説明

三角測量法を用いた歯科用3Dカメラによる3次元物体の光学的走査方法および装置

【課題】三角測量法を用いた手持ちの歯科用3Dカメラによる3次元物体の光学的走査方法および装置を提供する。
【解決手段】3Dデータセット10は、物体2上に投影されたパターン3の複数の画像30から決定され、画像は、走査シーケンスを生成する。パターン3は、周期的位相整合による輝度分布を有する。3Dカメラ1のカメラぶれを判断するため、物体2上に投影されたパターン2の少なくとも2枚の画像30を記録し、これらの画像30の少なくとも1つは、走査シーケンスの一部を生成する。手持ち3Dカメラ1のカメラぶれを判断するためのカメラぶれ分析ユニット4により、少なくとも1つの比較信号は、少なくとも2つの個々の画像30を除算または減算することにより生成され、カメラぶれ指数50は、この少なくとも1つの比較信号から算出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三角測量法を用いた歯科用3Dカメラによる3次元物体の光学的走査方法および装置に関する。この目的のため、物体上に投影したパターンのいくつかの個々の画像を記録する。
【背景技術】
【0002】
従来の方法では、使用者は、フットスイッチを作動させることによって開始の瞬間を決め、この瞬間から露光中の間カメラを静止した状態に保つ必要があった。記録は開始の瞬間に行われ、その後、結果を視覚化した。得られた画像を評価する場合には、カメラぶれに起因するアーチファクトの認識や、必要によっては、記録削除の判断にはある程度の経験が必要となる。フットスイッチの作動によって、開始の瞬間に動きが増しやすい。そのため、カメラぶれの問題は、カメラぶれに起因するアーチファクトが全く検出できないと使用者が判断するまで、複数の記録を行うことにより解決した。これを使用するために保存するが、他の画像は削除する。
【0003】
フットスイッチの作動によって、開始の瞬間に動きが増しやすい。これは、独国公開特許第102005020240号A1明細書において、使用者によりイニシエーターを作動後、調節可能な時間間隔が経過した後にのみ走査を行わせる遅延回路によって解決されている。このようにして、使用者は、開始手段の作動後、カメラを静止状態にリセットすることができる。しかしながら、この方法においても、個々の記録におけるカメラぶれの評価について使用者の経験が必要となる。
【0004】
実際のところ、手持ちカメラにより三角測量を用いた記録方法の能力を獲得する際に、ぶれの少ない記録を達成することは歯科医にとって最も困難なことの一つである。これまでのところ、この問題は使用者の経験により解決されている。
【0005】
カメラぶれに起因するアーチファクトは予め認識することができず、使用者が露光を開始した後にのみ見ることができるため、カメラぶれを回避するためにファインダ画像としてビデオ画像を表示することは意味がない。この範囲の問題は、EP特許出願公告第0,250,993号に記載されている。
【0006】
手持ち3Dカメラによる歯の幾何形状の取得には、カメラぶれの問題が伴う。特に、口腔内走査の場合や、ギプスの口腔外走査に伴う多くの状況においては、この問題を静止、支持等によって完全に回避することはできない。構造化した光や位相シフト法を用いた3D記録の場合、同じカメラ位置から複数回の露光(通常4〜16回の露光)が必要となるため、カメラぶれは特に悪影響をもたらす。
【0007】
独国公開特許第19829278号明細書に開示の歯科用3Dカメラでは、走査シーケンス中に機械的に絞りを部分的に覆うことで単一モード範囲を増やしているため、走査を連続して繰り返すことができない。個々の画像間でカメラぶれに起因してカメラが動くことにより、波状のアーチファクトをもたらし、時には、全く役に立たない3D露光となってしまう。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、前記欠点を回避し、かつ、使用者を支援して、ほぼぶれのない画像を得る、特に、リアルタイムでカメラぶれの発生を適切な方法で示し、なおかつ、3Dカメラのカメラぶれが無いか、あるいは、ほんのわずかなカメラぶれが起こるあるいは起こった瞬間を自動的に検出することが可能な前述タイプの方法および装置を提供することである。
【0009】
三角測量手順にしたがって動作し、3次元物体の複数の画像を取得する、歯科用3Dカメラによる3次元物体の光学的走査方法であって、本方法は、以下の工程:少なくとも1つのパターンを物体上に投影しながら、カメラにより取得した物体の少なくとも2枚の画像に基づいて少なくとも1つの比較信号を生成する工程と、少なくとも1つの比較信号に基づいて少なくとも1つのカメラぶれ指数を決定する工程と、を含む。
【0010】
このカメラぶれ指数は、カメラぶれの客観的測定を提供し、これを用いて光学的走査の品質を評価することができる。
【0011】
3Dデータセットは、物体上に投影したパターンの少なくとも2枚の画像からなる走査シーケンスから作ることができ、カメラぶれ指数の計算に用いる画像の少なくとも1つが、走査シーケンスの一部を生成するので有利である。
【0012】
カメラぶれ指数を算出するために走査シーケンスからの画像を用いることで、単にカメラぶれを判断し、その後、3Dデータセットを作るためそれらを用いることなく記録画像を削除することが回避される。
【0013】
本発明の方法の利点は、カメラぶれに起因する典型的なアーチファクトを探すことでカメラぶれの分析が、走査後、すなわち、3Dデータセットがコンパイルされた後には行われず、3Dデータセットを算出する前に行われることである。このようにして、3Dデータセットは、3Dカメラのカメラぶれがほんの僅かであると検出された場合にのみ計算される。
【0014】
別の利点は、カメラぶれ度合いの評価が、使用者の意見で主観的に行われることなく、客観的に測定可能な基準に基づいて行われることである。これにより、3Dデータセットの品質が保証され、人間の不注意あるいは未熟によるエラーが除外される。
【0015】
本方法は、それぞれが、少なくとも1つのパターンを物体上に投影しながら取得した物体の画像の少なくとも1つの各グループにより生成された少なくとも1つの走査シーケンスを得る工程をさらに含み、少なくとも1つの比較信号の生成工程が、そのシーケンスの画像グループに基づいて、走査シーケンス毎に行い、決定工程もさらに、それぞれの各走査シーケンスに対して決定された少なくとも1つのカメラぶれ指数が、閾値としての所定の合格基準を満たすかどうか決定する工程と、少なくとも1つのカメラぶれ指数が所定の合格基準を満たす少なくともいくつかの走査シーケンスに基づいて3Dデータセットを提供する工程とを含むので有利である。
【0016】
少なくとも1つのパターンは、周期的位相整合による輝度分布と、照明光線に対する所定の位相位置とを有し、輝度分布は、正弦波状の強度勾配を有する平行ストライプを含むので有利である。
【0017】
輝度分布は、共通の評価アルゴリズムを使用することができるように、少なくともおおよそ正弦分布にできるので有利である。
【0018】
少なくとも2枚の画像の1枚における少なくとも1つのパターンの位相位置は、少なくとも2枚の画像の別の1枚における少なくとも1つのパターンの位相位置と実質的に同一であるかまたは、そこからパターンの約半周期の複数倍ずれているので有利である。
【0019】
カメラぶれ指数の計算に用いる少なくとも2枚の画像のパターンは、同一の相対位相位置、あるいはパターンの半周期の複数倍ずれている相対位相位置を有することができる。これにより、カメラぶれ指数の計算が簡単になる。
【0020】
個々の画像は、明度または灰色度レベルを示す複数のピクセルからなり、各ピクセルは、1対の座標と関連付けられているので有利である。カメラぶれ分析ユニットは、除算または減算によりこれらの画像から比較信号を生成することができる。この処理中に、適当な相対位相位置を示す2枚の画像が用いられ、商または差は、比較信号がもう一度複数のピクセルからなるようにピクセルバイピクセルで、画像の明度レベルに対して生成される。
【0021】
比較信号は、減算により生成することができる。この目的のため、第1の画像の明度レベルは、ピクセルバイピクセルで、第2の画像の明度レベルから引くことができ、これにより、比較信号は、二次元分布を示す。
【0022】
比較信号は、互いにパターンの半周期分位相がずれている2枚の画像間の差を生成することによって決定することができるので有利である。
【0023】
比較信号は互いに鏡像関係であるため、カメラぶれが起こらなかった場合、正弦信号の場合には減算により、振幅は変化することなく周期を半分にすることになる。3Dカメラの時間依存のカメラぶれが起こる場合、比較信号は変化する。
【0024】
差の代わりに、商を生成することができ、この場合、同じ位相位置のパターンを示す画像を用いるので有利である。
【0025】
除算は、式(1−q1/q2)にしたがってピクセルバイピクセルで行うことができるので有利である。
【0026】
生成工程は、少なくとも1つのパターンを物体上に投影しながらカメラにより取得した物体の少なくとも3枚の画像に基づいて、少なくとも2つの比較信号を生成する工程を含み、カメラぶれ指数の決定工程は、少なくとも2つの比較信号に基づいて行われるので有利である。
【0027】
したがって、カメラぶれ指数は、少なくとも2つの比較信号から算出することができ、少なくとも3枚の画像が実行されることになる。
【0028】
このカメラぶれ指数は、カメラぶれ指数の計算に用いる少なくとも2枚の画像の露光間の経過時間内における3Dカメラのカメラぶれの信頼性の高い指標である。
【0029】
単に比較信号におけるピクセルの代表的な選択をカメラぶれ指数の計算に用いることができるので有利である。
【0030】
したがって、信号、すなわち、カメラぶれ指数の品質は、例えば、画像の中心で向上する。
【0031】
少なくとも1つのカメラぶれ指数の決定工程が、少なくとも2枚の画像の対応ピクセルの信号分散を生成する工程を含むので有利である。
【0032】
したがって、カメラぶれ指数の計算は、同一位相位置の2枚の画像における対応ピクセル間の分散を生成することにより行うことができ、この場合、分散の計算用に計算された偏差平方は、比較される画像における対応ピクセル間の距離の二乗である。
【0033】
このため、偏差平方和(したがって分散も)は、カメラぶれが増すにつれて増加するので、分散は、3Dカメラのカメラぶれ度の適当な指標として見なすことができる。
【0034】
本方法は、イニシエーターを作動させることによって開始要求を開始させる工程と、少なくとも1つのパターンを物体上に投影しながら取得した物体の画像により生成された連続走査シーケンスを所定の時間内で得る工程と、ここで、少なくとも1つの比較信号の生成工程は、これらの画像の少なくともいくつかに基づいて行い、少なくとも1つのカメラぶれ指数の最小値が決定したことに応答して、最小値の識別前に得られた少なくとも1つの走査シーケンスにおける画像に基づいて3Dデータセットを提供する工程と、をさらに含むので有利である。
【0035】
したがって、使用者は、所与の後続のタイムウィンドウ内に、走査シーケンスおよびカメラぶれ指数の計算用の画像を連続的に記録することができ、カメラぶれ指数を連続的に計算しながらこれらを画像メモリに一時的に保存するように、イニシエーターを作動させることによって開始要求を実行することができる。カメラぶれが最小であった開始の瞬間を選択することができ、先行する走査シーケンスにおける個々の画像から3D画像の計算を開始することができる。
【0036】
このようにして、使用者は、開始要求の作動後に3Dカメラを静止しようとしながら、露光の瞬間を概ね決定することができる。
【0037】
指定時間を2秒まで設定できるので有利である。これによって、使用者は、開始手段の作動後に3Dカメラを安定させるのに十分な時間がある。
【0038】
イニシエーターの有利な発展は、本方法が、イニシエーターを作動させることによって開始要求を開始させる工程と、開始要求後に、少なくとも1つのパターンを物体上に投影しながら取得した物体の画像により生成された連続走査シーケンスを得る工程と、ここで、少なくとも1つの比較信号の生成工程は、これらの画像のいくつかに基づいて行われ、少なくとも1つのカメラぶれ指数が閾値を下回ることに応答して、少なくとも1つの走査シーケンスにおける画像に基づいて3Dデータセットを提供する工程と、をさらに含むことである。
【0039】
したがって、使用者は、所与の後続の時間内に、カメラぶれ指数を連続的に計算して閾値と比較しながら、走査シーケンスおよびカメラぶれ指数の計算用の画像を連続的に記録し、前記指数が前記閾値を下回る場合に、直前の走査シーケンスにおける画像からの少なくとも1つの3Dデータセットの計算を開始し、それにより、3Dカメラは比較的安定した位置にあるように、イニシエーターを作動させることによって開始要求を実行することができる。
【0040】
このようにして、走査の瞬間、すなわち、3Dデータセットの計算に用いる走査データセットの露光の瞬間は、使用者により3Dカメラを安定させ、カメラぶれ指数を固定閾値より下回らせることで決定することができる。通常、かかる安定は、偶発的には滅多に起こらない。このようにして、個々の露光結果を監視する必要がなくなるため、特に、3Dデータセットの個々の露光を複数回連続的に行う場合において、走査処理を大幅に簡略化することができる。
【0041】
ここでも、使用者が開始手段の作動後に3Dカメラを安定させるのに十分な時間があるように、指定時間を2秒まで設定できるので有利である。
【0042】
閾値は変数であり、なおかつ、開始値から始まって、測定したカメラぶれ指数が閾値を下回るまで、一定時間の関係において増加し、それにより、3Dデータセットの計算が開始されるので有利である。
【0043】
これにより、測定カメラぶれ指数を時間内の少なくとも1つの瞬間でアンダーランさせ、3Dデータセットの少なくとも1つの計算を開始させることができる。
【0044】
本方法は、イニシエーターを作動させることによって開始要求を開始させる工程と、開始要求後に、少なくとも1つのパターンを物体上に投影しながら取得した物体の画像により生成された連続走査シーケンスを得る工程と、ここで、少なくとも1つの比較信号の生成工程は、これらの画像の少なくともいくつかに基づいて行い、少なくとも1つのカメラぶれ指数のそれぞれ別々のインスタンスが閾値を下回ることに応答し、かつ、開始要求の開始をさらに要求することなく、少なくとも1つのカメラぶれ指数のそれぞれ別々のインスタンスが閾値を下回る前に得られた少なくとも1つの走査シーケンスにおける画像に基づいて生成された各3Dデータセットを記憶する工程と、3D記録全体を生成するため、記憶された少なくともいくつかの3Dデータセットを組み合わせる工程と、さらに含むので有利である。
【0045】
したがって、使用者によるイニシエーターの作動後、走査動作の時間全体を通じて閾値を下回る度に、使用者から更に開始要求がなくても、先行する走査シーケンスにおける画像から3Dデータセットを算出し、このデータセットを保存する。
【0046】
これによって、使用者が走査動作を開始する必要は1回だけであり、多くの3D走査は、使用者が3Dカメラを静止させる毎に起こるため、カメラぶれ指数は閾値を下回る。
【0047】
異なる位相位置のパターンをもつ少なくとも5枚の画像を記録することができるので有利である。ここで、位相位置は、どの時点においても、パターンの周期の1/4だけずれている。すなわち、位相位置が0°の第1の位相関連画像を記録し、その後、位相位置が90°の第2の画像、位相位置が180°の第3の画像、位相位置が270°の第4の画像、最後に、位相位置が360°の第5の画像を記録する。したがって、最終画像の位相位置は、最初に記録した画像のものに対応する。
【0048】
最初の4枚の記録画像は、走査シーケンスを生成し、そこから、3Dデータセットを位相シフト法により作ることができるので有利である。
【0049】
カメラぶれ指数は、3Dカメラにより記録されたこれらの5枚の画像からカメラぶれ分析ユニットにより計算できるので有利である。これにより、第2の位相位置の画像と第4の位相位置の画像間の第1の比較信号を減算により生成し、第1の位相位置の画像と第3の位相位置の画像間の第2の比較信号を減算により生成し、第3の位相位置の画像と第5の位相位置の画像間の第3の比較信号を減算により生成し、その後、カメラぶれ指数は、特定選択の複数のピクセルにわたって、第1の比較信号と第2の比較信号との第1の信号分散と、第1の比較信号と第3の比較信号との第2の信号分散とを平均化することで計算され、光学的走査中の3Dカメラのカメラぶれの度合いを評価するためカメラぶれ指数が実行される。
【0050】
3Dカメラが休止位置にある場合、第2の位相位置と第4の位相位置間の第1の比較信号、第1の位相位置と第3の位相位置間の第2の比較信号、および第3の位相位置と第5の位相位置間の第3の比較信号は、画像信号パターンにより示すように同一の振幅と半周期をもつ正弦形状を有する。走査される物体に対する3Dカメラの位置において時間依存の変化がある場合にのみ、はっきりとした差が比較信号間に存在する。その結果、第1の比較信号と第2の比較信号との第1の信号分散、および第1の比較信号と第3の比較信号との第2の信号分散が増加し、平均のカメラぶれ指数が増す。このようにして、カメラぶれ指数は、走査シーケンス内の3Dカメラのカメラぶれにおける信頼性の高い指標である。
【0051】
カメラぶれ分析ユニットは、3Dカメラで記録され、かつ、同じ位相位置を有する2枚の画像からカメラぶれ指数を算出するよう実行することができるので有利である。これにより、比較信号は、2枚の画像間の式(1−q1/q2)にしたがって除算により生成することができ、カメラぶれ指数は、この比較信号の複数ピクセルの代表的な選択にわたって算出することができ、光学的走査中の3Dカメラのカメラぶれの度合いを評価するためカメラぶれ指数が実行される。
【0052】
3Dカメラが休止位置にある場合、2枚の画像は同じ位相位置を有する。走査される物体に対する3Dカメラの位置において時間依存の変化がある場合にのみ、2枚の画像は互いに異なる。その結果、上記の式に従った2枚の画像の商は0から外れ、カメラぶれ指数は上昇する。これは、決定されたカメラぶれ指数が、同様に、走査シーケンス内の3Dカメラのカメラぶれにおける信頼性の高い指標であることを意味する。
【0053】
カメラぶれを視覚化する目的のため、物体上に投影した、少なくとも3枚の画像パターンから決定された少なくとも2つの比較信号から高コントラスト画像を算出し、出力することができる。典型的な手持ちカメラの振動によるカメラの動きは、時変ジッターとして表示される。
【0054】
これにより、使用者は、カメラぶれの強度をリアルタイムで観察し、それに応じて開始の瞬間を決定することができる。表示装置は、例えば、モニターであってもよい。
【0055】
高コントラスト画像の計算式は、
【数1】

であってもよいので有利である。ここで、Imは第1の比較信号を示し、Reは第2の比較信号を示す。
【0056】
算出された比較信号は、データ記憶装置に一時的に保存し、別の高コントラスト画像の計算に用いることができるので有利である。ここで、異なる走査シーケンスからの比較信号を比較する。
【0057】
カメラぶれの時間依存の視覚化を得るために、2枚の画像から決定された2つの比較信号を高コントラスト画像の連続計算用に取ることができる。これは、出力することができ、常に使用されていた最後の比較信号と、その後に決定された比較信号とからなるので有利である。連続的に出力された高コントラスト画像は、時変ジッターとして表示される。
【0058】
したがって、使用者は、ジッターの強度から3Dカメラのカメラぶれの度合いをリアルタイムで解釈することができる。
【0059】
高コントラスト画像は、連続的に計算して経時的に表示され、なおかつ、使用者により用いられ、走査シーケンスの個々の画像から3Dデータセットの計算用に開始の瞬間を選択することができるので有利である。
【0060】
したがって、高コントラスト画像により、従来技術から知られているファインダ画像におけるアーチファクトの発生からカメラぶれを認識するために、予め経験がなくともカメラのカメラぶれの度合いを客観的に評価することができる。
【0061】
少なくとも4枚の画像を高コントラスト画像の計算に用いることができるので有利である。ここで、各画像におけるパターンの位相位置は、先行する画像に対して+90°ずれているため、第1の画像の第1の位相位置は0°であり、第2の画像の第2の位相位置は90°であり、第3の画像の第3の位相位置は180°であり、第4の画像の第4の位相位置は270°である。
【0062】
次いで、4枚の画像から減算により2つの比較信号を取得することができる。第1の比較信号は、第2の位相位置と第4の位相位置との画像から生成され、第2の比較信号は、第1の位相位置と第3の位相位置との画像から生成される。その後、カメラぶれを視覚化する目的で、第1の比較信号と、第1の比較信号に先行する第2の比較信号とから高コントラスト画像を算出することができ、この高コントラスト画像は、表示装置上に出力することができる。
【0063】
三角測量手順は、二重三角測量手順であり、本方法は、3Dデータセットの算出において、第1の三角測量角で第1の走査シーケンスを生成する工程と、その後、第2の三角測量角で第2の走査シーケンスを生成する工程とをさらに含み、第2の走査シーケンスの生成工程は、少なくとも1つのカメラぶれ指数が閾値を下回ることに応答して行われ、3Dデータセットの算出は、少なくとも1つのカメラぶれ指数が閾値を下回る前に取得した第1の走査シーケンスの画像と、第2の走査シーケンスの画像とに基づいて行われるので有利である。
【0064】
したがって、個々の3Dデータセットの計算は、第1の三角測量角を用いた第1の走査シーケンスと、第2の三角測量角を用いた第2の走査シーケンスとの実行により行われる。
【0065】
第2の走査シーケンスは、例えば、単一モード範囲を拡大する深さ走査範囲を拡大するのに役立つ。これは、それ自体が公知となっている。本発明の文脈中では、しかしながら、第2の走査シーケンスは、第1の走査シーケンスのカメラぶれが十分に小さい場合にのみ開始される。
【0066】
二重三角測量法において、物体上へのパターンの投影は、2つの異なる三角測量角で行われて記録される。このようにして、一意に割当可能な深さ走査範囲が明らかに増す。この目的のため、第1の三角測量角は1°〜13°に、第2の三角測量角は1.5°〜15°にすることができる。独自の深さ走査範囲は、20mm〜25mmにすることができる。
【0067】
二重三角測量法によれば、閾値が一旦アンダーランになると、第2の三角測量角を用いた第2の走査シーケンスを記録することができ、その後、閾値を下回る点の前に第1の走査シーケンスにおける画像から、かつ、第2の走査シーケンスにおける画像から3Dデータセットを算出することができるので有利である。
【0068】
あるいは、本発明によれば、光切断法を用いて3Dデータセットを生成することができる。この場合、物体上に投影した複数のパターンの複数の個々の画像を記録して、走査シーケンスを生成する。走査シーケンスの画像で検出されたサブパターンの位置から、幾何形状の取得を行い、3Dデータセットを算出する。
【0069】
本発明によれば、パターンのうちの1つを示す物体の少なくとも1つの別の画像を記録し、この別の画像を対応パターンを示す走査シーケンスにおける画像とともに用いて、カメラぶれ指数を決定する。
【0070】
本発明の別の目的として、本発明は、3次元物体の複数の画像を取得するため3次元物体を光学的走査する、三角測量角を有する歯科用携帯型3Dカメラ装置に関し、該装置は、パターンを物体上に投影しながら取得した少なくとも2枚の物体の画像の商または差を決定することによって少なくとも1つの比較信号を生成し、少なくとも1つの比較信号を平均化することによって少なくとも1つのカメラぶれ指数を決定するようになっているカメラぶれ分析ユニットを含む。
【0071】
したがって、歯科用3Dカメラ装置は、物体上に投影したパターンの少なくとも2つの個々の画像を記録することができる。装置は、カメラぶれ分析ユニットを有しており、手持ち3Dカメラのカメラぶれを決定するためのカメラぶれ分析ユニットによって、少なくとも2つの個々の画像を除算または減算することで少なくとも1つの比較信号を取得することができ、少なくとも1つの比較信号からカメラぶれ指数を算出することができる。
【0072】
本発明の装置は、主として、請求項1に記載の本発明の方法を行う目的に適している。
【0073】
装置は、少なくとも1つのパターンを物体上に投影しながら取得した物体の少なくとも2枚の画像により生成された走査シーケンスを記憶するようになっている画像メモリと、ここで、走査シーケンスは、少なくとも1つの比較信号を生成してカメラぶれ指数の計算に用いられる少なくとも1つの画像を含み、少なくともいくつかの走査シーケンスの画像に基づいて少なくとも1つの3Dデータセットを提供するようになっている画像処理ユニットとを含むので有利である。
【0074】
したがって、3Dカメラにより記録された少なくとも2枚の画像からなる走査シーケンスを記録し、メモリに保存する。さらに、3Dデータセットは、走査シーケンスにおける画像から作ることができ、カメラぶれ指数の計算に用いた画像の少なくとも1枚は、走査シーケンスの一部とすることができる。
【0075】
これは、カメラぶれの度合いを確認するのに必要な追加の処理を最小限にするので有利である。
【0076】
装置は、周期位相を有する輝度分布および照明光線に対する公知の位相関係ならびに公知の位相位置を有利に示し得るパターンを有することができる。
【0077】
特に、輝度分布は、正弦波状の強度勾配を示す平行ストライプからなることができる。
【0078】
装置は、開始信号を開始させるよう動作可能なイニシエーターをさらに含み、これに応答し、かつ、所定の時間内で、メモリが走査シーケンスを記憶し、画像処理ユニットが少なくとも1つの3Dデータセットを提供し、カメラぶれ分析ユニットがさらに、所定の時間内に決定された少なくとも1つのカメラぶれ指数の最小値を検出するようになっており、処理ユニットが、少なくとも1つの3Dデータセットを提供することによってかかる検出に応答するので有利である。
【0079】
したがって、使用者は、開始手段を作動させることによって、指定時間内に走査および個々の3Dデータセットの計算、あるいは、指定されたタイムウィンドウ内に走査および複数の3Dデータセットの計算を開始することができる。時間枠の持続時間は、カメラぶれ分析ユニット内のメモリに記憶される。
【0080】
イニシエーターは、例えば、フットペダルあるいは任意の所望の駆動要素であってよい。
【0081】
装置は、画像処理ユニットを有することができ、この場合、カメラぶれ分析ユニットは、画像処理ユニット内で選択された走査シーケンスにおける画像から3Dデータセットの計算を開始するので有利である。
【0082】
画像処理ユニットは、コンピュータ上で動作する信号処理用の特殊なソフトウェア、または電子回路などのデータ処理ユニットであってもよい。
【0083】
カメラぶれ分析ユニットは、可変閾値を記憶可能なメモリを含むことができるので有利である。
【0084】
装置は、第1の三角測量角での第1の走査シーケンスと、第2の三角測量角での第2の走査シーケンスとを含む二重三角測量法を用いて光学的走査を実行できるようにするために、三角測量角を変化させる調整手段を含むことができるので有利である。
【0085】
そのような三角測量角を変化させる調整手段は、調整手段により照明光線を異なる方向から生じさせることで、三角測量角を変化させるように、照明光線を一部遮断するメカニカルフラグ、いくつかの他の電子制御式光学絞り、あるいは別の光源であってもよい。
【0086】
算出された比較信号は、カメラぶれ分析ユニット内にあるデータ記憶装置に記憶することができる。
【0087】
装置はモニターの形態であってもよい表示手段を有することができ、少なくとも2つの比較信号の高コントラスト画像を算出して、カメラぶれを視覚化することができ、この比較信号は物体上に投影したパターンの少なくとも3枚の画像から減算または除算により取得することができるので有利である。高コントラスト画像は、多くの同時に表示されたピクセル強度を示す測定値として表示手段により表示することができ、カメラぶれは、時変ジッターの形態で表示される。カメラぶれ分析ユニットは、高コントラスト画像の計算に適するように設計することができる。
【0088】
カメラぶれ分析ユニットは、3Dカメラに設置するか、あるいは、それから離してケーブルまたは無線により3Dカメラに接続されたデータ処理機器に設置することができる。カメラぶれ分析ユニットは、信号処理するように特別に対応されたコンピュータ上で動作するソフトウェア、あるいは、上述の方法で入力信号を処理し、出力信号を出すようになされた電子回路であってもよい。このカメラぶれ分析ユニットは、例えば、差分解析により入力信号と個々の画像とを互いに比較することにより、前記方法でカメラぶれ指数を算出する。
【0089】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】イニシエーターおよび自動開始を示す、本発明の方法を明確にするための図である。
【図2】カメラぶれ指数の計算を明確にするためのグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0091】
図1は、位相シフト法により例示される本発明の方法および本発明の装置を明確にするための図である。歯科用3Dカメラ1は、三角測量法を用いて3次元物体2(すなわち、歯)を走査するために用いられる。図示していないが従来技術から知られているファインダ画像により、3Dカメラ1を物体2上で位置決めする。次いで、3Dカメラ1は、物体2上に投影したパターン3の個々の画像30を5枚記録し、このパターン3は、正弦波状の輝度分布を有する平行ストライプからなり、画像30の各々は、座標(x、y)を有する複数のピクセルPを含む。各画像30において、パターン3は、周期の1/4(すなわち、90°の位相)だけずれており、5枚の画像30の最初の4枚により走査シーケンスを生成し、そこから、物体2の3Dデータセット10を算出する。
【0092】
記録された画像30は、3Dカメラ1により画像メモリ7に送信され、カメラぶれ分析ユニット4により評価する。ここで、画像30に関するデータが実行され、カメラぶれ指数50を算出する。このため、比較信号45、46、47は、対応する位相位置40、41、42、43、44で個々の画像30間を減算または除算することで決定され、データ記憶装置21に記憶される。カメラぶれ指数50は、これらの比較信号45、46、47を平均化または減算し、さらに、関連する複数の選択したピクセルPについて平均化することで決定される。計算を行う方法について、図2を参照してさらに詳細に説明する。
【0093】
使用者がイニシエーター5(本実施形態では、フットスイッチ)を作動させると、カメラぶれ分析ユニット4に開始要求が送られる。データ記憶装置6に保存されている時間内、例えば、2秒の指定時間内に、画像30を記録し、画像メモリ7に配置され、カメラぶれ指数50が算出される。
【0094】
その後、時間内にカメラぶれ指数50が最も小さかった開始の瞬間を決定し、前記開始の瞬間に先立つ走査シーケンスの4枚の画像30を画像メモリ7から取り出し、画像処理ユニット8に伝える。3Dデータセット10は、それ自体公知の位相シフト法により4枚の個々の画像30から画像処理ユニット8で算出される。
【0095】
3Dデータセット10は、記録された物体2に関する3次元データを含み、走査された物体2(すなわち、歯)の3次元モデルとして表示装置9上に表示される。
【0096】
別の実施形態では、イニシエーター5の作動後の指定時間内で、算出されたカメラぶれ指数50をメモリ20に記憶された可変閾値と比較し、閾値を下回る場合には、先行する走査シーケンスからの画像30の3Dデータセット10で計算を開始する。
【0097】
さらに、カメラぶれ分析ユニット4は、個々の画像30の第1の比較信号45、および第2の前の比較信号46あるいは第3のその後に続く比較信号47のいずれかから高コントラスト画像12を算出し、時変ジッター12’として表示装置11により示される。高コントラスト画像12は、3Dカメラのカメラぶれをリアルタイムで再現する。したがって、使用者は、経時的なカメラぶれの変動を直接見ることができる。使用者は、例えば、カメラぶれの度合いを評価するために、なおかつ、例えば、高コントラスト画像12により表示されるカメラぶれの小さい瞬間にイニシエーター5を再び作動させることで、先行する走査シーケンスにおける画像30から3Dデータセット10の計算を開始するために、この高コントラスト画像12を利用することができる。
【0098】
データ記憶装置は、光学的走査の動作全体を通じて算出された比較信号全てのデータを記憶できるのに十分な大きさであるので有利である。
【0099】
さらに、カメラぶれ指数は、例えば、ランプ信号または音響信号の形態で出力される。例えば、カメラぶれ指数は、閾値と連続的に比較され、閾値を下回るか上回るかに応じて、ランプは発光したりしなかったりする。
【0100】
図2は、位相シフト法により例示されるカメラぶれ指数50の計算および高コントラスト画像12を明確にするための図である。第1の画像30の第1の位相位置40は0°であり、第2の画像30の第2の位相位置41は90°であり、第3の画像30の第3の位相位置42は180°であり、第4の画像30の第4の位相位置43は270°であり、第5の画像30の第5の位相位置は360°である。第1の比較信号45は、第2の画像30のフェージング41を第4の画像30のフェージング43に加えることにより生成される。第2の比較信号46は、第1の画像30のフェージング40を第3の画像30のフェージング42に加えることにより生成される。第3の比較信号47は、第3の画像30のフェージング42を第5の画像30のフェージング44に加えることにより生成される。第1の信号分散48は、第1の比較信号45と第2の比較信号46とから生成され、第2の信号分散は、第1の比較信号45と第3の比較信号47とから生成され、カメラぶれ指数50は、関連範囲のピクセルPについて平均化することで算出される。
【符号の説明】
【0101】
1 歯科用3Dカメラ、2 物体、3 パターン、4 カメラぶれ分析ユニット、5 イニシエーター、6 走査時間中のデータ記憶装置、7 画像メモリ、8 画像処理ユニット、9 3Dデータセットを表示するための表示装置、10 3Dデータセット、11 高コントラスト画像を表示するための表示装置、12 高コントラスト画像、20 閾値用のメモリ、21 比較信号用のデータ記憶装置、30 ピクセルPを有し、かつ、明度または灰色度レベルqを有する画像、40 第1の位相位置、41 第2の位相位置、42 第3の位相位置、43 第4の位相位置、44 第5の位相位置、45 第1の比較信号、46 第2の比較信号、47 第3の比較信号、48 第1の信号分散、49 第2の信号分散、50 カメラぶれ指数、55 スイッチ、100 調整手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
三角測量手順にしたがって動作し、3次元物体(2)の複数の画像(30)を取得する、歯科用3Dカメラ(1)による前記3次元物体(2)の光学的走査方法であって、
少なくとも1つのパターン(3)を前記物体(2)上に投影しながら、前記カメラ(1)により取得した前記物体(2)の少なくとも2枚の画像(30)に基づいて少なくとも1つの比較信号(45、46、47)を生成する工程と、
前記少なくとも1つの比較信号(45、46、47)に基づいて少なくとも1つのカメラぶれ指数(50)を決定する工程と、
を含む光学的走査方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのパターン(3)を前記物体(2)上に投影しながら取得した前記物体(2)の画像(30)の少なくとも1つの各グループにより生成された少なくとも1つの走査シーケンスを得る工程と、ここで、前記少なくとも1つの比較信号(45、46、47)の前記生成工程が、そのシーケンスの前記画像(30)のグループに基づいて、走査シーケンス毎に行い、前記決定工程がさらに、それぞれの各走査シーケンスに対して決定された前記少なくとも1つのカメラぶれ指数(50)が、閾値として所定の合格基準を満たすかどうかを決定する工程を含み、
前記少なくとも1つのカメラぶれ指数(50)が前記所定の合格基準を満たす前記少なくともいくつかの走査シーケンスに基づいて3Dデータセット(10)を提供する工程と、
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのパターン(3)が、周期的位相整合による輝度分布と、照明光線に対する所定の位相位置(40、41、42、43、44)とを有し、前記輝度分布が、正弦波状の強度勾配を有する平行ストライプを含む請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも2枚の画像(30)の1枚における前記少なくとも1つのパターン(3)の位相位置(40、41、42、43、44)が、前記少なくとも2枚の画像(30)の別の1枚における前記少なくとも1つのパターン(3)の位相位置(40、41、42、43、44)と実質的に同一であるかまたは、そこから前記パターン(3)の約半周期の複数倍ずれている請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記画像(30)が、明度または灰色度レベル(qi)を示す座標(x、y)を有する複数のピクセル(Pi)を含み、前記少なくとも1つの比較信号(45、46、47)が、複数のピクセル(Pi)を含み、前記少なくとも1つの比較信号(45、46、47)の前記生成工程が、適当な位相位置(40、41、42、43、44)における前記パターン(3)の2枚の画像(30)を除算または減算を行い、ピクセルバイピクセルベースでそれらの画像(30)の明度または灰色度レベル(qi)に対して生成された商または差をそれぞれ得る工程を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記生成工程が、前記少なくとも1つのパターン(3)を前記物体(2)上に投影しながら前記カメラにより取得した前記物体(2)の少なくとも3枚の画像(30)に基づいて、少なくとも2つの比較信号(45、46、47)を生成する工程を含み、前記カメラぶれ指数(50)の前記決定工程が、前記少なくとも2つの比較信号(45、46、47)に基づいて行われる請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのカメラぶれ指数(50)の前記決定工程が、前記少なくとも2枚の画像(30)の対応ピクセル(Pi)の信号分散(48、49)を生成する工程を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
イニシエーター(5、55)を作動させることによって開始要求を開始させる工程と、
前記少なくとも1つのパターン(3)を前記物体(2)上に投影しながら取得した前記物体(2)の画像(30)により生成された連続走査シーケンスを所定の時間内で得る工程と、ここで、前記少なくとも1つの比較信号(45、46、47)の前記生成工程は、これらの画像(30)の少なくともいくつかに基づいて行い、
前記少なくとも1つのカメラぶれ指数(50)の最小値が決定したことに応答して、前記最小値の識別前に得られた前記少なくとも1つの走査シーケンスにおける画像(30)に基づいて3Dデータセット(10)を提供する工程と、
をさらに含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
イニシエーター(5、55)を作動させることによって開始要求を開始させる工程と、
前記開始要求後に、前記少なくとも1つのパターン(3)を前記物体(2)上に投影しながら取得した前記物体(2)の画像(30)により生成された連続走査シーケンスを得る工程と、ここで、前記少なくとも1つの比較信号(45、46、47)の前記生成工程は、これらの画像(30)のいくつかに基づいて行われ、
前記少なくとも1つのカメラぶれ指数(50)が閾値を下回ることに応答して、前記少なくとも1つの走査シーケンスにおける画像(30)に基づいて3Dデータセット(10)を提供する工程と、
をさらに含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記閾値が変数であり、なおかつ、開始値から始まって、測定した前記カメラぶれ指数(50)が前記閾値を下回るまで、一定時間の関係において増加し、それにより、3Dデータセット(10)の計算が開始される請求項9に記載の方法。
【請求項11】
イニシエーター(5、55)を作動させることによって開始要求を開始させる工程と、
前記開始要求後に、前記少なくとも1つのパターン(3)を前記物体(2)上に投影しながら取得した前記物体(2)の画像(30)により生成された連続走査シーケンスを得る工程と、ここで、前記少なくとも1つの比較信号(45、46、47)の前記生成工程は、これらの画像(30)の少なくともいくつかに基づいて行い、
前記少なくとも1つのカメラぶれ指数(50)のそれぞれ別々のインスタンスが閾値を下回ることに応答し、かつ、開始要求の開始をさらに要求することなく、前記少なくとも1つのカメラぶれ指数(50)のそれぞれ別々のインスタンスが閾値を下回る前に得られた前記少なくとも1つの走査シーケンスにおける画像(30)に基づいて生成された各3Dデータセット(10)を記憶する工程と、
3D記録全体を生成するため、記憶された少なくともいくつかの3Dデータセット(10)を組み合わせる工程と、
をさらに含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記三角測量手順が、二重三角測量手順であり、前記方法がさらに、3Dデータセットの算出において、第1の三角測量角(θ1)で第1の走査シーケンスを生成する工程と、その後、第2の三角測量角(θ2)で第2の走査シーケンスを生成する工程とをさらに含み、前記第2の走査シーケンスの前記生成工程が、前記少なくとも1つのカメラぶれ指数(50)が閾値を下回ることに応答して行われ、前記3Dデータセット(10)の算出は、前記少なくとも1つのカメラぶれ指数(50)が前記閾値を下回る前に取得した前記第1の走査シーケンスの画像(30)と、前記第2の走査シーケンスの画像(30)とに基づいて行われる請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
3次元物体(2)の複数の画像(30)を取得するため前記3次元物体(2)を光学的走査する、三角測量角(θ)を有する歯科用携帯型3Dカメラ装置であって、
パターン(3)を前記物体(2)上に投影しながら取得した少なくとも2枚の前記物体(2)の画像(30)の商または差を決定することによって少なくとも1つの比較信号(45、46、47)を生成し、前記少なくとも1つの比較信号(45、46、47)を平均化することによって少なくとも1つのカメラぶれ指数(50)を決定するようになっているカメラぶれ分析ユニット(4)を含む歯科用携帯型3Dカメラ装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのパターン(3)を前記物体(2)上に投影しながら取得した前記物体(2)の少なくとも2枚の画像(30)により生成された走査シーケンスを記憶するようになっている画像メモリ(7)と、ここで、前記走査シーケンスは、前記少なくとも1つの比較信号(45、46、47)を生成して前記カメラぶれ指数(50)の計算に用いられる少なくとも1つの前記画像(30)を含み、
前記少なくともいくつかの走査シーケンスの画像(30)に基づいて少なくとも1つの3Dデータセット(10)を提供するようになっている画像処理ユニット(8)と、
をさらに含む請求項13に記載の装置。
【請求項15】
開始信号を開始させるよう動作可能なイニシエーター(5、55)をさらに含み、
これに応答し、かつ、所定の時間内で、前記メモリが前記走査シーケンスを記憶し、前記画像処理ユニット(8)が前記少なくとも1つの3Dデータセット(10)を提供し、
前記カメラぶれ分析ユニット(4)がさらに、前記所定の時間内に決定された前記少なくとも1つのカメラぶれ指数(50)の最小値を検出するようになっており、前記処理ユニット(8)が、前記少なくとも1つの3Dデータセット(10)を提供することによってかかる検出に応答する請求項13および請求項14に記載の装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−188119(P2010−188119A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−286064(P2009−286064)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(500058187)シロナ・デンタル・システムズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (32)
【Fターム(参考)】