説明

光変調器を用いたプロジェクターを備えた携帯用端末機

【課題】光変調器を用いて光源からの光を変調して線形映像を生成し、生成された映像を内部表示部に投射してスキャニングすることにより高画質の映像を表示し得るようにする、光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機の提供。
【解決手段】プロジェクション制御信号を出力し、映像データを出力する制御系と、前記制御系から映像データを受け取り、その映像データによる駆動制御信号を生成して出力するプロジェクション制御系と、前記プロジェクション制御系から入力された駆動制御信号に基づいて光を生成し、生成された光を変調して線形映像を生成し、生成された映像を内部表示部に投射してスキャニングする光変調光学系とを含んでなる、光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光変調器を用いて光源からの光を変調して映像を生成し、生成された映像を外部スクリーンに投射してスキャニングし、或いは内部表示部に投射してスキャニングすることにより映像を表示する、光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、電子産業および情報通信技術の急速な発達に伴い、殆ど全ての産業部分でデスクトップPC(desk top personal computer)、ノートブックPCおよび携帯電話などの端末機を介して各種文字および画像情報を処理しており、特にインターネットによる情報活用が高くなるにつれて、従前のデスクトップPCやノートブックPCだけでなく、携帯電話によってもインターネットと連結して情報処理作業を行う趨勢である。
【0003】
特に、このようなデスクトップPC、ノートブックPCおよび携帯電話などの端末機において高速インターネットサービスの利用が可能となるにつれて、高画質の映像処理に対する要求が増加しつつある。
【0004】
ところが、デスクトップPC、ノートブックPCおよび携帯電話などの端末機のディスプレイ装置は、一定規格のモニタが端末機本体と一体に取り付けられており、画面の視覚範囲と判読性が限定されるという問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、光変調器を用いて光源からの光を変調して線形映像を生成し、生成された映像を内部表示部に投射してスキャニングすることにより高画質の映像を表示し得るようにする、光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機を提供することにある。
【0006】
また、本発明の他の目的は、光変調器を用いて光源からの光を変調して映像を生成し、生成された映像を外部スクリーン(外部表示部)に投射することにより、携帯用端末機が要求する小型化のニーズと低電力のニーズを満足させることができる、光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明は、プロジェクション制御信号を出力し、映像データを出力する制御系と、前記制御系から映像データを受け取り、その映像データによる駆動制御信号を生成して出力するプロジェクション制御系と、前記プロジェクション制御系から入力された駆動制御信号に基づいて光を生成し、生成された光を変調して線形映像を生成し、生成された映像を内部表示部に投射しながらスキャニングする光変調光学系とを含んでなる、光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機を提供する。
【0008】
ここで、好ましくは、前記光変調光学系は生成された映像を外部スクリーンに投射しながらスキャニングすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明によれば、光変調器プロジェクターを用いて内部表示部に映像を表示することにより、高画質の映像を実現することができるという効果がある。
【0010】
また、本発明によれば、光変調器プロジェクターを用いてプロジェクション機能を実現すると、従来の携帯用端末機が持つLCD画面の画面サイズの制限性を克服し得るようにするという効果がある。
【0011】
また、本発明によれば、低電力の光変調器を用いてプロジェクション機能を実現するため、小型のバッテリが使用可能である。
【0012】
また、本発明によれば、光変調器プロジェクターの小型化が可能なので、携帯用端末機を小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施例に係る光変調器のプロジェクターを備えた携帯用端末機について詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明の一実施例に係るモバイル用プロジェクターが内蔵された折り畳み型携帯用端末機の斜視図であって、内部の一部分が切開された図面である。ここでは、折り畳み型携帯用端末機を例として説明したが、スライド型携帯用端末機にも適用可能なのは当業者には当然のことである。
【0015】
図1を参照すると、本発明の一実施例に係るモバイル用プロジェクターが内蔵された折り畳み型携帯用端末機10は、内部プロジェクションモード(ここで、内部プロジェクションモードとは、内部の表示部に映像を表示するモードのことをいう。)または外部プロジェクションモード(ここで、外部プロジェクションモードとは、外部スクリーンに映像を表示するモードのことをいい、ユーザがキーパッド13を用いて選択する)で表示される映像を内蔵されたモバイル用プロジェクターを駆動して生成し、生成された映像を、フォルダー部11の内部表示部12に投射して表示し、あるいは右側側面の開口部14を介して外部のスクリーン15に投射して表示する。
【0016】
ここで、モバイル用プロジェクターは、図1の部分切開された内部に示されているように、RGBそれぞれの色相の光を生成し、生成された光を単一経路に位置させる光源系51と、光源系51で生成された光を回折型光変調器53に投射するための照明光学部52と、入射した光を変調し、複数次数の回折係数を持つ回折光を生成して回折光による映像を生成する回折型光変調器53と、回折型光変調器53で生成された複数次数の回折係数を持つ回折光のうち所望の次数の回折光を通過させるフィルタ部54と、フィルタ部54を通過した回折光を拡大投射する投射光学部55と、投射光学部55で拡大投射された回折光の映像を内部表示部12に表示して映像を生成し、或いは外部スクリーン15にスキャニングを行って映像を生成するスキャニング部56と、内部表示部12に向かう回折光の光経路を変化させるための反射面などからなる光経路変換部57とを含んでなる、光変調光学系を備えている。
【0017】
ここで、光源系51は、R光源51RとG光源51GとB光源51Bを含み、集光部51Sを含む。集光部51Sは、R光を集光するために、入射するR光を反射するミラー51RSと、R光およびG光を集光するために、R光は反射しG光は透過させるダイクロイックミラー51GSと、R光、G光およびB光を集光するために、R光およびG光は透過しB光は反射するダイクロイックミラー51BSとを含む。このような光変調光学系は、図2に示すように、プロジェクション制御部140によって制御されながら映像を生成する。プロジェクション制御部140は、マルチメディアプロセッサ122によって制御される。勿論、マルチメディアプロセッサ122が備えられない場合には、破線矢印で表示されているように、プロジェクション制御部140はベースバンドプロセッサ116によって制御される。
【0018】
一方、携帯用端末機が携帯電話でなければ、ベースバンドプロセッサ116は別の形態のプロセッサで代替できる。すなわち、ベースバンドプロセッサ116という用語は、携帯電話と別の種類の携帯用端末機に使用できる別の形態のプロセッサを含む。
【0019】
図2は本発明の一実施例に係るモバイル用プロジェクターが内蔵された携帯用端末機のブロック構成図である。
【0020】
図2に示すように、本発明の一実施例に係るモバイル用プロジェクター130が内蔵された携帯用端末機は、無線通信を行う無線通信部110と、情報を入力するキー入力部112と、映像データなどを記憶するメモリ114と、マルチメディアプロセッサ122などを制御して、映像が内部表示部160または外部スクリーン162に投射されるようにするベースバンドプロセッサ116と、備えられたカメラなどから入力された映像を処理し、処理された映像データをマルチメディアプロセッサ122へ伝送するイメージセンサモジュールプロセッサ118と、イメージセンサモジュールプロセッサ118から入力された映像をメモリ114に記憶し、或いはプロジェクション制御部140に伝送してプロジェクションされるようにし、ベースバンドプロセッサ116から映像プロジェクション制御信号が入力されると、メモリ114に記憶された映像データを読み出してプロジェクション制御部140に伝送して内部表示部160または外部スクリーン162に投射されるようにするマルチメディアプロセッサ122と、マルチメディアプロセッサ122から入力された映像データによる映像を生成した後、生成された映像を確保して内部表示部160または外部スクリーン162に投射するモバイル用プロジェクター130とを含む。ここで、マルチメディアプロセッサ122とベースバンドプロセッサ116は端末制御系と総称される。
【0021】
一方、図2における破線矢印は、マルチメディアプロセッサ122が備えられない場合に映像データなどの信号流れを示す。図2を参照すると、マルチメディアプロセッサ122が備えられない場合、イメージセンサモジュールプロセッサ118は、カメラなどから入力された映像を処理し、処理された映像データをベースバンドプロセッサ116へ伝送する。ベースバンドプロセッサ116は、イメージセンサモジュールプロセッサ118から入力された映像をメモリ114に記憶し、プロジェクション制御部140へ伝送してプロジェクションされるようにする。また、ベースバンドプロセッサ116は、メモリ114に記憶された映像データを読み出してプロジェクション制御部140へ伝送し、内部表示部160および/または外部スクリーン162に映像が投射されるようにする。
【0022】
ここで、本発明に係る前記モバイル用プロジェクター130は、マルチメディアプロセッサ122(マルチメディアプロセッサ122が備えられていない場合には、ベースバンドプロセッサ116が同一の機能を行う)からプロジェクション制御信号と映像データが入力されると、入力された映像データによる映像を光変調光学系150が生成するように光変調光学系150を制御するプロジェクション制御部140と、プロジェクション制御部140から入力されるプロジェクション制御信号と映像データに基づいて映像を生成し、生成された映像を内部表示部160および/または外部スクリーン162に表示する光変調光学系150とを含む。
【0023】
前記プロジェクション制御部140は、図3に示すように、映像入力部142、映像データ処理部144、および駆動信号制御部146を備えている。
【0024】
また、光変調光学系150は、RGB光源を生成して出射する光源系151と、光源系151からの光を回折型光変調器153に入射させる照明光学部152と、照明光学部152から入射した光を回折させ(すなわち、照明光学部152から入射した光を回折させ、複数の回折次数を持つ回折光を形成するが、この際、複数の回折次数の回折光のうちいずれか一つの次数または複数次数の回折光が所望の映像イメージを生成する)、線形映像を生成する回折型光変調器153と、回折型光変調器153で生成された複数次数の回折光のうち所望の次数の回折光を通過させるフィルタ部154と、フィルタ部154を通過した回折光からなる映像を拡大して投射する投射光学部155と、映像を内部表示部160または外部スクリーン162にスキャニングするスキャニング部156と、スキャニング部156から出射される回折光を外部スクリーン162に向かうように光経路を変換させる光経路変換部158と、回折型光変調器153を、プロジェクション制御部140から入力されるプロジェクション制御信号と映像データに基づいて駆動信号を生成して駆動するドライブ集積回路157とを含む。
【0025】
一方、プロジェクション制御部140の映像入力部142は、マルチメディアプロセッサ122から映像データを受け取り、マルチメディアプロセッサ122が備えられていない場合にはベースバンドプロセッサ116から直接映像データの伝送を受ける。
【0026】
プロジェクション制御部140の映像データ処理部144は、横方向に整列されている映像イメージデータを縦方向に変換するデータトランスポーズを行い、横方向に入力された映像データを縦方向の映像データに変換して出力する。このように映像データ処理部144においてデータトランスポーズが必要な理由は、回折型光変調器153を用いた光変調光学系150の場合に複数のピクセルが縦に配列されており、横方向にスキャニングして表示するようになっているためである。
【0027】
プロジェクション制御部140の駆動信号制御部146は、マルチメディアプロセッサ122からプロジェクション機能を行うように要求するプロジェクション制御信号と映像データ種類信号−すなわち、内部表示部160に投射されるべき映像なのか、または外部スクリーン162に表示されるべき映像なのか、または内部表示部160と外部スクリーン162の両方ともに表示されるべき映像なのかを示す情報−が入力され、映像データ処理部144から横方向にデータトランスポーズされた映像データの伝送を受けると、光源系151を制御して光を生成するようにし、ドライブ集積回路157にプロジェクション制御信号と映像データを伝送して回折型光変調器153が回折光を用いた映像を生成するようにする。
【0028】
また、駆動信号制御部146は、マルチメディアプロセッサ122から、外部スクリーン162に表示されるべき映像であることを知らせる映像データ種類信号が入力されると、光経路変換部158を制御し、内部表示部160に向かう光経路を外部スクリーン162に向かうように制御する。
【0029】
一方、光変調光源系150の光源系151は、複数の光源(例えば、赤色光源151R、緑色光源151G、青色光源151B)からなっており、集光部151Sを含んで複数の光を集光して出射する。この際、本発明の一実施例のように1パネル方式の場合−すなわち、回折型光変調器153を一つのみ使用した場合には−光源系151が赤色光源151R、緑色光源151G、青色光源151Bを時分割して出射すると、回折型光変調器153の前段または後段に別途のカラーホイール(多重ビームを色相別に時間的に分割することが可能な装置)などを備える必要がない。勿論、光源系151が複数の光源を多重ビームに出射すると−すなわち、時分割せずに出射すると−回折型光変調器153の前段または後段に別途のカラーホイール(図示せず)などを備え、多重ビームを色相別に時間的に分割することが可能な装置が必要である。
【0030】
この際、集光部151Sは、例えば赤色光源151Rと緑色光源151Gと青色光源151Bを使用する場合に一つの反射ミラー(図1の51RS)と2つのダイクロイックミラー(図1の51GS、51BS)を用いて構成でき、青色光、緑色光および赤色光が集光して多重ビームが形成されて単一照明系を成すことができる。
【0031】
次に、照明光学部152は、光源系151から出射された光を線形の平行光に変化させて回折型光変調器153に入射させる。
【0032】
回折型光変調器153は、照明光学部152から線形の平行光が入射すると、光変調を行い、複数の回折次数を持つ回折光を形成して映像を生成する(この際、複数の回折次数を持つ回折光のうち一つまたは一つ以上の回折光を用いて映像を生成するようにすることができる)。このような回折型光変調器153の一例として、オープンホール基盤の回折型光変調器がある。本発明に用いられる前記オープンホール基盤の回折光変調器は、図4Aに示すように、シリコン基板501、絶縁層502、下部マイクロミラー503、および複数のエレメント510a〜510nから構成されている。ここで、絶縁層と下部マイクロミラーを別個の層から構成したが、絶縁層に光を反射する性質があれば、絶縁層自体が下部マイクロミラーとして機能するようにすることができる。
【0033】
シリコン基板501は、エレメント510a〜510nにエアスペースを提供するために陥没部を備えており、絶縁層502が積層されており、下部マイクロミラー503が上部に蒸着されており、陥没部を外れた両側にエレメント510a〜510nの下面が付着している。シリコン基板501を構成する物質としては、Si、Al、ZrO、石英、SiOなどの単一物質が使用され、底面と上層(図面では破線で表示される)を互いに異なる二種の物質を用いて形成することもできる。
【0034】
下部マイクロミラー503は、シリコン基板501の上部に蒸着されており、入射する光を反射して回折させる。下部マイクロミラー503に使用される物質としては、金属(Al、Pt、Cr、Ag等)が使用できる。
【0035】
エレメント(代表的に、図面符号510aについてのみ説明するが、残りも同様である)は、リボン形状をしており、中央部分がシリコン基板501の陥没部から離隔して位置するように両端の下面がそれぞれシリコン基板501の陥没部を外れた両側地域に付着している下部支持台511aを備えている。
【0036】
下部支持台511aの両側面には圧電層520a、520a'が備えられており、備えられた圧電層520a、520'の収縮膨張によってエレメント510aの駆動力が提供される。
【0037】
下部支持台511aを構成する物質としては、Si酸化物(例えばSiOなど)、Si窒化物系列(例えばSiなど)、セラミック基板(Si、ZrO、Al)、Siカーバイドなどが挙げられる。このような下部支持台511aは必要に応じて省略してもよい。
【0038】
左右側の圧電層520a、520a'は、圧電電圧を提供するための下部電極層521a、521a'と、下部電極層521a、521a'に積層されており、両面に電圧が印加されると、収縮および膨張して上下駆動力を発生させる圧電材料層522a、522a'と、圧電材料層522a、522a'に積層されており、圧電材料層522a、522a'に圧電電圧を提供する上部電極層523a、523a'とを備えている。上部電極層523a、523a'と下部電極層521a、521a'に電圧が印加されると、圧電材料層522a、522a'は収縮・膨張をして下部支持台511aの上下運動を発生させる。
【0039】
電極521a、521a'、523a、523a'の電極材料としては、Pt、Ta/Pt、Ni、Au、Al、RuOなどが使用でき、0.01〜3μmの範囲でスパッタ(sputter)またはエバポレイション(evaporation)などの方法で蒸着する。
【0040】
一方、下部支持台511aの中央部分には、上部マイクロミラー530aが蒸着されており、複数のオープンホール531aを備えている。ここで、オープンホール531aの形状は、長方形が好ましいが、閉曲線であれば円形、楕円形などいずれの形状でも可能である。ここで、下部支持台を光反射性物質で形成する場合、別途に上部マイクロミラーを蒸着する必要がなく、下部支持台が上部マイクロミラーとして機能するようにすることができる。
【0041】
このようなオープンホール531aは、エレメント510aに入射する入射光が貫通して、オープンホール531aが形成された部分に対応する下部マイクロミラー503に入射するようにし、こうして下部マイクロミラー503と上部マイクロミラー530aが画素を形成し得るようにする。
【0042】
すなわち、例えば、オープンホール531aが形成された上部マイクロミラー530aの(A)部分と下部マイクロミラー503のB部分が一つの画素(ピクセル)を形成することができる。
【0043】
この際、上部マイクロミラー530aのオープンホール531aが形成された部分を貫通して入射する入射光は、下部マイクロミラー503の当該部分Bに入射することができ、上部マイクロミラー530aと下部マイクロミラー503との間隔がλ/4の奇数倍になるとき、最大の光強度を持つ回折光を発生させる。
【0044】
図4Aのオープンホール基盤の回折型光変調器は、オープンホール531aが長方形に形成されており、シリコン基板501をエレメント510aが横切る方向と同一の方向に長辺が並ぶように形成されている。すると、図4Bの平面図から分かるように、エレメント510a〜510nの間隔を十分広く維持するとき、エレメント510a〜510n間の空の空間(図面符号D)を利用することができる。すなわち、エレメント510a〜510n間の空の空間(図面符号D)を通過して下部マイクロミラー503から反射されてきた光を、上部マイクロミラー530aの隣接領域Cから反射されてきた光と回折を起こすようにすることができる。勿論、この際、エレメント510a〜510n間の空の空間(図面符号D)に位置する下部マイクロミラー503aと上部マイクロミラー530aの隣接した領域Cとの段差がλ/4の奇数倍になるとき(入射光の波長をλとする場合)、最大の光強度を持つ回折光を発生させる。
【0045】
こうすると、図4Aおよび図4Bにおいて、(A)、(B)、(C)、(D)領域が一つのピクセルを形成するようにすることができ、これにより光損失を減らすことができ、結果として光効率を高めることができる。
【0046】
図4Aおよび図4Bを参照すると、上部マイクロミラー530aの領域(A)、(C)は、入射光を反射する反射表面としての役割を行う。また、下部マイクロミラー503の上部マイクロミラー530aのオープンホール531aに対応する部分(B)もオープンホール531aを通過して入射する入射光を反射する反射表面としての役割を行い、エレメント510aとそれに隣接したエレメント510bの空の空間に対応する部分(D)も空の空間を通過して入射する入射光を反射する反射表面としての役割を行う。
【0047】
この際、反射領域(A)、(B)、(C)、(D)の幅は、効率的なピクセルを構成するために互いに同一である。勿論、反射領域(B)、(D)の幅が反射領域(A)、(B)よりやや広くても良い。その理由は、オープンホール531aとエレメント510a、510bとの間を入射光が通過するときに光損失が発生し、且つ下部マイクロミラー503から反射された光がオープンホール531aとエレメント510a、510bとの間を通過するときに光損失が発生するためである。このような光損失を補償するために、反射領域(B)、(D)の幅を反射領域(A)、(B)よりさらに広くする必要がある。例えば、反射領域(A)、(B)の幅は3.9μmとし、反射領域(B)、(D)の幅は4.1μmとする。
【0048】
一方、フィルタ部154は、一例として、フーリエレンズ(図1の54A)とセクション別フィルタ(図1の54B)から構成され、回折光を次数別に分離し、所望の次数の回折光を透過/通過させる。
【0049】
投射光学部155は、映像を投射し、スキャニング部156から入射した回折光を内部表示部160にスキャニングして映像を内部表示部160上に生成し、或いはスキャニング部156から入射した回折光を外部スクリーン162にスキャニングして映像を外部スクリーン162上に生成することにより、視聴者が見ることができるようにする。
【0050】
回折型光変調器153が形成する回折光は複数次数の回折係数を持っているが、0次回折係数の回折光を使用する場合には、低電力で高出力を出すことができ、電力消耗を減らすことができて、低電力を所望する携帯用端末機への使用には容易である。また、回折型光変調器153が形成する回折光のうち0次回折光を使用すると、+1次回折光と−1次回折光とは異なり回折光が広がらないため、+1次回折光と−1次回折光を使用するときに回折光を集光するために用いる大きいレンズ系が不要なので、小型化が可能である。
【0051】
また、0次回折光は、+1次回折光または−1次回折光に比べて焦点深度が深く、外部スクリーン162が固定されていない携帯端末機への使用が容易である。ここで、焦点深度とは、焦点を合わせた物体の前後に鮮明な映像がある程度まで出るかという情報をいうが、0次回折光は単一光なので、+1次回折光と−1次回折光を集光して使用する0次以上の回折光より焦点深度が深い。すなわち、0次以上の回折光を使用した場合には、+1次回折光と−1次回折光とが互いに交差しながら焦点を形成して焦点深度が浅い。したがって、携帯用端末機の場合のように、外部スクリーン162が固定されているのではなく、ユーザが任意にスクリーン162を設定し肉眼を用いて焦点を合わせる応用では、焦点深度が深い必要があるが、このような必要を0次回折光が満足させる。
【0052】
一方、光経路変換部158は、プロジェクション制御部140から光経路変換制御信号が入力されると、スキャニング部156から内部表示部160に向かう光経路を外部スクリーン162に向かうように変換させる。
【0053】
このような光経路変換部158の一実施例が図5に示されている。図5を参照すると、光経路変換部158は、スキャニング部156でスキャニングされた回折光の経路を内部表示部160から外部スクリーン162に変更させるための反射ミラー158aと、内部プロジェクションモードで(A)状態にある反射ミラー158aを(B)状態に移動させて外部プロジェクションモードに転換するための移動部158bを備えている。
【0054】
移動部158bは、プロジェクション制御部140から光経路変換制御信号が入力されると、反射ミラー158aを破線で表示された(A)状態から(B)状態に変換して光経路を変換させて内部プロジェクションモードから外部プロジェクションモードに変換させる。
【0055】
勿論、ここでは、内部プロジェクションモードと外部プロジェクションモードを別個の状態と想定したが、内部プロジェクションモードと外部プロジェクションモードを同時に実現することもできる。そうするためには、一実施例として、反射ミラー158aを全反射領域、半透過性領域、および透過領域に区分して実現すると、内部プロジェクションモード、内部および外部プロジェクションモード、並びに外部プロジェクションモードの実現が可能である。すなわち、外部プロジェクションモードでは、反射ミラー158aの全反射領域を用いて、入射する回折光をすべて外部スクリーン162に向かって反射するようにして外部スクリーン162にのみ映像が表示されるようにし、内部および外部プロジェクションモードでは、反射ミラー158aの半透過性領域を用いて、入射する回折光の一部は内部表示部160に向かうようにし、他の一部は外部スクリーン162に向かうようにして、内部表示部160と外部スクリーン162のいずれにも映像が表示されるようにし、外部プロジェクションモードでは、反射ミラー158aの透過領域を用いて、入射する回折光が内部表示部160に透過されるようにして、内部表示部160に映像が表示されるようにする。
【0056】
一方、内部表示部160に映像をスキャニング部156を用いて表示する方法はいろいろが可能であるが、その実施例が図6A〜図6Cに示されている。
【0057】
例えば、図6Aを参照すると、内部表示部160の外部窓160a(ユーザが映像を見ることができるように映像が表示される面)にスキャニング部156が回折光を直接投射してスキャニングすることにより、2次元映像を形成するように実現することができる。
【0058】
他の例として、図6Bを参照すると、内部表示部160は、ユーザが映像を見ることができるように映像が表示される外部窓160aと、外部窓160aの一側に、外部窓160aの一面に対向するように形成されている反射ミラー160bとを含んでなる。このように、内部表示部160が、図6Aに示されている実施例とは異なり反射ミラー160bをさらに備えるようにすると、スキャニング部156は回折光を外部窓160aに直接投射してスキャニングするのではなく、間接的に反射ミラー160bに投射してスキャニングし、それにより反射ミラー160bが回折光を外部窓160aに反射してスキャニングすることになり、外部窓160aに映像が表示される。すなわち、スキャニング部156は、回折光を反射ミラー160bに投射しながらスキャニングすると、それにより反射ミラー160bが入射回折光を外部窓160aに反射して投射しながらスキャニングを行い、その結果外部窓160aに映像が表示される。
【0059】
別の例として、図6Cを参照すると、内部表示部160は、ユーザが映像を見ることができるように映像が表示される外部窓160aと、外部窓160aの一面に取り付けられており、一端の開口に入射する入射光を導波させる導波管160cとから構成されている。
【0060】
ここで、導波管160cの断面は長方形であって、漸次直径が小さくなる。導波管160cは、入射する光線のうち臨界角を超える光線を透過させる透過側壁160caと、全反射する反射側壁160cbとからなっている。導波管160cの透過側壁160caは、その外側面が外部窓160aに接している。勿論、ここでは外部窓160aと透過側壁160caを別途に構成したが、一体に構成してもよい。
【0061】
このような構成を持つ導波管160cの一側面の開口に回折光が入射すると、入射した回折光は導波管160cの導波路160ccに沿って進行する。この際、導波管160cの反射側壁160cbは入射する回折光の全部を反射させ、透過側壁160caは回折光の入射角の臨界値を超えると入射する回折光を透過させる。その結果、映像が外部窓160aに表示される。この際、外部窓160aに映像がスキャニングされながら表示されるようにするためには、スキャニング部156が導波管160cの開口に入射する回折光の入射角を変化させなければならない。これにより、透過側壁160cbにおいて入射光が導波管160cの導波方向に沿って進行しながら順次透過される。その結果、外部窓160aに映像がスキャニングされながら表示されて2次元映像が形成される。
【0062】
ここで、導波管160cの透過側壁160caは、スキャニング部156から投射された光が均一に外部窓160aに透過されるようにするために、光透過力に非常に優れたポリメチルメタクリレート(PolyMethylMethAcrylate、PMMA)樹脂、PC(PolyCarbonate)樹脂が使用できる。
【0063】
上述した光変調光学系150は、一つの回折型光変調器153を用いて映像イメージを生成するようにしたが、カラー別に区分された3つの回折型光変調器を用いて−3パネル方式と呼ばれる−映像イメージを生成するようにすることができる。この場合には、照明光学部が別途に3つ必要であり、且つ回折型光変調器の以後に色合成系がさらに必要である。
【0064】
以下に添付図面を参照しながら、本発明に係る光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機の動作について内部プロジェクションモードと外部プロジェクションモードに分けて詳細に説明する。
【0065】
(1)内部プロジェクションモード
ベースバンドプロセッサ116は、ユーザが折り畳み型携帯用端末機の場合にフォルダー部を開く、或いはスライド型携帯用端末機の場合にスライダ部をスライドすると、内部表示部160に投射されるべき所定の映像データをプロジェクション制御部140に伝送するようにマルチメディアプロセッサ122に内部表示部プロジェクション制御信号を伝送する。ここで、内部表示部プロジェクション制御信号には、映像データの種類を知らせる信号が含まれている(すなわち、内部表示部160に表示されるべき映像であることを知らせる信号が含まれている)。
【0066】
すると、マルチメディアプロセッサ122は、内部表示部プロジェクション制御信号による内部プロジェクション制御信号を駆動信号制御部146に伝送し、メモリ114から読み出した映像データを映像入力部142に伝送する。
【0067】
一方、プロジェクション制御部140の映像入力部142は、マルチメディアプロセッサ122から入力された映像データを映像データ処理部144に伝送し、映像データ処理部144は、映像データに対するトランスポーズを行い、トランスポーズされた映像データを駆動信号制御部146へ出力する。
【0068】
駆動信号制御部146は、マルチメディアプロセッサ122から内部プロジェクション制御信号が入力され、映像データ処理部144から映像データが入力されると、入力された映像データによる光源制御信号を光源系151へ伝送し、光源系151が光源を生成するようにする。
【0069】
また、駆動信号制御部146は、映像データによる駆動制御信号をドライブ集積回路157へ出力する。駆動制御信号を入力されたドライブ集積回路157は、入力された駆動制御信号による駆動信号を生成して回折型光変調器153を駆動する。
【0070】
また、駆動信号制御部146は、スキャニング部156へ内部スキャニング制御信号を出力し、スキャニング部156がスキャニングを行って映像が内部表示部160にスキャニングされるようにして、映像が内部表示部160に表示されるようにする。
【0071】
また、駆動信号制御部146は、光経路変換部158へ内部プロジェクション制御信号を伝送して、スキャニング部156から外部スクリーン162に向かう光経路が形成されている場合には光経路が内部表示部160に向かうように変換させる。
【0072】
光源系151は、駆動信号制御部146から入力される光源制御信号に基づいて駆動され、R光、G光、B光を順次生成して出射する。
【0073】
照明光学部152は、光源系151で生成された光を回折型光変調器153に入射させる。
【0074】
次に、回折型光変調器153は、入力された駆動信号に基づいて駆動され、照明光学部152から入射した光を変調し、複数の回折次数を持つ回折光を形成して映像を生成する。
【0075】
フィルタ部154は、回折型光変調器153で生成された複数の回折次数を持つ回折光のうち例えば0次回折光を通過させ、残りの回折光は遮断する。
【0076】
投射光学部155は、フィルタ部154を通過した回折光を投射し、スキャニング部156は、駆動信号制御部146から入力される内部スキャニング制御信号に基づいて内部表示部160に映像をスキャニングして表示する。
【0077】
ここで、スキャニング部156は、いろんな類型を含むが、オシレーティングミラー型スキャナ、ロテーティングヘッド型スキャナなどを含む。
【0078】
光経路変換部158の移動部158bは、内部プロジェクション制御信号が入力されると、反射ミラー158aの位置を(B)位置から(A)位置に変化させ、スキャニング部156から外部スクリーン162に向かう光経路を内部表示部160に向かうように変換させる。
【0079】
一方、本発明の他の実施例として、フィルタ部154は、回折型光変調器153の後段の何処に位置してもよく−スキャニング部156と内部表示部160との間に位置してもよく−、スキャニング部156に含まれてもよい。
【0080】
また、本発明に使用される回折型光変調器153は、圧電駆動方式のみならず、GLVなども使用可能であり、圧電駆動方式の場合には、オープンホールがなくても使用可能であり、ハイブリッドタイプの光変調器も使用可能である。
【0081】
また、単一光源も使用可能であり、この場合、2次元映像を生成するために2次元スキャニングを行う。
【0082】
前記単一光源は、単一ダイオードまたは単一光ピクセルを形成する回折ユニットから得られる。
【0083】
(2)外部プロジェクションモード
ベースバンドプロセッサ116は、ユーザがキー入力部112を用いて映像を拡大して外部スクリーン162に投射する外部プロジェクションモードを選択し(このような外部プロジェクションモードはメニューを介してユーザに提供される)、外部スクリーン162に投射を所望する映像データをユーザが選択すると、ユーザにより選択された映像の映像データをプロジェクション制御部140へ伝送するように、マルチメディアプロセッサ122に外部スクリーンプロジェクション制御信号を伝送する。
【0084】
すると、マルチメディアプロセッサ122は、外部スクリーンプロジェクション制御信号を駆動信号制御部146に伝送し、映像入力部142へ、メモリ114から読み出した映像データを伝送する。
【0085】
プロジェクション制御部140の映像入力部142は、マルチメディアプロセッサ122から入力された映像データを映像データ処理部144へ伝送し、映像データ処理部144は、映像データに対するトランスポーズを行い、トランスポーズされた映像データを駆動信号制御部146へ出力する。
【0086】
駆動信号制御部146は、マルチメディアプロセッサ122から外部スクリーンプロジェクション制御信号が入力され、映像データ処理部144から映像データが入力されると、入力された映像データによる光源制御信号を光源系151に伝送し、光源系151が光源を生成するようにする。
【0087】
また、駆動信号制御部146は、映像データによる駆動制御信号をドライブ集積回路157に出力し、駆動制御信号を入力されたドライブ集積回路157は、入力された駆動制御信号による駆動信号を生成して回折型光変調器153を駆動する。
【0088】
また、駆動信号制御部146は、スキャニング部156へ外部スキャニング制御信号を出力してスキャニング部156がスキャニングを行い、映像が外部スクリーン162にスキャニングされるようにして、映像が外部スクリーン162に表示されるようにする。
【0089】
また、駆動信号制御部146は、光経路変換部158へ外部プロジェクション制御信号を伝送し、スキャニング部156から内部表示部160に向かう光経路を外部スクリーン162に向かうように変換させる。
【0090】
光源系151は、駆動信号制御部146から入力される光源制御信号に基づいて駆動され、R光、G光、B光を順次生成して出射する。
【0091】
照明光学部152は、光源系151で生成された光を回折型光変調器153に入射させる。
【0092】
回折型光変調器153は、入力された駆動信号によって駆動され、照明光学部152から入射した光を変調し、複数の回折次数を持つ回折光を形成して映像を生成する。
【0093】
フィルタ部154は、回折型光変調器153で生成された複数の回折次数を持つ回折光のうち例えば0次回折光を通過させ、残りの回折光は遮断する。
【0094】
投射光学部155は、フィルタ部154を通過した回折光を投射し、スキャニング部156は、駆動信号制御部146から入力される外部スキャニング制御信号に基づいて外部スクリーン162に映像をスキャニングして表示する。
【0095】
光経路変換部158の移動部158bは、外部プロジェクション制御信号が入力されると、反射ミラー158aの位置を(A)位置から(B)位置に変化させ、スキャニング部156から内部表示部160に向かう光経路を外部スクリーン162に向かうように変換させる。
【0096】
一方、ここでは、内部プロジェクションモードと外部プロジェクションモードについてのみ説明したが、内部プロジェクションモードと外部プロジェクションモードを同時に行うことも実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の一実施例に係る光変調器プロジェクターが内蔵された携帯用端末機の斜視図であって、内部の一部分が切開された図面である。
【図2】本発明の一実施例に係る光変調器プロジェクターが内蔵された携帯用端末機のブロック図である。
【図3】図2のプロジェクション駆動部の内部ブロック図である。
【図4A】図2の回折型光変調器の斜視図である。
【図4B】図2の回折型光変調器の平面図である。
【図5】図2の光経路変換部の一実施例を示す例示図である。
【図6A】図2の内部表示部の実施例を示す例示図である。
【図6B】図2の内部表示部の実施例を示す例示図である。
【図6C】図2の内部表示部の実施例を示す例示図である。
【符号の説明】
【0098】
116 ベースバンドプロセッサ
118 イメージセンサモジュールプロセッサ
130 光変調器プロジェクター
140 プロジェクション制御部
150 光変調光学系
151 光源系
151R、151G、151B 光源
151S 集光部
152 照明光学部
153 回折型光変調器
154 フィルタ部
155 投射光学部
156 スキャニング部
157 ドライブ集積回路
158 光経路変換部
158a 反射ミラー
158b 移動部
158c 導光板
160 内部表示部
162 外部スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部表示部に映像が表示されるようにするための内部表示部プロジェクション制御信号を出力し、前記内部表示部に表示されるべき映像データを出力する制御系と、
前記制御系から内部表示部プロジェクション制御信号と映像データを受け取り、その内部表示部プロジェクション制御信号に基づいて内部プロジェクション制御信号を出力し、映像データによる駆動制御信号を生成して出力するプロジェクション制御系と、
前記プロジェクション制御系から入力された駆動制御信号に基づいて光を生成し、生成された光を変調して映像を生成し、生成された映像を、前記プロジェクション制御系から入力された内部プロジェクション制御信号に基づいて内部表示部に投射しながらスキャニングする光変調光学系とを含んでなる、光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項2】
前記制御系は、
前記プロジェクション制御系へ内部表示部プロジェクション制御信号を出力し、映像データを前記プロジェクション制御系へ出力するベースバンドプロセッサであることを特徴とする、請求項1に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項3】
前記制御系は、
内部表示部プロジェクション制御信号を出力するベースバンドプロセッサと、
前記ベースバンドプロセッサから内部表示部プロジェクション制御信号が入力されると、前記プロジェクション制御系へ内部表示部プロジェクション制御信号を出力し、映像データを前記プロジェクション制御系へ出力するマルチメディアプロセッサとを含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項4】
前記光変調光学系が生成する映像は0次回折光によって形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項5】
前記光変調光学系は、
光を生成して出射する光源系と、
前記プロジェクション制御系から駆動制御信号が入力されると、駆動信号を生成して出力するドライブ集積回路と、
前記ドライブ集積回路から駆動信号が入力されると、入力された駆動信号に基づいて駆動され、入射光を入射させて映像を生成する光変調器と、
前記光源系から出射される光を前記光変調器に入射させる照明光学部と、
前記光変調器から出射される映像を投射する投射光学部と、
前記投射光学部から入射する映像を、前記プロジェクション制御系から入力された内部プロジェクション制御信号に基づいて前記内部表示部に表示して2次元映像を生成するスキャニング部とを含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項6】
前記光源系は、
互いに異なるカラーの光を生成する複数の光源と、
前記複数の光源から生成された光を集光する集光部とを含んでなることを特徴とする、請求項5に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項7】
前記光変調器は、前記照明光学部からの入射光を変調して線形映像を生成することを特徴とする、請求項5に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項8】
前記光変調器は、回折型光変調器であって、前記照明光学部からの入射光を回折させ、回折光によって映像を生成することを特徴とする、請求項5に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項9】
前記回折型光変調器は、前記照明光学部からの入射光を変調して線形映像を生成することを特徴とする、請求項8に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項10】
前記光源系から前記内部表示部に至る光経路のうち前記回折型光変調器の以後の光経路上に位置し、前記回折型光変調器で生成された複数次数の回折光のうちの0次回折光を通過させるフィルタ部をさらに含んでなることを特徴とする、請求項8に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項11】
前記フィルタ部は、前記スキャニング部に含まれて一体化されたことを特徴とする、請求項10に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項12】
前記回折型光変調器は、
基盤部材と、
アレイを形成し、それぞれは前記基盤部材によって支持されており、中間部分は前記基盤部材から離隔して空間を確保しており、前記基盤部材に配向する表面が反射面として形成されて入射光を反射し、少なくとも一つのオープンホールが形成されて入射光を通過させるように構成されている複数の第1反射部と、
前記基盤部材と前記第1反射部との間に前記第1反射部から離隔して位置し、前記第1反射部の前記オープンホールを通過して入射する光を反射させる反射表面を持っている第2反射部と、
前記ドライブ集積回路から入力された駆動信号に基づいて、該当する前記第1反射部の中間部分を前記基盤部材に対して遠くまたは近くなるように動かし、前記第1反射部と前記第2反射部の反射光によって形成される回折光の光量を変化させる複数の駆動手段とを含んでなることを特徴とする、請求項8に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項13】
前記第1反射部は、長辺が前記基盤部材を横切る方向と同一の方向に整列されている複数のオープンホールを含むことを特徴とする、請求項12に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項14】
前記第1反射部の間に形成された空間の幅、前記オープンホールの幅、前記オープンホール間の距離、および最外郭の前記オープンホールから前記第1反射部間のギャップに至るまでの距離が類似であることを特徴とする、請求項13に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項15】
前記プロジェクション制御系は、
前記制御系からの映像データの入力を受ける映像入力部と、
前記映像入力部に入力された映像データを処理して出力する映像データ処理部と、
前記制御系から内部表示部プロジェクション制御信号を受け取り、前記映像データ処理部から映像データを受け取ると、前記光変調光学系に、内部プロジェクション制御信号と映像データによる駆動制御信号を生成して出力する駆動信号制御部とを含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項16】
前記制御系は、外部スクリーンに映像を表示するための外部スクリーンプロジェクション制御信号を出力し、前記外部スクリーンに表示されるべき映像の映像データを出力し、
前記プロジェクション制御系は、前記制御系から外部スクリーンプロジェクション制御信号と映像データを受け取り、前記外部スクリーンプロジェクション制御信号に基づいて外部プロジェクション制御信号を出力し、映像データによる駆動制御信号を生成して出力し、
前記光変調光学系は、前記プロジェクション制御系から入力された駆動制御信号に基づいて光を生成し、生成された光を変調して映像を生成し、生成された映像を、前記プロジェクション制御系から入力された外部プロジェクション制御信号に基づいて外部スクリーンに投射しながらスキャニングすることを特徴とする、請求項1に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項17】
前記光変調光学系は、
光を生成して出射する光源系と、
前記プロジェクション制御系から駆動制御信号が入力されると、入力された駆動制御信号に基づいて駆動信号を生成して出力するドライブ集積回路と、
前記ドライブ集積回路から駆動信号が入力されると、入力された駆動信号に基づいて駆動され、入射光を変調させて映像を生成する光変調器と、
前記光源系から出射される光を前記光変調器に入射させる照明光学部と、
前記光変調器から出射される映像を投射する投射光学部と、
前記投射光学部から入射する映像を前記内部表示部または外部スクリーンに表示して2次元映像を生成するスキャニング部と、
前記プロジェクション制御系から内部プロジェクション制御信号が入力されると、前記光変調器で生成された映像を前記内部表示部に向かうようにし、前記プロジェクション制御系から外部プロジェクション制御信号が入力されると、前記光変調器で生成された映像を前記外部スクリーンに向かうようにする光経路変換部とを含んでなることを特徴とする、請求項16に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項18】
前記光源系は、
互いに異なるカラーの光を生成する複数の光源と、
前記複数の光源で生成された光を集光する集光部とを含んでなることを特徴とする、請求項17に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項19】
前記光変調器は、前記照明光学部からの入射光を変調して線形映像を生成することを特徴とする、請求項17に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項20】
前記光変調器は、回折型光変調器であって、前記照明光学部からの入射光を回折させ、回折光によって映像を生成することを特徴とする、請求項17に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項21】
前記回折型光変調器は、前記照明光学部からの入射光を変調して線形映像を生成することを特徴とする、請求項20に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項22】
前記光源系から前記内部表示部に至る光経路のうち前記回折型光変調器の以後の光経路上に位置し、前記回折型光変調器で生成された複数次数の回折光のうちの0次回折光を通過させるフィルタ部をさらに含んでなることを特徴とする、請求項21に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項23】
前記光経路変換部は、前記プロジェクション制御系から内部プロジェクション制御信号が入力されると、光経路を前記内部表示部に向かうようにし、前記プロジェクション制御系から外部プロジェクション制御信号が入力されると、光経路を前記外部スクリーンに向かうように変化させる反射ミラーを含むことを特徴とする、請求項20に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項24】
前記光経路変換部は、
前記光変調器から出射される回折光の経路を変化させる反射ミラーと、
前記プロジェクション制御系から内部プロジェクション制御信号が入力されると、光経路を前記内部表示部に向かうように変化させる位置に前記反射ミラーを移動させ、前記プロジェクション制御系から外部プロジェクション制御信号が入力されると、光経路を前記外部スクリーンに向かうように変化させる位置に前記反射ミラーを移動させる移動部とを含んでなることを特徴とする、請求項17に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項25】
前記プロジェクション制御系は、
前記制御系からの映像データの入力を受ける映像入力部と、
前記映像入力部に入力された映像データを処理して出力する映像データ処理部と、
前記制御系から内部表示部プロジェクション制御信号が入力されると、内部プロジェクション制御信号を前記光変調光学系に出力し、前記制御系から外部表示部プロジェクション制御信号が入力されると、外部プロジェクション制御信号を前記光変調光学系に出力し、前記映像データ処理部から入力された映像データによる駆動制御信号を生成して前記光変調光学系に出力する駆動信号制御部とを含んでなることを特徴とする、請求項16に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項26】
前記内部表示部は、
前記光変調光学系から投射される光を外部に表示する外部窓を含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項27】
前記内部表示部は、前記外部窓の一側に、前記外部窓の一側面に対向するように形成されている内部表示部反射ミラーをさらに含み、
前記内部表示部反射ミラーは、前記光変調光学系からの入射光を前記外部窓に反射して投射し、前記外部窓は、前記内部表示部反射ミラーから反射された反射光を外部に表示することを特徴とする、請求項26に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項28】
前記内部表示部は、
前記外部窓の一側に形成され且つ臨界角以上の入射光を透過させる透過側壁と、前記透過側壁に対向し且つ入射光を全反射する反射側壁とからなり、一つの開口が前記光変調光学系を向かっている導波管をさらに含み、
前記光変調光学系が前記導波管の開口に入射角を変化させながら光を入射させると、前記透過側壁が入射光を前記導波管の導波進行方向に沿って前記外部窓にスキャニングがなされるように透過させ、前記外部窓に映像が表示されるようにすることを特徴とする、請求項26に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。
【請求項29】
前記外部窓と前記導波管の透過側壁とが一体を成すことを特徴とする、請求項28に記載の光変調器プロジェクターを備えた携帯用端末機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【公開番号】特開2008−58970(P2008−58970A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−222529(P2007−222529)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】