説明

光学式変位センサおよびその制御方法

【課題】より精度の高い計測を可能にする光学式変位センサおよびその制御方法を提供する。
【解決手段】制御部201は、まず照射指示を出力して(信号DRをLレベルからHレベルに変化させて)、投光部202に含まれるレーザダイオードの発光を開始させる。そして、制御部201は、照射指示を出力してから所定の期間が経過した後に撮像指示を出力して(信号SHTをHレベルからLレベルに変化させて)、受光部203に含まれる2次元撮像素子の撮像を開始させる。この「所定の期間」は、レーザダイオードが光ビームを発してから、その光ビームの強度の値が所定値に実質的に達するまでの期間に設定される。これにより2次元撮像素子のシャッタの開放直後から安定した投光条件が維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学式変位センサおよびその制御方法に関し、特に、光源からの投光タイミングを計測対象物体の撮像タイミングに応じて適切に制御可能な光学式変位センサ、および、その制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な計測対象物体の変位、長さ、角度などを計測するためのセンサ装置が知られている。例えば、光源からの光をスリット光に整形して計測対象物体表面に所定角度で照射する投光部と、計測対象物体表面のスリット光照射位置をスリット光照射角度とは異なる角度から二次元撮像素子を使用して撮影して光切断面の断面輪郭線像を含む画像を取得する撮影部と、この撮影手段を介して得られる光切断面の断面輪郭線像に基づいて、所定の計測処理を実行することにより計測値及び/又は判定値を生成する計測部と、を具備する、光切断法を利用した光学式計測装置(『変位センサ』とも称される)が知られている。
【0003】
図13は、従来の光学式変位センサにおける投光タイミングと撮像タイミングとの関係を説明する図である。
【0004】
図13を参照して、信号SHTは2次元撮像素子(たとえばCCD、CMOS撮像素子等)の電子シャッタを制御するための信号である。信号SHTがHレベルからLレベルに変化するに応じてシャッタが開き、撮像素子は受けた光を電気信号に変換する。また、信号SHTがLレベルからHレベルに変化するとシャッタが閉じる。すなわち信号SHTがLレベルである期間(期間t)が2次元撮像素子のシャッタ開放期間に等しい。
【0005】
信号LDは投光素子(以下ではレーザダイオードとする)の光出力を示す信号である。信号SHTがHレベルからLレベルに変化するのと同期して信号LDは立ち上がる。すなわちシャッタの開放とレーザダイオードの発光とが同時に開始される。
【0006】
なお、信号LDの波形から分かるようにレーザダイオードはパルス光を発する。これによりレーザダイオードの消費電力が大きくなるのを防ぐことができる。また、レーザダイオードの温度上昇を抑えることができるので、光出力の低下を抑えることができる。また、レーザダイオードを長持ちさせることができる。
【0007】
従来の光学式変位センサの例が、たとえば特開2005−291719号公報(特許文献1)に開示される。この文献に開示されるセンサ装置では、高速差動伝送方式を用いてコントローラとセンサヘッドとの間でデータ伝送を行なう。コントローラはセンサヘッドに対してセンシング態様を設定するための制御データを送信する。このセンシング態様の中にはセンサヘッドに含まれる投光素子の発光制御が含まれる。センサヘッド側の制御手段はこの制御データに基づいて投光素子が行なうパルス発光のパルス幅、周期、強度や撮像素子のシャッタ時間等を計測対象物体に応じて最適な受光量が得られるように制御する。これにより上記のセンサ装置においては計測動作を高速、かつ、高精度に行なうことが可能になる。
【特許文献1】特開2005−291719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
レーザダイオードの駆動回路は、一般的に、光出力を安定させるAPC(Auto Power Control)機能を有している。このような駆動回路(以下、「APC回路」と称する)は、レーザダイオードの光出力をモニタして、その結果をレーザダイオードの駆動電流にフィードバックする。
【0009】
APC回路の特性上、動作開始から定常動作(すなわちフィードバック制御)が可能になるまでには、たとえば数μs程度の期間を必要とする。このため従来の光学式変位センサにおいて、シャッタ開放期間をAPC回路の立上り時間程度まで短くすると以下のような課題が生じる。
【0010】
図14は、従来の光学式変位センサにおいてシャッタ開放期間を短くしたときの課題を説明する図である。
【0011】
図14を参照して、信号SHTにおけるLレベルの期間(期間t)を短くすることでシャッタ開放期間が短くなる。しかし、シャッタ開放期間を短くするとシャッタ開放直後(APC回路の駆動開始直後)からレーザダイオードが定電流駆動するまでの過渡応答期間におけるレーザダイオードの光出力が変位センサの計測結果に影響を及ぼす。
【0012】
図14に示すように、過渡応答期間においてレーザダイオードの光出力が立ち上がるために、シャッタ開放期間においては光出力が安定していない。このためレーザダイオードの投光量が不足する。また、過渡応答期間ではレーザダイオードの温度に応じて光出力が変動するので投光量が不安定になる。また、レーザダイオードの光出力が安定しないため、レーザビームの空間強度分布が微妙に変化することが考えられる。そうすると計測対象物体の表面において最も強く照射される位置も微妙に変化する。
【0013】
これらの理由により、2次元撮像素子が撮像した画像に基づいて計測処理を行なったとしても、正確な結果が得られないことが起こり得る。
【0014】
特に、計測対象物体の表面が鏡面状であれば反射光量が大きくなるため上記の問題が生じやすくなる。このような物体に光を当てると反射光の光量が大きくなるために、2次元撮像素子の出力が飽和する可能性がある。これを防ぐためには、シャッタ開放期間を短くする(たとえばシャッタ開放期間を数μs以下に設定する)とともにレーザダイオードの発光期間も短くする必要がある。
【0015】
しかしながら、上述したように、従来の光学式変位センサの場合、レーザダイオードの駆動回路の時定数が影響するほど短い期間内でレーザダイオードの発光を制御することが困難であるため、表面での光の反射が大きな物体の変位を計測するのが困難である。
【0016】
このように、従来の変位センサにおいてはシャッタ開放時における発光が不安定なために、精度の高い計測を行なうことが困難となる可能性が存在した。
【0017】
本発明の目的は、より精度の高い計測を可能にする光学式変位センサおよびその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は要約すれば、光学式変位センサであって、計測対象物体の表面に光ビームを照射する投光部と、照射指示に応じて投光部を駆動する駆動回路と、撮像指示に応じ、計測対象物体の表面において光ビームにより照射された照射領域を撮像する撮像部とを備える。撮像部は、計測対象物体の表面の変位に応じて撮像面における照射領域の結像位置が変化する方向から、照射領域を撮像する。光学式変位センサは、照射指示を出力し、かつ、照射指示を出力してから所定の期間が経過した後に撮像指示を出力する撮像制御部と、撮像部が撮像した照射領域の画像を用いて、所定の計測処理を実行する計測処理部とをさらに備える。
【0019】
好ましくは、駆動回路は、光ビームの強度を観測して、光ビームの強度が所定値に保たれるように投光部を駆動する。
【0020】
より好ましくは、所定の期間は、投光部が光ビームを発してから、光ビームの強度が所定値に実質的に達するまでの期間に等しい。
【0021】
さらに好ましくは、投光部は、光ビームをパルス光として照射する。撮像制御部は、計測対象物体に応じて駆動回路を制御して、撮像部の受光量が所定の条件を満たすようにパルス光の照射時間を制御する。
【0022】
より好ましくは、計測処理部は、外部からの指示に応じて、撮像制御部に照射指示と撮像照射指示を出力させる開始指示を出力する。撮像制御部は、開始指示に応じて、照射指示と撮像指示とを1度ずつ出力する。
【0023】
より好ましくは、計測処理部は、外部からの指示に応じて、撮像制御部に照射指示と撮像照射指示を出力させる開始指示を出力する。撮像制御部は、開始指示に応じて、所定の周期で照射指示と撮像指示とを交互に繰返して出力する。
【0024】
より好ましくは、投光部は、照射領域をスポット状に照射するように光ビームを発する。計測処理部は、所定の計測処理として、照射領域の変位を計測する。
【0025】
より好ましくは、投光部は、照射領域が線状に延びるように光ビームを発する。計測処理部は、所定の計測処理として、照射領域の延びる方向に沿う照射領域の変位の分布を算出して、照射領域における計測対象物体の表面の形状を計測する。
【0026】
好ましくは、投光部は、光ビームを発するレーザダイオードを含む。駆動回路は、レーザダイオードをパルス駆動する。
【0027】
本発明の他の局面に従うと、光学式変位センサの制御方法である。光学式変位センサは、計測対象物体の表面に光ビームを照射する投光部と、照射指示に応じて投光部を駆動する駆動回路と、撮像指示に応じ、計測対象物体の表面において光ビームにより照射された照射領域を撮像する撮像部とを備える。撮像部は、計測対象物体の表面の変位に応じて撮像面における照射領域の結像位置が変化する方向から、照射領域を撮像する。制御方法は、光ビームを照射してから所定の期間が経過した後に照射領域を撮像するステップと、撮像部が撮像した照射領域の画像を用いて、所定の計測処理を実行するステップとを備える。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、撮像開始直後から一定強度の光ビームを計測対象物体の表面に照射することで撮像に十分な光量の光が得られるので、高精度の計測が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0030】
[光学式変位センサの構成]
まず、図1〜図4を用いて、本実施形態に係る光学式変位センサの構成について説明する。なお、以下では「光学式変位センサ」を単に「変位センサ」と称する。
【0031】
本実施形態の変位センサは、制御盤などへのコンパクトな収容を可能とするために、また狭小な計測環境への据え付けを容易とするために、信号処理部とセンサヘッド部が分離されたいわゆるアンプ分離型の変位センサである。
【0032】
図1は、本実施形態の変位センサの信号処理部1およびセンサヘッド部2の外観斜視図である。
【0033】
図1を参照して、信号処理部1の外殻ケース10は、やや細長い直方体形状の形態を有している。外殻ケース10の前面からは、図示されていないが外部接続コードが引き出されている。この外部接続コードには、外部入力線、外部出力線、電源線等が含まれている。外部入力線は、例えば上位装置としてのPLC(Programmable Logic Controller)等から信号処理部1に対して各種の指令を外部から与えるためのものである。外部出力線は、信号処理部1の内部で生成されたスイッチング出力やアナログ出力などをPLC等へ出力するためのものである。電源線は、信号処理部の内部回路に対する電源を供給するためのものである。また、外殻ケース10の下面には、図示されていないがUSB(Universal Serial Bus)コネクタと、RS-232Cコネクタとが設けられている。
【0034】
外殻ケース10の上面には開閉可能な操作部蓋14が設けられている。この操作部蓋14の下には、信号処理部1における各種の指令操作などを行なうための操作部が設けられている。また、外殻ケース10の上面には、センサヘッド部2により取得された計測対象画像情報や計測結果、計測値、設定画面等の表示を行なうための表示部15が配置されている。
【0035】
外殻ケース10の左右側面には、信号処理部間コネクタ蓋16が設けられている。この信号処理部間コネクタ蓋16の内部には、他の信号処理部1を接続するための信号処理部間コネクタが設けられている。複数の信号処理部1は、DINレールを介して隣接結合状態で1列に連装可能とされる。信号処理部1の外殻ケース10の上面には、センサヘッド部接続用コネクタ17が設けられている。信号処理部1はこのセンサヘッド部接続用コネクタ17を介して後述するセンサヘッド部2に接続されている。
【0036】
センサヘッド部2は、センサヘッド部接続用コネクタ17に対応する信号処理部接続用コネクタ27と、ケーブル21と、センサヘッド本体部20とを含む。
【0037】
センサヘッド本体部20は、投光窓51から計測対象物体にレーザ光を照射し、受光窓52に計測対象物体からの反射光を受ける。センサヘッド本体部20は、計測対象物体の形状に応じて光像位置が変化して見える角度から計測対象物体の表面を撮影する。
【0038】
図2は、センサヘッド本体部から照射されるレーザ光について説明するための図である。
【0039】
図2に示すように、センサヘッド本体部20に内蔵された投光素子(レーザダイオード)から出射されるパルス状レーザ光(パルス光)が、図示しない投光レンズを通して、計測対象物体5の表面にスリット光L1として照射される。これにより、計測対象物体5の表面にはスリット光の照射光像LM(以下ラインビーム像とも称する)が形成される。
【0040】
計測対象物体5で反射したスリット光の反射光L2はセンサヘッド部2内の図示しない受光レンズを通して2次元撮像素子(フォトダイオードアレイ、CCD、CMOS撮像素子等)へと入射される。
【0041】
すなわち、計測対象物体5の表面を、2次元撮像素子により異なる角度から撮影することにより、スリット光の照射光像LMを含む映像信号を取得する。そして、この映像信号に基づいて、所定の特徴量が抽出されて、目的とする変位量(この例ではセンサヘッド部2と計測対象物体5との距離)のLMに沿った分布が求められる。
【0042】
図3は、図1における信号処理部1の電気的ハードウェア構成の全体を示すブロック図である。なお信号処理部1は本発明の「計測処理部」に対応する。
【0043】
図3に示されるように、信号処理部1は、制御部101と、記憶部102と、表示部103と、センサヘッド部2との通信部104と、外部機器との通信部105と、キー入力部106と、外部入力部107と、出力部108と、電源部109とを含む。
【0044】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)とFPGA(Field Programmable Gate Array)とにより構成され、信号処理部1全体の統括制御を担う。この制御部101は、センサヘッド部2から受ける受光信号(画像情報)に基づいて所定の計測処理を実行する。
【0045】
記憶部102は、不揮発性メモリ(EEPROM)102aと、表示部103に表示される画像データを記憶する画像メモリ102bとを含む。
【0046】
表示部103は、閾値や計測対象物体までの距離等に係る各種数値等が表示される液晶表示部103aと、目的とする出力であるオン/オフ状態等を示す表示灯LED103bとを含む。
【0047】
通信部104は、センサヘッド部2との通信を担うものである。
通信部105は、外部のパソコン(PC)110に接続するためのUSB通信部105aと、コマンドやプログラムデータの送受信などに使用されるシリアル通信部105bと、所定のプロトコル並びに送受信フォーマットに従って、左右の隣接する他の信号処理部との間でデータ通信を行なう信号処理部間通信部105cとを備えている。
【0048】
キー入力部106は、図示しない各種設定のためのスイッチや操作ボタン等で構成される。外部入力部107は例えばPLC等の上位装置から、信号処理部1に対して各種の指令を受信するためのものである。出力部108は、目的とするオン/オフ出力をPLC等の上位装置に出力するために使用される。電源部109は、制御部101並びに外部のハードウェア回路に対し電源を供給するものである。
【0049】
図4は、センサヘッド部2の電気的ハードウェア構成を示すブロック図である。
図4に示されるように、センサヘッド部2は、制御部201と、計測対象物体5へと向けてスリット光を照射するための投光部202と、計測対象物体5により反射されて到来するスリット光を受光する受光部203と、表示灯LED204と、記憶部205と、通信部206と、APC回路207とを備えている。
【0050】
制御部201は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)とPLD(Programmable Logic Device)とにより構成され、センサヘッド部2の各構成要素202〜207を統括制御するとともに、受光信号を受光部203から取り出し、信号処理部1に送り出す処理を担うものである。すなわち制御部201は本発明の「撮像制御部」に対応する。
【0051】
また、後述するように、制御部201は図3の信号処理部1から信号TRG(開始指示)を受けて、APC回路207と受光部203とに信号DR,SHTをそれぞれ出力する。信号DR,SHTは本発明の「照射指示」および「撮像指示」にそれぞれ対応する。
【0052】
投光部202は、この例では投光素子としてのレーザダイオードを備え、計測対象物体の照射領域へ向けてスリット光(光ビーム)を照射する。
【0053】
受光部203は、本発明における「撮像部」に対応する。受光部203はスリット光の反射光を受光する2次元撮像素子(フォトダイオードアレイ、CCD、CMOS撮像素子等)と、制御部201からのタイミング制御信号に同期して、2次元撮像素子から得られる受光信号を増幅して制御部201に出力する受光信号処理部とを含む。なお信号SHTに応じて2次元撮像素子の電子シャッタが制御される。これにより2次元撮像素子は撮像を行なって受光信号(画像データ)を出力する。
【0054】
表示灯LED204は、センサヘッド部2の各種動作状態に対応して点消灯する。記憶部205は、例えば不揮発性メモリ(EEPROM)から構成され、この例では、センサヘッド部2を同定するためのID(識別情報)等が記録される。通信部206は、制御部201の命令に従って、信号処理部1との通信を担うものである。
【0055】
APC回路207は、レーザダイオードから発せられるレーザビーム(光ビーム)の強度を観測してレーザダイオードの光出力が一定(所定値)に保たれるようにレーザダイオードに印加する駆動電流を制御する。APC回路207の動作の開始および終了は信号DRによって制御される。
【0056】
レーザダイオードの光出力は、周囲の温度あるいは半導体チップの温度に応じて変動しやすい。温度変動が生じても一定の光出力が得られるように、APC回路207はレーザダイオードに印加する電流に対して光出力の変動をフィードバックする。なお一般的にレーザダイオードのパッケージの内部にはレーザビームを発する半導体チップとそのレーザビームの強度をモニタするためのフォトダイオードとが実装されている。APC回路207はフォトダイオードの出力を受けてレーザビームの強度を観測する。
【0057】
また、信号DRはパルス信号である。よってAPC回路207はレーザダイオードをパルス駆動する。これによりレーザダイオードの消費電力が大きくなるのを防ぐことができる。また、レーザダイオードの温度上昇を抑えることができるので、光出力の低下を抑えることができる。また、レーザダイオードを長持ちさせることができる。
【0058】
[計測原理の説明]
次に、図5〜図7を用いて、本実施形態に係る光学式変位センサの計測の原理と計測動作の一例を説明する。
【0059】
図5は、センサヘッド本体部20の光学系の断面の構成を示す図である。
図5において、レーザダイオード202aから発せられたレーザビームはスリット202bを通して断面線状の光線(スリット光)に成形された後、投光レンズ202cを介して計測対象物体5の表面の線状領域にラインビームとして照射される。なお、図5では断面図を示しているので、図中、断面内においてレーザビームは収束光として絞られて計測対象物体へ照射される図として示しているが、断面に垂直な方向に関しては広がった光束となっており、スリット光として計測対象物体へ照射されている。
【0060】
一方、このラインビームの照射により生じた切断光の照射光像(照射領域)は、所定の角度から受光レンズ203bを介して2次元撮像素子(ここでは2次元CCD)203aで撮影される。よく知られているように、2次元CCDの撮影角度は、計測対象物体5の高さ変化に対応して、光像のCCD上への結像位置(CCDの撮像面における結像位置)が変化するように位置決めされている。このように、三角測量の原理に基づいて断面内に垂直な方向に沿うラインビーム像の各位置毎に高さ(ステージ5Sの位置を基準としたときのステージ5Sから計測対象物体5の表面まで変位)が計測される。
【0061】
図6は、センサヘッド部からの照射光と反射光を示した図である。
図7は、2次元撮像素子で反射光をラインビーム像として撮像した画像である。
【0062】
図6、図7を参照して、一例として、蒲鉾型(扁平に変形した半円型)の計測対象物体の段差の計測について説明する。図6に示すようにレーザ光が照射された計測対象物体の表面を撮影すると、表面高さに応じて撮像素子の受光面上の輝点の位置が変化する図7のようなラインビーム像が得られる。
【0063】
物体表面の高さが変化すると撮像素子の受光面上で所定の方向(変位方向)に像が移動することになる。この像から、各ラインビームが照射されている物体表面上のトップとボトムの差を算出し、照射角と受光角を用いて演算を行なえば計測対象物体の段差の測定が可能となる。
【0064】
また、このラインビームの延びる方向に沿って、物体表面におけるラインビーム上の位置(ラインビーム上の点)と物体表面のボトムとの段差の分布を算出すればラインビームが照射されている物体の表面の形状を計測することができる。
【0065】
[投光制御処理の説明]
図8は、信号処理部1の操作部蓋14を開けた状態を示す図である。
【0066】
図8を参照して、センサヘッド本体部20からレーザビームが照射されているときに点灯するLDON表示灯701、設定したオフセット値を差し引いて演算を行なうゼロリセット機能が有効な場合に点灯するZERO表示灯702、計測可能な状態であることを示すENABLE表示灯が外殻ケース10の上面の上側に並べられている。左側に並べられた表示灯704は、計測結果を閾値等により判定を行なった結果を表示する等に用いられる表示灯であり、例えば計測値が2つの閾値の間にあるときに点灯する。計測条件はT1〜T4の4つまで設定可能である。
【0067】
操作部蓋14を開けた下には、1から4までのファンクションキー705が設けられおり、計測内容の設定を行なうための設定モード(FUNモード)では、表示部15に縦横2個ずつ並べて表示されるアイコンを選択するための選択キーとして、あるいは、1から4までの番号が付されて表示される選択候補を選択するための選択キーとして機能する。
【0068】
左下の切替スイッチ706は、スタンダードモード(STD)とエキスパートモード(EXP)のいずれの動作を行なうかを選択するためのスイッチである。スタンダードモードに切り替えたときには簡単に標準的な設定が可能な設定方法が有効になり、エキスパートモードに切り替えたときには従来方法のような各計測点や領域を個々に設定する設定方法が有効となる。
【0069】
モード切替スイッチ707は、左端位置は設定を行なう為のFUNモード、中央位置では計測結果の判定を行なう為の閾値設定やその調整のためのADJモード、右端位置は計測処理を実行するRUNモードであり、それぞれの位置に切り替えられることでそれぞれに応じたモードの動作が実行される。
【0070】
MENU/VIEWキーはメニュー画面と計測対象画像や計測結果の画面の表示をキー押下毎に切り替える場合や、設定時に対象画像を決定する設定を行なうための場合の、いわゆるティーチングキーとしても機能する。十字キー709は、設定領域の移動や表示部15に表示された選択候補を上下左右に移動させるため等に用いられる。右下のSETキー711は、選択候補の決定を行なう。ESCキー711は、先に行なった操作の取消しを行なう。
【0071】
図9は、本実施形態における変位センサの投光制御処理を説明する図である。
図9および図4を参照して、時刻t1では通信部206を介して制御部201に入力される信号TRGがLレベルからHレベルに立ち上がる。制御部201は、信号TRGの変化に応じ、時刻t2において、信号DRをLレベルからHレベルに変化させる。なお制御部201が信号DRをLレベルからHレベルに変化させることは、本発明において撮像制御部が照射指示を出力することに対応する。
【0072】
APC回路207は信号DRがLレベルからHレベルに変化すると、投光部202に含まれるレーザダイオードの駆動を開始し、レーザダイオードから発せられる光ビームの強度が所定値に保たれるように制御する。
【0073】
信号LDはレーザダイオードの光出力を示す。時刻t2においてAPC回路207からレーザダイオードへの電流の印加が開始されるので信号LDは立ち上がり、時刻t3においてレーザダイオードの光出力は所定値の100%に達する。時刻t3以後、レーザダイオードの光出力は所定値の100%に保たれる。
【0074】
時刻t2から時刻t3までの期間は、本発明における「所定の期間」に対応する。この期間はAPC回路207の過渡応答期間であり、レーザダイオードの光出力が温度や個体特性ばらつきに応じて変化する。この期間にはレーザダイオードの光出力を補償することが困難である。
【0075】
よって本実施形態では時刻t3以後において撮像を開始する。時刻t4において制御部201は信号SHTをHレベルからLレベルに変化させる。これにより2次元撮像素子のシャッタが開放されて2次元撮像素子は撮像を開始する。なお制御部201が信号SHTをHレベルからLレベルに変化させることは、本発明において撮像制御部が撮像指示を出力することに対応する。
【0076】
次に時刻t5において制御部201は信号DRをHレベルからLレベルに変化させる。これによりAPC回路207はレーザダイオードの駆動を停止する。よって、信号LDの強度は所定値の100%から0%に減少する。
【0077】
続いて時刻t6において制御部201は、信号SHTをLレベルからHレベルに変化させる。これにより2次元撮像素子のシャッタが閉じるので、2次元撮像素子の撮像が終了する。なお、制御部201は信号SHTをLレベルからHレベルに変化させた後に信号DRをHレベルからLレベルに変化させてもよい。
【0078】
このように本実施形態では、制御部201は、まず照射指示を出力して(信号DRをLレベルからHレベルに変化させて)、投光部202に含まれるレーザダイオードの発光を開始させる。そして、制御部201は、照射指示を出力してから所定の期間が経過した後に撮像指示を出力して(信号SHTをHレベルからLレベルに変化させて)、受光部203に含まれる2次元撮像素子の撮像を開始させる。この「所定の期間」は、レーザダイオードが光ビームを発してから、その光ビームの強度の値が所定値に実質的に達するまでの期間に設定される。これにより2次元撮像素子のシャッタの開放直後から安定した投光条件が維持される。
【0079】
よって本実施形態によれば、シャッタの開放期間を短くしても撮像素子は計測対象物体の撮像に十分な光量の光を受けることができるので高精度の計測が可能になる。
【0080】
図10は、本実施形態における変位センサのメインの動作フローを示すフローチャートである。
【0081】
図10および図3を参照して、処理が開始されると、まずステップS1において、投光条件の設定が行なわれる。ステップS1において、たとえば計測者は信号処理部1のキー入力部106に設けられた各種スイッチや操作ボタンを操作して、レーザダイオードを発光させる期間、レーザダイオードの発光の周期、および発光モード(後述)等の各種の発光条件を設定する。投光条件の設定に関する情報はたとえば制御部101の内部に記憶される。
【0082】
計測開始時には、計測者はキー入力部106のスイッチを操作する。これによりキー入力部106から指示(信号ST)が送られる。なお計測者がパソコン110を操作して信号処理部1に指示(信号ST)を与えてもよい。制御部101は外部からの指示に相当する信号STに応じて信号TRGを出力する。
【0083】
次に図10および図4を参照して、ステップS2において、センサヘッド部2の制御部201は、信号TRG(開始指示)が入力されたか否かを判定する。信号TRGが制御部201に入力された場合(ステップS2においてYES)、処理はステップS3に進み、そうでない場合(ステップS2においてNO)、ステップS2の処理が繰返される。
【0084】
ステップS3において、制御部201は信号TRGに基づき、内部のレジスタに記憶される内容を設定する。そしてステップS3において制御部201は設定された発光モードがトリガ発光モードと連続発光モードとのいずれであるかを判定する。
【0085】
発光モードがトリガ発光モードであれば、ステップS4において制御部201はトリガ発光処理を行なう。発光モードが連続発光モードであれば、ステップS5において制御部201は連続発光処理を行なう。以後はステップS4あるいはステップS5の処理が繰返される。
【0086】
図11は、図10のトリガ発光処理および連続発光処理を説明するフローチャートである。
【0087】
図11および図4を参照して処理が開始されると、ステップS11において、制御部201はAPC回路207に対してHレベルの信号DRを与える。APC回路207は投光部202に含まれるレーザダイオードに電流を印加する。これによりレーザダイオード(LD)の発光が開始する。
【0088】
レーザダイオードの発光開始から所定の期間が経過すると、ステップS12において制御部201はLレベルの信号SHTを受光部203に与える。受光部203に含まれる2次元撮像素子の電子シャッタが開き、計測対象物体の撮像が開始される。
【0089】
続いてステップS13において制御部201は信号DRをLレベルに変化させる。これによりレーザダイオードの発光が終了する。続いてステップS14において制御部201は信号SHTをHレベルに変化させる。これにより2次元撮像素子の電子シャッタが閉じるので撮像が終了する。このようにトリガ発光モードでは開始指示に応じて照射指示と撮像指示とを1度ずつ出力する。
【0090】
続いてステップS15において、制御部201は受光信号(画像情報)を受光部203から取り出し、図1に示す信号処理部1に送り出す。信号処理部1(より特定的には制御部101)は受光信号に基づいて、変位の計測あるいは物体表面の形状の計測等の計測処理を実行する。
【0091】
なお、連続発光モードの場合には制御部201は所定の周期で照射指示と撮像指示と交互に繰返して出力する。この場合には図11において破線の矢印で示すように、ステップS11〜S15の処理が所定の周期で繰返される。
【0092】
本実施形態に係る変位センサはトリガ発光モードを有するので、任意のタイミングで計測が可能になる。このため、たとえばトリガセンサをコンベア周辺に配置した製造ラインに本実施形態の変位センサを設置することで、コンベア上を流れる製品がトリガセンサの光軸を通過すると同時に、あるいは通過してから所定期間後にその製品の表面の所望の場所における段差、幅、および表面形状等を計測できる。これにより検査工程における検査精度を向上させることができる。
【0093】
また、従来の変位センサは、発光モードとして連続発光モードのみを有していた。本実施形態に係る変位センサも連続発光モードを有する。よって従来の変位センサが設置された製造ラインを大幅に変更することなく、本実施形態に係る変位センサを新たに設置したり、従来の変位センサを本実施形態に係る変位センサに置き換えたりすることができる。
【0094】
また、表面からの反射光量が大きい物体の表面の変位を計測するためには、2次元撮像素子の出力の飽和を防ぐ必要がある。このため、このような物体の表面の変位を計測するためには、物体の表面に一定強度の光ビームを短時間だけ照射しながら、撮像期間(シャッタ開放期間)を短くする必要がある。
【0095】
本実施形態によれば、シャッタ開放期間を短くしてもシャッタ開放直後から安定した強度の光を計測対象物体に照射することが可能であるので、シャッタ開放期間(およびレーザダイオードの発光期間)を短くすることが可能になる。よって、本実施形態によれば上述したような物体の表面の変位を高精度で計測できる。
【0096】
図12は、本実施形態による効果を具体的に説明する図である。
図12を参照して、2次元撮像素子のシャッタ開放期間(信号SHTがLレベルの期間)は約3msである。また、8ms間隔で撮像が連続的に開始される。
【0097】
たとえば回路基板上のはんだ等のように計測対象物体の表面が鏡面である場合(第1の例)、計測対象物体からの反射光の光量は大きくなる。この場合、レーザダイオードの発光期間はたとえば約1μsに設定される。
【0098】
たとえば計測対象物体が黒い布である場合(第2の例)、計測対象物体からの反射光の光量は小さくなる。この場合、レーザダイオードの発光期間はシャッタ開放期間と同じく約3msに設定される。
【0099】
たとえば計測対象物体が白色セラミックチップ(たとえばチップ抵抗等)である場合、計測対象物体からの反射光の光量は上記の第1の例での光量と第2の例での光量との間の大きさとなる。この場合、たとえばレーザダイオードの発光期間はシャッタ開放期間の半分の長さである約1.5msに設定される。
【0100】
レーザダイオードの発光期間は制御部201により制御される。従来であれば、第1の例のような物体に対しては表面の変位を高精度に計測できなかった。しかしながら本実施形態によれば、投光部202(レーザダイオード)は、光ビームをパルス光として照射する。制御部201は、計測対象物体5に応じてAPC回路207を制御して、受光部203における受光量、すなわち受光部203が受けた計測対象物体5の表面からの反射光の光量が所定の条件(たとえば撮像素子の出力が飽和しない範囲でノイズに対して十分な大きさとなるという条件)を満たすようにパルス光の照射時間を制御する。これにより本実施形態によれば表面からの反射光の光量が様々な物体を対象として物体表面の変位を計測できる。このように本実施形態によれば、変位センサのダイナミックレンジを拡大できる。
【0101】
なお、上述の説明では、投光部から照射される光ビームは計測対象領域表面において線状に広がる光ビームであるとした。ただし投光部から発せられる光ビームは、計測対象物体の表面をスポット状に照射してもよい。この場合には、光スポットが照射された位置における計測対象物体の表面の高さを計測することが可能になる。
【0102】
また、この場合には撮像素子は2次元撮像素子でもよいし1次元撮像素子でもよい。ただし1次元撮像素子の場合には、複数の受光画素の配置方向が撮像面において結像位置の変化する方向と同じとなるように1次元撮像素子が配置される必要がある。
【0103】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本実施形態の変位センサの信号処理部1およびセンサヘッド部2の外観斜視図である。
【図2】センサヘッド本体部から照射されるレーザ光について説明するための図である。
【図3】図1における信号処理部1の電気的ハードウェア構成の全体を示すブロック図である。
【図4】センサヘッド部2の電気的ハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】センサヘッド本体部20の光学系の断面の構成を示す図である。
【図6】センサヘッド部からの照射光と反射光を示した図である。
【図7】2次元撮像素子で反射光をラインビーム像として撮像した画像である。
【図8】信号処理部1の操作部蓋14を開けた状態を示す図である。
【図9】本実施形態における変位センサの投光制御処理を説明する図である。
【図10】本実施形態における変位センサのメインの動作フローを示すフローチャートである。
【図11】図10のトリガ発光処理および連続発光処理を説明するフローチャートである。
【図12】実施形態による効果を具体的に説明する図である。
【図13】従来の光学式変位センサにおける投光タイミングと撮像タイミングとの関係を説明する図である。
【図14】従来の光学式変位センサにおいてシャッタ開放期間を短くしたときの課題を説明する図である。
【符号の説明】
【0105】
1 信号処理部、2 センサヘッド部、5 計測対象物体、5S ステージ、10 外殻ケース、14 操作部蓋、15 表示部、16 信号処理部間コネクタ蓋、17 センサヘッド部接続用コネクタ、20 センサヘッド本体部、21 ケーブル、27 信号処理部接続用コネクタ、51 投光窓、52 受光窓、101,201 制御部、102,205 記憶部、102a EEPROM、102b 画像メモリ、103 表示部、103a 液晶表示部、103b 表示灯LED、104,105,206 通信部、105a USB通信部、105b シリアル通信部、105c 信号処理部間通信部、106 キー入力部、107 外部入力部、108 出力部、109 電源部、110 パソコン、202 投光部、202a レーザダイオード、202b スリット、202c 投光レンズ、203 受光部、203a 2次元CCD、203b 受光レンズ、204 表示灯LED、207 APC回路、701,702,704 表示灯、705 ファンクションキー、706 切替スイッチ、707 モード切替スイッチ、708 MENU/VIEWキー、709 十字キー、711 SETキー、L1 スリット光、L2 反射光、LM 照射光像、S1〜S15 ステップ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象物体の表面に光ビームを照射する投光部と、
照射指示に応じて前記投光部を駆動する駆動回路と、
撮像指示に応じ、前記計測対象物体の表面において前記光ビームにより照射された照射領域を撮像する撮像部とを備え、
前記撮像部は、前記計測対象物体の表面の変位に応じて撮像面における前記照射領域の結像位置が変化する方向から、前記照射領域を撮像し、
前記照射指示を出力し、かつ、前記照射指示を出力してから所定の期間が経過した後に前記撮像指示を出力する撮像制御部と、
前記撮像部が撮像した前記照射領域の画像を用いて、所定の計測処理を実行する計測処理部とをさらに備える、光学式変位センサ。
【請求項2】
前記駆動回路は、前記光ビームの強度を観測して、前記光ビームの強度が所定値に保たれるように前記投光部を駆動する、請求項1に記載の光学式変位センサ。
【請求項3】
前記所定の期間は、前記投光部が前記光ビームを発してから、前記光ビームの強度が前記所定値に実質的に達するまでの期間に等しい、請求項2に記載の光学式変位センサ。
【請求項4】
前記投光部は、前記光ビームをパルス光として照射し、
前記撮像制御部は、前記計測対象物体に応じて前記駆動回路を制御して、前記撮像部の受光量が所定の条件を満たすように前記パルス光の照射時間を制御する、請求項3に記載の光学式変位センサ。
【請求項5】
前記計測処理部は、外部からの指示に応じて、前記撮像制御部に前記照射指示と前記撮像照射指示を出力させる開始指示を出力し、
前記撮像制御部は、前記開始指示に応じて、前記照射指示と前記撮像指示とを1度ずつ出力する、請求項2に記載の光学式変位センサ。
【請求項6】
前記計測処理部は、外部からの指示に応じて、前記撮像制御部に前記照射指示と前記撮像照射指示を出力させる開始指示を出力し、
前記撮像制御部は、前記開始指示に応じて、所定の周期で前記照射指示と前記撮像指示とを交互に繰返して出力する、請求項2に記載の光学式変位センサ。
【請求項7】
前記投光部は、前記照射領域をスポット状に照射するように前記光ビームを発し、
前記計測処理部は、前記所定の計測処理として、前記照射領域の変位を計測する、請求項2に記載の光学式変位センサ。
【請求項8】
前記投光部は、前記照射領域が線状に延びるように前記光ビームを発し、
前記計測処理部は、前記所定の計測処理として、前記照射領域の延びる方向に沿う前記照射領域の変位の分布を算出して、前記照射領域における前記計測対象物体の表面の形状を計測する、請求項2に記載の光学式変位センサ。
【請求項9】
前記投光部は、前記光ビームを発するレーザダイオードを含み、
前記駆動回路は、前記レーザダイオードをパルス駆動する、請求項1に記載の光学式変位センサ。
【請求項10】
光学式変位センサの制御方法であって、
前記光学式変位センサは、計測対象物体の表面に光ビームを照射する投光部と、
照射指示に応じて前記投光部を駆動する駆動回路と、
撮像指示に応じ、前記計測対象物体の表面において前記光ビームにより照射された照射領域を撮像する撮像部とを備え、
前記撮像部は、前記計測対象物体の表面の変位に応じて撮像面における前記照射領域の結像位置が変化する方向から、前記照射領域を撮像し、
前記制御方法は、
前記光ビームを照射してから所定の期間が経過した後に前記照射領域を撮像するステップと、
前記撮像部が撮像した前記照射領域の画像を用いて、所定の計測処理を実行するステップとを備える、光学式変位センサの制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2008−45926(P2008−45926A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−219947(P2006−219947)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】