説明

三次元動作移動体とその制御方法

第1軸に沿って及び第2軸周りにステージ(238)を移動させる移動体(344)は、磁性部品(454)と導体部品(456)とを含む。磁性部品(454)は、磁界に囲まれた1以上のマグネット(454D)を含む。導体部品(456)は、磁界内で磁性部品(454)の近くに配置される。また、導体部品(456)は、電流が導体部品(456)に導かれるときに磁性部品(454)と相互作用して第1軸に沿った制御された力と第2軸周りの制御されたモーメントを発生させる。さらに、導体部品(456)は、電流が導体部品(456)に導かれたときに磁性部品(454)と相互作用して第1軸及び第2軸に垂直な第3軸に沿った制御された力を発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年4月19日に出願された米国特許仮出願第60/925,334号(名称:3自由度リニアモータ及びその制御手段)、及び2008年3月24日に出願された米国特許仮出願第61/038,931号(名称:三次元動作移動体及び三次元動作移動体の制御方法)に優先権を主張する。許容範囲内において、米国仮出願第60/925,334号、及び61/038,931号の内容を本出願に援用する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体処理において、レチクルの像を半導体ウエハに転写するために半導体処理用の露光装置が使用される。通常、露光装置は、光源と、レチクルを位置付けるレチクルステージ装置と、光学機器と、半導体ウエハを位置付けるウエハステージ装置と、測定系と、制御システム系を有する。レチクルからウエハに転写される像は極小である。したがって、ウエハ及びレチクルの正確な位置決めが高品質のウエハを製造する上で重要である。
【0003】
ステージ装置の1つの種類は、ステージベース、ウエハ又はレチクルを保持するステージ、及び、ステージ及びウエハ又はレチクルを移動させる1以上の移動体を含む。移動体の1つの種類は、磁界に囲まれた1対の離間したマグネットアレイ、及びマグネットアレイの間に配置された導体アレイを含む3相リニアモータである。3相電流が導体アレイに導かれる。導体アレイに供給された電流によって、マグネットアレイの磁界と相互に作用する電磁界(電磁場)が発生する。これにより、マグネットアレイに対して導体アレイを第1軸に沿って移動させるのに使用可能な制御力(コントロールされた力)が生まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
残念ながら、導体アレイに供給される電流は、制御されていない力も生み、それは第1軸に垂直な第2軸に沿った力(側から側)、第1及び第2軸に垂直な第3軸(上向き又は下向き)に沿った力、及び第2軸周りの力である。これらの力は露光装置の他の部品に伝わる乱れの原因、及び位置決めエラーの原因となる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、第1軸に沿ってステージを移動させる移動体に関する。移動体は、磁性部品、及び導体部品を含む。磁性部品は、磁界に囲まれた複数のマグネットを含む。また、磁性部品は磁気ギャップを規定する。導体部品は、磁気ギャップ内の磁性部品の近くに位置する。いくつかの実施形態において、導体部品は、導体部品に電流が導かれたときに、磁性部品と相互に作用し、第1軸に沿った制御力、第1軸に垂直な第2軸周りの制御力、及び第1及び第2軸に垂直な第3軸に沿った制御モーメントを発生する。この構成において、ステージを正確に位置決めするために、移動体を制御して、(1)第2軸周りの不要なピッチングモーメント(ピッチング乱れ)をキャンセルすることができる、又は(2)非零のピッチングモーメントを発生させることができる。その結果、移動体を使用して高い精度でステージを位置決め及び移動させることができる。追加的に、いくつかの実施形態において、導体部品に電流が導かれたときに、導体部品は、磁性部品と相互に作用し、第1及び第2軸に垂直な第3軸に沿った制御力を発生する。
【0006】
一実施形態において、導体部品は、導体の第1アレイと、第1軸に垂直な第3軸に沿って第1アレイに隣接して配置される、導体の第2アレイとを含む。また、第1アレイは、第1軸に沿って第2アレイに対してシフトしている。例えば、導体アレイの各々がコイルピッチを有し、第1アレイが、第1軸に沿って第2アレイからコイルピッチの約1/4をシフトすることが可能である。
【0007】
また、本発明は、ステージ装置、露光装置、ステージ移動及び制御方法、露光装置の製造方法、及び物体又はウエハの製造方法に関する。
【0008】
本発明の特徴は、発明内容はもちろん、その構成及び動作のいずれも、同種の特徴が同種の部分として言及された、添付の図面及び以下の説明から最良に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の特徴を有する露光装置の模式図である。
【図2A】図2Aは、本発明の特徴を有するステージ装置の上からの模式斜視図である。
【図2B】図2Bは、図2Aのステージ装置の模式的な端面図である。
【図3A】図3Aは、ステージ装置の別の実施形態を示す模式的な端面図である。
【図3B】図3Bは、ステージ装置のさらに別の実施形態を示す模式的な端面図である。
【図4A】本発明の特徴を有する移動体の模式的な部分断面図である。
【図4B】図4Aの移動体の一部を示す斜視図である。
【図5A】図5Aは、第1移動体によってつくられたピッチングモーメントを示すチャート図である。
【図5B】図5Bは、移動体の別の実施形態によってつくられたピッチングモーメントを示すチャート図である。
【図6A】図6Aは、本発明の特徴を有するステージ装置の別の実施形態を示す斜視図である。
【図6B】図6Bは、本発明の特徴を有するステージ装置の別の実施形態を示す上面図である。
【図6C】図6A及び図6Bのステージ装置の一部を示す側面図である。
【図7】本発明の特徴を有するステージ装置のさらに別の実施形態を示す図である。
【図8】図8は、本発明の特徴を有するステージ装置のさらに別の実施形態を示す図である。
【図9A】図9Aは、本発明によってデバイスを製造するプロセスを示すフローチャート図である。
【図9B】図9Bは、さらに詳しいデバイス処理工程を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、精密装置、すなわち本発明の特徴を有する露光装置10を示す模式図である。露光装置10は、装置フレーム12、照明系14(照射装置)、光学装置16、レチクルステージ装置18、ウエハステージ装置20、測定系22、及び制御系24を含む。露光装置10の部品の構成は、露光装置10に要求される構成に応じて変更可能である。概要的に、いくつかの実施形態において、ステージ装置18,20の1つ又は両方が特徴的に構成され、デバイスを高い精度で移動及び位置決めする。より具体的には、いくつかの実施形態において、ステージ装置18,20の1つ又は両方がリニア型モータを有し、Y軸に沿って、Z軸に沿って、及びX軸周りに制御可能な力を独立的に発生するように制御され得る。これは、デバイスの正確な位置決めのために、Y軸に沿った、Z軸に沿った、及びX軸周りの力における不要なリップルのキャンセルを可能とする;及び/又は、Y軸に沿った、Z軸に沿った、及び/又はX軸周りの非零の力の活性的発生を可能とする。その結果、改善された精度でリニア型モータを用いてステージを位置決めでき、また、高密度のウエハの製造に露光装置10を使用できる。
【0011】
複数の図において、X軸と、X軸に直交するY軸と、X軸及びY軸に直交するZ軸とが設定された座標系を採用している。なお、これらの軸は、第1、第2、及び第3軸としても参照される。
【0012】
露光装置10は、集積回路のパターン(不図示)をレチクル26から半導体ウエハ28上に転写するリソグラフィック装置として特に有用である。露光装置10は、地面、土台、床、あるいは他の支持構造物などの、搭載ベース30に搭載されている。リソグラフィック装置としては様々な異なる種類がある。例えば、露光装置10は、スキャニング型フォトリソグラフィシステムとして使用でき、これはレチクル26とウエハ28とを同調移動させてレチクル26からのパターンをウエハ28に露光する。スキャニング型リソグラフィ装置において、レチクル26は、レチクルステージ18によって光学装置16の光軸に対して垂直に移動し、ウエハ28は、ウエハステージ装置20によって光学装置16の光軸に対して垂直に移動する。レチクル26及びウエハ28のスキャニングは、レチクル26及びウエハ28が同調している間に起こる。
【0013】
代替的に、露光装置10は、ステップ・アンド・リピート型フォトリソグラフィシステムに使用可能であり、これはレチクル26及びウエハ28が静止中にレチクル26を露光するものである。ステップ・アンド・リピート型のプロセスにおいて、単一フィールドの露光中、ウエハ28は、レチクル26及び光学装置16に対して一定の位置にある。続いて、連続した露光ステップの間に、光学装置16の光軸に対して垂直に、ウエハステージ装置20とともにウエハ28を連続的に移動し、ウエハ28の次のフィールドを光学装置16及びレチクル26に対する露光用の位置に移動する。このプロセスにおいて、レチクル26の像がウエハ28のフィールドに連続して露光され、その後に、ウエハ28の次のフィールドが光学装置16及びレチクル26に対する位置に移動される。
【0014】
しかしながら、ここで提供される露光装置10の利用は、半導体製造用のフォトリソグラフィシステムに限定されない。この露光装置10は、例えば、液晶表示装置のパターンを矩形ガラス基板に露光するLCDフォトリソグラフィシステム、あるいは、薄膜磁気ヘッド製造用のフォトリソグラフィシステムとしても使用可能である。また、本発明はプロキシミティフォトリソグラフィシステムにも適用可能であり、これはレンズ装置を使用することなくマスクを基板の近くに配置し、マスクからのマスクパターンを基板に露光するものである。
【0015】
装置フレーム12は、剛体であり、露光装置10の構成部品を支持する。図1に示される装置フレーム12は、搭載ベース30上で、レチクルステージ装置18と、光学装置16と、照明系14とを支持する。
【0016】
照明系14は、照明源32と、照明光学装置34とを含む。光源32は、光エネルギーのビーム(光束)を発する。照明光学装置34は、光エネルギーのビームを、照明源32から光学装置16に導く。ビームは、レチクル26の異なる部分を選択的に照明し、ウエハ28を露光する。図1において、照明源32は、レチクルステージ装置18の上方に支持されるように示されている。しかしながら、一般に、照明源32は、装置フレーム12の一方の側部に固定され、照明源32からのエネルギービームは、照明光学装置34を用いてレチクルステージ装置18の上方に導かれる。
【0017】
照明源32は、g線源(436nm)、i線源(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)、又はEUV源(13.5nm)にできる。代替的に、照明源32は、X線や電子線のような荷電粒子ビームを発することができる。例えば、電子線を用いる場合には、電子銃の陰極(カソード)として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、あるいは、タンタル(Ta)を用いることができる。また、電子線を用いる場合には、マスクを用いる構成、マスクを用いずに直接ウエハ上にパターンを形成する構成、のいずれでもよい。
【0018】
光学装置16は、レチクル26を通過してウエハ28に向かう光を、投影及び/又は集束させる。露光装置10の設計に応じて、光学装置16は、レチクル26上に照明された像を、拡大または縮小することができる。光学装置16は、縮小システムに限定されない。等倍あるいは拡大システムにもできる。
【0019】
エキシマレーザのような遠紫外線を使用する場合には、遠紫外線を透過する石英や蛍石などのガラス材を光学装置16に用いることができる。F2タイプのレーザやX線を使用する場合には、光学装置16として反射屈折系または屈折系の光学系(レチクルも反射タイプであるのが望ましい)を採用することができ、また、電子線を使用する場合には、光学装置16として、電子レンズ及び偏向器からなる電子光学系を採用することができる。電子線が通過する光路は真空である必要がある。
【0020】
波長13.5nm又はそれ以下のEUV照射(EUV)を使用する露光装置においても、反射屈折系を採用することができる。EUVが入る光路は真空である必要がある。光学システムの反射屈折型の例は、日本国特開平8−171054号公報及びそれに対応する米国特許第5,668,672号や、日本国特開平10−20195号及びそれに対応する米国特許第5,835,275号に開示されている。ここで、反射光学素子としては、ビームスプリッタと凹面鏡とを有する反射屈折系を採用することができる。特開平8−334695号及びそれに対応する米国特許第5,689,377号、特開平10−3039号公報及びこれに対応する米国特許第873,605号(出願日:1997年6月12日)においても、ビームスプリッタを用いずに凹面鏡を有する光学系からなる反射屈折型を採用しており、本発明に適用可能である。許容される範囲内で、上記の米国特許及び日本国特許出願公開公報の開示を援用して本文の記載の一部とする。
【0021】
レチクルステージ装置18は、レチクル26を保持しかつ光学装置16及びウエハ28に対してそのレチクル26を位置付ける。同様に、ウエハステージ装置20は、ウエハ28を保持するとともに、レチクル26の照明部分の投影像に対してそのウエハ28を位置づける。
【0022】
また、フォトリソグラフィシステムにおいて、リニアモータがウエハステージやマスクステージとして使用される場合(米国特許第5,623,853号、5,528,118号参照)、リニアモータとして、エアベアリングを用いたエア浮上型、又はローレンツ力又はリアクタンス力を用いた磁気浮上型のいずれかにできる。追加的に、ステージはガイドに沿って移動してもよく、ガイドを使用しないガイドレスタイプでもよい。許容される範囲内で、米国特許第5,623,853号、第5,528,118号の開示を援用して本文の記載の一部とする。
【0023】
代替的に、二次元に磁石を配置した磁石ユニットと、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとが対向した平面モータによって、ステージの1つを駆動することができる。この種の駆動システムでは、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方がステージに接続され、他方のユニットがステージの移動面上に搭載される。
【0024】
上記のようなステージの動きは、フォトグラフィシステムの性能に影響を及ぼす反力を発生させる可能性がある。ウエハ(基板)ステージの移動により発生する反力は、米国特許第5,528,100号及び特開平8−136475号に記載されているような、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がすことが可能である。また、レチクル(マスク)ステージの移動により発生する反力は、米国特許第5,874,820号及び特開平8−330224号に記載されているような、フレーム部材を用いて機械的に大地に逃がすことが可能である。許容される範囲内で、米国特許第5,528,100号、第5,874,820号、及び特開平8−330224号の開示を援用して本文の記載の一部とする。装置測定システム22は、光学装置16又は他の参照物に対するレチクル26及びウエハ28の動きをモニターする。この情報を用いて、制御系24は、レチクル26を正確に位置付けるようにレチクルステージ装置18を制御し、ウエハ28を正確に位置付けるようにウエハステージ装置20を制御できる。例えば、測定システム22は、マルチレーザー干渉計、エンコーダー、及び/又は他の測定器を利用できる。
【0025】
制御系24は、レチクルステージ装置18、ウエハステージ装置20、及び測定系22に接続される。制御系24は、測定系22からの情報を受信し、レチクル26及びウエハ28を正確に位置付けるようにステージ装置18,20を制御する。制御システム24は、1以上のプロセッサ及び回路を備えることができる。
【0026】
上記したように、上記実施形態に係るフォトリソグラフィシステム(露光装置)は、添付の特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造することができる。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、すべての光学系について、光学的精度を達成するための調整が行われる。同様に、すべての機械系及び電気系について、機械的精度及び電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムからフォトリソグラフィシステムへの組み立て工程は、各サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、及び気圧回路の配管接続等を含む。この各種サブシステムからフォトリソグラフィシステムへの組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムを用いてフォトリソグラフィシステムが組み立てられると、フォトリソグラフィシステム全体としてのすべての精度を確保するための、総合調整が行われる。
【0027】
なお、露光システムの製造は温度及び湿度等が管理されたクリーンルーム内で行うことが望ましい。
【0028】
図2Aは、制御系224及びワークピース200の位置決めに用いられるステージ装置220の一実施形態を示す模式的な上からの斜視図である。例えば、ステージ装置220は、図1の露光装置10におけるウエハステージ装置20として使用できる。本実施形態において、ステージ装置220は、半導体ウエハ28の製造中、ウエハ28(図1に図示)を位置決め可能である。代替的に、ステージ装置220は、製造中及び/又は検査中における他の種類のワークピース200の移動、電子顕微鏡(不図示)下でのデバイスの移動、又は、精密測定操作(不図示)中におけるデバイスの移動に使用可能である。例えば、ステージ装置220は、図1に示されたレチクルステージ装置18として機能するよう構成できる。
【0029】
図2Aにおいて、ステージ装置220は、ステージベース236、ステージ238、及びステージ移動装置242を含む。それらの各構成部品のサイズ、形状、及び構成は様々に変更可能である。制御系224は、ワークピース200を精密に位置決めするため、ステージ移動装置242を精密に制御する。
【0030】
図2Aにおいて、ステージベース236は、ステージ装置220の部品のいくつかを支持し、X軸に沿って、Y軸に沿って、及びZ軸周りに、ステージ238の移動を案内する。いくつかの実施形態において、ステージベース236は、概ね矩形であり、直接的又は非直接的にステージ238の移動を支持及び/又は案内する概ね平面のガイド面236Aを含む。本実施形態において、ガイド面236Aは、X及びY軸に沿って延びている。
【0031】
ステージ238は、ワークピース200を保持する。一実施形態において、ステージ238は、概ね矩形であり、ワークピース200を保持するためのチャック(不図示)を含むことができる。
【0032】
ステージ移動装置242は、ステージ238を移動及び位置決めする。図2Aにおいて、ステージ移動装置242は、第1移動体244、離間した第2移動体246、及び移動体244,246の間で延びた連結バー248を含む。
【0033】
各移動体244,246の構成は、ステージ移動装置242の移動要求に沿うよう変更可能である。図2Aにおいて、各移動体244,246は、第1移動部品254、及び第1移動部品254と相互作用する第2移動部品256を含む。本実施形態において、各移動体244,246は、特徴的に構成及び制御されたリニアモータであり、移動部品254,256の1つは、1以上のマグネットを含む磁性部品であり、移動部品256,254の1つは、例えばコイルなどの1以上の導体を含む導体部品である。図2Aにおいて、第1移動部品254が磁性部品であり、第2移動部品256が導体部品である。代替的に、第1移動部品254を導体部品に、第2移動部品を磁性部品にできる。
【0034】
図2Aにおいて、各移動体244,246について、第1移動部品254はステージベース236につながれ、第2移動部品256は接続バー248に固定されている。代替的に、例えば、移動体244、246の1以上の第1移動部品254を、カウンターマス/反作用マスあるいはリアクションフレーム(不図示)に固定できる。
【0035】
接続バー248は、ステージ238を支持し、移動体244,246によって移動する。図2Aにおいて、接続バー248は、やや矩形ビーム形状である。
【0036】
図2Bは、図2Aのステージ装置220の模式的な端面図である。本実施形態において、ステージ装置220は、1以上のベアリング257を含み、それによりステージベース236のガイド面236Aに対してZ軸に沿って接続バー248(及びステージ238)が離間した状態を維持し、また、ステージベース236に対し、Y軸に沿いかつZ軸周りの、接続バー248(及びステージ238)の動きを可能にする。本実施形態において、ベアリング257は、Z軸に沿った、X軸周りの、かつY軸周りの、接続バー248(及びステージ238)の動きを抑制する。各ベアリング257は、例えば、真空予圧型の流体ベアリング、電磁気型のベアリング、又はローラ方の機器が適用可能である。
【0037】
ここで、真空予圧型の流体ベアリング257(及び他の種類のベアリング)は、極めて堅固なわけではない。そのため、ステージ移動装置242又は他の源によって発生する、Z軸に沿った、X軸周り、及びY軸周りのいずれの力も、接続バー248及びステージ238の動きの原因となり得る。
【0038】
図2Bにおいて、ステージ移動装置242は、(1)Y軸に沿いかつZ軸周りに、ステージ238を移動及び位置決めし、(2)Z軸に沿い、X軸周り、及びY軸周りの外乱力を減らす。本実施形態において、例えば、制御系224は、移動体244,246のそれぞれに電流を導き、Y軸に沿い、Z軸に沿い、及びX軸周りの、制御力を独立的に発生させる。これは、Y軸に沿った、Z軸に沿った、及びX軸周りの力における、望まないリップルのキャンセルを可能とする。例えば、Z軸に沿いかつX軸周りのステージ238の位置を維持するために、Z軸に沿いかつX軸周りのいずれの力もキャンセルするように移動体244,246を制御できる。換言すると、制御系224は、移動体244,246によって発生する、Z軸に沿った力及びX軸周りの力が零になるように、移動体244,246のそれぞれに電流を導くことができる。これは、ステージ238のより精密な位置決めを可能にする。
【0039】
また、双方の移動体からのZ軸に沿った力を制御でき、これにより、Y軸周りにステージに適用されるローリングモーメントを制御する。
【0040】
図3Aは、ステージ装置320Aの別の実施形態を示す模式的な端面図である。本実施形態において、ステージ移動装置342Aは、(1)Y軸に沿って、Z軸周りに、Z軸に沿って、X軸周りに、及びY軸周りに、ステージ338Aを移動及び位置決めする。本実施形態において、例えば、制御系324Aは、移動体344A,346Aのそれぞれに電流を導き、Y軸に沿った、Z軸に沿った、及びX軸周りに独立的に制御力を発生させる。これは、Y軸に沿った、Z軸に沿った、及びX軸周りのデバイスの正確な位置決めのために、Y軸に沿った、Z軸に沿った、及び/又はX軸周りの非零の力の活性的発生を可能にする。また、移動体344A,346Aの独立的な制御によって、Z軸周り及びY軸周りのステージ338Aの位置を調整できる。いくつかの実施形態において、X軸に沿った位置の制御のために、別のアクチュエータ又はガイドベアリング(不図示)を使用できる。
【0041】
図3Aにおいて、ステージ移動装置342Aは、ステージベース336A上で、ステージ338Aを電磁気的に支持する。
【0042】
図3Bは、ステージ装置320Bのさらに別の実施形態を示す模式的な端面図である。本実施形態において、ステージ移動装置342Bは、Y軸に沿って、Z軸周りに、Z軸に沿って、X軸周りに、及びY軸周りに、ステージ338Bを移動及び位置決めする。より具体的には、本実施形態において、制御系324Bは、移動体344B,346Bのそれぞれに電流を導き、Y軸に沿った、Z軸に沿った、及びX軸周りの、独立的に制御可能な力を発生させる。これは、Y軸に沿った、Z軸に沿った、及び/又はX軸周りにステージ338Bを精密に位置決めするために、Y軸に沿った、Z軸に沿った、及び/又はX軸周りの非零の力の活性的発生を可能にする。また、移動体344B,346Bの独立的な制御によって、Z軸周り及びY軸周りのステージ338Bの位置を調整できる。
【0043】
図3Bにおいて、接続バー348Bの重量の少なくとも1部について、1以上の支持ベアリング359を用いて、ステージ338B及びワークピース(図3Bでは不図示)がステージベース336Bに対して支持される。本実施形態において、例えば、Z軸に沿って、X軸周りに、及びY軸周りに、移動体344B,346Bがこれらの部品を移動かつ精密に位置決めするのが可能な間に、1以上の支持ベアリング359が接続バー348B、ステージ338B、及びワークピースの自重を支持する。また、これらの部品の自重が支持ベアリング359によって支持されるので、移動体344B,346Bがこれらの部品を支持する必要がなく、また、Z軸に沿ったかつX軸周りの精密な位置制御に移動体344B,346Bが使用される。これは、移動体344B,346Bによって消費される電力量、及び移動体344B,346Bによって発生する熱量を減らす。排他的な一実施形態において、支持ベアリング359のそれぞれは、ステージベース336Bに対してベアリングパッド357Aを支持する真空予圧型流体ベアリングを形成する流体ベアリングパッド357Aを含むことができ、また、ベアリングパッド357Aと接続バー348Bとを柔軟につなぐ流体ベローズ357Bを含むことができる。代替的に、ベアリングパッド357Aは、別の種類の流体ベアリング、磁気型ベアリング、又はローラ型機器に置き換え可能であり、及び/又は流体ベローズ357Bは、別の種類のフレキシブルコネクタに置き換え可能である。
【0044】
図4Aは、図2Aの第1移動体244又は第2移動体246として使用可能な、あるいは別の利用のための、移動体444の一部の一実施形態を示す模式的な断面図である。本実施形態において、移動体444は、移動フレーム452、磁性部品454、及び導体部品456を含む。代替的に、移動体444は、図4Aに示したものに比べてより多く又はより少ない部品を用いて構成できる。
【0045】
本実施形態において、移動体444は、改善された精度によってデバイスを移動及び位置決めするように特徴的に構成されている。より具体的には、本実施形態において、移動体444は、制御系424によって制御可能なリニア型モータであり、Y軸に沿って、Z軸に沿って、及びX軸周りに、独立的な制御力を発生させる。これは、デバイスを正確に位置決めするために、Y軸に沿った、Z軸に沿った、及びX軸周り(ピッチング乱れ)の力における望ましくないリップルのキャンセルを可能にする;あるいはY軸に沿った、Z軸に沿った、及び/又はX軸周りに、非零の力の能動的な発生を可能にする。
【0046】
移動フレーム452は、移動体444の磁性部品454を支持する。一実施形態において、移動フレーム452は、全体として剛体であり、横向きに「U」字に似た形状である。例えば、移動フレーム452は、軟鉄などの高透磁率材料によって形成でき、幾分かの磁界の遮蔽を提供し、また、磁性部品454の磁界のための、低磁気抵抗の磁束の帰還経路を提供する。
【0047】
一実施形態において、移動フレーム452は、ステージベース236(図2Aに図示)又はリアクションフレームに固定される。本実施形態において、導体部品456は、接続バー248(図2Aに図示)に固定され、磁性部品454に対して相対的に移動する。代替的に、例えば、導体部品456は、ステージベース236に固定でき、磁性部品454は、接続バー248に固定でき、磁性部品454は、導体部品456に対して相対的に移動できる。磁性部品454は、磁界に囲まれている。図4Aにおいて、磁性部品454は、上方マグネットアレイ454A、及び下方マグネットアレイ454Bを含む。また、図4Aにおいて、マグネットアレイ454A,454Bは、移動フレーム452の対向側に固定され、磁気ギャップ454Cは、マグネットアレイ454A,454Bを隔てている。マグネットアレイ454A,454Bのそれぞれは、1以上のマグネットを含む。各マグネットアレイ454A,454Bにおける、マグネット454Dの構成、位置、及び数は、移動体444の構成要求に応じて変更可能である。図4Aにおいて、各マグネットアレイ454A,454Bは、離間した状態で直線的に並べられた、離間した矩形状の複数のマグネット454Dを含む。また、図4Aにおいて、各マグネットアレイ454A,454Bのマグネット454Dは、N極とS極とが交互に磁気ギャップ454Cに対向するように方向付けられている。代替的に、各マグネットアレイ454A,454Bは、磁気ギャップ454Cに対向する極がN極とS極との間で横向きに交互になるように構成できる。このアレイの種類は、一般に、ハルバック・アレイ(Halbach array)と言われている。
【0048】
一般に、導体部品456が磁性部品454に対して相対的に移動するリニアモータのために、各マグネットアレイ454A,454Bは移動主軸(図4AのY軸)に沿ってより長い。
【0049】
図4Aにおいて、上方マグネットアレイ454Aにおけるマグネット454Dのそれぞれの磁気ギャップ454Cに対向する極の極性は、下方マグネットアレイ454Bの対応するマグネット454Dの極の極性と逆である。よって、磁気ギャップ454Cを超えてN極がS極に対向する。これにより、磁気ギャップ454Cに強力な磁界が導入され、強い力の発生能力が導入される。なお、Y軸に沿ったN極からN極までの距離を360°とみなす。
【0050】
マグネット454Dのそれぞれは、ネオジウム・鉄・ボロン(NdFeB)などの希土類の永久磁石材料のような高エネルギー部材から作成できる。代替的に、例えば、各マグネット454Dは、磁界に囲まれたセラミック(ceramic)又は他の種類の部材のような低エネルギー部材から作成できる。
【0051】
図4Aにおいて、マグネット454Dを囲む磁界の一部を矢印で示す。本実施形態において、磁性部品454は、磁気ギャップ454Cを超えてZ軸に沿って縦向きのZ軸磁束458(破線矢印で示す)、及びY軸に沿ったほぼ水平向きのY軸磁束460(破線矢印で示す)を含む。Y軸磁束460は、上方マグネットアレイ454Aに近い上方Y磁束と、下方マグネットアレイ454Bに近い下方Y磁束とに分けることができる。導体部品456は、磁性部品454の近くに配置されて磁性部品454と相互作用し、磁気ギャップ454C内で位置決めされかつ移動する。
【0052】
導体部品456の構成は、ここで提供される技術に従って様々に変更可能である。図4Aに示す実施形態において、導体部品456は、複数の導体456A(例えばコイル)を含み、それらは、導体456Aの第1アレイ456Bと、第1アレイ456Bに隣接して配置された、導体456Aの第2アレイ456Cとに配置される。本実施形態において、アレイ456B,456Cは、Z軸に沿って積み重ねられており、第1アレイ456Bと第2アレイ456Cとが同時に移動するように、アレイ456B,456Cが互いに固定されている。追加的に、導体部品456は、導体456Aを一緒に固定的に保持する導体ハウジング(不図示)を含むことができる。例えば、アレイ456B,456Cを、導体ハウジングに埋め込むことができる。
【0053】
各アレイ456B,456Cにおける導体456Aの数は、移動体444の移動要求の達成のために変更できる。簡略化のため、図では各アレイ456B,456Cが3つの導体456Aを含むように描いている。代替的に、各アレイ456B,456Cは、3より多い又は少ない導体456Aを有する構成にできる。また、各アレイ456B,456Cにおける導体456Aは、Y軸に沿って隣り合って並んでいる。図4Aにおいて、第1アレイ456Bの3つの導体456Aがそれぞれ、U1("/"とともに図示されている)、V1("X"とともに図示されている)、及びW1("\"とともに図示されている)とラベルされ、第2アレイ456Cの3つの導体456Aが、U2("/"とともに図示されている)、V2("X"とともに図示されている)、及びW2("\"とともに図示されている)とラベルされている。いくつかの実施形態において、アレイ456B,456Cは、Y軸に沿って互いに相対的にシフトしている(図4AにおいてΔPによって表す)。この構成によれば、移動体444は、X軸周りの制御可能な力を供給するよう好ましく制御され得る。図4Aにおいて、第2アレイ456Cは、第1アレイ456Aに対してY軸に沿って正の方向にシフトしている(図4Aにおける左から右)。本実施形態において、U1は、U2上に部分的に積み重ねられて配置され;V1は、U2及びV2上に部分的に積み重ねられて配置され;W1は、V2及びW2上に部分的に積み重ねられて配置される。代替的に、図4Aにおいて、第2アレイ456Cは、第1アレイ456Aに対してY軸に沿って負の方向にシフトする(図4Aにおける右から左)ことができる。導体部品456におけるアレイ456B,456C間のシフト量は、アレイ456B,456C用の望ましい制御レベルを達成するために変更できる。ここで、「コイルピッチ」はY軸に沿ったコイルの幅を意味し、「CP」によって表される。一般に、CPは60°、120°、240°、又は300°である。図4Aにおいて、第2アレイ456Cは、第1アレイ456Bに対するコイルピッチの約1/4シフトしている(ΔPとして表される)。換言すると、本例において、コイルピッチが240°のとき、第2アレイ456Cは第1アレイ456Bに対して約60°シフトする。代替的に、第2アレイ456Cは、第1アレイ456Aに対してコイルピッチの1/4(CP=240°の場合に60°)を超えて又はそれ未満にシフトできる。例えば、代替的な非排他的実施形態において、第2アレイ456Cは、第1アレイ456Bに対してコイルピッチの少なくとも約1/3シフトできる。換言すると、第2アレイ456Cは、第1アレイ456Bに対して少なくとも約80°シフトできる。
【0054】
本実施形態において、第1アレイ456Bの導体456Aは、実質的に上方Y磁束460A内に位置し、第2アレイ456Cの導体456Aは、実質的に下方Y磁束460B内に位置する。この構成において、制御系424は、磁性部品454を囲む磁界と作用するように、導体部品456に電流を導くことができ、これにより、(1)Y軸に沿って導体部品456を移動可能な、Y軸に沿ったY駆動力463(2つの頭部を有する矢印として図示)、(2)Z軸に沿って導体部品456上に作用する、Z軸に沿ったZ力465(2つの頭部を有する矢印として図示)、及び(3)X軸周りに導体部品456上に作用する、シータXモーメント467(2つの頭部を有する矢印として図示)を発生させる。
【0055】
本実施形態において、アレイ456B,456Cのそれぞれは、3相のACレーストラック型モータとして機能する。より具体的には、制御系424は、各U1導体(U1相)、各V1導体(V1相)、各W1導体(W1相)、各U2導体(U2相)、各V2導体(V2相)、及び各W2導体(W2相)に対して、電流を独立的に導きかつ制御する。本実施形態において、制御系424は、異なる電気相におけるこれら導体に対する電流を制御し、独立的に制御可能なY駆動力463、独立的に制御可能なZ力465、及び独立的に制御可能なXモーメント467を発生させる。
【0056】
いくつかの実施形態において、制御系424は、導体456Aのそれぞれに、Y駆動力463、Z力465、及びシータXモーメント467の各サイン波の和を導く。Y力463、Z力465、及びシータX力467の構築に、適切な整流変数(commutation variables)を用いた、正確な補償技術(compensation technique)が適用可能である。いくつかの実施形態において、導体456Aに対して適切な電流を導くために、移動体444は、制御系424を較正できるように、テストされかつマップされる。
【0057】
各導体456に対する電流は、補償と整流(compensation and commutation)の式の2つの組によって決定される。6つの各相に対する整流式(commutation equation)は、Y力、Z力、及びXモーメントに実質的に対応する、3つのサイン波の和である。各サイン波(3つ)の振幅、及びステージY位置が整流式に入力され、6相のそれぞれに対する電流値が出力される。モータは、3つの整流振幅(Iy、Iz、及びItx)にほぼ比例する、Y力、Z力、及びXモーメントを生む。しかしながら、通常、各自由度について1−3%のエラーがある。
【0058】
マッピング及び補償技術を用いて、実質的に力のエラーを除去するよう、整流振幅が調整される。各Y位置におけるモータの挙動(Iy、Iz、及びItxのそれぞれによってどの力が生まれるか)が分かれば、ほぼ正確な所望のY力、Z力、及びXモーメントを生むための、補償された整流振幅Iye、Izc、及びItxcを算出することができる。
【0059】
導体456Aに電流が流れると、導体456Aのワイヤの方向に対して互いに直交する方向のローレンツ型の力と、磁気ギャップ354Cにおける磁界が発生する。磁気ギャップ454Cにおける磁界の交互極性について電流量及び電流極性が適切に調整されると、制御可能なY駆動力463、Z力465、及びシータXモーメント467が発生する。
【0060】
図4Bは、導体部品456の斜視図であり、第1アレイ456Bが第2アレイ456Cからオフセットしていることを示している。
【0061】
図5Aは、第1導体アレイ(導体U1、V1、W1)、及び第1導体アレイの下に配置された第2導体アレイ(導体U2、V2、W2)を有する、移動体の6つの相によって形成可能なピッチングモーメントの曲線を示す。本実施形態において、導体アレイはY軸に沿ってオフセットしていない、すなわちΔP=0である。この構成及びその制御の一例については、米国特許公開第2006/0232142号に含まれている。許容される範囲内において、米国特許公開第2006/0232142号の内容をここに援用する。
【0062】
本実施形態において、図5Aは、1アンペアの一定の電流が6つの各導体(U1、V1、W1、U2、V2、W2)に導入されることによって生じる、磁性部品のY軸に沿った導体の位置に対するピッチを示す。本例において、6つのピッチングモーメント曲線のすべて(すべての相)が、約24mm間隔の同じ位置の近くでほぼゼロである。換言すると、1アンペアの一定の電流が導体に導入されるとき、−24、0、24、48、72、96、120、144、168、192、216、及び240(Y移動軸に沿う)の位置において、導体のそれぞれが約ゼロのピッチングモーメントを生む。これらの特徴的なY軸に沿った位置においては、導体のそれぞれが生むピッチングモーメントがほぼゼロであることから、制御されたピッチングモーメント(X軸周りのトルク)を生じさせることは難しい又は不可能である。
【0063】
図5Bは、図4Aに示したものと同様の移動体444によって形成可能なピッチングモーメント曲線を示し、移動体444は、第1導体アレイ456B及びオフセットした第2導体アレイ456Cを有する。より具体的には、図5Bは、1アンペアの一定の電流が6つの各導体U1、V1、W1、U2、V2、W2(6相のそれぞれ)に導入されることによって生じる、Y軸に沿った磁性部品の位置に対するピッチを示す。本例において、6つのピッチ曲線が同じ場所でほぼゼロとなるような点が存在しない。換言すると、この構成において、1アンペアの一定の電流が導体に導入されるとき、Y移動軸に沿ったどの位置においても、導体のそれぞれが約ゼロのピッチングモーメントを生むことがない。この構成において、制御系から6つの相に導入される6相の電流の線形的な結合によって、Y軸に沿う全体にわたり、所望のピッチングモーメントを任意に生み出すことが可能である。
【0064】
この構成において、整流変数の正しい選択によって、移動体は、3自由度における独立的な制御可能な力を生み出すことができる。ここで、同じモータ位置ですべてがゼロクロスすることのないピッチングモーメント曲線をもたらすものであれば、コイルピッチのシフト量は、どのような量でも可能である。
【0065】
図6Aは、ステージ装置620の別の実施形態の斜視図であり、図6Bは上面図である。本実施形態において、ステージ装置620は、ステージ638、ステージ638をX軸方向、Z軸方向、及びY軸周りのシータY方向に駆動するリニア移動体(駆動装置)LM1、ステージ638をY軸方向に第1ストロークで駆動するリニア移動体(第2駆動装置)LM2、及びY軸方向の長ストロークでステージ638を駆動するリニア移動体(第3駆動装置)LM3を含む。
【0066】
一実施形態において、ステージ638は、ワークピースWを保持するテーブルT、及び、ステージベース636上に支持され、移動面636Aに沿ってテーブルTと一体的に移動するXYステージ648を含む。特願2004−215434号及びその対応米国特許公開第2008/0013060号に開示されたような自重キャンセル機構(不図示)がこのXYステージ648に設けられている。この自重キャンセル機構は、ベローズに内圧をかけてステージ638を支える支持部と、ガイド面としての移動面636Aに対向してステージ638を移動面636Aに対して浮上させるエアベアリング部とを有している。
【0067】
図6Bに示すように、リニアモータLM1は、ステージ638の傍らのX軸方向の両方の側面に間隔を空けて分けて設けられている。それらは、下記に説明するX軸に延びたコイルユニット651(導体部品)を有する固定子650(磁性部品)と、ステージ638上に設けられかつ下記に説明する図6Cに示す磁性ユニット661を有する移動子660とを含む。
【0068】
図6Cは、ステージ639及びリニアモータLM1,LM2の−X側から見た正面図である。磁石ユニット(磁界発生装置)661は、端面形状がU字状でX方向に延びた非磁性体(例えば、セラミック)によって形成された磁極ベース662と、磁極ベースの内壁の1つ(上側)に配置されたマグネットアレイ663と、その内壁の別の1つ(下側)に配置されたマグネットアレイ664とを含む。
【0069】
また、コイルユニット651が所定の間隔で離れかつ図1に示した制御系24によって交流電圧(電流)がコイルユニット651に供給される間、マグネットユニット661の凹部に挿入されるようコイルユニット651が配置され、これにより、コイルユニット651とマグネットユニット661との間に駆動力(ローレンツ力)が生じ、コイルユニット651とマグネットユニット661がスラスト方向(ここではX軸方向)に相対的に移動する。
【0070】
コイルユニット(電機子ユニット)651は、非磁性体を含み中空矩形状を有する缶652、及び所定のアレイ周期(CP)でX軸方向に沿って缶の内部に隙間無く配置された複数のコイル部653を含む。これらのコイル部653は、ほぼO字状にそれぞれ形成されており(図4B参照)、また、Y軸方向の中心部においてY軸に平行な電流路を有するように配置されている。また、コイル部653はそれぞれ、X軸方向に沿って複数配置され、Z軸方向に積み重ねられたコイルアレイ654A,654Bを形成している。また、これらのコイルアレイ654A,654Bは、(上記したような)所定の位相差ΔPでX軸方向にシフトした状態で積み重ねられている。ここで、これらのコイルアレイ654A,654Bは、樹脂を使用した面を硬化させる等により単板状に形成されており、また、缶652の内壁から所定の間隔で並行に整列させて並べることで缶652の内部にギャップが形成され、また、そのギャップに冷媒を流すことで、熱いコイル部653が冷却される、ようになっている。リニアモータLM2は、コイルユニット671(図6B参照)を有しかつ、ステージ638(XYステージ648)内に挿入されて設けられかつ、X軸方向に延びる固定子(第2固定子)670と、マグネットユニット581(図6A,6C参照)を有し、ステージ638(XYステージ648)上に設けられた(接続された)移動子(第2移動子)680とを含む。マグネットユニット681は、マグネットアレイ663,664と同様に、移動子680の両面で対向して所定間隔でX軸方向に、複数のマグネットがそれぞれ並んだ構成を有する。コイルユニット671は、X軸方向の中心部でX軸に平行な電気路を有するように配置されており、制御装置CONTによって電圧(電流)を交流供給することにより、コイルユニット671とマグネットユニット681との間に駆動力(ローレンツ力)が発生し、コイルユニット671及びマグネットユニット681がスラスト方向(ここではY軸方向)に微量で相対的に移動する。
【0071】
リニアモータLM3は、Y方向に伸びたY軸固定子638a及び638bと、内側から固定子638a,638bの間にそれぞれ挿入された移動子639a,639bとを含む。移動子639a,639bは、リニアモータLM1における固定子650のコイルユニット651と同様の構成のY軸方向に並んだコイルユニット(不図示)を有する。これらの移動子639a,639bは、リニアモータLM1における固定子650及びリニアモータLM2の固定子670の両端で支持され、これら固定子650,670と調和してY軸方向に移動する。
【0072】
また、固定子638A,638Bは、リニアモータLM1の移動子660のマグネットアレイ663、664と同様の構成でY軸方向に並んだマグネットアレイ(不図示)も有する。制御系によってコイルユニットに電圧(電流)を交流供給することにより、コイルユニットとマグネットユニットとの間に駆動力(ローレンツ力)が発生し、スラスト方向(ここではY軸方向)において移動子639a,639bに対して相対的に固定子638a,639bが移動する。
【0073】
固定子638a,638bは、突出部659a,659bに配置され、それら突出部659a,659bは、X方向の一方及び他方の端部の近傍においてベース部601上に上方に突出して設けられ、Y方向を長手方向としている。Y軸固定子638a,638bは、その各下面に設けられる例えば不図示のエアベアリングなどのガス静圧ベアリングを介して、突出部659a,659b上で所定のクリアランスでフローティング方式で支持される。ステージ638のY方向の移動によって反力が生じ、運動量保存の法則によってこの反力を打ち消すY方向Yカウンターマスとして、固定子638a,638bが対向方向に移動する。リニアモータLM1が単独で使用される場合、X方向、Z方向、及びθY方向にステージ638を移動させる駆動力を発生させることが可能であり、リニアモータLM1をステージ638の両側に設けてそれらを独立して駆動することにより、θZ方向及びθX方向にステージ638を移動させる駆動力を発生させることが可能であり、よって、ステージ638を5自由度で駆動させることが可能となる。
【0074】
例えば、駆動系によってリニアモータLM1に電流を導入することにより、ステージ638を5自由度で、すなわちX方向、Z方向、θY方向、θZ方向、及びθX方向に、移動させることができる。より具体的には、X軸駆動用の電流成分の方向及び振幅が好ましいX軸駆動力となるように、各コイル部653に供給される電流を調整することによって、また、好ましいZ軸駆動力となるようにZ軸駆動用の電流成分を調整することによって、こうした動きを達成可能である。
【0075】
また、リニアモータLM2を用いてステージ638を短ストロークで微量移動させるとともに、リニアモータLM3を用いた長ストロークでステージ638を移動させることにより、リニアモータLM1の駆動と併せて6自由度でウエハステージ638を駆動することが可能である。
【0076】
このように、本実施形態において、リニアモータLM1を用いることにより、ステージ638を5自由度で、すなわちX方向、Z方向、θY方向、θZ方向、及びθX方向に移動させることが可能であり、また、複数の方向についてステージ638の移動を高精度に制御可能でありながら、各方向にアクチュエータを設ける場合のようなコストの上昇を避けることができる。
【0077】
また、本実施形態において、コイルアレイ654A,654BはX軸方向に位相差を有して積み重ねられており、そのため、ピッチングモーメントTyがゼロになることなく、θY方向におけるステージ638の位置を確実に制御することができる。図7は、ステージ装置720の別の実施形態を示す。
【0078】
本実施形態において、Y方向の精密移動用のリニアモータ(前回の実施形態のリニアモータLM2)を有するコイルユニット771が固定子750上にそれぞれ設けられている。コイルユニット771に対向するマグネットユニット(図7では不図示)が移動子760上に設けられている。また、固定子750がそれぞれ接続されるリニアモータLM3の移動子739a,739bは、ステージ738のY方向両側に設けられ、これにより、固定子738a,738bを共有しかつ互いに独立して自由に動く。
【0079】
本実施形態において、上記の実施形態で得られるものと同じ動作及び効果に加え、Y精密移動用のリニアモータの固定子及び移動子を離間する必要がなく、装置のコンパクト化、軽量化、及び低コストに貢献できる。特に、本実施形態において、軽量化することにより、ステージ738を駆動するときの熱量を減らすことが可能となり、例えばエア乱れなどの精度の低下原因の発生を制限でき、さらに、ワークピースの位置決め精度及びウエハWへのパターン転写の精度の改善が可能である。
【0080】
図8は、ステージ装置820の別の実施形態を示す。本実施形態において、リニアモータLM1,LM2が、ステージ838の精密移動の駆動装置として使用され、粗動用の駆動装置がそれとは別に設けられる。
【0081】
具体的に、リニアモータLM1,LM2の固定子850,870は、Y軸方向にそれぞれ延びる支持部890によって両端で支持されている。固定子850は、移動部品860と相互作用する。また、ウエハステージ838、リニアモータLM1,LM2、及び支持部890を含むステージユニットSTは、精密移動ステージとして機能し、ウエハステージ838は、リニアモータLM1,LM2の駆動力によって、Y方向、X方向、Z方向、θY方向、θZ方向、及びθX方向の6自由度の微動が可能である。
【0082】
このステージユニットSTは、XY粗動ステージ891に接続され、移動面に沿ったY方向及びX方向に長ストロークで自由に移動できる。
【0083】
本実施形態において、コスト上昇の原因となることなく、6自由度でウエハステージ838の精密移動が可能であり、また、位置及び姿勢を高精度で調整可能である。
【0084】
また、本発明は、液体を投影光学系と基板との間に部分的に充填し、その液体を介して基板を露光する、いわゆる液浸露光装置に適用可能である。液浸露光装置については、国際出願公開99/49504号にも開示されている。さらに、本発明は、特開平6−124873号公報、特開平10−303114号公報、米国特許第5,825,043号などに開示されているような露光用の基板の表面全体が液体に浸かっている状態で露光を行う液浸露光装置にも適用可能である。
【0085】
また、上述した各実施形態において、光学装置16を備える露光装置の一例について説明したが、本発明を光学装置16を使用しない露光装置及び露光方法に適用することが可能である。光学装置16を使用しない場合でも、レンズなどの光学部材を介して露光光が基板に照射され、そうした光学部材と基板との間の所定の空間に液浸空間が形成される。
【0086】
また、本発明は、基板ステージ(ウエハステージ)が複数設けられるツインステージ型の露光装置にも適用できる。ツインステージ型の露光装置の構造及び露光動作は、例えば特開平10−163099号公報及び特開平10−214783号公報(対応米国特許6,341,007号、6,400,441号、6,549,269号及び6,590,634号)、特表2000−505958号(対応米国特許5,969,441号)或いは米国特許6,208,407号に開示されている。更に、本発明を本願出願人が先に出願した特願2004−168481号のウエハステージに適用してもよい。
【0087】
半導体デバイスは、図9Aに概略的に示すプロセスによって、上記のシステムを用いて製造される。ステップ901において、デバイスの機能及び特性の設計が行われる。次に、ステップ902において、前記設計ステップに従ったパターンを有するマスク(レチクル)が設計され、平行したステップ903において、シリコン材料からウエハが製造される。ステップ904において、本発明のいくつかの実施形態に係る上記のフォトリソグラフィシステムによって、ステップ902で設計されたマスクパターンが、ステップ903からのウエハ上に露光される。ステップ9605において、半導体デバイスが組み立てられ(ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程を含む)、最後に、ステップ906においてデバイスが検査される。
【0088】
図9Bは、半導体デバイスの製造の場合における上記のステップ904の詳細なフローの一例を示す。図9Bにおいて、ステップ9611(酸化工程)において、ウエハ表面が酸化される。ステップ912(CVD工程)において、ウエハ表面に絶縁膜が形成される。ステップ913(電極形成工程)において、蒸着によってウエハ上に電極が形成される。ステップ914(イオン打込み工程)において、ウエハにイオンが打ち込まれる。以上のステップ911〜914は、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択される。
【0089】
ウエハ処理の各段階では、上記の前処理工程が完了すると、続いて後処理工程が実行される。後処理工程において、まず、ステップ915(フォトレジスト形成工程)において、フォトレジストがウエハに塗布される。次に、ステップ916(露光工程)において、上記の露光装置を用いてマスク(レチクル)の回路パターンがウエハに転写される。その後、ステップ917(現像工程)において、露光された基板が現像され、ステップ918(エッチング工程)において、レジストが残存している部分以外の部分(露光された材料表面)がエッチングにより取り除かれる。ステップ919(フォトレジスト除去工程)において、エッチング後の不要なフォトレジストが取り除かれる。こうした前処理工程と後処理工程との繰り返しによって、多数の回路パターンが形成される。なお、上記の移動体は、単に現時点で好ましい本発明の実施形態であり、添付されたクレームに記載された以外に、構造や構成の詳細についてここで示したものに限定する意図はない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸に沿ってステージを移動させるための移動体であって、
磁界に囲まれた複数のマグネットを有する磁性部品と、
前記磁界内における前記磁性部品の近くに配置される導体部品であり、電流が前記導体部品に導かれると前記導体部品が前記磁性部品と相互作用して、前記第1軸に沿った制御された力と前記第1軸に垂直な第2軸周りの制御可能なモーメントとを発生する、前記導体部品と、を備える、移動体。
【請求項2】
電流が前記導体部品に導かれると前記導体部品が前記磁性部品と相互作用して、前記第1軸及び前記第2軸に垂直な第3軸に沿った制御された力を発生する、請求項1に記載の移動体。
【請求項3】
前記導体部品は、導体の第1アレイと、前記第1軸に垂直な第3軸に沿って前記第1アレイに隣接して配置された導体の第2アレイとを有し、
前記第1アレイは、前記第1軸に沿って前記第2アレイに対してシフトしている、請求項1に記載の移動体。
【請求項4】
前記導体のそれぞれはコイルピッチを有し、
前記第1アレイは、前記第2アレイから、前記第1軸に沿ってコイルピッチの約1/4シフトしている、請求項3に記載の移動体。
【請求項5】
前記導体のそれぞれはコイルピッチを有し、
前記導体部品と前記磁性部品との相対移動の間に一定の電流を前記導体に導いたときのピッチングモーメント曲線が同じ位置ですべてゼロとなることがないように、前記第1軸に沿って前記第1アレイが前記第2アレイに対して十分にシフトしている、請求項3に記載の移動体。
【請求項6】
前記磁性部品が、前記導体部品における対向する側に配置された第1磁性アレイ及び第2磁性アレイを有する、請求項1に記載の移動体。
【請求項7】
デバイスを移動するステージ装置であって、
前記デバイスを保持するステージと、
前記第1軸に沿って前記ステージを移動する請求項1に記載の前記移動体と、を備える、ステージ装置。
【請求項8】
前記ステージを支持するガイド面をさらに備え、
前記第1軸及び前記第2軸が前記ガイド面に対して平行である、請求項7に記載のステージ装置。
【請求項9】
照明系と、前記照明系に対して前記ステージを移動させる請求項7に記載のステージ装置とを備える、露光装置。
【請求項10】
デバイスを製造するためのプロセスであって、
基板を用意する工程と、
請求項9に記載の露光装置を用いて前記基板に像を形成する工程とを備える、プロセス。
【請求項11】
第1軸に沿ってステージを移動させるための移動体であって、
磁界に囲まれた複数のマグネットを有する磁性部品と、
前記磁性部品の近くに配置される導体部品であり、導体の第1アレイと、前記第1軸に垂直な第2軸に沿って前記第1アレイに隣接して配置された導体の第2アレイとを有し、それらの前記アレイが一緒に固定され、前記第1軸に沿って前記第2アレイに対して前記第1アレイがシフトし、電流が前記導体部品に導かれると前記導体部品が前記磁性部品と相互作用して前記第1軸に沿って制御された力を発生する、前記導体部品と、を備え、
電流を前記導体部品に導いて前記第1軸に沿った制御された力を発生させる制御系と、を備える、移動体。
【請求項12】
電流が前記導体部品に導かれるときに前記導体部品が前記磁性部品と相互作用して前記第1軸に垂直な第3軸周りの制御された力を発生させる、請求項11に記載の移動体。
【請求項13】
電流が前記導体部品に導かれるときに前記導体部品が前記磁性部品と相互作用して第2軸に沿った制御された力を発生する、請求項11に記載の移動体。
【請求項14】
前記導体のそれぞれは、コイルピッチを有し、前記第1アレイが前記第2アレイから前記第1軸に沿ってコイルピッチの約1/4シフトしている、請求項11に記載の移動体。
【請求項15】
前記導体のそれぞれは、コイルピッチを有し、
前記導体部品と前記磁性部品との相対移動の間に一定の電流を前記導体に導いたときのピッチングモーメント曲線が同じ位置ですべてゼロとなることがないように、前記第1軸に沿って前記第1アレイが前記第2アレイに対して十分にシフトしている、請求項11に記載の移動体。
【請求項16】
前記磁性部品は、磁気ギャップを規定し前記導体部品は前記磁気ギャップ内に配置される、請求項11に記載の移動体。
【請求項17】
デバイスを移動させるステージ装置であって、
前記デバイスを保持するステージと、
前記第1軸に沿って前記ステージを移動させる請求項11に記載の移動体と、を備える、ステージ装置。
【請求項18】
照明系と、前記照明系に対して前記ステージを相対的に移動させる請求項17に記載の前記ステージ装置と、を備える、露光装置。
【請求項19】
デバイスを製造するためのプロセスであって、
基板を用意する工程と、
請求項18に記載の露光装置を用いて像を前記基板に形成する工程と、を備える、プロセス。
【請求項20】
第1軸に沿ってデバイスを移動させるための方法であって、
前記デバイスをステージに結びつける工程と、
磁界に囲まれた複数のマグネットを有する磁性部品を用意する工程と、前記磁界内における前記磁性部品の近くに配置される導体部品を用意する工程と、前記部品の1つを前記ステージに結びつける工程と、前記導体部品が前記磁性部品と相互作用して前記第1軸に沿った制御された力と前記第1軸に垂直な第2軸周りの制御された力を発生するように、電流を導体部品に導く工程と、を含む、方法。
【請求項21】
電流を導く工程は、前記導体部品が前記磁性部品と相互作用して、前記第1軸及び前記第2軸に垂直な第3軸に沿って制御された力を発生する工程を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記導体部品を用意する工程は、導体の第1アレイと、前記第1軸に垂直な第3軸に沿って前記第1アレイに隣接して配置される導体の第2アレイとを用意する工程を含み、前記第1アレイは、前記第1軸に沿って前記第2アレイに対してシフトしている、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記導体のそれぞれは、コイルピッチを有し、前記第1アレイは、前記第2アレイから前記第1軸に沿ってコイルピッチの約1/4シフトしている、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記磁性部品を用意する工程は、前記導体アレイを含む磁気ギャップの対向する側に配置された第1磁性アレイ及び第2磁性アレイを用意する工程を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
露光装置を製造する方法であって、
照明系を用意する工程と、
デバイスを用意する工程と、
請求項20に記載の方法で前記デバイスを移動させる工程と、を備える方法。
【請求項26】
ウエハを作成する方法であって、
基板を用意する工程と、
請求項25の方法で製造された前記露光装置を用いて前記基板上に像を形成する工程と、を含む、ウエハの作成方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【公表番号】特表2011−501396(P2011−501396A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504075(P2010−504075)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/004896
【国際公開番号】WO2008/130560
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】