説明

位置測位装置、位置測位方法および位置測位プログラム

【課題】概略位置の精度に応じて測位計測におけるタイムアウト時間を変化させることによって、現在位置を測位することができないときの測位に必要な待ち時間を短縮することのできる位置測位装置、位置測位方法および位置測位プログラムを提供する。
【解決手段】概略位置誤差判定部22eは概略位置の誤差半径を判定し、タイムアウト時間設定部22gは概略位置誤差判定部22eによって判定された誤差半径に応じて測位計測におけるタイムアウト時間T1〜T3,Tmaxを設定する。位置測位処理タイムアウト指示部22hは、各タイムアウト時間T1〜T3で可視衛星数Sが所定の数に満たない場合またはタイムアウト時間Tmaxに達した場合、位置測位処理部22dで実行されている位置測位処理をタイムアウトさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置測位装置、位置測位方法および位置測位プログラムに関し、特にGPS(Global Positioning System)を用いた位置測位装置、位置測位方法および位置測位プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GPSを用いた位置測位装置には、例えばカーナビゲーションシステムや携帯電話機等の多くものがある。例えば、身近な携帯電話機であれば、GPS機能が搭載されたGPS携帯電話機上で動作する専用の地図アプリケーションをダウンロードし、ユーザーの現在位置を特定したり、ユーザーを目的地まで案内したりするサービスが提供されている。
【0003】
一例として携帯電話機の海外でも提供されるGPS測位機能では、通信ネットワーク側において衛星の軌道情報や現在時刻情報、ユーザーの大まかな位置を示す概略位置情報等を含むアシストデータを生成し、そのアシストデータを通信ネットワークを介して携帯電話機に通知し、携帯電話機側においてそれらのアシストデータを参酌してGPS衛星のサーチ処理や測位演算処理等を行うAGPS(Assisted Global Positioning System)が近年多く用いられる傾向にある。
【0004】
このAGPSにおけるアシストデータの概略位置の精度は、標準仕様で0〜1800kmの半径エリアを誤差範囲と設定可能とするものであって、極めて実際の現在位置に近いセルレベルの位置情報から、国レベルの位置情報を特定することのできるものである。また、GPS機能を提供する各国の通信事業者によっても誤差範囲が大きく異なる。さらに、上記の概略位置の精度が低い場合には、AGPSにおける測位結果の精度も低くなることが知られている。
【0005】
従って、AGPSを用いた移動端末機では、測位成功率を高めるため、比較的広域な概略位置を特定する場合であっても、測位計測結果を得られなくても測位計測を終了、つまりタイムアウトするタイムアウト時間が90秒程度に設定されている。
ところで、特許文献1には、ユーザーが電波圏外状態で位置情報の取得操作を行った場合、電波圏内状態に移行した時に再度位置情報取得操作を行わなくても良いように、位置情報取得操作が行われると、まず電波圏内状態であるか否かを判断し、電波圏内状態である場合にのみ、自端末の位置情報を取得する位置測位装置について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−130781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の位置測位装置が電波圏内であっても例えば建物内や地下街などの電波状況が悪い場所では、タイムアウト時間内に必ずしも測位結果が得られるとは限らない。このため、ユーザーが測位を開始してから測位結果が得られないことを知るまでの待ち時間が長くなる場合かあった。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑み、概略位置の精度に応じて測位計測におけるタイムアウト時間を変化させることによって、現在位置を測位することができないときの測位に必要な待ち時間を短縮することのできる位置測位装置、位置測位方法および位置測位プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る位置測位装置、位置測位方法および位置測位プログラムは、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
本発明に係る位置測位装置は、GPSの電波を受信するGPS電波受信手段と、携帯電話の電波を受信する携帯電話電波受信手段と、前記GPS電波受信手段によって受信された前記GPSの電波に基づいて現在位置を測位する位置測位処理を行う位置測位処理手段と、を備える位置測位装置であって、
前記携帯電話電波受信手段によって受信される前記携帯電話の電波に基づいて特定される概略位置の誤差半径を判定する概略位置誤差判定手段と、
前記GPS電波受信手段によって前記GPSの電波を受信することが可能な可視衛星の数を判定する可視衛星数判定手段と、
前記概略位置誤差判定手段によって判定された前記概略位置の誤差半径に応じて、前記位置測位手段によって実行されている前記位置測位処理をタイムアウトするタイムアウト時間を複数設定するタイムアウト時間設定手段と、前記位置測位処理を開始してからの経過時間が、前記タイムアウト時間設定手段によって前記複数設定されたタイムアウト時間のいずれかになったとき、前記可視衛星判定手段によって判定された前記可視衛星の数が所定の数に満たしていない場合に、前記位置測位処理手段によって行われている前記位置測位処理をタイムアウトさせる位置測位処理タイムアウト指示を出力する位置測位処理タイムアウト指示手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
この位置測位装置によれば、概略位置の誤差半径に応じて、タイムアウト時間を複数設定させることによって、現在位置を測位することができないときの位置測位処理に必要な待ち時間を短縮することが可能となる。
また、前記タイムアウト時間設定手段は、開始時刻が同一、かつ互いに異なる第1〜4のタイムアウト時間を設定し、
前記可視衛星数判定手段は、前記経過時間が前記第1のタイムアウト時間になったとき前記可視衛星の数が1つ以上であるか否かを判定し、また前記経過時間が前記第1のタイムアウト時間よりも長い前記第2のタイムアウト時間になったとき前記可視衛星の数が2つ以上であるか否かを判定し、さらに前記経過時間が前記第2のタイムアウト時間よりも長い前記第3のタイムアウト時間になったとき前記可視衛星の数が3つ以上であるか否かを判定し、
前記位置測位タイムアウト指示手段は、前記第1〜3のタイムアウト時間内において判定された前記可視衛星の数が判定条件の可視衛星の数に満たないとき、または前記第3のタイムアウト時間よりも長い前記第4のタイムアウト時間に達したときに、前記位置測位処理手段によって行われている前記位置測位処理をタイムアウトさせる位置測位処理タイムアウト指示を出力するようにしても良い。
【0010】
この位置測位装置によれば、第1〜第3のタイムアウト時間を設定して、各タイムアウト時間において可視衛星数の数が決められた数に達しているか判定し、タイムアウト処理を行う。このため、全測位回数に対して、最も長い第4のタイムアウト時間において測位可能であったのにも関わらず、第1〜第3のタイムアウト時間において測位をタイムアウトしたために測位することができなかった回数の割合である位置測位誤判定率を低くし、位置測位成功率を高めることが可能となる。
【0011】
また、前記可視衛星数判定手段は、前記GPS電波受信手段によって受信される前記GPSの電波のC/N比およびS/N比の少なくとも一方が所定のレベル以上である場合に、その電波を発信している衛星を前記可視衛星とみなし、当該可視衛星の数を判定するようにしても良い。
この位置測位装置によれば、GPS電波受信手段によって受信される前記GPSの電波のC/N比およびS/N比の少なくとも一方のレベルに基づいて可視衛星の数を判定し、位置測位処理タイムアウト手段が位置測位処理をタイムアウトさせる位置測位処理タイムアウト指示を出力することが可能となる。
【0012】
本発明に係る位置測位方法は、GPS電波受信手段がGPSの電波を受信するGPS電波受信ステップ、携帯電話電波受信手段が携帯電話の電波を受信する携帯電話電波受信ステップ、位置測位処理手段が前記GPS電波受信ステップによって受信された前記GPSの電波に基づいて現在位置を測位する位置測位処理を行う位置測位処理ステップを有する位置測位方法であって、
概略位置誤差判定手段が前記携帯電話電波受信ステップによって受信される前記携帯電話の電波に基づいて特定される概略位置の誤差半径を判定する概略位置誤差判定ステップ(例えば、図6中のステップS102の処理に対応)、
可視衛星数判定手段が前記GPS電波受信ステップによって前記GPSの電波を受信することが可能な可視衛星の数を判定する可視衛星数判定ステップ(例えば、図6中のステップS103の処理に対応)、
タイムアウト時間設定手段が前記概略位置誤差判定ステップによって判定された前記概略位置の誤差半径に応じて、前記位置測位ステップによって実行されている前記位置測位処理をタイムアウトするタイムアウト時間を複数設定するタイムアウト時間設定ステップ(例えば、図6中のステップS106の処理に対応)、
位置測位処理タイムアウト指示手段が前記位置測位処理を開始してからの経過時間が、前記タイムアウト時間設定ステップによって前記複数設定されたタイムアウト時間のいずれかになったとき、前記可視衛星判定ステップによって判定された前記可視衛星の数が所定の数に満たしていない場合に、前記位置測位処理ステップによって行われている前記位置測位処理をタイムアウトさせる位置測位処理タイムアウト指示を出力する位置測位処理タイムアウト指示ステップ(例えば、図6中のステップS107の処理に対応)を有することを特徴とする。
【0013】
上記の位置測位方法によれば、上記の第1の位置測位装置と同様の作用が得られる。
本発明に係る位置測位プログラムは、GPSの電波を受信するGPS電波受信手段と、携帯電話の電波を受信する携帯電話電波受信手段と、前記GPS電波受信手段によって受信された前記GPSの電波に基づいて現在位置を測位する位置測位処理を行う位置測位処理手段と、を備える位置測位装置において実行されるプログラムであって、
コンピュータを、前記携帯電話電波受信手段によって受信される前記携帯電話の電波に基づいて特定される概略位置の誤差半径を判定する概略位置誤差判定手段、
前記GPS電波受信手段によって前記GPSの電波を受信することが可能な可視衛星の数を判定する可視衛星数判定手段、前記概略位置誤差判定手段によって判定された前記概略位置の誤差半径に応じて、前記位置測位手段によって実行されている前記位置測位処理をタイムアウトするタイムアウト時間を複数設定するタイムアウト時間設定手段、
前記位置測位処理を開始してからの経過時間が、前記タイムアウト時間設定手段によって前記複数設定されたタイムアウト時間のいずれかになったとき、前記可視衛星判定手段によって判定された前記可視衛星の数が所定の数に満たしていない場合に、前記位置測位処理手段によって行われている前記位置測位処理をタイムアウトさせる位置測位処理タイムアウト指示を出力する位置測位処理タイムアウト指示手段として機能させるためのプログラムである。
上記の位置測位プログラムによれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従って処理が実行されると、上記の第1の位置測位装置と同様の作用が得られる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、例えば建物内や地下街などの電波状況が悪く、位置測位を行うことができない場所で位置情報の取得操作が行われた際には、誤差半径に応じて設定されたタイムアウト時間において位置測位処理をタイムアウトして、ユーザーの待ち時間を短縮することができる。
さらに、ユーザーの待ち時間を短縮するだけでなく、省電力化を図ることもできるので、位置測位装置の電源がバッテリーである場合に、その消耗を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】GPS機能が搭載されたGPS機能付携帯電話機10の構成を示す斜視図である。
【図2】GPS機能付携帯電話機10の機能構成を示すブロック図である。
【図3】GPS制御部22の機能構成を示すブロック図である。
【図4】タイムアウト時間設定部22gにおいて誤差半径に応じて設定されるタイムアウト時間T1〜T3,Tmaxの第1の設定例を示す表31である。
【図5】タイムアウト時間設定部22gにおいて誤差半径に応じて設定されるタイムアウト時間T1〜T3,Tmaxの第2の設定例を示す表32である。
【図6】GPS機能付携帯電話機10における位置測位処理の一連の流れを示すシーケンス図である。
【図7】概略位置誤差判定部22eが実行する概略位置誤差半径判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】タイムアウト時間設定部22gが実行するタイムアウト時間設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】可視衛星数判定部22fが実行する可視衛星数判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】位置測位処理タイムアウト指示部22hが実行する位置測位タイムアウト処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等の構成要素は同一符号によって示されている。
(GPS機能付携帯電話機10の装置構成)
まず、図1を参照して、本発明に係る測位端末装置の一例として、GPS機能が搭載されたGPS機能付携帯電話機10の装置構成を説明する。図1は、GPS機能が搭載されたGPS機能付携帯電話機10の構成を示す斜視図である。
【0017】
図1に示すGPS機能付携帯電話機10は、制御部11、GPSアンテナ12、通信アンテナ13、操作キー14、液晶表示ディスプレイ15、スピーカー16およびマイクロホン17を備えて構成される。
制御部11は、例えばマイクロコンピュータで構成され、GPS機能付携帯電話機10に内蔵される。この制御部11は、GPS機能付携帯電話機10を構成する上記の各部と接続されてデータ信号や制御信号を送受信し、GPS機能付携帯電話機10の全体を統括して制御する。
【0018】
GPSアンテナ12は、GPSの衛星から送信される位置を測位するために必要なGPSデータを含む電波を受信するための内蔵アンテナである。
通信アンテナ13は、通信事業者の基地局から携帯電話の通信に係る携帯電話信号の電波を受信するための内蔵アンテナである。なお、この携帯電話信号には、AGPSを提供する通信事業者網のSUPLサーバーから送信される概略位置を特定するために必要な概略位置データや誤差半径を示す誤差半径(または概略位置精度)データ等を含むアシストデータが含まれる。
【0019】
操作キー14は、「0」〜「9」の数字キーや通話開始キー、通話切断キー等から構成され、ユーザーが通話や位置測位を行う際に操作するためのキーである。GPS機能を直接起動するGPSショートカットキーを設けても良い。
液晶表示ディスプレイ15は、ユーザーに対して通話状態やGPS機能で現在位置等を表示するものである。また、液晶表示ディスプレイ15に限らず、例えばタッチパネルを搭載した液晶表示ディスプレイであっても良く、タッチパネルを用いてGPS機能の操作が行えるようにしても良い。
スピーカー16は、ユーザーに対して音声を出力するものである。このスピーカー16は、通話やGPS機能の音声案内に用いられる。
マイクロホン(以下、マイクと呼ぶ)17は、ユーザーの音声を入力するものである。このマイク17は、スピーカー16と同様に、通話やGPS機能の音声入力に用いられる。
【0020】
(GPS機能付携帯電話機10の機能構成)
続いて、図2を参照して、GPS機能付携帯電話機10の機能構成を説明する。図2は、GPS機能付携帯電話機10の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すGPS機能付携帯電話機10の制御部11は、通信制御部21、GPS制御部22および地図サービス制御部23の機能を備えて構成される。そして、通信制御部21、GPS制御部22および地図サービス制御部23は、上述としたGPS機能付携帯電話機10を構成する各部と接続され、図中に矢印で示すようにデータ信号や制御信号を送受信する。
【0021】
通信制御部21は、通話やデータ通信に係る全般の制御を行うものである。通信制御部21は、上述したマイクロコンピュータが通信制御アプリケーションを実行することによって動作するように構成されている。
GPS制御部22は、GPS機能による位置測位を行う位置測位処理等を制御するものである。GPS制御部22は、通信制御部21と同様に、上述したマイクロコンピュータが位置測位アプリケーションを実行することによって動作する。
【0022】
地図サービス制御部23は、GPSによる位置測位と連動して、地図サービスを提供するための制御を実行する。地図サービス制御部23は、ユーザーが携帯電話通信ネットワークを介してダウンロードした携帯専用の地図サービスアプリケーションを実行することによって動作する。例えば、地図サービスアプリケーションでは、現在位置に基づいた道案内サービスや店舗・施設検索サービスが提供される。
【0023】
(GPS制御部22の機能構成)
続いて、図3を参照して、GPS制御部22の機能構成を説明する。図3は、GPS制御部22の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すGPS制御部22は、位置測位要求入力部22a、アシストデータ入力部22b、GPSデータ入力部22c、位置測位処理部22d、概略位置誤差判定部22e、可視衛星数判定部22f、タイムアウト時間設定部22gおよび位置測位処理タイムアウト指示部22hの各機能部を備えて構成される。
【0024】
位置測位要求入力部22aは、例えばユーザーが地図アプリケーション上で位置測位を開始させる操作を実行することによって、地図サービス制御部23から出力される位置測位処理を開始させる位置測位要求を入力するものである。位置測位要求入力部22aは、位置測位を開始させる位置測位要求以外にも、位置測位を終了させる位置測位要求等も入力する。
アシストデータ入力部22bは、通信アンテナ13によって受信された携帯電話信号を入力し、携帯電話信号に含まれるアシストデータを取得するものである。
GPSデータ入力部22cは、GPSアンテナ12によって受信された電波に含まれるGPSデータを入力する。
【0025】
位置測位処理部22dは、位置測位要求入力部22aから位置測位要求を受けると、GPSデータ入力部22cから出力されるGPSデータに基づいて、GPS機能付携帯電話機10の位置測位処理を実行し、GPS機能付携帯電話機10の位置測位データを出力する位置測位処理を行う。また、位置測位処理部22dは、位置測位処理部22dが位置測位処理タイムアウト指示部22hから位置測位処理を終了、つまりタイムアウトさせるための位置測位処理タイムアウト指示を入力した際、測位計測データを得られなくてもエラー結果を出力して位置測位処理をタイムアウトする。
【0026】
概略位置誤差判定部22eは、アシストデータ入力部22bから出力されるアシストデータに含まれる概略位置データや誤差半径データに基づいて、概略位置の誤差半径を判定する概略位置誤差半径判定処理を実行する。例えば、概略位置誤差判定部22eによって概略位置がセルレベルで判定されたときは、概略位置を国範囲で特定したときよりも、誤差半径は小さい。逆に、概略位置誤差判定部22eによって概略位置を国範囲で判定したときは、概略位置をセルレベルで特定したときよりも、誤差半径は大きい。
【0027】
可視衛星数判定部22fは、GPSアンテナ12によって受信された電波のC/N比が所定値以上である場合に、その電波を発信しているGPSの衛星を可視衛星とみなし、その数である可視衛星数Sを判定する可視衛星数判定処理を実行する。また、この可視衛星数Sを判定する際、C/N比に限らず、S/N比やそれら両者によって判定しても良い。つまり、C/N比およびS/N比の少なくとも一方によって判定しても良い。さらに、位置測位処理部22dが位置測位データを出力する処理ステップで処理が正常終了したと判断することができた電波を発信しているGPSを可視衛星とみなし、可視衛星数Sを判定しても良い。
【0028】
タイムアウト時間設定部22gは、概略位置誤差判定部22eによって判定される誤差半径に応じて、測位計測結果を得られなくても測位計測を終了、つまりタイムアウトするタイムアウト時間T1〜T3,Tmaxを設定するタイムアウト時間設定処理を実行する。タイムアウト時間Tmaxは、タイムアウト時間の最長時間であり、本実施形態では90秒に設定される。また、タイムアウト時間T1〜T3は、タイムアウト時間Tmaxの範囲内で設定されるタイムアウト時間である。
【0029】
GPSは、地球上を周回する複数の衛星のうち、最低3つの衛星から電波を受信することができれば位置測位処理を行うことができる。このため、本実施形態では、タイムアウト時間T1は可視衛星数Sが1つ以上でないと判定された場合に位置測位処理をタイムアウトする時間であり、タイムアウト時間T2は可視衛星数Sが2つ以上でないと判定された場合に位置測位処理をタイムアウトする時間であり、タイムアウト時間T3は可視衛星数Sが3つ以上でないと判定された場合に位置測位処理をタイムアウトする時間である。各タイムアウト時間において判定される可視衛星数Sおよびタイムアウト時間T1〜T3,Tmaxは、実用上の許容範囲内で任意に設定することができる。
【0030】
位置測位処理タイムアウト指示部22hは、位置測位処理を開始してからの経過時間である位置測位処理経過時間Tを計測し、位置測位処理経過時間Tがタイムアウト時間設定部22gによって設定されたタイムアウト時間T1〜T3,Tmaxになったときに、可視衛星数判定部22fによって判定された可視衛星数Sが上述した数に満たない場合には、位置測位処理部22dに対して位置測位処理をタイムアウトさせるための位置測位処理タイムアウト指示を出力するものである。
【0031】
(タイムアウト時間設定部22gにおいて誤差半径に応じて設定されるタイムアウト時間T1〜T3,Tmaxの設定例)
次に、図4および図5を参照して、タイムアウト時間設定部22gにおいて誤差半径に応じて設定されるタイムアウト時間T1〜T3,Tmaxの設定例について説明する。図4は、タイムアウト時間設定部22gにおいて誤差半径に応じて設定されるタイムアウト時間T1〜T3,Tmaxの第1の設定例を示す表31である。また、図5は、タイムアウト時間設定部22gにおいて誤差半径に応じて設定されるタイムアウト時間T1〜T3,Tmaxの第2の設定例を示す表32である。
【0032】
まず、図4の表31に示すように、概略位置誤差判定部22eが誤差半径を0〜50kmであると判定したとき、タイムアウト時間設定部22gはタイムアウト時間Tmaxを90秒に設定する。同時に、タイムアウト時間Tmaxを90秒の範囲内で、タイムアウト時間T1を40秒、タイムアウト時間T2を50秒、タイムアウト時間T3を60秒でそれぞれ設定する。
【0033】
また、概略位置誤差判定部22eが誤差半径を50〜150kmであると判定したとき、タイムアウト時間設定部22gはタイムアウト時間Tmaxを90秒に設定する。同時に、タイムアウト時間Tmaxを90秒の範囲内で、タイムアウト時間T1を40秒、タイムアウト時間T2を60秒、タイムアウト時間T3を75秒でそれぞれ設定する。
同様に、概略位置誤差判定部22eが誤差半径を150〜450kmおよび450〜1000kmであると判定したときも、タイムアウト時間設定部22gは図示するようにタイムアウト時間T1〜T3,Tmaxを設定する。
【0034】
一方、図5の表32に示すように、概略位置誤差判定部22eが誤差半径を150kmまたは450kmであると判定したとき、タイムアウト時間設定部22gはタイムアウト時間Tmaxを90秒に設定する。同時に、タイムアウト時間Tmaxを90秒の範囲内で、タイムアウト時間T1を30秒、タイムアウト時間T2を45秒、タイムアウト時間T3を75秒でそれぞれ設定する。
【0035】
このタイムアウト時間T1〜T3は、タイムアウト時間Tmaxの範囲内で任意に設定することができる。但し、表32に示すように、測位回数に対して、タイムアウト時間Tmaxで測位可能であったのにも関わらずタイムアウト時間T1〜T3で測位をタイムアウトしたために測位することができなかった回数の割合である誤判定率が0%または実用上の許容範囲内となるように、タイムアウト時間T1〜T3を設定することが好ましい。
【0036】
また、異なる誤差半径であってもタイムアウト時間設定部22gが異なるタイムアウト時間T1〜T3,Tmaxをそれぞれ設定しても特性が大きく変わらない場合には、概略位置誤差判定部22eが誤差半径を150kmまたは450kmと判定したときのように設定されるタイムアウト時間T1〜T3,Tmaxを同じに設定しても良い。
同様に、概略位置誤差判定部22eが誤差半径を750kmまたは1000kmであると判定したときも、タイムアウト時間設定部22gはタイムアウト時間Tmaxを90秒に設定する。同時に、タイムアウト時間Tmaxを90秒の範囲内で、タイムアウト時間T1を40秒、タイムアウト時間T2を60秒,タイムアウト時間T3を80秒でそれぞれ設定する。
【0037】
概略位置誤差判定部22eで判定される誤差半径が大きくなるのに伴って位置測位成功率は次第に低くなるが、上述したように誤判定率が0%または実用上の許容範囲内となるようにタイムアウト時間T1〜T3を設定することが好ましい。
上述したように、概略位置誤差判定部22eによって判定された誤差半径に応じて、タイムアウト時間設定部22gがタイムアウト時間T1〜T3,Tmaxをそれぞれ設定する。
【0038】
(GPS機能付携帯電話機10における位置測位処理の一連の流れ)
ここで、図6を参照して、GPS機能付携帯電話機10における位置測位処理の一連の流れを説明する。図6は、GPS機能付携帯電話機10における位置測位処理の一連の流れを示すシーケンス図である。
図6に示す位置測位処理の一連の流れにおいて、まずGPS制御部22の位置測位要求入力部22aが地図サービス制御部23から位置測位要求を受け取ると、通信制御部21に対して通信アンテナ13によって携帯電話信号の電波を受信を開始するように携帯電話信号受信開始指示を出力する。通信制御部21は、携帯電話信号の電波を受信するための制御を行い(ステップS101)、受信した携帯電話信号をGPS制御部22に対して出力する。
【0039】
GPS制御部22において、アシストデータ入力部22bが携帯電話信号を受信し、概略位置誤差判定部22eが携帯電話信号に含まれるアシストデータから位置測位データの概略位置の誤差半径を判定する概略位置誤差半径判定処理を実行する(ステップS102)。
続いて、GPS制御部22において、タイムアウト時間設定部22gが概略位置誤差半径判定処理によって判定された誤差半径に応じてタイムアウト時間T1〜T3,Tmaxを設定するタイムアウト時間設定処理を実行する(ステップS103)。
【0040】
GPS制御部22は、通信制御部21に対してGPSアンテナ13によってGPS信号の電波を受信を開始するようにGPS信号受信開始指示を出力する。通信制御部21は、GPS信号の電波を受信するための制御を行い(ステップS104)、受信したGPS信号をGPS制御部22に対して出力する。
GPS制御部22において、位置測位処理部22dが、GPS信号に基づいてGPS機能付携帯電話機10の位置測位処理を開始する(ステップS105)。同時に、可視衛星数判定部22fが、受信されたGPS信号に基づいて可視衛星数Sを判定する可視衛星数判定処理を開始する(ステップS106)。さらに、位置測位処理タイムアウト指示部が、タイムアウト時間設定処理によって設定されたタイムアウト時間と、可視衛星数判定処理によって判定された可視衛星数Sとに基づいて、タイムアウト指示を出力する位置測位タイムアウト処理を開始する(ステップS107)。
【0041】
GPS制御部22は、位置測位処理が正常終了またはタイムアウト時間で終了したとき、通信制御部21に対してGPSアンテナ13によってGPS信号の電波を受信を終了するようにGPS信号受信終了指示を出力する。通信制御部21は、GPS信号の電波の受信を終了するための制御を実行する(ステップS108)。また、GPS制御部22において、実位置測位処理が正常終了またはタイムアウト時間で終了したとき、位置測位処理部22dが、地図サービス制御部23に対して位置測位処理によって得られた位置測位データを出力する。
【0042】
(概略位置誤差判定部22eが実行する概略位置誤差半径判定処理の流れ)
続いて、図7は、概略位置誤差判定部22eが実行する概略位置誤差半径判定処理の流れを説明する。図7は、概略位置誤差判定部22eが実行する概略位置誤差半径判定処理の流れを示すフローチャートである。
図7に示す概略位置誤差半径判定処理の流れにおいて、概略位置誤差判定部22eは、アシストデータ入力部22bによって入力された携帯電話信号に含まれるアシストデータを取得する(ステップS201)。概略位置誤差判定部22eは、取得したアシストデータに含まれる概略位置データから概略位置を判定する(ステップS202)。続いて、概略位置誤差判定部22eは、アシストデータに含まれる誤差半径データから誤差半径を判定する(ステップS203)。
【0043】
(タイムアウト時間設定部22gが実行するタイムアウト時間設定処理の流れ)
続いて、図8は、タイムアウト時間設定部22gが実行するタイムアウト時間設定処理の流れを説明する。図8は、タイムアウト時間設定部22gが実行するタイムアウト時間設定処理の流れを示すフローチャートである。
図8に示すように、まずタイムアウト時間設定部22gは、概略位置誤差判定部22eによって判定された誤差半径を取得する(ステップS301)。次に、タイムアウト時間設定部22gは、誤差半径に応じてタイムアウト時間T1〜T3,Tmaxを設定する(ステップS302)。
【0044】
(可視衛星数判定部22fが実行する可視衛星数判定処理の流れ)
続いて、図9は、可視衛星数判定部22fが実行する可視衛星数判定処理の流れを説明する。図9は、可視衛星数判定部22fが実行する可視衛星数判定処理の流れを示すフローチャートである。
図9に示す可視衛星数判定処理の流れにおいて、可視衛星数判定部22fは、可視衛星数Sを0でリセットする(ステップS401)。可視衛星数判定部22fは、GPSデータ入力部22cからGPS信号を取得し(ステップS402)、GPS信号のC/Nレベルを算出する(ステップS403)。
【0045】
ここで、可視衛星数判定部22fは、算出したC/Nレベルが一連の位置測位処理を実行するのに差し支えない一定の基準値レベル以上であれば(ステップS404のYES)、可視衛星数Sに1を加算する(ステップS405)。また、可視衛星数判定部22fは、算出したC/Nレベルが一定の基準値レベル未満であれば(ステップS404のNO)、可視衛星数Sの値を変えない。
【0046】
また、複数の可視衛星から信号を受信しているのであれば(ステップS406のYES)、ステップS402に戻り、他のGPS信号を取得して上述した処理を繰り返す。そして、複数の可視衛星から信号をすべて処理し終えると(ステップS406のNO)、可視衛星数Sを位置測位処理タイムアウト指示部22hに出力する(ステップS407)。
なお、この可視衛星数判定処理は、位置測位処理が実行されている間、一定時間間隔で連続して行っても良いし、位置測位処理のタイムアウト時間が経過したときに可視衛星数Sを判定するとき(後述する図10のステップS503,S505,S507)のみ行っても良い。
【0047】
(位置測位処理タイムアウト指示部22hが実行する位置測位タイムアウト処理の流れ)
続いて、図10は、位置測位処理タイムアウト指示部22hが実行する位置測位タイムアウト処理の流れを説明する。図10は、位置測位処理タイムアウト指示部22hが実行する位置測位タイムアウト処理の流れを示すフローチャートである。
図10に示す可視衛星数判定処理の流れにおいて、位置測位処理タイムアウト指示部22hは、位置測位処理経過時間Tを0でリセットする(ステップS501)。
【0048】
位置測位処理タイムアウト指示部22hは、位置測位経過時間Tがタイムアウト時間T1になるまで待機する(ステップS502のNO)。そして、位置測位処理タイムアウト指示部22hは、位置測位経過時間Tがタイムアウト時間T1になったとき(ステップS502のYES)、可視衛星数判定部22fによって判定された可視衛星数Sが1つ以上でない場合には(ステップS503のNO)、位置測位処理によって位置測位を得られないものとして、位置測位処理部22dに対して、位置測位処理をタイムアウトさせるための位置測位処理タイムアウト指示を出力して、位置測位タイムアウト処理を終了する(ステップS509)。
【0049】
また、位置測位処理タイムアウト指示部22hは、ステップS502で位置測位経過時間Tがタイムアウト時間T1になったとき、可視衛星数判定部22fによって判定された可視衛星数Sが1つ以上である場合には(ステップS503のYES)、位置測位経過時間Tがタイムアウト時間T2になるまで待機する(ステップS504のNO)。そして、位置測位処理タイムアウト指示部22hは、位置測位経過時間Tがタイムアウト時間T2になったとき、可視衛星数判定部22fによって判定された可視衛星数Sが2つ以上でない場合には(ステップS505のNO)、位置測位処理によって位置測位を得られないものとして、位置測位処理部22dに対して、位置測位処理タイムアウト指示を出力して、位置測位タイムアウト処理を終了する(ステップS509)。
【0050】
また、位置測位処理タイムアウト指示部22hは、ステップS504で位置測位経過時間Tがタイムアウト時間T2になったとき、可視衛星数判定部22fによって判定された可視衛星数Sが2つ以上である場合には(ステップS505のYES)、位置測位経過時間Tがタイムアウト時間T3になるまで待機する(ステップS506のNO)。そして、位置測位処理タイムアウト指示部22hは、位置測位経過時間Tがタイムアウト時間T3になったとき(ステップS506のYES)、可視衛星数判定部22fによって判定された可視衛星数Sが3以上でない場合には(ステップS507のNO)、位置測位処理によって位置測位を得られないものとして、位置測位処理部22dに対して、位置測位処理をタイムアウトさせるための位置測位処理タイムアウト指示を出力して、位置測位タイムアウト処理を終了する(ステップS509)。
【0051】
また、位置測位処理タイムアウト指示部22hは、ステップS506で位置測位経過時間Tがタイムアウト時間T3になったとき、可視衛星数判定部22fによって判定された可視衛星数Sが3つ以上である場合には(ステップS507のYES)、位置測位経過時間Tがタイムアウト時間Tmaxになるまで待機する(ステップS508のNO)。そして、位置測位処理タイムアウト指示部22hは、位置測位経過時間Tがタイムアウト時間Tmaxになったとき(ステップS508のYES)、位置測位処理部22dに対して、位置測位処理をタイムアウトさせるための位置測位処理タイムアウト指示を出力して、位置測位タイムアウト処理を終了する(ステップS509)。
【0052】
なお、上述した処理におけるステップS508の位置測位経過時間Tがタイムアウト時間Tmaxに達したときには、例えば位置測位処理が終了するまでの間にGPSの衛星からの電波の受信状態が悪くなったりして、位置測位処理が正常に終了しなかったときである。しかしながら、上述した処理におけるステップS502,S504,S506の位置測位経過時間Tで、概略位置の精度から所定の可視衛星数Sが得られないときは、タイムアウト時間Tmaxになる前に位置測位処理がタイムアウトされるときである。つまり、ステップS502,S504,S506でタイムアウトされるときには、位置測位処理時間が位置測位経過時間Tがタイムアウト時間Tmaxよりも短縮される。
【0053】
(変形例)
上述した実施形態は例示に過ぎず、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り、様々な形態に変更することができる。
例えば、本実施形態に係るGPS機能付携帯電話機10においては、タイムアウト時間設定部22gが、概略位置誤差判定部22eによって判定された誤差半径に応じてタイムアウト時間T1〜T3,Tmaxを設定するものであったが、誤差半径を考慮しないタイムアウト時間T1〜T3,Tmaxをデフォルトで設定しておいても良い。
これにより、位置精度を優先する位置測位処理モードでは、デフォルトのタイムアウト時間を用いて位置測位処理を行い、処理時間を優先する位置測位処理モードでは、誤差半径に応じて設定されたタイムアウト時間を用いて位置測位処理を行うこともできる。
【0054】
また、上述した本実施形態に係るGPS機能付携帯電話機10においては、AGPSを用いたアシストデータを受け取って概略位置の誤差判定を行うものとして説明したが、アシストデータのように概略位置の誤差判定を行うことのできるデータを受信する他のGNSS(Global Navigation Satellite system)のシステムを用いても、概略位置の誤差判定を行い、誤差半径に応じて設定されたタイムアウト時間を用いて位置測位処理を行うこともできる。
【0055】
(まとめ)
上述したようにGPS機能付携帯電話機10においては、概略位置誤差判定部22e、タイムアウト時間設定部22g、可視衛星数判定部22fおよび位置測位処理タイムアウト指示部22hを有している。
概略位置誤差判定部22eがアシストデータに含まれる誤差半径データに基づいて、位置測位データの誤差半径を判定する。また、タイムアウト時間設定部22gは、概略位置誤差判定部22eによって判定された誤差半径に応じてタイムアウト時間T1〜T3,Tmaxを設定する。一方、可視衛星数判定部22fは、GPSの電波が所定値以上である可視衛星数Sを判定する。
【0056】
そして、位置測位処理タイムアウト指示部22hは、タイムアウト時間T1〜T3,Tmaxで可視衛星数Sが所定数以上にならないときには、位置測位処理部22dに対して位置測位処理をタイムアウトさせるための位置測位処理タイムアウト指示を出力する。
これにより、例えば建物内や地下街などの電波状況が悪く、位置測位を行うことができない場所で位置情報の取得操作が行われた際のユーザーの待ち時間を短縮することができる。さらに、ユーザーの待ち時間を短縮するだけでなく、省電力化を図ることもできるので、位置測位装置の電源がバッテリーである場合に、その消耗を抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、特に海外でも利用可能なGPS機能が搭載されたGPS機能付携帯電話機の付加機能として利用することができる。
【符号の説明】
【0058】
10 GPS機能付携帯電話機
11 制御部
12 GPSアンテナ
13 通信アンテナ
14 操作キー
15 液晶表示ディスプレイ
16 スピーカー
17 マイク
21 通信制御部
22 GPS制御部
22a 位置測位要求入力部
22b アシストデータ入力部
22c GPSデータ入力部
22d 位置測位処理部
22e 概略位置誤差判定部
22f 可視衛星数判定部
22g タイムアウト時間設定部
22h 位置測位処理タイムアウト指示部
23 地図サービス制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPSの電波を受信するGPS電波受信手段と、携帯電話の電波を受信する携帯電話電波受信手段と、前記GPS電波受信手段によって受信された前記GPSの電波に基づいて現在位置を測位する位置測位処理を行う位置測位処理手段と、を備える位置測位装置であって、
前記携帯電話電波受信手段によって受信される前記携帯電話の電波に基づいて特定される概略位置の誤差半径を判定する概略位置誤差判定手段と、
前記GPS電波受信手段によって前記GPSの電波を受信することが可能な可視衛星の数を判定する可視衛星数判定手段と、
前記概略位置誤差判定手段によって判定された前記概略位置の誤差半径に応じて、前記位置測位手段によって実行されている前記位置測位処理をタイムアウトするタイムアウト時間を複数設定するタイムアウト時間設定手段と、
前記位置測位処理を開始してからの経過時間が、前記タイムアウト時間設定手段によって前記複数設定されたタイムアウト時間のいずれかになったとき、前記可視衛星判定手段によって判定された前記可視衛星の数が所定の数に満たしていない場合に、前記位置測位処理手段によって行われている前記位置測位処理をタイムアウトさせる位置測位処理タイムアウト指示を出力する位置測位処理タイムアウト指示手段と、
を備えることを特徴とする位置測位装置。
【請求項2】
前記タイムアウト時間設定手段は、開始時刻が同一、互いに異なる第1〜4のタイムアウト時間を設定し、
前記可視衛星数判定手段は、前記経過時間が前記第1のタイムアウト時間になったとき前記可視衛星の数が1つ以上であるか否かを判定し、また前記経過時間が前記第1のタイムアウト時間よりも長い前記第2のタイムアウト時間になったとき前記可視衛星の数が2つ以上であるか否かを判定し、さらに前記経過時間が前記第2のタイムアウト時間よりも長い前記第3のタイムアウト時間になったとき前記可視衛星の数が3つ以上であるか否かを判定し、
前記位置測位タイムアウト指示手段は、前記第1〜3のタイムアウト時間内において判定された前記可視衛星の数が判定条件の可視衛星の数に満たないとき、または前記第3のタイムアウト時間よりも長い前記第4のタイムアウト時間に達したときに、前記位置測位処理手段によって行われている前記位置測位処理をタイムアウトさせる位置測位処理タイムアウト指示を出力することを特徴とする請求項1記載の位置測位装置。
【請求項3】
前記可視衛星数判定手段は、前記GPS電波受信手段によって受信される前記GPSの電波のC/N比およびS/N比の少なくとも一方が所定のレベル以上である場合に、その電波を発信している衛星を前記可視衛星とみなし、当該可視衛星の数を判定することを特徴とする請求項1または2記載の位置測位装置。
【請求項4】
GPS電波受信手段がGPSの電波を受信するGPS電波受信ステップ、携帯電話電波受信手段が携帯電話の電波を受信する携帯電話電波受信ステップ、位置測位処理手段が前記GPS電波受信ステップによって受信された前記GPSの電波に基づいて現在位置を測位する位置測位処理を行う位置測位処理ステップを有する位置測位方法であって、
概略位置誤差判定手段が前記携帯電話電波受信ステップによって受信される前記携帯電話の電波に基づいて特定される概略位置の誤差半径を判定する概略位置誤差判定ステップ、
可視衛星数判定手段が前記GPS電波受信ステップによって前記GPSの電波を受信することが可能な可視衛星の数を判定する可視衛星数判定ステップ、
タイムアウト時間設定手段が前記概略位置誤差判定ステップによって判定された前記概略位置の誤差半径に応じて、前記位置測位ステップによって実行されている前記位置測位処理をタイムアウトするタイムアウト時間を複数設定するタイムアウト時間設定ステップ、
位置測位処理タイムアウト指示手段が前記位置測位処理を開始してからの経過時間が、前記タイムアウト時間設定ステップによって前記複数設定されたタイムアウト時間のいずれかになったとき、前記可視衛星判定ステップによって判定された前記可視衛星の数が所定の数に満たしていない場合に、前記位置測位処理ステップによって行われている前記位置測位処理をタイムアウトさせる位置測位処理タイムアウト指示を出力する位置測位処理タイムアウト指示ステップを有することを特徴とする位置測位方法。
【請求項5】
GPSの電波を受信するGPS電波受信手段と、携帯電話の電波を受信する携帯電話電波受信手段と、前記GPS電波受信手段によって受信された前記GPSの電波に基づいて現在位置を測位する位置測位処理を行う位置測位処理手段と、を備える位置測位装置において実行されるプログラムであって、
コンピュータを、前記携帯電話電波受信手段によって受信される前記携帯電話の電波に基づいて特定される概略位置の誤差半径を判定する概略位置誤差判定手段、
前記GPS電波受信手段によって前記GPSの電波を受信することが可能な可視衛星の数を判定する可視衛星数判定手段、
前記概略位置誤差判定手段によって判定された前記概略位置の誤差半径に応じて、前記位置測位手段によって実行されている前記位置測位処理をタイムアウトするタイムアウト時間を複数設定するタイムアウト時間設定手段、
前記位置測位処理を開始してからの経過時間が、前記タイムアウト時間設定手段によって前記複数設定されたタイムアウト時間のいずれかになったとき、前記可視衛星判定手段によって判定された前記可視衛星の数が所定の数に満たしていない場合に、前記位置測位処理手段によって行われている前記位置測位処理をタイムアウトさせる位置測位処理タイムアウト指示を出力する位置測位処理タイムアウト指示手段として機能させるための位置測位プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−53099(P2011−53099A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202611(P2009−202611)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】