位置推定システム、通信端末、および位置推定方法
【課題】 近距離に位置する検索対象の通信端末の位置を精度良く推定すること。
【解決手段】 位置推定システムの携帯端末Aでは、被検索端末の位置を示すGPS位置情報に誤差がある場合であっても、Bluetooth通信部4におけるBT通信により、距離演算部5において得られる端末間距離情報によって近距離に位置する両端末間の距離を把握することができ、被検索端末のGPS位置情報にこの端末間距離情報を加味することにより、緯度経度演算部6によって、検索端末から近距離に位置する被検索端末の位置を精度良く推定することができる。また、被検索端末の位置をディスプレイ9によって表示することにより、携帯端末Aのユーザに対して被検索端末の位置を精度良く報知することができる。
【解決手段】 位置推定システムの携帯端末Aでは、被検索端末の位置を示すGPS位置情報に誤差がある場合であっても、Bluetooth通信部4におけるBT通信により、距離演算部5において得られる端末間距離情報によって近距離に位置する両端末間の距離を把握することができ、被検索端末のGPS位置情報にこの端末間距離情報を加味することにより、緯度経度演算部6によって、検索端末から近距離に位置する被検索端末の位置を精度良く推定することができる。また、被検索端末の位置をディスプレイ9によって表示することにより、携帯端末Aのユーザに対して被検索端末の位置を精度良く報知することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置推定システム、通信端末、および位置推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS(GlobalPositioning System)機能を用いて得られた位置情報により相手端末の位置を推定するシステムが知られている。例えば、特許文献1に記載されたシステムでは、GPSにより得られた互いの位置情報を、近距離無線通信であるブルートゥースを用いて相互にやりとりすることにより、相手端末との相対位置関係を計測している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−230173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、GPS機能を用いて得られる位置情報は、通常、誤差を有している。そのため、上記特許文献1に記載されたシステムでは、相手端末の検索において互いの距離が近づくにつれて誤差の影響が大きくなり、近距離に位置する相手端末の位置を精度良く推定することが難しかった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上述した課題を解決するために、近距離に位置する検索対象の通信端末の位置を精度良く推定することができる位置推定システム、通信端末、および位置推定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の位置推定システムは、検索対象の通信端末である被検索端末、被検索端末を検索する通信端末である検索端末、および位置情報収集サーバを有する位置推定システムであって、位置情報収集サーバは、被検索端末の位置を示す第1端末位置情報を取得する第1端末位置取得手段と、第1端末位置取得手段により取得された第1端末位置情報を検索端末へ送信する送信手段と、を備え、検索端末は、通信手段により送信された第1端末位置情報を受信する受信手段と、被検索端末との間における近距離無線通信を行う近距離無線通信手段と、近距離無線通信手段による通信状態に基づいて検索端末と被検索端末との距離を示す端末間距離情報を演算する距離情報演算手段と、近距離無線通信手段による近距離無線通信が接続状態である場合に、受信手段により受信された第1端末位置情報と距離情報演算手段により演算された端末間距離情報とに基づいて、被検索端末の位置を演算する位置推定手段と、位置推定手段により演算された被検索端末の位置表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の通信端末は、検索対象の通信端末である被検索端末の位置を示す第1端末位置情報を受信する受信手段と、被検索端末との間における近距離無線通信を行う近距離無線通信手段と、近距離無線通信手段による通信状態に基づいて自端末と被検索端末との距離を示す端末間距離情報を演算する距離情報演算手段と、近距離無線通信手段による近距離無線通信が接続状態である場合に、受信手段により受信された第1端末位置情報と距離情報演算手段により演算された端末間距離情報とに基づいて、被検索端末の位置を演算する位置推定手段と、位置推定手段により演算された被検索端末の位置を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明の位置推定方法は、検索対象の通信端末である被検索端末の位置を示す第1端末位置情報を取得する第1端末位置取得ステップと、被検索端末を検索する通信端末である検索端末と被検索端末との間における近距離無線通信を行う近距離無線通信ステップと、近距離無線通信ステップにおける通信状態に基づいて検索端末と被検索端末との距離を示す端末間距離情報を演算する距離情報演算ステップと、近距離無線通信ステップにおける近距離無線通信が接続状態である場合に、第1端末位置取得ステップにおいて取得された第1端末位置情報と距離情報演算ステップにおいて演算された端末間距離情報とに基づいて、被検索端末の位置を演算する位置推定ステップと、位置推定ステップにおいて演算された被検索端末の位置を表示する表示ステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
これらの発明によれば、被検索端末の位置を示す第1端末位置情報に誤差がある場合であっても、近距離無線通信により得られる端末間距離情報によって近距離に位置する両端末間の距離を把握することができ、第1端末位置情報にこの端末間距離情報を加味することにより、検索端末(自端末)から近距離に位置する被検索端末の位置を精度良く推定することができる。また、被検索端末の位置を表示することにより、検索端末のユーザに対して被検索端末の位置を精度良く報知することができる。ここで、近距離とは、近距離無線通信による通信が可能な距離のことをいう。
【0010】
また、本発明の位置推定システムにおいて、検索端末は、検索端末の位置を示す第2端末位置情報を取得する第2端末位置取得手段と、近距離無線通信手段による近距離無線通信が接続状態となった際の第2端末位置情報および第1端末位置情報に基づいて、検索端末に対する被検索端末の方位を示す方位情報を演算する方位演算手段と、を備え、位置推定手段は、接続状態となった際の第2端末位置情報と、方位演算手段により演算された方位情報と、距離情報演算手段により演算された端末間距離情報と、に基づいて、被検索端末の位置を演算することが好ましい。
【0011】
また、本発明の通信端末において、自端末の位置を示す第2端末位置情報を取得する第2端末位置取得手段と、近距離無線通信手段による近距離無線通信が接続状態となった際の第2端末位置情報および第1端末位置情報に基づいて、自端末に対する被検索端末の方位を示す方位情報を演算する方位演算手段と、を備え、位置推定手段は、接続状態となった際の第2端末位置情報と、方位演算手段により演算された方位情報と、距離情報演算手段により演算された端末間距離情報と、に基づいて、被検索端末の位置を演算することが好ましい。
【0012】
さらに、本発明の位置推定方法において、検索端末の位置を示す第2端末位置情報を取得する第2端末位置取得ステップと、近距離無線通信ステップにおける近距離無線通信が接続状態となった際の第2端末位置情報および第1端末位置情報に基づいて、検索端末に対する被検索端末の方位を示す方位情報を演算する方位演算ステップと、を含み、位置推定ステップでは、接続状態となった際の第2端末位置情報と、方位演算ステップにおいて演算された方位情報と、距離情報演算ステップにおいて演算された端末間距離情報と、に基づいて、被検索端末の位置を演算することが好ましい。
【0013】
これらの発明によれば、両端末間における近距離無線通信が接続状態となった際の第2端末位置情報と、検索端末(自端末)に対する被検索端末の方位情報と、端末間距離情報と、に基づいて被検索端末の位置が推定される。近距離無線通信が接続状態となった際、被検索端末は、検索端末を基準とした近距離の範囲において比較的離れた位置にあるため、その方位情報の誤差は比較的小さいと考えられる。よって、方位情報によって被検索端末の位置する方位を絞り込み、第2端末位置情報と端末間距離情報とに基づいて被検索端末の位置を推定することにより、被検索端末の位置の推定精度をより一層向上できる。
【0014】
また、本発明の位置推定システムにおいて、受信手段により受信された第1端末位置情報と、位置推定手段により推定された被検索端末の位置を示す被検索端末位置情報と、の少なくとも一方に示される位置について、地図データに基づいて補正する処理であるマップマッチング処理を施すことにより、被検索端末の位置を再演算するマップマッチング手段を備えた地図サーバを有することが好ましい。
【0015】
この発明によれば、地図サーバにおいて、地図データに基づくマップマッチング処理により被検索端末の位置が補正されるため、建物や道路の位置に対応した正確な位置の推定が可能となる。
【0016】
また、本発明の位置推定システムにおいて、表示手段は、近距離無線通信手段による近距離無線通信が切断状態である場合に、受信手段により受信された第1端末位置情報に示される位置を被検索端末の位置として表示することが好ましい。
【0017】
近距離無線通信が切断状態である場合、被検索端末は、検索端末を基準とした近距離の範囲を超えた範囲にいると考えられる。この発明によれば、被検索端末が近距離の範囲を超えた場合は、表示手段は、第1端末位置情報に示される位置を被検索端末の位置として表示するため、被検索端末の位置の遠近に応じた適切な位置の推定が可能となる。
【0018】
また、本発明の位置推定システムにおいて、表示手段は、近距離無線通信手段による通信状態に応じて被検索端末の位置の表示態様を変更することが好ましい。
【0019】
この発明によれば、近距離無線通信の通信状態すなわち被検索端末の位置の遠近に応じて、表示手段における被検索端末の位置の表示態様が変更されるため、検索端末のユーザに対して被検索端末の位置情報を視覚的に伝達でき、利便性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、被検索端末の位置を示す第1端末位置情報に誤差がある場合であっても、近距離無線通信による端末間距離情報によって近距離に位置する両端末間の距離を把握することができ、第1端末位置情報にこの端末間距離情報を加味することにより、検索端末(自端末)から近距離に位置する被検索端末の位置を精度良く推定することができる。また、被検索端末の位置を表示することにより、検索端末のユーザに対して被検索端末の位置を精度良く報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る位置推定システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】図1の位置推定システムにおける携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の位置推定システムにおける位置情報収集サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】図1の位置推定システムにおける地図サーバの構成を示すブロック図である。
【図5】携帯端末のハードウェア構成を示す図である。
【図6】位置推定システムによる処理手順を示すシーケンス図である。
【図7】図6に続く処理手順を示すシーケンス図である。
【図8】図6および図7の処理において近距離無線通信が接続するまでのディスプレイ表示を示す図である。
【図9】図7の処理において被検索端末の位置推定およびマップマッチングにおけるディスプレイ表示を示す図である。
【図10】図9に示す状態から両端末がさらに近づいた場合のディスプレイ表示を示す図である。
【図11】被検索端末が離れていったん近距離無線通信圏外に出た後に再度近距離無線通信圏内に入った場合の処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施形態に係る位置推定システム、携帯端末、および位置推定方法について詳細に説明する。可能な場合には、同一の部分に同一の符号を付して、重複する説明を省略する。本実施形態では、特に断らない限り、「位置」は、世界座標系を基準とした位置とする。また、GPS機能により得られる位置情報を「GPS位置情報」、携帯端末の演算により得られる位置情報を「経度緯度情報」、地図サーバのマップマッチング処理により得られる位置情報を「マップ位置情報」という。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る位置推定システムのシステム構成を示すブロック図である。位置推定システムSは、位置推定システムS内において一の携帯端末(検索端末)が他の携帯端末(被検索端末)を検索するにあたり、他の携帯端末の位置を推定し、当該一の携帯端末のユーザに対し、他の携帯端末の推定位置を報知するためのシステムである。位置推定システムSは、携帯端末A、携帯端末B、ネットワークNW、位置情報収集サーバ10、地図サーバ20、およびGPS衛星30を有している。携帯端末A、携帯端末B、位置情報収集サーバ10、および地図サーバ20は、移動体通信網であるネットワークNWを介して互いに通信可能に接続されている。携帯端末Aおよび携帯端末Bは、複数のGPS衛星30からの電波をそれぞれ受信することにより、自端末のGPS位置情報を取得可能とされている。
【0024】
以下、位置推定システムSが有する各構成要素について説明する。図2、図3、および図4は、それぞれ、携帯端末A,B、位置情報収集サーバ10、および地図サーバ20の構成を示すブロック図である。
【0025】
まず、携帯端末A,Bについて説明する。図2に示すように、携帯端末A,Bは、ネットワーク通信部1、GPS受信部2、入射角演算部3、Bluetooth(登録商標、以下同様)通信部4、距離演算部5、緯度経度演算部6、ボタン部7、電話帳格納部8、およびディスプレイ9を備えている。これらの構成についての以下の説明においては、携帯端末A,Bが検索端末に相当する場合を主として説明する。また、以降において、近距離無線通信である「Bluetooth」は、「BT」と略称する場合がある。
【0026】
ネットワーク通信部1は、図1に示したネットワークNWとの通信を行う部分である。ネットワーク通信部1は、通話やメールのための通信を行う他、ネットワークNWを介して位置情報収集サーバ10および地図サーバ20との通信を行う。ネットワーク通信部1は、GPS受信部2により演算される自端末のGPS位置情報(第2端末位置情報)、ボタン部7により生成される、被検索端末を検索する旨の要求を示す検索要求情報、およびBluetooth通信部4により生成される切断通知情報を位置情報収集サーバ10へ送信する。ネットワーク通信部1は、位置情報収集サーバ10から送信される、検索要求に対する検索許可通知情報、BT起動要求情報、および被検索端末のGPS位置情報(第1端末位置情報)を受信する。ネットワーク通信部1は、受信した被検索端末のGPS位置情報を逐次記憶する。ネットワーク通信部1は、受信手段に相当する。
【0027】
また、ネットワーク通信部1は、位置情報収集サーバ10から受信する被検索端末のGPS位置情報、および緯度経度演算部6により演算される被検索端末の経度緯度情報を地図サーバ20へ送信する。ネットワーク通信部1は、地図サーバ20から送信される携帯端末Bのマップ位置情報を受信する。さらに、携帯端末A,Bが被検索端末である場合、ネットワーク通信部1は、位置情報収集サーバ10から送信される、検索要求に対する確認を要求するための確認要求情報を受信する。また、受信した確認要求情報に対して検索を許可する旨を通知するための検索許可通知情報を、位置情報収集サーバ10へ送信する。
【0028】
GPS受信部2は、図1に示したGPS衛星30からの電波を複数同時に受信し、受信した電波に基づいて自端末のGPS位置情報(第2端末位置情報)を演算(取得)する部分である。GPS受信部2によるGPS位置情報の演算は、所定時間ごとに行われる。GPS受信部2は、演算したGPS位置情報を逐次記憶する。GPS受信部2は、第2端末位置取得手段に相当する。
【0029】
入射角演算部3は、Bluetooth通信部4による近距離無線通信が接続状態となった際の、自端末に対する被検索端末の入射角(方位)を示す入射角情報(方位情報)を演算する部分である。この入射角は、北を基準として演算される。入射角演算部3は、Bluetooth通信部4によりBTが起動されると、GPS受信部2に記憶された自端末の最新のGPS位置情報およびネットワーク通信部1により受信された被検索端末のマップ位置情報に基づいて、入射角情報を演算する。入射角演算部3は、方位演算手段に相当する。
【0030】
Bluetooth通信部4は、被検索端末のBluetooth通信部4との間においてBTによる近距離無線通信(以下、「BT通信」という)を行う部分である。Bluetooth通信部4は、ネットワーク通信部1によりBT起動要求情報が受信されると、BTを起動し、被検索端末との接続状態を検出する。Bluetooth通信部4は、被検索端末との間でBT通信を実行する。また、Bluetooth通信部4は、BT通信が実行できなくなった場合、BT通信は切断状態であると判断し、切断状態を通知するための切断通知情報を生成する。Bluetooth通信部4は、近距離無線通信手段に相当する。
【0031】
距離演算部5は、Bluetooth通信部4による通信状態、すなわちBluetooth通信部4により受信されたBT通信の電波強度に基づいて自端末と被検索端末との距離を示す端末間距離情報を演算する部分である。距離演算部5は、距離情報演算手段に相当する。
【0032】
緯度経度演算部6は、Bluetooth通信部4によるBT通信が接続状態である場合に、被検索端末の経度緯度情報を演算する部分である。緯度経度演算部6は、Bluetooth通信部4により被検索端末との接続状態が検出されている間、入射角演算部3により入射角情報の演算に用いられた自端末のGPS位置情報と、入射角演算部3により演算された入射角情報と、距離演算部5により演算された端末間距離情報と、に基づいて、被検索端末の経度緯度情報を演算する。緯度経度演算部6は、位置推定手段に相当する。
【0033】
ボタン部7は、被検索端末を検索する旨の要求を示す検索要求情報を生成することにより、被検索端末を指定するための装置である。ボタン部7は、ユーザの操作に従い、電話帳格納部8に格納された被検索端末の電話番号を取得し、取得した電話番号を、自端末の電話番号とともに、検索要求情報に含める。さらに、携帯端末A,Bが被検索端末である場合、ボタン部7では、位置情報収集サーバ10から送信された確認要求に対し、ユーザによる検索許可の操作に従い、検索を許可する旨を通知するための検索許可通知情報を生成する。
【0034】
ディスプレイ9は、被検索端末の位置を表示する表示手段である。ディスプレイ9は、Bluetooth通信部4によるBT通信が接続状態である場合、ネットワーク通信部1により受信された被検索端末のマップ位置情報を取得し、このマップ位置情報に示される被検索端末の位置を表示する。また、ディスプレイ9は、Bluetooth通信部4によるBT通信が切断状態である場合、ネットワーク通信部1により受信された被検索端末のGPS位置情報を取得し、このGPS位置情報に示される被検索端末の位置を、被検索端末の位置としてユーザに対して表示する。さらに、ディスプレイ9は、Bluetooth通信部4によるBT通信の通信状態、すなわち受信される電波強度に応じて被検索端末の位置の表示態様を変更する。ディスプレイ9における表示態様については、以下の位置推定システムSによる処理の説明において説明する。
【0035】
続いて、位置情報収集サーバ10について説明する。図3に示すように、位置情報収集サーバ10は、通信部11、位置情報記憶部12、確認要求部13、端末間距離演算部14、BT範囲検出部15、BT起動要求部16、および加入者情報格納部17を備えている。
【0036】
通信部11は、図1に示したネットワークNWとの通信を行う部分である。通信部11は、ネットワークNWを介して検索端末および被検索端末との通信を行う。通信部11は、検索端末および被検索端末のネットワーク通信部1より送信される各端末のGPS位置情報(第2端末位置情報および第1端末位置情報)および切断通知信号を受信する。通信部11は、検索端末より送信される検索要求情報を受信し、受信した検索要求情報に対して確認要求部13にて生成される確認要求情報を、被検索端末へ送信する。また、通信部11は、被検索端末より送信される検索許可通知情報を受信し、受信した検索許可通知情報を検索端末へ送信するとともに、位置情報記憶部12に記憶された被検索端末の最新のGPS位置情報を検索端末へ送信する。
【0037】
さらに、通信部11は、BT範囲検出部15において検索端末と被検索端末との距離がBT通信圏内であることが検出された場合、BT起動要求部16にて生成されるBT起動要求情報を検索端末および被検索端末へ送信するとともに、位置情報記憶部12に記憶された被検索端末の最新のGPS位置情報を検索端末へ送信する。また、通信部11は、切断通知信号を受信した場合にも、位置情報記憶部12に記憶された被検索端末の最新のGPS位置情報を検索端末へ送信する。通信部11は、送信手段に相当する。
【0038】
位置情報記憶部12は、検索端末および被検索端末より受信した各端末のGPS位置情報を取得する部分である。位置情報記憶部12は、取得した各端末のGPS位置情報を、逐次記憶する。位置情報記憶部12は、第1端末位置取得手段に相当する。
【0039】
確認要求部13は、通信部11により受信された検索要求情報に対して確認要求情報を生成する部分である。確認要求部13は、通信部11により検索要求情報が受信されると、受信された検索要求情報に含まれる被検索端末の電話番号に対応する宛先情報(例えばメールアドレス)を、加入者情報格納部17に格納された加入者情報から抽出する。そして、確認要求部13は、抽出した被検索端末の宛先情報に示される宛先へ送信されるように、確認要求メッセージを含めた確認要求情報を生成する。この場合の確認要求メッセージとしては、例えば、「○○さん(検索端末のユーザ)があなたを探しています。検索を許可してもよろしいですか?」等のメッセージが該当する。
【0040】
端末間距離演算部14は、検索端末と被検索端末との距離である端末間距離を演算する部分である。端末間距離演算部14は、通信部11により被検索端末からの検索許可通知情報が受信されると、位置情報記憶部12に記憶された検索端末および被検索端末のGPS位置情報に基づいて、端末間距離を演算する。
【0041】
BT範囲検出部15は、端末間距離演算部14により演算された端末間距離に基づいて、検索端末および被検索端末が互いにBT通信の圏内にあること、すなわち近距離の範囲内にあることを検出する部分である。BT範囲検出部15には、BT通信が可能となる所定の端末間距離が、あらかじめ設定されている。本実施形態では、所定の端末間距離は、100mと設定されている。BT範囲検出部15は、端末間距離演算部14により演算された端末間距離が100m以下であるか否かを判断することにより、検索端末および被検索端末が互いにBT通信の圏内にあることを検出する。
【0042】
BT起動要求部16は、検索端末および被検索端末に対するBTの起動を要求する旨のBT起動要求情報を生成する部分である。BT起動要求部16は、BT範囲検出部15により検索端末および被検索端末は互いにBT通信の圏内にあることが検出されると、BT起動要求情報を生成する。
【0043】
続いて、地図サーバ20について説明する。図4に示すように、地図サーバ20は、通信部21、マップマッチング部22、および地図データベース23を備えている。
【0044】
通信部21は、図1に示したネットワークNWとの通信を行う部分である。通信部21は、ネットワークNWを介して検索端末との通信を行う。通信部21は、検索端末から送信される被検索端末のGPS位置情報および経度緯度情報を受信する。そして、通信部21は、マップマッチング部22により生成された被検索端末のマップ位置情報を、検索端末へ送信する。
【0045】
マップマッチング部22は、通信部21により受信された被検索端末のGPS位置情報および経度緯度情報に示される位置を、地図データベース23との照合により再演算する部分である。地図データベース23には、地図情報および地図情報に含まれる商業施設のフロア情報(フロアマップ等)が格納されており、この地図情報およびフロア情報には、検索端末および被検索端末のユーザが歩行しうる主要な箇所を、ユーザの視点を基準として撮影した画像情報が含まれている。マップマッチング部22は、被検索端末のGPS位置情報および経度緯度情報に示される位置について、地図データベース23に基づいて補正する処理であるマップマッチング処理を施すことにより、被検索端末の位置を再演算し、最演算した位置を地図情報(経度緯度情報を用いる場合は地図情報またはフロア情報)に重畳させることにより、被検索端末のマップ位置情報を生成する。
【0046】
図5は、携帯端末A,Bのハードウェア構成を示す図である。図5に示すように、携帯端末A,Bは、CPU(Central Processing Unit)101、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)102、及びROM(Read Only Memory)103、無線通信を制御する無線通信モジュール104、フラッシュメモリー等の補助記憶装置105、テンキー等の入力装置106、LCD等の出力装置107等を備えている。これらの構成要素が動作することにより、携帯端末A,Bの上述した機能が発揮される。なお、位置情報収集サーバ10および地図サーバ20は、無線通信モジュール104に代えて、LAN等に接続される通信モジュールを備え、その他の構成は図5に示すハードウェア構成と同様である。
【0047】
続いて、図6〜図10を参照しながら、上記の構成を有する位置推定システムSにより実行される位置推定処理の流れについて説明する。以下の説明においては、携帯端末Bは、検索対象の通信端末として機能し、携帯端末Aは、携帯端末Bを検索する通信端末として機能する場合を例とする。言い換えれば、携帯端末Aは探す側の携帯端末であり、携帯端末Bは探される側の携帯端末であるとする。
【0048】
まず、携帯端末Aおよび携帯端末BのGPS受信部2は、自端末のGPS位置情報をそれぞれ演算し(ステップS1,S2)、演算したGPS位置情報を逐次記憶する。ステップS1は、第2端末位置取得ステップに相当する。
【0049】
次に、携帯端末Aおよび携帯端末Bのネットワーク通信部1は、GPS受信部2により演算された自端末のGPS位置情報を位置情報収集サーバ10へそれぞれ送信(アップロード)する(ステップS3,S4)。ここでの送信は、例えば、5分に1回の頻度とされる。これにより、位置情報収集サーバ10は、通信部11により、携帯端末Aおよび携帯端末BのGPS位置情報を定期的に受信することとなる。
【0050】
次に、位置情報収集サーバ10の位置情報記憶部12は、携帯端末Aおよび携帯端末Bより受信した各端末のGPS位置情報を取得し、逐次記憶する(ステップS5)。ステップS5は、第1端末位置取得ステップに相当する。
【0051】
次に、携帯端末Aのボタン部7は、ユーザの操作に従い、自端末および携帯端末Bの電話番号を含めた検索要求情報を生成することにより、携帯端末Bを被検索端末として指定する(ステップS6)と、携帯端末Aのネットワーク通信部1は、生成された検索要求情報を位置情報収集サーバ10へ送信する(ステップS7)。
【0052】
次に、通信部11により検索要求情報が受信されると、位置情報収集サーバ10の確認要求部13は、携帯端末Bを宛先として送信されるように、確認要求メッセージを含めた確認要求情報を生成する。ここでは、「○○さん(携帯端末Aのユーザ)があなたを探しています。検索を許可してもよろしいですか?」等の確認要求メッセージが含められる。そして、確認要求部13により生成された確認要求情報は、位置情報収集サーバ10の通信部11により携帯端末Bへ送信される(ステップS8)。
【0053】
次に、携帯端末Bのネットワーク通信部1により確認要求情報が受信されると、携帯端末Bのボタン部7は、ユーザの操作に従い、検索を許可する旨を通知するための検索許可通知情報を生成する(ステップS9)。検索許可通知情報が生成されると、携帯端末Bのネットワーク通信部1は、生成された検索許可通知情報を、位置情報収集サーバ10へ送信する(ステップS10)。
【0054】
次に、位置情報収集サーバ10の通信部11は、検索許可通知情報を受信すると、受信した検索許可通知情報を携帯端末Aへ送信するとともに、位置情報記憶部12に記憶された携帯端末Bの最新のGPS位置情報を検索端末へ送信する(ステップS11)。これにより、携帯端末Aが携帯端末Bを検索するという検索関係が成立する。なお、図示しないが、ステップS9において携帯端末Bのユーザが検索を許可しない旨の操作を行った場合、ボタン部7により検索不許可を示す検索不許可通知情報が生成され、生成された検索不許可通知情報が位置情報収集サーバ10へ送信され、携帯端末Aと携帯端末Bとの検索関係は成立しないまま処理は終了する。
【0055】
ステップS11において検索許可通知情報とともに携帯端末Bの最新のGPS位置情報が送信されると、携帯端末Aおよび携帯端末Bが互いにBT通信の圏内にない場合、携帯端末Aのディスプレイ9は、図8(a)に示すような画面を表示する。図8(a)は、携帯端末Aおよび携帯端末Bが互いにBT通信の圏内にない場合を示す図である。図8(a)に示すように、表示地図M1では、携帯端末Aを中心として3段階の範囲P,Q,Rが地図上に示されている。この範囲P,Q,Rはそれぞれ、携帯端末Aから10mの範囲を示す10m圏P、50mの範囲を示す50m圏Q、100mの範囲を示す100m圏Rである。
【0056】
ディスプレイ9は、例えば、携帯端末Aを中心として10m圏Pまでの範囲を赤色に、10m圏Pから50m圏Qまでの範囲を黄色に、50m圏Qから100m圏Rまでの範囲を青色に着色して表示する。表示地図M1では、携帯端末Bは100m圏Rの範囲外に位置することが示されている。なお、ここでのディスプレイ9における表示地図M1の表示処理は、携帯端末Bの位置に対応する地図データを地図サーバ20からダウンロードすることにより行われる。
【0057】
次に、図6に戻り、携帯端末Aのネットワーク通信部1は、検索許可通知情報を受信すると、GPS受信部2により演算された自端末のGPS位置情報を位置情報収集サーバ10へ送信(アップロード)する(ステップS12)。また、携帯端末Bのネットワーク通信部1は、索許可通知情報を送信すると、GPS受信部2により演算された自端末のGPS位置情報を位置情報収集サーバ10へ送信(アップロード)する(ステップS13)。ステップS12,S13でのGPS位置情報の送信は、ステップS3,S4での送信よりも時間の間隔が狭められ、例えば3分に1回の頻度とされる。すなわち、携帯端末Aと携帯端末Bとの検索関係が成立すると、検索関係が成立する前に比べて、GPS位置情報のアップロードの頻度は増大する。
【0058】
次に、位置情報収集サーバ10の位置情報記憶部12は、携帯端末Aおよび携帯端末Bより受信した各端末のGPS位置情報を取得し、逐次記憶する(ステップS14)。
【0059】
次に、位置情報収集サーバ10の通信部11により検索許可通知情報が送受信され、携帯端末Aおよび携帯端末Bからの各端末のGPS位置情報が受信されると、位置情報収集サーバ10の端末間距離演算部14は、携帯端末Aと携帯端末Bとの端末間距離を演算する(ステップS15)。
【0060】
次に、図7のシーケンス図に移り、位置情報収集サーバ10のBT範囲検出部15は、端末間距離演算部14により演算された端末間距離が100m以下であるか否かを判断することにより、携帯端末Aおよび携帯端末Bが互いにBT通信の圏内にあることを検出する(ステップS16)。なお、端末間距離演算部14により演算された端末間距離が100mよりも大きい場合、携帯端末Aおよび携帯端末BはBT通信の圏内にないとして、BT範囲検出部15は、ステップS15,S16の処理を繰り返す。
【0061】
次に、位置情報収集サーバ10のBT範囲検出部15により携帯端末Aおよび携帯端末Bは互いにBT通信の圏内にあることが検出されると、位置情報収集サーバ10のBT起動要求部16は、BT起動要求情報を生成する。そして、位置情報収集サーバ10の通信部11は、生成されたBT起動要求情報を携帯端末Aへ送信するとともに、位置情報記憶部12に記憶された携帯端末Bの最新のGPS位置情報を携帯端末Aへ送信する(ステップS17)。また、これと同時に、位置情報収集サーバ10の通信部11は、生成されたBT起動要求情報を携帯端末Bへ送信する(ステップS18)。
【0062】
次に、携帯端末Aおよび携帯端末Bのネットワーク通信部1によりBT起動要求情報が受信されると、携帯端末Aおよび携帯端末BのBluetooth通信部4は、それぞれBTを起動する(ステップS19,S20)。これにより、携帯端末Aおよび携帯端末Bは互いにBT通信により接続され、通信可能とされる。
【0063】
次に、携帯端末Aのネットワーク通信部1は、位置情報収集サーバ10より受信した携帯端末Bの最新のGPS位置情報を地図サーバ20へ送信する(ステップS21)。ここで送信される携帯端末Bの最新のGPS位置情報は、Bluetooth通信部4によるBT通信が接続状態となった際の携帯端末BのGPS位置情報に相当する。
【0064】
次に、地図サーバ20の通信部21により携帯端末BのGPS位置情報が受信されると、地図サーバ20のマップマッチング部22は、受信された携帯端末BのGPS位置情報に示される位置についてマップマッチング処理を施すことにより、携帯端末Bの位置を再演算する(ステップS22)。そして、マップマッチング部22は、最演算した位置を地図データベース23に格納された地図情報に重畳させることにより、携帯端末Bのマップ位置情報を生成する。
【0065】
次に、地図サーバ20の通信部21は、マップマッチング部22により生成された携帯端末Bのマップ位置情報を、携帯端末Aへ送信する(ステップS23)。
【0066】
次に、携帯端末Aのネットワーク通信部1により携帯端末Bのマップ位置情報が受信されると、携帯端末Aの入射角演算部3は、受信されたマップ位置情報とGPS受信部2に記憶された自端末の最新のGPS位置情報(BT通信が接続状態となった際の携帯端末AのGPS位置情報)とに基づいて、携帯端末Bの入射角情報を演算する(ステップS24)。さらに、携帯端末Aのディスプレイ9は、マップ位置情報に示される携帯端末Bの位置を地図情報とともに表示する。ステップS24は、方位演算ステップに相当する。
【0067】
図8(b)は、携帯端末Aおよび携帯端末Bが互いにBT通信により接続された場合を示す図である。図8(b)には、ステップS24において入射角情報が演算された際の携帯端末Aのディスプレイ9における表示地図M2が示されている。ここでは、携帯端末Bは、携帯端末Aを中心として100m圏R付近に位置している。また、携帯端末Aに対する携帯端末Bの入射角は、携帯端末Aを基準として北(図示上方)から東側(図示右側)に角度θだけずれた方位である。この場合、携帯端末Aの入射角演算部3は、携帯端末Bの入射角を角度θと演算する。さらに、表示地図M2は、図8(a)に示した携帯端末Aおよび携帯端末Bが互いにBT通信の圏内にない場合の表示地図M1に比して、拡大された地図表示とされている。
【0068】
次に、図7に戻り、携帯端末Aおよび携帯端末BのBluetooth通信部4は互いにBT通信を実行し(ステップS25,26)、携帯端末Aの距離演算部5は、受信した電波強度に基づいて端末間距離情報を演算する(ステップS27)。ステップS25は、近距離無線通信ステップに相当し、ステップS27は、距離情報演算ステップに相当する。
【0069】
次に、携帯端末Aの緯度経度演算部6は、入射角情報の演算に用いられた自端末のGPS位置情報と、入射角演算部3により演算された入射角情報と、距離演算部5により演算された端末間距離情報と、に基づいて、携帯端末Bの経度緯度情報を演算する(ステップS28)。ステップS28は、位置推定ステップに相当する。
【0070】
図9(a)には、ステップS28において携帯端末Bの経度緯度情報が演算された場合の表示地図M3が示されている。ここでは、携帯端末Aの位置を基準として、ステップS24において演算された入射角θに向けて、ステップS27において演算された端末間距離Lだけ離れた位置が携帯端末Bの位置とされる。この表示地図M3では、携帯端末Bは、50m圏Qと100m圏Rとの中間位置、すなわち携帯端末Aから70mの付近に表示されている。
【0071】
次に、再び図7に戻り、携帯端末Aのネットワーク通信部1は、緯度経度演算部6により演算された経度緯度情報を、地図サーバ20へ送信する(ステップS29)。
【0072】
次に、地図サーバ20の通信部21により携帯端末Bの経度緯度情報が受信されると、地図サーバ20のマップマッチング部22は、受信された携帯端末Bの経度緯度情報に示される位置についてマップマッチング処理を施すことにより、携帯端末Bの位置を再演算する(ステップS30)。そして、マップマッチング部22は、最演算した位置を地図データベース23に格納された地図情報またはフロア情報に重畳させることにより、携帯端末Bのマップ位置情報を生成する。
【0073】
次に、地図サーバ20の通信部21は、マップマッチング部22により生成された携帯端末Bのマップ位置情報を、携帯端末Aへ送信する(ステップS31)。
【0074】
そして、携帯端末Aのネットワーク通信部1により携帯端末Bのマップ位置情報が受信されると、携帯端末Aのディスプレイ9は、受信されたマップ位置情報に示される携帯端末Bの位置を地図情報とともに表示する(ステップS32)。ステップS32は、表示ステップに相当する。
【0075】
図9(b)には、ステップS32において表示された表示地図M4が示されている。図9(b)に示すように、表示地図M4では、破線で図示された経度緯度情報に基づく携帯端末Bの位置が、マップマッチング処理により建物の側方を通る道路上に補正されている。また、経度緯度位置情報に基づく携帯端末Bの位置が商業施設である場合には、その商業施設のフロア情報を考慮したマップ位置情報が生成され、携帯端末Bが位置するフロアのフロアマップが表示される。
【0076】
さらに、ステップS25〜ステップS32の処理が繰り返されることにより、携帯端末Aのユーザに対して携帯端末Bの位置が逐次報知される。携帯端末Aのディスプレイ9は、距離演算部5により端末間距離が所定の範囲内(例えば50m圏Qの範囲内)であることが検出された場合、表示態様を図10(a)に示す表示地図M5のように変更する。表示地図M5では、携帯端末Aが位置するフロアの画像情報とともに、携帯端末Bが位置する方向から矢印が表示されている。
【0077】
以上説明した一連の処理により、携帯端末Aのユーザに対し携帯端末Bの位置が報知され、携帯端末Aのユーザは携帯端末Bを発見することができる。なお、被検索端末である携帯端末Bのディスプレイ9においても、携帯端末AのGPS位置情報等を位置情報収集サーバ10から送信して携帯端末Aの位置を表示させてもよい。この場合、図10(b)に示す表示地図M6のように、携帯端末Bが位置する道路の画像情報とともに、携帯端末Aが位置する方向への矢印を表示する。
【0078】
続いて、図11を参照しながら、被検索端末である携帯端末Bが離れていったんBT通信の圏外に出た後に再度BT通信の圏内に入る場合の処理について説明する。以下の説明においては、最初の時点において、携帯端末Aおよび携帯端末Bは互いにBT通信の圏内に位置しており、上述したステップS25,S26におけるBT通信が実行されている場合を前提とする。
【0079】
まず、携帯端末Bが携帯端末Aから離れてBT通信の圏外に出ると、携帯端末Aおよび携帯端末BのBluetooth通信部4は、BT通信の切断状態を検出し(ステップS51,S52)、切断通知情報を生成する。Bluetooth通信部4によりBT通信の切断状態が検出されると、携帯端末Aおよび携帯端末Bのネットワーク通信部1は、生成された切断通知情報を位置情報収集サーバ10へ送信することにより、BT通信の切断を通知する(ステップS53,S54)。
【0080】
次に、位置情報収集サーバ10の通信部11により切断通知情報が受信されると、位置情報収集サーバ10の通信部11は、位置情報記憶部12に記憶された携帯端末Bの最新のGPS位置情報を携帯端末Aへ送信する(ステップS55)。次に、携帯端末Aのネットワーク通信部1は、位置情報収集サーバ10より受信した携帯端末Bの最新のGPS位置情報を地図サーバ20へ送信する(ステップS56)。
【0081】
次に、地図サーバ20の通信部21により携帯端末BのGPS位置情報が受信されると、地図サーバ20のマップマッチング部22は、受信された携帯端末BのGPS位置情報に示される位置についてマップマッチング処理を施すことにより、携帯端末Bの位置を再演算し(ステップS57)、携帯端末Bのマップ位置情報を生成する。次に、地図サーバ20の通信部21は、マップマッチング部22により生成された携帯端末Bのマップ位置情報を、携帯端末Aへ送信する(ステップS58)。
【0082】
そして、携帯端末Aのネットワーク通信部1により携帯端末Bのマップ位置情報が受信されると、携帯端末Aのディスプレイ9は、受信されたマップ位置情報に示される携帯端末Bの位置を地図情報とともに表示する(ステップS59)。ステップS59は、表示ステップに相当する。
【0083】
以上のように、本実施形態に係る位置推定システムSによれば、被検索端末の位置を示すGPS位置情報に誤差がある場合であっても、Bluetooth通信部4におけるBT通信により、距離演算部5において得られる端末間距離情報によって近距離に位置する両端末間の距離Lを把握することができ、被検索端末のGPS位置情報にこの端末間距離情報を加味することにより、緯度経度演算部6によって、検索端末から近距離に位置する被検索端末の位置を精度良く推定することができる。また、被検索端末の位置をディスプレイ9によって表示することにより、検索端末のユーザに対して被検索端末の位置を精度良く報知することができる。
【0084】
また、本実施形態に係る位置推定システムSによれば、両端末間におけるBT通信が接続状態となった際の検索端末の位置を示すGPS位置情報と、検索端末に対する被検索端末の入射角情報と、端末間距離情報と、に基づいて、緯度経度演算部6によって被検索端末の位置が推定される。このように、入射角情報によって被検索端末の位置する方位を絞り込み、検索端末のGPS位置情報と端末間距離情報とに基づいて被検索端末の位置を推定することにより、緯度経度演算部6における被検索端末の位置の推定精度をより一層向上できる。
【0085】
また、地図サーバ20のマップマッチング部22において、地図データベース23に基づくマップマッチング処理により被検索端末の位置が補正されるため、建物や道路の位置に対応した正確な位置の推定が可能となる。
【0086】
また、被検索端末がBT通信の範囲を超えた場合は、ディスプレイ9は、被検索端末のGPS位置情報に示される位置を被検索端末の位置として表示するため、被検索端末の位置の遠近に応じた適切な位置の推定が可能となる。
【0087】
また、BT通信の通信状態すなわち被検索端末の位置の遠近に応じて、ディスプレイ9における被検索端末の位置の表示態様が変更されるため、検索端末のユーザに対して被検索端末の位置情報を視覚的に伝達でき、利便性の向上を図ることができる。
【0088】
また、このような作用・効果に加えて、位置推定システムSによれば、大型施設等の建物内での待ち合わせにおける携帯端末の検索に適用することもでき、さらに、親が近距離にいる子供を捜したい場合にも適用できる。また、上記実施形態の携帯端末A,Bと同様の機能を有する装置をペットに装着させることにより、ペットの探索に適用することもできる。その場合、図6に示したステップS7〜S11の検索要求から検索許可までの処理は省略される。
【0089】
さらにまた、自動車と人、自動車と自転車のそれぞれに上記実施形態の携帯端末A,Bと同様の機能を有する装置を搭載することにより、自動車の近距離に位置する人や自転車をBTを用いて把握することができ、街角の歩行者や自転車の飛び出し等を防止することができる。
【0090】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、位置情報収集サーバ10のBT範囲検出部15によりBT通信の圏内であることが検出されると携帯端末A,BにおけるBTが起動することとしたが、検索端末においては被検索端末を指定した際に、また、被検索端末においては検索を許可した際に、BTを起動してもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、検索端末において入射角情報および被検索端末の経度緯度情報を演算することとしたが、位置情報収集サーバ10において同様の演算を行ってもよい。この場合、BT通信により得られる端末間距離情報を、検索端末から位置情報収集サーバ10へアップロードすればよい。
【0092】
また、上記実施形態では、マップマッチング処理を経たマップ位置情報に示される携帯端末Bの位置をディスプレイ9によって表示する場合について説明したが、ディスプレイ9は、マップマッチング処理を経ていない、緯度経度演算部6により演算された経度緯度情報に示される位置を携帯端末Bの位置として表示してもよい。
【符号の説明】
【0093】
1…ネットワーク通信部(受信手段)、2…GPS受信部(第2端末位置取得手段)、3…入射角演算部(方位演算手段)、4…Bluetooth通信部(近距離無線通信手段)、5…距離演算部(距離情報演算手段)、6…緯度経度演算部(位置推定手段)、9…ディスプレイ(表示手段)、10…位置情報収集サーバ、11…通信部(送信手段)、12…位置情報記憶部(第1端末位置取得手段)、20…地図サーバ、22…マップマッチング部(マップマッチング手段)、23…地図データベース(地図データ)、A,B…携帯端末(通信端末)、L…端末間距離、S…位置推定システム、θ…入射角(方位)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置推定システム、通信端末、および位置推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS(GlobalPositioning System)機能を用いて得られた位置情報により相手端末の位置を推定するシステムが知られている。例えば、特許文献1に記載されたシステムでは、GPSにより得られた互いの位置情報を、近距離無線通信であるブルートゥースを用いて相互にやりとりすることにより、相手端末との相対位置関係を計測している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−230173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、GPS機能を用いて得られる位置情報は、通常、誤差を有している。そのため、上記特許文献1に記載されたシステムでは、相手端末の検索において互いの距離が近づくにつれて誤差の影響が大きくなり、近距離に位置する相手端末の位置を精度良く推定することが難しかった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上述した課題を解決するために、近距離に位置する検索対象の通信端末の位置を精度良く推定することができる位置推定システム、通信端末、および位置推定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の位置推定システムは、検索対象の通信端末である被検索端末、被検索端末を検索する通信端末である検索端末、および位置情報収集サーバを有する位置推定システムであって、位置情報収集サーバは、被検索端末の位置を示す第1端末位置情報を取得する第1端末位置取得手段と、第1端末位置取得手段により取得された第1端末位置情報を検索端末へ送信する送信手段と、を備え、検索端末は、通信手段により送信された第1端末位置情報を受信する受信手段と、被検索端末との間における近距離無線通信を行う近距離無線通信手段と、近距離無線通信手段による通信状態に基づいて検索端末と被検索端末との距離を示す端末間距離情報を演算する距離情報演算手段と、近距離無線通信手段による近距離無線通信が接続状態である場合に、受信手段により受信された第1端末位置情報と距離情報演算手段により演算された端末間距離情報とに基づいて、被検索端末の位置を演算する位置推定手段と、位置推定手段により演算された被検索端末の位置表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の通信端末は、検索対象の通信端末である被検索端末の位置を示す第1端末位置情報を受信する受信手段と、被検索端末との間における近距離無線通信を行う近距離無線通信手段と、近距離無線通信手段による通信状態に基づいて自端末と被検索端末との距離を示す端末間距離情報を演算する距離情報演算手段と、近距離無線通信手段による近距離無線通信が接続状態である場合に、受信手段により受信された第1端末位置情報と距離情報演算手段により演算された端末間距離情報とに基づいて、被検索端末の位置を演算する位置推定手段と、位置推定手段により演算された被検索端末の位置を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明の位置推定方法は、検索対象の通信端末である被検索端末の位置を示す第1端末位置情報を取得する第1端末位置取得ステップと、被検索端末を検索する通信端末である検索端末と被検索端末との間における近距離無線通信を行う近距離無線通信ステップと、近距離無線通信ステップにおける通信状態に基づいて検索端末と被検索端末との距離を示す端末間距離情報を演算する距離情報演算ステップと、近距離無線通信ステップにおける近距離無線通信が接続状態である場合に、第1端末位置取得ステップにおいて取得された第1端末位置情報と距離情報演算ステップにおいて演算された端末間距離情報とに基づいて、被検索端末の位置を演算する位置推定ステップと、位置推定ステップにおいて演算された被検索端末の位置を表示する表示ステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
これらの発明によれば、被検索端末の位置を示す第1端末位置情報に誤差がある場合であっても、近距離無線通信により得られる端末間距離情報によって近距離に位置する両端末間の距離を把握することができ、第1端末位置情報にこの端末間距離情報を加味することにより、検索端末(自端末)から近距離に位置する被検索端末の位置を精度良く推定することができる。また、被検索端末の位置を表示することにより、検索端末のユーザに対して被検索端末の位置を精度良く報知することができる。ここで、近距離とは、近距離無線通信による通信が可能な距離のことをいう。
【0010】
また、本発明の位置推定システムにおいて、検索端末は、検索端末の位置を示す第2端末位置情報を取得する第2端末位置取得手段と、近距離無線通信手段による近距離無線通信が接続状態となった際の第2端末位置情報および第1端末位置情報に基づいて、検索端末に対する被検索端末の方位を示す方位情報を演算する方位演算手段と、を備え、位置推定手段は、接続状態となった際の第2端末位置情報と、方位演算手段により演算された方位情報と、距離情報演算手段により演算された端末間距離情報と、に基づいて、被検索端末の位置を演算することが好ましい。
【0011】
また、本発明の通信端末において、自端末の位置を示す第2端末位置情報を取得する第2端末位置取得手段と、近距離無線通信手段による近距離無線通信が接続状態となった際の第2端末位置情報および第1端末位置情報に基づいて、自端末に対する被検索端末の方位を示す方位情報を演算する方位演算手段と、を備え、位置推定手段は、接続状態となった際の第2端末位置情報と、方位演算手段により演算された方位情報と、距離情報演算手段により演算された端末間距離情報と、に基づいて、被検索端末の位置を演算することが好ましい。
【0012】
さらに、本発明の位置推定方法において、検索端末の位置を示す第2端末位置情報を取得する第2端末位置取得ステップと、近距離無線通信ステップにおける近距離無線通信が接続状態となった際の第2端末位置情報および第1端末位置情報に基づいて、検索端末に対する被検索端末の方位を示す方位情報を演算する方位演算ステップと、を含み、位置推定ステップでは、接続状態となった際の第2端末位置情報と、方位演算ステップにおいて演算された方位情報と、距離情報演算ステップにおいて演算された端末間距離情報と、に基づいて、被検索端末の位置を演算することが好ましい。
【0013】
これらの発明によれば、両端末間における近距離無線通信が接続状態となった際の第2端末位置情報と、検索端末(自端末)に対する被検索端末の方位情報と、端末間距離情報と、に基づいて被検索端末の位置が推定される。近距離無線通信が接続状態となった際、被検索端末は、検索端末を基準とした近距離の範囲において比較的離れた位置にあるため、その方位情報の誤差は比較的小さいと考えられる。よって、方位情報によって被検索端末の位置する方位を絞り込み、第2端末位置情報と端末間距離情報とに基づいて被検索端末の位置を推定することにより、被検索端末の位置の推定精度をより一層向上できる。
【0014】
また、本発明の位置推定システムにおいて、受信手段により受信された第1端末位置情報と、位置推定手段により推定された被検索端末の位置を示す被検索端末位置情報と、の少なくとも一方に示される位置について、地図データに基づいて補正する処理であるマップマッチング処理を施すことにより、被検索端末の位置を再演算するマップマッチング手段を備えた地図サーバを有することが好ましい。
【0015】
この発明によれば、地図サーバにおいて、地図データに基づくマップマッチング処理により被検索端末の位置が補正されるため、建物や道路の位置に対応した正確な位置の推定が可能となる。
【0016】
また、本発明の位置推定システムにおいて、表示手段は、近距離無線通信手段による近距離無線通信が切断状態である場合に、受信手段により受信された第1端末位置情報に示される位置を被検索端末の位置として表示することが好ましい。
【0017】
近距離無線通信が切断状態である場合、被検索端末は、検索端末を基準とした近距離の範囲を超えた範囲にいると考えられる。この発明によれば、被検索端末が近距離の範囲を超えた場合は、表示手段は、第1端末位置情報に示される位置を被検索端末の位置として表示するため、被検索端末の位置の遠近に応じた適切な位置の推定が可能となる。
【0018】
また、本発明の位置推定システムにおいて、表示手段は、近距離無線通信手段による通信状態に応じて被検索端末の位置の表示態様を変更することが好ましい。
【0019】
この発明によれば、近距離無線通信の通信状態すなわち被検索端末の位置の遠近に応じて、表示手段における被検索端末の位置の表示態様が変更されるため、検索端末のユーザに対して被検索端末の位置情報を視覚的に伝達でき、利便性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、被検索端末の位置を示す第1端末位置情報に誤差がある場合であっても、近距離無線通信による端末間距離情報によって近距離に位置する両端末間の距離を把握することができ、第1端末位置情報にこの端末間距離情報を加味することにより、検索端末(自端末)から近距離に位置する被検索端末の位置を精度良く推定することができる。また、被検索端末の位置を表示することにより、検索端末のユーザに対して被検索端末の位置を精度良く報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る位置推定システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】図1の位置推定システムにおける携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の位置推定システムにおける位置情報収集サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】図1の位置推定システムにおける地図サーバの構成を示すブロック図である。
【図5】携帯端末のハードウェア構成を示す図である。
【図6】位置推定システムによる処理手順を示すシーケンス図である。
【図7】図6に続く処理手順を示すシーケンス図である。
【図8】図6および図7の処理において近距離無線通信が接続するまでのディスプレイ表示を示す図である。
【図9】図7の処理において被検索端末の位置推定およびマップマッチングにおけるディスプレイ表示を示す図である。
【図10】図9に示す状態から両端末がさらに近づいた場合のディスプレイ表示を示す図である。
【図11】被検索端末が離れていったん近距離無線通信圏外に出た後に再度近距離無線通信圏内に入った場合の処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施形態に係る位置推定システム、携帯端末、および位置推定方法について詳細に説明する。可能な場合には、同一の部分に同一の符号を付して、重複する説明を省略する。本実施形態では、特に断らない限り、「位置」は、世界座標系を基準とした位置とする。また、GPS機能により得られる位置情報を「GPS位置情報」、携帯端末の演算により得られる位置情報を「経度緯度情報」、地図サーバのマップマッチング処理により得られる位置情報を「マップ位置情報」という。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る位置推定システムのシステム構成を示すブロック図である。位置推定システムSは、位置推定システムS内において一の携帯端末(検索端末)が他の携帯端末(被検索端末)を検索するにあたり、他の携帯端末の位置を推定し、当該一の携帯端末のユーザに対し、他の携帯端末の推定位置を報知するためのシステムである。位置推定システムSは、携帯端末A、携帯端末B、ネットワークNW、位置情報収集サーバ10、地図サーバ20、およびGPS衛星30を有している。携帯端末A、携帯端末B、位置情報収集サーバ10、および地図サーバ20は、移動体通信網であるネットワークNWを介して互いに通信可能に接続されている。携帯端末Aおよび携帯端末Bは、複数のGPS衛星30からの電波をそれぞれ受信することにより、自端末のGPS位置情報を取得可能とされている。
【0024】
以下、位置推定システムSが有する各構成要素について説明する。図2、図3、および図4は、それぞれ、携帯端末A,B、位置情報収集サーバ10、および地図サーバ20の構成を示すブロック図である。
【0025】
まず、携帯端末A,Bについて説明する。図2に示すように、携帯端末A,Bは、ネットワーク通信部1、GPS受信部2、入射角演算部3、Bluetooth(登録商標、以下同様)通信部4、距離演算部5、緯度経度演算部6、ボタン部7、電話帳格納部8、およびディスプレイ9を備えている。これらの構成についての以下の説明においては、携帯端末A,Bが検索端末に相当する場合を主として説明する。また、以降において、近距離無線通信である「Bluetooth」は、「BT」と略称する場合がある。
【0026】
ネットワーク通信部1は、図1に示したネットワークNWとの通信を行う部分である。ネットワーク通信部1は、通話やメールのための通信を行う他、ネットワークNWを介して位置情報収集サーバ10および地図サーバ20との通信を行う。ネットワーク通信部1は、GPS受信部2により演算される自端末のGPS位置情報(第2端末位置情報)、ボタン部7により生成される、被検索端末を検索する旨の要求を示す検索要求情報、およびBluetooth通信部4により生成される切断通知情報を位置情報収集サーバ10へ送信する。ネットワーク通信部1は、位置情報収集サーバ10から送信される、検索要求に対する検索許可通知情報、BT起動要求情報、および被検索端末のGPS位置情報(第1端末位置情報)を受信する。ネットワーク通信部1は、受信した被検索端末のGPS位置情報を逐次記憶する。ネットワーク通信部1は、受信手段に相当する。
【0027】
また、ネットワーク通信部1は、位置情報収集サーバ10から受信する被検索端末のGPS位置情報、および緯度経度演算部6により演算される被検索端末の経度緯度情報を地図サーバ20へ送信する。ネットワーク通信部1は、地図サーバ20から送信される携帯端末Bのマップ位置情報を受信する。さらに、携帯端末A,Bが被検索端末である場合、ネットワーク通信部1は、位置情報収集サーバ10から送信される、検索要求に対する確認を要求するための確認要求情報を受信する。また、受信した確認要求情報に対して検索を許可する旨を通知するための検索許可通知情報を、位置情報収集サーバ10へ送信する。
【0028】
GPS受信部2は、図1に示したGPS衛星30からの電波を複数同時に受信し、受信した電波に基づいて自端末のGPS位置情報(第2端末位置情報)を演算(取得)する部分である。GPS受信部2によるGPS位置情報の演算は、所定時間ごとに行われる。GPS受信部2は、演算したGPS位置情報を逐次記憶する。GPS受信部2は、第2端末位置取得手段に相当する。
【0029】
入射角演算部3は、Bluetooth通信部4による近距離無線通信が接続状態となった際の、自端末に対する被検索端末の入射角(方位)を示す入射角情報(方位情報)を演算する部分である。この入射角は、北を基準として演算される。入射角演算部3は、Bluetooth通信部4によりBTが起動されると、GPS受信部2に記憶された自端末の最新のGPS位置情報およびネットワーク通信部1により受信された被検索端末のマップ位置情報に基づいて、入射角情報を演算する。入射角演算部3は、方位演算手段に相当する。
【0030】
Bluetooth通信部4は、被検索端末のBluetooth通信部4との間においてBTによる近距離無線通信(以下、「BT通信」という)を行う部分である。Bluetooth通信部4は、ネットワーク通信部1によりBT起動要求情報が受信されると、BTを起動し、被検索端末との接続状態を検出する。Bluetooth通信部4は、被検索端末との間でBT通信を実行する。また、Bluetooth通信部4は、BT通信が実行できなくなった場合、BT通信は切断状態であると判断し、切断状態を通知するための切断通知情報を生成する。Bluetooth通信部4は、近距離無線通信手段に相当する。
【0031】
距離演算部5は、Bluetooth通信部4による通信状態、すなわちBluetooth通信部4により受信されたBT通信の電波強度に基づいて自端末と被検索端末との距離を示す端末間距離情報を演算する部分である。距離演算部5は、距離情報演算手段に相当する。
【0032】
緯度経度演算部6は、Bluetooth通信部4によるBT通信が接続状態である場合に、被検索端末の経度緯度情報を演算する部分である。緯度経度演算部6は、Bluetooth通信部4により被検索端末との接続状態が検出されている間、入射角演算部3により入射角情報の演算に用いられた自端末のGPS位置情報と、入射角演算部3により演算された入射角情報と、距離演算部5により演算された端末間距離情報と、に基づいて、被検索端末の経度緯度情報を演算する。緯度経度演算部6は、位置推定手段に相当する。
【0033】
ボタン部7は、被検索端末を検索する旨の要求を示す検索要求情報を生成することにより、被検索端末を指定するための装置である。ボタン部7は、ユーザの操作に従い、電話帳格納部8に格納された被検索端末の電話番号を取得し、取得した電話番号を、自端末の電話番号とともに、検索要求情報に含める。さらに、携帯端末A,Bが被検索端末である場合、ボタン部7では、位置情報収集サーバ10から送信された確認要求に対し、ユーザによる検索許可の操作に従い、検索を許可する旨を通知するための検索許可通知情報を生成する。
【0034】
ディスプレイ9は、被検索端末の位置を表示する表示手段である。ディスプレイ9は、Bluetooth通信部4によるBT通信が接続状態である場合、ネットワーク通信部1により受信された被検索端末のマップ位置情報を取得し、このマップ位置情報に示される被検索端末の位置を表示する。また、ディスプレイ9は、Bluetooth通信部4によるBT通信が切断状態である場合、ネットワーク通信部1により受信された被検索端末のGPS位置情報を取得し、このGPS位置情報に示される被検索端末の位置を、被検索端末の位置としてユーザに対して表示する。さらに、ディスプレイ9は、Bluetooth通信部4によるBT通信の通信状態、すなわち受信される電波強度に応じて被検索端末の位置の表示態様を変更する。ディスプレイ9における表示態様については、以下の位置推定システムSによる処理の説明において説明する。
【0035】
続いて、位置情報収集サーバ10について説明する。図3に示すように、位置情報収集サーバ10は、通信部11、位置情報記憶部12、確認要求部13、端末間距離演算部14、BT範囲検出部15、BT起動要求部16、および加入者情報格納部17を備えている。
【0036】
通信部11は、図1に示したネットワークNWとの通信を行う部分である。通信部11は、ネットワークNWを介して検索端末および被検索端末との通信を行う。通信部11は、検索端末および被検索端末のネットワーク通信部1より送信される各端末のGPS位置情報(第2端末位置情報および第1端末位置情報)および切断通知信号を受信する。通信部11は、検索端末より送信される検索要求情報を受信し、受信した検索要求情報に対して確認要求部13にて生成される確認要求情報を、被検索端末へ送信する。また、通信部11は、被検索端末より送信される検索許可通知情報を受信し、受信した検索許可通知情報を検索端末へ送信するとともに、位置情報記憶部12に記憶された被検索端末の最新のGPS位置情報を検索端末へ送信する。
【0037】
さらに、通信部11は、BT範囲検出部15において検索端末と被検索端末との距離がBT通信圏内であることが検出された場合、BT起動要求部16にて生成されるBT起動要求情報を検索端末および被検索端末へ送信するとともに、位置情報記憶部12に記憶された被検索端末の最新のGPS位置情報を検索端末へ送信する。また、通信部11は、切断通知信号を受信した場合にも、位置情報記憶部12に記憶された被検索端末の最新のGPS位置情報を検索端末へ送信する。通信部11は、送信手段に相当する。
【0038】
位置情報記憶部12は、検索端末および被検索端末より受信した各端末のGPS位置情報を取得する部分である。位置情報記憶部12は、取得した各端末のGPS位置情報を、逐次記憶する。位置情報記憶部12は、第1端末位置取得手段に相当する。
【0039】
確認要求部13は、通信部11により受信された検索要求情報に対して確認要求情報を生成する部分である。確認要求部13は、通信部11により検索要求情報が受信されると、受信された検索要求情報に含まれる被検索端末の電話番号に対応する宛先情報(例えばメールアドレス)を、加入者情報格納部17に格納された加入者情報から抽出する。そして、確認要求部13は、抽出した被検索端末の宛先情報に示される宛先へ送信されるように、確認要求メッセージを含めた確認要求情報を生成する。この場合の確認要求メッセージとしては、例えば、「○○さん(検索端末のユーザ)があなたを探しています。検索を許可してもよろしいですか?」等のメッセージが該当する。
【0040】
端末間距離演算部14は、検索端末と被検索端末との距離である端末間距離を演算する部分である。端末間距離演算部14は、通信部11により被検索端末からの検索許可通知情報が受信されると、位置情報記憶部12に記憶された検索端末および被検索端末のGPS位置情報に基づいて、端末間距離を演算する。
【0041】
BT範囲検出部15は、端末間距離演算部14により演算された端末間距離に基づいて、検索端末および被検索端末が互いにBT通信の圏内にあること、すなわち近距離の範囲内にあることを検出する部分である。BT範囲検出部15には、BT通信が可能となる所定の端末間距離が、あらかじめ設定されている。本実施形態では、所定の端末間距離は、100mと設定されている。BT範囲検出部15は、端末間距離演算部14により演算された端末間距離が100m以下であるか否かを判断することにより、検索端末および被検索端末が互いにBT通信の圏内にあることを検出する。
【0042】
BT起動要求部16は、検索端末および被検索端末に対するBTの起動を要求する旨のBT起動要求情報を生成する部分である。BT起動要求部16は、BT範囲検出部15により検索端末および被検索端末は互いにBT通信の圏内にあることが検出されると、BT起動要求情報を生成する。
【0043】
続いて、地図サーバ20について説明する。図4に示すように、地図サーバ20は、通信部21、マップマッチング部22、および地図データベース23を備えている。
【0044】
通信部21は、図1に示したネットワークNWとの通信を行う部分である。通信部21は、ネットワークNWを介して検索端末との通信を行う。通信部21は、検索端末から送信される被検索端末のGPS位置情報および経度緯度情報を受信する。そして、通信部21は、マップマッチング部22により生成された被検索端末のマップ位置情報を、検索端末へ送信する。
【0045】
マップマッチング部22は、通信部21により受信された被検索端末のGPS位置情報および経度緯度情報に示される位置を、地図データベース23との照合により再演算する部分である。地図データベース23には、地図情報および地図情報に含まれる商業施設のフロア情報(フロアマップ等)が格納されており、この地図情報およびフロア情報には、検索端末および被検索端末のユーザが歩行しうる主要な箇所を、ユーザの視点を基準として撮影した画像情報が含まれている。マップマッチング部22は、被検索端末のGPS位置情報および経度緯度情報に示される位置について、地図データベース23に基づいて補正する処理であるマップマッチング処理を施すことにより、被検索端末の位置を再演算し、最演算した位置を地図情報(経度緯度情報を用いる場合は地図情報またはフロア情報)に重畳させることにより、被検索端末のマップ位置情報を生成する。
【0046】
図5は、携帯端末A,Bのハードウェア構成を示す図である。図5に示すように、携帯端末A,Bは、CPU(Central Processing Unit)101、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)102、及びROM(Read Only Memory)103、無線通信を制御する無線通信モジュール104、フラッシュメモリー等の補助記憶装置105、テンキー等の入力装置106、LCD等の出力装置107等を備えている。これらの構成要素が動作することにより、携帯端末A,Bの上述した機能が発揮される。なお、位置情報収集サーバ10および地図サーバ20は、無線通信モジュール104に代えて、LAN等に接続される通信モジュールを備え、その他の構成は図5に示すハードウェア構成と同様である。
【0047】
続いて、図6〜図10を参照しながら、上記の構成を有する位置推定システムSにより実行される位置推定処理の流れについて説明する。以下の説明においては、携帯端末Bは、検索対象の通信端末として機能し、携帯端末Aは、携帯端末Bを検索する通信端末として機能する場合を例とする。言い換えれば、携帯端末Aは探す側の携帯端末であり、携帯端末Bは探される側の携帯端末であるとする。
【0048】
まず、携帯端末Aおよび携帯端末BのGPS受信部2は、自端末のGPS位置情報をそれぞれ演算し(ステップS1,S2)、演算したGPS位置情報を逐次記憶する。ステップS1は、第2端末位置取得ステップに相当する。
【0049】
次に、携帯端末Aおよび携帯端末Bのネットワーク通信部1は、GPS受信部2により演算された自端末のGPS位置情報を位置情報収集サーバ10へそれぞれ送信(アップロード)する(ステップS3,S4)。ここでの送信は、例えば、5分に1回の頻度とされる。これにより、位置情報収集サーバ10は、通信部11により、携帯端末Aおよび携帯端末BのGPS位置情報を定期的に受信することとなる。
【0050】
次に、位置情報収集サーバ10の位置情報記憶部12は、携帯端末Aおよび携帯端末Bより受信した各端末のGPS位置情報を取得し、逐次記憶する(ステップS5)。ステップS5は、第1端末位置取得ステップに相当する。
【0051】
次に、携帯端末Aのボタン部7は、ユーザの操作に従い、自端末および携帯端末Bの電話番号を含めた検索要求情報を生成することにより、携帯端末Bを被検索端末として指定する(ステップS6)と、携帯端末Aのネットワーク通信部1は、生成された検索要求情報を位置情報収集サーバ10へ送信する(ステップS7)。
【0052】
次に、通信部11により検索要求情報が受信されると、位置情報収集サーバ10の確認要求部13は、携帯端末Bを宛先として送信されるように、確認要求メッセージを含めた確認要求情報を生成する。ここでは、「○○さん(携帯端末Aのユーザ)があなたを探しています。検索を許可してもよろしいですか?」等の確認要求メッセージが含められる。そして、確認要求部13により生成された確認要求情報は、位置情報収集サーバ10の通信部11により携帯端末Bへ送信される(ステップS8)。
【0053】
次に、携帯端末Bのネットワーク通信部1により確認要求情報が受信されると、携帯端末Bのボタン部7は、ユーザの操作に従い、検索を許可する旨を通知するための検索許可通知情報を生成する(ステップS9)。検索許可通知情報が生成されると、携帯端末Bのネットワーク通信部1は、生成された検索許可通知情報を、位置情報収集サーバ10へ送信する(ステップS10)。
【0054】
次に、位置情報収集サーバ10の通信部11は、検索許可通知情報を受信すると、受信した検索許可通知情報を携帯端末Aへ送信するとともに、位置情報記憶部12に記憶された携帯端末Bの最新のGPS位置情報を検索端末へ送信する(ステップS11)。これにより、携帯端末Aが携帯端末Bを検索するという検索関係が成立する。なお、図示しないが、ステップS9において携帯端末Bのユーザが検索を許可しない旨の操作を行った場合、ボタン部7により検索不許可を示す検索不許可通知情報が生成され、生成された検索不許可通知情報が位置情報収集サーバ10へ送信され、携帯端末Aと携帯端末Bとの検索関係は成立しないまま処理は終了する。
【0055】
ステップS11において検索許可通知情報とともに携帯端末Bの最新のGPS位置情報が送信されると、携帯端末Aおよび携帯端末Bが互いにBT通信の圏内にない場合、携帯端末Aのディスプレイ9は、図8(a)に示すような画面を表示する。図8(a)は、携帯端末Aおよび携帯端末Bが互いにBT通信の圏内にない場合を示す図である。図8(a)に示すように、表示地図M1では、携帯端末Aを中心として3段階の範囲P,Q,Rが地図上に示されている。この範囲P,Q,Rはそれぞれ、携帯端末Aから10mの範囲を示す10m圏P、50mの範囲を示す50m圏Q、100mの範囲を示す100m圏Rである。
【0056】
ディスプレイ9は、例えば、携帯端末Aを中心として10m圏Pまでの範囲を赤色に、10m圏Pから50m圏Qまでの範囲を黄色に、50m圏Qから100m圏Rまでの範囲を青色に着色して表示する。表示地図M1では、携帯端末Bは100m圏Rの範囲外に位置することが示されている。なお、ここでのディスプレイ9における表示地図M1の表示処理は、携帯端末Bの位置に対応する地図データを地図サーバ20からダウンロードすることにより行われる。
【0057】
次に、図6に戻り、携帯端末Aのネットワーク通信部1は、検索許可通知情報を受信すると、GPS受信部2により演算された自端末のGPS位置情報を位置情報収集サーバ10へ送信(アップロード)する(ステップS12)。また、携帯端末Bのネットワーク通信部1は、索許可通知情報を送信すると、GPS受信部2により演算された自端末のGPS位置情報を位置情報収集サーバ10へ送信(アップロード)する(ステップS13)。ステップS12,S13でのGPS位置情報の送信は、ステップS3,S4での送信よりも時間の間隔が狭められ、例えば3分に1回の頻度とされる。すなわち、携帯端末Aと携帯端末Bとの検索関係が成立すると、検索関係が成立する前に比べて、GPS位置情報のアップロードの頻度は増大する。
【0058】
次に、位置情報収集サーバ10の位置情報記憶部12は、携帯端末Aおよび携帯端末Bより受信した各端末のGPS位置情報を取得し、逐次記憶する(ステップS14)。
【0059】
次に、位置情報収集サーバ10の通信部11により検索許可通知情報が送受信され、携帯端末Aおよび携帯端末Bからの各端末のGPS位置情報が受信されると、位置情報収集サーバ10の端末間距離演算部14は、携帯端末Aと携帯端末Bとの端末間距離を演算する(ステップS15)。
【0060】
次に、図7のシーケンス図に移り、位置情報収集サーバ10のBT範囲検出部15は、端末間距離演算部14により演算された端末間距離が100m以下であるか否かを判断することにより、携帯端末Aおよび携帯端末Bが互いにBT通信の圏内にあることを検出する(ステップS16)。なお、端末間距離演算部14により演算された端末間距離が100mよりも大きい場合、携帯端末Aおよび携帯端末BはBT通信の圏内にないとして、BT範囲検出部15は、ステップS15,S16の処理を繰り返す。
【0061】
次に、位置情報収集サーバ10のBT範囲検出部15により携帯端末Aおよび携帯端末Bは互いにBT通信の圏内にあることが検出されると、位置情報収集サーバ10のBT起動要求部16は、BT起動要求情報を生成する。そして、位置情報収集サーバ10の通信部11は、生成されたBT起動要求情報を携帯端末Aへ送信するとともに、位置情報記憶部12に記憶された携帯端末Bの最新のGPS位置情報を携帯端末Aへ送信する(ステップS17)。また、これと同時に、位置情報収集サーバ10の通信部11は、生成されたBT起動要求情報を携帯端末Bへ送信する(ステップS18)。
【0062】
次に、携帯端末Aおよび携帯端末Bのネットワーク通信部1によりBT起動要求情報が受信されると、携帯端末Aおよび携帯端末BのBluetooth通信部4は、それぞれBTを起動する(ステップS19,S20)。これにより、携帯端末Aおよび携帯端末Bは互いにBT通信により接続され、通信可能とされる。
【0063】
次に、携帯端末Aのネットワーク通信部1は、位置情報収集サーバ10より受信した携帯端末Bの最新のGPS位置情報を地図サーバ20へ送信する(ステップS21)。ここで送信される携帯端末Bの最新のGPS位置情報は、Bluetooth通信部4によるBT通信が接続状態となった際の携帯端末BのGPS位置情報に相当する。
【0064】
次に、地図サーバ20の通信部21により携帯端末BのGPS位置情報が受信されると、地図サーバ20のマップマッチング部22は、受信された携帯端末BのGPS位置情報に示される位置についてマップマッチング処理を施すことにより、携帯端末Bの位置を再演算する(ステップS22)。そして、マップマッチング部22は、最演算した位置を地図データベース23に格納された地図情報に重畳させることにより、携帯端末Bのマップ位置情報を生成する。
【0065】
次に、地図サーバ20の通信部21は、マップマッチング部22により生成された携帯端末Bのマップ位置情報を、携帯端末Aへ送信する(ステップS23)。
【0066】
次に、携帯端末Aのネットワーク通信部1により携帯端末Bのマップ位置情報が受信されると、携帯端末Aの入射角演算部3は、受信されたマップ位置情報とGPS受信部2に記憶された自端末の最新のGPS位置情報(BT通信が接続状態となった際の携帯端末AのGPS位置情報)とに基づいて、携帯端末Bの入射角情報を演算する(ステップS24)。さらに、携帯端末Aのディスプレイ9は、マップ位置情報に示される携帯端末Bの位置を地図情報とともに表示する。ステップS24は、方位演算ステップに相当する。
【0067】
図8(b)は、携帯端末Aおよび携帯端末Bが互いにBT通信により接続された場合を示す図である。図8(b)には、ステップS24において入射角情報が演算された際の携帯端末Aのディスプレイ9における表示地図M2が示されている。ここでは、携帯端末Bは、携帯端末Aを中心として100m圏R付近に位置している。また、携帯端末Aに対する携帯端末Bの入射角は、携帯端末Aを基準として北(図示上方)から東側(図示右側)に角度θだけずれた方位である。この場合、携帯端末Aの入射角演算部3は、携帯端末Bの入射角を角度θと演算する。さらに、表示地図M2は、図8(a)に示した携帯端末Aおよび携帯端末Bが互いにBT通信の圏内にない場合の表示地図M1に比して、拡大された地図表示とされている。
【0068】
次に、図7に戻り、携帯端末Aおよび携帯端末BのBluetooth通信部4は互いにBT通信を実行し(ステップS25,26)、携帯端末Aの距離演算部5は、受信した電波強度に基づいて端末間距離情報を演算する(ステップS27)。ステップS25は、近距離無線通信ステップに相当し、ステップS27は、距離情報演算ステップに相当する。
【0069】
次に、携帯端末Aの緯度経度演算部6は、入射角情報の演算に用いられた自端末のGPS位置情報と、入射角演算部3により演算された入射角情報と、距離演算部5により演算された端末間距離情報と、に基づいて、携帯端末Bの経度緯度情報を演算する(ステップS28)。ステップS28は、位置推定ステップに相当する。
【0070】
図9(a)には、ステップS28において携帯端末Bの経度緯度情報が演算された場合の表示地図M3が示されている。ここでは、携帯端末Aの位置を基準として、ステップS24において演算された入射角θに向けて、ステップS27において演算された端末間距離Lだけ離れた位置が携帯端末Bの位置とされる。この表示地図M3では、携帯端末Bは、50m圏Qと100m圏Rとの中間位置、すなわち携帯端末Aから70mの付近に表示されている。
【0071】
次に、再び図7に戻り、携帯端末Aのネットワーク通信部1は、緯度経度演算部6により演算された経度緯度情報を、地図サーバ20へ送信する(ステップS29)。
【0072】
次に、地図サーバ20の通信部21により携帯端末Bの経度緯度情報が受信されると、地図サーバ20のマップマッチング部22は、受信された携帯端末Bの経度緯度情報に示される位置についてマップマッチング処理を施すことにより、携帯端末Bの位置を再演算する(ステップS30)。そして、マップマッチング部22は、最演算した位置を地図データベース23に格納された地図情報またはフロア情報に重畳させることにより、携帯端末Bのマップ位置情報を生成する。
【0073】
次に、地図サーバ20の通信部21は、マップマッチング部22により生成された携帯端末Bのマップ位置情報を、携帯端末Aへ送信する(ステップS31)。
【0074】
そして、携帯端末Aのネットワーク通信部1により携帯端末Bのマップ位置情報が受信されると、携帯端末Aのディスプレイ9は、受信されたマップ位置情報に示される携帯端末Bの位置を地図情報とともに表示する(ステップS32)。ステップS32は、表示ステップに相当する。
【0075】
図9(b)には、ステップS32において表示された表示地図M4が示されている。図9(b)に示すように、表示地図M4では、破線で図示された経度緯度情報に基づく携帯端末Bの位置が、マップマッチング処理により建物の側方を通る道路上に補正されている。また、経度緯度位置情報に基づく携帯端末Bの位置が商業施設である場合には、その商業施設のフロア情報を考慮したマップ位置情報が生成され、携帯端末Bが位置するフロアのフロアマップが表示される。
【0076】
さらに、ステップS25〜ステップS32の処理が繰り返されることにより、携帯端末Aのユーザに対して携帯端末Bの位置が逐次報知される。携帯端末Aのディスプレイ9は、距離演算部5により端末間距離が所定の範囲内(例えば50m圏Qの範囲内)であることが検出された場合、表示態様を図10(a)に示す表示地図M5のように変更する。表示地図M5では、携帯端末Aが位置するフロアの画像情報とともに、携帯端末Bが位置する方向から矢印が表示されている。
【0077】
以上説明した一連の処理により、携帯端末Aのユーザに対し携帯端末Bの位置が報知され、携帯端末Aのユーザは携帯端末Bを発見することができる。なお、被検索端末である携帯端末Bのディスプレイ9においても、携帯端末AのGPS位置情報等を位置情報収集サーバ10から送信して携帯端末Aの位置を表示させてもよい。この場合、図10(b)に示す表示地図M6のように、携帯端末Bが位置する道路の画像情報とともに、携帯端末Aが位置する方向への矢印を表示する。
【0078】
続いて、図11を参照しながら、被検索端末である携帯端末Bが離れていったんBT通信の圏外に出た後に再度BT通信の圏内に入る場合の処理について説明する。以下の説明においては、最初の時点において、携帯端末Aおよび携帯端末Bは互いにBT通信の圏内に位置しており、上述したステップS25,S26におけるBT通信が実行されている場合を前提とする。
【0079】
まず、携帯端末Bが携帯端末Aから離れてBT通信の圏外に出ると、携帯端末Aおよび携帯端末BのBluetooth通信部4は、BT通信の切断状態を検出し(ステップS51,S52)、切断通知情報を生成する。Bluetooth通信部4によりBT通信の切断状態が検出されると、携帯端末Aおよび携帯端末Bのネットワーク通信部1は、生成された切断通知情報を位置情報収集サーバ10へ送信することにより、BT通信の切断を通知する(ステップS53,S54)。
【0080】
次に、位置情報収集サーバ10の通信部11により切断通知情報が受信されると、位置情報収集サーバ10の通信部11は、位置情報記憶部12に記憶された携帯端末Bの最新のGPS位置情報を携帯端末Aへ送信する(ステップS55)。次に、携帯端末Aのネットワーク通信部1は、位置情報収集サーバ10より受信した携帯端末Bの最新のGPS位置情報を地図サーバ20へ送信する(ステップS56)。
【0081】
次に、地図サーバ20の通信部21により携帯端末BのGPS位置情報が受信されると、地図サーバ20のマップマッチング部22は、受信された携帯端末BのGPS位置情報に示される位置についてマップマッチング処理を施すことにより、携帯端末Bの位置を再演算し(ステップS57)、携帯端末Bのマップ位置情報を生成する。次に、地図サーバ20の通信部21は、マップマッチング部22により生成された携帯端末Bのマップ位置情報を、携帯端末Aへ送信する(ステップS58)。
【0082】
そして、携帯端末Aのネットワーク通信部1により携帯端末Bのマップ位置情報が受信されると、携帯端末Aのディスプレイ9は、受信されたマップ位置情報に示される携帯端末Bの位置を地図情報とともに表示する(ステップS59)。ステップS59は、表示ステップに相当する。
【0083】
以上のように、本実施形態に係る位置推定システムSによれば、被検索端末の位置を示すGPS位置情報に誤差がある場合であっても、Bluetooth通信部4におけるBT通信により、距離演算部5において得られる端末間距離情報によって近距離に位置する両端末間の距離Lを把握することができ、被検索端末のGPS位置情報にこの端末間距離情報を加味することにより、緯度経度演算部6によって、検索端末から近距離に位置する被検索端末の位置を精度良く推定することができる。また、被検索端末の位置をディスプレイ9によって表示することにより、検索端末のユーザに対して被検索端末の位置を精度良く報知することができる。
【0084】
また、本実施形態に係る位置推定システムSによれば、両端末間におけるBT通信が接続状態となった際の検索端末の位置を示すGPS位置情報と、検索端末に対する被検索端末の入射角情報と、端末間距離情報と、に基づいて、緯度経度演算部6によって被検索端末の位置が推定される。このように、入射角情報によって被検索端末の位置する方位を絞り込み、検索端末のGPS位置情報と端末間距離情報とに基づいて被検索端末の位置を推定することにより、緯度経度演算部6における被検索端末の位置の推定精度をより一層向上できる。
【0085】
また、地図サーバ20のマップマッチング部22において、地図データベース23に基づくマップマッチング処理により被検索端末の位置が補正されるため、建物や道路の位置に対応した正確な位置の推定が可能となる。
【0086】
また、被検索端末がBT通信の範囲を超えた場合は、ディスプレイ9は、被検索端末のGPS位置情報に示される位置を被検索端末の位置として表示するため、被検索端末の位置の遠近に応じた適切な位置の推定が可能となる。
【0087】
また、BT通信の通信状態すなわち被検索端末の位置の遠近に応じて、ディスプレイ9における被検索端末の位置の表示態様が変更されるため、検索端末のユーザに対して被検索端末の位置情報を視覚的に伝達でき、利便性の向上を図ることができる。
【0088】
また、このような作用・効果に加えて、位置推定システムSによれば、大型施設等の建物内での待ち合わせにおける携帯端末の検索に適用することもでき、さらに、親が近距離にいる子供を捜したい場合にも適用できる。また、上記実施形態の携帯端末A,Bと同様の機能を有する装置をペットに装着させることにより、ペットの探索に適用することもできる。その場合、図6に示したステップS7〜S11の検索要求から検索許可までの処理は省略される。
【0089】
さらにまた、自動車と人、自動車と自転車のそれぞれに上記実施形態の携帯端末A,Bと同様の機能を有する装置を搭載することにより、自動車の近距離に位置する人や自転車をBTを用いて把握することができ、街角の歩行者や自転車の飛び出し等を防止することができる。
【0090】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、位置情報収集サーバ10のBT範囲検出部15によりBT通信の圏内であることが検出されると携帯端末A,BにおけるBTが起動することとしたが、検索端末においては被検索端末を指定した際に、また、被検索端末においては検索を許可した際に、BTを起動してもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、検索端末において入射角情報および被検索端末の経度緯度情報を演算することとしたが、位置情報収集サーバ10において同様の演算を行ってもよい。この場合、BT通信により得られる端末間距離情報を、検索端末から位置情報収集サーバ10へアップロードすればよい。
【0092】
また、上記実施形態では、マップマッチング処理を経たマップ位置情報に示される携帯端末Bの位置をディスプレイ9によって表示する場合について説明したが、ディスプレイ9は、マップマッチング処理を経ていない、緯度経度演算部6により演算された経度緯度情報に示される位置を携帯端末Bの位置として表示してもよい。
【符号の説明】
【0093】
1…ネットワーク通信部(受信手段)、2…GPS受信部(第2端末位置取得手段)、3…入射角演算部(方位演算手段)、4…Bluetooth通信部(近距離無線通信手段)、5…距離演算部(距離情報演算手段)、6…緯度経度演算部(位置推定手段)、9…ディスプレイ(表示手段)、10…位置情報収集サーバ、11…通信部(送信手段)、12…位置情報記憶部(第1端末位置取得手段)、20…地図サーバ、22…マップマッチング部(マップマッチング手段)、23…地図データベース(地図データ)、A,B…携帯端末(通信端末)、L…端末間距離、S…位置推定システム、θ…入射角(方位)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索対象の通信端末である被検索端末、前記被検索端末を検索する通信端末である検索端末、および位置情報収集サーバを有する位置推定システムであって、
前記位置情報収集サーバは、
前記被検索端末の位置を示す第1端末位置情報を取得する第1端末位置取得手段と、
前記第1端末位置取得手段により取得された前記第1端末位置情報を前記検索端末へ送信する送信手段と、を備え、
前記検索端末は、
前記通信手段により送信された前記第1端末位置情報を受信する受信手段と、
前記被検索端末との間における近距離無線通信を行う近距離無線通信手段と、
前記近距離無線通信手段による通信状態に基づいて前記検索端末と前記被検索端末との距離を示す端末間距離情報を演算する距離情報演算手段と、
前記近距離無線通信手段による近距離無線通信が接続状態である場合に、前記受信手段により受信された前記第1端末位置情報と前記距離情報演算手段により演算された前記端末間距離情報とに基づいて、前記被検索端末の位置を演算する位置推定手段と、
前記位置推定手段により演算された前記被検索端末の位置を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする位置推定システム。
【請求項2】
前記検索端末は、
前記検索端末の位置を示す第2端末位置情報を取得する第2端末位置取得手段と、
前記近距離無線通信手段による近距離無線通信が接続状態となった際の前記第2端末位置情報および前記第1端末位置情報に基づいて、前記検索端末に対する前記被検索端末の方位を示す方位情報を演算する方位演算手段と、を備え、
前記位置推定手段は、前記接続状態となった際の前記第2端末位置情報と、前記方位演算手段により演算された前記方位情報と、前記距離情報演算手段により演算された前記端末間距離情報と、に基づいて、前記被検索端末の位置を演算することを特徴とする請求項1記載の位置推定システム。
【請求項3】
前記受信手段により受信された前記第1端末位置情報と、前記位置推定手段により推定された前記被検索端末の位置を示す被検索端末位置情報と、の少なくとも一方に示される位置について、地図データに基づいて補正する処理であるマップマッチング処理を施すことにより、前記被検索端末の位置を再演算するマップマッチング手段を備えた地図サーバを有することを特徴とする請求項1または2記載の位置推定システム。
【請求項4】
前記表示手段は、前記近距離無線通信手段による近距離無線通信が切断状態である場合に、前記受信手段により受信された前記第1端末位置情報に示される位置を前記被検索端末の位置として表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の位置推定システム。
【請求項5】
前記表示手段は、前記近距離無線通信手段による通信状態に応じて前記被検索端末の位置の表示態様を変更することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の位置推定システム。
【請求項6】
検索対象の通信端末である被検索端末の位置を示す第1端末位置情報を受信する受信手段と、
前記被検索端末との間における近距離無線通信を行う近距離無線通信手段と、
前記近距離無線通信手段による通信状態に基づいて自端末と前記被検索端末との距離を示す端末間距離情報を演算する距離情報演算手段と、
前記近距離無線通信手段による近距離無線通信が接続状態である場合に、前記受信手段により受信された前記第1端末位置情報と前記距離情報演算手段により演算された前記端末間距離情報とに基づいて、前記被検索端末の位置を演算する位置推定手段と、
前記位置推定手段により演算された前記被検索端末の位置を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項7】
前記自端末の位置を示す第2端末位置情報を取得する第2端末位置取得手段と、
前記近距離無線通信手段による近距離無線通信が接続状態となった際の前記第2端末位置情報および前記第1端末位置情報に基づいて、前記自端末に対する前記被検索端末の方位を示す方位情報を演算する方位演算手段と、を備え、
前記位置推定手段は、前記接続状態となった際の前記第2端末位置情報と、前記方位演算手段により演算された前記方位情報と、前記距離情報演算手段により演算された前記端末間距離情報と、に基づいて、前記被検索端末の位置を演算することを特徴とする請求項6記載の通信端末。
【請求項8】
検索対象の通信端末である被検索端末の位置を示す第1端末位置情報を取得する第1端末位置取得ステップと、
前記被検索端末を検索する通信端末である検索端末と前記被検索端末との間における近距離無線通信を行う近距離無線通信ステップと、
前記近距離無線通信ステップにおける通信状態に基づいて前記検索端末と前記被検索端末との距離を示す端末間距離情報を演算する距離情報演算ステップと、
前記近距離無線通信ステップにおける近距離無線通信が接続状態である場合に、前記第1端末位置取得ステップにおいて取得された前記第1端末位置情報と前記距離情報演算ステップにおいて演算された前記端末間距離情報とに基づいて、前記被検索端末の位置を演算する位置推定ステップと、
前記位置推定ステップにおいて演算された前記被検索端末の位置を表示する表示ステップと、を含むことを特徴とする位置推定方法。
【請求項9】
前記検索端末の位置を示す第2端末位置情報を取得する第2端末位置取得ステップと、
前記近距離無線通信ステップにおける近距離無線通信が接続状態となった際の前記第2端末位置情報および前記第1端末位置情報に基づいて、前記検索端末に対する前記被検索端末の方位を示す方位情報を演算する方位演算ステップと、を含み、
前記位置推定ステップでは、前記接続状態となった際の前記第2端末位置情報と、前記方位演算ステップにおいて演算された前記方位情報と、前記距離情報演算ステップにおいて演算された前記端末間距離情報と、に基づいて、前記被検索端末の位置を演算することを特徴とする請求項8記載の位置推定方法。
【請求項1】
検索対象の通信端末である被検索端末、前記被検索端末を検索する通信端末である検索端末、および位置情報収集サーバを有する位置推定システムであって、
前記位置情報収集サーバは、
前記被検索端末の位置を示す第1端末位置情報を取得する第1端末位置取得手段と、
前記第1端末位置取得手段により取得された前記第1端末位置情報を前記検索端末へ送信する送信手段と、を備え、
前記検索端末は、
前記通信手段により送信された前記第1端末位置情報を受信する受信手段と、
前記被検索端末との間における近距離無線通信を行う近距離無線通信手段と、
前記近距離無線通信手段による通信状態に基づいて前記検索端末と前記被検索端末との距離を示す端末間距離情報を演算する距離情報演算手段と、
前記近距離無線通信手段による近距離無線通信が接続状態である場合に、前記受信手段により受信された前記第1端末位置情報と前記距離情報演算手段により演算された前記端末間距離情報とに基づいて、前記被検索端末の位置を演算する位置推定手段と、
前記位置推定手段により演算された前記被検索端末の位置を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする位置推定システム。
【請求項2】
前記検索端末は、
前記検索端末の位置を示す第2端末位置情報を取得する第2端末位置取得手段と、
前記近距離無線通信手段による近距離無線通信が接続状態となった際の前記第2端末位置情報および前記第1端末位置情報に基づいて、前記検索端末に対する前記被検索端末の方位を示す方位情報を演算する方位演算手段と、を備え、
前記位置推定手段は、前記接続状態となった際の前記第2端末位置情報と、前記方位演算手段により演算された前記方位情報と、前記距離情報演算手段により演算された前記端末間距離情報と、に基づいて、前記被検索端末の位置を演算することを特徴とする請求項1記載の位置推定システム。
【請求項3】
前記受信手段により受信された前記第1端末位置情報と、前記位置推定手段により推定された前記被検索端末の位置を示す被検索端末位置情報と、の少なくとも一方に示される位置について、地図データに基づいて補正する処理であるマップマッチング処理を施すことにより、前記被検索端末の位置を再演算するマップマッチング手段を備えた地図サーバを有することを特徴とする請求項1または2記載の位置推定システム。
【請求項4】
前記表示手段は、前記近距離無線通信手段による近距離無線通信が切断状態である場合に、前記受信手段により受信された前記第1端末位置情報に示される位置を前記被検索端末の位置として表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の位置推定システム。
【請求項5】
前記表示手段は、前記近距離無線通信手段による通信状態に応じて前記被検索端末の位置の表示態様を変更することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の位置推定システム。
【請求項6】
検索対象の通信端末である被検索端末の位置を示す第1端末位置情報を受信する受信手段と、
前記被検索端末との間における近距離無線通信を行う近距離無線通信手段と、
前記近距離無線通信手段による通信状態に基づいて自端末と前記被検索端末との距離を示す端末間距離情報を演算する距離情報演算手段と、
前記近距離無線通信手段による近距離無線通信が接続状態である場合に、前記受信手段により受信された前記第1端末位置情報と前記距離情報演算手段により演算された前記端末間距離情報とに基づいて、前記被検索端末の位置を演算する位置推定手段と、
前記位置推定手段により演算された前記被検索端末の位置を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項7】
前記自端末の位置を示す第2端末位置情報を取得する第2端末位置取得手段と、
前記近距離無線通信手段による近距離無線通信が接続状態となった際の前記第2端末位置情報および前記第1端末位置情報に基づいて、前記自端末に対する前記被検索端末の方位を示す方位情報を演算する方位演算手段と、を備え、
前記位置推定手段は、前記接続状態となった際の前記第2端末位置情報と、前記方位演算手段により演算された前記方位情報と、前記距離情報演算手段により演算された前記端末間距離情報と、に基づいて、前記被検索端末の位置を演算することを特徴とする請求項6記載の通信端末。
【請求項8】
検索対象の通信端末である被検索端末の位置を示す第1端末位置情報を取得する第1端末位置取得ステップと、
前記被検索端末を検索する通信端末である検索端末と前記被検索端末との間における近距離無線通信を行う近距離無線通信ステップと、
前記近距離無線通信ステップにおける通信状態に基づいて前記検索端末と前記被検索端末との距離を示す端末間距離情報を演算する距離情報演算ステップと、
前記近距離無線通信ステップにおける近距離無線通信が接続状態である場合に、前記第1端末位置取得ステップにおいて取得された前記第1端末位置情報と前記距離情報演算ステップにおいて演算された前記端末間距離情報とに基づいて、前記被検索端末の位置を演算する位置推定ステップと、
前記位置推定ステップにおいて演算された前記被検索端末の位置を表示する表示ステップと、を含むことを特徴とする位置推定方法。
【請求項9】
前記検索端末の位置を示す第2端末位置情報を取得する第2端末位置取得ステップと、
前記近距離無線通信ステップにおける近距離無線通信が接続状態となった際の前記第2端末位置情報および前記第1端末位置情報に基づいて、前記検索端末に対する前記被検索端末の方位を示す方位情報を演算する方位演算ステップと、を含み、
前記位置推定ステップでは、前記接続状態となった際の前記第2端末位置情報と、前記方位演算ステップにおいて演算された前記方位情報と、前記距離情報演算ステップにおいて演算された前記端末間距離情報と、に基づいて、前記被検索端末の位置を演算することを特徴とする請求項8記載の位置推定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−114796(P2011−114796A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271814(P2009−271814)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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