説明

二方弁

【課題】弁体に加わる半径方向の流体圧力を弁体の回転中心に対してバランスさせ、弁体と弁座との摩擦力を最小限に保持することにより、弁体を駆動するための消費電力及びバルブサイズの極小化を図る。
【解決手段】円筒状の弁体収容空間2、及び、半径方向に連通する複数の連通口18を具備するバルブボディ1と、バルブボディ1の複数の連通口18にそれぞれ連通可能な複数の弁口22を具備し、バルブボディ1の弁体収容空間2に収容された状態で駆動手段により回動され、バルブボディ1の複数の連通口18と複数の弁口22とがそれぞれ連通、または、非連通のいずれかに切り替えられる円筒状の弁体3と、流体流入口16及び流体流出口17を具備し、バルブボディ1を収容するケース4とを備え、バルブボディ1の外周面とケース4の内周面との間には全周にわたり均圧通路21が形成され、均圧通路21は流体流入口16又は流体流出口17と連通している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒状の弁体をもつ弁において、弁体を作動させる際の作動力を低減させた二方弁に関するものである。本発明の二方弁は、特に、車載用冷却水循環回路の冷却流体循環制御用封止弁に適しているが、その他、半導体事業、プラント事業、上下水道事業及び食品製造事業にも利用できる。
【背景技術】
【0002】
従来、形状が円筒、円錐の弁体をもつプラグ弁において、弁体の開閉時、弁体に作用する流体圧力は流体の流出入ポートの反対側に向かって押し付ける形で作用するため、弁体に加わる半径方向の流体圧力がアンバランスとなり、弁体と弁座との摩擦力が大きくなるという現象があった。特に、管内の圧力が大きくなるにつれて、弁体の開閉時、弁体を駆動する力が大きくなり、消費電力の増大やバルブサイズの大型化などの問題があった。例えば、駆動にソレノイドを使用する場合はソレノイドに高い駆動力が求められるため、ソレノイドは大型となり作動に必要な操作電力も増大する傾向があり、非効率的で大型となるという問題があった。
【0003】
図12は、車載用冷却水循環回路の冷却流体循環制御用封止弁において、弁体を駆動する力を小さくするため、弁体を回転させる際の摩擦を低減させるように工夫されたプラグ弁を示したものである(以下、「従来技術」という。特許文献1参照。)。
この従来技術においては、流入する流体を切頭円筒形の弁体100を回転させて複数の流出口に選択的に流出させるものであって、弁体100とケーシング102との間には、弁体100と一体的に回転し、流体のシールを行うためのシールリング101が弁体に装着されている。シールリング101には入口管103から流入する流体の半径方向外側へ向けた圧力が作用し、シールリング101はケーシング102内面に押し付けられる。シールリング101の外周面には、シールリング101とケーシング102との摩擦を低減させるため、ディンプル104が多数設けられ、従来の平滑面を持つシールリングの摩擦トルクに比べて、約1/3に減少させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2006−512547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来技術においては、摩擦トルクが減少され、ある程度、弁体を駆動する力を小さくすることができるが、弁体が半径方向外側へ片寄って押し付けられる構造であるため、例えば、管内の圧力が高圧(1〜10MPa)になると、相当程度の駆動トルクが要求されるもので、基本的な解決を得るには至っていない。
【0006】
本発明は、円筒状の弁体をもつ弁において、弁体に加わる半径方向の流体圧力を弁体の回転中心に対してバランスさせ、弁体と弁座との摩擦力を最小限に保持することにより、弁体を駆動するための消費電力及びバルブサイズの極小化を図った二方弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明の二方弁は、第1に、円筒状の弁体収容空間、及び、前記弁体収容空間に半径方向に連通する複数の連通口を具備するバルブボディと、
前記バルブボディの複数の連通口にそれぞれ連通可能な複数の弁口を具備し、前記バルブボディの弁体収容空間に収容された状態で駆動手段により回動され、前記バルブボディの複数の連通口と複数の弁口とがそれぞれ連通、または、非連通のいずれかに切り替えられる円筒状の弁体と、
流体流入口及び流体流出口を具備し、前記バルブボディを収容するケースとを備え、
前記バルブボディの外周面とケースの内周面との間には全周にわたり均圧通路が形成され、前記均圧通路は前記流体流入口又は流体流出口と連通しており、
バルブボディの複数の連通口と複数の弁口とがそれぞれ連通した状態では、流体が流体流入口から流体流出口に流れ、
バルブボディの複数の連通口と複数の弁口とがそれぞれ非連通の状態では、流体の圧力がバルブボディの複数の連通口を介して弁体の外周面に作用することを特徴としている。
【0008】
第1の特徴により、弁体に加わる半径方向の流体圧力を弁体の回転中心に対してバランスさせ、弁体と弁座との摩擦力を最小限に保持することにより、弁体を駆動するための消費電力及びバルブサイズの極小化を図ることができる。
また、均圧通路をバルブボディの外周面とケースの内周面との間隙を利用して全周に形成することができるから、連通口及び弁口の円周方向の位置及び数を柔軟に設定することができる。
【0009】
また、本発明の二方弁は、第2に、第1の特徴において、前記バルブボディの複数の連通口、及び、前記弁体の複数の弁口のそれぞれの開口面積を一定、円周方向の開口数をN(Nは2以上の整数)とした場合、前記連通口及び弁口は、360゜/Nの角度で設けられることを特徴としている。
第2の特徴により、連通口、及び、弁口の数を設計条件に応じて最適なものに選択することができる。
【0010】
また、本発明の二方弁は、第3に、第1又は第2の特徴において、前記弁体がカップ型であり、前記ケースの半径方向及び回転軸芯方向に流体の流入口又は流出口が設けられ、該カップ型弁体の底辺部に駆動軸が設けられるとともに該底辺部が前記バルブボディに支持されてスラスト荷重を受けるように配置され、該底辺部を貫通するように圧力抜き口が設けられることを特徴としている。
第3の特徴により、カップ型弁体の内面に作用する流体の圧力を圧力抜き口を通して底辺部の外側に導き、底辺部の外側から下方に向かう圧力を発生させて、弁体に作用する流体のスラスト荷重を減殺させることができる。
【0011】
また、本発明の二方弁は、第4に、円筒状の弁体収容空間、前記弁体収容空間に半径方向に連通する複数の連通口、及び、流体流入口及び流体流出口を具備するバルブボディと、
前記バルブボディの複数の連通口にそれぞれ連通可能な複数の弁口を具備し、前記バルブボディの弁体収容空間に収容された状態で駆動手段により回動され、前記バルブボディの複数の連通口と複数の弁口とがそれぞれ連通、または、非連通のいずれかに切り替えられる円筒状の弁体と、
前記バルブボディの連通口の1つは前記流体流入口又は流体流出口と直結し、他の連通口はバルブボディ内に形成された均圧通路により前記流体流入口又は流体流出口と連通され、
バルブボディの複数の連通口と複数の弁口とがそれぞれ連通した状態では、流体が流体流入口から流体流出口に流れ、
バルブボディの複数の連通口と複数の弁口とがそれぞれ非連通の状態では、流体の圧力がバルブボディの複数の連通口を介して弁体の外周面に作用することを特徴としている。
第4の特徴により、弁体に加わる半径方向の流体圧力を弁体の回転中心に対してバランスさせ、弁体と弁座との摩擦力を最小限に保持することにより、弁体を駆動するための消費電力及びバルブサイズの極小化を図ることができる
【0012】
また、本発明の二方弁は、第5に、第4の特徴において、前記均圧通路は、前記バルブボディの上面又は下面に沿って円弧状に設けられた深溝と、該深溝と前記流体流入口又は流体流出口とを結ぶ垂直孔及び該深溝と前記連通口とを結ぶ垂直孔により形成され、前記深溝は前記バルブボディの上面及び下面に装着されるフランジにより覆われる
ことを特徴としている。
第5の特徴により、均圧通路をバルブボディに比較的簡単に形成することができる。
【0013】
また、本発明の二方弁は、第6に、第4の特徴において、前記バルブボディを合成樹脂製とするとともに、前記弁体の外周面と接する部分に金属製の弁座を設けることを特徴としている。
第6の特徴により、二方弁の軽量化及び低コスト化を図ることができる。
また、本発明の二方弁は、第7に、第4又は6の特徴において、前記バルブボディを合成樹脂製とし、前記バルブボディの複数の連通口のうち、対向する連通口を連通させる前記均圧通路が、円筒状の弁体収容空間の周囲を円弧状に迂回するようにバルブボディ内に設けられるトンネル孔により形成されることを特徴としている。
第7の特徴により、均圧通路をOリング等によりシールすることが不要になる。
【0014】
また、本発明の二方弁は、第8に、第4ないし第7のいずれかの特徴において、前記バルブボディの複数の連通口、及び、前記弁体の複数の弁口のそれぞれの開口面積を一定、円周方向の開口数をN(Nは2以上の整数)とした場合、前記連通口及び弁口は、360゜/Nの角度で設けられることを特徴としている。
また、本発明の二方弁は、第9に、第4ないし第8のいずれかの特徴において、前記弁体がカップ型であり、前記ケースの半径方向又は回転軸芯方向に流体の流入口又は流出口が設けられ、該カップ型弁体の底辺部に駆動軸が設けられるとともに該底辺部が前記バルブボディに支持されてスラスト荷重を受けるように配置され、該底辺部を貫通するように圧力抜き口が設けられることを特徴としている。
【0015】
また、本発明の二方弁は、第10に、円筒状の弁体収容空間、及び、前記弁体収容空間に半径方向に連通する複数の連通口を具備するバルブボディと、
前記バルブボディの複数の連通口にそれぞれ連通可能な複数の弁口を具備し、前記バルブボディの弁体収容空間に収容された状態で駆動手段により上下動され、前記バルブボディの複数の連通口と複数の弁口とがそれぞれ連通、または、非連通のいずれかに切り替えられる円筒状の弁体と、
流体流入口及び流体流出口を具備し、前記バルブボディを収容するケースとを備え、
前記バルブボディの外周面とケースの内周面との間には全周にわたり均圧通路が形成され、前記均圧通路は前記流体流入口又は流体流出口と連通しており、
バルブボディの複数の連通口と複数の弁口とがそれぞれ連通した状態では、流体が流体流入口から流体流出口に流れ、
バルブボディの複数の連通口と複数の弁口とがそれぞれ非連通の状態では、流体の圧力がバルブボディの複数の連通口を介して弁体の外周面に作用することを特徴としている。
第9の特徴により、弁体に加わる半径方向の流体圧力を弁体の回転中心に対してバランスさせ、弁体と弁座との摩擦力を最小限に保持することにより、弁体を駆動するための消費電力及びバルブサイズの極小化を図ることができる。
また、均圧通路をバルブボディの外周面とケースの内周面との間隙を利用して全周に形成することができるから、連通口及び弁口の円周方向の位置及び数を柔軟に設定することができる。
さらに、弁体を上下にわずかな距離だけ移動させることで弁体の開閉を切り替えることができるため、ソレノイドとして直動型を採用することができるとともに、駆動力も回転型に比較して小さくするできる。
【0016】
また、本発明の二方弁は、第11に、第10の特徴において、前記バルブボディの複数の連通口、及び、前記弁体の複数の弁口のそれぞれの開口面積を一定、円周方向の開口数をN(Nは2以上の整数)とした場合、前記連通口及び弁口は、360゜/Nの角度で設けられることを特徴としている。
また、本発明の二方弁は、第12に、第10又は第11の特徴において、前記弁体がカップ型であり、前記ケースの半径方向及び回転軸芯方向に流体の流入口又は流出口が設けられ、該カップ型弁体の底辺部に駆動軸が設けられるとともに該底辺部が前記バルブボディに支持されてスラスト荷重を受けるように配置され、該底辺部を貫通するように圧力抜き口が設けられることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、以下のような優れた効果を奏する。
(1)第1、第4及び第10の特徴により、弁体に加わる半径方向の流体圧力を弁体の回転中心に対してバランスさせ、弁体と弁座との摩擦力を最小限に保持することにより、弁体を駆動するための消費電力及びバルブサイズの極小化を図ることができる。
(2)第1及び第10の特徴により、均圧通路をバルブボディの外周面とケースの内周面との間隙を利用して全周に形成することができるから、連通口及び弁口の円周方向の位置及び数を柔軟に設定することができる。
【0018】
(3)第2、第8及び第11の特徴により、連通口、及び、弁口の数を設計条件に応じて最適なものに選択することができる。
(4)第3、第9及び第12の特徴により、カップ型弁体の内面に作用する流体の圧力を圧力抜き口を通して底辺部の外側に導き、底辺部の外側から下方に向かう圧力を発生させて、弁体に作用する流体のスラスト荷重を減殺させることができる。
(5)第5の特徴より、均圧通路をバルブボディに比較的簡単に形成することができる。
(6)第6の特徴より、二方弁の軽量化及び低コスト化を図ることができる。
(7)第7の特徴より、均圧通路をOリング等によりシールすることが不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1に係る二方弁の要部を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る二方弁の全体構成を示す正面断面図である。
【図3】(a)は、図2のA−A断面図、(b)は、弁体の閉時の状態を示す平面断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1の変形例を示す平面断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る二方弁の要部を示す図であって、(a)は正面断面図、(b)は、(a)のA−A断面図、(c)は、弁体の閉時の状態を示す平面断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2の変形例を示す平面断面図である。
【図7】本発明の実施の形態2の他の変形例を示す図であって、(a)は正面断面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は弁体が回転した閉時の状態を示す図である。
【図8】(a)は、図7(a)のB−B断面図、(b)は図7(a)のC−C断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2の他の変形例を示す図であって、(a)は正面断面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る二方弁の要部を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る二方弁の全体構成を示す正面断面図である。
【図12】従来技術を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る二方弁を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加えうるものである。
【0021】
〔実施の形態1〕
図1は、実施の形態1に係る二方弁の要部を示す斜視図であり、図2は、実施の形態1に係る二方弁の全体構成を示す正面断面図であり、また、図3(a)は、図2のA−A断面図、図3(b)は、図3(a)の弁体の閉時の状態を示す平面断面図である。
【0022】
まず、図1及び2に基づいて全体の構成を説明する。
二方弁は、主として、バルブボディ1と、該バルブボディ1内の円筒状の弁体収容空間2内に配置されるカップ型の弁体3と、バルブボディ1を密封状態に収容支持するケース4と、弁体3を回動するソレノイド5から構成されている。バルブボディ1とケース4との上側の当接面にはOリング6が、また、下側の当接面にはOリング7が配設され、両部材の間での流体の漏れを防止している。カップ型の弁体3は、底辺部8が上側に、開口部9が下側になるように倒立状に配置され、底辺部8には回転軸10が一体的に設けられ、該回転軸10はソレノイド5の駆動軸11とピン12及ノブ13を介して連結される。回転軸10とバルブボディ1との間にはOリング14が配設され、両部材の間をシールしている。また、弁体3の底辺部8とバルブボディ1との間には摺動リング15が配設され、弁体3のスラスト荷重を受けるようになっている。
なお、弁体3の回転駆動をマグネットカップリング方式あるいはラックアンドピニオンで行うことも可能である。
【0023】
図1及び2において、ケース4の右側に流体流入口16が、また、下側に流体流出口17が設けられ、バルブボディ1には、図3に示すように、弁体収容空間2に半径方向に連通する4つの連通口18が円周方向に90゜の等間隔で設けられている。連通口18の断面形状は特に限定されないが、実施の形態1においては、図1に示されるように、上下に長い長方形をし、すべて同一開口面積に形成されている。この4つの連通口18のうち、1つは、ケース4の流体流入口16に直結する位置に配置されている。バルブボディ1の外周面19とケース4の内周面20との間には全周にわたり断面形状が上下に長い長方形の均圧通路21が形成され、該均圧通路21はすべての連通口18を覆うようにして前記流体流入口16と連通している。
【0024】
カップ型の弁体3の側壁には、半径方向に貫通する4つの弁口22が円周方向に90゜の等間隔で設けられている。弁口22の断面形状は特に限定されないが、実施の形態1においては、図1に示されるように、上下に長い長方形をし、すべて同一開口面積に形成されている。弁口22の開口面積は、バルブボディ1の連通口18の開口面積と同じである必要はないが、ほぼ同一かやや小さめに設定される。弁体3の開口部9はケース4の流体流出口17に臨んだ状態になっている。
図3(a)は、バルブボディの複数の連通口18と複数の弁口22とがそれぞれ連通した開の状態にあり、流体が流体流入口16から均圧通路21、複数の連通口18及び弁口22を介して流体流出口17に流れる。図3(b)は、バルブボディの複数の連通口18と複数の弁口22とがそれぞれ非連通の閉の状態にあり、流体流入口16から均圧通路21及び複数の連通口18に流れ込んだ流体は、弁体3の外周面に均等に圧力をかける。この際、弁体3の外周面に作用する半径方向の流体圧力は、弁体3の回転中心に対してバランスし、従来の弁装置におけるような片当たりではないため、弁体3を回転駆動する駆動力を最小化することができる。
【0025】
このように、バルブボディの複数の連通口18は、開時には流体の通路となり、閉時には流体の圧力を弁体3の外周面に均等にかける均圧口としての役割を果たすものある。また、同様に、均圧通路21は、流体流入口16と複数の連通口18とを連結し、開時には流体の通路となり、閉時には流体流入口の圧力を複数の連通口18に伝搬する役割を果たすものである。すなわち、4つの連通口18のうち、流体流入口16に直結する連通口18−1は流体の流入口として必須のものであり、他の3つは、本来的には均圧口としての役割のため設けられるが、それのみにとどまらず、流体の流入口としての役割も兼用させている。
【0026】
カップ型弁体3の底辺部8には、底辺部8を軸心方向に貫通する圧力抜き口23が円周方向に適宜の数設けられている。弁体3の内面に作用する流体の圧力は、圧力抜き口23を通して底辺部8の外側に導かれ、底辺部8の外側から下方に向かう圧力を発生させて、弁体3に作用する流体のスラスト荷重を減殺させる。
【0027】
上記した例では、バルブボディ1の4つの連通口18及び弁体3の4つの弁口22を、それぞれ、すべて同一の開口面積にし、円周方向に90°間隔に設けているが、4つに限らず、任意の数N(Nは2以上の整数)個とし、360°/Nの角度で設ければよい。
また、連通口18は、同一の開口面積にしたり、又は、円周方向に等間隔に設ける必要はなく、要するに、弁体3の外周面に作用する半径方向の流体圧力が、弁体3の回転中心に対してバランスするものであればよい。
さらに、上記した例では、連通孔18及び弁口22の軸方向(上下方向)の位置について同じ高さにしているが、異なってもよい。
さらにまた、本発明は、流体流入口16と流体流出口17が逆でもよく、また、流体流入口16及び流体流出口17の双方が弁体3の回転中心に直交する方向に設けられても適用できる。
【0028】
図4は、実施の形態1の変形例を示す平面断面図であり、図1ないし3に示した二方弁と相違するのは、バルブボディ1の4つの連通口18が円周方向に45°ずれて配設されている点である。
図4の例では、流体流入口16に近い左右の連通口18でも、流体流入口16から円周方向に45°ずれているため、流体流入口16からストレートに連通口18に流れ込む成分はなく、少なくとも45°の円周長さ分だけ均圧通路21を回り込んで流れ込むようになっている。
このため、特に、開時における流体の動圧による弁体に作用する力は入り口近傍で局所的に高くなるようなことはなく、全周において均一化されたものとなる。これに伴い、弁体の開から閉への駆動力も低減される。
【0029】
〔実施の形態2〕
図5は、実施の形態2に係る二方弁の要部を示す図であって、(a)は正面断面図、(b)は、図5(a)のA−A断面図、(c)は、図5(b)の弁体の閉時の状態を示す平面断面図である。
実施の形態2に係る二方弁は、主として、バルブボディ31と、該バルブボディ1内の円筒状の弁体収容空間32内に配置されるカップ型の弁体33と、バルブボディ31の上面に装着される上方フランジ34、弁体3を回動するソレノイド(図示せず)から構成されている。カップ型の弁体33は、底辺部36が上側に、開口部37が下側になるように配置され、底辺部36には回転軸38が一体的に設けられ、ソレノイドにより回動駆動される。回転軸38と上方フランジ34との間にはOリング39が配設され、両部材の間をシールしている。また、弁体33の底辺部36とバルブボディ31との間には摺動リング40が配設され、弁体33の回転軸方向のスラスト荷重を受けるようになっている。
【0030】
図5において、バルブボディ31の右側に流体流入口41が、また、下側に流体流出口42が設けられ、さらに、弁体収容空間32に半径方向に連通する2つの連通口43−1、43−2が円周方向に180゜間隔で設けられている。連通口43の断面形状は特に限定されないが、実施の形態2においては、円形をなし、開口面積は同一に形成されている。この2つの連通口のうち、第1連通口43−1は、バルブボディ31の流体流入口41に直結する位置に配置されている。そして、バルブボディ31の流体流入口41と第2連通口43−2とを連通させるため、均圧通路44が設けられる。この均圧通路44は、バルブボディ31の上面に沿って円弧状に設けられた深溝45と、流体流入口41と深溝45とを結ぶ垂直孔46と、第2連通口43−2と深溝45とを結ぶ垂直孔47とにより形成され、前記深溝45は上方フランジ34により覆われる。本例では、深溝45は全周にわたって設けられているが、これに限らず、半円であってもよく、要は、流体流入口41と第2連通口43−2とが連通される構成であればよい。深溝45の両側には、Oリング48、49が配設され、深溝45を流れる流体をシールしている。
【0031】
カップ型の弁体3の側壁には、半径方向に貫通する2つの弁口50が円周方向に180゜の間隔で設けられている。弁口50の断面形状は特に限定されないが、実施の形態2においては、円形をなし、同一開口面積に形成されている。弁口50の開口面積は、バルブボディ31の連通口43の開口面積と同じである必要はなく、例えば、ほぼ同一かやや小さめに設定される。弁体33の開口部37はバルブボディ31の流体流出口42に臨んだ状態になっている。
図5(a)(b)は、バルブボディ31の2つの連通口43と2つの弁口50とがそれぞれ連通した開の状態にあり、流体は、流体流入口41から第1連通口43−1及び弁口50を介して流体流出口42に流れるルートと、流体流入口41から垂直孔46、両側の円弧状の深溝45、垂直孔47、第2連通口43−2及び弁口50を介して流体流出口42に流れるルートとの2つのルートで流れる。
図5(c)は、バルブボディ31の2つの連通口43と2つの弁口50とがそれぞれ非連通の閉の状態にあり、流体流入口41から第1及び第2の連通口43−1、43−2に流れ込んだ流体は、弁体33の外周面に圧力をかける。この際、弁体33の外周面に作用する半径方向の流体圧力は、弁体33の回転中心に対してバランスし、従来の弁装置におけるような片当たりではないため、弁体33を回転駆動する駆動力を最小化することができる。
【0032】
このように、バルブボディ31の2つの連通口43は、開時には流体の通路となり、閉時には流体の圧力を弁体33の外周面に均等にかける均圧口としての役割を果たすものある。また、同様に、均圧通路44は、流体流入口41と第2連通口43−2とを連結し、開時には流体の通路となり、閉時には流体流入口41の圧力を第2連通口43−2に伝搬する役割を果たすものである。すなわち、2つの連通口のうち、流体流入口41に直結する第1連通口43−1は流体の流入口として必須のものであり、第2連通口は、本来的には均圧口としての役割のため設けられるが、それのみにとどまらず、流体の流入口としての役割も兼用している。
【0033】
カップ型弁体33の底辺部36には、底片部36を軸心方向に貫通する圧力抜き口51が円周方向に適宜の数設けられている。弁体33の内面に作用する流体の圧力は、圧力抜き口51を通して底辺部36の外側に導かれ、底辺部36の外側から下方に向かう圧力を発生させて、弁体33に作用する流体のスラスト荷重を減殺させる。
【0034】
上記した例では、バルブボディ31の2つの連通口43−1、43−2及び弁体33の2つの弁口50を、それぞれ、同一の開口面積にし、円周方向に180°間隔に設けているが、2つに限らず、任意の数N(Nは2以上の整数)個とし、360°/Nの角度で設ければよい。
また、連通口43は、同一の開口面積にしたり、又は、円周方向に等間隔に設ける必要はなく、要するに、弁体33の外周面に作用する半径方向の流体圧力が、弁体33の回転中心に対してバランスするものであればよい。
さらに、上記した例では、連通孔18及び弁口22の軸方向(上下方向)の位置について同じ高さにしているが、異なってもよい。
さらにまた、図4の例と同様に、バルブボディ1の2つの連通口43−1、43−2を円周方向に、例えば90°ずらして配設し、流体流入口41から90°の円周長さ分だけ均圧通路44を回り込んで流れ込むようにすると、弁体の駆動力をさらに低減できる。
また、垂直孔46及び垂直孔47のそれぞれを複数設けたり、あるいは、1つの開口面積を大きくすることにより、弁体に対する圧力バランスの応答性をよくすることもできる。
【0035】
図6は、実施の形態2の変形例を示す平面断面図であり、図5に示した二方弁と相違するのは、バルブボディ31の連通口43及び弁口50を3つにし、円周方向に120゜の等間隔で配設した点である。
図6の例では、均圧通路44の深溝45は、全周に設けられ、第2及び第3の連通口43−2、43−3はそれぞれ垂直孔47、47を介して、深溝45に連通される。
連通口43が円周方向に120゜の等間隔で配設されているため、弁体33の外周面に作用する半径方向の流体圧力が、弁体33の回転中心に対して一層バランスよく作用する。
【0036】
図7及び図8は、実施の形態2の他の変形例を示す図であって、図7(a)は正面断面図、図7(b)は(a)のA−A断面図、図7(c)は弁体の閉時を示す図であり、図5に示した二方弁と相違するのは、流体流出口42が流体流入口41と同じく、弁体の回転軸に対して直交する面に配設されている点である。図8(a)は、図7(a)のB−B断面図、図8(b)は図7(a)のC−C断面図である。図7及び図8において、図5と同じ符号は図5と同じ部材を示しており、詳しい説明は省略する。
【0037】
図7(a)において、バルブボディ31’の右側に流体流入口41が、また、奥側に流体流出口42が設けられ、さらに、弁体収容空間32に半径方向に連通する4つの連通口43−1、43−2、43−3、43−4が円周方向に90゜の等間隔で設けられている。これら4つの連通口43の断面形状は特に限定されないが、本例においては、円形をなし、開口面積は同一に形成されている。この4つの連通口のうち、第1の連通口43−1は、バルブボディ31’の流体流入口41に直結する位置に、また、第2の連通口43−2は、バルブボディ31’の流体流出口42に直結する位置に配置されている。本例では、第3及び第4の連通口43−3、43−4は、バルブボディ31’の外周面から半径方向に穿設された穴を連通口43−3、43−4を残してメクラ栓52で閉塞する形で形成されているが、図5の場合と同様に、内側から円形の穴を穿設して形成してもよい。
【0038】
図7(a)及び図8に示すように、流体流入口41と第3の連通口43−3、及び、流体流出口42と第4の連通口43−4とを連通させるため、それぞれ、バルブボディ31’の上面に上側均圧通路44−1が、また、バルブボディ31’の下面に下側均圧通路44−2の2つの均圧通路44が独立して設けられる。上側均圧通路44−1は、バルブボディ31’の上面に沿って円弧状に設けられた深溝45−1、該深溝45−1と流体流入口41を結ぶ垂直孔46−1及び深溝45−1と第3の連通口43−3とを結ぶ垂直孔47−1により形成され、また、下側均圧通路44−2は、バルブボディ31’の下面に沿って円弧状に設けられた深溝45−2、該深溝45−2と流体流出口42とを結ぶ垂直孔46−2及び深溝45−2と第4の連通口43−4とを結ぶ垂直孔47−2により形成され、前記深溝45−1は上方フランジ34により、深溝45−2は下方フランジ35により覆われる。本例では、深溝45−1及び45−2は、それぞれ、全周にわたって設けられているが、これに限らず、半円であってもよく、要は、流体流入口41と第3の連通口43−3、流体流出口42と第4の連通口43−4とが連通されればよい。深溝45−1及び45−2の両側には、Oリング48、49が配設され、深溝を流れる流体をシールしている。
【0039】
カップ型の弁体33’の側壁には、半径方向に貫通する2つの弁口50が円周方向に90゜の等間隔で設けられている。弁口50の断面形状は特に限定されないが、本例においては、円形をなし、同一開口面積に形成されている。弁口50の開口面積は、バルブボディ31の連通口43の開口面積と同じである必要はなく、例えば、ほぼ同一かやや小さめに設定される。
図7(a)(b)は、バルブボディ31’の第1及び第2の連通口43−1、43−2と2つの弁口50とがそれぞれ連通した開の状態にあり、流体は、流体流入口41から第1の連通口43−1、弁口50及び第2の連通口43−2を介して流体流出口42に流れる。また、流体流入口41から第3の連通口43−3、あるいは、流体流出口42から第4の連通口43−4に流れた流体が弁体33’外周面に圧力をかける。
図7(c)は、バルブボディ31’の第1及び第2の連通口43−1、43−2と2つの弁口46とがそれぞれ非連通の閉の状態にあり、流体流入口41から第1の連通口43−1及び第3の連通口43−3、あるいは、流体流出口42から第2の連通口43−2及び第4の連通口43−4に流れた流体が弁体33’外周面に圧力をかける。
この際、弁体33’の外周面に作用する半径方向の流体圧力は、弁体33’の回転中心に対してバランスし、従来の弁装置におけるような片当たりではないため、弁体33を回転駆動する駆動力を最小化することができる。
【0040】
図9は、実施の形態2の他の変形例を示す図であって、(a)は正面断面図、(b)は(a)のA−A断面図である。図9において、図5と同じ符号は図5と同じ部材を示しており、詳しい説明は省略する。
【0041】
図9の例では、バルブボディ31を合成樹脂製とするとともに、前記弁体33の外周面と接する部分に金属製の弁座53を設けている。
また、図9において、弁体収容空間32に半径方向に連通する2つの連通口43−1、43−2とを連通させるための均圧通路44は、バルブボディ31内に設けられるものであって、円筒状の弁体収容空間32の周囲を円弧状に迂回するように第1連通口43−1と第2連通口43−2とを左右から連通させる2つのトンネル孔57、57により形成される。
なお、トンネル孔は、2つのうちのいずれか一方でもよい。
本例においては、バルブボディ31を合成樹脂製とすることにより、二方弁の軽量化及び低コスト化を図ることができる。また、対向する連通口43−1及び43−2を連通させる均圧通路44をトンネル孔方式により形成することにより、Oリング等のシール手段が不要になる。
【0042】
〔実施の形態3〕
図10は、実施の形態3に係る二方弁の要部を示す斜視図であり、図11は、実施の形態3に係る二方弁の全体構成を示す正面断面図である。
実施の形態1に係る二方弁は弁体が回動することにより流路を開閉する構成であるのに対し、実施の形態3に係る二方弁では、弁体が上下動することにより流路を開閉する構成としている点で実施の形態1と相違する。図10及び11において、図1乃至3と同じ符号は図1乃至3と同じ部材を示しており、詳しい説明は省略する。
【0043】
まず、図10及び11に基づいて全体の構成を説明する。
実施の形態3に係る二方弁は、主として、バルブボディ1と、該バルブボディ1内の円筒状の弁体収容空間2内に配置されるカップ型の弁体3と、バルブボディ1を密封状態に収容支持するケース4と、弁体3を上下動するソレノイド5’から構成されている。バルブボディ1とケース4との上側の当接面にはOリング6が、また、下側の当接面にはOリング7が配設され、両部材の間での流体の漏れを防止している。カップ型の弁体3は、底辺部8が上側に、開口部9が下側になるように配置され、底辺部8には上下動軸10’が一体的に設けられ、ソレノイド5’の駆動軸11’とはピン12、12及ノブ13を介して連結されている。上下動軸10’とバルブボディ1との間にはOリング14が配設され、両部材の間をシールしている。
【0044】
図10及び11において、ケース4の右側に流体流入口16が、また、下側に流体流出口17が設けられ、バルブボディ1には、弁体収容空間2に半径方向に連通する8列の連通口55が円周方向に45゜の等間隔で設けられている。各列の連通口55は、例えば、上下方向に複数、本例では3個、間隔を置いて設けられる。連通口55の断面形状は特に限定されないが、本例においては、上下方向に間隔を設ける都合上、横に長い長方形をなし、すべて同一開口面積に形成されている。これら8列の連通口55のうち、1つは、ケース4の流体流入口16に直結する位置に配置されている。図11に示されるように、バルブボディ1の外周面19とケース4の内周面20との間には全周にわたり断面形状が縦長の均圧通路21が形成され、前記均圧通路21は前記流体流入口16と連通している。
【0045】
カップ型の弁体3の側壁には、半径方向に貫通する8列の弁口56が円周方向に45゜の等間隔で設けられている。弁口56の断面形状は特に限定されないが、本例においては、連通口55と同様に、横に長い長方形をなし、すべて同一開口面積に形成されている。弁口56の開口面積は、バルブボディ1の連通口55の開口面積と同じである必要はないが、ほぼ同一かやや小さめに設定される。弁体3の開口部9はケース4の流体流出口17に臨んだ状態になっている。
図11では、バルブボディ1の各列の連通口55と各列の弁口56とがそれぞれ連通した開の状態にあり、流体が流体流入口16から均圧通路21、連通口55及び弁口56を介して流体流出口17に流れる。
図11において、弁体3がソレノイド5’により所定距離下方に移動されると、各列の連通口55と各列の弁口56とがそれぞれ非連通の閉の状態になり、流体流入口16から均圧通路21及び各列の連通口55に流れ込んだ流体は、弁体3の外周面に圧力をかける。この際、弁体3の外周面に作用する半径方向の流体圧力は、弁体3の軸芯に対してバランスし、従来の弁装置におけるような片当たりではないため、弁体3を上下に駆動する駆動力を最小化することができる。
【0046】
このように、バルブボディ1の各列の連通口55は、開時には流体の通路となり、閉時には流体の圧力を弁体3の外周面に均等にかける均圧口としての役割を果たすものある。また、同様に、均圧通路21は、流体流入口16と連通口55とを連結し、開時には流体の通路となり、閉時には流体流入口16の圧力を連通口55に伝搬する役割を果たすものである。すなわち、8列の連通口55のうち、流体流入口16に直結する連通口55−1は流体の流入口として必須のものであり、他の7列は、本来的には均圧口としての役割のため設けられるが、それのみにとどまらず、流体の流入口としての役割も兼用している。
【0047】
上記した例では、バルブボディ1の8列の連通口55及び弁体3の8列の弁口56を、それぞれ、すべて同一の開口面積にし、円周方向に45°の間隔に設けているが、8列にに限らず、任意の数N(Nは2以上の整数)個とし、360°/Nの角度で設ければよい。
また、連通口55は、同一の開口面積にしたり、又は、円周方向に等間隔に設ける必要はなく、要するに、弁体3の外周面に作用する半径方向の流体圧力が、弁体3の軸芯に対してバランスするものであればよい。
さらに、上記した例では、連通孔18及び弁口22の軸方向(上下方向)の位置について同じ高さにしているが、異なってもよい。
さらにまた、本発明は、流体流入口16と流体流出口17が逆でもよく、また、流体流入口16及び流体流出口17の双方が弁体3の軸芯に直交する方向に設けられても適用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 バルブボディ
2 弁体収容空間
3 弁体
4 ケース
5、5’ ソレノイド
6 Oリング
7 Oリング
8 底辺部
9 開口部
10、10’ 回転軸
11、11’ 駆動軸
12 ピン
13 ノブ
14 Oリング
15 摺動リング
16 流体流入口
17 流体流出口
18 連通口
19 バルブボディの外周面
20 バルブボディの内周面
21 均圧通路
22 弁口
23 圧力抜き口
31、31’ バルブボディ
32 弁体収容空間
33、33’ 弁体
34 上方フランジ
35 下方フランジ
36 底辺部
37 開口部
38 回転軸
39 Oリング
40 摺動リング
41 流体流入口
42 流体流出口
43 連通口
44 均圧通路
45 深溝
46 垂直孔
47 垂直孔
48 Oリング
49 Oリング
50 弁口
51 圧力抜き口
52 メクラ栓
53 弁座
55 連通口
56 弁口
57 トンネル孔

























【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の弁体収容空間、及び、前記弁体収容空間に半径方向に連通する複数の連通口を具備するバルブボディと、
前記バルブボディの複数の連通口にそれぞれ連通可能な複数の弁口を具備し、前記バルブボディの弁体収容空間に収容された状態で駆動手段により回動され、前記バルブボディの複数の連通口と複数の弁口とがそれぞれ連通、または、非連通のいずれかに切り替えられる円筒状の弁体と、
流体流入口及び流体流出口を具備し、前記バルブボディを収容するケースとを備え、
前記バルブボディの外周面とケースの内周面との間には全周にわたり均圧通路が形成され、前記均圧通路は前記流体流入口又は流体流出口と連通しており、
バルブボディの複数の連通口と複数の弁口とがそれぞれ連通した状態では、流体が流体流入口から流体流出口に流れ、
バルブボディの複数の連通口と複数の弁口とがそれぞれ非連通の状態では、流体の圧力がバルブボディの複数の連通口を介して弁体の外周面に作用することを特徴とする二方弁。
【請求項2】
前記バルブボディの複数の連通口、及び、前記弁体の複数の弁口のそれぞれの開口面積を一定、円周方向の開口数をN(Nは2以上の整数)とした場合、前記連通口及び弁口は、360゜/Nの角度で設けられることを特徴とする請求項1記載の二方弁。
【請求項3】
前記弁体がカップ型であり、前記ケースの半径方向及び回転軸芯方向に流体の流入口又は流出口が設けられ、該カップ型弁体の底辺部に駆動軸が設けられるとともに該底辺部が前記バルブボディに支持されてスラスト荷重を受けるように配置され、該底辺部を貫通するように圧力抜き口が設けられることを特徴とする請求項1又は2記載の二方弁。
【請求項4】
円筒状の弁体収容空間、前記弁体収容空間に半径方向に連通する複数の連通口、及び、流体流入口及び流体流出口を具備するバルブボディと、
前記バルブボディの複数の連通口にそれぞれ連通可能な複数の弁口を具備し、前記バルブボディの弁体収容空間に収容された状態で駆動手段により回動され、前記バルブボディの複数の連通口と複数の弁口とがそれぞれ連通、または、非連通のいずれかに切り替えられる円筒状の弁体と、
前記バルブボディの連通口の1つは前記流体流入口又は流体流出口と直結し、他の連通口はバルブボディ内に形成された均圧通路により前記流体流入口又は流体流出口と連通され、
バルブボディの複数の連通口と複数の弁口とがそれぞれ連通した状態では、流体が流体流入口から流体流出口に流れ、
バルブボディの複数の連通口と複数の弁口とがそれぞれ非連通の状態では、流体の圧力がバルブボディの複数の連通口を介して弁体の外周面に作用することを特徴とする二方弁。
【請求項5】
前記均圧通路は、前記バルブボディの上面又は下面に沿って円弧状に設けられた深溝と、該深溝と前記流体流入口又は流体流出口とを結ぶ垂直孔及び該深溝と前記連通口とを結ぶ垂直孔により形成され、前記深溝は前記バルブボディの上面及び下面に装着されるフランジにより覆われることを特徴とする請求項4記載の二方弁。
【請求項6】
前記バルブボディを合成樹脂製とし、前記弁体の外周面と接する部分に金属製の弁座を設けることを特徴とする請求項4記載の二方弁。
【請求項7】
前記バルブボディを合成樹脂製とし、前記バルブボディの複数の連通口のうち、対向する連通口を連通させる前記均圧通路が、円筒状の弁体収容空間の周囲を円弧状に迂回するようにバルブボディ内に設けられるトンネル孔により形成されることを特徴とする請求項4又は6記載の二方弁。
【請求項8】
前記バルブボディの複数の連通口、及び、前記弁体の複数の弁口のそれぞれの開口面積を一定、円周方向の開口数をN(Nは2以上の整数)とした場合、前記連通口及び弁口は、360゜/Nの角度で設けられることを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1項に記載の二方弁。
【請求項9】
前記弁体がカップ型であり、前記ケースの半径方向又は回転軸芯方向に流体の流入口又は流出口が設けられ、該カップ型弁体の底辺部に駆動軸が設けられるとともに該底辺部が前記バルブボディに支持されてスラスト荷重を受けるように配置され、該底辺部を貫通するように圧力抜き口が設けられることを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項に記載の二方弁。
【請求項10】
円筒状の弁体収容空間、及び、前記弁体収容空間に半径方向に連通する複数の連通口を具備するバルブボディと、
前記バルブボディの複数の連通口にそれぞれ連通可能な複数の弁口を具備し、前記バルブボディの弁体収容空間に収容された状態で駆動手段により上下動され、前記バルブボディの複数の連通口と複数の弁口とがそれぞれ連通、または、非連通のいずれかに切り替えられる円筒状の弁体と、
流体流入口及び流体流出口を具備し、前記バルブボディを収容するケースとを備え、
前記バルブボディの外周面とケースの内周面との間には全周にわたり均圧通路が形成され、前記均圧通路は前記流体流入口又は流体流出口と連通しており、
バルブボディの複数の連通口と複数の弁口とがそれぞれ連通した状態では、流体が流体流入口から流体流出口に流れ、
バルブボディの複数の連通口と複数の弁口とがそれぞれ非連通の状態では、流体の圧力がバルブボディの複数の連通口を介して弁体の外周面に作用することを特徴とする二方弁。
【請求項11】
前記バルブボディの複数の連通口、及び、前記弁体の複数の弁口のそれぞれの開口面積を一定、円周方向の開口数をN(Nは2以上の整数)とした場合、前記連通口及び弁口は、360゜/Nの角度で設けられることを特徴とする請求項10記載の二方弁。
【請求項12】
前記弁体がカップ型であり、前記ケースの半径方向及び回転軸芯方向に流体の流入口又は流出口が設けられ、該カップ型弁体の底辺部に駆動軸が設けられるとともに該底辺部が前記バルブボディに支持されてスラスト荷重を受けるように配置され、該底辺部を貫通するように圧力抜き口が設けられることを特徴とする請求項10又は11記載の二方弁。





























【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−36925(P2012−36925A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175069(P2010−175069)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(000101879)イーグル工業株式会社 (119)
【Fターム(参考)】