説明

光ファイバ一体型フェルールの製造方法及び装置

【課題】 中子ピン使用や接着剤使用による問題や、接着剤に起因する使用中の熱サイクルにより光ファイバが剥離するといった問題もなく、光ファイバの装着位置精度が高く、かつ強固に結合した安価な光ファイバ一体型フェルールを連続的に製造できる方法及び装置を提供する。
【解決手段】 製品外形を規制する少なくとも1つのキャビティ2を有する金型1の各キャビティ内に挿通した状態に長尺な光ファイバ4を張設し、上記キャビティ内に流動性材料を射出充填する工程と上記光ファイバを間欠的に移動させる工程を順次繰り返し、上記光ファイバに多数の射出成形品Bが所定間隔で固着した一連の中間品を製造し、次いで中間品の光ファイバを所定の長さに切断し、上記射出成形品に仕上げ加工を施す。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信に使用される光ファイバ端末(もしくは光ファイバケーブル端末)を接続及び/又は固定するために用いられる光ファイバ一体型フェルールの製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】光コネクタ用部材には、光の損失を防ぐために高い寸法精度が要求される。すなわち、光ファイバ同士の軸線を一致させて接続し、光の損失を防ぐためには、光ファイバを固定、整列させる部材にサブミクロンオーダーの高い精度での加工が必要である。従来、光コネクタ用フェルール(キャピラリともいう)を製造する場合、まず、バインダを含むセラミック粉末や、合成樹脂、金属等の射出成形、押出成形等によって一次成形し(特公平8−30775号、特開平8−15568号、特開平8−194131号、特開平9−141704号、特開平10−186176号等)、得られたブランクを、用いた材料に応じて脱脂、焼結した後、外径研磨加工、内径研磨加工、先端凸球面加工(PC研磨)等の機械加工により所望の寸法に仕上げ加工されている。また、フェルールの光ファイバ挿入部の細孔(光ファイバ挿通細孔)の内径は極めて小さいため(例えばSC型と呼ばれるキャピラリの細孔径は0.126mm)、その内径加工には一般に光ファイバラッピング加工が採用されている。このため、製造工程が長大で、高価な内径加工機、外径研磨機などの装置を必要とし、製造コストが高いという問題があった。
【0003】また、従来の射出成形法により光コネクタ用フェルール(キャピラリ)を製造する場合、光ファイバ挿通細孔を形成するために用いられる中子ピンは直径0.1mm程度の細い物であるため、鋳造時もしくは鋳造後の引き抜きによって中子ピンが折れたり、曲がったりするという問題がある。しかも、中子ピンは高価であるため、製造コストが高くなる。しかも、このようにして形成した光ファイバ挿通細孔の孔内表面を平滑化し、断面真円度や精度を出すためには内径仕上げ加工が必要であり、製造コストの増大を余儀なくされている。
【0004】さらに、上記のように成形加工したフェルールの細孔に光ファイバを挿入し、固定する際には、光ファイバの先端部に接着剤をつけて細孔内に挿入する接着工程が必要となる。この際に用いられる接着剤は吸湿性があり、経時的に劣化するため、光ファイバを挿着したフェルールを長期間安定して使用することは困難である。また、光ファイバと接着剤の線膨張係数が大きく異なるため(例えば、石英ファイバは0.5×10-6/K、フェルール材料の金属ガラスは10×10-6/K、ジルコニアは9×10-6/Kであるのに対し、接着剤は30〜40×10-6/Kである)、使用中の熱サイクルにより剥離などを生じるという問題もある。
【0005】さらにまた、光コネクタ用フェルールの細孔内に光ファイバを挿入するため、光ファイバ挿通細孔の内径は光ファイバ外径よりも若干大きく形成される。そのため、光ファイバ挿通細孔内に光ファイバを挿着したときに、光ファイバの中心がフェルールの中心からずれてしまうという問題があった。このようなズレは、光ファイバの接続損失に大きな影響を及ぼしてしまう。
【0006】従って、本発明の目的は、前記したような中子ピン使用や接着剤使用による問題や、接着剤に起因する使用中の熱サイクルにより光ファイバが剥離するといった問題もなく、光ファイバの装着位置精度が高く、かつ強固に結合した安価な光ファイバ一体型フェルールを連続的に製造できる方法及び装置を提供することにある。さらに本発明の目的は、中子ピンを使用することなく、所定の形状、寸法精度、及び表面品質を満足する光ファイバ一体型フェルールを単一のプロセスで量産性良く製造でき、従って内径仕上げ加工等の機械加工工程やフェルールへの光ファイバの接着工程が不要な方法を提供し、もってフェルール製造コストの削減を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明によれば、製品外形を規制する少なくとも1つのキャビティを有する金型の各キャビティ内に挿通した状態に長尺な光ファイバを張設し、上記キャビティ内に流動性材料を射出充填する工程と上記光ファイバを間欠的に移動させる工程を順次繰り返し、上記光ファイバに多数の射出成形品が固着した一連の中間品を製造する工程;及び上記中間品の光ファイバを所定の長さに切断し、上記射出成形品に仕上げ加工を施す工程、を含むことを特徴とする光ファイバ一体型フェルールの製造方法が提供される。
【0008】前記光ファイバは、光コネクタ用フェルール内部に一端部から他端部にかけてのみ延在している態様、あるいは、さらに光コネクタ用フェルールの一端部から外部に連続的に延出している態様のいずれにも切断、仕上げ加工できる。より具体的な一つの態様では、前記金型のキャビティ内径(従って、フェルールの外径)は0.2〜2.5mmに設定される。また、前記流動性材料としては、セラミックペースト、合成樹脂、金属又は少なくとも体積率50%以上の非晶質相を含む非晶質合金等、種々の材料を用いることができる。
【0009】さらに、本発明によれば、製品外形を規制する少なくとも1つのキャビティを有する金型と;該金型の各キャビティ内に挿通した状態に張設される長尺な光ファイバと;該光ファイバを張設し、かつ間欠的に移動させる手段と;上記金型のキャビティ内に流動性材料を射出充填する射出手段とを備えることを特徴とする光ファイバ一体型フェルールの製造装置が提供される。
【0010】好適な態様においては、前記金型の光ファイバ移動方向前後のいずれか一方又は両方に、さらに調芯機構を備えている。また、前記金型は、光ファイバ移動方向側に開口した少なくとも1つのキャビティを有し、かつ該キャビティ内に光ファイバ移動方向に突出可能なエジェクタ手段を備える金型部と、該金型部の光ファイバ移動方向側に配され、かつ光ファイバ挿通部をパーティング面とする割型部とからなることが好ましい。上記割型部は、光ファイバ移動方向と反対側に開口するキャビティを有することもできる。前記のような方法及び装置により、光ファイバ一体型フェルール(もしくはキャピラリ)を生産性よく製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明による光ファイバ一体型フェルールの製造は、従来のような中子ピンを使用するものではなく、製品外形を規制する少なくとも1つのキャビティを有する金型の各キャビティ内に挿通した状態に長尺な光ファイバを張設し、上記キャビティ内に流動性材料を射出充填する工程と上記光ファイバを間欠的に移動させる工程を順次繰り返し、上記光ファイバに多数の射出成形品が所定の間隔で固着した一連の中間品を製造することを特徴とするものであり、従来の中子ピンを用いたバッチ方式ではなく、光ファイバ一体型フェルールを連続して製造することができる。射出工程の際には光ファイバに対しては張力がかけられているため、流動性材料が光ファイバに対して横方向から流れてきたり、金型内で乱流を起こしたりしても、光ファイバが不用意に曲がることが無く、細孔の精度が高い射出成形品を作製できる。
【0012】このような方法によれば、光ファイバは、光コネクタ用フェルール製造の際の熱収縮もしくは凝固収縮により、上記フェルール内に一体的に強固に固定される。従って、従来のように射出成形の際に高価な中子ピンを使用する必要がなく、またフェルールへの光ファイバの挿着に接着剤を使用する必要もないので、前記したような中子ピン使用や接着剤使用による問題や、接着剤に起因する使用中の熱サイクルにより光ファイバが剥離するといった問題もなく、光ファイバの装着位置精度が高い光ファイバ一体型フェルールを提供することができる。さらに、内径仕上げ加工等の機械加工工程やフェルールへの光ファイバの接着工程が不要で加工工程数を大幅に減少できるので、所定の形状、寸法精度、及び表面品質を満足する光ファイバ一体型フェルールを単一のプロセスで量産性良く製造でき、フェルール製造コストを大幅に削減することができる。
【0013】本発明の光ファイバ一体型フェルールの材料としては、金属、少なくとも体積率50%以上の非晶質相を含む非晶質合金の他、ジルコニア、アルミナ等のセラミックスのペースト、繊維強化サーモトロピック液晶性ポリエステル等の合成樹脂などを用いることができる。以下、フェルール材料として合金を用いた場合を例に挙げて、添付図面を参照しながら、本発明の光ファイバ一体型フェルールの製造方法及び装置について説明する。
【0014】
【実施例】図1及び図2は、本発明の方法により光ファイバ一体型フェルール(キャピラリ)を製造する方法及び装置の一実施例の概略構成を示している。図1及び図2R>2において、符号1は製品形状のキャビティ2を2個有する分割金型であり、その下部にはキャビティ2と連通する湯口3が形成されている。一方、符号4は光ファイバである。金型1は、銅、銅合金、超硬合金、その他の金属材料から作製することができ、また、液体、気体等の冷却媒体や加熱媒体を流通させる流路を配設することもできる。光ファイバ4は、光ファイバ供給リール5から供給され、金型1の各キャビティ2内を挿通した状態に光ファイバ巻取りリール(図示せず)との間に張り渡し、テンションリール6により一定の張力がかかるように設定されている。
【0015】金型1は、図2及び図3に示すように、光ファイバ移動方向側に開口した少なくとも1つのキャビティ2を有し、かつ該キャビティ内に光ファイバ移動方向に突出可能なエジェクタ手段(図示せず)を備える金型部1aと、該金型部1aの光ファイバ移動方向側に配され、かつ光ファイバ挿通部をパーティング面として左右に分離可能な割型部1b,1cとからなる。金型1の下部には、射出スリーブ7が金型1の湯口3に向かって昇降自在に配設されている。また、該射出スリーブ7内には射出プランジャ8が摺動自在に配置され、図示しない油圧シリンダ(又は空圧シリンダ)により上下動される。また、射出スリーブ7の上部周囲には、加熱源として高周波誘導コイル9が配設されている。加熱源としては、高周波誘導加熱の他、抵抗加熱等の任意の手段を採用できる。上記射出スリーブ7及び射出プランジャ8の材質としては、セラミックス、耐熱皮膜コーティング金属材料などの耐熱性材料が好ましい。符号10は固定盤である。なお、溶湯の酸化皮膜形成を防止するために、装置全体を真空中又はArガス等の不活性ガス雰囲気中に配置するか、あるいは少なくとも金型1と射出スリーブ7との間に不活性ガスを流すことが好ましい。
【0016】光ファイバ一体型フェルールの製造に際しては、まず、射出スリーブ7が金型1の下方に離間した状態において、合金原料Aを装填する。合金原料Aの装填方法としては任意の方法が採用できるが、例えば図2に示すように、射出スリーブの側方に原料供給スリーブ11を付設し、原料供給プランジャ12により順次原料を射出スリーブ7内に押し込む方式が有利である。原料供給スリーブ11への原料供給は、原料供給スリーブ11に原料収納マガジンを組み込んで、原料収納マガジンから原料供給スリーブ11に1個ずつ原料が落下するように構成したり、あるいはこのような原料収納マガジンの複数個をターンテーブルに組み込んだカセット方式とし、1つの原料収納マガジン内の原料が無くなったらターンテーブルを所定角度だけ回転させ、次の原料収納マガジンが所定位置に移動するように構成するなど、適宜の構造とすることができる。
【0017】次いで、高周波誘導コイル9を励磁して合金原料Aを急速に加熱する。合金原料Aが溶解したかどうかを溶湯温度を検出して確認した後、高周波誘導コイル9を消磁し、次いで、射出スリーブ7の上端部が金型1の湯口3周囲の固定盤凹部10aに当接するまで、射出スリーブ7及び射出プランジャ8を同期的に上昇させ、さらに射出プランジャ8を急速に上昇させ、溶湯を金型1の湯口3から射出する。射出された溶湯はキャビティ2内に注入、加圧され、急速に凝固される。この際、射出温度、射出速度等を適宜設定することにより、103K/s以上の冷却速度が得ることができる。その後、射出スリーブ7及び射出プランジャ8を下降させ、次の原料装填を行なう。一方、金型温度が金属溶湯の融点以下(非晶質合金材料を用いた場合には、ガラス遷移温度(Tg)以下)になるまで冷却した後、金型1の割型部1b,1cを左右に分離して、後述するようなエジェクト機構により射出成形品を押し出すと共に光ファイバ4を所定距離だけ移動させる。このように金型1のキャビティ2内への射出充填工程と光ファイバ4の間欠的移動工程を順次繰り返し、光ファイバ4に多数の射出成形品B(フェルール)が固着した一連の中間品を製造する。
【0018】次いで、この中間品の光ファイバ4を所定の長さで切断した後、上記射出成形部の外径仕上げ、端部仕上げ(両端縁部に丸みを付ける面取り加工)、PC研磨(凸球面研磨)等の所望の仕上げ工程を行なう。なお、外径仕上げ(外径研磨)は、非晶質合金から作製した場合には行なう必要はないが、必要に応じて行なっても構わない。
【0019】金型1としては、製品部キャビティが2つの金型部で構成されている場合、製品部の型割面にバリ等が生じる。従って、バリ等を生じさせたくない製品部の部分は1つの金型でキャビティを構成することが好ましい。例えば、図3に示すように、フェルール(キャピラリ)部2aのキャビティを1つの金型部1aから構成し、光ファイバ4の移動方向側の金型部は左右に分割可能な2つの割型部1b及び1cから構成する(金型内のエジェクト機構については後で説明するので、省略されている)。なお、符号13は金型部1aに形成された光ファイバ挿通孔、14は割型部1b及び1cのパーティング面に形成された光ファイバ挿通孔である。また、キャピラリ部とフランジ部が一体型の光コネクタ用フェルールを作製する場合、図4に示すように、真円度、円筒度が要求されるキャピラリ部2aのキャビティは1つの金型部1aから構成し、一方、1つの金型で光ファイバ4の移動方向にエジャクトが困難なフランジ部2bは左右に分割可能な2つの割型部1b及び1cから構成する。
【0020】次に、金型内のエジェクト機構について説明する。図3に示すような金型の場合、例えば、キャピラリ部2aのキャビティを形成した金型部1aの光ファイバ挿通部分にエジェクタピンを兼用させる。即ち、図5R>5に示すように、エジェクタピン15a自体に光ファイバ挿通孔13を形成し、該エジェクタピン15aをキャピラリ部2aのキャビティ内に突出可能とする。あるいは、図6に示すように、金型内の製品部又はランナー部をエジェクタピン15bでエジャクトするように構成する。
【0021】光ファイバにはテンションがかかっているためかなりの同心度が得られる。しかしながら、より高い寸法精度が要求される光コネクタ用部品の場合、金型内のキャピラリ部のキャビティに対して光ファイバの同心度を1μm以下にすることが必要となる。このため、光ファイバに調芯機構を設けることが好ましい。なお、金型1の光ファイバ挿通孔13は、光ファイバ4の移動のため数μmのクリアランスが必要である。そのため、金型の外側で光ファイバを調芯する。
【0022】調芯方法の例を図面を参照して説明すると、図7は、圧電素子を用いた調芯方法を示している。この調芯装置17は、直角に配置された固定部17a,17bにそれぞれ取り付けられた一対の圧電素子18a,18bと、該圧電素子によって作動される略L字状の可動部材19aと、該可動部材19a内にその隅角部に向かって移動自在に配された可動部材19bとから構成される。可動部材19bはバネ、電磁石等によって光ファイバ4を可動部材19aの隅角部に押し付け、この状態で可動部材19aは圧電素子18a,18bによって光ファイバ4をX,Y方向に位置決めする。なお、前記のような調芯機構は、金型部1aの側でなく、割型部1b,1cの側又はその両側に設けることができる。しかしながら、光コネクタ用フェルールの場合、先端部(図面上、左側)の孔部の同心度が重要であるため、少なくとも金型部1aの側には調芯機構を配設することが好ましい。
【0023】また、図8及び図9は他の調芯方法の例を示している。図8に示すように、金型部1aの光ファイバ挿通孔13にキャビティ2側に向かって拡大するようなテーパがついている場合、射出時に溶湯の流動方向が光ファイバ挿通孔13に対して同心的なため、光ファイバ4はキャビティ部に対して自動調芯される。一方、図9R>9は光ファイバ移動方向側の調芯方法の例を示している。図9に示すように、射出後、金型1から取り出された射出成形品Bが、金型1内のキャビティ2と同一基準面上、例えば固定盤10上に位置する場合、射出成形品Bの先端部(図面上、左側)が金型1のキャビティ2に対して光ファイバ移動方向側の光ファイバ位置決めとなる。
【0024】前記の方法で製造された製品形状例を図10乃至図12に示す。図10に示す光ファイバ一体型フェルール(キャピラリ)100aは、両端部が切り揃えられた光ファイバ4を一体的に内包した金属製フェルール(キャピラリ)101を示しており、一方、図11の光ファイバ一体型フェルール100bは、一端部は切り揃えられているが、金属製フェルール101の他端部からは内包された光ファイバ4の残りの部分が連続的に延出している製品を示している。図12に示す光ファイバ一体型フェルール(キャピラリ)100cは、キャピラリ部102とフランジ部103が本発明に従って光ファイバ10と共に一体成形されたものであるいずれの製品においても、鋳物の熱収縮もしくは凝固収縮によって、半径方向に若干縮むので、光ファイバ4は金属製フェルールの内部に隙間を生じることなく一体的に強固に固定される。
【0025】本発明の光ファイバ一体型フェルールの製造に用いられる金属材料としては、非晶質合金の他、Al基合金、Mg基合金、Zn基合金、Fe基合金、Cu基合金、チタン合金などのダイカスト用合金を用いることが好ましい。このようなダイカスト用合金は、通常の鋳造法で用いられている合金であり、従来の光コネクタ用部材に用いられているセラミックスや非晶質合金等に比べて安価であり、ダイカストマシンによって該合金を金型内に圧入、成形することによって、光コネクタ用部材を簡単に製造することができる。
【0026】例えば、Al基合金としては、JIS記号によるADC1、ADC5、ADC12など、Al−Si系、Al−Mg系、Al−Si−Cu系又はAl−Si−Mg系のダイカスト用アルミニウム合金を好適に用いることができ、特にADC12は有用である。同様に、Mg基合金としては、例えばMDC1A、MDC2A、MDC3Aなど、Mg−Al系又はMg−Al−Zn系のダイカスト用マグネシウム合金を好適に用いることができ、特にMDC1Aは有用である。Zn基合金としては、例えばAG40A、AG41A、高Mn合金など、Zn−Al系、Zn−Al−Cu系、Zn−Al−Cu−Mg系又はZn−Mn−Cu系のダイカスト用亜鉛合金を好適に用いることができ、特に高Mn合金は有用である。Fe基合金では、例えばねずみ鋳鉄、オーステナイト鋳鉄、ステンレス鋳鋼などがあり、ステンレス鋳鋼が特に有用である。Cu基合金では、例えば黄銅、青銅、アルミニウム青銅などがあり、アルミニウム青銅が特に有用である。また、チタン合金では、例えばα型合金、β型合金、α+β型合金などがあり、α+β型合金が特に有用である。
【0027】これらの金属の中でも、一般式:Feabc(但し、MはNi又は/及びCoであり、XはMn、Si、Ti、Al、Cから選ばれる少なくとも1種の元素であり、a、b、cはそれぞれ重量%で、30≦b≦40、0≦c≦10、aは不可避的不純物を含む残部である。)で示されるFe−M−X系合金が好ましい。上記一般式で表わされるFe−M−X系合金は、高い寸法精度で加工がし易く、かつ、線膨張係数が光ファイバの線膨張係数に近いため、光ファイバを装着するフェルールの材料として適している。
【0028】一方、非晶質合金は、高精度の鋳造性及び加工性を有し、金型鋳造法や金型成形法によって金型のキャビティ形状を忠実に再現した表面平滑な製品を転写性良く製造できるため、金型を適切に作製することにより、所定の形状、寸法精度、及び表面品質を満足する光ファイバ一体型フェルールを単一のプロセスで量産性良く製造できる。非晶質合金としては、本発明の方法を適用できる材料であれば全て使用可能であり、特定の材料に限定されるものではないが、下記一般式(1)〜(6)のいずれか1つで示される組成を有する非晶質合金を好適に使用できる。
【0029】
一般式(1):M1a2bLnc3d4e5f但し、M1はZr及びHfから選ばれる1種又は2種の元素、M2はNi、Cu、Fe、Co、Mn、Nb、Ti、V、Cr、Zn、Al及びGaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、LnはY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Yb及びMm(希土類元素の集合体であるミッシュメタル)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M3はBe、B、C、N及びOよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M4はTa、W及びMoよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M5はAu、Pt、Pd及びAgよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、a、b、c、d、e及びfはそれぞれ原子%で、25≦a≦85、15≦b≦75、0≦c≦30、0≦d≦30、0≦e≦15、0≦f≦15である。
【0030】上記非晶質合金は、下記一般式(1−a)〜(1−p)の非晶質合金を含む。
一般式(1−a):M1a2bこの非晶質合金は、M2元素がZr又はHfと共存するために、混合エンタルピーが負で大きく、アモルファス形成能が良い。
一般式(1−b):M1a2bLncこの非晶質合金のように、上記一般式(1−a)の合金に希土類元素を添加することによりアモルファスの熱的安定性が向上する。
【0031】一般式(1−c):M1a2b3d一般式(1−d):M1a2bLnc3dこれらの非晶質合金のように、原子半径の小さな元素M3(Be,B,C,N,O)でアモルファス構造中の隙間を埋めることによって、その構造が安定化し、アモルファス形成能が向上する。
【0032】一般式(1−e):M1a2b4e一般式(1−f):M1a2bLnc4e一般式(1−g):M1a2b3d4e一般式(1−h):M1a2bLnc3d4eこれらの非晶質合金のように、高融点金属M4(Ta,W,Mo)を添加した場合、アモルファス形成能に影響を与えずに耐熱性、耐食性が向上する。
【0033】一般式(1−i):M1a2b5f一般式(1−j):M1a2bLnc5f一般式(1−k):M1a2b3d5f一般式(1−l):M1a2bLnc3d5f一般式(1−m):M1a2b4e5f一般式(1−n):M1a2bLnc4e5f一般式(1−o):M1a2b3d4e5f一般式(1−p):M1a2bLnc3d4e5fこれらの貴金属M5(Au,Pt,Pd,Ag)を含んだ非晶質合金の場合、結晶化が起きても脆くならない。
【0034】
一般式(2):Al100-g-h-iLng6h3i但し、LnはY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Yb及びMmよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M6はTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta及びWよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M3はBe、B、C、N及びOよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、g、h及びiはそれぞれ原子%で、30≦g≦90、0<h≦55、0≦i≦10である。
【0035】上記非晶質合金は、下記一般式(2−a)及び(2−b)の非晶質合金を含む。
一般式(2−a):Al100-g-hLng6hこの非晶質合金は、混合エンタルピーが負で大きく、アモルファス形成能が良い。
一般式(2−b):Al100-g-h-iLng6h3iこの非晶質合金においては、原子半径の小さな元素M3(Be,B,C,N,O)でアモルファス構造中の隙間を埋めることによって、その構造が安定化し、アモルファス形成能が向上する。
【0036】一般式(3):Mg100-p7p但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、pは原子%で5≦p≦60である。この非晶質合金は、混合エンタルピーが負で大きく、アモルファス形成能が良い。
【0037】一般式(4):Mg100-q-r7q8r但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M8はAl、Si及びCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、q及びrはそれぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦25である。この非晶質合金のように、前記一般式(3)の合金において原子半径の小さな元素M8(Al,Si,Ca)でアモルファス構造中の隙間を埋めることによって、その構造が安定化し、アモルファス形成能が向上する。
【0038】一般式(5):Mg100-q-s7q9s一般式(6):Mg100-q-r-s7q8r9s但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M8はAl、Si及びCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M9はY、La、Ce、Nd、Sm及びMmよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、q、r及びsはそれぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦25、3≦s≦25である。これらの非晶質合金のように、前記一般式(3)及び(4)の合金に希土類元素を添加することによりアモルファスの熱的安定性が向上する。
【0039】前記した非晶質合金の中でも、ガラス遷移温度(Tg)と結晶化温度(Tx)の温度差が極めて広いZr−TM−Al系及びHf−TM−Al系(TM:遷移金属)非晶質合金は、高強度、高耐食性であると共に、過冷却液体領域(ガラス遷移領域)ΔTx=Tx−Tgが30K以上、特にZr−TM−Al系非晶質合金は60K以上と極めて広く、この温度領域では粘性流動により数10MPa以下の低応力でも非常に良好な加工性を示す。また、冷却速度が数10K/s程度の鋳造法によっても非晶質バルク材が得られるなど、非常に安定で製造し易い特徴を持っている。これらの合金の用途研究の結果、溶湯からの金型鋳造によっても、またガラス遷移領域を利用した粘性流動による成形加工によっても、非晶質材料ができると同時に、金型形状及び寸法を極めて忠実に再現し、これらの合金の物性も相俟って光ファイバ一体型フェルールの材料として適している。
【0040】本発明に利用されるこのZr−TM−Al系及びHf−TM−Al系非晶質合金は、合金組成、測定法によっても異なるが、非常に大きなΔTxの範囲を持っている。例えばZr60Al15Co2.5Ni7.5Cu15合金(Tg:652K、Tx:768K)のΔTxは116Kと極めて広い。耐酸化性も極めて良く、空気中でTgまでの高温に熱してもほとんど酸化されない。硬度は室温からTg付近までビッカース硬度(Hv)で460(DPN)、引張強度は1,600MPa、曲げ強度は3,000MPaに達する。熱膨張率αは室温からTg付近まで1×10-5/Kと小さく、ヤング率は91GPa、圧縮時の弾性限界は4〜5%を超える。さらに靭性も高く、シャルピー衝撃値で6〜7J/cm2を示す。このように非常に高強度の特性を示しながら、ガラス遷移領域まで加熱されると、流動応力は10MPa程度まで低下する。このため極めて加工が容易で、低応力で複雑な形状の微小部品や高精度部品に成形できるのが本合金の特徴である。しかも、いわゆるガラス(非晶質)としての特性から加工(変形)表面は極めて平滑性が高く、結晶合金を変形させたときのように滑り帯が表面に現われるステップなどは実質的に発生しない特徴を持っている。
【0041】一般に、非晶質合金はガラス遷移領域まで加熱すると長時間の保持によって結晶化が始まるが、本合金のようにΔTxが広い合金は非晶質相が安定であり、ΔTx内の温度を適当に選べば2時間程度までは結晶が発生せず、通常の成形加工においては結晶化を懸念する必要はない。また、本合金は溶湯からの凝固においてもこの特性を如何なく発揮する。一般に非晶質合金の製造には急速な冷却が必要とされるが、本合金は冷却速度10K/s程度の冷却で溶湯から容易に非晶質単相からなるバルク材を得ることができる。その凝固表面はやはり極めて平滑であり、金型表面のミクロンオーダーの研磨傷でさえも忠実に再現する転写性を持っている。
【0042】従って、光ファイバ一体型フェルール材料として本合金を適用すれば、金型のキャビティ表面が光コネクタ用フェルールの要求特性を満たす表面品質を持っておれば、鋳造材においても金型の表面特性をそのまま再現し、寸法調整、表面粗さ調整の工程を省略又は短縮することができる。以上のように、比較的低い硬度、高い引張強度及び高い曲げ強度、比較的低いヤング率、高弾性限界、高耐衝撃性、高耐磨耗性、表面の平滑性、高精度の鋳造性を併せ持った特徴は、光ファイバ一体型フェルールの材料として適しているばかりでなく、本発明の成形加工方法を適用でき、量産を可能にする。
【0043】次に、本発明の光ファイバ一体型フェルールの適用例について、図面を参照しながら説明する。図1313は、SM型光ファイバと結合した代表的LDモジュール20の構成図を示しており、信号入力端子21が接続されたキャップ22には、モニタPD23及び発光素子としてのLD(レーザダイオード)チップ24が取り付けられている。LDチップ24からのレーザ光は、レンズ25を通して、光ファイバ一体型フェルール100bに内包されている光ファイバ4に結合される。この光ファイバ一体型フェルール100bは前記したような方法により本発明に従って製造されたものである。
【0044】一方、図14はLDモジュールの他の構成例を示し、モジュール20aの一端部には本発明に従って製造された光ファイバ一体型キャピラリ100aが装着されており、発光素子からの光はレンズ25を通してこのキャピラリ100aに内包されている光ファイバ4に結合される。一方、符号30は上記キャピラリ100aと突き合わせ接合されるコネクタ部材であり、そのハウジング31内には図12に示すような光ファイバ一体型フェルール100cが配設されている。この光ファイバ一体型フェルール100cは、キャピラリ部102とフランジ部103が本発明に従って光ファイバ4と共に一体成形されたものであるが、別体であってもよく、例えば前記図11に示す光ファイバ一体型フェルール100bにフランジ部を固着したものでもよい。上記光ファイバ一体型フェルール100cのキャピラリ部102はスリーブ32に嵌合され、またフランジ部103とハウジング31の間にはばね部材33が配設されている。従って、コネクタ部材30をモジュール20aに対してスリーブ32内に光ファイバ一体型キャピラリ100aの露出端部が嵌挿されるように押し込むことにより、スナップ嵌め式に係合され、光ファイバ一体型キャピラリ100aと光ファイバ一体型フェルール100cの各々に内包されている光ファイバ4,4同士が整合して接続される。
【0045】以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、種々の設計変更が可能である。例えば、前記した方法では、2つの製品成形用キャビティを形成した金型を用い、単一の射出工程で2個の製品を製造する2個取りの例を説明したが、3個以上のキャビティを並列的に形成した金型を用い、多数個取りとすることも勿論可能であり、あるいはまた1個取りとすることもできる。また、光ファイバ一体型フェルールの寸法、形状、数においても前記例に限定されるものではない。さらに、本発明による光ファイバ一体型フェルールは、前記した適用例に限定されるものではなく、フェルール同士の端面を突き合わせて光ファイバの整合、接続を行なう単芯光コネクタ用フェルールや、多芯光コネクタ用及び多芯光ファイバ整列用の光コネクタ部材にも適用できる。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法及び装置によれば、光ファイバが、光コネクタ用フェルール(キャピラリ)製造の際の熱収縮もしくは凝固収縮により、上記フェルール内に一体的に強固に固定された光ファイバ一体型フェルールを、短時間に生産性良く低コストで、連続的に製造できる。このような光ファイバ一体型フェルールは、耐久性に優れ、光ファイバの装着位置精度が高く、接続損失が低減されるのみならず、従来のように射出成形の際に高価な中子ピンを使用する必要がなく、またフェルールへの光ファイバの挿着に接着剤を使用する必要もないので、前記したような中子ピン使用や接着剤使用による問題や、接着剤に起因する使用中の熱サイクルにより光ファイバが剥離するといった問題もない。さらに、内径仕上げ加工等の機械加工工程やフェルールへの光ファイバの接着工程が不要で加工工程数を大幅に減少できるので、所定の形状、寸法精度、及び表面品質を満足する光ファイバ一体型フェルールを単一のプロセスで量産性良く製造でき、フェルール製造コストを大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバ一体型フェルールの連続製造装置の一実施例を概略的に示す部分斜視図である。
【図2】本発明の光ファイバ一体型フェルールの連続製造装置の射出成形部の一実施例を概略的に示す部分断面図である。
【図3】本発明の方法に用いる金型の一実施例を示す概略説明図であり、(A)は左側面図、(B)は縦断面図、(C)は右側面図である。
【図4】本発明の方法に用いる金型の他の実施例を示す概略説明図であり、(A)は左側面図、(B)は縦断面図、(C)は右側面図である。
【図5】本発明の方法に用いる金型のエジェクト機構の一実施例を示す概略説明図であり、(A)は左側面図、(B)は縦断面図、(C)は右側面図である。
【図6】本発明の方法に用いる金型のエジェクト機構の他の実施例を示す概略説明図であり、(A)は左側面図、(B)は縦断面図、(C)は右側面図である。
【図7】本発明の方法に用いる金型の調芯機構の一実施例を示す概略説明図であり、(A)は左側面図、(B)は縦断面図である。
【図8】本発明の方法に用いる金型のキャビティ先端側の調芯機構の一実施例を示す概略部分断面図である。
【図9】本発明の方法に用いる金型の光ファイバ移動方向側の調芯機構の一実施例を示す概略部分断面図である。
【図10】本発明の光ファイバ一体型フェルールの一実施形態を示す断面図である。
【図11】本発明の光ファイバ一体型フェルールの他の実施形態を示す部分断面図である。
【図12】本発明の光ファイバ一体型フェルールのさらに別の実施形態を示す側面図である。
【図13】本発明の光ファイバ一体型フェルールを用いたLDモジュールの構成を示す概略部分断面図である。
【図14】本発明の光ファイバ一体型フェルールを用いたLDモジュールの他の構成を示す概略部分断面図である。
【符号の説明】
1 金型
2 キャビティ
3 湯口
4 光ファイバ
5 光ファイバ供給リール
6 テンションリール
7 射出スリーブ
8 射出プランジャ
13,14 光ファイバ挿通孔
15a,15b エジェクタピン
17 調芯装置
100a,100b,100c 光ファイバ一体型フェルール(キャピラリ)
A 合金原料
B 射出成形品

【特許請求の範囲】
【請求項1】 製品外形を規制する少なくとも1つのキャビティ(2)を有する金型(1)の各キャビティ内に挿通した状態に長尺な光ファイバ(4)を張設し、上記キャビティ内に流動性材料を射出充填する工程と上記光ファイバを間欠的に移動させる工程を順次繰り返し、上記光ファイバ(4)に多数の射出成形品(B)が固着した一連の中間品を製造する工程;及び上記中間品の光ファイバを所定の長さに切断し、上記射出成形品に仕上げ加工を施す工程、を含むことを特徴とする光ファイバ一体型フェルールの製造方法。
【請求項2】 前記流動性材料が、セラミックペースト、合成樹脂、金属又は少なくとも体積率50%以上の非晶質相を含む非晶質合金であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】 前記非晶質合金が、下記一般式(1)〜(6)のいずれか1つで示される組成を有する実質的に非晶質の合金であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
一般式(1):M1a2bLnc3d4e5f但し、M1はZr及びHfから選ばれる1種又は2種の元素、M2はNi、Cu、Fe、Co、Mn、Nb、Ti、V、Cr、Zn、Al及びGaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、LnはY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Yb及びMm(希土類元素の集合体であるミッシュメタル)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M3はBe、B、C、N及びOよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M4はTa、W及びMoよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M5はAu、Pt、Pd及びAgよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、a、b、c、d、e及びfはそれぞれ原子%で、25≦a≦85、15≦b≦75、0≦c≦30、0≦d≦30、0≦e≦15、0≦f≦15である。
一般式(2):Al100-g-h-iLng6h3i但し、LnはY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Yb及びMmよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M6はTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta及びWよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M3はBe、B、C、N及びOよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、g、h及びiはそれぞれ原子%で、30≦g≦90、0<h≦55、0≦i≦10である。
一般式(3):Mg100-p7p但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、pは原子%で5≦p≦60である。
一般式(4):Mg100-q-r7q8r但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M8はAl、Si及びCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、q及びrはそれぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦25である。
一般式(5):Mg100-q-s7q9s但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M9はY、La、Ce、Nd、Sm及びMmよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、q及びsはそれぞれ原子%で、1≦q≦35、3≦s≦25である。
一般式(6):Mg100-q-r-s7q8r9s但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M8はAl、Si及びCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M9はY、La、Ce、Nd、Sm及びMmよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、q、r及びsはそれぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦25、3≦s≦25である。
【請求項4】 前記光ファイバが、光コネクタ用フェルールの一端部から外部に連続的に延出するように切断、仕上げ加工することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】 前記金型のキャビティ内径が0.2〜2.5mmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】 製品外形を規制する少なくとも1つのキャビティ(2)を有する金型(1)と;該金型の各キャビティ内に挿通した状態に張設される長尺な光ファイバ(4)と;該光ファイバを張設し、かつ間欠的に移動させる手段(6)と;上記金型のキャビティ内に流動性材料を射出充填する射出手段(7,8)とを備えることを特徴とする光ファイバ一体型フェルールの製造装置。
【請求項7】 前記金型の光ファイバ移動方向前後のいずれか一方又は両方に、さらに調芯機構を備えていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】 前記金型(1)が、光ファイバ移動方向側に開口した少なくとも1つのキャビティ(2a)を有し、かつ該キャビティ内に光ファイバ移動方向に突出可能なエジェクタ手段(15a,15b)を備える金型部(1a)と、該金型部の光ファイバ移動方向側に配され、かつ光ファイバ挿通部をパーティング面とする割型部(1b,1c)とからなることを特徴とする請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】 前記割型部(1b,1c)が、光ファイバ移動方向と反対側に開口するキャビティ(2b)を有することを特徴とする請求項8に記載の装置。

【図1】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図10】
image rotate


【図2】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate


【図9】
image rotate


【図11】
image rotate


【図12】
image rotate


【図13】
image rotate


【図14】
image rotate


【公開番号】特開2001−249250(P2001−249250A)
【公開日】平成13年9月14日(2001.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−57301(P2000−57301)
【出願日】平成12年3月2日(2000.3.2)
【出願人】(000006828)ワイケイケイ株式会社 (263)
【Fターム(参考)】