説明

低フラックス及び低ノイズの検出回路

【課題】低フラックスを用いている間のノイズレベルを減少することを可能にするような検出回路を提供する。
【解決手段】ソースフォロワ検出器型の検出回路は、結合ノードNに接続されたフォトダイオード1を備える。バイアス回路3は、逆バイアスである第1の状態とフローティングである第2の状態との間にフォトダイオード1をバイアスすることを可能にする。読み出し回路4は、結合ノードNに接続され、フォトダイオード1により測定された現状を示す信号を生成する。金属シールド5は結合ノードNの周りに配置される。金属シールド5は、読み出し回路4の出力に接続され、結合ノードNの電位と同じ方向に変動する電位を持つように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソースフォロワ検出器型(Source Follower per Detector)回路に関する。
【背景技術】
【0002】
非常に感度の高いセンサを得るためには、検出回路はSFD型(ソースフォロワ検出器型)構造を用いた特有の方法で形成される。このタイプのセンサは、例えば低入射フラックス(a low incidental flux)といった低放射線条件(conditions of low radiation)の下で動作する。
【0003】
従来の検出器のように、入射放射線は、測定された現状(the scene observed)を示す量の電子に変換される。このタイプのセンサにおいては、例えば、測定された現状とは関係のない電子量であるといった、検出回路により生じた電気的ノイズを制限することが重要である。寄生電子(parasitic electron)の量を減少させる第1の方法は、回路により消費される電力を限定することであり、このために検出回路をシンプルにする。光検出器により放出された電荷の積分(integration)は、光検出器の内部容量により行われる。
【0004】
図1に示すように、検出回路は、内部容量2を有するフォトダイオード1を備える。また、回路はバイアス回路3を備え、このバイアス回路は、逆バイアス状態とフローティング状態との間(between)でフォトダイオード1が変動を起こすことを可能にする。
【0005】
また、フォトダイオード1は、読み出し回路4に接続され、フォトダイオード1により出力された信号を処理する。
【0006】
フォトダイオード1により生成された電荷は、フォトダイオード1の内部容量2に部分的に蓄えられ、その結果、読み出し回路4に接続された結合ノード(integration node)Nにおいて電位変動が生じる。結合ノードの容量は、その一部はフォトダイオードの電気的容量から生じ、他の一部は結合ノードNに接続された他の要素の寄生容量から生じるものである。
【0007】
また、検出器の変換ゲインの改善は、検出回路の結合ノードにおける寄生容量の値を減少させることを含み、しかしながら、寄生容量の値は、通常、容量2の値と同じオーダーの大きさを有する。従って、低フラックスの検出器において、電子は常に重大なノイズレベルにある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
低フラックスを用いている間のノイズレベルを減少することを可能にするような検出回路への要求があることが知られている。
【0009】
このような要求は、以下を備える回路を与えることにより満足させることができる:
− 結合ノードに接続されたフォトダイオードと、
− 逆バイアス状態である第1の状態とフローティング状態である第2の状態との間にフォトダイオードをバイアスするバイアス回路と、
− 結合ノードに接続された読み出し回路であって、フォトダイオードにより測定された現状を示す信号を生成するための回路と、
− 結合ノードの周りに配置され、且つ、読み出し回路の出力に接続された金属シールドであって、その出力は、結合ノードの電位と同じ方向に変動する電位を持つように構成されている、金属シールドと。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、SFD型の検出回路の概略図である。
【図2】図2は、シールドが設けられた他のSFD型の検出回路の概略図である。
【図3】図3は、シールドが設けられたSFD型の検出回路の特有の実施形態の概略図である。
【図4】図4は、シールドが設けられたSFD型の検出回路の特有の実施形態の概略図である。
【図5】図5は、2つの基板の間にシールドが設けられた他のSFD型の検出回路の断面の概略図である。
【図6】図6は、シールドを有する数個のSFD型の検出回路が設けられた検出マトリックスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
他の利点及び特徴は、本発明の特有の実施形態についての下記の説明により、さらに明らかにされる。本発明の特有の実施形態は、単なる例示であって、本発明を限定するものではない。本発明の特有の実施形態は、添付の図面により示される。
【0012】
図2に示されるように、SFD型(ソースフォロワ検出器)の検出回路は、光検出器1を備え、光検出器は好ましくはフォトダイオードである。光検出器1は、バイアス回路3と結合されている。バイアス回路3は、第1の状態と第2の状態との間に光検出器1をバイアスすることを可能にする。第1の状態においては、光検出器1は逆バイアスされる。第2の状態においては、光検出器1はフローティング状態に置かれ、その状態においては、受け取った電荷の蓄積に応じて順バイアスに向かって変化している間、光検出器1は逆バイアスに維持される。
【0013】
フローティング状態においては、光検出器1は光放射線を電荷に変換し、結合ノードNと呼ばれる容量保持ノード( a capacitive retention node)に蓄積される。このようにして、光検出器1により受けた情報は、結合ノードNにより現された(materialize)光検出器1の内部容量により蓄積されることができる。
【0014】
回路は読み出し回路4を備え、読み出し回路は、フォトダイオードにより測定された現状を示す信号を生成するために、結合ノードNに蓄積された情報を処理し、処理回路に伝送する(読み出し回路の出力に処理回路は図示していない)。読み出し回路4とバイアス回路3とは完全なものではないため、1つ以上の電気容量を検出回路内にもたらし、光検出器1の内部容量に追加される。同様に、バイアスするために、もしくは、回路に電荷を伝送するために用いられる電気ラインは、寄生容量をもたらす。すべての寄生容量は回路状態を変化させ、その理由としては、結合ノードNと結合される電気容量の値は、光検出器1の内部容量2の値と等しいものではなく、回路内の様々な容量の寄与の合計と等しいからである。結合されたこの容量は、理論状態と比較して回路応答を変化させる。捕捉期間(acquisition phase)中は、光検出器は、保持ノード及び読み出し回路4と連結している。
【0015】
結合ノードNに蓄積された情報を読む間、寄生容量の影響を減らすために、回路はシールド5を備え、シールドは、好ましくは金属からなり、結合ノードの周りに配置される。シールド5は、例えば金属からなる電気的接続ラインにより現される1つ以上の遮蔽物(screen)で物理的に結合ノードNを囲む。シールドは、電界遮蔽物又は電磁シールド(electromagnetic shielding)を形成する。
【0016】
シールド5は、結合ノードの電位と同じ方向に変化する電位を有するように構成されている読み出し回路4の出力に接続されている。シールド5と結合ノードNとの同じ方向の電位変動は、寄生容量の影響を減少させることを可能にし、好ましくは、シールドに印加された電位が結合ノードの電位に追従している場合寄生容量を抑えることを可能にすることができる。寄生容量の端子の電荷は読み取りの間一定であり、その理由としては、そのバイアス状態の下ではチャージしないからである。
【0017】
固定電位と結合したシールドを比較すると、シールドと結合ノードとの同じ方向の電位変動は、結合ノードとシールドとの間の電位差を減少させることを可能にする。これにより、寄生容量の影響を減少させることを可能にする。
【0018】
好ましい実施形態においては、読み出し回路4の出力は、結合ノードNの値と一定電位差になるように構成されている。このようにして、結合ノードNに蓄積された情報を読み出す間、結合ノードNの電位変化は、金属シールド5の電位変化と同様である。結合ノードNと金属シールド5との間の電位差は、一定であり、且つ、結合ノードNの変化に追従する。
【0019】
結合ノードNとシールド5との間の電位差が一定であることから、回路の寄生容量の一部を実質的になくすことを可能にする。結合ノードNと結合した容量値は、光検出器1の容量値に近いものとなる。
【0020】
図3に示される特有の実施形態においては、シールド5は、例えば、バイアス回路3を光検出器1に接続するラインの周りといった、光検出器1をバイアスするために用いられるラインの周りの少なくとも一部に配置され、さらに特有の方法においては、シールド5は、バイアス回路3の最終トランジスタ(last transistor)6の出力を光検出器1の第1の電極に接続するラインの周りに配置される。この実施形態によれば、バイアス回路3と結合する寄生容量の値を大きく減少させることを可能にする。
【0021】
図示しない他の実施形態においては、寄生容量の影響を減少させるために、シールド5は、バイアス回路の最終トランジスタ6の周りに配置される。
【0022】
これまでの実施形態を組み合わせることができる他の実施形態においては、図3に示すように、シールド5は、読み出し回路4の入力を光検出器1の第1の電極に接続するラインの周りに、少なくとも一部は配置される。
【0023】
図3に示される、これまでの実施形態とは別の実施形態においては、シールド5は、読み出し回路4の中であって、結合ノードNに含まれる情報を伝送することを可能にする1つ以上のトランジスタの周りに配置される(図3)。
【0024】
好ましい実施形態においては、図3に示すように、寄生容量の影響を大きく減少させるために、結合ノードNから情報を受け取る読み出し回路4の第1のトランジスタは、シールドにより完全に囲まれている。
【0025】
図3及び4に示される、これまでの実施形態を組み合わせることができる特有の実施形態においては、読み出し回路4はフォロワトランジスタ7を備える。読み出し回路4はフォロワトランジスタ7を備え、フォロワトランジスタ7は、結合ノードNの電位と同じ方向に変化する電位を有するように構成された電気ノードに接続された電極を有する。さらに特有の実施形態においては、フォロワトランジスタ7は、結合ノードNに接続された制御電極と、読み出し回路4の出力とおおよそ直接的に接続された他の電極とを含む。従って、フォロワトランジスタ7の制御電極に印加される、結合ノードNの電位の値は、トランジスタ7の出力にもたらされる信号の値を変化させる。
【0026】
フォロワトランジスタ7は、好ましくは電界効果型トランジスタであり、結合ノードに接続されたゲート電極と、読み出し回路4の出力に接続されたソース/ドレイン電極とを有する。
【0027】
図3及び6に示される、これまでの実施形態を組み合わせることができる特有の実施形態においては、読み出し回路4の出力は、バイアス回路3の第1のトランジスタ6の基板に接続されており、第1のトランジスタ6のチャネルの下のシールドに人為的に印加するようになっており、このトランジスタは電界効果型トランジスタである。
【0028】
これまでの実施形態を組み合わせることができる他の特有の実施形態においては、読み出し回路4の出力は、読み出し回路4の中のフォロワトランジスタ7の基板に接続されており、トランジスタは電界効果型トランジスタである。事前に、シールド5をトランジスタのチャネルの下に延ばすことを可能にする。
【0029】
好ましい他の実施形態においては、読み出し回路4の出力は、読み出し回路4の1つ以上の他のトランジスタの基板に接続される。
【0030】
これまでの実施形態を組み合わせることができる特有の実施形態においては、フォロワトランジスタ7の第2のソース/ドレイン電極は、第1の電位Vcellと接続されている。寄生容量の影響を減少させるために、第1の電位は、変化し、且つ、結合ノードNの変化に追従する。
【0031】
図5に示される、これまでの実施形態を組み合わせることができる特有の実施形態においては、光検出器1は第1の基板9の上に形成される。光検出器1は、その結果、例えばPN型ジャンクションを形成するような典型的な半導体層の積層であり、且つ、電位Vbiasを印加するような電気伝導層(electrically conducting layer)である。光検出器は、第1の基板9の中の点線により示される。バイアス回路3と読み出し回路4とは第2の基板10の上に形成される。回路は例えばトランジスタ6、7及び8により現される。光検出器1とバイアス回路3と読み出し回路4とは、金属バンプ11を用いてすべて接続されており、金属バンプは、2つの基板の間の電気的接続を行う。シールド5はバンプ11の周りにフレーム12を備え、好ましくは、バンプ11は、第2の基板の表面の上であって、且つ、読み出し回路4の入力に接続される。この実施形態は、混成領域(hybridization zone)における寄生容量の影響を限定することを可能にする。フレーム12は、バンプ11のまわりのリングを形成する。フレーム12は、読み出し回路4の出力と接続され、シールド5と直接的もしくは連続的に接続される。
【0032】
好ましい方法においては、フレーム12は、電気コンタクト13の周りに、バンプ11と所定の距離を持って配置された上部を備える。このようにして、2つの電気伝導領域の間に環状の絶縁領域がある。フレーム12は、可能であれば、他の平面に配置された下部を備え、他の平面は、絶縁領域の少なくとも一部を覆うように絶縁領域と向かい合うように配置される。この特有の構造は、絶縁領域を通過する電界線を遮断し、寄生容量の影響を減少させることを可能にする。
【0033】
フレーム12は、絶縁領域を通る大きなサイズのコンタクト開口部(contact opening)を用いて、もしくは、製造技術が大きなサイズのコンタクトを開口することができない場合には、絶縁層を通る多数の単純なコンタクトを用いて、シールド5に接続することができる。好ましい方法においては、目的は、結合ノードの、及び、ノードNをバンプ11とトランジスタ6とフォロワトランジスタ7とに接続する電力ラインの遮断を増加させることである。シールドは、ノードNとラインとの周りに形成されたおおよそ連続したリングにより現される。例えば、シールド5は、トランジスタ8のソース/ドレイン電極に接続される。
【0034】
できるかぎり寄生容量を近くに結合するために、シールド5とフレーム12とは、好ましくは回路の電気接続層(electric inter connection layer)に形成される。好ましい方法においては、シールドとフレームとは、第2の基板10の電気接続面(electric inter connection level)に形成され、同時に、電力ラインは、複数のトランジスタをバンプ11に接続する。シールド5は、バンプ11と読み出し回路4を備える半導体基板との間の電気絶縁材料の中に配置される。
【0035】
シールド5とフレーム12とは、例えば、ドープされた半導体や、金属であるような、1つ以上の電気伝導材料により形成される。好ましい方法においては、シールドとフレームとは、結合ノードを回路の様々な要素に接続する接続ラインと同じ材料から形成される。さらに好ましい方法においては、寄生容量に重要な影響を与えるために、シールドとフレームとは、金属材料から形成される。
【0036】
SFD型の検出回路は例えば3つの電界効果型トランジスタにより示され、しかしながら、異なる数のトランジスタにより同様の動作を得ることが可能である。
【0037】
様々に示される実施形態においては、光検出器1は、基板電位Vbiasに接続される第1の端子を有するフォトダイオードである。光検出器の第2の端子は、バイアス回路3に接続され、バイアス回路は、ここでは電界効果型トランジスタ6により示される。
【0038】
示される回路は、例えば、複数の回路を備える検出マトリックスの回路に対応する。
【0039】
バイアス回路3のトランジスタ6は、参照電圧Vrefを印加する第1のバイアス端子と光検出器1の第2の端子との間に接続される。
【0040】
光検出器1の第2の端子は、フォロワトランジスタ7のゲート電極により現される読み出し回路4の入力に接続される。フォロワトランジスタ7と選択トランジスタ8とは第1の共通電極によりシリーズに接続される。フォロワトランジスタ7の第2の電極は、第1の電位Vcellに接続される。選択トランジスタ8の第2の電極は、様々な回路に共通するものとすることができる出力ラインOUTに接続される。選択トランジスタ8のゲート電極は、選択信号SELを受信する選択端子に接続され、この選択信号は、トランジスタ8をON状態とOFF状態とにスイッチすることを可能にする。
【0041】
回路の結合ノードNは、光検出器1と、バイアス回路3のトランジスタ6と、フォロワトランジスタ7との間の共通接続により図式化される。しかしながら、光検出器1からの電荷は、その一部については、光検出器1の内部容量に蓄積され、他の一部は、例えば使用されているトランジスタ及び金属ライン中に位置する寄生容量に蓄積される。
【0042】
シールド5は、1つ以上の電力ラインにより、結合ノードNを物理的に取り囲む。示される好ましい方法においては、シールド5は、結合ノードNを形成する1つの容量性成分(capacitive component)の周りに配置され、例えば、バイアストランジスタ6を光検出器1に接続するラインの周りに、及び/又は、フォロワトランジスタのゲート電極を光検出器に接続するラインの周りに配置される。
【0043】
示される一例においては、シールド5は、バイアス回路3と読み出し回路4とからの様々な寄生成分(parasitic component)の周りに配置される。
【0044】
さらに、バイアストランジスタ4の基板とフォロワトランジスタ7と選択トランジスタ8とは、寄生容量を急激に減少させるように出力ラインOUTに接続される。
【0045】
好ましい実施形態においては、バイアス回路3、及び/又は、読み出し回路4は、電気的絶縁材料により覆われており、電気的絶縁材料は、様々な成分全体を接続するために形成された1つ以上の金属ラインの中にある。金属ラインは、回路の金属接続層内に形成される。好ましい方法においては、金属シールド5は、信号を伝送するために用いられる金属ラインとできる限り近接して配置するために、回路の接続層の中に形成される。このようにすることで、寄生容量に対して重要な影響を与えることを可能にする。
【0046】
図6に示すように、検出回路は、1つまたは2つのデイメンションで組織化された複数の検出回路を有する検出マトリックスとして結合することができる。
【0047】
例えば検出ラインといった、検出器の集合を形成するために様々な回路を結合した場合、有利には、複数の回路は、様々な読み出し回路4の出力端子に接続された出力ラインOUTにより接続される。
【0048】
このようにして、様々な読み出し回路4から出力された信号は、異なる時間において同じ出力ラインOUTを通過する。同じ検出ラインの2つの回路を連続的に通過することをさけるために、検出回路は、選択入力を含む。
【0049】
好ましい実施形態においては、出力ラインOUTは、それに対応する回路の金属シールド5に接続される。出力ラインOUTの電位は、様々な回路からそれらを通過する信号にように、時間変化する。しかしながら、出力ラインOUTの電位は、読み出される結合ノードNの電位に接続される。従って、読み出し期間の間には、出力ラインOUTの電位は、結合ノードNの電位と同じ方向に変化し、これにより、寄生容量の影響を限定することを可能にする。用いられる読み出し回路の構造によれば、出力ラインOUTと結合ノードNとの間の電位差は、読み出し期間の間一定である。出力ラインOUTの電位は、時間変化し、且つ、読み出されているときに結合ノードNの変化に応じて動く。
【0050】
作動している場合、ON状態にバイアストランジスタ6をスイッチすることにより、光検出器1は逆バイアスされる。光検出器1は、参照電位Vrefとバイアス電位Vbiasとの間にバイアスされる。
【0051】
次いで、バイアストランジスタ6はOFF状態にスイッチされ、光検出器1はフローティング状態となる。フローティング状態にある場合、光検出器1は、受け取った光放射線を測定された現状を示すある一定量の電子に変換する。結合ノードNの電位の変化は、測定された現状に関する光検出器1により供給された信号を示す。結合ノードNの電位は、フォロワトランジスタ7の制御電極に印加される。マトリックス結合の場合、すべての光検出器1は、結合された同じ期間において測定された現状の収集を行うことが好ましい。
【0052】
読み出し期間の時間において、フォロワトランジスタ7の出力(第1の電極)の電位と、選択トランジスタ8の出力(第2の電極)の電位とは、結合ノードNの電位と同じ方向に変化する。従って、出力ラインOUTは、結合ノードNを用いて、測定された現状を示す信号を受信する。さらに、結合ノードNの周りに位置する金属シールド5は、ノードNの電位の値の変化とともに変化し、これにより、1つの読み出し期間から次の読み出し期間までの電荷の移動を限定する。好ましい方法においては、測定された現状を示す値は、初期値に対する関連する結合ノードNの電位の変化である。さらなる好ましい方法においては、測定された現状を示す値は、2つの連続した読み出しの間の結合ノードNの電位の変化であり、例えば、相関2重サンプリング(Correlated Double Sampling)技術である。
【0053】
金属シールド5は検出回路の遮断デバイス(screen device)を形成し、これにより、寄生容量を減少させ、寄生容量を実質的に除去することを可能にする。デバイスは、感度のパフォーマンスを増加させ、ノイズ電子に関するノイズのレベルを減少させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソースフォロワ検出器型の検出回路であって、
− 結合ノード(N)に接続されたフォトダイオード(1)と、
− 逆バイアス状態である第1の状態とフローティング状態である第2の状態との間に前記フォトダイオード(1)をバイアスするバイアス回路(3)と、
− 前記結合ノード(N)に接続された読み出し回路(4)であって、前記フォトダイオード(1)により測定された現状を示す信号を生成する読み出し回路と、
を備え:
− 前記結合ノード(N)の周りに配置され、且つ、前記読み出し回路(4)の出力に接続された金属シールド(5)であって、前記結合ノードの電位と同じ方向に変動する電位を持つように構成され、且つ、電気シールドを形成する金属シールドを備える、
ことを特徴とする回路。
【請求項2】
前記読み出し回路(4)はフォロワトランジスタ(7)を備え、前記フォロワトランジスタは、前記結合ノード(N)の電位と同じ方向に変動する電位を持つように構成された電気ノードに接続された電極を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記フォロワトランジスタ(7)は、前記結合ノードに接続された制御電極と、前記金属シールド(5)に接続された他の電極とを有する、ことを特徴とする請求項2に記載の回路。
【請求項4】
前記金属シールド(5)は、前記結合ノード(N)の電位に対して一定の電位差を持つように構成された前記読み出し回路(4)の出力に接続される、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の回路。
【請求項5】
前記金属シールド(5)は、前記フォトダイオード(1)を前記バイアス回路(3)に接続する前記電力ラインを取り囲む、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の回路。
【請求項6】
前記金属シールド(5)は、前記結合ノード(N)を前記読み出し回路(4)に接続する前記電力ラインを取り囲む、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の回路。
【請求項7】
前記フォトダイオード(1)は第1の基板(9)の上に形成され、前記バイアス回路(3)と前記読み出し回路(4)とは第2の基板の上に形成され、前記フォトダイオードは、金属バンプ(11)によって前記バイアス回路(3)と前記読み出し回路(4)とに接続され、前記金属バンプ(11)は、前記読み出し回路(4)の前記出力に接続された金属リング(12)により取り囲まれている、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の回路。
【請求項8】
前記金属シールド(5)は、前記金属バンプ(11)と前記読み出し回路(4)を備える半導体基板との間の電気絶縁材料中に配置される、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の回路。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1つに記載の回路を複数含む検出マトリックスであって、各読み出し回路(4)は特定の選択入力を備え、出力ライン(OUT)は前記読み出し回路(4)の前記出力端子に接続されている、検出マトリックス。
【請求項10】
前記出力ラインは前記金属シールド(5)に接続されている、ことを特徴とする請求項9に記載の検出マトリックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−8952(P2013−8952A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−114265(P2012−114265)
【出願日】平成24年5月18日(2012.5.18)
【出願人】(512056094)ソシエテ、フランソワーズ、ド、デテクトゥル、アンフラルージュ、ソフラディル (3)
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE FRANCAISE DE DETECTEURS INFRAROUGES SOFRADIR
【Fターム(参考)】