説明

レンズの製造方法及びレンズ並びに撮像装置

【課題】一般的なエネルギー硬化性の樹脂でレンズを製造するにあたって、製造プロセスの停滞を回避して効率化を図る。
【解決手段】下型52の成形面62上にエネルギー硬化性の樹脂Mを供給する供給工程と、上型51と下型52との間隔を狭め、供給された樹脂Mを上型51及び下型52の双方の成形面60,62で挟んで成形する成形工程と、成形された樹脂Mにエネルギーを供給して硬化させる硬化工程と、上型51と下型52との間隔を広げ、硬化された樹脂Mからなるレンズ20を成形型50から取り出す離型工程と、を備え、成形工程で上型51と下型52との間隔を狭めた後において、胴型53の内周面64における樹脂Mと接触する接触部64aと該接触部の上側に隣接する非接触部64bとの境界線L1が、その周上の少なくとも一部で上型51の成形面60の延長と胴型53の内周面64との交線L2よりも下側にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズの製造方法、及び該方法により製造されたレンズ、並びに該レンズを組み込んだ撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話や監視カメラなどに用いられる撮像装置は、一般に、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの固体撮像素子と、固体撮像素子の受光面に結像するレンズユニットとで構成される。レンズユニットに含まれるレンズは、近年、安価で成形性に優れる樹脂で形成されたレンズが用いられている。
【0003】
上記の撮像装置は、一般に、モジュール化されて回路基板に実装される。そして、実装プロセスの簡略化を図るべく、撮像装置の実装にリフローが採用されるようになっている。リフローとは、回路基板板上で部品を実装する箇所に予めハンダを配置し、そこに部品を配置して回路基板ごと加熱し、それによってハンダを溶融させて部品を回路基板にハンダ付けする手法を言う。
【0004】
リフローにおいて、撮像装置は、数秒〜数十秒の間、200℃以上の温度に晒される。撮像装置を構成するレンズユニットのレンズにも、耐熱性が求められる。そこで、レンズユニットのレンズを、熱硬化性や光硬化性といったエネルギー硬化性の樹脂で形成するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
樹脂レンズは、一般に、上型及び下型並びに上型及び下型の周囲を囲む胴型で構成される成形型で樹脂を圧縮成形して製造される。レンズの製造プロセスを自動化する上で、成形型を開いた際に、レンズが上型及び下型のいずれか所定の型に残っていることが要請される。レンズが残る型が都度異なっていては、成形型からのレンズの取り出しを自動化するのに支障をきたすためである。レンズは、一般に、重力にならって下型に残される。
【0006】
ここで、図5に、熱硬化性の樹脂を加熱した際の樹脂の粘度の経時変化を示す。
【0007】
図5に示すように、熱硬化性の樹脂は硬化前に一旦粘度が低下する。光硬化性の樹脂もまた同様の傾向を示す。よって、圧縮成形において、上型及び下型と胴型とのギャップに樹脂が浸入し易く、上型と胴型とのギャップに樹脂が浸入すると、レンズが、上型に張り付いて、上型に残り易くなる。これに起因して、レンズが残る型が都度異なると、成形型からのレンズの取り出しで製造プロセスが停滞し、効率が低下する虞がある。
【0008】
特許文献2には、熱重合開始剤及び光重合開始剤の両方を含有するエネルギー硬化性の樹脂を使用し、成形前に光重合させて樹脂の粘度をある程度まで高めておき、その状態で圧縮成形し、その後に熱重合させて硬化させることで、上型及び下型と胴型とのギャップに樹脂が浸入することを防止する技術が記載されている。しかし、この技術は、熱重合開始剤及び光重合開始剤の両方を含有する特殊な樹脂に限られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−98614号公報
【特許文献2】特開2009−126011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、一般的なエネルギー硬化性の樹脂でレンズを製造するにあたって、製造プロセスの停滞を回避して効率化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上型及び下型並びに該上型及び下型の周囲を囲む胴型を含む成形型を用い、エネルギー硬化性の樹脂でレンズを製造する方法であって、前記下型の成形面上に前記樹脂を供給する供給工程と、前記上型と前記下型との間隔を狭め、供給された前記樹脂を前記上型の成形面と前記下型の成形面とで挟んで成形する成形工程と、成形された前記樹脂にエネルギーを供給して硬化させる硬化工程と、前記上型と前記下型との間隔を広げ、硬化された前記樹脂からなるレンズを前記成形型から取り出す離型工程と、を備え、前記成形工程で前記上型と前記下型との間隔を狭めた後において、前記胴型の内周面における前記樹脂と接触する接触部と該接触部の上側に隣接する非接触部との境界線が、その周上の少なくとも一部で前記上型の成形面の延長と前記胴型の内周面との交線よりも下側にあるレンズの製造方法。
(2)上型及び下型並びに該上型及び下型の周囲を囲む胴型を含む成形型を用い、エネルギー硬化性の樹脂でレンズを製造する方法であって、前記下型の成形面上に前記樹脂を供給する供給工程と、前記上型と前記下型との間隔を狭め、供給された前記樹脂を前記上型の成形面と前記下型の成形面とで挟んで成形する成形工程と、成形された前記樹脂にエネルギーを供給して硬化させる硬化工程と、前記上型と前記下型との間隔を広げ、硬化された前記樹脂からなるレンズを前記成形型から取り出す離型工程と、を備え、前記成形工程で前記上型と前記下型との間隔を狭めた後において、前記上型の成形面と前記胴型の内周面とで形成される角に沿って、その周上の少なくとも一部に空気層があるレンズの製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上型と胴型とのギャップには、その周上の少なくとも一部で樹脂が浸入しておらず、上型へのレンズの張り付きを防止することができる。即ち、成形型を開いた際に、レンズが下型に残り易くなる。それにより、成形型からのレンズの取り出しを安定して行うことができ、製造プロセスの停滞を回避して効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態を説明するための、撮像装置の一例を示す図。
【図2】図1の撮像装置に含まれるレンズの製造に用いられる成形型の一例を示す図。
【図3】図2の成形型を用いたレンズの製造方法を示す図。
【図4】図3において円IVで囲まれた部分を拡大して示す図。
【図5】熱硬化性の樹脂を加熱した際の樹脂の粘度の経時変化を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、撮像装置の一例を示す。
【0015】
図1に示す撮像装置1は、センサ2と、レンズユニット3とを備えている。
【0016】
センサ2は、シリコンなどの半導体で形成された基板10と、その略中央部に設けられた固体撮像素子11とで構成されている。固体撮像素子11は、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどであり、基板10に対して周知の成膜工程、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程、不純物添加工程、等を繰り返し、基板10上に受光領域、電極、絶縁膜、配線、等を形成して構成されている。
【0017】
レンズユニット3は、一つ以上のレンズを含む光学系4と、光学系4を保持する鏡筒5とを含んでいる。光学系4は、図示の例では、入射側に配置される第1レンズ20と、出射側に配置される第2レンズ21と、第1レンズ20と第2レンズ21との間に配置された絞り22とで構成されている。第1レンズ20及び第2レンズ21は、いずれも透光性の樹脂で形成されている。また、絞り22は、遮光性の材料からなり、例えばステンレスなどの金属板で形成される。なお、光学系4の構成は、図示の例に限定されず、例えばレンズの枚数は1枚又は3枚以上であってもよく、また、絞り22は、第1レンズ20の入射面上など、適宜な箇所に配置されてもよい。
【0018】
第1レンズ20は、表裏に光学面を有するレンズ部30と、レンズ部30の周囲に鍔状に広がるコバ部31とで構成されている。第2レンズ21もまた、同様に、表裏に光学面を有するレンズ部32と、レンズ部32の周囲に鍔状に広がるコバ部33とで構成されている。第1レンズ20と第2レンズ21とは、レンズ部30,32の光軸を一致させた状態で重ねられている。
【0019】
対向する第1レンズ20のコバ部31及び第2レンズ21のコバ部33の対向面には、互いに嵌合する嵌合部がそれぞれ設けられている。第1レンズ20のコバ部31に設けられた嵌合部34は、レンズ部30の光軸を中心とする円環状の凸部である。また、第2レンズ21のコバ部33に設けられた嵌合部35は、レンズ部32の光軸を中心とする円環状の凸部であり、第1レンズ20の嵌合部34に内嵌する。そして、第1レンズ20の嵌合部34の内周面及び第2レンズ21の嵌合部35の外周面は、互いに整合するテーパ面とされている。第1レンズ20と第2レンズ21とは、嵌合部34,35を嵌合させることにより、レンズ部30,32の光軸が一致するように互いに位置決めされる。
【0020】
鏡筒5は、筒部40と、筒部40の軸方向の一方の端部に設けられた蓋部41と、筒部40の軸方向の他方の端部に設けられた台座部42と、筒部40内で蓋部41に対向して配置された押さえ部材43とで構成されている。鏡筒5は、遮光性の材料で形成され、例えば黒色の液晶ポリマーなどの樹脂で形成される。
【0021】
光学系4は、その光軸を筒部40の中心軸に一致させた状態で筒部40内に配置され、蓋部41と押さえ部材43とによって挟まれ、鏡筒5に保持されている。光学系4の光軸が通過する蓋部41の中央部には開口部44が設けられており、この開口部44を通して光学系4に光が入射する。
【0022】
対向する光学系4の第1レンズ20のコバ部31及び蓋部41の対向面には、互いに嵌合する嵌合部がそれぞれ設けられている。第1レンズ20のコバ部31に設けられた嵌合部36は、光学系4の光軸(レンズ部30の光軸)を中心とする円環状の凸部である。また、蓋部41に設けられた嵌合部45は、筒部40の中心軸を中心とする円環状の凸部であり、第1レンズ20の嵌合部36に内嵌する。そして、第1レンズ32の嵌合部36の内周面及び蓋部41の嵌合部45の外周面は、互いに整合するテーパ面とされている。光学系4は、第1レンズ20の嵌合部36を蓋部41の嵌合部45に嵌合させることにより、その光軸が筒部40の中心軸に一致するように位置決めされる。
【0023】
鏡筒5に対する光学系4の位置決めは、上述のとおり第1レンズ20の嵌合部36を蓋部41の嵌合部45に嵌合させることでなされるので、光学系4の外周面(第1レンズ20及び第2レンズ21の外周面)と筒部40の内周面との間には隙間がおかれている。この隙間は、後述するリフロー処理において、光学系4と鏡筒5との熱膨張に差が生じた場合に、その熱膨張差を吸収して光学系4に作用する応力を緩和するものである。
【0024】
レンズユニット3は、鏡筒5の台座部42をセンサ2の基板10に接合され、センサ2と一体とされる。鏡筒5の開口部44を通して光学系4に入射した光は、センサ2の固体撮像素子11の受光面に結像する。
【0025】
以上のように構成された撮像装置1は、リフロー処理によって電子機器の回路基板に実装される。即ち、回路基板には、撮像装置1が実装される位置に予めペースト状の半田が印刷され、そこに撮像装置1が載せられる。そして、この撮像装置1を含む回路基板に赤外線の照射や熱風の吹付けといった加熱処理が施され、それにより半田を溶かして撮像装置1は回路基板に実装される。
【0026】
リフロー処理では撮像装置1全体がリフロー温度で加熱されることから、第1レンズ20及び第2レンズ21を形成する樹脂は、硬化後にはリフロー処理によっても熱変形しない程度の耐熱性を有する。そのような樹脂としては、エネルギー硬化性の樹脂を用いることができ、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、等の熱により硬化する熱硬化性の樹脂、あるいはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、等の紫外線の照射により硬化する光硬化性の樹脂を用いることができる。
【0027】
レンズ20,21を形成する樹脂の耐熱性は、硬化物のガラス転移温度が200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましく、300℃以上であることが特に好ましい。樹脂にこのような高い耐熱性を付与するためには、分子レベルで運動性を束縛することが必要であり、有効な手段としては、(1)単位体積あたりの架橋密度を上げる手段、(2)剛直な環構造を有する樹脂を利用する手段(例えばシクロヘキサン、ノルボルナン、テトラシクロドデカン等の脂環構造、ベンゼン、ナフタレン等の芳香環構造、9,9’−ビフェニルフルオレン等のカルド構造、スピロビインダン等のスピロ構造を有する樹脂、具体的には例えば、特開平9−137043号公報、同10−67970号公報、特開2003−55316号公報、同2007−334018号公報、同2007−238883号公報等に記載の樹脂)、(3)無機微粒子など高Tgの物質を均一に分散させる手段(例えば特開平5−209027号公報、同10−298265号公報等に記載)等が挙げられる。これらの手段は複数併用してもよく、流動性、収縮率、屈折率特性など他の特性を損なわない範囲で調整することが好ましい。
【0028】
また、レンズ20,21を形成する樹脂は、成形型の形状転写適性等、成形性の観点から硬化前には適度な流動性を有していることが好ましい。具体的には常温で液体であり、粘度が1000〜50000mPa・s程度のものが好ましい。
【0029】
また、レンズ20,21を形成する樹脂は、形状転写精度の観点からは硬化反応による体積収縮率が小さい樹脂が好ましい。樹脂の硬化収縮率としては10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることが特に好ましい。硬化収縮率の低い樹脂としては、例えば(1)高分子量の硬化剤(プレポリマ−など)を含む樹脂(例えば特開2001−19740号公報、同2004−302293号公報、同2007−211247号公報等に記載、高分子量硬化剤の数平均分子量は200〜100,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは500〜50,000の範囲であり、特に好ましくは1,000〜20,000の場合である。また該硬化剤の数平均分子量/硬化反応性基の数で計算される値が、50〜10,000の範囲にあることが好ましく、100〜5,000の範囲にあることがより好ましく、200〜3,000の範囲にあることが特に好ましい。)、(2)非反応性物質(有機/無機微粒子,非反応性樹脂等)を含む樹脂(例えば特開平6−298883号公報、同2001−247793号公報、同2006−225434号公報等に記載)、(3)低収縮架橋反応性基を含む樹脂(例えば、開環重合性基(例えばエポキシ基(例えば、特開2004−210932号公報等に記載)、オキセタニル基(例えば、特開平8−134405号公報等に記載)、エピスルフィド基(例えば、特開2002−105110号公報等に記載)、環状カーボネート基(例えば、特開平7−62065号公報等に記載)等)、エン/チオール硬化基(例えば、特開2003−20334号公報等に記載)、ヒドロシリル化硬化基(例えば、特開2005−15666号公報等に記載)等)、(4)剛直骨格樹脂(フルオレン、アダマンタン、イソホロン等)を含む樹脂(例えば、特開平9−137043号公報等に記載)、(5)重合性基の異なる2種類のモノマーを含み相互貫入網目構造(いわゆるIPN構造)が形成される樹脂(例えば、特開2006−131868号公報等に記載)、(6)膨張性物質を含む樹脂(例えば、特開2004−2719号公報、特開2008−238417号公報等に記載)等を挙げることができ、本発明において好適に利用することができる。また上記した複数の硬化収縮低減手段を併用すること(例えば、開環重合性基を含有するプレポリマーと微粒子を含む樹脂など)が物性最適化の観点からは好ましい。
【0030】
また、レンズ20,21を形成する樹脂は、高−低2種類以上のアッベ数の異なる樹脂の混合物が望まれる。高アッベ数側の樹脂は、アッベ数(νd)が50以上であることが好ましく、より好ましくは55以上であり特に好ましくは60以上である。屈折率(nd)は1.52以上であることが好ましく、より好ましくは1.55以上であり、特に好ましくは1.57以上である。このような樹脂としては、脂肪族の樹脂が好ましく、特に脂環構造を有する樹脂(例えば、シクロヘキサン、ノルボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の環構造を有する樹脂、具体的には例えば、特開平10−152551号公報、特開2002−212500号公報、同2003−20334号公報、同2004−210932号公報、同2006−199790号公報、同2007−2144号公報、同2007−284650号公報、同2008−105999号公報等に記載の樹脂)が好ましい。低アッベ数側の樹脂は、アッベ数(νd)が30以下であることが好ましく、より好ましくは25以下であり特に好ましくは20以下である。屈折率(nd)は1.60以上であることが好ましく、より好ましくは1.63以上であり、特に好ましくは1.65以上である。このような樹脂としては芳香族構造を有する樹脂が好ましく、例えば9,9’−ジアリールフルオレン、ナフタレン、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール等の構造を含む樹脂(具体的には例えば、特開昭60−38411号公報、特開平10−67977号公報、特開2002−47335号公報、同2003−238884号公報、同2004−83855号公報、同2005−325331号公報、同2007−238883号公報、国際公開第2006/095610号パンフレット、特許第2537540号公報等に記載の樹脂等)が好ましい。
【0031】
また、レンズ20,21を形成する樹脂には、屈折率を高めたり、アッベ数を調整したりするために、無機微粒子をマトリックス中に分散させることが好ましい。無機微粒子としては、例えば、酸化物微粒子、硫化物微粒子、セレン化物微粒子、テルル化物微粒子が挙げられる。より具体的には、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、硫化亜鉛等の微粒子を挙げることができる。特に上記高アッベ数の樹脂に対しては、酸化ランタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の微粒子を分散させることが好ましく、低アッベ数の樹脂に対しては、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム等の微粒子を分散させることが好ましい。無機微粒子は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、複数の成分による複合物であってもよい。また、無機微粒子には光触媒活性低減、吸水率低減などの種々の目的から、異種金属をドープしたり、表面層をシリカ、アルミナ等異種金属酸化物で被覆したり、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、有機酸(カルボン酸類、スルホン酸類、リン酸類、ホスホン酸類等)又は有機酸基を持つ分散剤などで表面修飾してもよい。無機微粒子の数平均粒子サイズは通常1nm〜1000nm程度とすればよいが、小さすぎると物質の特性が変化する場合があり、大きすぎるとレイリー散乱の影響が顕著となるため、1nm〜15nmが好ましく、2nm〜10nmが更に好ましく、3nm〜7nmが特に好ましい。また、無機微粒子の粒子サイズ分布は狭いほど望ましい。このような単分散粒子の定義の仕方はさまざまであるが、例えば、特開2006−160992号に記載されるような数値規定範囲が好ましい粒径分布範囲に当てはまる。ここで上述の数平均1次粒子サイズとは、例えばX線回折(XRD)装置あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)などで測定することができる。無機微粒子の屈折率としては、22℃、589nmの波長において、1.90〜3.00であることが好ましく、1.90〜2.70であることが更に好ましく、2.00〜2.70であることが特に好ましい。無機微粒子の樹脂に対する含有量は、透明性と高屈折率化の観点から、5質量%以上であることが好ましく、10〜70質量%が更に好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。
【0032】
樹脂に微粒子を均一に分散させるためには、例えばマトリックスを形成する樹脂モノマーとの反応性を有する官能基を含む分散剤(例えば特開2007−238884号公報実施例等に記載)、疎水性セグメント及び親水性セグメントで構成されるブロック共重合体(例えば特開2007−211164号公報に記載)、あるいは高分子末端又は側鎖に無機微粒子と任意の化学結合を形成しうる官能基を有する樹脂(例えば特開2007−238929号公報、特開2007−238930号公報等に記載)等を適宜用いて微粒子を分散させることが望ましい。
【0033】
また、レンズ20,21を形成する樹脂には、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル基含有化合物等の公知の離型剤やヒンダードフェノール等の酸化防止剤等の添加剤が適宜配合されていてもよい。
【0034】
また、レンズ20,21を形成する樹脂には、必要に応じて硬化触媒又は開始剤を配合することができる。具体的には、例えば特開2005−92099号公報(段落番号〔0063〕〜〔0070〕)等に記載の熱又は活性エネルギー線の作用により硬化反応(ラジカル重合あるいはイオン重合)を促進する化合物を挙げることができる。これらの硬化反応促進剤の添加量は、触媒や開始剤の種類、あるいは硬化反応性部位の違いなどによって異なり一概に規定することはできないが、一般的には硬化反応性樹脂の全固形分に対して0.1〜15質量%程度が好ましく、0.5〜5質量%程度がより好ましい。
【0035】
レンズ20,21を形成する樹脂は、上記成分を適宜配合して製造することができる。この際、液状の低分子モノマー(反応性希釈剤)等に他の成分を溶解することができる場合には別途溶剤を添加する必要はないが、このケースに当てはまらない場合には溶剤を用いて各構成成分を溶解することにより硬化性樹脂を製造することができる。該硬化性樹脂に使用できる溶剤としては、組成物が沈殿することなく、均一に溶解又は分散されるものであれば特に制限はなく適宜選択することができ、具体的には、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール等)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン等)、水等を挙げることができる。硬化性樹脂が溶剤を含む場合には溶剤を乾燥させた後に成形を行うことが好ましい。
【0036】
以下、第1レンズ20を例に、レンズの製造方法を説明する。
【0037】
図2に、第1レンズ20の製造に用いられる成形型の一例を示す。
【0038】
第1レンズ20の製造に用いられる成形型50は、上型51と、下型52と、胴型53とで構成されている。
【0039】
胴型53は筒状に形成されている。上型51は、胴型53内に挿入される柱状の本体部54と、本体部54の基端部に設けられ、本体部54の周囲に鍔状に広がるフランジ部55とで構成されている。フランジ部55は、胴型53の軸方向の上側の端部に当接し、胴型53内への本体部54の挿入量を規定する。下型52もまた、同様に、胴型53内に挿入される柱状の本体部56と、本体部56の基端部に設けられ、本体部56の周囲に鍔状に広がるフランジ部57とで構成されている。フランジ部57は、胴型53の軸方向の下側の端部に当接し、胴型53内への本体部56の挿入量を規定する。上型51の本体部54の外周面及び下型52の本体部56の外周面と胴型53の内周面64との間には、本体部54,56の挿抜を可能とするために僅かなギャップがそれぞれ設けられる。
【0040】
上型51の本体部54の先端面は、成形面60とされ、第1レンズ20の表裏の面のうちいずれか一方の面の形状を反転した形状に成形され、下型52の本体部56の先端面もまた、成形面62とされ、第1レンズ20の表裏の面のうち他方の面の形状を反転した形状に成形される。そこで、上型51の成形面60の略中央部には、第1レンズ20のレンズ部30の一方の光学面を反転した形状の光学面成形部61が設けられ、下型52の成形面62の略中央部には、レンズ部30の他方の光学面を反転した形状の光学面成形部63が設けられる。図1に示す第1レンズ20のレンズ部30は、入射側の光学面が凸の球面とされ、出射側の光学面が凹の球面とされており、図示の例では、上型51の光学面成形部61は、出射側の光学面を反転した凸の球面状に成形され、下型52の光学面成形部63は、入射側の光学面を反転した凹の球面状に成形されている。
【0041】
上型51の本体部54及び下型52の本体部56が、それぞれ胴型53内に挿入された状態で、上型51の成形面60及び下型52の成形面62、並びに胴型53の内周面64で囲まれてキャビティCが形成され、このキャビティCに上述の樹脂を収容して成形する。
【0042】
図3に、成形型50を用いた第1レンズ20の製造方法の一例を示す。
【0043】
(供給工程)
まず、下型52の本体部56を胴型53内に挿入する。そして、下型52の成形面62上の中央部に、上述の樹脂Mを定量供給する。樹脂Mの供給は、例えばディスペンサ等を用いて行うことができる。なお、成形面62上に樹脂を供給した後に、本体部56を胴型53内に挿入するようにしてもよい。(FIG.3A)
【0044】
(成形工程)
次いで、上型51の本体部54を、フランジ部55が胴型53の端部に当接するまで、胴型53内に挿入する。上型51の移動は、例えばプレス機等の駆動手段を用いて行うことができる。本体部54の挿入に伴い、上型51の成形面60と下型52の成形面62との間隔が狭まっていき、樹脂Mは、両成形面60,62の間で挟まれる。それにより、樹脂Mは、両成形面60,62の間で展延されながら、両成形面60,62に倣って変形される。両成形面60,62にそれぞれ設けられている光学面成形部61,63で、第1レンズ20のレンズ部30が成形され、また、両成形面60,62の光学面成形部61,63を除く部分、及び胴型53の内周面64で、第1レンズ20のコバ部31が成形される。(FIG.3B)
【0045】
(硬化工程)
次いで、成形工程で成形された樹脂Mに硬化エネルギーEを供給し、樹脂Mを硬化させる。樹脂Mが熱硬化性の樹脂である場合には、成形型50を加熱し、成形型50を介して樹脂Mに熱を供給する。また、樹脂Mが光硬化性の樹脂である場合には、上型51及び下型52並びに胴型53の少なくとも一つをガラス等の透光性の材料で形成し、これを透過させて樹脂Mに光を供給する。(FIG.3C)
【0046】
(離型工程)
次いで、上型51の本体部54を胴型53から抜脱し、上型51の成形面60と下型52の成形面62との間隔を広げ、硬化された樹脂Mからなる第1レンズ20を成形型50から取り出す。第1レンズ20の取り出しは、例えばロボットアーム等を用いて自動的に行うことができる。(FIG.3D)
【0047】
図4に、上述した製造方法における成形工程を詳細に示す。
【0048】
図4は、フランジ部55が胴型53の端部に当接するまで上型51の本体部54を胴型53内に挿入した後(上型51の成形面60と下型52の成形面62との間隔を狭めた後)の状態を示している。
【0049】
上型51の成形面60と下型52の成形面62との間隔を狭めた後の成形面60,62及び胴型53の内周面64で囲まれるキャビティCの容積に対して、上述した供給工程で供給される樹脂Mの量は若干少なく、よって、キャビティCには、空気層Aが残る。
【0050】
樹脂Mは、両成形面60,62の間で展延され、下型52の成形面62上を略中央部から外径側に向けて広がる。そこで、空気層Aは、上型51の成形面60と胴型53の内周面64とで形成される角に沿って、その周上の少なくとも一部に残ることになる。換言すれば、胴型53の内周面64における樹脂Mと接触する接触部64aと該接触部の上側に隣接する非接触部64bとの境界線L1が、その周上の少なくとも一部で上型51の成形面60の延長と胴型53の内周面64との交線L2よりも下側に位置することになる。そして、上型51の成形面60における樹脂Mと接触する接触部の輪郭線L3が、その周上の少なくとも一部で上型の成形面の縁よりも内側にあることになる。一方、下型52の成形面62と胴型53の内周面64とで形成される角には、樹脂Mが充填される。
【0051】
上型51の本体部54の外周面及び下型52の本体部56の外周面と胴型53の内周面64との間には、本体部54,56の挿抜を可能とするために僅かなギャップがそれぞれ設けられ、樹脂Mはこれらのギャップに浸入する。そして、これらのギャップに浸入した樹脂Mは、硬化工程において、キャビティCにあって第1レンズ20を形成する樹脂Mと一体に硬化される。上型51の本体部54の外周面と胴型53の内周面64との間のギャップで硬化された樹脂Mは、上型51に対する第1レンズ20の固着力を増加させる。また、下型52の本体部56の外周面と胴型53の内周面64との間のギャップで硬化された樹脂Mは、下型52に対する第1レンズ20の固着力を増加させる。
【0052】
ここで、上型51の本体部54の外周面と胴型53の内周面64との間のギャップへの樹脂Mの浸入は、少なくとも空気層Aが残っている箇所において阻止される。一方、下型52の本体部56の外周面と胴型53の内周面64との間のギャップには、全周にわたって樹脂Mが浸入する。よって、各々のギャップに浸入して硬化された樹脂Mによる第1レンズ20の固着力の増加分は、上型51に対するものに比べて下型52に対するもののほうが大きくなる。それにより、下型52に対する第1レンズ20の固着力を、上型51に対する第1レンズ20の固着力に比べて大きくすることができる。
【0053】
好ましくは、上型51の成形面60と胴型53の内周面64とで形成される角に沿って、全周にわたって空気層Aを残す。それによれば、下型52に対する第1レンズ20の固着力と、上型51に対する第1レンズ20の固着力との差を更に大きくすることができる。全周にわたって空気層Aを残すには、樹脂Mを外径側にむけて均等に展延させる必要があり、そのためには、樹脂Mを下型52の成形面62上の中央部に保持しておけばよい。図示の例において、樹脂Mが供給される下型52の成形面62上の中央部には、凹の球面状に成形された光学面成形部63(図2参照)が設けられており、樹脂Mを成形面62上の中央部に保持しておくことができる。
【0054】
そして、下型52に対する第1レンズ20の固着力を相対的に大きくすることで、離型工程において、上型51の成形面60と下型52の成形面62との間隔を広げた際に、第1レンズ20を常に下型52に残すことができる。それにより、成形型50からの第1レンズ20の取り出しを自動化するにあたって、常に下型52に第1レンズ20を取りに行けばよく、成形型50からの第1レンズ20の取り出しを安定して行うことができる。よって、製造プロセスの停滞を回避して効率化を図ることができる。
【0055】
なお、上述した製造方法では、上型51のフランジ部55を胴型53の端部に当接させ、胴型53内への上型51の本体部54の挿入を停止させ、キャビティCに空気層Aを残すようにしているが、フランジ部55と胴型53との当接に限らず、例えば上型51を移動させる駆動手段の制御によって上型51を停止させてもよい。
【0056】
以上説明したように、本明細書には、上型及び下型並びに該上型及び下型の周囲を囲む胴型を含む成形型を用い、エネルギー硬化性の樹脂でレンズを製造する方法であって、前記下型の成形面上に前記樹脂を供給する供給工程と、前記上型と前記下型との間隔を狭め、供給された前記樹脂を前記上型の成形面と前記下型の成形面とで挟んで成形する成形工程と、成形された前記樹脂にエネルギーを供給して硬化させる硬化工程と、前記上型と前記下型との間隔を広げ、硬化された前記樹脂からなるレンズを前記成形型から取り出す離型工程と、を備え、前記成形工程で前記上型と前記下型との間隔を狭めた後において、前記胴型の内周面における前記樹脂と接触する接触部と該接触部の上側に隣接する非接触部との境界線が、その周上の少なくとも一部で前記上型の成形面の延長と前記胴型の内周面との交線よりも下側にあるレンズの製造方法が開示されている。
【0057】
また、本明細書に開示されたレンズの製造方法は、前記成形工程で前記上型と前記下型との間隔を狭めた後において、前記上型の成形面における前記樹脂と接触する接触部の輪郭線が、その周上の少なくとも一部で前記上型の成形面の縁よりも内側にある。
【0058】
また、本明細書には、上型及び下型並びに該上型及び下型の周囲を囲む胴型を含む成形型を用い、エネルギー硬化性の樹脂でレンズを製造する方法であって、前記下型の成形面上に前記樹脂を供給する供給工程と、前記上型と前記下型との間隔を狭め、供給された前記樹脂を前記上型の成形面と前記下型の成形面とで挟んで成形する成形工程と、成形された前記樹脂にエネルギーを供給して硬化させる硬化工程と、前記上型と前記下型との間隔を広げ、硬化された前記樹脂からなるレンズを前記成形型から取り出す離型工程と、を備え、前記成形工程で前記上型と前記下型との間隔を狭めた後において、前記上型の成形面と前記胴型の内周面とで形成される角に沿って、その周上の少なくとも一部に空気層があるレンズの製造方法が開示されている。
【0059】
また、本明細書に開示されたレンズの製造方法は、前記供給工程で供給する前記樹脂の量が、前記成形工程で前記上型と前記下型との間隔を狭めた後の前記上型の成形面及び前記下型の成形面並びに前記胴型の内周面で囲まれるキャビティの容積未満である。
【0060】
また、本明細書に開示されたレンズの製造方法は、前記樹脂が、熱重合開始剤又は光重合開始剤のいずれか一方のみを含有する。
【0061】
また、本明細書には、上記いずれかに記載の製造方法で製造されたレンズが開示されている。
【0062】
また、本明細書には、固体撮像素子と、前記固体撮像素子の受光面に結像するレンズユニットと、を備える撮像装置であって、前記レンズユニットが、上記のレンズを少なくとも一つ含む撮像装置が開示されている。
【符号の説明】
【0063】
1 撮像装置
2 センサ
3 レンズユニット
4 光学系
5 鏡筒
10 基板
11 固体撮像素子
20 第1レンズ
21 第2レンズ
30 レンズ部
31 コバ部
32 レンズ部
33 コバ部
34 嵌合部
35 嵌合部
36 嵌合部
40 筒部
41 蓋部
42 台座部
43 押さえ部材
44 開口部
45 嵌合部
50 成形型
51 上型
52 下型
53 胴型
54 本体部
55 フランジ部
56 本体部
57 フランジ部
60 成形面
61 光学面成形部
62 成形面
63 光学面成形部
64 内周面
64a 接触部
64b 非接触部
A 空気層
C キャビティ
E 硬化エネルギー
L1 境界線
L2 交線
L3 輪郭線
M 樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上型及び下型並びに該上型及び該下型の周囲を囲む胴型を含む成形型を用い、エネルギー硬化性の樹脂でレンズを製造する方法であって、
前記下型の成形面上に前記樹脂を供給する供給工程と、
前記上型と前記下型との間隔を狭め、供給された前記樹脂を前記上型の成形面と前記下型の成形面とで挟んで成形する成形工程と、
成形された前記樹脂にエネルギーを供給して硬化させる硬化工程と、
前記上型と前記下型との間隔を広げ、硬化された前記樹脂からなるレンズを前記成形型から取り出す離型工程と、
を備え、
前記成形工程で前記上型と前記下型との間隔を狭めた後において、前記胴型の内周面における前記樹脂と接触する接触部と該接触部の上側に隣接する非接触部との境界線が、その周上の少なくとも一部で前記上型の成形面の延長と前記胴型の内周面との交線よりも下側にあるレンズの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のレンズの製造方法であって、
前記成形工程で前記上型と前記下型との間隔を狭めた後において、前記上型の成形面における前記樹脂と接触する接触部の輪郭線が、その周上の少なくとも一部で前記上型の成形面の縁よりも内側にあるレンズの製造方法。
【請求項3】
上型及び下型並びに該上型及び下型の周囲を囲む胴型を含む成形型を用い、エネルギー硬化性の樹脂でレンズを製造する方法であって、
前記下型の成形面上に前記樹脂を供給する供給工程と、
前記上型と前記下型との間隔を狭め、供給された前記樹脂を前記上型の成形面と前記下型の成形面とで挟んで成形する成形工程と、
成形された前記樹脂にエネルギーを供給して硬化させる硬化工程と、
前記上型と前記下型との間隔を広げ、硬化された前記樹脂からなるレンズを前記成形型から取り出す離型工程と、
を備え、
前記成形工程で前記上型と前記下型との間隔を狭めた後において、前記上型の成形面と前記胴型の内周面とで形成される角に沿って、その周上の少なくとも一部に空気層があるレンズの製造方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のレンズの製造方法であって、
前記供給工程で供給する前記樹脂の量は、前記成形工程で前記上型と前記下型との間隔を狭めた後の前記上型の成形面及び前記下型の成形面並びに前記胴型の内周面で囲まれるキャビティの容積未満であるレンズの製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のレンズの製造方法であって、
前記樹脂は、熱重合開始剤又は光重合開始剤のいずれか一方のみを含有するレンズの製造方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の製造方法で製造されたレンズ。
【請求項7】
固体撮像素子と、前記固体撮像素子の受光面に結像するレンズユニットと、を備える撮像装置であって、
前記レンズユニットは、請求項6に記載のレンズを少なくとも一つ含む撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−245638(P2011−245638A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118285(P2010−118285)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】