説明

位相平均化に基づくクロック及びデータ回復の方法、回路及びシステム

【課題】入力データビットストリームとともに伝達される周波数ジッタ及びクロック信号発生器によって生成される周波ジッタを減衰させることができる、位相平均化に基づくクロック及びデータ回復の方法等を提供する。
【解決手段】一実施形態で、方法は、第1のクロック信号の第1の周波数を第1の周波数と基準クロック周波数の基準クロック周波数との間の周波数差に基づき調整するステップ(603)と、第1のクロック信号の第1の周波数及び第1の位相を第1のクロック信号と入力データビットストリームとの間の位相差及び第1の周波数と基準クロック周波数との間の周波数差に基づき更に調整して、第1のクロック信号の第1の周波数及び第1の位相を入力データビットストリームの入力データビット周波数及び入力データビット位相に略固定するステップ(606)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、クロック及びデータ回復(clock and data recovery)(CDR)に関する。
【背景技術】
【0002】
CDR回路(又はシステム)は、一般的に、入力データ信号をサンプリングし、クロックを入力データ信号から取り出し、サンプリングデータをリタイミングして、1又はそれ以上の回復データビットストリームを生成するために使用される。位相ロックループ(phase-locked loop)(PLL)に基づくCDR回路は、従来タイプのCDR回路である。PLL回路は、他の信号の位相及び周波数に固定される1つの信号を発生させ又は保持するために部分的に又は全体的に使用されうる電子制御システムである。一例として、従来のPLLに基づくCDRでは、位相検出器は、シリアル入力データストリームからの入力データビットと電圧制御発振器(voltage-controlled oscillator)(VCO)によって生成されるクロック信号との間の位相を比較する。入力データとクロックとの間の位相差に応答して、位相検出器は、位相又は周波数補正信号を発生させる。電荷ポンプは、補正信号に従ってループフィルタへ又はから電流を駆動する。ループフィルタは、電荷ポンプによって駆動される電流に基づきVCOのための制御電圧VCTRLを出力する。ループは、ループが発生させるクロックの位相及び周波数により入力データストリームの位相及び周波数を追跡するフィードバック制御システムとして働く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、入力データビットストリームとともに伝達される周波数ジッタ及びクロック信号発生器によって生成される周波ジッタを減衰させることができる、位相平均化に基づくクロック及びデータ回復の方法、回路及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、
クロック信号発生器によって第1の周波数及び第1の位相で第1のクロック信号を発生させるステップと、
周波数検出器によって前記第1の周波数と基準クロック信号の基準クロック周波数との間の第1の周波数差に基づき1又はそれ以上の周波数補正信号を発生させるステップと、
前記クロック信号発生器によって、前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を前記基準クロック信号の前記基準クロック周波数に略固定するよう、前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を調整するステップと、
位相検出器によって前記第1のクロック信号と入力データビット周波数及び入力データビット位相で入力データビットを有する入力データビットストリームとの間の位相差に基づき位相差信号を発生させるステップと、
積分器によって積分された位相差信号を計算するステップと、
前記クロック信号発生器によって更に、前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を前記入力データビットストリームの前記入力データビット周波数及び前記入力データビット位相に略固定するよう、前記積分された位相差信号及び前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を調整するステップと
を有する方法を提供する。
【0005】
本発明の他の実施形態は、
第1の周波数及び第1の位相で第1のクロック信号を発生させ、
前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を基準クロック信号の基準クロック周波数に略固定するよう、1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を調整し、
前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を入力データビットストリームの入力データビット周波数及び入力データビット位相に略固定するよう、積分された位相差信号及び1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を更に調整する
よう構成されるクロック信号発生器と、
前記第1の周波数と前記基準クロック信号の前記基準クロック周波数との間の第1の周波数差に基づき前記1又はそれ以上の周波数補正信号を発生させる
よう構成される周波数検出器と、
前記第1のクロック信号と前記入力データビット周波数及び前記入力データビット位相で入力データビットを有する前記入力データビットストリームとの間の位相差に基づき位相差信号を発生させる
よう構成される位相検出器と、
前記積分された位相差信号を計算する
よう構成される積分器と
を有する回路を提供する。
【0006】
本発明の更なる他の実施形態は、
第1の周波数及び第1の位相で第1のクロック信号を発生させる手段と、
前記第1の周波数と基準クロック信号の基準クロック周波数との間の第1の周波数差に基づき1又はそれ以上の周波数補正信号を発生させる手段と、
前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を前記基準クロック信号の前記基準クロック周波数に略固定するよう、前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を調整する手段と、
前記第1のクロック信号と入力データビット周波数及び入力データビット位相で入力データビットを有する入力データビットストリームとの間の位相差に基づき位相差信号を発生させる手段と、
積分された位相差信号を計算する手段と、
前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を前記入力データビットストリームの前記入力データビット周波数及び前記入力データビット位相に略固定するよう、前記積分された位相差信号及び前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を更に調整する手段と
を有するシステムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に従う実施形態によれば、入力データビットストリームとともに伝達される周波数ジッタ及びクロック信号発生器によって生成される周波ジッタを減衰させることができる、位相平均化に基づくクロック及びデータ回復の方法、回路及びシステムが提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】CDRアーキテクチャの例を表す。
【図2】VCOクロック信号と基準クロック信号との間の周波数差の関数として図1のCDRアーキテクチャにおける位相及び周波数検出器の例を表す。
【図3】四相クロック信号、最小検出可能位相オフセット、及び最小補正可能位相誤差の例を表す。
【図4】図1のCDRアーキテクチャにおける有限状態機械の例を表す。
【図5A】図1のCDRアーキテクチャでの使用に適したデジタルフィルタの例を表す。
【図5B】図1のCDRアーキテクチャでの使用に適したデジタルフィルタの例を表す。
【図6】位相平均化に基づくクロック及びデータ回復の方法の例を説明するフローチャートを表す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
特定の実施形態は、シリアル通信システム用途のためのクロック及びデータ回復(CDR)の電子回路、装置、システム、又は方法に関する。より具体的には、本開示は、入力データビットストリームを受け取り、該入力データビットストリームにおける入力データビットに基づきクロック信号を発生させ、前記入力データビットストリームにおける前記入力データビットに基づきクロック信号を発生させ、該発生したクロック信号に従って前記入力データビットストリームをサンプリングすることで前記入力データビットストリームにおけるデータビットを回復し、前記入力データビットストリームから回復されたビットを有する回復データビットストリームを出力するCDRアーキテクチャの例を与える。特定の実施形態において、CDRアーキテクチャは、位相補間器を含まない又は使用しない位相平均化アーキテクチャを含み、従って、位相補間器を含む又は使用する従来のCDRアーキテクチャによって必要とされる消費電力及び面積に比べて低減された消費電力及び面積を有する。また、特定の実施形態は、VCOによって生成されるものを含むジッタ生成を補償することと、入力データビットストリームとともに伝達されるものを含むジッタトランスファを補償することとの間のトレードオフの必要性又は存在を除く又は低減する。
【0010】
ここで使用されるように、1ストリームは、必要に応じて1ワイヤを指し、逆の場合も同じである。又は、代替的に、1ストリームは、必要に応じて1バス(例えば、複数のワイヤ又は通信ライン)を指し、逆の場合も同じである。更に、以下で記載される信号又はストリームは、必要に応じて、差動信号又はストリーム(例えば、データ信号及びその補完物の差によって形成される信号)であってよい。更に、ここで使用されるように、「若しくは」、「又は」、「あるいは」は、そのものの意味に加えて、「及び」、「並びに」、「且つ」を暗に含む。すなわち、「若しくは」、「又は」、「あるいは」は、明示的に述べられ又は暗に示されない限り、必ずしも「及び」、「並びに」、「且つ」を除外しない。
【0011】
クロック及びデータ回復(CDR)回路は、入力シリアルデータ信号からクロック信号を取り出し、データをリタイムし、通常は逆多重化するために使用される。従来の位相ロックループ(PLL)に基づくCDRに伴う問題は、入力データとともにシステム内に伝達されるジッタ及びVCO又は他のシステム構成要素によって生成されるジッタの両方の利得(又は減衰)を決定するパラメータ(ループ帯域幅)が1つしかないことである。例えば、ループ帯域幅が増大する場合に、生成されるジッタの利得特性は改善し(例えば、比較的高い周波数で生成されるジッタは減衰する。)、一方、伝達されるジッタの利得特性は悪化する(例えば、比較的高い周波数で伝達されるジッタは通過する。)。同様に、ループ帯域幅が低減する場合に、生成されるジッタの利得特性は悪化し(例えば、比較的低い周波数で生成されるジッタは通過する。)、一方、伝達されるジッタの利得特性は改善する(例えば、比較的低い周波数で伝達されるジッタは減衰する。)。従って、従来のPLLに基づくCDRでは、伝達されるジッタの利得特性を改善することは、生成されるジッタの利得特性を悪化させることを犠牲にして成り立ち、逆の場合も同じである。位相補間器に基づくCDRは、例えば、シームレスな周波数取得、複数の受信ブロックの間でのハードウェア再利用、及びジッタトランスファからのジッタ生成を切り離そうとする実装を実施するそれらの能力のために、短距離入出力(IO)システム用途、例えば、バックプレーン通信又はオンボード通信において一般的に利用されるようになってきた。しかし、従来の位相補間器に基づくCDRでは、入力データとともに伝達される低周波ジッタは通過し、CDRはそれを追跡して誤った動作を生じる。更に、例えばCDRのVCOによって生成される高周波ジッタが先と同じく通過し、誤った動作を引き起こす。反対に、入力データにおいて伝達される高周波ジッタは減衰し、従って除去され、一方、先と同じく例えばCDRのVCOによって生成される低周波ジッタも減衰され、従って除去される。
【0012】
更に、低ジッタが高分解能位相補間器を必要とするという事実により、位相補間器は高電力消費の回路構成要素であり、従って、電力消費又は面積を最低限とすることが望まれる多くの低電力用途にとって望ましくない又は適していない。更に、多くの従来の位相補間器に基づくCDRは、複数の位相補間器を必要とし、位相補間器に基づくCDRに付随する問題を更に深刻にする。例えば、幾つかの従来の位相補間器に基づくCDRは、多相クロック信号(例えば、CDRにおけるVCOによって生成される多相クロック信号、又は入力データビットストリームから入力データビットをサンプリングする際に使用される他のクロック信号)の各位相ごとに1つの位相補間器を必要とする。
【0013】
図1は、位相平均化スキーム若しくは技術に基づく、又はそのようなスキーム若しくは技術を用いるCDRアーキテクチャ、システム、装置、又は回路100(「CDR100」)の実施例を表す。特定の実施形態において、CDR100は、位相補間器を使用することなく、入力データビットストリームDINに対してCDRを実行する。CDR100は、概して、入力データビットストリームDINから入力データビットを受け取り、入力データビットに基づきクロック信号CKVCOを発生させ、発生したクロック信号CKVCOに基づき入力データビットをサンプリングすることで入力データビットを回復し、回復されたデータビットを有する出力ストリームDOUTを発生させるよう構成される。特定の実施形態において、CDR100は、位相及び周波数検出器(phase and frequency detector)(PFD)104と、位相検出器(phase detector)(PD)106と、デジタルフィルタ(カウンタ(counter)(CNT))108と、有限状態機械(finite state machine)(FSM)110とを有するデジタルブロック102を有する。特定の実施形態において、CDR100は、FSM110から受信される位相補正信号UP又はDNに基づき出力電流ICPを生成する電荷ポンプ(charge pump)(CP)112と、電流ICPに基づきVCO制御電圧信号VCTRLを発生させる低域通過フィルタ(low-pass filter)(LPF)114と、制御信号VCTRLに基づきVCOクロック周波数及び位相を有するk相クロック信号CKVCOを発生させる電圧制御発振器(voltage-controlled oscillator)(VCO)116と、k相クロック信号CKVCOに基づき入力データビットストリームDIN(k又はその他適切な数の個別ストリームに分離されてよい。)をサンプリングして、回復出力データビットストリームDOUTを発生させるサンプラ118とを更に有する。幾つかの実施形態では、CP112は、LPF114がFSM110から受信される位相補正信号UP又はDNに基づきVCO制御電圧信号を発生させることができる場合には、VCOフィードバックループにおいて必要とされない。
【0014】
当業者には明らかなように、一般的に、m相クロック信号は、物理的な実施において、実際上、互いに対して位相オフセットが固定されており、且つ、m相クロック信号がサンプリングのために使用される入力データの1/mの周波数又はレートである共有クロック周波数を夫々が有するm個の(又はより少ない)個別クロック信号を指す。これは、集合的にm相クロック信号と呼ばれる個別クロック信号がより低い周波数を有することを可能にし、よって、システムが高入力データレートに対処することを可能にする。例えば、一実施例において、k相クロック信号CKVCOの各成分クロック信号は、入力データビットストリームDINを逆多重化することで生成されるk個の個別データビットストリームの中の対応する1つをサンプリングのために使用されてよい。
【0015】
特定の実施形態において、FSM110は、入力データビットストリームDINにおける入力データビットの周波数及び位相に対してVCO116によって生成されるk相クロック信号CKVCOの周波数及び位相を最終的に追跡するよう構成される。これは、2つの重なり合うループ、すなわち、PD106、デジタルフィルタ108、FSM110、電荷ポンプ112、LPF114及びVCO116を含む位相ループ並びにPFD104、FSM110、電荷ポンプ112、LPF114及びVCO116を含む周波数ループによって、達成される。特定の実施形態において、位相ループ及び周波数ループは、CDR100の動作の間、異なった時点に収束する。特定の実施形態において、周波数ループは、最初にVCO116に、VCOクロック信号CKVCOの周波数を基準クロック信号CKREFの周波数に固定し始めさせるよう収束する。特定の実施形態において、位相ループは、次いで、VCO116に、VCOクロック信号CKVCOの周波数及び位相を入力データビットストリームDINの周波数及び位相に固定させるよう収束する。
【0016】
特定の実施形態において、そして、幾つかの実施によって必要とされるように、PFD104は、線形位相及び周波数検出器である。特定の実施形態において、PFD104は、基準クロック周波数(一般的にVCOクロック信号CKVCOの周波数とは異なり、通常はそれよりも低い。)を有するn相基準クロック信号CKREFと、VCO116によって生成されるk相VCOクロック信号CKVCOとを受信する。一実施例において、PFD104は、k相VCOクロック信号CKVCOによりn相基準クロック信号CKREFの複数(例えば、n)相をサンプリングする。代替の実施例では、PFD104は、n相基準クロック信号CKREFの複数(例えば、n)相によりk相VCOクロック信号CKVCOをオーバーサンプリングする。特定の実施形態において、PFD104は、VCOクロックによって得られたn相基準クロックのサンプルが、先行するVCOクロックエッジによって得られたサンプルに対して変化する場合に、周波数補正信号FUP又はFDNを発生させる。
【0017】
図2は、VCOクロック信号CKVCOと基準クロック信号CKREFとの間の周波数差の関数としてPFD104の出力を示すプロットを表す。このように、PFD104は、以下で記載されるように位相ループによってオフセットされる周波数差としてVCOクロック信号CKVCOと基準クロック信号CKREFとの間の規則的な位相増大を追跡又は記録する。また、PFD104は、VCOクロック信号CKVCOと基準クロック信号CKREFの位相ノイズによる位相誤差を記録する。位相誤差は、PFD104の分解能に反比例する単位数において量子化される。例えば、図3が表すように、基準クロックCKREFが四相クロック信号(例えば、夫々0度、90度、180度及び270度の相対位相を有する成分クロック信号CKREF0、CKREF90、CKREF180及びCKREF270を有する。)である場合に、最小検出可能位相オフセット及び結果として最小補正可能位相誤差は90度(すなわち、360/4度)であってよい。
【0018】
特定の実施形態において、デジタルフィルタ108は、z=1で極を有する。すなわち、デジタルフィルタ108は、積分を実行するよう構成される。図4は、FSM110の2N個の取り得る状態420(例えば、N個の取り得る正状態420及びN個の取り得る負状態420)に関してFSM110の機能性を表す。図5A及び5Bは、FSM110の特定の実施例を表す。FSM110は、図4が表すように複数(2N)の取り得る状態により構成される。それらの状態の夫々は、入力データビットストリームDINにおける入力データビットの位相に対するVCOクロック信号CKVCOの位相を表す。特定の実施形態において、FSM110の現在の状態が零を下回る値によって示される場合(負状態)、これは、VCOクロック信号CKVCOが速すぎる(すなわち、DINにおけるデータがVCOクロック信号CKVCOより遅れている)ことを意味し、FSM110は、電流ICPを低減するよう電荷ポンプ112へ入力されるDN位相補正信号をアサートして、VCOクロック信号CKVCOにおいて負の位相シフト又は周波数シフトを生じさせる。同様に、FSM110の現在の状態が零を上回る値によって示される場合(正の状態)、これは、VCOクロック信号CKVCOが遅すぎる、すなわち、DINにおけるデータより遅れていることを意味し、FSM110は、電流ICPを増大させるよう電荷ポンプ112へ入力されるUP位相補正信号をアサートして、VCOクロック信号CKVCOにおいて正の位相シフト又は周波数シフトを生じさせる。しかし、表されるように、FSM110の状態は、周波数補正信号FUP又はFDNを介して、基準クロックCKREFによって制御される周波数検出器PFD104によって、及び補償信号SLUP又はSLDNを介して、デジタルフィルタ(カウンタ)108を経由してデータ入力DINに基づき位相検出器PD106によって、更新される。このとき、FUP及びSLUPはFSM110における同じ正状態遷移を生じさせ、FDN及びSLDNはFSM110における同じ負状態遷移を生じさせる。
【0019】
一実施例において、VCOクロック信号CKVCOの位相又は周波数が基準クロック信号CKREFの位相又は周波数よりも遅れている又は小さい場合に、PFD104はFDN周波数補正信号をアサートし、FSM110における負状態遷移を生じさせる(例えば、FSM110の状態は、様々な実施形態において一定又は可変であってよいFDNの大きさに依存して1又はそれ以上の状態だけ左へ動く。)。同様に、VCOクロック信号CKVCOの位相又は周波数が基準クロック信号CKREFの位相又は周波数よりも進んでいる又は大きい場合に、PFD104はFUP周波数補正信号をアサートし、FSM110における正状態遷移を生じさせる(例えば、FSM110の状態は、様々な実施形態において一定又は可変であってよいFUPの大きさに依存して1又はそれ以上状態だけ右へ動く。)。
【0020】
プレシオクロノス(plesiochronous)通信用途において使用される実施形態では、基準クロック信号CKREFと入力データビットストリームDINとの間には小さい周波数差が存在しうる。VCOクロック信号CKVCOの周波数が最初に基準クロック信号CKREFの周波数に基づき取得されるところの動作の周波数取得部分の間、DINにおける入力データビットがVCOクロック信号CKVCOに対して早いか(位相検出器106によるE信号のアサーションをもたらす。)又は遅いか(位相検出器106によるL信号のアサーションをもたらす。)に基づき夫々位相検出器106によって出力される初期及び後期信号アサーションE及びLの周波数は、デジタルフィルタ108の帯域幅を上回る。当業者には明らかなように、命名規則(例えば、初期又は後期、並びにE及びL)は説明のために選択され、当然に交換されてよい(例えば、Eは、VCOクロック信号CKVCOが入力データビットストリームDINにおける入力データビットに対して早い場合にアサートされてよい。)。振り返って、特定の実施形態において、この動作期間中、位相検出106から夫々出力される初期及び後期信号アサーションE及びLはデジタルフィルタ108の帯域幅を上回るので、周波数検出器PFD104のみが(周波数補正信号FUP又はFDNを介して)FSM110を有効に駆動し、よって、基準クロック信号CKREFへのVCOクロック信号CKVCOの周波数固定を引き起こす。
【0021】
特定の実施形態において、初期(E)及び後期(L)信号アサーションの周波数がデジタルフィルタ108の帯域幅を下回ると、位相ループは収束し、VCO116は入力データビットストリームDINからの入力データビットを追跡し始める。位相ロックにある場合(CKVCOの周波数及び位相がDINの周波数及び位相に一致する場合)に、デジタルフィルタ108は、基準クロック信号CKREFとVCO116によって生成されるクロック信号CKVCOとの間の周波数不一致を表す非零の値へ収束される。この非零の値は、VCOクロック信号CKVCO及び基準クロック信号CKREFがもはや周波数ロックにないので(CDR100はこのとき位相ループによって統率される動作の位相ロック部分にある。)、PFD104から出力されるFUP又はFDN周波数補正信号を補償するためにFSM110の状態を平均して+1と−1との間にあるように調整するようデジタルフィルタ108から出力される信号SLUP及びSLDNの平均値(例えば、デューティサイクル)によって表される。
【0022】
一実施例において、信号SLUP及びSLDNは、積分カウンタ522のキャリー信号によって取得され得る。図5Aが表すように、積分カウンタ522は、何らかの適切なフィルタコアブロック524とともに、デジタルフィルタ108を実施してよい。1つの代替の実施例では、信号SLUP及びSLDNは、デルタ−シグマ変調器(ΔΣM)526の出力として取得され得る。図5Bが表すように、デルタ−シグマ変調器526は、何らかの適切なフィルタコアブロック528とともに、デジタルフィルタ108を実施してよい。このように、基準クロック信号CKREFとVCO116によって生成されるクロック信号CKVCOとの間の周波数不一致による一方向におけるFSM110の状態の周期シフトは、夫々の信号SLUP又はSLDNのアサーションによる逆方向における状態のシフトによって補償され、よって、CKVCOとCKREFとの間及びDINとCKREFとの間に周波数不一致がある場合に、CKVCOが入力データビットストリームDINにおける入力データビットに固定されることを可能にする。
【0023】
特定の実施形態において、位相ループは低帯域幅を有するよう設計され、一方、周波数ループは高帯域幅を有するよう設計される。このように、入力データビットストリームDINとともに伝達される低周波数ジッタは位相ループを介して減衰され(入力データビットストリームDINとともに伝達される高周波ジッタも構成によって減衰されることに留意されたい。)、一方、VCO116又はCDR100の他の構成要素によって生成される高周波ジッタは周波数ループを介して減衰される(VCO116又はCDR100の他の構成要素によって生成される低周波ジッタも構成によって減衰されることに留意されたい。)。
【0024】
図6は、位相平均化に基づくクロック及びデータ回復の方法の例を説明するフローチャートを示す。特定の実施形態において、クロック信号発生器(例えば、電圧制御発生器、すなわちVCO)は、第1の周波数及び第1の位相で第1のクロック信号を生成してよい(601)。特定の実施形態において、周波数検出器は、第1の周波数と基準クロック信号の基準クロック周波数との間の第1の周波数差に基づき1又はそれ以上の周波数補正信号を生成してよい(602)。特定の実施形態において、クロック信号発生器は、第1のクロック信号の第1の周波数を基準クロック信号の基準クロック周波数に略固定するよう、1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき第1のクロック信号の第1の周波数を調整してよい(603)。特定の実施形態において、位相検出器は、第1のクロック信号と入力データビット周波数及び入力データビット位相で入力データビットを有する入力データビットストリームとの間の位相差に基づき位相差信号を生成してよい(604)。幾つかの実施形態において、基準クロック周波数は、入力データビット周波数と同じである。他の実施形態では、基準クロック周波数は、入力データビット周波数と異なる。特定の実施形態において、積分器は、積分された位相差信号を計算する(605)。特定の実施形態において、クロック信号発生器は、第1のクロック信号の第1の周波数及び第1の位相を入力データビットストリームの入力データビット周波数及び入力データビット位相に略固定するよう、積分された位相差信号及び1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき第1のクロック信号の第1の周波数及び前記第1の位相を更に調整してよい(606)。特定の実施形態において、有限状態機械(FSM)は、1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき状態間で遷移し、FSMの現在の状態に基づき1又はそれ以上の位相補正信号を生成してよい。クロック信号発生器は、第1のクロック信号の第1の周波数を基準クロック信号の基準クロック周波数に略固定するよう、位相補正信号に基づき第1のクロック信号の第1の周波数を更に調整してよい。幾つかの実施形態において、FSMは、積分された位相差信号及び1又はそれ以上の周波数補正信号に基づきFSMの状態間で遷移し、FSMの新しい現在の状態に基づき1又はそれ以上の新しい位相補正信号を生成してよい。クロック信号発生器は、第1のクロック信号の第1の周波数及び第1の位相を入力データビットストリームの入力データビット周波数及び入力データビット位相に略固定するよう、1又はそれ以上の新しい位相補正信号に基づき第1のクロック信号の第1の周波数及び第1の位相を更に調整してよい。幾つかの実施形態において、サンプラは、更に調整された第1のクロック信号に基づき入力データビットストリームにおける入力データビットをサンプリングして、回復データビットストリームを生成してよい。例えば、サンプラは、入力データビットストリームをk個の逆多重化されたデータビットストリームに分離してよい。一実施例において、第1のクロック信号はk相クロック信号を有してよく、第1のクロック信号の各位相は、対応する1又はk個の逆多重化されたデータビットストリームをサンプリングするために使用される。
【0025】
本開示は、当業者が理解するであろう本開示における実施形態に対する全ての変更、置換、変形、代替及び改良を包含する。同様に、必要に応じて、添付の特許請求の範囲の記載は、当業者が理解するであろう本開示における実施形態に対する全ての変更、置換、変形、代替及び改良を包含する。
【0026】
また、以下の付記が、上記の実施形態に関連して開示される。
【0027】
(付記1)
クロック信号発生器によって第1の周波数及び第1の位相で第1のクロック信号を発生させるステップと、
周波数検出器によって前記第1の周波数と基準クロック信号の基準クロック周波数との間の第1の周波数差に基づき1又はそれ以上の周波数補正信号を発生させるステップと、
前記クロック信号発生器によって、前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を前記基準クロック信号の前記基準クロック周波数に略固定するよう、前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を調整するステップと、
位相検出器によって前記第1のクロック信号と入力データビット周波数及び入力データビット位相で入力データビットを有する入力データビットストリームとの間の位相差に基づき位相差信号を発生させるステップと、
積分器によって積分された位相差信号を計算するステップと、
前記クロック信号発生器によって更に、前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を前記入力データビットストリームの前記入力データビット周波数及び前記入力データビット位相に略固定するよう、前記積分された位相差信号及び前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を調整するステップと
を有する方法。
【0028】
(付記2)
前記クロック信号発生器は、電圧制御発振器を有する、
付記1に記載の方法。
【0029】
(付記3)
前記クロック信号発生器によって、前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を前記基準クロック信号の前記基準クロック周波数に略固定するよう、前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を調整する前記ステップは、
有限状態機械によって前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記有限状態機械の状態間を遷移させるステップと、
前記有限状態機械によって前記有限状態機械の現在の状態に基づき1又はそれ以上の位相補正信号を発生させるステップと、
前記クロック信号発生器によって、前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を前記基準クロック信号の前記基準クロック周波数に略固定するよう、前記1又はそれ以上の位相補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を調整するステップと
を更に有する、付記1に記載の方法。
【0030】
(付記4)
前記クロック信号発生器によって更に、前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を前記入力データビットストリームの前記入力データビット周波数及び前記入力データビット位相に略固定するよう、前記積分された位相差信号及び前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を調整する前記ステップは、
前記有限状態機械によって前記積分された位相差信号及び前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記有限状態機械の状態間を遷移させるステップと、
前記有限状態機械によって前記有限状態機械の新しい現在の状態に基づき1又はそれ以上の新しい位相補正信号を発生させるステップと、
前記クロック信号発生器によって更に、前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を前記入力データビットストリームの前記入力データビット周波数及び前記入力データビット位相に略固定するよう、前記1又はそれ以上の新しい位相補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を調整するステップと
を更に有する、付記3に記載の方法。
【0031】
(付記5)
前記基準クロック周波数は、前記入力データビット周波数と同じである、
付記1に記載の方法。
【0032】
(付記6)
前記基準クロック周波数は、前記入力データビット周波数と異なる、
付記1に記載の方法。
【0033】
(付記7)
回復データビットストリームを生成するよう、前記更に調整された第1のクロック信号に基づき前記入力データビットストリームにおける前記入力データビットをサンプリングするステップ
を更に有する付記1に記載の方法。
【0034】
(付記8)
前記入力データビットストリームをk個の逆多重化されたデータビットストリームに分離するステップ
を更に有する付記7に記載の方法。
【0035】
(付記9)
前記第1のクロック信号は、k相クロック信号であり、
前記第1のクロック信号の各位相は、対応する1又はk個の逆多重化されたデータビットストリームをサンプリングするために使用される、
付記8に記載の方法。
【0036】
(付記10)
第1の周波数及び第1の位相で第1のクロック信号を発生させ、
前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を基準クロック信号の基準クロック周波数に略固定するよう、1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を調整し、
前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を入力データビットストリームの入力データビット周波数及び入力データビット位相に略固定するよう、積分された位相差信号及び1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を更に調整する
よう構成されるクロック信号発生器と、
前記第1の周波数と前記基準クロック信号の前記基準クロック周波数との間の第1の周波数差に基づき前記1又はそれ以上の周波数補正信号を発生させる
よう構成される周波数検出器と、
前記第1のクロック信号と前記入力データビット周波数及び前記入力データビット位相で入力データビットを有する前記入力データビットストリームとの間の位相差に基づき位相差信号を発生させる
よう構成される位相検出器と、
前記積分された位相差信号を計算する
よう構成される積分器と
を有する回路。
【0037】
(付記11)
前記クロック信号発生器は、電圧制御発振器を有する、
付記10に記載の回路。
【0038】
(付記12)
有限状態機械を更に有し、該有限状態機械は、
前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記有限状態機械の状態間を遷移させ、
前記有限状態機械の現在の状態に基づき1又はそれ以上の位相補正信号を発生させる
よう構成され、
前記クロック信号発生器は、更に、
前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を前記基準クロック信号の前記基準クロック周波数に略固定するよう、前記1又はそれ以上の位相補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を調整する
よう構成される、付記10に記載の回路。
【0039】
(付記13)
前記有限状態機械は、更に、
前記積分された位相差信号及び前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記有限状態機械の状態間を遷移させ、
前記有限状態機械の新しい現在の状態に基づき1又はそれ以上の新しい位相補正信号を発生させる
よう構成され
前記クロック信号発生器は、更に、
前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を前記入力データビットストリームの前記入力データビット周波数及び前記入力データビット位相に略固定するよう、前記1又はそれ以上の新しい位相補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を調整する
よう構成される、付記12に記載の回路。
【0040】
(付記14)
前記基準クロック周波数は、前記入力データビット周波数と同じである、
付記10に記載の回路。
【0041】
(付記15)
前記基準クロック周波数は、前記入力データビット周波数と異なる、
付記10に記載の回路。
【0042】
(付記16)
回復データビットストリームを生成するよう、前記更に調整された第1のクロック信号に基づき前記入力データビットストリームにおける前記入力データビットをサンプリングするよう構成されるサンプラ
を更に有する付記10に記載の回路。
【0043】
(付記17)
前記サンプラは、更に、
前記入力データビットストリームをk個の逆多重化されたデータビットストリームに分離する
よう構成される、付記16に記載の回路。
【0044】
(付記18)
前記第1のクロック信号は、k相クロック信号であり、
前記第1のクロック信号の各位相は、対応する1又はk個の逆多重化されたデータビットストリームをサンプリングするために使用される、
付記17に記載の回路。
【0045】
(付記19)
第1の周波数及び第1の位相で第1のクロック信号を発生させる手段と、
前記第1の周波数と基準クロック信号の基準クロック周波数との間の第1の周波数差に基づき1又はそれ以上の周波数補正信号を発生させる手段と、
前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を前記基準クロック信号の前記基準クロック周波数に略固定するよう、前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を調整する手段と、
前記第1のクロック信号と入力データビット周波数及び入力データビット位相で入力データビットを有する入力データビットストリームとの間の位相差に基づき位相差信号を発生させる手段と、
積分された位相差信号を計算する手段と、
前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を前記入力データビットストリームの前記入力データビット周波数及び前記入力データビット位相に略固定するよう、前記積分された位相差信号及び前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を更に調整する手段と
を有するシステム。
【符号の説明】
【0046】
100 CDR回路
102 デジタルブロック
104 位相及び周波数検出器(PFD)
106 位相検出器(PD)
108 デジタルフィルタ(カウンタ)(CNT)
110 有限状態機械(FSM)
112 電荷ポンプ(CP)
114 低域通過フィルタ(LPF)
116 電圧制御発振器(VCO)
118 サンプラ
420 状態
522 積分カウンタ
524,528 フィルタコアブロック
526 デルタ−シグマ変調器(ΔΣM)
CKREF 基準クロック信号
CKVCO VCOクロック信号
IN 入力データビットストリーム
OUT 出力ストリーム
FUP/FDN 周波数補正信号
ICP 出力電流
SLUP/SKDN 補償信号
UP/DN 位相補正信号
CTRL VCO制御電圧信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロック信号発生器によって第1の周波数及び第1の位相で第1のクロック信号を発生させるステップと、
周波数検出器によって前記第1の周波数と基準クロック信号の基準クロック周波数との間の第1の周波数差に基づき1又はそれ以上の周波数補正信号を発生させるステップと、
前記クロック信号発生器によって、前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を前記基準クロック信号の前記基準クロック周波数に略固定するよう、前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を調整するステップと、
位相検出器によって前記第1のクロック信号と入力データビット周波数及び入力データビット位相で入力データビットを有する入力データビットストリームとの間の位相差に基づき位相差信号を発生させるステップと、
積分器によって積分された位相差信号を計算するステップと、
前記クロック信号発生器によって更に、前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を前記入力データビットストリームの前記入力データビット周波数及び前記入力データビット位相に略固定するよう、前記積分された位相差信号及び前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を調整するステップと
を有する方法。
【請求項2】
前記クロック信号発生器は、電圧制御発振器を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記クロック信号発生器によって、前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を前記基準クロック信号の前記基準クロック周波数に略固定するよう、前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を調整する前記ステップは、
有限状態機械によって前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記有限状態機械の状態間を遷移させるステップと、
前記有限状態機械によって前記有限状態機械の現在の状態に基づき1又はそれ以上の位相補正信号を発生させるステップと、
前記クロック信号発生器によって、前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を前記基準クロック信号の前記基準クロック周波数に略固定するよう、前記1又はそれ以上の位相補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を調整するステップと
を更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記クロック信号発生器によって更に、前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を前記入力データビットストリームの前記入力データビット周波数及び前記入力データビット位相に略固定するよう、前記積分された位相差信号及び前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を調整する前記ステップは、
前記有限状態機械によって前記積分された位相差信号及び前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記有限状態機械の状態間を遷移させるステップと、
前記有限状態機械によって前記有限状態機械の新しい現在の状態に基づき1又はそれ以上の新しい位相補正信号を発生させるステップと、
前記クロック信号発生器によって更に、前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を前記入力データビットストリームの前記入力データビット周波数及び前記入力データビット位相に略固定するよう、前記1又はそれ以上の新しい位相補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を調整するステップと
を更に有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基準クロック周波数は、前記入力データビット周波数と同じである、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基準クロック周波数は、前記入力データビット周波数と異なる、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
回復データビットストリームを生成するよう、前記更に調整された第1のクロック信号に基づき前記入力データビットストリームにおける前記入力データビットをサンプリングするステップ
を更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記入力データビットストリームをk個の逆多重化されたデータビットストリームに分離するステップ
を更に有する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第1の周波数及び第1の位相で第1のクロック信号を発生させ、
前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を基準クロック信号の基準クロック周波数に略固定するよう、1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を調整し、
前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を入力データビットストリームの入力データビット周波数及び入力データビット位相に略固定するよう、積分された位相差信号及び1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を更に調整する
よう構成されるクロック信号発生器と、
前記第1の周波数と前記基準クロック信号の前記基準クロック周波数との間の第1の周波数差に基づき前記1又はそれ以上の周波数補正信号を発生させる
よう構成される周波数検出器と、
前記第1のクロック信号と前記入力データビット周波数及び前記入力データビット位相で入力データビットを有する前記入力データビットストリームとの間の位相差に基づき位相差信号を発生させる
よう構成される位相検出器と、
前記積分された位相差信号を計算する
よう構成される積分器と
を有する回路。
【請求項10】
第1の周波数及び第1の位相で第1のクロック信号を発生させる手段と、
前記第1の周波数と基準クロック信号の基準クロック周波数との間の第1の周波数差に基づき1又はそれ以上の周波数補正信号を発生させる手段と、
前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を前記基準クロック信号の前記基準クロック周波数に略固定するよう、前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数を調整する手段と、
前記第1のクロック信号と入力データビット周波数及び入力データビット位相で入力データビットを有する入力データビットストリームとの間の位相差に基づき位相差信号を発生させる手段と、
積分された位相差信号を計算する手段と、
前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を前記入力データビットストリームの前記入力データビット周波数及び前記入力データビット位相に略固定するよう、前記積分された位相差信号及び前記1又はそれ以上の周波数補正信号に基づき前記第1のクロック信号の前記第1の周波数及び前記第1の位相を更に調整する手段と
を有するシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−70370(P2013−70370A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−204484(P2012−204484)
【出願日】平成24年9月18日(2012.9.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】