説明

光波測距方式及び測距装置

【課題】測距精度を向上させると共に測距可能な距離を伸ばすことができ、安価に測距装置を構成することが可能となる光波測距方式及び測距装置を提供する。
【解決手段】第一のPN符号により符号変調された光波を、測距ターゲットに対して発信すると共に第一のPN符号と同一符号で、かつ微小に異なる周波数を有する第二のPN符号を生成して第一のPN符号と第二のPN符号との相関値を低周波の波形信号へと変換し、測距ターゲットにより反射された光波を第二のPN符号を印加した受光素子によって受信し、積分処理して低周波の波形信号へと変換し、送信側相関信号と受信側相関信号との位相差を求め、その位相差から測距ターゲットまでの距離を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、M系列等のPN符号に符号変調された光波を用いる光波測距方式及び測距装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からある測距方式は大別すると、以下の三方式を基本としている。
1.三角法方式
この方式は低価格の測距センサ用として実現されているが、原理的に測距精度が不十分で、かつ遠方まで計測できないため本出願が対象とする装置には適用できない。
【0003】
2.TOF(Time of Flight )方式
TOF方式は短い光パルスを送信し、測距対象物から反射したパルスを受信し、その往復飛行時間を計測することにより距離を計測するものである。
この方式は光の速度に直接依存するため近距離の計測や高分解能を要求する用途には不向きである。例えば15mmの分解能を得るためには10GHzのクロックで飛行時間をカウントする必要がある。
【0004】
また、この場合50ps程度のパルスを処理しなければならないためパルス波形の影響も大きく、近距離からの反射パルスと遠距離からの反射パルス形状は大きく違うので閾値の設定も難しい。また、そのような短パルスに対応したダイナミックレンジの大きな増幅器も難しく測距の高分解能化は困難である。
【0005】
さらに、間接的に時間伸張機能により高いクロック周波数を用いなくても時間計測を行える方式も実現されているが、計測に要する時間が増大したり、波形のなまりが依然として問題となり、分解能を上げることが困難である。
【0006】
3.位相差方式
位相差方式は高分解能を実現できる方式であるが、高分解能を実現するためには反射光の強度が安定していること及び、雑音が少ない等、安定した反射光を必要とする。その為、受光信号に対して多数回の平均化を行い信号対雑音比を向上させながら計測を行う必要がある。このため計測に要する時間が増加し、静止体のみが計測対象となっている。
【0007】
4.PN測距方式
疑似乱数信号を用いた測距方式に関し特許文献1に基本的な原理が示されている。
この方式は擬似乱数信号としてM系列やGold系列などの自己相関特性の良好な符号系列で光を強度変調し送信し、目標で反射された光を受信し相関処理を行うことにより距離計測を行う。
この方式によれば、位相差方式において問題となっていた点、つまり、安定な反射光を必ずしも必要とせず、高分解能で外来雑音に強いなどの特徴を実現している。
【0008】
【特許文献1】特開2002−055158号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
PN測距方式における相関処理方法として特許文献1では図8で示すように、APD等の受光素子31で光検出し増幅後に相関器(2)32によって相関処理が行われ、光の強度変調周波数と同じ周波数成分が受光素子31から出力され、相関器(2)32まで導かれている。
しかしこの方式では、この相関器(2)32まで導かれる経路が強度変調周波数における位相誤差を大きくする要因となっている。
すなわち、この特許文献1に示された方法では受光素子31で変調された光波を検出し、その変調周波数を出力する場合以下の点で不利となる。
(1)高分解能の計測を行う場合、通常、数百 MHz の信号周波数で強度変調を行う。
受光素子31で検出、出力された信号は当然、強度変調された周波数であるので、後段の増幅器33から相関器(2)32まで、その周波数で動作しなければならない。一般に光波が反射される面は拡散反射であり、受光される信号は著しく微弱であり、数nW 程度を想定しなければならない。このような微弱光から後段の増幅器33で数百MHz の信号の位相を変化させずに増幅することは困難である。
【0010】
(2)距離情報は位相情報として捉えられるため、受光素子31以降の回路のあらゆる状態、例えば温度、電源電圧等の変動によっても位相を変化させないことが必要となる。
これを数百MHz で安定化させることは困難である。
【0011】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑み、測距精度を向上させると共に測距可能な距離を伸ばことができ、安価に測距装置を構成することが可能となる光波測距方式及び測距装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち上記課題を解決するための本発明の測距方式は、(1)第一のPN符号により符号変調された光波を、測距ターゲットに対して発信する手段と、(2)前記測距ターゲットにより反射された前記光波を受信する手段と、(3)前記第一のPN符号と同一符号で、かつ微小に異なる周波数を有する第二のPN符号を生成する手段と、(4)前記第一のPN符号と前記第二のPN符号との相関値により、送信側相関信号を生成する手段と、(5)第二のPN符号を印加した前記受信光波に基づき受信側相関信号を生成する手段と、(6)前記送信側相関信号と前記受信側相関信号との位相差を求め、その位相差から前記測距ターゲットまでの距離を算出する手段とを含むことを特徴とする。
【0013】
第二のPN符号を印加した前記受信光波を積分処理する手段を含む様にしてもよい。
【0014】
送信側相関信号と受信側相関信号との間の遅延時間を基準発振器から独立した別計測系で測定する様にしてもよい。
【0015】
さらに本発明の測距装置は、(1)PN符号を発生する第一のPN符号発生器と、(2)前記第一のPN符号発生器からの符号出力により符号変調された光波を測距ターゲットに対して送信する送信器と、(3)前記測距ターゲットにより反射された前記光波を受信する受光素子と、(4)前記第一のPN符号発生器と同一の符号で微小に異なる周波数の第二のPN符号発生器と、(5)前記第一のPN符号発生器が発生する第一のPN符号と、前記第二のPN符号との相関値である送信側相関信号と第二のPN符号発生器からの第二のPN符号を受光素子に印加して受光素子から出力される受信側相関信号との位相差を計測する位相差計測手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
第二のPN符号発生器からの第二のPN符号を受光素子に印加して受光素子から出力される受信側相関信号を積分処理する積分回路を備えるようにしてもよい。
【0017】
第一のPN符号発生器が基準発振器が発生する周波数により駆動されてPN符号を発生し、第二のPN符号発生器は前記基準発信器と微小に異なる周波数を発生する参照用発振器が発生する周波数により駆動されて前記第一のPN符号発生器と同一の符号を発生する様にしてもよい。
【0018】
バイアス回路からの直流電圧と第二のPN符号発生器からの第二のPN符号を重畳回路にて合成した信号が受光素子に印加される様にしてもよい。
【0019】
送信側相関信号と受信側相関信号との間の遅延時間をビートダウンカウンタで測定する様にしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
以上のように本発明の光波測距方式及び測距装置によれば、PN符号に符号変調された光波を用い、高分解能及び高精度の測距を行うにあたり、受光素子から光の変調周波数(数十 MHz 〜 1GHz )を直接、取り出して回路の後段で処理する必要がなくなり、通常は数KHz 程度の低い周波数成分の相関信号を取り出せばよい。これによって温度や電源電圧などの変動など回路の状態変化から生じる位相変動を少なくすることができ、測距精度を向上させることができる。
【0021】
また目標からの反射光は非常に微弱な光である。その光で発生した微少な電流を効率よく、しかも低雑音で電圧信号に変換する為に用いられる回路としてはトランスインピーダンス回路が一般的である。しかし、数百MHz の高い周波数で動作するトランスインピーダンス回路は一般的ではなく、数十MHz 程度が限界である。また、このような周波数で動作する回路では低雑音にすることは難しく、また、高価となる。しかし、本発明により数KHz 程度の周波数の信号を処理すればよいので、非常に低雑音で安価なトランスインピーダンス回路を構成することができる。また、低雑音であることから、より微弱な光が受信可能となるので測距可能な距離を伸ばすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明を実施するための最良の形態について、図を参照して以下に説明する。
図1は、本発明の測距装置における装置構成概略一例を示すブロック図である。
図1を参照すると、本発明の測距装置は、所定の周波数を発生する基準発振器1と、基準発振器1が発生する周波数により位相同期回路PLL(1)を介して駆動されてPN符号を発生する符号発生器(1)2と、符号発生器(1)2からの符号出力により符号変調された光波をドライバ3を介して測距ターゲット20に対して発信する送信器4と、測距ターゲット20により反射された光波を受信する受光素子5とを備える。
【0023】
さらに、本発明の測距装置は、基準発振器1が発生する周波数により位相同期回路PLL(2)を介して駆動されて符号発生器(1)2と同一の符号を発生する符合発生器(2)6と、符号発生器(1)2が発生する第一のPN符号と符合発生器(2)6が発生する第二のPN符号との相関値を求めて相関信号を発生する相関器7と、バイアス回路からの直流電圧と第二のPN符号発生器からの第二のPN符号を重畳回路にて合成した信号を受光素子に印加して受光素子から出力される受信側相関信号を積分処理する積分回路8と、相関器7の出力信号と、積分回路8の出力信号との位相差を計測する位相検波器9とを有して測距ターゲット20までの距離を求める情報処理装置(図示せず)とにより構成される。
【0024】
図2及び図3は基準発振器1とPLL(1)及びPLL(2)によって構成される同期発信器の詳細を示す。図2においてPLL(1)は位相比較器1−1とローパスフィルタLPF1−2と電圧に応じて周波数が変化する電圧制御発振回路VCO1と分周器(1)1−3とよりなる。
またPLL(2)は位相比較器2−1とローパスフィルタLPF2−2と電圧に応じて周波数が変化する電圧制御発振回路VCO2と分周器(2)2−3とよりなる。
【0025】
図3は基準発振器1とPLL(1)及びPLL(2)によって伝搬時間計測を間接的に行うビートダウンとよばれる手法の原理を示す。光や電波などの電磁波信号の到達時間差を計測して距離を計測する位相差方式において、簡易な方法で直接、信号の到達時間差を計測することは困難である。
例えば、1[mm]の距離分解能を得る場合、信号の往復を考慮すると2[mm]を伝搬する時間を計測しなければならない。
大気中の伝搬速度は約3×10 [m/s]であるから2[mm]の伝搬時間は86.7[ps](=2[mm]/3×10 [m/s])となり、非常に高速かつ高精度な時間計測系を必要とする。このような時間計測系は非常に高価であったり、消費電力が大きいなどの欠点がある。したがって、本発明の測距装置では図3に示すビートダウン法が適用される。
【0026】
図3で、DELAY は信号が計測目標まで達し、反射してきた時の伝搬時間(φ)である。 MOD は変調信号発生器であり周波数f1の信号S1(t)を発生させる。
また、LO はビートダウンに必要な局部発振信号器であり周波数f2 の信号S2(t)を発生させる。STD OSCは 基準発振器を示し、STDは基準信号、DELAYは距離による遅延時間、Mixer1,2はそれぞれ乗算器、LPFはLow Pass Filter、Vrefは参照信号を示す。 DelayCNは遅延時間カウンタ、Vdelayは測距信号を示す。
この図3に示す各信号発生器の振幅を1としても一般性を失わないので、S 1(t)、S2(t)は、それぞれ次式で表すことができる。
S1(t)=cos(2IIf1t) −−−−− (1)
S2(t)=cos(2IIf2t) −−−−− (2)
【0027】
Mixer1の出力は
S1(t)× S2(t)=cos(2IIf1t)× cos(2IIf2t)= 1/2[cos 2II(f1+f2)t +cos 2II(f1−f2)t ]−−−−−(3)
となる。さらにLPF(Low Pass Filter)を経由すると(3)式の右辺第一項は出力されなくなる。
よって、Vrefは
Vref= 1/2[cos {2II( f1−f2) t }]−−−−−(4)
となる。
【0028】
また、S(t)は伝搬遅延φが生じた後にMixer2に入力されるので、その出力は
S1(t+φ)×S2(t)=cos(2IIf1t+φ)× cos(2IIf2t)= 1/2[cos{ 2II(f1+f2)t+φ+cos {2II(f1−f2)t +φ }]−−−−−(5)
となり、LPFを経由すると
Vdelay=1/2[ cos 2II(f1−f2)t +φ]−−−−−(6)
となる。
【0029】
したがって、f1での遅延時間φが(f1−f2)でも同じ遅延量となることがわかる。
つまり、f2をf1に近い周波数とすると(f1−f2)は非常に低い周波数とすることができ、fで生じた遅延時間量が(f1−f2)の低い周波数で計測できることになる。
例えば、f1−f2が10[KHz]程度となるようにf1、f2を選択する。

仮に
f1=800.00[MHz]
f2=799.99[MHz]

とすると
f1−f2 =10[KHz]
となる。
【0030】
つまり、800[MHz]で伝搬遅延量φを計測することと、10[KHz]で伝搬遅延量φを計測することは同じであるから、ビートダウンを行い、より低い周波数で計測する方が容易である。
通常、図4のようにビートダウンされた信号はゼロクロスコンパレータ及びカウンタ等で、遅延量を時間として計測される。計測された伝搬遅延量φから距離R を算出すると
R= c /2(1− f2/f1 )φ −−−−− (7)
となる。以上が、ビートダウン法による測距の基本原理である。
この時、各周波数の偏差による誤差を考慮すると、同一の基準源に同期している場合、f1/f2 はキャンセルされるので距離計測誤差は生じない。
【0031】
次に図1に示した測距装置を用いた測距の手順について説明する。基準発振器1が所定周波数を発生し、符号発生器(1)2を駆動して、前記所定周波数の第一のPN符号を発生させる。第一のPN符号はドライバ3及び相関器7へと送出される。ドライバ3はPN符号変調された光波を発生し、送信器4がその光波を測距ターゲット20へと発信する。
【0032】
前記光波は、測距ターゲット20において反射される。
一方、符合発生器(2)6は、符号発生器(1)2が発生する第一のPN符号と同一符号で、かつ微小に周波数の異なる第二のPN符号を発生する。第二のPN符号は、重畳回路へ送出され、バイアス回路からの直流電圧に重畳されて受光素子5に印加される。
【0033】
バイアス回路からの直流電圧が重畳された第二のPN符号が重畳回路から印加された受光素子5は、測距ターゲット20において反射された光波を受信する。このように、APD等の受光素子5にバイアス回路からの直流電圧と符号発生器(2)からの符号信号を重畳回路にて合成した信号を印加する。
この時、受光素子5では、その非線形特性により光の検出と光信号及び符号信号が同時に乗算される。当然、光信号は符号発生器(1)により変調されているので、符号同士の乗算が行われることになる。
【0034】
図5は発生符号の周期関係を示し、図5の各ブロックが符号の一周期を表している。符号は系列は同一であるが、わずかに異なるクロック周波数であるので、図5に示すように一周期の長さが若干相違している。
【0035】
ここで、1と1’のブロックでは各ビット長が若干、異なるが、ほぼ同一と見なせるので、各ビット毎の(ここでは便宜上、+1、及び−1をとるとものとする)の乗算結果は全て1となる。この出力を図1に示した積分回路8によって周期毎に積分を行うとビットの一致数に比例した図6のような出力が得られる。
相関器7においては第一のPN符号と第二のPN符号との相関値が、積分回路8においては測距ターゲット20により反射された光波のPN符号と第二のPN符号との相関値がそれぞれ演算される。そしてそれら相関値からそれぞれ相関信号が発生される。
【0036】
このとき相関器7から出力される送信側相関信号、及び積分回路8から出力される受信側相関信号は、図6に示されるようにピーク信号が複数集合したバースト状信号となる。 この図6に示すΔTを計測することによって、距離測定値を得ることができる。
【0037】
次に本発明の測距装置の他の実施の形態を説明する。
図3に示すビートダウン法を適用する場合には、お互いに同期した二つの発振器を用意し、ビートダウンまたは相関処理を行い光波の変調周波数からより低い周波数成分を生成させ時間伸張を行い高分解能な計測を実現している。
しかし、二つの発振器の同期精度が時間伸張率に大きく影響し、誤差の一因となる。また、このような発振器は高価であり、コストを増加させる要因となっている。すなわち、図2に示した様に基準発振器1とPLL(1)及びPLL(2)によって構成される同期発信器が必要となり、同一の基準源に同期した発振器の構成とすることで、VCO などが必要となりコストが高くなる。
【0038】
ところで、前述したように計測された伝搬遅延量φから距離R を算出すると
R= c /2(1− f2/f1 )φ= c /2((f1− f2)/f1 )φ −−−−− (7)
となる。
f1−f2= fBDとおき、
R= c /2((fBD)/f1 )φ −−−−− (8)
とすると、この式(8)におけるfB D を図7に示すように別計測系であるfBDCNT(ビートダウンカウンタ)によってリアルタイムにビートダウン信号の周期を測定する様にすれば同期した発振器は必要ではなくなることがわかる。
【0039】
このように前述の実施の形態では高安定度の基準発振器1とPLL(1)及びPLL(2)によって構成される同期発信器、特にその中で使われる電圧制御発振器VCO が必要で高価な構成となっていた。しかし、本実施の形態では、測距値を決定する際に、位相の絶対値を計測する必要がなくなり、通常のカウンタによって位相の比率を算出することによって測距値を得ることが可能となる。これによって、安価に測距装置を構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態としての測距装置の一装置構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す本発明の実施の形態としての測距装置の一装置構成における同期発信器の詳細を示すブロック図である。
【図3】ビートダウンとよばれる手法の原理を示す説明図である。
【図4】ビートダウン手法により伝搬遅延量φから距離R を算出する態様を示す説明図である。
【図5】送信側相関信号及び受信側相関信号の周期関係を示す概略図である。
【図6】図1に示す本発明の実施の形態としての測距装置の積分器から出力された送信側波形信号及び受信側波形信号の概略図である。
【図7】本発明の他の実施の形態としての測距装置構成を示すブロック図である。
【図8】従来のPN測距方式の基本原理を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0041】
1・・・基準発振器、1−1,2−1・・・位相比較器、1−2,2−2・・・ローパスフィルタLPF、1−3,2−3・・・分周器(1)、2・・・符号発生器(1)、3・・・ドライバ、20・・・測距ターゲット、4・・・送信器、5・・・受光素子、6・・・符合発生器(2)、7・・・相関器、8・・・積分回路、9・・・位相検波器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)第一のPN符号により符号変調された光波を、測距ターゲットに対して発信する手段と、(2)前記測距ターゲットにより反射された前記光波を受信する手段と、(3)前記第一のPN符号と同一符号で、かつ微小に異なる周波数を有する第二のPN符号を生成する手段と、(4)前記第一のPN符号と前記第二のPN符号との相関値により、送信側相関信号を生成する手段と、(5)第二のPN符号を印加した前記受信光波に基づき受信側相関信号を生成する手段と、(6)前記送信側相関信号と前記受信側相関信号との位相差を求め、その位相差から前記測距ターゲットまでの距離を算出する手段とを含むことを特徴とする測距方式。
【請求項2】
第二のPN符号を印加した前記受信光波を積分処理する手段を含む請求項1記載の測距方式。
【請求項3】
送信側相関信号と受信側相関信号との間の遅延時間を基準発振器から独立した別計測系で相対的に測定する請求項1記載の測距方式。
【請求項4】
(1)PN符号を発生する第一のPN符号発生器と、(2)前記第一のPN符号発生器からの符号出力により符号変調された光波を測距ターゲットに対して送信する送信器と、(3)前記測距ターゲットにより反射された前記光波を受信する受光素子と、(4)前記第一のPN符号発生器と同一の符号で微小に異なる周波数の第二のPN符号発生器と、(5)前記第一のPN符号発生器が発生する第一のPN符号と、前記第二のPN符号との相関値である送信側相関信号と(6)第二のPN符号発生器からの第二のPN符号を受光素子に印加して受光素子から出力される受信側相関信号との位相差を計測する位相差計測手段とを備えることを特徴とする測距装置。
【請求項5】
第二のPN符号発生器からの第二のPN符号を受光素子に印加して受光素子から出力される受信側相関信号を積分処理する積分回路を備える請求項4記載の測距装置。
【請求項6】
第一のPN符号発生器が基準発振器が発生する周波数により駆動されてPN符号を発生し、第二のPN符号発生器は前記基準発信器と微小に異なる周波数を発生する参照用発振器が発生する周波数により駆動されて前記第一のPN符号発生器と同一の符号を発生する請求項4記載の測距装置。
【請求項7】
バイアス回路からの直流電圧と第二のPN符号発生器からの第二のPN符号を重畳回路にて合成した信号が受光素子に印加される請求項4記載の測距装置。
【請求項8】
送信側相関信号と受信側相関信号との間の遅延時間をビートダウンカウンタで測定する請求項4記載の測距装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−224595(P2008−224595A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−66803(P2007−66803)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(500176078)株式会社リンドバーグ (1)
【出願人】(507085601)
【出願人】(507085623)
【Fターム(参考)】