説明

光半導体装置およびその製造方法

【課題】 本発明は、光結合効率が高く、かつ信頼性が確保され、さらに、容易に組立できるため生産性が向上した光半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る光半導体装置10は、シリコン基板11と、シリコン基板11上に搭載された半導体レーザダイオード12と、半導体レーザダイオード12から出力されたレーザ光の光軸方向と一致する方向となるようにシリコン基板11に形成された溝部14と、溝部14内に備えられ、レーザ光を光ファイバに導くための略円筒状の光学結合用レンズ13と、を備える。この光学結合用レンズ13は、溝部14において対向する一対の支持部(傾斜面19,20)により光軸方向に位置決めされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンオプティカルベンチを使用した光半導体装置およびその製造方法に関し、特に、円筒形状の光学結合用レンズを用いた光半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メトロ・アクセス領域の光通信用装置においては、求められる性能および信頼性を、小型化しつつ実現し、さらに低コストで実現するかが重要な課題である。光半導体装置においても、一般的な半導体パッケージと同レベルの小型化、低コスト化が望まれている。しかしながら、光半導体装置は、光および電気接続の両方を行う必要があるため、そのサイズが大きくなる。さらに、金属部品を多用するために、コストが高くなる難点がある。
【0003】
近年、光導波路技術や、基板上で光結合系を形成するパッシブアライメント技術の実用化により、光および電気機能を集積した光半導体装置が開発されている。その手法の一つとして、シリコンをベースとした基板(シリコンオプティカルベンチ)への実装方式がある。シリコンオプティカルベンチへは光学部品や電気部品をパッシブにアライメントでき、安価な光半導体装置を提供できることから、共通プラットフォームとして有望である。シリコンオプティカルベンチにおいては、レンズの実装形態およびその実装方法が重要である。すなわち、これらは、半導体レーザダイオードの出力光とファイバへの入力光との割合である光結合効率を向上させるために特に重要である。このため、シリコンオプティカルベンチへの光学結合用レンズの実装に際しては、位置精度、組立の容易性、さらには信頼性について十分に考慮する必要がある。
【0004】
従来のシリコンオプティカルベンチ上への光学結合用レンズの実装形態としては、シリコンベンチ上にエッチングにより溝部を形成し、溝部に光学結合用レンズを埋め込む実装方法が一般的に行われている。特許文献1には、シリコンオプティカルベンチの端に異方性エッチングにより、底面が四角形および三角形の角錐状の溝を形成し、この溝内に球状の光学結合用レンズを上方から押し付けながら設置する方法が記載されている。この方法によれば、球状の光学結合用レンズ(以下、球状レンズともいう)が複数点でシリコンオプティカルベンチと接するため、球状レンズを位置決めすることができる。また、特許文献2には、球状レンズをシリコンオプティカルベンチ上に樹脂を用いて直接接着する方法が記載されている。この樹脂は、光半導体装置の動作温度範囲の最低温度よりも低いガラス転移温度を有する。これは、光半導体装置はガラス転移温度以上の環境温度で使用するので、樹脂は常にゲル状態で柔軟性を保つことによって、温度変化による応力の影響が緩和され、光学的安定性が保持される。この方法は、柔軟性を有する樹脂を用いることにより、機械的衝撃を緩和するものである。
【0005】
このような球状レンズは、非球面を有する光学結合用レンズ(以下、非球面レンズともいう)よりも光結合における損失が大きい。そのため、近年では光結合効率の高い非球面レンズが用いられてきている。非球面レンズの場合、その形状は一般的には円筒形状となる。特許文献3には、図9に示すような光半導体装置100が記載されている。図9に、光半導体装置100の光軸に沿った縦断面図を示す。シリコンオプティカルベンチ111上に、光軸方向に直交する方向において対向するように一対の傾斜面(不図示)を有する溝部114を形成し、この溝部114内に円筒形状の光学結合用レンズ113が搭載された光半導体装置100が記載されている。この光半導体装置100においては、円筒形状の光学結合用レンズ113を、溝部114内の半導体レーザダイオード112側の傾斜面120と、一対の傾斜面(不図示)との3面に接触させることにより、光学結合用レンズ113の位置決めを行っている。また、特許文献4には、平板状のマイクロレンズを、シリコンオプティカルベンチ上に形成されたガイド溝に搭載する方法が記載されている。ガイド溝は、光学結合用レンズの形状と略同一形状に形成されており、平板状の光学結合用レンズをガイド溝に嵌合させることにより、光学結合用レンズの位置決めしている。
【特許文献1】特開2002−141597号公報
【特許文献2】特開2001−94191号公報
【特許文献3】特開2001−242357号公報
【特許文献4】特開2003−167174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献3の光半導体装置100において、光学結合用レンズ113は、半導体レーザダイオード112側の傾斜面120、および光軸方向と直交する方向に対向する一対の傾斜面(不図示)により、溝部114内に固定されている。近年、光通信の高速化、大容量化が要求されており、レンズ実装位置を精度良く位置決めし、光結合効率を向上させる必要が生じてきた。図9に示すように、円筒形状の光学結合用レンズ113を用いた場合、その形状の影響で光軸方向に位置決めされず、またレンズ実装時にレンズの傾き(煽り角)が発生する。そのため、レーザ光線が傾いてしまい、光ファイバとの光結合効率が劣化する問題が顕在化してきた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る光半導体装置は、
シリコン基板と、
前記シリコン基板上に搭載された半導体レーザダイオードと、
前記半導体レーザダイオードから出力されたレーザ光の光軸方向と一致する方向となるように前記シリコン基板に形成された溝部と、
前記溝部内に備えられ、前記レーザ光を光ファイバに導くための略円筒状の光学結合用レンズと、を備え、
前記光学結合用レンズは、前記溝部において対向する一対の支持部により光軸方向に位置決めされていることを特徴とする。
【0008】
このような光半導体装置によれば、光学結合用レンズその形状が円筒形状であっても光軸方向に位置決めされる。そのため、光学結合用レンズを実装する際にレンズの傾き(煽り角)が発生することがなく、光ファイバとの光結合効率が向上する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の光半導体装置によれば、略円筒形状の光学結合用レンズを実装する際にレンズの傾き(煽り角)が発生することがなく、光ファイバとの光結合効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0011】
図1は、光半導体装置の第1実施形態を示す概略斜視図である。図2および図3は、各々図1のa−a'線 断面図、b−b'線断面図である。
【0012】
図1に示すように、光半導体装置10は、シリコン基板(シリコンオプティカルベンチ11)と、前記シリコン基板上に搭載された半導体レーザダイオード12と、半導体レーザダイオード12から出力されたレーザ光の光軸方向と一致する方向となるようにシリコン基板に形成された溝部14と、溝部14内に備えられ、前記レーザ光を光ファイバに導くための略円筒状の光学結合用レンズ13と、を備える。なお、モニタ用フォトダイオード、温度モニタ用サーミスタ、薄膜抵抗体素子、インピーダ、光ファイバ等の図示を省略する。
【0013】
シリコンオプティカルベンチ11単体の概略斜視図を図4に示す。シリコンオプティカルベンチ11には、溝部14が形成されている。溝部14は、深さの浅い第1溝部14aと、半導体レーザダイオード12側に形成された深さの深い第2溝部14bとからなる。第1溝部14aと第2溝部14bとの間には、傾斜面19が形成されている。第2溝部14bは、光学結合用レンズ13の光軸方向において対向する一対の傾斜面19,20と、光軸方向と直交する方向において対向する一対の傾斜面21,22とを有する。本実施形態においては、第1溝部14aおよび第2溝部14bは底面を有する例によって示すが、特に限定されず、傾斜面のみで形成されていてもよい。傾斜面19,20は、下方向に向かってすぼむように傾斜しており、一方、傾斜面21,22も下方向に向かってすぼむように傾斜している。
【0014】
半導体レーザダイオード12は、シリコンオプティカルベンチ11上にハンダ17を介して固着されている。ハンダ17としては、AsSnなどを用いることができる。
【0015】
光学結合用レンズ13は、略円筒形状を有しており、かつ凸状の非球面を有する非球面レンズを用いることができる。光学結合用レンズ13は、溝部14において対向する一対の支持部(傾斜面19,20)により光軸方向に位置決めされている。具体的には、図2乃至図3に示すように、光学結合用レンズ13は、第2溝部14b内に載置され、シリコンオプティカルベンチ11に搭載されている。光学結合用レンズ13は溝部14内にUV硬化樹脂などの接着剤により接着されている。光学結合用レンズ13は、第2溝部14b内において傾斜面19,20に当接することにより光軸方向に位置決めされ、傾斜面21,22に当接することにより光軸方向に直交する方向に位置決めされている。
【0016】
以下に、第1実施形態の光半導体装置10の効果を説明する。
【0017】
略円筒状の光学結合用レンズ13は、溝部14において対向する一対の支持部(傾斜面19,20)により光軸方向に位置決めされている。これにより、光学結合用レンズ13は、その形状が円筒形状であっても光軸方向に位置決めされる。そのため、光学結合用レンズ13を実装する時にレンズの傾き(煽り角)が発生することがなく、光ファイバとの光結合効率が向上する。
【0018】
また、溝部14に形成された一対の傾斜面19,20は、下方向に向かってすぼむように傾斜するとともに、光軸方向において対向するように構成されている。光学結合用レンズ13は、この傾斜面19,20に当接することができ、光軸方向により確実に位置決めされ、光ファイバとの光結合効率がさらに向上する。
【0019】
さらに、溝部14は、下方向に向かってすぼむように傾斜するとともに、光軸方向と直交する方向において対向する一対の傾斜面21,22を有している。そのため、光学結合用レンズ13は、一対の傾斜面21,22に当接することにより光軸方向と直交する方向に位置決めされるとともに、上述したように傾斜面19,20にも当接しているため光軸方向により確実に位置決めされることになる。
【0020】
これにより、円筒形状の光学結合用レンズは、溝部14内の4つの傾斜面に、線接触することになり、光学結合用レンズ13の位置は光軸方向、および光軸方向に直交する方向に対しても一意に決まる。そのため、光学結合用レンズの実装が容易になり、光半導体装置の生産性が著しく向上する。さらに、光結合用レンズ13を固定するために用いられる接着剤は、4つの傾斜面に阻まれ、第2溝部14b外に漏出することがない。このため、光結合用レンズ13とシリコンオプティカルベンチ11は、接着剤により確実に接着されるため、光学結合用レンズ13の固定強度が増し、高信頼性が得られる。
【0021】
また、半導体レーザダイオード12側に位置する傾斜面20に対向する傾斜面19の上端部19aが、傾斜面20の上端部20aよりも距離23分低くなるように構成することができる。このような構成とすることにより、光学結合用レンズ13を透過したレーザ光線にケラレが発生するのを防止することができる。この距離23は、20μm以上100μm以下とすることが好ましい。
【0022】
このような第1の実施形態における光半導体装置10の製造方法を説明する。なお、図5において、シリコンオプティカルベンチ11に溝部14を形成する工程のみを工程上面図を示す。
【0023】
光半導体装置10の製造方法は、シリコンオプティカルベンチ11に形成された溝部14内に、光学結合用レンズ13の光軸方向において対向するように一対の傾斜面19,20を形成する工程(図5(a)乃至図5(c))と、
一対の傾斜面19,20に当接するように、溝部14内に略円筒状の光学結合用レンズ13を搭載する工程と、を含む。
以下、工程順に説明する。
【0024】
シリコンオプティカルベンチ11に形成された溝部14内に、光学結合用レンズ13の光軸方向において対向するように一対の傾斜面19,20を形成する(図5(a)乃至図5(c))。
【0025】
具体的には、まず、シリコンオプティカルベンチ11にパターニングされた第1レジスト膜(不図示)を形成し、この第1レジスト膜をマスクとして異方性エッチングを施す。これにより、第1溝部14aが形成される(図5(a))。
【0026】
次いで、第1レジスト膜を除去するとともに、シリコンオプティカルベンチ11表面および第1溝部14a内の一部を覆うように、所定の開口部を有するようにパターニングされた第2レジスト膜24を形成する(図5(b))。
【0027】
そして、第2レジスト膜24をマスクとしてシリコンオプティカルベンチ11を選択的にエッチングし、第1溝部14a内に、光学結合用レンズ13の光軸方向において対向する一対の傾斜面19,20と、光軸方向に直交する方向において対向する一対の傾斜面21,22とを有する第2溝部14bを形成する(図5(c))。
【0028】
シリコンオプティカルベンチ11の上面の結晶面を(100)とした場合、第2溝部14bの傾斜面19,20,21,22の面方位はいずれも(111)となる。そのため、図2,3に示すように、傾斜面19,20,21,22の角度15は54.7度に一意に決まる。これらの角度はシリコンの異方性エッチングにより結晶面で決められた角度であるため、第2溝部14bを高精度に形成することができ、かつ再現性よく形成することができる。
【0029】
このような方法によれば、溝部14をシリコンオプティカルベンチ11に高精度で形成できる。そのため、光学結合用レンズ13を、半導体レーザダイオード12の発光点と光学結合用レンズ13との間の距離が最適値になるように実装可能となり、光結合効率が向上する。
【0030】
その後、シリコンオプティカルベンチ11上にはアライメント用マーカ(不図示)を配置し、半導体レーザダイオードマウント部にハンダ17を配置する。そして、半導体レーザダイオード12を、アライメント用マーカを基準にして、シリコンオプティカルベンチ11上のマウント部にハンダ17によりパッシブ実装する。またフォトダイオード(不図示)も同様にアライメント用マーカを基準にしてAuSnハンダ等を用いてパッシブ実装する。さらに、光学結合用レンズ13以外の電気部品(不図示)を、アライメント用マーカを基準にシリコンオプティカルベンチ上にAgペーストによりパッシブ実装する。これらの配置は光学的、電気的特性を考慮して設計されている。
【0031】
次に、シリコンオプティカルベンチ11の第2溝部14bの底部に接着剤を塗布する。接着剤の量はディスペンサーによって一定量になるように調整する。次に光学結合用レンズ13を、傾斜面すべてに接触するように載置する。第2溝部14bの底部には、前記接着剤が塗布されており、光学結合用レンズ13はこの接着剤により第2溝部14b内に確実に固定される。第2溝部14bの底部は傾斜面19,20,21,22に囲まれており、底部に塗布された接着剤が第2溝部14b外に漏出することがない。そのため、光学結合用レンズ13は第2溝部14b内に確実に固着される。
【0032】
次に、UV光を照射し接着剤を硬化させる。さらに、ポストベークを行い、密着強度をさらに向上させ、光半導体装置10を製造することができる。
【0033】
また、第2の実施形態の光半導体装置10として、以下のものを挙げることができる。
【0034】
第2の実施形態の光半導体装置10は、第1の実施形態とシリコンオプティカルベンチ11の構造が異なるため、シリコンオプティカルベンチ11の構造について述べる。図6にシリコンオプティカルベンチ11の斜視図を示し、図7に図6のc−c'線断面図を示す。
【0035】
図6乃至図7に示すように、シリコンオプティカルベンチ11は、その一部を切り欠くことにより形成された段差部25を有している。この段差部25により第2溝部14bには傾斜面19が形成される。第2溝部14bは、光学結合用レンズ13の光軸方向において対向する一対の傾斜面19,20と、光軸方向と直交する方向において対向する一対の傾斜面21,22とを有する。本実施形態においては、第1溝部14aおよび第2溝部14bは底面を有する例によって示すが、特に限定されず、傾斜面のみで形成されていてもよい。傾斜面19,20は、下方向に向かってすぼむように傾斜しており、一方、傾斜面21,22も下方向に向かってすぼむように傾斜している。
【0036】
第2溝部14b内に光学結合用レンズ13を搭載した例を図8に示す。図8に示すように、光学結合用レンズ13は第2溝部14bにUV硬化樹脂などの接着剤により接着されている。光学結合用レンズ13は、第2溝部14b内において傾斜面19,20に当接することにより光軸方向に位置決めされ、傾斜面21,22に当接することにより光軸方向に直交する方向に位置決めされている。このような第2の実施態様の光半導体装置10においても、上述した第1の実施態様と同様の効果が得られる。
【0037】
第2実施形態における光半導体装置10の製造方法を説明する。なお、第2実施形態の光半導体装置10と第2実施形態の光半導体装置10とは、シリコンオプティカルベンチ11の構造のみが異なるため、シリコンオプティカルベンチ11の製造方法のみを説明する。
【0038】
まず、シリコンオプティカルベンチ11にパターニングされたレジスト膜を形成し、この第1レジスト膜をマスクとして異方性エッチングを施す。これにより、略角錐状の第2溝部14bを形成する。
【0039】
次いで、レジスト膜を除去し、シリコンオプティカルベンチ11に段差部25を形成する。段差部25は、ダイシングでシリコンオプティカルベンチ11の所定の位置を切削加工することにより形成することができる。ダイシングは、傾斜面が一部残留するように行われ、傾斜面19が形成される。傾斜面19の上端部19aは、傾斜面20の上端部20aよりも距離23分低い位置に形成される。このような傾斜面19を形成することにより、光学結合用レンズ13を透過したレーザ光線にケラレが発生するのを防止することができる。この距離23は、20μm以上100μm以下とすることが好ましい。
【0040】
その後、第1の実施形態と同様にして、第2溝部14b内に半導体レーザダイオード12等を搭載することにより光半導体装置10を製造することができる。
【0041】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0042】
例えば、上述の実施形態において、溝部14において対向する一対の支持部として、傾斜面19,20を用いた例によって示したが、光学結合用レンズ13を光軸方向に位置決めすることができれば特に限定されない。例えば、一対の支持部を、溝部14内に形成された突起部などで構成することもできる。
【0043】
また、半導体レーザダイオード12を半導体受光素子として構成することもできる。この場合においても、光学結合用レンズの実装を精度よく行うことができるため、光ファイバから出射された光線を半導体受光素子に効率良く結合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1の実施形態における光半導体装置の概略斜視図を示す。
【図2】図1のa−a'線断面図を示す。
【図3】図1のb−b'線断面図を示す。
【図4】第1の実施形態におけるシリコンオプティカルベンチの概略斜視図を示す。
【図5】シリコンオプティカルベンチに溝部を形成する工程を示す上面図である。
【図6】第2の実施形態におけるシリコンオプティカルベンチの概略斜視図を示す。
【図7】図6のc−c'線断面図を示す。
【図8】第2の実施形態における光半導体装置の縦断面図を示す。
【図9】従来の光半導体装置の縦断面図を示す。
【符号の説明】
【0045】
10 光半導体装置
11 シリコンオプティカルベンチ
12 半導体レーザダイオード
13 光学結合用レンズ
14 溝部
14a 第1溝部
14b 第2溝部
15 角度
17 ハンダ
19,20,21,22 傾斜面
19a,20a 上端部
23 距離
24 レジスト膜
25 段差部
100 光半導体装置
111 シリコンオプティカルベンチ
112 半導体レーザダイオード
113 光学結合用レンズ
114 溝部
120 傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板と、
前記シリコン基板上に搭載された半導体レーザダイオードと、
前記半導体レーザダイオードから出力されたレーザ光の光軸方向と一致する方向となるように前記シリコン基板に形成された溝部と、
前記溝部内に備えられ、前記レーザ光を光ファイバに導くための略円筒状の光学結合用レンズと、
を備え、
前記光学結合用レンズは、前記溝部において対向する一対の支持部により光軸方向に位置決めされていることを特徴とする光半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光半導体装置であって、
一対の前記支持部は、下方向に向かってすぼむように傾斜するとともに、光軸方向において対向する一対の傾斜面であって、
前記光学結合用レンズは、前記傾斜面に当接することにより光軸方向に位置決めされていることを特徴とする光半導体装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の光半導体装置であって、
前記溝部は、下方向に向かってすぼむように傾斜するとともに、光軸方向と直交する方向において対向する一対の傾斜面を有し、
前記光学結合用レンズは、前記傾斜面に当接することにより光軸方向と直交する方向に位置決めされていることを特徴とする光半導体装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の光半導体装置であって、
前記半導体レーザダイオード側に位置する前記傾斜面に対向する前記傾斜面の上端部が、前記半導体レーザダイオード側に位置する前記傾斜面の上端部よりも低いことを特徴とする光半導体装置。
【請求項5】
請求項4に記載の光半導体装置であって、
2つの前記上端部との高低差が、20μm以上100μm以下であることを特徴とする光半導体装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の光半導体装置であって、
前記光学結合用レンズは、凸状の非球面を有することを特徴とする光半導体装置。
【請求項7】
シリコン基板に形成された溝部内に搭載された略円筒状の光学結合用レンズを備える光半導体装置の製造方法であって、
前記シリコン基板に形成された溝部内に、前記光学結合用レンズの光軸方向において対向するように一対の傾斜面を形成する工程と、
一対の前記傾斜面に当接するように、前記溝部内に略円筒状の前記光学結合用レンズを搭載する工程と、
を含むことを特徴とする光半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の光半導体装置の製造方法であって、
一対の前記傾斜面を形成する前記工程は、
前記シリコン基板上に形成された第1レジスト膜をマスクとして前記シリコン基板を選択的にエッチングし、前記溝部を形成する工程と、
前記第1レジスト膜を除去するとともに、前記シリコン基板表面および前記溝部の一部を覆うように第2レジスト膜を形成する工程と、
前記第2レジスト膜をマスクとして前記シリコン基板を選択的にエッチングし、前記溝部内に前記光学結合用レンズの光軸方向において対向する一対の前記傾斜面を形成する工程と、
を含むことを特徴とする光半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項7に記載の光半導体装置の製造方法であって、
一対の前記傾斜面を形成する前記工程は、
前記シリコン基板上に形成されたレジスト膜をマスクとして前記シリコン基板を選択的にエッチングし、前記光学結合用レンズの光軸方向において対向する一対の前記傾斜面を有する前記溝部を形成する工程と、
前記シリコン基板の一部を削除することにより、前記半導体レーザダイオード側に位置する前記傾斜面に対向する前記傾斜面の上端部を、前記半導体レーザダイオード側に位置する前記傾斜面の上端部よりも低くする工程と、
を含むことを特徴とする光半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれかに記載の光半導体装置の製造方法であって、
一対の前記傾斜面を形成する前記工程は、
前記光軸方向に直交する方向おいて対向する一対の傾斜面をさらに形成する工程であることを特徴とする光半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項7乃至10のいずれかに記載の光半導体装置の製造方法であって、
前記光軸方向において対向する一対の前記傾斜面と、前記光軸方向と直交する方向において対向する一対の前記傾斜面とが、いずれも下方向に向かってすぼむように傾斜しており、
前記光学結合用レンズを搭載する前記工程が、
4つの前記傾斜面に当接するように前記光学結合用レンズを搭載する工程であることを特徴とする光半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−330475(P2006−330475A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−155706(P2005−155706)
【出願日】平成17年5月27日(2005.5.27)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】