説明

光ディスク判別装置、光ディスク装置および光ディスク判別方法

【課題】判別する光ディスクの種別が増加しても判別時間が長くならず、さらに、外部からの振動による影響が少ない光ディスク判別装置、光ディスク装置および光ディスク判別方法を提供する。
【解決手段】光ディスク12の種別を判別する際に、光ピックアップ3に、ケース3aに固定されるとともにコリメータレンズ3iから出射した光が入射する集光レンズ3mと、集光レンズ3mから出射した光を光ディスク12へ反射する第3ミラー3nと、を設け、コリメータレンズ3iをLD3d1または3d2と接離する方向に移動させることで集光レンズ3mの光ディスク12上の焦点を移動させ、光ディスク12の記録面に照射したときの反射光から所定の振幅以上のフォーカスエラー信号が観測された際のコリメータレンズ3iの位置を検出することで、光ディスク12の種別を判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光ディスクの種別を判別する光ディスク判別装置とその光ディスク判別装置を備えた光ディスク装置および光ディスク判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクの種別を判別する方法としては、特許文献1や2に記載されているように、例えばCDの波長のレーザ光を発光させて対物レンズをフォーカス方向(光ディスクに対して垂直方向)に移動させ、反射光から得られるフォーカスエラー信号などの振幅が所定以上の大きさであればCDと判別し、所定以上の大きさでなければDVDと判別するという方法が用いられることが多かった。
【特許文献1】特開2007−48452号公報
【特許文献2】特開2006−79698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、ブルーレイディスク(以下、BDと記す)などの大容量の光ディスクが登場し、1つの光ディスク装置で判別すべき光ディスクの種類が増加している。しかしながら、上述した従来の方法では、例えばCD/DVD/BDを判別しようとすると、CDの波長のレーザ光で所定以上の振幅が得られなかった場合は、DVDかBDのいずれかとなり、さらにDVDまたはBDの波長のレーザ光による判別を行わなければならなくなる。つまり、光ディスクの種別が増加するほど光ディスクの判別に時間がかかってしまうという問題があった。
【0004】
また、上述した方法は光ピックアップの対物レンズが搭載されたアクチュエータを上下に移動させて(フォーカス方向に移動させて)フォーカスエラー信号を取得するが、アクチュエータは通常再生時にはサーボで追従させるためにバネなどの弾性部材で支持されており、外部からの振動による影響を受けやすい。光ディスクの判別を行うのは、一般的にサーボを動作させる前であるために、アクチュエータを移動させている最中に外部から振動が加わると、取得されたフォーカスエラー信号の波形に影響して本来とは異なる波形(振幅)になることがあり、その結果誤判定をしてしまうことがあった。
【0005】
また、BDは、対物レンズとディスクとの距離がCDやDVDよりも短くなっているために、対物レンズの上下移動中に外部から加わる振動によってディスクに衝突しディスクを傷つけてしまうことがあった。
【0006】
そこで、本発明は、例えば判別する光ディスクの種別が増加しても判別時間が長くならず、さらに、外部からの振動による影響が少ない光ディスク判別装置、光ディスク装置および光ディスク判別方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の光ディスク判別装置は、光源と、前記光源から出射された光を光ディスクに照射する対物レンズと、前記光源から出射された光を前記対物レンズへ入射する際の集光の度合いを変更する集光度可変手段と、前記光ディスクからの反射光を受光して電気信号を生成する受光手段と、を本体に備えた光ディスク判別装置において、前記対物レンズとは別に設けられるとともに前記本体に固定されるレンズであって、当該レンズに入射する際の集光の度合いを変更可能な前記集光度可変手段を介して前記光源から出射された光を入射する集光レンズと、前記集光度可変手段に前記集光レンズへ入射する際の集光の度合いを変更させて前記集光レンズから前記光ディスクへ光を照射させ、その反射光を前記受光手段に受光させて前記電気信号が生成された際の前記集光の度合いによって前記光ディスクの種別を判別する判別手段と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
請求項10に記載の光ディスク判別方法は、光源から出射された光を光ディスクに対物レンズから照射してその反射光から信号を得て光ディスクの種別を判別する光ディスク判別方法において、前記光源から出射された光を、対物レンズとは別に設けられ本体に固定された集光レンズへ集光の度合いを変更して入射して、前記集光レンズの前記光ディスク上の焦点を変更し、前記光ディスクの反射光から信号が得られた際の前記集光の度合いによって前記光ディスクの種別を判別することを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態にかかる光ディスク判別装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる光ディスク判別装置は、対物レンズとは別に設けられるとともに本体に固定された集光レンズへ集光度可変手段に集光の度合いを変更させて光源からの光を入射させて光ディスクに照射し、その反射光から電気信号が生成された際の前記集光の度合いによって判別手段が光ディスクの種別を判別しているので、1種類の光源による集光の度合いの違いで光ディスクの種別を判別できるために、光源を切り替える必要が無く、判別すべき光ディスクの種別が増加しても判別時間が長くならない。また、アクチュエータに搭載された対物レンズではなく、本体に固定された集光レンズと、集光度可変手段と、を用いているので、外部からの振動による影響が少なく誤判別を防止することができる。
【0010】
また、集光度可変手段が、コリメータレンズと、コリメータレンズを光源に対して接離する方向に移動させるコリメータレンズ移動手段とを備えてもよい。このようにすることにより、コリメータレンズを光源に対して移動させて集光の度合いを変化させることができ、コリメータレンズの位置で光ディスクの種別を判別することができる。
【0011】
また、互いに異なる波長を有する複数の光源を備え、判別手段が、コリメータレンズの位置が通常再生時とは異なる位置のときに判別される光ディスクの種別に対応した波長の光源を用いて判別を行ってもよい。このようにすることにより、波長の異なる光源を複数備えた場合に、光ディスクを判別するための反射光が通常再生時に影響を及ぼすことを少なくすることができる。
【0012】
また、対物レンズを光ディスクと垂直な方向の所定範囲内で移動自在に支持する支持手段をさらに備え、判別手段が、対物レンズからの光が光ディスクに焦点が合わない位置に移動させてから判別を行ってもよい。このようにすることにより、判別時に対物レンズを介した光ディスクからの反射光による影響を少なくすることができる。
【0013】
また、判別手段が、支持手段を所定範囲の中で光ディスクから最も遠い位置に移動させてから判別を行ってもよい。このようにすることにより、対物レンズの移動可能な範囲の中で最も光ディスクの表面から遠い位置とすることで、ディスクの判別中に外部から振動が加わっても対物レンズと光ディスクとが衝突することを防止できる。
【0014】
また、判別手段が、コリメータレンズを移動させて反射光から生成された電気信号の振幅が予め定めた所定以上の大きさであったときのコリメータレンズの位置で光ディスクの種別を判別してもよい。このようにすることにより、コリメータレンズを移動させて集光の度合いを変化させ、集光の度合いの変化によって集光レンズの光ディスク上における焦点位置が変化するので、反射光から得られる電気信号により記録面が検出でき、その際のコリメータレンズの位置と予め対応付けておけば、電気信号が検出されたコリメータレンズの位置から光ディスクの記録面の位置、すなわちサブストレート厚が判断でき光ディスクの判別を行うことができる。
【0015】
また、集光レンズの焦点距離が、対物レンズの焦点距離よりも長くてもよい。このようにすることにより、集光の度合いを変化させた際の光ディスク上での焦点の合う範囲を広くすることができ、様々なサブストレート厚の光ディスクに対応することができる。
【0016】
また、集光レンズが出射した光を光ディスクの方向へ反射する反射手段を備えてもよい。このようにすることにより、集光レンズの焦点距離をより長くすることができる。
【0017】
また、電気信号が、フォーカスエラー信号であってもよい。このようにすることにより、フォーカスエラー信号は、記録面に焦点が合った際に観測されるので、容易に記録面に焦点が合ったこと、すなわち記録面を検出することができる。
【0018】
また、請求項1乃至9のうちいずれか一項に記載の光ディスク判別装置を光ディスク装置に備えてもよい。このようにすることにより、光ディスクの再生や記録などを行う光ディスク装置において、再生または記録する光ディスクの判別時間を短くするとともに、その際に外部振動に影響を受けにくくすることができる。
【0019】
また、本発明の一実施形態にかかる光ディスク判別方法は、対物レンズとは別に設けられるとともに本体に固定された集光レンズへ集光の度合いを変更させて光源からの光を入射させて光ディスクに照射し、その反射光から信号が得られた際の集光の度合いによって光ディスクの種別を判別しているので、1種類の光源による集光の度合いの違いで光ディスクの種別を判別できるために、光源を切り替える必要が無く、判別すべき光ディスクの種別が増加しても判別時間が長くならない。また、アクチュエータに搭載された対物レンズではなく、本体に固定された集光レンズへの集光の度合いを変更しているので、外部からの振動による影響が少なく誤判別を防止することができる。
【実施例1】
【0020】
本発明の第1の実施例にかかる光ディスク装置としての光ディスク再生装置1を図1乃至図7を参照して説明する。光ディスク再生装置1は、CD、DVD、BDが再生可能な装置であり、図1に示すようにディスクモータ2と、光ピックアップ3と、RFアンプ4と、サーボ信号処理部5と、ドライバ6と、音声/映像信号処理部7と、メモリ8と、DAコンバータ9と、マイクロコンピュータ10と、音声信号/映像信号出力端子11とを備えている。
【0021】
ディスクモータ2は、光ディスク再生装置1にセットされた光ディスク12を回転させるためのモータであり、スピンドルモータなどで構成されている。
【0022】
光ピックアップ3は、光ディスク12に照射するレーザ光を発生させるレーザダイオードや、光ディスク12上にレーザダイオードからのレーザ光を照射するための対物レンズ、サーボ信号処理部5からの信号によりフォーカス方向やトラッキング方向に対物レンズを駆動するためのアクチュエータおよび光ディスク12から反射された反射光を受ける受光器や、レーザ光を対物レンズへ導いたり反射光を受光器へ導く光学系などを備え、受光器の出力から光ディスク12に記録されている映像や音楽などを含むRF信号やフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号などを生成し出力するRFアンプ4へ出力する。
【0023】
光ピックアップ3は、図2の斜視図に示すように本体としてのケース3aと、アクチュエータ3bと、対物レンズ3c1、3c2と、光源としてのレーザダイオード(以下、LDと記す)3d1,3d2と、受光手段としてのフォトダイオード(以下、PDと記す)3eと、ダイクロプリズム3fと、偏光プリズム3gと、1/4波長板3hと、集光度可変手段としてのコリメータレンズ3iと、集光度可変手段およびコリメータレンズ移動手段としてのパルスモータ3jと、第1ミラー3kと、第2ミラー3lと、集光レンズ3mと、反射手段としての第3ミラー3nと、マルチレンズ3oと、を備えている。
【0024】
ケース3aは、扁平な箱状に形成されており、図示しないスレッドモータやリードスクリューなどによって、光ディスク12の径方向に沿って移動自在に支持されている。
【0025】
支持手段としてのアクチュエータ3bは、光ディスク12の表面すなわち記録面と相対して、ケース3aにバネなどの弾性部材で光ディスク12の表面に対して垂直な方向に沿って所定の範囲に移動自在に支持されている。アクチュエータ3bは、後述する対物レンズ3c1、3c2を光ディスク12の表面に対して直交する方向に沿って移動して、LD3d1,3d2から発して光ディスク12の記録面から反射されたレーザ光La(図3中に二点鎖線で示す)をPD3eが受光できる位置に、対物レンズ3c1、3c2を位置付ける。
【0026】
対物レンズ3cは、アクチュエータ3bに搭載され、BD用の対物レンズ3c1とCD/DVD用の対物レンズ3c2との2種類が設けられている。
【0027】
LD3d1はBD、LD3d2はCD/DVDにそれぞれ対応した波長のレーザ光を出射し、前述したケース3a内に設けられている。LD3d1,LD3d2が出射するレーザ光Laは直線偏光となっている。
【0028】
PD3eはケース3a内に設けられている。また、PD3eは、光ディスク12の記録面が反射したレーザ光La,Lbを受光する。PD3eは、受光したレーザ光La,Lbに応じた電気信号としてのフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号およびRF信号を生成してRFアンプ4に出力する。
【0029】
ダイクロプリズム3fは、前述したLD3d1,3d2の近傍に配置され、該LD3d1,3d2からのレーザ光Laが入射する。ダイクロプリズム3fは、LD3d1からのレーザ光Laを全反射して偏光プリズム3gに向かって出射するとともに、LD3d2からのレーザ光Laを全透過して偏光プリズム3gに向かって出射する。
【0030】
偏光プリズム3gは、前述したダイクロプリズム3fの近傍に配置されているとともに、該ダイクロプリズム3fからのレーザ光Laが入射する。偏光プリズム3gは、ダイクロプリズム3f即ちLD3d1,3d2からのレーザ光Laを1/4波長板3hに向かって反射するとともに、光ディスク12の記録面から反射されたレーザ光La,Lbを透過する。
【0031】
1/4波長板3hは、偏光プリズム3gの近傍に配置され、偏光プリズム3gが全反射したレーザ光Laが入射するとともに、光ディスク12の記録面から反射されたレーザ光La,Lbが入射する。1/4波長板3hは、偏光プリズム3gが全反射した直線偏光のレーザ光Laから円偏光のレーザ光Laに切り換えて、該切り換えたレーザ光Laをコリメータレンズ3iに向かって出射する。1/4波長板3hは、光ディスク12の記録面から反射された円偏光のレーザ光La,Lbを、直線偏光のレーザ光La,Lbに切り換えて、該切り換えたレーザ光La,Lbを偏光プリズム3gすなわちPD3eに向かって出射する。
【0032】
コリメータレンズ3iは、1/4波長板3hの近傍に配置され、かつ後述するパルスモータ3jによって図2の矢印X方向すなわちLD3d1,LD3d2と接離する方向(近づいたり離れたりする方向)に移動自在となっている。コリメータレンズ3iが移動する方向はコリメータレンズ3iに入射するレーザ光の光軸Pと平行な方向でもある。コリメータレンズ3iは、1/4波長板3hからのレーザ光Laを第1ミラー3kに向かって出射するとともに、第1ミラー3kから入射したレーザ光(光ディスク12の記録面から反射されたレーザ光)La,Lbを1/4波長板3hに向かって出射する。
【0033】
パルスモータ3jは、コリメータレンズ3iを図2の矢印X方向すなわちLD3d1,LD3d2と接離する方向(近づいたり離れたりする方向)に移動させる。コリメータレンズ3iは、パルスモータ3jに移動されることによって、第1ミラー3kに出射するレーザ光Laの集光の度合いが変更される。集光の度合いとは集束光となるか発散光となるか及びどの程度の集束率または発散率となるかを表す。
【0034】
第1ミラー3kは、コリメータレンズ3iから入射したレーザ光LaのうちLD3d1から出射された光すなわちBD用の波長の光のみを対物レンズ3c1に向かって全反射するとともに、LD3d2から出射された光すなわちCD/DVD用の波長の光を透過し第2ミラー3lに向かって出射する。また、第1ミラー3kは対物レンズ3c1からのレーザ光Laをコリメータレンズ3iに向かって反射するとともに第2ミラー3lから入射したレーザ光La,Lbを透過する。
【0035】
第2ミラー3lは、第1ミラー3kから入射したレーザ光LaのうちLD3d2から出射されたDVD用の波長の光は対物レンズ3c2に向かって全反射するとともに、CD用の波長の光は70〜80%程度を対物レンズ3c2に向かって反射しCD用の波長の光の20〜30%程度を透過し集光レンズ3mに向かって出射する。また、第2ミラー3lは対物レンズ3c2からのレーザ光Laを第1ミラー3kに向かって反射するとともに集光レンズ3mから入射したレーザ光Lbを透過する。
【0036】
集光レンズ3mは、ケース3aに固定され、第2ミラー3lから入射したレーザ光Laを集束光として第3ミラー3nに出射するとともに、第3ミラー3nから入射したレーザ光Lbを透過する。
【0037】
第3ミラー3nは、集光レンズ3mから入射したレーザ光Laを光ディスク12に向かって全反射するとともに、光ディスク12の記録面から反射されたレーザ光Lbを集光レンズ3mに向かって全反射する。また、第3ミラー3nを用いることで集光レンズ3mの焦点距離を対物レンズ3c1、3c2よりも長くしている。
【0038】
マルチレンズ3oは、偏光プリズム3gの近傍に配置され、光ディスク12の記録面から反射されたレーザ光La,LbをPD3eに向かって出射する。
【0039】
上述したように、ダイクロプリズム3fと、偏光プリズム3gと、1/4波長板3hと、コリメータレンズ3iと、第1ミラー3kと、第2ミラー3lと、集光レンズ3mと、第3ミラー3nと、マルチレンズ3oとで、光学系を構成し、LD3d1,3d2と、光ディスクの記録面と、PD3eとを光学的に接続する。
【0040】
すなわち、LD3d1からのレーザ光Laをダイクロプリズム3fで全反射して、偏光プリズム3g、1/4波長板3h、コリメータレンズ3i、第1ミラー3k、対物レンズ3c1を介して、光ディスク12の記録面に導く。また、LD3d2からのレーザ光Laをダイクロプリズム3fを全透過して、偏光プリズム3g、1/4波長板3h、コリメータレンズ3i、第1ミラー3k、第2ミラー3lに導く。さらに、対物レンズ3c2または集光レンズ3mと第3ミラー3nを介して、光ディスク12の記録面に導く。そして、光ディスク12の記録面から反射されたレーザ光Laを対物レンズ3c1と第1ミラー3kまたは対物レンズ3c2と第2ミラー3lと第1ミラー3kを介してコリメータレンズ3iへ導く。また、光ディスク12の記録面から反射されたレーザ光Lbを第3ミラー3nと集光レンズ3mと第2ミラー3lと第1ミラー3kを介してコリメータレンズ3iへ導く。レーザ光La,Lbを1/4波長板3h、偏光プリズム3g、マルチレンズ3oを介してPD3eに受光させる。こうして、ダイクロプリズム3fと、偏光プリズム3gと、1/4波長板3hと、コリメータレンズ3iと、第1ミラー3kと、第2ミラー3lと、集光レンズ3mと、第3ミラー3nと、マルチレンズ3oと、が、LD3d1,3d2と光ディスク12の記録面とPD3eとを光学的に接続する。光学的に接続するとは、光軸P(図2などに示す)が同一線上に位置することをいう。
【0041】
RFアンプ4は、光ピックアップ3から入力される信号を所定の値に増幅し、サーボ信号処理部5へ出力する。
【0042】
サーボ信号処理部5は、RFアンプ4から入力されるフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号などの制御信号を基に光ピックアップ3のアクチュエータを駆動させてフォーカスおよびトラッキングの制御などを行い光ディスク12に記録された情報を正確に読めるようにする。また、入力されたフォーカスエラー信号のレベルをマイクロコンピュータ10へ出力する。さらに、光ディスク12に記録された映像や音楽などを含むRF信号をアナログ/デジタル変換して音声/映像信号処理部7へ出力する。
【0043】
ドライバ6は、サーボ信号処理部5から入力された信号からディスクモータ2および光ピックアップ3のアクチュエータ3bへの駆動信号を生成し出力する。
【0044】
音声/映像信号処理部7は、サーボ信号処理部5から入力された信号にエラー訂正などを行った後復調や復号を行いメモリ8へ出力する。そしてマイクロコンピュータ10からの要求に従ってメモリ8から読み出してDAコンバータ9へ出力する。
【0045】
メモリ8は、音声/映像信号処理部7で再生された音声などのデータを所定量(数秒ないし十秒程度)一時的に格納するためのメモリであり、半導体メモリで構成される。
【0046】
DAコンバータ9は、メモリ8に格納されたデータが入力され、そのデジタル信号であるデータをアナログ信号に変換し音声信号/映像信号出力端子11から出力する。
【0047】
判別手段としてのマイクロコンピュータ10は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)とを内蔵し、光ディスク12の挿入や排出、再生や停止などの各操作における光ディスク再生装置1全体の制御など行い、本実施例においてはセットされた光ディスク12の判別も行う。
【0048】
上述したように、本発明の一実施例にかかる光ディスク判別装置は光ピックアップ3と、サーボ信号処理部5と、マイクロコンピュータ10と、から構成される。
【0049】
次に、本発明の動作原理を図4を用いて説明する。図4は、図2や図3からLD3d1または3d2とコリメータレンズ3iと集光レンズ3mと光ディスク12のみを抜き出した簡易図であり、図4(a)は光ディスク12がDVDの場合、図4(b)は、光ディスク12がBDの場合、図4(c)は、光ディスク12がCDの場合に、各記録面に焦点が合うための構成である。
【0050】
図4(a)に示したように、コリメータレンズ3iの基準位置でDVDの記録面(すなわちレーザ光が入射するディスク表面から0.6mm)に焦点が合うように設定した場合、コリメータレンズ3iをLD3d1または3d2から離れる方向に移動させると図4(b)に示したようにコリメータレンズ3iから出射される光が図4(a)よりも集束され光ディスク12上の焦点位置が図4(a)に対して手前側にあるBDの記録面(すなわちレーザ光が入射するディスク表面から0.1mm)に移動する。また、コリメータレンズ3iをLD3d1または3d2に近づく方向に移動させると図4(c)に示したようにコリメータレンズ3iから出射される光が図4(a)よりも発散され光ディスク12上の焦点位置が図4(a)に対して奥側にあるCDの記録面(すなわちレーザ光が入射するディスク表面から1.2mm)に移動する。
【0051】
つまり、コリメータレンズ3iを光ディスク12から接離する方向(近づいたり離れたりする方向)に移動することでコリメータレンズ3iの集光の度合いを変化させて、その集光の度合いが変化した光を集光レンズ3mを介して光ディスク12に照射すると光ディスク12における焦点位置が変化する。したがって、光ディスクの種別毎の記録面の位置(サブストレート厚)と集光の度合い(コリメータレンズ3iの位置)を予め対応付けておき、実際に判別する光ディスク12の記録面に焦点が合うときに得られる信号(フォーカスエラー信号など)を検出された際の集光の度合い、つまりコリメータレンズ3iの位置を検出することで、光ディスク12の種別を判別することができる。
【0052】
一例として、コリメータレンズ焦点距離f1=L1=18mm、コリメータレンズ3iと集光レンズ3mとの距離L2=15mm、集光レンズ焦点距離f2=10mmとした場合の、コリメータレンズ3iを移動範囲の中央に位置させた時にDVDの記録面上で焦点が合うように集光レンズ3mを配置した場合のコリメータレンズ3iの移動量に対する焦点位置の移動量を図5に示す。
【0053】
図5によれば、コリメータレンズ3iの移動範囲の中央を0mmとしたときに、コリメータレンズ3iの移動が+2mm(LDから離れる)では、基準としてのDVDの記録面(0mm)から焦点位置は0.56mm短くなる。またコリメータレンズ3iの移動が−2mm(LDに近づく)では、基準としてのDVDの記録面(0mm)から焦点位置は0.66mm長くなる。CD、DVD、BDの記録面までのサブストレート厚はそれぞれ1.2mm、0.6mm、0.1mmであるが、光学的厚さは樹脂屈折率を1.5として換算するとそれぞれ0.8mm、0.4mm、0.07mmとなる。つまり、DVDを基準(図5中A点)とすると、CDは+0.4mm(図5中B点)、BDは−0.33mm(図5中C点)となる。
【0054】
したがって、CD、DVD、BDのそれぞれのディスクをセットして、コリメータレンズ3iを−2mm〜+2mmまで移動させた場合のコリメータレンズ3iの位置とPD3eのフォーカスエラー信号出力との関係は図6のようになり、図6内に示したように、例えば所定の大きさ以上である振幅のフォーカスエラー信号が検出された際の位置により、−2mm〜−0.5mmでフォーカスエラー信号が検出された場合はCD(図6(a))、−0.5mm〜+0.5mmでフォーカスエラー信号が検出された場合はDVD(図6(b))、+0.5mm〜+2mmでフォーカスエラー信号が検出された場合はBD(図6(c))と判別することができる。
【0055】
この例において、集光レンズ3mのNA(開口数)は0.2程度である。光ディスク12の厚さにより発生する球面収差はNAの4乗に比例するので、この程度のNAとするとDVDの対物レンズNA0.6と比べて、光ディスク12の厚さに対する影響度が大幅に減少され、サブストレート厚0.1〜1.2mmまで変化したときの、球面収差による影響が小さく、BD、DVD、CD装填時のフォーカスエラー信号の大きさのばらつきを減少できる。
【0056】
次に、図1乃至図3に示すような構成からなる光ディスク再生装置1において、光ディスク12の種別を判別する動作を図7に示すフローチャートを参照して説明する。図7に示したフローチャートは、マイクロコンピュータ10のROMに記憶されている制御プログラムをマイクロコンピュータ10のCPUが実行することで実現される。
【0057】
まず、ステップS1において、光ディスク再生装置1に光ディスク12を挿入してステップS2に進む。例えば、図示しない挿入部などから光ディスク12を挿入して、再生位置に光ディスク12をクランプして、ディスクモータ2により回転させる。
【0058】
次に、ステップS2において、LD3d2を点灯(ON)して、ステップS3に進む。本実施例ではCDの波長のレーザ光を用いて判別を行う。すなわち、コリメータレンズ3iが通常再生時とは異なる位置のときに判別される光ディスク12の種別に対応した波長の光源を用いている。よって、CDの通常再生時に集光レンズ3mを介したレーザ光が光ディスク12の記録面で焦点が合うことがない。
【0059】
次に、ステップS3において、アクチュエータ(ACT)3bを光ディスク12の表面から離れる方向に移動させて(下に逃がして)ステップS4に進む。本ステップでは光ディスク判別動作中に、アクチュエータ3bに搭載された対物レンズ3c2から照射されたレーザ光による影響が無いように対物レンズ3c2で光ディスク12に記録面に焦点が合わないような位置に移動させている。さらには、対物レンズ3c1、3c2の移動可能な範囲の中で最も光ディスク12の表面から遠い位置とすることで、ディスクの判別中に外部から振動が加わっても対物レンズ3c1、3c2とディスクとが衝突することを防止している。
【0060】
次に、ステップS4において、コリメータレンズ3iをLD3d2に最も近づく位置(最も前)に移動させてステップS5に進む。本ステップではパルスモータ3jによってコリメータレンズ3iをLD3d2に最も近づく位置(−2mm)に移動させている。
【0061】
次に、ステップS5において、コリメータレンズ3iをLD3d2から離れる方向に移動させながらPD3eから出力されるフォーカスエラー信号レベルを測定してステップS6に進む。
【0062】
次に、ステップS6において、フォーカスエラー信号が観測されたコリメータレンズ3iの位置を検出してステップS7に進む。本ステップでは、フォーカスエラー信号レベル(振幅)が予め定めた所定以上の大きさ以上であった場合観測されたと判断する。すなわち、フォーカスエラー信号が得られた際の集光の度合いを検出している。
【0063】
次に、ステップS7において、ステップS6において観測されたコリメータレンズ3iの位置が−2mm〜−0.5mmの範囲であった場合(Yesの場合)は光ディスク12はCDであると判別して終了する。そうでない場合(Noの場合)はステップS8に進む。
【0064】
次に、ステップS8において、ステップS6において観測されたコリメータレンズ3iの位置が−0.5mm〜+0.5mmの範囲であった場合(Yesの場合)は光ディスク12はDVDであると判別して終了する。そうでない場合(Noの場合)はコリメータレンズ3iの位置は+0.5mm以上であることが明らかであるため光ディスク12はBDであると判断して終了する。
【0065】
そして、判別された光ディスク12は、判別された種別に合ったLDと対物レンズにより再生される。この際にコリメータレンズ3iは、CD,DVDの場合は図5、図6の±0mmの位置に、BDの場合は、球面収差の影響を少なくするために所定の位置に移動する。CDの再生中は、集光レンズ3mを介して反射光がPD3eに入射することがあるが、コリメータレンズ3iの位置が判別時とは異なるために微小なノイズとして認識される。このノイズは音声/映像信号処理部7などで除去することが可能である。また、第2ミラー3lと集光レンズ3mとの間に液晶シャッターなどシャッター機構を設けることで、判別時以外は集光レンズ3mにレーザ光が入射しないようにしてもよい。なお、DVD、BDの再生中は、BDの波長のレーザ光は第1ミラー3kで対物レンズに全反射され、DVDの波長のレーザ光は第2ミラー3lで全反射されるので集光レンズ3mからの反射光による影響は無い。
【0066】
本実施例によれば、光ディスク12の種別を判別する際に、光ピックアップ3に、ケース3aに固定されるとともにコリメータレンズ3iから出射した光が入射する集光レンズ3mと、集光レンズ3mから出射した光を光ディスク12へ反射する第3ミラー3nと、を設け、コリメータレンズ3iをLD3d1または3d2と接離する方向に移動させることで集光レンズ3mの光ディスク12上の焦点を移動させ、光ディスク12の記録面に照射したときの反射光から所定の振幅以上のフォーカスエラー信号が観測された際のコリメータレンズ3iの位置を検出することで、光ディスク12の種別を判別しているので、LDを切り替えることなくCD,DVD,BDの判別が可能となり、判別すべき種別が増加しても判別時間が長くならない。また、判別に用いる集光レンズ3mがケース3aに固定されているので、外部からの振動に強く、振動の影響による誤判別を少なくすることができる。
【0067】
また、CDの波長のレーザ光で判別を行っているので、通常再生時に集光レンズ3mからの反射光による影響が少ない。CDはコリメータレンズ3iが通常位置、つまり、再生時の位置とは異なる位置で判別されるため、集光レンズ3mの反射光によるノイズの影響を少なくすることができる。
【0068】
また、判別中にアクチュエータ3bを光ディスク12から最も遠い位置に固定して上下動させないので、対物レンズ3c1または2c2から光ディスク12に出射した光が記録面へ焦点が合わなくなることから、その反射光が対物レンズ3c1または3c2を介して判別時に影響を与えることが少なくなる。また、外部からの振動により対物レンズ3c1または3c2が光ディスク12に衝突することがなくなる。
【0069】
また、集光レンズ3mから出射したレーザ光を第3ミラー3nを介して光ディスク12に照射することで、対物レンズ3c1、3c2よりも焦点距離を長くしているので、コリメータレンズ3iを移動させたときの集光レンズ3mから照射されるレーザ光の焦点位置をCD、DVD、BDの全てに対応できるほど広くすることができる。
【実施例2】
【0070】
次に、本発明の第2の実施例を図8を参照して説明する。なお、前述した第1の実施例と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0071】
上述した第1の実施例では集光度可変手段としてコリメータレンズ3iと、パルスモータ3jを用いていたが、本実施例では、コリメータレンズ3iは固定し、コリメータレンズ3iと第1ミラー3kとの間に、液体レンズ20を設けることで、集光レンズ3mへ入射するレーザ光の集光の度合いを変化させている。
【0072】
図8に液体レンズの構造を示す。液体レンズ20は異なる屈折率を持つ伝導性の水溶液25および非伝導のオイル24で構成されている。これらが透明なガラス容器の中に入っており、ガラス容器の内壁のうち伝導性の水溶液25と接触する部分以外は、疎水性(撥水性)のコーティング21で覆われている。これによって、容器の反対の端では、水性溶液が半球状の固まりになり、球状レンズとして機能する。レンズの形状は、疎水性のコーティング21全体に電場を作り、疎水性を弱くすることで表面の張力を変化させることにより調整される。電圧がかかると、電荷がガラス板23の電極22に集まり、反対の極性の電荷は、導電性の液体中の固体と液体が接する面の近くに集まる。それにより発生した静電気の力によって、固体と液体の界面張力が弱まり、接触角度が変化し、2つの液体間(非伝導のオイル24と伝導性の水溶液25)にできる凹凸レンズの曲率半径が変化するため、レンズの焦点距離すなわち集光の度合いが変化する。つまり、各種別の記録面が検出される際の液体レンズ20にかける電圧の対応を予め求めておき、判別動作時にはフォーカスエラー信号が観測された際の液体レンズ20の電圧を検出して、その電圧から光ディスク12の種別を判別する。
【0073】
なお、上述した液体レンズ20以外に、2枚の透明電極が形成されたガラス基板の間に液晶が充填され、ガラス基板に電圧を印加すると、印加された電圧による電界に従って液晶分子の配向が偏倚されることで屈折率を変化させることができるレンズを用いてもよい。
【0074】
本実施例によれば、コリメータレンズ3iを固定して、液体レンズ20で集光の度合いを変化させているので、パルスモータ3jなどの移動手段が不要となり、電気的な切り替えのみで光ディスク12の種別を判別することができる。
【0075】
なお、上述した実施例のコリメータレンズ焦点距離f1=L1、コリメータレンズ3iと集光レンズ3mとの距離L2、集光レンズ焦点距離f2の各値は一例であり、適宜変更してもよい。但し、判別する光ディスクの記録面がコリメータレンズ3iが移動できる範囲で集光できるように各距離や集光レンズ3mのNAなどを設定する必要がある。
【0076】
また、上述した実施例では記録面が1層の光ディスク12で説明したが、2層以上の光ディスク12の判別にも適用することができる。
【0077】
また、上述した実施例では光ディスク12を回転させて判別していたが、停止した状態で行ってもよい。
【0078】
また、上述した実施例では光ディスク装置として光ディスク再生装置1を説明したが、光ディスク記録装置に適用してもよい。また、CD/DVD/BDの3種の判別に限らずHD−DVDなど他の種別の判別に適用してもよい。
【0079】
前述した実施例によれば、以下の光ディスク判別装置と光ディスク判別方法が得られる。
【0080】
(付記1)LD3d1、3d2と、LD3d1、3d2から出射された光を光ディスク12に照射する対物レンズ3c1、3c2と、LD3d1、3d2から出射された光を対物レンズ3c1、3c2へ入射する際の集光の度合いを変更するコリメータレンズ3i及びパルスモータ3jと、光ディスク12からの反射光を受光して電気信号を生成するPD3eと、をケース3aに備えた光ディスク判別装置において、
対物レンズ3c1、3c2とは別に設けられるとともにケース3aに固定されるレンズであって、当該レンズに入射する際の集光の度合いを変更可能なコリメータレンズ3iを介してLD3d1、3d2から出射された光がコリメータレンズ3i及びパルスモータ3jを介して入射する集光レンズ3mと、
パルスモータ3jに集光レンズ3mへ入射する際のコリメータレンズ3iを移動させて集光レンズ3mから光ディスク12へ光を照射させ、その反射光をPD3eに受光させて電気信号が生成された際のコリメータレンズ3iの位置によって光ディスク12の種別を判別するマイクロコンピュータ10と、
を備えたことを特徴とする光ディスク判別装置。
【0081】
この光ディスク判別装置によれば、1種類のLDにおけるコリメータレンズ3iの位置で光ディスク12の種別を判別できるために、LDを切り替える必要が無く、判別すべき光ディスク12の種別が増加しても判別時間が長くならない。また、アクチュエータ3bに搭載された対物レンズ3c1または3c2ではなく、ケース3aに固定された集光レンズ3mと、コリメータレンズ3iおよびパルスモータ3jと、を用いているので、外部からの振動による影響が少なく誤判別を防止することができる。
【0082】
(付記2)LD3d1または3d2から出射された光を光ディスク12に照射してその反射光からフォーカスエラー信号を得て光ディスク12の種別を判別する光ディスク判別方法において、
LD3d1または3d2から出射された光を、対物レンズ3c1または3c2とは別に設けられケース3aに固定された集光レンズ3mへコリメータレンズ3iの位置を変更して入射して、集光レンズ3mから光ディスク12へ光の焦点を変更し、光ディスク12の反射光からフォーカスエラー信号が得られた際のコリメータレンズ3iの位置によって光ディスク12の種別を判別することを特徴とする光ディスク判別方法。
【0083】
この光ディスク判別方法によれば、1種類のLDによるコリメータレンズ3iの位置で光ディスク12の種別を判別できるために、LDを切り替える必要が無く、判別すべき光ディスク12の種別が増加しても判別時間が長くならない。また、アクチュエータ3bに搭載された対物レンズ3c1または3c2ではなく、ケース3aに固定された集光レンズ3mへの集光の度合いを変更しているので、外部からの振動による影響が少なく誤判別を防止することができる。
【0084】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の一実施例にかかる光ディスク判別装置のブロック図である。
【図2】図1に示された光ディスク判別装置の光ピックアップの斜視図である。
【図3】図1に示された光ディスク判別装置の光ピックアップの平面図である。
【図4】図1に示された光ディスク判別装置の光ピックアップの簡易図である。
【図5】コリメータレンズ3iの移動量に対する焦点位置の移動量を示すグラフである。
【図6】コリメータレンズ3iの位置に対するフォーカスエラー信号の検出位置を示す説明図である。
【図7】光ディスク12の種別を判別する動作を示すフローチャートである。
【図8】液体レンズの構造を示した断面図である。
【符号の説明】
【0086】
1 光ディスク再生装置(光ディスク装置)
3 光ピックアップ
3a ケース(本体)
3b アクチュエータ(支持手段)
3c1 対物レンズ
3c2 対物レンズ
3d1 レーザダイオード(光源)
3d2 レーザダイオード(光源)
3e フォトダイオード(受光手段)
3i コリメータレンズ(集光度可変手段)
3j パルスモータ(集光度可変手段、コリメータレンズ移動手段)
3m 集光レンズ
3n 第3ミラー(反射手段)
5 サーボ信号処理部
10 マイクロコンピュータ(判別手段)
12 光ディスク
20 液体レンズ(集光度可変手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、前記光源から出射された光を光ディスクに照射する対物レンズと、前記光源から出射された光を前記対物レンズへ入射する際の集光の度合いを変更する集光度可変手段と、前記光ディスクからの反射光を受光して電気信号を生成する受光手段と、を本体に備えた光ディスク判別装置において、
前記対物レンズとは別に設けられるとともに前記本体に固定されるレンズであって、当該レンズに入射する際の集光の度合いを変更可能な前記集光度可変手段を介して前記光源から出射された光を入射する集光レンズと、
前記集光度可変手段に前記集光レンズへ入射する際の集光の度合いを変更させて前記集光レンズから前記光ディスクへ光を照射させ、その反射光を前記受光手段に受光させて前記電気信号が生成された際の前記集光の度合いによって前記光ディスクの種別を判別する判別手段と、
を備えたことを特徴とする光ディスク判別装置。
【請求項2】
前記集光度可変手段が、コリメータレンズと、前記コリメータレンズを前記光源に対して接離する方向に移動させるコリメータレンズ移動手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク判別装置。
【請求項3】
互いに異なる波長を有する複数の光源を備え、
前記判別手段が、前記コリメータレンズの位置が通常再生時とは異なる位置のときに判別される光ディスクの種別に対応した波長の光源を用いて判別を行うことを特徴とする請求項2に記載の光ディスク判別装置。
【請求項4】
前記対物レンズを前記光ディスクと垂直な方向の所定範囲内で移動自在に支持する支持手段をさらに備え、
前記判別手段が、前記支持手段を前記対物レンズからの光が前記光ディスクに焦点が合わない位置に移動させてから前記判別を行うことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の光ディスク判別装置。
【請求項5】
前記判別手段が、前記支持手段を前記所定範囲の中で前記光ディスクから最も遠い位置に移動させてから前記判別を行うことを特徴とする請求項4に記載の光ディスク判別装置。
【請求項6】
前記判別手段が、前記コリメータレンズを移動させて前記反射光から生成された電気信号の振幅が予め定めた所定以上の大きさであったときの前記コリメータレンズの位置で前記光ディスクの種別を判別することを特徴とする請求項2乃至5のうちいずれか一項に記載の光ディスク判別装置。
【請求項7】
前記集光レンズの焦点距離が、前記対物レンズの焦点距離よりも長いことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の光ディスク判別装置。
【請求項8】
前記集光レンズが出射した光を、前記光ディスクの方向へ反射する反射手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の光ディスク判別装置。
【請求項9】
前記電気信号が、フォーカスエラー信号であることを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか一項に記載の光ディスク判別装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のうちいずれか一項に記載の光ディスク判別装置を備えた光ディスク装置。
【請求項11】
光源から出射された光を光ディスクに照射してその反射光から信号を得て光ディスクの種別を判別する光ディスク判別方法において、
前記光源から出射された光を、対物レンズとは別に設けられ本体に固定された集光レンズへ集光の度合いを変更して入射して、前記集光レンズの前記光ディスク上の焦点を変更し、前記光ディスクの反射光から信号が得られた際の前記集光の度合いによって前記光ディスクの種別を判別することを特徴とする光ディスク判別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−104679(P2009−104679A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−272675(P2007−272675)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】