説明

光ポテンショメータ及びマニピュレータ

【課題】例えばマニピュレータを構成する径が細い管状の細径管の内部にも配設可能な光ポテンショメータ、及び該光ポテンショメータを具備するマニピュレータを提供すること。
【解決手段】一端が閉じられた金属パイプ114と、金属パイプ114に対して入れ子構造の関係を有し、金属パイプ114をその長手方向に移動可能に案内する金属パイプ112と、金属パイプ114内部に光を供給する光源122及び光ファイバ118と、金属パイプ114内部からの反射光量の変化を検出する光パワーメータ124と、を光ポテンショメータに具備させる。金属パイプ114は、その長手方向に沿ってスリット132を備え、光パワーメータ124は、金属パイプ114の長手方向における移動に伴って生じるスリット132の開口量の変化に起因する金属パイプ114内部からの反射光量の変化を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物の変位を検出する光ポテンショメータ、及び該光ポテンショメータを具備するマニピュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
腹腔鏡手術や胸腔鏡手術においては、医療用のマニピュレータが利用されている。このようなマニピュレータは、一般に先端側に関節が設けられ、この関節より先端側に術具(例えば鉗子等の把持部)が設けられている。
このような構成のマニピュレータでは、駆動源(例えば、モータ等)からの動力を、動力伝達部材(例えばワイヤ等の線状部材)によって関節に伝達して当該関節を変位させることにより、鉗子の把持部等を開閉したり、向きを変えたりする。
【0003】
なお、マニピュレータには、ガイド部材が内部に設けられ、このガイド部材に沿って動力伝達部材が移動可能に設けられている。
このようなマニピュレータを用いた腹腔鏡手術若しくは胸腔鏡手術では、患者の腹部等に小さい孔を開け、この孔内にトラカールという治具を取り付け、トラカールの挿入口から医療用のマニピュレータを挿入し、術具を操作して手術を行う。現状用いられているトラカールの挿入口の口径は、概ねφ10mm以下である。これにより、トラカールから挿入されるマニピュレータの口径は、トラカールの口径よりも細いことが要求される。マニピュレータとしては、例えばインテュイティブ・サージカル社製ダビンチシステムに代表されるφ10mm以下の細径、かつ長尺(概ね300mm以上)の多自由度のものがある。
【0004】
ところで、動力伝達部材としては、上記のように線状部材が用いられている。ダビンチシステムにおけるマニピュレータでも、動力伝達部材としては、φ10mm以下の細径という限られたスペース内で動力を伝達するために、細径(例えばφ0.5mm程度)に形成されたワイヤ等の動力伝達部材が用いられている。
【0005】
このような線状で細径の動力伝達部材を用いたマニピュレータに関連する技術は、例えば特許文献1に開示されている。すなわち、特許文献1のマニピュレータは、術具の位置を検出するマニピュレータである。特許文献1は、モータ等の駆動源の近傍に配置されたポテンショメータやエンコーダによって関節の変位を検出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5807377号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されているマニピュレータは、駆動源が、外套管の後端側に配設されている。このため、関節と駆動源との間の距離は長くなり、この経路に配設する動力伝達部材の長さも必然的に長くなる。
また、上述したように駆動源の動力を関節に伝達するための線状の動力伝達部材の径は極めて細い。このため、動力伝達部材に張力がかかると伸びやたるみが発生する。そして、駆動源の駆動量と、先端の関節に伝達された駆動量に誤差が生じる。つまり、駆動源の近傍に配置されたポテンショメータやエンコーダによって関節の変位を検出する場合には、上述したように動力伝達部材の伸びやたるみに起因して、関節の移動量を正確に検出できない。従って、術具の先端の正確な位置を検出することが困難である。
【0008】
そのため、関節の移動量の把握においては、関節近傍において当該関節の移動量を検出することが検出精度の観点からは望ましい。しかし前述のように、マニピュレータを用いた手術では、トラカールの挿入口から医療用のマニピュレータを挿入するため、マニピュレータは実用上細径(例えばφ10mm以下)でなければならない。このようなマニピュレータ内部に検出手段(例えばポテンショメータやエンコーダ等)を設けることは非常に困難である。
【0009】
本発明は、前記の事情に鑑みて為されたものであり、マニピュレータを構成する径が細い管状の細径管の内部にも配設可能な光ポテンショメータ、及び該光ポテンショメータを具備するマニピュレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するために、本発明の第1の態様による光ポテンショメータは、
一端が閉じられた第1の筒状部材と、
前記第1の筒状部材の他端において、前記第1の筒状部材に対して入れ子構造の関係を有し、前記第1の筒状部材をその長手方向に移動可能に案内する第2の筒状部材と、
前記第2の筒状部材に保持された光供給部材と、
前記筒状部材の長手方向に沿って前記第1の筒状部材または前記第2の筒状部材に備えられ、前記第1の筒状部材の移動に伴って開口量が変化する位置に配置された開口部と、
前記筒状部材内部からの反射光量の変化を検出するセンサ部と、
を具備している。
【0011】
前記の目的を達成するために、本発明の第2の態様によるマニピュレータは、
マニピュレータに設けられた可動部と、
前記可動部を駆動する為の駆動源と、
前記可動部に接続され、前記駆動源の動力を前記可動部に伝達する線状動力伝達部材と、
前記線状動力伝達部材の移動量を検出する光ポテンショメータと、
を具備し、
前記光ポテンショメータは、
前記線状動力伝達部材に対して連動するように連結され、且つ、一端が閉じられた第1の筒状部材と、
前記第1の筒状部材の他端において、前記第1の筒状部材に対して入れ子構造の関係を有し、前記第1の筒状部材をその長手方向に移動可能に案内する第2の筒状部材と、
前記第2の筒状部材に保持された光供給部材と、
前記筒状部材の長手方向に沿って前記第1の筒状部材または前記第2の筒状部材に備えられ、前記第1の筒状部材の移動に伴って開口量が変化する位置に配置された開口部と、
前記筒状部材内部からの反射光量の変化を検出するセンサ部と、
を有している。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、マニピュレータを構成する径が細い管状の細径管の内部にも配設可能な光ポテンショメータ、及び該光ポテンショメータを具備するマニピュレータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ポテンショメータを具備するマニピュレータの一構成例を示す図。
【図2A】本発明の一実施形態に係る光ポテンショメータの全体構成例を示す図。
【図2B】光ポテンショメータと動力伝達用ワイヤとの接続部分を拡大して示す図。
【図3】光ポテンショメータと関節保持部側ガイド固定部との固定部分を拡大して示す図。
【図4】金属パイプ(第2の筒状部材)の端部に、光源のみに接続され光源からの照射光を伝送するためだけの光ファイバと、光パワーメータのみに接続され金属パイプ(第1の筒状部材)内からの反射光を伝送するためだけの光ファイバと、の2本の光ファイバを接続して設ける構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本一実施形態に係る光ポテンショメータを具備する医療用マニピュレータ(以降、単にマニピュレータと称する)の一構成例を示す図である。
マニピュレータ1は、例えば鉗子等を把持する把持部2と、把持部2を動作させる為の関節部4と、関節部4が先端に設けられている径が細い管状の細径管である収納部10と、を具備する。詳細は後述するが、マニピュレータ1は、いわゆる軟性あるいは半軟性であり、3自由度のものである。
【0015】
関節部4は、3つの関節から成る関節部である。これにより把持部2は、マニピュレータ1の軸方向を中心とする矢印A方向への回転と、軸3を中心とする矢印B方向への首振り(屈曲)と、把持部2の矢印C方向への把持動作と、の3自由度の動作を行う。
【0016】
関節部4は、マニピュレータ1を構成する長尺で径が細い管状の細径管である収納部10の先端に設けられている。
なお、図面上の煩雑化を避ける為に、図1においては、関節部4に把持部2を設け、この関節部4を介して把持部2が軸3を中心として矢印B方向への首振りをする1自由度のための構成を示している。
【0017】
収納部10は、関節部4近傍(すなわち先端部近傍)に配置された硬性部である関節保持部11と関節保持部側ガイド固定部12(以降、単にガイド固定部12とする)と、可撓性を有し長尺の管状部13と、基端固定部14と、が連結されて成る。細径管である収納部10は、径が少なくともφ15mm以下、例えばφ10mm程度で、長さが(硬性部である関節保持部11とガイド固定部12を除いて)300mm程度である。管状部13の材質は、例えば金属細線が埋設された樹脂体から成る。
【0018】
動力伝達用ワイヤ21a,21b(以降、単にワイヤ21a,21bとする)は収納部10内に収納され、各空圧アクチュエータ24は管状部13内部に長手方向に沿って収納されている。
なお、上述したように、マニピュレータ1は本来、3自由度であることから、収納部10の内部においてワイヤは6本、且つ管状部13内において空圧アクチュエータは6個設けられている。
【0019】
関節部4には、駆動源である空圧アクチュエータからの動力が、線状動力伝達部材としてのワイヤによって伝達される。そして、関節部4内の各関節が駆動される。
図1では、空圧アクチュエータにワイヤ21a、21bの一端が接続されている(ワイヤ21bが接続している空圧アクチュエータは不図示)。これらワイヤ21a、21bは、例えばSUSにより形成されている。
【0020】
関節保持部11内には、一対のプーリ20が同一回転軸上に回転可能に並設されている。各ワイヤの他端は、プーリ20にそれぞれ例えば1回巻き付けられて関節部4の背面の各固定部22a、22bに対して固定されている。関節保持部11は、例えば材質としてSUSを用いて形成されている。また、関節保持部11は、関節部4を保持する。
【0021】
これらワイヤ21a、21bは、把持部2を、軸3を中心として矢印B方向に首振りさせる1自由度の動作を行わせるものである。ワイヤ21a、21bをその線方向に移動することにより把持部2を矢印B方向に首振りさせる。例えば、ワイヤ21aを引っ張り、ワイヤ21bを繰り出すことにより把持部2を矢印B方向の一方向に首振りさせることができる。
【0022】
なお、図面の煩雑化を避ける為に図示していないが、関節部4は、屈曲、回転、把持動作の3つの関節用としてそれぞれ一対のプーリを有している。各プーリは、関節保持部11内の所望の位置に回転可能に取り付けられている。各プーリには、1本のワイヤが掛けられている。各ワイヤの基端部には駆動源として例えば空圧アクチュエータが接続されている。そして、空圧アクチュエータの空圧制御により、一対のプーリに接続されている2本のうちの一方のワイヤを引き、2本のうちの他方のワイヤを繰り出すことで、一対のプーリは一方向に回転することになる。このように関節部4内の各関節を動作させることができる。関節部4は3つの関節から成っているので、3自由度(屈曲、回転、把持)の動作を行う。
【0023】
ガイド固定部12は、関節保持部11と管状部13との間を連結する。ガイド固定部12内には、動力ガイド部23が形成されている。この動力ガイド部23は、ガイド固定部12内の孔として形成されている。ワイヤ21aは、動力ガイド部23内をワイヤ21aの線方向に挿通している。すなわち動力ガイド部23には、一本のワイヤ21aをその長手方向に移動可能に案内する。
【0024】
なお、動力ガイド部23は、鉗子等の把持部2が設けられた関節部4が3自由度で動作するものであれば、ガイド固定部12内において、例えば所定半径の円周上に等間隔に6個設けられる。
また、管状部13の内部には駆動源を構成する空圧アクチュエータ24が設けられている。
【0025】
この空圧アクチュエータ24は、細く可撓性を有する管状に構成されている。空圧アクチュエータ24の先端は閉塞され、その閉塞部である一端部には、ワイヤ21aが接続されている。そして、他端部には空圧レギュレータ25が接続されている。なお、空圧レギュレータ25は、空圧レギュレータにより制御された空気を空圧アクチュエータ24内部に供給する為、チューブ24b(例えば、ウレタンチューブ)と、アクチュエータ用流体入出口25a(以降、単に流体入出口25a)を介して空圧アクチュエータ24に連通している。
【0026】
この流体入出口25aは、空圧アクチュエータ24の他端に接続されている。なお、流体入出口25aは、アクチュエータ固定部15aを挿通でき、チューブ24bを接続できる長さの管である。
空圧アクチュエータ24は、アクチュエータ固定孔24aに挿通された流体入出口25aでアクチュエータ固定部15aに固定されている。また、アクチュエータ固定部15aには、光ファイバ118(光伝送管)を通すためのアクチュエータ固定部貫通孔15bが設けられている。この空圧レギュレータ25は、空圧アクチュエータ24の空圧を制御することによりワイヤ21aのその線方向への移動を制御する。
【0027】
なお、図示していないが、ワイヤ21bにも把持部2を変位するための駆動源を構成する空圧アクチュエータが接続されている。この空圧アクチュエータにも、空圧レギュレータが接続されている。この空圧レギュレータは、空圧アクチュエータの空圧を制御することにより動力伝達用ワイヤ21bのその線方向への移動を制御する。
【0028】
このようなワイヤ21aに接続された空圧アクチュエータ24とワイヤ21bに接続された空圧アクチュエータとは、一対で動作する。つまり、空圧アクチュエータ24がワイヤ21aを引っ張るための動作をするときに他方の空圧アクチュエータがワイヤ21bを繰り出すための動作を行い、反対に、空圧アクチュエータ24がワイヤ21aを繰り出すための動作をするときに他方の空圧アクチュエータがワイヤ21bを引っ張るための動作をする。このような空圧アクチュエータの制御を行うことにより、把持部2は、矢印B方向に首振り動作する。
【0029】
なお、各々の空圧アクチュエータは、いわゆるマッキンベン式で構成されており、網状の細線を埋設した樹脂体となっている。細線は、例えば金属や合成樹脂で延びにくい材質による細線である。このような構成により、内部の空気圧の変化に応じて軸方向に伸縮する。各々の空圧アクチュエータの先端に接続された動力伝達用ワイヤは、この伸縮により移動する。また、各々の空圧アクチュエータは樹脂体であることから、可撓性を有する。
【0030】
管状部13がφ10mm程度で、長さが300mm程度であることを鑑みて、各々の空圧アクチュエータはφ1.5mm程度で、300mm近い長さで作成されている。このように構成することで、6個の空圧アクチュエータを管状部13に収納できると共に、マニピュレータとして必要な10〜20N程度の力量、また、10〜20mm程度の変位を0.1〜0.6MPa程度の圧力により得ることが可能となる。なお、変位・力量は、細線の網角、アクチュエータ部の径等のパラメータを調整することで変更可能である。
【0031】
なお、把持部2を変位するための駆動源は、空圧アクチュエータ24に限ることはなく、他の駆動源、例えば油圧等の他の方式のアクチュエータ、又はモータ等を用いてもよい。
次に、光ポテンショメータ101について説明する。光ポテンショメータ101は、図1のようにガイド固定部12に配置されており、その一端が動力ガイド部23に案内されたワイヤ21aに接続されている。
【0032】
以下は、光ポテンショメータ101の一構成例である。
図2Aは、光ポテンショメータ101の全体構成例を示す図である。図2Bは、光ポテンショメータと動力伝達用ワイヤとの接続部分を拡大して示す図である。図3は、光ポテンショメータ101とガイド固定部12との固定部分を拡大して示す図である。
【0033】
図2Aに示すように、光ポテンショメータ101は、第1の筒状部材である金属パイプ114と、第2の筒状部材である金属パイプ112と、第1の筒状部材の一端を閉じている鏡面部材116と、光ファイバ118(光供給部材)と、ビームスプリッタ120と、光源122(光供給部材)と、センサ部である光パワーメータ124と、を有する。 金属パイプ114は、鏡面部材116により一端が、光が漏れないように閉じられている。そして金属パイプ114は、鏡面部材116によって閉じられていない他端側において、金属パイプ112に対して入れ子構造の関係となっている。この実施形態では、金属パイプ114が内側、金属パイプ112が外側となっている。金属パイプ112と金属パイプ114とは、金属製の細径・肉薄パイプによる2重構造を呈するように構成され、内側となっている金属パイプ114がその長手方向に摺動可能になっている。
【0034】
金属パイプ114は、金属製であることから、内面が光反射可能となっている。もしくは、内面が光反射可能に構成されている。また、金属パイプ114には、図2Aに示すように長手方向に延びる細い開口部であるスリット132が形成されている。スリット132は、光源122からの光を金属パイプ114の外部に放出する為の開口部である。
【0035】
金属パイプ112と金属パイプ114とは、金属パイプ112の内径と金属パイプ114の外径とがほぼ等しく嵌め合わせ可能な入れ子構造として構成されているので、金属パイプ114から外部へは、スリット132以外からは光が漏れることはない。
また、金属パイプ114は、スリット132が形成されている位置以外の箇所において、接続部31により、関節保持部11内のワイヤ21aの外周面に対して接続(固定)されている(図2B参照)。これにより、金属パイプ114はスリット132を露出した状態でワイヤ21aと連動する。
【0036】
なお、前記接続部31による接続方法としては、熱収縮する環状部材内にワイヤ21aと金属パイプ114とを挿通して熱を加えて接続部31を作り出して接続する方法や、半田や接着剤等によって接続部31を作り出して接続する方法等を挙げることができる。しかしながら、これらの接続方法に限定されるものではない。
【0037】
このような構成により、ワイヤ21aの動きに連動して、金属パイプ114が金属パイプ112の内部をその長手方向に摺動される。このとき、金属パイプ112の端面と金属パイプ114のスリット132との位置関係は、ワイヤ21aの移動量に応じて変化する。これにより、スリット132の開口量が変化する。
【0038】
金属パイプ112は、金属パイプ114を長手方向に移動可能に案内すると共に、金属パイプ114に設けられたスリット132の開口量を変化させる第2の筒状部材である。
この金属パイプ112の長さは、金属パイプ114が長手方向に所望の範囲で摺動できる長さである。さらに、金属製であることから、当然ながらその内面は光が反射可能となっている。そして、金属パイプ112の一方の開口端側内部には、金属パイプ112の内径とほぼ同じか若干小さい外径の光ファイバ118が圧入若しくは接着剤等による接着により光が漏れないように固定されている。
【0039】
このように、光ファイバ118は金属パイプ112に保持され、その端面は金属パイプ112の内部に入り込んでいる。
金属パイプ112の他方の開口端側内部には、鏡面部材116にて閉じられた金属パイプ114が、金属パイプ114の開口端側から挿入されている。これにより、光ファイバ118の端面と鏡面部材116の面(鏡面)とが対向する。
【0040】
ここで、鏡面部材116は、金属パイプ114の一端を閉じるための閉塞部材である。具体的には、この鏡面部材116は、鏡面加工された部材であり、少なくとも金属パイプ114の内部を閉塞できる径を有した円板状であり、少なくとも金属パイプ114の内部側は鏡面状となっている。
【0041】
光ファイバ118は、光源(例えばLD)122からの照射光及び金属パイプ114内からの反射光の伝送部材である。
光ファイバ118は、基端固定部14に設けられた光ファイバ案内用孔(不図示)を介してビームスプリッタ120に接続されている。
【0042】
ビームスプリッタ120は、光源122からの照射光及び内側金属パイプ114内からの反射光が入光され、それらを分離する。
光源122は、金属パイプ114内に光を送る光源である。
光パワーメータ124は、金属パイプ114の移動に伴うスリット132の開口量の変化によって生じる金属パイプ114内からの反射光量の変化を検出(測定)するセンサ部である。詳細には、光パワーメータ124は、ビームスプリッタ120により光源122からの照射光から分離された前記反射光の光量(強度)を測定する。
【0043】
光ファイバ118と、ビームスプリッタ120、光源122は、光供給部材を構成する。
ところで、図3に示すように、ガイド固定部12は円柱状である。ガイド固定部12には、長さ方向に貫通する金属パイプ用孔12h1ならびに動力ガイド部23が、円周部に所定の間隔を有して金属パイプ112の本数に合わせて6個ずつ形成されている。
【0044】
これら金属パイプ用孔12h1は、金属パイプ112を固定するための孔であり、その径は、金属パイプ112の外形より若干大きく形成されている。そして、金属パイプ用孔12h1内には、金属パイプ112がそれぞれ挿通されて固定されている。
なお、ガイド固定部12には、当該ガイド固定部12の外周面において、金属パイプ用孔12h1に向けて貫通する螺子孔部12h2(図1では関節保持部側ガイド固定部位12a)が設けられている。この螺子孔部12h2を用いて、金属パイプ112が、ガイド固定部12に螺子止めされて固定されている。
【0045】
そして、金属パイプ114は、その一端が動力ガイド部23に案内されたワイヤ21aに接続されている。
以下、光ポテンショメータ101の動作原理について説明する。
まず、光源122からの光は、光ファイバ118の端面から金属パイプ112及び金属パイプ114の内部に向かって照射される。この照射光は、金属パイプ112及び金属パイプ114の内面で反射され、その反射光は光ファイバ118の端面と対向する鏡面部材116の鏡面部で反射される。この鏡面からの反射光は、金属パイプ114及び金属パイプ112のそれぞれの内面を反射し、それらの反射光は光ファイバ118の端面にて受けることとなる。
【0046】
一方、光ファイバ118の端面から金属パイプ112へ照射された光は、金属パイプ112、鏡面部材116、及び金属パイプ114の内面でそれぞれ反射されるが、金属パイプ114にはスリット132が形成されているため、そのスリット132から一部の光が外部に放出される。つまり、光ファイバ118から供給された光は、スリット132から外部に漏れる。
【0047】
この光の漏れ量は、金属パイプ114の移動に伴って、スリット132の開口量、つまりスリット132の金属パイプ112からの露出長さの変化に対応して変化する。そのため、結果として、光ファイバ118により金属パイプ112及び金属パイプ114内に伝達された光の戻り量が変化する。そして、この光の戻りを光ファイバ118の端面で受けることとなる。
【0048】
従って、光ファイバ118の端面で受ける光量の変化を検出することによって、金属パイプ114の長手方向の移動量を検出することができる。ここで、金属パイプ114は、ワイヤ21aに連動するように接続されていることから、ワイヤ21aの移動量を検出することができる。
【0049】
以下、本一実施形態に係る光ポテンショメータによるワイヤ21aの移動量の検出工程について詳細に説明する。
ワイヤ21aが移動する際、ワイヤ21aに接続された金属パイプ114が連動し、金属パイプ112内において長手方向に移動する。つまり、ワイヤ21aの移動量(変位)が、金属パイプ114に伝達され、この金属パイプ114と、ガイド固定部12に固定された金属パイプ112と、の相対位置が変化する。結果として、金属パイプ114に形成されたスリット132における開口量(露出量)が変化する。
【0050】
そして、このスリット132の開口量の変化は、光ファイバ118により伝達される光の戻り量(反射光量)を変化させる。鏡面部材116、金属パイプ114及び金属パイプ112から反射されて戻った光は、金属パイプ112に接続された光ファイバ118の端面で受けられ、この戻った光(反射光)は、ビームスプリッタ120に入力され、このビームスプリッタ120から出力された反射光の光量(強度)が、光パワーメータ124により測定される。この反射光量の変化により、金属パイプ114の移動量が検出される。すなわち、ワイヤ21aの移動量(変位)が検出され、プーリの変位が検出される。換言すれば、把持部2の移動量(変位)が検出される。
【0051】
つまり、本一実施形態においては、鏡面部材116、金属パイプ112、及び金属パイプ114内からの反射光の量(戻った光の光量)の変化によって、金属パイプ114の長手方向における移動量を検出することにより、動力伝達用ワイヤ21aの移動量を検出し、プーリの変位を検出し、把持部2の移動量(変位)を検出する。
【0052】
以上説明したように、本一実施形態によれば、例えばマニピュレータを構成する径が細い細径管のような内部にも配設可能な光ポテンショメータ、及び該光ポテンショメータを具備するマニピュレータを提供することができる。
具体的には、本一実施形態によれば、金属パイプ114等からの反射光量に基づいて、ワイヤ21aの移動量を検出できるので、金属パイプ(筒状部材)の外形を小さくしても影響が出難く、金属パイプ114の細径化が可能である。従って、例えばφ10mm程度のスペースの限られた細径管の内部であっても光ポテンショメータ101を配置することができる。
【0053】
また、光ファイバ118の端面と、金属パイプ114の閉塞部を成す鏡面部材116と、を対向して配設しているので、金属パイプ114と光ファイバ118とを長手方向に沿って並べることができ、光ポテンショメータ101の外形を小型化することができる。
【0054】
また、金属パイプ112と、スリット132が形成された金属パイプ114と、等を設けただけの簡単な構成で、ワイヤ21aの移動量、即ちプーリの変位を検出することができる。換言すれば、金属パイプ114をワイヤ21aに接続する構成を採ることで、容易にワイヤ21aの移動量を検出することができる。
【0055】
なお、上述した一実施形態においては、金属パイプ114及び金属パイプ112を金属製のパイプとして構成して、それらの内面で光を反射できるように構成しているが、これに限られるものではない。すなわち、それらパイプの内面を光反射できるように構成すれば、金属製としなくてもよい。例えば、樹脂製のパイプで内面が鏡面加工されたものを、第1の筒状部材及び第2の筒状部材として使用してもよい。
【0056】
また、金属パイプ114と金属パイプ112との内外関係を逆にして構成してもよい。すなわち、案内部材(第2の筒状部材)を被案内部材(第1の筒状部材)よりも小さい径としてもよい。つまり、被案内部材がその長手方向に摺動可能で、且つ、スリット132の開口量が変化するように構成されていれば、どのような形態であっても構わない。
【0057】
さらには、スリット132を形成する部材についても、被案内部材(第1の筒状部材)がその長手方向に摺動可能で、且つ、スリット132の開口量が変化するように構成されていれば、案内部材(第2の筒状部材)及び被案内部材(第1の筒状部材)のうち何れの部材にスリット132を形成してもよい。また、案内部材または被案内部材により、スリット132の開口量が変化するように構成されていれば、両方にスリット132が設けられていてもよい。
【0058】
また、上述した一実施形態においては、光ファイバ118を金属パイプ112の一方の開口端に固定する構成を例に説明したが、これに限られるものではなく、金属パイプ114の一端を閉塞する鏡面部材116の反対側の開口端に、光ファイバ118を固定してもよい。この場合、金属パイプ114をガイド固定部に固定し、金属パイプ112が摺動するように動力伝達部材接続することが望ましい。このように構成する場合には、案内部材である金属パイプ112の内面を光反射性のものとしなくてもよい。従って、特定の材質を用いる必要もなく、特別の加工も必要としない。また、光ファイバ118が接続されている端面と、金属パイプ114の閉塞部と、を確実に対向配置することができる。
【0059】
なお、上述した一実施形態においては、3自由度のマニピュレータを例に説明したが、これに限られるものではなく、1自由度若しくは多自由度(例えば7自由度)のマニピュレータであっても勿論良い。
さらに、上述した一実施形態においては、可撓性を有する管状部13を有するマニピュレータすなわち軟性あるいは半軟性のマニピュレータに、光ポテンショメータ101を設ける例を説明した。しかしながら、いわゆる剛性のマニピュレータに光ポテンショメータ101設けても勿論よい。そして、光伝送管として、パイプ部材を用いてもよい。また、内部にリレーレンズ等を配置したパイプ部材を用いてもよい。
【0060】
また、線状動力伝達部材としては、上述したようなワイヤ21aのようなワイヤ部材ではなく、棒状部材を用いても勿論よい。
さらには、上述した一実施形態においては、光ポテンショメータ101をマニピュレータ1に適用する例を説明したが、他にも、例えば湾曲駆動する内視鏡に本一実施形態を適用し、湾曲駆動させる為の線状動力伝達部材に光ポテンショメータ101を連結させてもよい。
【0061】
つまり、光ポテンショメータ101は、駆動源からの動力を対象物に伝達する線状動力伝達部材を備えた装置であれば、どのような装置にも適用可能である。
また、上述した一実施形態においては、駆動源として空圧アクチュエータ24を利用する例を説明したが、これに限られるものではなく、例えば水圧アクチュエータを駆動源としても良い。さらにはモータを駆動源としても良い。
【0062】
さらに、上述した一実施形態においては、光源122からの照射光と、金属パイプ114内からの反射光と、をビームスプリッタ120により分離する構成としているが、例えば次のような構成を採ればビームスプリッタ120は必須の構成要件ではない。
すなわち、例えば図4に示すように、金属パイプ112(第2の筒状部材)の端部に、光源122のみに接続され光源122からの照射光を伝送するためだけの光ファイバ143と、光パワーメータ124のみに接続され金属パイプ114(第1の筒状部材)内からの反射光を伝送するためだけの光ファイバ141と、の2本の光ファイバを接続して設ける。このような構成を採ることにより、ビームスプリッタ120は不要となる。
【0063】
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、種々の変形及び応用が可能なことは勿論である。
[付記]
前記の具体的実施形態から、以下のような構成の発明を抽出することができる。
(1) 一端を閉塞する閉塞部を有すると共に、前記閉塞部を含めて内面が反射可能な筒状部材と、
この筒状部材内に光を送る光源と、
この光源からの光を外部に放出するための前記筒状部材に設けられた長手方向に延びる開口部と、
前記筒状部材を長手方向に移動可能に案内すると共に、前記開口部の開口量を変化させる案内部材と、
前記筒状部材の移動に伴う前記開口部の開口量の変化によって前記筒状部材内からの反射光量の変化を検出(測定)するセンサ部と
を備えた光ポテンショメータ。
(対応する実施形態)
この(1)に記載の光ポテンショメータに関する実施形態は、前記一実施形態が対応する。この実施形態において、上記光源は例えば光源122が対応し、上記筒状部材は例えば金属パイプ114が対応し、上記案内部材は例えば金属パイプ112が対応し、上記開口部は例えばスリット132が対応し、上記センサ部は例えば光パワーメータ124が対応し、上記閉塞部は例えば鏡面部材116が対応し、上記光ポテンショメータは例えば光ポテンショメータ101が対応する。
(作用効果)
この(1)に記載の光ポテンショメータによれば、筒状部材の移動に伴って開口部の開口量が変化し、光源からの光の放出量が変化する。これに伴って筒状部材内からの反射光量が変化する。この反射光量の変化をセンサで検出(測定)することによって筒状部材の長手方向の移動量を検出することができる。
【0064】
このように、筒状部材内の光の反射量の変化によって筒状部材の長手方向の移動量を検出できることから、筒状部材の外形を小さくしても前記移動量を検出できるので、筒状部材の細径化が可能である。従って、スペースの限られた径が細い細径管の内部にも光ポテンショメータを配置することができる。
【0065】
(2)上記(1)に記載の光ポテンショメータにおいて、前記センサ部は、前記筒状部材内に光源からの光の照射及び前記筒状部材内からの反射光を端面にて受ける光伝送管を有し、この光伝送管の端面を前記閉塞部と対向して配設した光ポテンショメータ。
(対応する実施形態)
この(2)に記載の光ポテンショメータに関する実施形態は、前記一実施形態が対応する。この実施形態において、上記光源は例えば光源122が対応し、上記筒状部材は例えば金属パイプ114が対応し、上記案内部材は例えば金属パイプ112が対応し、上記開口部は例えばスリット132が対応し、上記光伝送管は例えば光ファイバ118が対応し、上記閉塞部は例えば鏡面部材116が対応し、上記光ポテンショメータは例えば光ポテンショメータ101が対応する。
(作用効果)
この(2)に記載の光ポテンショメータによれば、筒状部材内に光源からの光を送るための部材を光伝送管とし、その端面を筒状部材の閉塞部と対向して配設したことから、筒状部材と光伝送管とを長手方向に沿って並べることができ、センサ部の一部を成す光伝送管を備えた状態でも光ポテンショメータの外形を小さくすることができる。従って、スペースの限られた細径管の内部にも配置することができる。
(3)上記(1)に記載の光ポテンショメータにおいて、前記筒状部材及び前記案内部材は金属製のパイプであって、前記筒状部材の前記閉塞部は、前記パイプの一端の開放部に対して前記パイプ側を鏡面状態とした鏡面部材にて閉塞して成る光ポテンショメータ。
(対応する実施形態)
この(3)に記載の光ポテンショメータに関する実施形態は、前記一実施形態が対応する。この実施形態において、上記筒状部材は例えば金属パイプ114が対応し、上記案内部材は例えば金属パイプ112が対応し、上記光ポテンショメータは例えば光ポテンショメータ101が対応する。
(作用効果)
この(3)に記載の光ポテンショメータによれば、簡単な構成で上記(1)、(2)に記載のポテンショメータと同様の効果を達成することができる。
【0066】
(4) 上記(1)に記載の光ポテンショメータにおいて、前記筒状部材を、駆動源からの動力を対象物に伝達する線状動力伝達部材に対して該線状動力伝達部材と連動するように設けた光ポテンショメータ。
(対応する実施形態)
この(4)に記載の光ポテンショメータに関する実施形態は、前記一実施形態が対応する。この実施形態において、上記駆動源は例えば空圧アクチュエータ24が対応し、上記線状動力伝達部材は例えばワイヤ21aが対応し、上記光ポテンショメータは例えば光ポテンショメータ101が対応する。
(作用効果)
この(4)に記載の光ポテンショメータによれば、筒状部材は線状動力伝達部材と連動することから、筒状部材の移動量を検出することで、線状動力伝達部材の移動量を検出することができる。
(5) 長尺で細径の管状体(細径管)と、
この管状体の先端に設けられた関節と、
この関節を駆動する駆動源と、
(前記管状体に収納された状態で、)前記関節に接続され前記駆動源の動力を前記関節に伝達する線状動力伝達部材と、
前記関節の変位を検出する光ポテンショメータと、
を具備するマニピュレータであって、
前記光ポテンショメータは、
前記線状動力伝達部材に対して該線状動力伝達部材と連動するように設けられた一端を閉塞する閉塞部を有すると共に、前記閉塞部を含めて内面が反射可能な筒状部材と、
この筒状部材内に光を送る光源と、
この光源からの光を外部に放出するための前記筒状部材に設けられた長手方向に延びる開口部と、
前記筒状部材を長手方向に移動可能に案内すると共に、前記開口部の開口量を変化させる案内部材と、
前記筒状部材の移動に伴う前記開口部の開口量の変化によって前記筒状部材内からの反射光量の変化を検出(測定)するセンサ部と、
を有するマニピュレータ。
(対応する実施形態)
この(5)に記載のマニピュレータに関する実施形態は、前記一実施形態が対応する。この実施形態において、上記管状体(細径管)は例えば収納部10が対応し、上記関節は例えば関節部4が対応し、上記駆動源は例えば空圧アクチュエータ24が対応し、上記線状動力伝達部材は例えばワイヤ21aが対応し、上記光源は例えば光源122が対応し、上記筒状部材は例えば金属パイプ114が対応し、上記案内部材は例えば金属パイプ112が対応し、上記開口部は例えばスリット132が対応し、上記センサ部は例えば光パワーメータ124が対応し、上記閉塞部は例えば鏡面部材116が対応し、上記光ポテンショメータは例えば光ポテンショメータ101が対応し、上記マニピュレータは例えばマニピュレータ1が対応する。
(作用効果)
この(5)に記載のマニピュレータによれば、筒状部材を介して線状動力伝達部材の移動量を検出することができる。そして、筒状部材は上述したように細径化が可能であることから、マニピュレータにおけるスペースの限られた細径の管状体の内部にも光ポテンショメータを配置することができる。
(6) 上記(5)記載のマニピュレータにおいて、前記センサ部は、前記筒状部材内に光源からの光の照射及び前記筒状部材内からの反射光を端面にて受ける光伝送管を有し、この光伝送管の端面を前記閉塞部と対向して配設したマニピュレータ。
(対応する実施形態)
この(6)に記載のマニピュレータに関する実施形態は、一実施形態が対応する。この実施形態において、センサ部は例えば光パワーメータ124が対応し、上記光源は例えば光源122が対応し、上記筒状部材は例えば金属パイプ114が対応し、上記案内部材は例えば金属パイプ112が対応し、上記開口部は例えばスリット132が対応し、上記光伝送管は例えば光ファイバ118が対応し、上記閉塞部は例えば鏡面部材116が対応し、上記光ポテンショメータは例えば光ポテンショメータ101が対応し、上記マニピュレータは例えばマニピュレータ1が対応する。
(作用効果)
この(6)に記載のマニピュレータによれば、センサ部の一部を成す光伝送管を備えた状態でも光ポテンショメータの外形を小さくすることができる。従って、スペースの限られたマニピュレータにおける細径の管状体の内部にも配置することができる。
(7) 上記(5)記載のマニピュレータにおいて、前記筒状部材及び前記案内部材は金属製のパイプであって、前記筒状部材の前記閉塞部は、前記パイプの一端の開放部に対して前記パイプ側を鏡面状態とした鏡面部材にて閉塞して成るマニピュレータ。
(対応する実施形態)
この(7)に記載の光ポテンショメータに関する実施形態は、前記一実施形態が対応する。この実施形態において、上記筒状部材は例えば金属パイプ114が対応し、上記案内部材は例えば金属パイプ112が対応し、上記光ポテンショメータは例えば光ポテンショメータ101が対応し、上記マニピュレータは例えばマニピュレータ1が対応する。
(作用効果)
この(7)に記載のマニピュレータによれば、簡単な構成で上記(5)記載のマニピュレータと同様の効果を達成することができる。
【0067】
さらに、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示した複数の構成要件の適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示す全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、かつ、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0068】
1…マニピュレータ(医療用マニピュレータ)、 2…把持部、 4…関節部、 10…収納部、 11…関節保持部、 12…関節保持部側ガイド固定部(ガイド固定部)、 12a…関節保持部側ガイド固定部位、 12h1…外側金属パイプ用孔、 12h2…螺子孔部、 13…管状部、 14…基端固定部、 15a…アクチュエータ固定部、 15b…アクチュエータ固定部貫通孔、 20…プーリ、 21a…動力伝達用ワイヤ(ワイヤ)、 21b…動力伝達用ワイヤ(ワイヤ)、 22a,22b…固定部、 23…動力ガイド部、 24…空圧アクチュエータ、 24b…チューブ、 24a…アクチュエータ固定孔、 25…空圧レギュレータ、 25a…アクチュエータ用流体入出口(流体入出口)、 31…接続部、 101…光ポテンショメータ、 112…金属パイプ、 114…金属パイプ、 116…鏡面部材、 118…光ファイバ(光伝送管)、 120…ビームスプリッタ、 122…光源、 124…光パワーメータ、 132…スリット、 141…光ファイバ、 143…光ファイバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が閉じられた第1の筒状部材と、
前記第1の筒状部材の他端において、前記第1の筒状部材に対して入れ子構造の関係を有し、前記第1の筒状部材をその長手方向に移動可能に案内する第2の筒状部材と、
前記第2の筒状部材に保持された光供給部材と、
前記筒状部材の長手方向に沿って前記第1の筒状部材または前記第2の筒状部材に備えられ、前記第1の筒状部材の移動に伴って開口量が変化する位置に配置された開口部と、
前記筒状部材内部からの反射光量の変化を検出するセンサ部と、
を具備した光ポテンショメータ。
【請求項2】
前記光供給部材は、
光源と、
該光源からの光を前記第1の筒状部材内部へ伝送する為の伝送管と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の光ポテンショメータ。
【請求項3】
前記伝送管は、光ファイバ又はパイプ部材であることを特徴とする請求項2に記載の光ポテンショメータ。
【請求項4】
前記伝送管は、その一端面が前記第1の筒状部材における前記閉じられた一端に対向して配設されていることを特徴とする請求項2に記載の光ポテンショメータ。
【請求項5】
前記第1の筒状部材及び前記第2の筒状部材のうち、少なくとも内側に配置された筒状部材は、その内面が光反射面を有する金属材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の光ポテンショメータ。
【請求項6】
前記第1の筒状部材及び前記第2の筒状部材のうち、少なくとも内側に配置された筒状部材は、その内面が鏡面材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の光ポテンショメータ。
【請求項7】
前記第1の筒状部材及び前記第2の筒状部材のうち、少なくとも内側に配置された筒状部材は、その内部に光反射部を有する請求項1に記載の光ポテンショメータ。
【請求項8】
前記センサ部は、前記開口部が備えられた前記筒状部材内部からの反射光量を検出することを特徴とする請求項1に記載の光ポテンションメータ。
【請求項9】
マニピュレータに設けられた可動部と、
前記可動部を駆動する為の駆動源と、
前記可動部に接続され、前記駆動源の動力を前記可動部に伝達する線状動力伝達部材と、
前記線状動力伝達部材の移動量を検出する光ポテンショメータと、
を具備し、
前記光ポテンショメータは、
前記線状動力伝達部材に対して連動するように連結され、且つ、一端が閉じられた第1の筒状部材と、
前記第1の筒状部材の他端において、前記第1の筒状部材に対して入れ子構造の関係を有し、前記第1の筒状部材をその長手方向に移動可能に案内する第2の筒状部材と、
前記第2の筒状部材に保持された光供給部材と、
前記筒状部材の長手方向に沿って前記第1の筒状部材または前記第2の筒状部材に備えられ、前記第1の筒状部材の移動に伴って開口量が変化する位置に配置された開口部と、
前記筒状部材内部からの反射光量の変化を検出するセンサ部とを有したマニピュレータ。
【請求項10】
前記光供給部材は、
光源と、
該光源からの光を前記第1の筒状部材内部へ伝送する為の伝送管と、
を有することを特徴とする請求項9に記載のマニピュレータ。
【請求項11】
前記伝送管は、光ファイバ又はパイプ部材であることを特徴とする請求項10に記載のマニピュレータ。
【請求項12】
前記伝送管は、その一端面が前記第1の筒状部材における前記閉じられた一端に対向して配設されていることを特徴とする請求項10に記載のマニピュレータ。
【請求項13】
前記第1の筒状部材及び前記第2の筒状部材のうち、少なくとも内側に配置された筒状部材は、その内面が光反射面を有する金属材料から成ることを特徴とする請求項9に記載のマニピュレータ。
【請求項14】
前記第1の筒状部材及び前記第2の筒状部材のうち、少なくとも内側に配置された筒状部材は、その内面が鏡面材料から成ることを特徴とする請求項9に記載のマニピュレータ。
【請求項15】
前記第1の筒状部材及び前記第2の筒状部材のうち、少なくとも内側に配置された筒状部材は、その内部に光反射部を有する請求項9に記載のマニピュレータ。
【請求項16】
前記センサ部は、前記開口部が備えられた前記筒状部材内部からの反射光量を検出することを特徴とする請求項9に記載のマニピュレータ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−230278(P2011−230278A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105753(P2010−105753)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】