。このスイッチ本体23aには、棒状のターンシグナルレバー23bがスイッチボディ15aから外部に露出しつつ、しかも基端を支点として十字に傾到可能な状態で支持されている。また、スイッチ本体23aの内部には、ターンシグナルレバー23bの操作位置に応じて接点状態が切り換わるスイッチ接点(ターンシグナル用スイッチ、ディマ/パッシングスイッチ)23cが内蔵されている。
【0026】
プリント基板18の他端(図1の左端)には、ワイパーのスイッチとして機能するワイパーレバースイッチ24のスイッチ本体24aが配設されている。スイッチ本体24aには、棒状のワイパーレバー24bがスイッチボディ15aから外部に露出しつつ、しかも基端を支点として十字に傾到可能な状態で支持されている。また、スイッチ本体24aの内部には、ワイパーレバー24bの操作位置に応じて接点状態が切り換わるスイッチ接点24cが内蔵されている。なお、スイッチ接点23c,24cが接点手段を構成する。
【0027】
ターンシグナルレバー23bが中立位置から上側或いは下側に傾到操作されると、スイッチ本体23a内のシグナル用スイッチがその操作位置に応じた接点状態をとり、右側方向指示器又は左側方向指示器が点滅状態をとる。また、ターンシグナルレバー23bが前側或いは後側に傾到操作されると、スイッチ本体23a内のディマ/パッシングスイッチの接点状態が切り換わり、ヘッドライトがターンシグナルレバー23bの操作位置に応じた点灯状態をとる。
【0028】
ターンシグナルレバー23bは、右折操作或いは左折操作された後、ステアリングホイール12が今までの操作と逆方向に回動操作されると、その操作過程で中立位置に復帰する。例えば、ターンシグナルレバー23bが右折操作された際、ターンシグナルレバー23bは右折指示位置で保持されるものの、ステアリングホイール12が左側に回動操作されると、その操作過程でターンシグナルレバー23bが右折指示位置から中立位置に復帰する。
【0029】
ワイパーレバー24bが初期位置から1段階傾到操作されると、スイッチ本体24a内のワイパ用スイッチがその操作位置に応じた接点状態をとり、ワイパが間欠的に往復道する動作をとる。また、ワイパーレバー24bが初期位置から2段階傾到操作されると、スイッチ本体24a内のワイパ用スイッチがその操作位置に応じた接点状態に切り換わり、ワイパが低速で連続的に往復道する動作をとり、初期位置から3段階傾到操作されると、ワイパ用スイッチがその操作位置に応じた接点状態に更に切り換わり、ワイパが高速で連続的に往復道する動作をとる。
【0030】
本例においてロテータ14とステータ部品15bとは、ステアリングロールコネクタ4のケースを構成する。ステアリングロールコネクタ4は、ステアリングホイール12の回転を許容しつつ、ステアリングホイール12に設置されたエアバックインフレータ(電装機器)と車体1側に設置されたエアバックコントローラとを電気接続するコネクタである。ロテータ14とステータ部品15bとの間には、ステアリングシャフト10を取り囲むように収納スペース25が形成されている。この収納スペース25には、エアバックインフレータとエアバックコントローラとを繋ぐフラットケーブル26が、ステアリングシャフト10を囲むように渦巻き状に巻回収容されている。
【0031】
ロテータ14の上面には、挿通孔8の開口方向に延びる複数の係止爪14aが突設されている。ステアリングホイール12の底壁には、各係止爪14aと組を成すように係止孔12aが複数形成されている。ロテータ14は、各係止爪14aを各々対応する係止孔12aに係止することで、ステアリングホイール12に組み付けられた状態となっている。このため、ステアリングホイール12が回動操作された際には、この回動操作に合わせてロテータ14がステアリングホイール12と同期回動する。
【0032】
ロテータ14の底壁14bには、略円板形状を成す歯数がLの第1主動ギア27が複数のネジ28によって固定されている。ロテータ14の底壁14bと第1主動ギア27とは同一軸心上に配置され、中央部に各々形成された孔部14c,27aにステアリングシャフト10が挿通された取り付け状態をとる。ロテータ14の底壁14bと第1主動ギア27とは、ステアリングシャフト10の途中に形成されたボス部10bを受けとして、同じくステアリングシャフト10においてボス部10bの上側に形成されたネジ部10cにロックナット29を螺着することにより、ステアリングシャフト10に固定されている。
【0033】
第1主動ギア27には、略円板形状を成す歯数がMの第1従動ギア30が噛み合い係合されている。第1従動ギア30の上面中央部には、ステアリングシャフト10の軸方向に延びる軸部30aが突設されている。また、第1従動ギア30の裏面には、プリント基板18側に凹部30bを有する磁石支持部30cが形成されている。第1従動ギア30は、スイッチボディ15aの内面に形成された支持穴15cに軸部30aが回動可能な状態で軸支されつつ、磁石支持部30cがプリント基板18に相対回動可能に支持された取り付け状態をとっている。
【0034】
磁石支持部30cの凹部30bには、周囲に磁界を発生する磁石31が取り付けられている。一方、プリント基板18において凹部30bに収容される位置には、磁石31が発する磁界の向きを検出する第1MRE(磁気抵抗素子)32が実装されている。ステアリングシャフト10が回転して第1主動ギア27が回転すると、それに連れて第1従動ギア30が連れ周りし、第1MRE32に対する磁石31の向きが変わり、磁石31から第1MRE32にかかる磁界の向きが変化する。第1MRE32は、第1従動ギア30の回転位置に応じて換わるこの磁界向きを検出し、その磁界向きに応じた出力信号Sa(図3参照)を電圧値で出力する。なお、第1従動ギア30が車体側従動ギアを構成し、磁石31及び第1MRE32が車体側検出手段を構成する。
【0035】
図2に示すように、第1従動ギア30の近傍には、略円板形状を成す歯数がNの第2従動ギア33が第1主動ギア27に噛み合い係合した状態で配置されている。第2従動ギア33の取付構造は、第1従動ギア30と基本的に同じであることから、その詳細については省略する。ステアリングシャフト10が回転して第1主動ギア27が回転すると、それに連れて第2従動ギア33も連れ回りする。このとき、第2従動ギア33に取着された磁石34は、プリント基板18に実装された第2従動ギア33用の第2MRE35に対して向きが変わり、第2MRE35に加える磁界の向きが変化する。第2MRE35は、第2従動ギア33の回転位置に応じて換わるこの磁界向きを検出し、その磁界向きに応じた出力信号Sb(図3参照)を電圧値で出力する。なお、第2従動ギア33が車体側従動ギアを構成し、磁石34及び第2MRE35が車体側検出手段を構成する。
【0036】
ロテータ14には、ステアリングシャフト10を取り囲むように無底円筒形状のトーションバー36が形成されている。このトーションバー36は、ねじりを許容する金属材または樹脂材から成る。トーションバー36の頂部には、第1主動ギア27と歯数及び歯位置が同じに形成された第2主動ギア37が配設されている。即ち、第1主動ギア27には、トーションバー36を介して第2主動ギア37が連結されている。第2主動ギア37は、第1主動ギア27と同一形状のものが用いられており、歯数が第1主動ギア27と同じLに設定されている。第2主動ギア37は、第1主動ギア27と同一軸心上に位置するとともに、ステアリングシャフト10の軸方向において歯位置が同じ位置となるように配置されている。なお、トーションバー36がねじり許容部材に相当する。
【0037】
ステアリングシャフト10は、ステアリングホイール12側と車体1側とで2分割された構造をとり、本例においては車体1側のシャフトを第1分割シャフト38とし、ステアリングホイール12側のシャフトを第2分割シャフト39とする。これら分割シャフト38,39は、その接続部分において有限回転ベアリング40を介して連結されることにより、1部品に組み立てられる。有限回転ベアリング40は、所定回転量までは分割シャフト38,39との相対回動を許容し、これら分割シャフト38,39がその許容量を超えて相対回動する時、その相対回動を規制する。
【0038】
有限回転ベアリング40は、ステアリングシャフト10の軸方向においてトーションバー36とほぼ同じ高さ位置に配置されている。本例において2つの主動ギア27,37は、トーションバー36から見た場合、第1主動ギア27が第1分割シャフト38に連結された取り付け状態をとり、第2主動ギア37がステアリングホイール12(即ち、第2分割シャフト39)に連結された取り付け状態をとることになる。
【0039】
ステアリングホイール12が回動操作されると、第1分割シャフト38及び第2分割シャフト39の回動が有限回転ベアリング40により許容されて、第2分割シャフト39が第1分割シャフト38に対して回動し、トーションバー36にねじりがステアリングシャフト10にかかるトルクとして発生する。このとき、例えばトーションバー36が破損したとしても、有限回転ベアリング40が第1分割シャフト38及び第2分割シャフト39の連結を保持し、これによりステアリング操作が確保されている。
【0040】
第2主動ギア37には、略円板形状を成す歯数がPの第3従動ギア41が噛み合い係合されている。第3従動ギア41は、第1従動ギア30及び第2従動ギア33に対し対向する位置に配置されている。第3従動ギア41の上面中央部には、ステアリングシャフト10の軸方向に延びる軸部41aが突設されている。また、第3従動ギア41の裏面には、プリント基板18側に凹部41bを有する円柱形状の磁石支持部41cが形成されている。第3従動ギア41は、スイッチボディ15aの内面に形成された支持穴15dに軸部41aが回動可能な状態で軸支されつつ、磁石支持部41cがプリント基板18に相対回動可能に支持された取り付け状態をとっている。
【0041】
磁石支持部41cの凹部41bには、周囲に磁石を発生する磁石42が取り付けられている。一方、プリント基板18において凹部41bに収容される位置には、磁石42が発する磁界の向きを検出する第3MRE(磁気抵抗素子)43が実装されている。ステアリングシャフト10が回転して第2主動ギア37が回転すると、それに連れて第3従動ギア41が連れ回りし、第3MRE43に対する磁石42の向きが変わり、磁石42から第3MRE43にかかる磁界の向きが変化する。第3MRE43は、第3従動ギア41の回転位置に応じて換わるこの磁界向きを検出し、その磁界向きに応じた出力信号Sc(図3参照)を電圧値で出力する。なお、第3従動ギア41が操作側従動ギアに相当し、磁石42及び第3MRE43が操作側検出手段を構成する。
【0042】
図3に示すように、CPU19は、ターンシグナルスイッチ23のスイッチ接点23cと、ワイパーレバースイッチ24のスイッチ接点24cと電気的に接続されている。CPU19は、各スイッチ接点23c,24cから入力するスイッチ信号に基づき各レバー23b,24bの操作位置を認識し、認識したレバー操作位置のスイッチ情報を、ドライバ回路22を経由して、コネクタ21からCAN通信(Controller Area Network)により表示系ECUに出力し、方向指示器や走行系ライトを作動させる。
【0043】
CPU19は、第1MRE32からの出力信号Saと第2MRE35からの出力信号Sbとを自身のA/D端子19a,19bを介して各々入力し、出力信号Saから第1従動ギア30の第1回転角度θaを求めるとともに、出力信号Sbから第2従動ギア33の第2回転角度θbを求める。CPU19は、これら回転角度θa,θbと、これら回転角度θa,θbの位相差Δω(図4参照)とに基づき、ステアリングホイール12の操舵角度を絶対角(絶対舵角θ)で検出する。CPU19が検出する絶対舵角θの分解能及び舵角検出範囲は、第1主動ギア27の歯数Lと、第1従動ギア30の歯数Mと、第2従動ギア33の歯数Mの各値によって決まる。CPU19は、この計算によって絶対舵角θを算出すると、この絶対舵角θに応じた舵角情報を、ドライバ回路22を経由して、コネクタ21からCAN通信により車両の各種ECUに送信する。
【0044】
また、CPU19は、第3MRE43の出力信号Scを自身のA/D端子19cを介して入力し、この出力信号Scから第3従動ギア41の第3回転角度θcを算出する。CPU19は、第1従動ギア30の第1回転角度θa(第2従動ギア33の第2回転角度θbでも可)と第3従動ギア41の第3回転角度θcとの間の位相差Δγ(図5参照)を算出し、この位相差Δγに基づきステアリングシャフト10に加わるトルクTを算出する。CPU19は、この計算によってトルクTを算出すると、このトルクTに応じたトルク情報を、ドライバ回路22を経由して、コネクタ21からCAN通信により車両の各種ECUに送信する。なお、出力信号Sa〜Scが検出信号に相当する。
【0045】
次に、ステアリングホイール12の絶対舵角θの具体的な算出手順を説明する。
ところで、第1主動ギア27は歯数がL、第1従動ギア30は歯数がMに設定されていることから、ステアリングホイール12の操舵操作に伴い第1主動ギア27が1回転した時には、第1従動ギア30はM/L回転する。このとき、第1MRE32は、第1従動ギア30の回転を検出し、出力信号Saとして図4(a)に示す互いに周期が45度ずれた2つの交流信号(正弦波信号Sa1及び余弦波信号Sa2)をCPU19に出力する。これら正弦波信号Sa1及び余弦波信号Sa2の周期は、第1従動ギア30が1回転した時に2周期となるように設定されている。
【0046】
CPU19は、第1MRE32から入力した正弦波信号Sa1及び余弦波信号Sa2をデジタル値に各々変換し、図4(b)に示すように、デジタル変換後の正弦値及び余弦値から逆正接値を求め、この逆正接値を第1従動ギア30の第1回転角度θaとして算出する。この第1回転角度θaは、図4(c)に示すように、第1従動ギア30の実角度θaxに対して一義的に決まる値であり、実角度θaxの0度〜359度に対応して、例えば0〜359のデジタル値で算出される。
【0047】
また、第2従動ギア33は歯数がNに設定されていることから、ステアリングホイール12の操舵操作に伴い第2主動ギア37が1回転した時には、第2従動ギア33はN/L回転する。このとき、第2MRE35は、第2従動ギア33が回転すると、出力信号Sbとして図4(a)に示す互いに周期が45度ずれた交流信号(正弦波信号Sb1及び余弦波信号Sb2)をCPU19に出力する。第2MRE35の正弦波信号Sb1及び余弦波信号Sb2の周期は、第2従動ギア33が1回転した時に2周期となるように設定されている。但し、第1従動ギア30と第2従動ギア33の歯数は異なっているため、第1主動ギア27が回転する際において、第1MRE32が出力する交流信号と、第2MRE35が出力する交流信号とは、異なる周期幅をとることになる。
【0048】
CPU19は、第2MRE35から入力した正弦波信号Sb1及び余弦波信号Sb2をデジタル値に各々変換し、第1MRE32の場合と同様に、デジタル変換後の正弦値及び余弦値から逆正接値を求め、この逆正接値を第2従動ギア33の第2回転角度θb(図4(b)参照)として算出する。この第2回転角度θbは、図4(c)に示すように、第2従動ギア33の実角度θbxに対して一義的に決まる値であり、実角度θbxの0〜359度に対応して、例えば0〜359のデジタル値で算出される。
【0049】
続いて、CPU19は、第1回転角度θaと第2回転角度θbとを用い、これら回転角度θa,θb間の位相差Δωを算出する。位相差Δωを算出したCPU19は、先程求めた回転角度θa,θbと、この位相差Δωとを用い、ステアリングホイール12(ステアリングシャフト10)の操舵角度を絶対舵角θとして算出する。この絶対舵角θは、第1主動ギア27、第1従動ギア30及び第2従動ギア33の歯数に寄るが、例えば0度〜1440度の範囲(即ち、ステアリングホイール12の4回転の範囲)で算出される。
【0050】
次に、ステアリングシャフト10に生じるトルクTの具体的な算出手順を説明する。
ステアリングホイール12を操舵操作した際、ステアリングシャフト10の回転許容量に反してステアリングホイール12が過度の力で回されることがある。本例においては、第2分割シャフト39が有限回転ベアリング40を介して第1分割シャフト38に連結されていることから、ステアリングホイール12が過度の力で回されると、第2分割シャフト39が有限回転ベアリング40の部分で第1分割シャフト38に対して回転する動きをとる。このため、ステアリングシャフト10がねじれた状態となり、ステアリングシャフト10にトルクTが生じる。
【0051】
ステアリングシャフト10が回転する際、第2主動ギア37も回転することから、この第2主動ギア37に噛み合った第3従動ギア41も、ステアリングシャフト10の回転に伴って連れ回りする。ここで、ステアリングシャフト10がねじれた状態となると、第1主動ギア27よりも第2主動ギア37の方が若干量多く回った状態となることから、第1従動ギア30の第1回転角度θa(第2回転角度θb)と、第3従動ギア41の第3回転角度θcとの間には、その時のねじれトルクの大きさに応じた位相差Δγが生じた状態となる。
【0052】
CPU19は、第3MRE43から図4(a)に示すような正弦波信号Sc1及び余弦波信号Sc2を入力しており、第1MRE32や第2MRE35の場合と同様の算出手順で、第3従動ギア41の第3回転角度θc(図4(b)参照)を算出する。この第3回転角度θcは、図4(c)に示すように、第3従動ギア41の実角度θcxに対して一義的に決まる値であり、実角度θcxの0〜359度に対応して、例えば0〜359のデジタル値で算出される。
【0053】
CPU19は、第1従動ギア30の第1回転角度θaと第3従動ギア41の第3回転角度θcとを用いて求まる第1従動ギア30及び第3従動ギア41間の位相差Δγから、ステアリングシャフト10にかかるトルクTを算出するが、このトルク算出に際して、まず第1従動ギア30の回転角度θa(第2従動ギア33の回転角度θbでも可)を、第1主動ギア27に対応した角度に換算する。CPU19は、次式(1)を用いて回転角度θaの第1換算角度θacを算出する。
【0054】
θac=(M/L)×θa×2 … (1)
また、CPU19は、同じように、第3従動ギア41の回転角度θcを、第1主動ギア27に対応した角度に換算する。ここで、第3従動ギア41は第2主動ギア37に噛み合い係合されているが、第2主動ギア37は第1主動ギア27と同じ形状及び歯位置を有しているため、第2主動ギア37に対応した換算角度を求めれば、これが第1主動ギア27に対応した換算角度になる。CPU19は、次式(2)を用いて回転角度θcの換算角度θccを算出する。
【0055】
θcc=(P/L)×θc×2 … (2)
ここで、式(1),(2)において、各々θa,θcに「2」を乗算するのは、従動ギア1回転で、各々出力が2周期となるからである。そして、CPU19は、換算角度θacと換算角度θccとの差(絶対値)を位相差Δγ(=θac−θcc)として算出し、この位相差ΔγをトルクTとして算出する。ここで、ステアリングシャフト10にトルクTが発生していなければ、換算角度θacと換算角度θccとの間に位相差Δγは生じない。しかし、ステアリングシャフト10がねじれてトルクTが発生すると、図5に示すように換算角度θacと換算角度θccとの間に位相差Δγが生じた状態となり、CPU19はこの位相差ΔγをトルクTとして算出する。
【0056】
また、CPU19は、2重系でトルクTを算出すべく、第1従動ギア30の回転角度θaと第3従動ギア41の回転角度θcとからトルクTを算出するだけでなく、第2従動ギア33の回転角度θbと第3従動ギア41とからもトルクTを算出する。CPU19は、通常の場合において、第1回転角度θa及び第3回転角度θcから算出したトルクTでステアリングシャフト10のねじれを監視するが、このトルクTが「0」等の異常値をとった場合、第2回転角度θb及び第3回転角度θcから算出したトルクTでステアリングシャフト10のねじれを見る。
【0057】
以上のように、本例においては、コンビネーションスイッチ機能を持つレバー装置2に、ステアリングロールコネクタ4と、ステアリングホイール12の絶対舵角検出機構5と、ステアリングシャフト10にかかるトルク検出機構6を設けた。このため、本例のレバー装置2は、これら複数の機構がユニット化された装置となる。従って、このレバー装置2を車体1に組み付ければ、同時にステアリングロールコネクタ4、絶対舵角検出機構5及びトルク検出機構6の車体1に組み付けられた状態となり、これら機能を別々の工程で車体1に組み付ける作業が不要となり、車体1への部品組付作業が楽になる。
【0058】
また、レバー装置2に、ステアリングロールコネクタ4と絶対舵角検出機構5とトルク検出機構6とを組み込むと、例えばケース7やプリント基板18など、これら機構の間で共用できる部品がでてくる。これにより、ステアリングロールコネクタ4と絶対舵角検出機構5とトルク検出機構6とにおいて全体で要する部品コストが、これら機構が別々の場合と比べて低く済ませられることになり、部品コスト低減にも効果がある。
【0059】
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)コンビネーションスイッチ機構3を有するレバー装置2に、ステアリングロールコネクタ4と、ステアリングホイール12の絶対舵角検出機構5と、ステアリングシャフト10のトルク検出機構6とを追加することにより、これら機構を一体化している。従って、このレバー装置2を車体1に組み付ければ、複数種の機構が車体1に組み付けられた状態となるので、部品組付作業の組付工程数を減らすことができ、部品組付作業が楽になる。
【0060】
(2)本例のトルク検出機構6においては、ギア30,41に磁石31,42を各々取り付け、その磁石31,42の磁界向きをMRE32,43で各々検出することによりギア30,41の回転角度θa,θcを求め、この回転角度θa,θcからステアリングシャフト10のトルクTを算出する。従って、ギア30,41、磁石31,42及びMRE32,43という簡素な構造を用いて、ステアリングシャフト10のトルクTを算出することができる。
【0061】
(3)ステアリングシャフト10に過度の力がかかった際、そのねじれ部分としてトーションバー36を設けた。従って、ステアリングシャフト10にトルクTがかかった際、トーションバー36によりステアリングシャフト10のねじれが促進されることになり、トルクTの算出精度に効果が高い。
【0062】
(4)本例のトルク検出機構6においては、ステアリングシャフト10にかかるトルクTを、第1従動ギア30と第2従動ギア33との2重系で見るので、通常使用する第1従動ギア30側が故障したとしても、それに変わって第2従動ギア33側でトルクTを見ることになるので、トルクTの誤検出防止に効果が高い。
【0063】
(5)ステアリングシャフト10を2分割構造とし、これら分割シャフト38,39を有限回転ベアリング40で連結している。よって、有限回転ベアリング40によってステアリングシャフト10のねじれを許容することができ、しかも例えばトーションバー36が破損して分割シャフト38,39が分離し得る状況になったとしても、有限回転ベアリング40が分割シャフト38,39の連結状態を保持することになり、ステアリングホイール12の操舵操作時において第1分割シャフト38が回らないような状況が生じずに済む。
【0064】
なお、本実施形態は上記構成に限定されず、以下の態様に変更してもよい。
・ 有限回転ベアリング40を設ける構造としては、例えば図6に示すように、分割されていないステアリングシャフト10を用い、ステアリングシャフト10の先端とステアリングホイール12との間に有限回転ベアリング40を設ける構造でもよい。この場合、ステアリングホイール12は、有限回転ベアリング40をステアリングシャフト10との間に挟んだ状態で、ロックナット11をステアリングシャフト10の先端のネジ部10aに螺着することにより、ステアリングシャフト10に固定される。この場合、ステアリングシャフト10及び第1主動ギア27は、複数のネジ51によって固定される。この構造においては、分割されていないステアリングシャフト10を用いるので、ステアリングシャフト10を分割することに伴うシャフト構造の複雑化の問題が生じない。
【0065】
・ レバー装置2には、必ずしもステアリングロールコネクタ4、絶対舵角検出機構5、トルク検出機構6の全てを組み込むことに限らず、少なくともトルク検出機構6のみが組み込まれていればよい。
【0066】
・ 従動ギア30,33,41の回転角度θa,θb,θcを磁気式で検出する場合、その検出手段はMRE32,35,43に限定されず、例えばホール素子でもよい。また、この検出手段は磁気式に限定されず、例えば光学式等の他方式のものを採用することも可能である。
【0067】
・ ねじり許容部材は、円筒形状を成したトーションバー36に限らず、外力が加えられた際にねじりを許容しつつ、その外力が「0」となると反発力が働いて元の形状に戻るバネ部材でもよい。
【0068】
・ トルク検出機構6は、本例のようにギアを用いた構造に限定されない。例えば、トーションバー36の変わりとして、金属線が斜めの状態で格子状に張り巡らされた円筒形状の検出部材を用意し、使用状態においてその検出部材に電圧を印加しておき、ねじりが加わるとそれに発生する電圧値が変化することから、その変化をトルクTとして検出するものでもよい。
【0069】
・ 絶対舵角検出機構5は、第1従動ギア30の回転角度θaと第2従動ギア33の回転角度θbとから、ステアリングホイール12の絶対舵角θを求める算出手法に限定されない。例えば、第1主動ギア27に磁石を取り付けて、その磁石の磁界向きをMREで検出し、第1主動ギア27の回転角度と、第1従動ギア30の回転角度θaとから絶対舵角θを求める算出手法でもよい。
【0070】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(1)請求項2〜8のいずれかにおいて、前記コネクタ機構のロテータに前記第2主動ギアが形成され、当該第2主動ギアがトーションバーを介して前記第1主動ギアに固定されている。この場合、ロテータ、トーションバー、第1主動ギア及び第2主動ギアを1部品として扱うことが可能となり、例えば第2主動ギアのみをステアリングシャフトに直接固定するような構造を用いずに済むことから、ステアリングシャフト周りの構造が複雑化しない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】一実施形態におけるレバー装置の縦断面図。
【図2】レバー装置の平断面図。
【図3】レバー装置の電気的構成を示すブロック図。
【図4】(a)は各MREが出力する出力信号の波形図、(b)は各従動ギアの回転角度の求め方を説明するための説明図、(c)は算出した回転角度と実角度との関係を表す波形図。
【図5】ステアリングシャフトのトルクの求め方を説明するための説明図。
【図6】別例におけるレバー装置の縦断面図。
【符号の説明】
【0072】
1…車体、2…レバー装置、3…レバー操作位置検出機構としてのコンビネーションスイッチ機構、5…角度検出機構としての絶対舵角検出機構、4…コネクタ機構としてのステアリングロールコネクタ、6…トルク検出機構、10…ステアリングシャフト、12…ステアリングホイール、19…トルク算出手段及び角度検出手段を構成するCPU、23b…レバーを構成するターンシグナルレバー、24b…レバーを構成するワイパーレバー、23c,24c…接点手段を構成するスイッチ接点、27…第1主動ギア、30…車体側従動ギアを構成する第1従動ギア、31…車体側検出手段を構成する磁石、32…車体側検出手段を構成する第1MRE、33…車体側従動ギアを構成する第2従動ギア、34…車体側検出手段を構成する磁石、35…車体側検出手段を構成する第2MRE、36…ねじり許容部材としてのトーションバー、37…第2主動ギア、38,39…分割シャフト、40…有限回転ベアリング、41…操作側従動ギアとしての第3従動ギア、42…操作側検出手段を構成する磁石、43…操作側検出手段を構成する第3MRE、T…トルク、θa,θb,θc…回転角度、θ…絶対舵角、Sa,Sb,Sc…検出信号としての出力信号、Δγ…位相差。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
レバーの操作を接点手段で検出することにより、車両に搭載された各種機器を作動させるレバー操作位置検出機構を備えたレバー装置において、
ステアリングホイール操作時にステアリングシャフトに加わるトルクを検出するトルク検出機構を備えたことを特徴とするレバー装置。
【請求項2】
前記トルク検出機構は、
前記ステアリングシャフトにおいて車体側に取り付けられ、当該ステアリングシャフトと同期回動する第1主動ギアと、
前記ステアリングシャフトにおいてステアリングホイール側に取り付けられ、当該ステアリングシャフトと同期回動する第2主動ギアと、
前記第1主動ギアに噛み合い、当該第1主動ギアと連れ回りする車体側従動ギアと、
前記第2主動ギアに噛み合い、当該第2主動ギアと連れ回りする操作側従動ギアと、
前記第車体側従動ギアの回転角度を検出する車体側検出手段と、
前記操作側従動ギアの回転角度を検出する操作側検出手段と、
前記車体側検出手段の検出信号と、前記操作側検出手段の検出信号とに基づき、これら検出信号の間の位相差から前記ステアリングシャフトのトルクを算出するトルク算出手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のレバー装置。
【請求項3】
前記第1主動ギアと前記第2主動ギアとは、ねじり許容部材で連結されていることを特徴とする請求項2に記載のレバー装置。
【請求項4】
前記車体側従動ギアは、複数設けられ、
前記車体側検出手段は、複数の前記車体側従動ギアに合わせて複数設けられ、
前記トルク算出手段は、一方の前記車体側従動ギアの回転角度と前記操作側従動ギアの回転角度とから前記トルクを算出するとともに、他方の前記車体側従動ギアの回転角度と前記操作側従動ギアの回転角度とからも前記トルクを算出することにより、多重系で前記トルクを監視することを特徴とする請求項2又は3に記載のレバー装置。
【請求項5】
前記ステアリングホイールに設けられた電装機器と、車体側に設けられたコントローラとを、前記ステアリングホイールの回動を許容する状態で電気接続するコネクタ機構を備えたことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のレバー装置。
【請求項6】
複数設けられた前記車体側従動ギアと、
前記車体側従動ギアに合わせて複数設けられた前記車体側検出手段と、
複数の前記車体側検出手段の検出信号に基づき、前記ステアリングシャフトの絶対舵角を算出する角度検出手段と
を有する角度検出機構を備えたことを特徴とする請求項2〜5のうちいずれか一項に記載のレバー装置。
【請求項7】
前記ステアリングシャフトが前記車体側と前記操作側とで2分割され、これら分割シャフトのうち一方が前記第1主動ギア側に連結固定され、他方が前記第2主動ギアに連結固定され、これら当該分割シャフトは、設定範囲内のみの回転を許容する有限回転ベアリングで連結されていることを特徴とする請求項2〜6のうちいずれか一項に記載のレバー装置。
【請求項8】
前記第1主動ギアが前記ステアリングシャフトに連結固定され、前記第2主動ギアが前記ステアリングホイールに連結固定され、前記ステアリングシャフト及び前記ステアリングホイールは、設定範囲内のみの回転を許容する有限回転ベアリングで連結されていることを特徴とする請求項2〜6のうちいずれか一項に記載のレバー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−238055(P2007−238055A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−67451(P2006−67451)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】