説明

位置制御システム、露光装置、及び露光方法

【課題】1つの実施形態は、例えば、基板の表面の位置の計測精度を向上できる位置制御システム、露光装置、及び露光方法を提供することを目的とする。
【解決手段】1つの実施形態によれば、面位置計測部と制御部とを有する位置制御システムが提供される。面位置計測部は、基板の表面の高さ方向の位置を計測する。制御部は、面位置計測部による計測結果に基づいて、光学系と基板の表面との相対的な位置を制御する。面位置計測部は、複数のフォーカスセンサ41−1〜41−3と駆動部42とを有する。駆動部は、基板の表面に対する複数のフォーカスセンサの基板面内方向の位置を独立して駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、位置制御システム、露光装置、及び露光方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置で使用されるパターンの微細化の進行によるフォーカスマージンの減少、また、市場の拡大による需要の増加に伴い、半導体装置製造で用いられる露光装置の性能向上に対する要求が強くなってきている。それに伴い、ウエハ(基板)の表面の位置を計測するフォーカス計測においても、その計測精度の向上が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−257818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1つの実施形態は、例えば、基板の表面の位置の計測精度を向上できる位置制御システム、露光装置、及び露光方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施形態によれば、面位置計測部と制御部とを有する位置制御システムが提供される。面位置計測部は、基板の表面の高さ方向の位置を計測する。制御部は、面位置計測部による計測結果に基づいて、光学系と基板の表面との相対的な位置を制御する。面位置計測部は、複数のフォーカスセンサと駆動部とを有する。駆動部は、基板の表面に対する複数のフォーカスセンサの基板面内方向の位置を独立して駆動する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】実施形態にかかる露光装置の構成を示す図。
【図2】実施形態における面位置計測部の構成を示す図。
【図3】実施形態における露光装置の動作を示すフローチャート。
【図4】実施形態における露光装置の動作を示す図。
【図5】実施形態による効果を示す図。
【図6】実施形態の変形例における露光装置の動作を示すフローチャート。
【図7】実施形態の変形例における露光装置の動作を示す図。
【図8】実施形態の他の変形例における露光装置の動作を示す図。
【図9】比較例における面位置計測部の動作を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる露光装置を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0008】
(実施形態)
実施形態にかかる露光装置1について図1を用いて説明する。図1は、露光装置1の構成を示す図である。
【0009】
露光装置1は、例えば、走査型露光装置(スキャナ)である。走査型露光装置は、マスク(原版)MKとウエハ(基板)WFとを走査方向に互いに同期移動しつつマスクMKに描画されたパターンを露光対象となるウエハWFに投影露光するための装置である。以下では、投影光学系12の光軸PAにおいてウエハWFから遠ざかる方向を+Z方向とする。Z方向に垂直な平面内におけるマスクMKとウエハWFとの同期移動方向(走査方向)をY方向とする。Z方向及びY方向に垂直な方向(非走査方向)をX方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸回りの方向をそれぞれθX方向、θY方向、及びθZ方向とする。
【0010】
露光装置1は、光学系10、マスクステージ2、及び位置制御システム20を有する。光学系10は、照明光学系11及び投影光学系12を有する。位置制御システム20は、ウエハアライメント検出系(図示せず)、フォーカス検出系(面位置計測部)30、制御部50、及びウエハステージ60を有する。
【0011】
照明光学系11、マスクステージ2、及び投影光学系12は、光軸PAを中心に配置されている。光軸PAは、光源(図示せず)からウエハWFへ露光光の主光線が進む方向を示す軸である。
【0012】
ウエハステージ60は、ウエハWFを保持する。ウエハステージ60は、ウエハWFを保持しながら、X方向、Y方向、及びZ方向に移動したりθX方向、θY方向、及びθZ方向に回転したりする。これにより、ウエハステージ60は、ウエハWFの位置決めを行う。また、ウエハステージ60は、その上面に基準マーク61が形成されている。
【0013】
ウエハステージ60の+Z方向には、投影光学系12を間にしてマスクステージ2が配されている。投影光学系12は、マスクMKに入射した光をウエハWFへ投影露光し、マスクMKに描画されたパターンに応じた像をウエハWFに結像する。
【0014】
マスクステージ2の+Z方向には、照明光学系11が配されている。照明光学系11は、マスクMKの照明領域を均等な照度分布の露光光で照明する。その露光光は、マスクMKに描画されたパターンで回折され、投影光学系12に入射される。
【0015】
ウエハアライメント検出系(図示せず)は、ウエハWFのX方向及びY方向の位置(面方向位置)を検出するアライメント計測を行う。
【0016】
フォーカス検出系30は、投射系30a及び受光系30bを有している。投射系30a及び受光系30bは、互いに対向する位置において、それぞれ計測対象(例えば、ウエハWF)の斜め上方に位置している。投射系30aは、投射部31、絞り32、ハービングガラス33、及びミラー34を有する。受光系30bは、ミラー35、ハービングガラス36、絞り37、及び受光部40を有する。
【0017】
投射部31から照射された光は、光軸に沿って−Z方向に進んで絞り32の開口32aを通過しハービングガラス33でその光軸が調整された後、ミラー34で反射されて+X方向へ進みウエハWF上で所定形状の像(後述の計測点)として結像するとともに反射する。その反射光は、+X方向へ進みミラー35で反射されて、光軸に沿って+Z方向に進んでハービングガラス36でその光軸が調整された後、絞り37の開口37aを通過して受光部40で所定形状の像として再結像する。これにより、フォーカス検出系30は、ウエハWFのZ方向(高さ方向)の位置(面位置)を検出するフォーカス計測を行う。
【0018】
制御部50は、取得部53、計測制御部51、及び面位置制御部52を有している。
【0019】
取得部53は、予めウエハマップの情報(図4(a)参照)を取得する。ウエハマップの情報は、例えば、ウエハWFにおける複数のショット領域SH1〜SHkの配置位置の情報と、各ショット領域SH1〜SHkにおける有効領域(図4(a)に白色で示す領域)に関する情報とを含む。例えば、取得部53には、入力インターフェース(図示せず)を介してユーザからウエハマップの情報が入力される。あるいは、例えば、取得部53は、通信インターフェース(図示せず)を介して所定の装置からウエハマップの情報を通信回線経由で受ける。取得部53は、取得したウエハマップの情報を計測制御部51へ供給する。
【0020】
計測制御部51は、取得部53から供給されたウエハマップの情報を予め保持している。計測制御部51は、ウエハマップの情報に基づいて、フォーカス計測を制御する。例えば、計測制御部51は、フォーカス計測時に、ウエハマップの情報に基づいて受光部40を制御したり、ウエハマップの情報に基づいてウエハステージ60を制御したりする。計測制御部51による制御の詳細は後述する。なお、計測制御部51は、さらにアライメント計測を制御しても良い。
【0021】
面位置制御部52は、フォーカス検出系30の受光部40からフォーカス計測の結果を受ける。面位置制御部52は、フォーカス計測の結果に基づいて光学系10がフォーカス誤差なくウエハWFへの結像が行えるように光学系10に対するウエハWFのZ方向の相対的な位置(面位置)を制御する。例えば、面位置制御部52は、フォーカス計測の結果に基づいて、ウエハステージ60を介してウエハWFをZ方向等に移動させる。面位置制御部52による制御の詳細は後述する。なお、面位置制御部52は、さらに、ウエハアライメント検出系(図示せず)からアライメント計測の結果を受け、アライメント計測の結果に基づいてウエハWFのX方向及びY方向の位置を制御しても良い。
【0022】
次に、フォーカス検出系30における受光部40の構成について、図2を用いて説明する。図2は、受光部40の構成を示す図である。
【0023】
受光部40は、複数のフォーカスセンサ41−1〜41−3、駆動部42、及び検知部45を有する。
【0024】
複数のフォーカスセンサ41−1〜41−3は、それぞれ、受光部40における所定形状の像を再結像させるべき位置に配されている。複数のフォーカスセンサ41−1〜41−3は、例えば、X方向(走査型露光装置の非走査方向)に沿って配されている。
【0025】
駆動部42は、計測制御部51(図1参照)により制御されて、複数のフォーカスセンサ41−1〜41−3をX方向に沿って互いに独立に駆動する。
【0026】
具体的には、駆動部42は、リニアモータを有する。すなわち、駆動部42は、複数の可動子43−1〜43−3、及び固定子44を有する。複数の可動子43−1〜43−3と固定子44とは、一方が永久磁石を有し、他方が電磁石を有する。
【0027】
複数の可動子43−1〜43−3は、複数のフォーカスセンサ41−1〜41−3に対応している。複数の可動子43−1〜43−3のそれぞれは、対応するフォーカスセンサ41−1〜41−3に結合されている。
【0028】
固定子44は、レール部44a及びフレーム部44b、44cを有している。レール部44aは、X方向に沿って延びており、その両端がフレーム部44b、44cで支持されている。フレーム部44b、44cは、レール部44aの一端及び他端を検知部45へ固定している。
【0029】
複数の可動子43−1〜43−3は、レール部44aに沿って摺動可能に設けられている。複数の可動子43−1〜43−3がレール部44aに沿って摺動することにより、複数のフォーカスセンサ41−1〜41−3は、X方向に沿って配列された状態を維持しながら、互いの間隔が変更されるようにX方向に沿って互いに独立に駆動される。
【0030】
例えば、複数の可動子43−1〜43−3のそれぞれが永久磁石を有し、固定子44が電磁石を有する場合、固定子44のレール部44aは、X方向において複数の領域に区切られており、複数の領域のそれぞれが互いに独立した電磁石を有する。そして、計測制御部51は、レール部44aにおける複数の領域のそれぞれの電磁石へ供給する電流の向き、大きさ、変化率等を互いに独立に制御する。これにより、複数の可動子43−1〜43−3が互いに独立にレール部44aに沿って摺動する。
【0031】
あるいは、例えば、複数の可動子43−1〜43−3のそれぞれが電磁石を有し、固定子44が永久磁石を有する場合、計測制御部51は、複数の可動子43−1〜43−3のそれぞれの電磁石へ供給する電流の向き、大きさ、変化率等を互いに独立に制御する。これにより、複数の可動子43−1〜43−3が互いに独立にレール部44aに沿って摺動する。
【0032】
検知部45は、駆動部42による複数のフォーカスセンサ41−1〜41−3のそれぞれの駆動位置を検知して、検知結果を計測制御部51へ供給する。
【0033】
具体的には、検知部45は、複数の位置計測センサ46−1〜46−3、位置計測グリッド47、及びガイド部48を有する。複数の位置計測センサ46−1〜46−3は、複数のフォーカスセンサ41−1〜41−3に対応しているとともに、複数の可動子43−1〜43−3に対応している。複数の位置計測センサ46−1〜46−3のそれぞれは、対応する可動子43−1〜43−3を介して、対応するフォーカスセンサ41−1〜41−3に結合されている。
【0034】
位置計測グリッド47は、レール部44aに対向するように延びており、複数の位置計測センサ46−1〜46−3との間での所定の相互作用(例えば、静電気力による相互作用、磁気的力による相互作用、又は光による相互作用)を行うことにより、複数の位置計測センサ46−1〜46−3の位置を検出する。これにより、複数の位置計測センサ46−1〜46−3を介して、複数のフォーカスセンサ41−1〜41−3の位置を検出できる。
【0035】
ガイド部48は、フレーム部44b、44cを介してレール部44aが固定されているとともに、レール部44aに対向するように延びている。ガイド部48は、レール部44aに沿って移動する単位、すなわちフォーカスセンサ41−1〜41−3、可動子43−1〜43−3、及び位置計測センサ46−1〜46−3を含む単位を、X方向に沿って移動するように案内している。また、ガイド部48におけるレール部44aに対向する面には、位置計測グリッド47が固定されている。
【0036】
次に、露光装置1の動作について図3を用いて説明する。図3は、露光装置1の動作を示すフローチャートである。
【0037】
ステップS1では、計測制御部51(図1参照)が、予め保持しているウエハマップの情報(図4(a)参照)を参照して、ウエハWFにおける複数のショット領域SH1〜SHkのうち計測対象のショット領域を選択する。具体的には、計測制御部51は、ウエハマップの情報に加えて、図4(a)に2点鎖線で示すような順番でショット領域を選択してフォーカス計測を行うための計測スケジュールと、直前に選択したショット領域の識別子とを記憶しており、ウエハマップの情報と計測スケジュールとに基づいて次に計測すべきショット領域を選択する。
【0038】
そして、計測制御部51は、ウエハアライメント検出系(図示せず)によるアライメント計測の結果などを用いて、フォーカス検出系30による所定形状の像(計測点)が選択したショット領域内に位置するように、ウエハステージ60を介してウエハWFをX方向及びY方向に移動させる。
【0039】
ウエハマップの情報は、ウエハWFにおける複数のショット領域SH1〜SHkの配置位置の情報に加えて、各ショット領域SH1〜SHkにおける有効領域(図4(a)に白色で示す領域)に関する情報を含む。各ショット領域SH1〜SHkは、図4(a)に示すように、複数のチップ領域(例えば、4つのチップ領域)を有している。このため、ウエハWFの内側のショット領域では複数のチップ領域の全てが有効領域となるのに対して、ウエハWFの外周近傍のショット領域では複数のチップ領域の一部が有効領域となり残りが無効領域となる。例えば、図4(b)に示すように、ウエハWFの外周近傍のショット領域SH1では、図4(b)中の右半分の部分が有効領域ER1となり左半分の部分が無効領域NER1となる。このように、全部が有効領域となるようなショット領域を完全ショット領域と呼び、一部が無効領域となるようなショット領域を欠けショット領域と呼ぶことにする。
【0040】
計測制御部51は、ウエハマップの情報(図4(a)参照)を参照して、選択したショット領域が欠けショット領域であるか否かを判断する。例えば、計測制御部51は、選択したショット領域がショット領域SH1である場合に、選択したショット領域が欠けショット領域であると判断する。計測制御部51は、選択したショット領域が欠けショット領域である場合、処理をステップS3へ進め、選択したショット領域が欠けショット領域でない(すなわち、選択したショット領域が完全ショット領域である)場合、処理をステップS2へ進める。
【0041】
ステップS2では、計測制御部51が、複数のフォーカスセンサ(図2参照)をデフォルトの位置へ復帰移動させる。
【0042】
ステップS3では、計測制御部51が、ウエハマップの情報(図4(a)参照)を参照して、計測対象のショット領域における有効領域のX方向の幅を特定する。例えば、計測対象のショット領域がショット領域SH1である場合、計測制御部51は、ショット領域SH1のX方向の幅WSH1の略半分を有効領域ER1のX方向の幅WER1として特定する。
【0043】
ステップS4では、計測制御部51が、ステップS3で特定した有効領域の幅に基づいて、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。具体的には、計測制御部51には、レール部に対する各フォーカスセンサの移動位置(図2参照)とショット領域における各フォーカスセンサによる計測点(所定形状の像)の位置(図4(b)参照)との相関関係の情報が予め設定されている。計測制御部51は、計測対象のショット領域について、フォーカスセンサの移動位置及び計測点の位置の相関関係の情報を参照して、3個以上のフォーカスセンサによる計測点が計測対象のショット領域における有効領域内に収まるように、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。
【0044】
例えば、図4(b)に示す場合、計測制御部51は、4個のフォーカスセンサによる計測点(所定形状の像)DP−1〜DP−4のうち、3個のフォーカスセンサによる計測点DP−1〜DP−3がショット領域SH1の有効領域ER1内に収まるように、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。
【0045】
また、計測制御部51は、計測対象のショット領域について、フォーカスセンサの移動位置及び計測点の位置の相関関係の情報を参照して、有効領域内に収まるフォーカスセンサのうち両端のフォーカスセンサによる計測点が有効領域の両端近傍に位置し、かつ、有効領域内に収まるフォーカスセンサによる計測点が均等な間隔で配されるように、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。
【0046】
例えば、図4(b)に示す場合、計測制御部51は、3個のフォーカスセンサによる計測点DP−1〜DP−3のうちの両端のフォーカスセンサによる計測点DP−1、DP−3が有効領域ER1の両端ER1a、ER1b近傍に位置し、かつ、3個のフォーカスセンサによる計測点DP−1〜DP−3が均等な間隔(ピッチ)で配されるように、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。
【0047】
より具体的には、計測制御部51は、1つの計測点(所定形状の像)のX方向の幅を特定し、1つの計測点のX方向の幅と有効領域のX方向の幅と計測点の個数とから、各計測点の配置のピッチを
(各計測点の配置のピッチ)={(有効領域のX方向の幅)
−(1つの計測点のX方向の幅)}
÷(有効領域内に配される計測点の個数−1)
・・・(数式1)
により決定する。そして、計測制御部51は、有効領域におけるX方向の一端を基準として数式1で示されるピッチでX方向に計測点を繰り返し配置していき、得られた各計測点の配置位置と、フォーカスセンサの移動位置及び計測点の位置の相関関係の情報とから、各計測点に対応するフォーカスセンサの目標移動位置を決定する。
【0048】
例えば、図4(b)に示す場合、計測制御部51は、各計測点DP−1〜DP−4の幅WDPを特定し、各計測点DP−1〜DP−4の幅WDPと有効領域ER1の幅WER1とから、各計測点DP−1〜DP−4の配置のピッチを
P12≒P23≒P24≒(WER1−WDP)÷2・・・(数式2)
により決定する。そして、計測制御部51は、有効領域ER1におけるX方向の一端ER1aを基準として数式2で示されるピッチでX方向に計測点DP−1〜DP−4を繰り返し配置していき、得られた各計測点DP−1〜DP−4の配置位置と、フォーカスセンサの移動位置及び計測点の位置の相関関係の情報とから、各計測点DP−1〜DP−4に対応するフォーカスセンサの目標移動位置を決定する。
【0049】
ステップS5では、計測制御部51が、ステップS4で決定された目標移動位置に基づいて、各フォーカスセンサを互いに独立に駆動させる。
【0050】
具体的には、検知部(図2参照)は、各フォーカスセンサの現在位置を検知してその検知結果の情報を計測制御部51へ供給する。計測制御部51は、各フォーカスセンサの現在位置の情報を検知部から受ける。計測制御部51は、ステップS4で決定された目標移動位置と各フォーカスセンサの現在位置との差分をとることにより、各フォーカスセンサの移動量を算出する。そして、計測制御部51は、算出した移動量に基づいて、駆動部(図2参照)を制御する。これにより、駆動部は、各フォーカスセンサを目標移動位置まで互いに独立に駆動する。
【0051】
なお、計測制御部51は、各フォーカスセンサを目標移動位置へ駆動させる際に、検知部及び駆動部を介してフィードバック制御を行ってもよい。すなわち、計測制御部51は、移動後の各フォーカスセンサの現在位置の情報を検知部から受け、ステップS4で決定された目標移動位置と移動後の各フォーカスセンサの現在位置との差分をとることにより、各フォーカスセンサの移動量を算出する。そして、計測制御部51は、算出した移動量に基づいて、駆動部を制御する。これにより、各フォーカスセンサの位置決めの精度を向上できる。
【0052】
ステップS6では、計測制御部51が、フォーカス計測を行わせる。具体的には、計測制御部51は、各フォーカスセンサによる計測点を計測対象のショット領域に対してY方向へ相対的に走査させながら、各フォーカスセンサが対応する計測点でのデフォーカス量を検出するように制御する。例えば、計測制御部51は、ウエハステージ60を制御して、ウエハWFをY方向へ移動させる。
【0053】
ステップS7では、面位置制御部52が、フォーカス検出系30の受光部40からフォーカス計測の結果を受ける。面位置制御部52は、フォーカス計測の結果に基づいて計測対象のショット領域のZ方向の位置(面位置)を制御する。
【0054】
具体的には、面位置制御部52は、計測制御部51により各計測点が計測対象のショット領域に対してY方向へ相対的に走査されるフォーカス計測が行われることと並行して、受光部40から各フォーカスセンサによる検出結果を逐次受ける。これにより、面位置制御部52は、各フォーカスセンサによる検出結果、すなわち各計測点でのデフォーカス量に基づいて、計測対象のショット領域の表面位置がベストフォーカス位置に近づくように(例えば、デフォーカス量がキャンセルされるように)ウエハWFをZ方向に移動する。さらに必要に応じて、面位置制御部52は、計測対象のショット領域がベストフォーカス位置に近づくようにウエハWFをθX方向又はθY方向に回転しても良い。
【0055】
その後、露光装置1は、例えば、計測対象のショット領域に対して露光処理を行う。
【0056】
ステップS8では、計測制御部51が、ウエハマップの情報と計測スケジュールとに基づいて全てのショット領域に対するフォーカス計測を完了したか否かを判断する。計測制御部51は、全てのショット領域に対するフォーカス計測を完了したと判断した場合、処理を終了し、全てのショット領域に対するフォーカス計測を完了していないと判断した場合、処理をステップS1へ戻す。
【0057】
なお、露光処理は、全てのショット領域に対するフォーカス計測が完了した後に行われてもよい。この場合、ステップS7では、面位置制御部52が、フォーカス検出系30の受光部40から受けたフォーカス計測の結果(各計測点のデフォーカス量)をウエハマップと対応付けてフォーカスマッピングを行い保持しておく。そして、ステップS8の後に、面位置制御部52は、フォーカスマッピングの情報に基づいて各ショット領域のZ方向の位置(面位置)を制御し各ショット領域の露光処理を行う。
【0058】
ここで、仮に、受光部40における複数のフォーカスセンサの位置が固定されている場合について考える。この場合、複数のフォーカスセンサの位置が完全ショット領域を基準に設定されているので、ウエハWFの外周近傍の欠けショット領域では有効領域の幅が狭いために有効領域内に収めるフォーカスセンサによる計測点の個数が少なくなり要求される計測精度を実現することが困難になる傾向にある。要求される計測精度を実現できないと、その後の露光処理においてだまされなどに起因するデフォーカスが発生し、パターンの形成不良に至る可能性がある。
【0059】
例えば、図9(a)に示すウエハWF800のショット領域SH801では、図9(b)に示すように、図9(b)中の左半分が無効領域NER801となり右半分が有効領域ER801となる。有効領域ER801の幅WER801は、ショット領域SH801の幅WSH801の略半分になっている。このとき、複数のフォーカスセンサによる計測点DP−801〜DP−804の配置ピッチP812〜P834は、それぞれ固定値になっている。このため、例えば、
P812+P823>WER801・・・(数式3)
が成り立つ傾向にある。言い換えると、フォーカス検出系30による所定形状の像(計測点)が選択したショット領域内に位置するように、ウエハステージ60を介してウエハWF800をX方向及びY方向に移動させても、2個以下のフォーカスセンサによる計測点DP−801、DP−802しか有効領域内に収めることができない傾向にある。
【0060】
例えば、有効領域内に収めるフォーカスセンサによる計測点の個数が1個の場合、フォーカス計測の結果に基づきオフセットの補正(0次の補正)を行うことができても、1次以上の補正を行うことが困難である。あるいは、例えば、有効領域内に収めるフォーカスセンサによる計測点の個数が2個の場合、フォーカス計測の結果に基づきオフセットの補正(0次の補正)に加えて傾きの補正(1次の補正)を行うことができても、2次以上の補正を行うことが困難である。ここで、このように有効領域内に収めるフォーカスセンサによる計測点の個数が2個以下であると、図5に示されるように、フォーカス誤差が、要求されるフォーカス精度の上限Ethを超えて大きくなってしまう傾向にあった。
【0061】
それに対して、本実施形態では、受光部40において駆動部が、ウエハWFの表面に配置された複数のショット領域SH1〜SHk毎に、複数のフォーカスセンサのウエハ面内方向(X方向)の位置を互いに独立に駆動する。これにより、計測対象のショット領域が欠けショットである場合でも、有効領域内に収めるフォーカスセンサによる計測点の個数を増やすことができるので、ウエハWFの表面の位置の計測精度を向上できる。
【0062】
具体的には、駆動部が、計測制御部51による制御のもと、ウエハWFの複数のショット領域SH1〜SHkのそれぞれについて、3個以上のフォーカスセンサによる計測点がショット領域における有効領域内に収まるように、複数のフォーカスセンサを駆動する。これにより、フォーカス計測の結果に基づきオフセットの補正(0次の補正)及び傾きの補正(1次の補正)に加えて2次以上の高次の補正を行うことができるので、フォーカス誤差を、要求されるフォーカス精度の上限Eth未満に低減できる(図5参照)。すなわち、フォーカス計測に対して要求される計測精度を実現することができる。したがって、その後の露光処理におけるデフォーカスを抑制でき、パターンの形成不良を抑制できる。
【0063】
また、本実施形態では、駆動部が、計測制御部51による制御のもと、複数のショット領域SH1〜SHkのそれぞれについて、有効領域内に収まる両端のフォーカスセンサによる計測点が有効領域の両端近傍に位置し、かつ、有効領域内に収まる3個以上のフォーカスセンサによる計測点が均等な間隔で配されるように、複数のフォーカスセンサを駆動する。これにより、計測対象のショット領域の有効領域の幅が狭い場合であっても、フォーカス計測の計測精度を効率的に向上させることができる。
【0064】
なお、計測制御部51は、各計測点(所定形状の像)の幅を小さくするとともに、有効領域内に収めるフォーカスセンサによる計測点の個数を増やすように、制御しても良い。
【0065】
例えば、フォーカス検出系30の投射系30aにおける絞り32には開口32aの幅を変更してフォーカスセンサによる計測点の幅を可変とする機構が設けられており、計測制御部51は、図4(c)に示すように、計測点の幅をWDPからWDPaへ小さくするように、絞り32の開口32aの幅を制御する。それとともに、計測制御部51は、各計測点DP−1a〜DP−Naの幅WDPaと有効領域ER1の幅WER1と計測点DP−1a〜DP−Naの個数Nとから、各計測点DP−1a〜DP−Naの配置のピッチを
P12a≒・・・≒P(N−1)Na≒(WER1−WDPa)÷(N−1)
・・・(数式4)
により決定する。そして、計測制御部51は、有効領域ER1におけるX方向の一端ER1aを基準として数式4で示されるピッチでX方向に計測点DP−1a〜DP−Naを繰り返し配置していき、得られた各計測点DP−1a〜DP−Naの配置位置と、フォーカスセンサの移動位置及び計測点の位置の相関関係の情報とから、各計測点DP−1a〜DP−Naに対応するフォーカスセンサの目標移動位置を決定する。これにより、例えば、フォーカスセンサの数が多い場合であっても、多数のフォーカスセンサによる計測点を有効領域内に収めることができ、フォーカス計測の計測精度をさらに向上できる。
【0066】
あるいは、ウエハWFの外周近傍の欠けショット領域に限らず完全ショット領域に対しても、各フォーカスセンサを互いに独立に駆動する制御を行ってもよい。すなわち、図6に示すように、ステップS2(図3参照)に代えて、ステップS13〜ステップS15が行われてもよい。
【0067】
ステップS13では、計測制御部51が、ウエハマップの情報(図7(a)参照)を参照して、計測対象のショット領域における有効領域のX方向の幅を特定する。例えば、計測対象のショット領域がショット領域SHiである場合、計測制御部51は、ショット領域SHiのX方向の幅WSHiを有効領域ERiのX方向の幅WERiとして特定する。
【0068】
ステップS14では、計測制御部51が、ステップS13で特定した有効領域の幅に基づいて、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。具体的には、計測制御部51は、計測対象のショット領域について、フォーカスセンサの移動位置及び計測点の位置の相関関係の情報を参照して、より多くのフォーカスセンサによる計測点が計測対象のショット領域における有効領域内に収まるように、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。
【0069】
例えば、図7(b)に示す場合、計測制御部51は、N個のフォーカスセンサによる計測点(所定形状の像)DP−1〜DP−Nがショット領域SHiの有効領域ERi内に収まるように、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。
【0070】
また、計測制御部51は、計測対象のショット領域について、フォーカスセンサの移動位置及び計測点の位置の相関関係の情報を参照して、有効領域内に収まるフォーカスセンサのうち両端のフォーカスセンサによる計測点が有効領域の両端近傍に位置し、かつ、有効領域内に収まるフォーカスセンサによる計測点が均等な間隔で配されるように、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。
【0071】
例えば、図7(b)に示す場合、計測制御部51は、N個のフォーカスセンサによる計測点DP−1〜DP−Nのうちの両端のフォーカスセンサによる計測点DP−1、DP−Nが有効領域ERiの両端ERia、ERib近傍に位置し、かつ、N個のフォーカスセンサによる計測点DP−1〜DP−Nが均等な間隔(ピッチ)で配されるように、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。
【0072】
より具体的には、計測制御部51は、1つの計測点(所定形状の像)のX方向の幅を特定し、1つの計測点のX方向の幅と有効領域のX方向の幅と計測点の個数とから、各計測点の配置のピッチを数式1により決定する。そして、計測制御部51は、有効領域におけるX方向の一端を基準として数式1で示されるピッチでX方向に計測点を繰り返し配置していき、得られた各計測点の配置位置と、フォーカスセンサの移動位置及び計測点の位置の相関関係の情報とから、各計測点に対応するフォーカスセンサの目標移動位置を決定する。
【0073】
例えば、図7(b)に示す場合、計測制御部51は、各計測点DP−1〜DP−Nの幅WDPを特定し、各計測点DP−1〜DP−Nの幅WDPと有効領域ERiの幅WERiとから、各計測点DP−1〜DP−Nの配置のピッチを
P12i≒・・・≒P(N−1)Ni≒(WERi−WDP)÷(N−1)
・・・(数式5)
により決定する。そして、計測制御部51は、有効領域ERiにおけるX方向の一端ERiaを基準として数式5で示されるピッチでX方向に計測点DP−1〜DP−Nを繰り返し配置していき、得られた各計測点DP−1〜DP−Nの配置位置と、フォーカスセンサの移動位置及び計測点の位置の相関関係の情報とから、各計測点DP−1〜DP−Nに対応するフォーカスセンサの目標移動位置を決定する。
【0074】
ステップS15では、計測制御部51が、ステップS14で決定された目標移動位置に基づいて、各フォーカスセンサを互いに独立に駆動させる。
【0075】
このように、完全ショット領域に対しても、各フォーカスセンサを互いに独立に駆動する制御を行うことにより、各計測点の間隔が固定されている場合(図9(b)参照)に比べて、より多くのフォーカスセンサによる計測点が有効領域内に収まるように制御できる。これにより、完全ショット領域に対するフォーカス計測の計測制度をさらに向上することができる。
【0076】
あるいは、X方向の幅の狭い部分と広い部分とを有する有効領域を含む欠けショット領域に対して、X方向の幅の狭い部分を基準として、X方向の幅の広い部分に多くの計測点が配されるように、各フォーカスセンサを互いに独立に駆動する制御を行ってもよい。
【0077】
例えば、図8(a)に示すショット領域SHjは、有効領域ERj及び無効領域NERjを有する欠けショット領域であるが、有効領域ERjがX方向の幅の狭い部分ERj2とX方向の幅の広い部分ERj1とを有する。すなわち、部分ERj2のX方向の幅WERj2は、部分ERj1のX方向の幅WERj1より狭い。例えば、計測制御部51は、図8(b)に示すように、5個のフォーカスセンサによる計測点DP−1〜DP−5が幅の広い部分ERj1に収まるように、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。それとともに、計測制御部51は、図8(d)に示すように、3個のフォーカスセンサによる計測点DP−1〜DP−3が幅の狭い部分ERj2に収まるように、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。このとき、計測制御部51は、幅の狭い部分ERj2に収まる3個のフォーカスセンサによる計測点DP−1〜DP−3のうちの両端のフォーカスセンサによる計測点DP−1、DP−3が幅の狭い部分ERj2の両端ERj2a、ERj2b近傍に位置し、かつ、3個のフォーカスセンサによる計測点DP−1〜DP−3が均等な間隔(ピッチ)で配されるように、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。
【0078】
このように、X方向の幅の狭い部分を基準として、X方向の幅の広い部分に多くの計測点が配されるように制御を行うことにより、X方向の幅の狭い部分とX方向の幅の広い部分とのそれぞれに対してフォーカス計測の計測制度を向上できる。
【0079】
あるいは、X方向の幅の狭い部分と広い部分とを有する有効領域を含む欠けショット領域に対して、X方向の幅の狭い部分と広い部分とで異なる配置になるように、各フォーカスセンサを互いに独立に駆動する制御を行ってもよい。
【0080】
例えば、図8(a)に示すショット領域SHjについて、計測制御部51は、例えば、図8(c)に示すように、5個のフォーカスセンサによる計測点DP−1〜DP−5が幅の広い部分ERj1に収まるように、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。このとき、計測制御部51は、幅の広い部分ERj1に収まる5個のフォーカスセンサによる計測点DP−1〜DP−5のうちの両端のフォーカスセンサによる計測点DP−1、DP−5が幅の広い部分ERj1の両端ERj1a、ERj1b近傍に位置し、かつ、5個のフォーカスセンサによる計測点DP−1〜DP−5が均等な間隔(ピッチ)で配されるように、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。
【0081】
その後に、計測制御部51は、図8(d)に示すように、3個のフォーカスセンサによる計測点DP−1〜DP−3が幅の狭い部分ERj2に収まるように、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。このとき、計測制御部51は、幅の狭い部分ERj2に収まる3個のフォーカスセンサによる計測点DP−1〜DP−3のうちの両端のフォーカスセンサによる計測点DP−1、DP−3が幅の狭い部分ERj2の両端ERj2a、ERj2b近傍に位置し、かつ、3個のフォーカスセンサによる計測点DP−1〜DP−3が均等な間隔(ピッチ)で配されるように、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。
【0082】
このように、X方向の幅の狭い部分とX方向の幅の広い部分とのそれぞれに対して、各フォーカスセンサを互いに独立に駆動する制御を行うことにより、X方向の幅の狭い部分とX方向の幅の広い部分とのそれぞれに対してフォーカス計測の計測制度を向上できる。
【0083】
あるいは、X方向の幅の狭い部分と広い部分とを有する有効領域を含む欠けショット領域に対して、X方向の幅の狭い部分と広い部分とで計測点の個数が同じになるように、各計測点(所定形状の像)の幅を小さくするとともに、各フォーカスセンサを互いに独立に駆動する制御を行ってもよい。
【0084】
例えば、図8(a)に示すショット領域SHjについて、計測制御部51は、例えば、図8(c)に示すように、5個のフォーカスセンサによる計測点DP−1〜DP−5が幅の広い部分ERj1に収まるように、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。このとき、計測制御部51は、幅の広い部分ERj1に収まる5個のフォーカスセンサによる計測点DP−1〜DP−5のうちの両端のフォーカスセンサによる計測点DP−1、DP−5が幅の広い部分ERj1の両端ERj1a、ERj1b近傍に位置し、かつ、5個のフォーカスセンサによる計測点DP−1〜DP−5が均等な間隔(ピッチ)で配されるように、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。
【0085】
その後に、計測制御部51は、図8(e)に示すように、5個のフォーカスセンサによる計測点DP−1a〜DP−5aが幅の狭い部分ERj2に収まる程度に、計測点の幅をWDPからWDPa(図4(c)参照)へ小さくするように、上述したような絞り32の開口32aの幅を制御する。それとともに、計測制御部51は、5個のフォーカスセンサによる計測点DP−1a〜DP−5aが幅の狭い部分ERj2に収まるように、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。このとき、計測制御部51は、幅の狭い部分ERj2に収まる5個のフォーカスセンサによる計測点DP−1a〜DP−5aのうちの両端のフォーカスセンサによる計測点DP−1a、DP−5aが幅の狭い部分ERj2の両端ERj2a、ERj2b近傍に位置し、かつ、5個のフォーカスセンサによる計測点DP−1a〜DP−5aが均等な間隔(ピッチ)で配されるように、各フォーカスセンサの目標移動位置を決定する。
【0086】
このように、X方向の幅の狭い部分とX方向の幅の広い部分とに対して、X方向の幅の狭い部分と広い部分とで計測点の個数が同じになるように制御を行うことにより、X方向の幅の狭い部分とX方向の幅の広い部分とに対してフォーカス計測の計測制度を均等に揃えることができる。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
1 露光装置、10 光学系、11 照明光学系、12 投影光学系、20 位置制御システム、30 フォーカス検出系、30a 投射系、30b 受光系、31 投射部、32 絞り、32a 開口、33 ハービングガラス、34、35 ミラー、36 ハービングガラス、37 絞り、37a 開口、40 受光部、41−1〜41−3 フォーカスセンサ、42 駆動部、43−1〜43−3 可動子、44 固定子、44a レール部、44b、44c フレーム部、45 検知部、46−1〜46−3 位置計測センサ、47 位置計測グリッド、48 ガイド部、50 制御部、51 計測制御部、52 面位置制御部、53 取得部、60 ウエハステージ、61 基準マーク、DP−1〜DP−N、DP−1a〜DP−Na 計測点、ER1、ERi、ERj 有効領域、SH1〜SHk、SH801 ショット領域、WF、WF800 ウエハ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3個以上の複数のフォーカスセンサと、前記複数のフォーカスセンサを互いに独立に駆動する駆動部とを有し、複数のショット領域を有する基板の表面の高さ方向の位置を計測する面位置計測部と、
前記面位置計測部による計測結果に基づいて、光学系と前記基板の表面との相対的な位置を制御する制御部と、
を備えてなり、
前記駆動部は、前記複数のショット領域のそれぞれについて、3個以上のフォーカスセンサによる計測点が前記ショット領域における有効領域内に収まるとともに、前記3個以上のフォーカスセンサのうち両端のフォーカスセンサによる計測点が前記有効領域の両端近傍に位置し、かつ、前記3個以上のフォーカスセンサによる計測点が均等な間隔で配されるように、前記複数のフォーカスセンサを駆動する
ことを特徴とする位置制御システム。
【請求項2】
基板の表面の高さ方向の位置を計測する面位置計測部と、
前記面位置計測部による計測結果に基づいて、光学系と前記基板の表面との相対的な位置を制御する制御部と、
を備えてなり、
前記面位置計測部は、
複数のフォーカスセンサと、
前記基板の表面に対する前記複数のフォーカスセンサの基板面内方向の位置を互いに独立に駆動する駆動部と、
を有する
ことを特徴とする位置制御システム。
【請求項3】
前記面位置計測部は、前記フォーカスセンサによる計測点の幅を可変とする機構を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の位置制御システム。
【請求項4】
パターンが形成された原版に照射された露光光を基板に投影するための光学系と、
前記基板を位置決めする請求項1から3のいずれか1項に記載の位置制御システムと、
を備えたことを特徴とする露光装置。
【請求項5】
基板の表面の高さ方向の位置を計測することと、
前記計測の結果に基づいて、光学系と前記基板の表面との相対的な位置を制御することと、
前記相対的な位置が制御された前記基板の複数のショット領域にそれぞれ原版上のパターンを投影露光することと、
を備え、
前記計測では、前記複数のショット領域における有効領域に応じて複数のフォーカスセンサの基板面内方向の位置を互いに独立に駆動し、駆動された前記複数のフォーカスセンサを用いて前記基板の表面の高さ方向の位置を計測する
ことを特徴とする露光方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−44567(P2013−44567A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180826(P2011−180826)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】