説明

乾燥・炭化装置

【課題】乾燥室内に、上下方向に多段に横方向に延長する内部にスクリューコンベアが内蔵された筒体が設けられると共に、各筒体は端部が上または下の筒体の端部と交互に連通されて一本に形成され、前記スクリューコンベアは往路と復路が上下に交互になるよう配設され、端部の筒体に乾燥室外に通じる投入口が設けられると共に、他の端部の筒体に乾燥室外に通じる排出口が設けられる乾燥・炭化装置において、筒体内に発生する蒸気をスムーズに処理できるとともに、蒸気とともに発生するガスを効率よく燃料として引き出し、燃すとともにタンクに貯蔵することができる乾燥・炭化装置を提供する。
【解決手段】スクリューコンベア12の筒体6の上半分に水平排気管22を横引き管として筒体6の長さ方向に適宜間隔で取付け、この横引き管の先に垂直な縦引き管23を連結し、該縦引き管23の先端に横向きの下部集合管24を連結して、下部集合管24からガスを燃焼として取り出すものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水分の多い生ゴミ、汚水処理場の汚泥、鶏糞、おから等のような食品廃棄物等の被乾燥物を効果的に加熱し効率よく乾燥および炭化させることができ、しかも燃料として使用できるガスを取り出すことができる乾燥・炭化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生ゴミ分別機で分別されると共に、破砕された生ゴミについて言えば、従来の生ゴミの乾燥機は、乾燥室内に生ゴミを収容し、撹拌して乾燥させるか或いは乾燥室内を通過させて生ゴミを乾燥させていた。
【0003】
ところが、生ゴミは多量の水分を含有するため、生ゴミを固形化燃料等として利用する場合は、十分に乾燥させなければならない。
【0004】
しかし、長時間乾燥させるためには大きな乾燥室を必要とし、そのため設置スペースに問題点を有すると共に、燃料の消費量も多くなるのである。また、燃焼ガス中に含まれる有害物質が大気中に放出されることによる公害の発生という環境問題に関しても課題を有している。
【0005】
一方、生ゴミ以外のもので、汚水処理場の汚泥、鶏糞、おから等のような食品廃棄物では、乾燥機を使用しない場合は、例えば、天日に干したり、風乾燥させたりすることも行われているが、極めて効率が悪い。
【0006】
下記特許文献1は、生ゴミ分別機で分別されると共に、破砕された生ゴミを乾燥するための生ゴミ乾燥機である。
【特許文献1】特許第3595201号
【0007】
前記特許文献1の生ゴミ乾燥機は、図7に示すように、乾燥室2は、薄い長方形体であり、内部に多段(図面では8段)に横方向に延長した筒体6が水平に設けられ、この筒体6は端部が上または下の筒体6の端部に交互に連結部6Aにより連通されて一本に形成されている。
【0008】
そして、最上部の筒体6に乾燥室2外に通じる投入口7が設けられ、また最下部の筒体6に乾燥室2外に通じる排出口8が設けられている。
【0009】
図示は省略するが、投入口7の上方に生ゴミ投入管口より投入された生ゴミを筒体6に押し込むための押圧シリンダーが設けられている。また、排出口8の下方に搬送用のベルトコンベアが設けられている。
【0010】
各段の筒体6内に夫々スクリューコンベア12が内蔵され、各段のスクリューコンベア12は往路と復路が上下に交互になるよう配設されている。各スクリューコンベア12はモーター13の回転がチェーン14とスプロケット15による連動機構により伝達され、同一回転する。
【0011】
また、乾燥室2内の筒体6の周囲に耐熱性材料のガラスまたはセラミックス等の細粒体16が充填されている。
【0012】
また、筒体6の連結部6Aに筒体6内で発生した蒸気が送出される蒸気送出口17が設けられ、この蒸気送出口17に蒸気送出管の一端が連結され、各蒸気送出管の他端は一本にもとめられ、一次燃焼室の上部に設けた蒸気導入管に連結されている。
【0013】
このようにして、筒体6内の生ゴミは投入口7より押し込まれ、スクリューコンベア12により圧搾されながら搬送されるので、生ゴミ中に含まれる水分は筒体6内で分離される。
【0014】
そして、分離された水分は筒体6が受ける熱気で蒸気と化し、筒体6から送給手段により一次燃焼室に送り込まれ、一次燃焼室で気化される。
【0015】
前記特許文献1の生ゴミ乾燥機は、生ゴミが搬送される筒体が多段に設けられて端部が交互に上又は下の筒体の端部に連通されて一本に形成されるようにしたものであり、そのため、生ゴミは長距離搬送され、乾燥時間も長くなり、小さな乾燥室であっても十分な乾燥を受けることができ、設置スペースも小さくて済むものである。
【0016】
また、筒体は間接熱で熱せられることと、筒体の周囲が細粒体で充填されていることにより、熱による変形が防止され、耐久性が増大する。
【0017】
しかし、生ゴミでも含水率が数十%から高いものでは90%程度のものもあり、汚水処理場の汚泥、鶏糞、おから等のような食品廃棄物でも同様である。このような含水率高いものでは筒体6内に蒸気が大量に発生して燃焼効率が極めて悪くなる。いわば、蒸し焼き状態となるものであり、筒体6内での蒸気の発生で、筒体6内の温度が下がってしまい、被燃焼物をうまく炭化させることができないことになる。
【0018】
なお、前記特許文献1でも筒体6内で発生した蒸気の排出手段はある。これは、筒体6の連結部6Aに蒸気送出口17を設けたものであるが、このような連結部6Aからの筒体6内の蒸気の排出では十分な排出を行うことができない。
【0019】
けだし、筒体6内の被燃焼物からの蒸気の発生は、スクリューコンベア12に沿って長い範囲となり、筒体6の端部に連結する連結部6Aからの排出では不完全なものとなる。また、排出のために、吸引圧や送気圧をかけると風の流れを生じ、筒体6の温度上昇に支障をきたすことになる。
【0020】
その結果、筒体6は上下方向に多段に設けられ、端部が交互に上下に連通されて一本に形成されているため、長距離搬送され、乾燥時間も長くなり、小さな乾燥室であっても十分な乾燥を受けることができるが、その分バーナー燃焼のための燃料費が高騰する。
【0021】
また、筒体6内方に蒸気排出のための吸引管を配設することも考えられなくはないが、そのスペース分筒体6の径を大きく取らなければならず、装置全体が大型化してしまう。
【0022】
下記特許文献2は、このような不都合を解消するため、筒体内で被乾燥物から発生する蒸気を排出するように試みるものである。
【特許文献2】特開2010−101543号公報
【0023】
特許文献2は、図8に示すように、乾燥室2内に、上下方向に多段に横方向に延長する内部にスクリューコンベア12が内蔵された筒体6が設けられると共に、各筒体6は端部が上または下の筒体6の端部と交互に連通されて一本に形成され、前記スクリューコンベア12は往路と復路が上下に交互になるよう配設され、端部の筒体6に乾燥室2外に通じる投入口が設けられると共に、他の端部の筒体6に乾燥室2外に通じる排出口が設けられる乾燥・炭化装置においてスクリューコンベア12の筒体6の上半分に排気分岐管9を長さ方向に適宜間隔で取付け、これら排気分岐管9を筒体6にその長さ方向に併設する蛇行排気管10に接続したものである。
【0024】
図9に示すように、乾燥室2は二室接続ダクト27で脱臭処理室1と接続され、バーナーで乾燥室2の燃焼ガスを加熱して、ダイオキシンを分解する(800℃)。乾燥室2も脱臭処理室1も負圧(ブロアー吸引)をかけるが、3は吸引用のブロアーである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
前記特許文献2では、筒体6内で被乾燥物から発生する蒸気は筒体6の上半分に適宜間隔で取付けた排気分岐管9を介して蛇行排気管10に排出することができる。
【0026】
蛇行排気管10ではさらにガス化した蒸気等は、水蒸気の水分を消失させ、ガスのみを取り出すことができ、このガスはバーナー5または乾燥室2へのバーナー接続部(管)に送られ、再燃焼させることができる。
【0027】
しかし、この蛇行排気管10には、ガスを引く際、空気抵抗が大で、引っ張る量に限度がある。その結果、汚泥の処理が限られてしまう。
【0028】
特に、装置内での再燃焼という試みではなく、取り出したガスを燃料として利用するためガスタンクに貯蔵するには強く引く必要があり、前記蛇行排気管10では、接地場所を多く取り、また、横に這わせる距離がながく、蒸気とガスを引っ張るには抵抗が大きく、そのため、強く引っ張ると温度も同時に引っ張ることになり、一方、引っ張る力が弱いと蒸気とガスを引っ張らなくなってしまう。
【0029】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、乾燥室内に、上下方向に多段に横方向に延長する内部にスクリューコンベアが内蔵された筒体が設けられると共に、各筒体は端部が上または下の筒体の端部と交互に連通されて一本に形成され、前記スクリューコンベアは往路と復路が上下に交互になるよう配設され、端部の筒体に乾燥室外に通じる投入口が設けられると共に、他の端部の筒体に乾燥室外に通じる排出口が設けられる乾燥・炭化装置において、筒体内に発生する蒸気をスムーズに処理できるとともに、蒸気とともに発生するガスを効率よく燃料として引き出すことができる乾燥・炭化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0030】
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、スクリューコンベアの筒体の上半分に水平排気管を横引き管として筒体の長さ方向に適宜間隔で取付け、この横引き管の先に垂直な縦引き管を連結し、該縦引き管の先端に横向きの下部集合管を連結して、下部集合管からガスを取り出すことを要旨とするものである。
【0031】
請求項1記載の本発明によれば、筒体内の被乾燥物は投入口より押し込まれ、スクリューコンベアにより圧搾されながら搬送されるので、被乾燥物中に含まれる水分は筒体内で分離され、十分な乾燥を受け、かつ炭化される。生ゴミが搬送される筒体が多段に設けられて端部が交互に上又は下の筒体の端部に連通されて一本に形成されるようになっており、生ゴミは長距離搬送され、乾燥時間も長くなり、小さな乾燥室であっても十分な乾燥を受けることができる。
【0032】
一方、筒体が受ける熱気で筒体内で発生した蒸気・ガスは、スクリューコンベアの筒体の上半分に連結する横引き管を介して引き出され、かつ、この横引き管の先に連結する垂直な縦引き管を流下し、横向きの下部集合管を連結して下部集合管からガスを取り出すことができるので、蛇行することなく、水平および垂直にのみ移動し、抵抗なく引き出すことができる。これにより、蛇行排気管を使用する場合に比べて蒸気・ガス等の引っ張りを50%以上アップした。
【0033】
なお、横引き管の役割は、乾燥室内で加熱され、ここを通る蒸気やガスのうちの水蒸気の水分を消失させ、ガスのみを取り出すことができるようにするものである。
【0034】
これに加えて、前記横引き管は筒体の長さ方向に設けられるものであり、長い範囲で被乾燥物から発生する蒸気もまんべんなく取り、消失させることができる。
【0035】
請求項2記載の本発明は、水平排気管は加熱表面面積を確保するため角管としたことを要旨とするものである。
【0036】
請求項2記載の本発明によれば、水平排気管は加熱表面面積を確保するため角管としたので、乾燥室内で十分下からの熱を受け易く設定でき、効果的に水蒸気の水分を消失させることを実現できる。
【0037】
請求項3記載の本発明は、水平排気管と縦引き管の間に上部集合管を介在させることを要旨とするものである。
【0038】
請求項3記載の本発明によれば、水平排気管で引き出されるガスは上部集合管に集められ、ここから縦引き管で流下するので、特定の縦引き管に集中することなく、均等に縦引き管で引っ張ることができる。
【0039】
請求項4記載の本発明は、端部が上または下の筒体の端部と交互に連通されて一本に形成される各筒体は横並びで2列に配置されるものであり、これら左右に並ぶ筒体からの水平排気管、およびその先の縦引き管は、相対向させ、縦引き管の先は共通の下部集合管に連結させることを要旨とするものである。
【0040】
請求項4記載の本発明によれば、各筒体は横並びで2列に配置される場合に、筒体からの水平排気管、およびその先の縦引き管は、相対向させ、縦引き管の先は共通の下部集合管に連結させることで、これら筒体から蒸気、ガス、煙等を脱水処理室に引く際、左右の筒体を均等に空気の対流を惹起でき、その結果、バーナー燃焼による熱カロリーを左右の筒体に均等に伝えて、乾燥・炭化が完全に行われるようになるとともに、燃焼室で発生する蒸気、ガス、煙等の引っ張りもスムーズとなる。
【発明の効果】
【0041】
以上述べたように本発明の乾燥・炭化装置は、粘度が高い被燃焼物や固体を多く含む被燃焼物(一例としては、汚泥や鶏糞や食品廃棄物等)等であってもそれから発生する蒸気を効率よく除去して被燃焼物をうまく炭化させることができるものとして、乾燥室内に、上下方向に多段に横方向に延長する内部にスクリューコンベアが内蔵された筒体が設けられると共に、各筒体は端部が上または下の筒体の端部と交互に連通されて一本に形成され、前記スクリューコンベアは往路と復路が上下に交互になるよう配設され、端部の筒体に乾燥室外に通じる投入口が設けられると共に、他の端部の筒体に乾燥室外に通じる排出口が設けられる乾燥・炭化装置において、筒体内に発生する蒸気をスムーズに処理できるとともに、蒸気とともに発生するガスを効率よく燃料として引き出すとともにタンクに貯蔵することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の乾燥・炭化装置の1実施形態を示す縦断正面図、図2は同上側面図、図3は同上一部切り欠いた側面図、図4は平面図、図5は要部の模式説明図である。なお、図2ではスクリューコンベア12を内蔵する筒体の存在は省略してある。
【0043】
本発明の乾燥・炭化装置も基本的な構造は図7に示したものと同一であり、図6に示すように、乾燥室2は、燃焼用バーナー(図示せず)を付設した立長方形体の乾燥室で、内部に多段(図1では8段)に横方向に延長した筒体6が水平に設けられ、この筒体6は端部が上または下の筒体6の端部に交互に連結部6Aにより連通されて一本に形成されている。
【0044】
そして、最上部の筒体6に乾燥室2外に通じる投入口7が設けられ、また最下部の筒体6に乾燥室2外に通じる排出口8が設けられている。
【0045】
各段の筒体6内に夫々スクリューコンベア12が内蔵され、各段のスクリューコンベア12は往路と復路が上下に交互になるよう配設されている。
【0046】
また、乾燥室2内の筒体6の周囲に耐熱性材料のガラスまたはセラミックス等の細粒体(図7参照)が充填されている。
【0047】
さらに、本実施形態では、前記8段の横方向に延長した筒体6の縦の列は2組を乾燥室2内に左右に並べて設けた。
【0048】
各段の筒体6内には夫々スクリューコンベア12を内蔵している。図中12aはスクリュー軸、12bはスクリュー羽根である。
【0049】
本発明は、上下8段に並べた筒体6のうち、8個のすベて、もしくは下から数段分(図示では2段分)を除いて、ダクトである水平排気管22を横引き管として筒体の6上半分に接続した。この水平排気管22は筒体6の長さ方向に適宜間隔で取付けた。(図示では6個)
【0050】
さらに、この横引き管である水平排気管22の先に垂直な縦引き管23を連結して内部のガスを縦引きできるようにし、該縦引き管23の先端に横向きの下部集合管24を連結してここに集合させ、下部集合管24からガスを取り出すこととした。
【0051】
前記水平排気管22は加熱表面面積を確保するため断面横長矩形とする扁平な角管とし、それに応じて縦引き管23も角管とする。なお、この水平排気管22や縦引き管23は扁平なものであれば、楕円形のパイプによるものでもよい。
【0052】
前記下部集合管24は両端を閉塞させた集ガスダクト管であり、筒体6に平行の向きで設けられる。
【0053】
前記8段の横方向に延長した筒体6の縦の列は2組を乾燥室2内に左右に並べて設けられるが、水平排気管22は、これら対向する左右の筒体6の間で、各筒体6から相対向するように伸び、その先の縦引き管23も相互に並行して並ぶように相対向させ、これら縦引き管23、23の先は共通の下部集合管24に連結させる。これが大ルートである。
【0054】
また、筒体6の前記左右の筒体6の間で対向する水平排気管22と別に逆方向に延びる水平排気管22を設け、その先に直接縦引き管23を接続し、縦引き管23の先を下部集合管24に連結させる場合と、水平排気管22の先を上部集合管25に連結させ、この上部集合管25に適宜間隔で縦引き管23を設け、該縦引き管23の先端を下部集合管24に接続させる場合とを構築した。この下部集合管24は左右の筒体6にとって共通のものではない。これが第2ルートである。
【0055】
前記水平排気管22と縦引き管23の間に介在させる前記上部集合管25も両端を閉塞させた集ガスダクト管であり、筒体6に対して平行の向きで設けられる。
【0056】
前記左右の筒体6の共通の下部集合管24と共通でない下部集合管24とは相互に連結管26で連結し、ガスを共通の下部集合管24から共通でない下部集合管24に送り、さらに、共通でない下部集合管24には引抜配管19を接続する。
【0057】
該引抜配管19は、乾燥室2外へ導出し、この導出部分に中間ファン(図示せず)を配設するとともに導出部分の先はガス燃料貯蔵タンク(図示せず)などに接続する。導出部分に中間ファンを配設するのは乾燥室2内の熱を直接受けないためである。中間ファンに変えてブロアーを用いることもできる。
【0058】
また、引抜配管19はこれを一旦乾燥室2外へ導出し、この導出部分内に中間ファンを配設するとともに導出部分の先の排気口端は乾燥室2内に開口させるようにしてもよい。このガスをバーナー5または乾燥室2へのバーナー接続部(管)に送り、再燃焼させることも出来る。
【0059】
このようにして、生ゴミ、汚泥等の被乾燥物は投入口7より筒体6内に押し込まれ、スクリューコンベア12により搬送され、乾燥室2内で加熱(約650℃)される。
【0060】
次に、使用法および動作について説明する。乾燥室2はこれを単体として使用して、ガスを取り出すことができる。
【0061】
筒体6内の被乾燥物は投入口7より押し込まれ、スクリューコンベア12により圧搾されながら搬送されるので、被乾燥物中に含まれる水分及びガスは水蒸気として筒体6内で分離される。
【0062】
このように、筒体6は上下方向に多段に設けられ、端部が交互に上下に連通されて一本に形成されているため、被乾燥物は長距離搬送され、乾燥時間も長くなり、小さな乾燥室であっても十分な乾燥を受ける。
【0063】
そして、分離された水分及びガスは筒体6が受ける熱気で蒸気等のガス化し、水平排気管22から縦引き管23へと流下される。
【0064】
前記水平排気管22ではガス化した蒸気等は、水蒸気の水分を消失させ、ガスのみを取り出すことができ、このガスは縦引き管23を流下して下部集合管24に集められ、ここから燃料として取り出される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の乾燥・炭化装置の1実施形態を示す縦断正面図である。
【図2】本発明の乾燥・炭化装置の1実施形態を示す側面図である。
【図3】本発明の乾燥・炭化装置の1実施形態を示す一部切り欠いた側面図である。
【図4】本発明の乾燥・炭化装置の1実施形態を示す平面図である。
【図5】本発明の乾燥・炭化装置の1実施形態を示す要部の模式説明図である。
【図6】本発明の乾燥・炭化装置の1実施形態を示す縦断側面図である。
【図7】従来例である生ゴミ乾燥機の一実施の形態を示す部分縦断側面図である。
【図8】従来例を示す縦断正面図である。
【図9】従来例の全体の概要を示す説明図である。
【符号の説明】
【0066】
1…脱臭処理室 2…乾燥室
3…吸引用のブロアー 5…バーナー
6…筒体 6A…連結部
7…投入口 8…排出口
9…排気分岐管 10…蛇行排気管
12…スクリューコンベア 12a…スクリュー軸
12b…スクリュー羽根 13…モーター
14…チェーン 15…スプロケット
16…細粒体 17…蒸気送出口
18…給気配管 19…引抜配管
19a…導出部分 20…手動ダンパー
21…中間ファン 22…水平排気管
23…縦引き管 24…下部集合管
25…上部集合管 26…連結管
27…二室接続ダクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥室内に、上下方向に多段に横方向に延長する内部にスクリューコンベアが内蔵された筒体が設けられると共に、各筒体は端部が上または下の筒体の端部と交互に連通されて一本に形成され、前記スクリューコンベアは往路と復路が上下に交互になるよう配設され、端部の筒体に乾燥室外に通じる投入口が設けられると共に、他の端部の筒体に乾燥室外に通じる排出口が設けられる乾燥・炭化装置において、
スクリューコンベアの筒体の上半分に水平排気管を横引き管として筒体の長さ方向に適宜間隔で取付け、この横引き管の先に垂直な縦引き管を連結し、該縦引き管の先端に横向きの下部集合管を連結して、下部集合管からガスを燃料として取り出すことを特徴とする乾燥・炭化装置。
【請求項2】
水平排気管は加熱表面面積を確保するため角管とした請求項1記載の乾燥・炭化装置。
【請求項3】
水平排気管と縦引き管の間に上部集合管を介在させる請求項1または請求項2記載の乾燥・炭化装置。
【請求項4】
端部が上または下の筒体の端部と交互に連通されて一本に形成される各筒体は横並びで2列に配置されるものであり、これら左右に並ぶ筒体からの水平排気管、およびその先の縦引き管は、相対向させ、縦引き管の先は共通の下部集合管に連結させる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の乾燥・炭化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−87988(P2012−87988A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235127(P2010−235127)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(508189913)睦和興業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】