使い捨てのカードにおける白血球鑑別
カード又はカートリッジ中で白血球の3,4及び5要素鑑別等の複数要素鑑別を行う装置及び手法。この装置は、白血球の鑑別を達成するための変化する連続及び並行した数種の溶解又は染色/マーク付けの組み合わせとすることができる。また、種々の細胞の計数ができる。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本特許出願は、2004年5月14日に出願された仮特許出願第60/571,235号の利益を主張する、2005年5月12日に出願された米国特許出願第10/908,460号の一部継続出願である。また、本特許出願は、2005年4月25日出願の米国特許出願第10/908,014号の一部継続出願であり、この一部継続出願は2002年11月26日出願の米国特許出願第10/304,773号の一部継続出願であり、更に、後者の一部継続出願は、2000年8月2日出願の米国特許出願第09/630,924号の一部継続出願であって、現在、米国特許第6,597,438号として特許付与されている。
【0002】
また、本特許出願は、2005年4月25日出願の上記米国特許出願第10/908,014号の一部継続出願であり、この一部継続出願は2004年11月3日出願の米国特許出願第10/980,685号の一部継続出願であり、後者の一部継続出願は、2002年6月19日出願の米国特許出願第10/174,851号の分割出願であって、現在、米国特許第6,837,476号として特許付与されている。また、本特許出願は、2005年4月25日出願の上記米国特許出願第10/908,014号の一部継続出願であり、この一部継続出願は、2003年1月10日出願の米国特許出願第10/340,231号の一部継続出願であって、現在、米国特許第6,889,567号として特許付与されており、後者の一部継続出願は、2000年6月2日出願の米国特許出願第09/586,093号の分割出願であって、現在、米国特許第6,568,286号として特許付与されている。
【0003】
また、本特許出願は、2004年9月27日出願の米国特許出願第10/950,898号の一部継続出願である。また、本特許出願は、2004年9月9日出願の米国特許出願第10/938,265号の一部継続出願であり、この一部継続出願は2002年11月26日出願の前記米国特許出願第10/304,773号の一部継続出願である。
【0004】
[Para 7] また、本特許出願は、2004年9月9日出願の上記米国特許出願第10/938,265号の一部継続出願であり、この一部継続出願は、2002年8月21日出願の米国特許出願第10/225,325号の一部継続出願であって、現在、米国特許第6,970,245号として特許付与されている。 [Para 8] また、本特許出願は、2005年4月11日出願の米国特許出願第10/932,662号の一部継続出願である。
【0005】
[Para 9] また、本特許出願は、2004年7月27日出願の米国特許出願第10/899,607号の一部継続出願である。 [Para 10] また、本特許出願は、2004年9月9日出願の上記米国特許出願第10/938,245号の一部継続出願である。この一部継続出願は2004年4月14日出願の米国特許出願第10/824,859号の継続出願であり、この継続出願は、上述のように、2002年8月21日出願の上記米国特許出願第10/225,325号の一部継続出願であって、現在、米国特許第6,970,245号として特許付与されている。後者の一部継続出願は、2000年8月2日出願の米国特許出願第09/630,927号の一部継続出願であって、現在、米国特許第6,549,275号として特許付与されている。
【0006】
[Para 11] また、本特許出願は、2004年1月16日出願の米国特許出願第10/759,875号の一部継続出願であり、この一部継続出願は、2001年6月29日出願の米国特許出願第09/896,230号の一部継続出願であって、現在、米国特許第6,700,130号として特許付与されている。 [Para 12] また、本特許出願は、2004年1月16日出願の上記米国特許出願第10/759,875号の一部継続出願であり、この一部継続出願は2002年11月26日出願の前記米国特許出願第10/304,773号の一部継続出願である。
【0007】
[Para 13] また、本特許出願は、2002年11月26日出願の前記米国特許出願第10/304,773号の一部継続出願であり、この一部継続出願は、2000年8月2日出願の米国特許出願第09/630,924号の一部継続出願であって、現在、米国特許第6,597,438号として特許付与されている。 [Para 14] また、本特許出願は、2005年4月25日出願の前記米国特許出願第10/908,014号の一部継続出願であり、この一部継続出願は2004年9月28日出願の米国特許出願第10/953,197号の一部継続出願である。
【0008】
[Para 15] また、本特許出願は、2004年12月30日出願の米国特許出願第11/027,134号の一部継続出願であり、この一部継続出願は2002年11月26日出願の前記米国特許出願第10/304,773号の一部継続出願であり、上述のように、後者の一部継続出願は、2000年8月2日出願の米国特許出願第09/630,924号の一部継続出願であって、現在、米国特許第6,597,438号として特許付与されている。 [Para 16] また、本特許出願は、2005年12月27日出願の米国特許出願第11/306,402号の一部継続出願である。
【0009】
[Para 17] 2004年5月14日出願の前記仮特許出願第60/571,235号は、参照することにより本明細書に援用される。2000年6月2日の出願であって、米国特許第6,568,286号として現在特許付与されている米国特許出願第09/586,093号は、参照することにより本明細書に援用される。2000年8月2日の出願であって、米国特許第6,597,438号として現在特許付与されている米国特許出願第09/630,924号は、参照することにより本明細書に援用される。
【0010】
2000年8月2日の出願であって、米国特許第6,549,275号として現在特許付与されている米国特許出願第09/630,927号は、参照することにより本明細書に援用される。2001年6月29日の出願であって、米国特許第6,700,130号として現在特許付与されている米国特許出願第09/896,230号は、参照することにより本明細書に援用される。2002年6月19日の出願であって、米国特許第6,837,476号として現在特許付与されている米国特許出願第10/174,851号は、参照することにより本明細書に援用される。
【0011】
2002年8月21日の出願であって、米国特許第6,970,245号として現在特許付与されている米国特許出願第10/225,325号は、参照することにより本明細書に援用される。2002年11月26日出願の米国特許出願第10/304,773号は、参照することにより本明細書に援用される。2003年1月10日の出願であって、米国特許第6,889,567号として現在特許付与されている米国特許出願第10/340,231号は、参照することにより本明細書に援用される。
【0012】
2004年1月16日出願の米国特許出願第10/759,875号は、参照することにより本明細書に援用される。2004年4月14日出願の米国特許出願第10/824,859号は、参照することにより本明細書に援用される。2004年7月27日出願の米国特許出願第10/899,607号は、参照することにより本明細書に援用される。
【0013】
2005年4月25日出願の米国特許出願第10/908,014号は、参照することにより本明細書に援用される。2005年5月12日出願の米国特許出願第10/908,460号は、参照することにより本明細書に援用される。2005年4月11日出願の米国特許出願第10/932,662号は、参照することにより本明細書に援用される。
【0014】
2004年9月9日出願の米国特許出願第10/938,245号は、参照することにより本明細書に援用される。2004年9月9日出願の米国特許出願第10/938,265号は、参照することにより本明細書に援用される。2004年9月27日出願の米国特許出願第10/950,898号は、参照することにより本明細書に援用される。
【0015】
2004年9月28日出願の米国特許出願第10/953,197号は、参照することにより本明細書に援用される。2004年11月3日出願の米国特許出願第10/980,685号は、参照することにより本明細書に援用される。2004年12月30日出願の米国特許出願第11/027,134号は、参照することにより本明細書に援用される。2005年12月27日出願の米国特許出願第11/306,402号は、参照することにより本明細書に援用される。
【技術分野】
【0016】
[Para 18] 本発明は、概ね血球計算に、特に携帯用血球計算に関する。より詳細には、本発明は血液分析に関する。
【背景技術】
【0017】
[Para 19] 本発明は、“メソバルブ(mesovalve) 変調器”の発明の名称でカブス(Cabuz) らにより2005年1月28日に出願され、参照により本明細書に援用される米国特許出願第10/905,995号に関連する。また、本発明は、“メディア分離静電駆動弁(Media Isolated Electrostatically Actuated Valve)”の発明の名称でカブスらにより2004年12月21日に出願され、参照により本明細書に援用される米国特許出願第11/018,799号に関連する。これらの特許出願は、本発明を所有する同一事業体により所有されている。
【0018】
[Para 20] 本発明は、また、2002年5月7日にカブスらに交付され発明の名称が“フロー・サイトメトリー用流体駆動システム”の米国特許第6,382,228号;2004年5月4日にカブスらに交付され発明の名称が“弾性的復元力を有する静電駆動ポンプ”の米国特許第6,729,856号;2001年7月3日にカブスらに交付され発明の名称が“微視的力及び微小変位を有するポリマー・マイクロアクチュエータ・アレイ(Polymer Microactuator Array with Microscopic Force and Displacement)”の米国特許第6,255,758号;2001年6月5日にオーンスタイン(Ohnstein)らに交付され発明の名称が“圧力比例又は流量制御用アドレス可能弁の配列(Addressable Valve Arrays for Proportional Pressure or Flow Control)”の米国特許第6,240,944号;2001年1月30日にハーブ(Herb)らに交付され発明の名称が“二重ダイアフラム、単一チャンバ・メソポンプ”の米国特許第6,179,586号;及び、1998年11月17日にカブスに交付され発明の名称が“複数の基本セルを有する静電駆動メソポンプ”の米国特許第5,836,750号に関連し、これらは全て参照により本明細書に援用される。これらの特許は、本発明を所有する同一事業体により所有されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
[Para 21] 本発明は、白血球の複数要素鑑別(multipart differentiation)を遂行する流体分析カードを含む。[Para 48] 本発明は、概ね試料分析器に関し、より詳細には、診療所、家庭、又は他のどこかの現場等で、患者のケアに際して使用される取外し可能な又は使い捨てのカートリッジ(cartridge)を備えた試料分析器に関する。必要とされる試薬又は流体の全てを備えた取外し可能な又は使い捨てのカートリッジを用意することによって、殆ど又は全く専門的な訓練を受けることなく、実験室環境の外部で試料分析器を確実に使用することができる。これは、例えば、試料分析法の能率化に役立ち、医療又は他の要員のコストや負担を軽減し、比較的頻繁に血液モニタリング/分析を必要とする者など、多くの患者に試料分析の利便性を向上させ得る。
【0020】
[Para 49] 粒子−懸濁液試料中で素早く効率的な粒子の識別を可能にする方法が、フロー・サイトメトリ(flow cytometry:流れ血球計算)である。この方法では、試料中の個々の粒子に1以上の集束光線が当てられる流路を通って、粒子の懸濁液、典型的には血液試料中の細胞が輸送される。光線と流路を通って流れる個々の粒子との相互作用が、1以上の光検出器により検出される。通常、検出器は、特定の光線又は発光波長で光吸収又は蛍光発光を、又は特定の散乱角度で光散乱を測定するように設計される。
【0021】
このようにして、吸収、蛍光、光散乱、又は他の光学的もしくは電気的特性に関連する1以上の特徴について、流路を通過する各粒子を特徴付けることができる。検出器により測定される特性によって、中心線が光強度又は検出器により測定される他の特性を表す特徴空間に、各粒子がマッピングされることを可能にする。理想的には、試料中の異なる粒子を特徴空間の異なった非重複要素にマッピングさせ、特徴空間におけるそのマッピングに基づいて各粒子の分析を可能にする。このような分析としては、粒子の計数、同定、定量化(1以上の物理特性について)又は仕分け等を挙げることができる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
[Para 50] 例示のための一例において、採取された全血液試料等の採取された試料を受け入れる、取外し可能なカートリッジを備えた試料分析器を設けることができ、取外し可能なカートリッジを取り付けて分析器を作動させると、分析器及びカートリッジは試料を自動的に処理し、分析器はユーザに十分な情報を提供して臨床決定を行う。ある例では、分析器は、ユーザが更なる計算又は解釈を必要としないように、定量的結果(例えば、予め定められた範囲内及び/又は範囲外で)を表示又は印刷する。
【0023】
[Para 51] 例えば血液試料中の白血球の数及び/又はタイプを測定するために、試料分析器を用いることができる。例示のための一例において、分析器はハウジング及び取外し可能な流体カートリッジを含み、ハウジングは取外し可能な流体カートリッジを収容するように構成される。ある場合には、取外し可能な流体カートリッジは使い捨てカートリッジである。例示のための一例において、取外し可能な流体カートリッジは、1以上の試薬(例えば、溶解試薬、染色剤、希釈剤等)、1以上の分析チャンネル、1以上の流量センサ、1以上の弁、又は試料を処理して(例えば、溶解、染色、混合する等)、処理された試料をカートリッジ上の適当な分析チャンネルに送達するように構成された流体回路を含むことができる。カードを支援するために、ハウジングは、例えば、圧力源、1以上の光源、1以上の光検出器、プロセッサ、及び電源を含むことができる。圧力源は、取外し可能な流体カートリッジのポートに適切な圧力を供給して、必要に応じて流体回路を通る流体を駆動することができる。分析器の1以上の光源は、取外し可能なカートリッジの少なくとも選択された分析チャンネルで調製された試料を問い質すために使用することができる。
【0024】
分析器の1以上の光検出器は、透過し、試料により吸収又は散乱される光を検出することができる。プロセッサは、光源及び検出器の少なくとも一部に接続して、試料の1以上のパラメータを決定することができる。ある例では、取外し可能な流体カートリッジ上の1以上の分析チャンネルは、1以上のフロー・サイトメトリ・チャンネルを含むことができる。[Para 52] 例示のためのある例において、全血液試料を取外し可能な流体カートリッジに用意することができ、取外し可能なカートリッジは血液分析を実施するように構成することができる。
【0025】
[Para 53] 白血球を計数し分類するために、全血液試料の少なくとも一部を取外し可能なカートリッジの白血球測定チャンネルに供給することができる。白血球測定チャンネルに供給された血液試料は例えば必要に応じて希釈されてもよく、また、赤血球を急いで溶解してもよく、得られる試料をコア形成のために流体力学的に集束して、最終的に第二血球計算チャンネルに供給してもよい。また、対応する光源及び検出器により流体流中の細胞を光学的に問い質すことができるように、血球計算チャンネルを取外し可能なカートリッジの透明な流体流窓に沿って又はその下に位置させることができる。ある場合には、流量センサを取外し可能なカートリッジ上に設けて、第二血球計算チャンネルを通る流量(flow rate)の測定を行うことができる。
【0026】
[Para 54] ある場合には、白血球測定チャンネルで測定されるパラメータの例として、例えば、2要素(tow part)、3要素、4要素又は5要素白血球の鑑別(differentiation)、全白血球の数、又は軸上の白血球の容積(on-axis white blood cell volume)を挙げることができる。白血球の鑑別については、白血球の第一、第二、第三、第四及び第五要素、そのタイプ又は種類は、それぞれ、リンパ球、単球、好中球、好酸球、及び好塩基球を引き合いに出すことができる。白血球は、また、一部が、リンパ球、単球、及び顆粒球(LMG)の3グループに分類されてもよい。顆粒球としては、好中球、好酸球、及び好塩基球を挙げることができる。
【0027】
[Para 55] また、望ましい用途に応じて、5つの他のパラメータを測定又は計算することができる。ある場合には、細胞の鑑別にある場合に役立つ血球計算チャンネルに試料を供給する前に、染色及び/又は蛍光タグを試料に付加してもよい。
【0028】
[Para 56] フロー・サイトメトリにおいて幾つかの一般的なタイプの光散乱測定を行うことができる。通常前方散乱又は小角散乱と称される、小さな角度(入射光線に対して約1〜25°)でなされる光強度の測定は、細胞の大きさに関する情報を提供する。また、膜が損傷した細胞を例えば区別できるため、前方散乱は細胞と細胞外培地との屈折率の差に強く依存する。通常直角又は大角散乱と称される、入射光から約65°〜115°の角度でなされる光強度の測定は、粒子構造の大きさ及び度合いに関する情報を提供することができる。
【0029】
[Para 57] 異なる角度での又は吸収もしくは蛍光測定と組み合わせた同時光散乱測定を、フロー・サイトメトリ法で用いることができる。例えば、光散乱と組み合わせた光の吸収をフロー・サイトメトリで用いて、様々な種類の白血球を区別することができる。この方法は時々細胞の染色を利用する。
【0030】
[Para 58] 典型的には、かかる粒子の弁別法は、本明細書でまとめて試料分析器と呼ぶ1以上の機器を用いて、少なくとも部分的に実施される。多くの試料分析器は、訓練された要員が実験室環境で用いるかなり大きなデバイスである。多くの試料分析器を用いるには、調製した試料を試料分析器に供する前に、試料を望ましい濃度に希釈、適当な試薬の添加、望ましい分離を行う試料の遠心分離などにより、採取した試料を最初に処理しなければならない。正確な結果を得るために、かかる試料の処理は典型的には訓練された要員により行われなければならず、試料分析の実施に要するコスト及び時間を増大させる可能性がある。
【0031】
[Para 59] 多くの試料分析器は、また、例えば更なる情報の入力又は試料の更なる処理を要する分析時に、オペレータの介入を必要とする。これは、望ましい試料分析の実施に要するコスト及び時間を更に増大させる可能性がある。また、多くの試料分析器は単に出力として粗い分析データを提供するだけで、適切な臨床決定を行うためには、更なる計算及び/又は介入がしばしば訓練された要員により行われなければならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
[Para 60] 図1は例示のための試料分析器とカートリッジの斜視図である。例示のための試料分析器は、全般的に符号10で示され、ハウジング12と取外し可能な又は使い捨てのカートリッジ14とを含む。図示のハウジング12は、ベース16、カバー18、及びベース16をカバー18に取り付けるヒンジ20を含むが、ヒンジは必ずしも必要でない。図示の例では、ベース16は、関連する光学素子、及び試料分析器の作動に必要な電子機器と共に、第一光源22a、第二光源22b、及び第三光源22cを含む。光源の各々は、用途に応じて、単一の光源でも又は複数の光源であってもよい。ある場合には、ハウジング全体の寸法は、1立方フィート(ft3)(2.832×104cm3)以下、1/2立方フィート以下、1/4立方フィート以下又は必要に応じてこれ以下であってもよい。同様に、ハウジング全体の重量は、10ポンド(lb)(4.536×103g)以下、5ポンド以下、1ポンド以下又は必要に応じてこれ以下であってもよい。
【0033】
[Para 61] 図示のカバー18は、圧力源(例えば、マイクロ制御弁を有する圧力チャンバ)、第一光検出器24a、第二光検出器24b、及び第三光検出器24cを含み、各々は関連する光学素子及び電子機器を有する。光検出器の各々は、また、用途に応じて、単一の光検出器でも又は複数の光検出器であってもよい。また、必要ならば用途に応じて、偏光子及び/又はフィルタを備えていてもよい。
【0034】
[Para 62] 図示の取外し可能なカートリッジ14は、図示の例ではランセット32を含む試料採取器ポートを介して、試料流体を受け入れるように構成されている。ランセット32は、ある例では、引込み式でも及び/又はバネ付勢されていてもよい。取外し可能なカートリッジ14の非使用時には、試料採取器ポート及び/又はランセット32を保護するためにキャップ38を用いることができる。
【0035】
[Para 63] 図示の例において、取外し可能なカートリッジ14は、全血液試料について血液分析を行う。ランセット(lancet:ひらき針)32はユーザの指を突き刺すように用いられ、毛細管作用により、取外し可能なカートリッジ14中の抗凝固剤が被覆された毛細管に、吸い込まれ得る血液試料を生成することができる。取外し可能なカートリッジ14はマイクロニクス・テクノロジーズ社から入手可能な流体回路と同様に構成されることができ、その一部はチャンネルを食刻した積層構造体を用いて組み立てられる。しかし、射出成形によるなどあらゆる好適な方法で又は必要に応じて他のあらゆる好適な製造プロセスもしくは方法で、取外し可能なカートリッジ14を構成できると考えられる。
【0036】
[Para 64] 使用時及び血液試料が取外し可能なカートリッジ14に吸い込まれた後に、カバー18が開放位置にある時、取外し可能なカートリッジ14をハウジングに挿入することができる。ある場合には、取外し可能なカートリッジ14は、ベース16のレジストレーション(registration)・ピン28a,28bを受け入れる穴26a,26bを含むことができ、これは機器の異なる部品間の位置合わせ及び連結を与えるのに役立つであろう。取外し可能なカートリッジ14は、また、第一、第二、及び第三光源22a,22b,22c並びに第一、第二、及び第三光検出器24a,24b,24cに、それぞれ整列する第一透明流体流窓30a、第二透明流体流窓30b、及び第三透明窓30cを含むことができる。
【0037】
[Para 65] カバーが閉位置に移動し、システムが加圧されると、カバー18は、圧力供給ポート36a,36b,36c,36dを介して、それぞれ図示の取外し可能なカートリッジ14中の圧力受入れポート34a,34b,34c,34dに制御された圧力を供給することができる。用途に応じて、多少の過不足はあるが大凡の圧力供給及び圧力受入れポートを使用できると考えられる。あるいは、又は更に、静電駆動メソポンプ等の1以上のマイクロポンプを取外し可能なカートリッジ14上又はその中に設け、必要な圧力を提供して、取外し可能なカートリッジ14上の流体回路を作動できると考えられる。説明に役立つ幾つかの静電駆動メソポンプが、例えば、米国特許第5,836,750号明細書、同第6,106,245号明細書、同第6,179,586号明細書、同第6,729,856号明細書、及び同第6,767,190号明細書に記載されている。これら全ては、本発明の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に援用される。
【0038】
[Para 66] 加圧されると、例示のための機器は採取された血液試料について血液分析を行うことができる。ある場合には、血液分析として白血球の数(WBC)を挙げることができる。
【0039】
[Para 67] 白血球を計数し分類するために、全血液試料を取外し可能なカートリッジ14の白血球測定チャンネルに供給することができる。その際、血液試料は、必要ならば希釈されてもよく、赤血球を急いで溶解してもよく、得られる試料をコア形成のために流体力学的に集束して、最終的に第二血球計算チャンネルに供給してもよい。第二光源22b及び第二光検出器24bにより流体流中の細胞を光学的に問い質すことができるように、血球計算チャンネルは、取外し可能なカートリッジ14の第二透明流体流窓30bに沿って位置することができる。流量センサを取外し可能なカートリッジ14上に設けて、血球計算チャンネルを通る流量の測定を行うことができる。ある場合には、測定される白血球パラメータとして、例えば、3要素又は5要素白血球鑑別、全白血球の数、及び/又は軸上の白血球の容積を挙げることができる。また、用途に応じて、他のパラメータを測定又は計算することができる。
【0040】
[Para 68] 図1には例示のための1つの試料分析器とカートリッジ組立部品を示しているけれども、他の試料分析器の機器構成を使用できると考えられる。例えば、試料分析器10と取外し可能なカートリッジは、シュヴィヒテンベルク(Schwichtenberg)らの米国特許出願第2004/0211077号に記載のものと同様であってもよく、この特許出願は参照により本明細書に援用される。
【0041】
[Para 69] ある場合には、診療所、家庭、又は他のどこかの現場等で、患者のケアに際して使用されるように試料分析器10を構成してもよい。殆ど又は全く専門的な訓練を受けることなく、実験室環境の外部で確実に使用できる試料分析器10を提供する能力は、試料分析法の能率化に役立ち、医療要員にかかるコストや負担を軽減し、比較的頻繁に血液モニタリング/分析を要する者など、多くの患者に試料分析の利便性を向上させるであろう。
【0042】
[Para 70] 作動中に、試料分析器10は採取された全血液試料等の採取された試料を受け入れることができ、分析器を作動させると、試料分析器10は試料を自動的に処理し、ユーザに情報を提供して臨床決定を行うことができる。ある例では、試料分析器10は、ユーザが更なる計算又は解釈を必要としないように、定量的結果(例えば、予め定められた範囲内及び/又は範囲外で)を表示又は印刷することができる。
【0043】
[Para 71] 図2は、図1の例示のための試料分析器及びカートリッジの概略図である。先に詳述したように、また図示の例では、ベース16は、多数の光源22と、関連する光学素子と、分析器の作動に必要な制御及び処理を行う電子機器40とを含むことができる。ベース16は、また、バッテリ42、変圧器又は他の電源を含むことができる。圧力源/流量制御ブロック44と関連する光学素子を備えた多数の光検出器24とを有するカバー18が図示されている。
【0044】
[Para 72] 取外し可能なカートリッジ14は、試料採取器ポート又はランセット32を介して試料流体を受け入れることができる。圧力源/流量制御ブロック44により加圧されると、取外し可能なカートリッジ14は、受け入れた血液試料について血液分析を行うことができる。ある例では、また前述のように、取外し可能なカートリッジ14は、多数の試薬49と、試薬を血液試料と混合する流体回路とを含み、分析用血液試料を調製することができる。また、取外し可能なカートリッジ14は、流体回路の作動を適切に制御及び/又は確認するのに役立つ、多数の流量センサを含むことができる。
【0045】
[Para 73] ある場合には、血液試料は、調製され(例えば、溶解、染色、希釈、及び/又は他の方法で処理され)、その後、血球計算チャンネル50等の機器内に設けられた1以上の血球計算チャンネル内で、コア形成のために流体力学的に集束される。図示の例では、血球計算チャンネル50は、取外し可能なカートリッジ14中の第一透明流体流窓30a等の透明な流体流窓を通り越えることができる。ベース16における一連の光源22及び関連する光学素子は、流体流窓30aを介してコアの流れを透過する光を与えることができる。一連の光検出器24及び関連する光学素子は、コアから、また流体流窓30aを介して、散乱した及び散乱しない光を受け入れることができる。制御装置又はプロセッサ40は、一連の検出器24から出力信号を受信することができ、コアの流れに存在する特定細胞を鑑別及び/又は計算することができる。
【0046】
[Para 74] 取外し可能なカートリッジ14は、カートリッジ14上の少なくとも一部の流体の速度を制御するのに役立つ、流体制御ブロック48を含むことができると考えられる。図示の例では、流体制御ブロック48は、各種流体の速度を検知する流量センサを含み、制御装置又はプロセッサ40に速度を伝えることができる。制御装置又はプロセッサ40は、その際、圧力源/流量制御ブロック44に提供される1以上の制御信号を制御して、望ましい圧力を、ひいては、分析器の適切な作動にとって望ましい流速を実現することができる。
【0047】
[Para 75] 血液及び他のバイオ廃棄物は病気を蔓延させることがあるので、取外し可能なカートリッジ14は、図示の血球計算チャンネル50の下流に廃棄物貯蔵容器52を備えることができる。廃棄物貯蔵容器52は、取外し可能なカートリッジ14を流れる流体を受け入れ及び貯蔵することができる。検査が完了すると、取外し可能なカートリッジ14を分析器から取り外して、好ましくはバイオ廃棄物に適合する容器に廃棄することができる。
【0048】
[Para 76] 図3は、図2における試料分析器とカートリッジの流量制御を示すより詳細な概略図である。図示の例において、カバー18における圧力源/流量制御装置44は、試料プッシュ(P)圧力36a、溶解(L)圧力36b、染色(ST)圧力36c、及びシース(SH:sheath)圧力36dを含む制御された4つの圧力を供給する。これらは一例にすぎず、用途に応じて、より多くの、より少ない又は異なる圧力(例えば、希釈剤貯蔵容器への希釈圧力)を圧力源/流量制御装置44により供給できると考えられる。また、カバー18は圧力源/流量制御装置44を含まなくてもよいと考えられる。代わりに、取外し可能なカートリッジ14は、圧縮空気貯蔵容器等の機器内に設けられた圧力源、前述のような静電駆動メソポンプ等の1以上のマイクロポンプ、又は必要に応じて他のあらゆる好適な圧力源を含んでいてもよい。光源及び検出器の配列は図3に示されていない。
【0049】
[Para 77] 図示の例において、圧力源36aは押込み流体65を経由して血液試料貯蔵容器62に圧力を供給し、圧力源36bは溶解貯蔵容器64に圧力を供給し、圧力源36cは染色剤貯蔵容器66に圧力を供給し、圧力源36dはシース貯蔵容器68に圧力を供給する。
【0050】
[Para 78] 例示のための一例において、各圧力源は、入力圧力を受け入れる第一圧力チャンバと、制御された圧力を取外し可能なカートリッジに供給する第二圧力チャンバとを含むことができる。第一圧力チャンバと第二圧力チャンバの間に第一弁を設けて、第一圧力チャンバの圧力を第二圧力チャンバに制御可能に放出することができる。第二圧力チャンバに流体接続する第二弁は、第二圧力チャンバの圧力を大気に制御可能に放出することができる。これにより、圧力源/流量制御装置44が取外し可能なカートリッジ14上の各圧力受入れポートに制御された圧力を供給できるようになる。各弁は、例えば、同時係属中の“圧力比例又は流量制御用アドレス可能弁の配列”なる発明の名称の米国特許出願第09/404,560号に記載のように、個別にアドレス可能かつ制御可能な一連の静電駆動マイクロ弁であってもよい。なお、上記特許出願は参照により本明細書に援用される。あるいは、各弁は制御可能なデューティ・サイクルでパルス変調された一連の静電駆動マイクロ弁であってもよく、制御された“有効”流量又は漏出量を得ることができる。また、必要ならばその他の弁も使用できる。
【0051】
[Para 79] 図示の取外し可能なカートリッジ14は4つの圧力受入れポート34a,34b,34c,34dを含み、各々は圧力源/流量制御装置44から対応する制御された圧力を受け入れる。図示の例において、圧力受入れポート34a,34b,34c,34dは、それぞれ制御された圧力を血液貯蔵容器62、溶解貯蔵容器64、染色剤貯蔵容器66、及びシース貯蔵容器68に導くことができる。血液貯蔵容器62は試料採取器ポート又はランセット32を介して現場で充填され得るが、溶解貯蔵容器64、染色剤貯蔵容器66、及びシース貯蔵容器68は、取外し可能なカートリッジ14が使用のために出荷される前に充填され得る。
【0052】
[Para 80] 図示のように、流量センサを各々の又は選択された流体と直列状に設けることができる。各流量センサ80a,80b,80c,80dは、対応する流体の速度を測定することができる。流量センサ80a,80b,80c,80dは、好ましくは熱流速計型流量センサであり、より好ましくはブリッジ型マイクロ流量センサである。マイクロブリッジ流量センサについては、例えば、米国特許第4,478,076号明細書、同第4,478,077号明細書、同第4,501,144号明細書、同第4,651,564号明細書、同第4,683,159号明細書、及び同第5,050,429号明細書に記載されており、これら全ては参照により本明細書に援用される。各流量センサ80a〜80dからの出力信号を制御装置又はプロセッサ40に提供することができる。制御装置又はプロセッサ40は、図示の通り、制御信号を圧力源/制御装置44に提供することができる。例えば、血液試料に供給される圧力を制御するために、制御装置又はプロセッサ40は、血液試料の速度が第一の所定値以下に降下すると、圧力源/制御装置44における第一圧力チャンバと第二圧力チャンバの間の第一弁を開成して、第一圧力チャンバの圧力を第二圧力チャンバに制御可能に放出することができる。同様に、制御装置又はプロセッサ40は、血液試料の速度が第二の所定値以上に上昇すると、第二圧力チャンバの圧力を放出する第二弁を開成することができる。制御装置又はプロセッサ40は、同様にして、溶解試薬や、染色剤及びシース流体の速度を制御することができる。
【0053】
[Para 81] ある場合には、制御装置又はプロセッサ40は、流路を通過する1以上の流量の変化を検出することができる。流量の変化は、例えば、流路内の1以上の気泡、例えば血液試料の凝集によって引き起こされる流路の閉塞又は要素的な閉塞、流路内の好ましからざる物質又は異物、及び/又は、流路の望ましくないその他の特性に対応するであろう。制御装置又はプロセッサ40は、流量からのかかる特性を検出するようにプログラム化されてもよく、ある場合には、警告を発したり、及び/又は、試料分析器の作動を停止してもよい。
【0054】
[Para 82] 熱流速計型流量センサは、典型的には、電圧を印加すると、流体中に熱パルスを発生させる加熱器要素を含み、更に、1以上の熱パルスを検出するように、加熱器要素の上流及び/又は下流に位置する1以上の熱センサを含む。流路を通る流体の速度は、熱パルスが加熱器要素から間隔を空けた1以上の熱センサへの移動に要する時間に関係するであろう。
【0055】
[Para 83] ある場合には、流体の熱伝導率及び/又は比熱の検出に熱流速計型流量センサを使用することができる。流体の熱伝導率及び/又は比熱の変化は、流体の状態変化(血液試料の凝集)、流体中の気泡、流体中の好ましからざる物質又は異物等の流体特性の変化に対応するであろう。このように、またある例では、制御装置又はプロセッサ40は、熱流速計型流量センサを通りすぎる流体の熱伝導率及び/又は比熱をモニタリングすることによって、流体の特性を検出できると考えられる。
【0056】
[Para 84] ある場合には、流路に流体接続するインピーダンス・センサを設けてもよい。制御装置又はプロセッサ40は、インピーダンス・センサに接続することができる。流体のインピーダンス変化は、流体の状態変化(血液試料の凝集)、流体中の気泡、流体中の好ましからざる物質又は異物等の流体特性の変化を示すであろう。このように、またある場合には、制御装置又はプロセッサ40は、インピーダンス・センサを通りすぎる流体のインピーダンスをモニタリングすることによって、流体の特性を検出できると考えられる。
【0057】
[Para 85] また、全般的に符号111で示される下流弁を設けることができる。制御装置又はプロセッサ40は、必要に応じて下流弁111を開成/閉成することができる。例えば、下流弁111は、システムが十分に加圧されるまで閉成状態を保持することができる。これは、システムが十分に加圧される前に、血液、溶解試薬、球状化(sphering)試薬、シース流体及び希釈剤の流体回路86への流入を防止するのに役立つであろう。また、下流弁111を制御して、0(零)流れ試験等のような所定の試験を実施するのに役立ててもよい。別の例では、例えばカバーが閉じられると、機械的作用により下流弁111を開成してもよい。
【0058】
[Para 86] 図4aは、1回の作業(run)で白血球の4要素鑑別を行うことできる、機器構成430用取外し可能なカード又はカートリッジの各種構成要素の図表又は概略図である。供給源431から試料採取器432に全血液の液滴を供給することができる。血液を急速に溶解させる注入器機構(lysing on the fly injector mechanism)又はブロック434に供給することができる。流量制御機構又はブロック433により、ブロック434への血液の流量を制御することができる。流量制御機構433により制御された流量で、溶解試薬を溶解試薬貯蔵容器435から急速に溶解させる(以下、急速溶解という)注入器434に供給することができる。溶解した血液を急速溶解機構434から流体力学収束チャンバ437に供給することができる。貯蔵容器436からのシース試薬は収束チャンバ437に進み、血球が光チャンネル438に流入する際に、血球の周りにシースを提供することができる。制御ブロック433によりシース試薬の流れを制御することができる。光学及び処理システム439により血球を鑑別することができる。システム439による散乱及び分析は細胞の4要素鑑別を行うことができる。細胞及び関連する流体は、光チャンネルから廃棄物貯蔵容器441に進むことができる。溶解及びシース試薬は、同一又は異なる試薬であってもよい。溶解及びシース試薬の供給源は、それぞれ貯蔵容器435,436であり、カード又はカートリッジ上でも又はこれから離れていてもよい。廃棄物貯蔵容器441は、カード又はカートリッジ上でも又はこれから離れていてもよい。流量制御機構433は、カード上でも又はこれから離れていてもよく、あるいは、カード又はカートリッジ上に要素的に位置してもよい。
【0059】
[Para 87] 図4bは、使い捨て可能に設計できる例示のための取外し可能なカード又はカートリッジ中での、図4aにおける機器構成430の実装の概略図を示す。カートリッジは、全般的に本図面の符号100で示され、図1,2,3を参照して図示され先に説明された取外し可能なカートリッジ14と同じようなものとすることができる。当然のことながら、取外し可能なカートリッジ100は一例にすぎず、形態、機能又は機器構成が何であれ、多くのマイクロ流体カートリッジに本発明を適用することができる。例えば、フロー・サイトメトリ、血液学、臨床化学、血液化学分析、尿検査、血液ガス分析、ウィルス分析、バクテリア分析、電解質測定等に適した取外し可能なカートリッジに本発明を適用することができる。また、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン、1以上のポリマー、ハイブリッド材料等を含むあらゆる好適な材料もしくは材料システム、又は他のあらゆる好適な材料もしくは材料システム、又は材料もしくは材料システムの組合せから、取外し可能なカートリッジ100等の本発明の取外し可能なカートリッジを製作できると考えられる。
【0060】
[Para 88] 測定チャンネルを多かれ少なかれ必要に応じて使用できるが、図示の取外し可能なカートリッジ100は測定チャンネル104を含む。測定チャンネル104は白血球測定チャンネルである。全血液試料は、毛細管作用により、抗凝集剤被覆の血液試料貯蔵毛細管108に既知量の血液を吸引する血液受入れポート106を介して、取外し可能なカートリッジ100により受け入れられる。図3の試料プッシュ(P)圧力36a等の試料プッシュ(P)圧力が、図3の試料プッシュ流体貯蔵容器65等の試料プッシュ流体貯蔵容器に供給される。圧力を加えると、試料プッシュ流体が、試料プッシュ流体貯蔵容器から強制的に血液試料プッシュ・チャンネル110に押し込まれる。
【0061】
[Para 89] 例示のためのある例において、弁112及び流量センサ114を血液試料プッシュ・チャンネル110に合わせて設けることができる。流体回路を通る血液試料をプッシュすることが望ましいとき、弁112を開成するように制御することができる。流量センサ114は、血液試料プッシュ流体の流量を測定し、ひいては抗凝集剤被覆の毛細管108を通る血液試料の流量を測定することができる。流量センサ114により提供される流量を利用して、取外し可能なカートリッジ100に供給される試料プッシュ(P)圧力の制御に役立てることができる。
【0062】
[Para 90] 例示のための例において、全血液試料は、毛細管108を経由して白血球測定チャンネル104に供給される。毛細管108から白血球測定チャンネル104への血液試料の流れを制御する弁120が設けられている。
【0063】
[Para 91] 白血球測定チャンネル104については、図3の溶解圧力(PIN(L))36b等の白血球溶解試薬(L)圧力が、図3の溶解貯蔵容器64等の溶解試薬貯蔵容器に供給される。圧力を加えると、溶解貯蔵容器64内の溶解試薬が強制的に溶解試薬チューブ又はチャンネル154に押し込まれる。チャンネルとは、ある文脈では、チューブ、毛細管、蛇行流路、又は輸送(conveyance)等を意味することがある。しかし、用語“チャンネル”は、本明細書では一般的な意味で用いられるであろう。
【0064】
[Para 92] 例示のためのある例において、弁156及び流量センサ158を溶解試薬チャンネル154に合わせて設けることができる。流体回路に溶解試薬をプッシュすることが望ましいとき、弁156を開成するように制御することができる。流量センサ158は、溶解試薬の流量を測定でき、溶解試薬チャンネル154を通る溶解試薬の流量の測定を行うことができる。流量センサ158により提供される流量を利用して、圧力源/制御装置44により取外し可能な又は使い捨てカートリッジ100に供給される溶解圧力の制御に役立てることができる。
【0065】
[Para 93] 図示の取外し可能なカートリッジ100の通常の機能操作中には、溶解試薬が結合、接続又は交差領域160に溶解試薬のある流量で供給され、血液試料が交差領域160に血液試料のある流量で供給される。血液試料の流量及び溶解試薬の流量は、図3の圧力源/制御装置44等の圧力源/制御装置により制御され得る。
【0066】
[Para 94] 両方の流体が交差領域160を通って流れているとき、溶解試薬が血液試料周囲の円周方向に流れるように、交差領域160を構成することができる。分岐合流点又は結合、接続もしくは交差領域160又は170は、目的をより詳細に説明する用語(例えば、流体力学集束チャンバ)で呼称されることがあるけれど、用語“交差領域”は本明細書では一般的な意味で用いられるであろう。ある場合には、溶解試薬の流量を血液試料の流量より多くすることができ、これは、急速溶解(lysing-on-the-fly)チャンネル162(蛇行経路をとることもある)中の流れ特性の向上に役立ち、ある場合には、溶解試薬により完全かつ均一に取り囲まれる薄いリボン状の血液の形成に役立つであろう。かかるリボン状の流れは、赤血球が急速溶解チャンネル162を通って移動する際に、溶解試薬が赤血球を均一に溶解させるのに役立つであろう。更に、血液試料が適当な時間溶解試薬に曝されるように、溶解試薬及び血液試料の流速と連携して、急速溶解チャンネル162の長さを設定することができる。
【0067】
[Para 95] 図3のシース流体貯蔵容器68等のシース流体貯蔵容器に、図3のシース(SH)圧力36d等のシース流体(SH)圧力を供給することができる。圧力を加えると、シース流体が強制的にシース流体貯蔵容器68からシース・チャンネル164に押し込まれる。例示のためのある例において、弁166及び流量センサ168をシース・チャンネル164に合わせて設けることができる。シース流体を流体回路にプッシュすることが望ましいとき、弁166を開成するように制御することができる。流量センサ168は、シース流体の流量を測定でき、シース・チャンネル164を通るシース流量の測定を行うことができる。流量センサ168により提供される流量を利用して、取外し可能なカートリッジ100に供給されるシース圧力(SH)の制御に役立てることができる。
【0068】
[Para 96] 例示のための例において、シース流体は交差領域170にシース流体のある流量で供給され、溶解した血液試料が交差領域170に溶解した血液試料のある流量で供給される。この領域170は、例えば、シースを形成する、流体力学的に集束する、又は他の目的の達成する等の領域と呼称することがあるけれど、本明細書では全般的に“交差領域”を引用するであろう。溶解した血液試料の流量及びシース流量は、図3の圧力源/制御装置44等の圧力源/制御装置により制御され得る。
【0069】
[Para 97] 両方の流体が交差領域170を通って流れているとき、シース流体が溶解した血液試料周囲の円周方向に流れるように、交差領域170を構成することができる。ある場合には、シースの流速が溶解した血液試料の流速より著しく速く、これは、下流のフロー・サイトメトリ・光チャンネル172内でのコア形成の向上に役立つであろう。例えば、フロー・サイトメトリの使用目的によっては、溶解した血液試料中の白血球を一列のコアに流体力学的に集束及び配列させるように、交差領域170を構成して、白血球が取外し可能なカートリッジ100における光学窓領域174を通過する際に、分析器が各白血球を個別に光学的に問い質すことができる。ある場合には、血球計算チャンネル172を通過する流体は、配管又はチャンネル186を経由して図3の機器内に設けられた廃棄物貯蔵容器52に供給される。
【0070】
[Para 98] 図5は、取外し可能なカートリッジに含めることができる例示のための多数の貯蔵容器の概略図である。例示のための例において、図4の取外し可能なカートリッジ100等の取外し可能なカートリッジは、例えば、溶解試薬貯蔵容器64、プッシャ流体貯蔵容器65、染色剤貯蔵容器66、シース流体貯蔵容器68、及び廃棄物貯蔵容器52を含むことができる。これらは一例にすぎず、より多くの、より少ない又は異なる貯蔵容器を取外し可能なカートリッジ上に又はその中に設け得ると考えられる。
【0071】
[Para 99] 各貯蔵容器は、標準サイズとして、取外し可能なカートリッジの望ましい操作を支援する適当量の流体及び/又は試薬を含むことができる。同様に、またある例では、染色剤貯蔵容器66等の貯蔵容器は、白血球の鑑別を支援する白血球チャンネルに、染色剤を添加することが望ましいであろう。貯蔵容器に貯蔵される試薬及び/又は流体は、用途に応じて、最初液状又は凍結乾燥された形態であってもよいと考えられる。
【0072】
[Para 100] 図6は、取外し可能なカートリッジを用いて、血液試料を分析する説明方法を示す概略フロー図である。説明方法において、ステップ200でまず血液試料を入手する。次に、取外し可能なカートリッジにおける抗凝集剤被覆の毛細管202に血液試料を供給することができる。次いで、血液試料を白血球(WBC)測定チャンネル206に供給することができる。
【0073】
[Para 101] 図示のWBC測定チャンネル206において、全血液230の赤血球を符号232で示すようにまず溶解し、符号233で示すように染色又はマーク付けをし、次いで、流体力学的に集束して、取外し可能なカートリッジにおけるWBC血球計算チャンネル234に一列で供給することができる。細胞がWBC血球計算チャンネル234の分析領域を通りすぎる際に、垂直空洞面発光レーザー(vertical cavity surface emitting laser;VCSEL)等の光源236により、個々の細胞に光を当てることができる。ある場合には、一連のVCSEL素子を設けることができ、WBC血球計算チャンネル234の分析領域を通りすぎる際に、個々の細胞と一直線上に並ぶVCSELのみが作動する。VCSELにより供給される入射光の一部が散乱され、検出器238が散乱光を検出する。他の種類の光源を使用してもよい。ある場合には、検出器238は、前角散乱光(FALS)、小角散乱(SALS)、及び大角散乱光(LALS)を検出してもよい。検出器239は複数の細胞の一部から蛍光発光を検出することができる。ある場合には、また符号240で示すように、例えば、軸上の細胞容積、全WBC数、WBCの5要素鑑別等の分析時に、多数のパラメータを測定してもよい。
【0074】
[Para 102] 図7は、血液試料を分析する別の説明方法を示す概略フロー図である。この説明方法において、血液試料を入手して、ステップ300で示すように血液試料貯蔵容器に供給することができる。次に、取外し可能なカートリッジにおける抗凝集剤被覆の毛細管302に血液試料を供給して、希釈することができる。血液試料を白血球(WBC)測定チャンネル340に供給することができる。
【0075】
[Para 103] 図示のWBC測定チャンネル340において、符号342で示すように、赤血球を溶解し、必要に応じて染料を注入することができる。次いで、細胞を流体力学的に集束し、取外し可能なカートリッジにおけるWBC血球計算チャンネル344に一列で供給することができる。細胞がWBC血球計算チャンネル344の分析領域を通りすぎる際に、面発光レーザー(VCSEL)等の光源346により、個々の細胞に光を当てることができる。ある場合には、一連のVCSEL素子を設けることができ、WBC血球計算チャンネル344の分析領域を通りすぎる際に、個々の細胞と一直線上に並ぶVCSELのみが作動する。
【0076】
[Para 104] 個々の細胞/粒子が集束された入射光線を通過する際に、光の一部は、遮断、散乱され、さもなければ妨害され、これらを検出器(図示せず)により検出することができる。2以上の光源がWBC血球計算チャンネル344に沿って異なる間隔のスポットに焦点を合わせると、各細胞の前縁及び/又は後縁を検出することができる。焦点を合わせた1つのスポットから次のスポットまでの距離を細胞が横断するに要する時間を測定することにより、流量を、ひいては細胞の速度を測定することができる。測定される細胞の速度と共に、符号348で示すような細胞のサイズ及び/又は細胞容積と、細胞が光線を遮断、散乱するかさもなければ妨害する時間の長さを相互に関連付けることができる。
【0077】
[Para 105] ある場合には、光源350と関連する光学素子及び/又は偏光子とを設けてもよい。光源346,350を合体して、全ての測定を同時にかつ同じ細胞について行える1つの光源(所望の測定では1つの光線にさえも)としてもよい。光源350の関連する光学素子は、光を平行とし、符号354で示すように、SALS、FALS、LALS散乱等の軸外散乱を測定することができる。上記と同様に、SALS、FALS、及びLALS散乱を利用して、例えば計測される白血球の数(NWBC)352の測定だけでなく、符号356で示すように、白血球の鑑別に役立てることができる。ある場合には、光源から供給される光を偏光させる1以上の偏光子を設け、検出器で検出される偏光の減衰及び/又は回転レベルを利用して、白血球の鑑別を実施するのに役立てることができるが、これは必ずしも全ての例で必要ではない。また、符号355で示すように、複数の細胞(例えば、染色、マーク付け又はタグ付けされた)の一部から蛍光発光を検出することができる。
【0078】
[Para 106] 図8は白血球5要素鑑別の測定図面500の概要である。まず最初に、散乱により3要素鑑別501を行うことができる。例えば3要素アプローチと共に、散乱により第四要素鑑別502を行うこともできる。そこで散乱による第四要素に対する回答が“YES”であれば、その時は第五要素ブロック503に進むことができる。ブロック503から、他の4要素に対する散乱測定と並行して、第五要素の測定が行われる矢線504に向う測定を行うことができる。第五要素の並行アプローチには、選択的染色、蛍光を伴うCD45、及び散乱を挙げることができる。代わりに、ブロック503からの測定は、他の4要素の散乱測定に続いて、第五要素の測定が行われる矢線505の方向に向かうことができる。かかる第五要素の測定には、選択的溶解又は蛍光を挙げることができる。
【0079】
[Para 107] 第四要素が例えば3要素散乱と同様に散乱により行われるかどうか、とのブロック502の質問に対する回答が“NO”であれば、その時は、第四要素及び第五要素の鑑別がやがて行われることを示すブロック506への矢線に従うことができる。矢線507の方向に、3要素の散乱測定と並行して、第四要素及び第五要素に対する鑑別では、ニュートラル・レッド等の選択的染色を行う、及び/又は、適当な染色剤の使用を伴うことがある蛍光を生じさせることができる。他方、他の3要素の散乱測定に対して連続した方法で、矢線508の方向に第四要素及び第五要素の鑑別を行うことができる。連続した鑑別では、選択的溶解及び/又は蛍光を行うことができる。
【0080】
[Para 108] 図9aは、図4aの機器構成430と同様の機器構成440における取外し可能なカード又はカートリッジの変形を示す。機器構成440は、光チャンネル438を流れる細胞の4要素鑑別を行うことができる。これは採取器432からの試料の選択的溶解を含む。この選択的溶解を行うために、選択的溶解試薬を急速溶解注入器434に供給できる選択的溶解試薬貯蔵容器442がある。流量制御機構433により、貯蔵容器442からの選択的溶解試薬の流量を制御することができる。血液の1つの試料について2連続作業を行うことができる。溶解を行う第一の作業により3要素鑑別をもたらすことができる。同じ試料について選択的溶解を行う第二の作業は、光チャンネル438を通って移動する血球の第四要素鑑別を行うことができる。
【0081】
[Para 109] 図9bは、それぞれ図9a及び図4aにおける機器構成440,430の実装に関連して、図4bと同様である。図9bにおける実装の更なる特徴に気付くであろう。即ち、選択的溶解試薬414をチャンネル451に供給することができ、チャンネル451が第一溶解試薬の交差領域160への輸送に用いられるチャンネル154に接続している。選択的溶解試薬414が領域160に流れるとき、チャンネル451上の弁413を制御することができる。流量センサ412は、選択的溶解試薬の流れをモニターして、流れを示す信号を流量制御機構に送ることができる。
【0082】
[Para 110] 図9cは、流量センサ412が存在せず、選択的溶解試薬414を輸送するチャンネル451が、流量センサ158の上流の溶解試薬チャンバ・チューブ154に接続している以外には、図9bと同様である。流量センサ158は、溶解作業と、異なる又は間隔を空けた時間に行われるであろう選択的溶解作業とに利用することができる。
【0083】
[Para 111] 図10aは、1つの試料について3連続作業で白血球の5要素鑑別を行うことができる、機器構成450の図表又は概略図である。溶解試薬貯蔵容器435から溶解を行う第一の作業では、光チャンネル438において血球の3要素鑑別をもたらすことができる。試薬貯蔵容器442から第一選択的溶解を行う第二の作業では、チャンネル438において血球の第四要素鑑別をもたらすことができる。別の選択的試薬貯蔵容器443から第二選択的溶解を行う第三の作業では、チャンネル438において血球の第五要素鑑別をもたらすことができる。
【0084】
[Para 112] 図10bは、それぞれ図10a及び図9aにおける機器構成450,440の実装に関連して、図9bと同様である。図10bにおける更なる特徴は、チャンネル154を介して溶解試薬を交差領域160に輸送する、チャンネル452に供給される第二選択的溶解試薬406にある。第二選択的溶解試薬406が領域160に流れるとき、チャンネル452上の弁407を制御することができる。流量センサ411は、チャンネル452を通る第二選択的溶解試薬の流れをモニターして、流れを示す信号を流量制御機構に送ることができる。
【0085】
[Para 113] 図10cは、流量センサ412,411が存在せず、第一選択的溶解試薬414及び第二選択的溶解試薬406をそれぞれ輸送するチューブ又はチャンネル451,452が、流量センサ158から下流の溶解試薬チャンネル154に接続している以外には、図10bと同様である。流量センサ158は、異なる時間に行われることがある溶解作業、第一選択的溶解作業、及び第二選択的溶解作業に利用することができる。
【0086】
[Para 114] 図11aは、試料について1回の作業で血球の4要素鑑別を行うことができる、機器構成460の図表又は概略図である。急速溶解注入器434に供給され得る溶解試薬と混合する、染色/蛍光剤を収容する貯蔵容器444を設けてもよい。貯蔵容器444に上述の混合物があり、かつ貯蔵容器435が存在しない点を除くと、機器構成460は図4aの機器構成430と同様である。3要素散乱と第四要素染色/蛍光測定とを並行して行うことができる。
【0087】
[Para 115] 図11bは図11aの機器構成460の実装を示す。図11bは、溶解試薬に代えて、チャンネル154に溶解試薬及び染色剤を投入した混合物がある以外には、図4bと同様である。
【0088】
[Para 116] 図12aは、1つの試料について2連続作業で白血球の5要素鑑別を行うことができる、機器構成470の図表又は概略図である。図11aに存在する溶解試薬と染色剤の混合物貯蔵容器444を保有することができる。選択的溶解試薬貯蔵容器442が追加されている(図9aと同じように)。両方の貯蔵容器442,444は、同じ作業では必ずしも必要でないが、各々のチューブ又はチャンネルを経由して急速溶解注入器434に供給され得る、選択的溶解試薬、及び溶解試薬と染色剤の混合物を用意することができる。染色剤と溶解試薬の混合を行う第一の作業では、光チャンネル438における血球の散乱検出による3要素鑑別に加えて、蛍光/散乱検出による第四要素鑑別を行うことができる。試薬の選択的溶解を行う第二の作業では、細胞の第五要素鑑別を行うことができる。
【0089】
[Para 117] 図12bは図12aの機器構成470の実装を示す。図12bは、弁156を介してチャンネル154に供給される溶解試薬と染色剤の混合物401がある点で、図11bと同様であろう。また、混合物401の流れをモニターして、流量制御機構に信号を送る流量センサ158を備えていてもよい。また、図9bと同様の弁413を介してチャンネル451に供給される選択的溶解試薬414が存在しもよい。試薬414は、流量センサ412を通り、チャンネル451を経由してチャンネル154に進むことができる。センサ412は、試薬414の流れをモニターして流量制御機構に信号を送ることができる。
【0090】
[Para 118] 図12cは、選択的溶解試薬414をモニターする流量センサ412が取り外されている以外には、図12bにおける実装と同様であろう。また、試薬を輸送するチャンネル451が、溶解試薬と染色剤の混合物401用流量センサ158から上流のチャンネル154に連結している。試薬401,414を異なる時間に別の作業として存在させることができるので、溶解試薬401と混合する染色剤及び選択的溶解試薬414の双方が同じ流量センサを利用することができる。
【0091】
[Para 119] 図13aは、光チャンネル438において細胞の4要素鑑別を行うことができる、機器構成480の図表又は概略図である。この機器構成480は、急速溶解注入器434に出力する染色剤貯蔵容器445を機器構成480が更に備えている以外には、図4aの機器構成430と同様であろう。また、貯蔵容器445は、注入器機構434への染色剤の流れを制御する流量制御機構433に接続している。機器構成480は、光チャンネル438において血球を3要素鑑別するために、貯蔵容器435からの溶解試薬による第一の作業を行うことができる。貯蔵容器445からの染色剤による血球の染色と光チャンネル438における細胞の蛍光/散乱の観測とを利用する第二の作業は、細胞の第四要素鑑別を行うことができる。
【0092】
[Para 120] 図13bは図13aの機器構成480の実装を示す。構造的展望から、カード100のレイアウトは、選択的溶解試薬414に代えて染色剤417がチャンネル453を経由してチャンネル154に流入する以外には、図9bと同様のように見える。染色剤417は、弁416及び流量センサ415を介してチャンネル453に流入し、チューブ154及び交差領域160に向かうことができる。
【0093】
[Para 121] 図13cは、染色剤の流れをモニターする流量センサ415が存在せず、染色剤417を輸送するチャンネル453が流量センサ158の上流のチャンネル154に接続している以外には、図13bと同様であろう。溶解試薬及び剤417を異なる時間に別の2回の作業で使用できるので、溶解試薬及び染色剤は同じ流量センサ158を利用することができる。
【0094】
[Para 122] 図14aは、光チャンネル438において血球の4要素鑑別を行うことができる、機器構成490の図表又は概略図である。機器構成490は、染色剤貯蔵容器445の出力部が急速溶解注入器434の入力部に接続しておらず、むしろ、注入器機構434の出力部と流体力学集束チャンバ437の入力部の間のチャンネルに接続している以外には、機器構成480と同様であろう。
【0095】
[Para 123] 図14bは図14aの機器構成490の実装を示す。図14bにおける実装は、交差領域170から少しだけ上流の位置でチャンネル454がチャンネル162に接続している以外には、図4bにおける実装と同様であろう。このチャンネル454は、染色剤貯蔵容器に接続し、弁403及び流量センサ402を介して染色剤404をチャンネル162に輸送することができる。センサ402は、剤404の流量に関する信号を流量制御機構に送ることができる。
【0096】
[Para 124] 図15a及び図15bは、本明細書で説明したものと同様の機器構成を利用して、血球の4要素鑑別のデータ及びプロットを示している。
【0097】
[Para 125] 図4a,4b,9a,9b,9c,10a,10b,10c,11a,11b,12a,12b,12c,13a,13b,13c,14a,及び14bの機器構成は、血球の複数要素の鑑別に用いられる各種アプローチの代表的なものであることが、留意されるであろう。本明細書に開示された機器構成の様々な置換を組み入れた他の機器構成や、他の配置を血球の複数要素の鑑別に用いることができる。
【0098】
[Para 126] 本明細書では、一部の事柄がたとえ別の態様又は時制(manner or tense)で述べられていても、これは仮説上又は予言的性質の場合がある。[Para 127]少なくとも1つの例示のための例について本発明を説明したが、当業者ならば本明細書を読むと数多くの変更や修正が明らかになるであろう。従って、かかる変更及び修正の全てを包含する先行技術を考慮に入れて、添付の特許請求の範囲をできるだけ広く解釈することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】例示のための試料分析器及びカートリッジの斜視図。
【図2】図1の例示のための試料分析器及びカートリッジの概略図。
【図3】図2の試料分析器及びカートリッジの流量制御を示すより詳細な概略図。
【図4a】様々な分析回路を有する例示のためのカートリッジの図表。
【図4b】図4aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図5】カートリッジに含めることができる例示のための多くの貯蔵容器の概略図。
【図6】血液試料を分析する例示のための方法を示す概略フロー図。
【図7】血液試料を分析する別の例示のための方法を示す概略フロー図。
【図8】複数要素の測定手法のための各種構成要素の概略図。
【図9a】様々な分析回路を有する例示のためのカートリッジの図表。
【図9b】図9aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図9c】図9aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図10a】様々な分析回路を有する別の例示のためのカートリッジの図表。
【図10b】図10aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図10c】図10aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図11a】様々な分析回路を有する別の例示のためのカートリッジの図表。
【図11b】図11aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図12a】様々な分析回路を有する別の例示のためのカートリッジの図表。
【図12b】図12aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図12c】図12aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図13a】様々な分析回路を有する別の例示のためのカートリッジの図表。
【図13b】図13aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図13c】図13aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図14a】様々な分析回路を有する別の例示のためのカートリッジの図表。
【図14b】図14aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図15a】図15aは、血球の4要素鑑別のデータ及びプロットである。
【図15b】図15bは、血球の4要素鑑別のデータ及びプロットである。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本特許出願は、2004年5月14日に出願された仮特許出願第60/571,235号の利益を主張する、2005年5月12日に出願された米国特許出願第10/908,460号の一部継続出願である。また、本特許出願は、2005年4月25日出願の米国特許出願第10/908,014号の一部継続出願であり、この一部継続出願は2002年11月26日出願の米国特許出願第10/304,773号の一部継続出願であり、更に、後者の一部継続出願は、2000年8月2日出願の米国特許出願第09/630,924号の一部継続出願であって、現在、米国特許第6,597,438号として特許付与されている。
【0002】
また、本特許出願は、2005年4月25日出願の上記米国特許出願第10/908,014号の一部継続出願であり、この一部継続出願は2004年11月3日出願の米国特許出願第10/980,685号の一部継続出願であり、後者の一部継続出願は、2002年6月19日出願の米国特許出願第10/174,851号の分割出願であって、現在、米国特許第6,837,476号として特許付与されている。また、本特許出願は、2005年4月25日出願の上記米国特許出願第10/908,014号の一部継続出願であり、この一部継続出願は、2003年1月10日出願の米国特許出願第10/340,231号の一部継続出願であって、現在、米国特許第6,889,567号として特許付与されており、後者の一部継続出願は、2000年6月2日出願の米国特許出願第09/586,093号の分割出願であって、現在、米国特許第6,568,286号として特許付与されている。
【0003】
また、本特許出願は、2004年9月27日出願の米国特許出願第10/950,898号の一部継続出願である。また、本特許出願は、2004年9月9日出願の米国特許出願第10/938,265号の一部継続出願であり、この一部継続出願は2002年11月26日出願の前記米国特許出願第10/304,773号の一部継続出願である。
【0004】
[Para 7] また、本特許出願は、2004年9月9日出願の上記米国特許出願第10/938,265号の一部継続出願であり、この一部継続出願は、2002年8月21日出願の米国特許出願第10/225,325号の一部継続出願であって、現在、米国特許第6,970,245号として特許付与されている。 [Para 8] また、本特許出願は、2005年4月11日出願の米国特許出願第10/932,662号の一部継続出願である。
【0005】
[Para 9] また、本特許出願は、2004年7月27日出願の米国特許出願第10/899,607号の一部継続出願である。 [Para 10] また、本特許出願は、2004年9月9日出願の上記米国特許出願第10/938,245号の一部継続出願である。この一部継続出願は2004年4月14日出願の米国特許出願第10/824,859号の継続出願であり、この継続出願は、上述のように、2002年8月21日出願の上記米国特許出願第10/225,325号の一部継続出願であって、現在、米国特許第6,970,245号として特許付与されている。後者の一部継続出願は、2000年8月2日出願の米国特許出願第09/630,927号の一部継続出願であって、現在、米国特許第6,549,275号として特許付与されている。
【0006】
[Para 11] また、本特許出願は、2004年1月16日出願の米国特許出願第10/759,875号の一部継続出願であり、この一部継続出願は、2001年6月29日出願の米国特許出願第09/896,230号の一部継続出願であって、現在、米国特許第6,700,130号として特許付与されている。 [Para 12] また、本特許出願は、2004年1月16日出願の上記米国特許出願第10/759,875号の一部継続出願であり、この一部継続出願は2002年11月26日出願の前記米国特許出願第10/304,773号の一部継続出願である。
【0007】
[Para 13] また、本特許出願は、2002年11月26日出願の前記米国特許出願第10/304,773号の一部継続出願であり、この一部継続出願は、2000年8月2日出願の米国特許出願第09/630,924号の一部継続出願であって、現在、米国特許第6,597,438号として特許付与されている。 [Para 14] また、本特許出願は、2005年4月25日出願の前記米国特許出願第10/908,014号の一部継続出願であり、この一部継続出願は2004年9月28日出願の米国特許出願第10/953,197号の一部継続出願である。
【0008】
[Para 15] また、本特許出願は、2004年12月30日出願の米国特許出願第11/027,134号の一部継続出願であり、この一部継続出願は2002年11月26日出願の前記米国特許出願第10/304,773号の一部継続出願であり、上述のように、後者の一部継続出願は、2000年8月2日出願の米国特許出願第09/630,924号の一部継続出願であって、現在、米国特許第6,597,438号として特許付与されている。 [Para 16] また、本特許出願は、2005年12月27日出願の米国特許出願第11/306,402号の一部継続出願である。
【0009】
[Para 17] 2004年5月14日出願の前記仮特許出願第60/571,235号は、参照することにより本明細書に援用される。2000年6月2日の出願であって、米国特許第6,568,286号として現在特許付与されている米国特許出願第09/586,093号は、参照することにより本明細書に援用される。2000年8月2日の出願であって、米国特許第6,597,438号として現在特許付与されている米国特許出願第09/630,924号は、参照することにより本明細書に援用される。
【0010】
2000年8月2日の出願であって、米国特許第6,549,275号として現在特許付与されている米国特許出願第09/630,927号は、参照することにより本明細書に援用される。2001年6月29日の出願であって、米国特許第6,700,130号として現在特許付与されている米国特許出願第09/896,230号は、参照することにより本明細書に援用される。2002年6月19日の出願であって、米国特許第6,837,476号として現在特許付与されている米国特許出願第10/174,851号は、参照することにより本明細書に援用される。
【0011】
2002年8月21日の出願であって、米国特許第6,970,245号として現在特許付与されている米国特許出願第10/225,325号は、参照することにより本明細書に援用される。2002年11月26日出願の米国特許出願第10/304,773号は、参照することにより本明細書に援用される。2003年1月10日の出願であって、米国特許第6,889,567号として現在特許付与されている米国特許出願第10/340,231号は、参照することにより本明細書に援用される。
【0012】
2004年1月16日出願の米国特許出願第10/759,875号は、参照することにより本明細書に援用される。2004年4月14日出願の米国特許出願第10/824,859号は、参照することにより本明細書に援用される。2004年7月27日出願の米国特許出願第10/899,607号は、参照することにより本明細書に援用される。
【0013】
2005年4月25日出願の米国特許出願第10/908,014号は、参照することにより本明細書に援用される。2005年5月12日出願の米国特許出願第10/908,460号は、参照することにより本明細書に援用される。2005年4月11日出願の米国特許出願第10/932,662号は、参照することにより本明細書に援用される。
【0014】
2004年9月9日出願の米国特許出願第10/938,245号は、参照することにより本明細書に援用される。2004年9月9日出願の米国特許出願第10/938,265号は、参照することにより本明細書に援用される。2004年9月27日出願の米国特許出願第10/950,898号は、参照することにより本明細書に援用される。
【0015】
2004年9月28日出願の米国特許出願第10/953,197号は、参照することにより本明細書に援用される。2004年11月3日出願の米国特許出願第10/980,685号は、参照することにより本明細書に援用される。2004年12月30日出願の米国特許出願第11/027,134号は、参照することにより本明細書に援用される。2005年12月27日出願の米国特許出願第11/306,402号は、参照することにより本明細書に援用される。
【技術分野】
【0016】
[Para 18] 本発明は、概ね血球計算に、特に携帯用血球計算に関する。より詳細には、本発明は血液分析に関する。
【背景技術】
【0017】
[Para 19] 本発明は、“メソバルブ(mesovalve) 変調器”の発明の名称でカブス(Cabuz) らにより2005年1月28日に出願され、参照により本明細書に援用される米国特許出願第10/905,995号に関連する。また、本発明は、“メディア分離静電駆動弁(Media Isolated Electrostatically Actuated Valve)”の発明の名称でカブスらにより2004年12月21日に出願され、参照により本明細書に援用される米国特許出願第11/018,799号に関連する。これらの特許出願は、本発明を所有する同一事業体により所有されている。
【0018】
[Para 20] 本発明は、また、2002年5月7日にカブスらに交付され発明の名称が“フロー・サイトメトリー用流体駆動システム”の米国特許第6,382,228号;2004年5月4日にカブスらに交付され発明の名称が“弾性的復元力を有する静電駆動ポンプ”の米国特許第6,729,856号;2001年7月3日にカブスらに交付され発明の名称が“微視的力及び微小変位を有するポリマー・マイクロアクチュエータ・アレイ(Polymer Microactuator Array with Microscopic Force and Displacement)”の米国特許第6,255,758号;2001年6月5日にオーンスタイン(Ohnstein)らに交付され発明の名称が“圧力比例又は流量制御用アドレス可能弁の配列(Addressable Valve Arrays for Proportional Pressure or Flow Control)”の米国特許第6,240,944号;2001年1月30日にハーブ(Herb)らに交付され発明の名称が“二重ダイアフラム、単一チャンバ・メソポンプ”の米国特許第6,179,586号;及び、1998年11月17日にカブスに交付され発明の名称が“複数の基本セルを有する静電駆動メソポンプ”の米国特許第5,836,750号に関連し、これらは全て参照により本明細書に援用される。これらの特許は、本発明を所有する同一事業体により所有されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
[Para 21] 本発明は、白血球の複数要素鑑別(multipart differentiation)を遂行する流体分析カードを含む。[Para 48] 本発明は、概ね試料分析器に関し、より詳細には、診療所、家庭、又は他のどこかの現場等で、患者のケアに際して使用される取外し可能な又は使い捨てのカートリッジ(cartridge)を備えた試料分析器に関する。必要とされる試薬又は流体の全てを備えた取外し可能な又は使い捨てのカートリッジを用意することによって、殆ど又は全く専門的な訓練を受けることなく、実験室環境の外部で試料分析器を確実に使用することができる。これは、例えば、試料分析法の能率化に役立ち、医療又は他の要員のコストや負担を軽減し、比較的頻繁に血液モニタリング/分析を必要とする者など、多くの患者に試料分析の利便性を向上させ得る。
【0020】
[Para 49] 粒子−懸濁液試料中で素早く効率的な粒子の識別を可能にする方法が、フロー・サイトメトリ(flow cytometry:流れ血球計算)である。この方法では、試料中の個々の粒子に1以上の集束光線が当てられる流路を通って、粒子の懸濁液、典型的には血液試料中の細胞が輸送される。光線と流路を通って流れる個々の粒子との相互作用が、1以上の光検出器により検出される。通常、検出器は、特定の光線又は発光波長で光吸収又は蛍光発光を、又は特定の散乱角度で光散乱を測定するように設計される。
【0021】
このようにして、吸収、蛍光、光散乱、又は他の光学的もしくは電気的特性に関連する1以上の特徴について、流路を通過する各粒子を特徴付けることができる。検出器により測定される特性によって、中心線が光強度又は検出器により測定される他の特性を表す特徴空間に、各粒子がマッピングされることを可能にする。理想的には、試料中の異なる粒子を特徴空間の異なった非重複要素にマッピングさせ、特徴空間におけるそのマッピングに基づいて各粒子の分析を可能にする。このような分析としては、粒子の計数、同定、定量化(1以上の物理特性について)又は仕分け等を挙げることができる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
[Para 50] 例示のための一例において、採取された全血液試料等の採取された試料を受け入れる、取外し可能なカートリッジを備えた試料分析器を設けることができ、取外し可能なカートリッジを取り付けて分析器を作動させると、分析器及びカートリッジは試料を自動的に処理し、分析器はユーザに十分な情報を提供して臨床決定を行う。ある例では、分析器は、ユーザが更なる計算又は解釈を必要としないように、定量的結果(例えば、予め定められた範囲内及び/又は範囲外で)を表示又は印刷する。
【0023】
[Para 51] 例えば血液試料中の白血球の数及び/又はタイプを測定するために、試料分析器を用いることができる。例示のための一例において、分析器はハウジング及び取外し可能な流体カートリッジを含み、ハウジングは取外し可能な流体カートリッジを収容するように構成される。ある場合には、取外し可能な流体カートリッジは使い捨てカートリッジである。例示のための一例において、取外し可能な流体カートリッジは、1以上の試薬(例えば、溶解試薬、染色剤、希釈剤等)、1以上の分析チャンネル、1以上の流量センサ、1以上の弁、又は試料を処理して(例えば、溶解、染色、混合する等)、処理された試料をカートリッジ上の適当な分析チャンネルに送達するように構成された流体回路を含むことができる。カードを支援するために、ハウジングは、例えば、圧力源、1以上の光源、1以上の光検出器、プロセッサ、及び電源を含むことができる。圧力源は、取外し可能な流体カートリッジのポートに適切な圧力を供給して、必要に応じて流体回路を通る流体を駆動することができる。分析器の1以上の光源は、取外し可能なカートリッジの少なくとも選択された分析チャンネルで調製された試料を問い質すために使用することができる。
【0024】
分析器の1以上の光検出器は、透過し、試料により吸収又は散乱される光を検出することができる。プロセッサは、光源及び検出器の少なくとも一部に接続して、試料の1以上のパラメータを決定することができる。ある例では、取外し可能な流体カートリッジ上の1以上の分析チャンネルは、1以上のフロー・サイトメトリ・チャンネルを含むことができる。[Para 52] 例示のためのある例において、全血液試料を取外し可能な流体カートリッジに用意することができ、取外し可能なカートリッジは血液分析を実施するように構成することができる。
【0025】
[Para 53] 白血球を計数し分類するために、全血液試料の少なくとも一部を取外し可能なカートリッジの白血球測定チャンネルに供給することができる。白血球測定チャンネルに供給された血液試料は例えば必要に応じて希釈されてもよく、また、赤血球を急いで溶解してもよく、得られる試料をコア形成のために流体力学的に集束して、最終的に第二血球計算チャンネルに供給してもよい。また、対応する光源及び検出器により流体流中の細胞を光学的に問い質すことができるように、血球計算チャンネルを取外し可能なカートリッジの透明な流体流窓に沿って又はその下に位置させることができる。ある場合には、流量センサを取外し可能なカートリッジ上に設けて、第二血球計算チャンネルを通る流量(flow rate)の測定を行うことができる。
【0026】
[Para 54] ある場合には、白血球測定チャンネルで測定されるパラメータの例として、例えば、2要素(tow part)、3要素、4要素又は5要素白血球の鑑別(differentiation)、全白血球の数、又は軸上の白血球の容積(on-axis white blood cell volume)を挙げることができる。白血球の鑑別については、白血球の第一、第二、第三、第四及び第五要素、そのタイプ又は種類は、それぞれ、リンパ球、単球、好中球、好酸球、及び好塩基球を引き合いに出すことができる。白血球は、また、一部が、リンパ球、単球、及び顆粒球(LMG)の3グループに分類されてもよい。顆粒球としては、好中球、好酸球、及び好塩基球を挙げることができる。
【0027】
[Para 55] また、望ましい用途に応じて、5つの他のパラメータを測定又は計算することができる。ある場合には、細胞の鑑別にある場合に役立つ血球計算チャンネルに試料を供給する前に、染色及び/又は蛍光タグを試料に付加してもよい。
【0028】
[Para 56] フロー・サイトメトリにおいて幾つかの一般的なタイプの光散乱測定を行うことができる。通常前方散乱又は小角散乱と称される、小さな角度(入射光線に対して約1〜25°)でなされる光強度の測定は、細胞の大きさに関する情報を提供する。また、膜が損傷した細胞を例えば区別できるため、前方散乱は細胞と細胞外培地との屈折率の差に強く依存する。通常直角又は大角散乱と称される、入射光から約65°〜115°の角度でなされる光強度の測定は、粒子構造の大きさ及び度合いに関する情報を提供することができる。
【0029】
[Para 57] 異なる角度での又は吸収もしくは蛍光測定と組み合わせた同時光散乱測定を、フロー・サイトメトリ法で用いることができる。例えば、光散乱と組み合わせた光の吸収をフロー・サイトメトリで用いて、様々な種類の白血球を区別することができる。この方法は時々細胞の染色を利用する。
【0030】
[Para 58] 典型的には、かかる粒子の弁別法は、本明細書でまとめて試料分析器と呼ぶ1以上の機器を用いて、少なくとも部分的に実施される。多くの試料分析器は、訓練された要員が実験室環境で用いるかなり大きなデバイスである。多くの試料分析器を用いるには、調製した試料を試料分析器に供する前に、試料を望ましい濃度に希釈、適当な試薬の添加、望ましい分離を行う試料の遠心分離などにより、採取した試料を最初に処理しなければならない。正確な結果を得るために、かかる試料の処理は典型的には訓練された要員により行われなければならず、試料分析の実施に要するコスト及び時間を増大させる可能性がある。
【0031】
[Para 59] 多くの試料分析器は、また、例えば更なる情報の入力又は試料の更なる処理を要する分析時に、オペレータの介入を必要とする。これは、望ましい試料分析の実施に要するコスト及び時間を更に増大させる可能性がある。また、多くの試料分析器は単に出力として粗い分析データを提供するだけで、適切な臨床決定を行うためには、更なる計算及び/又は介入がしばしば訓練された要員により行われなければならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
[Para 60] 図1は例示のための試料分析器とカートリッジの斜視図である。例示のための試料分析器は、全般的に符号10で示され、ハウジング12と取外し可能な又は使い捨てのカートリッジ14とを含む。図示のハウジング12は、ベース16、カバー18、及びベース16をカバー18に取り付けるヒンジ20を含むが、ヒンジは必ずしも必要でない。図示の例では、ベース16は、関連する光学素子、及び試料分析器の作動に必要な電子機器と共に、第一光源22a、第二光源22b、及び第三光源22cを含む。光源の各々は、用途に応じて、単一の光源でも又は複数の光源であってもよい。ある場合には、ハウジング全体の寸法は、1立方フィート(ft3)(2.832×104cm3)以下、1/2立方フィート以下、1/4立方フィート以下又は必要に応じてこれ以下であってもよい。同様に、ハウジング全体の重量は、10ポンド(lb)(4.536×103g)以下、5ポンド以下、1ポンド以下又は必要に応じてこれ以下であってもよい。
【0033】
[Para 61] 図示のカバー18は、圧力源(例えば、マイクロ制御弁を有する圧力チャンバ)、第一光検出器24a、第二光検出器24b、及び第三光検出器24cを含み、各々は関連する光学素子及び電子機器を有する。光検出器の各々は、また、用途に応じて、単一の光検出器でも又は複数の光検出器であってもよい。また、必要ならば用途に応じて、偏光子及び/又はフィルタを備えていてもよい。
【0034】
[Para 62] 図示の取外し可能なカートリッジ14は、図示の例ではランセット32を含む試料採取器ポートを介して、試料流体を受け入れるように構成されている。ランセット32は、ある例では、引込み式でも及び/又はバネ付勢されていてもよい。取外し可能なカートリッジ14の非使用時には、試料採取器ポート及び/又はランセット32を保護するためにキャップ38を用いることができる。
【0035】
[Para 63] 図示の例において、取外し可能なカートリッジ14は、全血液試料について血液分析を行う。ランセット(lancet:ひらき針)32はユーザの指を突き刺すように用いられ、毛細管作用により、取外し可能なカートリッジ14中の抗凝固剤が被覆された毛細管に、吸い込まれ得る血液試料を生成することができる。取外し可能なカートリッジ14はマイクロニクス・テクノロジーズ社から入手可能な流体回路と同様に構成されることができ、その一部はチャンネルを食刻した積層構造体を用いて組み立てられる。しかし、射出成形によるなどあらゆる好適な方法で又は必要に応じて他のあらゆる好適な製造プロセスもしくは方法で、取外し可能なカートリッジ14を構成できると考えられる。
【0036】
[Para 64] 使用時及び血液試料が取外し可能なカートリッジ14に吸い込まれた後に、カバー18が開放位置にある時、取外し可能なカートリッジ14をハウジングに挿入することができる。ある場合には、取外し可能なカートリッジ14は、ベース16のレジストレーション(registration)・ピン28a,28bを受け入れる穴26a,26bを含むことができ、これは機器の異なる部品間の位置合わせ及び連結を与えるのに役立つであろう。取外し可能なカートリッジ14は、また、第一、第二、及び第三光源22a,22b,22c並びに第一、第二、及び第三光検出器24a,24b,24cに、それぞれ整列する第一透明流体流窓30a、第二透明流体流窓30b、及び第三透明窓30cを含むことができる。
【0037】
[Para 65] カバーが閉位置に移動し、システムが加圧されると、カバー18は、圧力供給ポート36a,36b,36c,36dを介して、それぞれ図示の取外し可能なカートリッジ14中の圧力受入れポート34a,34b,34c,34dに制御された圧力を供給することができる。用途に応じて、多少の過不足はあるが大凡の圧力供給及び圧力受入れポートを使用できると考えられる。あるいは、又は更に、静電駆動メソポンプ等の1以上のマイクロポンプを取外し可能なカートリッジ14上又はその中に設け、必要な圧力を提供して、取外し可能なカートリッジ14上の流体回路を作動できると考えられる。説明に役立つ幾つかの静電駆動メソポンプが、例えば、米国特許第5,836,750号明細書、同第6,106,245号明細書、同第6,179,586号明細書、同第6,729,856号明細書、及び同第6,767,190号明細書に記載されている。これら全ては、本発明の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に援用される。
【0038】
[Para 66] 加圧されると、例示のための機器は採取された血液試料について血液分析を行うことができる。ある場合には、血液分析として白血球の数(WBC)を挙げることができる。
【0039】
[Para 67] 白血球を計数し分類するために、全血液試料を取外し可能なカートリッジ14の白血球測定チャンネルに供給することができる。その際、血液試料は、必要ならば希釈されてもよく、赤血球を急いで溶解してもよく、得られる試料をコア形成のために流体力学的に集束して、最終的に第二血球計算チャンネルに供給してもよい。第二光源22b及び第二光検出器24bにより流体流中の細胞を光学的に問い質すことができるように、血球計算チャンネルは、取外し可能なカートリッジ14の第二透明流体流窓30bに沿って位置することができる。流量センサを取外し可能なカートリッジ14上に設けて、血球計算チャンネルを通る流量の測定を行うことができる。ある場合には、測定される白血球パラメータとして、例えば、3要素又は5要素白血球鑑別、全白血球の数、及び/又は軸上の白血球の容積を挙げることができる。また、用途に応じて、他のパラメータを測定又は計算することができる。
【0040】
[Para 68] 図1には例示のための1つの試料分析器とカートリッジ組立部品を示しているけれども、他の試料分析器の機器構成を使用できると考えられる。例えば、試料分析器10と取外し可能なカートリッジは、シュヴィヒテンベルク(Schwichtenberg)らの米国特許出願第2004/0211077号に記載のものと同様であってもよく、この特許出願は参照により本明細書に援用される。
【0041】
[Para 69] ある場合には、診療所、家庭、又は他のどこかの現場等で、患者のケアに際して使用されるように試料分析器10を構成してもよい。殆ど又は全く専門的な訓練を受けることなく、実験室環境の外部で確実に使用できる試料分析器10を提供する能力は、試料分析法の能率化に役立ち、医療要員にかかるコストや負担を軽減し、比較的頻繁に血液モニタリング/分析を要する者など、多くの患者に試料分析の利便性を向上させるであろう。
【0042】
[Para 70] 作動中に、試料分析器10は採取された全血液試料等の採取された試料を受け入れることができ、分析器を作動させると、試料分析器10は試料を自動的に処理し、ユーザに情報を提供して臨床決定を行うことができる。ある例では、試料分析器10は、ユーザが更なる計算又は解釈を必要としないように、定量的結果(例えば、予め定められた範囲内及び/又は範囲外で)を表示又は印刷することができる。
【0043】
[Para 71] 図2は、図1の例示のための試料分析器及びカートリッジの概略図である。先に詳述したように、また図示の例では、ベース16は、多数の光源22と、関連する光学素子と、分析器の作動に必要な制御及び処理を行う電子機器40とを含むことができる。ベース16は、また、バッテリ42、変圧器又は他の電源を含むことができる。圧力源/流量制御ブロック44と関連する光学素子を備えた多数の光検出器24とを有するカバー18が図示されている。
【0044】
[Para 72] 取外し可能なカートリッジ14は、試料採取器ポート又はランセット32を介して試料流体を受け入れることができる。圧力源/流量制御ブロック44により加圧されると、取外し可能なカートリッジ14は、受け入れた血液試料について血液分析を行うことができる。ある例では、また前述のように、取外し可能なカートリッジ14は、多数の試薬49と、試薬を血液試料と混合する流体回路とを含み、分析用血液試料を調製することができる。また、取外し可能なカートリッジ14は、流体回路の作動を適切に制御及び/又は確認するのに役立つ、多数の流量センサを含むことができる。
【0045】
[Para 73] ある場合には、血液試料は、調製され(例えば、溶解、染色、希釈、及び/又は他の方法で処理され)、その後、血球計算チャンネル50等の機器内に設けられた1以上の血球計算チャンネル内で、コア形成のために流体力学的に集束される。図示の例では、血球計算チャンネル50は、取外し可能なカートリッジ14中の第一透明流体流窓30a等の透明な流体流窓を通り越えることができる。ベース16における一連の光源22及び関連する光学素子は、流体流窓30aを介してコアの流れを透過する光を与えることができる。一連の光検出器24及び関連する光学素子は、コアから、また流体流窓30aを介して、散乱した及び散乱しない光を受け入れることができる。制御装置又はプロセッサ40は、一連の検出器24から出力信号を受信することができ、コアの流れに存在する特定細胞を鑑別及び/又は計算することができる。
【0046】
[Para 74] 取外し可能なカートリッジ14は、カートリッジ14上の少なくとも一部の流体の速度を制御するのに役立つ、流体制御ブロック48を含むことができると考えられる。図示の例では、流体制御ブロック48は、各種流体の速度を検知する流量センサを含み、制御装置又はプロセッサ40に速度を伝えることができる。制御装置又はプロセッサ40は、その際、圧力源/流量制御ブロック44に提供される1以上の制御信号を制御して、望ましい圧力を、ひいては、分析器の適切な作動にとって望ましい流速を実現することができる。
【0047】
[Para 75] 血液及び他のバイオ廃棄物は病気を蔓延させることがあるので、取外し可能なカートリッジ14は、図示の血球計算チャンネル50の下流に廃棄物貯蔵容器52を備えることができる。廃棄物貯蔵容器52は、取外し可能なカートリッジ14を流れる流体を受け入れ及び貯蔵することができる。検査が完了すると、取外し可能なカートリッジ14を分析器から取り外して、好ましくはバイオ廃棄物に適合する容器に廃棄することができる。
【0048】
[Para 76] 図3は、図2における試料分析器とカートリッジの流量制御を示すより詳細な概略図である。図示の例において、カバー18における圧力源/流量制御装置44は、試料プッシュ(P)圧力36a、溶解(L)圧力36b、染色(ST)圧力36c、及びシース(SH:sheath)圧力36dを含む制御された4つの圧力を供給する。これらは一例にすぎず、用途に応じて、より多くの、より少ない又は異なる圧力(例えば、希釈剤貯蔵容器への希釈圧力)を圧力源/流量制御装置44により供給できると考えられる。また、カバー18は圧力源/流量制御装置44を含まなくてもよいと考えられる。代わりに、取外し可能なカートリッジ14は、圧縮空気貯蔵容器等の機器内に設けられた圧力源、前述のような静電駆動メソポンプ等の1以上のマイクロポンプ、又は必要に応じて他のあらゆる好適な圧力源を含んでいてもよい。光源及び検出器の配列は図3に示されていない。
【0049】
[Para 77] 図示の例において、圧力源36aは押込み流体65を経由して血液試料貯蔵容器62に圧力を供給し、圧力源36bは溶解貯蔵容器64に圧力を供給し、圧力源36cは染色剤貯蔵容器66に圧力を供給し、圧力源36dはシース貯蔵容器68に圧力を供給する。
【0050】
[Para 78] 例示のための一例において、各圧力源は、入力圧力を受け入れる第一圧力チャンバと、制御された圧力を取外し可能なカートリッジに供給する第二圧力チャンバとを含むことができる。第一圧力チャンバと第二圧力チャンバの間に第一弁を設けて、第一圧力チャンバの圧力を第二圧力チャンバに制御可能に放出することができる。第二圧力チャンバに流体接続する第二弁は、第二圧力チャンバの圧力を大気に制御可能に放出することができる。これにより、圧力源/流量制御装置44が取外し可能なカートリッジ14上の各圧力受入れポートに制御された圧力を供給できるようになる。各弁は、例えば、同時係属中の“圧力比例又は流量制御用アドレス可能弁の配列”なる発明の名称の米国特許出願第09/404,560号に記載のように、個別にアドレス可能かつ制御可能な一連の静電駆動マイクロ弁であってもよい。なお、上記特許出願は参照により本明細書に援用される。あるいは、各弁は制御可能なデューティ・サイクルでパルス変調された一連の静電駆動マイクロ弁であってもよく、制御された“有効”流量又は漏出量を得ることができる。また、必要ならばその他の弁も使用できる。
【0051】
[Para 79] 図示の取外し可能なカートリッジ14は4つの圧力受入れポート34a,34b,34c,34dを含み、各々は圧力源/流量制御装置44から対応する制御された圧力を受け入れる。図示の例において、圧力受入れポート34a,34b,34c,34dは、それぞれ制御された圧力を血液貯蔵容器62、溶解貯蔵容器64、染色剤貯蔵容器66、及びシース貯蔵容器68に導くことができる。血液貯蔵容器62は試料採取器ポート又はランセット32を介して現場で充填され得るが、溶解貯蔵容器64、染色剤貯蔵容器66、及びシース貯蔵容器68は、取外し可能なカートリッジ14が使用のために出荷される前に充填され得る。
【0052】
[Para 80] 図示のように、流量センサを各々の又は選択された流体と直列状に設けることができる。各流量センサ80a,80b,80c,80dは、対応する流体の速度を測定することができる。流量センサ80a,80b,80c,80dは、好ましくは熱流速計型流量センサであり、より好ましくはブリッジ型マイクロ流量センサである。マイクロブリッジ流量センサについては、例えば、米国特許第4,478,076号明細書、同第4,478,077号明細書、同第4,501,144号明細書、同第4,651,564号明細書、同第4,683,159号明細書、及び同第5,050,429号明細書に記載されており、これら全ては参照により本明細書に援用される。各流量センサ80a〜80dからの出力信号を制御装置又はプロセッサ40に提供することができる。制御装置又はプロセッサ40は、図示の通り、制御信号を圧力源/制御装置44に提供することができる。例えば、血液試料に供給される圧力を制御するために、制御装置又はプロセッサ40は、血液試料の速度が第一の所定値以下に降下すると、圧力源/制御装置44における第一圧力チャンバと第二圧力チャンバの間の第一弁を開成して、第一圧力チャンバの圧力を第二圧力チャンバに制御可能に放出することができる。同様に、制御装置又はプロセッサ40は、血液試料の速度が第二の所定値以上に上昇すると、第二圧力チャンバの圧力を放出する第二弁を開成することができる。制御装置又はプロセッサ40は、同様にして、溶解試薬や、染色剤及びシース流体の速度を制御することができる。
【0053】
[Para 81] ある場合には、制御装置又はプロセッサ40は、流路を通過する1以上の流量の変化を検出することができる。流量の変化は、例えば、流路内の1以上の気泡、例えば血液試料の凝集によって引き起こされる流路の閉塞又は要素的な閉塞、流路内の好ましからざる物質又は異物、及び/又は、流路の望ましくないその他の特性に対応するであろう。制御装置又はプロセッサ40は、流量からのかかる特性を検出するようにプログラム化されてもよく、ある場合には、警告を発したり、及び/又は、試料分析器の作動を停止してもよい。
【0054】
[Para 82] 熱流速計型流量センサは、典型的には、電圧を印加すると、流体中に熱パルスを発生させる加熱器要素を含み、更に、1以上の熱パルスを検出するように、加熱器要素の上流及び/又は下流に位置する1以上の熱センサを含む。流路を通る流体の速度は、熱パルスが加熱器要素から間隔を空けた1以上の熱センサへの移動に要する時間に関係するであろう。
【0055】
[Para 83] ある場合には、流体の熱伝導率及び/又は比熱の検出に熱流速計型流量センサを使用することができる。流体の熱伝導率及び/又は比熱の変化は、流体の状態変化(血液試料の凝集)、流体中の気泡、流体中の好ましからざる物質又は異物等の流体特性の変化に対応するであろう。このように、またある例では、制御装置又はプロセッサ40は、熱流速計型流量センサを通りすぎる流体の熱伝導率及び/又は比熱をモニタリングすることによって、流体の特性を検出できると考えられる。
【0056】
[Para 84] ある場合には、流路に流体接続するインピーダンス・センサを設けてもよい。制御装置又はプロセッサ40は、インピーダンス・センサに接続することができる。流体のインピーダンス変化は、流体の状態変化(血液試料の凝集)、流体中の気泡、流体中の好ましからざる物質又は異物等の流体特性の変化を示すであろう。このように、またある場合には、制御装置又はプロセッサ40は、インピーダンス・センサを通りすぎる流体のインピーダンスをモニタリングすることによって、流体の特性を検出できると考えられる。
【0057】
[Para 85] また、全般的に符号111で示される下流弁を設けることができる。制御装置又はプロセッサ40は、必要に応じて下流弁111を開成/閉成することができる。例えば、下流弁111は、システムが十分に加圧されるまで閉成状態を保持することができる。これは、システムが十分に加圧される前に、血液、溶解試薬、球状化(sphering)試薬、シース流体及び希釈剤の流体回路86への流入を防止するのに役立つであろう。また、下流弁111を制御して、0(零)流れ試験等のような所定の試験を実施するのに役立ててもよい。別の例では、例えばカバーが閉じられると、機械的作用により下流弁111を開成してもよい。
【0058】
[Para 86] 図4aは、1回の作業(run)で白血球の4要素鑑別を行うことできる、機器構成430用取外し可能なカード又はカートリッジの各種構成要素の図表又は概略図である。供給源431から試料採取器432に全血液の液滴を供給することができる。血液を急速に溶解させる注入器機構(lysing on the fly injector mechanism)又はブロック434に供給することができる。流量制御機構又はブロック433により、ブロック434への血液の流量を制御することができる。流量制御機構433により制御された流量で、溶解試薬を溶解試薬貯蔵容器435から急速に溶解させる(以下、急速溶解という)注入器434に供給することができる。溶解した血液を急速溶解機構434から流体力学収束チャンバ437に供給することができる。貯蔵容器436からのシース試薬は収束チャンバ437に進み、血球が光チャンネル438に流入する際に、血球の周りにシースを提供することができる。制御ブロック433によりシース試薬の流れを制御することができる。光学及び処理システム439により血球を鑑別することができる。システム439による散乱及び分析は細胞の4要素鑑別を行うことができる。細胞及び関連する流体は、光チャンネルから廃棄物貯蔵容器441に進むことができる。溶解及びシース試薬は、同一又は異なる試薬であってもよい。溶解及びシース試薬の供給源は、それぞれ貯蔵容器435,436であり、カード又はカートリッジ上でも又はこれから離れていてもよい。廃棄物貯蔵容器441は、カード又はカートリッジ上でも又はこれから離れていてもよい。流量制御機構433は、カード上でも又はこれから離れていてもよく、あるいは、カード又はカートリッジ上に要素的に位置してもよい。
【0059】
[Para 87] 図4bは、使い捨て可能に設計できる例示のための取外し可能なカード又はカートリッジ中での、図4aにおける機器構成430の実装の概略図を示す。カートリッジは、全般的に本図面の符号100で示され、図1,2,3を参照して図示され先に説明された取外し可能なカートリッジ14と同じようなものとすることができる。当然のことながら、取外し可能なカートリッジ100は一例にすぎず、形態、機能又は機器構成が何であれ、多くのマイクロ流体カートリッジに本発明を適用することができる。例えば、フロー・サイトメトリ、血液学、臨床化学、血液化学分析、尿検査、血液ガス分析、ウィルス分析、バクテリア分析、電解質測定等に適した取外し可能なカートリッジに本発明を適用することができる。また、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン、1以上のポリマー、ハイブリッド材料等を含むあらゆる好適な材料もしくは材料システム、又は他のあらゆる好適な材料もしくは材料システム、又は材料もしくは材料システムの組合せから、取外し可能なカートリッジ100等の本発明の取外し可能なカートリッジを製作できると考えられる。
【0060】
[Para 88] 測定チャンネルを多かれ少なかれ必要に応じて使用できるが、図示の取外し可能なカートリッジ100は測定チャンネル104を含む。測定チャンネル104は白血球測定チャンネルである。全血液試料は、毛細管作用により、抗凝集剤被覆の血液試料貯蔵毛細管108に既知量の血液を吸引する血液受入れポート106を介して、取外し可能なカートリッジ100により受け入れられる。図3の試料プッシュ(P)圧力36a等の試料プッシュ(P)圧力が、図3の試料プッシュ流体貯蔵容器65等の試料プッシュ流体貯蔵容器に供給される。圧力を加えると、試料プッシュ流体が、試料プッシュ流体貯蔵容器から強制的に血液試料プッシュ・チャンネル110に押し込まれる。
【0061】
[Para 89] 例示のためのある例において、弁112及び流量センサ114を血液試料プッシュ・チャンネル110に合わせて設けることができる。流体回路を通る血液試料をプッシュすることが望ましいとき、弁112を開成するように制御することができる。流量センサ114は、血液試料プッシュ流体の流量を測定し、ひいては抗凝集剤被覆の毛細管108を通る血液試料の流量を測定することができる。流量センサ114により提供される流量を利用して、取外し可能なカートリッジ100に供給される試料プッシュ(P)圧力の制御に役立てることができる。
【0062】
[Para 90] 例示のための例において、全血液試料は、毛細管108を経由して白血球測定チャンネル104に供給される。毛細管108から白血球測定チャンネル104への血液試料の流れを制御する弁120が設けられている。
【0063】
[Para 91] 白血球測定チャンネル104については、図3の溶解圧力(PIN(L))36b等の白血球溶解試薬(L)圧力が、図3の溶解貯蔵容器64等の溶解試薬貯蔵容器に供給される。圧力を加えると、溶解貯蔵容器64内の溶解試薬が強制的に溶解試薬チューブ又はチャンネル154に押し込まれる。チャンネルとは、ある文脈では、チューブ、毛細管、蛇行流路、又は輸送(conveyance)等を意味することがある。しかし、用語“チャンネル”は、本明細書では一般的な意味で用いられるであろう。
【0064】
[Para 92] 例示のためのある例において、弁156及び流量センサ158を溶解試薬チャンネル154に合わせて設けることができる。流体回路に溶解試薬をプッシュすることが望ましいとき、弁156を開成するように制御することができる。流量センサ158は、溶解試薬の流量を測定でき、溶解試薬チャンネル154を通る溶解試薬の流量の測定を行うことができる。流量センサ158により提供される流量を利用して、圧力源/制御装置44により取外し可能な又は使い捨てカートリッジ100に供給される溶解圧力の制御に役立てることができる。
【0065】
[Para 93] 図示の取外し可能なカートリッジ100の通常の機能操作中には、溶解試薬が結合、接続又は交差領域160に溶解試薬のある流量で供給され、血液試料が交差領域160に血液試料のある流量で供給される。血液試料の流量及び溶解試薬の流量は、図3の圧力源/制御装置44等の圧力源/制御装置により制御され得る。
【0066】
[Para 94] 両方の流体が交差領域160を通って流れているとき、溶解試薬が血液試料周囲の円周方向に流れるように、交差領域160を構成することができる。分岐合流点又は結合、接続もしくは交差領域160又は170は、目的をより詳細に説明する用語(例えば、流体力学集束チャンバ)で呼称されることがあるけれど、用語“交差領域”は本明細書では一般的な意味で用いられるであろう。ある場合には、溶解試薬の流量を血液試料の流量より多くすることができ、これは、急速溶解(lysing-on-the-fly)チャンネル162(蛇行経路をとることもある)中の流れ特性の向上に役立ち、ある場合には、溶解試薬により完全かつ均一に取り囲まれる薄いリボン状の血液の形成に役立つであろう。かかるリボン状の流れは、赤血球が急速溶解チャンネル162を通って移動する際に、溶解試薬が赤血球を均一に溶解させるのに役立つであろう。更に、血液試料が適当な時間溶解試薬に曝されるように、溶解試薬及び血液試料の流速と連携して、急速溶解チャンネル162の長さを設定することができる。
【0067】
[Para 95] 図3のシース流体貯蔵容器68等のシース流体貯蔵容器に、図3のシース(SH)圧力36d等のシース流体(SH)圧力を供給することができる。圧力を加えると、シース流体が強制的にシース流体貯蔵容器68からシース・チャンネル164に押し込まれる。例示のためのある例において、弁166及び流量センサ168をシース・チャンネル164に合わせて設けることができる。シース流体を流体回路にプッシュすることが望ましいとき、弁166を開成するように制御することができる。流量センサ168は、シース流体の流量を測定でき、シース・チャンネル164を通るシース流量の測定を行うことができる。流量センサ168により提供される流量を利用して、取外し可能なカートリッジ100に供給されるシース圧力(SH)の制御に役立てることができる。
【0068】
[Para 96] 例示のための例において、シース流体は交差領域170にシース流体のある流量で供給され、溶解した血液試料が交差領域170に溶解した血液試料のある流量で供給される。この領域170は、例えば、シースを形成する、流体力学的に集束する、又は他の目的の達成する等の領域と呼称することがあるけれど、本明細書では全般的に“交差領域”を引用するであろう。溶解した血液試料の流量及びシース流量は、図3の圧力源/制御装置44等の圧力源/制御装置により制御され得る。
【0069】
[Para 97] 両方の流体が交差領域170を通って流れているとき、シース流体が溶解した血液試料周囲の円周方向に流れるように、交差領域170を構成することができる。ある場合には、シースの流速が溶解した血液試料の流速より著しく速く、これは、下流のフロー・サイトメトリ・光チャンネル172内でのコア形成の向上に役立つであろう。例えば、フロー・サイトメトリの使用目的によっては、溶解した血液試料中の白血球を一列のコアに流体力学的に集束及び配列させるように、交差領域170を構成して、白血球が取外し可能なカートリッジ100における光学窓領域174を通過する際に、分析器が各白血球を個別に光学的に問い質すことができる。ある場合には、血球計算チャンネル172を通過する流体は、配管又はチャンネル186を経由して図3の機器内に設けられた廃棄物貯蔵容器52に供給される。
【0070】
[Para 98] 図5は、取外し可能なカートリッジに含めることができる例示のための多数の貯蔵容器の概略図である。例示のための例において、図4の取外し可能なカートリッジ100等の取外し可能なカートリッジは、例えば、溶解試薬貯蔵容器64、プッシャ流体貯蔵容器65、染色剤貯蔵容器66、シース流体貯蔵容器68、及び廃棄物貯蔵容器52を含むことができる。これらは一例にすぎず、より多くの、より少ない又は異なる貯蔵容器を取外し可能なカートリッジ上に又はその中に設け得ると考えられる。
【0071】
[Para 99] 各貯蔵容器は、標準サイズとして、取外し可能なカートリッジの望ましい操作を支援する適当量の流体及び/又は試薬を含むことができる。同様に、またある例では、染色剤貯蔵容器66等の貯蔵容器は、白血球の鑑別を支援する白血球チャンネルに、染色剤を添加することが望ましいであろう。貯蔵容器に貯蔵される試薬及び/又は流体は、用途に応じて、最初液状又は凍結乾燥された形態であってもよいと考えられる。
【0072】
[Para 100] 図6は、取外し可能なカートリッジを用いて、血液試料を分析する説明方法を示す概略フロー図である。説明方法において、ステップ200でまず血液試料を入手する。次に、取外し可能なカートリッジにおける抗凝集剤被覆の毛細管202に血液試料を供給することができる。次いで、血液試料を白血球(WBC)測定チャンネル206に供給することができる。
【0073】
[Para 101] 図示のWBC測定チャンネル206において、全血液230の赤血球を符号232で示すようにまず溶解し、符号233で示すように染色又はマーク付けをし、次いで、流体力学的に集束して、取外し可能なカートリッジにおけるWBC血球計算チャンネル234に一列で供給することができる。細胞がWBC血球計算チャンネル234の分析領域を通りすぎる際に、垂直空洞面発光レーザー(vertical cavity surface emitting laser;VCSEL)等の光源236により、個々の細胞に光を当てることができる。ある場合には、一連のVCSEL素子を設けることができ、WBC血球計算チャンネル234の分析領域を通りすぎる際に、個々の細胞と一直線上に並ぶVCSELのみが作動する。VCSELにより供給される入射光の一部が散乱され、検出器238が散乱光を検出する。他の種類の光源を使用してもよい。ある場合には、検出器238は、前角散乱光(FALS)、小角散乱(SALS)、及び大角散乱光(LALS)を検出してもよい。検出器239は複数の細胞の一部から蛍光発光を検出することができる。ある場合には、また符号240で示すように、例えば、軸上の細胞容積、全WBC数、WBCの5要素鑑別等の分析時に、多数のパラメータを測定してもよい。
【0074】
[Para 102] 図7は、血液試料を分析する別の説明方法を示す概略フロー図である。この説明方法において、血液試料を入手して、ステップ300で示すように血液試料貯蔵容器に供給することができる。次に、取外し可能なカートリッジにおける抗凝集剤被覆の毛細管302に血液試料を供給して、希釈することができる。血液試料を白血球(WBC)測定チャンネル340に供給することができる。
【0075】
[Para 103] 図示のWBC測定チャンネル340において、符号342で示すように、赤血球を溶解し、必要に応じて染料を注入することができる。次いで、細胞を流体力学的に集束し、取外し可能なカートリッジにおけるWBC血球計算チャンネル344に一列で供給することができる。細胞がWBC血球計算チャンネル344の分析領域を通りすぎる際に、面発光レーザー(VCSEL)等の光源346により、個々の細胞に光を当てることができる。ある場合には、一連のVCSEL素子を設けることができ、WBC血球計算チャンネル344の分析領域を通りすぎる際に、個々の細胞と一直線上に並ぶVCSELのみが作動する。
【0076】
[Para 104] 個々の細胞/粒子が集束された入射光線を通過する際に、光の一部は、遮断、散乱され、さもなければ妨害され、これらを検出器(図示せず)により検出することができる。2以上の光源がWBC血球計算チャンネル344に沿って異なる間隔のスポットに焦点を合わせると、各細胞の前縁及び/又は後縁を検出することができる。焦点を合わせた1つのスポットから次のスポットまでの距離を細胞が横断するに要する時間を測定することにより、流量を、ひいては細胞の速度を測定することができる。測定される細胞の速度と共に、符号348で示すような細胞のサイズ及び/又は細胞容積と、細胞が光線を遮断、散乱するかさもなければ妨害する時間の長さを相互に関連付けることができる。
【0077】
[Para 105] ある場合には、光源350と関連する光学素子及び/又は偏光子とを設けてもよい。光源346,350を合体して、全ての測定を同時にかつ同じ細胞について行える1つの光源(所望の測定では1つの光線にさえも)としてもよい。光源350の関連する光学素子は、光を平行とし、符号354で示すように、SALS、FALS、LALS散乱等の軸外散乱を測定することができる。上記と同様に、SALS、FALS、及びLALS散乱を利用して、例えば計測される白血球の数(NWBC)352の測定だけでなく、符号356で示すように、白血球の鑑別に役立てることができる。ある場合には、光源から供給される光を偏光させる1以上の偏光子を設け、検出器で検出される偏光の減衰及び/又は回転レベルを利用して、白血球の鑑別を実施するのに役立てることができるが、これは必ずしも全ての例で必要ではない。また、符号355で示すように、複数の細胞(例えば、染色、マーク付け又はタグ付けされた)の一部から蛍光発光を検出することができる。
【0078】
[Para 106] 図8は白血球5要素鑑別の測定図面500の概要である。まず最初に、散乱により3要素鑑別501を行うことができる。例えば3要素アプローチと共に、散乱により第四要素鑑別502を行うこともできる。そこで散乱による第四要素に対する回答が“YES”であれば、その時は第五要素ブロック503に進むことができる。ブロック503から、他の4要素に対する散乱測定と並行して、第五要素の測定が行われる矢線504に向う測定を行うことができる。第五要素の並行アプローチには、選択的染色、蛍光を伴うCD45、及び散乱を挙げることができる。代わりに、ブロック503からの測定は、他の4要素の散乱測定に続いて、第五要素の測定が行われる矢線505の方向に向かうことができる。かかる第五要素の測定には、選択的溶解又は蛍光を挙げることができる。
【0079】
[Para 107] 第四要素が例えば3要素散乱と同様に散乱により行われるかどうか、とのブロック502の質問に対する回答が“NO”であれば、その時は、第四要素及び第五要素の鑑別がやがて行われることを示すブロック506への矢線に従うことができる。矢線507の方向に、3要素の散乱測定と並行して、第四要素及び第五要素に対する鑑別では、ニュートラル・レッド等の選択的染色を行う、及び/又は、適当な染色剤の使用を伴うことがある蛍光を生じさせることができる。他方、他の3要素の散乱測定に対して連続した方法で、矢線508の方向に第四要素及び第五要素の鑑別を行うことができる。連続した鑑別では、選択的溶解及び/又は蛍光を行うことができる。
【0080】
[Para 108] 図9aは、図4aの機器構成430と同様の機器構成440における取外し可能なカード又はカートリッジの変形を示す。機器構成440は、光チャンネル438を流れる細胞の4要素鑑別を行うことができる。これは採取器432からの試料の選択的溶解を含む。この選択的溶解を行うために、選択的溶解試薬を急速溶解注入器434に供給できる選択的溶解試薬貯蔵容器442がある。流量制御機構433により、貯蔵容器442からの選択的溶解試薬の流量を制御することができる。血液の1つの試料について2連続作業を行うことができる。溶解を行う第一の作業により3要素鑑別をもたらすことができる。同じ試料について選択的溶解を行う第二の作業は、光チャンネル438を通って移動する血球の第四要素鑑別を行うことができる。
【0081】
[Para 109] 図9bは、それぞれ図9a及び図4aにおける機器構成440,430の実装に関連して、図4bと同様である。図9bにおける実装の更なる特徴に気付くであろう。即ち、選択的溶解試薬414をチャンネル451に供給することができ、チャンネル451が第一溶解試薬の交差領域160への輸送に用いられるチャンネル154に接続している。選択的溶解試薬414が領域160に流れるとき、チャンネル451上の弁413を制御することができる。流量センサ412は、選択的溶解試薬の流れをモニターして、流れを示す信号を流量制御機構に送ることができる。
【0082】
[Para 110] 図9cは、流量センサ412が存在せず、選択的溶解試薬414を輸送するチャンネル451が、流量センサ158の上流の溶解試薬チャンバ・チューブ154に接続している以外には、図9bと同様である。流量センサ158は、溶解作業と、異なる又は間隔を空けた時間に行われるであろう選択的溶解作業とに利用することができる。
【0083】
[Para 111] 図10aは、1つの試料について3連続作業で白血球の5要素鑑別を行うことができる、機器構成450の図表又は概略図である。溶解試薬貯蔵容器435から溶解を行う第一の作業では、光チャンネル438において血球の3要素鑑別をもたらすことができる。試薬貯蔵容器442から第一選択的溶解を行う第二の作業では、チャンネル438において血球の第四要素鑑別をもたらすことができる。別の選択的試薬貯蔵容器443から第二選択的溶解を行う第三の作業では、チャンネル438において血球の第五要素鑑別をもたらすことができる。
【0084】
[Para 112] 図10bは、それぞれ図10a及び図9aにおける機器構成450,440の実装に関連して、図9bと同様である。図10bにおける更なる特徴は、チャンネル154を介して溶解試薬を交差領域160に輸送する、チャンネル452に供給される第二選択的溶解試薬406にある。第二選択的溶解試薬406が領域160に流れるとき、チャンネル452上の弁407を制御することができる。流量センサ411は、チャンネル452を通る第二選択的溶解試薬の流れをモニターして、流れを示す信号を流量制御機構に送ることができる。
【0085】
[Para 113] 図10cは、流量センサ412,411が存在せず、第一選択的溶解試薬414及び第二選択的溶解試薬406をそれぞれ輸送するチューブ又はチャンネル451,452が、流量センサ158から下流の溶解試薬チャンネル154に接続している以外には、図10bと同様である。流量センサ158は、異なる時間に行われることがある溶解作業、第一選択的溶解作業、及び第二選択的溶解作業に利用することができる。
【0086】
[Para 114] 図11aは、試料について1回の作業で血球の4要素鑑別を行うことができる、機器構成460の図表又は概略図である。急速溶解注入器434に供給され得る溶解試薬と混合する、染色/蛍光剤を収容する貯蔵容器444を設けてもよい。貯蔵容器444に上述の混合物があり、かつ貯蔵容器435が存在しない点を除くと、機器構成460は図4aの機器構成430と同様である。3要素散乱と第四要素染色/蛍光測定とを並行して行うことができる。
【0087】
[Para 115] 図11bは図11aの機器構成460の実装を示す。図11bは、溶解試薬に代えて、チャンネル154に溶解試薬及び染色剤を投入した混合物がある以外には、図4bと同様である。
【0088】
[Para 116] 図12aは、1つの試料について2連続作業で白血球の5要素鑑別を行うことができる、機器構成470の図表又は概略図である。図11aに存在する溶解試薬と染色剤の混合物貯蔵容器444を保有することができる。選択的溶解試薬貯蔵容器442が追加されている(図9aと同じように)。両方の貯蔵容器442,444は、同じ作業では必ずしも必要でないが、各々のチューブ又はチャンネルを経由して急速溶解注入器434に供給され得る、選択的溶解試薬、及び溶解試薬と染色剤の混合物を用意することができる。染色剤と溶解試薬の混合を行う第一の作業では、光チャンネル438における血球の散乱検出による3要素鑑別に加えて、蛍光/散乱検出による第四要素鑑別を行うことができる。試薬の選択的溶解を行う第二の作業では、細胞の第五要素鑑別を行うことができる。
【0089】
[Para 117] 図12bは図12aの機器構成470の実装を示す。図12bは、弁156を介してチャンネル154に供給される溶解試薬と染色剤の混合物401がある点で、図11bと同様であろう。また、混合物401の流れをモニターして、流量制御機構に信号を送る流量センサ158を備えていてもよい。また、図9bと同様の弁413を介してチャンネル451に供給される選択的溶解試薬414が存在しもよい。試薬414は、流量センサ412を通り、チャンネル451を経由してチャンネル154に進むことができる。センサ412は、試薬414の流れをモニターして流量制御機構に信号を送ることができる。
【0090】
[Para 118] 図12cは、選択的溶解試薬414をモニターする流量センサ412が取り外されている以外には、図12bにおける実装と同様であろう。また、試薬を輸送するチャンネル451が、溶解試薬と染色剤の混合物401用流量センサ158から上流のチャンネル154に連結している。試薬401,414を異なる時間に別の作業として存在させることができるので、溶解試薬401と混合する染色剤及び選択的溶解試薬414の双方が同じ流量センサを利用することができる。
【0091】
[Para 119] 図13aは、光チャンネル438において細胞の4要素鑑別を行うことができる、機器構成480の図表又は概略図である。この機器構成480は、急速溶解注入器434に出力する染色剤貯蔵容器445を機器構成480が更に備えている以外には、図4aの機器構成430と同様であろう。また、貯蔵容器445は、注入器機構434への染色剤の流れを制御する流量制御機構433に接続している。機器構成480は、光チャンネル438において血球を3要素鑑別するために、貯蔵容器435からの溶解試薬による第一の作業を行うことができる。貯蔵容器445からの染色剤による血球の染色と光チャンネル438における細胞の蛍光/散乱の観測とを利用する第二の作業は、細胞の第四要素鑑別を行うことができる。
【0092】
[Para 120] 図13bは図13aの機器構成480の実装を示す。構造的展望から、カード100のレイアウトは、選択的溶解試薬414に代えて染色剤417がチャンネル453を経由してチャンネル154に流入する以外には、図9bと同様のように見える。染色剤417は、弁416及び流量センサ415を介してチャンネル453に流入し、チューブ154及び交差領域160に向かうことができる。
【0093】
[Para 121] 図13cは、染色剤の流れをモニターする流量センサ415が存在せず、染色剤417を輸送するチャンネル453が流量センサ158の上流のチャンネル154に接続している以外には、図13bと同様であろう。溶解試薬及び剤417を異なる時間に別の2回の作業で使用できるので、溶解試薬及び染色剤は同じ流量センサ158を利用することができる。
【0094】
[Para 122] 図14aは、光チャンネル438において血球の4要素鑑別を行うことができる、機器構成490の図表又は概略図である。機器構成490は、染色剤貯蔵容器445の出力部が急速溶解注入器434の入力部に接続しておらず、むしろ、注入器機構434の出力部と流体力学集束チャンバ437の入力部の間のチャンネルに接続している以外には、機器構成480と同様であろう。
【0095】
[Para 123] 図14bは図14aの機器構成490の実装を示す。図14bにおける実装は、交差領域170から少しだけ上流の位置でチャンネル454がチャンネル162に接続している以外には、図4bにおける実装と同様であろう。このチャンネル454は、染色剤貯蔵容器に接続し、弁403及び流量センサ402を介して染色剤404をチャンネル162に輸送することができる。センサ402は、剤404の流量に関する信号を流量制御機構に送ることができる。
【0096】
[Para 124] 図15a及び図15bは、本明細書で説明したものと同様の機器構成を利用して、血球の4要素鑑別のデータ及びプロットを示している。
【0097】
[Para 125] 図4a,4b,9a,9b,9c,10a,10b,10c,11a,11b,12a,12b,12c,13a,13b,13c,14a,及び14bの機器構成は、血球の複数要素の鑑別に用いられる各種アプローチの代表的なものであることが、留意されるであろう。本明細書に開示された機器構成の様々な置換を組み入れた他の機器構成や、他の配置を血球の複数要素の鑑別に用いることができる。
【0098】
[Para 126] 本明細書では、一部の事柄がたとえ別の態様又は時制(manner or tense)で述べられていても、これは仮説上又は予言的性質の場合がある。[Para 127]少なくとも1つの例示のための例について本発明を説明したが、当業者ならば本明細書を読むと数多くの変更や修正が明らかになるであろう。従って、かかる変更及び修正の全てを包含する先行技術を考慮に入れて、添付の特許請求の範囲をできるだけ広く解釈することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】例示のための試料分析器及びカートリッジの斜視図。
【図2】図1の例示のための試料分析器及びカートリッジの概略図。
【図3】図2の試料分析器及びカートリッジの流量制御を示すより詳細な概略図。
【図4a】様々な分析回路を有する例示のためのカートリッジの図表。
【図4b】図4aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図5】カートリッジに含めることができる例示のための多くの貯蔵容器の概略図。
【図6】血液試料を分析する例示のための方法を示す概略フロー図。
【図7】血液試料を分析する別の例示のための方法を示す概略フロー図。
【図8】複数要素の測定手法のための各種構成要素の概略図。
【図9a】様々な分析回路を有する例示のためのカートリッジの図表。
【図9b】図9aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図9c】図9aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図10a】様々な分析回路を有する別の例示のためのカートリッジの図表。
【図10b】図10aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図10c】図10aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図11a】様々な分析回路を有する別の例示のためのカートリッジの図表。
【図11b】図11aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図12a】様々な分析回路を有する別の例示のためのカートリッジの図表。
【図12b】図12aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図12c】図12aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図13a】様々な分析回路を有する別の例示のためのカートリッジの図表。
【図13b】図13aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図13c】図13aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図14a】様々な分析回路を有する別の例示のためのカートリッジの図表。
【図14b】図14aの回路を組み込んだ例示のためのカートリッジの平面図。
【図15a】図15aは、血球の4要素鑑別のデータ及びプロットである。
【図15b】図15bは、血球の4要素鑑別のデータ及びプロットである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨てのカードと、
カード内に位置する流体光チャンネルと、
カード内に位置する第一結合領域と、
第一結合領域に接続する流体試料供給源と、
第一結合領域に接続する溶解試薬供給源と、
第一結合領域に接続する溶解チャンネルと、
シース試薬供給源と、
溶解チャンネル及びシース試薬供給源に接続する第二結合領域と、
第二結合領域に接続する流体光チャンネルと、
流体光チャンネルに近接した光源及び検出器と、を含む流体分析装置。
【請求項2】
前記第二結合領域が流体力学集束チャンバである、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記検出器からの光散乱測定により、白血球の3要素鑑別(リンパ球、単球、及び好中球)を行う、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記第一結合領域に接続する染色剤供給源を更に含む、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記検出器が、光吸収又は蛍光発光測定を行って、白血球の第四要素(好酸球)及び第五要素(好塩基球)を鑑別する、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記光散乱測定により白血球の第四要素(好酸球)鑑別を行う、請求項3記載の装置。
【請求項7】
前記光源及び検出器が、光吸収又は蛍光発光測定により白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を行う、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記光散乱により白血球の数を測定する、請求項3記載の装置。
【請求項9】
前記第一結合領域に接続する選択的溶解試薬供給源を更に含む、請求項3記載の装置。
【請求項10】
前記光散乱測定により白血球の第四要素(好酸球)鑑別を行う、請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記第一結合領域に接続する第二選択的溶解試薬供給源を更に含む、請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記光散乱測定により白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を行う、請求項11記載の装置。
【請求項13】
光測定が90°を含むあらゆる方向から可能である、請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記溶解試薬供給源が、血球を溶解及び染色する第一結合領域に溶解試薬及び染色剤を供給する、請求項3記載の装置。
【請求項15】
前記光源及び検出器が、光吸収又は蛍光発光測定により白血球の第四要素(好酸球)鑑別を行う、請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記光源及び検出器が、蛍光測定により白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を行う、請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記第一結合領域に接続する選択的溶解試薬供給源を更に含み、前記光源及び検出器が光散乱測定により白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を行う、請求項15記載の装置。
【請求項18】
前記第二結合領域に接続する染色剤供給源を更に含み、前記光源及び検出器が白血球の第四要素(好酸球)及び第五要素(好塩基球)鑑別を行う、請求項3記載の装置。
【請求項19】
前記使い捨てのカードがマイクロ流体工学をベースとするカードである、請求項5記載の装置。
【請求項20】
装置がFDA臨床検査向上改正のウェイヴィア特徴(wavier features)に合致する、請求項5記載の装置。
【請求項21】
前記使い捨てのカードが積層法により製作される、請求項5記載の装置。
【請求項22】
前記使い捨てのカードが射出成形法により製作される、請求項5記載の装置。
【請求項23】
前記使い捨てのカードがプラスチックから構成される、請求項5記載の装置。
【請求項24】
前記使い捨てのカードがガラスから構成される、請求項5記載の装置。
【請求項25】
前記使い捨てのカードが、プラスチック、ガラス、又はこれらのハイブリッド混合物から構成される、請求項5記載の装置。
【請求項26】
複数の供給源が前記使い捨てのカードに位置する、請求項5記載の装置。
【請求項27】
複数の供給源が前記使い捨てのカードから離れて位置する、請求項5記載の装置。
【請求項28】
血液試料を用意するステップ、
血液試料の赤血球を溶解するステップ、
白血球を一列に集束するステップ、
白血球に光を当てるステップ、及び
白血球により散乱された光から白血球のパラメータを得るステップを含む、使い捨てのカード内での測定方法。
【請求項29】
前記パラメータが、恐らく90°を含むあらゆる方向から散乱された光によるものである、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記パラメータが白血球の4要素(リンパ球、単球、好中球、及び好酸球)鑑別を含む、請求項28記載の方法。
【請求項31】
前記パラメータが白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を更に含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記パラメータが白血球の数を含む、請求項28記載の方法。
【請求項33】
前記パラメータが白血球の3要素(リンパ球、単球、及び好中球)鑑別を含む、請求項28記載の方法。
【請求項34】
前記白血球の第四要素(好酸球)鑑別を得るために、血液の第一選択的溶解を更に含む、請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を得るために、血液の第二選択的溶解を含む、請求項34記載の方法。
【請求項36】
白血球を染色するステップ、及び白血球の染色から光吸収又は蛍光発光により追加のパラメータを得るステップを更に含み、
追加のパラメータが白血球の第四要素(好酸球)鑑別を含む、請求項33記載の方法。
【請求項37】
前記追加のパラメータが白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を含む、請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を得るために、血球の選択的溶解を更に含む、請求項36記載の方法。
【請求項39】
血液を染色するステップ、及び白血球の染色から光吸収又は蛍光発光により追加のパラメータを得るステップを更に含み、
追加のパラメータが白血球の第四要素(好酸球)鑑別を含む、請求項33記載の方法。
【請求項40】
前記追加のパラメータが白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を更に含む、請求項39記載の方法。
【請求項41】
白血球を染色するステップ、及び白血球の染色から光吸収又は蛍光発光により追加のパラメータを得るステップを更に含み、
追加のパラメータが白血球の第四要素(好酸球)鑑別を含む、請求項33記載の方法。
【請求項42】
前記追加のパラメータが白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を更に含む、請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記使い捨てのカードがマイクロ流体工学をベースとするカードである、請求項38記載の方法。
【請求項44】
前記方法がFDA臨床検査改正のウェイヴィア特徴(wavier features)に合致する、請求項38記載の方法。
【請求項45】
前記使い捨てのカードが積層法により製作される、請求項38記載の方法。
【請求項46】
前記使い捨てのカードが射出成形法により製作される、請求項38記載の方法。
【請求項47】
前記使い捨てのカードがプラスチックから構成される、請求項38記載の方法。
【請求項48】
前記使い捨てのカードがガラスから構成される、請求項38記載の方法。
【請求項49】
前記使い捨てのカードが、プラスチック、ガラス、又はこれらのハイブリッド混合物から構成される、請求項38記載の方法。
【請求項1】
使い捨てのカードと、
カード内に位置する流体光チャンネルと、
カード内に位置する第一結合領域と、
第一結合領域に接続する流体試料供給源と、
第一結合領域に接続する溶解試薬供給源と、
第一結合領域に接続する溶解チャンネルと、
シース試薬供給源と、
溶解チャンネル及びシース試薬供給源に接続する第二結合領域と、
第二結合領域に接続する流体光チャンネルと、
流体光チャンネルに近接した光源及び検出器と、を含む流体分析装置。
【請求項2】
前記第二結合領域が流体力学集束チャンバである、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記検出器からの光散乱測定により、白血球の3要素鑑別(リンパ球、単球、及び好中球)を行う、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記第一結合領域に接続する染色剤供給源を更に含む、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記検出器が、光吸収又は蛍光発光測定を行って、白血球の第四要素(好酸球)及び第五要素(好塩基球)を鑑別する、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記光散乱測定により白血球の第四要素(好酸球)鑑別を行う、請求項3記載の装置。
【請求項7】
前記光源及び検出器が、光吸収又は蛍光発光測定により白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を行う、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記光散乱により白血球の数を測定する、請求項3記載の装置。
【請求項9】
前記第一結合領域に接続する選択的溶解試薬供給源を更に含む、請求項3記載の装置。
【請求項10】
前記光散乱測定により白血球の第四要素(好酸球)鑑別を行う、請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記第一結合領域に接続する第二選択的溶解試薬供給源を更に含む、請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記光散乱測定により白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を行う、請求項11記載の装置。
【請求項13】
光測定が90°を含むあらゆる方向から可能である、請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記溶解試薬供給源が、血球を溶解及び染色する第一結合領域に溶解試薬及び染色剤を供給する、請求項3記載の装置。
【請求項15】
前記光源及び検出器が、光吸収又は蛍光発光測定により白血球の第四要素(好酸球)鑑別を行う、請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記光源及び検出器が、蛍光測定により白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を行う、請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記第一結合領域に接続する選択的溶解試薬供給源を更に含み、前記光源及び検出器が光散乱測定により白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を行う、請求項15記載の装置。
【請求項18】
前記第二結合領域に接続する染色剤供給源を更に含み、前記光源及び検出器が白血球の第四要素(好酸球)及び第五要素(好塩基球)鑑別を行う、請求項3記載の装置。
【請求項19】
前記使い捨てのカードがマイクロ流体工学をベースとするカードである、請求項5記載の装置。
【請求項20】
装置がFDA臨床検査向上改正のウェイヴィア特徴(wavier features)に合致する、請求項5記載の装置。
【請求項21】
前記使い捨てのカードが積層法により製作される、請求項5記載の装置。
【請求項22】
前記使い捨てのカードが射出成形法により製作される、請求項5記載の装置。
【請求項23】
前記使い捨てのカードがプラスチックから構成される、請求項5記載の装置。
【請求項24】
前記使い捨てのカードがガラスから構成される、請求項5記載の装置。
【請求項25】
前記使い捨てのカードが、プラスチック、ガラス、又はこれらのハイブリッド混合物から構成される、請求項5記載の装置。
【請求項26】
複数の供給源が前記使い捨てのカードに位置する、請求項5記載の装置。
【請求項27】
複数の供給源が前記使い捨てのカードから離れて位置する、請求項5記載の装置。
【請求項28】
血液試料を用意するステップ、
血液試料の赤血球を溶解するステップ、
白血球を一列に集束するステップ、
白血球に光を当てるステップ、及び
白血球により散乱された光から白血球のパラメータを得るステップを含む、使い捨てのカード内での測定方法。
【請求項29】
前記パラメータが、恐らく90°を含むあらゆる方向から散乱された光によるものである、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記パラメータが白血球の4要素(リンパ球、単球、好中球、及び好酸球)鑑別を含む、請求項28記載の方法。
【請求項31】
前記パラメータが白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を更に含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記パラメータが白血球の数を含む、請求項28記載の方法。
【請求項33】
前記パラメータが白血球の3要素(リンパ球、単球、及び好中球)鑑別を含む、請求項28記載の方法。
【請求項34】
前記白血球の第四要素(好酸球)鑑別を得るために、血液の第一選択的溶解を更に含む、請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を得るために、血液の第二選択的溶解を含む、請求項34記載の方法。
【請求項36】
白血球を染色するステップ、及び白血球の染色から光吸収又は蛍光発光により追加のパラメータを得るステップを更に含み、
追加のパラメータが白血球の第四要素(好酸球)鑑別を含む、請求項33記載の方法。
【請求項37】
前記追加のパラメータが白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を含む、請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を得るために、血球の選択的溶解を更に含む、請求項36記載の方法。
【請求項39】
血液を染色するステップ、及び白血球の染色から光吸収又は蛍光発光により追加のパラメータを得るステップを更に含み、
追加のパラメータが白血球の第四要素(好酸球)鑑別を含む、請求項33記載の方法。
【請求項40】
前記追加のパラメータが白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を更に含む、請求項39記載の方法。
【請求項41】
白血球を染色するステップ、及び白血球の染色から光吸収又は蛍光発光により追加のパラメータを得るステップを更に含み、
追加のパラメータが白血球の第四要素(好酸球)鑑別を含む、請求項33記載の方法。
【請求項42】
前記追加のパラメータが白血球の第五要素(好塩基球)鑑別を更に含む、請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記使い捨てのカードがマイクロ流体工学をベースとするカードである、請求項38記載の方法。
【請求項44】
前記方法がFDA臨床検査改正のウェイヴィア特徴(wavier features)に合致する、請求項38記載の方法。
【請求項45】
前記使い捨てのカードが積層法により製作される、請求項38記載の方法。
【請求項46】
前記使い捨てのカードが射出成形法により製作される、請求項38記載の方法。
【請求項47】
前記使い捨てのカードがプラスチックから構成される、請求項38記載の方法。
【請求項48】
前記使い捨てのカードがガラスから構成される、請求項38記載の方法。
【請求項49】
前記使い捨てのカードが、プラスチック、ガラス、又はこれらのハイブリッド混合物から構成される、請求項38記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図14a】
【図14b】
【図15a】
【図15b】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図14a】
【図14b】
【図15a】
【図15b】
【公表番号】特表2009−522546(P2009−522546A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548573(P2008−548573)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/047792
【国際公開番号】WO2007/084232
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/047792
【国際公開番号】WO2007/084232
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
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