説明

二次電池モジュール製造のための分離型コネクティング部材及び電圧レベリングによる電池モジュール性能の向上方法

【課題】二次電池モジュールの組み立て過程において、短絡による作業者の感電危険性及び単位電池の損傷可能性を低下させた単位電池の各電極端子のコネクティング部材を提供する。
【解決手段】二次電池モジュールを最適の状態で作動させるため、モジュール100を構成する単位電池200を並列接続させることにより単位電池間の電圧差を最小化する。上記の電圧差最小化を安全かつ効果的に行うための単位電池電極端子簡のコネクティング部材400として、一の単位電池の電極端子に連結される第1端子連結体と、他の単位電池の電極端子に連結される第2端子連結体と、から構成され、第1端子連結体と第2端子連結体が各電極端子に連結された状態で互いに分離され、別途の導電性部材を第1端子連結体と第2端子連結体に結合させ一の単位電池と他の単位電池とを電気的に連結されるコネクティング部材400を適用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の単位電池からなる高出力大容量の二次電池モジュールまたはパックにおいて単位電池の各電極端子を電気的に連結するためのコネクティング部材、及び電圧のレベリングによる電池モジュール性能の向上方法に関するものである。
【0002】
一層詳しくは、単位電池の各電極端子を電気的に連結するためのコネクティング部材が二つまたはそれ以上の個別的な構成単位に分離されており、二次電池モジュールの組み立て過程で各構成単位を該当の電極端子に連結した後、別途の導電性部材で各構成単位を電気的に連結して電池モジュールを完成する分離型コネクティング部材と、このコネクティング部材を用いて電池モジュールを製造するにおいて、各単位電池が直列に連結される前または電池モジュールの使用中に、各単位電池を並列に互いに接続させて電圧をレベリング(平準化)することで、各単位電池間の電圧差を最小化して電池モジュールの性能を向上させる方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
最近、充放電可能な二次電池は、ワイヤレスモバイル機器のエネルギー源として広範囲に用いられている。また、二次電池は、化石燃料を用いる既存のガソリン車両、ディーゼル車両による大気汚染などを解決するために提示された電気自動車、ハイブリッド電気自動車などのエネルギー源としても注目を受けている。したがって、二次電池を用いるアプリケーションの種類は、二次電池の長所によって多様化されており、今後も、一層多くの分野及び製品に二次電池が適用されると予想される。
【0004】
二次電池は、それが適用される分野または各製品で要求される出力及び容量によって、異なった構成を有する。例えば、携帯電話、PDA、デジタルカメラ、ノートブックコンピュータなどの小型モバイル機器には、該当製品の小型軽薄化傾向に合わせて、デバイス1台当り一つまたは2〜4個の小型軽量の電池セルが用いられている。その反面、電気自転車、電気オートバイ、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの中大型デバイスには、高出力大容量の必要性によって、多数の電池セルを電気的に連結した電池モジュール(または電池パック)が用いられている。電池モジュールの大きさ及び重量は、当該の中大型デバイスなどの収容空間及び出力などに直接的な関連性があるので、製造業体では、可能な限り小型でかつ軽量の電池モジュールを製造しようと努めている。
【0005】
一般的に、中大型電池モジュールは、所定大きさのケース(ハウジング)内に収納された多数の単位電池を電気的に連結することで製造される。単位電池としては、高い集積度で積層される角形二次電池及びパウチ型二次電池が用いられるが、このうち、重量が小さく低廉なパウチ型電池が多く用いられている。
【0006】
二次電池モジュールは、多数の単位電池を電気的に連結して製造されるもので、特に、高出力を提供するために全体または一部の単位電池を直列に連結する組み立て過程を経る。したがって、モジュールの製造過程では、作業者が高圧に露出されるので、作業安全性に大いに留意すべきである。組み立て過程で生じる電気的短絡は、作業者の安全事故のみならず各単位電池の性能低下を誘発するので、短絡問題を解決するために細心な組み立て工程が要求されるが、その結果、電池モジュールの生産性が大いに低下してしまう。
【0007】
また、電池モジュールは、過電流及び過熱などの非正常な状態でモジュールの作動を遮断し、安全性を確保する必要がある。その作動遮断が、非正常な作動を誘発した単位電池の確認及び取替え可能なモジュール構成によって達成されるなら、経済的な側面で非常に好ましい。
【0008】
一方、単位電池としての各電池セルが同一の容量及び電圧規格の電池からなるとき、中大型二次電池モジュールは、最適な状態で作動することができる。しかしながら、各単位電池の同一の容量及び電圧規格にもかかわらず、多様な要素に起因した製造上の限界によって、実際に各単位電池は電圧差を示している。また、上記のような電池モジュール製造時のみならず、電池モジュールの使用中にも、多様な要因によって各単位電池に電圧差が発生しうる。
【0009】
したがって、各単位電池の電圧差を最小化することで、電池モジュールの作動状態を最上の状態に維持するための技術が大いに要求されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような従来の問題点及び技術的課題を解決することを目的とする。
【0011】
具体的に、本発明の第1の目的は、二次電池モジュールの組み立て過程において、短絡による作業者の感電危険性及び単位電池の損傷可能性を大いに低下させた単位電池の各電極端子のコネクティング部材を提供することにある。
【0012】
本発明の第2の目的は、過電流及び過熱などの非正常な作動状態を誘発する単位電池の作動を遮断し、それを確認して容易に取り替えるように単位電池別に安全素子が容易に装着される、電池モジュール構成要素としてのコネクティング部材を提供することにある。
【0013】
本発明の第3の目的は、前記コネクティング部材を用いた中大型電池モジュールの製造方法を提供することにある。
【0014】
本発明の第4の目的は、組み立てられた二次電池モジュールが最適の状態で作動するように、モジュールの組み立て過程または使用中に電池モジュールの性能を向上させる方法を提供することにある。
【0015】
本発明の第5の目的は、上記の第4の目的としての電池モジュールの性能向上方法を効果的に行える装置を提供することにある。
[1]
二次電池モジュールを構成する各単位電池の電極端子を電気的に連結するためのコネクティング部材として、一の単位電池(a)の電極端子に連結される第1端子連結体と、他の単位電池(b)の電極端子に連結される第2端子連結体と、から構成されており、第1端子連結体と第2端子連結体が各電極端子に連結された状態で互いに分離され、別途の導電性部材を第1端子連結体と第2端子連結体に結合させるとき、一の単位電池(a)と他の単位電池(b)とが電気的に連結される、コネクティング部材を提供する。
[2]
隣接した各単位電池の電極端子を電気的に絶縁させるために、前記隣接した各単位電池の電極端子間に介在され、前記各電極端子と締結される絶縁性部材をさらに含み、前記コネクティング部材の端子連結体は、前記絶縁性部材に締結された状態で該当の単位電池の各電極端子に電気的に連結されることを特徴とする、[1]に記載のコネクティング部材を提供する。
[3]
前記単位電池の電極端子に貫通口が形成され、前記絶縁性部材の対応部位に締結突出部が形成されることで、電極端子の貫通口に絶縁性部材の締結突出部を挿入して互いに結合することを特徴とする、[2]に記載のコネクティング部材を提供する。
[4]
前記絶縁性部材は、単位電池の正極端子が締結される部位と、負極端子が締結される部位とが互いに結合及び分離可能に構成された二つの組立単位体からなることを特徴とする、[2]に記載のコネクティング部材を提供する。
[5]
前記絶縁性部材は、雌締結部が側面に形成された第1組立単位体と、前記雌締結部に対応する雄締結部が側面に形成された第2組立単位体と、から構成されており、第1組立単位体と第2組立単位体が互いに結合及び分離可能であり、各組立単位体の上端側部には、上部に積層される他の絶縁性部材と結合される締結突起が形成され、それに対応する位置の下端面には締結溝が形成され、第1組立単位体と第2組立単位体とを結合させた状態の絶縁性部材にコネクティング部材が結合されるように、第2組立単位体の側面には湾入部が形成されることを特徴とする、[4]に記載のコネクティング部材を提供する。
[6]
コネクティング部材の第1端子連結体と第2端子連結体は、前記絶縁性部材を取り囲む形態で結合されるか、または、前記絶縁性部材に形成された結合用溝に挿入される形態で結合されることを特徴とする、[2]に記載のコネクティング部材を提供する。
[7]
コネクティング部材の第1端子連結体と第2端子連結体には、前記絶縁性部材の湾入部に挿入されて結合される結合部がそれぞれ形成され、前記結合部は、全体的に板状の素材からなる本体の側面を所定の高さだけ内側に折り曲げて形成された第1折曲部と、前記第1折曲部を再び垂直に折り曲げて形成された第2折曲部と、を含んでおり、前記絶縁性部材の湾入部に弾力的に結合されることを特徴とする、[5]に記載のコネクティング部材を提供する。
[8]
前記第1端子連結体の側面には、延長接続部が形成されることを特徴とする、[1]に記載のコネクティング部材を提供する。
[9]
前記導電性部材は、フューズ、バイメタルまたはPTC素子であることを特徴とする、[1に記載のコネクティング部材を提供する。
[10]
(A)充放電可能な各単位電池をモジュールケースに装着する段階と、
(B)前記各単位電池の電極端子に[1]によるコネクティング部材の各端子連結体を連結する段階と、
(C)電池モジュールの他の構成要素を組み立てて結合する段階と、
(D)前記各端子連結体に導電性部材を締結し、各電極端子の電気的連結を行う段階とを含んで構成される、二次電池モジュールの製造方法を提供する。
[11]
前記段階(B)と段階(C)との間または段階(C)と段階(D)との間には、前記コネクティング部材の各端子連結体を並列に連結する電位レベリング段階をさらに含むことを特徴とする、[10]に記載の製造方法を提供する。
[12]
[1]によるコネクティング部材を含んで構成される、二次電池モジュールを提供する。
[13]
多数の単位電池を含む電池モジュールにおいて直列方式で連結される各単位電池の二つまたはそれ以上を、電池モジュールの製造時または使用中に所定の時間の間並列方式で互いに接続させて前記各単位電池の電圧をレベリングすることで、前記各単位電池間の電圧差を最小化する過程を含んで構成される、電池モジュールの性能を向上させるための方法を提供する。
[14]
直列方式で連結される全ての単位電池の電圧をレベリングするか、または、直列/並列併用連結方式で連結される全ての単位電池の電圧をレベリングすることを特徴とする、[13]に記載の方法を提供する。
[15]
前記並列接続時間は、電圧レベリングの結果、平準化された各電池の電圧が0.001Vの単位まで一致するように設定することを特徴とする、[13]に記載の方法を提供する。
[16]
電池モジュールの製造時、電圧レベリングは、当該の各単位電池が直列方式で連結される前に行うことを特徴とする、[13]に記載の方法を提供する。
[17]
正極端子用接続装置及び負極端子用接続装置からなり、前記各接続装置は、各単位電池の正極端子または負極端子に連結される導電性の各接続部材を含んでおり、前記各接続部材は電気的に互いに連結されて構成される、[13]による電圧レベリングを行うための並列接続装置を提供する
[18]
前記各接続部材は、板状ストリップの導電性部材であり、互いに電気的に連結された状態で一列に配列され、絶縁性本体上に付着されており、他の接続部材としてのワイヤーは、前記各接続部材に電気的に連結された状態で前記絶縁性本体に結合されることを特徴とする、[17]に記載の並列接続装置を提供する。
[19]
前記並列接続装置は、
充放電可能な二次電池である多数の単位電池と、
メーンボードアセンブリが付着される下端収納部と、前記各単位電池が順次積層される上端収納部と、を含む長方形の下部ケースと、
前記下部ケース上に積層された各単位電池の上端を覆う下端収納部を含む長方形の上部ケースと、
積層された各単位電池の直列方式連結を行い、電池の電圧、電流、温度などを検出するための前記センシングボードアセンブリを含む第1回路部と、
前記第1回路部と電気的に連結され、パックを全般的に制御するメーンボードアセンブリを含む第2回路部と、
前記第2回路部と電気的に連結され、過充電、過放電、過電流、過熱などの電池の非正常な作動時に電池の作動を制御するスイッチング素子を含む第3回路部と、から構成された中大型二次電池モジュールの電圧レベリングに用いられることを特徴とする、[17]に記載の並列接続装置を提供する。
[20]
前記第1回路部において各単位電池間の電気的連結部位にフューズが装着されており、前記フューズの装着前または分離後、各単位電池を該当の部位に並列に接続させて電圧レベリングを行うことを特徴とする、[19]に記載の並列接続装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記のような目的を達成するための本発明に係るコネクティング部材は、二次電池モジュールを構成する各単位電池の電極端子を電気的に連結するためのコネクティング部材であり、単位電池(a)の電極端子に連結される第1端子連結体と、単位電池(b)の電極端子に連結される第2端子連結体と、から構成されており、第1端子連結体と第2端子連結体が各電極端子に連結された状態で互いに分離され、別途の導電性部材を第1端子連結体と第2端子連結体に結合させることで、単位電池(a)と単位電池(b)とが電気的に連結されるコネクティング部材を提供する。
【0017】
したがって、二次電池モジュールの製造過程で積層などによって各単位電池を一定の形態で配列し、前記コネクティング部材の各端子連結体を該当の単位電池にそれぞれ連結し、その他のモジュール構成要素の組み立て及び締結過程を完了した後、電池モジュール製造工程の後半または最終段階で導電性部材によって各単位電池の電気的連結を行うので、モジュールの組み立て過程中における各単位電池の電気的短絡の危険性を大いに低下させることができる。また、前記導電性部材がフューズ、バイメタル、PTC素子などである場合、分離された各端子連結体の電気的連結が上記のような安全素子によって達成されるので、単位電池別に安全素子を装着することができ、非正常な作動状態を誘発した単位電池の確認及び取替えを非常に容易に行うことができる。さらに、後述するように、前記導電性部材によって各単位電池を電気的に連結する前に、コネクティング部材の各端子連結体を並列に連結して電圧レベリングを容易に行うことで、電池モジュールの作動状態を最適化することができる。
【0018】
前記各単位電池は、充放電可能な二次電池であれば特別に制限されないが、リチウム転移金属酸化物または複合酸化物を正極活物質として用いるリチウム二次電池であることが好ましい。また、単位電池の形態も、特別に制限されないが、高い密集度で充積されるパウチ型電池及び角形電池であることが一層好ましい。
【0019】
前記コネクティング部材を構成する各端子連結体は、該当の単位電池の電極端子に連結されるが、その連結状態で互いに分離された構造であれば特別に制限されない。
【0020】
一つの好ましい例として、隣接した各単位電池の電極端子を電気的に絶縁させるために、隣接した各単位電池の電極端子間に介在され、前記各電極端子と締結される絶縁性部材をさらに含み、前記コネクティング部材の各端子連結体は、前記絶縁性部材に締結された状態で該当の単位電池の各電極端子に電気的に連結される構造である。前記絶縁性部材は、モジュール構成のための各単位電池の重畳過程で各単位電池の電極端子間の電気的絶縁を確保することで、短絡可能性を大いに低下させ、コネクティング部材を電極端子に容易に連結させる。
【0021】
前記絶縁性部材は、隣接した各単位電池の電極端子を電気的に絶縁させる役割をするので、電気絶縁性素材からなる。この電気絶縁性素材の好ましい例としては、各種のプラスチック樹脂が挙げられるが、上記のような役割をするものであれば特別に制限されない。
【0022】
絶縁性部材が単位電池の各電極端子と締結される方式は多様であり、一つの好ましい例として、前記単位電池の電極端子に貫通口が形成され、前記絶縁性部材の対応部位に締結突出部が形成された構造である。したがって、電極端子の貫通口に絶縁性部材の締結突出部を挿入することで、絶縁性部材と単位電池の各電極端子とが互いに結合される。好ましくは、前記締結突出部に貫通口が形成されることで、締結突出部の貫通口に挿入される締結部材によって、絶縁性部材を介在した状態で積層された単位電池の各電極端子を一層堅固に結合させることができる。
【0023】
一つの好ましい例として、前記絶縁性部材は、積層された各単位電池の電極端子間の離隔空間と一致する矩形ブロック状をなす。各単位電池が積層された状態で各電極端子間の離隔空間が矩形状をなすので、その離隔空間と一致する矩形ブロックは一層安定的である。
【0024】
前記ブロックは、単位電池の正極端子が締結される部位と、負極端子が締結される部位とが互いに結合及び分離可能に構成された一対の組立単位体からなることが一層好ましい。上記のような組み立て型絶縁性部材は、各電極端子に対する締結とコネクティング部材の結合を順次行えるという利点を有する。
【0025】
各単位電池の電極端子を電気的に連結する役割をするコネクティング部材は、導電性素材からなり、この導電性素材としては、金属を用いることが好ましいが、上記のような役割をするものであれば特別に制限されない。
【0026】
コネクティング部材が絶縁性部材に締結され、該当の電極端子に電気的に連結される場合、その締結方式は多様であり、一つの好ましい例として、コネクティング部材は、単位電池(a)の電極端子に連結される第1端子連結体と、単位電池(a)に隣接した単位電池(b)の電極端子に連結される第2端子連結体と、から構成されており、第1端子連結体と第2端子連結体は、前記絶縁性部材を取り囲む形態で結合される構造であるか、または、前記絶縁性部材に形成された結合用溝に挿入される形態で結合される構造である。
【0027】
例えば、第1端子連結体と第2端子連結体が該当の電極端子に接触するように絶縁性部材に結合され、第1及び第2端子連結体と絶縁性部材とが結合された後、第1端子連結体と第2端子連結体との電気的連結のための導電性部材によって前記第1及び第2端子連結体が結合される構造である。前記導電性部材は、フューズ、バイメタル、PTCなどの安全素子であることが好ましい。
【0028】
また、本発明は、上記のようなコネクティング部材を用いた二次電池モジュールの製造方法を提供する。具体的に、本発明に係る二次電池モジュールの製造方法は、
(A)充放電可能な各単位電池をモジュールケースに装着する段階と、
(B)前記各単位電池の電極端子にコネクティング部材の各端子連結体を連結する段階と、
(C)電池モジュールの他の各構成要素を組み立てて結合する段階と、
(D)前記各端子連結体に導電性部材を締結して各電極端子の電気的連結を行う段階と、を含んで構成される。
【0029】
前記段階(A)において、モジュールケースの構造は非常に多様であり、後述するように、上下分離型のモジュールケースに各単位電池を積層した構造である。各電極端子の配向方向は多様であるが、各電極端子の配向が同一になるように各単位電池を積層することが好ましい。
【0030】
前記段階(B)において、コネクティング部材の各端子連結体を電極端子に連結するとき、上述したように絶縁性部材を装着し、その絶縁性部材に各端子連結体を締結する。
【0031】
前記段階(C)において、電池モジュールの他の構成要素を組み立てて結合する段階は、電池モジュールの各構成要素のうち、コネクティング部材を除いた全部または一部の構成要素を用いて電池モジュールを製造する過程を意味する。例えば、モジュールの作動を制御する回路部を装着する段階などが挙げられる。したがって、一部の構成要素の組み立て及び締結段階は、段階(D)以後にも行える。
【0032】
好ましくは、前記段階(B)と段階(C)との間または段階(C)と段階(D)との間に、コネクティング部材の各端子連結体を並列に連結する電圧レベリング段階がさらに含まれる。
【0033】
前記段階(D)の導電性部材は、上述したような安全素子であり、前記段階(D)で各単位電池が電気的に連結される。したがって、各単位電池の電気的連結がモジュール製造過程の後半段階または最終段階で行われるので、モジュール組み立て過程で生じる短絡可能性を大いに減少させることができる。
【0034】
また、本発明は、前記コネクティング部材を含んで構成された二次電池モジュールを提供する。二次電池モジュールの代表的な例は、図1に基づいて説明する。
【0035】
一方、本発明者たちは、深度ある研究と多様な実験を繰り広げた結果、多数の単位電池からなる電池モジュールの製造時または使用中に各単位電池を所定時間の間並列に接続させる場合、各単位電池の電圧差が最小化されることで電池モジュールの性能を最上の状態に維持できることを発見した。
【0036】
したがって、本発明は、多数の単位電池を含む電池モジュールにおいて直列方式で連結される各単位電池の二つまたはそれ以上を、電池モジュールの製造時または使用中に所定時間の間並列方式で互いに接続させて前記各単位電池の電圧をレベリングすることで、各単位電池間の電圧差を最小化する過程を含んで構成された電池モジュール性能の向上方法も提供する。
【0037】
本発明に係る電池モジュール性能の向上方法は、二つ以上の単位電池の全部または一部が直列方式で連結され、高出力大容量を提供する中大型電池モジュールを対象にする。
【0038】
電池モジュールを構成する単位電池の数は、所望の容量及び出力によって変わるが、これら単位電池の連結方式も、直列方式、または直列及び並列の併用連結方式である。
【0039】
本発明では、直列方式で連結される二つまたはそれ以上の単位電池のうち少なくとも二つ以上を一時的に互いに並列に接続させることで、各単位電池の電圧をレベリング(平準化)する。好ましくは、直列方式で連結される全ての単位電池の電圧をレベリングすることができ、直列及び並列の併用連結方式で連結される全ての単位電池の電圧をレベリングすることができる。
【0040】
並列接続を行うために必要な時間は、各単位電池の数、電圧、容量、所望の電圧のレベリング水準などの多様な要素によって変わる。一つの好ましい例として、前記並列接続時間は、電圧レベリングの結果、平準化された各電池の電圧が0.001Vの単位まで一致するように設定することができる。
【0041】
本発明に係る電圧レベリングは、電池モジュールの製造時または使用中に任意の時間帯で行うことができる。電池モジュール製造時、電圧レべリングは、当該の各単位電池が直列方式で連結される前に行うことが好ましい。特に、このような電圧レベリングは、上記のようなコネクティング部材を用いて各単位電池を電気的に連結する電池モジュールで好ましく行うことができる。
【0042】
また、本発明は、前記電圧レベリングを効果的に行える電圧レベリング用並列接続装置を提供する。
【0043】
本発明に係る電圧レベリング用並列接続装置は、正極端子用接続装置及び負極端子用接続装置からなり、前記各接続装置は、各単位電池の正極端子または負極端子に連結される導電性の接続部材を含み、前記各接続部材は、電気的に互いに連結されて構成される。
【0044】
一つの好ましい例として、前記各接続部材は、板状ストリップの導電性部材であり、互いに電気的に連結された状態で一列に配列され、絶縁性本体上に付着されており、他の接続部材としてのワイヤーは、前記各接続部材に電気的に連結された状態で前記絶縁性本体に結合される。
【0045】
上記のような並列接続装置は、多数の単位電池が順次積層された電池モジュールの電圧レベリングに効果的に用いられる。順次積層された各単位電池の電極端子は、所定の間隔を有して配列されるので、各電極端子と同一の配列を有する各接続部材を各単位電池の電極端子に一回で接続させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係る二次電池モジュール用分離型コネクティング部材は、コネクティング部材を構成する各端子連結体が単位電池の各電極端子に連結された状態で互いに離隔されるので、二次電池モジュールの組み立て過程における短絡による作業者の感電危険性及び単位電池の損傷可能性を大いに低下させることができ、過電流及び過熱などの非正常な作動状態を誘発する単位電池の作動を遮断し、それを確認して容易に取り替えるように単位電池別に安全素子が容易に装着されるという効果を有する。
【0047】
また、上記のようなコネクティング部材を含む電池モジュールの各単位電池に対して並列方式の接続によって電圧をレベリングすることで、電圧差を最小化して電池モジュールの作動を最適の状態に設定することができる。この電圧レベリングは、電池モジュールの製造時、各電極端子が直列方式で連結される前または電池モジュールの使用中に任意に行うことができる。
【0048】
本発明の電池モジュールは、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの中大型電池モジュールに多様に適用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて一層詳細に説明するが、この実施例は、本発明の理解を助けるためのものに過ぎなく、この実施例によって本発明の範疇が限定されることはない。
【0050】
図1は、本発明に係るコネクティング部材が適用される一つの実施例に係る電池モジュールを示す斜視図である。
【0051】
図1に示すように、電池モジュール100は、上部ケース110、下部ケース120、多数の単位電池200、第1回路部130、第2回路部140及び第3回路部150を含む。各単位電池200は、互いに分離された上部ケース110と下部ケース120との間に積層されており、電池モジュール100の正面には第1回路部130が位置し、電池モジュール100の底面には第2回路部140が位置し、電池モジュール100の背面には第3回路部150が位置する。
【0052】
上部ケース110と下部ケース120とが分離されるので、積層される単位電池200の数は上部ケース110と下部ケース120によって限定されない。これら各単位電池200の積層数によって第1回路部130及び第3回路部150のみを変更することで、所望の電気容量及び出力の電池モジュール100を容易にデザインすることができる。また、各単位電池200が露出されるので、充放電時に各単位電池200の放熱を効率的に行うことができる。場合によっては、上部ケース110が省略されることもある。
【0053】
第1回路部130は、単位電池200の電極端子方向にモジュール100の側面に付着されており、各単位電池200を並列または直列に連結するための本発明に係るコネクティング部材と、各単位電池200から電圧及び/または電流信号を検出するためのセンシングボードアセンブリと、を含んでいる。
【0054】
第2回路部140は、第1回路部130と電気的に連結されるもので、モジュール100を全般的に制御するメーンボードアセンブリを含み、下部ケース120の下端収納部に装着される。電池の温度は、メーンボードアセンブリによって検出するように構成される。
【0055】
第3回路部150は、第2回路部140に電気的に連結されるもので、充放電時の過電流を防止しながら外部入出力端子に連結され、第1回路部130の対向側であるモジュール100の他側面に付着される。
【0056】
場合によって、第1回路部130、第2回路部140及び第3回路部150の一部または全体は、併合された構造でもある。さらに、これら回路部130,140,150の一部または全体は、同一の部位、すなわち、モジュールの一面または二つの面に一緒に形成された構造でもある。これら構造は、全てが本発明の範疇に含まれるものとして解析されるべきである。
【0057】
図2は、図1に示した電池モジュールの下部ケースの上面及び単位電池を示す斜視図である。
【0058】
図2に示すように、下部ケース120は、単位電池200の外形にほぼ相応する長方形の構造物であり、単位電池200が収納される上端収納部121を含んでいる。場合によって、下部ケース120は単純なプレート構造でもある。下部ケース120は、高い強度及び電気絶縁性を有する部材であり、ABS(Acrylonitrile―Butadiene―Styrene)、PC(polycarbonate)、PBT(Polybutylene Terephthalate)などのプラスチック樹脂からなることが好ましい。
【0059】
下部ケース120上に積層されるパウチ型単位電池200において、電池本体210の上端には正極端子220と負極端子230がそれぞれ突出される。これら電極端子220,230に締結用貫通口240が穿孔されるので、多数の単位電池200,201が積層された状態で、ファスナー500などの別途の締結部材が貫通口240及び下部ケース120上の固定溝122を通して挿入され、ナット(図示せず)が下部ケース120の下面でファスナー500に締結されることで、各単位電池200,201が互いに固定される。
【0060】
各単位電池200,201の電極端子220,230の間には、電気的絶縁のための絶縁性部材300が実装され、絶縁性部材300には、各電極端子220,230の貫通口240に締結される突出部310が形成される。そして、突出部310に貫通口320が形成されるので、突出部310の貫通口320を通過するファスナー500と各電極端子220,230との電気的絶縁状態が維持される。
【0061】
また、単位電池200の本体210には、両面接着テープ600がそれぞれ2個ずつ付着されるので、積層される各単位電池200,201の安定的な結合を一層保障することができる。さらに、積層された各単位電池200,201が両面接着テープ600の厚さだけ離隔されるが、この離隔溝によって、充放電時に各単位電池200,201の体積変化が緩衝されることで、充放電時の各単位電池200,201の発熱が効果的に行われる。
【0062】
図3は、本発明のコネクティング部材が装着される一つの実施例に係る組立型絶縁性部材の結合前を示す状態図である。
【0063】
図3に示すように、絶縁性部材300は、雌締結部331が側面に形成された第1組立単位体330と、雌締結部331に対応する雄締結部341が側面に形成された第2組立単位体340と、から構成されており、これら第1組立単位体330と第2組立単位体340とが互いに結合及び分離可能である。第1組立単位体330と第2組立単位体340とを互いに結合させた状態の絶縁性部材300は、全体的に矩形ブロック状をなす。
【0064】
第1及び第2組立単位体330,340の上端側部には、上部に積層される他の絶縁性部材(図示せず)と結合される締結突起350が形成され、それに対応する位置の下端面には締結溝352が形成される。また、第1及び第2組立単位体330,340の上端中央には、図2に基づいて説明したように、単位電池の電極端子の貫通口(図示せず)に締結される突出部310が形成される。
【0065】
第1組立単位体330と第2組立単位体340とを結合させた状態の絶縁性部材300にコネクティング部材(図示せず)が結合されるように、第2組立単位体340の側面には湾入部343が形成される。
【0066】
図4は、本発明の一つの実施例に係る分離型コネクティング部材を示している。
【0067】
図4に示すように、分離型コネクティング部材400は、単位電極の各電極端子のうち一つの電極端子(例えば、正極端子)に接続する第1端子連結体410と、他の電極端子(例えば、負極端子)に接続する第2端子連結体420と、から構成される。これら端子連結体410,420は、導電性の板状素材からなる。各端子連結体410,420には、絶縁性部材の突出部310(図3を参照)に締結される結合溝412,422が形成される。第1端子連結体410に形成された結合溝412が絶縁性部材の突出部の上側方向のみに結合される閉鎖型である反面、第2端子連結体420に形成された結合溝422は、絶縁性部材の突出部の側面方向にも結合可能な開放型である。以下、絶縁性部材とコネクティング部材との組立過程を図5に基づいて説明する。
【0068】
第1端子連結体410の側面には、組み立て状態でセンシングボードアセンブリに連結されるように延長接続部415が突出形成される。
【0069】
各端子連結体410,420には、絶縁性部材の湾入部343(図3を参照)に挿入・結合される結合部430,440が形成される。結合部430,440は、全体的に板状素材からなる本体の側面を所定の高さだけ内側に折り曲げて形成された第1折曲部431と、この第1折曲部431を再び垂直に折り曲げて形成された第2折曲部432と、を含んでいる。したがって、結合部430,440は、絶縁性部材の湾入部に弾力的に結合される。
【0070】
図5は、図3の組立型絶縁性部材と、本発明の一つの実施例に係る図4の分離型コネクティング部材を用いて単位電池の各電極端子を連結するための一部組立工程図である。すなわち、図5は、絶縁性部材300とコネクティング部材400を用いて各単位電池200,201を直列方式で連結する過程を示している。
【0071】
図5に示すように、コネクティング部材の第1端子連結体410と第2端子連結体420は、各結合部430,440が絶縁性部材のうち第2組立単位体340の湾入部343に挿入・結合される。第1端子連結体410は、結合部430が上側に向かった状態で湾入部343に挿入され、板状本体414が第1組立単位体330と第2組立単位体340の下端面を取り囲むように結合される。上記のような第1端子連結体410と絶縁性部材との結合過程で、結合部430の側面折曲部431は、湾入部343の下端に長く形成された下部誘導溝345に沿って導入される。第1端子連結体410は、その結合部430が絶縁性部材300の湾入部343に挿入された状態で、突出部が形成されていない他の絶縁性部材(図示せず)の下端面に装着されるので、結合溝412は閉鎖型となる。
【0072】
その反面、第2端子連結体420は、結合部440が下側に向かった状態で湾入部343に挿入され、板状本体424が第2組立単位体340の上端面を取り囲むように結合される。上記のような第2端子連結体420と絶縁性部材との結合過程で、結合部440の側面折曲部441は、湾入部343の上端に長く形成された上部誘導溝344に沿って導入される。第2端子連結体340は、その結合部440が絶縁性部材300の湾入部343に側面方向に挿入された状態で、突出部312が形成された絶縁性部材300の上端面に装着されるので、結合溝422は開放型となる。
【0073】
二つの端子連結体410,420は、絶縁性部材300に結合されたときも、図示したように(結合前の状態)互いに分離された状態を維持する。第1端子連結体410は、第1組立単位体330の下端面に締結される単位電池201の正極端子221と接続され、第2端子連結体420は、第2組立単位体340の突出部312に締結される単位電池200の負極端子230に接続される。
【0074】
以下、絶縁性部材とコネクティング部材との組立過程を例示的に説明する。
【0075】
まず、第2組立単位体340に第2端子連結体420を結合させる(S1)。次に、第1端子連結体410を絶縁性部材300に結合させる(S2)。上記のように第2組立単位体340に結合された第2端子連結体420の結合溝422を、単位電池200の負極端子230の貫通口240に一致させる(S3)。次に、第1組立単位体330を第2組立単位体340に結合させる(S4)。最終的に、正極端子220の貫通口240が突出部310に締結され、負極端子230の貫通口240が突出部312に締結されるように、単位電池200を絶縁性部材300に実装する(S5)。このとき、正極端子220は、突出部310に締結された状態で、その上に結合される他の第1端子連結体(図示せず)と接触する。その反面、負極端子230は、突出部312に締結された第2端子連結体420と接触する。
【0076】
以上、組立過程の一つの例を説明したが、上記の組立順序は、一部を変更することができる。例えば、第1組立単位体310と第2組立単位体320との結合過程(S4)を先に行うこともできる。
【0077】
上記のように、各電極端子220,230にコネクティング部材400の二つの端子連結体410,420が接続された状態でも、各電極端子220,230が電気的に連結されないので、作業中の短絡危険性を大幅に減少させることができる。
【0078】
図5のような組み立て過程を経た電池モジュールは、図6のような回路構成を示す。
【0079】
図6に示すように、電池モジュール100は、充放電可能な多数の単位電池200,201,202…209を含み、各単位電池200,201,202…209は、直列方式で連結されて高出力を提供する。図6によると、電圧レベリングのために、各単位電池200,201,202…209間の電気的連結状態が解除されたことが分かる。このように電気的連結の解除状態で、各単位電池200,201,202…209の正極端子210,211,212…219と負極端子220,221,222…229とを並列接続装置700を用いてそれぞれ並列方式で連結することで電圧レベリングを行う。
【0080】
図7は、本発明の一つの実施例に係る電圧レベリング用並列接続装置を示す斜視図である。
【0081】
図7に示すように、電圧レベリング用並列接続装置700は、正極端子用接続装置701及び負極端子用接続装置702からなる。二つの接続装置701,702はほぼ同一の形状からなり、電気絶縁性の本体710上には、多数の接続部材720が付着されており、1個のワイヤー730が連結される。各接続部材720は、板状のストリップ構造を有し、所定の間隔だけ離隔して配列され、互いに電気的に連結される。ワイヤー730は、一側端部に接続コード732を有し、他側端部には本体710が連結される。ワイヤー730は、他の接続部材として各接続部材720とも電気的に連結される。正極端子用接続装置701と負極端子用接続装置702は、図7に示すように、完全に別個の構造で製造されるが、場合によっては、相互分離及び組み立て可能な構造または一体型構造で製造されることもある。もちろん、後者の場合にも、正極端子用接続部位と負極端子用接続部位は電気的に絶縁状態を維持している。
【0082】
図8は、上記のような方式で電圧レベリングを行った実験結果を示すグラフである。
【0083】
総7個の単位電池に対し、並列方式の連結によって約7000秒間電圧レベリングを行った。各単位電池は、多数のリチウム二次電池((株)LG化学:E1TM)から無作為に選択されたものを用いた。図8のグラフによると、多数の単位電池が4.150V〜4.160Vの範囲で初期電圧を示す反面、一部の単位電池は4.130V〜4.140Vの範囲で初期電圧を示している。その結果、各単位電池間には、最大約0.030Vの電圧差が示された。しかしながら、本発明に係る並列方式の電圧レベリングを行ったとき、時間が経過するにつれて、各単位電池が、平準化された電圧である約4.147〜4.148Vにそれぞれ収斂することが分かる。したがって、経時的に全ての単位電池が平準化された電圧に調節された状態で各単位電池を直列方式で連結すると、電池モジュールの最適の作動状態で各単位電池が電気的に連結される。
【0084】
図9は、上記のような電圧レベリングを行った後、コネクティング部材にフューズを連結して電気的連結を行う過程を示す模式図である。理解の便宜上、単位電池の各電極端子を結合するコネクティング部材のみを一部透視図として示した。図9の印刷回路基板は、図1の第1回路部を構成する一要素であり、説明の便宜上、印刷回路基板を図面符号130で示す。
【0085】
印刷回路基板130は、長方形の板状構造物であり、中央部に広い開口131が形成され、その一側面に多数の穿孔口132が形成される。各穿孔口132には、基板133に印刷された回路(図示せず)が連結され、その回路は、基板133の一側端部に形成されたソケット135に連結される。ソケット135の数は、それに連結される回路の数によって適切に決定される。左側上端と右側下端には、各単位電池(図示せず)が直列に連結されるとき、最終の正極端子と負極端子が連結される比較的大きい穿孔口136,137が形成される。すなわち、穿孔口136,137には、直列方式に連結される各単位電池間の電気的連結のために用いられる最終の正極配線と負極配線が連結される。
【0086】
開口131は、基板133の反対側に位置する単位電池の各電極端子の連結部位を開放するために形成されるもので、印刷回路基板130が装着された状態で、開口131を通して電極端子部位にフューズ、バイメタル、PTCなどの安全素子を装着することができる。
【0087】
図5に基づいて説明したように、第1端子連結体410の延長接続部415は、絶縁性部材に結合された状態で印刷回路基板130側に配向される。第1端子連結体410が単位電池の各電極端子の対応位置に安定的に固定されるので、各延長接続部415も所定位置に設置される。したがって、印刷回路基板130の各穿孔口132が延長接続部415に挿入されるように印刷回路基板130をコネクティング部材400上に位置させることで、組み立ての第1段階を行うことができる。この組み立ての第1段階の終了後、延長接続部415の上端が穿孔口132を貫通して基板134から突出されるが、この突出部位を半田付けすることで、コネクティング部材400と印刷回路基板130との電気的連結及び物理的結合が行われる。
【0088】
コネクティング部材400と印刷回路基板130との結合後も、コネクティング部材400の第1端子連結体410と第2端子連結体420は、互いに分離されて絶縁状態を維持している。したがって、各関連素子の組み立てが完了した後、これら第1及び第2端子連結体410,420を安全素子や別途の導電性部材で連結することで通電可能になる。図9は、安全素子の一種であるフューズ800を用いて電気的連結を行う過程を示し、図1は、フューズによって電気的連結が行われた電池モジュール100の全体構造を示している。
【0089】
すなわち、第1及び第2端子連結体410,420が絶縁性部材に結合された状態で、第1端子連結体410と第2端子連結体420の結合部430,440に弾性的な接続溝433,443が形成され、フューズ800の各接続端子820,830が結合部430,440の接続溝433,443に挿入されることで、第1及び第2端子連結体410,420の電気的接続が行われる。
【0090】
したがって、フューズ800が装着されていない状態で、図7の正極端子用接続装置701と負極端子用接続装置702をそれぞれ第1端子連結体410と第2端子連結体420の結合部430,440に接続させることで、電圧レベリングを行うことができる。具体的に説明すると、一列に配列された板状ストリップの各接続部材720(図7を参照)を接続溝433、443に挿入し、ワイヤー730のソケット732を電池モジュールの最終の電極端子連結部230,240(図1を参照)にそれぞれ連結することで、正極端子と負極端子とが並列に接続される。板状ストリップの各接続部材720(図2を参照)は、単位電池(図示せず)の正極端子と負極端子にそれぞれ電気的に連結された第1端子連結体410及び第2端子連結体420と同一の間隔で離隔して配列されるので、一回の装着過程によって接続が行われ、ワイヤー730によって最終の電極端子連結部230,240をワイヤー730に連結することで並列接続が容易に行われる。
【0091】
また、図1に示した電池モジュール100においては、各単位電池200の電極端子がフューズ800によって電気的に連結されるので、電池モジュール100の使用中に電圧をレベリングする場合、フューズ800を分離して各単位電池200の電気的連結状態を解除した後、図7の並列接続装置700を接続させる。したがって、電池モジュール100の使用中に、電池モジュール100の電圧レベリングを非常に容易に行えるようになる。
【0092】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明してきたが、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、上記の内容に基づいて本発明の範疇内で多様に応用及び変形可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の分離型コネクティング部材が適用される一つの実施例に係る二次電池モジュールを示す斜視図である。
【図2】図1に示した電池モジュールの下部ケース上に各単位電池が積層される過程を示す模式図である。
【図3】本発明のコネクティング部材が締結される一つの実施例に係る組み立て型絶縁性部材の結合前の形状を示す模式図である。
【図4】本発明の一つの実施例に係るコネクティング部材を示す模式図である。
【図5】図3に示した組み立て型絶縁性部材と図4に示したコネクティング部材を用いた各電極端子の連結過程を示す模式図である。
【図6】本発明に係る電池モジュールの各単位電池の電圧をレベリングするための構成図である。
【図7】本発明の一つの実施例に係る電圧レベリング用並列接続装置を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る7個の単位電池に対して電圧レベリングを行った実験結果を示すグラフである。
【図9】電池モジュールのセンシングボードアセンブリに締結された図4のコネクティング部材にフューズを連結する過程を示す部分透視図である。
【符号の説明】
【0094】
100 電池モジュール
200 単位電池
300 絶縁性部材
400 コネクティング部材
500 ファスナー
600 両面接着テープ
700 電圧レベリング用並列接続装置
800 フューズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池モジュールの性能を向上させるための方法であって、
前記電池モジュールが複数の単位電池を備えてなり、
直列方式で連結される各単位電池の二つまたはそれ以上を、電池モジュールの製造時または使用中に所定の時間の間並列方式で互いに接続させて前記各単位電池の電圧をレベリングすることで、前記各単位電池間の電圧差を最小化する過程を含んでなる、方法。
【請求項2】
直列方式で連結される全ての単位電池の電圧をレベリングするか、または、直列/並列併用連結方式で連結される全ての単位電池の電圧をレベリングする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記並列接続時間が、電圧レベリングの結果、平準化された各電池の電圧が0.001Vの単位まで一致するように設定する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
電池モジュールの製造時、電圧レベリングが、当該の各単位電池が直列方式で連結される前に行われてなる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
正極端子用接続装置及び負極端子用接続装置からなり、
前記各接続装置が、各単位電池の正極端子または負極端子に連結される導電性の各接続部材を含んでなり、
前記各接続部材が、電気的に互いに連結されて構成されてなる、請求項1による電圧レベリングを行うための並列接続装置
【請求項6】
前記各接続部材が、板状ストリップの導電性部材であり、互いに電気的に連結された状態で一列に配列され、絶縁性本体上に付着されており、
接続部材としてのワイヤーが、前記各接続部材に電気的に連結された状態で前記絶縁性本体に結合される、請求項5に記載の並列接続装置。
【請求項7】
前記並列接続装置が、
充放電可能な二次電池である多数の単位電池と、
メーンボードアセンブリが付着される下端収納部と、前記各単位電池が順次積層される上端収納部と、を含む長方形の下部ケースと、
前記下部ケース上に積層された各単位電池の上端を覆う下端収納部を含む長方形の上部ケースと、
積層された各単位電池の直列方式連結を行い、電池の電圧、電流、温度などを検出するための前記センシングボードアセンブリを含む第1回路部と、
前記第1回路部と電気的に連結され、パックを全般的に制御するメーンボードアセンブリを含む第2回路部と、及び
前記第2回路部と電気的に連結され、過充電、過放電、過電流、過熱などの電池の非正常な作動時に電池の作動を制御するスイッチング素子を含む第3回路部とを備えてなる、中大型二次電池モジュールの電圧レベリングに用いられる、請求項5に記載の並列接続装置。
【請求項8】
前記第1回路部において各単位電池間の電気的連結部位にフューズが装着されており、前記フューズの装着前または分離後、各単位電池を該当の部位に並列に接続させて電圧レベリングを行うものである、請求項7に記載の並列接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−146669(P2012−146669A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−48227(P2012−48227)
【出願日】平成24年3月5日(2012.3.5)
【分割の表示】特願2007−548063(P2007−548063)の分割
【原出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】