説明

保湿剤及び皮膚外用剤

【課題】 皮膚外用剤の分野に幅広く応用が可能な保湿剤を提供する。
【解決手段】 保湿作用に優れた成分を見出すために、天然由来の種々の成分について検討を行なった結果、ユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物抽出物を有効成分として配合することにより、保湿剤を提供することができた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然由来成分を有効成分とする保湿剤及び皮膚外用剤に関する。さらに詳しくは、ユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物またはその抽出物を含有する保湿剤及び皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚の乾燥を防ぎ、皮膚にうるおいを与える保湿成分を提供するために、様々な有効成分の配合検討がなされてきた。特に天然由来成分は、様々な薬理作用や美容効果を有することが知られ、これまでにも数多くの植物や菌類などの抽出物の保湿剤への応用が検討されている。
【0003】
例えば、保湿効果と安全性に優れた保湿剤としてユリアニア科植物の抽出物(特許文献1参照)、アブラナ科ピディウム属植物の抽出物(特許文献2参照)、キク科ハマグルマ属植物の抽出物(特許文献3参照)、カエデ属植物の抽出物(特許文献4参照)、ヒソップ植物の抽出物(特許文献5参照)、ノボタン科植物の抽出物(特許文献6参照)、ハリブキ属植物の抽出物(特許文献7参照)等が知られている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−209223号公報
【特許文献2】特開2001−39854号公報
【特許文献3】特開2002−20262号公報
【特許文献4】特開2003−113068号公報
【特許文献5】特開2004−262862号公報
【特許文献6】特開2006−69939号公報
【特許文献7】特開2007−77072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、これまでに様々な天然由来成分が応用されている。しかし、天然由来成分の中には、未だその効果が知られていないものも数多く存在し、優れた保湿作用を有する有効成分の開発が期待されていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、天然由来の種々の成分について検討を行った結果、従来はその効果が知られていなかったユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物またはその抽出物に優れた保湿作用が存在することを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、ユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物より選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物を有効成分とする保湿剤に関する。
【0008】
別の発明は、ユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物より選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物より選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物を有効成分とすることにより、優れた効果を有する保湿剤を提供することができる。
【0010】
これらの保湿剤を皮膚外用剤に配合することにより、皮膚の乾燥を防ぎ、皮膚にうるおいをあたえる様々な組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
ユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物としては、大型の白花をつける多年草で、西南日本に分布するウバユリ(Cardiocrinum cordatum var.cordatum)、東北日本に分布するオオウバユリ(Cardiocrinum cordatum var.glehnii)、ヒマラヤから中国に分布するヒマラヤウバユリ(Cardiocrinum giganteum)が知られている。
【0012】
これらの植物は、単独で用いられるほか、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0013】
本発明は、ユリ科ウバユリ属植物であれば特に限定されないが、入手が比較的容易などの理由から、適当なものとして、オオウバユリ(Cardiocrinum cordatum var.glehnii)が挙げられる。
【0014】
これらユリ科ウバユリ属植物を使用する際は、その使用部位には特に制限はなく、葉、根、茎、花などの任意の部分を使用することができる。複数の部位を組み合わせて使用してもよい。
【0015】
それらはそのまま粉砕して使用することもできるが、それらの部位からの抽出物を用いることが好ましい。
【0016】
抽出には、ユリ科ウバユリ属植物のいずれの部位を用いても構わないが、簡便に利用するには、全草、葉、花を用いるとよい。その際、複数の部位を用いて抽出物を得るようにしてもよい。また、異なる溶媒を用いて抽出された抽出物を2種以上混合して用いてもよい。
【0017】
抽出の際は、植物を生のまま用いてもよいが、抽出効率を考えると、細切、乾燥、粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが好ましい。
【0018】
抽出は、任意の抽出溶媒に所定時間浸漬して行うことができる。抽出溶媒は、必要に応じて加熱してもよい。あるいは、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出方法でも行うことができる。抽出効率を上げるため、撹拌したり抽出溶媒中でホモジナイズしたりしてもよい。抽出温度としては、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが適切である。抽出時間は、抽出溶媒の種類や抽出温度によっても異なるが、1時間〜14日間程度とするのが適切である。
【0019】
抽出溶媒としては、水の他、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;エチルエーテル、プロピルエーテル等のエーテル類;酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類などの溶媒を用いることができる。これらは、単独で用いられるほか、任意の2種以上を組み合わせて用いてもよい。生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等を用いてもよい。さらに、水や二酸化炭素、エチレン、プロピレン、エタノール、メタノール、アンモニアなどの1種又は2種以上の超臨界液体や亜臨界液体を用いてもよい。
【0020】
ユリ科ウバユリ属植物の上記溶媒による抽出物は、そのままでも使用することができるが、一定期間そのまま放置して熟成させて用いてもよいし、濃縮、乾固した物を水や極性溶媒に再度溶解して使用することもできる。或いは、これらの生理作用を損なわない範囲で、脱色、脱臭、脱塩等の精製処理や、カラムクロマトグラフィー等による分画処理を行った後に用いてもよい。ユリ科ウバユリ属植物の前記抽出物やその処理物及び分画物は、各処理及び分画後に凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。
【0021】
ユリ科ウバユリ属植物またはその抽出物は、優れた保湿作用を有し、保湿剤として利用することができる。
【0022】
ユリ科ウバユリ属植物またはその抽出物を有効成分とする保湿剤は、皮膚や毛髪等に優れた保湿効果を与えることができる。
【0023】
本発明の保湿剤は、ユリ科ウバユリ属植物またはその抽出物を有効成分として含む限り、その形態およびその他成分の配合の有無等については、何ら制限されない。形態については、液状、ペースト状、ゲル状、固体状、粉末状等の任意の形態を、その用途等に応じて選択でき、その形態とするために必要なビヒクル(賦形剤)、溶剤、その他の一般的な添加剤(酸化防止剤、着色剤、分散剤等)を任意に含むことができる。
【0024】
ユリ科ウバユリ属植物またはその抽出物は、優れた保湿作用を有し、これを配合することにより、皮膚の乾燥を防ぎ、皮膚にうるおいをあたえる皮膚外用剤を提供することができる。
【0025】
ここで、皮膚外用剤とは、化粧料、医薬部外品、外用医薬品等の、皮膚または毛髪に外用される全ての外用組成物を意味している。
【0026】
皮膚外用剤の剤型は任意であり、例えば、ローションなどの可溶化系やカラミンローション等の分散系、クリームや乳液などの乳化系として提供することができる。さらに、噴射剤と共に充填するエアゾール形態、軟膏剤、パップ剤などの種々の剤型で提供することもできる。
【0027】
具体的には、乳液、クリーム、ローション、化粧水、パック、美容液、洗浄料、メイクアップ化粧料等の各種化粧料;液剤、軟膏、粉末、顆粒、エアゾール剤、貼付剤、パップ剤等の様々な形態の化粧料、医薬部外品や外用医薬品などが例示できる。
【0028】
ユリ科ウバユリ属植物またはその抽出物を、化粧品、外用医薬品、医薬部外品等の皮膚外用剤に配合することにより、皮膚の乾燥を防ぎ、皮膚にうるおいをあたえる皮膚外用剤を提供することができる。したがって、たとえば、保湿用皮膚外用剤として好ましく使用することができる。
【0029】
皮膚外用剤には、ユリ科ウバユリ属植物またはその抽出物の他に、その用途と必要に応じて、医薬品、医薬部外品、皮膚化粧料、毛髪用化粧料及び洗浄料等に通常配合される任意の成分、例えば水、油性成分、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、ゲル化剤、洗浄剤、紫外線吸収剤、抗炎症剤、増粘剤、pH調整剤、キレート剤、薬剤(薬効成分)、香料、樹脂、防菌防かび剤、抗酸化剤、アルコール類等を適宜配合することができる。さらに、本発明の効果を損なわない範囲において、他の保湿剤あるいはユリ科ウバユリ属植物以外の植物またはその抽出物との併用も可能である。
【0030】
ユリ科ウバユリ属植物またはその抽出物の皮膚外用剤への配合量は、種類や目的等によって調整することができるが、効果や安定性などの点から、全量に対して、0.0001〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは、0.001〜5質量%であり、さらに好ましくは0.01〜5質量%であり、一層好ましくは0.1〜5質量%である。
【実施例】
【0031】
以下にユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物抽出物の調製例、保湿効果を評価するための試験方法、皮膚外用剤としての処方例についてさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれによってなんら限定されるものではない。
【0032】
[調整方法1]
オオウバユリ(Cardiocrinum cordatum var.glehnii)の葉の乾燥粉砕物100gに、50質量%エタノール水溶液を2.0Kg加え、撹拌しながら室温にて2時間抽出した。抽出液をろ過して回収し、減圧濃縮後、凍結乾燥を行い、ユリ科ウバユリ属植物抽出物を得た。
【0033】
[調製方法2]
オオウバユリの葉の乾燥粉砕物5gに精製水を100g加え、オートクレーブ(120℃、20分間)を使って抽出した。抽出液をろ過して回収し、凍結乾燥を行い、ユリ科ウバユリ属植物抽出物を得た。
【0034】
[調製方法3]
超臨界抽出装置にオオウバユリの葉の乾燥粉砕物100gを投入し、液化二酸化炭素をポンプで連続的に流し込み、25Mpa、5mL/分、40℃で二酸化炭素の超臨界流体を用いて抽出した。抽出物を回収し、ユリ科ウバユリ属植物抽出物を得た。
【0035】
上記抽出物を用いて、保湿効果の評価を行った。なお各評価結果に記載した*及び**は、t検定における有意確率P値に対し、有意確率5%未満(P<0.05)を*で、有意確率1%未満(P<0.01)を**でそれぞれ表したものである。
【0036】
<保湿効果の評価>
ユリ科ウバユリ属植物の保湿効果の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、調製方法1、調製方法2により調製したユリ科ウバユリ属植物抽出物を用いた。
【0037】
蒸留水により1質量%ユリ科ウバユリ属植物抽出物水溶液を調整し実施例1(調製方法1)、実施例2(調製方法2)とした。実施例を前腕部、3×4cm の範囲に24μL塗布し、塗布前、塗布後15、30、60、120、180分の角質水分量を測定した。角質水分量は、SKICON−200(アイ・ビイ・エス株式会社製)を用い、各塗布部位から5ポイント測定した。5ポイントの測定値の平均値を角質水分量とし、塗布前の角質水分量1とした相対値で表1に示した。なおコントロールとして蒸留水を同量塗布し、同様に角質水分量を測定した。
【0038】
【表1】

【0039】
表1の結果より明らかなように、実施例1、2のユリ科ウバユリ属植物抽出物には有意な保湿効果が認められた。このことより、ユリ科ウバユリ属植物抽出物は、優れた保湿作用を有することがわかった。
【0040】
続いて、上記各調製方法で得られたユリ科ウバユリ属植物抽出物を配合した皮膚外用剤の処方例を示す。
【0041】
[実施例3]乳液
(1) スクワラン 10.0(質量%)
(2) メチルフェニルポリシロキサン 4.0
(3) 水素添加パーム核油 0.5
(4) 水素添加大豆リン脂質 0.1
(5) モノステアリン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン(20E.O.) 1.3
(6) モノステアリン酸ソルビタン 1.0
(7) 1,3−ブチレングリコール 4.0
(8) パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9) カルボキシビニルポリマー 0.15
(10)精製水 100とする残部
(11)アルギニン(1質量%水溶液) 20.0
(12)ユリ科ウバユリ属植物抽出物[調製方法1] 5.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。乳化終了後、冷却を開始し、(11)と(12)を順次加え、均一に混合する。
【0042】
[実施例4]化粧水
(1)エタノール 15.0(質量%)
(2)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.3
(3)香料 0.1
(4)精製水 100とする残部
(5)クエン酸 0.02
(6)クエン酸ナトリウム 0.1
(7)グリセリン 1.0
(8)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(9)ユリ科ウバユリ属植物抽出物[調製方法2] 1.0
製法:(1)に(2)及び(3)を溶解する。溶解後、(4)〜(8)を順次添加した後、十分に攪拌し、(9)を加え、均一に混合する。
【0043】
[実施例5]クリーム
(1) スクワラン 10.0(質量%)
(2) ステアリン酸 2.0
(3) 水素添加パーム核油 0.5
(4) 水素添加大豆リン脂質 0.1
(5) セタノール 3.6
(6) 親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7) 1,3−ブチレングリコール 5.0
(8) パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9) アルギニン(20質量%水溶液) 15.0
(10)精製水 100とする残部
(11)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 15.0
(12)ユリ科ウバユリ属植物抽出物[調製方法1] 5.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。乳化終了後、(11)を加え、冷却を開始し、40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
【0044】
[実施例6]美容液
(1) 精製水 100とする残部(質量%)
(2) グリセリン 10.0
(3) ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(4) カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 17.5
(5) アルギン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 15.0
(6) モノラウリン酸ポリグリセリル 1.0
(7) マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 3.0
(8) N−ラウロイル−L−グルタミン酸
ジ(フィトステリル−2−オクチルドデシル) 2.0
(9) 硬化パーム油 2.0
(10)スクワラン(オリーブ由来) 1.0
(11)ベヘニルアルコール 0.75
(12)ミツロウ 1.0
(13)ホホバ油 1.0
(14)1,3−ブチレングリコール 10.0
(15)L−アルギニン(10質量%水溶液) 2.0
(16)ユリ科ウバユリ属植物抽出物[調製方法2] 3.0
製法:(1)〜(6)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(14)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化を行った後、ホモミキサーにて均一に乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、50℃にて(15)を加える。さらに40℃まで冷却し、(16)を加え、均一に混合する。
【0045】
[実施例7]水性ジェル
(1) カルボキシビニルポリマー 0.5(質量%)
(2) 精製水 100とする残部
(3) 水酸化ナトリウム(10質量%水溶液) 0.5
(4) エタノール 10.0
(5) パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(6) 香料 0.1
(7) ユリ科ウバユリ属植物抽出物[調製方法2] 0.5
(8) ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0
製法:(1)を(2)に加え、均一に攪拌した後、(3)を加える。均一に攪拌した後、(4)に予め溶解した(5)を加える。均一に攪拌した後、予め混合しておいた(6)〜(8)を加え、均一に攪拌混合する。
【0046】
[実施例8]クレンジング料
(1) スクワラン 81.0(質量%)
(2) イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 15.0
(3) 精製水 100とする残部
(4) ユリ科ウバユリ属植物抽出物[調製方法3] 1.0
製法:(1)と(2)を均一に溶解する。これに、(3)と(4)を順次加え、均一に混合する。
【0047】
[実施例9]洗顔フォーム
(1) ステアリン酸 16.0(質量%)
(2) ミリスチン酸 16.0
(3) 親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4) グリセリン 25.0
(5) 水酸化ナトリウム 7.5
(6) ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 1.0
(7) 精製水 100とする残部
(8) ユリ科ウバユリ属植物抽出物[調製方法2] 0.1
製法:(1)〜(4)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(5)〜(7)の水相成分を80℃にて加熱溶解し、油相成分と均一に混合撹拌する。冷却を開始し、40℃にて(8)を加え、均一に混合する。
【0048】
[実施例10]メイクアップベースクリーム
(1) スクワラン 10.2(質量%)
(2) セタノール 2.0
(3) グリセリントリ−2−エチルヘキサン酸エステル 2.5
(4) 親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
(5) プロピレングリコール 11.0
(6) ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(7) 精製水 100とする残部
(8) 酸化チタン 1.0
(9) ベンガラ 0.1
(10)黄酸化鉄 0.4
(11)香料 0.1
(12)ユリ科ウバユリ属植物抽出物[調製方法1] 3.0
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(5)〜(7)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに(8)〜(10)の顔料を加え、ホモミキサーにて均一に分散させる。この水相成分に前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(11)と(12)の成分を加え、均一に混合する。
【0049】
[実施例11]乳液状ファンデーション
(1) メチルポリシロキサン 2.0(質量%)
(2) スクワラン 5.0
(3) ミリスチン酸オクチルドデシル 5.0
(4) セタノール 1.0
(5) ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタンモノステアリン酸エステル 1.3
(6) モノステアリン酸ソルビタン 0.7
(7) 1,3−ブチレングリコール 8.0
(8) キサンタンガム 0.1
(9) パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)精製水 100とする残部
(11)酸化チタン 9.0
(12)タルク 7.4
(13)ベンガラ 0.5
(14)黄酸化鉄 1.1
(15)黒酸化鉄 0.1
(16)香料 0.1
(17)ユリ科ウバユリ属植物抽出物[調製方法1] 0.5
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(10)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに(11)〜(15)の顔料を加え、ホモミキサーにて均一に分散する。油相成分を加え、乳化を行う。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(16)と(17)の成分を順次加え、均一に混合する。
【0050】
[実施例12]油中水型エモリエントクリーム
(1) 流動パラフィン 34.0(質量%)
(2) マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3) ワセリン 5.0
(4) ジグリセリンオレイン酸エステル 5.0
(5) 塩化ナトリウム 1.3
(6) 塩化カリウム 0.1
(7) プロピレングリコール 3.0
(8) 1,3−ブチレングリコール 5.0
(9) パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)ユリ科ウバユリ属植物抽出物[調製方法2] 3.0
(11)精製水 100とする残部
(12)香料 0.1
製法:(5)と(6)を(11)の一部に溶解して50℃とし、50℃に加熱した(4)に撹拌しながら徐々に加える。これを混合した後、70℃にて加熱溶解した(1)〜(3)に均一に分散する。これに(7)〜(10)を(11)の残部に70℃にて加熱溶解したものを撹拌しながら加え、ホモミキサーにて乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
【0051】
[実施例13]パック
(1) 精製水 100とする残部(質量%)
(2) ポリビニルアルコール 12.0
(3) エタノール 17.0
(4) グリセリン 9.0
(5) ポリエチレングリコール(平均分子量1000) 2.0
(6) ユリ科ウバユリ属植物抽出物[調製方法1] 1.0
(7) 香料 0.1
製法:(2)と(3)を混合し、80℃に加温した後、80℃に加温した(1)に溶解する。均一に溶解した後、(4)と(5)を加え、攪拌しながら冷却を開始する。40℃まで冷却し、(6)と(7)を加え、均一に混合する。
【0052】
[実施例14]入浴剤
(1) 香料 0.3(質量%)
(2) ユリ科ウバユリ属植物抽出物[調製方法1] 3.0
(3) 炭酸水素ナトリウム 50.0
(4) 硫酸ナトリウム 46.7
製法:(1)〜(4)を均一に混合する。
【0053】
[実施例15]ヘアーワックス
(1) ステアリン酸 3.0(質量%)
(2) マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3) セチルアルコール 3.0
(4) 高重合メチルポリシロキサン 2.0
(5) メチルポリシロキサン 5.0
(6) ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)
メチルポリシロキサン共重合体 1.0
(7) パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(8) 1,3−ブチレングリコール 7.5
(9) アルギニン 0.7
(10)精製水 100とする残部
(11)ユリ科ウバユリ属植物抽出物[調製方法2] 2.0
(12)香料 0.1
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解後する。一方、(7)〜(10)の水相成分を75℃にて加熱溶解し、前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(11)と(12)の成分を加え、均一に混合する。
【0054】
[実施例16]ヘアートニック
(1) エタノール 50.0(質量%)
(2) 精製水 100とする残部
(3) ユリ科ウバユリ属植物抽出物[調製方法1] 3.0
(4) 香料 0.1
製法:(1)〜(4)の成分を混合、均一化する。
【0055】
実施例3〜16の皮膚外用剤は、皮膚の乾燥を防ぎ、皮膚にうるおいを与える保湿効果を有する組成物であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物より選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物を有効成分とする保湿剤。
【請求項2】
ユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物より選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤。

【公開番号】特開2009−96753(P2009−96753A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−269308(P2007−269308)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(000135324)株式会社ノエビア (258)
【Fターム(参考)】