説明

光導波路型センサーとその作製方法

【課題】 光接続損失を小さく抑えつつ、構造が簡単・小型で、高感度、温度依存性がなく、製造コストの安い、変位や振動、加速度等を計測できる光導波路型センサー。
【解決手段】 基板4上に3個の透明ブロック1〜3が相互に端面を近接した状態で並列されてなり、両側の透明ブロック1、3は基板4上に固定され、中央の透明ブロック2は基板に弾性部材5を介して固定されており、各透明ブロック1〜3内に横断するように光導波路11〜13が形成されており、静止状態において隣接する透明ブロック1〜3の光導波路11〜13が相互に接続状態にされている光導波路型センサー10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光導波路型センサーとその作製方法に関し、特に、変位や振動、加速度等の物理量を計測することができる光導波路型センサーと、フェムト秒レーザーを用いてその光導波路型センサーを作製する方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
振動や加速度等の物理量を測定する方法として、光センサーが従来から用いられている。電気的なセンサーと比較して、光センサーは電磁界の干渉に強く、広帯域、小型という利点がある。
【0003】
現在、振動や加速度を測定する光センサーとしては、ファイバーブラッググレーティングセンサーが主流である。ファイバーブラッググレーティングセンサーでは、光ファイバーのコアに形成された回折格子によるブラッグ反射光の波長シフトから、センサー部分に生じた歪み量を測定する。この波長シフト量から振動や加速度を算出するのだが、その波長シフト量は、センサー部分に加えられた歪みだけでなく、温度にも強く依存する。このため、実際の工場や建物でファイバーブラッググレーティングセンサーを用いる場合には、温度補償が不可欠であるので、そのためにセンサー自体が複雑な構造となり、高コスト化が避けられない。また、ファイバーブラッググレーティングの作製には高価な位相マスクが必要であり、また、その位相マスクは消耗品であり、この点でも高コスト化が避けられない。
【0004】
ファイバーブラッググレーティングセンサー以外には、光ファイバー間に振動体を設置し、光フィイバー間の光信号が振動体によって周期的に遮られることを利用して振動や加速度を測定する方法がある(特許文献1)。しかし、この方法では、2つの光ファイバーの間に振動体を設置するための間隔を空ける必要があり、大きな光接続損失が生じる。また、振動体によって光信号が遮られることによる出力信号の変化を測定しているため、高感度を達成することが難しい。また、光ファイバーのコア径はシングルモード光ファイバーで約10μm程度であるため、振動体を高い精度でセンサー内部に設置しなければならず、位置合わせ等にコストがかかる。
【0005】
また、片持ちされ振動可能にされた振動光ファイバーの自由端と固定光ファイバーの一端とを突き合わせるように配置し、振動光ファイバーの自由端から出射した光が固定光ファイバーの端面に配置された蛍光膜を照射し、その蛍光膜から出た入射光とは異なる波長の光を振動光ファイバーの自由端から取り込んでその強度変化を検出することにより振動を検出するセンサーが特許文献2で提案されている。
【0006】
しかし、この振動センサーは、2本の光ファイバーを位置合わせして対向させるために高精度の取り付け基板が必要であり、高コストとなる。また、蛍光膜で波長を変換するため、変換損失がある分感度が低下し高感度を達成することが難しい。さらには、蛍光膜を使用するため長寿命化が難しい。
【特許文献1】特開平6−130082号公報
【特許文献2】特開平8−145780号公報
【特許文献3】特開平9−311237号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光接続損失を小さく抑えつつ、構造が簡単・小型で、かつ高感度で、温度依存性がなく、製造コストの安い、変位や振動、加速度等の物理量を計測することができる光導波路型センサーとその作製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明の光導波路型センサーは、基板上に3個の透明ブロックが相互に端面を近接した状態で並列されてなり、両側の透明ブロックは基板上に固定され、中央の透明ブロックは基板に弾性部材を介して固定されており、各透明ブロック内に横断するように光導波路が形成されており、静止状態において隣接する透明ブロックの光導波路が相互に接続状態にされていることを特徴とするものである。
【0009】
この場合、前記弾性部材が両端で前記基板に固定され中間部が前記基板の面に直交する方向に撓み自在に配置された弾性梁部材からなることが望ましい。
【0010】
また、前記3個の透明ブロックが同一透明材料からなることが望ましい。
【0011】
また、前記の両側の透明ブロックの一方の光導波路の前記中央の透明ブロックと反対側の端部から測定光が導入され、前記の両側の透明ブロックの他方の光導波路の前記中央の透明ブロックと反対側の端部から信号光が取り出されるように構成されていることが望ましい。
【0012】
また、前記の両側の透明ブロックの光導波路の前記中央の透明ブロックと反対側の端部にそれぞれ光ファイバーが接続され、一方の光ファイバーを介して測定光が導入され、他方の光ファイバーを介して信号光が取り出されるように構成されていることが望ましい。
【0013】
光導波路型センサーは、例えば、振動センサー、あるいは、加速度センサーとして使用することができる。
【0014】
本発明の光導波路型センサーの作製方法は、基板上に3個の透明ブロックを相互に端面を近接した状態で並列させ、両側の透明ブロックを基板上に固定し、中央の透明ブロックを基板に弾性部材を介して固定した状態で、3個の透明ブロックを集光されたフェムト秒レーザー光が横断するように相対移動させることにより、3個の透明ブロック中に相互に接続された光導波路を形成することを特徴とする方法である。
【0015】
この場合、前記3個の透明ブロックが同一透明材料からなることが望ましい。
【0016】
また、前記3個の透明ブロックの表面が全て沈むように液体中に前記基板毎浸けて、その液体表面から集光されたフェムト秒レーザー光を入射させて、3個の透明ブロック中に相互に接続された光導波路を形成することが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の光導波路型センサーは、基板上に3個の透明ブロックが相互に端面を近接した状態で並列されてなり、両側の透明ブロックは基板上に固定され、中央の透明ブロックは基板に弾性部材を介して固定されており、各透明ブロック内に横断するように光導波路が形成されており、静止状態において隣接する透明ブロックの光導波路が相互に接続状態にされているので、外力による振動や加速度、また、中央の透明ブロックの変位等を高感度で測定することができる。また、温度依存性がほとんどなくこれらの物理量の測定が可能である。さらには、電磁界の影響がない測定が可能である。また、経時変化する部材がないため、長寿命で測定が可能である。
【0018】
さらに、本発明の光導波路型センサーの製造方法は、基板上に3個の透明ブロックを相互に端面を近接した状態で並列させ、両側の透明ブロックを基板上に固定し、中央の透明ブロックを基板に弾性部材を介して固定した状態で、3個の透明ブロックを集光されたフェムト秒レーザー光が横断するように相対移動させることにより、3個の透明ブロック中に相互に接続された光導波路を形成するので、光導波路同士の位置ずれ、角度ずれが起こることは原理的にないため、心合わせ工程を経ずに低損失の光導波路接続を行うことができ、高精度の位置合わせ、及び、透明材料の加工なしで、低損失に接続された光導波路が作製でき、センサー作製プロセスの簡略化、短時間化が可能であり、低コストに作製できる。
【0019】
本発明の光導波路型センサーは、例えば、建造物の構造健全性をモニタリングするセンサーネットワーク、高速道路の梁、乗り物、新幹線の梁等のヘルスモニター、工作機械等の機械構造物の変形・振動モニターに適用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の光導波路型センサーとその作製方法を実施例に基づいて説明する。
【0021】
図1に本発明の光導波路型センサー10の1実施例の構成を示す。図1(a)はその斜視図、図1(b)は平面図、図1(c)は側面図である。図1(a)〜(c)に示すように、この実施例の光導波路型センサー10は、平面状の相互に並列した3つの光導波路部材1、2、3を備えており、その中の中央の光導波路部材2を両側から挟むように配置された光導波路部材1と光導波路部材3は同一基板4上に固定されている。そして、中央の光導波路部材2は、基板4上に両端で固定され中間部が基板4の面に直交する方向に撓み自在に配置された弾性梁部材5の中間部に固定されている。各光導波路部材1、2、3中にはそれぞれ光導波路11、12、13が形成されており、この光導波路型センサー10が静止状態において、光導波路11、12、13はそれぞれ端部において相互に位置合わせ(心合わせ)状態になるように配置されている。
【0022】
そして、例えば光導波路部材1の光導波路11の光導波路部材2側とは反対の端部に入力光ファイバー6を接続し、光導波路部材3の光導波路13の光導波路部材2側とは反対の端部に出力光ファイバー7を接続しておき、入力光ファイバー6の反対端から測定光を導入し、出力光ファイバー7の反対端から信号光を取り出して光電変換素子でその信号光の強度変化を検出する。
【0023】
このような配置において、光導波路型センサー10に振動や加速度等の外力が加わると、両側の光導波路部材1と光導波路部材3は基板4上に固定されているが、中央の光導波路部材2は外力の影響で弾性梁部材5が撓むため基板4の面に直交する方向に振動あるいは変位する。中央の光導波路部材2が外力によって両側の光導波路部材1と光導波路部材3に対して相対的に変位すると、光導波路11と光導波路12の間、及び、光導波路12と光導波路13の間に変位量に依存した量の心ずれが生じ、光導波路11から光導波路13に至る光線路中に2度接続損失が重なる。したがって、入力光ファイバー6を経て導入され、出力光ファイバー7を介して検出される信号光に、外力の振動や加速度等に応じた強度変化が生じるので、出力信号の変化から振動の振動数や振幅、加速度の大きさ等が測定できる。
【0024】
光導波路11〜13のコア径は、後記のフェムト秒レーザーを用いた作製方法によれば、約10μmに形成されるため、出力信号は中央の光導波路12のわずかな変位で大きく変化し、外力による振動や加速度、また、中央の光導波路部材2の変位等を高感度で測定することが可能である。また、ファイバーブラッグレーティングセンサーと比べて、出力信号の温度依存性は極めて低い(温度依存する機能がない)。また、中央の光導波路部材2の両側の基板4に固定された光導波路部材1、3の光導波路11、13に光ファイバー6、7を接続できるため、中央の光導波路部材2の運動は光ファイバー6、7の影響を受けない。また、光導波路11、12、13同士の接続箇所は2箇所であるため、接続箇所が1箇所の場合よりも損失曲線が急峻となり、変位に対する感度が格段に上がるという利点がある。
【0025】
次に、以上のような光導波路型センサー10の作製方法の1例を説明する。この方法は、光導波路11、12、13の作製に特許文献3等で提案されたフェムト秒レーザーによる屈折率変化誘起を用いる方法である。光導波路部材1、2、3として例えば石英ガラス等の透明材料からなる矩形ブロックを用い、図2の斜視図に示すように、基板4上に光導波路部材1と光導波路部材3を固定し、その間の基板4上に弾性梁部材5を両端で固定し、弾性梁部材5の中間部の上に光導波路部材3を固定し、中央の光導波路部材2を両側から僅かな間隔を介して挟むように光導波路部材1と光導波路部材3とを中央の光導波路部材2に対して平行に配置する。
【0026】
この状態で、3つの光導波路部材1、2、3を横断するように、集光レンズ21で光導波路部材1、2、3内部に集光されるフェムト秒レーザーからのレーザー光(フェムト秒レーザー光)20の集光位置を光導波路部材3から光導波路部材2さらには光導波路部材1へ(あるいは、光導波路部材1から光導波路部材2さらには光導波路部材3へ)と相対移動させることにより、3つの光導波路部材1、2、3間に自動接続された光導波路11、12、13を光導波路部材1、2、3内に一括して作製する。
【0027】
その後、光導波路部材1の光導波路11の光導波路部材2側とは反対の端部に入力光ファイバー6を、光導波路部材3の光導波路13の光導波路部材2側とは反対の端部に出力光ファイバー7を紫外線硬化樹脂等を用いて接続することにより、図1の光導波路型センサー10が完成する。
【0028】
このフェムト秒レーザーを用いた作製方法では、光導波路11、12、13同士の位置ずれ、角度ずれが起こることは原理的にないため、心合わせ工程を経ずに低損失の光導波路接続を行うことができる。なお、この場合、高いパルス繰り返し率(1MHz以上)のフェムト秒レーザーを用いると、材料によらず真円形のコア形状を持つ光導波路を作製することが可能であり、光導波路のコア形状の違いによる損失を低減することが可能である。このような高い繰り返し率のフェムト秒レーザーを用いた場合、熱の蓄積により屈折率が上昇する。熱は等方的に拡散するため屈折率変化領域は球状になる。
【0029】
従来の方法を用いて個別の光導波路部材1、2、3内部に光導波路11、12、13を作製してから、図1の光導波路型センサー10を組み立てる方法でも、本発明の光導波路型センサー10を作製することができるが、光導波路11〜13のコア径が約10μmであるため、サブミクロンの精度の位置合わせが必要であり、また、透明材料をサブミクロンの精度で加工する必要がある。これに対して、本発明の作製方法では、フェムト秒レーザーを用いるため、屈折率が等しいか又は近い透明材料同士であれば、光導波路11、12、13同士の位置ずれ、角度ずれが起こることは原理的にないため、心合わせ工程を経ずに低損失の光導波路接続を行うことができ、高精度の位置合わせ、及び、透明材料の加工なしで、低損失に接続された光導波路11、12、13が作製できる(特願2004−125367号)。
【0030】
また、本発明の作製方法によると、センサー作製プロセスの簡略化、短時間化が可能であり、低コストに作製できる特長がある。
【0031】
ところで、本発明の光導波路型センサー10は、上記のように、基板4と、光導波路部材1、2、3としての矩形ブロック3個と、板状の弾性梁部材5とを用意し、基板4上に光導波路部材1と光導波路部材3を固定し、その間の基板4上に弾性梁部材5を両端で固定し、弾性梁部材5の中間部の上に光導波路部材3を固定して組み立て状態にした後に、フェムト秒レーザー光20を集光して走査することで光導波路11、12、13を一括して作製しているが、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス。TI社の登録商標)を作製するのと同様のフォトリソグラフィーの技術を適用して、基板4、光導波路部材1、光導波路部材3、弾性梁部材5、光導波路部材2を一体に連結した一体化状態で形成することも可能である。
【0032】
なお、図2のように、集光レンズ21で集光されたフェムト秒レーザー光20の集光位置を相対移動させて光導波路11、12、13を形成する場合、光導波路部材1、2、3の表面の位置レベルにバラツキがあると、光導波路部材1、2、3内でのフェムト秒レーザー光20の集光位置が同一レベルでなくなるため、光導波路11と光導波路12の間、光導波路12と光導波路13の間の接続が不完全になる。これを避けるためには、図2の光導波路部材1、2、3の表面が全て沈むように液体中に、特に、屈折率が光導波路部材1、2、3の屈折率に等しいか近似した屈折率整合液中に基板4毎浸けて、その液体表面から集光レンズ21で集光されたフェムト秒レーザー光20を入射させて光導波路部材1、2、3中に光導波路11、12、13を形成するようにすることが望ましい。なお、この際、その液体の浮力で中央の光導波路部材2の表面の位置レベルが若干移動するが、弾性梁部材5のバネ定数を大きくすることにより、その問題は避けられる。
【0033】
次に、本発明の光導波路型センサー10の1つの具体例における特性について説明する。
【0034】
図3は、以上のようにして作製した図1のような構成の光導波路型センサー10の光導波路12の光導波路11、13に対する軸ずれ量と損失の関係をみた図であり、◆は光導波路11から光導波路13に至る損失をプロットした点であり、接続箇所が光導波路11と光導波路12の間、光導波路12と光導波路13の間の2箇所ある場合である。また、実線はその場合の理論的な損失を示す曲線である。一方、図中の■は光導波路11から光導波路12に至る損失、あるいは、光導波路12から光導波路13に至る損失をプロットした点であり、接続箇所が光導波路11と光導波路12の間、あるいは、光導波路12と光導波路13の間の1箇所のみの場合である。また、点線はその場合の理論的な損失を示す曲線である。
【0035】
この図3から、本発明の光導波路型センサー10においては、接続箇所が2箇所あるため、接続箇所が1箇所の場合よりも損失曲線が急峻となり、変位に対する感度が格段に上がっていることが分かる。
【0036】
図4は、本発明の光導波路型センサー10の周波数応答特性例を示す図である。この図から、共振を起こす最大応答周波数(この例では、86Hz)以外の周波数においても、広い周波数領域において外力の振動に対して応答可能であるので、図4のような周波数応答特性を予め取得しておくことで、広い周波数領域において振動を高精度で計測することができる。なお、中央の光導波路部材2にのせる錘を変えることで、センサーの周波数応答も容易に調整できる(錘が重い程、図4の最大応答周波数が周波数が低い方へシフトする。)。
【0037】
図5は、本発明の光導波路型センサー10の加速度応答特性例を示す図である。この例では、軸ずれ量と損失が略比例する線形領域で使用しており、加速度と損失が略比例している。この図から、光導波路型センサー10に加わる加速度を高精度で計測できることが分かる。なお、中央の光導波路部材2にのせる錘を変えることで、特性を示す直線の傾きが変わるのでセンサーの加速度応答も容易に調整できる(錘をより重くすることで、より小さい加速度の測定も可能である。)。
【0038】
以上、本発明の光導波路型センサーとその作製方法を実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれらの実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の光導波路型センサーの1実施例の構成を示す斜視図(a)、平面図(b)、側面図(c)である。
【図2】図1の光導波路型センサーの作製方法の1例を説明するための斜視図である。
【図3】図1の構成の光導波路型センサーの中央の光導波路の両側の光導波路に対する軸ずれ量と損失の関係をみた図である。
【図4】本発明の光導波路型センサーの周波数応答特性例を示す図である。
【図5】本発明の光導波路型センサーの加速度応答特性例を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1、2、3…光導波路部材
4…基板
5…弾性梁部材
6…入力光ファイバー
7…出力光ファイバー
10…光導波路型センサー(本発明)
11、12、13…光導波路
20…フェムト秒レーザーからのレーザー光(フェムト秒レーザー光)
21…集光レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に3個の透明ブロックが相互に端面を近接した状態で並列されてなり、両側の透明ブロックは基板上に固定され、中央の透明ブロックは基板に弾性部材を介して固定されており、各透明ブロック内に横断するように光導波路が形成されており、静止状態において隣接する透明ブロックの光導波路が相互に接続状態にされていることを特徴とする光導波路型センサー。
【請求項2】
前記弾性部材が両端で前記基板に固定され中間部が前記基板の面に直交する方向に撓み自在に配置された弾性梁部材からなることを特徴とする請求項1記載の光導波路型センサー。
【請求項3】
前記3個の透明ブロックが同一透明材料からなることを特徴とする請求項1又は2記載の光導波路型センサー。
【請求項4】
前記の両側の透明ブロックの一方の光導波路の前記中央の透明ブロックと反対側の端部から測定光が導入され、前記の両側の透明ブロックの他方の光導波路の前記中央の透明ブロックと反対側の端部から信号光が取り出されるように構成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の光導波路型センサー。
【請求項5】
前記の両側の透明ブロックの光導波路の前記中央の透明ブロックと反対側の端部にそれぞれ光ファイバーが接続され、一方の光ファイバーを介して測定光が導入され、他方の光ファイバーを介して信号光が取り出されるように構成されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の光導波路型センサー。
【請求項6】
振動センサーとして使用することを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の光導波路型センサー。
【請求項7】
加速度センサーとして使用することを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の光導波路型センサー。
【請求項8】
基板上に3個の透明ブロックを相互に端面を近接した状態で並列させ、両側の透明ブロックを基板上に固定し、中央の透明ブロックを基板に弾性部材を介して固定した状態で、3個の透明ブロックを集光されたフェムト秒レーザー光が横断するように相対移動させることにより、3個の透明ブロック中に相互に接続された光導波路を形成することを特徴とする光導波路型センサーの作製方法。
【請求項9】
前記3個の透明ブロックが同一透明材料からなることを特徴とする請求項8記載の光導波路型センサーの作製方法。
【請求項10】
前記3個の透明ブロックの表面が全て沈むように液体中に前記基板毎浸けて、その液体表面から集光されたフェムト秒レーザー光を入射させて、3個の透明ブロック中に相互に接続された光導波路を形成することを特徴とする請求項8又は9記載の光導波路型センサーの作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−201014(P2006−201014A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−12467(P2005−12467)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(899000079)学校法人慶應義塾 (742)
【Fターム(参考)】